JP2016070978A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、構造体の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、構造体の製造方法 Download PDF

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有紀子 村松
宮坂 昌宏
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昌宏 宮坂
翔太 岡出
Shota Okade
翔太 岡出
中村 彰宏
Akihiro Nakamura
彰宏 中村
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Abstract

【課題】開口形成部分の残存率を高めることが可能な感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物であって、バインダーポリマーと、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートを含む光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、構造体の製造方法に関する。
導体回路を有する構造体の一つであるプリント配線基板は、コア基板上に複数の配線層が形成されたものであり、コア基板となる銅張積層体と、各配線層間に設けられる層間絶縁材と、最表面に設けられるソルダーレジストとを備えている。プリント配線基板上には、通常、ダイボンディング材やアンダーフィル材を介して半導体素子が実装される。また、必要に応じて、トランスファー封止材によって全面封止される場合や、放熱性の向上を目的とした金属キャップ(蓋)が装着される場合がある。近年、半導体装置の軽薄短小化は留まるところを知らず、半導体素子や多層プリント配線基板の高密度化が進んでいる。また、半導体装置の上に半導体装置を積むパッケージ・オン・パッケージといった実装形態も盛んに行われており、今後、半導体装置の実装密度は一段と高くなると予想される。
図1は、従来の多層プリント配線基板の製造方法を示す模式図である。図1(f)に示す多層プリント配線基板100は表面及び内部に配線パターンを有する。多層プリント配線基板100は、銅張積層体、層間絶縁材及び金属箔等を積層すると共にエッチング法やセミアディティブ法によって配線パターンを適宜形成することによって得られる。
まず、表面に配線パターン102を有する銅張積層体101の両面に層間絶縁層103を形成する(図1(a)参照)。層間絶縁層103は、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷機やロールコータを用いて印刷してもよいし、熱硬化性樹脂組成物からなるフィルムを予め準備し、ラミネータを用いて、このフィルムをプリント配線基板の表面に貼り付けることもできる。次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所に、YAGレーザや炭酸ガスレーザを用いて開口104を形成し、開口104周辺のスミア(残渣)をデスミア処理により除去する(図1(b)参照)。次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(図1(c)参照)。上記シード層105上に感光性樹脂組成物をラミネートし、所定の箇所を露光、現像処理して感光性樹脂層のパターン106を形成する(図1(d)参照)。次いで、電解めっき法により配線パターン107を形成し、はく離液により感光性樹脂組成物の硬化物を除去した後、上記シード層105をエッチングにより除去する(図1(e)参照)。以上を繰り返し行い、最表面にソルダーレジスト108を形成することで多層プリント配線基板100を作製することができる(図1(f)参照)。このようにして得られた多層プリント配線基板100は、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。
ところで、プリント配線基板の層間絶縁材には、上下の配線層を電気的に接続するためのビア(開口)を設ける必要がある。プリント配線基板上に実装されるフリップチップのピン数が増加すれば、そのピン数に対応する開口を設ける必要がある。しかし、従来のプリント配線基板は実装密度が低く、また、実装する半導体素子のピン数も数千ピンから一万ピン前後の設計となっているため、小径で狭ピッチな開口を設ける必要がなかった。
しかしながら、半導体素子の微細化が進展し、ピン数が数万ピンから数十万ピンに増加するに従って、プリント配線基板の層間絶縁材に形成する開口も半導体素子のピン数に合わせて、狭小化する必要性が高まっている。最近では、熱硬化性樹脂材料を用いて、レーザにより開口を設けるプリント配線基板の開発が進められている(例えば、下記特許文献1〜4参照)。
しかしながら、図1に示す方法で製造された多層プリント配線基板100は、レーザ等の新規な設備導入が必要であること、比較的大きな開口又は60μm以下の微小な開口を設けることが困難であること、開口径に合わせて使用するレーザを使い分ける必要があること、特殊な形状を設けることが困難であること等の問題がある。また、レーザを用いて開口を形成する場合、各開口を一つずつ形成しなければならないため、多数の微細な開口を設ける必要がある場合に時間が掛かることや、開口部周辺に樹脂の残渣が残るため、残渣を除去しない限り、得られる多層プリント配線基板の信頼性が低下することといった問題もある。
そこで、上述した問題を解決するために、レーザを用いずに開口を設ける方法として、感光性樹脂組成物を用いる方法が提案されている(例えば、下記特許文献5参照)。
特開平08−279678号公報 特開平11−054913号公報 特開2001−217543号公報 特開2003−017848号公報 国際公開第2013/054790号
しかしながら、開口の直径を更に狭小化し、30μm以下の微細領域になると、従来の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を導体回路上に形成し、次いで、アルカリ性水溶液を用いて開口形成部分を残存するようにパターン化する場合、感光性樹脂組成物を用いて形成される開口形成部分を充分に残存させることが難しくなり、不良が生じる場合があり、その後の工程に悪影響を与える問題がある。特に、開口間の幅(「ピッチ」ともいう)が広い開口形成の設計では、開口形成部分の残存率が低下しやすいといった問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、開口形成部分の残存率を高めることが可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物であって、バインダーポリマーと、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートを含む光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記構造体の製造方法が、前記感光性樹脂組成物を用いて、導体回路を覆うように前記支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、前記第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように前記支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第1の感光性樹脂層のパターンの前記所定箇所を除去して、前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える。
本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、感光性樹脂組成物を用いて形成される開口形成部分の残存率を高めることができる。また、本発明に係る感光性樹脂組成物は、基板との密着性に優れ、露光後(硬化後)の機械強度が充分に高く、かつ、破断しにくい。
前記光重合性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2016070978

[式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、m1、m2、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜30を示す。]
前記バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に由来する構造単位を有することが好ましい。
前記バインダーポリマーの酸価は、80〜250mgKOH/gであることが好ましい。前記バインダーポリマーの重量平均分子量は、10000〜100000であることが好ましい。
前記光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含むことが好ましい。前記光重合性化合物は、前記エチレン性不飽和結合を有する化合物として、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物を含むことが好ましい。
前記光重合開始剤は、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、増感色素を更に含有していてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、水素供与体を更に含有していてもよい。
本発明に係る感光性エレメントは、支持体と、本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて前記支持体上に形成された感光性樹脂層と、を備える。
本発明に係るレジストパターンの形成方法は、本発明に係る感光性樹脂組成物、又は、本発明に係る感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基板上に形成する工程と、前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射して前記所定部分を硬化させる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを前記基板上に形成する現像工程と、を有する。
本発明に係るレジストパターンの形成方法において、前記活性光線の波長は、340〜430nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る構造体の製造方法は、導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体の製造方法であって、本発明に係る感光性樹脂組成物、又は、本発明に係る感光性エレメントを用いて、導体回路を覆うように前記支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、前記第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように前記支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第1の感光性樹脂層を除去して、前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える。
本発明に係る構造体の製造方法は、前記熱硬化性樹脂層形成工程及び前記パターン露出工程の間の工程として、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備えていることが好ましい。
本発明に係る構造体の製造方法は、前記開口を形成した後の前記熱硬化性樹脂層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法により前記配線部の下地となるシード層を形成するシード層形成工程と、前記シード層を覆うように第2の感光性樹脂層を形成後、前記第2の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第2のパターン化工程と、前記シード層の少なくとも一部を覆うように電解めっき法により前記配線部を形成後、前記第2の感光性樹脂層のパターンをはく離して前記配線部をパターン化する配線部パターン化工程と、前記配線部が形成されていない領域のシード層を除去するシード層除去工程と、を更に備えていることが好ましい。
本発明によれば、感光性樹脂組成物を用いて形成される開口形成部分の残存率を高めることができる。
従来の多層プリント配線基板の製造方法を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(ポリ)オキシエチレン基」とは、オキシエチレン基、及び、2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基の少なくとも一方を意味する。「(ポリ)オキシプロピレン基」とは、オキシプロピレン基、及び、2以上のプロピレン基がエーテル結合で連結したポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を意味する。「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味し、「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基の双方を有する化合物であることを意味する。なお、「オキシエチレン基」とは、(−C−O−)で表される基であり、「オキシプロピレン基」とは、(−C−O−)で表される基である。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が脱着可能であってもよい。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体(導体回路を有する構造体)の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物である。前記構造体の製造方法は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて、導体回路を覆うように前記支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、前記第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように前記支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第1の感光性樹脂層を除去して、前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー(以下「(A)成分」ともいう。)と、(B)光重合性化合物(以下「(B)成分」ともいう。)と、(C)光重合開始剤(以下「(C)成分」ともいう。)と、を含有する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(B)成分は、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートを含む。本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を更に含有していてもよい。
((A):バインダーポリマー)
まず、バインダーポリマーについて説明する。
(A)成分であるバインダーポリマーは、特に限定されないが、アルカリ性水溶液に可溶であることが好ましい。(A)成分は、後述する重合性単量体に由来する構造単位を有していてもよく、例えば、後述する重合性単量体をラジカル重合させることにより製造可能である。
重合性単量体(モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン;ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている化合物等のスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;マレイン酸;マレイン酸無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル;フマル酸;ケイ皮酸;α−シアノケイ皮酸;イタコン酸;クロトン酸;プロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A)成分は、現像性及び剥離性に更に優れる観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有することが好ましい。また、(A)成分は、基板との密着性が更に向上する観点から、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に由来する構造単位を有することが好ましく、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる重合性単量体に由来する構造単位を有することがより好ましい。(A)成分は、(メタ)アクリル酸ベンジル及び(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位と、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位とを双方含むことがより好ましい。(A)成分は、これらの重合性単量体に由来する構造単位を有するものであることが好ましく、これらの重合性単量体をラジカル重合させることにより得られるものであることがより好ましい。
(A)成分が(メタ)アクリル酸ベンジル又はその誘導体に由来する構造単位を有する場合、当該構造単位の含有量は、解像度及び剥離性に更に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の固形分全質量を基準として、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましい。この含有量は、解像度に更に優れる点では、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、この含有量は、剥離性に更に優れる点では、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
(A)成分がスチレン又はその誘導体に由来する構造単位を有する場合、当該構造単位の含有量は、密着性及び剥離性に更に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の固形分全質量を基準として、10〜70質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが更に好ましい。この含有量は、密着性に更に優れる点では、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、この含有量は、剥離性に更に優れる点では、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
また、(A)成分は、アルカリ現像性及び剥離性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有することが好ましい。
(A)成分が(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有する場合、当該構造単位の含有量は、剥離性、解像度及び密着性に更に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の固形分全質量を基準として、1〜60質量%であることが好ましく、2〜50質量%であることがより好ましく、3〜50質量%であることが更に好ましい。この含有量は、剥離性に優れる点では、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。また、この含有量は、解像度及び密着性に更に優れる点では、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A)成分の酸価は、現像性及び耐現像液性に更に優れる点では、80〜250mgKOH/gであることが好ましく、90〜250mgKOH/gであることがより好ましく、100〜230mgKOH/gであることが更に好ましく、110〜210mgKOH/gであることが特に好ましく、120〜200mgKOH/gであることが極めて好ましい。なお、溶剤現像を行う場合は、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体(モノマー)を少量に調整することが好ましい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)した場合、現像性及び耐現像液性に更に優れる点では、10000〜100000であることが好ましく、20000〜80000であることがより好ましく、25000〜70000であることが更に好ましい。(A)成分の重量平均分子量は、現像性に更に優れる点では、100000以下であることが好ましく、80000以下であることがより好ましく、70000以下であることが更に好ましい。(A)成分の重量平均分子量は、耐現像液性に更に優れる点では、10000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましい。
(A)成分としては、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の(異なるモノマー単位を共重合成分として含む)バインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
(A)成分の含有量は、フィルム形成性、感度及び解像度に更に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、30〜70質量部であることが好ましく、35〜65質量部であることがより好ましく、40〜60質量部であることが更に好ましい。
((B):光重合性化合物)
次に、光重合性化合物について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数(一分子中の総構造単位数)が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートを含有する。(B)成分は、前記ビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートとして、下記一般式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2016070978

[式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示す。式(1)で表される化合物の分子内において、XO及びYOは、それぞれ連続してブロック的に存在してもよく、ランダムに存在してもよい。(XO)m1、(XO)m2、(YO)n1及び(YO)n2は、それぞれ(ポリ)オキシエチレン基又は(ポリ)オキシプロピレン基を示す。m1+m2+n1+n2が8〜30であって、m1、m2、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜30の数値を採り得る。XOがオキシエチレン基、YOがオキシプロピレン基である場合、例えば、m1+m2は1〜30であり、n1+n2は0〜20である。XOがオキシプロピレン基、YOがオキシエチレン基である場合、例えば、m1+m2は0〜20であり、n1+n2は1〜30である。m1、m2、n1及びn2は構造単位の構造単位数を示す。従って、単一の分子においては整数値を示し、複数種の分子の集合体としては平均値である有理数を示す。以下、構造単位の構造単位数については同様である。]
(B)成分として、一般式(1)で表される化合物を用いることによって、感光性樹脂組成物の露光後の機械強度を充分に高めやすく、かつ、開口の直径が30μm以下でありかつピッチが広い開口形成部分を形成する場合であっても開口形成部分の残存率に更に優れる。
一般式(1)において、オキシエチレン基の構造単位の構造単位数は、現像性及び除去性を更に良好にする観点から、それぞれ独立に、8〜30であることが好ましく、8〜28であることが好ましく、8〜25であることが更に好ましい。また、オキシプロピレン基の構造単位の構造単位数は、密着性を更に良好にする観点から、それぞれ独立に、0〜30であることが好ましく、0〜25であることがより好ましく、0〜20であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、市販のものを使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて使用することができる。一般式(1)で表される化合物として、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、商品名)又はFA−321M(日立化成株式会社製、商品名)として、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、商品名)として、2,2−ビス(4−(メタクリロキシオクタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−900(新中村化学工業株式会社製、商品名)として、商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
一般式(1)で表される化合物の含有量は、(B)成分全体の質量に対して10〜90質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましい。
(B)成分は、一般式(1)で表される化合物以外の他の光重合性化合物を含むことができ、光架橋が可能なものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、(B)成分は、エチレン性不飽和結合を有する化合物(オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートに該当する化合物を除く)を含むことができる。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物、及び、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上(例えば3つ)有する化合物が挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物としては、例えば、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート及びフマル酸系化合物が挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物としては、例えば、一般式(1)で表される化合物以外のビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、及び、2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、EO変性テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、PO変性テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、EO変性イソシアヌレート誘導トリメタクリレート、PO変性イソシアヌレート誘導トリメタクリレート、及び、EO・PO変性イソシアヌレート誘導トリメタクリレートが挙げられる。中でも、商業的に入手可能なものとしては、例えば、A−TMM−3(新中村化学工業株式会社製、テトラメチロールメタントリアクリレート)、TMPT21E、TMPT30E(日立化成株式会社製、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート)、M−114(東亞合成株式会社製、4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート)、及び、FA−MECH(日立化成株式会社製、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート)が挙げられる。一般式(1)で表される化合物以外の他の光重合性化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、(B)成分は、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)の可とう性を更に向上させる観点から、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物が好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量は、(B)成分全体の質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。
Figure 2016070978
上記一般式(2)、(3)及び(4)中、R21、R22、R31、R32、R41及びR42はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。r21、r22、r3及びr4はオキシエチレン基の構造単位数を示し、s2、s31、s32及びs4はオキシプロピレン基の構造単位数を示す。一分子中において、オキシエチレン基の構造単位数「r21+r22」、r3及びr4(平均値)はそれぞれ独立に1〜30を示し、オキシプロピレン基の構造単位数s2、「s31+s32」及びs4(平均値)はそれぞれ独立に1〜30を示す。
上記一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物において、オキシエチレン基の構造単位数「r21+r22」、r3及びr4は1〜30であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは4〜9であり、更に好ましくは5〜8である。この構造単位数が30以下であると、更に充分な解像度、密着性及びレジスト形状が得られやすくなる傾向がある。
また、上記一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物において、オキシプロピレン基の構造単位数s2、「s31+s32」及びs4は1〜30であり、好ましくは5〜20であり、より好ましくは8〜16であり、更に好ましくは10〜14である。この構造単位数が30以下であると、より充分な解像度が得られやすくなり、スラッジが発生しにくくなる傾向がある。
上記一般式(2)で表される化合物としては、R21及びR22=メチル基、r21+r22=6(平均値)、s2=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成株式会社製、商品名FA−023M)等が挙げられる。上記一般式(3)で表される化合物としては、R31及びR32=メチル基、r3=6(平均値)、s31+s32=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成株式会社製、商品名FA−024M)等が挙げられる。上記一般式(4)で表される化合物としては、R41及びR42=水素原子、r4=1(平均値)、s4=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業株式会社製、サンプル名NKエステルHEMA−9P)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、30〜70質量部であることが好ましく、35〜65質量部であることがより好ましく、40〜60質量部であることが更に好ましい。(B)成分の含有量が30質量部以上であることで、感度及び解像性が更に優れたものとなる傾向があり、70質量部以下であることで、レジスト形状が更に優れたものとなる傾向がある。
((C):光重合開始剤)
次に、光重合開始剤について説明する。
(C)成分は、活性光線等の照射によって、(B)成分を重合させることができるものであれば特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。
(C)成分としては、例えば、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体(例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール)、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾールの2つのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、(C)成分は、密着性が更に向上する観点からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことがより好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含有する場合、その含有割合は、(C)成分の固形分総量を基準として、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、50〜100質量%が更に好ましい。この含有量が10質量%以上であることで、感度及び解像度がより一層向上する傾向がある。
(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることがより好ましく、2.5〜5質量部であることが更に好ましい。この含有量が0.1質量部以上であることで、感度及び解像性が向上する傾向があり、10質量部以下であることで、開口形成部分の形状が更に優れたものとなる傾向がある。
((D):増感色素)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)増感色素(以下「(D)成分」ともいう。)を更に含有していてもよい。
(D)成分としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物及びアミノアクリジン化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分としては、340〜430nmに吸収極大を有する増感色素を用いることができる。特に、340〜430nmの活性光線を用いて感光性樹脂層を露光する場合には、感度及び密着性を更に向上させる観点から、(D)成分は、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、トリアリールアミン化合物、チオキサントン化合物及びアミノアクリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の増感色素を含むことが好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物及びトリアリールアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが更に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であることで、感度及び解像度が更に優れたものとなる傾向があり、10質量部以下であることで、開口形成部分のレジスト形状が更に優れたものとなる傾向がある。
((E):水素供与体)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)水素供与体(以下「(E)成分」ともいう)を更に含有していてもよい。露光部の反応時に水素を与えることができる。(E)成分を更に含有することで、露光部分と未露光部分とのコントラスト(「イメージング性」ともいう。)を更に向上させることができる。
(E)成分としては、例えば、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン及びロイコクリスタルバイオレットが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分を含む場合、(E)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましく、0.1〜2質量部であることが更に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であることで、感度が更に優れたものとなる傾向があり、10質量部以下であることで、フィルム形成後、(E)成分が異物として析出しにくくなる傾向がある。
(その他の成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを更に含有してもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部であることが好ましい。
[感光性樹脂組成物の溶液]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、粘度を調整するために後述する溶剤を含有していてもよく、例えば、本実施形態の感光性樹脂組成物を溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%の溶液(塗布液)として用いることができる。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
後述する感光性エレメントの支持体、基板等の表面上に塗布液を塗布し、乾燥させることにより、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を形成することができる。
感光性樹脂層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで2〜50μmであることが好ましい。感光性樹脂層表面を、保護層で被覆してもよい。保護層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムが挙げられる。
<感光性エレメント>
上記感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、乾燥させることにより、上記感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を支持体上に形成することができる。このようにして、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂層とを備える、本実施形態の感光性エレメントが得られる。なお、支持体上に塗布する感光性樹脂組成物は、上述した塗布液であってもよい。
支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
感光性エレメントは、必要に応じて、感光性樹脂層の支持体とは反対側の表面を被覆する保護層を備えてもよい。
保護層としては、感光性樹脂層に対する接着力が、支持体の感光性樹脂層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。ここで、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の上記異物等が少ないことを意味する。
保護層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、例えば、王子製紙株式会社製のアルファンMA−410、E−200C、信越フィルム株式会社製等のポリプロピレンフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製PS−25等のPSシリーズのポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。なお、保護層は支持体と同一のものでもよい。
感光性エレメントは、具体的には、例えば、以下のようにして製造することができる。感光性エレメントは、本実施形態の感光性樹脂組成物を含む塗布液を準備する工程と、塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程と、上記塗布層を乾燥して感光性樹脂層を形成する工程と、を含む製造方法で製造することができる。
感光性樹脂組成物の支持体上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
上記塗布層の乾燥は、塗布層から溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はないが、例えば、70〜150℃にて、5〜30分間行うことが好ましい。乾燥後、感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
また、感光性樹脂層の厚さは、必要に応じて適宜調整することができるが、例えば、2〜50μmであることが好ましい。この厚さが2μm以上であると、感光性樹脂層を工業上形成しやすくなる。
上記感光性樹脂層の紫外線に対する透過率は、波長365nmの紫外線に対して5〜75%であることが好ましく、10〜65%であることがより好ましく、15〜55%であることが更に好ましい。この透過率が5%以上であると、充分な密着性が得られやすくなる傾向があり、75%以下であると、充分な解像度が得られやすくなる傾向がある。上記透過率は、UV分光計により測定することができる。UV分光計としては、例えば、株式会社日立製作所製の228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメントは、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層などを更に有していてもよい。
得られた感光性エレメントは、シート状で又は巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。ロール状に巻き取る場合、支持体が外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
<レジストパターンの形成方法>
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、(i)上記感光性樹脂組成物、又は、上記感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基板上に形成する感光性樹脂層形成工程と、(ii)感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、(iii)感光性樹脂層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを基板上に形成する現像工程と、を有する。
(i)感光性樹脂層形成工程
まず、感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基板上に形成する。基板としては、絶縁層と、該絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板(回路形成用基板)を用いることができる。
基板上に感光性樹脂層を形成する方法としては、例えば、基板上に、感光性樹脂組成物を塗布した後、乾燥させる方法、及び、上述した感光性エレメントにおける感光性樹脂層を基板上に転写(ラミネート)する方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物の基板上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
感光性エレメントを用いる場合、感光性樹脂層の基板上へのラミネートは、例えば、上記感光性エレメントの保護層を除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行われる。これにより、基板と感光性樹脂層と支持体とからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。
ラミネートの条件は、必要に応じて適宜調整することができるが、ラミネートは、密着性及び追従性が更に向上する観点から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましく、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm)の圧力で圧着することが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。なお、感光性樹脂層を70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、基板を予め上記温度範囲で加熱してもよい。
(ii)露光工程
次に、基板上の感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。この際、感光性樹脂層上に存在する支持体が活性光線に対して透過性である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができるが、支持体が遮光性である場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法(マスク露光法)等が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。
活性光線の波長(露光波長)としては、本発明の効果をより確実に得る観点から、340〜430nmであることが好ましく、350〜420nmであることがより好ましい。
(iii)現像工程
現像工程では、感光性樹脂層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを基板上に形成する。感光性樹脂層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去してから上記所定部分(露光部分)以外の部分(未露光部分)の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッビング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種類以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液は、感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。現像液としては、アルカリ性水溶液、有機溶剤現像液等が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、現像液として用いられる場合、安全且つ安定であり、操作性が良好である。アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム);メタケイ酸ナトリウム;水酸化テトラメチルアンモニウム;エタノールアミン;エチレンジアミン;ジエチレントリアミン;2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール;1,3−ジアミノ−2−プロパノール;モルホリンなどが用いられる。
現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは、9〜11の範囲であることが好ましく、その温度は、感光性樹脂層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの有機溶剤に、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加して有機溶剤現像液とすることが好ましい。
本実施形態のレジストパターンの形成方法は、未露光部分を除去した後、必要に応じて60〜250℃の加熱及び/又は0.2〜10J/cmのエネルギー量での露光を行うことにより、レジストパターンを硬化する工程を更に有していてもよい。
<構造体の製造方法>
本実施形態の感光性樹脂組成物、及び、本実施形態の感光性エレメントは、半導体素子を実装するための構造体(例えばプリント配線基板)の製造に好適に用いられ、中でも、高密度パッケージ基板の製造により好適に用いられ、構造体(導体回路を有する構造体)の製造に更に好適に用いられる。特に、フリップチップ型の半導体素子を実装するためのプリント配線基板の製造に加え、コアレス基板、WLP(Wafer Level Package)、eWLB(embeded Wafer Level Ball Grid Array)等の基板レスパッケージの再配線方法にも好適に用いることができる。中でも、実装される半導体素子のサイズが大きく、半導体素子の表面にエリアアレイ状に配置された数万ものバンプと電気的に接続するためのプリント配線基板に特に好適である。
構造体の製造方法により製造される構造体は、導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、導体回路に接続される配線部が開口に形成されてなる構造体である。構造体の製造方法は、本実施形態の感光性樹脂組成物、又は、本実施形態の感光性エレメントを用いて、導体回路を覆うように支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、熱硬化性樹脂層の一部を除去して第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を除去して、導体回路を露出させる開口を熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える。構造体の製造方法としては、特許文献5に記載の製造方法を用いてもよい。なお、本明細書において、「導体回路を有する支持体」とは、「導体回路を有する基板」ともいえる。また、「導体回路」とは、「導体パターン」ともいえる。
この構造体の製造方法では、熱硬化性樹脂層に形成する開口の形状に合わせて、第1のパターン化工程において第1の感光性樹脂層をパターン化することにより、様々な開口を容易に形成することができる。また、この構造体(例えばプリント配線基板)の製造方法では、レーザで開口を形成する場合と異なり、複数の開口を同時に形成できることに加え、開口周辺の樹脂の残渣を低減できる。このため、半導体素子のピン数が増加し、多数の微細な開口を設ける必要が生じた場合でも、優れた信頼性を有する構造体(例えばプリント配線基板)を効率的に製造することができる。また、直径30μm以下の開口を形成する場合であっても、又は、直径が大きい開口を形成する場合であっても、優れた絶縁信頼性を有する開口をより効率的に形成することができる。
また、構造体の製造方法は、前記熱硬化性樹脂層形成工程及び前記パターン露出工程の間の工程(例えば、熱硬化性樹脂層形成工程の直後の工程)として、熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備えていることが好ましい。この場合、例えば、パターン露出工程において、熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去を行い、開口形成工程において、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層の除去を行う。熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部を除去する方法としては、機械研磨、プラズマ処理、ウェットブラスト、サンドブラスト、ケミカルポリッシング等が挙げられる。熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層を除去する方法としては、薬液処理(「デスミア処理」ともいう)、プラズマ処理、ウェットブラスト、サンドブラスト等が挙げられる。
前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部を除去する方法が機械研磨であり、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層を除去する方法が薬液処理であることが好ましい。機械研磨によって、熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部を除去することで、より速やかに第1の感光性樹脂層を露出させることができると共に、開口周辺の残渣をより確実に低減でき、薬液処理によって、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層を除去することで、開口周辺の残渣をより確実に低減できる。また、薬液処理に用いる薬液としては、現像に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性である水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、過マンガン酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液、硫酸等が挙げられる。また、薬液処理に用いる薬液としては、水又はアルカリ性水溶液と、1種以上の有機溶剤とからなる現像液も好適に用いることができる。アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられ、一緒に用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、単独で又は2種類以上の塩基を組み合わせて使用される。なお、これらの薬液は、単独で又は2種類以上を組み合わせて混合液として用いることができる。
また、前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部を除去する方法と、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層を除去する方法とが、プラズマ処理、ウェットブラスト及びサンドブラストからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合、より速やかに第1の感光性樹脂層を露出させることができると共に、開口周辺の残渣をより確実に低減できる。
また、前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部を除去する方法と、熱硬化性樹脂層から露出した第1の感光性樹脂層を除去する方法とが、薬液処理であることが好ましい。この場合、より速やかに第1の感光性樹脂層を露出させることができると共に、開口周辺の残渣をより確実に低減できる。また、薬液処理に用いる薬液としては、現像に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性である水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、過マンガン酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液、硫酸等が挙げられる。また、薬液処理に用いる薬液として、水又はアルカリ性水溶液と、1種以上の有機溶剤とからなる現像液も好適に用いることができる。アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられ、一緒に用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、単独で又は2種類以上の塩基を組み合わせて使用される。これらの薬液は、単独で又は2種類以上を組み合わせての混合液として用いることができる。
また、熱硬化工程において、不活性ガスの雰囲気で熱硬化を行うことが好ましい。不活性ガスの雰囲気で熱硬化を行うことにより、熱硬化工程において導体回路表面の銅の酸化を抑制することができる。
また、構造体の製造方法は、開口を形成した後の熱硬化性樹脂層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法により配線部の下地となるシード層を形成するシード層形成工程と、シード層を覆うように第2の感光性樹脂層を形成後、第2の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第2のパターン化工程と、シード層を少なくとも一部を覆うように、電解めっき法により配線部を形成後、はく離処理により第2の感光性樹脂層をはく離して配線部をパターン化する配線部パターン化工程と、配線部が形成されていない領域のシード層を除去するシード層除去工程と、を更に備えていることが好ましい。シード層を形成することにより、電解めっき法による配線部の形成が可能になり、配線部を選択的にパターン化することができる。
また、感光性樹脂層形成工程において、第1の感光性樹脂層の厚さTは2〜50μmであることが好ましい。第1の感光性樹脂層の厚さTが2μm以上であると、第1の感光性樹脂層の形成に用いる感光性樹脂組成物を成膜し易くなるため、構造体(例えばプリント配線基板)の製造に用いる感光性エレメントの感光性樹脂層を容易に形成することができる。第1の感光性樹脂層の厚さTが50μm以下であると、第1の感光性樹脂層に微細なパターンを形成することが容易になる。
また、熱硬化性樹脂層形成工程おいて、熱硬化性樹脂層の厚さTは2〜50μmであることが好ましい。熱硬化性樹脂層の厚さTが2μm以上であると、熱硬化性樹脂層の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物を成膜し易くなるため、構造体(例えばプリント配線基板)の製造に用いるフィルム状の熱硬化性樹脂組成物を容易に作製することができる。熱硬化性樹脂層の厚さTが50μm以下であると、熱硬化性樹脂層に微細なパターンを形成することが容易になる。
また、本実施形態の構造体は、上述した構造体の製造方法によって製造された構造体(導体回路を有する構造体)であって、熱硬化性樹脂層が有する開口の直径が30μm以下であることが好ましい。上述した製造方法によって製造された構造体は、図1に示される従来の構造体と比べて、絶縁層に微細な開口を有し且つ優れた信頼性を有することができる。また、構造体における熱硬化性樹脂層が有する開口の直径が30μm以下であることにより、ピン数が数万ピンから数十万ピンの多数のピンを備えた半導体素子を実装するのに適したものとなる。
また、上述した構造体の製造方法において使用される熱硬化性樹脂組成物は、熱によって硬化できるものであれば特に制限はないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物が好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物に分散した状態での最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーを含有することが好ましい。このような熱硬化性樹脂組成物を用いて熱硬化性樹脂層を形成することにより、熱硬化性樹脂層に形成された開口の表面が平滑となり、開口上にシード層を形成し易くなる。なお、熱硬化性樹脂組成物に分散した状態での無機フィラーの最大粒径は、マイクロトラック法又はナノトラック法を用いて測定されるものをいい、例えば、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装株式会社製)、レーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いてそれぞれ測定した値の平均値をいう。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<バインダーポリマ(A−1)の合成>
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸78g、メタクリル酸ベンジル75g、メタクリル酸メチル15g及びスチレン132g(質量比26/25/5/44)と、アゾビスイソブチロニトリル2.5gとを混合して得た溶液を「溶液a」とした。
メチルセロソルブ100g及びトルエン50gの混合液(質量比2:1)150gに、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解して得た溶液を「溶液b」とした。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ180g及びトルエン120gの混合液(質量比3:2)300gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みつつ撹拌しながら加熱し、80℃まで昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下速度を一定にして滴下した後、80℃にて2時間撹拌した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液bを10分間かけて滴下速度を一定にして滴下した後、フラスコ内の溶液を80℃にて3時間撹拌した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間撹拌した後、撹拌を止め、室温まで冷却してバインダーポリマ(A−1)の溶液を得た。なお、本明細書において、室温とは25℃を示す。
バインダーポリマ(A−1)の不揮発分(固形分)は42.8質量%であり、重量平均分子量は43000であり、酸価は170mgKOH/gであった。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:以下の計3本、カラム仕様:10.7mmφ×300mm
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう)
試料濃度:固形分が42.8質量%のバインダーポリマー溶液を120mg採取し、5mLのTHFに溶解して試料を調製した。
測定温度:40℃
注入量:200μL
圧力:49Kgf/cm(4.8MPa)
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
<感光性樹脂組成物(塗布液)の作製>
表1に示す各成分を表1に示す配合量(質量部)で混合することにより、実施例1〜2及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物(塗布液)を作製した。表中のバインダーポリマー(A−1)の配合量は不揮発分の質量(固形分量)である。表1に示す各成分の詳細は、以下のとおりである。
(A)バインダーポリマー
上記のとおり合成したバインダーポリマー(A−1)を用いた。
(B)光重合性化合物
・TMPT−9EO:(EO)変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(エチレンオキサイド平均9mol付加物)(新中村化学工業株式会社製、商品名)
・FA−024M:下記一般式(3)において、R31及びR32=メチル基、r3=6(平均値)、s31+s32=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成株式会社製、商品名)
・M−114:4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名)
・FA−321M:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(日立化成株式会社製、商品名)、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数:10
・BPE−900:2,2−ビス(4−(メタクリロキシオクタデカエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業株式会社製、商品名)、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数:18
・BPE−200:2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業株式会社製、商品名)、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数:4
・BPE−100:2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業株式会社製、商品名)、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数:2.6
Figure 2016070978
(C)光重合開始剤
B−CIM:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(Hampford社製、商品名)
(D)増感色素
EAB:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製、商品名)
(E)水素供与体
LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学社製、商品名)
染料
MKG:マラカイトグリーン(大阪有機化学工業社製、商品名)
Figure 2016070978
<感光性エレメントの作製>
上記で得られた感光性樹脂組成物を、それぞれ、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、商品名「HTF−01」)(支持体)上に厚さが均一になるように塗布し、熱風対流式乾燥器を用いて、70℃で1分間、次いで、110℃1分間乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmである感光性樹脂層を形成した。さらに、感光性樹脂層上にポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名「NF−15」)(保護層)を貼り合わせ、支持体と、感光性樹脂層と、保護層とが順に積層された感光性エレメントとして、実施例1〜2及び比較例1〜2に係る感光性エレメントをそれぞれ得た。
<導体回路を有するプリント配線基板の準備>
まず、厚さ12μmの銅箔が両面に貼着された銅張積層体(日立化成株式会社製、商品名「MCL−E−679FG」)を準備した。銅張積層体の厚さは400μmであった。この銅表面を、CZ処理液(メック株式会社製、商品名「メックエッチボンドCZ−8100」)で粗化した。この粗化銅基板(以下、単に「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜2及び比較例1〜2に係る感光性エレメントを、それぞれ、基板の銅表面上にラミネート(積層)した。ラミネートは、保護層を除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂層が基板の銅表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力0.39MPaの条件下で行った。次いで、室温になるまで冷却して、基板の銅表面上に感光性樹脂層及び支持体が積層された積層基板を得た。
<評価>
(円状パターン形成性の評価)
積層基板を2つの領域に分割し、そのうち1つの領域の支持体上に、直径が20μmφの円状パターンが100μmピッチに配置されたデザインを有するフォトツールを配置した。なお、隣り合う2つの円状パターンの、中心間の距離を「ピッチ」という。露光は、ショートアークUVランプ(株式会社オーク製作所製、商品名「AHD−5000R」)を光源とする平行光線露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を使用して、180mJ/cmの露光量(エネルギー量)で、フォトツール及び支持体を介して感光性樹脂層を露光した。この際、使用しない他の領域は、ブラックシートで覆った。また、それぞれ別の領域に対して、同様の方法で250mJ/cmの露光量で露光した。なお、照度の測定には、365nm対応プローブを適用した紫外線照度計(オーク製作所株式会社製、商品名「UV−350SN型」)を用いた。
露光後、積層基板から支持体を剥離し、感光性樹脂層を露出させ、現像機(HMS社製)を用いて1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃、0.2MPaでスプレーすることにより未露光部分を除去した。現像時間は、各感光性樹脂組成物の最短現像時間の2倍の時間とした。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜を形成した。なお、最短現像時間とは、以下のように測定して得られる値とした。まず、上記積層基材を30mm×30mmのサイズにカットし、試験片とした。試験片から支持体を剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、0.2MPaの圧力でスプレー現像し、1mm以上の未露光部が除去されたことを目視で確認できる最短の時間を、最短現像時間とした。
現像後、スペース部分(未露光部分)が残渣なく除去され、且つ、円状のパターン部分(露光部分)(レジスト)が欠け、倒れ等の不良を生じることなく形成されたパターンを、残存する円状レジストとした。円状レジストの観察は、縦12個、横16個、合計192個並ぶエリアを1測定箇所として、円状レジストの残存数を数え、8測定箇所で観察した円状レジストの残存数から百分率に換算したものを残存率(形成率)とした。この数値が高いほど残存率が良好であることを意味する。結果を表2に示す。なお、円状レジストの残存数は、顕微鏡(キーエンス株式会社製、商品名「デジタルマイクロスコープ VHX−2000」)を用いて、倍率200倍で拡大して観察することで数え、不良の有無を確認した。
(円状パターンの形成不良モード評価)
上記形成性の評価において、形成できなかった不良モード(レジスト形状)を以下の手順で評価した。まず、形成された円状レジストから、円状レジストが形成された領域を特定し、円状レジストが形成されなかった領域を顕微鏡(キーエンス株式会社製、商品名「リアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800」)を用いて倍率1500倍で拡大して観察した。次いで、円状レジストが形成されなかった領域を観察し、形成不良となった要因を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。なお、基板上に円状のレジストが残存している場合、形成不良となった要因を「破断」とし、基板上に円状のレジストが残存していない場合、形成不良となった要因を「剥離」とした。また、破断によってレジストが形成できなかった場合、レジストと基板との密着性は充分であったが、機械的強度が充分ではなかったと考えられ、剥離によってレジストが形成できなかった場合は、レジストと基板との密着性が充分ではなかったと判断できる。
A:レジストの不良原因が破断である。
B:レジストの不良原因が剥離である。
(機械強度の評価)
まず、支持基板にテフロン(登録商標)シートを固定した。次いで、実施例1に係る感光性エレメントの感光性樹脂層をテフロンシート上にラミネートした。さらに、支持体を剥離して、感光性樹脂層を露出させた後、感光性樹脂層同士が接するように実施例1に係る感光性エレメントを感光性樹脂層上に再びラミネートすることで、テフロンシート上に、厚み50μmの感光性樹脂層と、支持体とが積層された機械強度評価用積層体を得た。さらに、実施例2及び比較例1〜2に係る感光性エレメントを用い、実施例1と同様の方法で、それぞれ、機械強度評価用積層体を得た。なお、ラミネートは、保護層を除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂層がテフロンシートの表面又は感光性樹脂層の表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力0.39MPaの条件下で行った。
幅2cm×長さ10cmの長方形状に光が透過するフォトマスクを、機械強度評価用試験片の支持体上に配置させた。次いで、ショートアークUVランプ(株式会社オーク製作所製、商品名「AHD−5000R」)を光源とする平行光線露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を使用して、500mJ/cmの露光量(エネルギー量)で、フォトツール及び支持体を介して感光性樹脂層を露光した。露光後、機械強度評価用積層体から支持体を剥離し、感光性樹脂層を露出させ、現像機(HMS社製)を用いて1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃、0.2MPaでスプレーすることにより未露光部分を除去した。現像時間は、各感光性樹脂組成物の最短現像時間の2倍の時間とした。このようにして、機械強度測定用の試験片を得た。その後、以下条件で引っ張り試験を行い、伸びと破断強度の積算値である破断エネルギーを算出した。結果を表2に示す。
試験装置:島津製作所製 オートグラフ AGS−5kNG
フィルムサンプル厚:0.05mm
幅:20mm
チャック間距離:20mm
引っ張り速度:5mm/min
測定温度:23℃
Figure 2016070978
表2から明らかなように、実施例1〜2の感光性樹脂組成物を用いることで、露光後の機械強度が充分に高く、かつ、開口の直径が30μm以下でありかつピッチが広い開口を形成した場合であっても開口形成部分の残存率が良好であることが分かった。それに対し、比較例1〜2の感光性樹脂組成物は、機械強度及び開口形成部分の残存率が実施例1〜2の感光性樹脂組成物と比べて劣っていた。
100…多層プリント配線基板、101…銅張積層体、102…配線パターン、103…層間絶縁層、104…開口、105…シード層、106…配線パターン、107…配線パターン、108…ソルダーレジスト。

Claims (16)

  1. 導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物であって、
    バインダーポリマーと、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の総構造単位数が8〜30であるビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートを含む光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、
    前記構造体の製造方法が、
    前記感光性樹脂組成物を用いて、導体回路を覆うように前記支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
    前記第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、
    前記第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように前記支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、
    前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、
    前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第1の感光性樹脂層のパターンの前記所定箇所を除去して、前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える、感光性樹脂組成物。
  2. 前記光重合性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2016070978

    [式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、m1、m2、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜30を示す。]
  3. 前記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に由来する構造単位を有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記バインダーポリマーの酸価が80〜250mgKOH/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記バインダーポリマーの重量平均分子量が10000〜100000である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記光重合性化合物が、前記エチレン性不飽和結合を有する化合物として、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物を含む、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記光重合開始剤が2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 増感色素を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 水素供与体を更に含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 支持体と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて前記支持体上に形成された感光性樹脂層と、を備える、感光性エレメント。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は、請求項11に記載の感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基板上に形成する工程と、
    前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射して前記所定部分を硬化させる露光工程と、
    前記感光性樹脂層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを前記基板上に形成する現像工程と、を有する、レジストパターンの形成方法。
  13. 前記活性光線の波長が340〜430nmの範囲内である、請求項12に記載のレジストパターンの形成方法。
  14. 導体回路を有する支持体の表面に形成された絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる構造体の製造方法であって、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は、請求項11に記載の感光性エレメントを用いて、導体回路を覆うように前記支持体上に第1の感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
    前記第1の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第1のパターン化工程と、
    前記第1の感光性樹脂層のパターンを覆うように前記支持体上に熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、
    前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第1の感光性樹脂層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、
    前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第1の感光性樹脂層を除去して、前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、を備える、構造体の製造方法。
  15. 前記熱硬化性樹脂層形成工程及び前記パターン露出工程の間の工程として、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備える、請求項14に記載の構造体の製造方法。
  16. 前記開口を形成した後の前記熱硬化性樹脂層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法により前記配線部の下地となるシード層を形成するシード層形成工程と、
    前記シード層を覆うように第2の感光性樹脂層を形成後、前記第2の感光性樹脂層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第2のパターン化工程と、
    前記シード層の少なくとも一部を覆うように電解めっき法により前記配線部を形成後、前記第2の感光性樹脂層のパターンをはく離して前記配線部をパターン化する配線部パターン化工程と、
    前記配線部が形成されていない領域のシード層を除去するシード層除去工程と、を更に備える、請求項14又は15に記載の構造体の製造方法。
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