JP2016064807A - ステアリング装置 - Google Patents

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雅芳 作田
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Abstract

【課題】操作部材の操作力を低減しつつ小型化を図れるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置1は、アッパーブラケット6によって支持された回転軸35と、アッパージャケット17に固定された複数の被係合歯56と、被係合歯56と噛み合う係合歯73を有するロック部材49と、回転軸35よりも被係合歯56から離れた位置でロアージャケット18によって支持された支持軸48とを含む。操作部材36の操作に応じて回転軸35が回転すると、回転軸35によって支持された第1回転部材50が回転軸35と同期回転する。第1回転部材50の回転に連動して、支持軸48によって支持された第2回転部材52がロック部材49を解除位置へ移動させる。ロック部材49は、付勢部材53によって噛合位置に向けて付勢される。
【選択図】図6

Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
下記特許文献1記載のステアリング装置では、ステアリングシャフトが筒状のステアリングコラムに挿通されている。ステアリングコラムでは、アッパコラムとロアコラムとがテレスコープ状に組み合わさることによって、軸方向におけるステアリングホイールの位置調整が可能である。アッパコラムには、クランプ部が装着されている。クランプ部は、第1車体側ブラケットを介して第2車体側ブラケットによってチルト位置調整可能に支持されている。クランプ部には、第1貫通孔および第2貫通孔が形成されている。
第1貫通孔には、締付けロッドが挿通されており、第2貫通孔には、回転軸が挿通されている。締付けロッドの一端には、操作レバーが装着されている。締付けロッドには、偏心歯部を有するテレスコ保持用歯付きカムが回転自在に連結されており、回転軸には、テレスコ保持用歯付きカムに係合する回転伝達部が回転不能に連結されている。回転軸と操作レバーとは、ねじりコイルバネによって連結されている。
操作レバーをクランプ方向に操作すると、操作レバーの回転がねじりコイルバネを介して回転軸に伝達され、回転軸が回転する。これにより、回転伝達部の当接片が弾性変形しながらテレスコ保持用歯付カムの上側に接触するので、テレスコ保持用歯付カムが回転して、テレスコ保持用歯付カムの偏心歯部がアッパコラムの外周に噛み込む。これにより、ステアリングホイールの位置が固定される。
下記特許文献2記載のステアリング装置では、アウタコラムと、アウタコラムに挿通されたインナコラムとを備えている。アウタコラムには、通孔および貫通孔が形成されている。貫通孔には、杆状部材が挿通されている。杆状部材の基端部には、調節レバーが固定されている。杆状部材には、ロック解除レバーが嵌合されている。貫通孔には、杆状部材と平行に配置された支持軸が挿通されている。支持軸の中央部には、テレスコロック用偏心カムが外嵌されている。ロック解除レバーの先端部は、テレスコロック用偏心カムの受段差面に対向している。テレスコロック用偏心カムは、インナコラムの上面に対向している。調節レバーを回動させると、ロック解除レバーの先端部が受段差面を下方に押してテレスコロック用偏心カムが回動する。これにより、テレスコロック用偏心カムに形成されたテレスコロック用凹凸部がインナコラムの上面に突き当たることで、ステアリングホイールの位置が固定される。
特開2009−90856号公報 特開2010−254204号公報
特許文献1のステアリング装置では、操作レバーといった操作部材と回転軸とが、ねじりコイルバネによって連結されている。そのため、ねじりコイルバネの付勢力が操作レバーに作用しているので、操作レバーを操作する際に必要な操作力が増大する虞がある。操作力が増大すると、操作レバーの操作性が低下する。
特許文献2のステアリング装置では、杆状部材に嵌合されたロック解除レバーの先端部と支持軸に外嵌されたテレスコロック用偏心カムの受段差面とを対向させるために杆状部材と支持軸との間の間隔を所定の距離に保たなければならない。そのため、杆状部材と支持軸とが軸方向に並んで配置された状態では、軸方向における杆状部材と支持軸との間の間隔を縮めることが困難である。
一方、インナコラムの上面から離れた位置に、調節レバーといった操作部材を配置すると、ステアリング装置の剛性が低下する。そのため、特許文献2のステアリング装置では、調節レバーが設けられた杆状部材を、インナコラムの上面から離れた位置に配置することで軸方向における杆状部材と支持軸との間隔を縮めることが困難である。
よって、インナコラムの軸方向における杆状部材と支持軸との間隔を縮めることに限界があるので、ステアリング装置の小型化を図ることが困難である。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、操作部材の操作力を低減し、小型化を図れるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(8)が連結され、軸方向(X)に伸縮可能なステアリングシャフト(3)と、前記操舵部材側(X1)のアッパージャケット(17)と、前記操舵部材とは反対側(X2)のロアージャケット(18)とを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケット(4)と、前記ロアージャケットを支持し、車体(2)に固定されたブラケット(6)と、前記軸方向に対して直交する方向(Y)に延び、前記ブラケットによって支持され、一端(35B)に取り付けられた操作部材(36)の操作に応じて回転する回転軸(35)と、前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に並ぶ複数の被係合歯(56)と、前記軸方向における前記アッパージャケットの位置をロックするために前記被係合歯と噛み合う係合歯(73)が形成された外周面(49A)を有し、前記回転軸によって支持され、前記係合歯と前記被係合歯とが噛み合う噛合位置と、前記係合歯と前記被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で前記回転軸に対して相対回転可能なロック部材(49)と、前記回転軸とは別に設けられ、前記回転軸と平行に延び、前記回転軸よりも前記被係合歯から離れた位置で前記ロアージャケットによって支持された支持軸(48)と、前記回転軸と同期回転するように前記回転軸によって支持された第1回転部材(50)と、前記支持軸によって支持され、前記第1回転部材の回転に連動して前記支持軸を中心に回転することによって、前記ロック部材に当接して前記ロック部材を前記解除位置へ移動させる第2回転部材(52)と、前記第2回転部材によって支持され、前記噛合位置に向けて前記ロック部材を付勢している付勢部材(53)と、を含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記ロック部材の回転方向(S1,S2)は、前記回転軸の回転方向(S2,S1)とは逆であることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記第1回転部材は、前記回転軸の外周面(35A)の周方向(S)に沿って延びる円筒面(76B)を有しており、前記付勢部材は、前記円筒面の法線方向(Q)から前記円筒面に接していることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置である。
請求項4記載の発明は、前記ロック部材の外周面(69)には、前記外周面の沿面方向(R)に沿って前記係合歯が複数設けられており、前記ロック部材の回転中心(49B)と、前記外周面において前記係合歯が設けられている部分との間の距離(D)は、前記被係合歯から離れるにしたがって大きくなっており、前記ロック部材が前記噛合位置にある状態で、前記第2回転部材と前記ロック部材との間には、隙間(93)が設けられており、車両衝突が発生したときには、前記軸方向において前記反対側へ向けて前記アッパージャケットとともに移動する前記複数の被係合歯と噛み合う前記係合歯の数が増えるように、前記ロック部材が前記隙間を狭めながら移動することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記第2回転部材は、前記回転軸へ向けて突出し、前記支持軸が延びる方向に互いに離間して配置された第1凸部(84)および第2凸部(85)を含み、前記第1回転部材は、前記支持軸へ向けて突出し、前記第1凸部に当接可能な突起(78)を含み、前記ロック部材は、前記支持軸へ向けて突出し、前記第2凸部に当接可能な突出部(62)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のステアリング装置である。
請求項6記載の発明は、前記ロアージャケットに設けられ、前記ロック部材が前記噛合位置または前記解除位置にあるときにおける前記第1回転部材を位置決めする位置決め機構(96)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のステアリング装置である。
請求項7記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(8)が連結され、軸方向(X)に伸縮可能なステアリングシャフト(3)と、前記操舵部材側(X1)のアッパージャケット(17)と、前記操舵部材とは反対側(X2)のロアージャケット(18)とを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケット(4)と、前記ロアージャケットを支持し、車体(2)に固定されたブラケット(6)と、前記軸方向に対して直交する方向(Y)に延び、前記ブラケットによって支持され、一端(35B)に取り付けられた操作部材(36)の操作に応じて回転する回転軸(35)と、前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に並ぶ複数の被係合歯(56)と、前記軸方向における前記アッパージャケットの位置をロックするために前記被係合歯と噛み合う係合歯(73)が形成された外周面(49A)を有し、前記回転軸によって支持され、前記係合歯と前記被係合歯とが噛み合う噛合位置と、前記係合歯と前記被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で前記回転軸に対して相対回転可能なロック部材(49)と、前記ロック部材に係合した状態で、前記ロアージャケットによって支持され、前記噛合位置に向けて前記ロック部材を付勢している付勢部材(53)と、前記回転軸と同期回転するように前記回転軸によって支持され、前記回転軸の回転に応じて前記噛合位置から前記解除位置へ向かう方向(Z1)へ前記付勢部材を移動させる回転部材(50)と、を含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項8記載の発明は、前記ロック部材の回転方向(S1,S2)は、前記回転軸の回転方向(S2,S1)とは逆であることを特徴とする、請求項7記載のステアリング装置である。
請求項9記載の発明は、前記回転部材は、前記回転部材から突出し、前記付勢部材を押圧する押圧部(99)を有しており、前記ロック部材は、前記付勢部材に係合する係合部(98)を有することを特徴とする、請求項7または8記載のステアリング装置である。
請求項10記載の発明は、前記ロアージャケットに設けられ、前記ロック部材が前記噛合位置または前記解除位置にあるときにおける前記回転部材を位置決めする位置決め機構(96)を含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、ステアリング装置では、コラムジャケットが、操舵部材側のアッパージャケットと、操舵部材とは反対側のロアージャケットとを有している。ロアージャケットは、車体に固定されたブラケットによって支持されている。アッパージャケットがロアージャケットに対して相対移動することによって、コラムジャケットがステアリングシャフトとともに伸縮するので、ステアリングシャフトに連結された操舵部材の軸方向の位置を調整できる。ブラケットによって支持された回転軸は、ロック部材および第1回転部材を支持している。回転軸とは別に設けられた支持軸は、ロアージャケットによって支持されており、第2回転部材を支持している。
ロック部材が噛合位置にあるとき、その外周面に形成された係合歯が、アッパージャケットに固定された被係合歯と噛み合うことによって、ステアリングシャフトの軸方向におけるアッパージャケットの位置がロックされる。これにより、操舵部材の軸方向の位置がロックされる。ロック部材は、噛合位置と、係合歯と被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で回転軸に対して相対回転可能である。
回転軸の一端に取り付けられた操作部材を操作して回転軸を回転させると、第1回転部材が回転軸と同期回転し、第2回転部材が第1回転部材の回転に連動して支持軸を中心に回転することによって、第2回転部材がロック部材に当接する。ロック部材は、第2回転部材に当接されることによって解除位置に移動する。
ロック部材は、付勢部材によって噛合位置に向けて付勢されている。そのため、大きな操作力で操作部材を操作しなくても、ロック部材を解除位置から噛合位置へ移動させることができる。一方で、付勢部材がロック部材を付勢しているものの、ロック部材が回転軸に対して相対回転可能であるので、付勢部材の付勢力は、操作部材に直接作用していない。そのため、ロック部材を解除位置から噛合位置へ移動さるために操作部材を操作する際に、付勢部材の付勢力の影響をあまり受けずに済む。よって、ロック部材を解除位置と噛合位置との間で移動させるときの操作部材の操作力を低減することができる。
また、支持軸は、回転軸よりも被係合歯から離れた位置でロアージャケットによって支持されているため、回転軸に対してステアリングシャフトの軸方向に傾斜した方向に配置されている。この場合、軸方向おける支持軸と回転軸との間隔を縮めることができる。よって、ステアリングシャフトの軸方向においてステアリング装置を小型化できる。
以上により、操作部材の操作力を低減しつつステアリング装置の小型化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、ロック部材の回転方向は、回転軸の回転方向とは逆である。そのため、回転軸に取り付けられた操作部材を操作する方向を、意図的に逆方向に変換してロック部材に伝達することができる。
請求項3記載の発明によれば、第1回転部材は、回転軸の外周面の周方向に沿って延びる円筒面を有しており、付勢部材は、円筒面の法線方向から円筒面に接している。この場合、付勢部材の付勢力が法線方向から第1回転部材の円筒面に作用するので、回転軸と同期回転する第1回転部材には、その回転方向から付勢部材の付勢力をほとんど受けない。よって、回転軸に固定された操作部材を、付勢部材の付勢力の影響をほとんど受けることなく操作できる。その結果、操作部材の操作力を一層低減することができる。
請求項4記載の発明によれば、複数の係合歯は、ロック部材の外周面の沿面方向に沿って複数設けられている。ロック部材の回転中心と、ロック部材の外周面において係合歯が設けられている部分との間の距離は、被係合歯から離れるにしたがって大きくなっている。ロック部材が噛合位置にある状態で、第2回転部材とロック部材との間に隙間が設けられている。
車両衝突が発生したときには、アッパージャケットとともに移動する複数の被係合歯と噛み合う係合歯の数が増えるように、ロック部材が第2回転部材との隙間を狭めながら移動する。そのため、ロック部材の係合歯と被係合歯との噛み合いが強固になる。これにより、車両衝突時にアッパージャケットがロアージャケットに対して必要以上に相対移動することを防止できる。また、この隙間が存在することにより、車両衝突時に、複数の被係合歯と噛み合う係合歯の数を増やすことができる。
請求項5記載の発明によれば、第2回転部材は、支持軸が延びる方向に互いに離間して配置された第1凸部および第2凸部を含んでいる。第1回転部材の突起は、第1凸部に当接することができ、ロック部材の突出部は、第2凸部に当接することができる。そのため、第1回転部材および第2回転部材を介して、回転軸の回転をロック部材に確実に伝達して、ロック部材を噛合位置から解除位置まで回転させることができる。
請求項6記載の発明によれば、位置決め機構は、ロック部材が噛合位置または解除位置にあるときの第1回転部材を位置決めするため、第1回転部材の位置決めが容易となる。そのため、第1回転部材の位置決めに必要な工数を低減することができる。
請求項7記載の発明によれば、ステアリング装置では、コラムジャケットが、操舵部材側のアッパージャケットと、操舵部材とは反対側のロアージャケットとを有している。ロアージャケットは、車体に固定されたブラケットによって支持されている。アッパージャケットがロアージャケットに対して相対移動することによって、コラムジャケットがステアリングシャフトとともに伸縮するので、ステアリングシャフトに連結された操舵部材の軸方向の位置を調整できる。ブラケットによって支持された回転軸は、一端に操作部材が取り付けられていて、ロック部材および回転部材を支持している。
ロック部材が噛合位置にあるとき、その外周面に形成された係合歯が、アッパージャケットに固定された被係合歯と噛み合うことによって、ステアリングシャフトの軸方向におけるアッパージャケットの位置がロックされる。これにより、操舵部材の軸方向の位置がロックされる。ロック部材は、噛合位置と、係合歯と被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で回転軸に対して相対回転可能である。
ロック部材は、付勢部材によって噛合位置に向けて付勢されている。そのため、大きな操作力で操作部材を操作しなくても、ロック部材を解除位置から噛合位置へ移動させることができる。よって、ロック部材を解除位置と噛合位置との間で移動させるときの操作部材の操作力を低減することができる。
また、回転部材は、回転軸の回転に応じて回転軸と同期回転することにより、噛合位置から解除位置へ向かう方向へ付勢部材を移動させる。付勢部材は、ロック部材に係合した状態でロアージャケットによって支持されている。そのため、回転部材は、付勢部材を移動させることによって回転部材の回転をロック部材に伝達して、噛合位置から解除位置へロック部材を移動させることができる。この場合、回転部材の回転をロック部材に伝達するために付勢部材以外の別部品を設ける必要がないので、部品点数を削減することができる。また、付勢部材がロアージャケットによって支持される構造となるのであれば、付勢部材を支持する位置や方法を自由に選択できる。
請求項8記載の発明によれば、ロック部材の回転方向は、回転軸の回転方向とは逆である。そのため、回転軸に取り付けられた操作部材を操作する方向を、意図的に逆方向に変換してロック部材に伝達することができる。
請求項9記載の発明によれば、回転部材は、回転部材から突出し、付勢部材を押圧する押圧部を有する。また、ロック部材は、付勢部材に係合する係合部を有する。そのため、回転部材は、付勢部材を介して、回転軸の回転をロック部材に確実に伝達して、ロック部材を噛合位置から解除位置まで回転させることができる。
請求項10記載の発明によれば、位置決め機構は、ロック部材が噛合位置または解除位置にあるときの回転部材を位置決めするため、回転部材の位置決めが容易となる。そのため、回転部材の位置決めに必要な工数を低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。 図2は、ステアリング装置1の斜視図である。 図3は、図2においてロック機構の周辺を拡大した図である。 図4は、図1におけるIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、ステアリング装置1のロック機構の分解斜視図である。 図6は、図4におけるVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図3におけるVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、図6の状態よりも時計回り側へ回転軸を回転させたときのロック機構の周辺の断面図である。 図9は、ステアリング装置1が解除状態であるときのロック機構の周辺の断面図である。 図10は、図9の状態よりも反時計回り側へ回転軸を回転させたときのロック機構7の周辺の断面図である。 図11は、図6において、車両衝突後のロック機構の状態を示した図である。 図12は、図5に本発明の第1変形例を適用した図である。 図13は、図6に第1変形例を適用した図である。 図14は、図3に第1変形例を適用した図である。 図15は、図9に第1変形例を適用した図である。 図16は、図11に第1変形例を適用した図である。 図17は、図6に本発明の第2変形例を適用した図である。 図18は、図3に本発明の第3変形例を適用した図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。図2は、ステアリング装置1の斜視図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット4と、ロアーブラケット5と、アッパーブラケット6(ブラケット)と、位置調整機構14と、ロック機構7とを主に含んでいる。
ステアリングシャフト3では、後端である一端3Aに操舵部材8が連結されている。ステアリングシャフト3において前端である他端3Bが、自在継手9、インターミディエイトシャフト10および自在継手11を順に介して、転舵機構13のピニオン軸12に連結されている。転舵機構13は、ラックアンドピニオン機構などで構成されている。転舵機構13は、ステアリングシャフト3の回転が伝達されたことに応じて、図示しないタイヤなどの転舵輪を転舵させる。
ステアリングシャフト3は、車体2の前後方向に延びている。以下では、ステアリングシャフト3が延びる方向を軸方向Xとする。軸方向Xは、他端3Bが一端3Aよりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。軸方向Xにおいて操舵部材8側である後側には、符号「X1」を付し、軸方向Xにおいて操舵部材8とは反対側である前側には、符号「X2」を付す。
軸方向Xに対して直交する方向のうち、図1において紙面と垂直な方向を左右方向Yといい、図1において略上下に延びる方向を上下方向Zという。左右方向Yにおいて、図1の紙面の奥側は、右側Y1であり、紙面の手前側は、左側Y2である。上下方向Zにおいて、上側には、符号「Z1」を付し、下側には、符号「Z2」を付す。
なお、図1以外の各図において図1の軸方向X、後側X1、前側X2、左右方向Y、右側Y1、左側Y2、上下方向Z、上側Z1および下側Z2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ステアリングシャフト3は、少なくとも一部が円筒状のアッパーシャフト15と円柱状のロアーシャフト16とを有している。アッパーシャフト15は、ロアーシャフト16よりも後側X1で同軸状に配置されている。
アッパーシャフト15における後端15Aが、ステアリングシャフト3の一端3Aであり、アッパーシャフト15の後端15Aに操舵部材8が連結されている。
ロアーシャフト16における前端16Aが、ステアリングシャフト3の他端3Bである。ロアーシャフト16の後端は、アッパーシャフト15の前端15Bに前側X2から挿入されている。ロアーシャフト16は、スプライン嵌合やセレーション嵌合によってアッパーシャフト15に嵌合されることでアッパーシャフト15の前端15Bに連結されている。そのため、アッパーシャフト15とロアーシャフト16とは、一体回転可能であるとともに、軸方向Xに沿って相対移動可能である。ロアーシャフト16に対するアッパーシャフト15の軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに伸縮可能である。
コラムジャケット4は、全体として、軸方向Xへ延びる中空体である。コラムジャケット4には、ステアリングシャフト3が収容されている。コラムジャケット4は、軸方向Xに延びるアッパージャケット17およびロアージャケット18を有している。
アッパージャケット17は、ロアージャケット18よりも後側X1に位置している。アッパージャケット17は、ロアージャケット18に対して内嵌されている。詳しくは、アッパージャケット17の前端17Aがロアージャケット18の後端18Aに対して後側X1から挿入されている。この状態で、アッパージャケット17は、ロアージャケット18に対する軸方向Xへの移動が可能である。この移動によって、コラムジャケット4の全体は、軸方向Xに沿って伸縮可能である。
コラムジャケット4は、軸受19および軸受20によってステアリングシャフト3に連結されていることから、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を回転自在に支持している。
詳しくは、アッパージャケット17の後端17Bは、軸受19によってアッパーシャフト15に連結されている。アッパージャケット17は、アッパーシャフト15を回転自在に支持している。また、ロアージャケット18の前端は、軸受20によってロアーシャフト16に連結されている。ロアージャケット18は、ロアーシャフト16を回転自在に支持している。
そのため、アッパーシャフト15およびアッパージャケット17のまとまりは、ロアーシャフト16およびロアージャケット18のまとまりに対して、軸方向Xに移動可能である。これにより、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3とともに伸縮可能である。
ここでのステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の伸縮を「テレスコ」と呼び、この伸縮調整、つまり、テレスコによる操舵部材8の軸方向Xでの位置調整をテレスコ調整と呼ぶ。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット18の前側X2の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット18に固定された一対の可動ブラケット5A(図2参照)と、車体2に固定された固定ブラケット5Bと、左右方向Yに延びる中心軸5Cとを含んでいる。
可動ブラケット5Aは、固定ブラケット5Bによって、中心軸5Cを介して回動可能に支持されている。そのため、コラムジャケット4全体は、ステアリングシャフト3を伴って、中心軸5Cを中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、中心軸5Cを中心とした略上下方向をチルト方向と呼ぶ。また、チルトによる操舵部材8の向き調整をチルト調整と呼ぶ。
アッパーブラケット6は、ロアージャケット18の後側X1の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
図2を参照して、アッパーブラケット6は、下向きに開放する溝形であり、軸方向Xから見て上下が逆になった略U字状をなすように、コラムジャケット4を挟んで左右対称に形成されている。詳述すると、アッパーブラケット6は、左右方向Yに薄くコラムジャケット4を挟んで対向する一対の側板21と、一対の側板21のそれぞれの上端部に連結された上下方向Zに薄い連結板22とを一体的に備えている。
一対の側板21において、左右方向Yから見て同じ位置には、チルト溝23が形成されている。チルト溝23は、上下方向Z、厳密には、中心軸5C(図1参照)を中心とした周方向であるチルト方向に延びている。連結板22は、たとえば一対の側板21よりも左右方向Yにおいて両外側へ延びた部分を有しており、当該部分に挿通される図示しないボルトなどによって、アッパーブラケット6全体が車体2(図1参照)に固定されている。
ロアージャケット18の上側Z1の部分には、軸方向Xの全域に延びて上下方向Zにロアージャケット18を貫通するスリット24が形成されている。また、ロアージャケット18の後端18Aには、左右方向Yからスリット24を区画しつつ上側Z1に延びる一対の支持部25が一体的に設けられている。支持部25は、軸方向Xおよび上下方向Zに広がる略直方体である。
図3は、図2においてロック機構7の周辺を拡大した図である。図3では、説明の便宜上、アッパーブラケット6の図示を省略している。図4は、図1におけるIV−IV線に沿った断面図である。
図3を参照して、支持部25においてスリット24を区画する部分には、段差25Aが形成されている。段差25Aによって、スリット24は、ロアージャケット18の上端から下側Z2に向かう途中で左右方向Yに狭くなっている。一対の支持部25において段差25Aよりも上側Z1の部分のそれぞれには、左右方向Yに支持部25を貫通する第1貫通孔31および第2貫通孔32が形成されている。
一対の支持部25の第1貫通孔31は、左右方向Yから見て同じ位置にある。一対の支持部25の第2貫通孔32は、左右方向Yから見て同じ位置にある。第2貫通孔32は、第1貫通孔31よりも前側X2でかつ上側Z1に位置している。
図4を参照して、一対の支持部25の第1貫通孔31は、左右方向Yから見て、アッパーブラケット6の一対の側板21のチルト溝23の一部と重なっている。
位置調整機構14は、操舵部材8(図1参照)のチルト調整およびテレスコ調整を可能にしたり、操舵部材8の位置をロックしたりするための機構である。
位置調整機構14は、回転軸35と、操作部材36と、リング状のカム37およびカムフォロワ38と、ナット39と、リング状の介在部材40と、針状ころ軸受41と、スラストワッシャ42とを含む。
回転軸35は、金属製であり、左右方向Yに延びる棒状である。回転軸35は、左右方向Yに延びる中心軸線C1を有する。
回転軸35は、左右方向Yから見て第1貫通孔31とチルト溝23とが重なる部分に挿通される。回転軸35は、アッパーブラケット6の一対の側板21によって支持されている。回転軸35は、コラムジャケット4よりも上側Z1に位置している。
図3を参照して、回転軸35は、中心軸線C1まわりに回転する。回転軸35の回転方向には、符号「S」を付す。回転方向Sは、回転軸35の外周面35Aの周方向でもある。また、左側Y2から見て、回転方向Sにおいて時計回りに回転する方向を時計回り側S1とし、回転方向Sにおいて反時計回りに回転する方向を反時計回り側S2とする。
図4を参照して、回転軸35の一端である左端部35Bは、左側Y2の側板21よりも左側Y2に位置している。回転軸35の他端である右端部は、アッパーブラケット6の右側Y1の側板21よりも右側Y1に位置している。
回転軸35の左端部35Bには、回転軸35よりも大径な頭部35Cが設けられており、回転軸35の外周面35Aの右端部には、ねじ溝が設けられている。
操作部材36は、たとえば把持可能なレバーである。操作部材36は、回転軸35の左端部35B付近に取り付けられている。詳しくは、操作部材36の長手方向一端側の基端部36Aは、頭部35Cの右側Y1に隣接して回転軸35に固定されている。
車両の運転者は、操作部材36の長手方向他端側の把持部36Bを把持して時計回り側S1(運転者から見て押し側)に操作することによって、回転軸35を時計回り側S1に回転させることができる。また、運転者は、把持部36Bを把持して反時計回り側S2に操作することによって、回転軸35を反時計回り側S2(運転者から見て引き側)に回転させることができる。このように、回転軸35は、操作部材36の操作に応じて回転する。
回転軸35の左端部は、カム37およびカムフォロワ38に挿通されている。操作部材36の基端部36Aと左側Y2の側板21との間には、カム37およびカムフォロワ38が、左側Y2からこの順に並んでいる。回転軸35は、カム37およびカムフォロワ38のそれぞれに対して挿通されている。
カム37は、回転軸35に対して一体回転可能であるのに対して、カムフォロワ38は、回転軸35に対して相対回転可能かつ左右方向Yに移動可能である。ただし、カムフォロワ38において左側Y2の側板21のチルト溝23に挿通される部分には、二面幅が形成されているので、カムフォロワ38の空転がチルト溝23によって防止されている。
回転軸35の右端部のねじ溝には、ナット39が取り付けられている。ナット39と右側の側板21との間には、介在部材40、針状ころ軸受41およびスラストワッシャ42が、左側Y2からこの順に並んでいる。回転軸35は、介在部材40、針状ころ軸受41およびスラストワッシャ42のそれぞれに対して挿通されている。
回転軸35は、アッパーブラケット6の各チルト溝23内で、前述したチルト方向に移動可能である。運転者がチルト調整のために操舵部材8を上下方向Zに移動させると、アッパーブラケット6に対し相対的に、コラムジャケット4全体が前述したようにチルトする。操舵部材8のチルト調整は、回転軸35がチルト溝23内で移動可能な範囲で行われる。
運転者などの使用者がテレスコ調整やチルト調整をした後に、操作部材36の把持部36Bを掴んで操作部材36を反時計回り側S2(図2参照)へ回動させると、カム37が回転し、カム37およびカムフォロワ38に形成されたカム突起43が互いに乗り上げる。これにより、カムフォロワ38は、回転軸35の軸方向に沿って右側Y1に移動し、左側Y2の側板21に押し付けられる。カムフォロワ38による押し付けによって、一対の側板21は、カムフォロワ38と介在部材40との間で左右方向Yの両側から締め付けられる。
これにより、一対の側板21が左右方向Yの両側からロアージャケット18の支持部25を挟持することで各側板21と支持部25との間に摩擦力が生じる。当該摩擦力によって、コラムジャケット4の位置がロックされ、操舵部材8は、チルト調整後の位置でロックされ、チルト方向に移動できなくなる。
また、ロアージャケット18の一対の支持部25が側板21によって挟持されることによって、一対の支持部25の間隔が狭まる。これにより、ロアージャケット18の内周部が狭くなって、ロアージャケット18は、ロアージャケット18内のアッパージャケット17に圧接する。その結果、アッパージャケット17とロアージャケット18との間に摩擦力が生じる。
アッパージャケット17とロアージャケット18との間の摩擦によって、アッパージャケット17の位置がロックされ、操舵部材8がテレスコ調整後の位置でロックされ、軸方向Xに移動できなくなる。
このように、チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材8の位置が固定されているときのステアリング装置1の状態を「ロック状態」と呼ぶ。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材36を時計回り側S1へ回動させると、カム37がカムフォロワ38に対して回転し、カムフォロワ38は、回転軸35の軸方向に沿って左側Y2に移動する。すると、カムフォロワ38と介在部材40との間における一対の側板21に対する締め付けが解除される。そのため、各側板21と支持部25との間の摩擦力や、ロアージャケット18とアッパージャケット17との間の摩擦力が無くなるので、操舵部材8が軸方向Xおよびチルト方向に移動できるようになる。これにより、操舵部材8のテレスコ調整やチルト調整が再び可能となる。
このように、チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材8の位置の固定が解除されているときのステアリング装置1の状態を「解除状態」と呼ぶ。
次に、ロック機構7について詳細に説明する。
ロック機構7は、歯同士の噛み合いよるロック(ポジティブロック)によって、アッパージャケット17とロアージャケット18との軸方向Xにおける位置を固定するための機構である。
図5は、ステアリング装置1のロック機構7の分解斜視図である。図6は、図4におけるVI−VI線に沿った断面図である。
図5を参照して、ロック機構7は、ロックプレート47と、支持軸48と、ロック部材49と、第1回転部材50と、第2回転部材52と、付勢部材53とを含む。
ロックプレート47は、軸方向Xに長手で上下方向Zに薄い板状である。詳しくは、ロックプレート47の下面47Aは、アッパージャケット17の外周面17Cに沿うように上側Z1に凹湾曲している(図3参照)。ロックプレート47は、ロアージャケット18のスリット24内に配置されている。ロックプレート47には、上側Z1へ向けて突出する略三角形状の被係合歯56が複数設けられている。各被係合歯56は、左右方向Yから見て、上側Z1に向かうにしたがって前側X2へ向かうように斜めに突出している。複数の被係合歯56は、左右方向Yに延びており、軸方向Xに隣接して並んでいる。
図3を参照して、ロックプレート47の後端とアッパージャケット17の上側Z1の部分とには、たとえば樹脂製のピン47Bが跨って挿通されている。ロックプレート47は、ピン47Bによってアッパージャケット17に固定されている。上下方向Zから見て、ロックプレート47の一部は、回転軸35の一部と重なっている。
支持軸48は、回転軸35とは別に設けられ、回転軸35と平行に、すなわち左右方向Yに延びる棒状である。支持軸48は、左右方向Yに延びる中心軸線C2を有する。支持軸48の外径は、回転軸35の外径よりも小さい。支持軸48まわりの周方向には、符号「T」を付す。また、左側Y2から見て、周方向Tにおいて時計回りに向かう方向を時計回り側T1とし、周方向Tにおいて反時計回りに向かう方向を反時計回り側T2とする。
支持軸48の左右方向Yにおける両端部には、支持軸48の径方向外側に広がるフランジ部48Aが1つずつ設けられている。
支持軸48は、ロアージャケット18の支持部25の第2貫通孔32に圧入状態で挿入されているため、回転しない。また、この状態で、右側Y1のフランジ部48Aは、右側Y1の支持部25に対して右側Y1から接しており、左側Y2のフランジ部48Aは、左側Y2の支持部25に対して左側Y2から接しているため、支持軸48の左右方向Yへの移動が規制されている。
前述したように、第2貫通孔32は、支持部25の第1貫通孔31よりも前側X2でかつ上側Z1に位置している。そのため、支持軸48は、回転軸35よりもロックプレート47の複数の被係合歯56から上側Z1へ離れた位置で、ロアージャケット18の一対の支持部25によって支持されているため、回転軸35に対して軸方向Xに傾斜した方向に配置されている。
また、前述したように、操作部材36は、回転軸35に取り付けられている(図4参照)。これにより、支持軸48の位置にかかわらず操作部材36をアッパージャケット17の近くに配置することができるので、ステアリング装置1の剛性が低下しない。言い換えると、ステアリング装置1の剛性を低下させることなく、支持軸48の配置を決めることができる。そのため、支持軸48の配置の自由度が高い。
図5を参照して、ロック部材49は、円筒部60と、第1突出部61と、第2突出部62(突出部)とを一体的に含む。円筒部60は、左右方向Yに延びている。
円筒部60は、右側Y1の第1部分63と、第1部分63から連続して左側Y2へ延びる第2部分64とを含む。第2部分64の外周面64Aは、左右方向Yから見て、円形状である。円筒部60は、左右方向Yに円筒部60を貫通する円形状の挿通孔60Aを有している。
円筒部60の第1部分63と円筒部60の第2部分64との境界には、円筒部60の径方向内側へ向けて略半円弧状に窪んだ溝65が回転方向Sの全域に延びて形成されている。円筒部60は、回転軸35と同軸状に配置されている。円筒部60の周方向は、回転方向Sと一致している。
図6を参照して、第1突出部61は、円筒部60の第1部分63から後側X1へ向けて突出しており、左右方向Yから見て略三角形状である。第1突出部61は、上側Z1の平坦面68と、下側Z2の湾曲面69とを有する。平坦面68は、第1突出部61の反時計回り側S2の面であり、湾曲面69は、第1突出部61の時計回り側S1の面である。
平坦面68は、円筒部60の第2部分64の外周面64Aの接線方向に沿う平面である。湾曲面69は、下側Z2へ凸湾曲している。湾曲面69の曲率半径は、円筒部60の第2部分64の外周面64Aの曲率半径よりも大きい。平坦面68および湾曲面69は、ロック部材49の外周面49Aの一部である。平坦面68の後端部と湾曲面69の後端部とが連結される頂点には、符号「61A」を付す。
第2突出部62は、円筒部60の第1部分63から前側X2へ向けて突出しており、左右方向Yから見て略三角形状である。第2突出部62は、上側Z1の湾曲面70と、下側Z2の平坦面71とを有する。湾曲面70は、第2突出部62の時計回り側S1の面であり、平坦面71は、第2突出部62の反時計回り側S2の面である。
湾曲面70は、前側X2かつ上側Z1へ凸湾曲している。第2突出部62の湾曲面70および平坦面71の前端部同士は、滑らかに連結されている。湾曲面70は、ロック部材49の外周面49Aの一部である。
第1突出部61および第2突出部62の左右方向Yにおける位置は一致している。円筒部60の第1部分63と、第1突出部61と、第2突出部62との全体は、左右方向Yから見て、略菱形状をなしている。
図4を参照して、ロック部材49は、ロアージャケット18のスリット24内に配置されている。ロック部材49の円筒部60の挿通孔60Aには、回転軸35においてスリット24内に位置する部分が挿通されている。
図6を参照して、ロック部材49は、回転軸35によって支持されている。ロック部材49は、回転軸35に対して回転方向Sに相対回転可能である。左右方向Yから見て、ロック部材49の回転中心49Bは、回転軸35の中心軸線C1と一致している。ロック部材49は、ロックプレート47の上側Z1に配置されている。この状態で、ロック部材49の第2突出部62は、前側X2の支持軸48へ向けられている。
ロック部材49の湾曲面69の曲率中心69Aの軸方向Xにおける位置は、ロック部材49の回転中心49Bの軸方向Xにおける位置とほぼ一致する。曲率中心69Aは、回転中心49Bよりも上側Z1にある。つまり、曲率中心69Aは、回転中心49Bから上側Z1にオフセットした位置にある。また、前述したように、ロック部材49の湾曲面69の曲率半径は、ロック部材49の円筒部60の第2部分64の外周面64Aの曲率半径よりも大きい。そのため、回転中心49Bから湾曲面69までの距離Dは、後側X1へ向かうにしたがって大きくなっている。
ロック部材49の湾曲面69には、左右方向Yから見て略三角形状の係合歯73が複数設けられている。各係合歯73は、左右方向Yから見て、湾曲面69の径方向に対して第1突出部61の頂点61A側に傾いて突出している。複数の係合歯73は、左右方向Yに延びている。複数の係合歯73は、左右方向Yから見て、湾曲面69の沿面方向Rに沿って互いに隣接して並んでいる。複数の係合歯73(湾曲面69)は、ロック部材49の回転中心49Bよりも後側X1でロックプレート47の複数の被係合歯56に係合するように設けられている。
前述したように、ロック部材49は、ロックプレート47の上側Z1に位置している。湾曲面69の沿面方向Rは、後側X1に向かうにしたがってロックプレート47から離れる。そのため、回転中心49Bから湾曲面69までの距離Dは、ロックプレート47の複数の被係合歯56から離れるにしたがって大きくなっている。
図5を参照して、第1回転部材50は、円筒部76と、回転方向Sに互いに離間して配置された第1突起77および第2突起78(突起)と、位置決め部94とを一体的に含む。
円筒部76は、左右方向Yに延びている。円筒部76は、回転軸35と同軸状に配置されている。円筒部76は、円筒部76を左右方向Yに貫通する挿通孔76Aと、回転軸35の回転方向Sに沿って延びる円筒面としての外周面76Bを有する。円筒部76の内周面には、左右方向Yに延びる雌スプライン79が、当該内周面の周方向全域に亘って形成されている。
図6を参照して、第1突起77は、円筒部76の左側Y2の部分から上側Z1かつ前側X2へ延びている。詳しくは、第1突起77は、円筒部76から上側Z1へ延びた基端部80と、基端部80の上端部から前側X2へ折れ曲がって延びた先端部81とを含む。基端部80が延びる方向は、円筒部76の径方向外側でもあり、先端部81が延びる方向は、基端部80を基準として反時計回り側S2でもある。
基端部80の前側X2の面には、符号「80A」を付す。先端部81の前側X2かつ下側Z2の面には、符号「81A」を付す。面80Aと面81Aとは、後側X1に凹湾曲した面によって滑らかに連結されている。面80Aは、基端部80の反時計回り側S2の面であり、面81Aは、先端部81の反時計回り側S2の面である。
第2突起78は、円筒部76の左側Y2の部分から前側X2へ向けて突出している。第2突起78は、左右方向Yから見て、前側X2へ向かって細くなる略等脚台形状である。第2突起78が突出する方向は、円筒部76の径方向外側でもある。
左右方向Yからみて、第2突起78の略等脚台形の脚をなす上側Z1の面78Aと、第2突起78の略等脚台形の上底をなす面78Bとは、滑らかに連結されている。面78Aは、第2突起78の時計回り側S1の面である。
第2突起78は、第1突起77よりも下側Z2に位置している。第1突起77および第2突起78の左右方向Yにおける位置は一致している。
第1突起77と第2突起78との間には、窪み82が設けられている。窪み82は、第1突起77の面80Aおよび面81Aと、第2突起78の面78Aとによって上下方向Z(回転方向S)から挟まれている。
図7は、図3におけるVII−VII線に沿った断面図である。また、図7では、実際には、存在しないが、説明の便宜上、操作部材36を二点鎖線で図示している。
図7を参照して、位置決め部94は、円筒部76の右端部から上側Z1かつ前側X2に突出しており、回転方向Sに延びている。位置決め部94は、右側Y1から見て、略扇形状である。位置決め部94は、位置決め面94Aを有する。第1位置決め面94Aは、位置決め部94の反時計回り側S2の端面である。第1位置決め面94Aは、回転方向Sに直交する平面である。
図4を参照して、第1回転部材50は、ロアージャケット18のスリット24内において、ロック部材49よりも右側Y1に配置されている。第1回転部材50の円筒部76の挿通孔76Aには、回転軸35においてスリット24内に位置する部分が挿通されている。回転軸35の外周面35Aにおいて挿通孔76Aに挿通されている部分には、左右方向Yに延びる雄スプライン54が外周面35Aの周方向全域に亘って形成されている。この状態で、回転軸35の雄スプライン54と第1回転部材50の雌スプライン79とは、スプライン嵌合している。そのため、第1回転部材50は、回転方向Sに回転軸35と同期回転するように回転軸35によって支持されている。この状態で、第1回転部材50の第2突起78は、支持軸48へ向けられている(図6参照)。
図5を参照して、第1回転部材50の位置決め部94に関連して、右側Y1の支持部25には、右側Y1の支持部25の段差25Aから上側Z1に突出し、軸方向Xに延びる略矩形状の段部95が設けられている。段部95の上側Z1の面を第2位置決め面95Aと呼ぶことにする。第2位置決め面95Aは、上下方向Zに直交している。
図7を参照して、第1回転部材50の第1位置決め面94Aと段部95の第2位置決め面95Aとは、上下方向Zに対向している。ステアリング装置1がロック状態のとき、第1位置決め面94Aは、第2位置決め面95Aに上側Z1から当接している。
ステアリング装置1をロック状態から解除状態にするために操作部材36を時計回り側S1に向けて回動させると、第1回転部材50は、操作部材36の操作に応じて時計回り側S1へ移動する。一方、ロック状態から操作部材36を反時計回り側S2に向けて回動させようとしても、第1位置決め面94Aと第2位置決め面95Aとが当接しているため、操作部材36を回動させることができない。これにより、操作部材36の回動を必要な範囲に制限することができる。
図5を参照して、第2回転部材52は、円筒部83と、支持軸48が延びる方向である左右方向Yに互いに離間して配置された第1凸部84および第2凸部85とを一体的に含む。
円筒部83は、左右方向Yに延びている。円筒部83は、左右方向Yに円筒部83を貫通する円形状の挿通孔83Aを有している。
図6を参照して、第1凸部84は、円筒部83の左右方向Yの略中央よりも右側Y1の部分から後側X1へ向けて突出している。第1凸部84は、左右方向Yから見て、後側X1に向かうにしたがって細くなる略等脚台形状である。第1凸部84が突出する方向は、円筒部83の径方向外側でもある。
左右方向Yから見て、第1凸部84の略等脚台形の脚をなす下側Z2の面には、符号「84A」を付し、第1凸部84の略等脚台形の脚をなす上側Z1の面には、符号「84B」を付す。第1凸部84の略等脚台形の上底をなす面には、符号「84C」を付す。面84Aおよび面84Bのそれぞれと面84Cとは、湾曲した面によって滑らかに連結されている。面84Aは、第1凸部84の時計回り側T1の面であり、面84Bは、第1凸部84の反時計回り側T2の面である。
第2凸部85は、円筒部83の左右方向Yの略中央よりも左側Y2から後側X1かつ下側Z2へ向けて突出している(図3参照)。第2凸部85は、左右方向Yから見て略三角形状である。第2凸部85が突出する方向は、円筒部83の径方向外側でもある。
第2凸部85は、前側X2の平坦面と後側X1の湾曲面85Aとを有する。湾曲面85Aは、後側X1へ凸湾曲している。平坦面の下端部と湾曲面85Aの下端部とは、滑らかに連結されている。湾曲面85Aは、円筒部83の反時計回り側T2の面である。
第2回転部材52は、スリット24内においてロック部材49および第1回転部材50よりも前側X2に配置されている(図3参照)。第2回転部材52の円筒部83の挿通孔83Aには、支持軸48においてスリット24内に位置する部分が挿通されている。第2回転部材52は、支持軸48に対して支持軸48の周方向Tに相対回転するように支持軸48によって支持されている。第2回転部材52は、支持軸48の中心軸線C2まわりに、すなわち支持軸48を中心に回転する。この状態で、第2回転部材52の第1凸部84および第2凸部85は、回転軸35に向けられている。
第2回転部材52の第1凸部84の左右方向Yにおける位置は、第1回転部材50の第1突起77および第2突起78の左右方向Yにおける位置と一致している(図3参照)。
第2回転部材52の第1凸部84は、第1回転部材50の窪み82内に位置している。第1凸部84の下側Z2の面84Aと、第1回転部材50の第2突起78の上側Z1の面78Aとは、上下方向Zに対向している。第1凸部84の上側Z1の面84Bと、第1突起77の下側Z2の面80Aおよび面81Aとは、上下方向Zに対向している。
第2凸部85の左右方向Yにおける位置は、ロック部材49の第1突出部61および第2突出部62の左右方向Yにおける位置と一致している(図3参照)。第2回転部材52の第2凸部85の湾曲面85Aとロック部材49の第2突出部62の湾曲面70とは、軸方向Xに対向している。
なお、支持軸48がロアージャケット18の支持部25によって回転可能に支持されており、第2回転部材52が支持軸48と一体回転する構成であってもよい。この場合でも、第2回転部材52は、支持軸48を中心に回転する。
図5を参照して、付勢部材53は、一本の針金などを曲げて形成されたばねである。付勢部材53は、第1コイル状部88と、第2コイル状部89と、一対の保持部90と、一対の変形部91と、連結部92とを一体的に含んでいる。
第1コイル状部88および第2コイル状部89は、左右方向Yに沿うらせん状である。第1コイル状部88と第2コイル状部89とは、左右方向Yに間隔を隔てて同軸状に配置されている。第1コイル状部88は、第2コイル状部89よりも右側Y1に配置されている。
左側Y2の保持部90および変形部91は、第2コイル状部89から後側X1かつ下側Z2に延びている。右側Y1の保持部90および変形部91は、第1コイル状部88から後側X1かつ下側Z2に延びている。連結部92は、一対の変形部91の後端部同士を連結している。
図3を参照して、付勢部材53は、一対の保持部90および一対の変形部91を回転軸35へ向けた状態で第2回転部材52によって支持されている。付勢部材53の第1コイル状部88は、第2回転部材52の第1凸部84よりも右側Y1において第2回転部材52の円筒部83に緩く巻き付けられている。付勢部材53の第2コイル状部89は、第2回転部材52の第2凸部85よりも左側Y2において円筒部83に緩く巻き付けられている。これにより、付勢部材53全体が第2回転部材52と供回りすることを防止できる。
図6を参照して、付勢部材53は、一対の保持部90と一対の変形部91および連結部92との間でロック部材49および第1回転部材50を上下方向Zから挟んでいる。詳しくは、付勢部材53の左側Y2の保持部90の後端部は、ロック部材49の溝65に下側Z2から嵌まり込んでいる。左側Y2の保持部90の後端部は、ロック部材49の円筒部60の外周面において溝65を区画する部分に下側Z2から接している。右側Y1の保持部90の後端部は、第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bに下側Z2から接している(図4参照)。
図3を参照して、左側Y2の変形部91および連結部92の左側Y2の部分は、ロック部材49の第1突出部61の平坦面68に上側Z1から接している。右側Y1の変形部91は、第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bの法線方向Qから外周面76Bに接している。
図6を参照して、付勢部材53が図6のようにロック機構7に組み付けられた状態で、付勢部材53の一対の変形部91は、上側Z1へ弾性変形している。そのため、付勢部材53では、上下方向Zに一対の変形部91が一対の保持部90へ向けて下側Z2に移動しようとする力が常に発生しており、この力が、ロック部材49全体を時計回り側S1へ向けて付勢する付勢力Fとなる。
ステアリング装置1の状態が前述したロック状態であるときは、図6に示すようにロック部材49において少なくとも最も前側X2の係合歯73は、ロックプレート47の複数の被係合歯56と噛み合っている。このときのロック部材49の回転方向Sにおける位置を「噛合位置」と呼ぶ。
ロック状態でロック部材49が噛合位置にあるとき、第2凸部85の湾曲面85Aとロック部材49の第2突出部62の湾曲面70との間には、軸方向Xの隙間93が設けられている。
また、ロック部材49が噛合位置にある状態で、付勢力Fによって、ロック部材49は、噛合位置に向けて付勢されている。そのため、ロック部材49が噛合位置にある状態が維持される。
また、前述したように、ロックプレート47は、アッパージャケット17に固定されており、ロック部材49は、回転軸35を介してロアージャケット18に固定されている。
そのため、ロック部材49が噛合位置にあるときは、ロアージャケット18に対するアッパージャケット17の相対移動が規制されている。これにより、アッパージャケット17の軸方向Xにおける位置がさらに強固にロックされる。
つまりは、ロアージャケット18とアッパージャケット17との間の摩擦力に加えて、ロアージャケット18側のロック部材49の複数の係合歯73がアッパージャケット17側のロックプレート47の複数の被係合歯56と噛み合う。これにより、軸方向Xにおけるアッパージャケット17の位置を強固にロックできる。
また、前述したように、回転軸35の外径は、支持軸48の外径よりも大きい。そのため、回転軸35によって支持されたロック部材49の複数の係合歯73とロックプレート47の複数の被係合歯56との噛み合いの強度が向上される。
また、ロック部材49を噛合位置に移動させたときの操作部材36の操作位置がばらつくことによって、操作部材36と回転軸35との回転方向Sにおける相対位置、すなわちレバー操作角にばらつきが生じる場合がある。しかし、操作部材36のレバー操作角にかかわらず、ロック状態では、ロック部材49が必ず噛合位置に位置している。そのため、レバー操作角にばらつきが生じた場合、当該ばらつきによって第2回転部材52とロック部材49との隙間93の大きさが変化するものの、ロック部材49の位置は、変化しない。つまり、隙間93が当該ばらつきを吸収する。
次に、ロック状態から操作部材36を時計回り側S1に回転させたときのロック機構7の動作について詳細に説明する(図2参照)。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材36(図2参照)を時計回り側S1に回転させると、回転軸35が時計回り側S1に回転する。このとき、回転軸35と同期回転可能な第1回転部材50も時計回り側S1に回転する。よって、第1回転部材50の第2突起78は、上側Z1へ移動する。
前述したように、第1回転部材50の第2突起78の面78Aと第2回転部材52の第1凸部84の面84Aとは、上下方向Zに対向している。そのため、面78Aは、回転軸35の回転に伴って面84Aに当接する。第2突起78は、面78Aを面84Aに当接させながら第1凸部84を上側Z1へ動かす。第2回転部材52は、支持軸48に対して相対回転可能なので、第2突起78によって第1凸部84を上側Z1へ押された第2回転部材52は、支持軸48を中心に反時計回り側T2へ回転する。このように、操作部材36(図2参照)を操作して回転軸35を時計回り側S1へ回転させると、第1回転部材50の時計回り側S1への回転に連動して、第2回転部材52は、支持軸48を中心に周方向Tの反時計回り側T2へ回転する。第2回転部材52が反時計回り側T2へ回転すると、第2回転部材52の第2凸部85は、後側X1へ移動する。
図8は、図6の状態よりも時計回り側S1へ回転軸35を回転させたときのロック機構7の周辺の断面図である。
図8を参照して、第2回転部材52の第2凸部85の後側X1への移動によって、隙間93が徐々に小さくなり、やがて第2凸部85の湾曲面85Aがロック部材49の第2突出部62の湾曲面70に当接する。
第2回転部材52の湾曲面85Aとロック部材49の湾曲面70とが当接した状態から、操作部材36(図2参照)を操作して回転軸35を時計回り側S1へさらに回転させる。すると、第2回転部材52の第2凸部85は、湾曲面85Aを湾曲面70に当接させながらロック部材49の第2突出部62を後側X1へ動かし始める。これにより、ロック部材49は、反時計回り側S2へ回転し噛合位置から移動し始める。
このように、回転軸35の回転を第1回転部材50および第2回転部材52を介してロック部材49に伝達するためには、第1回転部材50の第2突起78の突出量と、第2回転部材52の第1凸部84および第2凸部85の突出量と、ロック部材49の第2突出部62の突出量とを所定以上にする必要がある。そのためには、第1回転部材50およびロック部材49を支持する回転軸35の中心軸線C1と、第2回転部材52を支持する支持軸48の中心軸線C2との間の間隔A1を所定の距離以上にしておく必要がある。
前述したように、支持軸48は、回転軸35に対して軸方向Xに傾斜した方向に配置されている。そのため、軸方向Xにおける支持軸48の中心軸線C2と回転軸35の中心軸線C1との間の間隔A2を縮めることができる。よって、軸方向Xにおいてステアリング装置1を小型化できる。
ロック部材49が反時計回り側S2へ回転すると、ロック部材49の複数の係合歯73は、反時計回り側S2へ移動する。ロック部材49が反時計回り側S2へ回転する際、ロック部材49の第1突出部61の平坦面68によって、付勢部材53の連結部92が上側Z1へ動かされる。これにより、付勢部材53の一対の変形部91が上側Z1にさらに弾性変形する。
図9は、ステアリング装置1が解除状態であるときのロック機構7の周辺の断面図である。
図9を参照して、図8に示す状態から、操作部材36(図2参照)を時計回り側S1へ目一杯回転させると、ステアリング装置1は、解除状態に達する。
解除状態では、ロック部材49は、最も反時計回り側S2へ回転した位置に位置している。このとき、ロック部材49の複数の係合歯73は、ロックプレート47の複数の被係合歯56から上側Z1へ離間している。つまり、複数の係合歯73と複数の被係合歯56との噛み合いは、解除されている。このときのロック部材49の回転方向Sにおける位置を「解除位置」ということにする。このように、ロック部材49は、第2回転部材52に当接されて噛合位置から解除位置へ移動させられる。
このように、回転軸35の回転は、第1回転部材50および第2回転部材52を介して、ロック部材49に確実に伝達して、ロック部材49を噛合位置から解除位置まで回転させることができる。
噛合位置から解除位置へ移動するロック部材49の回転方向は、反時計回り側S2であるので、回転軸35が回転する時計回り側S1とは逆である。このように、第2回転部材52によって、回転軸35の回転が逆向きの回転に変換される。
よって、回転軸35に固定された操作部材36を操作する際、操作部材36を時計回り側S1に回動させると、ロック部材49は、反時計回り側S2へ回転する。このように、操作部材36を操作する方向を、意図的に逆方向に変換してロック部材49に伝達することができる。
ロック部材49が解除位置にあるとき、ロックプレート47が固定されたアッパージャケット17の軸方向Xにおける位置は、ロック部材49によって規制されていない。そのため、アッパージャケット17の軸方向Xにおける位置のロックが解除されており、操舵部材8のテレスコ調整が可能である。
ロック部材49が解除位置にあるとき、第2回転部材52の第1凸部84は、窪み82から離脱しており、第1回転部材50の第2突起78の面78Bが第2回転部材52の面84Aに下側Z2から当接している。また、解除状態では、第1回転部材50の第1突起77は、第1回転部材50の円筒部76のほぼ上側Z1に位置している。解除状態では、第2回転部材52の第2凸部85の湾曲面85Aとロック部材49の第2突出部62の湾曲面70とは、当接した状態を保っている。
付勢部材53は、ロック状態と同様に解除状態においても、ロック部材49を上側Z1から付勢しているため、ロック部材49は、時計回り側S1に荷重を受けている。このように、ロック部材49は、付勢部材53によって噛合位置に向けて常に付勢されている。
図10は、図9の状態よりも反時計回り側S2へ回転軸35を回転させたときのロック機構7の周辺の断面図である。
解除状態から、操作部材36(図2参照)を反時計回り側S2へ向けて回動させると、回転軸35は、反時計回り側S2へ回転する。前述したように、第1回転部材50は、回転軸35と同期回転するので、第1回転部材50は、反時計回り側S2へ回転する。これにより、第1回転部材50の第2突起78の面78Bは、第2回転部材52の第1凸部84の面84Aから下側Z2へ離間する。さらに、回転軸35を反時計回り側S2へ回転させると、第1回転部材50の第1突起77の先端部81の面81Aが第1凸部84の面84Bに当接する。
回転軸35を反時計回り側S2へさらに回転させると、第2回転部材52の第1凸部84は、面84Bおよび面84Cを第1突起77の面80Aおよび面81A上で滑らせるように、時計回り側T1へ回転する。このように、操作部材36(図2参照)を操作して回転軸35を反時計回り側S2へ回転させると、第1回転部材50の反時計回り側S2への回転に連動して、第2回転部材52は、支持軸48を中心に周方向Tの時計回り側T1へ回転する。
前述したように、付勢部材53は、上側Z1からロック部材49を噛合位置へ向けて付勢している。そのため、回転軸35が反時計回り側S2へ回転する際、ロック部材49は、噛合位置へ向けて付勢部材53によって付勢されて、時計回り側S1に回転する。そのため、ロック部材49の湾曲面70は、第2回転部材52の湾曲面85Aに当接した状態を保ちながら時計回り側S1に回転する。
よって、大きな操作力で操作部材36を操作しなくても、ロック部材49を解除位置から噛合位置へ移動させることができる。一方で、付勢部材53がロック部材49を付勢しているものの、ロック部材49が回転軸35に対して相対回転可能であるので、付勢部材53の付勢力Fは、操作部材36に直接作用していない。そのため、ロック部材49を解除位置から噛合位置へ移動さるために操作部材36を操作する際に、付勢部材53の付勢力Fの影響をあまり受けずに済む。よって、ロック部材49を解除位置と噛合位置との間で移動させるときの操作部材36の操作力を低減することができる。
以上により、操作部材36の操作力を低減しつつステアリング装置1の小型化を図ることができる。
解除位置から噛合位置へ移動する際のロック部材49の回転方向は、時計回り側S1であるので、回転軸35が回転する反時計回り側S2とは逆である。そのため、回転軸35に固定された操作部材36を反時計回り側S2に回動させると、ロック部材49は、時計回り側S1へ回転する。
操作部材36を反時計回り側S2へ目一杯回動させると、ロック機構7は、ロック部材49が噛合位置に位置する図8の状態を経由して図6の状態に戻る。このとき、ステアリング装置1の状態は、ロック状態に再び達している。
以上のように、ロック部材49は、操作部材36の操作に応じて、噛合位置と解除位置の間で回転軸35に対して相対回転可能である。
また、前述したように、右側Y1の変形部91は、第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bの法線方向Qから外周面76Bに接している。この場合、付勢部材53の付勢力Fが法線方向Qから第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bに作用するので、第1回転部材50は、回転方向Sから付勢部材53の付勢力Fをほとんど受けない。そのため、付勢部材53の動きは、回転軸35および操作部材36の動きに同期しない。したがって、回転軸35に固定された操作部材36を、付勢部材53の付勢力Fの影響をほとんど受けることなく操作できる。その結果、操作部材36の操作力を一層低減することができる。
また、解除状態からロック状態に変化させる途中で、ロック部材49の係合歯73とロックプレート47の被係合歯56とがうまく噛み合わず係合歯73および被係合歯56の歯の山同士が接触するハーフロックが起こることがある。ロック部材が解除位置から噛合位置へ移動する際、付勢部材53が時計回り側S1へロック部材49を回転させるのであって、操作部材36の操作力は、ロック部材49に伝達されない。したがって、ハーフロック時に操作部材36を操作しても係合歯73を被係合歯56に無理やり押し付けることがないので、ハーフロックが起こっても操作部材36の操作力が増大することがない。
なお、ロック機構7は、操作部材36を後側X1へ引くことによって操作部材36を反時計回り側S2へ回動させると、ロック部材49が噛合位置へ向けて移動して、操舵部材8(図1参照)の位置がロックされる構成(いわゆる引きロックの構成)を採用している。引きロックでは、操作部材36を前側X2へ押すことによって時計回り側S1へ回動させると、ロック部材49が解除位置へ向けて移動する。
また、ロック部材49が噛合位置に位置した状態で第1回転部材50の第1位置決め面94Aを支持部25の第2位置決め面95Aに当接させるようにロック機構7に第1回転部材50を組み付けることによって、ロック部材49が噛合位置にあるときにおける第1回転部材50を位置決めすることができる。このように、第1位置決め面94Aと第2位置決め面95Aとは、回転方向Sにおいて、第1回転部材50を位置決めする位置決め機構96を構成している。これにより、第1回転部材50の位置決めが容易となる。そのため、第1回転部材50の位置決めに必要な工数を低減することができる。
次に、車両衝突時のロック機構7の動作について説明する。
図11は、図6において、車両衝突後のロック機構7の状態を示した図である。
図1を参照して、車両衝突では、運転者が操舵部材8に衝突するいわゆる二次衝突が発生する。ステアリング装置1の状態がロック状態であるとき、二次衝突による衝撃は、操舵部材8およびアッパーシャフト15を介して前側X2のアッパージャケット17に伝達される。二次衝突が発生したときには、アッパージャケット17に固定されたロックプレート47がアッパージャケット17とともに前側X2へ向けて移動する。そのため、ロックプレート47に設けられた複数の被係合歯56も前側X2へ向けて移動する。
図6を参照して、ロック状態では、ロック部材49が噛合位置にあるため、ロックプレート47の被係合歯56とロック部材49の係合歯73とは、噛み合っている。そのため、複数の被係合歯56が前側X2へ移動すると、係合歯73が被係合歯56に引きずられてロックプレート47の上面47Cとロック部材49の湾曲面69との間に巻き込まれる。
前述したように、ロック部材49の第2突出部62の湾曲面70と第2回転部材52の第2凸部85の湾曲面85Aとの間には、隙間93が設けられているため、ロック部材49は、隙間93を狭めながら時計回り側S1に回転する。また、前述したように、ロック部材49の回転中心49Bからロック部材49の第1突出部61の湾曲面69までの距離Dは、後側X1へ向かうにしたがって大きくなっている。
そのため、図11を参照して、ロック部材49が、噛合位置から時計回り側S1へ回転することによって、湾曲面69の複数の係合歯73がロックプレート47の複数の被係合歯56に近づく。これにより、複数の被係合歯56に噛み合う係合歯73の数が増える。そのため、歯同士の噛み合いよるロックの性能、いわゆるポジティブロック性能が向上される。
その結果、ロック部材49の係合歯73とロックプレート47の被係合歯56との噛み合いが強固になる。これにより、車両衝突時にアッパージャケット17がロアージャケット18に対して必要以上に相対移動することを防止できる。このときのロック部材49の回転方向Sにおける位置を「ロック位置」と呼ぶ。
車両衝突後、ロック部材49がロック位置に移動した状態で、ロアージャケット18に対するアッパージャケット17の相対移動が規制される。その後、ロックプレート47とアッパージャケット17とを上下方向Zに貫通するピン47Bが剪断されることによって、アッパージャケット17が前側X2へ離脱する。アッパージャケット17が前側X2へ離脱することによって、アッパージャケット17は、ロアージャケット18に対して摺動する。アッパージャケット17の離脱と、ロアージャケット18に対するアッパージャケット17の摺動により、二次衝突の衝撃エネルギーが吸収(EA:Energy Absorption)される。
ロック部材49の回転中心49Bからロック部材49の第1突出部61の湾曲面69までの距離Dや、ロックプレート47の被係合歯56と噛み合うロック部材49の係合歯73の数などを調整することで所望のEAを発生させることができる。
また、ロック状態において、前述したハーフロックが起こっている場合を想定する。この場合、二次衝突によってアッパージャケット17が前側X2へ移動すると、被係合歯56が複数の係合歯73および複数の被係合歯56のピッチP分の滑り量だけ前側X2へ滑る。被係合歯56がピッチP分を滑り、係合歯73と被係合歯56とが噛み合った後、ロック部材49は、噛合位置からロック位置へ移動する。
したがって、ロック部材49の複数の係合歯73およびロックプレート47の複数の被係合歯56のピッチPを調整することで、複数の被係合歯56の滑り量を調節することができる。
また、ロック部材49がロック位置にある状態では、第2回転部材52の第2凸部85の湾曲面85Aと、ロック部材49の第2突出部62の湾曲面70および平坦面71の連結部とが当接している。そのため、ロック部材49がロック位置にある状態でも操作部材36を時計回り側S1に操作して回転軸35を時計回り側S1に回転させることで、回転軸35の回転は、第1回転部材50および第2回転部材52を介してロック部材49に伝達することができる。詳しくは、回転軸35から時計回り側S1の回転が伝達された第2回転部材52は、反時計回り側T2に回転し、湾曲面85Aを湾曲面70に当接させながらロック部材49を反時計回り側S2に回転させることができる。ロック部材49が反時計回り側S2に回転すると、ロック部材49は、複数の係合歯73でロックプレート47の複数の被係合歯56を後側X1に押しながら、噛合位置を経て解除位置へ移動する。
このように、ロック部材49の複数の係合歯73がロックプレート47の上面47Cとロック部材49の湾曲面69との間に巻き込まれた状態でも、操作部材36を操作して、ロック部材49を解除位置まで移動させることができる。
なお、前述したように、回転軸35が金属製であるため、テレスコ調整および車両衝突時にロック部材49を介してアッパージャケット17から回転軸35に衝撃が伝達された場合であっても、回転軸35が破断することがない。
次に、本発明の第1変形例について説明する。
図12は、図5に本発明の第1変形例を適用した図である。図12において、上記に説明した部材と同様の部材には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する(後述する図13〜図18において同じ)。図13は、図6に第1変形例を適用した図である。図14は、図3に第1変形例を適用した図である。
図5および図12を参照して、第1変形例のステアリング装置1は、本実施形態のステアリング装置1とは異なり、第2回転部材52を含んでいない。また、第1変形例のロック部材49は、第1突出部61および第2突出部62の代わりに突出部97および係合部98を含む。また、第1変形例の第1回転部材(回転部材)50は、第1突起77および第2突起78の代わりに押圧部99を含む。
図13を参照して、ロック部材49の突出部97は、本実施形態の第1突出部61の後端部を切断したものである。具体的には、突出部97は、左側Y2から見て、後側X1に向かって細くなる略台形状である。
突出部97は、上側Z1の平坦面100と、下側Z2の湾曲面101と、後側X1の連結面102とを有する。平坦面100は、突出部97の反時計回り側S2の面であり、湾曲面101は、突出部97の時計回り側S1の面である。
平坦面100は、円筒部60の第2部分64の外周面64Aの接線方向に沿う平面である。湾曲面101は、下側Z2へ凸湾曲している。連結面102は、上下方向Zに延びており、平坦面68の後端部と湾曲面69の後端部とを連結している。平坦面100、湾曲面101および連結面102は、ロック部材49の外周面49Aの一部である。
ロック部材49の湾曲面101の曲率中心103の軸方向Xにおける位置は、ロック部材49の回転中心49Bの軸方向Xにおける位置とほぼ一致する。曲率中心103は、回転中心49Bよりも上側Z1にある。つまり、曲率中心103は、回転中心49Bから上側Z1にオフセットした位置にある。また、ロック部材49の湾曲面101の曲率半径は、ロック部材49の円筒部60の第2部分64の外周面64Aの曲率半径よりも大きい。そのため、回転中心49Bから湾曲面101までの距離dは、後側X1へ向かうにしたがって大きくなっている。湾曲面101には、本実施形態の湾曲面69と同様に、複数の係合歯73が設けられている。
係合部98は、突出部97の平坦面100の後端部から上側Z1へ向けて延びる基端部104と、基端部104の上端部から上側Z1に凸湾曲しながら前側X2に向かって延びる先端部105とを有する。先端部105の下面106は、平坦面100と上下方向Zに略対向している。
係合部98の先端部105の下面106と、基端部104の前側X2の面と、ロック部材49の突出部97の平坦面100とによって囲まれた空間には、符号「107」を付す。空間107は、前側X2へ開放されている。
第1回転部材50の押圧部99は、円筒部76の左側Y2の部分から前側X2かつ上側Z1へ向けて突出している。押圧部99は、左右方向Yから見て、前側X2へ向かって細くなる略台形状である。押圧部99が突出する方向は、円筒部76の径方向外側でもある。以下では、押圧部99の略台形の脚をなす後側X1かつ上側Z1の面を押圧面108と呼ぶことにし、押圧部99の略台形の上底をなす前側X2かつ上側Z1の面を支持面109と呼ぶことにする。
押圧面108は、押圧部99の時計回り側S1の面でもある。支持面109は、円筒部76の径方向に略直交している。押圧面108と支持面109とは、上側Z1に凸湾曲する曲面110によって滑らかに連結されている。
前述したように、第1変形例では、第2回転部材52(図6参照)が設けられていないので、付勢部材53は、支持軸48を介してロアージャケット18によって支持されている。一対の保持部90および一対の変形部91は、回転軸35へ向けられている(図14参照)。第1コイル状部88および第2コイル状部89は、支持軸48の外周面に緩く巻き付けられている。これにより、付勢部材53全体が支持軸48に対して相対回転することができる。
付勢部材53は、一対の保持部90と一対の変形部91および連結部92との間でロック部材49および第1回転部材50を上下方向Zから挟んでいる。
詳しくは、付勢部材53の左側Y2の保持部90の後端部は、ロック部材49の溝65に下側Z2から嵌まり込んでいる。左側Y2の保持部90の後端部は、ロック部材49の円筒部60の外周面において溝65を区画する部分に下側Z2から接している。右側Y1の保持部90の後端部は、第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bに下側Z2から接している(図14参照)。
ステアリング装置1がロック状態のとき、ロック部材49は噛合位置にある。この状態で、右側Y1の変形部91の後端部は、第1回転部材50の円筒部76の外周面76Bの法線方向Qから外周面76Bに接している。また、右側Y1の変形部91の軸方向Xにおける略中央部分は、第1回転部材50の押圧部99の押圧面108とは接触していない。
図14を参照して、この状態で、左側Y2の変形部91および連結部92の左側Y2の部分は、ロック部材49の突出部97の平坦面100に上側Z1から接している。平坦面100と一対の変形部91とは、左右方向Yから見て平行である(図13参照)。連結部92の左側Y2の部分は、空間107内に位置している。連結部92が空間107内に位置することにより、付勢部材53がロック部材49の係合部98に係合している。付勢部材53は、ロック部材49に係合した状態で、ロアージャケット18によって支持されている。
次に、ロック状態から操作部材36を時計回り側S1に回転させたときのロック機構7の動作について詳細に説明する(図2参照)。
図13を参照して、ロック状態のステアリング装置1において、操作部材36(図2参照)を時計回り側S1に回転させると、回転軸35が時計回り側S1に回転する。このとき、回転軸35と同期回転可能な第1回転部材50も時計回り側S1に回転する。よって、第1回転部材50の押圧部99は、上側Z1へ移動する。そのため、第1回転部材50の押圧部99の押圧面108は、右側Y1の変形部91の軸方向Xにおける略中央部分に対して下側Z2から接する。そのため、第1回転部材50の押圧部99は、付勢部材53の右側Y1の変形部91の軸方向Xにおける略中央部分を上側Z1へ向けて押圧し始める。これにより、一対の変形部91は、上側Z1へ弾性変形する。
第1回転部材50の押圧部99が付勢部材53の右側Y1の変形部91の軸方向Xにおける略中央部分に当接した状態から、操作部材36(図2参照)を操作して回転軸35を時計回り側S1へさらに回転させる。すると、一対の変形部91が上側Z1へさらに弾性変形する。一対の変形部91の弾性変形に伴って、連結部92が上側Z1へ移動する。これにより、付勢部材53の連結部92がロック部材49の係合部98の先端部105の下面106に下側Z2から当接する。
付勢部材53の連結部92とロック部材49の係合部98の先端部105とが当接した状態から、操作部材36(図2参照)を操作して回転軸35を時計回り側S1へさらに回転させる。すると、第1回転部材50の押圧部99の押圧面108によって、付勢部材53の一対の変形部91は、上側Z1にさらに弾性変形させられる。そのため、付勢部材53の連結部92は、上側Z1へ移動させられる。これにより、付勢部材53は、連結部92の上側Z1の部分を係合部98の先端部105の下面106に当接させながらロック部材49の突出部97を持ち上げるように上側Z1へ動かし始める。したがって、ロック部材49は、反時計回り側S2へ回転し噛合位置から移動し始める。
回転軸35を時計回り側S1へさらに回転させると、第1回転部材50の押圧部99は、押圧面108、曲面110および支持面109上でこの順で右側Y1の変形部91を滑らせるように、時計回り側S1へ回転する。
図15は、図9に第1変形例を適用した図である。図15では、説明の便宜上、位置決め機構96の図示を省略している(後述する図16および図17において同じ)。
図15を参照して、図14に示す状態から、操作部材36(図2参照)を時計回り側S1へ目一杯回転させると、ステアリング装置1は、解除状態に達する。ステアリング装置1が解除状態になると、第1回転部材50の時計回り側S1への回転が停止する。この状態で、ロック部材49は、解除位置に位置している。
ロック部材49が噛合位置から解除位置へ向かう間、付勢部材53の連結部92は、第1回転部材50の回転に応じて、噛合位置から解除位置へ向かう方向である上側Z1へ移動させられる。
ロック部材49が解除位置にある状態で、第1回転部材50の押圧部99の支持面109は、右側Y1の変形部91を下側Z2から支持している。ロック部材49が解除位置にある状態で、付勢部材53の連結部92は、引き続き空間107内に位置しているので、付勢部材53は、ロック部材49に係合している。詳しくは、ロック部材49は、係合部98の先端部105の下面106に付勢部材53の連結部92の上側Z1の部分が当接した状態で維持されている。そのため、突出部97は、上側Z1に持ち上げられた状態で維持されている。
また、ロック部材49が解除位置にある状態で、付勢部材53は、ロック状態の付勢部材53とは異なり、ロック部材49を付勢していない。
このように、第1回転部材50は、付勢部材53を介して、回転軸35の回転をロック部材49に確実に伝達して、ロック部材49を噛合位置から解除位置まで回転させることができる。
また、噛合位置から解除位置へ移動するロック部材49の回転方向は、反時計回り側S2であるので、回転軸35が回転する時計回り側S1とは逆である。このように、付勢部材53によって、回転軸35の回転が逆向きの回転に変換される。
よって、回転軸35に固定された操作部材36を操作する際、操作部材36を時計回り側S1に回動させると、ロック部材49は、反時計回り側S2へ回転する。このように、操作部材36を操作する方向を、意図的に逆方向に変換してロック部材49に伝達することができる。
解除状態から、操作部材36(図2参照)を反時計回り側S2へ向けて回動させると、回転軸35は、反時計回り側S2へ回転する。また、第1回転部材50は、回転軸35と同期回転するので、第1回転部材50は、反時計回り側S2へ回転する。そのため、第1回転部材50の押圧部99は、支持面109、曲面110および押圧面108上でこの順で右側Y1の変形部91(図14参照)を滑らせるように、反時計回り側S2へ回転する。
前述したように、付勢部材53の一対の変形部91は、上側Z1に弾性変形している。そのため、右側Y1の変形部91(図14参照)は、支持面109、曲面110および押圧面108を順に滑ることによって、変形前の形状に戻りながら下側Z2へ移動する。これに伴い、付勢部材53の連結部92は、下側Z2へ徐々に移動する。
連結部92が徐々に下側Z2へ移動するのに伴い、連結部92によって上側Z1に持ち上げられていた突出部97は、係合部98の先端部105の下面106と連結部92とが当接した状態を維持しながら徐々に下側Z2へ移動する。
右側Y1の変形部91が押圧部99によって押圧されなくなると、付勢部材53が押圧部99から解放され、連結部92は、ロック部材49の平坦面100に当接した状態になる。この状態で、連結部92は、空間107内に位置しているので、付勢部材53は、ロック部材49に係合している。
ロック部材49が付勢部材53によって係合された状態で、ロック部材49の平坦面100は、付勢部材53の連結部92によって下側Z2へ押し付けられる。つまり、ロック部材49は、付勢部材53によって係合された状態で、噛合位置へ向けて付勢されている。
そのため、操作部材36を反時計回り側S2へ目一杯回動させると、ロック機構7は、ロック部材49が噛合位置に位置する図13の状態に戻る。このとき、ステアリング装置1の状態は、ロック状態に再び達している。
このように、ロック部材49は、付勢部材53によって噛合位置に向けて付勢されているため、大きな操作力で操作部材36を操作しなくても、ロック部材49を解除位置から噛合位置へ移動させることができる。よって、ロック部材49を解除位置と噛合位置との間で移動させるときの操作部材36の操作力を低減することができる。
また、第1回転部材50は、付勢部材53を移動させることによって第1回転部材50の回転をロック部材49に伝達して、噛合位置から解除位置へロック部材49を移動させることができる。この場合、第1回転部材50の回転をロック部材49に伝達するために付勢部材53以外の別部品を設ける必要がないので、部品点数を削減することができる。また、付勢部材53が、ロアージャケット18によって支持される構造となるのであれば、付勢部材53を支持する位置や方法を自由に選択できる。
また、解除位置から噛合位置へ移動する際のロック部材49の回転方向は、時計回り側S1であるので、回転軸35が回転する反時計回り側S2とは逆である。そのため、回転軸35に固定された操作部材36を反時計回り側S2に回動させると、ロック部材49は、時計回り側S1へ回転する。
また、第1変形例のステアリング装置1では、本実施形態のステアリング装置1とは異なり、第2回転部材52を設ける必要がないため、本実施形態のステアリング装置1と比較しても部品点数を削減することができる。さらに、支持軸48と回転軸35との間の距離A1(図6参照)を考慮する必要がないため、回転軸35および付勢部材53の配置の自由度が向上される。
また、前述したように、図8を参照して、本実施形態では、第2回転部材52が反時計回り側T2に回転することによって、第2回転部材52は、湾曲面85Aをロック部材49の湾曲面70に当接させながらロック部材49を反時計回り側S2に回転させることができる。そのため、湾曲面85Aと湾曲面70との当接の仕方によっては、湾曲面70が湾曲面85A上でうまく滑らずに引っ掛かることによって、操作部材36の操作性が低下したり、ロック部材40が解除位置まで到達できなかったりすることが想定される。
一方、図13を参照して、第1変形例では、湾曲面85Aおよび湾曲面70(図8参照)というような面同士を滑らせてロック部材49を解除位置へ移動させる構成ではないため、ロック部材49を噛合位置から解除位置にする際の操作部材36の操作性が向上されるし、ロック部材49を確実に解除位置まで移動させることができる。
また、解除状態からロック状態に変化させる途中で、ロック部材49の係合歯73とロックプレート47の被係合歯56とがうまく噛み合わず係合歯73および被係合歯56の歯の山同士が接触するハーフロックが起こることがある。ロック部材が解除位置から噛合位置へ移動する際、付勢部材53が時計回り側S1へロック部材49を回転させるのであって、操作部材36の操作力は、ロック部材49に伝達されない。したがって、ハーフロック時に操作部材36を操作しても係合歯73を被係合歯56に無理やり押し付けることがないので、ハーフロックが起こっても操作部材36の操作力が増大することがない。
次に、車両衝突時のロック機構7の動作について説明する。
図16は、図11に第1変形例を適用した図である。
図14を参照して、第1変形例では、本実施形態と同様に、車両衝突の二次衝突が発生したときには、アッパージャケット17に固定されたロックプレート47がアッパージャケット17とともに前側X2へ向けて移動する。そのため、ロックプレート47に設けられた複数の被係合歯56も前側X2へ向けて移動する。
図16を参照して、ロック状態では、ロック部材49が噛合位置にあるため、ロックプレート47の被係合歯56とロック部材49の係合歯73とは、噛み合っている。そのため、二次衝突において、複数の被係合歯56が前側X2へ移動すると、係合歯73が被係合歯56に引きずられてロックプレート47の上面47Cとロック部材49の湾曲面101との間に巻き込まれる。
また、前述したように、ロック部材49の回転中心49Bからロック部材49の突出部97の湾曲面101までの距離dは、後側X1へ向かうにしたがって大きくなっている。そのため、ロック部材49が、噛合位置から時計回り側S1へ回転することによって、湾曲面69の複数の係合歯73がロックプレート47の複数の被係合歯56に近づく。これにより、複数の被係合歯56に噛み合う係合歯73の数が増える。そのため、ポジティブロック性能が向上される。
次に、本発明の第2変形例について説明する。
図17は、図6に本発明の第2変形例を適用した図である。
図17を参照して、第2変形例のステアリング装置1が第1変形例のステアリング装置1と異なる点は、ロアージャケット18の支持部25が一対の引っ掛け部111を有している点である。一対の引っ掛け部111は、たとえば、左右方向Yに延びる棒状である。一対の引っ掛け部111のそれぞれは、例えば、一対の支持部25のそれぞれと一体に設けられている。右側Y1の引っ掛け部111は、右側Y1の支持部25の左側Y2の面から左側Y2へ向けて延びており、左側Y2の引っ掛け部111は、左側Y2の支持部25の右側Y1の面から右側Y1へ向けて延びている。
一対の引っ掛け部111は、左右方向Yから見て、重なっている。一対の引っ掛け部111は、支持軸48の下側Z2かつロックプレート47の上側Z1に位置している。付勢部材53の一対の保持部90の後端部は、一対の引っ掛け部111に下側Z2かつ前側X2から接することによって引っ掛かっている。このように、ロアージャケット18と一体である引っ掛け部111に保持部90を引っ掛けることで、付勢部材53を確実に保持することができる。
次に、本発明の第3変形例について説明する。
図18は、図3に本発明の第3変形例を適用した図である。
図18を参照して、第3変形例のステアリング装置1は、第1変形例のステアリング装置1とは異なり、支持軸48を含んでいない。第3変形例のステアリング装置1は、支持軸48の代わりに一対の突起112を含む。突起112は、支持部25と一体に設けられている。突起112は、回転軸35と平行に、すなわち左右方向Yに延びる円柱状である。一対の突起112は、左右方向Yから見て、重なっている。突起112同士の間には、左右方向Yに隙間113が設けられている。
突起112は、支持部25の第1貫通孔31よりも前側X2でかつ上側Z1に位置している。そのため、突起112は、回転軸35よりもロックプレート47の複数の被係合歯56から上側Z1へ離れた位置で、ロアージャケット18の一対の支持部25に固定されているため、回転軸35に対して軸方向Xに傾斜した方向に配置されている。
付勢部材53の第1コイル状部88は、右側Y1の突起112に左側Y2から取り付けられる。付勢部材53の第2コイル状部89は、左側Y2の突起112に右側Y1から取り付けられる。
このように、一対の突起112は、支持部25と一体に設けることによって、部品点数を一層削減することができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、ステアリング装置1は、操作部材36の基端部36Aがアッパージャケット17よりも上側Z1に配置された、いわゆるレバー上置きタイプのステアリング装置であるが、操作部材36の基端部36Aがアッパージャケット17よりも下側Z2に配置された、いわゆるレバー下置きタイプのステアリング装置にもロック機構7を適用することができる。
この場合、ロック機構7全体がアッパージャケット17の下側Z2に配置されており、ロック状態では、ロック機構7の各部材は、図6、図13、図17または図18の上下を逆にした位置関係でロック機構7を構成する。そのため、ロック機構7は、操作部材36を前側X2へ押すことによって操作部材36を時計回り側S1へ回動させると、ロック部材49が噛合位置へ向けて移動して、操舵部材8の位置がロックされる、いわゆる押しロックを構成している。押しロックでは、操作部材36を後側X1へ引っぱることによって反時計回り側S2へ回動させると、ロック部材49が解除位置へ向けて移動する。
また、位置決め機構96は、ロック部材49が解除位置にあるときにおける第1回転部材50の位置決めをするためのものであってもよい。この場合、一対の支持部25のそれぞれから左右方向Yの内側へ突出し、第1回転部材50の位置決め部94の時計回り側S1の面と回転方向Sに対向する突起(図示しない)を前述した95の代わりに設ける必要がある。
また、アッパージャケット17へのロックプレート47の固定方法は、ピン47Bに限られない。すなわち、通常時は、ロックプレート47をアッパージャケット17に固定し、二次衝突時には、ロックプレート47をアッパージャケット17から離脱させて両者の相対移動を可能とする構成であればよい。
たとえば、EA部材を介してロックプレート47をアッパージャケット17に固定する構成がある。この構成によれば、通常時は、ロックプレート47、EA部材およびアッパージャケット17を一体移動させる一方、二次衝突時には、EA部材の変形により、ロックプレート47に対するアッパージャケット17の移動を可能とすることができる。
また、ステアリング装置1は、操舵部材8の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限らず、電動モータによって操舵部材8の操舵が補助されるコラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置(C−EPS)でもよい。
1…ステアリング装置、2…車体、3…ステアリングシャフト、3A…一端、4…コラムジャケット、6…アッパーブラケット、8…操舵部材、17…アッパージャケット、18…ロアージャケット、35…回転軸、35A…外周面、35B…端部、36…操作部材、48…支持軸、49…ロック部材、49A…回転中心、49B…外周面、50…第1回転部材、52…第2回転部材、53…付勢部材、56…被係合歯、62…第2突出部、69…湾曲面、73…係合歯、76B…外周面、78…第2突起、84…第1凸部、85…第2凸部、93…隙間、96…位置決め機構、98…係合部、99…押圧部、D…距離、R…沿面方向、Q…法線方向、S…回転方向、S1…時計回り側、S2…反時計回り側、X…軸方向、X1…後側、X2…前側、Y…左右方向、Z1…上側

Claims (10)

  1. 一端に操舵部材が連結され、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
    前記操舵部材側のアッパージャケットと、前記操舵部材とは反対側のロアージャケットとを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
    前記ロアージャケットを支持し、車体に固定されたブラケットと、
    前記軸方向に対して直交する方向に延び、前記ブラケットによって支持され、一端に取り付けられた操作部材の操作に応じて回転する回転軸と、
    前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に並ぶ複数の被係合歯と、
    前記軸方向における前記アッパージャケットの位置をロックするために前記被係合歯と噛み合う係合歯が形成された外周面を有し、前記回転軸によって支持され、前記係合歯と前記被係合歯とが噛み合う噛合位置と、前記係合歯と前記被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で前記回転軸に対して相対回転可能なロック部材と、
    前記回転軸とは別に設けられ、前記回転軸と平行に延び、前記回転軸よりも前記被係合歯から離れた位置で前記ロアージャケットによって支持された支持軸と、
    前記回転軸と同期回転するように前記回転軸によって支持された第1回転部材と、
    前記支持軸によって支持され、前記第1回転部材の回転に連動して前記支持軸を中心に回転することによって、前記ロック部材に当接して前記ロック部材を前記解除位置へ移動させる第2回転部材と、
    前記第2回転部材によって支持され、前記噛合位置に向けて前記ロック部材を付勢している付勢部材と、
    を含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 前記ロック部材の回転方向は、前記回転軸の回転方向とは逆であることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記第1回転部材は、前記回転軸の外周面の周方向に沿って延びる円筒面を有しており、
    前記付勢部材は、前記円筒面の法線方向から前記円筒面に接していることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置。
  4. 前記ロック部材の外周面には、前記外周面の沿面方向に沿って前記係合歯が複数設けられており、前記ロック部材の回転中心と、前記外周面において前記係合歯が設けられている部分との間の距離は、前記被係合歯から離れるにしたがって大きくなっており、
    前記ロック部材が前記噛合位置にある状態で、前記第2回転部材と前記ロック部材との間には、隙間が設けられており、
    車両衝突が発生したときには、前記反対側へ向けて前記アッパージャケットとともに移動する前記複数の被係合歯と噛み合う前記係合歯の数が増えるように、前記ロック部材が前記隙間を狭めながら移動することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置。
  5. 前記第2回転部材は、前記回転軸へ向けて突出し、前記支持軸が延びる方向に互いに離間して配置された第1凸部および第2凸部を含み、
    前記第1回転部材は、前記支持軸へ向けて突出し、前記第1凸部に当接可能な突起を含み、
    前記ロック部材は、前記支持軸へ向けて突出し、前記第2凸部に当接可能な突出部を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のステアリング装置。
  6. 前記ロアージャケットに設けられ、前記ロック部材が前記噛合位置または前記解除位置にあるときにおける前記第1回転部材を位置決めする位置決め機構を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のステアリング装置。
  7. 一端に操舵部材が連結され、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
    前記操舵部材側のアッパージャケットと、前記操舵部材とは反対側のロアージャケットとを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
    前記ロアージャケットを支持し、車体に固定されたブラケットと、
    前記軸方向に対して直交する方向に延び、前記ブラケットによって支持され、一端に取り付けられた操作部材の操作に応じて回転する回転軸と、
    前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に並ぶ複数の被係合歯と、
    前記軸方向における前記アッパージャケットの位置をロックするために前記被係合歯と噛み合う係合歯が形成された外周面を有し、前記回転軸によって支持され、前記係合歯と前記被係合歯とが噛み合う噛合位置と、前記係合歯と前記被係合歯との噛み合いが解除される解除位置との間で前記回転軸に対して相対回転可能なロック部材と、
    前記ロック部材に係合した状態で、前記ロアージャケットによって支持され、前記噛合位置に向けて前記ロック部材を付勢している付勢部材と、
    前記回転軸と同期回転するように前記回転軸によって支持され、前記回転軸の回転に応じて前記噛合位置から前記解除位置へ向かう方向へ前記付勢部材を移動させる回転部材と、
    を含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  8. 前記ロック部材の回転方向は、前記回転軸の回転方向とは逆であることを特徴とする、請求項7記載のステアリング装置。
  9. 前記回転部材は、前記回転部材から突出し、前記付勢部材を押圧する押圧部を有しており、
    前記ロック部材は、前記付勢部材に係合する係合部を有することを特徴とする、請求項7または8記載のステアリング装置。
  10. 前記ロアージャケットに設けられ、前記ロック部材が前記噛合位置または前記解除位置にあるときにおける前記回転部材を位置決めする位置決め機構を含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のステアリング装置。
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