JP2016066593A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理に用いられる高周波のパワーを変調パルスのデューティ比に応じてハイレベルとロウレベルとの間で交互に切り替えるパルス変調方式を改善すること。
【解決手段】このプラズマ処理装置では、たとえばプラズマ生成用の高周波にハイ/ロウのパルス変調をかける場合、整合器内で加重平均の重み変数Kを0.5<K<1に設定した場合は、プラズマ生成系の高周波給電ライン上では、パルス・オン期間Ton中にも反射波が一定のパワーPRHで発生する一方で、パルス・オフ期間Toff中の反射波のパワーPRLが減少する。Kの値を調整することにより、パルス・オン期間Tonにおける反射波パワーとパルス・オフ期間Toffにおける反射波パワーとのバランスを任意に制御することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理体にプラズマ処理を施す技術に係り、特にプラズマ処理に用いられる高周波のパワーを一定周波数のパルスで変調するパルス変調方式のプラズマ処理装置に関する。
一般に、プラズマ処理装置は、真空排気可能な処理容器内で処理ガスのプラズマを生成し、プラズマに含まれるラジカルやイオンの気相反応あるいは表面反応によって、処理容器内に配置される被処理体上に薄膜を堆積させ、あるいは被処理体表面の素材または薄膜を削るなどの微細加工を行うようにしている。
容量結合型のプラズマ処理装置においては、処理容器内に上部電極と下部電極とを平行に配置し、下部電極の上に被処理体(半導体ウエハ、ガラス基板等)を載置し、上部電極もしくは下部電極にプラズマの生成に適した周波数(通常13.56MHz以上)の高周波を印加する。この高周波の印加により上部および下部電極間で電子が高周波電界により加速され、電子と処理ガスとの衝突電離によってプラズマが発生するようになっている。また、被処理体を載置する下部電極に低い周波数(通常13.56MHz以下)の高周波を印加し、下部電極上に発生する負のバイアス電圧またはシース電圧によりプラズマ中のイオンを加速して基板に引き込むRFバイアス法も多く用いられている。RFバイアス法により、プラズマからイオンを加速して被処理体の表面に衝突させて、表面反応、異方性エッチングあるいは膜の改質等を促進することができる。
近年では、ドライエッチングの歩留まりや加工精度を向上させるために、たとえばチャージングダメージ(電荷蓄積によるゲート酸化膜の破壊)を防止し、あるいはマイクロローディング効果(パターンの幾何学的構造やパターン密度の局所的な差異に基づくエッチング速度のばらつき)を抑制するために、プラズマ生成用の高周波および/またはバイアス用の高周波を一定周波数のパルスで変調する技術が普及している。
一般に、この種のパルス変調では、変調パルスのデューティ比に応じて、パルス・オンの期間中は変調を受ける高周波のパワーを所定レベルのオン状態とし、パルス・オフの期間中は当該高周波のパワーを零レベルのオフ状態とする。したがって、たとえばプラズマ生成用の高周波のパワーをパルス変調する場合、パルス・オン期間中はプラズマが発生してエッチングが進行し、パルス・オフ期間中はプラズマが消滅してエッチングが一時停止する。この場合、プラズマ生成用高周波の伝送ライン上に設けられる整合器は、各サイクルのパルス・オン期間中に負荷インピーダンスを測定し、負荷インピーダンス測定値が整合ポイント(通常50Ω)に一致または近似するように、整合回路に設けられる可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変に制御する。
特開2012−9544号公報 特開2013−33856号公報
上記のような容量結合型プラズマ処理装置におけるパルス変調の一形態として、変調パルスのデューティ比に応じて、パルス・オン期間中は当該高周波のパワーを一定のレベルつまりハイレベルに制御し、パルス・オフ期間中は当該高周波のパワーをハイレベルより低い一定のロウレベルに制御する方法がある。ここで、ロウレベルは、プラズマ生成状態を維持するのに必要な最も低いレベルより高い値に選ばれる。
このようなハイ(High)/ロウ(Low)のパルス変調方式においては、パルス・オフ期間中も処理容器内にはプラズマの電子およびイオンさらにはラジカルが消滅せずにそれぞれ一定量存在する。このことを利用し、当該高周波のパワーのロウレベルおよび他のプロセスパラメータを適切な値に設定して、被処理体表面に対する電子、イオンおよび/またはラジカルの化学的または物理的な作用を制御することにより、ある種のエッチングプロセスにおいて所定のエッチング特性を向上させる効果が期待されている。
しかしながら、ハイ/ロウのパルス変調方式においては、変調パルスの周波数を高い値(通常1kHz以上)に設定すると、整合器における可変リアクタンス素子の可変制御が変調パルスに追従できなくなる。このため、プラズマプロセスに支配的に寄与するパルス・ハイ期間だけで整合をとり、副次的なパルス・ロウ期間を整合の対象から外さなければならなくなる。そうすると、整合が全くとれないパルス・ロウ期間中は、高周波給電ライン上に大きな反射波が発生する。このことによって、高周波のパワーを予め設定したロウレベルに安定かつ正確に保つ制御が難しくなり、ひいてはハイ/ロウのパルス変調方式におけるプロセス上の期待効果が薄くなるとともに、高周波電源等の負担も大きくなる。
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するものであり、プラズマ処理に用いられる高周波のパワーを変調パルスのデューティ比に応じてハイレベルとロウレベルとの間で交互に(特に高速に)切り替えるパルス変調方式を効率よく期待通りに活用できるプラズマ処理装置を提供する。
本発明のプラズマ処理装置は、被処理体を出し入れ可能に収容する真空排気可能な処理容器内で処理ガスの高周波放電によるプラズマを生成し、前記プラズマの下で前記処理容器内の前記被処理体に所望の処理を施すプラズマ処理装置であって、第1の高周波を出力する第1の高周波電源と、一定のデューティ比で交互に繰り返す第1および第2の期間において、前記第1の期間では前記第1の高周波のパワーがハイレベルになり、前記第2の期間では前記第1の高周波のパワーが前記ハイレベルより低いロウレベルになるように、前記第1の高周波電源の出力を一定周波数の変調パルスで変調する第1の高周波パワー変調部と、前記第1の高周波電源より出力される前記第1の高周波を前記処理容器の中または周囲に配置される第1の電極まで伝送するための第1の高周波給電ラインと、前記第1の高周波給電ライン上で前記第1の高周波電源より見える負荷のインピーダンスを測定し、前記第1の期間における負荷インピーダンスの測定値と前記第2の期間における負荷インピーダンスの測定値とを所望の重みで加重平均して得られる加重平均測定値を前記第1の高周波電源の出力インピーダンスに整合させる第1の整合器とを有する。
上記の装置構成においては、加重平均の重み変数の値を調整することにより、パルス・ハイ期間における反射波パワーとパルス・ロウにおける反射波パワーとのバランスを任意に制御することができる。このことにより、ハイ・ロウ期間における反射波のパワーを任意に減らし、そのぶんロードパワーを高めの任意に値に設定してプロセス上の要求に応えることができる。また、反射波から高周波電源を保護するためのサーキュレータ等の負担や高周波電源自体の反射波耐量を軽減し、高周波電源周りでハードウェアの小型簡易化や消費電力の効率化等を図ることもできる。
本発明のプラズマ処理装置によれば、上記のような構成および作用により、プラズマ処理に用いられる高周波のパワーを変調パルスのデューティ比に応じてハイレベルとロウレベルとの間で交互に(特に高速に)切り替えるパルス変調方式を効率よく期待通りに実現することができる。
本発明の一実施形態における2周波重畳方式の容量結合型プラズマ処理装置の構成を示す断面図である。 プラズマ生成用の高周波に対してハイ/ロウのパルス変調をかける場合の各部の波形の典型的な組み合わせを示す波形図である。 プラズマ生成用の高周波電源および整合器の構成を示すブロック図である。 図3の整合器に備えられるインピーダンスセンサの一構成例を示すブロック図である。 上記インピーダンスセンサの別の構成例を示すブロック図である。 実施形態において加重平均演算の重み変数KをK=1に選んだときの整合作用を示すスミスチャート図である。 加重平均演算の重み変数Kを0.5<K<1に選んだときの整合作用を示すスミスチャート図である。 K=1に選んだときの各部の波形を示す波形図である。 0.5<K<1に選んだときの各部の波形を示す波形図である。 図3の高周波出力制御部内の構成を示すブロック図である。 図7のRFパワーモニタおよび電源制御部の構成を示すブロック図である。 実施例におけるHARCプロセスを説明するための断面図である。 実施例の第1実験で得られた一プロセス特性(エッチング量)のパルス・オフ期間依存性を示すグラフ図である。 第1実験で得られた一プロセス特性(ネッキングCD)のパルス・オフ期間依存性を示すグラフ図である。 第1実験で得られた一プロセス特性(中間OxボーイングCD)のパルス・オフ期間依存性を示すグラフ図である。 第1実験で得られた一プロセス特性(選択比)のパルス・オフ期間依存性を示すグラフ図である。 第1実験で得られた一プロセス特性(アスペクト比変化率)のパルス・オフ期間依存性を示すグラフ図である。 実施例の第2実験で得られた一プロセス特性(エッチング量)の上部DC電圧依存性を示すグラフ図である。 第2実験で得られた一プロセス特性(ネッキングCD)の上部DC電圧依存性を示すグラフ図である。 第2実験で得られた一プロセス特性(中間OxボーイングCD)の上部DC電圧依存性を示すグラフ図である。 第2実験で得られた一プロセス特性(選択比)の上部DC電圧依存性を示すグラフ図である。 第2実験で得られた一プロセス特性(アスペクト比変化率)の上部DC電圧依存性を示すグラフ図である。 高周波電源において設定可能なロードパワーと反射波パワーとの関係を示すグラフ図である。 プラズマ生成用の高周波およびイオン引き込み用の高周波の双方に対してオン/オフのパルス変調をかける場合に上部電極内部の異常放電が発生する仕組みを説明するための図である。 プラズマ生成用の高周波に対してハイ/ロウのパルス変調をかけ、イオン引き込み用の高周波に対してオン/オフのパルス変調をかける場合に上部電極内部の異常放電が発生しない仕組みを説明するための図である。 図1のプラズマ処理装置において、上部電極内部の異常放電が発生するときに得られるモニタ情報の一例を示す図である。 図1のプラズマ処理装置において、上部電極内部の異常放電が発生しないときに得られるモニタ情報の一例を示す図である。 図1のプラズマ処理装置において、上部電極内部の異常放電の発生の有無について行った一実験の結果を示す図である。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。

[プラズマ処理装置の構成]
図1に、本発明の一実施形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す。このプラズマ処理装置は、下部2高周波重畳印加方式の容量結合型(平行平板型)プラズマエッチング装置として構成されており、たとえば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる円筒形の真空チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は接地されている。
チャンバ10の底部には、セラミックなどの絶縁板12を介して円柱状のサセプタ支持台14が配置され、このサセプタ支持台14の上にたとえばアルミニウムからなるサセプタ16が設けられている。サセプタ16は下部電極を構成し、この上に被処理体としてたとえば半導体ウエハWが載置される。
サセプタ16の上面には半導体ウエハWを保持するための静電チャック18が設けられている。この静電チャック18は導電膜からなる電極20を一対の絶縁層または絶縁シートの間に挟み込んだものであり、電極20にはスイッチ22を介して直流電源24が電気的に接続されている。直流電源24からの直流電圧により、半導体ウエハWを静電吸着力で静電チャック18に保持できるようになっている。静電チャック18の周囲でサセプタ16の上面には、エッチングの均一性を向上させるためのたとえばシリコンからなるフォーカスリング26が配置されている。サセプタ16およびサセプタ支持台14の側面にはたとえば石英からなる円筒状の内壁部材28が貼り付けられている。
サセプタ支持台14の内部には、たとえば円周方向に延びる冷媒室30が設けられている。この冷媒室30には、外付けのチラーユニット(図示せず)より配管32a,32bを介して所定温度の冷媒たとえば冷却水(cw)が循環供給される。冷媒の温度によってサセプタ16上の半導体ウエハWの処理温度を制御できるようになっている。さらに、伝熱ガス供給機構(図示せず)からの伝熱ガスたとえばHeガスが、ガス供給ライン34を介して静電チャック18の上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給される。
サセプタ16には、高周波電源36,38がそれぞれ整合器40,42および共通の給電導体(たとえば給電棒)44を介して電気的に接続されている。一方の高周波電源36は、プラズマの生成に適した一定の周波数fHF(たとえば40MHz)の高周波HFを出力する。他方の高周波電源38は、プラズマからサセプタ16上の半導体ウエハWへのイオンの引き込みに適した一定の周波数fLF(たとえば12.88MHz)の高周波LFを出力する。
このように、整合器40および給電棒44は、高周波電源36よりプラズマ生成用の高周波HFをサセプタ16まで伝送する高周波給電ライン(高周波伝送路)43の一部を構成する。一方、整合器42および給電棒44は、高周波電源38よりイオン引き込み用の高周波LFをサセプタ16まで伝送する高周波給電ライン(高周波伝送路)45の一部を構成している。
チャンバ10の天井には、サセプタ16と平行に向かいあって上部電極46が設けられている。この上部電極46は、多数のガス噴出孔48aを有するたとえばSi、SiCなどのシリコン含有材質からなる電極板48と、この電極板48を着脱可能に支持する導電材料たとえば表面がアルマイト処理されたアルミニウムからなる電極支持体50とで構成されている。この上部電極46とサセプタ16との間に処理空間またはプラズマ生成空間PAが形成されている。
電極支持体50は、その内部にガスバッファ室52を有するとともに、その下面にガスバッファ室52から電極板48のガス噴出孔48aに連通する多数のガス通気孔50aを有している。ガスバッファ室52にはガス供給管54を介して処理ガス供給源56が接続されている。処理ガス供給源56には、マスフローコントローラ(MFC)58および開閉バルブ60が設けられている。処理ガス供給源56より所定の処理ガス(エッチングガス)がガスバッファ室52に導入されると、電極板48のガス噴出孔48aよりサセプタ16上の半導体ウエハWに向けてプラズマ生成空間PAに処理ガスがシャワー状に噴出されるようになっている。このように、上部電極46は、プラズマ生成空間PAに処理ガスを供給するためのシャワーヘッドを兼ねている。
また、電極支持体50の内部には冷媒たとえば冷却水を流す通路(図示せず)も設けられており、外部のチラーユニットにより冷媒を介して上部電極46の全体、特に電極板48を所定温度に温調するようになっている。さらに、上部電極46に対する温度制御をより安定化させるために、電極支持体50の内部または上面にたとえば抵抗発熱素子からなるヒータ(図示せず)を取り付ける構成も可能である。
この実施形態では、上部電極46に負極性の直流電圧Vdcを印加するための直流電源部62を備える。このために、上部電極46はチャンバ10の上部にリング状の絶縁体64を介して電気的にフローティング状態で取り付けられている。リング状絶縁体64は、たとえばアルミナ(Al23)からなり、上部電極46の外周面とチャンバ10の側壁との間の隙間を気密に塞いでおり、上部電極46を非接地で物理的に支持している。
直流電源部62は、出力電圧(絶対値)が異なる2つの直流電源66,68と、上部電極46に対して直流電源66,68を選択的に接続するスイッチ70とを有している。直流電源66は相対的に絶対値の大きい負極性の直流電圧Vdc1(たとえば−2000〜−1000V)を出力し、直流電源68は相対的に絶対値の小さな負極性の直流電圧Vdc2(たとえば−300〜0V)を出力する。スイッチ70は、主制御部72からの切換制御信号SWを受けて動作し、直流電源66を上部電極46に接続する第1のスイッチ位置と、直流電源68を上部電極46に接続する第2のスイッチ位置との間で切り換わるようになっている。さらに、スイッチ70は、上部電極46を直流電源66,68のいずれからも遮断する第3のスイッチ位置を有していてもよい。
スイッチ70と上部電極46との間で直流給電ライン74の途中に設けられるフィルタ回路76は、直流電源部62からの直流電圧Vdc1(Vdc2)をそのまま通して上部電極46に印加する一方で、サセプタ16から処理空間PAおよび上部電極46を通って直流給電ライン74に入ってきた高周波を接地ラインへ流して直流電源部62側へは流さないように構成されている。
また、チャンバ10内でプラズマ生成空間PAに面する適当な箇所に、たとえばSi,SiC等の導電性材料からなるDCグランドパーツ(図示せず)が取り付けられている。このDCグランドパーツは、接地ライン(図示せず)を介して常時接地されている。
サセプタ16およびサセプタ支持台14とチャンバ10の側壁との間に形成される環状の空間は排気空間となっており、この排気空間の底にはチャンバ10の排気口78が設けられている。この排気口78に排気管80を介して排気装置82が接続されている。排気装置82は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10の室内、特にプラズマ生成空間PAを所望の真空度まで減圧できるようになっている。また、チャンバ10の側壁には半導体ウエハWの搬入出口84を開閉するゲートバルブ86が取り付けられている。
主制御部72は、1つまたは複数のマイクロコンピュータを含み、外部メモリまたは内部メモリに格納されるソフトウェア(プログラム)およびレシピ情報にしたがって、装置内の各部、特に高周波電源36,38、整合器40,42、MFC58、開閉バルブ60、直流電源部62、排気装置82等の個々の動作および装置全体の動作(シーケンス)を制御する。
また、主制御部72は、キーボード等の入力装置や液晶ディスプレイ等の表示装置を含むマン・マシン・インタフェース用の操作パネル(図示せず)および各種プログラムやレシピ、設定値等の各種データを格納または蓄積する外部記憶装置(図示せず)等とも接続されている。この実施形態では、主制御部72が1つの制御ユニットとして示されているが、複数の制御ユニットが主制御部72の機能を並列的または階層的に分担する形態を採ってもよい。
この容量結合型プラズマエッチング装置における枚葉ドライエッチングの基本動作は次のようにして行われる。先ず、ゲートバルブ86を開状態にして加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入して、静電チャック18の上に載置する。そして、処理ガス供給源56より処理ガスつまりエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ10内に導入し、排気装置82による真空排気でチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに、高周波電源36,38よりそれぞれ所定のパワーでプラズマ生成用の高周波HF(40MHz)およびイオン引き込み用の高周波LF(12.88MHz)を重畳してサセプタ16に印加する。また、直流電源24より直流電圧を静電チャック18の電極20に印加して、半導体ウエハWを静電チャック18上に固定する。上部電極46のシャワーヘッドより吐出されたエッチングガスは両電極46,16間の高周波電界の下で放電し、処理空間PA内にプラズマが生成される。このプラズマに含まれるラジカルやイオンによって半導体ウエハWの主面の被加工膜がエッチングされる。
このプラズマエッチング装置においては、高周波電源36より出力されるプラズマ生成用の高周波HFのパワーを、たとえば1kHz〜50kHzの範囲内で選ばれる一定の周波数fSおよび可変のデューティ比DSを有する変調パルスMSで変調する第1(プラズマ生成系)のパワー変調方式を所与のエッチングプロセスに用いることができる。
この第1のパワー変調方式には、オン/オフのパルス変調とハイ/ロウのパルス変調の2種類のモードがある。ここで、オン/オフのパルス変調は、変調パルスMSのデューティ比に応じて、パルス・オンの期間中はプラズマ生成用の高周波HFのパワーを所定レベルのオン状態とし、パルス・オフの期間中は高周波HFのパワーを零レベルのオフ状態とする。一方、ハイ/ロウのパルス変調は、変調パルスMSのデューティ比に応じて、パルス・オン期間中は高周波HFのパワーをハイレベルに制御し、パルス・オフ期間中は高周波HFのパワーをハイレベルより低いロウレベルに制御する。ただし、ロウレベルは、プラズマ生成状態を維持するのに必要な最も低いレベルより高い値に選ばれる。また、ロウレベルは、通常はハイレベルより明らかに低い値(1/2以下)に選ばれる。
また、このプラズマエッチング装置においては、高周波電源38より出力されるイオン引き込み用の高周波LFのパワーを変調パルスMSで変調する第2(イオン引き込み系)のパワー変調方式を所与のエッチングプロセスに用いることも可能となっている。第1のパワー変調方式と同様に、第2のパワー変調方式もオン/オフのパルス変調とハイ/ロウのパルス変調の2種類のモードがある。
図2に、プラズマ生成系およびイオン引き込み系の双方でパルス変調が同期して同時に行われる場合の各部の波形の一例を示す。図示のように、変調パルスMSの周期TC、パルス・オン期間(第1の期間)Tonおよびパルス・オフ期間(第2の期間)Toffの間には、TC=Ton+Toffの関係がある。変調パルスMSの周波数をfSとすると、TC=1/fSであり、デューティ比DSはDS=Ton/(Ton+Toff)である。
図示の例は、プラズマ生成用の高周波HFに対してはハイ/ロウのパルス変調をかけ、イオン引き込み用の高周波LFに対してはオン/オフのパルス変調をかける場合である。さらに、直流電源部62より上部電極46に印加される直流電圧Vdcを変調パルスMSに同期させることもできる。図示の例では、上部電極46に対して、パルス・オン期間Ton中は絶対値の小さい直流電圧Vdc2を印加し、パルス・オフ期間Toff中は絶対値の大きい直流電圧Vdc1を印加する。

[高周波電源及び整合器の構成]
図3に、この実施形態におけるプラズマ生成系の高周波電源36および整合器40の構成を示す。
高周波電源36は、一般には正弦波の波形を有するプラズマ生成に適した一定周波数(たとえば40MHz)の基本高周波を発生するRF発振器90Aと、このRF発振器90Aより出力される基本高周波のパワーを制御可能な利得または増幅率で増幅するパワーアンプ92Aと、主制御部72からの制御信号にしたがってRF発振器90Aおよびパワーアンプ92Aを直接制御する電源制御部94Aとを備えている。主制御部72から電源制御部94Aには、RFの出力モードを指示する制御信号や変調パルスMSだけでなく、通常の電源オン・オフやパワーインターロック関係等の制御信号およびパワー設定値等のデータも与えられる。プラズマ生成用の高周波HFに対してパルス変調(特にハイ/ロウのパルス変調)が行われるときは、主制御部72の制御の下で電源制御部94Aがパルス変調部を構成する。
高周波電源36のユニット内には、RFパワーモニタ96Aも備わっている。このRFパワーモニタ96Aは、図示省略するが、方向性結合器、進行波パワーモニタ部および反射波パワーモニタ部を有している。ここで、方向性結合器は、高周波給電ライン43上を順方向に伝搬する進行波のパワーと逆方向に伝搬する反射波のパワーのそれぞれに対応する信号を取り出す。進行波パワーモニタ部は、方向性結合器により取り出された進行波パワー検出信号を基に、高周波給電ライン43上の進行波に含まれる進行波のパワーを表わす進行波パワー測定値信号を生成する。この進行波パワー測定値信号は、パワーフィードバック制御用に高周波電源36内の電源制御部94Aに与えられるとともに、モニタ表示用に主制御部72にも与えられる。反射波パワーモニタ部は、チャンバ10内のプラズマから高周波電源36に返ってくる反射波のパワーを測定する。反射波パワーモニタ部より得られる反射波パワー測定値は、モニタ表示用に主制御部72に与えられるとともに、パワーアンプ保護用のモニタ値として高周波電源36内の電源制御部94Aに与えられる。
整合器40は、高周波給電ライン43に接続されている複数たとえば2つの制御可能なリアクタンス素子(たとえば可変コンデンサあるいは可変インダクタ)XH1,XH2を含む整合回路98Aと、リアクタンス素子XH1,XH2のリアクタンスをアクチエータたとえばモータ(M)100A,102Aを介して制御するマッチングコントローラ104Aと、高周波給電ライン43上で整合回路98Aのインピーダンスを含む負荷のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサ106Aと、整合回路98Aの出力端子側で高周波給電ライン43上の高周波HFのピーク・ピーク値Vppを測定するVpp検出器107Aとを有している。インピーダンスセンサ106Aの内部の構成および作用、ならびにVpp検出器107Aの役割については、後に詳細に説明する。
イオン引き込み系の高周波電源38(図1)も、高周波LFの周波数が高周波HFの周波数と異なるだけで、上述したプラズマ生成系の高周波電源36と同様にRF発振器90B、パワーアンプ92B、電源制御部94B(図示せず)およびパワーモニタ96Bを備えている。また、整合器42も、プラズマ生成系の整合器40と同様に、整合回路98B、モータ(M)100B,102B、マッチングコントローラ104B、インピーダンスセンサ106BおよびVpp検出器107B(図示せず)を有している。

[インピーダンスセンサの構成]
図4Aに、プラズマ生成系の整合器40に備えられるインピーダンスセンサ106Aの一構成例を示す。このインピーダンスセンサ106Aは、RF電圧検出器110A、RF電流検出器112A、負荷インピーダンス瞬時値演算回路114A、算術平均値演算回路116A、加重平均値演算回路118Aおよび移動平均値演算回路120Aを有する。
RF電圧検出器110AおよびRF電流検出器112Aは、高周波給電ライン43上で高周波HFの電圧および電流をそれぞれ検出する。負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aは、RF電圧検出器110AおよびRF電流検出器112Aよりそれぞれ得られる電圧検知信号JVおよび電流検知信号JIに基づいて高周波給電ライン43上の負荷インピーダンスZの瞬時値JZを演算する。負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aは、アナログ回路でも可能であるが、ディジタル回路で構成するのが好ましい。
算術平均値演算回路116Aは、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合は、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中に負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aより得られる負荷インピーダンスZの瞬時値JZを所定のサンプリング周波数fCでサンプリングして、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonを演算するととともに、パルス・オフ期間Toff中に負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aより得られる負荷インピーダンスZの瞬時値JZを上記サンプリング周波数fCでサンプリングして、パルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffを演算する。
しかし、プラズマ生成用の高周波HFにオン/オフのパルス変調がかけられる場合、算術平均値演算回路116Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中にのみ負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aより得られる負荷インピーダンスZの瞬時値JZを上記所定のサンプリング周波数fCでサンプリングして、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonを演算する。
主制御部72(図1)は、変調パルスMSに同期してサンプリング時間またはモニタ時間を指定するモニタ信号JSと、サンプリング用のクロックCK1とを算術平均値演算回路116Aに与える。ここで、モニタ信号JSは、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合はパルス・オン期間Tonおよびパルス・オフ期間Toffの両方で後述するモニタ時間T1,T2をそれぞれ指定し、高周波HFにオン/オフのパルス変調がかけられる場合はパルス・オン期間Ton用のモニタ期間T1だけを指定する。算術平均値演算回路116Aは、数10MHzのサンプリングクロックCK1に同期して高速かつ多量の信号処理を要求されるため、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)を好適に用いることができる。
加重平均値演算回路118Aは、好適にはCPUで構成され、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合は、算術平均値演算回路116Aより得られたパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonとパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffとを所望の重み(重み変数K)で加重平均して、負荷インピーダンスの1サイクル分の加重平均値bZを求める。主制御部72は、加重平均演算のための重み変数KおよびクロックCK2を加重平均値演算回路118Aに与える。
しかし、高周波HFにオン/オフのパルス変調がかけられる場合は、加重平均値演算回路118Aは機能せず、算術平均値演算回路116Aより出力されるパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonが加重平均値演算回路118Aを介さずに後段の移動平均値演算回路120Aに送られる。
移動平均値演算回路120Aは、好適にはCPUで構成され、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合は、加重平均値演算回路118Aより得られた連続する複数の負荷インピーダンスZの1サイクル加重平均値bZに基づいて負荷インピーダンスZの移動加重平均値cZを演算し、この移動加重平均値cZを負荷インピーダンスZの測定値MZとして出力する。
また、移動平均値演算回路120Aは、高周波HFにオン/オフのパルス変調がかけられる場合は、算術平均値演算回路116Aより出力された連続する複数個のパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonに基づいて移動平均値dZを演算し、この移動平均値dZを負荷インピーダンスZの測定値MZとして出力する。主制御部72は、移動区間Lおよび移動ピッチPの設定値とクロックCK3を移動平均値演算回路120Aに与える。
移動平均値演算回路120Aより出力される負荷インピーダンスの測定値MZは、クロックCK3に同期して更新される。通常、負荷側インピーダンス測定値MZには、負荷インピーダンスZの絶対値および位相の測定値が含まれる。
図4Bに、インピーダンスセンサ106Aの別の構成例を示す。図示のように、加重平均値演算回路118Aを移動平均値演算回路120Aの後段に設けることも可能である。この構成例においては、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合、移動平均値演算回路120Aは、算術平均値演算回路116Aより得られた連続する複数個(n個)のパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonおよびパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffに基づいて、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの移動平均値eZonおよびパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの移動平均値eZoffを演算する。
加重平均値演算回路118Aは、移動平均値演算回路120Aより得られたパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの移動平均値eZonとパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの移動平均値eZoffとを上記所望の重み(重み変数K)で加重平均して、負荷インピーダンスZの加重移動平均値fZを求め、この加重移動平均値fZを負荷インピーダンス測定値MZとして出力する。
しかし、プラズマ生成用の高周波HFにオン/オフのパルス変調がかけられる場合は、加重平均値演算回路118Aは機能せず、移動平均値演算回路120Aより出力されるパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの移動平均値eZonがそのまま負荷インピーダンス測定値MZとして出力される。
イオン引き込み系の整合器42(図1)も、上述したプラズマ生成系の整合器40内のインピーダンスセンサ106Aと同様に、RF電圧検出器110B、RF電流検出器112B、負荷インピーダンス瞬時値演算回路114B、算術平均値演算回路116B、加重平均値演算回路118Bおよび移動平均値演算回路120Bを有するインピーダンスセンサ106B(図示せず)を備えている。このインピーダンスセンサ106Bにおいても、イオン引き込み用の高周波LFにかけられるパルス変調のモード(ハイ/ロウまたはオン/オフ)に応じて、上記と同様に加重平均値演算回路118Bおよび移動平均値演算回路120B内の信号処理が切り替わるようになっている。

[整合器の作用]
ここで、プラズマ生成用の高周波HFのパワーにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合のプラズマ生成系の整合器40の作用を説明する。なお、イオン引き込み用の高周波LFのパワーには同一の変調パルスMSの下でオン/オフのパルス変調がかけられるとする。
この場合、プラズマ生成系の高周波給電ライン43上では、高周波電源36からチャンバ10内のプラズマ負荷に向かって高周波HFがパルス・オン期間Ton中だけでなくパルス・オフ期間Toff中も持続的に伝送される。ところが、イオン引き込み系では変調パルスMSのデューティ比に同期して高周波LFのパワーをオン・オフするので、プラズマ生成系の整合器40から見えるプラズマ負荷はパルス・オン期間Tonとパルス・オフ期間Toffとで大きく変化する。このため、変調パルスMSの周波数を高い値(通常1kHz以上)に設定すると、プラズマ生成系の整合器40においてはマッチングコントローラ104Aの制御によりモータ100A,102Aを通じてリアクタンス素子XH1,XH2のリアクタンスを可変するオートマッチング動作が変調パルスMSに追従できなくなる。
この実施形態では、整合器40のオートマッチング動作が追従できないほど変調パルスMSの周波数を高くしても、後述するようなインピーダンスセンサ106A内の特殊な信号処理により、パルス・オン期間Tonとパルス・オフ期間Toffとの間で整合または整合外れの度合いのバランスを調整して、ハイ/ロウのパルス変調を有効かつ安定に運用できるようになっている。
この場合、主制御部72は、プラズマ生成系の高周波電源36に対しては、変調パルスMSのデューティ比に応じて予め設定されたハイレベルのパワーと予め設定されたロウレベルのパワーとを交互に繰り返すような高周波HFを出力するように、電源制御部94Aに所定の制御信号、設定値、タイミング信号を与える。そして、主制御部72は、整合器40内のインピーダンスセンサ106Aに対しては、ハイ/ロウのパルス変調に必要なモニタ信号JS、重み変数K、移動平均値演算用の設定値L,PおよびクロックCK1,CK2,CK3を与える。
一方で、主制御部72は、イオン引き込み系の高周波電源38に対しては、高周波LFのパワーが変調パルスMSのデューティ比に応じて予め設定されたオンレベル(オン状態)と零レベル(オフ状態)とを交互に繰り返すように、電源制御部94Bに所定の制御信号、設定値、タイミング信号を与える。そして、主制御部72は、整合器42内のインピーダンスセンサ106Bに対しては、オン/オフのパルス変調に必要なモニタ信号JS、移動平均値演算用の設定値L,PおよびクロックCK1,CK2,CK3を与える。ただし、重み変数Kは与えられない。
プラズマ生成系の整合器40においては、図6Aまたは図6Bに示すように、変調パルスMSの各サイクルにおいてパルス・オン期間Ton内およびパルス・オフ期間Toff内にモニタ時間T1,T2がそれぞれ設定される。好ましくは、パルス・オン期間Ton内では、高周波給電ライン43上で反射波のパワーが急激に変化する開始直後および終了直前の過渡時間を除いた区間にモニタ時間T1が設定される。同様に、パルス・オフ期間Toff内でも、開始直後および終了直前の過渡時間を除いた区間にモニタ時間T2が設定される。
インピーダンスセンサ106A内の算術平均値演算回路116Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Tonでは負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aより得られる負荷インピーダンスZの瞬時値JZをサンプリングクロックCK1でサンプリングして、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonを演算し、パルス・オフ期間Toff中に負荷インピーダンス瞬時値演算回路114Aより得られる負荷インピーダンスZの瞬時値JZをサンプリングクロックCK1でサンプリングして、パルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffを演算する。
加重平均値演算回路118Aは、算術平均値演算回路116Aより得られたパルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonとパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffとを所望の重み(重み変数K)で加重平均して、負荷インピーダンスの1サイクル分の加重平均値bZを求める。ここで、重み変数Kは0≦K≦1の範囲で任意の値に選ばれ、加重平均値bZは次の式(1)で表わされる。
bZ=K*aZon+(1−K)*aZoff ・・・・(1)
移動平均値演算回路120Aは、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合は、加重平均値演算回路118Aより得られた連続する複数個(n個)の負荷インピーダンスZの1サイクル加重平均値bZに基づいて、予め設定された所定の移動区間Lおよび移動ピッチPで加重平均値bZの移動加重平均値cZを演算する。たとえば、変調パルスMSの周波数fSが1000Hzである場合に、移動区間Lを10msecに設定し、移動ピッチPを2msecに設定したときは、2msec毎に連続する10個の1サイクル加重平均値bZについて1個の移動平均値cZを演算する。
移動平均値演算回路120Aは、移動加重平均値cZを負荷インピーダンス測定値MZとして出力する。この負荷インピーダンス測定値MZは、主制御部72より加重平均値演算回路118Aに与えられる重み変数Kの値に依存し、変調パルスMSのデューティ比DSには依存しない。
整合器40のマッチングコントローラ104Aは、インピーダンスセンサ106Aの移動平均値演算回路120AよりクロックCK3の周期で出力される負荷インピーダンス測定値MZに追従可能に応答し、負荷インピーダンス測定値MZの位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、つまり整合ポイントZSに一致または近似するように、モータ100A,102Aを駆動制御して整合回路98A内のリアクタンス素子XH1,XH2のリアクタンスを可変に制御する。
このように、整合器40においては、インピーダンスセンサ106Aより出力される負荷インピーダンス測定値MZを整合ポイントZSに一致または近似するように整合動作が行われる。つまり、負荷インピーダンス測定値MZが整合目標点となる。したがって、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonおよびパルス・オン期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffは、加重平均の重み変数Kの値に応じて整合ポイントZSから(1−K):Kの比でオフセットする。
ここで、主制御部72より整合器40のインピーダンスセンサ106Aに与える重み変数KをK=1に設定すると、上記加重平均の演算式(1)の右辺において、第1項のaZonに対する重みKが最大値“1”になり、第2項のaZoff に対する重み(1−K)が最小値つまり零“0”になる。この場合は、図5Aのスミスチャートに示すように、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonが整合ポイントZSに一致または近似する。一方で、パルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffは、整合ポイントZSから最も遠くオフセットする。
このようにK=1に設定した場合、プラズマ生成系の高周波給電ライン43上では、図6Aの波形図で模式的に示すように、パルス・オン期間Ton中は、整合が略完全にとれているため、反射波のパワーPRHは殆ど現れず、進行波のパワーPFHがそのままロードパワーPLHになる、一方で、パルス・オフ期間Toff中は、整合が最も大きく外れるため、反射波のパワーPRLが非常に高くなり、そのぶん進行波のパワーPFLがロードパワーPLLより大幅に高くなる。
なお、この実施形態における高周波電源36は、高周波HFのパワーに対する制御に関しては、進行波のパワーPFを一定に保つPF制御、および進行波PFのパワーから反射波のパワーPRを差し引いた正味の投入パワー(ロードパワー)を一定に保つPL制御のどちらも選択的に行えるようになっている。もっとも、高周波HFのパワーにハイ/ロウのパルス変調をかける場合は、少なくともパルス・オフ期間Toffにおいては低めの値に設定されるロウレベルのパワーを安定確実に負荷に投入できるPL制御を用いるのが好ましい。ところが、K=1の条件の下でPL制御を用いると、従来技術と同様に、パルス・オフ期間Toff中は全く整合がとれないため、図6Aに示すように反射波のパワーPRLが著しく大きくなる。
この実施形態では、重み変数Kを0.5<K<1に設定することで、上記の問題に対処することができる。すなわち、0.5<K<1の場合は、上記加重平均の演算式(1)の右辺において、第1項のaZonに対する重みKが最大値“1”より小さくなり、そのぶん第2項のaZoffに対する重み(1−K)が最小値“0”よりも大きくなる。これによって、図5Bのスミスチャートに示すように、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonが整合ポイントZSからオフセットし、そのオフセット分だけパルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZoffが整合ポイントZSに近づく。
ここで、整合ポイントZSは、スミスチャート上で両期間Ton,Toffにおける負荷インピーダンス測定値(算術平均値)aZon、aZoffを結ぶ直線上(中間点)に位置する。そして、Kの値を1より離すほど(または0.5に近づけるほど)、パルス・オン期間Tonの負荷インピーダンス測定値aZonが整合ポイントZSから遠ざかり、パルス・オフ期間Toffの負荷インピーダンス測定値aZoffが整合ポイントZSに近づく。
このように重み変数Kを0.5<K<1に設定した場合は、図6Bの波形図で模式的に示すように、プラズマ生成系の高周波給電ライン43上では、パルス・オン期間Ton中にも反射波が一定のパワーPRHで発生する一方で、パルス・オフ期間Toff中の反射波のパワーPRLがK=1の場合よりも減少する。Kの値を調整することにより、パルス・オン期間Tonにおける反射波パワーPRHとパルス・オフ期間Toffにおける反射波パワーPRLとのバランスを任意に制御することができる。
このことにより、パルス・オフ期間Toffにおける反射波のパワーPRLを任意に減らし、そのぶんロードパワーPLLを高めの任意に値に設定してプロセス上の要求に応えることができる。また、反射波から高周波電源36を保護するためのサーキュレータ等の負担や高周波電源36自体の反射波耐量が軽減され、高周波電源36周りでハードウェアの小型簡易化や消費電力の効率化等を図ることもできる。さらに、反射波のパワーPRLを減らすことにより、後述するようにプラズマ負荷に投入される正味の高周波パワー(ロードパワー)PLを設定値に保つためのPL制御をより正確かつ効率よく行うことができる。
なお、重み変数Kは0.5<K≦1の範囲に限定されず、0≦K≦0.5の範囲内に設定されてもよい。K=0.5の場合は、上記加重平均の演算式(1)の右辺において、第1項のaZonに対する重みKと第2項のaZoffに対する重み(1−K)とがどちらも0.5で等しくなり、図示省略するが、スミスチャート上ではパルス・オン期間Tonの負荷インピーダンス測定値aZonとパルス・オフ期間Toffの負荷インピーダンス測定値aZoffとの中点に整合ポイントZSが位置する。
また、0≦K<0.5のときは、上記加重平均の演算式(1)の右辺において、第1項のaZonに対する重みKが第2項のaZoffに対する重み(1−K)よりも小さいため、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンス測定値aZonは整合ポイントZSから相対的に遠くなり、パルス・オフ期間Toffにおける負荷インピーダンス測定値aZoffが整合ポイントZSに相対的に近くなる。この場合は、パルス・オフ期間Toff中の反射波のパワーPRLが相対的に小さくなり、パルス・オン期間Ton中の反射波パワーPRHが相対的に大きくなる。
このように、この実施形態においては、変調パルスMSのデューティ比DSから独立して、パルス・オン期間Ton中の反射波パワーPRHとパルス・オフ期間Toff中の反射波パワーPRLとのバランス(または整合または非整合の度合いのバランス)を任意に制御することができる。主制御部72は、プロセスレシピの中で重み変数Kを0≦K≦1の範囲内で任意に設定し、プロセス毎に重み変数Kを切り替え、あるいは1回のプロセスの中で重み変数Kを段階的または連続的に切り替えることができる。
なお、イオン引き込み系の整合器42においては、高周波LFにオン/オフのパルス変調がかけられるので、上記のように主制御部72よりインピーダンスセンサ106Bに重み変数Kは与えられず、加算平均値演算回路118Bは機能しない。移動平均値演算回路120Bは、クロックCK1のサイクル毎に算術平均値演算回路116Bより出力される連続する複数個のパルス・オン期間TonにおけるインピーダンスZの算術平均値aZonに基づいて移動平均値dZを演算し、この移動平均値dZを負荷インピーダンスZの測定値MZとして出力する。
整合器42のマッチングコントローラ104Bは、インピーダンスセンサ106Bの移動平均値演算回路120BよりクロックCK3の周期で出力される負荷インピーダンス測定値MZに追従可能に応答し、負荷インピーダンス測定値MZの位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、つまり整合ポイントZSに一致または近似するように、モータ100B,102Bを駆動制御して整合回路98B内のリアクタンス素子XL1,XL2のリアクタンスを可変に制御する。この場合、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスZの算術平均値aZonないしその移動平均値cZonが常に整合目標点となる。

[電源制御部内の要部の構成]
図7および図8に、プラズマ生成系の高周波電源36における電源制御部94A内の要部の構成を示す。
電源制御部94Aは、図7に示すように、ロードパワー測定部122Aと高周波出力制御部124Aとを有している。ロードパワー測定部122Aは、RFパワーモニタ96Aより得られる進行波パワー検知信号SPFと反射波パワー検知信号SPRとから、負荷(主にプラズマ)に投入されるロードパワーPLの測定値MPL(MPL=SPF−SPR)を演算によって求める。
ロードパワー測定部122Aは、アナログ演算回路またはディジタル演算回路のいずれの形態を有してもよい。すなわち、アナログの進行波パワー検知信号SPFとアナログの反射波パワー検知信号SPRとの差分をとってアナログ信号のロードパワー測定値MPLを生成してもよく、あるいは進行波パワー検知信号SPFおよび反射波パワー検知信号SPRをそれぞれディジタル信号に変換したうえで両者の差分をとり、ディジタル信号のロードパワー測定値MPLを生成してもよい。
高周波出力制御部124Aは、図8に示すように、パルス・オン期間(第1の期間)用の第1の制御指令値生成部126Aと、パルス・オフ期間(第2の期間)用の第2の制御指令値生成部128Aと、RFパワーモニタ96Aからの進行波パワー検知信号SPFを第1の制御指令値生成部126Aからの第1の制御指令値Conもしくは第2の制御指令値生成部128Aからの第2の制御指令値Coffと比較して、比較誤差ERonもしくはERoffを生成する比較器130Aと、この比較器130Aからの比較誤差ERonもしくはERoffに応じてパワーアンプ92の利得または増幅率を可変に制御するアンプ制御部132Aと、高周波出力制御部124A内の各部を制御する局所コントローラ134Aとを有している。
ここで、第1の制御指令値生成部126Aは、ロードパワー測定部122Aより与えられるロードパワー測定値MPLとコントローラ134Aを介して主制御部72より与えられるロードパワー設定値PLH(またはPLon)を入力し、変調パルスMSの各サイクルにおいてパルス・オン期間Ton中に進行波のパワーPFにかけるフィードバック制御のための第1の制御指令値Conを生成する。
一方、第2の制御指令値生成部128Aは、ロードパワー測定部122Aからのロードパワー測定値MPLとコントローラ134Aからのロードパワー設定値PLLとを入力し、変調パルスMSの各サイクルにおいてパルス・オフ期間Toff中に進行波パワーPFにかけるフィードバック制御のための第2の制御指令値Coffを生成する。
なお、第1および第2の制御指令値生成部126A,128Aは、好ましくはディジタル回路で構成されてよい。その場合、それぞれの出力段にディジタル−アナログ(D/A)変換器を設けることで、第1および第2の制御指令値Con,Coffをアナログ信号の形態で出力することができる。
第1の制御指令値生成部126Aより出力される第1の制御指令値Conと、第2の制御指令値生成部128Aより出力される第2の制御指令値Coffとは、切替回路136Aを介して交互に比較器130Aに与えられる。切替回路136Aは、コントローラ134Aの制御の下で動作し、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は第1の制御指令値生成部126Aからの第1の制御指令値Conを選択して比較器130Aに転送し、パルス・オフ期間Toff中は第2の制御指令値生成部128Aからの第2の制御指令値Coffを選択して比較器130Aに転送するようになっている。
したがって、比較器130Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は進行波パワー検知信号SPFを第1の制御指令値Conと比較してその比較誤差つまり第1の比較誤差ERon(ERon=Con−SPF)を生成し、パルス・オフ期間Toff中は進行波パワー検知信号SPFを第2の制御指令値Coffと比較してその比較誤差つまり第2の比較誤差ERoff(ERoff=Coff−SPF)を生成するようになっている。
アンプ制御部132Aは、コントローラ134Aの制御の下で動作し、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は第1の比較誤差ERonを零に近づけるようにパワーアンプ92Aの利得または増幅率を可変制御して高周波電源36の出力を制御し、パルス・オフ期間Toff中は第2の比較誤差ERoffを零に近づけるようにパワーアンプ92Aの利得または増幅率を可変制御して高周波電源36の出力を制御するようになっている。
なお、パワーアンプ92Aには、線形増幅器(リニアアンプ)が好適に用いられる。また、比較器130Aにはたとえば差動増幅器が用いられる。比較器130Aにおいては、入力信号の差分(Con−SPF)もしくは(Coff−SPF)と、出力信号の比較誤差ERonもしくはERoffとの間に、一定の比例関係が成立していればよい。
イオン引き込み系の高周波電源38も、高周波LFの周波数がプラズマ生成系の高周波HFの周波数と異なる点を除いて、上述したプラズマ生成系の高周波電源36における電源制御部94Aとそれぞれ同様の構成および機能を有するロードパワー測定部122Bおよび高周波出力制御部124B(図示せず)を備えている。

[実施形態におけるPL制御の作用]
この実施形態のプラズマ処理装置においては、高周波電源36,38のいずれも、プラズマ生成用の高周波HFまたはイオン引き込み用の高周波LFをチャンバ10内に各々供給している時は、負荷(主にプラズマ)に投入される正味の高周波パワーつまりロードパワーPLをパルス・オン期間Tonとパルス・オフ期間Toffとで個別に設定値に保つためのPL制御を行えるようになっている。
以下に、プラズマ生成用の高周波HFのパワーにハイ/ロウのパルス変調がかけられる場合について、この実施形態おけるPL制御の作用を説明する。なお、イオン引き込み用の高周波LFのパワーには同一の変調パルスMSの下でオン/オフのパルス変調がかけられるとする。
この場合、主制御部72は、プラズマ生成系の高周波電源36の電源制御部94Aに対しては、ハイ/ロウのパルス変調に必要な制御信号およびロードパワー設定値PLH,PLLのデータを与えるとともに、パルス変調用のタイミング信号として変調パルスMSを与える。なお、PLHは、パルス・オン期間Tonにおける高周波HFのパワーのレベル(ハイレベル)を指定する第1のロードパワー設定値である。一方、PLLは、パルス・オフ期間Toffにおける高周波HFのパワーのレベル(ロウレベル)を指定する第2のロードパワー設定値である。高周波電源36は、この電源36よりハイ/ロウのパルス変調によって出力される高周波HFに対して次のようなPL制御を行う。
先ず、主制御部72からのロードパワー設定値PLH,PLLは、高周波出力制御部124A内でコントローラ134Aにセットされる。コントローラ134Aは、第1および第2の制御指令値生成部126A,128Aに対して、ロードパワー設定値PLH,PLLおよび所要の制御信号、クロック信号を与える。
第1の制御指令値生成部126Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、ロードパワー測定部122Aからのロードパワー測定値MPLをパルス・オン期間Tonの間だけ取り込んでフィードバック信号に用いる。ここで、ロードパワー測定値MPLの瞬時値または代表値をフィードバック信号に用いることも可能ではあるが、通常はロードパワー測定値MPLの平均値(好ましくは移動平均値)をフィードバック信号に用いる。
具体的には、パルス・オン期間Tonの間にロードパワー測定部122Aより与えられるロードパワー測定値MPLについて変調パルスMSの複数サイクル分の移動平均値AMPLを取得し、この移動平均値AMPLをロードパワー設定値PLHと比較して比較誤差または偏差を求め、次または後続のサイクルにおいてこの偏差を適度な速度で零に近づけるようにパルス・オン期間Ton中に進行波のパワーPFにかけるフィードバック制御の目標値つまり第1の制御指令値Conを決定する。この第1の制御指令値Conを決定するために、フィードバック制御またはフィードフォワード制御の技術で常用されている公知のアルゴリズムを用いることができる。
一方、第2の制御指令値生成部128Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、ロードパワー測定部122Aより与えられるロードパワー測定値MPLをパルス・オフ期間Toffの間だけ取り込んでフィードバック信号に用いる。やはり、ロードパワー測定値MPLの瞬時値または代表値をフィードバック信号に用いることも可能ではあるが、通常はロードパワー測定値MPLの平均値(好ましくは移動平均値)をフィードバック信号に用いる。
具体的には、パルス・オフ期間Toffの間にロードパワー測定部122Aより与えられるロードパワー測定値MPLについて1サイクル分または複数サイクル分の移動平均値BMPLを取得し、この移動平均値BMPLをロードパワー設定値PLLと比較して比較誤差または偏差を求め、次または後続のサイクルにおいてこの偏差を適度な速度で零に近づけるようにパルス・オフ期間Toff中に進行波のパワーPFにかけるフィードバック制御の目標値つまり第2の制御指令値Coffを決定する。この第2の制御指令値Coffを決定するために、フィードバック制御またはフィードフォワード制御で常用されている公知のアルゴリズムを用いることができる。
上記したように、比較器130Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は進行波パワー検知信号SPFを第1の制御指令値生成部126Aからの第1の制御指令値Conと比較してその比較誤差(第1の比較誤差)ERonを生成し、パルス・オフ期間Toff中は進行波パワー検知信号SPFを第2の制御指令値生成部128Aからの第2の制御指令値Coffと比較してその比較誤差(第2の比較誤差)ERoffを生成する。そして、アンプ制御部132Aは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は第1の比較誤差ERonを零に近づけるようにパワーアンプ92Aの利得または増幅率を可変に制御し、パルス・オフ期間Toff中は第2の比較誤差ERoffを零に近づけるようにパワーアンプ92Aの利得または増幅率を可変に制御する。
こうして、高周波HFをハイ/ロウのパルス変調によって出力する高周波電源36においては、RFパワーモニタ96およびロードパワー測定部122より得られるロードパワーPLの測定値MPLを、パルス・オン期間Ton中は第1のロードパワー設定値PLHに一致または近似させ、パルス・オフ期間Toff中は第2のロードパワー設定値PLLに一致または近似させるように、高周波給電ライン43上を順方向に伝播する進行波のパワーPFに対してフィードバック制御がかけられる。つまり、高周波電源36の出力に対してパルス・オン期間Tonとパルス・オフ期間Toffとで独立したフィードバック制御がかけられる。
このようなパルス・オン期間Ton用とパルス・オフ期間Toff用の独立した2系統のフィードバック制御によれば、変調パルスMSに同期した反射波パワーPRないし進行波パワーPFの周期的な変動に容易かつ適確に追従することが可能であり、変調パルスMSの反転時に生じる急激な負荷変動にも難なく追いつくことができる。これによって、変調パルスMSの周波数を高くしても、ロードパワーPLをパルス・オン期間Tonおよびパルス・オフ期間Toffのいずれにおいても各々個別の設定値PLH,PLLに安定に保つことができる。
一方、高周波LFにオン/オフのパルス変調をかけるイオン引き込み系の高周波電源38においては、電源制御部94Bにより、変調パルスMSの各サイクルにおいてパルス・オン期間Ton中だけ進行波のパワーPFに対してPL制御のためのフィードバック制御がかけられる。電源制御部94B内のコントローラ134Bは、パルス・オフ期間用の第2の制御指令値生成部128Bを完全休止または非アクティブの状態に保持して、パルス・オン期間用の第1の制御指令値生成部126Bだけを動作させる。この場合、第1の制御指令値生成部126Bに対しては、パルス・オン期間Tonにおける高周波HFのパワーのレベル(オンレベル)を指示するロードパワー設定値PLonを与える。
比較器130Bは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中にRFパワーモニタ96Bからの進行波パワー検知信号SPFを第1の制御指令値生成部126Bからの第1の制御指令値Conと比較してその比較誤差(第1の比較誤差)ERonを生成し、パルス・オフ期間Toff中は実質的に休止する。そして、アンプ制御部132Bは、変調パルスMSの各サイクルにおいて、パルス・オン期間Ton中は第1の比較誤差ERonを零に近づけるようにパワーアンプ92Bの利得または増幅率を可変に制御し、パルス・オフ期間Toff中は実質的に休止する。
もっとも、オン/オフのパルス変調を行う高周波電源38においては、PF制御を行うことも可能である。その場合は、コントローラ134Bより比較器130Bに比較基準値として進行波パワー設定値(PFS)を与えればよい。

[エッチングプロセスにおける実施例]
本発明者は、図1のプラズマエッチング装置によりハイ/ロウのパルス変調を用いるHARC(High Aspect Ratio Contact)プロセスの実験を行って、パルス・オフ期間Tonの長さ、パルス・オフ期間Tonにおける高周波パワー(ロードパワー)PLLまたはパルス・オフ期間Tonにおける上部DC電圧の値をパラメータとしたときに、各種プロセス特性に与える作用を検証した。
この実験では、図9の(a)に示すように多層膜構造の表層部に第1のエッチング工程により途中まで(第3のSiO2層152に届く深さd1まで)微細孔140が形成されている半導体ウエハWをサンプルとして用意した。そして、このサンプルの半導体ウエハWに対して、図9の(b)に示すように微細孔140の深さを第3のSiO2層152の下部まで(深さd2まで)延ばす第2のエッチング工程において、プラズマ生成用の高周波HFにはハイ/ロウのパルス変調をかけ、イオン引き込み用の高周波LFにはオン/オフのパルス変調をかけ、上部電極46に印加する直流電圧(上部DC電圧)Vdcの大きさ(絶対値)を変調パルスMSに同期させて可変する実験を行った。図9において、142はエッチングマスク(フォトレジスト)、144は第1のSiO2層、146は第1のSiN層、148は第2のSiO2層、150は第2のSiN層、152は第3のSiO2層、154は第3のSiN層、および156は半導体基板である。
この実験において評価対象に選んだプロセス特性は、[1]第2のエッチング工程における孔140の深さの増量分(d2−d1)つまりエッチング量、[2]孔140の入口付近におけるネッキングの増量分(ネッキングCD)、[3]第2のSiO2層152におけるボーイングの増量分(中間OxボーイングCD)、[4]選択比(孔140の深さの増量分d2−d1/マスクの厚さの減少分dm)および[5]アスペクト比変化量(孔140の深さの増量分d2−d1/中間OxボーイングCD)である。
第2のエッチング工程に係る実験は、より詳しくは、パルス・オフ期間Toffにおける高周波HFのパワーPLLを0Wに設定した場合と200Wに設定した場合とで、各種プロセス特性のパルス・オフ期間依存性を比較する第1実験と、各種プロセス特性の上部DC電圧依存性を比較する第2実験とを含む。なお、ハイ/ロウのパルス変調でパルス・オフ期間Toffにおける高周波HFのパワーPLLを0Wにした場合は、オン/オフのパルス変調をかけるのと同じである。
第1実験および第2実験に共通する主な固定値のエッチング条件として、エッチングガスをC46/NF3/Ar/O2=76/10/75/73sccm、チャンバ圧力を15mTorr、下部電極温度を60℃、パルス・オン期間Tonを100μs、パルス・オン期間Tonにおけるイオン引き込み用高周波LFのパワーを10000W、パルス・オン期間Tonにおけるプラズマ生成用高周波HFのパワーを1000W、パルス・オン期間Tonにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500Vとした。

<第1実験のパラメータおよび実験結果>
各種プロセス特性のパルス・オフ期間依存性を比較する第1実験では、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を900Vに固定し、パルス・オフ期間Toff(変調パルスMSの周波数fS,デューティ比DS)をパラメータとして、Toff=25μs(fS=8kHz,DS=80%)、Toff=100μs(fS=5kHz,DS=50%)、Toff=150μs(fS=4kHz,DS=40%)、Toff=233μs(fS=3kHz,DS=30%)、Toff=400μs(fS=2kHz,DS=20%)の段階的な5つの値を選んだ。
図10A〜図10Eに、第1実験で得られた結果をグラフで示す。図10Aに示すように、[1]孔140の深さの増量分(エッチング量:d2−d1)は、高周波HFのパワーPLLが0Wまたは200Wのいずれの場合でも、パルス・オフ期間Toffが25μs〜400μsの範囲で約700〜750nmの範囲に収まっており、それほどの違いはない。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると、オン/オフのパルス変調を用いる場合と同程度のエッチング量またはエッチングレートが得られる。
図10Bに示すように、[2]ネッキングCDは、パルス・オフ期間Toffを25μsから400μsまで段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約22.0〜23.0の範囲に止まるのに対して、周波HFのパワーPLLが200Wの場合は約22.0nmから18.0nm以下まで段階的に大きく減少する。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると(特にfSを3kH以下、Toffを233μs以上にすると)、オン/オフのパルス変調を用いる場合に比して、ネッキングCDが大きく向上する。
図10Cに示すように、[3]中間OxボーイングCDは、パルス・オフ期間Toffを25μsから400μsまで段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約36.0〜37.0の範囲に止まるのに対して、周波HFのパワーPLLが200Wの場合は約37.0nmから約34.0nmまで大きく減少する(ただし、Toffが233μs以上になると、殆ど減少しなくなる)。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると(特にfSを3kHz以下、Toffを233μs以上にすると)、オン/オフのパルス変調を用いる場合に比して、中間OxボーイングCDも大幅に向上する。
図10Dに示すように、[4]選択比は、パルス・オフ期間Toffを25μsから233μsまで段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合および200Wのいずれの場合も約2.5から約4.2まで略同じ変化率で増大し、Toffが233μsを超えると飽和する。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると、オン/オフのパルス変調を用いる場合と同程度に選択比が向上する。
図10Eに示すように、[5]アスペクト比変化量は、パルス・オフ期間Toffを25μsから400μsまで段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約80〜85の範囲に止まるのに対して、周波HFのパワーPLLが200Wの場合は約80から約130まで大きく増大する(ただし、Toffが233μsを超えると飽和する)。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると(特にfSを3kH以下、Toffを233μs以上にすると)、オン/オフのパルス変調を用いる場合に比して、アスペクト比変化率が大きく向上する。

<第2実験のパラメータおよび実験結果>
各種プロセス特性の上部DC電圧依存性を比較する第2実験では、パルス・オフ期間Toff(変調パルスMSの周波数fS,デューティ比DS)をToff=233μs(fS=3kHz,DS=30%)に固定し、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|をパラメータとして、|Vdc|=500V、900V、1200Vの段階的な3つの値を選んだ。
図11A〜図11Eに、第2実験で得られた結果をグラフで示す。図11Aに示すように、[1]孔140の深さの増量分(エッチング量:d2−d1)は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500V、900V、1200Vと段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約760nmから約680nmまで線形的に減少し、高周波HFのパワーPLLが200Wの場合は約700nmから約680nmまで漸次的に減少する。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いる場合は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を大きくしても、孔140の深さの増量分(エッチング量)は増大するわけではなく、むしろ減少傾向になるが、オン/オフのパルス変調を用いる場合に比して劣るわけでもない。
図11Bに示すように、[2]ネッキングCDは、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500V、900V、1200Vと段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約23.0nmから約20.0nm以下まで段階的に減少するのに対して、周波HFのパワーPLLが200Wの場合は低いレベルで約19.6nmから約17.8nmまでより段階的に減少する。このように、PLL=200Wにしてハイ/ロウのパルス変調を用いる場合は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を大きくするほどネッキングCDは向上し、しかもオン/オフのパルス変調を用いる場合よりもネッキングCDは向上する。
図11Cに示すように、[3]中間OxボーイングCDは、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500V、900V、1200Vと段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は約37.5nmから約35.5nmまで段階的に減少するのに対して、周波HFのパワーPLLが200Wの場合はより低いレベルで約35.2nmから約33.5nmまでより段階的に減少する(ただし、|Vdc|が900V以上になると、殆ど減少しなくなる)。このように、PLL=200Wにしてハイ/ロウのパルス変調を用いる場合は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を大きくするほど概して中間OxボーイングCDは向上し、しかもオン/オフのパルス変調を用いる場合よりも中間OxボーイングCDは向上する。
図11Dに示すように、[4]選択比は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500V〜1200Vの範囲で変化させても、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合および200Wのいずれの場合も約4.1〜4.5の範囲内に収まる。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると、オン/オフのパルス変調を用いる場合と同程度に選択比が向上する。
図11Eに示すように、[5]アスペクト比変化量は、パルス・オフ期間Toffにおける上部DC電圧Vdcの絶対値|Vdc|を500V、900V、1200Vと段階的に大きくすると、高周波HFのパワーPLLが0Wの場合は|Vdc|が900V以上になると約80nmから約92nmまで上昇するのに対して、高周波HFのパワーPLLが200Wの場合はより高いレベルで約99nmから約132nmまでより上昇する(ただし、|Vdc|が900V以上になると飽和する)。このように、PLL=200Wでハイ/ロウのパルス変調を用いると、オン/オフのパルス変調を用いる場合に比して、アスペクト比変化率が大きく向上する。

<実験の評価>
上記のように、図9に示すようなHARC(High Aspect Ratio Contact)プロセスにおいては、フラズマ生成用の高周波HFに対して、ハイ/ロウのパルス変調をかける方がオン/オフのパルス変調をかける場合よりも各種プロセス特性において優位性があり、特に高い選択比を保証しつつボーイングを効果的に抑制できることが判った。この点について考察する。
パルス変調においては、変調パルスの各サイクル毎に、パルス・オン期間からパルス・オフ期間に切り替わると、イオンの引き込み効果が薄れ、マスク上にプラズマ反応生成物が堆積する。したがって、低速パルス/低いデューティ比(パルス・オフ期間が長い)では、マスクと被エッチング材または対象膜との選択比の向上に適した領域といえる。しかし、パルス・オフ期間はエッチングに寄与することが少ないので、パルス・オフ期間を必要以上に長くするとプラズマプロセスの所要時間が長くなり、生産性の低下を招くことになる。
また、HARCのようにホールエッチングのアスペクト比が大きくなると、エッチング時間が長くなるので、オン/オフのパルス変調を用いた場合は、たとえマスクとの選択比が確保できたとしても、ホール側壁への長時間のイオン入射により、ボーイングがより発生しやすくなってしまうので、最終的に良好な加工形状を得ることが難しかった。
パルス・オン期間からパルス・オフ期間に切り替わった直後にチャンバの処理空間で電子、イオンおよびラジカルがそれぞれ減少する割合は異なる。電子は10μs、イオンは100μs程度の比較的短い時間で消滅するのに対して、ラジカルは1ms程度の時間が経過した後も存在する。このオフタイム中に存在するラジカルがマスク表層と反応することにより、マスク表面保護膜を形成すると考えられる。
ハイ/ロウのパルス変調においては、パルス・オフ期間中もプラズマ生成用の高周波HFが処理ガスを励起し、イオンおよびラジカルを発生させる。この場合、イオン引き込み用の高周波LFに比べてイオンに与える加速のエネルギーは小さいので、エッチングに寄与する割合は少ない。一方、かなりのラジカルが発生しており、しかも下部2周波重畳印加方式の場合はLFオフでHFのパワーが弱めであるから、程ほどのRFバイアスによりラジカルを巻き込むようにしてイオンをホールの底部に引き込むことができる。その結果、ホール側壁への反応生成物の堆積を促進させて、ボーイングの抑制に効く側壁保護膜を形成することができる。
また、上記のように、ハイ/ロウのパルス変調を用いるときは、変調パルスに同期させて上部DC電圧の絶対値をパルス・オン期間よりもパルス・オフ期間で一段高くする技法も各種プロセス特性の向上、特にネッキングの改善、中間ボーイングCDの改善、垂直形状の改善に効果的であることが判る。
つまり、パルス・オフ期間中に上部DC電圧の絶対値を一段高くすることにより、何らかの作用が働いて(たとえば被エッチング材およびマスクに打ち込まれる電子のエネルギーが増大することにより)、ホール内で側壁保護膜を底部側に延ばす効果、あるいはマスク肩部の肩落ちを抑制する(それによって、ボーイングを誘発する斜め成分のイオン入射の割合を低減する)効果が得られるものと考えられる。
いずれにしても、HARCプロセスにおいては、プラズマ生成用の高周波にハイ/ロウのパルス変調をかける場合は、変調パルスの周波数は1kHz以上(好ましくは2kHz〜8kHz、より好ましくは2kHz〜3kHz)の領域が好ましく、パルス・オフ期間におけるプラズマ生成用高周波HFのパワーPLLはある程度高い領域(たとえば100W以上、好ましくは200W以上)に設定することが望ましい。
この点、この実施形態におけるプラズマエッチング装置においては、プラズマ生成系の整合器40が、上記のような構成および機能を有するインピーダンスセンサ106Aにより、高周波給電ライン43上で高周波電源36より見えるプラズマ負荷のインピーダンスを測定し、パルス・オン期間Tonにおける負荷インピーダンスの測定値とパルス・オフ期間Tonにおける負荷インピーダンスの測定値とを所望の重みで加重平均して得られる加重平均測定値を求め、この加重平均測定値を高周波電源36の出力インピーダンスに整合させるように動作する。この場合、加重平均の重み変数(K)の値を調整することにより、パルス・オン期間Tonにおける反射波パワーPRHとパルス・オフ期間Toffにおける反射波パワーPRHとのバランスを任意に制御することができるので、パルス・オフ期間Toffにおける反射波のパワーPRLを任意に減らし、そのぶんロードパワーPLLを高めの任意に値に設定することが可能となる。
一例として、プラズマ生成系の高周波電源36に用いられている実際の或る機種の高周波電源(反射波パワーの許容限界値が1200W)においては、図12に示すように、パルス・オン期間Tonにおける反射係数ГがГ=0.0である従来のマッチング方法(パルス・オン期間Ton中に略完全な整合をとる方法)を行う場合に比して、Г=0.2,Г=0.3となる実施形態のマッチング方法を用いることにより、パルス・オフ期間ToffにおけるロードパワーPLLの設定可能な範囲を約230W(Г=0.0)から約300W(Г=0.2)さらには約350W(Г=0.3)に大幅に拡大することができる。このことは、別な見方をすれば、高周波電源36のダウンサイジングが可能になることを意味する。なお、反射係数ГはГ=(PRH/PFH1/2で与えられる。

[上部電極放電対策に関する実施例]
一般に、HARCプロセスのようなホールエッチングにおいては、アスペクト比を高くすると、ホールの底部に正イオンが溜まりやすくなって、ホール内でのイオンの直進性が低下し、良好なエッチング形状を得るのが困難になる。この点に関して、図1のプラズマエッチング装置は、直流電源部62を備えており、上部電極46に負極性の直流電圧を印加することにより、上部電極46からプラズマ生成空間PAに放出される電子をサセプタ(下部電極)16上の半導体ウエハ(被処理体)Wに向けて加速し、高速に加速された電子をホールの内奥に供給して、ホール底部に溜まった正イオンを電気的に中和することができるので、上記のようなホール内でイオンの直進性が低下する問題を回避できる。
ところが、上部電極46に負極性の直流電圧を印加することによって、上部電極46の中で、特にガス噴出孔48aないしガス通気孔50a内でガスの放電(異常放電)が発生し、上部電極46が損傷することがある。このような上部電極内部の異常放電は、プラズマ生成用の高周波HFおよびイオン引き込み用の高周波LFの双方にオン/オフのパルス変調をかける場合に多発しやすい。
この場合は、図13に示すように、パルス・オフ期間Toff中は、イオン引き込み用の高周波電源38およびプラズマ生成用の高周波電源36の双方がオフする一方で、上部電極46には直流電源部62より絶対値の大きい負極性の直流電圧Vdc1が印加される。これにより、上部電極46の表面付近には、電子(e)を突き放す方向に加速し、イオン(+)を引き付ける方向に加速する高電界領域(以下「DCシース」と称する)SHDCが発生し、このDCシースSHDCにより加速された電子(e)がサセプタ16上の半導体ウエハWに入射して、ホールの底部に溜まっている正電荷を中和する。この時、プラズマ生成空間PA内ではプラズマが消滅しているので、半導体ウエハWの表面の上にプラズマシース(イオンシース)SHRFは殆ど形成されていない。この状態は、パルス・オフ期間Toffを通じて持続される。
そして、パルス・オフ期間Toffからパルス・オン期間Tonに変わると、両高周波電源36,38の双方が同時にオンして、両高周波HF,LFがサセプタ16に印加される。これにより、プラズマ生成空間PAに処理ガスのプラズマが生成され、半導体ウエハWの表面を覆うようにチャンバ10内にプラズマシースSHRFが形成される。この場合、プラズマシースSHRFは、それまでの実質的に無い状態から突然に現れ、上部電極46に向って急速度で成長する(シースの厚みが増大する)。このプラズマシースSHRFの成長速度は、周波数が相対的に低いイオン引き込み用の高周波LFの電圧(ピークピーク値)Vppの立ち上がり速度ないし飽和値の大きさに主に依存する。
一方、上部電極46では、直流電源部62により印加される直流電圧の絶対値がそれまでの比較的大きな値|Vdc1|から比較的小さな値|Vdc2|に変わるものの、相変わらず電子(e)が放出され、半導体ウエハWに向って加速される。ところが、パルス・オフ期間Toffの時とは異なり、この場面では半導体ウエハW上でプラズマシースSHRFがその厚みつまり電界強度が増大する方向に急速度で成長するので、上部電極46側から加速されてきた電子(e)が成長中のプラズマシースSHRFによって強く跳ね返される。そして、プラズマシースSHRFで跳ね返された電子(e)が、今度は上部電極46に向って飛んで、DCシースSHDCの電界に抗して上部電極46の電極板48のガス噴出孔48aの中に進入し、その内奥で放電を引き起こすことがある。
このように上部電極の内部で異常放電が発生する場合において、上部電極46より放出された電子(e)を半導体ウエハW側に向かって加速させるときと、半導体ウエハW側のプラズマシースSHRFで跳ね返されてきた電子(e)を減速させるときとで、上部電極46側のDCシースSHDCの電界が電子(e)に作用する力は同じである。したがって、上部電極46のガス噴出孔48aの中に電子が進入する頻度や速度は、DCシースSHDCの大きさには殆ど依存せず、プラズマシースSHRFが電子(e)を上部電極46側に跳ね返す強さ、つまりプラズマシースSHRFの成長速度に依存する。
また、プラズマ生成空間PAの上部で生成される正イオン(+)は、DCシースSHDCの電界に引き込まれて上部電極46(電極板48)の表面に衝突してスパッタすることがあっても、上部電極46内部の異常放電を引き起こすようなことはない。
図1のプラズマエッチング装置において、上記のような上部電極46内部の異常放電は、プラズマ生成用の高周波HFに対するパルス変調をオン/オフのパルス変調からハイ/ロウのパルス変調に変えることによって、効果的に回避することができる。
この場合は、図14に示すように、パルス・オフ期間Toff中は、高周波電源36がオン状態を保持し、プラズマ生成用の高周波HFがロウレベルのパワーでサセプタ16に印加されるので、プラズマ生成空間PAにはプラズマが消滅せずに低密度で残存し、半導体ウエハWの表面は薄いプラズマシースSHRFで覆われる。この時、上部電極46側からDCシースSHDCの大きな電界により高速度に加速されてきた電子(e)は、プラズマシースSHRFで逆向きの電界または力を受ける。しかし、プラズマシースSHRFは薄くてその逆向きの電界は弱いので、電子(e)はプラズマシースSHRFを突き抜けて半導体ウエハWに入射する。この状態は、パルス・オフ期間Toffを通じて持続される。
そして、パルス・オフ期間Toffからパルス・オン期間Tonに変わると、高周波電源38がオンしてイオン引き込み用の高周波LFをサセプタ16に印加するとともに、高周波電源36が高周波HFのパワーをそれまでのロウレベルからハイレベルに変える。これにより、プラズマ生成空間PAで生成されるプラズマの密度が急激に高くなるとともに、半導体ウエハWの表面を覆うプラズマシースSHRFの厚みが一段と増大する。ただし、この場合は、プラズマシースSHRFが無の状態から突然現れて急成長するのではなく、既に存在している状態から厚さを増大させるだけなので、その成長速度は相当穏やかであり、上部電極46側から高速に加速されてきた電子(e)を跳ね返す力はそれほど大きくない。このため、プラズマシースSHRFで跳ね返された電子(e)は、その跳ね返りの初速度が低いため、DCシースSHDCを突き抜けることができず、上部電極46の電極板48のガス噴出孔48aの中に進入しない。したがって、上部電極46の内部で異常放電は発生しない。
ところで、パルス・オン期間Ton中に上部電極46の内部で異常放電が発生する時は、プラズマシースSHRFの成長速度や厚さに関係するイオン引き込み用高周波LFのピーク・ピーク値Vppが高周波給電ライン45上で大きく変動することが確認されている。この実施形態のプラズマエッチング装置においては、整合器40,42の中にVpp検出器107A,107Bをそれぞれ設けている(図3)。整合器42内のVpp検出器107Bを通じて、高周波給電ライン45上のイオン引き込み用高周波LFのピーク・ピーク値Vppを測定し、主制御部72またはマッチングコントローラ104B内のCPU処理によりVppの測定値を解析して、上部電極46の内部で異常放電が発生しているか否かを表すモニタ情報(図15,図16)を取得することができる。
ここで、図15のモニタ情報は、上部電極46の内部で異常放電が発生している場合に得られたもの(一例)である。図示のように、モニタ期間に設定された判定区間の中でVpp変動率が頻繁にかつ大きく(数%以上に)跳ね上がることがわかる。一般に、異常放電の発生頻度が多いほど、Vpp変動率が大きくなる傾向がある。図示のグラフの縦軸のVpp変動率は、たとえば次の式(2)で与えられる。
pp変動率=100×(Vpp-max−Vpp-ave)/Vpp-ave ・・・(2)
ただし、Vpp-maxは判定区間の中に設定される一定のサンプリング期間TSにおけるVppの最大値であり、Vpp-aveは該サンプリング期間TSにおけるVppの平均値である。
図16のモニタ情報は、上部電極46の内部で異常放電が発生していない場合に得られたもの(一例)である。判定区間を通じてVpp変動率が数%以下(図示の例は1%以下)で安定している。なお、モニタ期間の開始直後と終了直前は、プラズマの着火と消滅のタイミングであり、異常放電の発生の有無と関係なくVpp変動率が上昇するので、判定区間から除外している。
本発明者等は、上述したようなHARCプロセスにおいて、ガス圧力、パルス変調の周波数fsおよびデューティ比Dsをパラメータに選んで変化させる実験を行って、各パルス変調における上部電極内部の異常放電の発生の有無を調べた。この実験では、上述した実施例と同様にエッチングガスにフルオロカーボン系のガスを使用し、パルス・オン期間Tonにおけるプラズマ生成用高周波HFのパワーを2000kW、イオン引き込み用高周波LFのパワーを14000kW、パルス・オフ期間Toffにおける高周波HFのパワーを100Wとした。そして、パラメータとして、ガス圧力は10mTorr,15mTorr,20mTorr,25mTorr,30mTorrの5通りに選び、パルス変調の周波数fsは4kHz,5kHz,10kHzの3通りに選び、デューティ比Dsは20%,30%,40%,50%,60%の5通りに選んだ。
図17Aおよび図17Bに、その実験結果をテーブル形式で示す。テーブルの中で、〇は、上記モニタ情報においてVpp変動率が2%(許容値)以下に収まった場合であり、「異常放電無し」の判定結果を表す。×は、上記モニタ情報においてVpp変動率が2%(許容値)を越えた場合であり、「異常放電有り」の判定結果を示す。
図17Aは、プラズマ生成用の高周波HFおよび双方にオン/オフのパルス変調をかけた場合である。この場合は、全てのパラメータ(ガス圧力、パルス変調周波数fs、デューティ比Ds)の全可変領域にわたって「異常放電有り」(×)の結果が広く分布する。
図17Bは、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調をかけ、かつイオン引き込み用の高周波LFにオン/オフのパルス変調をかけた場合である。この場合は、全てのパラメータ(ガス圧力、パルス変調周波数fs、デューティ比Ds)の全可変領域にわたって常に「異常放電無し」(〇)であった。
このように、プラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調をかけ、かつイオン引き込み用の高周波LFにオン/オフのパルス変調をかけた変調モードを選択することで、上部電極46の内部の異常放電を効果的に回避することができる。ただし、この手法は、パルス・オフ期間Toff中にプラズマ生成用高周波HFのパワー(ロードパワー)を低めの最適な設定値に正確かつ安定に保持できる技術を好適に必要とする。この点に関しては、上述したように、整合器40のインピーダンスセンサ106Aにおいて重み係数Kの値を調整することによりパルス・オン期間Tonにおける反射波パワーPRHとパルス・オフ期間Toffにおける反射波パワーPRLとのバランスを任意に制御する技術と、高周波電源36においてパルス・オフ期間Toff中のロードパワーPLLに独立したフィードバック制御をかける技術を好適に用いることができる。

[他の実施形態または変形例]
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種種の変形が可能である。
本発明においては、第1(プラズマ生成系)のパワー変調方式、第2(イオン引き込み系)のパワー変調方式および上部DC印加方式を組み合わせるに際しては各々のモードを任意に選ぶことが可能である。また、イオン引き込み用の高周波LFのパワーにはパルス変調を一切かけずにプラズマ生成用の高周波HFにハイ/ロウのパルス変調をかける形態や、逆にプラズマ生成用の高周波HFにはパルス変調を一切かけずにイオン引き込み用の高周波LFのパワーにハイ/ロウのパルス変調をかける形態も可能である。さらには、第1のパワー変調方式もしくは第2のパワー変調方式のいずれかのみを使う形態や、上部DC印加方式を使わない形態も可能である。
上記実施形態(図1)では、プラズマ生成用の高周波HFをサセプタ(下部電極)16に印加した。しかし、プラズマ生成用の高周波HFを上部電極46に印加する構成も可能である。
本発明は、容量結合型プラズマエッチング装置に限定されず、プラズマCVD、プラズマALD、プラズマ酸化、プラズマ窒化、スパッタリングなど任意のプラズマプロセスを行う容量結合型プラズマ処理装置に適用可能であり、さらにはチャンバの周囲に高周波電極(アンテナ)を設ける誘導結合型プラズマ処理装置にも適用可能である。本発明における被処理体は半導体ウエハに限るものではなく、フラットパネルディスプレイ、有機EL、太陽電池用の各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等も可能である。
10 チャンバ
16 サセプタ(下部電極)
36 (プラズマ生成系)高周波電源
38 (イオン引き込み系)高周波電源
40,42 整合器
43,45 高周波給電ライン
46 上部電極(シャワーヘッド)
56 処理ガス供給源
72 主制御部
90A,90B 高周波発振器
92A,92B パワーアンプ
94A,94B 電源制御部
96A,96B RFパワーモニタ
98A,98B 整合回路
100A,102A,100B,102B モータ
104A,104B マッチングコントローラ
107A,107B Vpp検出器
110A,110B RF電圧検出器
112A,112B RF電流検出器
114A,114B 負荷インピーダンス瞬時値演算回路
116A,116B 算術平均値演算回路
118A,118B 加重平均値演算回路
120A,120B 移動平均値演算回路
122A,122B ロードパワー測定部
124A,124B 高周波出力制御部
126A,126B (パルス・オン期間用)制御指令値生成部
128A,128B (パルス・オフ期間用)制御指令値生成部
130A,130B 比較器
132A,132B アンプ制御回路
134A,134B コントローラ
136A,136B 切替回路

Claims (11)

  1. 被処理体を出し入れ可能に収容する真空排気可能な処理容器内で処理ガスの高周波放電によるプラズマを生成し、前記プラズマの下で前記処理容器内の前記被処理体に所望の処理を施すプラズマ処理装置であって、
    第1の高周波を出力する第1の高周波電源と、
    一定のデューティ比で交互に繰り返す第1および第2の期間において、前記第1の期間では前記第1の高周波のパワーがハイレベルになり、前記第2の期間では前記第1の高周波のパワーが前記ハイレベルより低いロウレベルになるように、前記第1の高周波電源の出力を一定周波数の変調パルスで変調する第1の高周波パワー変調部と、
    前記第1の高周波電源より出力される前記第1の高周波を前記処理容器の中または周囲に配置される第1の電極まで伝送するための第1の高周波給電ラインと、
    前記第1の高周波給電ライン上で前記第1の高周波電源より見える負荷のインピーダンスを測定し、前記第1の期間における負荷インピーダンスの測定値と前記第2の期間における負荷インピーダンスの測定値とを所望の重みで加重平均して得られる加重平均測定値を前記第1の高周波電源の出力インピーダンスに整合させる第1の整合器と
    を有するプラズマ処理装置。
  2. 第2の高周波を出力する第2の高周波電源と、
    前記第2の高周波電源より出力される前記第2の高周波を前記第1の電極または前記処理容器の中または周囲に配置される第2の電極まで伝送するための第2の高周波給電ラインと、
    前記第1の期間では前記第2の高周波のパワーがオン状態またはハイレベルになり、前記第2の期間では前記第2の高周波のパワーがオフ状態または前記ハイレベルより低いロウレベルになるように、前記第2の高周波電源の出力を前記変調パルスで変調する第2の高周波パワー変調部と
    を有する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記第2の高周波は、前記プラズマからイオンを前記被処理体に引き込むのに適した周波数を有する、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第1の高周波電源が、
    前記第1の高周波給電ライン上で、前記第1の高周波電源から前記第1の電極に向かって順方向に伝搬する進行波のパワーおよび前記第1の電極から前記第1の高周波電源に向かって逆方向に伝搬する反射波のパワーを検知し、前記進行波のパワーおよび前記反射波のパワーをそれぞれ表わす進行波パワー検知信号および反射波パワー検知信号を生成する第1のRFパワーモニタと、
    前記RFパワーモニタより得られる前記進行波パワー検知信号と前記反射波パワー検知信号とから、前記プラズマを含む負荷に供給されるロードパワーの測定値を求める第1のロードパワー測定部と、
    前記変調パルスの各サイクルにおける前記第2の期間中に、前記ロードパワー測定部より得られる前記ロードパワーの測定値を所定のロードパワー設定値に一致または近似させるように、前記進行波のパワーに対してフィードバック制御をかける第1の高周波出力制御部と
    を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記第1の高周波電源が、
    前記第1の高周波給電ライン上で、前記第1の高周波電源から前記第1の電極に向かって順方向に伝搬する進行波のパワーおよび前記第1の電極から前記第1の高周波電源に向かって逆方向に伝搬する反射波のパワーを検知し、前記進行波のパワーおよび前記反射波のパワーをそれぞれ表わす進行波パワー検知信号および反射波パワー検知信号を生成する第1のRFパワーモニタと、
    前記RFパワーモニタより得られる前記進行波パワー検知信号と前記反射波パワー検知信号とから、前記プラズマを含む負荷に供給されるロードパワーの測定値を求める第1のロードパワー測定部と、
    前記変調パルスの各サイクルにおける前記第1および第2の期間中に、前記ロードパワー測定部より得られる前記ロードパワーの測定値を前記第1および第2の期間について個別に与えられる第1および第2のロードパワー設定値にそれぞれ一致または近似させるように、前記進行波のパワーに対して前記第1の期間と前記第2の期間とで個別にフィードバック制御をかける第1の高周波出力制御部と
    を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記第1の高周波は、前記プラズマの生成に適した周波数を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記第1の電極に前記被処理体が載置される、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第2の期間における前記第2の高周波のパワーは、前記プラズマ生成状態を維持するのに必要な最小限のパワーより高い、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記変調パルスに同期して、前記第2の期間中にのみ前記第2の電極に負極性の直流電圧を印加する直流電源部を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記処理容器内でプラズマ生成空間を介して前記被処理体と対向する電極に負極性の直流電圧を印加し、前記変調パルスに同期して前記第1の期間中よりも前記第2の期間中において前記直流電圧の絶対値を大きくする直流給電部を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記変調パルスの周波数は2〜8kHzであり、デューティ比は20〜80%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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