JP2016046934A - 電力管理システム、地域電力管理装置、需要家電力管理装置 - Google Patents

電力管理システム、地域電力管理装置、需要家電力管理装置 Download PDF

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雅之 川本
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Abstract

【課題】 需要家数の増大に適切に対応できる電力管理システムを提供する。【解決手段】 CEMS100は、HEMS40および車載端末50(これらを需要家EMSと呼ぶ)から計算機資源情報を取得し、各需要家EMSの演算処理余裕度を演算する。CEMS100は、管理対象地域の電力管理に必要となる演算処理の一部を、演算処理余裕度に基づいて需要家EMSに割り当てる。この場合、演算処理余裕度が高い需要家EMSほど、演算負荷の大きな処理が割り当てられる。CEMS100にシステム障害が発生した場合には、需要家EMSに割り当てる演算処理量が増やされる。【選択図】 図1

Description

本発明は、地域の電力を管理する電力管理システムに関する。
従来から、需要家の電力を管理する電力管理システムが知られている。一般に、家庭の電力を管理するシステムは、HEMS(Home Energy Management System)と呼ばれている。また、特許文献1に提案されているように、地域の電力を管理する電力管理システムであるCEMS(Community Energy Management System)も知られている。ここでは、家庭の電力を管理する装置をHEMSと呼び、地域の電力を管理する装置をCEMSと呼ぶ。
CEMSは、複数のHEMSを情報通信網を介して接続している。CEMSは、地域の電力を管理するために、例えば、各HEMSから消費電力量の実績情報を収集し、収集した情報に基づいて、需要家ごとの電力需要特性、将来の電力需要の予測等の演算を行う。CEMSは、こうした演算結果に基づいて、地域内の電力需給を調整する。例えば、発電所からの電力供給量を調整したり、各需要家に対して電力消費に関する要求(例えば、節電要求)を行ったりする。
WO2013−047115A1
CEMSで管理する需要家の数が数百、数千、数万と増加していくと、CEMSの演算量が膨大となる。このため、CEMSの演算機能部であるマイクロコンピュータの負荷が過剰となって、応答性の悪化を招くおそれがある。これにより、時々刻々と変化する状況に追従した電力需給調整を行うことが困難となる。例えば、ソーラーパネルが普及した地域においては、ソーラーパネルの受光量の変化が地域内の発電電力量の変化として表れるため、需給調整の早い応答性が要求される。この要求に対して、CEMSのマイクロコンピュータの演算能力を増強して対処する場合には、コストアップを招いてしまう。
従って、従来の電力管理システムにおいては、需要家数の増大に対して適切に対応できないという問題がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、需要家数の増大に適切に対応できる電力管理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
需要家ごとに設けられ、第1計算機資源を備え、前記第1計算機資源を用いて前記需要家の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記需要家の電力を管理する需要家電力管理装置(40)と、
複数の前記需要家電力管理装置と送受信可能に設けられ、第2計算機資源を備え、前記第2計算機資源を用いて、前記複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の存在する地域の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記地域の電力を管理する地域電力管理装置(100)とを備えた電力管理システムにおいて、
複数の前記需要家電力管理装置ごとの前記第1計算機資源における演算処理余裕度の指標となる演算余裕度情報を取得する演算余裕度取得手段(S12)と、
前記演算処理余裕度に基づいて、前記地域の電力管理に必要な演算処理の一部を、少なくとも1つの前記需要家電力管理装置に割り当てる演算処理割当手段(S50)と
を備えたことにある。
本発明の電力管理システムは、需要家電力管理装置と地域電力管理装置とを備えている。需要家電力管理装置は、需要家ごとに設けられ、第1計算機資源を備え、第1計算機資源を用いて需要家の電力管理に必要となる演算処理を実行して、需要家の電力を管理する。電力の管理とは、少なくとも需要家内で消費される消費電力量の管理を含む。例えば、需要家電力管理装置は、需要家内の消費電力量をリアルタイムで表示したり、消費電力量に応じて需要家内の電気負荷を制御して消費電力量を調整したりする。更に、需要家電力管理装置は、需要家に設けた発電装置を制御したり、発電した電力を配電網を介して外部へ供給する供給電力量を管理したりする機能を備えていてもよい。
地域電力管理装置は、複数の需要家電力管理装置と送受信可能に設けられ、第2計算機資源を備え、第2計算機資源を用いて、複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の存在する地域の電力管理に必要となる演算処理を実行して、地域の電力を管理する。この地域とは、複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の集合、つまり、需要家群として捉えることができる。
従って、電力管理システムにおいては、個々の需要家の電力を管理しつつ、需要家全体の電力を管理することができる。例えば、電力管理対象となる地域の電力需給を調整することができる。
このように個々の需要家電力管理装置と地域電力管理装置とを送受信可能に接続して電力管理システムを構成した場合、需要家の数が増加すると、それに伴って地域の電力管理に必要となる演算処理量が増加する。これにより、地域電力管理装置の演算能力が不足し、地域の電力管理の応答性が低下するおそれが生じる。
こうした問題に対処するために、本発明の電力管理システムは、演算余裕度取得手段と演算処理割当手段とを備えている。演算裕度取得手段は、複数の需要家電力管理装置ごとの第1計算機資源における演算処理余裕度の指標となる演算余裕度情報を取得する。
演算処理割当手段は、演算処理余裕度に基づいて、地域の電力管理に必要な演算処理の一部を、少なくとも1つの需要家電力管理装置に割り当てる。従って、演算処理能力に余裕のある需要家電力管理装置を使って、地域の電力管理に必要な演算処理の一部を実行させることができる。つまり、地域の電力管理に必要な演算処理を、演算処理能力に余裕のある需要家電力管理装置に分散させることができる。これにより、各需要家の電力管理に必要となる演算処理能力を維持しつつ、地域の電力管理に必要となる演算処理能力を向上させることができる。この結果、需要家が増加した場合であっても、地域の電力管理を適正に実施することができる。また、地域電力管理装置の第2計算機資源の演算能力を増強する必要がないため、低コストにて実施することができる。
本発明の一側面の特徴は、前記演算余裕度情報は、前記第1計算機資源の性能と演算負荷状態とを含んだ情報であることにある。
本発明の一側面によれば、精度のよい演算処理余裕度を表す情報を取得することができる。従って、地域の電力管理に必要な演算処理の割り当てを一層適切に行うことができる。
本発明の一側面の特徴は、前記演算処理割当手段は、前記第1計算機資源における演算処理余裕度が高い前記需要家電力管理装置ほど、演算負荷の大きな演算処理を割り当てるように構成されたことにある。
本発明の一側面によれば、第1計算機資源における演算処理余裕度が高い需要家電力管理装置ほど、演算負荷の大きな演算処理が割り当てられるため、第1計算機資源の演算処理能力を有効利用することができる。
本発明の一側面の特徴は、前記演算処理割当手段は、前記第2計算機資源の演算処理能力が低下した場合に、前記需要家電力管理装置に割り当てる演算処理量を増加させるように構成されたことにある。
本発明の一側面によれば、第2計算機資源の演算処理能力が低下した場合には、需要家電力管理装置に割り当てられる演算処理量が増加する。従って、第2計算機資源の演算負荷が軽減される。この結果、地域の電力管理に必要な演算処理を適切に継続することができる。
本発明の一側面の特徴は、前記演算処理割当手段は、前記需要家電力管理装置が演算処理を実行するために前記地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが少ない演算処理を、前記地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが多い演算処理よりも優先して前記需要家電力管理装置に割り当てるように構成されたことにある。
需要家電力管理装置が地域の電力管理に必要な演算処理の一部を実行する場合、その演算処理を実行するために地域電力管理装置から演算用データを取得する必要が生じる場合がある。そうした演算用データが多いほど、データ授受に時間がかかってしまい非効率となる。そこで、本発明の一側面においては、地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが少ない演算処理が、地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが多い演算処理よりも優先して需要家電力管理装置に割り当てられる。従って、地域の電力管理に必要な演算処理を電力管理システム全体で効率良く実行できる。
例えば、需要家の過去の消費電力量情報に基づいて当該需要家の電力需要特性を求める演算処理、あるいは、需要家の将来の電力需要を予測する演算処理に関しては、その需要家の電力を管理する需要家電力管理装置において実行することができる。従って、こうした演算処理は、演算用データを地域電力管理装置から取得する必要がない、あるいは、演算用データ量が少なくてすむため、優先して需要家電力管理装置に割り当てられる演算処理となる。
一方、地域全体に係る情報を使って実行する演算処理に関しては、演算用データを地域電力管理装置から取得する必要があるため、上記の演算処理に比べて優先して割り当てられない演算処理となる。例えば、地域全体の将来の電力需要を予測する演算処理、地域全体の発電量を予測する演算処理、地域全体の電力需給を調整するための調整量を決める演算処理などは、優先して割り当てられない演算処理、つまり、地域電力管理装置が優先して実行する演算処理となる。尚、演算用データの多い少ないは、地域の電力管理に必要な演算処理を複数種類に分けた場合における、各演算処理相互の相対的なものであって絶対的なものではない。
本発明は、電力管理システムに限らず、電力管理システムに設けられる地域電力管理装置、および、需要家電力管理装置にも適用できるものである。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、本発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る電力系統および電力管理システムの概略構成図である。 計算機資源情報取得ルーチンを表すフローチャートである。 エージェントプログラム配信ルーチンを表すフローチャートである。 演算処理配分設定ルーチンを表すフローチャートである。 演算処理配分テーブルである。
以下、本発明の一実施形態に係る電力管理システムについて図面を用いて説明する。図1は、電力系統および電力管理システムの概略構成図である。電力系統は、発電所10に設けられる発電設備11と、発電設備11で発電した電力を需要家にまで供給する送配電設備12とを含んでいる。発電所10は、発電設備11として、風力発電設備、太陽光発電設備などを備えている。送配電設備21は、発電された電力を商用電源電圧に変換して電力供給エリア内の需要家30に供給する。
需要家30には、太陽光発電装置31が任意に設けられている。各需要家30には、需要家30内の電力を管理する需要家電力管理装置40が設けられている。需要家電力管理装置40は、計算機資源であるマイクロコンピュータ、表示装置、記憶装置、操作装置等を備えている(図示略)。需要家電力管理装置40は、例えば、需要家30内の消費電力量の計測、発電電力量の計測、計測した各種電力量の表示および記憶、消費電力量を調整するための電気機器の制御、発電装置の制御、ユーザへの各種の情報提供、など需要家内の電力管理に係る処理を行う装置である。
また、需要家電力管理装置40は、後述するCEMS100、図示しない情報端末装置、および、後述する車載端末50と相互に無線通信あるいは有線通信を行うための通信回路を備えている。情報端末装置は、電力管理に関する各種情報をユーザに通知する装置で、例えば、スマートフォン等の携帯端末、パソコン、家電コントローラ、家電リモコン、フォトフレームなどを使用することができる(図示略)。
需要家電力管理装置40は、管理対象となる需要家の種類(需要家の建物の用途)によって、以下のように複数の種別に分けられる。
HEMS(Home Energy Management System):戸建住宅の電力を管理する。
BEMS(Building Energy Management System):ビル(商用ビルや公共建物)の電力を管理する。
FEMS(Factory Energy Management System):工場の電力を管理する。
MEMS(Mansion Energy Management System):集合住宅の電力を管理する。
このように管理対象となる需要家の種類(需要家の建物の用途)を、需要家種別と呼ぶ。
以下、本明細書においては、需要家電力管理装置40をHEMS40と呼ぶが、電力供給エリア内の需要家30の需要家種別は多種類であって、各需要家30に設けられる需要家電力管理装置40はHEMSに限るものではなく、上記のBEMS、FEMS、BEMSなどであってもよい。
電力管理システムには、地域電力管理装置100が設けられている。地域電力管理装置100は、発電所10からの電力供給と、需要家30の存在する地域における電力需要を管理するものである。地域電力管理装置100は、計算機資源であるマイクロコンピュータ、表示装置、記憶装置、操作装置等を備えている(図示略)。地域の電力を管理する電力管理システムは、一般にCEMS(Community Energy Management System)と呼ばれるため、以下、地域電力管理装置100をCEMS100と呼ぶ。
CEMS100は、情報通信網を介して電力供給エリアのHEMS40と送受信可能に接続されている。また、CEMS100は、需要家30の所有する車両60(例えば、電気自動車EVあるいはプラグインハイブリッド自動車PHV)に設けられた情報端末装置である車載端末50と情報通信網を介して送受信可能に接続されている。車載端末50としては、例えば、カーナビゲーション装置、あるいは、車両情報センターと送受信して各種サービスの提供を受ける通信端末が適している。車載端末50は、計算機資源であるマイクロコンピュータ、表示装置、記憶装置、操作装置、および、無線通信装置を備えている(図示略)。車載端末50は、CEMS100だけでなくHEMS40と送受信できる機能を備えている。尚、図1においては、HEMS40は2つしか示されていないが、実際には、たくさんのHEMS40がCEMS100に対して送受信可能に接続されている。また、車載端末50についても同様である。
本実施形態の電力管理システムは、CEMS100と、CEMS100に送受信可能に接続される複数のHEMS40と車載端末50とから構成されるが、車載端末50を備えない構成であってもよい。
HEMS40は、需要家30内の電力を管理するために、主に、以下の処理を実行する。
1.需要家30内の消費電力量、発電量などの電力量を測定し、その測定結果である需給状態をリアルタイムで需要家内の表示器に表示する処理。
2.需給状態を表す情報をCEMS100に送信する処理。
3.需給状態に応じて家電機器を制御(例えば、オンオフ切替)する処理。
4.CEMS100から送信された信号に対応する処理(例えば、電力消費行動に関するインセンティブ情報の表示、要求された情報の送信、家電機器の制御など)。
こうした処理は、HEMS40内に設けられたマイクロコンピュータの演算処理により実行される。尚、上記のHEMS40の実行する処理は、一例であって、これに限るものではない。
一方、CEMS100は、各需要家30の存在する地域(管理対象となる需要家30の集合を地域として表現したもので、以下、管理対象地域と呼ぶ)における電力供給量と電力需要量とをバランスさせる処理、つまり、電力需給調整を行う。CEMS100は、電力需給調整を行うために、各HEMS40から過去の電力需要の実績等を収集し、これら実績データに基づいて、管理対象地域の将来の電力需要量を予測する。また、気象予報データに基づいて太陽光発電量を予測する。また、CEMS100は、管理対象地域の電力需給予測に基づいて、各HEMS40に対してインセンティブ情報を送信したり家電機器の制御指令を送信したりする。また、CEMS100は、発電所10の電力供給状況を監視するとともに、発電所10に対して必要発電量を要求する。
インセンティブ情報とは、需要家30内の人々(以下、ユーザと呼ぶ)の電力消費行動をコントロールする情報である。インセンティブ情報としては、例えば、電力価格情報、サービスポイント情報、メッセージ情報等を使用することができる。通常よりも高額に設定された電力料金の単価をユーザに知らせることにより、電力消費を抑えるようにユーザを誘導することができ、逆に、通常よりも低額に設定された電力単価をユーザに知らせることにより、電力消費を抑えないように(蓄電装置の充電などを行って積極的に電力消費をするように)ユーザを誘導することができる。また、メール等によって直接的に電力消費を抑制するように指示したり、逆に、電力消費を勧めるように指示したりする情報であってもよい。従って、電力消費行動とは、ユーザが電力消費を抑制する行動(節電行動)だけでなく、その行動を弱める方向、つまり、電力消費を推進する行動も含まれている。
こうした電力管理システムを構築した場合、需要家30の数、つまりHEMS40の数が増加すると、CEMS100の演算量が膨大となり、応答性の悪化を招くおそれがある。そこで、本実施形態の電力管理システムにおいては、CEMS100は、管理対象地域の電力管理(電力需給調整)に必要となる演算処理の一部をHEMS40に割り当てる。この演算処理の割り当てに際しては、HEMS40の性能と演算負荷状態とを含んだ情報である演算余裕度情報を取得し、演算処理余裕度が高いHEMS40ほど、演算負荷の大きな演算処理を割り当てる。尚、本実施形態においては、電力需給調整に必要となる演算処理は、HEMS40に加えて車載端末50にも割り当てられる。以下、HEMS40と車載端末50とを区別する必要がない場合には、両者を需要家EMSと呼ぶ。
本実施形態においては、管理対象地域の電力需給調整に必要となる演算処理のうち、需要家EMSに割り当てることのできる処理は、以下の5つの演算処理に設定されている。尚、これら5つの演算処理の全てが需要家EMSに割り当てられる必要はなく、CEMS100の状態に応じて、需要家EMSに割り当てられる演算処理が決定される。また、この割り当てられる演算処理は、一例であって、任意に設定できるものである。
1.需要家の過去の消費電力量情報に基づいて、当該需要家の電力需要特性を求める演算処理(電力需要特性演算処理と呼ぶ)。
2.需要家の電力需要特性に基づいて、当該需要家の将来の電力需要を予測する演算処理(電力需要予測演算処理と呼ぶ)。
3.管理対象地域に設けられた太陽光発電装置の発電量を予測する演算処理(太陽光発電予測演算処理と呼ぶ)。
4.電力料金の単価を演算する処理(電力料金演算処理と呼ぶ)。
5.サービスポイントを演算する処理(ポイント演算処理と呼ぶ)。
尚、電力料金演算処理とポイント演算処理は、ユーザの電力消費行動を変化させるインセンティブ情報を生成する演算処理となる。
このようにするために、電力管理システムにおいては、CEMS100と複数の需要家EMS(HEMS40および車載端末50)とにより分散処理系が形成されている。CEMS100には、ホストプログラムHPがインストールされており、需要家EMSにはエージェントプログラムAPがインストールされている。エージェントプログラムAPは、CEMS100から需要家EMSに情報通信網を介して配信される。ホストプログラムHPは、電力管理システム全体として演算処理が適切な状態となるように分散処理系を管理する機能を有する。一方、エージェントプログラムAPは、上記5つの演算処理を記憶するとともに、ホストプログラムHPから指示された演算処理を実行し、その演算結果をホストプログラムHPに対して送信する機能を有する。
図2は、計算機資源情報取得ルーチンを表すフローチャートである。この計算機資源情報取得ルーチンは、所定の周期にて実行される。CEMS100は、ステップS10において、各需要家EMSに対して、計算機資源情報の要求を送信する。計算機資源情報とは、需要家EMSの性能および演算負荷状態を表す情報である。例えば、需要家EMSの性能を表す情報としては、OS(Operating System)種類、OSバーション、CPUの種類、CPUのクロック数、CPUのコア数、CPUキャッシュメモリ容量、メインメモリ容量、ハードディスク容量等の情報である。また、需要家EMSの演算負荷状態を表す情報としては、CPU使用率、メインメモリ使用率等の情報である。
需要家EMSは、ステップS20において、計算機資源情報の要求を受信すると、ステップS21において、自身の計算機資源情報をCEMS100に送信する。CEMS100は、ステップS11において、各需要家EMSの計算機資源情報を受信すると、ステップS12において、計算機資源情報に基づいて、需要家EMSの演算処理余裕度を演算する。この場合、需要家EMSの性能が高いほど、かつ、演算負荷状態が低いほど(CPU使用率、メインメモリ使用率が低いほど)高い演算処理余裕度が設定される。例えば、CEMS100は、需要家EMSの性能が高いほど大きな値に設定される性能指標A1と、需要家EMSの演算負荷状態が低いほど大きな値に設定される負荷指数A2とを決定し、性能指標A1と負荷指数A2との乗算値を演算処理余裕度として設定する。
図3は、エージェントプログラム配信ルーチンを表すフローチャートである。CEMS100は、ステップS30において、各需要家EMSから取得した計算機資源情報に基づいて、各需要家EMSの環境(特に、OS)に適したエージェントプログラムAPを選択し、選択したエージェントプログラムAPを各需要家EMSに送信する。各需要家EMSは、ステップS40において、エージェントプログラムAPを受信すると、ステップS41において、エージェントプログラムAPを記憶装置にインストールする。尚、CEMS100は、エージェントプログラムAPのバージョンアップ、および、不具合修正が必要な場合においても、各需要家EMSへ更新エージェントプログラムAPを各需要家EMSに配信する。各需要家EMSは、インストールされているエージェントプログラムAPを、配信された更新エージェントプログラムAPに更新する。
このように各需要家EMSにエージェントプログラムAPがインストールされた後においては、各需要家EMSはエージェントプログラムAPを実行することにより、管理対象地域における電力管理に必要となる演算処理が可能となる。また、その演算処理を実行するために必要な各種情報をCEMS100から受信できるとともに、演算結果を表す情報をCEMS100に送信できるようになる。
次に、管理対象地域の電力需給調整に必要となる演算処理の需要家EMSへの配分について説明する。図4は、演算処理配分設定ルーチンを表すフローチャートである。CEMS100は、ステップS50において、各需要家EMSの演算処理余裕度に基づいて、各需要家EMSに配分する演算処理を設定する。この場合、CEMS100は、演算処理の配分を図5に示すような演算処理配分テーブルに設定する。この例では、管理対象地域の電力需給調整に必要となる演算処理のうちの5つの演算処理が、演算処理余裕度に応じて各需要家EMSに配分される。図5(a)は、CEMS100にシステム障害が発生していない通常時の配分の例を表し、図5(b)は、CEMS100にシステム障害が発生している時の配分の例を表す。図中において、○は、需要家EMSに配分された演算処理(需要家EMSで実行する演算処理)を表し、×は、需要家EMSに配分されない演算処理(需要家EMSで実行しない演算処理であってCEMS100で実行する演算処理)を表す。この例では、3つの需要家EMSについての配分を表しているが、演算処理配分テーブルには、管理対象地域の全需要家EMSについての配分が設定されている。
本実施形態においては、需要家EMSに配分される演算処理として、電力需要特性演算処理、電力需要予測演算処理、太陽光発電予測演算処理、電力料金演算処理、および、ポイント演算処理が決められている。電力需要特性演算処理と電力需要予測演算処理は、他の3つの演算処理に対して優先して需要家EMSに配分される。また、演算処理余裕度が高い需要家EMSほど、演算負荷の大きな処理(この例では、複数種類の演算処理)が配分される。
例えば、図5(a)の例では、需要家IDがEMS_1の需要家EMS(需要家EMS_1と呼ぶ)は、演算処理余裕度が5であり、需要家IDがEMS_2の需要家EMS(需要家EMS_2と呼ぶ)は、演算処理余裕度が1であり、需要家IDがEMS_3の需要家EMS(需要家EMS_3と呼ぶ)は、演算処理余裕度が4である。また、演算処理余裕度は、任意の段階数(例えば、0〜5の6段階)で表される。この例では、最も演算処理余裕度の高い需要家EMS_1に対して、電力需要特性演算処理、電力需要予測演算処理、および、太陽光発電予測演算処理が配分される。また、演算処理余裕度が低い需要家EMS_2に対しては、電力需要特性演算処理のみが配分される。また、演算処理余裕度が4に設定された需要家EMS_3に対しては、電力需要特性演算処理と電力需要予測演算処理とが配分される。尚、演算処理余裕度が同じ値となる需要家EMSに対して、必ずしも同じ演算処理を割り当てる必要はない。また、配分先が需要家EMSの場合と車載端末50との場合とで、演算処理の負担を異なるように設定してもよい。
例えば、演算処理余裕度が1以上となる需要家EMSには、電力需要特性演算処理を配分する(演算処理余裕度が0となる需要家EMSには、演算処理を配分しない)。更に、演算処理余裕度が3以上となる需要家EMSには、電力需要予測演算処理を追加配分する。更に、演算処理余裕度が5となる需要家EMSには、太陽光発電予測演算処理、電力料金演算処理、ポイント演算処理のうちの少なくとも1つを追加配分する。
また、CEMS100にシステム障害(例えば、ソフトウェア不具合によるシステムパフォーマンスの低下、サーバへのアクセス集中によるシステムパフォーマンスの低下、ネットワーク機器のトラブルによる通信遅延等)が発生している場合には、CEMS100の演算処理能力が低下する。そこで、CEMS100は、システム障害等によって自身の演算処理能力が通常時に比べて低下しているか否かを判断し、演算処理能力が低下していると判定した場合には、需要家EMSに割り当てる演算処理量を増加させる。例えば、図5(b)に示す演算処理配分テーブルのように、需要家EMS_1と需要家EMS_3とに対して、上記5つの演算処理を割り当てる。また、需要家EMS_2に対しては、演算処理余裕度が少ないため、割り当てる演算処理量を増加させない。
CEMS100は、このように演算処理を配分した演算処理配分テーブルを設定すると、ステップS51において、演算処理配分テーブルを各需要家EMSに送信する。各需要家EMSは、ステップS60において、演算処理配分テーブルを受信すると、ステップS61において、演算処理配分テーブルを参照して、自身に割り当てられた演算処理(需要家IDで特定される需要家EMSの演算処理)を実行する。エージェントプログラムAPには、管理対象地域の電力需給調整に必要となる上記5つの演算処理プログラムが含まれている。需要家EMSは、エージェントプログラムAPの中から割り当てられた演算処理プログラムを実行する。
CEMS100は、ステップS51において演算処理配分テーブルを送信した後は、ステップS52において、需要家EMSに割り当てた演算処理を除く、管理対象地域の電力需給調整に必要となる演算処理を実行する。
CEMS100および需要家EMSは、それぞれ演算処理を実行した後は、ステップS53およびステップS62において、演算処理結果を互いに送受信することにより共有する。従って、CEMS100は、需要家EMSの演算処理結果を使って、自身の演算処理を実行できるようになる。同様に、需要家EMSは、CEMS100の演算処理結果を使って、自身の演算処理を実行できるようになる。
尚、車載端末50は、自身が搭載された車両60のイグニッションスイッチがオンしている状況では、割り当てられている演算処理を実行せず、イグニッションスイッチがオフしている状況においてのみ、割り当てられている演算処理を実行するように構成されている。従って、車両60の走行中においては、車載端末50の演算負荷が増加しないため、車両走行に影響を及ぼさないようにすることができる。例えば、車載端末50は、CEMS100から演算処理が割り当てられた場合、イグニッションスイッチがオンしている状況である場合には、CEMS100に対して、演算処理できない状況であることを表す演算不能信号を送信する。CEMS100は、演算不能信号を受信すると、当該演算処理を別の需要家EMSに割り当てる。
次に、需要家EMSに割り当てられる5つの演算処理について説明する。この5つの演算処理は、管理対象地域の電力需給調整に必要となる演算処理であるが、割り当てられる優先度が決められている。本実施形態においては、需要家EMSが演算処理を実行するに当たって、CEMS100から入手する必要のある演算用データが少なくてすむ演算処理が、CEMS100から入手する必要のある演算用データが多い演算処理に比べて、優先的に需要家EMSに割り当てられる。
例えば、電力需要特性演算処理と電力需要予測演算処理については、当該需要家EMSで検出された過去の消費電力量情報等に基づいて演算処理を行うことができるため、CEMS100から演算処理に必要となる演算用データを入手する必要がない、あるいは、CEMS100から入手する必要のある演算用データが少なくてすむ。従って、上記2つの演算処理に関しては、需要家EMSで検出された過去の消費電力量情報をCEMS100に送信して、CEMS100で上記演算処理を実行するよりも、各需要家EMSで実行したほうがデータの授受を少なくすることができ、効率良く演算することができる。このため、電力需要特性演算処理と電力需要予測演算処理については、優先的に需要家EMSに割り当てられる。
電力需要特性演算処理は、演算処理を実行する需要家EMSが設けられた需要家30における電力需要特性を求める演算処理である。需要家EMSが車載端末50の場合には、車載端末50を搭載した車両60を所有する需要家30における電力需要特性を求める演算処理である。電力需要特性は、需要家30における将来の電力需要を予測するために必要となるデータであって、例えば、時間帯毎の平均的な消費電力量の推移を表したデータ(推移特性と呼ぶ)、および、インセンティブ情報がユーザに通知されることによって消費電力量が調整される応答度合(調整電力量)を時間帯毎に表したデータ(応答特性と呼ぶ)などを含んでいる。
推移特性は、曜日、季節によって異なるため、好ましくは、曜日、月別に表されるデータであるとよい。需要家EMSは、当該需要家30における過去の消費電力履歴等に基づいて推移特性を算出する。
応答特性は、例えば、インセンティブ情報によってユーザに対して電力消費行動を変化させる誘導を行った場合の電力消費の変化量(例えば、節電電力量)を表すデータであって、時間帯毎に設定されるものである。この応答特性は、ユーザに対して電力消費行動を誘導した場合と、電力消費行動を誘導していない場合とにおける、誘導の度合ごとの消費電力量の差を演算したものである。応答特性は、上記のように過去の応答実績に基づいて演算されても良いが、例えば、消費電力量の時間的な推移を分析して、需要家で削減可能な消費電力量を時間帯別に推定したものであってもよい。あるいは、需要家EMSが需要家に設けられている家電機器を把握している場合には、その家電機器の種類に基づいて、需要家で削減可能な消費電力量を時間帯別に推定したものであってもよい。需要家EMSは、上述した電力需要特性を演算し、その都度、電力需要特性を更新する。
次に、電力需要予測演算処理について説明する。電力需要予測演算処理は、演算処理を実行する需要家EMSが設けられた需要家30における電力需要を予測する演算処理である。需要家EMSが車載端末50の場合には、車載端末50を搭載した車両60を所有する需要家30における電力需要を予測する演算処理である。電力需要の予測は、予測対象期間(例えば、現時点から1日分)における時間帯毎の消費電力量の予測である。需要家EMSは、電力需要特性を参照して、予測対象期間における日時、曜日、インセンティブ情報等の諸元に基づいて、電力需要予測演算処理を実行する。また、需要家30に設けられた家電機器の予約、および、車載バッテリの充電計画(充電予約)が設定されている場合には、その作動による消費電力量も考慮される。需要家EMSは、演算した電力需要予測を表す情報をCEMS100に送信する。
需要家EMSは、割り当てられた処理が、電力需要特性演算処理と電力需要予測演算処理とを含んでいる場合には、電力需要特性演算処理で演算した電力需要特性を記憶装置に記憶し、その記憶した電力需要特性を用いて電力需要予測演算を実行する。また、需要家EMS100は、割り当てられた処理が電力需要特性演算処理のみである場合(例えば、図5(a)の需要家EMS_2)は、電力需要特性演算処理で演算した電力需要特性をCEMS100に送信する。
一方、太陽光発電予測演算処理、電力料金演算処理、ポイント演算処理については、各需要家EMSから得られる情報等を総合して演算する必要があるため、CEMS100で演算する方が好ましい。従って、この3つの演算処理については、上記2つの演算処理(電力需要特性演算処理、電力需要予測演算処理)に比べて、需要家EMSに割り当てる優先度が低く設定されている。しかし、この3つの演算処理においても、CEMS100での演算処理量が多くなった場合には、演算処理時間が長くなってしまうため、必要に応じて需要家EMSに割り当てられる。
太陽光発電予測演算処理は、管理対象地域に設けられた太陽光発電装置の発電量を予測する演算処理である。この演算処理を実行するに当たって、需要家EMSは、管理対象地域に設けられた全ての太陽光発電装置について、その発電能力を表す発電装置データをCEMS100から取得するとともに、予測対象期間における時間帯毎の気象データを気象情報サイト等から取得する。CEMS100は、予め、各需要家EMSから需要家に設けられている太陽光発電装置の発電能力、および、需要家の太陽光発電装置とは別にCEMS100によって管理される太陽光発電装置の発電能力を表す発電装置データを取得して記憶しており、この発電装置データを需要家EMSに提供する。この発電装置データは、複数種類の天候に対する過去の太陽光発電電力の実績データであってもよい。需要家EMSは、発電装置データと、予測対象期間における管理対象地域の気象データとに基づいて、管理対象地域に設けられた太陽光発電装置の発電量を時間帯ごとに予測演算し、その演算結果をCEMS100に送信する。
次に、電力料金演算処理について説明する。電力料金演算処理は、管理対象地域の需要家30の消費電力料金の単価(以下、電力単価と呼ぶ)を演算する処理である。電力単価は、単に現時点の電力単価をユーザに通知するためのものだけでなく、ユーザの電力消費行動をコントロールするインセンティブ情報としても機能する。電力単価を各需要家EMSからユーザに知らしめることによって、ユーザの電力消費行動を変化させることができる。例えば、電力単価を基準単価(平均的な単価)よりも高く設定すれば、ユーザは節電に心掛ける。一方、電力単価を基準単価よりも安く設定すれば、ユーザは節電を緩めたり、電力消費を推進したりする。例えば、車載バッテリの充電を行ったり、空調機の設定温度を節電温度から快適温度に変更したりする。従って、電力単価を時間帯ごとに変更することによって、時間帯ごとに電力需給調整を行うことができる。
電力料金演算処理を実行するにあたって、需要家EMSは、予測対象期間における、管理対象地域の全ての需要家の予測電力需要量と予測太陽光発電量とをCEMS100に対して要求し、CEMS100から送信された予測電力需要量と予測太陽光発電量とを表す情報に基づいて、管理対象地域における電力需給状態を予測する。この予測電力需要量は、電力需要予測演算処理によって演算された各需要家の電力需要量である。また、予測太陽光発電量は、太陽光発電予測演算処理によって演算された太陽光発電量である。需要家EMSは、全ての需要家30(需要家EMSを備えた管理対象となる需要家)の予測電力需要量を合計することにより管理対象地域における全電力需要量を予測し、この全電力需要量から予測太陽発電量を減算した値である予測引込電力量を算出する。この予測引込電力量は、正の値であれば、発電所10から管理対象地域に引き込まれる電力量を表すが、負の値であれば、管理対象地域で発生する予測余剰電力量を表す。予測引込電力量は、予測対象期間において、所定の時間幅に設定された時間帯毎に演算される。
電力管理システムにおいては、管理対象地域の引込電力量と余剰電力量とが平準化されるように時間帯毎に電力単価が設定される。従って、電力単価は、予測引込電力量が大きいほど高くなるように設定され、逆に、予測引込電力量が小さいほど(負の場合は、その絶対値が大きいほど)低く設定される。例えば、電力単価Cは、次式に示すように、予測引込電力量Pに単価変換係数αを乗算した値(P×α)を単価調整額として、予め設定された基準単価(平均的な電力単価Cbase)に単価調整額を加算した値とすればよい。
C=Cbase+(P×α)
需要家EMSは、電力単価を演算すると、電力単価を表す情報をCEMS100に送信する。CEMS100は、電力単価を表す情報を管理対象地域の全ての需要家EMSに送信する。各需要家EMSは、電力単価を表示器に表示するとともに、ユーザの使用する情報端末に電力単価を通知する。
次に、ポイント演算処理について説明する。ポイント演算処理は、管理対象地域の電力需給状態に応じて設定されるサービスポイントを演算する処理である。サービスポイントは、電力単価と同様に、ユーザの電力消費行動をコントロールするインセンティブ情報として機能する。サービスポイントは、例えば、節電度合が大きい場合にユーザに付与されるものである。この節電度合は、例えば、契約容量(電力量に換算した値)と実際に消費した消費電力量との関係から、契約容量に対する消費電力量の比が小さいほど大きな値に設定される。サービスポイントは、節電度合が一定値以上である場合に、節電度合に対応させて、節電度合が大きいほど高く設定される。
管理対象地域の予測引込電力量が多い場合には、できるだけ需要家30での消費電力量を抑える必要がある。そうした場合、予測引込電力量が多いほど、節電度合に対するサービスポイントを高く設定することでユーザに節電行動を促すことができる。
ポイント演算処理を担当する需要家EMSは、管理対象地域の予測引込電力量を演算し、この予測引込電力量に応じて設定されるサービスポイントを演算する。予測引込電力量は、予測対象期間において、所定の時間幅に設定された時間帯毎に演算されるが、上記の電力料金演算処理で演算された演算結果を利用することができる。サービスポイントについても上記の時間帯毎に演算される。
需要家EMSは、例えば、予測引込電力量Pが一定値を超えていない場合には、通常のサービスポイントを設定し、予測引込電力量Pが一定値を超えている場合には、予測引込電力量Pが多いほど、節電度合に対して高くなるサービスポイントを演算する。つまり、節電度合が同じであっても、予測引込電力量Pが多いほど高くなるサービスポイントを演算する。需要家EMSは、算出されたサービスポイントをCEMS100に送信する。CEMS100は、サービスポイントを表す情報を管理対象地域の全ての需要家EMSに送信する。各需要家EMSは、設定されているサービスポイントを表示器に表示するとともに、ユーザの使用する情報端末にサービスポイントを通知する。
こうした電力単価、サービスポイントは、管理対象地域の電力需給を調整する需給調整量に対応したものとなる。
尚、電力需要特性、電力需要予測、太陽光発電予測、電力単価、サービスポイントは、時間帯毎に演算されるが、この時間帯は、例えば、1時間刻みといった所定の時間幅に区切られた時間帯を表し、その時間幅は、任意に設定できるもの(例えば、30分など)である。
また、太陽光発電予測演算処理、電力料金演算処理、ポイント演算処理は、管理対象地域全体に係る演算処理であるが、それぞれ1つの需要家EMSによって実行される必要はない。例えば、管理対象地域を複数に区分して、区分された地域ごとに演算処理を分けるようにしてもよい。
以上説明した本実施形態の電力管理システムによれば、管理対象地域の電力管理に必要な演算処理の一部が需要家EMSに割り当てられるため、CEMS100に演算負荷が集中することを低減できる。しかも、演算処理余裕度が高い需要家EMSほど、演算負荷の大きな演算処理が割り当てられるため、需要家EMSの演算処理能力を有効利用することができる。これにより、各需要家EMSにおける本来の演算処理(HEMS40であれば、需要家内の電力管理に必要な演算処理)に支障をきたさないようにしつつ、管理対象地域の電力管理に必要となる演算処理能力を向上させることができる。尚、「演算処理余裕度が高い需要家EMSほど、演算負荷の大きな演算処理が割り当てられる」とは、電力管理システム全体をみて上記の傾向を有すれば良く、個々の需要家EMSの演算処理余裕度と演算負荷の大きさとの関係を細かく規定する必要はない。
この結果、電力管理システム全体としての演算処理能力が向上し、電力需給調整に係る応答性を向上させることができる。特に、太陽光発電装置が普及した地域においては、地域内における発電電力量が天候によって大きく変動するため、需給調整の早い応答性が要求されるが、本実施形態によれば、そうした要求に応えることができる。従って、需要家数が増大した場合であっても、電力需給調整を適正に行うことができる。また、CEMS100の演算能力を増強する必要がないため、低コストにて実施することができる。
また、CEMS100にシステム障害が発生した場合のようにCEMS100の演算処理能力が低下した場合には、需要家EMSに割り当てられる演算処理量が増加するため、CEMS100の演算負荷が軽減される。この結果、管理対象地域の電力管理に必要な演算処理を適切に継続することができる。
また、CEMS100から需要家EMSに割り当てられる演算処理に関しては、CEMS100から入手する必要のある演算用データが少なくてすむ演算処理が、CEMS100から入手する必要のある演算用データが多い演算処理に比べて優先的に需要家EMSに割り当てられる。従って、管理対象地域の電力管理に必要な演算処理を電力管理システム全体で効率良く実行できる。
以上、本実施形態に係る電力管理システムについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、CEMS100が各需要家EMSから計算機資源情報を取得するが、それに代えて、特定の需要家EMSが、他の需要家EMSから計算機資源情報を取得してCEMS100に提供する構成であってもよい。また、特定の需要家EMSが、演算処理配分設定ルーチンを実行して、その演算処理配分結果をCEMS100および他の需要家EMSに通知する構成であってもよい。また、管理対象地域の電力管理に必要な演算処理は、必ずしも複数の需要家EMSに配分される必要はなく、特定の1つの需要家EMSに配分される構成であってもよい。
30…需要家、31…太陽光発電装置、40…需要家電力管理装置(HEMS)、50…車載端末、60…車両、100…地域電力管理装置(CEMS)、AP…エージェントプログラム、HP…ホストプログラム。

Claims (7)

  1. 需要家ごとに設けられ、第1計算機資源を備え、前記第1計算機資源を用いて前記需要家の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記需要家の電力を管理する需要家電力管理装置と、
    複数の前記需要家電力管理装置と送受信可能に設けられ、第2計算機資源を備え、前記第2計算機資源を用いて、前記複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の存在する地域の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記地域の電力を管理する地域電力管理装置とを備えた電力管理システムにおいて、
    複数の前記需要家電力管理装置ごとの前記第1計算機資源における演算処理余裕度の指標となる演算余裕度情報を取得する演算余裕度取得手段と、
    前記演算処理余裕度に基づいて、前記地域の電力管理に必要な演算処理の一部を、少なくとも1つの前記需要家電力管理装置に割り当てる演算処理割当手段と
    を備えた電力管理システム。
  2. 請求項1記載の電力管理システムにおいて、
    前記演算余裕度情報は、前記第1計算機資源の性能と演算負荷状態とを含んだ情報である電力管理システム
  3. 請求項1または2記載の電力管理システムにおいて、
    前記演算処理割当手段は、前記第1計算機資源における演算処理余裕度が高い前記需要家電力管理装置ほど、演算負荷の大きな演算処理を割り当てるように構成された電力管理システム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項記載の電力管理システムにおいて、
    前記演算処理割当手段は、前記第2計算機資源の演算処理能力が低下した場合に、前記需要家電力管理装置に割り当てる演算処理量を増加させるように構成された電力管理システム。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項記載の電力管理システムにおいて、
    前記演算処理割当手段は、前記需要家電力管理装置が演算処理を実行するために前記地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが少ない演算処理を、前記地域電力管理装置から取得する必要のある演算用データが多い演算処理よりも優先して前記需要家電力管理装置に割り当てるように構成された電力管理システム。
  6. 需要家ごとに設けられ、第1計算機資源を備え、前記第1計算機資源を用いて前記需要家の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記需要家の電力を管理する需要家電力管理装置と、
    複数の前記需要家電力管理装置と送受信可能に設けられ、第2計算機資源を備え、前記第2計算機資源を用いて、前記複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の存在する地域の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記地域の電力を管理する地域電力管理装置とを備えた電力管理システムに設けられる地域電力管理装置において、
    複数の前記需要家電力管理装置ごとの第1計算機資源における演算処理余裕度の指標となる演算余裕度情報を取得する演算余裕度取得手段と、
    前記演算処理余裕度に基づいて、前記地域の電力管理に必要な演算処理の一部を、少なくとも1つの前記需要家電力管理装置に割り当てる演算処理割当手段と
    を備えた地域電力管理装置。
  7. 需要家ごとに設けられ、第1計算機資源を備え、前記第1計算機資源を用いて前記需要家の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記需要家の電力を管理する需要家電力管理装置と、
    複数の前記需要家電力管理装置と送受信可能に設けられ、第2計算機資源を備え、前記第2計算機資源を用いて、前記複数の需要家電力管理装置によってそれぞれ電力が管理される需要家の存在する地域の電力管理に必要となる演算処理を実行して、前記地域の電力を管理する地域電力管理装置とを備えた電力管理システムに設けられる需要家電力管理装置において、
    第1計算機資源における演算処理余裕度の指標となる演算余裕度情報を前記地域電力管理装置に送信する演算余裕度送信手段と、
    前記地域電力管理装置によって割り当てられた、前記地域の電力管理に必要な演算処理の一部を実行する地域電力管理演算処理手段と
    を備えた需要家電力管理装置。
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