JP2016056723A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃吸収機構としての遮断機構部のバネ荷重を安定させ、摩擦係合による遮断トルクの設定及び管理を容易に行うことができるエンジン始動装置を得る。
【解決手段】第1の伝達部材と第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、前記バネ荷重の初期値は、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接することで確保される。
【選択図】図6

Description

この発明は、エンジンを始動するためのエンジン始動装置に関するものである。
従来、エンジンを始動するためのエンジン始動装置は、エンジンが停止している状態でエンジンの始動動作を行う。従って、エンジン始動装置に設けられたピニオンギヤは、エンジンに設けられたリングギヤが回転していない状態で、リングギヤとの噛み合わせが行われていた。しかしながら、近年では低燃費化のためにアイドリングストップを行うシステムにおいては、エンジンの再始動性を確保するため、リングギヤの回転中でもピニオンギヤをリングギヤと噛み合わせることがある。
例えば、アイドリングストップした瞬間であってエンジンの回転がまだ止まっていない状態で再始動要求が入った場合、或いはエンジンの停止状態から再始動の際に時間を短縮する必要がある場合には、リングギヤの回転中に事前にピニオンギヤとの噛み合わせを行なうようにしている。このような場合にリングギヤの回転中にピニオンギヤを噛み合わせる方法として、ピニオンギヤを押し、ピニオンギヤとリングギヤの回転数が所定の回転数差の間にあるときに、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせるようにしている。
更に、エンジンの逆回転時のピニオンギヤとリングギヤの噛み合い等は衝撃が大きくなる可能性があるため、エンジン始動装置に設けられているモータの回転開始タイミングを通常より遅らせる制御をすることが可能なスイッチを用いてモータの回転開始タイミングを遅らせ、エンジンの逆回転時に於けるピニオンギヤとリングギヤの噛み合いを避けることにより衝撃を回避するようにしたエンジン始動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
又、ピニオンギヤとリングギヤの噛み合いによる衝撃を緩和するために、エンジン始動装置の減速機構部分に衝撃緩和機構を設けることで、ピニオンギヤとリングギヤの噛み合いによる衝撃を緩和するようにしたエンジン始動装置も提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−031819号公報 特許第5272879号公報
アイドリングストップ搭載車の場合、アイドリングストップ時に、逆回転中のリングギヤとピニオンギヤとが噛み合うことに起因してリングギヤ側に衝撃トルクが発生し、その衝撃トルクがエンジン始動装置に衝撃を与えることがある。又、アイドリングストップ搭載車及びアイドリングストップ非搭載車の何れの場合に於いても、エンジン回転中に、通常のキー始動によりピニオンギヤがリングギヤに再飛込み噛み合いする動作に起因してリングギヤ側に衝撃トルクが発生し、その衝撃トルクがエンジン始動装置に衝撃を与えることがある。
前述の特許文献2に開示されている従来のエンジン始動装置は、減速機構部分に摩擦係合による衝撃吸収機構を設け、衝撃吸収機構の摩擦係合により発生する遮断トルクによりリングギヤ側に発生する衝撃トルクを緩和するようにしているが、摩擦係合による遮断トルクは摩擦面の摩擦係数とバネ荷重とで定まるものであり、摩擦面のわずかな摩耗係数とばね荷重の変化により遮断トルクは大きく変化する。従って、衝撃吸収機構のばね部材によるばね荷重を適正に保つ必要があるが、ばね部材のバネ荷重はばね部材単品での調整は可能であるが、エンジン始動装置を組み付けた際の衝撃吸収機構に於ける摩擦面の状態や、バネ部材の軸方向位置の規制の状態によっては、初期の遮断トルクは安定せず、摩擦係合による遮断トルクの管理が困難である。
この発明は、従来のエンジン始動装置に於ける前述のような課題を解決するために成されたものであり、衝撃吸収機構としての遮断機構部のバネ荷重を安定させ、摩擦係合による遮断トルクの設定及び管理を容易に行うことができるエンジン始動装置を得ることができる。
この発明によるエンジン始動装置は、
モータ部と、
エンジンに設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤ部を備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され、前記出力軸の軸心の延びる方向に移動することが可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤ部が前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤ部が、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記モータ部の前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に設けられ、前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に所定値以上のトルクが加えられたとき、前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
軸方向に対して垂直に形成された第1の面部から前記軸方向に突出する第1の爪部と、前記第1の爪部に形成された第1のトルク伝達面と、を有する第1の伝達部材と、
前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の面部に前記軸方向に対応する第2の面部から前記軸方向に突出する第2の爪部と、前記第2の爪部に形成され前記第1のトルク伝達面に当接し得る第2のトルク伝達面と、を有する第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に前記軸方向のバネ荷重を付与して、前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面とを当接させるバネ部材と、
を備え、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材は、相対的に前記軸方向に移動可能に設けられ、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に前記軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、
前記バネ荷重の初期値は、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接することで確保される、
ことを特徴とする。
この発明によるエンジン始動装置によれば、第1の伝達部材と第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、前記バネ荷重の初期値は、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接することで確保されるように構成されているので、衝撃吸収機構としての遮断機構部のバネ荷重を安定させ、摩擦係合による遮断トルクの設定及び管理を容易に行うことができるエンジン始動装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の断面図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側の伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオンギヤ部側の伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の断面図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置の出力軸側伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置のピニオンギヤ部側の伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。 この発明の実施の形態1及び後述する実施の形態2によるエンジン始動装置のオーバーランニングクラッチ部の構成図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置を図に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。図1に示すこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置は、モータ部10、出力軸20、ピニオン移動体部30、ソレノイドスイッチ部40、プランジャ50、レバー60、ブラケット70、ストッパ80、及び減速ギヤ部90により構成されている。
モータ部10は、エンジンを始動するための回転力を発生する。出力軸20は、モータ部10に減速ギヤ部90を介して結合されている。ピニオン移動体部30は、出力軸20とヘリカルスプライン結合され、出力軸20の周面を出力軸の軸方向に摺動することができる。
ソレノイドスイッチ部40は、車両のキースイッチがオンされたとき、若しくはエンジン制御装置(以下、ECUと称する)からエンジン始動装置にオン指令が発動されたときに内部に設けられた後述する吸引コイルが付勢され、プランジャ50を吸引する。レバー60は、ほぼ中央部が回動自在に支持され、一端がプランジャ50に係合され他端がピニオン移動体部30に係合されている。プランジャ50が吸引コイルに吸引されてソレノイドスイッチ部40側に移動すると、レバー60の一端はプランジャ50と共に移動し、レバー60の他端に係合されているピニオン移動体部30を反ソレノイドスイッチ部40側に押し出す。ブラケット70は、モータ部10、出力軸20、及びピニオン移動体部30からなる夫々の部品を、ピニオン移動体部30が反モータ部10側に所定位置まで移動した際にその移動を停止させるストッパ80を介して、エンジン側に固定している。
図2は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の断面図であって、エンジンに取り付けた状態を示している。図2に於いて、エンジンの始動を行う場合は、車両のキースイッチをオンとするか、或いはECUからエンジン始動装置のオン指令を発動する。これにより、ソレノイドスイッチ部40の吸引コイル41に電流が流れて、プランジャ50が吸引コイル41に吸引される。プランジャ50が吸引コイル41に吸引されると、レバー60の一端がソレノイドスイッチ部40側に引き込まれて、レバー回転軸中心61を中心として図2の反時計方向に回転する。
レバー60が反時計方向に回転すると、レバー60の他端がピニオン移動体部30を図2の右側、つまり反モータ部10側に押し出し、その結果、出力軸20の周面に設けられている第1のヘリカルスプライン部としての出力軸側ヘリカルスプライン部21に沿って、出力軸20にスプライン結合したピニオン移動体部30が回転しながら図2の右方へ押し出される。更にプランジャ50が吸引コイル41に吸引されて接点軸42の端部に当接し、この接点軸42が接点バネ45を圧縮しながら図2の左方へ押し込む。これにより、接点軸42に設けられている移動接点部43が一対のモータ接点44a、44bを橋絡し、モータ部10への通電が開始され、モータ部10のモータが回転する。
図3は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の分解斜視図である。図3に於いて、ピニオン移動体部30は、リングギヤ100に噛み合ったピニオンギヤ部34がエンジンによって回転されて出力軸20の回転数よりも大きくなった際には空転するオーバーランニングクラッチ部31と、クラッチカバー32、モータの回転によるトルクを伝達する方向に対して、そのトルクが後述する所定値以上のときそのトルクの伝達を遮断する後述する遮断機構部33、前述のピニオンギヤ部34、ピニオン移動体部30に設けられている第2のヘリカルスプライン部としてのピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35、レバー60と係合するレバーかかり部38、及びレバーかかり部38を止めるレバーかかり部用とめ部37で構成される。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35は、出力軸側ヘリカルスプライン部21に噛み合わされている。
図13は、この発明の実施の形態1及び後述する実施の形態2によるエンジン始動装置のオーバーランニングクラッチ部の構成図である。図13に於いて、オーバーランニングクラッチ部31は、図13に示すとおり、クラッチアウタ311、クラッチインナ312、クラッチローラ313、及びクラッチローラ313を押圧付勢するクラッチバネ314で構成される。
図4はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側伝達部材の斜視図、図5はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオンギヤ側伝達部材の斜視図、図7はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の断面図である。遮断機構部33は、図4に示す第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材331と、図5に示す第2の伝達部材としてのピニオンギヤ側伝達部材332と、図7に示すバネ部材としての皿バネ36と、皿バネカバー36aとにより構成される。
第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材331は、図4に示すように、その内周面に、出力軸側ヘリカルスプライン部21と噛み合わされる前述のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35cを備えている。又、出力軸側伝達部材331は、その軸方向に対して垂直に形成された第1の面部3310に第1の爪部331dを備えている。この第1の爪部331dは、出力軸側伝達部材331の第1の面部3310から軸方向に突出する第1のトルク伝達面331aと、第1のトルク伝達面331aに接する爪部331dの頂部に形成された第1の平坦面331cと、この第1の平坦面331cから漸次、第1の面部3310からの高さが減少する傾斜面に形成された第1の滑り面331bと、を備えている。実施の形態1では、図4に示すように第1の爪部331dは、軸心の周りに90[度]の角度間隔を介して4個設けられている。
第2の伝達部材としてのピニオンギヤ側伝達部材332は、図5に示すように、オーバーランニングクラッチ部31のクラッチアウタ311と一体に構成されており、軸方向に対して垂直に形成された第2の面部3320に第2の爪部332dを備えている。この第2の爪部332dは、ピニオンギヤ側伝達部材332の第2の面部3320から軸方向に突出する第2のトルク伝達面332aと、第2のトルク伝達面332aの頂部から漸次、第2の面部3320からの高さが減少する傾斜面に形成された第2の滑り面332bと、から構成されている。又、ピニオンギヤ側伝達部材332は、第2のトルク伝達面332a側の第2の爪部332bの近傍の第2の面部3320に第2の平坦面332cを備えている。又、この実施の形態1では、図5に示すように、第2の爪部332cは軸心の周りに90[度]の角度間隔で4個設けられている。
図7は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の断面図である。図7に示すように、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332は、第1の面部3310と第2の面部3320とが軸方向に対向するように配置され、且つ、相対的に軸方向に移動可能に支持されている。ばね部材としての皿バネ36は、出力軸側伝達部材331の軸方向端面部と皿バネカバー36aの内壁部との間に挿入されている。皿バネカバー36aは、その外周面部に形成された溝部361aにクラッチカバー32の端縁をかしめることでクラッチカバー32と一体に固定されている。
図6は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。図6に示すように、第1の爪部331dと第2の爪部332dとが軸方向に対向し、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aと、ピニオンギヤ側伝達部材332の第2のトルク伝達面332aとが皿バネ36のバネ荷重に基づいて押圧されて当接しおり、第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aとの間の摩擦力により、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332との間で回転方向のトルクを伝達することができるように構成されている。
皿バネカバー36aと出力軸側伝達部材331との間に挿入されている皿バネ36は、所定の初期荷重Fk1で常に出力軸側伝達部材331をピニオンギヤ側伝達部材332の方向に押圧している。即ち、皿バネ36は、皿バネカバー36aと出力軸側伝達部材331との間に組み込まれるときに、出力軸側伝達部材331の軸方向の初期荷重Fk1を出力軸側伝達部材331に与えるように設定されている。ここで、
初期荷重Fk1=K×S
但し、Kは皿バネ36のバネ定数、Sは皿バネ36の初期たわみ量、である。
図6に示すように、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の何れにもトルクが印加されていない状態では、バネ部材としての皿バネ36のバネ荷重により、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aに接する第1の爪部331dの頂部に設けられている第1の平坦面331cと、ピニオンギヤ側伝達部材332に於ける第2のトルク伝達面332a側の第2の爪部332bの近傍の第2の面部3320に設けられている第2の平坦面332cとが当接するように構成されている。その結果、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332との軸方向の間隔が一定の値となり、皿バネ36の初期たわみ量Sは常に一定値となり、皿バネ36の初期荷重Fk1は一定値で安定する。その結果、遮断機構部33の遮断トルクを適正に設定することができる。
又、第2の平坦面331cにより第1の爪部331dに於ける第1の面部3310からの軸方向高さを調整することにより、遮断機後部33の静止状態に於ける皿バネ36の初期荷重Fk1を、オーバーランニングクラッチ部31の空転トルクよりも高く設定でき、オーバーランニングクラッチ部31の空転時にピニオンギヤ側伝達部材332が出力軸側伝達部材331に対して相対的に回転することを抑制することができる。
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置に於いて、モータ部10からのトルクは、出力軸20に設けられた出力軸ヘリカルスプライン部21からピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35を通じて、ピニオン移動体部30へ伝達される。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35に伝達されたモータ部10からのトルクは、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aからピニオンギヤ側伝達部材332の第2のトルク伝達面332aへ伝達され、オーバーランニングクラッチ31のクラッチアウタ311とクラッチローラ313とクラッチインナ312を介してピニオンギヤ部34に伝達される。ピニオンギヤ部34に伝達されたモータ部10からのトルクは、エンジンのリングギヤ100に伝達され、エンジンを始動させる。
逆にエンジン側から逆回転のトルクが発生すれば、エンジンの逆回転によるトルクは、前述とは逆の経路で出力軸20へ伝達される。その際の遮断機構部33の動作イメージを図8に示す。即ち、図8はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図であって、エンジン側から逆回転でトルクが発生した場合の遮断機構部33に於けるピニオンギヤ側伝達部材332と出力軸側伝達部材331に加わる力の関係を示している。
図8に於いて、エンジンのリングギヤ100が逆回転してトルクTがピニオンギヤ部34及びオーバーランニングクラッチ部31に加われば、当接している第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aに垂直な力Fが働く。ここで、第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aは、夫々出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の軸方向に対してθの傾きを備えている。従って、第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aとを介して、前述のエンジンの逆回転によるトルクTは、実際にはFcosθとして発生し、ピニオンギヤ側伝達部材332から出力軸側伝達部材331に伝達される。このとき、第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aとの間には、軸方向反力Fsinθが働く。
ここで、皿バネ36による初期荷重Fk1と軸方向反力Fsinθとの関係が、
Fk1<Fsinθ
となったときに、皿バネ36は初期設定時よりも更に圧縮されてたわむ。従って、トルクTが大きくなり軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk1よりも大きくなると、皿バネ36がたわみ始めることになる。
図9は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の動作を説明する説明図である。図9の(a)に示すように、前述の軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk1以下であるときは、エンジンの逆回転によるトルクによりエンジンのリングギヤ100からピニオンギヤ部34に伝達されたトルクがピニオンギヤ側伝達部材332から出力軸側伝達部材331へ伝達される。
次に、エンジンの逆回転によるトルクTが所定値以上大きく、軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk1よりも大きいときは、前述したように皿バネ36は圧縮されてたわむことになるが、そのたわみ量が第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aとが噛み合っている軸方向のストロークLよりも大きくなると、図9の(b)に示すように、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aとピニオンギヤ側伝達部材332の第2のトルク伝達面332aとが噛み合わなくなり、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332は空転することになる。
ここで、図9の(b)に示す出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の空転時には、皿バネ36による荷重Fk2は、
Fk2=K×(S+L)
となる。そして、皿バネ36のたわみ量がストロークLに達したとき、第1のトルク伝達面331aと第2のトルク伝達面332aとの係合が外れ、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転することになる。
図9の(b)に示すように、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが空転を開始したあとは、図9の(c)に示すように、出力軸側伝達部材331の第1の滑り面331bとピニオンギヤ側伝達部材332の第2の滑り面332bとが当接して滑りながら空転し、次の第1のトルク伝達面331aが第2のトルク伝達面332aに噛み合ってトルクを伝達する。従って前述の空転は、図9で模式的にいえば、出力軸側伝達部材331の図9に示すトルク伝達面331aが、ピニオンギヤ側伝達部材332の図9のトルク伝達面332aに対して図の左側に存在する次のトルク伝達面(図示せず)に当接するまで出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転することになる。
この空転している時間は、第1の爪部331c、と第2の爪部332cの数で決定される。この発明の実施の形態1では出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332に夫々設けられている第1の爪部331dと第2の爪部332dの数は、夫々4個であるから、90[度]空転したあとに再びトルクを伝達する。従って、エンジンの逆回転によるトルクTが所定の値よりも大きければある一定時間空転することを繰り返す。
尚、以上は、エンジンが逆回転してエンジン側からピニオンギヤ側にトルクが加わった場合について説明したが、例えばエンジン側がロックしてリングギヤ100に噛み合っているピニオンギヤ部34がロックした場合にも、前述と同様に、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転する。
前述のように一定の角度毎に第1の爪部331dと第2の爪部332dを備えることで、爪部の数で空転時間を設定することができる。又、第1の滑り面331bと第2の滑り面332bの傾きは任意で設定することができる。例えば、傾斜面の角度をなだらかな角度にすれば、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが空転しているときの摩擦力は大きくなるため、その摩擦力が熱エネルギーに変換されるため、ピニオンギヤ部34に加わる衝撃のエネルギーの吸収量が大きくなる。従って、この場合、単に大きな衝撃を受けた際に空転するだけでなく衝撃吸収効果がある。
又、エンジン始動時に於いて、エンジンの脈動による衝撃トルクにより第1のトルク伝達面331a及び第2のトルク伝達面332aに発生する前述の軸方向反力Fsinθが、皿バネ36の初期荷重Fk1以上で、且つ皿バネ36がストロークLまでたわんだときの皿バネ36のバネ荷重Fk2以下であれば、トルク伝達面331aと332aとがバネ荷重Fkと軸方向反力Fsinθがバランスする位置まで摺動するのみで、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332が空転することはない。そして、エンジンのクランキング時にエンジンが脈動しても、皿バネ36がたわむことでピニオンギヤ部34とリングギヤ100から発生する衝撃音を低減させることができる。
前述の遮断機構部33の構成は、前述したように、リングギヤ100が逆転した場合だけでなく、エンジン側がロックしたときにも同様の機構で空転するため、逆回転以外の異常な状態が発生したときにもこの機構によって内部の機構の破壊を抑制することができる。
以上述べたように、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の何れにもトルクが印加されていない状態では、バネ部材としての皿バネ36のバネ荷重により、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aに接する第1の爪部331dの頂部に設けられている第1の平坦面331cと、ピニオンギヤ側伝達部材332に於ける第2のトルク伝達面332a側の第2の爪部332bの近傍に設けられている第2の平坦面332cとが当接するように構成されている。その結果、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の軸方向の間隔が一定値に定まり、出力軸側伝達部材331を軸方向の押圧する皿バネ36の初期荷重k1を安定させることができる。このため、遮断機構部33の遮断トルクを適正に設定することができる。
又、第1の平坦面331cにより第1の爪部331dに於ける第1の面部3310からの高さを調整することにより、遮断機後部33の静止状態に於ける皿バネ36の初期荷重Fk1を、オーバーランニングクラッチ部31の空転トルクよりも高く設定でき、オーバーランニングクラッチ部31の空転時にピニオンギヤ側伝達部材332が出力軸側伝達部材331に対して相対回転することを抑制することができる。
又、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、リングギヤ側から異常なトルクが発生した場合、例えばリングギヤの逆転中にピニオンギヤ部34とリングギヤ100を噛み合わせた際にリングギヤ100から受けるトルクの衝撃によって、ピニオン移動体部30の内部で空転が発生する。このようにピニオン移動体部30の内部で空転を発生させる構成に於いては、ピニオンギヤ部34から近い位置に空転させ得る機構である遮断機構部33を備えているため、減速ギヤ部90にトルク衝撃が伝達する前に空転が発生して出力軸側ヘリカルスプライン部21、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35c等を損傷させることがなく、又、ピニオンギヤ部34とリングギヤ100の衝突による衝撃音を小さくすることが可能となる。
更に、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、例えば、従来の惰性回転中でエンジンが逆転中にピニオンギヤ部とリングギヤを噛み合わせる際に過大な衝撃トルクが発生するような場合であっても、ピニオン移動体部30で空転して衝撃を吸収するため逆回転数が大きくても噛み合わせることが可能となる。
又、同様にエンジンの逆回転とモータ回転力とが衝突した際にも、よりピニオンギヤ部34に近い位置で空転することで衝撃と過大なトルクを緩和及び空転できるので、モータ回転を遅らせる制御などをしなくてもヘリカルスプライン等を傷めずに十分に噛み合いが可能となる。従って、再始動時間が早くなるだけでなく、ピニオンギヤ部の押し出しとモータ回転を連続で実施できる一体型スイッチを使用することが可能となり低コストと小型化が可能となる。
更に、遮断機構部33は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35c若しくはオーバーランニングクラッチ31のクラッチインナ312の何れかの外周側に設けられている。このように遮断機構部33をピニオン移動体側ヘリカルスプライン部と軸方向に並列に構成することで、エンジン始動装置を大型化することなく小型化の衝撃緩和と空転機構が可能となる。
又、第1の爪部331dの第1のトルク伝達面331aと第2の爪部332dの第2のトルク伝達面332aとでトルクを伝達し、皿バネ36のバネ荷重で空転できる荷重を設定できるため、従来できなかった空転トルクの値の設定が容易となる。即ち、オーバーランニングクラッチ部31のクラッチローラ313が動力伝達方向の回転の時に逆転時のトルクやモータ回転のトルクを伝達することになるが、従来の装置のようにこの部分で衝撃トルクを吸収するような構造にした場合、摩擦係数が安定せず、経年変化によるばらつきも大きくなる。しかし、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば遮断機構部33が空転するトルクの量産時のばらつきも抑制できる。更に、前述したようにクランキング時の騒音低減するための荷重設定も容易に行うことが可能となる。
更に、トルク設定が容易に行うことができ、しかもそれを小型な構成で実施できるので、エンジンの逆回転時だけでなく摩耗によってギヤ同士がロックしたときにも容易にトルクを遮断してエンジン始動装置の保護を行なうことが可能となる。又、遮断機構部33は第1の爪部及び第2の爪部でトルクを伝達する構造であり、且つピニオン移動体部側ヘリカルスプライン部の外周側に構成され、オーバーランニングクラッチ部31と遮断機構部33をクラッチカバー32で連結することで大型化することなく安定したトルク衝撃による空転と伝達を実施することが可能となる。
尚、以上の説明では、アイドリングストップでリングギヤが惰性回転中にピニオンギヤとリングギヤ部を噛み合わせる場合のエンジン始動装置について記載したが、アイドリングストップでリングギヤが完全停止してから噛み合わせる場合や、アイドリングストップ非搭載車用のエンジン始動装置であっても、ギヤが摩耗した場合にロックすることでモータ回転が開始されれば異常な衝撃トルクが発生することによって、通常エンジン始動装置でも起こり得るので、本発明を適用すれば効果がある。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2によるエンジン制御装置について説明する。図10は、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置の出力軸側伝達部材の斜視図、図11は、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置のピニオン軸側伝達部材の斜視図である。前述の実施の形態1では、出力軸側伝達部材331の第1のトルク伝達面331aに接する第1の爪部331dの頂部に第1の平坦面331cを形成し、ピニオンギヤ側伝達部材332に於ける第2のトルク伝達面332a側の第2の爪部332bの近傍であって第2の面部3320に第2の平坦面332cを形成したが、実施の形態2によるエンジン制御装置では、図10に示すように、出力軸側伝達部材331は、その第1のトルク伝達面331a側の第1の爪部331dの近傍であって第1の面部3310に第1の平坦面331cを備えている。又、図11に示すように、ピニオンギヤ側伝達部材332は、その第2のトルク伝達面332aに接する第2の爪部332bの頂部に第2の平坦面332cを備えている。
図12は、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。図12に示すように、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332は、第1の爪部331dと第2の爪部332dとが対向するように配置され、出力軸側伝達部材331の第1の爪部331dの第1のトルク伝達面331aとピニオンギヤ側伝達部材332の第2の爪部332dの第2のトルク伝達面332aとが当接して、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが、一方から他方へトルクを伝達することができるように構成されている。
この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置は、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の何れにもトルクが印加されていない状態では、バネ部材としての皿バネ36のバネ荷重により、出力軸側伝達部材331に於ける第1のトルク伝達面331a側の第1の爪部331dの近傍に設けられている第1の平坦面331cと、ピニオンギヤ側伝達部材332の第2のトルク伝達面332aに接する第2の爪部332bの頂部に形成されている第2の平面面332cとが当接するように構成されている。その結果、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332との軸方向の間隔が規制されて一定値となり、出力軸側伝達部材331を軸方向に押圧する皿バネ36の初期荷重k1を安定させることができる。このため、遮断機構部33の遮断トルクを適正に設定することができる。
又、第2の平坦面332cにより第2の爪部332dに於ける第2の面部3320からの高さを調整することにより、遮断機後部33の静止状態に於ける皿バネ36の初期荷重Fk1を、オーバーランニングクラッチ部31の空転トルクよりも高く設定でき、オーバーランニングクラッチ部31の空転時にピニオンギヤ側伝達部材332が出力軸側伝達部材331に対して相対回転することを抑制することができる。
その他の構成、及び動作は、前述の実施の形態1によるエンジン制御装置と同様である。
以上述べたように、この発明の実施の形態2によるエンジン始動装置によれば、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の何れにもトルクが印加されていない状態では、バネ部材としての皿バネ36のバネ荷重により、出力軸側伝達部材331に於ける第1のトルク伝達面331a側の第1の爪部331dの近傍の第1の面部3310に設けられている第1の平坦面331cと、ピニオンギヤ側伝達部材332の第2のトルク伝達面332aに接する第2の爪部332bの頂部に設けられている第2の平坦面332cとが当接するように構成されているので、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332との間の軸方向の間隔が一定値となり、出力軸側伝達部材331を軸方向の押圧する皿バネ36の初期荷重k1を安定させることができる。このため、遮断機構部33の遮断トルクを適正に設定することができる。
又、第2の平坦面332cにより第2の爪部332dの第2の面部3320からの高さを調整することにより、遮断機構部33の静止状態に於ける皿バネ36の初期荷重Fk1を、オーバーランニングクラッチ部31の空転トルクよりも高く設定でき、オーバーランニングクラッチ部31の空転時にピニオンギヤ側伝達部材332が出力軸側伝達部材331に対して相対回転することを抑制することができる。
その他、この発明の実施の形態2によるエンジン制御によれば、前述の実施の形態1によるエンジン制御装置と同様の効果を奏する。
尚、この発明によるエンジン始動装置は、その発明の範囲内に於いて、各実施の形態を適宜組み合わせることが可能である。
10 モータ部、20 出力軸、21 出力軸側ヘリカルスプライン部、30 ピニオン移動体部、31 オーバーランニングクラッチ部、311 クラッチアウタ、312 クラッチインナ、313 クラッチローラ、314 クラッチバネ、32 クラッチカバー、33 遮断機構部、331 第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材、3310 第1の面部、331a 第1のトルク伝達面、332a 第2のトルク伝達面、331b
第1の滑り面、332b 第2の滑り面、331c 第1の平坦面、332c 第2の平坦面、331d 第1の爪部、332d 第2の爪部、332 第2の伝達部材としてのピニオンギア側伝達部材、3320 第2の面部、34 ピニオンギア部、35c ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部、36 バネ部材としての皿バネ、36a 皿バネカバー、361a 溝部、37 レバーかかり部用とめ部、38 レバーかかり部、40 ソレノイドスイッチ部、41 吸引コイル、42 接点軸、43 移動接点部、44a、44b モータ接点、45 接点バネ、50 プランジャ、60 レバー、61 レバー回転軸中心、70 ブラケット、80 ストッパ、90 減速ギア部、100 リングギア。
この発明によるエンジン始動装置は、
モータ部と、
エンジンに設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤ部を備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され、前記出力軸の軸心の延びる方向に移動することが可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤ部が前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤ部が、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記モータ部の前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に設けられ、前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に所定値以上のトルクが加えられたとき、前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記遮断機構部は、
軸方向に対して垂直に形成された第1の面部から前記軸方向に突出する第1の爪部と、
前記第1の爪部に形成された第1のトルク伝達面と、を有する第1の伝達部材と、
前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の面部に前記軸方向に対応する第2の面部から前記軸方向に突出する第2の爪部と、前記第2の爪部に形成され前記第1のトルク伝達面に当接し得る第2のトルク伝達面と、を有する第2の伝達部材と、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に前記軸方向のバネ荷重を付与して、前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面とを当接させるバネ部材と、
を備え、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材は、相対的に前記軸方向に移動可能に設けられ、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に前記軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、
前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、
前記バネ部材は皿バネであって、前記ピニオン移動体部に形成されたヘリカルスプライン部と前記オーバーランニングクラッチ部のクラッチインナのうちの何れか一方の外周側に設けられ、
前記バネ荷重の初期値は、
前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接しているときに、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に付与する前記軸方向のバネ荷重であり、前記エンジンの通常始動時に前記エンジンの出力が立ち上がっていく場合のトルクにより前記軸方向に発生する力では前記トルクの伝達を遮断しない荷重に設定されている
ことを特徴とする。
この発明によるエンジン始動装置によれば、第1の伝達部材と第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、前記バネ部材は皿バネであって、前記ピニオン移動体部に形成されたヘリカルスプライン部と前記オーバーランニングクラッチ部のクラッチインナのうちの何れか一方の外周側に設けられ、前記バネ荷重の初期値は、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接しているときに、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に付与する前記軸方向のバネ荷重であり、前記エンジンの通常始動時に前記エンジンの出力が立ち上がっていく場合のトルクにより前記軸方向に発生する力では前記トルクの伝達を遮断しない荷重に設定されているので、衝撃吸収機構としての遮断機構部のバネ荷重を安定させ、摩擦係合による遮断トルクの設定及び管理を容易に行うことができるエンジン始動装置を得ることができる。

Claims (3)

  1. モータ部と、
    エンジンに設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤ部を備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され、前記出力軸の軸心の延びる方向に移動することが可能に形成されたピニオン移動体部と、
    前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤ部が前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
    を備えたエンジン始動装置であって、
    前記ピニオン移動体部は、
    前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤ部が、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
    前記モータ部の前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に設けられ、前記出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間に所定値以上のトルクが加えられたとき、前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
    を備え、
    前記遮断機構部は、
    軸方向に対して垂直に形成された第1の面部から前記軸方向に突出する第1の爪部と、前記第1の爪部に形成された第1のトルク伝達面と、を有する第1の伝達部材と、
    前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の面部に前記軸方向に対応する第2の面部から前記軸方向に突出する第2の爪部と、前記第2の爪部に形成され前記第1のトルク伝達面に当接し得る第2のトルク伝達面と、を有する第2の伝達部材と、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に前記軸方向のバネ荷重を付与して、前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面とを当接させるバネ部材と、
    を備え、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材は、相対的に前記軸方向に移動可能に設けられ、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの何れか一方は、自身の爪部に前記軸方向に対して垂直に形成された第1の平坦面を備え、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材とのうちの他方は、自身の面部に前記軸方向に対して垂直に形成され前記第1の平坦面に当接し得る第2の平坦面を備え、
    前記バネ荷重の初期値は、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが当接することで確保される、
    ことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記第1の伝達部材は、前記モータ部の前記出力軸側に連結され、
    前記第2の伝達部材は、前記ピニオンギヤ部側に連結され、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材は、前記当接した前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面とを介して、前記モータ部の出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間のトルクの伝達を行ない、
    前記トルクの値が前記バネ荷重の初期値を超え且つ前記所定値より小さいときは、前記バネ部材が撓むことにより前記バネ部材による前記バネ荷重が増大して前記モータ部の出力軸側と前記ピニオンギヤ部側との間のトルクの伝達が継続され、
    前記トルクの値が前記所定値以上のときは、前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面との当接が外れて前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間の前記トルクの伝達が遮断される、
    ことを特徴する請求項1に記載のエンジン始動装置。
  3. 前記バネ部材による前記バネ荷重の初期値に基づく前記第1のトルク伝達面と前記第2のトルク伝達面との間の摩擦トルクは、前記オーバーランニングクラッチ部の空転トルクよりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
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