JP2016074749A - 顔料組成物およびそれを用いたトナー、インクジェット用インキ - Google Patents

顔料組成物およびそれを用いたトナー、インクジェット用インキ Download PDF

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Abstract

【課題】
トナー用またはインクジェット用インキの着色剤として、鮮明で高彩度な色相を呈するキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を提供する。
【解決手段】
キナクリドン顔料を得る脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られるキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物であり、トナーやインクジェットのようなデジタル印刷の着色剤として、非常に鮮明かつ高彩度な色相を呈するという格別顕著な効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】 なし

Description

本発明は、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物およびそれらを用いたトナー、インクジェット用インキに関する。
近年、パーソナルユーザーを対象としたデジタル機器が急速に普及し、フルカラーによる画像・映像コミュニケーションが幅広く浸透してきており、その出力手段の1つであるプリンターや複写機、インクジェットのようなデジタル印刷分野においても、従来よりも画像品質への要求が高まってきている。デジタル印刷に対する要求は、出版物のような印刷物の再現にとどまらず、ディスプレイ画像の再現にも及んでいることから、特に色の鮮明さへの要求、すなわち、色再現領域の拡張が強く求められている。
フルカラーデジタル印刷の場合、イエロー、マゼンタ、シアンの3色にブラックを加えた4色で様々な色再現を行うため、それぞれの色を呈する種々の顔料が使用されている。その中でもマゼンタ顔料としては、色相の青味・鮮明性や耐光性に優れる点でキナクリドン系顔料であるC.I.Pigment Red122が多く用いられてきた。しかし、該顔料は着色力が低く、着色力を補う目的で顔料を多量に使用した場合、系内における分散性の悪化を招くという問題を有しており、その結果色再現領域が狭くなる傾向にあった。
これらの問題を解決すべく、着色力に優れるアゾ系顔料、特に不溶性ナフトールアゾ顔料であるC.I.Pigment Red269が、色相、着色力、製造コスト、諸物性のバランスが良好であることから、近年注目を集めている。しかし、該顔料単独の色域は目標に対して黄味であり、忠実な色再現性を実現することが困難であることから、C.I.Pigment Red269とC.I.Pigment Red122を併用し、色相と着色力をお互いに補完しているのが現状である。
上記のような理由から、デジタル印刷用マゼンタ顔料として、色再現領域を拡張しつつ、着色力に優れる顔料の開発が望まれている。
そこで、色再現性、階調性、耐光性及び帯電特性に優れ、更には画像形成装置とのマッチングを良好なものとする乾式トナーとして、キナクリドン系着色剤:モノアゾ系着色剤=25:75〜75:25の着色剤を使用したトナーが提案されている。(引用文献1)
また、色濁りがなく鮮明な色調の高彩度カラー画像を形成するとともに、優れた耐光性を有するフルカラー画像形成を行うことが可能な静電荷像現像用トナーとして、結着樹脂と着色剤とを含有してなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記着色剤が、数平均1次粒径が30nm以上150nm以下で、かつ、長軸方向径と短軸方向径の比が1.0以上2.0以下であるキナクリドン系顔料とPigment Red238とを含有する静電荷像現像用トナーが提案されている。(引用文献2)
また、濁りがないマゼンダ色の電荷像現像用トナーとして、結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用マゼンタトナーにおいて、着色剤が、2種以上の着色剤を混晶させてなるものを含有することを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー、これを用いた画像形成方法が提案されている。(引用文献3)
しかし、これらの方法で提案された着色剤では、マゼンタ色として色再現が十分ではなく、着色力も低く彩度の高い印字物を得る事はできなかった。
特開2002−156795号公報 特開2011−022187号公報 特開2005−31275号公報
トナー用またはインクジェット用インキの着色剤として、鮮明で高彩度な色相を呈するキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を提供する。
そこで、本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究の結果、キナクリドンを得るための脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られた顔料組成物を着色剤として使用した場合、色再現性がよく、さらに着色力の高いトナーやインクジェット用インキを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、顔料組成物を製造する工程において、キナクリドン顔料を得る脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られるキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を提供する。
また、前記キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物において、キナクリドン顔料100部に対して、モノアゾ顔料を25部〜400部の割合である顔料組成物を提供する
また、前記キナクリドン顔料がC.I.Pigment Red122である顔料組成物を提供する。
また、前記モノアゾ系顔料がC.I.Pigment Red269である顔料組成物を提供する。
また、前記顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供する。
さらに、前記顔料組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インキを提供する。
本発明の顔料組成物は、キナクリドン顔料を得る脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られるキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物であり、トナーやインクジェットのようなデジタル印刷の着色剤として、非常に鮮明かつ高彩度な色相を呈するという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、キナクリドン顔料を得る脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することで、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料を二次粒子ではなく、一次粒子レベルで混合又は、固溶体化された顔料組成物である。
トナーまたはインクジェットによるデジタル印刷において、シアンやイエローとの色相バランスは極めて重要であり、色再現性においてマゼンタの色相を設定する上で、重要なポイントである。よって、本発明においては、所望の色相によりキナクリドン顔料とモノアゾ顔料を任意の割合で混合することができる。
本発明で使用出来るキナクリドン顔料としては、例えば、無置換キナクリドン、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン等が挙げられる。これらは、カラーインデックスの番号で表すと、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202等である。これらは単独使用でも二種以上を併用しても良い。しかしながら、本発明においては、C.I.Pigment Red 122をキナクリドン顔料の主成分とし用いることが好ましい。
次に本発明で使用出来るモノアゾ顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow1、C.I.Pigment Yellow2、C.I.Pigment Yellow3、C.I.Pigment Yellow5、C.I.Pigment Yellow6、C.I.Pigment Yellow10、C.I.Pigment Yellow49、C.I.Pigment Yellow60、C.I.Pigment Yellow65、C.I.Pigment Yellow73、C.I.Pigment Yellow74、C.I.Pigment Yellow75、C.I.Pigment Yellow97、C.I.Pigment Yellow98、C.I.Pigment Yellow111、C.I.Pigment Yellow116、C.I.Pigment Yellow120、C.I.Pigment Yellow130、C.I.Pigment Yellow142、C.I.Pigment Yellow151、C.I.Pigment Yellow154、C.I.Pigment Yellow165、C.I.Pigment Yellow167、C.I.Pigment Yellow175、C.I.Pigment Yellow181、C.I.Pigment Yellow194、C.I.Pigment Yellow205、C.I.Pigment Red2、C.I.Pigment Red5、C.I.Pigment Red7、C.I.Pigment Red8、C.I.Pigment Red9、C.I.Pigment Red10、C.I.Pigment Red11、C.I.Pigment Red12、C.I.Pigment Red13、C.I.Pigment Red14、C.I.Pigment Red15、C.I.Pigment Red16、C.I.Pigment Red17、C.I.Pigment Red18、C.I.Pigment Red21、C.I.Pigment Red22、C.I.Pigment Red23、C.I.Pigment Red31、C.I.Pigment Red32、C.I.Pigment Red95、C.I.Pigment Red112、C.I.Pigment Red114、C.I.Pigment Red119、C.I.Pigment Red136、C.I.Pigment Red146、C.I.Pigment Red147、C.I.Pigment Red148、C.I.Pigment Red150、C.I.Pigment Red164、C.I.Pigment Red170、C.I.Pigment Red171、C.I.Pigment Red175、C.I.Pigment Red176、C.I.Pigment Red184、C.I.Pigment Red185、C.I.Pigment Red187、C.I.Pigment Red188、C.I.Pigment Red208、C.I.Pigment Red210、C.I.Pigment Red212、C.I.Pigment Red213、C.I.Pigment Red222、C.I.Pigment Red223、C.I.Pigment Red238、C.I.Pigment Red245、C.I.Pigment Red253、C.I.Pigment Red256、C.I.Pigment Red258、C.I.Pigment Red261、C.I.Pigment Red266、C.I.Pigment Red267、C.I.Pigment Red268、C.I.Pigment Red269、C.I.Pigment Orange1、C.I.Pigment Orange6、C.I.Pigment Orange22、C.I.Pigment Orange24、C.I.Pigment Orange22、C.I.Pigment Orange24、C.I.Pigment Orange36、C.I.Pigment Orange38、C.I.Pigment Orange60、C.I.Pigment Orange62、C.I.Pigment Orange72、C.I.Pigment Violet13、C.I.Pigment Violet25、C.I.Pigment Violet32、C.I.Pigment Violet44、C.I.Pigment Violet50、C.I.Pigment Blue25、C.I.Pigment Brown1、C.I.Pigment Brown25等である。これらは単独使用でも二種以上を併用しても良い。しかしながら、本発明においては、C.I.Pigment Red 269をモノアゾ顔料の主成分とし用いることが好ましい。
キナクリドン顔料を得るための脱水縮合反応には、一般的にポリリン酸が用いられる。このポリリン酸は、公知慣用の製造方法で種々の濃度に調整することが出来る。本発明の製造方法においては、例えば、リン酸水溶液と無水リン酸とから調製することが出来る。ポリリン酸は、反応系を極力無水状態とし脱水縮合効率を高めるため、出来るだけ高濃度であることが好ましい。無水リン酸含有率80%以上のポリリン酸を得るには、80%以上、中でも80〜90%の濃度のリン酸水溶液を用いることが好ましい。
キナクリドン顔料の脱水縮合反応は、上記のように調整したポリリン酸にキナクリドン顔料の原料であるテレフタル酸系化合物、C.I.Pigment Red122を得る場合には、2,5−ジ(4−トルイジノ)テレフタル酸を縮合することにより得ることが出来る。ポリリン酸中に2,5−ジ(4−トルイジノ)テレフタル酸を添加し、脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加し、本発明の顔料組成物を得ることができる。
本発明における顔料組成物のキナクリドン顔料とモノアゾ顔料の比率は、任意の割合で混合することが可能である。本発明では、キナクリドン顔料100部に対して、モノアゾ顔料が25部〜400部、実際にはキナクリドン顔料100部に対して、モノアゾ顔料が33部〜300部の割合で顔料組成物を得ている。
キナクリドン顔料の脱水縮合反応は、反応が充分に行われる様に行えば良いが、通常、温度85〜140℃において1〜5時間加熱することで脱水縮合反応を行うことが出来る。この加熱に当たっては、反応系を撹拌する様にすることが好ましい。また、反応率を高めるために、反応系内の温度を段階的に変化させてもよい。
本発明において、モノアゾ顔料を添加する時期としては、キナクリドン顔料を得るための脱水縮合反応中であり、キナクリドン顔料の原料であるテレフタル酸系化合物と同時に添加しても良いし、フタル酸系化合物の添加直後、または十分に時間の経過した後に添加しても良い。好ましくは、上記したキナクリドン顔料の脱水縮合反応の温度および時間の範囲内において、モノアゾ顔料を添加することである。
脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加する時に、モノアゾ顔料を予めポリリン酸で溶解した状態で添加しても良いし、粉体の状態で添加しても良い。キナクリドン顔料とモノアゾ顔料が微細なレベルで均一に混合又は、固溶体を形成した顔料組成物が得られるのであればどちらの状態で添加しても構わない。さらに、脱水縮合反応時には、脱水縮合反応を阻害しない程度に各種界面活性剤、顔料誘導体、添加剤等を添加して、顔料組成物の結晶性、粒径の制御を施しても良い。
キナクリドンの脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られた顔料組成物は、次いで結晶化させるのが好ましい。この結晶化には、公知慣用の手法がいずれも採用でき、例えば、キナクリドン顔料およびモノアゾ顔料が不溶な液媒体と上記した反応液とを混合する方法が挙げられる。前記液媒体として水を用いて、環化反応液の温度を低下させると共に、それを希釈撹拌することで、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を水中に沈殿させることが出来る。この沈殿を濾過、洗浄することによりキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物が得られる。
こうして得られたキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物は、それに対して大過剰の、該顔料組成物を溶解しない液媒体中で加熱する方法、いわゆるソルベント法により処理することが好ましい。ソルベント法を行う場合には、上記にて濾過、洗浄した顔料組成物は、ウェットケーキのまま、あるいは乾燥して用いることが出来る。顔料組成物自体の乾燥工程を省略することが出来るだけでなく、乾燥凝集により顔料化に要する手間が増すことが無くなる点において、顔料組成物はウェットケーキのまま用いる方が好ましい。
本発明のソルベント法に用いられる液媒体としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒の様な極性プロトン性溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、スルホランの様な極性非プロトン性溶媒が挙げられる。
ソルベント法による処理工程では、上記の様にして得られたキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物のウェットケーキを使用してもよいことから、溶媒単独中だけでなく、実質的に溶媒と水の混合液体中で加熱処理することも出来る。この場合、溶媒と水の使用量の合計量は、質量換算でキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物のウェットケーキ中の固形分相当量100部に対して、例えば、300〜2000部、好ましくは500〜1500部である。一方、水の使用量は、同様に質量換算で、例えば、溶媒100部に対して、0〜300部とすることが出来る。
ソルベント法による処理工程における加熱処理の温度は、例えば、50〜200℃、好ましくは80〜150℃であり、攪拌時間は0.5〜15時間、好ましくは2〜10時間である。必要であれば、加圧下で加熱処理しても良い。また、溶媒やそれと水の混合液体に塩基を併用しても良い。ソルベント法による処理工程における加熱処理は、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を、前記混合液体中で撹拌しながら行うことが好ましい。
こうして、得られた顔料組成物から、溶媒を除去し、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物の粉体を得ることが出来る。尚、その洗浄方法としては、水洗、湯洗のいずれをも採用することが出来る。水洗または湯洗することで容易に前記溶媒を除去することが出来る。
前記した洗浄、濾過後の乾燥方法としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水をする回分式あるいは連続式で乾燥する方法等が挙げられる。またその際に使用する乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。
乾燥後の粉砕方法としては、顔料の比表面積を大きくするための操作ではなく、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用して乾燥する場合に、ランプ形状等のものとなった顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕方法が挙げられる。
こうして得られた本発明のキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物は、鮮明かつ高彩度、加えて高着色力である点から、静電荷現像用トナー、インクジェット用インキに好適に使用することが出来る。さらには、印刷インキ、塗料、カラーフィルター用の顔料としても使用可能である。
以下、実施例、比較例について試験例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中における「%」は、特に断りのない限り、いずれも質量%である。
[製造例1]
攪拌装置付の反応容器に、予めポリリン酸(無水リン酸含有率83.6%)2500部を調整しておく。次いで、2,5−ジ(4−トルイジノ)テレフタル酸 208部を添加し、125℃にて3時間攪拌した。この溶液にC.I.Pigment Red269 63部を添加し、さらに60分間攪拌後、水 14000部を仕込んだ攪拌装置付の容器に前記反応液を添加した。30分後に濾過、濾液が中性になるまで水洗し、顔料ウェットケーキを得た。オートクレーブ反応容器に前記顔料ウェットケーキ 1250部、水 800部、イソブタノール 800部を加えた後、90℃にて5時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、濾過、水洗乾燥、粉砕し、赤色顔料組成物1を得た。
[製造例2]
攪拌装置付の反応容器に、予めポリリン酸(無水リン酸含有率83.6%)2500部を調整しておく。次いで、2,5−ジ(4−トルイジノ)テレフタル酸 138部を添加し、125℃にて3時間攪拌した。この溶液にC.I.Pigment Red269 125部を添加し、さらに60分間攪拌後、水 14000部を仕込んだ攪拌装置付の容器に前記反応液を添加した。30分後に濾過、濾液が中性になるまで水洗し、顔料ウェットケーキを得た。オートクレーブ反応容器に前記顔料ウェットケーキ 1250部、水 800部、イソブタノール 800部を加えた後、90℃にて5時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、濾過、水洗乾燥、粉砕し、赤色顔料組成物2を得た。
[製造例3]
攪拌装置付の反応容器に、予めポリリン酸(無水リン酸含有率83.6%)2500部を調整しておく。次いで、2,5−ジ(4−トルイジノ)テレフタル酸 69部を添加し、125℃にて3時間攪拌した。この溶液にC.I.Pigment Red269 190部を添加し、さらに60分間攪拌後、水 14000部を仕込んだ攪拌装置付の容器に前記反応液を添加した。30分後に濾過、濾液が中性になるまで水洗し、顔料ウェットケーキを得た。オートクレーブ反応容器に前記顔料ウェットケーキ 1250部、水 800部、イソブタノール 800部を加えた後、90℃にて5時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、濾過、水洗乾燥、粉砕し、赤色顔料組成物3を得た。
(実施例1)
(トナー)
評価例1に従い、顔料組成物1から作成したトナー現像剤を用いた印刷試験を行った。
〈比較例1〉
(トナー)
実施例1の顔料組成物1を、顔料組成物1と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(実施例2)
(トナー)
実施例1の顔料組成物1を、顔料組成物2に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〈比較例2〉
(トナー)
実施例2の顔料組成物2を、顔料組成物2と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(実施例3)
(トナー)
実施例1の顔料組成物1を、顔料組成物3に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〈比較例3〉
(トナー)
実施例3の顔料組成物3を、顔料組成物3と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例3と同様の操作を行った。
(実施例4)
(インクジェット)
評価例2に従い、顔料組成物1から作成したインクジェットインキを用いた印刷試験を行った。
〈比較例4〉
(インクジェット)
実施例4の顔料組成物1を、顔料組成物1と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例4と同様の操作を行った。
(実施例5)
(インクジェット)
実施例4の顔料組成物1を、顔料組成物2に変えた以外は、実施例4と同様の操作を行った。
〈比較例5〉
(インクジェット)
実施例5の顔料組成物2を、顔料組成物2と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例5と同様の操作を行った。
(実施例6)
(インクジェット)
実施例4の顔料組成物1を、顔料組成物3に変えた以外は、実施例4と同様の操作を行った。
〈比較例6〉
(インクジェット)
実施例6の顔料組成物3を、顔料組成物3と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例6と同様の操作を行った。
[製造例6]
C.I.Pigment Red122のウェットケーキを顔料分換算で15.0部、C.I.Pigment Red269のウェットケーキを顔料分換算で5.0部を混合し、水を加えて十分にリスラリーした後、ろ過し、赤色の顔料ウェットケーキを得た。このウェットケーキを乾燥、粉砕し、赤色顔料組成物4を得た。
(実施例7)
(トナー)
実施例1の顔料組成物1を、顔料組成物4に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〈比較例7〉
(トナー)
実施例7の顔料組成物4を、顔料組成物4と同様の比率になるように混合したキナクリドン顔料粉末とアゾ顔料粉末の混合物に変えた以外は、実施例7と同様の操作を行った。
[評価サンプルの作成方法、及び評価試験方法]
評価例1(トナー)
スチレン-アクリル酸共重合体(ハイマーSBM100、三洋化成工業(株)製)100部、製造例にて製造した顔料組成物5部を押出機で混練後、ジェットミルで粉砕分級して平均粒子径が10μmのトナーを得た。次いでこのトナーに疎水性シリカ(アエロジルR−972、日本アエロジル社製) を1%混合した。
この疎水性シリカ含有のトナーとフェライトキャリアを用いて、乾式普通紙複写機(リコピーFT3010、(株)リコー製)で印刷試験を実施した。得られた印刷画像について、測色計を用いてh*、C*、M値の測定を実施した。
評価例2(インクジェット)
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、製造例にて製造したマゼンタ顔料組成物250部と、50%水溶性アクリル分散樹脂75部、20%水酸化カリウム水溶液21部、およびイオン交換水950部を仕込み、ディスパー(TKホモディスパー20型、特殊機化工業(株)製)で2時間攪拌し混合した。得られた混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミル SC100/32型、三井鉱山(株)製)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により分散した。分散工程中は、冷却用ジャケットに冷水を通して分散液温度を40℃以下に保つよう制御した。
分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水2,000部で混合槽および分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。
ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、有機溶剤の全量と水の一部を留去した。室温まで放冷後、攪拌しながら2%塩酸を滴下してpH4.5に調整したのち、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ウェットケーキを容器に採り、25%水酸化カリウム水溶液を加えてpH9.5に調製し、ディスパー(TKホモディスパー20型、特殊機化工業(株)製)にて再分散した。その後、遠心分離工程(6000G、30分間)を経て、さらにイオン交換水を加え不揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
この水性顔料分散体を用いて、インクジェット記録用水性インクを調製した。インク組成を以下に示す。
(インク組成)
水性顔料分散体 顔料換算で3.0部になる量
ジエチレングリコール 15.0部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.0部
サ―フィノール465(エアプロダクツ社製) 0.5部
イオン交換水 残部
調製した水性インクを、市販のインクジェットプリンター(BJ F360、キヤノン(株)製)のカートリッジに充填し、普通紙(GF−500、キヤノン(株)製)を用い、印刷試験を実施した。得られた印刷画像について、測色計を用いてh*、C*、M値の測定を実施した。
以下に各実施例の評価結果を示す。なお、値は比較例(粉末混合)との差で示した。
Figure 2016074749
表1の評価結果から明らかなように、製造例1〜3で得られたキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物は、トナー試験(実施例1〜3)およびインクジェット試験(実施例4〜6)において、比較例で示したキナクリドン顔料粉末とモノアゾ顔料粉末の混合試料と比較して、青味・高彩度の色相を示し、加えて高い着色力を示した。よって、色再現性に優れたマゼンタ顔料としてトナーやインクジェット用途に利用することが可能である。

Claims (6)

  1. 顔料組成物を製造する工程において、キナクリドン顔料を得る脱水縮合反応中にモノアゾ顔料を添加することにより得られるキナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物。
  2. 前記キナクリドン顔料とモノアゾ顔料からなる顔料組成物において、キナクリドン顔料100部に対して、モノアゾ顔料を25部〜400部の割合である請求項1記載の顔料組成物。
  3. 前記キナクリドン顔料がC.I.Pigment Red122である請求項1または2のいずれか一項記載の顔料組成物。
  4. 前記モノアゾ系顔料がC.I.Pigment Red269である請求項1または2のいずれか一項記載の顔料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の顔料組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インキ。
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