JP2009139510A - 偏光板の製造方法、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光子と透明保護フィルムとの接着性を向上させることができると共に、偏光子と透明保護フィルムとの界面におけるクニックの発生を抑止できる偏光板の製造方法等を提供する。
【解決手段】本発明に係る偏光板10の製造方法は、透明保護フィルム12の表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12表面と偏光子11とを貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る偏光板10の製造方法は、透明保護フィルム12の表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12表面と偏光子11とを貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、偏光板の製造方法、この製造方法によって得られる偏光板、及びこの偏光板を備える液晶表示装置に関する。特に、本発明は、偏光子と透明保護フィルムとの接着性を向上させることができると共に、偏光子と透明保護フィルムとの界面におけるクニックの発生を抑止できる偏光板の製造方法、この製造方法によって得られる偏光板、及びこの偏光板を備える液晶表示装置に関する。
液晶表示装置には、その画像形成方式により、液晶パネル表面を形成するガラス基板の両側に偏光子を配置することが必要不可欠である。偏光子は、一般的には、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素などの二色性物質で染色した後、架橋剤を用いて架橋し、一軸延伸して製膜することにより得られる。この偏光子は、延伸により作製されるため、収縮し易い。また、ポリビニルアルコール系フィルムは、親水性ポリマーを使用していることから、特に加湿条件下では非常に変形し易い。また、フィルム自体の機械的強度が弱いため、フィルムが裂けたりする問題もある。このため、偏光子の両面又は片面にトリアセチルセルロースなどの透明保護フィルムを貼り合わせることにより、強度を補った偏光板が用いられている。この偏光板は、偏光子と透明保護フィルムとを接着剤を介して貼り合わせることにより製造されている。
ところで、近年の液晶表示装置は用途が拡大し、携帯端末から家庭用の大型テレビまで幅広く使用され、各用途に応じた規格が設けられるようになってきている。特に、携帯端末用途の液晶表示装置は、使用者が持ち歩くことが前提であるため、耐久性に対する要求は非常に厳しい。例えば、偏光板には、結露が生じるような加湿条件下においても、特性や形状が変化しない耐久性が求められている。
前述のように、偏光子は、透明保護フィルムによって強度を補った偏光板として使用される。偏光子と透明保護フィルムとの接着に用いる偏光板用接着剤としては、水溶性接着剤が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール水溶液に架橋剤を混合したポリビニルアルコール系接着剤が使用されている。しかし、ポリビニルアルコール系接着剤を介して偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた場合、加湿条件下では偏光子と透明保護フィルムとの界面で剥がれが生じる場合がある。これは、ポリビニルアルコール系接着剤の主成分であるポリビニルアルコール系樹脂が水溶性高分子であるため、結露した状況下では接着剤の溶解が生じていることが原因である可能性がある。この問題に対しては、例えば、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有する偏光板用接着剤が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載のような従来技術では、近年の偏光板の耐久性に対する厳しい要求には十分に応えられず、偏光子と透明保護フィルムとの接着性により一層優れた偏光板が求められている。
一方、偏光板を作製するにあたって、偏光子と透明保護フィルムとを、上記のポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせる際には、クニックが発生する問題がある。このクニックは、偏光子と透明保護フィルムとの界面において生じる局所的な凹凸欠陥である。クニックは、ポリビニルアルコール系接着剤として、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合に、特に生じ易い。このクニックに対しては、例えば、含水量を調整したポリビニルアルコール系フィルムの表面を所定条件下にカレンダーロールで処理した偏光子を用い、これを透明保護フィルムと積層して偏光板を得る方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載のような従来技術では、クニックの発生を十分に抑止できるとはいえず、クニックの発生がより一層抑止された偏光板が求められている。
特開平7−198945号公報
特開平10−166519号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、偏光子と透明保護フィルムとの接着性を向上させることができると共に、偏光子と透明保護フィルムとの界面におけるクニックの発生を抑止できる偏光板の製造方法、この製造方法によって得られる偏光板、及びこの偏光板を備える液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、透明保護フィルムの表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施すと共に、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる際に金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を用いることにより、偏光子と透明保護フィルムとの接着性を向上させることができ、なお且つクニックの発生を抑止できることを見出した。本発明者らは、この新しい知見に基づき、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透明保護フィルムの表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム表面と偏光子とを貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする偏光板の製造方法を提供する。
前記表面改質処理としては、連続処理が可能で経済性及び作業性に優れるという点で、コロナ放電処理、プラズマ処理及びUV処理のうちの少なくとも一つの処理を適用することが好ましい。
前記表面改質処理としてコロナ放電処理を適用する場合、放電量が50W・min/m2未満であれば十分な表面改質効果が得られず、偏光子と透明保護フィルムとの接着性を十分に向上させることができない虞がある。一方、放電量が150W・min/m2を超えれば透明保護フィルムを破損する虞がある。
従って、前記表面改質処理としてコロナ放電処理を適用する場合には、放電量を50〜150W・min/m2とすることが好ましい。
従って、前記表面改質処理としてコロナ放電処理を適用する場合には、放電量を50〜150W・min/m2とすることが好ましい。
前記透明保護フィルムは、例えば、ポリビニルアルコール系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、アクリル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーのうちの何れかのポリマーから形成される。
前記金属化合物コロイドとしては、アルミナコロイドを例示できる。
また、本発明は、前記何れかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする偏光板としても提供される。
さらに、本発明は、前記偏光板を備えることを特徴とする液晶表示装置としても提供される。
本発明に係る偏光板の製造方法によれば、偏光子と透明保護フィルムとの接着性を向上させることができると共に、偏光子と透明保護フィルムとの界面におけるクニックの発生を抑止可能である。
<A.偏光板>
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板の構成を概略的に示す縦断面図である。図1に示すように、本発明に係る偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の片面又は両面(図1に示す例では両面)に貼り合わせられた透明保護フィルム12とを備える。
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板の構成を概略的に示す縦断面図である。図1に示すように、本発明に係る偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の片面又は両面(図1に示す例では両面)に貼り合わせられた透明保護フィルム12とを備える。
<A−1.偏光子>
偏光子11としては、自然光又は偏光を直線偏光に変換することができるものであれば、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。偏光子11としては、ポリビニルアルコール系フィルム等のポリマーフィルムからなる原反フィルムを、ヨウ素又は二色性染料等の二色性物質で染色し、フィルムの長手方向(MD方向)に一軸延伸したものが一般的である。
偏光子11としては、自然光又は偏光を直線偏光に変換することができるものであれば、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。偏光子11としては、ポリビニルアルコール系フィルム等のポリマーフィルムからなる原反フィルムを、ヨウ素又は二色性染料等の二色性物質で染色し、フィルムの長手方向(MD方向)に一軸延伸したものが一般的である。
上記のポリマーフィルムとしては、特に限定されることなく、各種のものを用いることができる。例えば、上記のポリマーフィルムとしては、ポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルム、及びこれらの部分ケン化フィルムが例示できる。また、セルロース系フィルムや、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等も例示できる。これらのポリマーフィルムの中でも、二色性物質による染色性に優れることから、ポリビニルアルコール系フィルムを用いることが好ましい。ポリマーフィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜100μm程度とされる。
上記のポリマーフィルムの材料であるポリマーの平均重合度は、一般に500〜10000の範囲とされ、好ましくは1000〜6000の範囲とされ、より好ましくは1400〜4000の範囲とされる。また、ポリマーフィルムがポリビニルアルコール系フィルムである場合、その平均ケン化度は、例えば、水への溶解性の点から、好ましくは75%モル以上とされ、より好ましくは98%モル以上とされ、さらに好ましくは98.3〜99.8モル%の範囲とされる。
上記のポリマーフィルムがポリビニルアルコール系フィルムである場合、水又は有機溶媒に溶解した原液を流延成膜する流延法や、キャスト法、押出法など、任意の製法で成膜されたものを適宜使用することができる。ポリビニルアルコール系フィルムは、面内位相差値が5〜100nmのものが好ましく用いられる。また、面内で均一な光学特性を有する偏光子11を得るには、ポリビニルアルコール系フィルムの面内位相差値のバラツキはできるだけ小さい方が好ましい。具体的には、原反フィルムとしてのポリビニルアルコール系フィルムの面内位相差値のバラツキは、測定波長1000nmにおいて、好ましくは10nm以下とされ、より好ましくは5nm以下とされる。
偏光子11の製造方法としては、一般に乾式延伸法又は湿式延伸法が用いられる。湿式延伸法による偏光子11の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、原反フィルムとしての前記ポリマーフィルムに、膨潤処理工程、染色処理工程、架橋処理工程、延伸処理工程、水洗処理工程及び乾燥処理工程からなる一連の製造工程を施すことによって製造する方法が一般的である。乾燥処理工程を除く上記の各処理工程では、各種の溶液からなる浴中にフィルムを浸漬しながら各処理が施される。膨潤処理、染色処理、架橋処理、延伸処理、水洗処理及び乾燥処理の順番、回数及び実施の有無は特に限定されるものではなく、いくつかの処理を一の処理工程中で同時に施しても良く、いくつかの処理を施さなくても良い。例えば、延伸処理は、染色処理の後に施しても良いし、膨潤処理や染色処理と同時に施しても良い。延伸処理の後に染色処理を施しても良い。また、フィルムのMD方向への延伸処理方法としては、特に限定されるものではないが、例えばロール間の周速差によって延伸する方法が用いられる。また、各処理が施される浴中には、適宜ホウ酸、ホウ砂、ヨウ化カリウム等の添加剤を加えても良い。従って、偏光子11には、必要に応じて、ホウ酸、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化カリウム等が含まれる。さらには、上記のいくつかの処理において、従来公知の方法でフィルムのMD方向又はTD方向(幅方向)に適宜延伸を施しても良く、各処理を終える毎に水洗処理を施しても良い。
偏光子11の厚みは、特に限定されるものではないが、5μm〜40μmであることが好ましい。厚みが5μm以上であれば機械的強度が低下することはなく、また40μm以下であれば光学特性が低下せず、液晶表示装置に適用しても薄型化を実現できる。また、偏光子11単体で測定したときの透過率(単体透過率)は、43.0%以上であることが好ましく、43.0〜45.0%の範囲にあることがより好ましい。
<A−2.透明保護フィルム>
透明保護フィルム12としては、透明性に優れるものであれば特に限定されず、適宜適切なものを用いることができる。例えば、透明保護フィルム12は、ポリビニルアルコール系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの何れかの樹脂から形成されることが好ましい。アクリル系樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレートが例示でき、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートが例示できる。ポリビニルアルコール系樹脂及びノルボルネン系樹脂については後述する。透明保護フィルム12の厚みは、特に限定されないが、通常、20μm〜200μm程度である。
透明保護フィルム12としては、透明性に優れるものであれば特に限定されず、適宜適切なものを用いることができる。例えば、透明保護フィルム12は、ポリビニルアルコール系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの何れかの樹脂から形成されることが好ましい。アクリル系樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレートが例示でき、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートが例示できる。ポリビニルアルコール系樹脂及びノルボルネン系樹脂については後述する。透明保護フィルム12の厚みは、特に限定されないが、通常、20μm〜200μm程度である。
<A−2−1.ポリビニルアルコール系樹脂>
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアルコール樹脂の他、該樹脂に、不飽和カルボン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩などのように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有したポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。また、ポリビニルアルコール系樹脂として、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、芳香族基などを含む変性されたポリビニルアルコール系樹脂や、ポリビニルホルマールやポリビニルアセタール構造などを有する変性されたポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアルコール樹脂の他、該樹脂に、不飽和カルボン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩などのように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有したポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。また、ポリビニルアルコール系樹脂として、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、芳香族基などを含む変性されたポリビニルアルコール系樹脂や、ポリビニルホルマールやポリビニルアセタール構造などを有する変性されたポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
変性されたポリビニルアルコール系樹脂としては、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される側鎖の少なくとも何れか一方の側鎖を有するポリマーが例示できる。
上記一般式(1)中、R1は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R2及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を表す(ただし、R2及びR6は、同時に水素原子ではない)。R3〜R5は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表す。
上記一般式(2)中、R7は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。A1は、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を表す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。
また、変性されたポリビニルアルコール系樹脂としては、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリマーが例示できる。
上記一般式(3)中、R8は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、又は置換若しくは無置換のフェニル基を表す。R9、A2及びA3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基、又は水酸基を表す(ただし、R9は、水素原子ではない)。
上記一般式(1)〜(3)のいずれかを有するポリマーを含むフィルムに関しては、特開2006−65258号公報の段落[0060]〜[0084]、及び特開2007−161993号公報の段落[0029]〜[0087]などに記載されている。上記公報に記載事項を本明細書中に記載したとみなして、その記載事項を省略する。
<A−2−2.ノルボルネン系樹脂>
ノルボルネン系樹脂とは、出発原料(モノマー)の一部又は全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる(共)重合体をいう。上記「(共)重合体」は、ホモポリマー又は共重合体(コポリマー)を表す。透明保護フィルム12は、通常、シート状に成形されたノルボルネン系樹脂を含有するフィルムを延伸して作製される。
ノルボルネン系樹脂とは、出発原料(モノマー)の一部又は全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる(共)重合体をいう。上記「(共)重合体」は、ホモポリマー又は共重合体(コポリマー)を表す。透明保護フィルム12は、通常、シート状に成形されたノルボルネン系樹脂を含有するフィルムを延伸して作製される。
上記ノルボルネン系樹脂は、出発原料としてノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するノルボルネン系モノマーが用いられる。上記ノルボルネン系樹脂は、(共)重合体の状態において構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。(共)重合体の状態において構成単位にノルボルナン環を有するノルボルネン系樹脂としては、例えば、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン等が例示できる。(共)重合体の状態で構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系樹脂は、例えば、開裂により5員環となるモノマーを用いて得られる(共)重合体である。該開裂により5員環となるモノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン等やそれらの誘導体等が例示できる。上記ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は、特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
上記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、(a)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加したポリマー、(b)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させたポリマーなどが例示できる。上記(a)ノルボルネン系モノマーの開環共重合体を水素添加したポリマーは、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類及び/又は非共役ジエン類との開環共重合体を水素添加したポリマーを包含する。上記(b)ノルボルネン系モノマーを付加共重合させたポリマーは、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類及び/又は非共役ジエン類とを付加型共重合させたポリマーを包含する。
上記(a)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加したポリマーは、ノルボルネン系モノマー等をメタセシス反応させて、開環(共)重合体を得、さらに、当該開環(共)重合体を水素添加して得ることができる。具体的には、例えば、特開平11−116780号公報の段落[0059]〜[0060]に記載の方法、特開2001−350017号公報の段落[0035]〜[0037]に記載の方法等が例示できる。上記(b)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させたポリマーは、例えば、特開昭61−292601号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
上記ノルボルネン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20000〜500000である。ただし、重量平均分子量は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC)法で測定した値である。上記ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜180℃である。ただし、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めた値である。重量平均分子量及びガラス転移温度を上記範囲とすることによって、耐熱性、成形性の良いフィルムを得ることができる。
<A−2−3.透明保護フィルムの製造方法>
透明保護フィルム12は、以上に説明した樹脂を含む形成材料から任意の適切な成形法によってフィルムを作製(製膜)し、必要に応じて、このフィルムに延伸処理を施すことによって得られる。成形法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等が例示できる。好ましくは、成形法は、ソルベントキャスティング法又は押出成形法である。前記ソルベントキャスティング法は、例えば、樹脂や他の成分(添加剤等)を含む形成材料が溶剤に溶解された濃厚溶液(ドープ)を、脱泡した後、エンドレスステンレスベルト又は回転ドラムの表面に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。また、前記押出成形法は、例えば、上記形成材料を加熱溶融し、Tダイ等を用いて、キャスティングロールの表面に押し出して、冷却させてフィルムを成形する方法である。上記の方法を採用することによって、厚みの均一性に優れた透明保護フィルム12が得られる。
透明保護フィルム12は、以上に説明した樹脂を含む形成材料から任意の適切な成形法によってフィルムを作製(製膜)し、必要に応じて、このフィルムに延伸処理を施すことによって得られる。成形法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等が例示できる。好ましくは、成形法は、ソルベントキャスティング法又は押出成形法である。前記ソルベントキャスティング法は、例えば、樹脂や他の成分(添加剤等)を含む形成材料が溶剤に溶解された濃厚溶液(ドープ)を、脱泡した後、エンドレスステンレスベルト又は回転ドラムの表面に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。また、前記押出成形法は、例えば、上記形成材料を加熱溶融し、Tダイ等を用いて、キャスティングロールの表面に押し出して、冷却させてフィルムを成形する方法である。上記の方法を採用することによって、厚みの均一性に優れた透明保護フィルム12が得られる。
上記の延伸処理は、目的に応じて、任意の適切な延伸方法を採用することができる。延伸方法としては、例えば、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法等が例示できる。これを実施する延伸機としては、ロール延伸機、テンター延伸機、二軸延伸機などが例示できる。好ましくは、前記延伸機は、温度制御手段を備える。加熱して延伸を行なう場合には、延伸機の内部温度は連続的に変化させてもよく、段階的に変化させてもよい。延伸方向は、MD方向であってもよいし、TD方向であってもよい。また、特開2003−262721号公報の図1に記載の延伸法を用いて、斜め方向に延伸(斜め延伸)してもよい。
延伸する温度(延伸温度)は、フィルムの種類に応じて、適宜設定される。好ましくは、延伸は、フィルムのガラス転移温度(Tg)±30℃の範囲で実施することが好ましい。このような条件で延伸することによって、位相差値が均一なフィルムが得られる上、フィルムの結晶化(白濁)を防止できる。具体的には、上記延伸温度は、好ましくは100℃〜180℃であり、さらに好ましくは120℃〜160℃である。
上記延伸温度を制御する手段としては、特に限定されず、例えば、熱風又は冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波又は遠赤外線を利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、加熱されたヒートパイプロール、加熱された金属ベルトなどが例示できる。
上記フィルムの延伸倍率は、目的に応じて、適宜設定される。該延伸倍率は、好ましくは1倍を超え3倍以下であり、さらに好ましくは1倍を超え2.5倍以下であり、特に好ましくは1.1倍〜2.0倍である。また、延伸時の送り速度は、特に限定されないが、機械精度や安定性等の点から、好ましくは0.5m/分〜30m/分である。
<A−3.偏光板の製造方法>
以上に説明した構成を有する偏光板10は、透明保護フィルム12の表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12の表面と偏光子11とを貼り合わせる工程とを有する製造方法によって製造される。
以下、上記の各工程について、順次具体的に説明する。
以上に説明した構成を有する偏光板10は、透明保護フィルム12の表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12の表面と偏光子11とを貼り合わせる工程とを有する製造方法によって製造される。
以下、上記の各工程について、順次具体的に説明する。
<A−3−1.表面改質処理工程>
透明保護フィルム12の表面に施す表面改質処理としては、任意の適切な方法を採用することが可能である。例えば、表面改質処理は、乾式処理でも良く、湿式処理でも良い。乾式処理の具体例としては、コロナ放電処理やプラズマ放電処理などの放電処理、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、紫外線処理や電子線処理などの電離活性線処理等が例示できる。本発明においては、これらの表面改質処理の中でも、連続処理が可能で経済性及び作業性に優れるという点で、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、UVオゾン処理が好ましく用いられる。
透明保護フィルム12の表面に施す表面改質処理としては、任意の適切な方法を採用することが可能である。例えば、表面改質処理は、乾式処理でも良く、湿式処理でも良い。乾式処理の具体例としては、コロナ放電処理やプラズマ放電処理などの放電処理、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、紫外線処理や電子線処理などの電離活性線処理等が例示できる。本発明においては、これらの表面改質処理の中でも、連続処理が可能で経済性及び作業性に優れるという点で、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、UVオゾン処理が好ましく用いられる。
コロナ放電処理は、図2に示すように、透明保護フィルム12を搬送する誘電体ロール20と、誘電体ロール20に対向配置された電極30との間に、高周波の高電圧を印加することによって、搬送されるフィルム12の表面を改質処理する。誘電体ロール20と電極30との間に高周波の高電圧を印加することにより、誘電体ロール20と電極30との間の雰囲気が絶縁破壊してイオン化し、コロナ放電Cが発生する。このコロナ放電C内にフィルム12を通過させることにより、フィルム12の表面が改質処理される。コロナ放電処理の放電量(W・min/m2)は、誘電体ロール20と電極30との間に印加する電力(放電力)をE(W)、フィルム12の搬送速度をV(m/min)、電極30の長さをL(m)とすると、下記の式(1)で表される。
放電量=E/(V×L) ・・・(1)
この放電量は、50〜150W・min/m2とすることが好ましく、より好ましくは60〜120W・min/m2とされる。放電力E、フィルム12の搬送速度V、電極30の長さLは、上記の式(1)で表されるコロナ放電処理の放電量が上記範囲内となるように、それぞれ設定することが好ましい。
放電量=E/(V×L) ・・・(1)
この放電量は、50〜150W・min/m2とすることが好ましく、より好ましくは60〜120W・min/m2とされる。放電力E、フィルム12の搬送速度V、電極30の長さLは、上記の式(1)で表されるコロナ放電処理の放電量が上記範囲内となるように、それぞれ設定することが好ましい。
プラズマ放電処理は、グロー放電によって発生する低温プラズマ内にフィルム12を通過させることにより、フィルム12の表面を改質処理する。低温プラズマは、低圧の不活性ガス、酸素、ハロゲンガスなどの無機気体からなる雰囲気中でグロー放電を生じさせると、気体分子の一部がイオン化して発生する。
UVオゾン処理は、オゾンを含む空気をフィルム12の表面に吹き付けながら、紫外線をフィルム12の表面に照射することにより、フィルム12の表面を改質処理する。
以上に説明した表面改質処理を行う雰囲気は、特に制限はないが、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等を例示できる。また、表面改質処理中の雰囲気温度は、好ましくは23〜80℃であり、より好ましくは23〜60℃であり、さらに好ましくは23〜50℃である。
<A−3−2.アルカリ処理工程>
透明保護フィルム12の表面に施すアルカリ処理(ケン化処理)は、例えば、透明保護フィルム12をアルカリ水溶液中に浸漬することによって行われる。アルカリ処理を施すことにより、透明保護フィルム12の表面に水酸基を導入することができ、接着剤を介した偏光子11との接着において、接着性を向上させることができる。使用するアルカリとしては、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
透明保護フィルム12の表面に施すアルカリ処理(ケン化処理)は、例えば、透明保護フィルム12をアルカリ水溶液中に浸漬することによって行われる。アルカリ処理を施すことにより、透明保護フィルム12の表面に水酸基を導入することができ、接着剤を介した偏光子11との接着において、接着性を向上させることができる。使用するアルカリとしては、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
<A−3−3.貼り合わせ工程>
貼り合わせ工程では、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前述した表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12の表面と偏光子11とが貼り合わせられる。
貼り合わせ工程では、金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前述した表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム12の表面と偏光子11とが貼り合わせられる。
本発明に用いられる金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂及び金属化合物コロイドを含む樹脂溶液であり、さらに、必要に応じて架橋剤を含む。前記金属化合物コロイドは、その平均粒子径が1nm〜100nmであることが好ましい。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂などが例示できる。前記アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、日本合成化学(株)製の商品名「ゴーセノールZシリーズ」、同社製の商品名「ゴーセノールNHシリーズ」、同社製の商品名「ゴーセファイマーZシリーズ」などが例示できる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物及びその誘導体;酢酸ビニルと、それと共重合し得る単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコール;などを例示できる。前記共重合し得る単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類;エチレン、プロピレン等を含むα−オレフィン;アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムモノアルキルマレート、ジスルホン酸ナトリウムアルキルマレート、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩などのスルホン酸基含有モノマー;N−メチロールアクリルアミド;N−ビニルピロリドン及びその誘導体などが例示できる。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、接着性の観点から、好ましくは100〜5000であり、より好ましくは1000〜4000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、接着性の観点から、好ましくは85〜100モル%であり、より好ましくは90〜100モル%である。
前記アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応させることにより得られる。具体的には、例えば、(a)酢酸等の溶媒中にポリビニルアルコール系樹脂を分散させた分散体に、ジケテンを添加する方法、(b)ジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にポリビニルアルコール系樹脂を溶解させた溶液に、ジケテンを添加する方法、(c)ポリビニルアルコール系樹脂にジケテンガス又は液状ジケテンを直接接触させる方法などが例示できる。
アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、例えば、0.1モル%以上である。アセトアセチル基変性度が前記範囲の変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることにより、より耐水性に優れた接着剤が得られる。アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%であり、より好ましくは1〜20モル%であり、さらに好ましくは2〜7モル%である。前記アセトアセチル基変性度は、例えば、核磁気共鳴(NMR)法により測定した値である。
上記の架橋剤としては、任意の適切な架橋剤を採用することができる。前記架橋剤は、好ましくは、前記ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物である。架橋剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基とを2個有するアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニル)メタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物などのイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミンなどのエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどのモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒドなどのジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物などのアミノホルムアルデヒド樹脂;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属の塩、及びその酸化物などが例示できる。これらの中でも、アミノホルムアルデヒド樹脂及びジアルデヒド類が好ましい。前記アミノホルムアルデヒド樹脂としては、メチロール基を有する化合物が好ましい。前記ジアルデヒド類としては、グリオキザールが好ましい。中でも、メチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好ましい。前記アルデヒド化合物としては、日本合成化学(株)製の商品名「グリオキザール」、OMNOVA製の商品名「セクアレッツ755」などが例示できる。前記メチロール化合物としては、大日本インキ(株)製の商品名「ウォーターゾールシリーズ」などが例示できる。
前記架橋剤の配合割合は、前記ポリビニルアルコール系樹脂(好ましくは、アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂)100質量部に対して、例えば、1〜60質量部である。架橋剤の配合量が前記範囲の接着剤は、透明性、接着性、耐水性に優れた接着層を形成できる。架橋剤の配合割合の上限値は、好ましくは50質量部であり、より好ましくは30質量部であり、さらに好ましくは15質量部であり、特に好ましくは10質量部であり、最も好ましくは7質量部である。前記配合量の下限値は、好ましくは5質量部であり、より好ましくは10質量部であり、さらに好ましくは20質量部である。なお、本発明のポリビニルアルコール系接着剤は、金属化合物コロイドが含有されているので、架橋剤が多く配合されている場合であっても、安定性に優れている。
上記の金属化合物コロイドは、例えば、微粒子が分散媒中に分散しているものでもよく、微粒子の同種電荷の相互反発に起因して静電的に安定化し、永続的に安定性を有するものでもよい。前記金属化合物の微粒子(コロイド)の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは1nm〜50nmである。斯かる平均粒子径を有する金属化合物コロイドは、分散媒中に略均一に分散し得るので、該コロイドが含有された接着剤は、接着性に優れ、且つ透明保護フィルム12と偏光子11との界面でのクニックの発生を抑制できる。
前記金属化合物としては、任意の適切な化合物を採用できる。前記金属化合物としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物;ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、リン酸カルシウムなどの金属塩;セライト、タルク、クレイ、カオリン等の鉱物などが例示できる。金属化合物は、好ましくはアルミナである。
前記金属化合物コロイドは、例えば、前記金属化合物が分散媒に分散したコロイド溶液中に存在している。前記分散媒としては、例えば、水、アルコール類等が例示できる。前記コロイド溶液中の固形分濃度は、例えば、1〜50質量%である。前記コロイド溶液は、安定剤として酸(例えば、硝酸、塩酸、酢酸等)を含んでいてもよい。
金属化合物コロイドは、静電的に安定しており、正電荷を有するコロイドと負電荷を有するコロイドに分けられる。正電荷と負電荷は、コロイド溶液におけるコロイド表面電荷の電荷状態によって区別される。金属化合物コロイドの電荷は、例えば、ゼータ電位を測定することにより確認できる。金属化合物コロイドの表面電荷は、一般に、pHにより変化する。従って、コロイド溶液の電荷は、調製された接着剤(樹脂溶液)のpHに影響される。接着剤のpHは、通常、2〜6であり、好ましくは2.5〜5であり、より好ましくは3〜5であり、さらに好ましくは3.5〜4.5に設定される。本発明において、正電荷を有する金属化合物コロイドを含む接着剤は、負電荷を有する金属化合物コロイドを含む接着剤に比べて、クニックの発生をより抑制できる。正電荷を有する金属化合物コロイドとしては、アルミナコロイド、チタニアコロイドなどが例示され、特に、アルミナコロイドが好ましい。
前記金属化合物コロイドの配合割合(固形分換算)は、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、好ましくは、200質量部以下である。前記配合割合の接着剤は、接着性を確保しながら、より好適にクニックの発生を抑制できる。前記配金属化合物コロイドの配合割合は、より好ましくは10〜200質量部であり、さらに好ましくは20〜175質量部であり、特に好ましくは30〜150質量部である。
上記金属コロイドが含有されたポリビニルアルコール系接着剤(樹脂溶液)の粘度は、特に限定されないが、好ましくは1〜50mPa・sである。一般に、接着剤の粘度が下がるに従って、クニックの発生が多くなるが、本発明のポリビニルアルコール系接着剤は、前記のような比較的低粘度でも、クニックの発生を抑制できる。
上記ポリビニルアルコール系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂及び架橋剤を分散媒に混合し、これに金属化合物を配合することによって調製される。さらに、前記ポリビニルアルコール系接着剤中には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などが含まれていてもよい。なお、本発明の金属化合物コロイドは、非導電性材料であるが、該コロイドに、導電性物質の微粒子を含有することもできる。
金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤の塗布は、偏光子11又は透明保護フィルム12のいずれの接着面に行ってもよく、又、偏光子11及び透明保護フィルム12の双方の接着面に行ってもよい。前記接着剤は、乾燥厚みが10nm〜300nmとなるように塗布され、好ましくは同10nm〜200nmであり、より好ましくは同20nm〜150nmである。
<B.液晶表示装置>
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置が具備する液晶パネルの構成例を概略的に示す縦断面図である。この液晶パネル100は、液晶セル40と、液晶セル40の視認側に配置された偏光板10Aと、液晶セル40の視認側と反対側に配置された偏光板10Bとを備えている。偏光板10A及び10Bの少なくとも何れか一方には、図1を参照して前述した本発明に係る偏光板10が用いられる。好ましくは、偏光板10A及び10Bの双方に、本発明に係る偏光板10が用いられる。偏光板10Aと偏光板10Bとは、互いの偏光子11の吸収軸方向が直交するように、液晶セル40に配置されている。液晶パネル100には、偏光板10Aと液晶セル40との間に、及び/又は、偏光板10Bと液晶セル40との間に、任意の複屈折層や光学フィルムが設けられていてもよい。また、液晶パネル100を構成する各部材の間は、任意の接着層を介して接着される。
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置が具備する液晶パネルの構成例を概略的に示す縦断面図である。この液晶パネル100は、液晶セル40と、液晶セル40の視認側に配置された偏光板10Aと、液晶セル40の視認側と反対側に配置された偏光板10Bとを備えている。偏光板10A及び10Bの少なくとも何れか一方には、図1を参照して前述した本発明に係る偏光板10が用いられる。好ましくは、偏光板10A及び10Bの双方に、本発明に係る偏光板10が用いられる。偏光板10Aと偏光板10Bとは、互いの偏光子11の吸収軸方向が直交するように、液晶セル40に配置されている。液晶パネル100には、偏光板10Aと液晶セル40との間に、及び/又は、偏光板10Bと液晶セル40との間に、任意の複屈折層や光学フィルムが設けられていてもよい。また、液晶パネル100を構成する各部材の間は、任意の接着層を介して接着される。
上記の液晶セル100としては、例えば、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型等の液晶セルを例示できる。また、前記液晶セル100としては、スーパーツイストネマチック液晶表示装置に採用されているような、単純マトリクス型の液晶セルなどでもよい。
液晶セル100は、一般に、一対の基板と、該一対の基板に挟持された表示媒体としての液晶層とを具備する。具体的には、前記一対の基板の間にスペーサーが配置されることにより空間が形成され、この空間に液晶分子を封入した液晶層が形成されている。前記一対の基板のうち、一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、例えば、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(例えば、TFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線及びソース信号を与える信号線とが設けられる。前記一対の基板のうち、他方の基板(カラーフィルター基板)には、例えば、カラーフィルターが設けられる。なお、カラーフィルターは、前記アクティブマトリクス基板に設けてもよい。もっとも、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段にRGB3色光源が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略することができる。
本発明に係る液晶表示装置に用いられる液晶セル100としては、駆動モードの分類によれば、例えば、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モードや、水平配向(ECB)モード、垂直配向(VA)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、ベンドネマチック(OCB)モード、強誘電性液晶(SSFLC)モード、反強誘電液晶(AFLC)モードの液晶セルなど種々の液晶セルを例示できる。
前記ツイステッドネマチック(TN)モードの液晶セルとは、一対の基板の間に正の誘電異方性のネマチック液晶を挟んだものであり、ガラス基板の表面配向処理によって液晶分子配向を90度捻らせてあるものをいう。具体的には、培風館株式会社「液晶辞典」第158頁(1989年)に記載の液晶セルや、特開昭63−279229号公報に記載の液晶セルを例示できる。
前記垂直配向(VA)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が負のネマチック液晶が電圧無印加時において垂直配列した液晶セルのことをいう。具体的には、特開昭62−210423号公報や特開平4−153621号公報に記載の液晶セルを例示できる。また、前記VAモードの液晶セルは、特開平11−258605号公報に記載されているように、視野角を拡大するために、画素内にスリットを設けたものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したMVAモードの液晶セルであっても良い。更に、特開平10−123576号公報に記載されているように、液晶中にカイラル剤を添加し、ネマチック液晶電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるVATNモードの液晶セルであっても良い。
前記インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、一対の平行な基板の間に液晶を封入したいわゆるサンドイッチセルにおいて、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させたネマチック液晶を基板に平行な電界(横電界ともいう)で応答させるものをいう。具体的には、テクノタイムズ社出版「月刊ディスプレイ7月号」第83〜88頁(1997年版)や、日本液晶学会出版「液晶vol.2 No.4」第303〜316頁(1998年版)に記載されているように、液晶分子の長軸と入射側偏光板の偏光軸とを一致させて、上下の偏光板を直行配置させると、電界のない状態で完全に黒表示になり、電界のある状態では、液晶分子が基板に平行な状態を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができるものをいう。
前記ベンドネマチック(OCB:Optically Compensated Bend or Optically Compensated Birefringnence)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が正のネマチック液晶が電圧無印加時において中央部にねじれ配向が存在するベンド配向した液晶セルのことをいう。上記OCBモードの液晶セルは、「πセル」とも言われる。具体的には、共立出版株式会社「次世代液晶ディスプレイ」(2000年)第11〜27頁に記載のものや、特開平7−084254号公報に記載のものを例示できる。
本発明に係る液晶表示装置は、以上に説明した液晶パネル100を具備する。本発明に係る液晶表示装置は、前記液晶パネル100を含む以外は、従来の液晶表示装置と同様の構成であってもよい。例えば、本発明に係る液晶表示装置は、前記液晶パネル100と、液晶パネル100の一方の側に配置されたバックライトユニットとを少なくとも備える。前記バックライトユニットは、直下方式でもよいし、サイドライト方式でもよい。
直下方式が採用される場合、上記バックライトユニットは、好ましくは、光源と、反射フィルムと、拡散板と、プリズムシートと、輝度向上フィルムとを少なくとも備える。サイドライト方式が採用される場合、上記バックライトユニットは、好ましくは、光源と、反射フィルムと、拡散板と、プリズムシートと、輝度向上フィルムと、導光板と、ライトリフレクターとを少なくとも備える。なお、これらの部材は、液晶表示装置の照明方式や液晶セルの駆動モードなどに応じて、その一部を省略するか、又は、他の部材に代替することができる。
本発明に係る液晶表示装置は、液晶パネル100の視認側と反対側から光を照射して画面を見る透過型であっても良いし、液晶パネルの視認側から光を照射して画面を見る反射型であっても良い。或いは、本発明に係る液晶表示装置は、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ半透過型であっても良い。
本発明に係る液晶表示装置の用途としては、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、又は、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器等が例示できる。
本発明に係る液晶表示装置の好ましい用途は、テレビである。前記テレビの画面サイズは、好ましくは、ワイド17型(373mm×224mm)以上であり、より好ましくは、ワイド23型(499mm×300mm)以上であり、さらに好ましくは、ワイド32型(687mm×412mm)以上である。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
<A.各種パラメータの測定方法>
本実施例及び比較例における各種パラメータの測定方法は、下記の通りである。
(1)nx、ny、nz、Re[590]及びNz係数の測定方法:
王子計測機器(株)製、商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、23℃で測定した。なお、平均屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製、製品名「DR−M4」)を用いて測定した値を用いた。ここで、「nx」は、フィルムの面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率を意味し、「ny」は、フィルムの面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率を意味する。「nz」は、フィルムの厚み方向の屈折率を意味する。「面内の位相差値(Re[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルムの面内の位相差値を意味する。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求めることができる。「厚み方向の位相差値(Rth[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルムの厚み方向の位相差値を意味する。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求めることができる。「Nz係数」は、上記のRth[λ]/Re[λ]から算出される値であり、本発明では、λ=590nmのときのRth[590]/Re[590]から算出される値である。
本実施例及び比較例における各種パラメータの測定方法は、下記の通りである。
(1)nx、ny、nz、Re[590]及びNz係数の測定方法:
王子計測機器(株)製、商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、23℃で測定した。なお、平均屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製、製品名「DR−M4」)を用いて測定した値を用いた。ここで、「nx」は、フィルムの面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率を意味し、「ny」は、フィルムの面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率を意味する。「nz」は、フィルムの厚み方向の屈折率を意味する。「面内の位相差値(Re[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルムの面内の位相差値を意味する。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求めることができる。「厚み方向の位相差値(Rth[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルムの厚み方向の位相差値を意味する。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求めることができる。「Nz係数」は、上記のRth[λ]/Re[λ]から算出される値であり、本発明では、λ=590nmのときのRth[590]/Re[590]から算出される値である。
(2)厚みの測定方法:
厚みが10μm未満の場合、大塚電子(株)製の薄膜用分光光度計(製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」)を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ(株)製のデジタルマイクロメータ(「KC−351C型」)を用いて測定した。
厚みが10μm未満の場合、大塚電子(株)製の薄膜用分光光度計(製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」)を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ(株)製のデジタルマイクロメータ(「KC−351C型」)を用いて測定した。
(3)接着剤の粘度の測定:
レオメーター(HAAKE社製、RSI−HS)を用いて測定した。
(4)コロイドの平均粒子径の測定:
粒度分布計(日機装社製、ナノトラックUPA150)を用いて測定した。
(5)透明保護フィルムの表面粗さ(Ra)の測定:
Veeco社製のNanoScopeIVを用いて測定した。
(6)透明保護フィルム表面の元素比率の測定:
アルバック・ファイ社製のQuanteraSXMを用いて測定した。
レオメーター(HAAKE社製、RSI−HS)を用いて測定した。
(4)コロイドの平均粒子径の測定:
粒度分布計(日機装社製、ナノトラックUPA150)を用いて測定した。
(5)透明保護フィルムの表面粗さ(Ra)の測定:
Veeco社製のNanoScopeIVを用いて測定した。
(6)透明保護フィルム表面の元素比率の測定:
アルバック・ファイ社製のQuanteraSXMを用いて測定した。
<B.実施例1>
[B−1.偏光子の作製]
厚み75μmのポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム(クラレ(株)製の商品名「VF−PS#7500」)を、下記(1)〜(5)の条件の5つの浴中に、フィルム長手方向に張力を付与しながら順次浸漬し、最終的な延伸倍率(累積延伸倍率)がフィルムの元の長さの6.2倍となるように延伸した。これにより得られた延伸フィルムを40℃の空気循環式オーブン内で1分間乾燥させて、偏光子を作製した。
(1)膨潤浴:30℃の純水
(2)染色浴:水100重量部に対し、0.032重量部のヨウ素と0.2重量部のヨウ化カリウムとを含む、30℃の水溶液
(3)第1の架橋浴:3重量%のヨウ化カリウムと、3重量%のホウ酸とを含む、40℃の水溶液
(4)第2の架橋浴:5重量%のヨウ化カリウムと、4重量%のホウ酸とを含む、60℃の水溶液
(5)水洗浴:3重量%のヨウ化カリウムを含む、25℃の水溶液
[B−1.偏光子の作製]
厚み75μmのポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム(クラレ(株)製の商品名「VF−PS#7500」)を、下記(1)〜(5)の条件の5つの浴中に、フィルム長手方向に張力を付与しながら順次浸漬し、最終的な延伸倍率(累積延伸倍率)がフィルムの元の長さの6.2倍となるように延伸した。これにより得られた延伸フィルムを40℃の空気循環式オーブン内で1分間乾燥させて、偏光子を作製した。
(1)膨潤浴:30℃の純水
(2)染色浴:水100重量部に対し、0.032重量部のヨウ素と0.2重量部のヨウ化カリウムとを含む、30℃の水溶液
(3)第1の架橋浴:3重量%のヨウ化カリウムと、3重量%のホウ酸とを含む、40℃の水溶液
(4)第2の架橋浴:5重量%のヨウ化カリウムと、4重量%のホウ酸とを含む、60℃の水溶液
(5)水洗浴:3重量%のヨウ化カリウムを含む、25℃の水溶液
[B−2.接着剤の作製]
アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業(株)製、商品名「ゴーセファイマーZ200」、平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%、アセトアセチル化度:5モル%)100質量部と、メチロールメラミン50質量部とを、30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7質量%の水溶液を得た。この水溶液100質量部に対し、アルミナコロイド水溶液(平均粒子径:15nm、固形分濃度:10%、正電荷)18質量部を加えた。得られた溶液(金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤)を、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせるための接着剤として用いた。この接着剤の粘度は、9.6mPa・sであり、pHは、4〜4.5であった。
アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業(株)製、商品名「ゴーセファイマーZ200」、平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%、アセトアセチル化度:5モル%)100質量部と、メチロールメラミン50質量部とを、30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7質量%の水溶液を得た。この水溶液100質量部に対し、アルミナコロイド水溶液(平均粒子径:15nm、固形分濃度:10%、正電荷)18質量部を加えた。得られた溶液(金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤)を、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせるための接着剤として用いた。この接着剤の粘度は、9.6mPa・sであり、pHは、4〜4.5であった。
[B−3.透明保護フィルムのコロナ放電処理及びアルカリ処理]
透明保護フィルムとして、ノルボルネン系樹脂から形成された、延伸済みのアートンフィルム(JSR社製)を用い、その表面に下記(1)〜(5)の条件でコロナ放電処理を施した。
(1)放電量:116W・min/m2
(2)放電力:0.15kW
(3)フィルム搬送速度:3m/min
(4)電極の長さ:0.43m
(5)フィルムと電極との距離:2mm
透明保護フィルムとして、ノルボルネン系樹脂から形成された、延伸済みのアートンフィルム(JSR社製)を用い、その表面に下記(1)〜(5)の条件でコロナ放電処理を施した。
(1)放電量:116W・min/m2
(2)放電力:0.15kW
(3)フィルム搬送速度:3m/min
(4)電極の長さ:0.43m
(5)フィルムと電極との距離:2mm
次に、コロナ放電処理を施したフィルムを水酸化ナトリウム水溶液(40℃、pH13)中に30秒間浸漬することによりアルカリ処理を施した。
[B−4.偏光板の作製]
上記の接着剤を、ロッドコータにて上記の偏光子の両面に、乾燥後の厚みが0.05μmとなるように塗工した。そして、その偏光子の一方の面に、上記のアートンフィルムを積層した。この際、アートンフィルムのコロナ放電を施した面が接着剤と対向するように積層した。一方、偏光子の他方の面には、市販のトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、商品名「フジタックUZ」を、上記のアートンフィルムと同様にアルカリ処理した後に積層した。その後、この積層体を110±1℃の空気循環式恒温オーブン内で5分間乾燥させて、偏光板を作製した。なお、偏光子の吸収軸とアートンフィルムの遅相軸との成す角度は、略直角(90°±0.5°)であった。
上記の接着剤を、ロッドコータにて上記の偏光子の両面に、乾燥後の厚みが0.05μmとなるように塗工した。そして、その偏光子の一方の面に、上記のアートンフィルムを積層した。この際、アートンフィルムのコロナ放電を施した面が接着剤と対向するように積層した。一方、偏光子の他方の面には、市販のトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、商品名「フジタックUZ」を、上記のアートンフィルムと同様にアルカリ処理した後に積層した。その後、この積層体を110±1℃の空気循環式恒温オーブン内で5分間乾燥させて、偏光板を作製した。なお、偏光子の吸収軸とアートンフィルムの遅相軸との成す角度は、略直角(90°±0.5°)であった。
<C.実施例2>
[C−1.透明保護フィルムの作製]
特開2007−161993号公報の[0103]〜[0106]の実施例3に記載の変性ポリビニルアルコール系樹脂(同公報の式(XI)で表されるポリマー)を準備した。この樹脂を、ジクロロメタンに溶解し、この溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム製基材(厚み70μm)上にキャストし、乾燥させることによって厚み110μmの樹脂フィルムを形成した。この樹脂フィルムを前記基材から剥離した後、140℃で2倍に幅方向に自由端延伸した。なお、延伸後の樹脂フィルムの厚みは50μmであった。また、延伸後の樹脂フィルムの屈折率楕円体は、nx>ny=nz(Nz=1.00)であり、Re[590]は、140nmであった。
[C−1.透明保護フィルムの作製]
特開2007−161993号公報の[0103]〜[0106]の実施例3に記載の変性ポリビニルアルコール系樹脂(同公報の式(XI)で表されるポリマー)を準備した。この樹脂を、ジクロロメタンに溶解し、この溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム製基材(厚み70μm)上にキャストし、乾燥させることによって厚み110μmの樹脂フィルムを形成した。この樹脂フィルムを前記基材から剥離した後、140℃で2倍に幅方向に自由端延伸した。なお、延伸後の樹脂フィルムの厚みは50μmであった。また、延伸後の樹脂フィルムの屈折率楕円体は、nx>ny=nz(Nz=1.00)であり、Re[590]は、140nmであった。
[C−2.偏光板の作製]
偏光板の一方の透明保護フィルムとして、実施例1のアートンフィルムに代えて、上記の延伸後の樹脂フィルムを用いた点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
偏光板の一方の透明保護フィルムとして、実施例1のアートンフィルムに代えて、上記の延伸後の樹脂フィルムを用いた点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
<D.実施例3>
透明保護フィルムに施すコロナ放電処理の放電力を0.05kW(放電量=38W・min/m2)にした点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
透明保護フィルムに施すコロナ放電処理の放電力を0.05kW(放電量=38W・min/m2)にした点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
<E.比較例1>
アートンフィルムにアルカリ処理を施さなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
アートンフィルムにアルカリ処理を施さなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
<F.比較例2>
アートンフィルムにコロナ放電処理を施さなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
アートンフィルムにコロナ放電処理を施さなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
<G.比較例3>
[G−1.接着剤の作製]
アルミナコロイド水溶液を加えなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で接着剤を作製した。
[G−1.接着剤の作製]
アルミナコロイド水溶液を加えなかった点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で接着剤を作製した。
[G−2.偏光板の作製]
偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせるための接着剤として、実施例1の接着剤に代えて、上記の接着剤を用いた点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせるための接着剤として、実施例1の接着剤に代えて、上記の接着剤を用いた点を除き、実施例1と同様の条件及び方法で偏光板を作製した。
<H.評価>
[H−1.表面粗さ(Ra)の評価]
実施例1の透明保護フィルム(アートンフィルム)及び実施例2の透明保護フィルム(変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)の表面粗さ(Ra)を、コロナ放電処理及びアルカリ処理を施す前(未処理)、コロナ放電処理のみを施した後、アルカリ処理のみを施した後、コロナ放電処理及びアルカリ処理の双方を施した後の、それぞれについて測定した。表1に測定結果を示す。
[H−1.表面粗さ(Ra)の評価]
実施例1の透明保護フィルム(アートンフィルム)及び実施例2の透明保護フィルム(変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)の表面粗さ(Ra)を、コロナ放電処理及びアルカリ処理を施す前(未処理)、コロナ放電処理のみを施した後、アルカリ処理のみを施した後、コロナ放電処理及びアルカリ処理の双方を施した後の、それぞれについて測定した。表1に測定結果を示す。
表1に示すように、コロナ放電処理及びアルカリ処理の双方を施すことにより、透明保護フィルムの表面が荒れ、これが一因となって、偏光子と透明保護フィルムとの接着性が向上したものと考えられる。
[H−2.元素比率の評価]
実施例1の透明保護フィルム(アートンフィルム)表面の元素比率を、コロナ放電処理及びアルカリ処理を施す前(未処理)、コロナ放電処理のみを施した後、アルカリ処理のみを施した後、コロナ放電処理及びアルカリ処理の双方を施した後の、それぞれについて測定した。表2に測定結果を示す。なお、表2中の数値は、atomic%を意味する。
実施例1の透明保護フィルム(アートンフィルム)表面の元素比率を、コロナ放電処理及びアルカリ処理を施す前(未処理)、コロナ放電処理のみを施した後、アルカリ処理のみを施した後、コロナ放電処理及びアルカリ処理の双方を施した後の、それぞれについて測定した。表2に測定結果を示す。なお、表2中の数値は、atomic%を意味する。
表2に示すように、コロナ放電処理及びアルカリ処理を施すことにより、N、O、Naといった接着に活性な官能基が存在し、これが一因となって、偏光子と透明保護フィルムとの接着性が向上したものと考えられる。
[H−3.偏光板の耐久性(接着性)評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の偏光板について、下記(1)〜(4)の評価試験を行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3の偏光板について、下記(1)〜(4)の評価試験を行った。
(1)初期剥離試験
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、アクリル系粘着剤を用いてスライドガラスに貼り付けた。この際、実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム側を、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム側を、それぞれスライドガラスに貼り付けた。そして、偏光子とアートンフィルムとの間、又は、偏光子と変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルムとの間に、カッターの刃先を挿入し、偏光子と各フィルムとを剥離できるか否かで両者の接着性を評価した。
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、アクリル系粘着剤を用いてスライドガラスに貼り付けた。この際、実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム側を、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム側を、それぞれスライドガラスに貼り付けた。そして、偏光子とアートンフィルムとの間、又は、偏光子と変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルムとの間に、カッターの刃先を挿入し、偏光子と各フィルムとを剥離できるか否かで両者の接着性を評価した。
(2)60℃温水試験
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、60±1℃の恒温水槽中に5時間浸漬した後に取り出し、常温で自然乾燥させ、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、60±1℃の恒温水槽中に5時間浸漬した後に取り出し、常温で自然乾燥させ、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
(3)60℃90%RH試験
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、60±1℃、90±5%RHの環境試験機内で200時間放置した後に取り出し、常温まで自然放冷し、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、60±1℃、90±5%RHの環境試験機内で200時間放置した後に取り出し、常温まで自然放冷し、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
(4)80℃加熱試験
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、80±1℃の空気循環式恒温オーブンで200時間放置した後に取り出し、常温まで自然放冷し、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
サイズ25mm×50mmに切り出した偏光板を、80±1℃の空気循環式恒温オーブンで200時間放置した後に取り出し、常温まで自然放冷し、偏光子と透明保護フィルム(実施例1、3及び比較例1〜3の偏光板についてはアートンフィルム、実施例2の偏光板については変性ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)との間の剥離状態を目視観察した。
表3に示すように、比較例1〜3の偏光板と異なり、実施例1〜3の偏光板は、加湿・加熱条件下であっても、偏光子と透明保護フィルムとの界面で剥がれが生じ難く、接着性が向上していることが分かる。特に、コロナ放電処理の放電量を50〜150W/min/m2とした実施例1、2の偏光板は、顕著に接着性が向上した。
[H−4.クニックの発生評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の偏光板について、下記の条件及び方法で、クニックの発生有無を評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の偏光板について、下記の条件及び方法で、クニックの発生有無を評価した。
市販の液晶テレビ(BanQ社製、32インチ液晶テレビ、商品名「DV3250」)から液晶パネルを取り出した。この液晶パネルの視認側及び視認側と反対側に配置されている光学部材を綺麗に取り除くことによって、液晶パネルから液晶セルを取り出した。
この液晶セルの視認側と反対側(バックライト側)に、厚み12μmのアクリル系粘着剤を介して、市販の偏光板(日東電工(株)製、商品名「NIBCOM−NXP」)を貼り付けた。なお、この市販の偏光板は、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルムと、偏光子と、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルムと、厚み4μmのポリイミド系樹脂フィルム(Re[590]=55nm、Rth[590]=240nm)とが積層されている。
上記液晶セルの視認側に、厚み12μmのアクリル系粘着剤を介して、実施例1〜3及び比較例1〜3の偏光板をそれぞれ貼り付け、試験用液晶パネルをそれぞれ作製した。それぞれの試験用液晶パネルを、23℃の暗室でバックライト点灯から30分経過した後、画面を黒表示にした。この黒表示画面を目視によって観察し、画面中央部において光抜けする箇所(クニック)の個数をカウントした。
上記試験の結果、接着剤にアルミナコロイド水溶液を加えなかった比較例3の偏光板は、クニックの発生箇所が多く、実用上問題がある。これに対して、実施例1〜3の偏光板は、クニックの発生が確認できなかった。すなわち、本発明によれば、偏光子と透明保護フィルムとの界面におけるクニックの発生を抑止できることが分かった。
10,10A,10B…偏光板
11…偏光子
12…透明保護フィルム
20…誘電体ロール
30…電極
40…液晶セル
100…液晶パネル
11…偏光子
12…透明保護フィルム
20…誘電体ロール
30…電極
40…液晶セル
100…液晶パネル
Claims (7)
- 透明保護フィルムの表面に表面改質処理及びアルカリ処理を施す工程と、
金属化合物コロイドを含有するポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記表面改質処理及びアルカリ処理が施された透明保護フィルム表面と偏光子とを貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする偏光板の製造方法。 - 前記表面改質処理は、コロナ放電処理、プラズマ放電処理及びUVオゾン処理のうちの少なくとも一つの処理であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- 前記表面改質処理は、放電量が50〜150W・min/m2のコロナ放電処理であることを特徴とする請求項2に記載の偏光板の製造方法。
- 前記透明保護フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの何れかの樹脂から形成されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の偏光板の製造方法。
- 前記金属化合物コロイドは、アルミナコロイドであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の偏光板の製造方法。
- 請求項1から5の何れかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする偏光板。
- 請求項6に記載の偏光板を備えることを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007314143A JP2009139510A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | 偏光板の製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014048586A (ja) * | 2012-09-03 | 2014-03-17 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 偏光板及びその製造方法 |
JP2015152911A (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 住友化学株式会社 | 偏光性積層フィルム及び偏光板の製造方法 |
CN105467496A (zh) * | 2014-09-30 | 2016-04-06 | 住友化学株式会社 | 偏振板及其制造方法 |
-
2007
- 2007-12-05 JP JP2007314143A patent/JP2009139510A/ja not_active Withdrawn
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JP2016071378A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 住友化学株式会社 | 偏光板及びその製造方法、並びに偏光板のセット、液晶パネル、液晶表示装置 |
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Legal Events
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