本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。
<実施例>
実施例による車両用ステアリング装置について、図に基づき説明する。
図1に示されるように、車両用ステアリング装置10は、通常時において、ステアリングホイール21から転舵機構30が機械的に分離されて、ステアリングホイール21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、転舵機構30へ伝え、転舵機構30にて左右の転舵車輪35,35を転舵させる方式の、いわゆるステア・バイ・ワイヤ式(steer-by-wire、略称「SBW」)のステアリング装置である。以下、車両用ステアリング装置10について詳しく説明する。
この車両用ステアリング装置10の操舵機構20は、運転者が握るステアリングホイール21と、ステアリングホイール21に連結されている入力軸22と、この入力軸22に対向して配置され入力軸22に発生する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ23と、入力軸22に対向して配置されステアリングホイール21の操舵角を検出する操舵角センサ24と、ステアリングホイール21に対する操舵反力(反力トルク)を加える反力伝達機構25と、この反力伝達機構25の反力モータ26の回転角を検出するモータ回転角センサ27と、からなる。
ステアリングホイール21の操舵角は、操舵角センサ24の他に、反力モータ26のレゾルバも用いて検出される。操舵角センサ24は、絶対角センサである。反力モータ26のレゾルバは、操舵角センサ24よりも高精度な相対角センサである。
転舵機構30は、入力軸22の下端部に遊星歯車機構140及びクラッチ機構80を介して連結されているピニオン軸31と、このピニオン軸31にラックアンドピニオン機構33を介して連結されているラック軸34と、このラック軸34の両端に転舵車輪35,35(例えば前輪)を連結するタイロッド36,36及びナックル37,37と、ラック軸34に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ38と、ピニオン軸31に対向して設けられピニオン軸31の回転角を検出するピニオン軸回転角センサ41と、からなる。
入力軸22は、複数の軸部材22aが自在継手22b,22bによって連結されてなる。
反力伝達機構25は、反力モータ26によって発生した反力トルクを、ウォームギヤ機構28を介して入力軸22に伝達させる機構である。ウォームギヤ機構28は、反力モータ26のモータ軸26aに設けられているウォーム28aと、このウォーム28aに噛み合うと共に入力軸22上に設けられているウォームホイール28bとからなる。反力モータ26には、電動モータを用いることができる。
転舵機構30に設けられているラックアンドピニオン機構33は、ピニオン軸31に一体的に形成されているピニオン43と、このピニオン43に噛み合いラック軸34に一体的に形成されているラック44と、からなる。
転舵用アクチュエータ38は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ45と、転舵用動力をラック軸34に伝達する転舵動力伝達機構46と、からなる。転舵動力モータ45には、電動モータを用いることができる。
ラック軸34の位置は、ピニオン軸回転角センサ41、転舵動力モータ45のレゾルバも用いることにより検出される。ピニオン軸回転角センサ41は、絶対角センサである。転舵動力モータ45のレゾルバは、ピニオン軸回転角センサ41よりも高精度な相対角センサである。起動時には、ピニオン軸回転角センサ41を用いて中点書き込みをする。通常時には、レゾルバ検出値を用いて制御を行う。
転舵動力伝達機構46は、転舵動力モータ45の回転軸に取り付けられている駆動プーリ47と、ラック軸34に取り付けられている従動プーリ48と、これらの駆動プーリ47及び従動プーリ48間に架け渡されているベルト49と、からなる。
クラッチ機構80は、入力軸22とピニオン軸31とが機械的に連結されている締結状態、及び、入力軸22とピニオン軸31とが機械的に切り離されている解放状態を切り替えるための機構である。締結状態においては、ステアリングホイール21の操舵によって入力軸22に発生した操舵トルクを、ピニオン軸31に伝達可能である。一方、解放状態においては、ステアリングホイール21の操舵によって入力軸22に発生した操舵トルクを、ピニオン軸31に伝達不能である。
操舵トルクセンサ23、操舵角センサ24、モータ回転角センサ27、ピニオン軸回転角センサ41、において検出された検出信号は、制御部51に送られる。制御部51には、これらの他に、車両の走行速度を検出する車速センサ52、ヨー角速度(ヨー運動の角速度)を検出するヨーレートセンサ53、車両の加速度を検出する加速度センサ54、その他の各種センサ55からそれぞれ検出信号を受ける。制御部51は、これらのセンサからの検出信号を受け、反力モータ26、転舵動力モータ45及びクラッチ機構80に制御信号を発する。
車両用ステアリング装置10は、通常時において、解放状態にある。即ち、ステアリングホイール21を操舵しても、入力軸22に発生した操舵トルクは、ピニオン軸31に伝達されない。この場合には、ステアリングホイール21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38が転舵用動力を発生させる。この転舵用動力がラック軸34に伝達され、転舵車輪35,35が転舵される。
車両用ステアリング装置10は、非常時において、締結状態になる。クラッチ機構80によって、入力軸22とピニオン軸31とが機械的に連結される。このため、ステアリングホイール21を操舵することにより発生した操舵トルクは、入力軸22から遊星歯車機構(詳細は後述する)及びクラッチ機構80を介して、ピニオン軸31に伝達される。ピニオン軸31に伝達された操舵トルクによって、ラック軸34は左右方向に変位し、転舵車輪35,35を転舵させる。図2以降において、より具体的な構成について説明する。
図2には、解放状態のクラッチ機構80が示されている。図2に示されるように、ピニオン軸31は、下部ハウジング61に取り付けられている下部針状ころ軸受62及び下部玉軸受63によって回転可能に支持されている。下部ハウジング61の上部には、中部ハウジング64が重ねられている。この中部ハウジング64には、クラッチ機構80の主要部が収納されている。中部ハウジング64の上部には、上部ハウジング65が重ねられている。上部ハウジング65には、遊星歯車機構140の主要部が収納されている。下部ハウジング61、中部ハウジング64及び上部ハウジング65は、ボルト66によって締結されている。
図3も併せて参照し、クラッチ機構80は、ピニオン軸31に取り付けられた中部玉軸受67によって回転可能に支持されているギヤ状のロックホイール90と、このロックホイール90の回転を規制する第1及び第2のロック手段100,120とからなる。
図2に戻り、遊星歯車機構140は、ロックホイール90の上方に配置され接続筒部161を介してロックホイール90に一体的に形成されているサンギヤ141と、このサンギヤ141の周縁を自転及び公転可能なプラネタリギヤ150と、このプラネタリギヤ150を支持しピニオン軸31の上端に連結されているプラネタリキャリヤ144と、このプラネタリキャリヤ144の外周を覆うように設けられ上端に入力軸22が一体的に形成されているリングギヤ145とからなる。
プラネタリキャリヤ144は、ピニオン軸31に圧入されている。サンギヤ141は、中部玉軸受67を介してピニオン軸31に支持されていると共に、第1の上部玉軸受72を介してプラネタリキャリヤ144に支持されている。より詳細には、サンギヤ141は、第1の上部玉軸受72と、中部玉軸受67とによって支持されている。第1の上部玉軸受72は、プラネタリキャリヤ144によって支持されている。中部玉軸受67は、ピニオン軸31に支持されている。プラネタリキャリヤ144は、ピニオン軸31と共に軸線CL1を中心に回転可能である。
リングギヤ145の外周面と上部ハウジング65の内周面との間には、第2の上部玉軸受73が設けられている。さらに、入力軸22の外周面と上部ハウジング65の内周面との間には、第3の上部玉軸受74が設けられている。リングギヤ145及び入力軸22は、共に軸線CL1を中心に回転可能である。上部ハウジング65の上端には、ゴミ等の侵入を防ぐためのシール75が入力軸22の外周面に沿って設けられている。
ピニオン軸31、ロックホイール90、接続筒部161、サンギヤ141、プラネタリキャリヤ144、リングギヤ145、入力軸22のそれぞれの中心は、軸線CL1上に位置する。ピニオン軸31、ロックホイール90、接続筒部161、サンギヤ141、プラネタリキャリヤ144、リングギヤ145、入力軸22のそれぞれの軸線CL1は、一致している。
軸線CL1の延びる方向を基準として、中部ハウジング64と上部ハウジング65とが重ね合わされる部位P1の高さは、接続筒部161の高さに一致している。
図3に示されるように、ロックホイール90は、略円盤状のホイール本体91から外周に向かって歯92が等間隔に8つ形成され、これらの歯92と歯92との真ん中に歯92よりも高さの低い低歯93が8つ形成されている。歯92と低歯93との間には、ホイール本体91の外周面部91aが臨んでいる。これらをまとめると、ロックホイール90の外周には、歯92、外周面部91a、低歯93、外周面部91aが等間隔に繰り返し形成されている。歯92、外周面部91a及び低歯93の周方向の長さは、略同一である。
第1のロック手段100は、ロックホイール90の周縁に設けられている第1の支持軸101と、この第1の支持軸101にスイング可能に取り付けられている第1のロックアーム102(ロックアーム102)と、この第1のロックアーム102をロックホイール90に向かって付勢する第1のねじりコイルばね103(付勢部材103)と、第1のロックアーム102の中部ハウジング64側へのスイングを規制する第1のスイング規制ピン104と、ロックホイール90の周縁に設けられている第2の支持軸106と、この第2の支持軸106にスイング可能に取り付けられている第2のロックアーム107(ロックアーム107)と、この第2のロックアーム107をロックホイール90に向かって付勢する第2のねじりコイルばね108(付勢部材108)と、第2のロックアーム107の中部ハウジング64側へのスイングを規制する第2のスイング規制ピン109と、第1及び第2のロックアーム102,107に向かって進退可能な第1のロッド111a(ロッド111a)を有した第1のソレノイド111(ソレノイド111)と、からなる。第1のソレノイド111は、ボルト113,113によって、中部ハウジング64の外壁部64aに取り付けられている。
第2のロック手段120も、基本的な構成は、第1のロック手段100と同様である。第2のロック手段120は、ロックホイール90の周縁に設けられている第3の支持軸121と、この第3の支持軸121にスイング可能に取り付けられている第3のロックアーム122(ロックアーム122)と、この第3のロックアーム122をロックホイール90に向かって付勢する第3のねじりコイルばね123(付勢部材123)と、第3のロックアーム122の中部ハウジング64側へのスイングを規制する第3のスイング規制ピン124と、ロックホイール90の周縁に設けられている第4の支持軸126と、この第4の支持軸126にスイング可能に取り付けられている第4のロックアーム127(ロックアーム127)と、この第4のロックアーム127をロックホイール90に向かって付勢する第4のねじりコイルばね128(付勢部材128)と、第4のロックアーム127の中部ハウジング64側へのスイングを規制する第4のスイング規制ピン129と、第3及び第4のロックアーム122,127に向かって進退可能な第2のロッド131a(ロッド131a)を有した第2のソレノイド131(ソレノイド131)と、からなる。第2のソレノイド131は、ボルト133,133によって、中部ハウジング64の外壁部64aに取り付けられている。
図4に示されるように、中部ハウジング64には、上孔64b及び下孔64cが形成されている。上孔64bには、上部ブッシュ76が配置され、下孔64cには、下部ブッシュ77が固定されている。第1の支持軸101は、第1のロックアーム102に、圧入により挿入されている。上部ブッシュ76の上面には、第1の支持軸101及び上部ブッシュ76の抜けを防止するリング板状の抜け止め板78が設けられている。抜け止め板78は、中部ハウジング64にねじ止めされている。抜け止め板78の上面に上部ハウジング65が近接して設けられている。これにより、中部ハウジング64を固定しているねじは、抜けを防止される。
第2〜第4の支持軸(図3、符号106,121,126)も同様に、第2〜第4のロックアーム(図3、符号107,122,127)に圧入により挿入されている。さらに、第2〜第4の支持軸についても、第1の支持軸101及び上部ブッシュ76の上方への抜けを防止しているのと同じ抜け止め板78によって、上方への抜けが防止されている。
図3に戻り、第1のロックアーム102は、先端部102aがロックホイール90に当接する第1のアーム本体部102bと、第1の支持軸101を基準に先端部102aから離れる方向に向かって延びる第1の受け部102c(受け部102c)とが一体的に形成されてなる。第1のアーム本体部102aと第1の受け部102cとの間には、第1のロックアーム102を第1の支持軸101に取り付けるための第1の取付孔102dが形成されている。
第2〜第4のロックアーム107,122,127の基本的な構成も、第1のロックアーム102と同様であり、詳細な説明は省略する。第2のロックアーム107は、先端部107aを有する第2のアーム本体部107bと、第2の受け部107c(受け部107c)と、第2の取付孔107dと、からなる。第3のロックアーム122は、先端部122aを有する第3のアーム本体部122bと、第3の受け部122c(受け部122c)と、第3の取付孔122dと、からなる。第4のロックアーム127は、先端部127aを有する第4のアーム本体部127bと、第4の受け部127c(受け部127c)と、第4の取付孔127dと、からなる。
第1のねじりコイルばね103は、第1の支持軸101に巻かれている。第1のねじりコイルばね103の一端103aは、ロックホイール90から離れる方向に延びて中部ハウジング64に当接している。第1のねじりコイルばね103の他端103bは、第1の受け部102cに当接して、第1の受け部102cをロックホイール90から離れる方向に付勢している。第1の支持軸101から第1の受け部102cとは逆側に延びる第1のアーム本体部102bは、ロックホイール90に向かって付勢される。
第2〜第4のねじりコイルばね108,123,128についても、基本的な構成は第1のねじりコイルばね103と同様である。第2〜第4のねじりコイルばね108,123,128の一端108a,123a,128aは、それぞれ中部ハウジング64に当接している。第2〜第4のねじりコイルばね108,123,128の他端108b,123b,128bは、それぞれ第2〜第4の受け部107c,122c,127cに当接している。
図2に示されるように、中部玉軸受67、ロックホイール90及び第1のロックアーム102は、第1のロッド111aの軸線CL2上に配置されている。即ち、高さ方向において、中部玉軸受67、ロックホイール90、第1のロックアーム102及び第1のロッド111aは一致している。第2のロックアーム(図3、符号107)も同様である。
図3も合わせて参照し、第1のロッド111aの軸線CL2の高さと第2のロッド131aの軸線CL3の高さも一致している。第3及び第4のロックアーム122,127は、第2のロッド131aの軸線CL3に対して、高さ方向において一致している。このため、高さ方向において、中部玉軸受67、ロックホイール90、第3及び第4のロックアーム122,127及び第2のロッド131aは一致している。
第1のロッド111aの軸線CL2は、第2のロッド131aの軸線CL3に対して、ピニオン軸31の軸線CL1上において交わっている。
図3及び図4に示されるように、第1のソレノイド111の先端には、第1のロッド111aの進退方向をガイドする第1のロッドブッシュ111bが収納されている。中部ハウジング64には、第1のロッド111aが中部ハウジング64内に臨む第1のロッド孔64dが形成されている。特に図4に示されるように、第1のロッド孔64dの径D1は、第1のロッド111aの外径よりも大きい。さらに、第1のロッド孔64dの直径D1は、第1のロッド111aの軸線CL2に沿った方向を基準として、第1のロッドブッシュ111bに重なる大きさとされている。
図3に戻り、第2のソレノイド131にも、第1のソレノイド111と同様に第2のロッドブッシュ131bが収納されている。また、中部ハウジング64には、第2のロッド131aが中部ハウジング64内に臨む第2のロッド孔64eが形成されている。第2のロッド孔64eの径も、第1のロッド孔64dの直径と同様に設定されている。
図5に示されるように、プラネタリギヤ150は、プラネタリキャリヤ144に固定されて回転不能なギヤ軸151と、このギヤ軸151の外周に設けられているスラスト玉軸受152と、このスラスト玉軸受152の上面部に設けられている針状ころ軸受153と、この針状ころ軸受153の外周に設けられ外周に複数の歯が形成されているギヤ本体154と、このギヤ本体154の上面部に設けられているワッシャ155とからなる。
プラネタリギヤ150のギヤ軸151の上方には、ピニオン軸31に通された平座金162が臨んでいる。この平座金162の上方の近接した位置には、ピニオン軸31に固定されたCリング163が臨んでいる。平座金162は、Cリング163によって上方への変位が規制される。ギヤ軸151は、平座金162を介してCリング163によって上方への抜けが防止される。
リングギヤ145は、プラネタリギヤ150のギヤ本体154が噛み合うリングギヤ本体145aと、このリングギヤ本体145aから上方に向かって径が小さくなるよう複数の段によって形成されている段部145bとからなる。
図6(a)に示されるように、ロックホイール90には、複数の歯92が形成されている。隣り合う歯92から歯92までの距離L1は、等間隔に設定されている。1組の歯92と歯92とを基準とした場合に、第2のロックアーム107は、第1のロックアーム102に対して変位して(ずらされて)配置されている。より具体的には、歯92と歯92との間の距離L1を1ピッチとした場合に、第2のロックアーム107は、第1のロックアーム102に対して5/8ピッチ変位している。
図6(b)も併せて参照し、1組の歯92と歯92とを基準とした場合に、第3及び第4のロックアーム122,127も、それぞれ、第1のロックアーム102に対して変位して配置されている。第3のロックアーム122は、第1のロックアーム102に対して2/8ピッチ変位している。第4のロックアーム127は、第3のロックアーム122に対して5/8ピッチ変位している。第4のロックアーム127は、第1のロックアーム102に対して7/8ピッチ変位している。
図6(c)に示されるように、1組の歯92と歯92とを基準とした場合に、第1〜第4のロックアーム102,107,122,127は、それぞれが異なる位置に臨んでいる。
図7及び図8においては、ロックアームの中の第1のロックアーム102のみが示されている。しかし、第2〜第4のロックアーム(図3、符号107,122,127)についても、第1のロックアーム102と同じように組み立てられる。このため、図7及び図8に基づく説明において、第1のロックアーム102は、適宜第2〜第4のロックアームと読み替えることができる。
ソレノイドについても同様である。即ち、図7及び図8においては、ソレノイドの中の第1のソレノイド111及び第1のロッド111aのみが示されている。しかし、第2のソレノイド(図3、符号131)についても、第1のソレノイド111と同じように組み立てられる。このため、図7及び図8に基づく説明において、第1のソレノイド111は、適宜第2のソレノイドと読み替えることができ、第1のロッド111aは、適宜第2のロッドと読み替えることができる。
図7に示されるように、まず、下部ハウジング61にピニオン軸31を回転可能に取り付ける。次に、ピニオン軸31が中心になるよう、下部ハウジング61の上部に中部ハウジング64を重ね合わせる。次に、互いに一体的に形成されているロックホイール90、接続筒部161、サンギヤ141をピニオン軸31の外周に回転可能に取り付ける。これにより、クラッチ機構80が組み立てられる。
即ち、クラッチ機構組み立て工程は、第1のロックアーム102、第1のソレノイド111を予め中部ハウジング64に組み付けておき、これをピニオン軸31に組み付ける際に、併せてロックホイール90を組み付けることにより行われる。
クラッチ機構組み立て工程は、下部ハウジング61の上部に中部ハウジング64を重ね合わせた状態において、ロックホイール90と、第1のロックアーム102と、第1のソレノイド111とを組み付けてもよい。
クラッチ機構80の組み立てが終わったら、第1のロックアーム102に対する第1のロッド111aの当接位置を調節する(調節工程)。
図8に示されるように、中部ハウジング64の上面に抜け止め板78を載置する。次に、予めプラネタリギヤ150が組み付けられているプラネタリキャリヤ144を、ピニオン軸31に固定する。このとき、サンギヤ141にプラネタリギヤ150が噛み合わされる。
次に、プラネタリキャリヤ144の上方から被せるようにしてリングギヤ145を組み付ける。このとき、プラネタリギヤ150にリングギヤ145が噛み合わされる。これにより、遊星歯車機構140が組み立てられる(遊星歯車機構組み立て工程)。
次に、サンギヤ141の軸線CL1に沿って、上部ハウジング65を中部ハウジング64に重ね合わせる(ハウジング組み立て工程)。これにより、上部ハウジング65の下面と中部ハウジング64の上面とによって、抜け止め板78が挟みこまれる。次に、下部ハウジング61、中部ハウジング64及び上部ハウジング65をボルト66によって一体的に締結し、終了する。
図9に示されるように、通常時において、第1及び第2のソレノイド111,131には、電流が流されている。このとき、第1及び第2のロッド111a,131aは、前進した位置にある。第1〜第4のロックアーム102,107,122,127は、第1又は第2のロッド111a,131aが当接していることにより、ロックホイール90側へのスイングが規制されている。これにより、ロックホイール90は回転可能な状態にある。ロックホイール90と一体のサンギヤ141も回転可能な状態(空転可能)である。
ステアリングホイール21を操舵することにより、入力軸22を介して、リングギヤ145が回転する。この回転力はプラネタリギヤ150を介してサンギヤ141に伝わる。サンギヤ141が回転可能であることにより、プラネタリギヤ150は、その場で自転のみする。即ち、サンギヤ141の周りを公転しない。このため、プラネタリキャリヤ144も回転せず、入力軸22からピニオン軸31へ操舵力が伝わることは、ほとんどない。
このように通常状態においては、遊星歯車機構140は開放状態にある。ステアリングホイール21を操舵すると、図1に示された制御部(図1、符号51)が転舵動力モータ(図1、符号45)を制御することにより、転舵機構30によって、車両の走行状態に応じた最適な操舵特性で転舵車輪35,35を転舵することができる。
その後、何らかの要因によって操舵機構20と転舵機構30との間での電気的な接続が解除されたとき、又はイグニッションキースイッチをオフにしたときには、非励磁状態とされる。
図10に示されるように、非常時には、第1及び第2のソレノイド111,131は、非励磁状態になる。これにより、第1及び第2のロッド111a,131aは、後退する。これにより、第1及び第2のロッド111a,131aは、第1〜第4のロックアーム102,107,122,127から離間する。第1〜第4のロックアーム102,107,122,127は、第1〜第4のコイルばね103,108,123,128の付勢力により、ロックホイール90に向かってスイングする。
第1〜第4のロックアーム102,107,122,127のいずれか1つが、ロックホイール90の歯92に当接して、ロックホイール90の回転を規制する。このとき、ロックホイール90と一体のサンギヤ141も回転を規制される。図には、第1のロックアーム102がロックホイール90の歯92に当接し、ロックホイール90の回転を規制した状態が示されている。一方、第2〜第4のロックアーム107,122,127は、ロックホイール90の回転を許容する位置において、ロックホイール90に当接している。
このようにクラッチ機構80は、非励磁状態とされたときにはサンギヤ141を停止状態にロックすることによって、遊星歯車機構140を連結状態にする。すなわち、電気的な接続が解除されたときに、バックアップシステムに自動的に切り替わる。
図11に示されるように、ステアリングホイール21を操舵することにより、リングギヤ145が回転し、その回転力はプラネタリギヤ150に伝わる。このとき、サンギヤ141は、回転が規制されている。このため、プラネタリギヤ150は、サンギヤ141の周りを自転しながら公転する。プラネタリギヤ150が公転することにより、プラネタリキャリヤ144が回転する。プラネタリキャリヤ144に連結されているピニオン軸31が回転し、ラックアンドピニオン機構33を介して転舵車輪35,35を転舵させる。ステアリングホイール21の操舵力を遊星歯車機構140を介して転舵機構30へ機械的に伝えることができる。なお、この場合に反力モータ26は操舵反力を発生しない。
図12(a)〜図12(d)には、第1〜第4のロックアーム102,107,122,127のいずれか1つが、ロックホイール90の歯92に当接した場合における、それぞれのロックアームの位置関係が観念的に示されている。ロックホイール90は、展開した状態において示されている。
より具体的には、図12(a)には、第1のロックアーム102がロックホイール90をロックしている状態が示され、図12(b)には、第3のロックアーム122がロックホイール90をロックしている状態が示され、図12(c)には、第2のロックアーム107がロックホイール90をロックしている状態が示され、図12(d)には、第4のロックアーム127がロックホイール90をロックしている状態が示されている。
図12(a)に示されるように、第1〜第4のロックアーム102,107,122,127は、非常時に回転しているロックホイール90に向かって、一斉にスイングする。このとき、第1のロックアーム102の先端部102aが、歯92と低歯93との間に入ることがある。第1のロックアーム102の先端部102aが歯92の側面に当接し、ロックホイール90の回転を強制的に規制する。
このとき、第2〜第4のロックアーム107,122,127は、ロックホイールの回転を許容する位置においてロックホイールに当接する。1つのロックアーム(この場合は、第1のロックアーム102)によってロックホイール90がロックされると共に、ロックホイール90の回転を許容しているロックアーム(この場合は、第2〜第4のロックアーム107,122,127)同士は、それぞれロックホイール90の歯92を基準として、ロックホイール90の異なる位置に当接する。
図12(b)〜図12(d)に示されるように、第2〜第4のロックアーム107,122,127のそれぞれが当接した場合にも、同様のことがいえる。
従来のロックアームによれば、1つのロックアームがロックホイールをロックしている状態において、もう一方のロックアームは、先端部の中央がロックホイールの歯の頂点に当接していた。このようなロックアームの配置関係において、ロックホイールがロックされるまでに必要なロックホイールの回転量は、ロックホイールの歯と歯の間を1ピッチとして、最大で約0.5ピッチとなる。
本発明においては、1つのロックアーム(例えば、第1のロックアーム102)がロックホイール90をロックしている場合に、他の2つ以上のロックアーム(第2〜第4のロックアーム107,122,127)は、それぞれ、ロックホイール90の歯92を基準として、ロックホイール90の異なる位置に当接する。このため、ロックホイール90がロックされるまでに必要なロックホイール90の回転量の最大値を0.5ピッチ未満とすることができる。即ち、非常時に、より迅速にロックホイール90をロックすることができる。
また、本発明者らの研究によれば、ロックホイール90の歯92と歯92の間を1ピッチとし、締結状態(非常時)において第1のロックアーム102がロックホイール90に当接している点を基準として、第2のロックアーム107を、第1のロックアーム102から5/8ピッチだけ変位された位置に当接させ、第3のロックアーム122を、第1のロックアーム102から2/8ピッチだけ変位された位置に当接させ、第4のロックアーム127を、第1のロックアーム102から5/8ピッチだけ変位された位置に当接させた場合に、ロック信号を発してからロックホイール90が止まるまでの時間が、平均的に最も短くなることが分かった。
図13に示されるように、第2の受け部107cには、第1のロッド111aに向かって突出する突出部107dが形成されている。これにより、通常時において第1のロッド111aには、第2の受け部107cの中の突出部107dのみが当接する。1点のみを第1のロッド111aに当接させる構成とすることにより、第2の支持軸106の中心Oから第1のロッド111aに当接する点までの距離を一定にすることができる。これにより、第1のロッド111aに加わる第2のねじりコイルばね108の付勢力を一定にすることができる。確実に第1のロッド111aによって第2のロックアーム107を押すことができる。
図3を併せて参照し、第1のロックアーム102についても同様に第1のロッド111aに当接している。さらに、第3及び第4のロックアーム122,127についても、同様に第2のロッド131aに当接している。
図14(a)の比較例に示されるように、第1のねじりコイルばね203によって第1のアーム本体部202bをロックホイール290に向かって付勢し、第2のねじりコイルばね208によって第2のアーム本体部207bをロックホイール290に向かって付勢することが考えられる。このような場合には、次のような問題点が生じ得る。図15(a)において、第2のねじりコイルばね208を例に説明する。なお、問題点は、第2のロックアーム207と同様の理由により、第1のロックアーム202、第3及び第4のねじりコイルばねにも生じ得る。
図15(a)の比較例に示されるように、車両用ステアリング装置の使用を継続することにより、第2の支持軸206、又は、第2のロックアーム207の第2の支持軸206への取付部(取付孔207d参照)が摩耗によりすり減ることが考えられる。これにより、第2の支持軸206と取付孔207dとの間に隙間Sが生じる。この隙間Sの分、第2のロックアーム207が変位する。第2のねじりコイルばね208の付勢力により、第2のロックアーム207は、ロックホイール290に向かって変位する。
隙間Sが大きい場合には、ロックホイール290に第2のロックアーム207が当接する虞がある。当接した場合には、第2のロックアーム207によってロックホイール290の回転が妨げられる。
図14(b)の実施例に示されるように、第2のロックアーム107は、先端部107aから離れる方向に向かって、スイングの中心(第2の支持軸106)から延びる第2の受け部107cを有している。加えて、第2のねじりコイルばね108の一端108aは、ロックホイール90から離れる方向に延びて中部ハウジング64に当接し、第2のねじりコイルばね108の他端108bは、第2の受け部107cに当接して第2の受け部107cをロックホイール90から離れる方向に付勢している。
図15(b)の実施例に示されるように、車両用ステアリング装置の使用を継続することにより、第2の支持軸106、又は、第2のロックアーム107の第2の支持軸106への取付部(第2の取付孔107d参照)が摩耗によりすり減ることが考えられる。これにより、第2のロックアーム107と、第2の支持軸106との間に隙間Sが生じる。この隙間Sの分、第2のロックアーム107が変位する。第2のねじりコイルばね108の付勢力により、第2のロックアーム107は、中部ハウジング64に向かって変位する。このため、第2のロックアーム107がロックホイール90に向かって変位することを防止できる。これにより、第2のロックアーム107がロックホイール90に接触することを防止し、ロックホイール90を確実に回転させることができる。長い期間に亘って車両用ステアリング装置をより正確に作動させることができる。
図2及び図16に示されるように、中部ハウジング64には、サンギヤ141の軸線CL1に沿った方向を基準として、プラネタリキャリヤ144に重なる位置に上孔64bが形成され、この上孔64bに、第1の支持軸101が挿入されている。これにより、プラネタリキャリヤ144より外側に第1の支持軸101を設けた場合に比べて、車両用ステアリング装置をコンパクトにすることができる。
加えて、中部ハウジング64とプラネタリキャリヤ144との間には、上孔64bの一部を塞ぎ、第1の支持軸101及び上部ブッシュ76が上孔64bからプラネタリキャリヤ144へ向かって突出することを防止する、板状の抜け止め板78が配置されている。これにより、振動などにより第1の支持軸101及び上部ブッシュ76がプラネタリキャリヤ144に向かって変位しても、上孔64bから突出することを防止できる。第1の支持軸101及び上部ブッシュ76がプラネタリキャリヤ144に接触することを防止し、プラネタリキャリヤ144の円滑な回転を確保することができる。また、プラネタリキャリヤ144への接触が防止されているため、プラネタリギヤ150への接触も防止される。
即ち、車両用ステアリング装置のコンパクト化を図りつつ、プラネタリキャリヤ144の円滑な回転を確保することができる。
さらに、上部ハウジング65の下端は、抜け止め板78の上面に近接して設けられている。これにより、第1の支持軸101によって抜け止め板78が持ち上げられることを防止することができる。より確実に、プラネタリキャリヤ144の円滑な回転を確保することができる。
図2及び図3に示されるように、サンギヤ141の軸線CL1の延びる方向を基準として、クラッチ機構80が収納される中部ハウジング64と、遊星歯車機構140が収納される上部ハウジング65とが重ね合わされる部位P1の高さは、接続筒部161の高さに一致している。このような高さにおいて重ね合わされる構成とすることにより、中部ハウジング64にクラッチ機構80を収納した後に、クラッチ機構80を上から見ながらクラッチ機構80の調整を行うことができる。クラッチ機構80の調整を容易に行うことができ、クラッチ機構80の正確な組み立てを行うために有益である。
さらに、図7に示されるように、クラッチ機構組み立て工程の後に、第1のロックアーム102に対する第1のロッド111aの当接位置を調節する。クラッチ機構80を上から見ながらクラッチ機構80の調整を行うことができる。クラッチ機構80の調整を容易に行うことができ、クラッチ機構80の正確な組み立てを行うために有益である。
図4に示されるように、第1のロッド孔64dの径D1は、第1のロッド111aの外径よりも大きく、且つ、第1のロッド111aの軸線CL2に沿った方向を基準として、第1のロッドブッシュ111bに重なる大きさとされている。これにより、第1のロッド111aの中部ハウジング64内への進退を許容しつつ、第1のロッドブッシュ111bが第1のソレノイド111から抜け出すことを防止できる。部品点数を増加することなく、中部ハウジング64を利用して第1のロッドブッシュ111bの抜けを防止することができ、有益である。
図5に示されるように、プラネタリギヤ150は、プラネタリキャリヤ144に固定されているギヤ軸151と、このギヤ軸151の外周に設けられているスラスト玉軸受152(スラスト軸受)と、このスラスト玉軸受152の上面部、且つ、ギヤ軸151の外周に設けられている針状ころ軸受153と、この針状ころ軸受153の外周、且つ、スラスト玉軸受152の上面部に設けられ周縁に複数の歯が形成されているギヤ本体154と、このギヤ本体154の上面部に設けられているワッシャ155とからなる。
ギヤ本体154が回転する際には、ギヤ本体154とギヤ軸151、又は、ギヤ本体154とプラネタリキャリヤ144の各部位との間に摩擦による抵抗が不可避的に生じる。図9も併せて参照し、仮に、サンギヤ141が空転可能な状態にあっても、摩擦の影響によりプラネタリギヤ150が僅かに公転する場合がある。これにより、プラネタリキャリヤ144が回転し、ピニオン軸31も回転する。即ち、ピニオン軸31の回転を防止したい場合に、僅かにピニオン軸31を回転させてしまう虞がある。
スラスト玉軸受152、針状ころ軸受153、ワッシャ155を設けることにより、ギヤ本体154とギヤ軸151、又は、ギヤ本体154とプラネタリキャリヤ144の各部位との間に生じる摩擦抵抗を低減させることができる。これにより、意図に反したピニオン軸31の回転を抑制し、車両用ステアリング装置をより正確に作動させることができる。回転速度の速いプラネタリギヤ150の摩擦対策を講じることが特に効果的である。
さらに、ギヤ本体154の下方には、スラスト玉軸受152が設けられている。これにより、ギヤ本体154の重さを受けつつ、ギヤ本体154を円滑に回転させることができる。加えて、ギヤ本体154の上方には、ワッシャ155が設けられている。車両の走行中において、振動によりギヤ本体154が上方に変位することがある。このような場合にも、ギヤ本体154の上面を受けることができ、且つ、円滑な回転を確保することができる。
図10に示されるように、第1のアーム本体部102bは、略L字状を呈している。第1の支持軸101からL字の折れ点P2までは、湾曲しながら延びている。折れ点P2から先端部102aまでは直線的に延びている。第1の支持軸101から折れ点まで湾曲していることにより、第1のロックアーム102がロックホイール90をロックした際の衝撃を吸収することができる。第2〜第4のロックアーム107,122,127についても同様である。
加えて、ロックホイール90は、高速で回転する部材である。第1のロックアーム102は、ロックホイール90に向かってスイングし、ロックホイール90の歯92や低歯93に接触した際に、中部ハウジング64に向かって跳ね返されることがある。第1のロックアーム102は、中部ハウジング64に向かうスイングを、第1のスイング規制ピン104によって止められる。跳ね返される量を少なくし、ロックホイール90に向かって、第1のロックアーム102を、再度迅速にスイングさせることができる。これにより、ロックホイール90をより迅速にロックすることができる。第2〜第4のスイング規制ピン109,124,129についても同様である。
図2も併せて参照し、中部玉軸受67、第1のロックアーム102及びロックホイール90は、第1のロッド111aの軸線CL2上に配置されている。さらに、ロックホイール90は、遊星歯車機構140のサンギヤ141と共に一体的に形成され、サンギヤ141の上部には、第1の上部玉軸受72が取り付けられている。第1のロックアーム102がロックホイール90に当接した際に、ロックホイール90に衝撃が加わる。このとき、ロックホイール90及びサンギヤ141に発生し得るラジアル方向の力は、中部玉軸受67及び第1の上部玉軸受72によって受ける必要がある。この点、中部玉軸受67、第1のロックアーム102及びロックホイール90を第1のロッド111aの軸線CL2上に配置することにより、ラジアル方向の力によるエネルギの大部分を、中部玉軸受67によって受けることができる。これにより、多くの部品によって構成される遊星歯車機構140周縁の第1の上部玉軸受72を小型化することができる。
尚、本発明による第1〜第4のロックアームは、それぞれ異なる形状のものを例に説明したが、第1〜第4の支持軸が設けられる位置によって、ロックホイールへの当接位置を調節してもよい。さらには、これらを組み合わせることもできる。即ち、ロックホイールの歯と歯の間を基準として、それぞれのロックアームが、ロックホイールの異なる位置に当接すればよく、これらの形式のものに限られるものではない。
さらに、ハウジングは、3分割されるものには限られない。即ち、中部ハウジング及び下部ハウジングが一体的に形成されたハウジングに対して、上部ハウジングを重ね合わせる、2分割からなるものであっても、本発明所定の効果を得ることができる。ハウジングは、4分割以上に分割されるものであってもよい。
仮に、3分割以上とした場合には、専用の治具を用いて中部ハウジングを固定し、組み立て作業を行うこともできる。