以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
現状の光挿入分岐装置(OADM)では、WDM光に含まれる光の波長間隔は等間隔(例えば、50GHzや100GHz等)に設定される。これに対し、伝送レートや光変調方式の異なる、多様な通信容量の光インタフェースをサポートするために、「フレキシブルグリッド」と呼ばれる技術がITU−Tにおいて標準化されている(ITU−T G.694.1)。
WDM光ネットワークの伝送容量を高めるためには、400Gbpsや1Tbps等の高速信号技術の開発と同様に、光伝送帯域での波長の収容効率を高めることが可能な「フレキシブルグリッド」技術の開発も重要である。
フレキシブルグリッド技術を用いた光ネットワーク(以下「フレキシブルグリッドネットワーク」と称することがある。)では、隣接する波長間隔を、通常のWDM伝送のように固定にするのではなく、任意に設定(可変)することが可能である。例えば、「ITU−T G.694.1」では、隣接する波長の間隔を、6.25GHz幅と12.5GHz幅の整数倍とのいずれかに設定してよいことが規定されている。
そのため、フレキシブルグリッド技術では、伝送帯域において波長配置が通常のWDM技術よりも不連続になりやすく、伝送帯域において細分化された空き波長帯域(「空き領域」と称してもよい。)が分散して生じやすい。このような事象を空き帯域の「断片化」と称してよい。
断片化した空き帯域を波長の再配置によりできるだけまとめて、まとめた空き帯域に新たな信号光波長を収容しやすくすることで、伝送帯域の周波数利用効率を上げることができる。
このように、断片化した空き帯域を波長の再配置によってできるだけまとめる技術を、「波長デフラグメンテーション」と呼ぶことがある。「波長デフラグメンテーション」を、以下「波長デフラグ」あるいは単に「デフラグ」と略称することがある。
また、400Gpbsや1Tbpsのように信号の伝送レートが高速化すると、当該信号を1つの波長で送信することが難しくなる。そこで、1つの信号を複数波長(マルチキャリア)に割り当てて送信するマルチキャリア伝送が検討されている。既述のスーパーチャネル伝送は、マルチキャリア伝送の一例である。
スーパーチャネルを成す複数の波長(「サブキャリア」と称してよい。)は、通常のWDM伝送の場合とは異なって、伝送特性を最適化するためには、伝送帯域において必ずしも等間隔に並んで配置されるとは限らない。その上、6.25GHz間隔や12.5GHz幅の整数倍の間隔といった、規定の周波数グリッドに、サブキャリアが配置されるとも限らない。
そのため、スーパーチャネル伝送においてサブキャリアごとに送信光パワー制御等を実施することは困難であり現実的でない。したがって、スーパーチャネル伝送では、複数のサブキャリアをまとめたスーパーチャネルの単位で送信光パワー制御等を一括して実施することが検討される。
これに対し、デフラグは、サブキャリアごとに実施される。そのため、デフラグ実施中のスーパーチャネル伝送制御をいかにして実施するかが検討事項の1つとなる。例えば、スーパーチャネルとしての送信光パワーをターゲット値に制御しているときに、サブキャリア数がデフラグ等によって変化すると、スーパーチャネルとしての送信光パワーのターゲット値が期待値からずれてしまう。
そのため、光伝送路への出力光パワーがデフラグ中に変動してしまい、例えば、非線形効果による光信号のペナルティが増大したり、光信号対雑音比(OSNR)が劣化したりして、信号品質が劣化するおそれがある。
そこで、本実施形態では、デフラグ等によってスーパーチャネルを成すサブキャリアの数が変化しても、光伝送路への出力光パワー変動を抑制して、信号品質の劣化を抑制できるようにする。
図1に、一実施形態に係る光伝送装置の構成例を示す。図1に示す光伝送装置1は、例示的に、OADMであり、光受信部11、光送信部12、OADM部13、アド/ドロップ部14、光送受信部15、及び、装置制御部16を備える。なお、「光伝送装置」は、「光伝送ノード」あるいは単に「ノード」と称してもよい。
光受信部11は、入力光伝送路2を伝送されてくるWDM光を受信して増幅する。そのため、光受信部11は、光増幅器(光アンプ)111を備えてよい。光アンプ111は、プリアンプ111(又は、受信アンプ111)と称してもよい。
光送信部12は、OADM部13から入力される、送信WDM光を増幅して出力光伝送路3へ送信する。そのため、光送信部12は、光増幅器(光アンプ)121を備えてよい。光アンプ121は、ポストアンプ121(又は、送信アンプ121)と称してもよい。
OADM部13は、WDM光に含まれる、いずれかの波長の光をドロップ、アド及びスルーする機能を具備する。例えば、OADM部13は、光受信部11から入力された受信WDM光を、当該WDM光に含まれる光の波長単位で、他の光伝送路へ送信したり、アド/ドロップ部14に分岐(ドロップ)したり、光送信部12へスルーしたりすることができる。なお、「他の光伝送路」は、例示的に、光伝送路2及び3とは異なる方路(Degree)に対応する光伝送路である。
また、OADM部13は、光受信部11から入力された受信WDM光に、他の光伝送路から受信したWDM光やアド/ドロップ部14からの送信光を波長単位で挿入(アド)することができる。また、OADM部13は、光受信部11から入力された光を波長単位で光送信部12へスルーすることができる。
そのため、OADM部13は、図1に例示するように、光カプラ(CPL)131と、波長選択スイッチ(WSS)132と、を備えてよい。ただし、OADM部13の構成は、図1に例示する構成に限られない。
光カプラ131は、光受信部11から入力されたWDM光を分岐して分岐光をアド/ドロップ部14、WSS132、及び、他の光伝送路に出力する。アド/ドロップ部14に出力される分岐光は、「ドロップ光」と称してよく、WSS132に出力される分岐光は、「スルー光」と称してよい。なお、光カプラ131は、WSSに代替されてもよい。
WSS132は、光カプラ131から入力されるスルー光、アド/ドロップ部14から入力されるアド光、及び、他の光伝送路から入力されるWDM光を、波長単位で光送信部12に選択出力する。
そのため、WSS132は、例示的に、入力ポートに入力されたWDM光を、波長ごとに異なる出力ポートに接続する機能と、波長ごとに透過光パワー(別言すると、光の減衰量あるいは損失量)を調整できる機能と、を具備してよい。
前者の入出力ポート間の接続機能は、「ポートスイッチ機能」あるいは「光スイッチ機能」と称してよい。後者の透過光パワーの調整機能は、減衰(アッテネーション)機能と称してよい。アッテネーション機能に着目すれば、WSS132は、可変光減衰部の一例である。
WSS132の光スイッチ機能とアッテネーション機能とは、例示的に、入力された光(ビーム)の反射方向を空間的に可変して内部的な光経路を変えることのできる素子(「空間光変調素子」と称してよい。)を用いて実現してよい。
空間光変調素子の一例としては、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術やMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた素子が挙げられる。空間光変調素子は、入力された光ビームの空間的な反射方向を調整することで、出力ポートに結合する光ビームの波長や光パワーを調整できる。
したがって、空間光変調素子は、出力ポートへの光の透過帯域を可変にでき、また、出力ポートから出力される光のパワー(別言すると、減衰量)を可変にできる。
このような空間光変調素子をWSS132に用いることで、光伝送装置1(例示的に、OADM部13)において、既述の「フレキシブルグリッド」をサポートすることが可能になる。なお、WSS132の透過帯域を「WSS透過帯域」と称することがある。
図2に、WSS132の機能的な構成例に着目したブロック図を示す。図2に例示するように、WSS132は、機能的にみると、波長分離器(デマルチプレクサ:DMUX)1321と、光スイッチ(SW)1322と、可変光減衰器(VOA)1323と、波長多重器(マルチプレクサ:MUX)1324と、を備える。
デマルチプレクサ1321、光スイッチ1322、及び、VOA1323は、例示的に、WSS132に入力される光信号の数(入力ポート数に相当すると捉えてよい。)に応じた数だけ備えられる。WSS132の入力ポートに入力される光信号は、例示的に、アド光、スルー光、及び、異なる光伝送路(方路)間をつなぐハブ(Hub)光のいずれかである。
アド光、スルー光、及び、ハブ光は、波長ごとにデマルチプレクサ1321で分離された後、光スイッチ1322に入力され、光スイッチ1322にて、アド光、スルー光、及び、ハブ光のいずれを通過させるかが選択される。デマルチプレクサ1321及び光スイッ1322が、既述の「ポートスイッチ機能」に相当すると捉えてよい。
光スイッチ1322を通過した光は、VOA1323にて減衰量が調整されてマルチプレクサ1324に入力され、マルチプレクサ1324にて波長多重されて光送信部12(図1参照)へ出力される。VOA1323が、既述の「アッテネーション機能」に相当すると捉えてよい。
以上のデマルチプレクサ1321、光スイッチ1322、VOA1323、及び、マルチプレクサ1324が既述の空間光変調素子に相当すると捉えてよい。したがって、WSS132は、空間光変調素子の各機能を一体的に含んだ高機能な光デバイスの一例である。このようなWSS132をノード1の光スイッチ機能部分に適用することで、ノード1の拡張性を向上したり、コスト低減を図ったりすることができる。
なお、光スイッチ1322での波長選択は、例示的に、透過帯域制御部19によって制御されてよい。また、VOA1323の減衰量(「VOAロス」と称してよい。)は、例示的に、VOA制御部18によって制御されてよい。
VOA制御部18は、例えば、光チャネルモニタ(OCM)17のモニタ値を基に、WSS132の出力光パワー(以下「WSS出力光パワー」と称することがある。)がターゲットパワーに一致するようにVOAロスを制御する。
なお、OCM17は、WSS132の出力光パワーを波長ごとにモニタ可能である。WSS132の出力光は、例えば光カプラ20によって一部が分岐(「タップ」と称してもよい。)され、分岐光がモニタ光としてOCM17に入力される。
VOA制御部18及び透過帯域制御部19の一方又は双方は、図1に例示する装置制御部16とは個別の制御部であってもよいし、装置制御部16の一機能として装置制御部16に組み込まれていてもよい。
次に図1の説明に戻ると、アド/ドロップ部14は、例示的に、波長分離器(デマルチプレクサ:DMUX)141と、波長多重器(マルチプレクサ:MUX)142と、を備える。
デマルチプレクサ141は、OADM部13の光カプラ131から入力されるドロップ光を波長分離して光送受信部15の光受信器(Rx)151へ出力する。なお、後述するように光受信器151がコヒーレント受信可能であれば、光受信器151は、複数波長の光が入力されても特定の受信波長の光を選択受信できる。したがって、デマルチプレクサ141は、入力ドロップ光を光受信器151に分岐する光カプラに代替してよい。
マルチプレクサ142は、光送受信部15の光送信器(Tx)152から入力されるアド光を波長多重してOADM部13のWSS132へ出力する。
なお、デマルチプレクサ141及びマルチプレクサ142の一方又は双方は、WSS等の信号透過帯域を可変できるフィルタや、光カプラ等を用いて構成してよい。
光送受信部15は、トランスポンダ15と称してよく、例示的に、光受信部の一例として1又は複数の光受信器(Rx)151を備え、また、光送信部の一例として1又は複数の光送信器(Tx)152を備える。
光送信器152は、例えば図3(A)に示すように、光源1521と、光源制御部1522と、光変調器(MOD)1523と、を備える。
光源1521は、或る波長(λt)の光を発光する。光源1521には、例示的に、発光波長が可変のチューナブルレーザダイオード(LD)を用いてよい。
光源制御部1522は、光源1521の発光波長(「送信波長」と称してもよい。)を制御する。
光変調器1523は、光源1521からの送信波長λtの光を、送信データ信号(例えば、クライアント信号であってよい。)によって変調することで送信変調光信号を生成する。当該送信変調光信号が、アド光としてアド/ドロップ部14のマルチプレクサ142に入力される。
一方、光受信器151は、例えば図3(B)に示すように、局発光源1511と、局発光源制御部1512と、コヒーレント受信機1513と、を備える。
局発光源1511は、或る波長(λx)の光(「局発光」と称してよい。)を発光する。局発光源1511には、例示的に、発光波長が可変のチューナブルLDを用いてよい。局発光は、コヒーレント受信機1513でのコヒーレント受信に用いられる。
局発光源制御部1512は、局発光源1511の発光波長(λx)を、受信希望チャネルに相当する波長(「受信波長」と称してもよい。)(λr)に制御(設定)する。
コヒーレント受信機1513は、受信波長λrに設定された局発光源1511からの局発光と、受信WDM光信号と、を例えば光位相ハイブリッドにて同じ位相及び異なる位相(例えば、90度異なる位相)で干渉させる。これにより、受信WDM光に含まれる波長のうち、受信希望チャネルに相当する波長λrの光信号(電界複素情報)が検出、復調される。
次に、図4に、上述したノード1を含む光伝送システム(「光ネットワーク」と称してもよい。)の一例を示す。図4は、3つのノードA〜C(#1〜#3)と、オペレーションシステム(OPS)5と、を備えた光伝送システム(「光ネットワーク」と称してもよい。)を例示している。ノードA〜Cは、それぞれ、既述のノード1と同一若しくは同様の構成を有していてよい。
図4には、例示的に、ノードA−B−Cを経由する光パスにおいて波長λ2(CH2)を含むWDM光による光通信が運用中であり、当該光パスに対してノードAにて波長λ1(CH1)の光をアドする様子を例示している。
OPS5は、光ネットワークのエレメント(NE)の一例であるノードA〜Cを集中的に監視制御することが可能であり、どのノードA〜Cで、どの波長の光をアド、ドロップ、又は、スルーするかの設定や波長デフラグの制御等を行なう。OPS5は、ノードA〜Cに対する外部コントローラ(あるいは、遠隔コントローラ)であると捉えてもよい。
送信ノードAのトランスポンダ15Aは、例示的に、クライアントインタフェース(IF)51と、フレーマ52と、ネットワークインタフェース(IF)53と、を備える。なお、受信ノードCのトランスポンダ15Cも、送信ノードAのトランスポンダ15Aと同一若しくは同様の構成であってよい。
クライアントIF51は、例示的に、クライアント側(「トリビュータリ側」と称してもよい。)のルータ等の通信機器と、所定帯域(例えば、ワイドバンド:WB)の光にて信号(「クライアント信号」と称してよい。)を送受信する。したがって、クライアントIF51は、WBモジュールと称されてもよい。WB光にて送受信されるクライアント信号は、例示的に、SONET(Synchronous Optical Network)やイーサネット(登録商標)等で用いられるフレーム信号であってよい。
例えば、クライアントIF51は、クライアント通信機器から受信されるWB光を電気信号に変換してフレーマ52に入力する。また、クライアントIF51は、フレーマ52から受信した電気信号をWB光に変換してクライアント通信機器に送信する。
フレーマ52は、例示的に、クライアントIF51にて光電変換された信号を、光ネットワークを伝送されるフレーム信号にマッピングしてネットワークIF53に入力する。当該フレーム信号の一例は、OTU(Optical channel Transport Unit)フレーム信号である。
また、フレーマ52は、SONETやイーサネット等のフレーム信号をデマッピングしてクライアントIF51に入力する。なお、当該フレーム信号は、例えば、ネットワークIF53からのOTUフレーム信号にマッピングされている。フレーム信号の処理には、誤り訂正符号の付加等の処理が含まれてよい。
ネットワークIF53は、例示的に、所定帯域(例えば、ナローバンド:NB)の光にて光伝送路との間でフレーム信号(例えば、OTNフレーム信号)の送受信を行なう。そのため、ネットワークIF53は、NBモジュール53と称されてもよい。
ネットワークIF53は、フレーマ52で生成された、電気信号のOTUフレーム信号をNB光に変換して図1に例示したマルチプレクサ142へ出力する。当該NB光への変換に、図3(A)に例示した光送信器152が用いられてよい。
別言すると、図3(A)に例示した光送信器152が、ネットワークIF53に含まれていると捉えてよい。したがって、ネットワークIF53の光送信器152で生成された波長(例えば、λ1)の送信NB光が、アド光としてマルチプレクサ142へ出力される。
また、ネットワークIF53は、例えば図1に例示したデマルチプレクサ141からNBのドロップ光として入力されるOTNフレーム信号を電気信号に変換してフレーマ52へ出力する。当該電気信号への変換に、図3(B)に例示した光受信器151が用いられてよい。
別言すると、図3(B)に例示した光受信器151が、ネットワークIF53に含まれていると捉えてよい。したがって、ネットワークIF53の光受信器151にてドロップ光がコヒーレント受信されて、SONETやイーサネットのフレーム信号(クライアント信号)を含む電気信号が復調される。
以上のように、トランスポンダ15A(15C)は、トリビュータリ側と光ネットワーク(光伝送路)側との間で送受信される光及びフレーム信号の変換処理を通じて、光ネットワークを介したクライアント通信機器間の双方向通信を可能にする。
次に、図5及び図6を参照して、OPS5によるデフラグ制御について説明する。デフラグ制御は、例示的に、OPS5が、送信ノードAの送信波長(LD発光波長)、中継ノードBのWSS透過帯域、及び、受信ノードCの受信波長(局発光LD発光波長)の同期をとりながら、波長をシフトさせてゆく制御によって実施される。なお、波長のシフトは、波長のスライドと称してもよい。
非限定的な一例として、図5(状態a〜d)に模式的に示すように、CH2の光信号が運用中であり、CH2よりも短波長側のCH1の光信号を長波長側に波長シフトしてデフラグする場合について説明する。なお、図5には、CH1の光信号が、運用中のCH2の光信号にぶつからない範囲(ヒットレス)で長波長側に段階的に波長シフトされる様子を例示している。
まず、光ネットワーク全体を監視しているOPS5が、デフラグ制御に関係するノードA〜Cに対してトリガをかけてデフラグ動作を開始する。ただし、デフラグのトリガは、ノードA〜Cのいずれかがデフラグ制御に関係する他のノード宛に発行してもよい。この場合、デフラグ制御に関係するノード間でデフラグ制御のための情報を交換して、ノードが自律的にデフラグを開始してよい。
デフラグのトリガを受けた送信ノードA、中継ノードB、及び、受信ノードCは、それぞれ、OPS5からの制御に従って、光送信器152の送信波長、WSS132の透過帯域、及び、光受信器151の局発光波長を、図6に例示するようにして同期制御する。なお、図6において、PBWSSは、WSS透過帯域を表す。
図6の(1)は、デフラグ開始前のCH1及びCH2の光信号の波長配置例を模式的に示している。CH1の光信号は、ノードA〜Cにおいて設定されているWSS透過帯域PBWSSを通過している。
デフラグの開始に応じて、ノードA〜Cは、それぞれ、CH1の光信号が通過しているWSS透過帯域PBWSSを、例えば図2に例示した透過帯域制御部19によって、拡大制御する。
WSS透過帯域PBWSSを拡大する方向は、CH1を波長シフトさせたい方向(本例では、長波長側)である。拡大の単位は、WSS透過帯域PBWSSの最小可変単位に相当する帯域幅(例えば、12.5GHz)としてよい。WSS透過帯域PBWSSの最小可変単位に相当する帯域幅を「WSSスロット」と称してよい。WSSスロットは、WSS132において減衰量を可変できる帯域幅の最小単位に相当すると捉えてよい。
WSS透過帯域PBWSSの拡大が完了すると、送信ノードAが、図6の(3)に例示するように、光送信器152の送信波長λtを長波長側にシフトする。シフト量は、受信ノードCの光受信器151において受信信号光にペナルティが生じない範囲の量(例えば、2.5GHz以下)に設定してよい。当該波長シフトは、例えば図3(A)に例示した光源制御部1522によって制御されてよい。
送信ノードAでの送信波長λtのシフトに同期して、受信ノードCでは、光受信器151の局発光波長λrを長波長側に送信波長λtのシフト量と同じ量だけシフトする。
送信波長λt及び局発光波長λrが、それぞれ、WSSスロット分だけ長波長側に波長シフトされると、ノードA〜Cは、それぞれ、WSS透過帯域PBWSSの短波長側のWSSスロット分を閉じる(非透過帯域に制御する)。その様子を例示したのが、図6の(4)である。
別言すると、WSS透過帯域PBWSSは、短波長側から長波長側に向かってWSSスロット分だけ縮小される。WSS透過帯域PBWSSの縮小も、例えば図2に例示した透過帯域制御部19によって制御されてよい。
以降、図6の(2)〜(4)に例示したWSS透過帯域PBWSSの拡大、波長シフト、及び、WSS透過帯域PBWSSの縮小が、図6の(5)〜(7)に例示するように、CH1がデフラグのターゲット波長に到達するまで繰り返される。
次に、図7〜図11を参照して、スーパーチャネルの送信光パワー制御及びデフラグ制御の一例について説明する。
スーパーチャネルの一例として、図9に示すように、100Gbpsの4つのサブキャリアSC#1〜SC#4が波長多重された、400Gbpsのスーパーチャネルを想定する。
また、図7に示すように、例えば、送信ノードAから光伝送路3へスーパーチャネルを、1サブキャリア(SC)あたり0[dBm]のパワーで送信する場合を想定する。別言すると、光伝送路3への入力光パワー(Fin)が0[dBm/SC]である場合を想定する。なお、図7において、プリアンプ111は、図5の受信ノードCにおけるプリアンプ111に相当する。
そして、Fin=0[dBm/SC]となるように、送信ノードAにおけるポストアンプ121の入力光パワーを、ターゲットパワーPtgt=−20[dBm/SC]に制御する場合を想定する。ポストアンプ121の入力光パワーは、実際にはSCごとに異なるように設定されてよいが、ここでは説明の簡単化のため、各SCで同じパワー(レベル)であると仮定する。
ポストアンプ121の入力光パワーは、WSS132の出力光パワーを制御することで制御できる。WSS132の出力光パワーの制御は、例えば、図2にて既述のように、OCM17のモニタ値を基にVOA制御部18がWSS132の減衰量(VOAロス)を制御することで実施可能である。
例えば図8に模式的に示すように、VOA制御部18は、OCM17のモニタ値が、1スーパーチャネルあたりのターゲットパワーと一致するように、VOAロスをフィードバック制御する。
1スーパーチャネルあたりのターゲットパワーは、例えば、1サブキャリアあたりのターゲットパワーと、1スーパーチャネルあたりのサブキャリア数と、の乗算によって求めることができる。
別言すると、VOA制御部18は、WSS132の出力光パワー制御を、サブキャリアの単位では行なわず、スーパーチャネルの単位で行なう。その理由は、次のとおりである。すなわち、スーパーチャネルを成す複数のサブキャリアは、伝送帯域において必ずしも等間隔に並んで配置されるとは限らず、また、6.25GHz間隔や12.5GHz幅の整数倍の間隔といった、規定の周波数グリッドに、サブキャリアが配置されるとも限らない。
また、WSS132が減衰量を可変できる透過帯域幅に相当するWSSスロット(図9の例では、12.5GHz)の単位で、サブキャリアが配置されるとも限らない。そのため、サブキャリアごとに出力光パワーを制御することは困難であり現実的でない。
将来的に、WSS132の性能向上によって、より細かいWSSスロット単位でWSS132の減衰量を調整できるようになれば、サブキャリアの単位で出力光パワーレベルの制御が可能になるかもしれない。
しかし、制御単位が細かくなる分、例えばWSS132に用いられるLCOS等の制御が複雑化するおそれがある。また、WSSスロットごとの減衰量が温度や波長等に依存して変動しやすくなるため、その変動分を調整するキャリブレーションも複雑化するおそれがある。
したがって、図7及び図8に例示したように、複数のサブキャリアをまとめたスーパーチャネルの単位で出力光パワーレベルを一括して制御することが得策であると考えられる。
図9の例であれば、4つのサブキャリアSC#1〜SC#4を一括してパワーモニタして、4つのサブキャリアSC#1〜SC#4の合計としてポストアンプ121の入力光ターゲットパワーを設定する。
例えば、1サブキャリアあたりのポストアンプ121の入力光ターゲットパワーが−20[dBm]であれば、スーパーチャネルとしてのポストアンプ121の入力光ターゲットパワーは、−20[dBm]×4[SC]=−14[dBm]となる。なお、サブキャリア数が1の場合は、結果的に、1サブキャリア単独のパワーの一定制御になる。
しかし、このようなスーパーチャネルの単位でのパワー(レベル)一定制御では、デフラグによってサブキャリア数が変化すると、ターゲットパワーが期待値からずれてしまう。
例えば図9に示すように、或る波長帯域におけるスーパーチャネルの各SC#1〜SC#4を、長波長側の空き波長帯域に波長シフトしてデフラグする場合を想定する。なお、デフラグ元のスーパーチャネルの波長帯域は、「デフラグソース帯域(DSB)」と称してよく、デフラグ先のスーパーチャネルの波長帯域は、「デフラグターゲット帯域(DTB)」と称してよい。デフラグソース帯域は、第1の帯域の一例であり、デフラグターゲット帯域は、第2の帯域の一例である。
デフラグターゲット帯域へのデフラグは、スーパーチャネルの単位ではなく、サブキャリアの単位で実施する。仮に、図10に例示するように、4つのSC#1〜SC#4のうち、1つのSC#4をデフラグターゲット帯域に波長シフトしたとする。
この場合、デフラグソース帯域におけるサブキャリア数が、4から1に減少する。一方、デフラグターゲット帯域におけるサブキャリア数は、0から1に増加する。
そのため、デフラグソース帯域では、サブキャリアあたり−20[dBm]のポストアンプ121の入力光ターゲットパワーが4/3倍になり、期待値である−20[dBm/SC]からずれてしまう。結果的に、光伝送路3へのサブキャリアあたりの出力光パワーも期待値(0dBm/SC)からずれてしまう。
から
一方、デフラグターゲット帯域でも、サブキャリアあたり−20[dBm]のポストアンプ121の入力光ターゲットパワーが4/1倍になるため、光伝送路3へのサブキャリアあたりの出力光パワーが期待値からずれる。
また、図11に例示するように、デフラグソース帯域からデフラグターゲット帯域へSC#4を波長シフトさせる場合、SC#4がデフラグソース帯域の内外にまたがる状態が生じる。また、デフラグターゲット帯域でも、SC#4が当該デフラグターゲット帯域の内外にまたがる状態が生じる。
SC#4がスーパーチャネルの帯域内外に半分ずつまたがった状態では、サブキャリアあたり−20[dBm]のポストアンプ121の入力光ターゲットパワーが4/3.5倍になる。したがって、光伝送路3へのサブキャリアあたりの出力光パワーが期待値からずれる。
光伝送路3へのサブキャリアあたりの出力光パワーが期待値からずれると、非線形効果による光信号のペナルティが増大したり、OSNRが劣化したりする。つまり、デフラグ中に光伝送路3への出力光パワーが変動してしまうため、信号品質が劣化するおそれがある。
そこで、本実施形態では、スーパーチャネルのデフラグ中でも、光伝送路3への出力光パワーの変動を抑制して安定した出力光パワーを維持できるようにする。これにより、信号品質の劣化を抑制することが可能になる。
例えば、デフラグ中は、デフラグソース帯域でのWSS132による減衰量を一定に制御する。かかる一定制御は、例えば、WSS132の減衰量をデフラグ開始前の減衰量に維持(固定)することで実施してよい。当該一定制御を「損失一定制御」と称してよい。
また、デフラグ中の、デフラグソース帯域とデフラグターゲット帯域との間の帯域については、1サブキャリアについてのレベル一定制御を行なう。当該一定制御を「サブキャリアレベル一定制御」と称してよい。
更に、デフラグ中のデフラグターゲット帯域については、サブキャリア数を基にスーパーチャネル単位で出力光パワー(レベル)を一定に制御する。スーパーチャネル単位のレベル一定制御を「スーパーチャネルレベル一定制御」と称してよい。
このように、デフラグ中は、デフラグソース帯域、デフラグソース帯域とデフラグターゲット帯域との間の帯域、及び、デフラグターゲット帯域の3つの帯域で、出力光パワー制御を最適化する。これにより、スーパーチャネルのサブキャリア数がデフラグに伴って変わっても、光伝送路3への出力光パワーを一定に制御できる。
なお、デフラグ開始前及びデフラグ終了後は、図7及び図8にて説明したように、複数のサブキャリアをまとめたスーパーチャネルの単位で出力光パワーレベルを一括して制御すればよい。
(実施例1)
図12に実施例1を示す。デフラグ開始前は、VOA制御部18は、スーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、図13の(1)に例示するように、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーと、サブキャリア数と、を基に、スーパーチャネルあたりのWSS出力ターゲットパワーを計算する。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]であり、サブキャリア数が4の場合であれば、スーパーチャネルのWSS出力ターゲットパワーは−14[dBm](−20[dBm]×4)となる。
したがって、VOA制御部18は、OCM17のモニタ値が−14[dBm]に一致するように、WSS132の減衰量を制御する。
デフラグ中は、VOA制御部18は、図13の(2)に例示するように、スーパーチャネルレベル一定制御を損失一定制御に切り替える。すなわち、VOA制御部18は、デフラグソース帯域のスーパーチャネルに対するWSS132の減衰量を固定に制御する。
別言すると、VOA制御部18は、OCM17のモニタ値がスーパーチャネルあたりのターゲットパワーに一致するようにVOAロスをフィードバック制御することを停止して、スーパーチャネルの損失量をデフラグ開始時の減衰量に固定する制御に切り替える。
例えば、VOA制御部18は、デフラグ開始時のスーパーチャネルの損失量を基に、対象サブキャリアの損失量を決定して、WSS132の減衰量を制御する。これにより、デフラグソース帯域内のサブキャリア数が変化(減少)しても、スーパーチャネルとしての出力光パワーは変動しないようにすることができる。
なお、通常時においてスーパーチャネルは、例示的に、レベル一定制御される。したがって、「デフラグ開始時の損失量」は、デフラグ開始前の通常時にレベル一定制御されている時の損失量をメモリ等に保持しておくことで取得できる。保持した損失量を用いて損失一定制御を実施できる。
デフラグで波長シフト中のサブキャリアがデフラグソース帯域とデフラグターゲット帯域との間の帯域にあるときには、VOA制御部18は、当該帯域に対して、スーパーチャネル単位ではなく、サブキャリア単独でのWSS出力光パワー制御を行なう。なお、当該制御を「サブキャリアレベル一定制御」と称してよい。
デフラグで波長シフト中のサブキャリアが到達するデフラグターゲット帯域に対しては、VOA制御部18は、デフラグターゲット帯域内のサブキャリア数を基に、スーパーチャネル単位でWSS出力光パワー制御を行なう。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]であり、サブキャリア数がN(Nは、自然数)の場合、デフラグターゲット帯域でのスーパーチャネルとしてのWSS出力ターゲットパワーは、−20[dBm]×N)となる。
全てのサブキャリアがデフラグターゲット帯域内に波長シフトされたら、VOA制御部18は、図13の(1)に例示した、デフラグ開始前と同様の制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーとサブキャリア数とを基に、スーパーチャネルあたりのWSS出力ターゲットパワーを計算する。そして、VOA制御部18は、OCM17のモニタ値が、計算により得られたターゲットパワーに一致するように、WSS132の減衰量を制御する。
図14に、以上に説明した帯域別のWSS出力光パワー制御例をまとめた図を示す。図14に例示するように、デフラグ開始前は、VOA制御部18は、3つの帯域のうち、デフラグソース帯域に対してのみ「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
また、デフラグ中は、VOA制御部18は、3つの帯域に対して、それぞれ、「損失一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、及び、「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
更に、デフラグ終了後は、VOA制御部18は、3つの帯域のうち、デフラグターゲット帯域に対してのみ「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
以上のように、デフラグ時には3つの帯域のそれぞれで、サブキャリア数の変化に応じてWSS出力光パワー制御を最適化することができる。したがって、スーパーチャネルを成すサブキャリアをデフラグしても、WSS出力光パワー、別言すると、光伝送路3への出力光パワーを、安定して一定に制御することができる。よって、光伝送路3の非線形効果によって光信号のペナルティが増大したり、OSNRが劣化したりして、信号品質を劣化させてしまうことを抑制できる。
(実施例2)
次に、図15〜図18を参照して、図11に例示したようにデフラグの過程でサブキャリアがスーパーチャネルの帯域内外にまたがった状態が生じる場合の、スーパーチャネルの送信光パワー(レベル)制御の一例について説明する。
デフラグ開始前は、VOA制御部18は、スーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、図13の(1)に例示したように、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーと、サブキャリア数と、を基に、スーパーチャネルあたりのWSS出力ターゲットパワーを計算する。
サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]であり、サブキャリア数N=4の場合、スーパーチャネルのWSS出力ターゲットパワーは−14[dBm](−20[dBm]×4)となる。
したがって、VOA制御部18は、OCM17のモニタ値が−14[dBm]に一致するように、WSS132の減衰量を制御する。
デフラグの開始に応じて、VOA制御部18は、図13の(2)に例示したように、デフラグソース帯域のスーパーチャネルに対するWSS132の減衰量を固定にする制御に切り替える。
まず、図15に例示するように、デフラグソース帯域のスーパーチャネルを成すSC#1〜SC#4のうち、SC#4をデフラグターゲット帯域へデフラグ(波長シフト)する場合について説明する。
SC#4がデフラグソース帯域内にあるとき、VOA制御部18は、デフラグソース帯域内のスーパーチャネル(SC#1〜SC#4)に対して損失一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、デフラグソース帯域のスーパーチャネルに対するWSS132の減衰量を、デフラグ開始時の減衰量に固定制御する。
SC#4の波長シフトの過程でSC#4がデフラグソース帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、VOA制御部18は、当該WSSスロットに対して損失一定制御を行なう。例えば、VOA制御部18は、SC#4が位置するWSSスロットの減衰量を、デフラグソース帯域の減衰量に維持(固定)する。
別言すると、VOA制御部18は、SC#4が位置するデフラグソース帯域外のWSSスロットの減衰量を、デフラグソース帯域内のWSS132の減衰量と同じ減衰量に制御する。
その後、SC#4がデフラグソース帯域から外れると、VOA制御部18は、当該外れた帯域に対してサブキャリアレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#4単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
SC#4が更に波長シフトされてデフラグターゲット帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、VOA制御部18は、当該WSSスロットに対してサブキャリアレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#4単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
その後、SC#4がデフラグターゲット帯域内に波長シフトすると、スーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、デフラグターゲット帯域内のサブキャリア数を基に、スーパーチャネルの単位でWSS出力光パワー制御を行なう。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]であり、サブキャリア数が1(SC#4)の場合、スーパーチャネルとしてのWSS出力ターゲットパワーは、−20[dBm](−20[dBm]×1)となる。
次に、図16に例示するように、デフラグソース帯域からデフラグターゲット帯域へSC#3が波長シフトする場合について説明する。
SC#3がデフラグソース帯域内にあるとき、VOA制御部18は、デフラグソース帯域のスーパーチャネル(SC#1〜SC#3)について損失一定制御を行なう。
SC#3がデフラグソース帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、VOA制御部18は、当該WSSスロットに対して損失一定制御を行なう。例えば、VOA制御部18は、SC#3が位置するWSSスロットの減衰量を、デフラグソース帯域のWSS132の減衰量に維持(固定)する。
別言すると、VOA制御部18は、SC#4が位置するデフラグソース帯域外のWSSスロットの減衰量を、デフラグソース帯域内のWSS132の減衰量と同じ減衰量に制御する。
その後、SC#3がデフラグソース帯域から外れると、VOA制御部18は、デフラグソース帯域とデフラグターゲット帯域との間の帯域に対してサブキャリアレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#3単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
SC#3が更に波長シフトされてデフラグターゲット帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、VOA制御部18は、当該WSSスロットに対してサブキャリアレベル一定制御を継続する。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#3単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
その後、SC#3がデフラグターゲット帯域内に波長シフトすると、デフラグターゲット帯域に対してスーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、デフラグターゲット帯域内のサブキャリア数を基に、スーパーチャネルの単位でWSS出力光パワー制御を行なう。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]で、サブキャリア数が2(SC#3及びSC#4)の場合、スーパーチャネルのWSS出力ターゲットパワーは、−17[dBm](−20[dBm]×2)となる。
なお、SC#2がデフラグソース帯域からデフラグターゲット帯域に波長シフトする場合のWSS出力光パワー制御は、SC#3の場合と同様である。
次に、図17に例示するように、SC#1がデフラグソース帯域からデフラグターゲット帯域へ波長シフトする場合について説明する。
SC#1がデフラグソース帯域内にあるとき、VOA制御部18は、スーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、デフラグターゲット帯域内のサブキャリア数を基に、スーパーチャネルの単位でWSS出力光パワー制御を行なう。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]であり、サブキャリア数が1(SC#1)の場合、スーパーチャネルとしてのWSS出力ターゲットパワーは、−20[dBm](−20[dBm]×1)となる。
その後、SC#1がデフラグソース帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、当該WSSスロットに対してサブキャリアレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#1単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
その後、SC#1がデフラグソース帯域から外れると、VOA制御部18は、デフラグソース帯域とデフラグターゲット帯域との間の帯域に対してサブキャリアレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、スーパーチャネルとしてではなく、SC#1単独でWSS出力光パワー制御を行なう。
SC#1が更に波長シフトされてデフラグターゲット帯域の内外のWSSスロットにまたがるとき、VOA制御部18は、当該WSSスロットに対して損失一定制御を行なう。例えば、VOA制御部18は、SC#1が位置するWSSスロットの減衰量を、デフラグターゲット帯域のWSS132の減衰量に維持(固定)する。
別言すると、VOA制御部18は、SC#1が位置するデフラグターゲット帯域外のWSSスロットの減衰量を、デフラグターゲット帯域内の減衰量と同じ減衰量に制御する。
その後、SC#1がデフラグターゲット帯域内に波長シフトすると、スーパーチャネルレベル一定制御を行なう。すなわち、VOA制御部18は、デフラグターゲット帯域内のサブキャリア数を基に、スーパーチャネルの単位でWSS出力光パワー制御を行なう。
例えば、サブキャリアあたりのWSS出力ターゲットパワーが−20[dBm/SC]で、サブキャリア数が4(SC#1〜SC#4)の場合、スーパーチャネルのWSS出力ターゲットパワーは、−14dBm(−20dBm×4)となる。
図18に、以上に説明した帯域別のWSS出力光パワー制御例をまとめた図を示す。図18に例示するように、デフラグ開始前は、VOA制御部18は、5つの帯域のうち、デフラグソース帯域に対してのみ「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
SC#4のデフラグ中は、VOA制御部18は、5つの帯域に対してそれぞれ「損失一定制御」、「損失一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、及び、「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
SC#3(SC#2についても同様)のデフラグ中は、VOA制御部18は、5つの帯域に対してそれぞれ「損失一定制御」、「損失一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、「損失一定制御」、及び、「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
SC#1のデフラグ中は、VOA制御部18は、5つの帯域に対してそれぞれ「スーパーチャネルレベル一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、「サブキャリアレベル一定制御」、「損失一定制御」、及び、「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
デフラグ終了後は、VOA制御部18は、5つの帯域のうち、デフラグターゲット帯域に対してのみ「スーパーチャネルレベル一定制御」を行なう。
以上のように、デフラグの過程で、サブキャリアが、デフラグソース帯域(又はデフラグターゲット)の内外のWSSスロットにまたがる状況では、当該WSSスロットに対して損失一定制御又はサブキャリアレベル一定制御が実施される。
したがって、実施例1と同様の作用効果が得られるほか、サブキャリアが6.25GHz幅や、12.5GHz幅の整数倍の間隔に配置されていなくても、光伝送路3への出力光パワーを安定して一定に制御することができる。別言すると、上述したWSS出力光パワー制御は、フレキシブルグリッドの粒度が6.25GHzよりも細かくなったとしても適用可能であり、デフラグ時の信号品質劣化を抑制できる。
なお、図19に、デフラグ前後の波長設定(「波長割当」と称してもよい。)の一例を示す。図19の(1)がデフラグ開始前のノードA〜D間の波長設定例を示し、図19の(2)がデフラグ終了後のノードA〜D間の波長設定例を示す。
図19の(1)では、例示的に、ノードA−B−Cを経由する光パスに、4つの波長#4−1〜#4−4が設定されている。4つの波長4−1〜#4−4は、1つのスーパーチャネルを成す4つのサブキャリア(SC)に相当する。また、ノードB−C間の光パスには、1つの波長#1が設定されている。更に、ノードC−D間には、3つの波長#0,#2及び#3が設定されている。
図19の(1)の波長設定例において、デフラグソース帯域DSBのスーパーチャネル(4つのSC#4−1〜SC#4−4)を、例えば既述のようにして、デフラグターゲット帯域DTBにデフラグすると、図19の(2)に例示するサブキャリア設定例となる。
したがって、ノードA〜Dの各ノード間においてデフラグソース帯域DSBに大きな空き帯域を確保することができる。当該空き帯域に、新たな光信号を伝送するための波長(光パス)を割り当てることが可能になる。
上述した実施例1及び2を含む実施形態は、WDMネットワーク全般に適用可能であり、リングネットワークや、ポイントツーポイント、メッシュネットワーク等のあらゆる形態の光ネットワークに適用可能である。
別言すると、上述した実施形態は、光分岐挿入装置(OADM)に限らず、光端局装置(ターミナル)や、光中継装置(アド/ドロップ機能を有さないエクスプレスノード)に適用してもよい。更には、上述した実施形態は、カラーレス(Color-less)機能、ディレクションレス(Direction-less)機能、及び、コンテンションレス(Contention-less)機能のいずれかを備えた光伝送装置にも適用可能である。