JP2016054113A - 二次電池電極用複合体の製造方法、二次電池電極用複合体、二次電池用電極および二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができるシート状複合体を簡素な製造工程で製造することを可能にする二次電池電極用複合体の製造方法を提供する。【解決手段】カーボンナノチューブと、電極活物質と、溶媒とを混合して分散液を調製する工程と、分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する工程とを含み、カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.20<(3σ/Av)<0.60を満たす、二次電池電極用複合体の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、二次電池電極用複合体の製造方法、並びに、その製造方法を用いて作製した二次電池電極用複合体、二次電池用電極および二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能という特性があり、幅広い用途に使用されている。そのため、近年では、二次電池の更なる高性能化を目的として、電極などの電池部材の改良が検討されている。
ここで、リチウムイオン二次電池などの二次電池用の電極は、通常、集電体と、集電体上に形成された電極合材層とを備えている。そして、電極合材層は、電極活物質などの成分同士、および/または、電極活物質などの成分と集電体とを結着材(バインダー)で結着することにより形成されている。
そこで、例えば特許文献1および2では、金属酸化物よりなる電極活物質と炭素材料とのコンポジット材料を繊維状炭素バインダーにて抄紙成型したシート状複合体を電極合材層として用いることで、二次電池の出力特性および電池容量を向上させる技術が提案されている。
具体的には、特許文献1および2では、炭素材料に金属化合物を担持させたコンポジット材料を得る複合化処理と、コンポジット材料と繊維状炭素バインダーとを攪拌することにより混合溶液を生成する攪拌処理と、攪拌された混合溶液を抄紙成型してシート状複合体を得るシート化処理とを実施して得たシート状複合体を集電体と一体化させてなる電極を用いることで、二次電池の出力特性および電池容量を向上させる技術が提案されている。
具体的には、特許文献1および2では、炭素材料に金属化合物を担持させたコンポジット材料を得る複合化処理と、コンポジット材料と繊維状炭素バインダーとを攪拌することにより混合溶液を生成する攪拌処理と、攪拌された混合溶液を抄紙成型してシート状複合体を得るシート化処理とを実施して得たシート状複合体を集電体と一体化させてなる電極を用いることで、二次電池の出力特性および電池容量を向上させる技術が提案されている。
ここで、特許文献1および2に記載のシート状複合体を用いた二次電池では、コンポジット材料の使用により二次電池の出力特性を向上させることができると共に、導電性に優れる繊維状炭素バインダーの使用により、重合体よりなる有機バインダーを結着材として使用した場合と比較して出力特性および電池容量を向上させることができる。
しかし、上記従来のシート状複合体には、複合化処理を実施してコンポジット材料を得る必要があり、製造工程が煩雑であるという問題があった。
また、上記従来のシート状複合体には、耐屈曲性などの機械的特性を向上させると共に、シート状複合体を用いた二次電池について、出力特性に加えてサイクル特性などの他の電気的特性も向上させるという点において改善の余地があった。
また、上記従来のシート状複合体には、耐屈曲性などの機械的特性を向上させると共に、シート状複合体を用いた二次電池について、出力特性に加えてサイクル特性などの他の電気的特性も向上させるという点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができるシート状複合体を簡素な製造工程で製造することを可能にする二次電池電極用複合体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することを目的とする。
更に、本発明は、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することを目的とする。
更に、本発明は、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、電極活物質と、所定の性状を有するカーボンナノチューブと、溶媒とを混合して得られる分散液から溶媒を除去して複合体を形成することで、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることが可能な二次電池電極用複合体を容易に製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法は、カーボンナノチューブと、電極活物質と、溶媒とを混合して分散液を調製する工程と、前記分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する工程とを含み、前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.20<(3σ/Av)<0.60を満たすことを特徴とする。このように、複合化処理等の複雑な処理を実施することなく電極活物質をそのまま溶媒およびカーボンナノチューブと混合して分散液を調製すれば、シート状の複合体を簡素な製造工程で製造することができる。また、上記関係式を満たすカーボンナノチューブを使用すれば、複合体の耐屈曲性を向上させることができると共に、複合化処理を実施していない電極活物質を使用した場合であっても複合体を用いた二次電池に良好な出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
ここで、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法において、前記分散液は、分散剤の含有量が、前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、0質量部以上1000質量部以下であることが好ましい。分散剤の含有量が1000質量部以下、好ましくは0質量部であれば、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
また、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法は、前記カーボンナノチューブのBET比表面積が600m2/g以上2600m2/g以下であることが好ましい。BET比表面積が上記範囲内のカーボンナノチューブを使用すれば、複合体の耐屈曲性を更に向上させることができると共に、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、本発明において、カーボンナノチューブの「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
なお、本発明において、カーボンナノチューブの「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
更に、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法において、前記電極活物質は、中心粒子径が0.001μm以上100μm以下であることが好ましい。中心粒子径が上記範囲内の電極活物質を使用すれば、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、本発明において、電極活物質の「中心粒子径(D50)」は、動的光散乱法を用いて測定することができる。
なお、本発明において、電極活物質の「中心粒子径(D50)」は、動的光散乱法を用いて測定することができる。
また、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法において、前記分散液は、前記電極活物質100質量部当たり、前記カーボンナノチューブを0.01質量部以上50質量部以下の割合で含有することが好ましい。カーボンナノチューブの含有量を上記範囲内とすれば、シート状の複合体を良好に形成しつつ、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
そして、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法において、前記分散液は、前記電極活物質および前記カーボンナノチューブの合計濃度が0.01質量%以上80質量%以下であることが好ましい。電極活物質の濃度とカーボンナノチューブの濃度との合計を上記範囲内とすれば、分散液中での電極活物質およびカーボンナノチューブの凝集を抑制しつつ、シート状の複合体を効率的に製造することができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池電極用複合体は、上述した二次電池電極用複合体の製造方法の何れかを用いて製造したことを特徴とする。このように、上述した二次電池電極用複合体の製造方法を使用すれば、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる複合体が得られる。
ここで、本発明の二次電池電極用複合体は、厚さが0.1μm以上500μm以下であることが好ましい。複合体の厚さを上記範囲内とすれば、機械的特性を確保しつつ、二次電池の出力特性の低下および劣化を防止することができる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池用電極は、上述した二次電池電極用複合体の何れかを集電体上に圧着してなることを特徴とする。このように、上述した複合体を使用して電極を形成すれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
なお、本発明の二次電池用電極は、二次電池の正極として好適に使用することができる。即ち、前記電極活物質は、正極活物質であることが好ましい。本発明の二次電池用電極を使用すれば、抵抗が低減された正極を提供することができる。
なお、本発明の二次電池用電極は、二次電池の正極として好適に使用することができる。即ち、前記電極活物質は、正極活物質であることが好ましい。本発明の二次電池用電極を使用すれば、抵抗が低減された正極を提供することができる。
そして、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池は、正極、負極、セパレータおよび電解液を備え、前記正極および前記負極の少なくとも一方が、上述した二次電池用電極の何れかであることを特徴とする。このように、上述した電極を正極および/または負極として使用すれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
本発明の二次電池電極用複合体の製造方法によれば、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができるシート状複合体を簡素な製造工程で製造することができる。
また、本発明によれば、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することができる。
更に、本発明によれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することができる。
また、本発明によれば、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することができる。
更に、本発明によれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法は、本発明の二次電池電極用複合体を製造する際に用いることができる。また、本発明の二次電池電極用複合体は、本発明の二次電池用電極を製造する際に用いることができる。そして、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用電極を用いたことを特徴とする。
ここで、本発明の二次電池電極用複合体の製造方法は、本発明の二次電池電極用複合体を製造する際に用いることができる。また、本発明の二次電池電極用複合体は、本発明の二次電池用電極を製造する際に用いることができる。そして、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用電極を用いたことを特徴とする。
(二次電池電極用複合体の製造方法)
本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法は、電極活物質と、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)と、溶媒とを混合して分散液を調製する工程(以下「分散液調製工程」と称する。)と、分散液調製工程で得た分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する工程(以下「複合体形成工程」と称する。)とを含む。そして、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが所定の関係を満たすカーボンナノチューブを使用することを必要とする。
本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法は、電極活物質と、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)と、溶媒とを混合して分散液を調製する工程(以下「分散液調製工程」と称する。)と、分散液調製工程で得た分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する工程(以下「複合体形成工程」と称する。)とを含む。そして、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが所定の関係を満たすカーボンナノチューブを使用することを必要とする。
<分散液調製工程>
分散液調製工程では、電極活物質と、CNTと、溶媒とを混合し、溶媒中に電極活物質およびCNTが分散した分散液を調製する。なお、分散液には、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で分散剤などのその他の成分を更に含有させてもよい。
分散液調製工程では、電極活物質と、CNTと、溶媒とを混合し、溶媒中に電極活物質およびCNTが分散した分散液を調製する。なお、分散液には、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で分散剤などのその他の成分を更に含有させてもよい。
[電極活物質]
ここで、電極活物質は、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造した複合体を用いて二次電池用電極を形成した際に、二次電池の電極(正極、負極)において電子の受け渡しをする物質である。そして、電極活物質としては、特に限定されることなく、二次電池に用いられる既知の電極活物質を挙げることができる。
具体的には、例えば、二次電池の一例としてのリチウムイオン二次電池の電極に用いる複合体の製造に使用し得る電極活物質としては、特に限定されることなく、リチウムを吸蔵および放出し得る以下の物質よりなる電極活物質が挙げられる。
ここで、電極活物質は、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造した複合体を用いて二次電池用電極を形成した際に、二次電池の電極(正極、負極)において電子の受け渡しをする物質である。そして、電極活物質としては、特に限定されることなく、二次電池に用いられる既知の電極活物質を挙げることができる。
具体的には、例えば、二次電池の一例としてのリチウムイオン二次電池の電極に用いる複合体の製造に使用し得る電極活物質としては、特に限定されることなく、リチウムを吸蔵および放出し得る以下の物質よりなる電極活物質が挙げられる。
−正極活物質−
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。そして、遷移金属としては、例えばTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が挙げられる。
また、正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子化合物も挙げられる。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。そして、遷移金属としては、例えばTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が挙げられる。
また、正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子化合物も挙げられる。
ここで、遷移金属酸化物としては、例えば、MnO、MnO2、V2O5、V6O13、TiO2、Cu2V2O3、非晶質V2O−P2O5、MoO3等が挙げられる。
また、遷移金属硫化物としては、例えば、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。
更に、リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
また、遷移金属硫化物としては、例えば、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。
更に、リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
そして、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。
また、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)またはMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn1.5M0.5]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。
更に、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiXMPO4(式中、Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、V、Ca、Sr、Ba、Ti、Al、Si、BおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Xは0≦X≦2を満たす数を表す。)で表されるオリビン型リン酸リチウム化合物が挙げられる。
また、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)またはMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn1.5M0.5]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。
更に、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiXMPO4(式中、Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、V、Ca、Sr、Ba、Ti、Al、Si、BおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Xは0≦X≦2を満たす数を表す。)で表されるオリビン型リン酸リチウム化合物が挙げられる。
なお、上述した正極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
−負極活物質−
リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、炭素で形成された負極活物質が挙げられる。炭素で形成された負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等が挙げられ、中でも、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛が好ましく、天然黒鉛が特に好ましい。
リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、炭素で形成された負極活物質が挙げられる。炭素で形成された負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等が挙げられ、中でも、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛が好ましく、天然黒鉛が特に好ましい。
また、負極活物質の別の例としては、金属を含む負極活物質を挙げることができる。特に、スズ、ケイ素、ゲルマニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む負極活物質が好ましい。これらの元素を含む負極活物質は、不可逆容量を小さくできる。
そして、金属を含む負極活物質の中でも、ケイ素を含む負極活物質が特に好ましい。ケイ素を含む負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の電気容量を大きくすることが可能となる。なお、ケイ素を含む負極活物質は充放電に伴い膨張・収縮し易いが、本発明の複合体では、特定の性状を有するCNTを使用しているので、ケイ素を含む負極活物質を使用した場合であっても負極活物質の膨張・収縮による劣化を抑制することができる。
ここで、ケイ素を含む負極活物質の例としては、ケイ素を含有する化合物および金属ケイ素が挙げられる。ケイ素を含有する化合物は、ケイ素と他の元素との化合物であり、例えば、SiO、SiO2、SiOx(0.01≦x<2)、SiC、SiOC等が挙げられる。これらの中でも、SiOx、SiOCおよびSiCが好ましい。ここで、SiOxは、SiOおよびSiO2の少なくとも一方と金属ケイ素とから形成しうる化合物である。このSiOxは、例えば、SiO2と金属ケイ素との混合物を加熱して生成した一酸化ケイ素ガスを冷却および析出させることにより製造しうる。
なお、上述した負極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
−電極活物質の性状−
そして、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、電極活物質は、前述した特許文献1,2に記載されているような煩雑な複合化処理(即ち、電極活物質以外の物質への担持および焼成によるナノ粒子化)を施されることなく、そのままの状態で使用される。従って、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、製造工程を簡素化し、複合体を効率的に製造することができる。
なお、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、特定の性状を有するCNTを使用して複合体を形成するので、特許文献1,2に記載されているような煩雑な複合化処理を実施しなくても(即ち、電極活物質が非コンポジット材料であっても)、複合体を用いた二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
そして、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、電極活物質は、前述した特許文献1,2に記載されているような煩雑な複合化処理(即ち、電極活物質以外の物質への担持および焼成によるナノ粒子化)を施されることなく、そのままの状態で使用される。従って、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、製造工程を簡素化し、複合体を効率的に製造することができる。
なお、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、特定の性状を有するCNTを使用して複合体を形成するので、特許文献1,2に記載されているような煩雑な複合化処理を実施しなくても(即ち、電極活物質が非コンポジット材料であっても)、複合体を用いた二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
ここで、上述した電極活物質は、中心粒子径(D50)が0.001μm以上100μm以下であることが好ましく、0.01μm以上50μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上m30μm以下であることが更に好ましい。電極活物質の中心粒子径が0.001μm以上であれば、CNTと共にシート状の複合体を良好に形成することができるので、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができるシート状複合体を容易に製造することができる。また、電極活物質の中心粒子径が100μm以下であれば、電極活物質の表面積を十分に確保し、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
[カーボンナノチューブ(CNT)]
−CNTの性状−
本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、CNTとして、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のカーボンナノチューブを用いる必要がある。そして、CNTの3σ/Avは、0.25超であることが好ましく、0.50超であることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、煩雑な複合化処理を施していない電極活物質を使用した場合であっても、複合体を用いた二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。また、複合体の機械的特性(例えば、耐屈曲性など)を向上させることができる。
なお、CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
−CNTの性状−
本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、CNTとして、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のカーボンナノチューブを用いる必要がある。そして、CNTの3σ/Avは、0.25超であることが好ましく、0.50超であることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、煩雑な複合化処理を施していない電極活物質を使用した場合であっても、複合体を用いた二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。また、複合体の機械的特性(例えば、耐屈曲性など)を向上させることができる。
なお、CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
ここで、CNTとしては、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
そして、本発明において、CNTとしては、透過型電子顕微鏡を用いて100本のカーボンナノチューブの直径を測定し、測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、CNTの配合量が少量であっても、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
更に、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、また、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、分散液中でのCNTの凝集を抑制して、均一で特性に優れる複合体を形成することができるからである。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
また、CNTは、合成時における構造体の平均長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましく、300μm以上2000μm以下であることがより好ましい。合成時の構造体の平均長さが100μm以上であれば、電極活物質と共にシート状の複合体を良好に形成することができるからである。また、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。なお、合成時の構造体の長さが長いほど、分散時にCNTに破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時の構造体の平均長さは5000μm以下であることが好ましい。
ここで、CNTの平均長さは、走査型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めることができる。
ここで、CNTの平均長さは、走査型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めることができる。
なお、CNTの長さは、電極活物質の中心粒子径の0.5倍以上であることが好ましく、1.0倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることが更に好ましい。電極活物質に対して十分な長さのCNTを利用することで、電極活物質とCNTとを良好に絡み合わせ、シート状の複合体を良好に形成することができるからである。
更に、CNTのBET比表面積は、未開口の状態で600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2600m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。更に、CNTが主として開口したものにあっては、BET比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。CNTのBET比表面積が600m2/g以上であれば、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。また、CNTのBET比表面積が2600m2/g以下であれば、分散液中でのCNTの凝集を抑制して、均一で特性に優れる複合体を形成することができるからである。
更に、CNTは、後述のスーパーグロース法によれば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、基材に略垂直な方向に配向した集合体(CNT配向集合体)として得られるが、当該集合体としての、CNTの質量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを均質に分散させることができる。また、質量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
更に、CNTは、複数の微小孔を有することが好ましい。CNTは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。CNTが上記のようなマイクロ孔を有することで、CNTの凝集が抑制され、CNTの分散性が高まり、CNTが高度に分散した分散液および複合体を非常に効率的に得ることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
なお、上述した性状を有するCNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50体積%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
−CNTの配合量−
なお、電極活物質および溶媒と混合するCNTの量は、電極活物質100質量部当たり、通常0.01質量部以上であり、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることが更に好ましく、通常50質量部以下であり、20質量部以下であることが好ましい。電極活物質100質量部当たりのCNTの量を0.01質量部以上とすれば、電極活物質と共にシート状の複合体を良好に形成することができるからである。更に、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。また、電極活物質100質量部当たりのCNTの量を50質量部以下とすれば、分散液中でのCNTの凝集を抑制すると共に分散液の粘度の上昇を抑制して、均一で特性に優れる複合体を形成することができるからである。
なお、電極活物質および溶媒と混合するCNTの量は、電極活物質100質量部当たり、通常0.01質量部以上であり、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることが更に好ましく、通常50質量部以下であり、20質量部以下であることが好ましい。電極活物質100質量部当たりのCNTの量を0.01質量部以上とすれば、電極活物質と共にシート状の複合体を良好に形成することができるからである。更に、複合体の耐屈曲性、並びに、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。また、電極活物質100質量部当たりのCNTの量を50質量部以下とすれば、分散液中でのCNTの凝集を抑制すると共に分散液の粘度の上昇を抑制して、均一で特性に優れる複合体を形成することができるからである。
なお、分散液中におけるCNTおよび電極活物質の合計濃度は、0.01質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。分散液中におけるCNTの濃度と電極活物質の濃度との合計が0.01質量%以上であれば、複合体を効率的に製造することができるからである。また、分散液中におけるCNTの濃度と電極活物質の濃度との合計が80質量%以下であれば、CNTおよび電極活物質を溶媒中で良好に分散させて、均一で特性に優れる複合体を形成することができるからである。
[溶媒]
上述した電極活物質およびCNTを分散させる溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上述した電極活物質およびCNTを分散させる溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[その他の成分]
分散液に任意に配合されるその他の成分としては、特に限定されることなく、分散剤のほか、導電助剤などの電池特性を向上させる成分などが挙げられる。
分散液に任意に配合されるその他の成分としては、特に限定されることなく、分散剤のほか、導電助剤などの電池特性を向上させる成分などが挙げられる。
そして、分散剤としては、特に限定されることなく、CNTおよび電極活物質の分散を補助し得る既知の分散剤を用いることができる。そして、分散剤としては、例えば、界面活性剤、多糖類等が挙げられ、特に、界面活性剤が好ましい。
ここで、界面活性剤としては、イオン性(カチオン性、アニオン性)界面活性剤、非イオン性(ノニオン性)界面活性剤が挙げられ、特に、カーボンナノチューブの充分な分散性を確保する観点から、アニオン性界面活性剤が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホスホニウム、塩化テトラペンチルホスホニウム、塩化トリオクチルメチルホスホニウム、塩化ペンチルトリフェニルホスホニウム等の第四級ホスホニウム塩;等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型非イオン性界面活性剤;グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンエステル;等が挙げられる。
また、多糖類としては、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
ここで、界面活性剤としては、イオン性(カチオン性、アニオン性)界面活性剤、非イオン性(ノニオン性)界面活性剤が挙げられ、特に、カーボンナノチューブの充分な分散性を確保する観点から、アニオン性界面活性剤が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホスホニウム、塩化テトラペンチルホスホニウム、塩化トリオクチルメチルホスホニウム、塩化ペンチルトリフェニルホスホニウム等の第四級ホスホニウム塩;等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型非イオン性界面活性剤;グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンエステル;等が挙げられる。
また、多糖類としては、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
ここで、上述した分散剤の配合量は、本発明の効果を実質的に阻害しない量であることが必要であり、分散剤の配合量は、CNT100質量部当たり1000質量部以下であることが好ましく、300質量部以下であることがより好ましく、200質量部であることが更に好ましく、0質量部であることが特に好ましい。分散液中に含まれる分散剤は複合体の形成時に複合体中に残存し得るところ、分散剤の配合量を少なくすれば、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を更に向上させることができるからである。
また、導電助剤としては、導電性を有する、炭素の同素体からなる粒子などが挙げられ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛等の炭素粉末を用いることができる。更に、導電助剤としては、例えば、気相成長カーボン繊維等や、各種金属のファイバーおよび箔などを用いることもできる。これらの導電助剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明に係る二次電池電極用複合体の製造方法では、後に詳細に説明するように、CNTを介して電極活物質同士を結着させてシート状の複合体を製造する。そして、本発明では、CNTを結着材として機能させることで、非導電性の重合体よりなる有機バインダーを不要とし、複合体を用いた二次電池の出力特性および電池容量を向上させる。そのため、その他の成分としては、非導電性の(例えば、25℃における体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上の)重合体よりなる有機バインダーが実質的に含まれないことが好ましい。具体的には、電極活物質100質量部当たりの有機バインダーの量は、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、0質量部であることが更に好ましい。なお、有機バインダーとして機能し得る非導電性の重合体としては、特に限定されることなく、アクリル系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル・共役ジエン系重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有重合体などの、水に不溶性の重合体が挙げられる。
[混合方法]
分散液調製工程では、上述した成分を混合することにより分散液を調製する。
ここで、分散液は、上述した電極活物質と、CNTと、任意に配合されるその他の成分とを溶媒中に全て同時に投入し、分散処理を施すことにより調製してもよいが、CNTの分散性を高める観点からは、CNTを溶媒中に分散させた後に、当該CNT分散液に対して電極活物質などを添加することにより調製することが好ましい。具体的には、分散液は、CNTと、溶媒と、任意に分散剤とを含む粗分散液に対して分散処理を施した後に、得られたCNT分散液に対して電極活物質やその他の成分を添加し、混合することにより調製することが好ましい。なお、CNT分散液と、電極活物質などとの混合は、既知の撹拌装置などを用いて行うことができる。
分散液調製工程では、上述した成分を混合することにより分散液を調製する。
ここで、分散液は、上述した電極活物質と、CNTと、任意に配合されるその他の成分とを溶媒中に全て同時に投入し、分散処理を施すことにより調製してもよいが、CNTの分散性を高める観点からは、CNTを溶媒中に分散させた後に、当該CNT分散液に対して電極活物質などを添加することにより調製することが好ましい。具体的には、分散液は、CNTと、溶媒と、任意に分散剤とを含む粗分散液に対して分散処理を施した後に、得られたCNT分散液に対して電極活物質やその他の成分を添加し、混合することにより調製することが好ましい。なお、CNT分散液と、電極活物質などとの混合は、既知の撹拌装置などを用いて行うことができる。
CNTを溶媒中で分散させる際の分散処理は、公知の混合装置を使用して行うことができる。そして、混合装置としては、例えば、超音波分散機やジェットミルなどの、キャビテーション効果が得られる混合装置や、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーおよびフィルミックスなどの、解砕効果が得られる分散装置などが挙げられる。なお、CNTのより均一な分散が可能であることから、分散処理には、キャビテーション効果が得られる混合装置を使用するのが好ましい。これらの混合装置は、それぞれ単独で、または2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、キャビテーション効果が得られる混合装置を使用した分散処理では、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用して分散を行う。この分散方法を用いることにより、CNTを更に良好に分散させることができる。
なお、CNTの分散に超音波分散機を用いる場合には、溶媒にCNTを加えた後、得られた粗分散液に対して超音波分散機により超音波を照射すればよい。照射する時間は、CNTの量などにより適宜設定すればよく、例えば、3分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は20W以上500W以下が好ましく、100W以上500W以下がより好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
また、ジェットミルを用いる場合、処理回数は、CNTの量などにより適宜設定すればよく、例えば、2回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、100回以下が好ましく、50回以下がより好ましい。また、例えば、圧力は20MPa以上250MPa以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
なお、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理は、50℃以下の温度で行なうことがより好ましい。
<複合体形成工程>
上述した分散液調製工程の後に実施する複合体形成工程では、分散液調製工程で得た分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する。具体的には、複合体形成工程では、分散液から溶媒を除去することで、上述した電極活物質とCNTとを含む不織布よりなる複合体を形成する。
なお、分散液調製工程において分散剤を使用した場合(即ち、分散液が分散剤を含有している場合)には、複合体形成工程では、任意に、形成した複合体中に残存している分散剤を複合体から除去するリンス処理を実施してもよい。また、得られたシート状の複合体には、プレス加工等の圧延処理を施してもよい。
上述した分散液調製工程の後に実施する複合体形成工程では、分散液調製工程で得た分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する。具体的には、複合体形成工程では、分散液から溶媒を除去することで、上述した電極活物質とCNTとを含む不織布よりなる複合体を形成する。
なお、分散液調製工程において分散剤を使用した場合(即ち、分散液が分散剤を含有している場合)には、複合体形成工程では、任意に、形成した複合体中に残存している分散剤を複合体から除去するリンス処理を実施してもよい。また、得られたシート状の複合体には、プレス加工等の圧延処理を施してもよい。
[シート状の複合体の形成]
ここで、溶媒の除去およびシート状の複合体の形成は、特に限定されることなく、例えば、分散液調製工程で得た分散液をろ過し、ろ物を乾燥させることにより行うことができる。即ち、溶媒の除去およびシート状の複合体の形成は、電極活物質とCNTとを絡ませながら薄く平らに成形する抄紙成型を用いて行うことができる。
ここで、溶媒の除去およびシート状の複合体の形成は、特に限定されることなく、例えば、分散液調製工程で得た分散液をろ過し、ろ物を乾燥させることにより行うことができる。即ち、溶媒の除去およびシート状の複合体の形成は、電極活物質とCNTとを絡ませながら薄く平らに成形する抄紙成型を用いて行うことができる。
具体的には、溶媒の除去およびシート状の複合体の形成は、ろ紙等のろ材を用いて分散液を例えば減圧ろ過にてろ過し、溶媒を除去した後に、電極活物質およびCNTを含むろ物を例えば減圧乾燥にて乾燥させることにより行うことができる。なお、乾燥温度は、用いる溶媒により適宜選択すればよく、特に限定されないが、通常50℃以上300℃以下であり、好ましくは70℃以上200℃以下である。そして、形成した複合体は、既知の手法を用いてろ材から剥離した後に、二次電池用電極の製造等に使用することができる。
[リンス処理]
複合体の形成に使用した分散液が分散剤を含有している場合に任意に実施されるリンス処理では、複合体と、分散剤を溶解可能な洗浄溶媒とを接触させ、複合体中の分散剤を洗浄溶媒中に溶出させることにより、複合体中の分散剤の一部を複合体から除去する洗浄操作を実施する。また、リンス処理では、任意に、洗浄操作を実施した後の複合体に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行うことにより、複合体中に残存している分散剤の少なくとも一部を分解する。
そして、このようなリンス処理を実施すれば、複合体中の分散剤量を低減させて、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を向上させることができる。
複合体の形成に使用した分散液が分散剤を含有している場合に任意に実施されるリンス処理では、複合体と、分散剤を溶解可能な洗浄溶媒とを接触させ、複合体中の分散剤を洗浄溶媒中に溶出させることにより、複合体中の分散剤の一部を複合体から除去する洗浄操作を実施する。また、リンス処理では、任意に、洗浄操作を実施した後の複合体に対し、プラズマ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行うことにより、複合体中に残存している分散剤の少なくとも一部を分解する。
そして、このようなリンス処理を実施すれば、複合体中の分散剤量を低減させて、複合体を用いた二次電池の出力特性およびサイクル特性を向上させることができる。
なお、洗浄溶媒としては、特に限定されることなく、分散液の調製に使用した溶媒と同じものを使用することができる。
また、洗浄溶媒を用いた複合体の洗浄は、例えば、洗浄溶媒中へ複合体の浸漬、または、複合体への洗浄溶媒の塗布により行なうことができる。なお、複合体は、ろ材から剥離した状態で洗浄してもよいし、ろ材から剥離する前に洗浄してもよい。
また、洗浄溶媒を用いた複合体の洗浄は、例えば、洗浄溶媒中へ複合体の浸漬、または、複合体への洗浄溶媒の塗布により行なうことができる。なお、複合体は、ろ材から剥離した状態で洗浄してもよいし、ろ材から剥離する前に洗浄してもよい。
[圧延処理]
また、複合体に対して任意に実施される圧延処理では、複合体に対し、プレス成形装置やローラなどの既知の手段を用いてプレス加工を施し、複合体を圧延する。
また、複合体に対して任意に実施される圧延処理では、複合体に対し、プレス成形装置やローラなどの既知の手段を用いてプレス加工を施し、複合体を圧延する。
(二次電池電極用複合体)
本発明に係る二次電池電極用複合体は、上述した本発明の二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造されるものである。そして、本発明に係る二次電池電極用複合体は、上述した電極活物質およびCNTを、複合体の形成に用いた分散液と同様の比率で含有している。
なお、複合体では、電極活物質に付着したCNT同士が絡み合うことにより、有機バインダーを使用しなくてもシート状の形状が維持されていると推察されている。
本発明に係る二次電池電極用複合体は、上述した本発明の二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造されるものである。そして、本発明に係る二次電池電極用複合体は、上述した電極活物質およびCNTを、複合体の形成に用いた分散液と同様の比率で含有している。
なお、複合体では、電極活物質に付着したCNT同士が絡み合うことにより、有機バインダーを使用しなくてもシート状の形状が維持されていると推察されている。
そして、本発明に係る二次電池電極用複合体は、上述した本発明の二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造され、主として上述した電極活物質およびCNTで構成されているので、耐屈曲性に優れている。また、複合体は、所定の性状を有するCNTを使用しており、且つ、大量の有機バインダーを使用することなく形成することができるので、二次電池用電極の電極合材層として用いた際に、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
なお、耐屈曲性などの機械的特性を確保する観点からは、複合体は、厚さが0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。また、複合体を用いた二次電池の出力特性の低下および劣化を防止する観点からは、複合体は、厚さが500μm以下であることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。
(二次電池用電極)
本発明に係る二次電池用電極は、上述した本発明の二次電池電極用複合体を集電体上に圧着してなるものである。そして、本発明に係る二次電池用電極は、上述した本発明の二次電池電極用複合体を使用しているので、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる
なお、本発明に係る二次電池用電極は、二次電池の正極として特に好適に用いることができる。そして、電極を二次電池の正極として使用する場合には、集電体に圧着する複合体として正極活物質を含有する複合体を用いればよい。
本発明に係る二次電池用電極は、上述した本発明の二次電池電極用複合体を集電体上に圧着してなるものである。そして、本発明に係る二次電池用電極は、上述した本発明の二次電池電極用複合体を使用しているので、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる
なお、本発明に係る二次電池用電極は、二次電池の正極として特に好適に用いることができる。そして、電極を二次電池の正極として使用する場合には、集電体に圧着する複合体として正極活物質を含有する複合体を用いればよい。
[集電体]
ここで、集電体としては、電気導電性を有し、かつ、電気化学的に耐久性のある材料が用いられる。具体的には、集電体としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などからなる集電体を用い得る。中でも、負極に用いる集電体としては、銅箔が特に好ましい。また、正極に用いる集電体としては、アルミニウム箔が特に好ましい。なお、前記の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ここで、集電体としては、電気導電性を有し、かつ、電気化学的に耐久性のある材料が用いられる。具体的には、集電体としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などからなる集電体を用い得る。中でも、負極に用いる集電体としては、銅箔が特に好ましい。また、正極に用いる集電体としては、アルミニウム箔が特に好ましい。なお、前記の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ここで、集電体の形状は特に制限されないが、集電体としては、厚さが0.001mm以上0.5mm以下程度のシート状のものを用いることが好ましい。
[二次電池用電極の製造]
そして、集電体上への複合体の圧着は、複合体を集電体の上に載せ、任意に複合体の上に別途容易した金属箔を載せた後に、例えば0.01〜100ton/cm2の圧力で上下方向からプレスすることにより行うことができる。そして、プレスされた複合体および集電体は、集電体の表面の微細な凹凸等に複合体が食い込む、或いは、挟まることにより、互いに一体化される。
そして、集電体上への複合体の圧着は、複合体を集電体の上に載せ、任意に複合体の上に別途容易した金属箔を載せた後に、例えば0.01〜100ton/cm2の圧力で上下方向からプレスすることにより行うことができる。そして、プレスされた複合体および集電体は、集電体の表面の微細な凹凸等に複合体が食い込む、或いは、挟まることにより、互いに一体化される。
なお、集電体上に複合体を圧着させる際には、集電体と複合体との密着性の向上や得られる電極の導電性の向上を目的として、例えば、導電性のアンダーコート材や接着剤を予め集電体上に塗布しておいてもよい。
(二次電池)
本発明の二次電池は、正極と、負極と、電解液と、セパレータとを備え、正極および負極の少なくとも一方として、本発明の二次電池用電極を用いたものである。そして、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用電極を備えているので、レート特性およびサイクル特性に優れている。
なお、以下では、一例として二次電池がリチウムイオン二次電池である場合について説明するが、本発明は下記の一例に限定されるものではない。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、電解液と、セパレータとを備え、正極および負極の少なくとも一方として、本発明の二次電池用電極を用いたものである。そして、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用電極を備えているので、レート特性およびサイクル特性に優れている。
なお、以下では、一例として二次電池がリチウムイオン二次電池である場合について説明するが、本発明は下記の一例に限定されるものではない。
<電極>
上述のように、本発明の二次電池用電極が、正極および負極の少なくとも一方として用いられる。即ち、リチウムイオン二次電池の正極が本発明の電極であり負極が他の既知の負極であってもよく、リチウムイオン二次電池の負極が本発明の電極であり正極が他の既知の正極であってもよく、そして、リチウムイオン二次電池の正極および負極の両方が本発明の電極であってもよい。
上述のように、本発明の二次電池用電極が、正極および負極の少なくとも一方として用いられる。即ち、リチウムイオン二次電池の正極が本発明の電極であり負極が他の既知の負極であってもよく、リチウムイオン二次電池の負極が本発明の電極であり正極が他の既知の正極であってもよく、そして、リチウムイオン二次電池の正極および負極の両方が本発明の電極であってもよい。
<電解液>
電解液としては、溶媒に電解質を溶解した電解液を用いることができる。
ここで、溶媒としては、電解質を溶解可能な有機溶媒を用いることができる。具体的には、溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のアルキルカーボネート系溶媒に、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、酢酸メチル、ジメトキシエタン、ジオキソラン、プロピオン酸メチル、ギ酸メチル等の粘度調整溶媒を添加したものを用いることができる。
電解質としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらのリチウム塩の中でも、有機溶媒に溶解しやすく、高い解離度を示すという点より、電解質としてはLiPF6、LiClO4およびCF3SO3Liが好ましい。
電解液としては、溶媒に電解質を溶解した電解液を用いることができる。
ここで、溶媒としては、電解質を溶解可能な有機溶媒を用いることができる。具体的には、溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のアルキルカーボネート系溶媒に、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、酢酸メチル、ジメトキシエタン、ジオキソラン、プロピオン酸メチル、ギ酸メチル等の粘度調整溶媒を添加したものを用いることができる。
電解質としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらのリチウム塩の中でも、有機溶媒に溶解しやすく、高い解離度を示すという点より、電解質としてはLiPF6、LiClO4およびCF3SO3Liが好ましい。
<セパレータ>
セパレータとしては、例えば特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、これにより、リチウムイオン二次電池内の電極活物質の比率を高くして体積あたりの容量を高くすることができるという点より、ポリオレフィン系の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)からなる微多孔膜が好ましい。
セパレータとしては、例えば特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、これにより、リチウムイオン二次電池内の電極活物質の比率を高くして体積あたりの容量を高くすることができるという点より、ポリオレフィン系の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)からなる微多孔膜が好ましい。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
リチウムイオン二次電池は、例えば、正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより製造することができる。リチウムイオン二次電池の内部の圧力上昇、過充放電などの発生を防止するために、必要に応じて、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
リチウムイオン二次電池は、例えば、正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより製造することができる。リチウムイオン二次電池の内部の圧力上昇、過充放電などの発生を防止するために、必要に応じて、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例および比較例において、カーボンナノチューブの平均直径、直径の標準偏差、平均長さ、BET比表面積およびマイクロ孔容積、電極活物質の中心粒子径、複合体の耐屈曲性、並びに、二次電池の出力特性およびサイクル特性は、それぞれ以下の方法を使用して測定または評価した。
実施例および比較例において、カーボンナノチューブの平均直径、直径の標準偏差、平均長さ、BET比表面積およびマイクロ孔容積、電極活物質の中心粒子径、複合体の耐屈曲性、並びに、二次電池の出力特性およびサイクル特性は、それぞれ以下の方法を使用して測定または評価した。
<平均直径および直径の標準偏差>
CNTの平均直径および直径の標準偏差は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、HF−3300)を使用し、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めた。
<平均長さ>
CNTの平均長さは、電界放出形走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、SU−9000)を使用し、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めた。
<BET比表面積>
CNTのBET比表面積は、JIS Z8830に準拠し、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製、HM model−1210)を用いて測定した。
<マイクロ孔容積>
CNTのマイクロ孔容積は、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して測定した。
<中心粒子径>
粒度分布計(堀場製作所製、SZ−100)を使用し、動的光散乱法を用いて正極活物質の中心粒子径(D50)を求めた。
<耐屈曲性>
作成した複合体をピンセットでつまんで持ち上げ、30°に折り曲げた。そして、以下の基準により耐屈曲性を評価した。
A:折り曲げても不織布自体が破断しない
B:折り曲げると不織布自体が破断する
<出力特性>
作製したリチウムイオン二次電池を、0.2Cの定電流法によって、4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、4.2V、0.2Cのレートで充電を行い、0.2Cおよび1.5Cのレートでそれぞれ放電を行った。そのとき、各放電レート時の放電容量を、それぞれC0.2、C1.5と定義し、放電レート特性=(C1.5/C0.2)×100(%)を求め、以下の基準により評価した。放電レート特性の値が大きいほど、出力特性に優れていることを示す。
A:放電レート特性が85%以上
B:放電レート特性が80%以上85%未満
C:放電レート特性が80%未満
<サイクル特性>
作製した5セルのリチウムイオン二次電池について、60℃雰囲気下、1.0Cの定電流法によって4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電の操作を200回繰り返し、容量維持率(=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%))を算出し、以下の基準により評価した。容量維持率が高いほど高温サイクル特性に優れていることを示す。
A:容量維持率が80%以上
B:容量維持率が75%以上80%未満
C:容量維持率が75%未満
CNTの平均直径および直径の標準偏差は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、HF−3300)を使用し、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めた。
<平均長さ>
CNTの平均長さは、電界放出形走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、SU−9000)を使用し、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めた。
<BET比表面積>
CNTのBET比表面積は、JIS Z8830に準拠し、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製、HM model−1210)を用いて測定した。
<マイクロ孔容積>
CNTのマイクロ孔容積は、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して測定した。
<中心粒子径>
粒度分布計(堀場製作所製、SZ−100)を使用し、動的光散乱法を用いて正極活物質の中心粒子径(D50)を求めた。
<耐屈曲性>
作成した複合体をピンセットでつまんで持ち上げ、30°に折り曲げた。そして、以下の基準により耐屈曲性を評価した。
A:折り曲げても不織布自体が破断しない
B:折り曲げると不織布自体が破断する
<出力特性>
作製したリチウムイオン二次電池を、0.2Cの定電流法によって、4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、4.2V、0.2Cのレートで充電を行い、0.2Cおよび1.5Cのレートでそれぞれ放電を行った。そのとき、各放電レート時の放電容量を、それぞれC0.2、C1.5と定義し、放電レート特性=(C1.5/C0.2)×100(%)を求め、以下の基準により評価した。放電レート特性の値が大きいほど、出力特性に優れていることを示す。
A:放電レート特性が85%以上
B:放電レート特性が80%以上85%未満
C:放電レート特性が80%未満
<サイクル特性>
作製した5セルのリチウムイオン二次電池について、60℃雰囲気下、1.0Cの定電流法によって4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電の操作を200回繰り返し、容量維持率(=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%))を算出し、以下の基準により評価した。容量維持率が高いほど高温サイクル特性に優れていることを示す。
A:容量維持率が80%以上
B:容量維持率が75%以上80%未満
C:容量維持率が75%未満
(実施例1)
<カーボンナノチューブの調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
得られたSGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が804m2/gであり、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、平均直径(Av)が3.3nmであり、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(直径分布:3σ)が1.9nmであり、(3σ/Av)が0.58であり、平均長さが500μmであった。
<複合体および正極の製造>
得られたSGCNTを0.025gと、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)を5mLとを30mLのガラス容器に加え、バス型超音波分散機で60分間分散させた。その後、SGCNTの濃度が0.1mg/mLになるようにNMPを更に加え、バス型超音波分散機で60分間分散させた。この分散液に正極活物質としてのコバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)を、SGCNT/コバルト酸リチウム(LiCoO2)/NMP(質量比)=10:90:100になるように加え、振とう機を用いて200rpmで60分間振とうし、コバルト酸リチウムAの表面にSGCNTを吸着させて分散液を得た(分散液調製工程)。
その後、細孔サイズが0.1μmのPTFEろ紙を用いて分散液を減圧ろ過でろ過し、ろ物をメタノールで洗浄をした。ろ物をろ紙ごと減圧下、80℃で18時間乾燥させ、乾燥したろ物をろ紙から剥がし、SGCNT/LiCoO2(質量比)=1:9の複合体を得た(複合体形成工程)。この複合体と厚さ20μmのアルミ箔とを一緒にロールプレスして、合計厚み86μm(複合体の厚さ:66μm)の正極を得た。
<負極の製造>
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質としてBET比表面積4m2/gの人造黒鉛(体積平均粒子径:24.5μm)を100部、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液(第一工業製薬株式会社製「BSH−12」)を固形分相当で1部加え、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、25℃で60分混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度52%に調整した。その後、さらに25℃で15分混合し、混合液を得た。
上記混合液に、結着材(有機バインダー)としてのスチレン−ブタジエン共重合体(ガラス転移点温度:−15℃)の40%水分散液を固形分相当で1.0部、およびイオン交換水を入れ、最終固形分濃度が50%となるように調整し、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して、流動性の良い負極用スラリーを得た。
その後、上記の負極用スラリーを、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の目付け量が6mg/cm2程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この負極原反をロールプレスで圧延して、厚み40μmの負極合材層を有する負極を得た。
<セパレータの準備>
単層のポリプロピレン製セパレータ(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm、乾式法により製造、気孔率55%)を、5cm×5cmの正方形に切り抜いた。
<リチウムイオン二次電池の製造>
電池の外装として、アルミニウム包材外装を用意した。作製した正極を4cm×4cmの正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミニウム包材外装に接するように配置した。正極の複合体(正極合材層)の面上に、準備した正方形のセパレータを配置した。さらに、作製した負極を、4.2cm×4.2cmの正方形に切り出し、これをセパレータ上に、負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。さらに、ビニレンカーボネート(VC)を1.5%含有する、濃度1.0MのLiPF6溶液を充填した。このLiPF6溶液の溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(EC/EMC=3/7(体積比))である。さらに、アルミニウム包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミニウム外装を閉口し、リチウムイオン二次電池を製造した。
そして、得られたリチウムイオン二次電池について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<カーボンナノチューブの調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
得られたSGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が804m2/gであり、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、平均直径(Av)が3.3nmであり、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(直径分布:3σ)が1.9nmであり、(3σ/Av)が0.58であり、平均長さが500μmであった。
<複合体および正極の製造>
得られたSGCNTを0.025gと、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)を5mLとを30mLのガラス容器に加え、バス型超音波分散機で60分間分散させた。その後、SGCNTの濃度が0.1mg/mLになるようにNMPを更に加え、バス型超音波分散機で60分間分散させた。この分散液に正極活物質としてのコバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)を、SGCNT/コバルト酸リチウム(LiCoO2)/NMP(質量比)=10:90:100になるように加え、振とう機を用いて200rpmで60分間振とうし、コバルト酸リチウムAの表面にSGCNTを吸着させて分散液を得た(分散液調製工程)。
その後、細孔サイズが0.1μmのPTFEろ紙を用いて分散液を減圧ろ過でろ過し、ろ物をメタノールで洗浄をした。ろ物をろ紙ごと減圧下、80℃で18時間乾燥させ、乾燥したろ物をろ紙から剥がし、SGCNT/LiCoO2(質量比)=1:9の複合体を得た(複合体形成工程)。この複合体と厚さ20μmのアルミ箔とを一緒にロールプレスして、合計厚み86μm(複合体の厚さ:66μm)の正極を得た。
<負極の製造>
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質としてBET比表面積4m2/gの人造黒鉛(体積平均粒子径:24.5μm)を100部、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液(第一工業製薬株式会社製「BSH−12」)を固形分相当で1部加え、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、25℃で60分混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度52%に調整した。その後、さらに25℃で15分混合し、混合液を得た。
上記混合液に、結着材(有機バインダー)としてのスチレン−ブタジエン共重合体(ガラス転移点温度:−15℃)の40%水分散液を固形分相当で1.0部、およびイオン交換水を入れ、最終固形分濃度が50%となるように調整し、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して、流動性の良い負極用スラリーを得た。
その後、上記の負極用スラリーを、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の目付け量が6mg/cm2程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この負極原反をロールプレスで圧延して、厚み40μmの負極合材層を有する負極を得た。
<セパレータの準備>
単層のポリプロピレン製セパレータ(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm、乾式法により製造、気孔率55%)を、5cm×5cmの正方形に切り抜いた。
<リチウムイオン二次電池の製造>
電池の外装として、アルミニウム包材外装を用意した。作製した正極を4cm×4cmの正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミニウム包材外装に接するように配置した。正極の複合体(正極合材層)の面上に、準備した正方形のセパレータを配置した。さらに、作製した負極を、4.2cm×4.2cmの正方形に切り出し、これをセパレータ上に、負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。さらに、ビニレンカーボネート(VC)を1.5%含有する、濃度1.0MのLiPF6溶液を充填した。このLiPF6溶液の溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(EC/EMC=3/7(体積比))である。さらに、アルミニウム包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミニウム外装を閉口し、リチウムイオン二次電池を製造した。
そして、得られたリチウムイオン二次電池について、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が11μmのコバルト酸リチウムBを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が11μmのコバルト酸リチウムBを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が18μmのコバルト酸リチウムCを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が18μmのコバルト酸リチウムCを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
SGCNTに替えてアセチレンブラックを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体および正極の作製を試みた。しかし、ろ紙から複合体を引き剥がそうとすると複合体が崩れてしまい、また、剥がれた複合体は折り曲げると破断した。そのため、リチウムイオン二次電池は作製できなかった。耐屈曲性の評価結果のみを表1に示す。
SGCNTに替えてアセチレンブラックを用いた以外は実施例1と同様にして、複合体および正極の作製を試みた。しかし、ろ紙から複合体を引き剥がそうとすると複合体が崩れてしまい、また、剥がれた複合体は折り曲げると破断した。そのため、リチウムイオン二次電池は作製できなかった。耐屈曲性の評価結果のみを表1に示す。
(比較例2)
以下のようにして作製した、結着材として有機バインダーであるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いた正極合材層を有する正極を使用した以外は実施例1と同様にして、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、出力特性およびサイクル特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。なお、複合体を形成しなかったため、耐屈曲性の評価は実施しなかった。
<正極の製造>
正極活物質としてのコバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)を100部に対し、結着材としてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で2部となるように加え、さらに、アセチレンブラック2部およびN−メチルピロリドン20部を加えて、プラネタリーミキサーで混合して正極用スラリーを得た。
そして、得られた正極用スラリーを、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に、乾燥後の膜厚が80μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、アルミニウム箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理し、更に、正極合材層の厚みが55μm程度になるようにロールプレスで圧延して、有機バインダー(PVDF)を含む正極合材層を有する正極を得た。
以下のようにして作製した、結着材として有機バインダーであるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いた正極合材層を有する正極を使用した以外は実施例1と同様にして、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、出力特性およびサイクル特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。なお、複合体を形成しなかったため、耐屈曲性の評価は実施しなかった。
<正極の製造>
正極活物質としてのコバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)を100部に対し、結着材としてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で2部となるように加え、さらに、アセチレンブラック2部およびN−メチルピロリドン20部を加えて、プラネタリーミキサーで混合して正極用スラリーを得た。
そして、得られた正極用スラリーを、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に、乾燥後の膜厚が80μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、アルミニウム箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理し、更に、正極合材層の厚みが55μm程度になるようにロールプレスで圧延して、有機バインダー(PVDF)を含む正極合材層を有する正極を得た。
(比較例3)
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が18μmのコバルト酸リチウムCを用いた以外は比較例2と同様にして、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、比較例2と同様にして出力特性およびサイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
コバルト酸リチウムA(中心粒子径:6μm)に替えて、中心粒子径が18μmのコバルト酸リチウムCを用いた以外は比較例2と同様にして、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。そして、比較例2と同様にして出力特性およびサイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
SGCNTに替えて、単層CNTから構成されるHiPCO(NanoIntegris社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合体および正極の作製を試みた。しかし、得られた複合体は、ろ紙から引き剥がそうとすると亀裂が入り、剥がしにくく、また、折り曲げると破断してしまうため、リチウムイオン二次電池は作製できなかった。耐屈曲性の評価結果のみを表1に示す。
なお、HiPCOは、BET比表面積が794m2/gであり、マイクロ孔容積が0.15mL/gであった。また、平均直径(Av)が1.1nmであり、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(直径分布:3σ)が0.2nmであり、(3σ/Av)が0.18であり、平均長さが1.0μmであった。
SGCNTに替えて、単層CNTから構成されるHiPCO(NanoIntegris社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合体および正極の作製を試みた。しかし、得られた複合体は、ろ紙から引き剥がそうとすると亀裂が入り、剥がしにくく、また、折り曲げると破断してしまうため、リチウムイオン二次電池は作製できなかった。耐屈曲性の評価結果のみを表1に示す。
なお、HiPCOは、BET比表面積が794m2/gであり、マイクロ孔容積が0.15mL/gであった。また、平均直径(Av)が1.1nmであり、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(直径分布:3σ)が0.2nmであり、(3σ/Av)が0.18であり、平均長さが1.0μmであった。
表1より、実施例1〜3の複合体は耐屈曲性に優れていると共に、当該複合体を使用した二次電池は出力特性およびサイクル特性の双方に優れていることがわかる。
本発明によれば、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができるシート状複合体を簡素な製造工程で製造することを可能にする二次電池電極用複合体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することができる。
更に、本発明によれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することができる。
また、本発明によれば、簡素な製造工程で製造することができると共に、耐屈曲性などの機械的特性に優れ、且つ、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池電極用複合体を提供することができる。
更に、本発明によれば、二次電池に優れた出力特性およびサイクル特性を発揮させることができる二次電池用電極、並びに、出力特性およびサイクル特性に優れる二次電池を提供することができる。
Claims (11)
- カーボンナノチューブと、電極活物質と、溶媒とを混合して分散液を調製する工程と、
前記分散液から溶媒を除去してシート状の複合体を形成する工程と、
を含み、
前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが、関係式:0.20<(3σ/Av)<0.60を満たす、二次電池電極用複合体の製造方法。 - 前記分散液は、分散剤の含有量が、前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、0質量部以上1000質量部以下である、請求項1に記載の二次電池電極用複合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブのBET比表面積が600m2/g以上2600m2/g以下である、請求項1または2に記載の二次電池電極用複合体の製造方法。
- 前記電極活物質は、中心粒子径が0.001μm以上100μm以下である、請求項1〜3の何れかに記載の二次電池電極用複合体の製造方法。
- 前記分散液は、前記電極活物質100質量部当たり、前記カーボンナノチューブを0.01質量部以上50質量部以下の割合で含有する、請求項1〜4の何れかに記載の二次電池電極用複合体の製造方法。
- 前記分散液は、前記電極活物質および前記カーボンナノチューブの合計濃度が0.01質量%以上80質量%以下である、請求項1〜5の何れかに記載の二次電池電極用複合体の製造方法。
- 請求項1〜6の何れかに記載の二次電池電極用複合体の製造方法を用いて製造した、二次電池電極用複合体。
- 厚さが0.1μm以上500μm以下である、請求項7に記載の二次電池電極用複合体。
- 請求項7または8に記載の二次電池電極用複合体を集電体上に圧着してなる、二次電池用電極。
- 前記電極活物質が正極活物質である、請求項9に記載の二次電池用電極。
- 正極、負極、セパレータおよび電解液を備え、前記正極および前記負極の少なくとも一方が、請求項9または10に記載の二次電池用電極である、二次電池。
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