JP2016051168A - 画像取得装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で高速かつ高精度に撮像範囲を決定することのできる画像取得装置を提供する。
【解決手段】試料を複数の領域に分けて、各領域について光軸方向に焦点位置の異なる複数層または単層の画像を撮像する画像取得装置であって、以下の構成を有する。試料を撮像する撮像手段を有する。さらに、撮像手段により撮像された試料の第1領域の単層または複数層の画像に基づいて第1領域と異なる試料の第2領域に含まれる検体の光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定し、その推定結果に基づいて第2領域の光軸方向の撮像範囲を設定する検体情報取得手段を備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、画像取得装置およびその制御方法に関する。
近年、病理学の分野において、組織片等の病理標本の顕微鏡像をデジタル画像として取得するバーチャルスライドシステム等の画像取得装置が注目されている。病理診断画像のデジタル化により、データ管理の効率化や遠隔診断等が可能となる。
装置の撮像対象となる試料はスライド(プレパラートともいう)であり、数〜数十[um]程度に薄くスライスされた組織片が、封入剤を介してスライドグラスとカバーグラスの間に固定されている。一般に、組織片はその厚みが一定であるとは限らず、また表面が凸凹を有していることに加えて組織片自体も略平面形状とは限らずにうねりを有している。したがって、組織片の厚み方向の存在範囲即ち光軸方向の撮像層の範囲を装置の撮像野である撮像範囲毎に適切に設定する必要がある。高解像度であるが故に被写界深度が0.5〜1[um]程度と浅い病理観察用顕微鏡の光学系を介して組織片の厚み方向全域の合焦画像を取得するためである。
こうした課題に対して隣接する撮像範囲との重複部分の画素データに基づいて算出された合焦位置を、隣接する撮像範囲の撮像開始位置とし、そこから光軸方向に沿って上下それぞれにスキャンする。そうすることで必要な撮像範囲を決定する方法が提案されている(特許文献1)。
また、位相差像を結像及び撮像する系を別途設けることで被写体の凹凸を検出し、検出した凹凸範囲と被写界深度との関係に基づいて、光軸方向の探索処理を行わずに撮像層の範囲を決定する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2013−029551号公報 特開2011−090222号公報
しかしながら、上記のような従来の画像取得装置では、次のような課題があった。すなわち、特許文献1のような撮像範囲毎に光軸方向にスキャン処理を行う方法では、光軸方向における撮像層の範囲を決定するのに時間を要し、スループットを向上させることが困難であった。
また、特許文献2のように合焦専用の光学系及び撮像素子を設ける方法では、高速な処理が期待できるが、装置の大型化及び高コスト化を回避することは困難であった。
本出願に係る発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で高速かつ高精度に撮像範囲を決定することのできる画像取得装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、試料を複数の領域に分けて、各領域について光軸方向に焦点位置の異なる複数層または単層の画像を撮像す
る画像取得装置であって、前記試料を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された前記試料の第1領域の単層または複数層の画像に基づいて前記第1領域と異なる前記試料の第2領域に含まれる検体の前記光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定し、その推定結果に基づいて前記第2領域の前記光軸方向の撮像範囲を設定する検体情報取得手段とを備える画像取得装置である。
また本発明は以下の構成を採用する。すなわち、試料を複数の領域に分けて、各領域について光軸方向に焦点位置の異なる複数層または単層の画像を撮像する画像取得装置の制御方法であって、前記試料の第1領域の単層または複数層の画像を撮像するステップと、前記撮像された前記試料の第1領域の単層または複数層の画像に基づいて前記第1領域と異なる前記試料の第2領域に含まれる検体の前記光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定するステップと、前記推定の結果に基づいて前記第2領域の前記光軸方向の撮像範囲を設定するステップとを有する画像取得装置の制御方法である。
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成で高速かつ高精度に撮像範囲を決定することのできる画像取得装置を提供できる。
本発明の画像取得装置の実施例1を示すブロック図(実施例1) 実施例1における画像取得装置のスライドを示す断面図 実施例1における画像取得装置の撮像プロセスを示すフローチャート 実施例1におけるXY撮像範囲の算出方法を示す模式図 実施例1におけるZ方向の多層撮像を示す模式図 実施例1におけるZスタック撮像のフローチャート 実施例1におけるZ探索撮像を示すフローチャート 実施例1におけるZスタック範囲の設定方法を示す図 本発明の画像処理装置の実施例2を示すフローチャート(実施例2) 実施例2におけるZスタック撮像の追加撮像を示す図 本発明の画像取得装置の実施例3を示す斜視図(実施例3) 本発明の画像取得装置の実施例4を示す斜視図(実施例4)
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施例で説明されている特長の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<実施例1>
(装置構成)
図1Aは、本発明の画像取得装置の実施例1を示すブロック図である。画像取得装置1(以下「装置1」と略称する)は、本撮像を行う本撮像装置200(撮像手段に対応する)、本撮像に先立って予備撮像を行う広域撮像装置300(広域撮像手段に対応する)、装置の動作制御や画像処理等を行う本体統括部100とで構成される。図中、破線矢印は画像情報に係るデータ信号を示し、実線矢印は制御指令信号やステータス信号等を示す。まず、これらの概要について説明する。また、これ以外にも図示しないものもあるが、それらについては適宜後述する。
本撮像装置200は、組織片等の検体を封入した試料であるスライド10の顕微鏡像を撮像するものである。そして、本撮像装置200は、スライド10に光を照射する照明部210、スライド10の位置決めを行うとともにスライド10すなわち試料を支持するステージ220を有する。さらに、スライド10からの光を集光及び結像する結像光学系であ
るレンズ部230、結像された光を電気信号に変換する撮像素子240を有する。なお、本実施例では、図1Aに示す通り、レンズ部230の光軸方向をZ方向、光軸方向に直交する水平面方向をXY方向と規定する。撮像方法としては、後述する小区画毎(各領域毎)に、後述する検体14の多層画像(Zスタック画像)を取得する。以下、この多層画像をZスタック画像と記す。このZスタック画像とは光軸方向に焦点位置を少しずつ変えながら被写体を撮像し、その撮像結果として得られた複数枚の2次元画像を指す。すなわち焦点位置毎に撮像した結果として得られた画像である。また、Zスタック撮像とは光軸方向に焦点位置を少しずつ変えながら被写体を撮像することで、複数枚の2次元画像を得る処理を指す。また、Zスタック画像を構成する、各焦点位置での2次元画像をレイヤー画像という。
広域撮像装置300は、スライド10を上から見た全体像を撮像するもので、スライド10を設置する試料載置部310、スライド10の撮像を行う広域撮像部320とで構成される。ここで取得された画像は、スライド10のサムネイル画像の作成、後述する小区画801の分割生成、スライド10にバーコードや2次元コード等の試料識別情報の記載がある場合にはその取得などに用いられる。
本体統括部100は、装置1の動作制御及び図示しない外部装置との通信を行う制御部110、広域撮像部320や撮像素子240の撮像データに対する画像処理及び図示しない外部装置への画像データ出力を行う画像処理部120を有する。さらに、合焦に関する演算を行う演算部130(検体情報取得手段に対応する)を有する。なお、図では便宜上機能毎にブロックを分けているが実現手段としてはCPUやDSP上で動作するソフトウェアとして、或いはASICやFPGA等のハードウェアとして実装しても良く、その切り分けも適宜設計すれば良い。図示しない外部装置としては、装置1と使用者との間のユーザーインターフェースや画像ビューワとして機能するPCワークステーション、画像データの保存管理等を行う外部記憶装置や画像管理システム等が挙げられる。この他、装置1に含まれる図示しないものとして、多数のスライド10をセットするスライドストッカ、スライド10を載置台すなわち試料載置部310やステージ220へと搬送する試料搬送手段等が挙げられる。これら図示しないものについては詳細な説明を省略する。
上記各構成要素についてさらに説明する。照明部210は、光を照射する光源と、光をスライド10に対して集光するための光学系とで構成される。光源としては、ハロゲンランプやLED等を用いる。ステージ220は、スライド10を保持してXYZ各方向に精密に移動させる位置制御機構を有し、これはモータとボールネジの組合せやピエゾ素子等の駆動機構によって実現される。また、ステージ移動時の加速度によるスライド10の位置ずれ防止のため、バキューム等スライドの保持固定機構を備える。レンズ部230は、対物レンズと結像レンズとで構成され、照明部210から照射されたスライド10の透過光を撮像素子240の受光面上に結像させる。レンズとして、物体側のFOV(Field
of View:視野、撮像範囲)が略1[mm]四方且つ被写界深度が0.5[um]程度のものが望ましい。撮像素子240は、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)等によるイメージセンサである。制御部110からの制御信号に基づいて設定された露光時間やセンサゲイン、露光開始タイミング等に従って受光した光を光電変換して電気信号とし、それを画像処理部120や演算部130に出力する。試料載置部310は、スライド10を載置するための台である。台には、スライド10のXY位置を試料載置部310に対して位置決めできるよう突き当て機構が設けられている。なお、図1Aの構成に限られず、試料載置部310をステージ220が兼ねても良く、その場合はステージ220のXY可動範囲を広げることで構成できる。
広域撮像部320は、試料載置部310に載置されたスライド10に照明光を照射する図示しない照明部と、レンズや撮像素子等から成る図示しないカメラ部とで構成される。制
御部110からの制御信号に基づいて露光時間やセンサゲイン、露光開始タイミング、照明量等が設定され、撮像されたデータは画像処理部120に出力される。なお、レンズ周囲に設けたリング照明による暗視野照明を行い、一回の撮像でスライド10の全体像を撮像できるよう倍率や位置等が構成されている。カメラ部の解像度は、検体14の存在範囲のラフ検出を行えるよう本撮像装置200における撮像範囲程度、或いは2次元コードが識別できる程度の低解像度または低分解能でよいため低コストに構成できる。
制御部110は、後述の動作プロセスに基づいて装置1の各構成要素の動作制御を行う。具体的には動作条件の設定や動作タイミングの指示等を行う。広域撮像部320に対しては、露光時間やセンサゲイン、露光開始タイミング、照明光量等の設定及び制御を行う。照明部210に対しては、光量、絞り、カラーフィルタの切替等の指示を行う。ステージ220に対しては、演算部130の出力結果や後述の小区画801に関する情報、図示しないエンコーダ等によりステージの現在位置情報等に基づいて、ステージをXYZ方向に移動させてスライド10の所望の部位を撮像できるよう制御する。撮像素子240に対しては、露光時間やセンサゲイン、露光開始タイミング等の設定及び制御を行う。画像処理部120との間では、動作モードやタイミングの設定及び制御、小区画やバーコードに関する情報等の広域撮像データの処理結果の受信を行う。さらに、制御部110は、図示しない外部装置と通信を行う。具体的には、使用者が外部装置を介して設定した動作条件の取得や、装置の動作スタート/ストップの制御、画像処理部120への画像データの出力指示等を行う。
画像処理部120は、主に二つの機能を有する。一つ目は、広域撮像部320から受信するスライド10の広域撮像データの処理である。広域撮像データを解析し、バーコード情報の読取、検体14のXY方向における存在範囲のラフ(粗)検出および小区画801群の分割生成、サムネイル画像の生成を行う。ここでいう「ラフ」とは上記のようにたとえば広域撮像部320の分解能または解像度は本撮像装置200の分解能または解像度に比べて低いということである。また、本撮像装置200の結像光学系が拡大光学系であるのに対し、広域撮像部320の結像光学系は縮小光学系である。このように構成することで広域撮像部320を安価に構成することができるとともに画像処理の際に計算量が低減されるので画像処理の速度が速くなる。ここで制御部110は、生成された小区画801群の情報(座標、枚数等)に基づいて、本撮像装置200を用いた本撮像処理を制御する。なお、小区画801群の分割生成に関して、「実施例1におけるXY方向撮像範囲の算出」の項で詳述する。二つ目は、撮像素子240から受信したスライド10の本撮像データの処理である。本撮像データに対し、RGB間の感度差やγカーブ等の各種補正処理、必要に応じたデータ圧縮処理、プロトコル変換処理等を施した上で、制御部110の指示に基づいてビューワや画像保存装置等の外部装置へデータ伝送を行う。
演算部130は、分布算出部131、検体推定部132、設定部133とで構成される。演算部130は、撮像素子240から受信した本撮像データに基づいて、合焦に関する演算を行い、その演算結果に基づいてZスタック範囲を決定する。なお、Zスタック範囲とは、Zスタック撮像の、最初の撮像時の焦点位置(Z方向の位置)から最後の撮像時の焦点位置(Z方向の位置)までの範囲のことである。なお、Zスタック撮像とは、上記Zスタック範囲内(撮像範囲内)で、光軸方向に焦点位置を少しずつ変えながら被写体を撮像することで、複数枚の2次元画像を得る処理のことである。そして、その決定したZスタック範囲を制御部110に出力する。分布算出部131は、本撮像装置200が各レイヤーごとに本撮像して取得した本撮像データの各画素の合焦評価指標(例えばコントラスト値)の2次元分布を算出し、その各レイヤーの2次元分布を組み合わせて検体14の合焦評価指標の3次元分布を算出する。検体推定部132は、分布算出部131からの3次元分布を入力し、その入力した3次元分布に基づいて、この小区画801に隣接し、次に撮像する小区画801の検体14の合焦評価指標の3次元分布を推定する。設定部133は
、検体推定部132から推定された3次元分布を入力する。その入力した3次元分布に基づいて次に撮像する小区画801のZスタック範囲を、検体14が存在すると推定される範囲が過不足なく含まれるように設定し、この設定結果を制御部110に出力する。なお、演算部の動作については、「Z方向撮像範囲の算出」の項で詳述する。
なお、本発明の実施は本実施例に限るものではない。例えば、複数の撮像素子を有し、各々が光軸方向に移動することで異なるZ位置に合焦した複数の画像を同時に取得する構成としても良い。この場合、多層画像を得るのに必要な撮像回数が低減されるため、装置のスループットの向上が期待できる。また、光学的な共役関係が上記説明した構成と不変であるならば、例えば試料を載置台に固定して、撮像素子並びにレンズ部をステージ等によって位置制御する構成としても良い。
図1Bは、実施例1における画像取得装置のスライドを示す断面図である。スライド10では、撮像対象である組織片等の検体14が、スライドの土台となるスライドグラス12と保護膜であるカバーグラス11との間に封入剤13を介して固定されている。
(撮像プロセス)
図2は、実施例1における画像取得装置の撮像プロセスを示すフローチャートである。撮像プロセスは、ステップS101〜S103の予備撮像(広域撮像)、ステップS104〜S108の初回Z探索、ステップS104、S105、S109〜S113の本撮像という三つのステップに大別される。
フローは、試料載置部310にスライド10を設置されることにより開始する。この設置は、画像の取得の準備段階であり、スライドストッカから試料搬送手段によって自動処理されても良いし、人手によって行っても良い。ステップS101で、広域撮像装置300が、スライド10の全域を一括撮像する。ステップS102で、画像処理部120がこの撮像データに基づいて後述するXY平面上における検体14の存在範囲を粗く検出する。この検出の精度は本撮像装置200のFOV即ち撮像範囲に略一致する程度で良い。すなわち、広域撮像装置300により撮像された全体像の画像の1画素の大きさが本撮像装置200の撮像野(撮像範囲)以下であれば足りる。画像処理部120は、この全体像の画像に基づいてXY平面上における検体14の存在範囲を検出する。ステップS103で、演算部130が、検体14の存在範囲のすべてをカバーするように後述する複数の小区画801に分割する処理を行う。なお、ステップS102、S103の具体的な処理方法については、「XY方向撮像範囲の算出」で詳述する。なお、ステップS102、S103と並行して、広域撮像を終えたスライド10は、ステージ220に載置するとともに固定される。このスライド移動処理は前述の通り、人手で行っても良いし、搬送機構によって自動で行っても良い。或いは、ステージ220が試料載置部310を兼ねることで移動処理を省略できる構成としても良い。予備撮像であるステップS101〜ステップS103が終了するとステップS104に移行する。
ステップS104で、スライド10を載置したステージ220は、本撮像装置200による最初の撮像を行う小区画801がレンズ部230が有するレンズ直下に位置するように制御部110により移動される。最初に撮像する小区画801は任意に決められるが、全小区画を一筆書きのように移動しつつ撮像できるような位置にあるものを選択することが望ましい。ステップS105で、この時点では初回探索処理は行われていないためNOへ進みステップS106へ移行する。すなわち、ステップS105は始めの一度だけNOに進み、二度目からはスライド10に対する全ての撮像処理が終了するまでYESにしか進まない。ステップS106で、本撮像装置200が、初回撮像区画でのみ行う後述のZ探索のための撮像処理を行う。ステップS107で、分布算出部131が、ステップS106で取得されたZ方向における多層撮像データ(Zスタック画像データ)に基づいて合焦
評価指標の算出を行い、後述するZ方向における検体14の存在範囲を算出する。ステップS108で、演算部130が、この算出された存在範囲をカバーするように本撮像を行うためにZスタック範囲を設定する。ステップS106〜S108のZ探索は、光軸方向における検体存在範囲の検出のための撮像処理であり、「Z方向撮像範囲の探索」で詳述する。
最初に撮像する小区画801に対してのみ行うZ探索が終了すると、ステップS109で、この小区画801に対して本撮像装置200が、Z方向の連続多層撮像(Zスタック撮像)を行う。ステップS109については「Z方向の連続多層撮像」で詳述する。ステップS110で、分布算出部131が、ステップS109で取得された連続多層撮像データに基づいて合焦評価指標の3次元分布の算出を行う。ステップS111で、演算部130が、最後に本撮像した小区画801が最終小区画か否かの判定を行う。ここでは最終小区画ではないためNOへ進みステップS112へ移行する。ステップS112で、分布算出部131により算出された合焦評価指標の3次元分布が検体推定部132に入力される。そして、検体推定部132が、その3次元分布に基づいて次に撮像する隣接した小区画801の合焦評価指標の3次元分布(検体14の存在範囲)を推定する。そして、ステップS113で、設定部133が、検体推定部132からの推定された3次元分布を入力してこの推定された検体14の合焦評価指標の3次元分布の全てを含むように、次に撮像する小区画801におけるZスタック範囲を設定する。そして、再びステップS104へ移行する。なお、ステップS110、S112〜S113については、「Z方向撮像範囲の設定」で詳述する。ステップS104で、次に撮像する隣接した小区画801までステージがXY移動する。後は、ステップS104、S105、S109〜S113で表す本撮像処理を全ての小区画について撮像し終えるまで反復し、最後の小区画撮像時におけるステップS111でYESに進み、フローを終了する。
(XY方向撮像範囲の算出)
図3は、実施例1におけるXY撮像範囲の算出方法を示す模式図である。これは演算部130がスライド10内の検体14を全て含むように、複数の小区画801に分割した様子を示す。広域撮像装置300がスライド10の全域を広域撮像して得た広域撮像データから検体14の存在範囲を検出する画像処理方法としては、画像のコントラストの二値化によって高コントラスト領域を判別するものが代表的である。これは、スライド10内の細胞や組織片等は周囲の封入剤13と区別するため染色し、その結果としてコントラストが高く描出されることを利用している。その他にも、コントラストの変化に着目して検体14のエッジを検出し、その内側を検体14の存在範囲とする方法も挙げられる。すなわち、スライドに稀に付着したゴミや埃等を検体14と誤検知することを防止或いは除去し、検体14のみを撮像対象とするようなアルゴリズムとすることが望ましい。小区画801は、広域撮像装置300の一画素の大きさに略等しいか、或いは広域撮像装置300の複数の画素データを平均化等してその大きさを本撮像装置200のFOV即ち撮像範囲に略一致させたものである。なお、後段の画像処理で隣接する区画の画像をズレや歪みなくつなげるために、実際の撮像範囲(小区画)は図3に示すものよりも若干大きい。そのため実際には隣り合う小区画同士はその四辺が若干重なるようにする。
(Z方向撮像範囲の探索)
図4は、実施例1におけるZ方向の多層撮像を示す模式図である。図4(a)は、スライド10の横断面図であり、図4(b)は、図4(a)における一点鎖線領域901を拡大し、最初に撮像する小区画801に対してのみ実施されるZ探索撮像処理であるステップS106の方法を併せて示したものである。撮像範囲802は、XY方向の撮像範囲(小区画)とZ方向の被写界深度とで決まるものであり、一回の露光で撮像できる3次元領域である。図4(b)中、Z方向に一定の間隔dで複数の撮像範囲802が配置されている。領域901上端即ちカバーグラス11下端近傍から、領域901下端即ちスライドグラ
ス12上端に至るまで撮像範囲802を配置する。そして、撮像範囲802同士の間隔dを薄い検体厚程度(数um程度)とすることで、検体14が存在する可能性のある範囲を全て含めることができる。このように配置すれば検体14の歪等により検体14といずれかの撮像範囲802とが重なる領域ができる。そのため検体14が存在する可能性のある範囲を全て含めることができる。
図4(c)は、図4(b)におけるa−a’断面(撮像範囲右端)の線上における合焦評価指標の分布を模式的に示した図である。図4(b)で8枚ある撮像範囲802で本撮像装置200が本撮像して得た撮像データを分布算出部131が入力し、その分布算出部131が、その撮像データに対してZ方向に内挿補間して、合焦評価指標の分布を算出する(S107)。合焦評価指標としては、画像のコントラストや輝度を用いることができる。そして演算部130は、検体存在範囲Rを全て含むようZスタック範囲を設定する(S108)。検体存在範囲Rとは、予め設定した所定の閾値Th以上の合焦評価指標のZ方向の幅Rである。さらに、Z方向における検体14の存在範囲Rは検体14の厚みとみなすことができるため、範囲Rは検体厚と判定できる。本撮像プロセスにより過不足なく検体14の多層画像を取得することができる。
図6は、実施例1におけるZ探索撮像を示すフローチャートである。即ちステップS106のサブルーチンを示すフローである。以下、図6を用いて上記Z探索撮像を説明する。上記のように図2のステップS105でNOが選択され、ステップS106へ移行することでフローを開始する。ステップS301で、最初に間隔dを検体14の厚み程度に設定する。ステップS302で、最初の撮像層(図4(b)のカバーグラス下端に最も近い側の撮像範囲802が含まれる層)であるカバーグラス下端近傍を撮像できる状態となるようにステージ220をZ移動し、ステップS303で撮像する。ステップS304で、撮像層(図4(b)のカバーグラス下端に最も遠い側の撮像範囲802が含まれる層)が最後のスライドグラス上端に達したか否かの判定を行う。ステップS305で、間隔dだけステージをZ方向にステップ移動させて次の撮像層を撮像できる状態にする。以後、ステップS303〜S305を反復し、撮像層が最後のスライドグラス上端に達した時点のステップS304でYESに進み、フローすなわちZ探索撮像の処理を終了する。なお、Zステップ移動方向、即ちステップS302の撮像開始Z位置とステップS304の撮像終了Z位置は、この順である必要はない。
(Z方向の連続多層撮像)
図4(d)は、図4(a)に示すスライド10の横断面像における一点鎖線領域902を拡大し、本撮像プロセスにおけるZスタック撮像(S109)の方法を併せて示したものである。Z探索撮像(S106、図4(b))と異なるのは、ステップS108で演算部130により設定されたZスタック範囲に隙間なく撮像範囲802を配置する点である。このときの撮像範囲802同士の間隔すなわち撮像系のZ方向におけるステップ移動の間隔は、被写界深度に等しいかそれより小さくする。
図5は、実施例1におけるZスタック撮像のフローチャートであり、ステップS109のサブルーチンの中身を具体的に示したものである。まず、ステップS201で、Z方向における撮像間隔即ち撮像範囲802同士の間隔を、撮像系の被写界深度に等しく設定する。ステップS202で、最初の撮像層であるZスタック撮像最上層を撮像できる状態となるようステージ220をZ方向に移動する。ステップS203で、現在の撮像層を撮像する。ステップS204で、最後の撮像層であるZスタック範囲の最下層に達したか否かの判定を行う。最後の撮像層でない場合はNOに進み、ステップS205に移行する。ステップS205で、ステップS201で決められた間隔だけステージをZ方向にステップ移動させて次の撮像層を撮像できる状態にする。以後、S203〜S205を反復し、撮像層が最後のZスタック範囲最下層に達した時点のステップS204ではYESに進み、Zスタック撮像のフローを終了する。なお、Zステップ移動の方向、即ちステップS202
の撮像開始Z位置とステップS204の撮像終了Z位置は、この順である必要はない。
(Z方向撮像範囲の設定)
図7は、実施例1におけるZスタック範囲の設定方法を示す図である。図7(a)は、ある小区画801aにおいてZスタック撮像(S109)および合焦評価指標の算出(S110)が完了した状態を示す。即ち、撮像範囲802がZ方向に隙間なく複数連続することで検体14を過不足なく含んだ複数層(図7では8層)の画像データが本撮像装置200により取得される。その後、これに基づいて分布算出部131が、合焦評価指標の3次元分布を算出し、予め定めた所定の閾値以上の合焦評価指標の値を示す領域を検体存在範囲として判定する。図7(a)では、太実線部701,702はそれぞれ上記のようにして判定した検体存在範囲の上端面701及び検体存在範囲の下端面702を示す。なお、面701、702とも上記の通り3次元空間における曲面であるものの、図7がY軸に垂直なXZ平面における横断面図のため、図中では面701、702は線として描出されている。ステップS112で、検体推定部132が既に撮像された上記小区画801における合焦評価指標の3次元分布に外挿演算を施し、すでに撮像された小区画801aに隣接した小区画801bにおける合焦評価指標の3次元分布を推定する。そして、設定部133が、推定された3次元分布に基づいて次に撮像する小区画801bのZスタック範囲を設定する。
図7(b)は、次に撮像する小区画801bのZスタック範囲が設定された様子を示す。図7(b)中の太点線部751,752は、それぞれ上記のようにして推定した検体存在範囲の上端面751及び検体存在範囲の下端面752を示す。なお、面751、752とも実際には上記の通り3次元空間における曲面であるものの、図7はXZ平面で上記検体存在範囲及び画像データを仮想的に切断した横断面図を示すため、図中では面751、752は線として描出される。図中細点線で示した領域851は、次に撮像するZスタック範囲を示しており、面751と面752で挟まれた検体が存在すると推定された範囲を全て撮像領域に含む。既に撮像された小区画801aにおけるコントラスト値等の合焦評価指標の3次元分布から、小区画801aの周囲に隣接した8つの小区画801bにおける検体の存在範囲を推定する方法として、本実施例では外挿法を用いる。
上記外挿演算として具体的には以下の3つが挙げられる。第1の方法は、小区画801aの合焦評価指標の3次元分布そのものを外挿する方法である。これは3次元分布を形成する合焦評価指標のすべての値について外挿演算をする方法である。第2の方法は、小区画801aの上端面701を検出し、上端面701を外挿演算することにより小区画801bの上端面751を推定する。同様にして小区画801aの下端面702を検出し、その下端面702を外挿演算することにより小区画801bの下端面752を推定する。そして小区画801bにおいて、推定された上端面751と下端面752との間には検体が存在しているとみなすのである。第3の方法は、まず小区画801aにおける合焦評価指標の3次元分布から検体が存在していることを表す所定の値を超える合焦評価指標を検出する。そして、所定の値を超える合焦評価指標の分布の形状を検出する。そして、その形状を外挿演算することで小区画801bの合焦評価指標の3次元分布を推定する方法である。なお、外挿演算は公知の技術であり、様々な方法が知られている。検体14の形状は単純な板状のものとは限らず複雑な形状を有する場合があるため、線形外挿では推定誤差が大きくなる可能性がある。よって、できるだけ高次のスプライン関数等を用いた外挿を行うことが望ましい。
なお、本実施例では、既に撮像された一つの小区画801aにおける合焦評価指標の3次元分布に外挿演算を施すことで、直前に本撮像した小区画801aの周囲に隣接した小区画801bの合焦評価指標の3次元分布を推定する方法を示した。しかしながら、精度向上のため、既に撮像された二つ以上の小区画801における合焦評価指標の3次元分布の
データに外挿補間を施すことも望ましい。外挿演算に用いる3次元分布データのデータ量が多い程、外挿精度の向上が期待できる。また、既に撮像された一つの小区画801に隣接する小区画801の内、既に撮像されて合焦評価指標の3次元分布が算出されている小区画801については、再び演算を行う必要がない。これにより、演算時間を短縮できる。
以上のように、既に撮像された一つ以上の小区画801における合焦評価指標の3次元分布を取得する。その取得した3次元分布に外挿演算を施して上記小区画801に隣接した小区画801の合焦評価指標の3次元分布を推定する。そして推定した3次元分布に基づいて、次に撮像する小区画801並びにZスタック範囲を設定する。そうすることで、位相差AF装置等特別な合焦装置機構を追加することなく検体14の多層画像を取得することができる。更には、Z探索撮像のプロセス(図2のステップS106〜S108)を初回に撮像する小区画801に対して以外は省略することができ、装置のスループットを向上させることができる。
<実施例2>
図8は、本発明の画像処理装置の実施例2を示すフローチャートである。本発明の画像処理装置の実施例2は、本撮像処理の一部に撮像対象となる層を検証して追加するための処理を追加した以外は実施例1と同様であるため、その同様な部分については詳細な説明は省略する。図8は、図2におけるステップS109〜S111の区間を抜粋し、本実施例に特有の部分を太線と太枠で追加したものである。実施例1と同様にステップS109で、本撮像装置200が、小区画801のZスタック撮像を行い、複数層の画像データ(Zスタック画像データ)を取得する。ステップS110で、分布算出部131が、Zスタック画像データから合焦評価指標の3次元分布を算出する。ステップS401では、分布算出部131が、ステップS110で算出された3次元分布に基づき当該小区画801における検体14の実際の存在範囲を検出する。そして、ステップS109で撮像したZスタック範囲が検体14の実際の存在範囲を包含しているかをチェックする。Zスタック範囲が検体14の実際の存在範囲を包含していれば(S401;Yes)、当該小区画801に存在する検体14の画像は漏れなく取得できているので、最終小区画判定(S111)の処理に移行する。一方、検体14の実際の存在範囲がZスタック範囲から外れている、つまりZスタック範囲が検体14の実際の存在範囲より狭いか、ずれている場合には、ステップS109で撮像したZスタック画像データに不足がある(ステップS401;No)。その場合は、ステップS402で、設定部133が不足分を補うべく追加で撮像すべき層(追加撮像対象層)の焦点位置の設定を行い、再びステップS109へ移行する。ステップS109で、本撮像装置200により追加撮像対象層の撮像が行われ、追加撮像データが元のZスタック画像データに追加される。なお、追加後のZスタック画像データにおいても未だ不足がある場合には、ステップS401、S402、S109の処理が繰り返される。
図9(a)を参照して、上記のような追加撮像が必要となる例を説明する。小区画801aのZスタック画像データから検出された検体14の存在範囲に基づいて、隣の小区画801bにおける検体14のZ方向の存在範囲を推定した場合に、推定結果と実際の検体14の存在範囲との間にずれ(誤差)が生じる可能性がある。例えば、図9(a)では、小区画801aで検出された検体存在範囲(上端面701、下端面702)に基づき、小区画801bにおける検体存在範囲(上端面761、下端面752)が推定されている。ここで、推定した上端面761は検体14の実際の上端面(細実線)に比べてやや低い位置にある。そのため、推定した存在範囲(上端面761から下端面752の範囲)に基づき小区画801bのZスタック範囲852aを設定すると、検体14の右上端部がZスタック範囲852aから外れてしまうこととなる。
図9(b)に、小区画801bに対するZスタック撮像の結果と追加撮像の様子を模式的に示す。まず、本撮像装置200では、推定された検体存在範囲に基づきZスタック範囲852bが設定され、小区画801bのZスタック撮像が行われる(S109)。その後、分布算出部131が、その撮像データに基づいて小区画801b内の検体14の実際の存在範囲を検出する(S110、S401)。符号711、712がそれぞれ検出された検体存在範囲の上端面と下端面を示している。分布算出部131は、検出した検体存在範囲とZスタック範囲852bとを比較し、その比較結果に基づいてZスタック範囲852bが検体存在範囲を包含しているかチェックする(S401)。この例では、検体存在範囲の上端面711がZスタック範囲852bの上端を超えているため、撮像データに不足あり(S401;No)と判断され、追加撮像対象層853が追加される。その後、追加撮像対象層853の本撮像が行われ、Zスタック画像データに追加されることで、小区画801b内の検体14を包含するZスタック画像データが取得できる。
なお、追加で撮像すべき層の要否判断(S401)はいかなる方法を用いてもよい。たとえば、以下の2つが挙げられる。第1の方法は、Zスタック範囲の最上層(又は最下層)における検体領域の面積を比べる方法である。小区画801bにおける実際に本撮像して得られた合焦評価指標の3次元分布に基づき、最上層の画像中で合焦評価指標が所定の値を超える画素の個数N1を取得する。個数N1は最上層における検体領域の面積に相当する。また、推定して得られた小区画801bの合焦評価指標の3次元分布からも同様に、最上層の画像中で合焦評価指標が所定の値を超える画素の個数M1を取得する。そして、個数N1と個数M2とを比較する。そしてその比較の結果、個数N1のほうが個数M2よりも多い(つまり、実際の検体領域の面積の方が大きい)と判定されるときは本撮像された最上層の上にさらに追加撮像対象層853を設定する方法である。その結果、Zスタック範囲の結像光学系に近い側の検体14を漏れなく撮像することができる。なお、Zスタック範囲の結像光学系に遠い側(最下層側)についても同じように判断することができる。第2の方法は、検体存在範囲の上端面(又は下端面)の高さを比べる方法である。まず、小区画801bにおける実際に本撮像して得た上端面711の高さと、推定して得た上端面761の高さとを比較する。そして、その比較の結果、上端面711のほうが高いと判定されるときは、本撮像された最上層の上にさらに追加撮像対象層853を設定する方法である。その結果、Zスタック範囲の結像光学系に近い側の検体14を漏れなく撮像することができる。なお、第2の方法については、以下の構成をさらに採用しても良い。すなわち、下端面752と下端面712とを比較する。そして、下端面752の高さが下端面712の高さよりも高いと判定されるときは、本撮像された最下層の下にさらに追加撮像対象層を設定する。そうすることで追加撮像対象層を結像光学系に遠い側にも設けることができる。その結果、Zスタック範囲の結像光学系に近い側と遠い側の検体14を漏れなく撮像することができる。
なお、上記追加撮像に関する処理を有効とするか否かの動作モードを、使用者が不図示の外部装置であるPCワークステーション等を介して、装置1に対して設定することができる。有効とした場合は撮像データの取得範囲に対する精度が優先され、無効とした場合はスループットが優先される。
以上説明したように、Zスタック撮像データの不足判定および追加撮像のプロセスを有する。そうすることで、外挿演算による合焦評価指標の3次元分布推定に有意な誤差が生じた場合にも、最小限のダウンタイムで検体14の多層画像(Zスタック画像)を不足なく取得することができる。
<実施例3>
図10は、本発明の画像取得装置の実施例3を示す斜視図である。実施例1と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。分布算出部131におけるZスタック撮
像により取得された画像データに基づいた合焦評価指標の3次元分布の算出処理、及び検体推定部132における上記3次元分布の外挿演算処理の演算量は、撮像素子240の画素数にも依る。したがって、Zスタック撮像により取得された画像データの全画素分のデータを用いる場合は演算量が多くなる。本実施例では、上記各処理において全画素分のデータを用いるのではなく、所定の間隔で抽出された複数の点または領域のデータのみを用いる。すなわち、実施例1〜3では全画素に対してコントラスト値または輝度値を計算するが実施例3では全画素に対してではなくそのうちのいくつかの画素に対して上記計算を施す。
図10(a)は、小区画801と検体14の関係を示す図である。細実線枠を持つ小区画801一つあたり、細点線によって六つの小領域に区切ることで、隣接する小区画801との境界線上も含め、格子点が12点存在する。図10(b)は、検体存在範囲の3次元プロットを示す図である。すなわち、その太実線群は後述する複数の一次元分布に基づいて判定した検体存在範囲を3次元プロットしたものである。すなわちその一次元分布とは、既に取得された左下の小区画801におけるZスタック撮像により取得された画像データの内(画像中に対応する)、格子点を通りZ軸に平行な直線上に存在するデータを用いて算出した合焦評価指標の複数の一次元分布である。太実線部701が検体存在範囲の上端面701、太実線部702が同下端面702である。図10(b)の太点線群は、上記の合焦評価指標の複数の一次元分布に外挿演算を施して、周囲にある小区画801の格子点上における同分布を推定して求めた検体存在範囲を示したものである。なお、簡単化のため図示する範囲を限定し、既に撮像された小区画801と、周囲に隣接する8つの小区画の内、次に撮像する領域に設定された小区画801との、2つの小区画のみとしている。太点線部751が推定された検体存在範囲上端面751、太点線部752が同下端面752である。ここで、実際にデータが存在するのは、図中の黒点を含む、格子点を通りZ軸に平行な直線上のみであり、太線群は描画の便宜上、面を表すために黒点間を線形補間したものである。このようにして推定した右側の小区画801における検体存在範囲を全て撮像範囲に含むよう、Zスタック範囲を設定する。なお、本実施例では簡単のため小区画801を六分割したが、これに限定されるものではなく、格子点が多いほど演算精度は高い。
以上説明したように、合焦評価指標の3次元分布の算出処理に用いるZスタック撮像により取得された画像データを、所定の間隔で抽出した点または領域のデータのみ用いることで、演算量を低減することができる。
<実施例4>
図11は、本発明の画像取得装置の実施例4を示す斜視図である。実施例1と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。本実施例は、検体存在範囲の内、最もフォーカスの良い(最合焦位置での)単層画像を効率よく得るための撮像方法についてのものである。なお、この撮像方法は、小区画801の全てでZスタック撮像を行うものではない。図11(a)は、これまで説明したZスタック撮像の様子を示したものである。縦横2つずつの小区画801においてZスタック撮像が行われ、合焦評価指標の演算が行われる。その演算の結果、撮像範囲802群のうち網目が施されたものが最合焦位置であるとされる。そして、これらに基づいて外挿演算が行われ、次に撮像されるZスタック範囲851が設定される。本実施例においても、撮像開始後の数タイルは、図11(a)のようにこれまでと同様の撮像が行われる。最初のタイルでは、Z探索撮像が必要だからである。また、撮像開始直後において、単層撮像のみを用いる場合には、原理的に最合焦位置の外挿演算による推定精度が低くなるからである。
図11(b)は、既に単層撮像した複数の小区画801における最合焦位置の分布から、次に撮像される小区画801の最合焦位置が外挿演算により推定され、次の撮像範囲87
1として設定された様子を模式的に示したものである。図11(b)では、説明の簡便化のため、小区画801や最合焦位置の配置等を図11(a)のものと揃えている。図11(b)は、4枚の小区画801の最合焦位置から次に撮像する小区画801における最合焦位置を推定する場合を示している。次に撮像する最合焦位置の推定精度は、原理的に推定元となる小区画801の枚数が多いほど高くなる。このため、撮像の推定精度は、初期のものから後のものになるほど高くなるものである。したがって、この推定元となる小区画801の枚数の少ない初期の撮像では、推定精度を確保するため図11(a)のように複数層の撮像が行われ、合焦評価指標の三次元分布が演算されるようにすることが望ましい。これにより、初期の撮像での推定精度を十分に確保可能である。また、撮像過程におけるどの時点で単層撮像に切り替えるか、また一気に切り替えるのか徐々に切り替えるのか等の装置のシステム構成は、システムに要求されるスループットや精度に応じて、実験的に最適な設計値を求めることで構成しても良い。
以上説明したように、既に撮像した領域における最合焦位置の分布から次に撮像される領域における最合焦位置が外挿演算により求められて撮像位置に設定されるようにする。これにより、検体の単層画像が効率よく取得される。なお、本実施例の撮像方法は、他の本発明における各種撮像方法と組み合わせてもよく、何ら限定されるものではない。例えば、次の撮像範囲871の撮像データから合焦評価指標が算出されるようにする。そして、その算出された合焦評価指標が最合焦位置から外れているか否かが判断されるようにする。そして、外れていると判断される場合、隣接する層が追加撮像され、最合焦位置の撮像データが更新されるようにする。この場合、追加撮像された複数層の合焦評価指標分布が、その後に撮像される領域の最合焦位置の推定に用いられるようにする。これにより、更なる撮像精度の向上を実現することができる。また、最合焦位置に相当する撮像領域802のXY座標は、小区画801の中心としても良いし、小区画801内で最も合焦評価指標が高い点の座標としても良い。後者は、次の撮像範囲871の推定精度を向上させるものである。
<実施例5>
また、本発明の目的は、以下によって達成される。すなわち、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も、本発明の範囲に含まれる。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明の範囲に含まれる。本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
<その他の実施例>
上記各実施例における様々な技術を適宜組み合わせて新たなシステムを構成することは当業者であれば容易に相当し得るものであるので、このような様々な組み合わせによるシステムもまた、本発明の範疇に属するものである。また、本発明の種々の実施は上記に説明した実施例に限るものではない。
10 スライド、120 画像処理部、130 演算部、200 本撮像装置、220ステージ

Claims (13)

  1. 試料を複数の領域に分けて、各領域について光軸方向に焦点位置の異なる複数層または単層の画像を撮像する画像取得装置であって、
    前記試料を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された前記試料の第1領域の単層または複数層の画像に基づいて前記第1領域と異なる前記試料の第2領域に含まれる検体の前記光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定し、その推定結果に基づいて前記第2領域の前記光軸方向の撮像範囲を設定する検体情報取得手段とを備える画像取得装置。
  2. 前記検体情報取得手段は前記第1領域の単層または複数層の画像から前記第1領域の前記検体の存在範囲、最合焦位置、または前記最合焦位置の分布を求め、前記第1領域の前記検体の存在範囲、最合焦位置、または前記最合焦位置の分布に基づいて前記第2領域に含まれる前記検体の前記光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定する請求項1に記載の画像取得装置。
  3. 前記第1領域の前記検体の存在範囲は前記第1領域の複数層の画像から求めた合焦評価指標の3次元分布である請求項2に記載の画像取得装置。
  4. 前記検体情報取得手段は前記設定された前記第2領域の撮像範囲にしたがって前記撮像手段により撮像された前記第2領域の単層または複数層の画像から、前記第2領域の実際の検体の存在範囲または合焦評価指標を求め、前記設定された前記第2領域の撮像範囲が、前記第2領域の実際の前記検体の存在範囲または最合焦位置を包含するか否かを判定する請求項3に記載の画像取得装置。
  5. 前記検体情報取得手段は前記設定された前記第2領域の撮像範囲が、前記第2領域の実際の前記検体の存在範囲または最合焦位置を包含しないと判定した場合は、前記第2領域について追加で撮像すべき層を設定する請求項4に記載の画像取得装置。
  6. 前記合焦評価指標はコントラスト値または輝度値である請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像取得装置。
  7. 前記第1領域と前記第2領域とは隣り合う請求項3乃至6のいずれか1項に記載の画像取得装置。
  8. 前記検体情報取得手段は前記第1領域の単層または複数層の画像中の一部の画素から前記合焦評価指標の3次元分布または最合焦位置の分布を取得する請求項3乃至7のいずれか1項に記載の画像取得装置。
  9. 前記検体情報取得手段は前記第2領域における合焦評価指標の3次元分布を推定することにより、前記第2領域に含まれる前記検体の前記光軸方向の存在範囲を算出する請求項3乃至8のいずれか1項に記載の画像取得装置。
  10. 前記検体情報取得手段は前記第1領域における合焦評価指標の3次元分布を外挿演算することにより、前記第2領域における合焦評価指標の3次元分布を推定する請求項9に記載の画像取得装置。
  11. 前記検体情報取得手段は前記第1領域における最合焦位置の分布を外挿演算することにより、前記第2領域における最合焦位置を推定する請求項3乃至8のいずれか1項に記載の画像取得装置。
  12. 試料を複数の領域に分けて、各領域について光軸方向に焦点位置の異なる複数層または単層の画像を撮像する画像取得装置の制御方法であって、
    前記試料の第1領域の複数層の画像を撮像するステップと、
    前記撮像された前記試料の第1領域の単層または複数層の画像に基づいて前記第1領域と異なる前記試料の第2領域に含まれる検体の前記光軸方向の存在範囲または最合焦位置を推定するステップと、
    前記推定の結果に基づいて前記第2領域の前記光軸方向の撮像範囲を設定するステップとを有する画像取得装置の制御方法。
  13. 請求項12記載の画像取得装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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