以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[エネルギ管理システム100の概要]
図1は、エネルギ管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、エネルギ管理システム100は、共同体102を構成する複数の機器(単に、共同体102と称される場合がある。)と、共同体104を構成する複数の機器(単に、共同体104と称される場合がある。)と、共同体106を構成する複数の機器(単に、共同体106と称される場合がある。)とを備える。エネルギ管理システム100は、広域管理サーバ180を備えてもよい。
本実施形態において、共同体102は、需給家施設112と、需給家施設114と、変電設備120と、送配電網122と、エネルギ管理設備140と、融通設備160とを備える。共同体102を構成する複数の機器のそれぞれは、通信ネットワーク14を介して、互いに情報を送受してよい。共同体102のエネルギ管理設備140は、通信ネットワーク14を介して、他の共同体との間で情報を送受してよい。共同体102のエネルギ管理設備140は、通信ネットワーク14を介して、広域管理サーバ180との間で情報を送受してよい。
本実施形態において、共同体104及び共同体106は、融通設備160を備えない点を除いて、共同体102と同様の構成を有してよい。本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、エネルギ管理システム100が、共同体102と、共同体104と、共同体106とを備える場合について説明する。しかしながら、エネルギ管理システム100に含まれる共同体の個数は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理システム100は、1又は複数(1以上と称される場合がある。)の共同体を含む。
エネルギ管理システム100は、1以上の共同体102を備えてよい。エネルギ管理システム100は、1以上の共同体104を備えてよい。エネルギ管理システム100は、1以上の共同体106を備えてよい。エネルギ管理システム100は、共同体102を備えなくてもよい。エネルギ管理システム100は、共同体104を備えなくてもよい。エネルギ管理システム100は、共同体106を備えなくてもよい。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、共同体102が、需給家施設112と、需給家施設114とを備える場合について説明する。しかしながら、共同体102に含まれる需給家施設の個数は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、共同体102は3以上の需給家施設を含む。
エネルギ管理システム100は、電力システムの一例であってよい。共同体102は、電力システムの一例であってよい。共同体104は、電力システムの一例であってよい。共同体106は、電力システムの一例であってよい。需給家施設112は、一の電力需給家、制御装置及び電力システムの一例であってよい。需給家施設114は、一の電力需給家、制御装置及び電力システムの一例であってよい。需給家施設112及び需給家施設114は、1以上の電力需給家の一例であってよい。エネルギ管理設備140は、電力システムの一例であってよい。
本実施形態において、共同体102の送配電網122は、変電設備120を介して、系統電力網12と電気的に接続される。また、共同体102の送配電網122は、融通設備160を介して、自営線16と電気的に接続される。本実施形態において、共同体104の送配電網122は、変電設備120を介して、系統電力網12と電気的に接続される。また、共同体104の送配電網122は、自営線16と電気的に接続され、自営線16を介して、共同体102の融通設備160と電気的に接続される。本実施形態において、共同体106の送配電網122は、変電設備120を介して、系統電力網12と電気的に接続される。
本実施形態によれば、共同体102及び共同体104は、系統電力網12を介して、間接的に電力を融通することができる。また、共同体102及び共同体104は、自営線16を介して、互いに電力を融通することができる。共同体102及び共同体106は、系統電力網12を介して、間接的に電力を融通することができる。共同体104及び共同体106は、系統電力網12を介して、間接的に電力を融通することができる。
ここで、「要素A及び要素Bが電気的に接続される」とは、要素A及び要素Bが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。また、要素A及び要素Bとの間に、要素A及び要素Bを電気的に接続するための部材が介在していてもよい。上記の部材としては、導電体、開閉器又はスイッチ、変成器などを例示することができる。
本実施形態において、系統電力網12は、商用電源と電気的に接続される。系統電力網12は、電力事業者又は送電事業者により提供される電力系統であってよい。系統電力網12は、複数の電力事業者又は複数の送電事業者の電力系統を含んでよい。電力系統は、発電、変電、送電、配電が統合されたシステムであってよい。
本実施形態において、通信ネットワーク14は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク14は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク14は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
本実施形態において、共同体102、共同体104及び共同体106のそれぞれは、複数の需給家により構成されるグループであってよい。各共同体の構成員は、例えば、エネルギの需給に関して利害を共有する。複数の需給家のそれぞれは、需給家施設(例えば、需給家施設112、需給家施設114などである。)を所有、占有又は使用する。複数の需給家の一部は、電力小売り業者であってもよい。需給家施設112及び需給家施設114の詳細は後述される。
本実施形態において、変電設備120は、系統電力網12と、送配電網122との間の電力の流通を制御する。変電設備120の動作は、エネルギ管理設備140により制御されてよい。
一実施形態において、変電設備120は、系統電力網12の高圧電力を受電し、当該電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換する。変電設備120は、変換後の電気を送配電網122に流通させる。他の実施形態において、変電設備120は、送配電網122の低圧電力を受電し、当該電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換する。変電設備120は、変換後の電気を系統電力網12に流通させる(逆潮流と称される場合がある)。さらに他の実施形態において、変電設備120は、系統電力網12と、送配電網122との電気的な接続関係を切り替える。これにより、例えば、送配電網122が系統電力網12から切り離された状態と、送配電網122が系統電力網12に接続された状態とが切り替えられ得る。
本実施形態において、送配電網122は、共同体102を構成する複数の機器の間で、電気を流通させる。送配電網122の一部は、系統電力網12の所有者、管理者又は運営者が所有又は管理する電力網であってもよい。送配電網122の少なくとも一部は、共同体102が所有又は管理する電力網であってもよい。
本実施形態において、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用されるエネルギを管理する。例えば、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用されるエネルギの需要及び供給を管理する。エネルギとしては、電気、ガス、水素、熱などを例示することができる。
本実施形態において、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用される電力を管理する。例えば、エネルギ管理設備140は、送配電網122を介して提供される電力の安定性及び品質を管理する。エネルギ管理設備140は、共同体102の電力需給を管理してよい。例えば、エネルギ管理設備140は、例えば、送配電網122と、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれとの間の送受電を管理する。
エネルギ管理設備140は、共同体102の電力需給の状態を監視し、送配電網122を流れる電気の過不足を調整してよい。本実施形態において、エネルギ管理設備140は、複数の需給家施設の電力需給を集約又は調整してもよい。複数の需給家施設の電力需給を集約又は調整する設備は、アグリゲータと称される場合がある。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、エネルギ管理設備140が共同体102で利用される電力を管理する場合を例として、エネルギ管理システム100及びエネルギ管理設備140の詳細が説明される。しかしながら、エネルギ管理システム100及びエネルギ管理設備140は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理設備140は、電力以外のエネルギを管理してもよい。
エネルギ管理設備140は、変電設備120に対する命令であって、系統電力網12と、送配電網122との電気的な接続関係を切り替えさせるための命令を、変電設備120に出力してよい。これにより、エネルギ管理設備140は、例えば、送配電網122が系統電力網12から切り離された状態と、送配電網122が系統電力網12に接続された状態とを切り替えることができる。エネルギ管理設備140の詳細は後述される。
本実施形態において、融通設備160は、共同体102及び共同体104の間で電力を融通する。融通設備160は、系統電力網12を介さずに、共同体102及び共同体104の間で電力を融通してよい。融通設備160の詳細は後述される。
本実施形態において、広域管理サーバ180は、系統電力網12を介して提供される電力の安定性及び品質を管理する。広域管理サーバ180は、系統電力網12の電力需給を管理してよい。例えば、広域管理サーバ180は、系統電力網12と、共同体102、共同体104及び共同体106のそれぞれとの間の送受電を管理する。広域管理サーバ180は、(i)系統電力網12から、共同体102、共同体104及び共同体106のそれぞれへの送電と、(ii)共同体102、共同体104及び共同体106のそれぞれから、系統電力網12への送電とを管理してよい。広域管理サーバ180は、系統電力網12の電力需給の状態を監視し、系統電力網12を流れる電気の過不足を調整してよい。
[エネルギ管理システム100の各部の具体的な構成]
エネルギ管理システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。エネルギ管理システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
エネルギ管理システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、エネルギ管理システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、エネルギ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。コンピュータをエネルギ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、エネルギ管理システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータをエネルギ管理システム100の各部として機能させたり、コンピュータにエネルギ管理システム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、エネルギ管理システム100の各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じたエネルギ管理システム100が構築される。
[需給家施設の各部の概要]
図2は、需給家施設112の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、需給家施設112は、1以上の電力負荷210と、電源設備220とを備える。需給家施設112は、配分電設備230と、コントローラ240と、1以上の需給家端末250とを備えてもよい。本実施形態において、電源設備220は、1以上の発電装置222と、1以上の蓄電装置224とを備える。なお、需給家施設112は、上記の構成要素の少なくとも1つを備えなくてもよい。一実施形態において、需給家施設112は、電源設備220を備えなくてよい。他の実施形態において、需給家施設112は、発電装置222及び蓄電装置224の一方を備えなくてもよい。他の実施形態において、需給家施設112は、需給家端末250を備えなくてもよい。なお、需給家施設114は、需給家施設112と同様の構成を有してよい。
電源設備220は、電源部の一例であってよい。配分電設備230は、余剰電力取得部の一例であってよい。コントローラ240は、第1演算処理部の一例であってよい。コントローラ240は、資源量決定部及び制御装置の一例であってよい。
本実施形態において、電力負荷210は、電気を使用する。電力負荷210は、電力を消費する電気機器であってよい。電力負荷210は、電気自動車22、携帯可能な蓄電池24、需給家端末250などを充電する充電機器であってもよい。電力負荷210の少なくとも一部の動作は、コントローラ240により制御されてよい。電気自動車22は、蓄電池を含む。携帯可能な蓄電池24は、蓄電池を含む携帯機器の一例であってよい。
本実施形態において、電源設備220は、他の機器に電力を供給する。需給家施設112の電源設備220により提供される電力は、(i)需給家施設112の内部で使用されてもよく、(ii)需給家施設112の配分電設備230を介して、需給家施設112の外部に提供されてもよく、(iii)共同体102の変電設備120及び融通設備160の少なくとも一方を介して、共同体102の外部に提供されてもよい。電源設備220の動作は、コントローラ240により制御されてもよい。
本実施形態において、発電装置222は、電気を発生させる。発電装置222としては、(i)太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電装置などの、再生可能エネルギを利用した発電装置、(ii)燃料電池、(iii)コジェネレーション・システム、(iv)トリジェネレーション・システムなどを例示することができる。
本実施形態において、蓄電装置224は、電気を蓄積する。蓄電装置224は、(i)需給家施設112の発電装置222が発生させた電気を蓄積してもよく、(ii)需給家施設112の外部から提供された電気を蓄積してもよい。本実施形態において、蓄電装置224は、他の機器に電力を供給する。需給家施設112の蓄電装置224により提供される電力は、(i)需給家施設112の内部で使用されてもよく、(ii)需給家施設112の配分電設備230を介して、需給家施設112の外部に提供されてもよく、(iii)共同体102の変電設備120及び融通設備160の少なくとも一方を介して、共同体102の外部に提供されてもよい。
本実施形態において、蓄電装置224は、(i)固定式又は据え付け式の蓄電設備、(ii)電気自動車22、(iii)携帯可能な蓄電池24などを含んでもよい。電気自動車22又は携帯可能な蓄電池24が電源設備220に電気的に接続されると、蓄電装置224の放電可能量(残量と称される場合がある。)及び充電可能量の少なくとも一方が増加する。電気自動車22又は携帯可能な蓄電池24と、電源設備220との間の電気的な接続関係が切断されると、蓄電装置224の放電可能量(残量と称される場合がある。)及び充電可能量の少なくとも一方が減少する。
本実施形態において、配分電設備230は、送配電網122と、需給家施設112の内部の配線との間の電力の流通を制御する。配分電設備230の動作は、コントローラ240により制御されてよい。
一実施形態において、配分電設備230は、送配電網122から電力の供給を受ける。配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に電力を供給する。配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に供給される電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を調整してもよい。配分電設備230は、交流を直流に変換してもよく、直流を交流に変換してもよい。
他の実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の電源設備220から電力の供給を受ける。配分電設備230は、送配電網122に電力を供給する。配分電設備230は、送配電網122に供給される電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を調整してもよい。配分電設備230は、交流を直流に変換してもよく、直流を交流に変換してもよい。
さらに他の実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の内部に供給される電流量を制御する。配分電設備230は、送配電網122と、需給家施設112の内部の配線との電気的な接続関係を切り替えてもよい。例えば、配分電設備230は、遮断器を有し、配分電設備230を流れる電流の値が任意の閾値を超えると当該電流を遮断する。上記の閾値は、任意のタイミングにおいて、コントローラ240により設定されてもよい。
本実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に供給された電気の瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を計測してよい。配分電設備230は、送配電網122に供給された電気の瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を計測してよい。配分電設備230は、1又は複数の電力量計を備えてよい。配分電設備230は、計測された瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を示す情報をコントローラ240に出力してよい。配分電設備230及びコントローラ240は、通信ネットワーク14を介して情報を送受してよい。これらの情報は、需給家施設112の余剰電力を示す情報の一例であってよい。
本実施形態において、コントローラ240は、需給家施設112を制御する。コントローラ240は、需給家施設112の内部に配された機器の少なくとも一部を制御してよい。コントローラ240は、需給家施設112の内部に配された機器の少なくとも一部の状態を監視してもよい。コントローラ240は、任意の演算処理を実行してよい。コントローラ240は、通信ネットワーク14を介して、各機器との間で情報を送受してよい。コントローラ240の詳細は後述される。
本実施形態において、コントローラ240は、エネルギ管理設備140と協働して各種の情報処理を実行する場合がある。しかしながら、エネルギ管理設備140において実行される情報処理と、コントローラ240において実行される情報処理との分担は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、コントローラ240は、本実施形態におけるエネルギ管理設備140の情報処理の一部を実行してよく、エネルギ管理設備140は、本実施形態におけるコントローラ240の情報処理の一部を実行してよい。
コントローラ240は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。コントローラ240を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。
上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。上記のプログラムは、コンピュータに、コントローラ240における各種の情報処理に関する1又は複数の手順を実行させるためのプログラムであってよい。
一実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、制御方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のコンピュータは、コントローラ240を実現するコンピュータであってよい。上記の制御方法は、電力負荷及び電源部の少なくとも一方と、任意の演算処理を実行する第1演算処理部とを備えた一の電力需給家を制御する制御方法であってよい。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家における供給電力の増加又は需要電力の減少を要求する調整要求を取得する調整要求取得段階を有する。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家を含む1以上の電力需給家のそれぞれの電力需給を管理する電力管理装置における、1以上の電力需給家の電力需給を集約又は調整するための演算処理の一部の実行を要求する演算要求を取得する演算要求取得段階を有する。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家が調整要求に応じることができるか否かを判定する調整判定段階を有する。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家が、調整要求及び演算要求のいずれか一方に応じることを示す情報を出力する応答段階を有する。上記の制御方法において、応答段階は、(i)一の電力需給家が調整要求に応じることができると判定された場合、一の電力需給家が調整要求に応じることを示す情報を出力する段階を含んでよい。上記の制御方法において、応答段階は、(ii)一の電力需給家が調整要求に応じることができないと判定された場合、一の電力需給家が演算要求に応じることを示す情報を出力する段階を含んでよい。
一実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、制御方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のコンピュータは、コントローラ240を実現するコンピュータであってよい。上記の制御方法は、電力負荷及び電源部の少なくとも一方と、任意の演算処理を実行する第1演算処理部とを備えた一の電力需給家を制御する制御装置であってよい。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家の余剰電力を示す情報を取得する余剰電力取得段階を有する。上記の制御方法は、例えば、一の電力需給家の余剰電力を示す情報に基づいて、一の電力需給家の第1演算処理部が余剰電力を使用することで実現される演算資源の量を決定する資源量決定段階を有する。
本実施形態において、需給家端末250は、需給家施設112のユーザが利用する通信端末であり、その詳細については特に限定されない。需給家端末250としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。需給家端末250は、コントローラ240のユーザインタフェースとして使用されてよい。需給家端末250は、電力負荷210の一例であってよい。
一実施形態において、需給家端末250は、通信ネットワーク14を介して、コントローラ240との間で情報を送受する。他の実施形態において、需給家端末250は、通信ネットワーク14を介して、エネルギ管理設備140との間で情報を送受する。
図3は、コントローラ240の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、コントローラ240は、通信制御部320と、需給監視部332と、需給予測部334と、需給調整部336と、施設情報送信部340と、要求処理部350とを備える。本実施形態において、施設情報送信部340は、余剰電力決定部342と、演算資源決定部344と、データ送信部346とを有する。本実施形態において、要求処理部350は、要求受信部352と、判定部354と、応答部356と、演算部358とを有する。
需給監視部332は、余剰電力取得部の一例であってよい。施設情報送信部340は、制御装置の一例であってよい。余剰電力決定部342と、余剰電力取得部の一例であってよい。演算資源決定部344は、資源量決定部の一例であってよい。データ送信部346は、資源量出力部の一例であってよい。要求処理部350は、制御装置の一例であってよい。要求受信部352と、調整要求取得部及び演算要求取得部の一例であってよい。判定部354と、調整判定部及び演算判定部の一例であってよい。演算部358は、第1演算処理部の一例であってよい。
本実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、他の機器との間の通信を制御する。通信制御部320は、各種の通信インタフェースであってよい。通信制御部320は、1又は複数の通信方式に対応してよい。一実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、需給家施設112の内部に配された他の機器との間の通信を制御する。他の実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、エネルギ管理設備140との間の通信を制御する。
本実施形態において、需給監視部332は、需給家施設112の電力需給を監視する。需給監視部332は、需給家施設112の電力需給の状況に関する情報を取得する。需給監視部332は、電力負荷210、電源設備220及び配分電設備230の少なくとも1つから、電力需給の状況に関する情報を取得してよい。電力需給の状況に関する情報は、余剰電力を示す情報の一例であってよい。
需給監視部332は、予め定められたイベントが発生したときに、電力需給の状況に関する情報を取得してよい。予め定められたイベントとしては、(i)予め定められた時刻に到達したこと、(ii)前回、上記の情報が取得されてから、予め定められた期間が経過したこと、(iii)需給家端末250から、上記の情報を取得すべき旨の指示を受信したことなどを例示することができる。
需給監視部332は、単位期間ごとに、電力需給の状況に関する情報を取得してもよい。単位期間の長さは特に限定されない。単位期間は、5分であってもよく、10分であってもよく、15分であってもよく、30分であってもよく、1時間であってもよく、2時間であってもよく、3時間であってもよく、6時間であってもよく、12時間であってもよく、1日であってもよい。
需給家施設112の電力需給の状況に関する情報としては、需給家施設112が消費した電力(需要電力と称される場合がある。)に関する情報、需給家施設112が供給した電力に関する情報、需給家施設112の蓄電装置224が蓄積した電力に関する情報、需給家施設112の余剰電力に関する情報、需給家施設112が外部に送電した電力に関する情報、需給家施設112が外部から受電した電力に関する情報などを例示することができる。電力に関する情報としては、各単位期間における瞬時電力[kW]の統計値を示す情報、各単位期間における電力量[kWh]などを例示することができる。
統計値としては、最大値、最小値、平均値、中央値、最頻値、散布度などを例示することができる。説明を簡単にすることを目的として、瞬時電力の単位として[kW]が使用されているが、他の単位が使用されてもよい。同様に、電力量の単位として[kWh]が使用されているが、他の単位が使用されてもよい。
需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、電力の需要若しくは供給、又は、送受電が生じた時刻又は期間を示す情報と対応付けて、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、コントローラ240の格納部(図示されていない。)に格納してもよい。なお、時刻又は期間を表す用語として、時点、時期などの用語が使用される場合がある。
本実施形態において、需給予測部334は、将来の時刻又は期間における、需給家施設112の電力需要及び電力供給の少なくとも一方を予測する。予測の対象となる時刻又は期間は、予測時期と称される場合がある。需給予測部334は、例えば、過去の任意の期間における需給家施設112の電力需給に関する情報(需給実績と称される場合がある。)に基づいて、予測時期における需給家施設112の電力需給を予測する。需給予測部334は、予測時期における、瞬時電力の統計値及び電力量の少なくとも一方を予測してよい。
需給予測部334は、電力需給の予測結果を利用して、電力需給に関する各種の計画を作成してよい。例えば、需給予測部334は、電力需要の予測値に基づいて、発電装置222の発電計画、及び、蓄電装置224の充放電計画の少なくとも一方を作成する。需給予測部334は、電力供給の予測値に基づいて、電力負荷210の使用制限に関する計画を作成してよい。需給予測部334は、例えば、電力需要の予測値、電力供給の予測値及び蓄電装置224の蓄電残量の予測値に基づいて、需給家施設112及び送配電網122の送受電に関する計画を作成してもよい。
需給予測部334は、予測結果を示す情報を、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給予測部334は、予測時期を示す情報と、当該予測時期に対応する予測結果とを対応付けて、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給予測部334は、予測結果を示す情報を、コントローラ240の格納部(図示されていない。)に格納してもよい。予測結果を示す情報は、上記の計画に関する情報を含んでよい。
本実施形態において、需給調整部336は、需給家施設112の需給を調整する。例えば、需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器を制御して、需給家施設112の需要電力及び供給電力の少なくとも一方を調整する。需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器を制御して、送配電網122への送電量、及び、送配電網122からの受電量の少なくとも一方を調整してもよい。需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器の少なくとも1つを制御するための命令を生成してよい。需給調整部336は、生成された命令を、当該命令に対応する機器に送信してよい。
需給調整部336は、需給監視部332の監視結果、及び、需給予測部334の予測結果の少なくとも一方に基づいて、需給家施設112の需給を調整してよい。例えば、需給調整部336は、需給予測部334が作成した電力需給の計画と、需給監視部332が取得した電力需給の実績とに基づいて、需給家施設112の需給を調整する。
需給調整部336は、需給監視部332の監視結果に基づいて、電力需給の逼迫具合を決定してよい。需給調整部336は、需給予測部334の予測結果に基づいて、将来の電力需給の逼迫具合を推定してよい。電力需給の逼迫具合は、電力が不足する確率を示すパラメータであってよい。電力需給の逼迫具合は、連続的な数値により表されてもよく、段階的な区分により表されてもよい。各区分は、記号又は文字により区別されてもよく、数字により区別されてもよい。
電力需給の逼迫具合は、余剰電力、及び、電力の供給余力の少なくとも一方に基づいて決定されてよい。例えば、電力需給の逼迫具合は、(i)需要電力に対する、余剰電力又は供給余力の割合、(ii)電力の供給能力に対する、余剰電力又は供給余力の割合、(iii)系統電力網12の管理者又は運用者から提供される、系統電力網12の電力需給状態などに基づいて決定される。電力需給の逼迫具合は、外部からの電力を受領しない場合の電力供給に基づいて決定されてもよい。需給調整部336は、系統電力網12の電力需給状態を示す情報を、広域管理サーバ180から取得してもよい。
本実施形態において、施設情報送信部340は、共同体管理サーバ440に、需給家施設112の状態に関する情報を送信する。需給家施設112の状態に関する情報としては、需給家施設112の電力需給に関する情報、需給家施設112の演算能力に関する情報などを例示することができる。需給家施設112の電力需給に関する情報は、需給家施設112の余剰電力に関する情報、需給家施設112の電力供給能力の余力に関する情報などを含んでよい。需給家施設112の演算能力に関する情報は、需給家施設112の演算能力の余力に関する情報を含んでよい。需給家施設112の演算能力の余力に関する情報は、需給家施設112の演算処理設備(例えば、コントローラ240である。)が、需給家施設112の余剰電力を利用することで実現される演算資源の量を示す情報を含んでよい。
本実施形態において、余剰電力決定部342は、需給家施設112の余剰電力を示す情報を取得する。余剰電力決定部342は、例えば、需給監視部332が取得した需給家施設112の電力需給に関する情報に基づいて、需給家施設112の余剰電力を決定してもよい。
本実施形態において、演算資源決定部344は、需給家施設112の演算資源の量を決定する。演算資源決定部344は、需給家施設112の余剰電力を示す情報に基づいて、需給家施設112の演算処理設備が余剰電力を使用することで実現される演算資源の量を決定してよい。
本実施形態において、データ送信部346は、需給家施設112の状態に関する情報を、コントローラ240の外部に出力する。データ送信部346は、予め定められたイベントが発生したときに、需給家施設112の状態に関する情報を、共同体管理サーバ440に送信してよい。予め定められたイベントとしては、(i)予め定められた時刻に到達したこと、(ii)前回、上記の情報が送信されてから、予め定められた期間が経過したこと、(iii)共同体管理サーバ440又は需給家端末250から、上記の情報を取得すべき旨の指示を受信したことなどを例示することができる。
本実施形態において、要求処理部350は、他の機器からの各種の要求を受け付け、当該要求を処理する。一実施形態において、要求処理部350は、需給家施設112の内部に配された他の機器からの要求を処理する。例えば、要求処理部350は、需給家端末250からの要求を処理する。要求処理部350は、需給家端末250からの要求に応じて、他の機器に対する要求を生成し、当該要求を当該他の機器に送信してもよい。他の実施形態において、要求処理部350は、需給家施設112の外部の他の機器からの要求を処理する。例えば、要求処理部350は、需給家施設114又はエネルギ管理設備140からの要求を処理する。
本実施形態において、要求受信部352は、他の機器からの要求を受信する。例えば、要求受信部352は、共同体管理サーバ440からの要求を受信する。共同体管理サーバ440からの要求としては、(i)需給家施設112における供給電力の増加又は需要電力の減少を要求する調整要求、(ii)共同体管理サーバ440における、1以上の需給家施設の電力需給を集約又は調整するための演算処理の一部の実行を要求する演算要求などを例示することができる。
本実施形態において、判定部354は、需給家施設112が、要求受信部352が受信した要求に応じることができるか否かを判定する。例えば、判定部354は、需給家施設112が調整要求に応じることができるか否かを判定する。判定部354は、需給家施設112が演算要求に応じることができるか否かを判定してよい。
本実施形態において、応答部356は、要求受信部352が受信した要求に応答する。例えば、応答部356は、需給家施設112が、共同体管理サーバ440からの調整要求及び演算要求のいずれか一方に応じることを示す情報を出力する。応答部356は、需給家施設112が、共同体管理サーバ440からの調整要求及び演算要求のいずれか一方に応じることを示す情報を、共同体管理サーバ440に送信してよい。
応答部356は、需給家施設112が調整要求に応じることができると判定された場合に、需給家施設112が調整要求に応じることを示す情報を出力してよい。応答部356は、需給家施設112が調整要求に応じることができないと判定された場合、需給家施設112が演算要求に応じることを示す情報を出力してよい。応答部356は、需給家施設112が調整要求に応じることができないと判定された場合において、需給家施設112が演算要求に応じることができると判定されたときに、需給家施設112が演算要求に応じることを示す情報を出力してよい。
本実施形態において、演算部358は、任意の演算処理を実行する。演算部358は、共同体管理サーバ440からの要求に応じて、共同体管理サーバ440が、共同体102を構成する1以上の需給家施設の電力需給を集約又は調整するための演算処理の一部を実行してよい。
[エネルギ管理設備140の概要]
図4は、エネルギ管理設備140の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、エネルギ管理設備140は、電源設備220と、配分電設備230と、共同体管理サーバ440とを備える。共同体管理サーバ440は、電力システムの一例であってよい。
本実施形態において、電源設備220は、共同体管理サーバ440の制御により動作する点で、需給家施設112の電源設備220と相違する。上記の相違点以外の特徴に関し、エネルギ管理設備140の電源設備220は、需給家施設112の電源設備220と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、配分電設備230は、送配電網122と、電源設備220及び共同体管理サーバ440のそれぞれとの間の電力の流通を制御する点で、需給家施設112の配分電設備230と相違する。上記の相違点以外の特徴に関し、エネルギ管理設備140の配分電設備230は、需給家施設112の配分電設備230と同様の構成を有してよい。
[共同体管理サーバ440の概要]
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、共同体102で利用されるエネルギを管理する。例えば、共同体管理サーバ440は、共同体102で利用される電力を管理する。共同体管理サーバ440は、共同体102の電力需給を管理する。共同体管理サーバ440は、共同体102を構成する1以上の需給家施設のそれぞれと通信可能に接続され、1以上の需給家施設のそれぞれの電力需給を管理してよい。共同体管理サーバ440は、共同体102の内部における電力融通を管理してよい。共同体管理サーバ440は、共同体102と、他の共同体との間における電力融通を管理してよい。
共同体管理サーバ440は、送配電網122を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行する。共同体管理サーバ440は、系統電力網12を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行する。共同体管理サーバ440は、広域管理サーバ180と協働して、系統電力網12を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行してよい。共同体管理サーバ440の詳細は後述される。
[共同体管理サーバ440の各部の具体的な構成]
共同体管理サーバ440は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。共同体管理サーバ440を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。
上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。上記のプログラムは、コンピュータを、共同体管理サーバ440として機能させるためのプログラムであってよい。
一実施形態において、上記のプログラムは、共コンピュータに、電力管理方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のコンピュータは、共同体管理サーバ440を実現するコンピュータであってよい。上記の電力管理方法は、1以上の電力需給家のそれぞれと通信可能に接続され、1以上の電力需給家のそれぞれの電力需給を管理する電力管理方法であってよい。1以上の電力需給家のそれぞれは、電力負荷及び電源部の少なくとも一方と、任意の演算処理を実行する第1演算処理部とを有してよい。上記の電力管理方法は、例えば、1以上の電力需給家のそれぞれの電力需給に関する情報を取得する需給情報取得段階を有する。上記の電力管理方法は、例えば、需給情報取得段階において取得された情報に基づいて、1以上の電力需給家の電力需給を集約又は調整するための演算処理の一部を、1以上の電力需給家の少なくとも1つの第1演算処理部に割り当てる分散処理段階を有する。
図5は、共同体管理サーバ440の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、共同体管理サーバ440は、通信制御部520と、データ収集部530と、需給管理部540と、需給家施設制御部552と、共同体設備制御部554と、格納部560とを備える。
データ収集部530は、需給状況取得部の一例であってよい。需給管理部540は、電力情報管理システムの一例であってよい。
本実施形態において、通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、他の機器との間の通信を制御する。通信制御部520は、各種の通信インタフェースであってよい。通信制御部520は、1又は複数の通信方式に対応してよい。
通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、エネルギ管理設備140の内部に配された機器との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれに配されたコントローラ240との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、変電設備120及び融通設備160の少なくとも一方との間の通信を制御してよい。
通信制御部520は、共同体102の共同体管理サーバ440と、他の共同体の共同体管理サーバ440との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、広域管理サーバ180との間の通信を制御してよい。
本実施形態において、データ収集部530は、共同体102に関する各種の情報を収集する。データ収集部530は、例えば、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれに配されたコントローラ240から、当該需給家施設の電力需給に関する情報を取得する。データ収集部530は、変電設備120から、系統電力網12と、共同体102との間の送受電の実績に関する情報を取得してよい。データ収集部530は、融通設備160から、共同体102と、共同体104との間の送受電の実績に関する情報を取得してよい。
共同体102を構成する複数の需給家施設、変電設備120、及び、融通設備160のそれぞれは、データ収集部530からの要求に応じて、又は、定期的に、上記の情報をデータ収集部530に送信してよい。データ収集部530は、収集された情報を、格納部560に格納してよい。
本実施形態において、需給管理部540は、共同体102の電力需給を管理する。例えば、需給管理部540は、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれから、各需給家施設における電力需給の状況に関する情報を取得する。需給管理部540は、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれのコントローラ240を介して、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれの電力負荷210を制御することにより、共同体102の電力需給を調整してよい。需給管理部540は、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれのコントローラ240を介して、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれの電源設備220を制御することにより、共同体102の電力需給を調整してよい。需給管理部540の詳細は後述される。
本実施形態において、需給家施設制御部552は、共同体管理サーバ440が管理する複数の需給家施設のそれぞれを制御するための命令を生成する。需給家施設制御部552は、生成された命令を、当該命令の対象となる需給家施設に送信する。これにより、共同体管理サーバ440は、各需給家施設を制御することができる。
本実施形態において、共同体設備制御部554は、エネルギ管理設備140に配された電源設備220及び配分電設備230の少なくとも一方を制御するための命令を生成する。需給家施設制御部552は、生成された命令を、当該命令の対象となる設備に送信する。これにより、共同体管理サーバ440は、エネルギ管理設備140の送受電を制御することができる。
本実施形態において、格納部560は、共同体管理サーバ440の各部における情報処理に必要とされる各種の情報を格納する。格納部560は、共同体管理サーバ440の各部が生成した各種の情報を格納してもよい。例えば、格納部560は、データ収集部530が収集した情報を格納する。格納部560は、需給管理部540における情報処理に関する情報を格納してよい。需給管理部540における情報処理としては、各需給家施設が保有する電子的価値の量を管理するための処理、各需給家施設への請求を管理するための処理などを例示することができる。
[需給管理部540の各部の概要]
図6は、需給管理部540の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、需給管理部540は、施設情報取得部620と、要求送信部630と、演算部640と、分散処理制御部650とを備える。
施設情報取得部620は、需給情報取得部の一例であってよい。要求送信部630は、調整要求出力部及び演算要求出力部の一例であってよい。演算部640は、第2演算処理部の一例であってよい。分散処理制御部650は、分散処理部の一例であってよい。
本実施形態において、施設情報取得部620は、共同体102を構成する1以上の需給家施設の少なくとも1つの状態に関する情報を取得する。例えば、施設情報取得部620は、上記の需給家施設の電力需給に関する情報、上記の需給家施設の演算能力に関する情報などを取得する。施設情報取得部620は、上記の需給家施設の余剰電力を示す情報を取得してよい。施設情報取得部620は、上記の需給家施設の演算処理設備が、当該需給家施設の余剰電力を利用することで実現される演算資源の量を示す情報を取得してよい。需給家施設の余剰電力には、需給家施設の電力供給能力の余力(供給余力と称される場合がある。)が含まれてよい。
本実施形態において、要求送信部630は、1以上の需給家施設の少なくとも1つに、各種の要求を送信する。要求送信部630は、要求の対象となる需給家施設のそれぞれに対して、当該要求を送信してよい。要求送信部630は、上記の要求に対する応答を取得してよい。上記の要求としては、(i)1以上の需給家施設112の少なくとも一部における供給電力の増加又は需要電力の減少を要求する調整要求、(ii)需給管理部540における、共同体102を構成する1以上の需給家施設の電力需給を集約又は調整するための演算処理の一部の実行を要求する演算要求などを例示することができる。
本実施形態において、演算部640は、任意の演算処理を実行する。演算部640は、例えば、施設情報取得部620が取得した各需給家施設の電力需給に関する情報に基づいて、1以上の需給家施設の電力需給を集約又は調整するための演算処理を実行する。演算部640は、上記の演算処理の一部を分散処理により実行してよい。
本実施形態において、分散処理制御部650は、演算部640の分散処理を制御する。例えば、分散処理制御部650は、演算部640における演算処理の一部を、1以上の需給家施設の少なくとも1つの演算処理設備に割り当てる。分散処理制御部650は、施設情報取得部620が取得した各需給家施設の演算能力に関する情報に基づいて、演算部640における演算処理の一部を割り当てる需給家施設を決定してよい。分散処理制御部650は、1以上の需給家施設のうち、調整要求の対象とならない需給家施設、及び、調整要求に応じない需給家施設の中から選択される少なくとも1つの需給家施設の演算処理設備に対して、演算部640における演算処理の一部を割り当ててよい。
図7は、融通設備160の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、融通設備160は、電力変換装置762と、流通制御装置764と、コントローラ766とを備える。
本実施形態において、電力変換装置762は、コントローラ766の制御により、直流を交流に変換したり、交流を直流に変換したりする。電力変換装置762は、コントローラ766の制御により、電気の品質を変換する。一実施形態において、電力変換装置762は、送配電網122を流れる電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換し、変換後の電気を、流通制御装置764を介して自営線16に供給する。他の実施形態において、電力変換装置762は、自営線16を流れる電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換し、変換後の電気を、流通制御装置764を介して送配電網122に供給する。
本実施形態において、流通制御装置764は、コントローラ766の制御により、電気の流通を制御する。一実施形態において、流通制御装置764は、送配電網122から自営線16の向きに電流を通過させる。他の実施形態において、流通制御装置764は、自営線16から系統電力網12の向きに電流を通過させる。さらに他の実施形態において、流通制御装置764は、流通する電気の量を制御する。
本実施形態において、コントローラ766は、送配電網122と、自営線16との間で融通される電気を制御する。一実施形態において、コントローラ766は、融通される電気の種類及び品質を制御する。他の実施形態において、コントローラ766は、電気の流通方向及び量を制御する。コントローラ766は、共同体管理サーバ440の指示に従って、電力変換装置762及び流通制御装置764の少なくとも一方を制御してよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。