JP2016039069A - 電気式ヒータ - Google Patents

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孝則 西田
Takanori Nishida
孝則 西田
健太郎 小請
Kentaro Kouke
健太郎 小請
宮崎 洋一
Yoichi Miyazaki
洋一 宮崎
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Abstract

【課題】電気式ヒータの電力の供給開始時及び停止時の温度変化を緩やかにする。
【解決手段】空調装置の暖房用熱源として使用される電気式ヒータ20において、電力の供給によって発熱するPTC素子30と、PTC素子30に発生した熱を蓄熱するとともに、電極板32、33を絶縁状態とする電気絶縁油35とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両用空調装置に使用される電気式ヒータに関するものである。
従来から、例えば電気自動車やハイブリッド自動車用空調装置の暖房用熱源としてPCT素子を有する電気式ヒータが用いられることがある。この種の電気式ヒータとしては、例えば特許文献1に開示されているものが知られており、空調用空気が導入される樹脂製ケーシングの内部に収容されて空調用空気を加熱するようになっている。
電気自動車等の暖房用熱源として使用されるPTCヒータは、いわゆる高電圧PTCヒータであり、その制御方式としてはリレー切替方式やPWM制御方式等がある。
特開2013−193513号公報
ところで、空調装置に使用される高電圧PTCヒータは、制御方式を問わず、最高想定温度が約200℃超と高く、条件によってはケーシングの耐熱温度を超える懸念があるため、シーシングの内面からある程度の距離は離して配置しなければならない。しかしながら、そのようにした場合、空調装置の周囲に配設される各種部品等とのレイアウトの都合もあってケーシングの外寸は限られているので、ヒータの大きさを十分に確保できなくなる。
また、PWM制御方式よりもリレー切替方式が好ましい場合があるが、高電圧PTCヒータのリレー切替方式の場合、リレー接点の作動耐久性の面でも懸念があるので、できるだけリレーの作動回数を減らしたいという要求もある。
また、従来のPTCヒータは、PTCヒータ自身の比熱が小さいため、リレー切替方式の場合に電力の供給を停止すると空調用空気によって冷やされてしまい、すぐに温度低下してしまう。つまり、リレーの開閉によるPTCヒータの温度変化が大きく、その変化速度も速いので、室内に吹き出す空気温度もそれに応じて変化し、その結果、違和感を与えることになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気式ヒータの電力の供給開始時及び停止時の温度変化を緩やかにしてケーシングへの熱害を抑制するとともに、リレー切替方式の場合にはその作動回数を低減できるようにし、しかも、室内に吹き出す空気温度の変化が緩やかに起こるようにして違和感を与えないようにする。
上記目的を達成するために、本発明では、電気式ヒータに蓄熱できるようにした。
第1の発明は、
空調装置の暖房用熱源として使用される電気式ヒータにおいて、
電力の供給によって発熱する発熱体と、
上記発熱体に発生した熱を蓄熱する蓄熱部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、発熱体に電力を供給して発生した熱が蓄熱部に蓄熱されるので、電気式ヒータのケーシング近傍の最高表面温度が低下する。よって、電気式ヒータを例えば樹脂製ケーシングに収容して使用する場合に、従来の電気式ヒータに比べて電気式ヒータをケーシングの内面に接触させた状態で収容することが可能になる。
電力の供給停止後は蓄熱部の熱が放熱されて空調用空気が加熱されるので、吹き出し空気温度の低下が緩やかになり、電力の供給を再び開始するまでの時間が長くなる。また、電力の供給開始から電気式ヒータが目標温度に到達するまでの時間は蓄熱部が蓄熱する分、長くなる。つまり、リレー切替方式の場合にリレーの作動回数が減る。
さらに、電力の供給停止後の温度変化が緩やかになるので、室内に吹き出す空気温度の変化も緩やかになる。
第2の発明は、第1の発明において、
複数の上記発熱体が外部空気の通過方向とは交差する所定方向に並ぶように設けられ、
所定方向に並ぶ上記発熱体の間には、スペーサ部材が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、所定方向に並ぶ発熱体の間に発熱しないスペーサ部材を設けて発熱体の使用個数を減らす場合に、蓄熱部が発熱体の熱を蓄熱することで発熱体近傍の最高温度が抑えられる。そして、蓄熱部の熱がスペーサ部材近傍に伝わってスペーサ部材近傍の温度が上昇する。従って、発熱体近傍の温度とスペーサ部材近傍の温度との差が小さくなり、室内に吹き出す空気の温度が均一化する。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記発熱体に接続又は接触し該発熱体に電力を供給する電極部と、
上記発熱体及び上記電極部を収容する収容部材とを備え、
上記蓄熱部は、上記収容部材に充填された電気絶縁油で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、発熱体及び電極部が電気絶縁油によって電気的に絶縁された状態で収容部材に収容される。そして、発熱体の熱は電気絶縁油に蓄熱された後、収容部材を介して外部に放熱されて空調用空気の加熱に利用される。
第4の発明は、第3の発明において、
上記収容部材には、複数の上記発熱体が収容され、
上記電気絶縁油は、上記収容部材の内面と上記発熱体及び上記電極部との間に充填されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の発熱体及び電極部が電気的に確実に絶縁される。また、発熱体の外面の広い範囲が電気絶縁油によって覆われるので、発熱体の熱が該発熱体の外面の広い範囲を介して電気絶縁部に効率よく伝わって蓄熱される。
第1の発明によれば、発熱体の熱を蓄熱する蓄熱部を備えているので、電気式ヒータのケーシング近傍の最高表面温度が低下して例えばケーシングの熱害を抑制できる。これにより、電気式ヒータとケーシングとの間から漏れる空気を少なくすることができ、暖房性能を十分に確保できる。また、電力の供給停止後から供給を再び開始するまでの時間、及び電力の供給開始から電気式ヒータが目標温度に到達するまでの時間が長くなるので、リレー切替方式の場合にリレーの作動回数を減らすことができる。さらに、電力の供給停止後の温度変化が緩やかになるので、室内に吹き出す空気温度の変化を緩やかにすることができ、違和感を与えないようにすることができる。
第2の発明によれば、所定方向に並ぶ発熱体の間に発熱しないスペーサ部材を設けて発熱体の使用個数を減らす場合に、室内に吹き出す空気の温度を均一化することができ、違和感を与えないようにすることができる。
第3の発明によれば、発熱体及び電極部を収容する収容部材に充填された電気絶縁油を蓄熱部としたので、電極部等を絶縁するための絶縁材を蓄熱部として利用することができ、蓄熱部を備えた電気式ヒータの構成をシンプルにすることができる。
第4の発明によれば、電気絶縁油を、収容部材の内面と発熱体及び電極部との間に充填したので、発熱体及び電極部を確実に絶縁しながら、発熱体の熱を電気絶縁部に効率よく伝えて蓄熱することができる。
本発明の実施形態に係る電気式ヒータを備えた車両用空調装置の断面図である。 電気式ヒータの正面図である。 図2のIII−III線断面図である。 電気式ヒータの制御要領を示す図である。 吹き出し空気温度、ヒータ通過直後の空気温度及びヒータ表面温度のそれぞれについて従来例と本実施形態とを比較して示すグラフである。 第1発熱ユニットの温度分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る電気式ヒータ20を備えた車両用空調装置1の概略構造を示す断面図である。車両用空調装置1は、例えば自動車に搭載することができるものであり、室内の前端部に配設されたインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。上記自動車としては、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車(プラグインハイブリッドも含む)等を挙げることができる。
車両用空調装置1は、暖房用熱源として使用される電気式ヒータ20の他に、ポリプロピレン等の樹脂製のケーシング2と、送風ファン3と、冷却用熱交換器4と、エアミックスダンパ5と、デフベント切替ダンパ6と、ヒートダンパ7とを備えている。ケーシング2は、電気式ヒータ20、送風ファン3、冷却用熱交換器4、エアミックスダンパ5、デフベント切替ダンパ6及びヒートダンパ7を収容するものである。この実施形態では、電気式ヒータ20、送風ファン3及び冷却用熱交換器4が車幅方向略中央部に配設されるフルセンタ型ユニットである場合について説明するが、本発明はフルセンタ型ユニット以外にも、図示しないが送風ファンが車幅方向一方側に配置されて電気式ヒータ20及び冷却用熱交換器4が車幅方向略中央部に配設されるセミセンタ型ユニットにも適用できる。
尚、この実施形態では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側と単に「右」というものとする。
ケーシング2の前側の上部には、スクロールケーシング2aが形成されている。スクロールケーシング2aの内部には、シロッコファンからなる送風ファン3が回転軸を左右方向に向けた状態で収容されている。スクロールケーシング2aには、図示しない内外気切替箱から導入された車室内の空気または車室外の空気が吸い込まれるようになっている。
ケーシング2の内部には、空気通路Rが形成されており、空気通路Rは、スクロールケーシング2aから下方へ延びた後、後方、上方へ順に延びるように形成されている。空気通路Rは、冷風通路R1、温風通路R2、エアミックス通路R3、デフベント通路R4及びヒート通路R5で構成されている。冷風通路R1には、冷却用熱交換器4が配設されており、冷風通路R1を流通する空調用空気の略全量が冷却用熱交換器4を通過して冷却されるようになっている。冷却用熱交換器4は、例えば冷媒蒸発器等で構成することができる。
冷風通路R1の下流は上下に2つに分岐している。冷風通路R1の下流の下側は温風通路R2の上流に接続され、冷風通路R1の下流の上側はエアミックス空間R3に接続されている。温風通路R2には、電気式ヒータ20が配設されており、温風通路R2を流通する空調用空気の略全量が電気式ヒータ20を通過して加熱されるようになっている。電気式ヒータ20の空気通過面は上下方向に延びている。温風通路R2の下流はエアミックス空間R3に接続されている。
エアミックス空間R3は、冷風通路R1から流入した冷風と、温風通路R2から流入した温風とを混合させて所望温度の調和空気を生成するための空間である。エアミックスダンパ5は、冷風通路R1の下流の上側と、温風通路R2の上流とを開閉するためのものである。エアミックスダンパ5によって冷風通路R1の下流の上側が全開にされると、温風通路R2の上流が全閉とされて冷風がエアミックス空間R3に流入し、一方、エアミックスダンパ5によって冷風通路R1の下流の上側が全閉にされると、温風通路R2の上流が全開とされて温風がエアミックス空間R3に流入する。冷風通路R1の下流の上側及び温風通路R2の上流の開度はエアミックスダンパ5によって任意に変更することができる。これにより、エアミックス空間R3に流入する冷風量及び温風量が変更されて所望温度の調和空気が得られる。
デフベント通路R4及びヒート通路R5は、エアミックス空間R3に接続されている。デフベント通路R4の下流側には、デフロスタ吹出口2bとベント吹出口2cとが設けられている。デフベントダンパ6は、デフロスタ吹出口2bとベント吹出口2cを開閉するためのものである。ヒート通路R5の下流側には、ヒート吹出口2dが設けられている。ヒートダンパ7は、ヒート通路R5を開閉するためのものである。
図2に示すように、電気式ヒータ20は、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6と、複数のフィン21と、エンドプレート22と、側部支持部材23、23とを備えている。第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6は左右方向に長い形状とされており、上下方向に互いに間隔をあけて配設されている。第1発熱ユニットY1が最も上に位置しており、以下、第2〜第6発熱ユニットY2〜Y6が順に上から下に並んでいる。フィン21は、例えばアルミニウム合金等からなるコルゲートフィンであり、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6の間に配設されている。エンドプレート22は電気式ヒータ20の上部と下部にそれぞれ配設されており、左右方向に延びている。第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6、フィン21及びエンドプレート22は例えばろう付け等によって一体化されている。
側部支持部材23、23は、電気式ヒータ20の左側部及び右側部にそれぞれ配設されており、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6の端部と一体化されている。側部支持部材23、23がケーシング2の内面に支持されるようになっている。
第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6は同じものであるため、以下、第1発熱ユニットY1の構造について詳細に説明する。図3にも示すように、第1発熱ユニットY1は、電力の供給によって発熱する発熱体としての複数のPTC(Positive Temperature Coefficient)素子30と、スペーサ部材31(図2及び図6参照)と、正極側電極板(電極部)32と、負極側電極板(電極部)33と、筒状部材(収容部材)34と、電気絶縁油35とを備えている。
PTC素子30は、従来周知である高電圧タイプのものであり、略矩形の板状に成形されている。図2及び図6に示すように、第1発熱ユニットY1には、複数のPTC素子30が外部空気の通過方向とは交差する所定方向(この実施形態では左右方向)に互いに間隔をあけて並ぶように設けられている。スペーサ部材31は、それ自体が発熱しない材料からなるものであり、PTC素子30と略同形状に成形されており、左右方向に並ぶPTC素子30、30の間に配設される。スペーサ部材31を用いることで、PTC素子30の使用数を減らすことが可能になる。尚、スペーサ部材31は省略することもでき、この場合はPTC素子30を隣接するように並べればよい。
正極側電極板32は、導電性を有する板材からなるものであり、PTC素子30の電極(図3では上面)に接触するように配設される。正極側電極板32はPTC素子30の並ぶ方向に長く延びており、第1発熱ユニットY1の全てのPTC素子30の電極に導通している。
負極側電極板33も、導電性を有する板材からなるものであり、PTC素子30の並ぶ方向に長く延びている。負極側電極板33は、PTC素子30のもう一方の電極側(図3では下面)に接触するように配設され、第1発熱ユニットY1の全てのPTC素子30のもう一方の電極に導通している。
PTC素子30及びスペーサ部材31と、正極側電極板32とは固着され、また、PTC素子30及びスペーサ部材31と、負極側電極板33とも固着されている。従って、PTC素子30、スペーサ部材31、正極側電極板32及び負極側電極板33は、一体化して発熱モジュールMとなっている。
筒状部材34は、例えばアルミニウム合金等のような伝熱性が高く、導電性を有する材料を成形してなるものである。筒状部材34は、左側の側部支持部材23から右側の側部支持部材32に亘って延びており、縦断面は外部空気の通過方向に長い略矩形状となっている。筒状部材34の上面及び下面には、フィン21がそれぞれ接触しており、筒状部材34の熱がフィン21に効率よく伝わるようになっている。
筒状部材34の内部には、PTC素子30、スペーサ部材31、正極側電極板32及び負極側電極板33からなる発熱モジュールMが収容されている。正極側電極板32及び負極側電極板33の長手方向の端部が電気的に絶縁された状態で筒状部材34の端部に支持されることにより、発熱モジュールMの位置決めが行われる。
発熱モジュールMの上面(正極側電極板32の上面)と、筒状部材34の内面との間には隙間が形成され、また、発熱モジュールMの下面(負極側電極板33の下面)と、筒状部材34の内面との間にも隙間が形成されている。さらに、発熱モジュールMの幅方向(外部空気の通過方向)両側面と、筒状部材34の内面との間にも隙間が形成されている。そして、筒状部材34の内部には、電気絶縁油35が充填されて上記隙間が電気絶縁油35によって満たされている。つまり、電気絶縁油35は、筒状部材34の内面と、PTC素子30、正極側電極板32及び負極側電極板33との間に充填されることになり、これにより、PTC素子30、正極側電極板32及び負極側電極板33が筒状部材34に対して電気的に絶縁される。
電気絶縁油35は、PTC素子30に発生した熱を蓄熱する蓄熱部である。電気絶縁油35は従来周知のものを用いることができるが、比熱の大きい方が好ましい。電気絶縁油35の充填量が多すぎると温度変化が緩やかになり過ぎるので好ましくないが、PTC素子30の発熱量等に応じて乗員に違和感を与えない範囲で任意に設定することができる。
図4に示すように、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6には、車載バッテリBの電力が第1〜第3リレーC1〜C3を介して供給される。第1〜第3リレーC1〜C3は、図示しない空調制御装置によって制御されるものである。
第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6のうち、第1及び第2発熱ユニットY1、Y2の正極側電極板32同士が接続された状態で第1リレーC1の出力端子に導通している。また、第3及び第4発熱ユニットY3、Y4の正極側電極板32同士が接続された状態で第2リレーC2の出力端子に導通している。さらに、第5及び第6発熱ユニットY5、Y6の正極側電極板32同士が接続された状態で第3リレーC3の出力端子に導通している。第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6の全ての負極側電極板33は、車載バッテリBの負極端子に接続されている。
空調制御装置は、乗員による設定温度、外気温等に基づいて電気式ヒータ20の暖房能力をリレー切替方式によって制御する。図4(a)に示すように、第2リレーC2を閉、第1及び第3リレーC1、C3を開にすると、第3及び第4発熱ユニットY3、Y4にのみ電力が供給される最小暖房状態となる。図4(b)に示すように、第1及び第3リレーC1、C3を閉、第2リレーC2を開にすると、第1及び第2発熱ユニットY1、Y2と第5及び第6発熱ユニットY5、Y6にのみ電力が供給される中間暖房状態となる。図4(c)に示すように、第1〜第3リレーC1〜C3を閉にすると、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6に電力が供給される最大暖房状態となる。尚、暖房が不要な場合には、第1〜第3リレーC1〜C3を開にする。
例えば第1〜第3リレーC1〜C3が開にある状態では、第1〜第6発熱ユニットY1〜Y6が発熱していないので、電気式ヒータ20の表面温度及び電気式ヒータ20を通過した直後の空気温度は、冷風通路R1内を流れる空気温度と略同じになる。この状態から例えば図4(b)に示す状態にすると、第1及び第2発熱ユニットY1、Y2と第5及び第6発熱ユニットY5、Y6に電力が供給されてこれら発熱ユニットY1、Y2、Y5、Y6のPTC素子30が発熱する。
PTC素子30に発生した熱は、筒状部材34に充填された電気絶縁油35に伝わり、電気絶縁油35が蓄熱する。その後、電気絶縁油35の熱が筒状部材34に伝わってフィン21にも伝わり、外部空気を加熱する。電気絶縁油35が蓄熱する分、蓄熱部のない従来の電気式ヒータに比べて本実施形態の電気式ヒータ20では表面温度の上昇が緩やかになる。具体的には、図5に示すようになる。図5において横軸は、第1リレーC1が開から閉に切り替わった時からの経過時間を示し、縦軸は温度を示している。図5において、従来の電気式ヒータの表面温度を最も太い実線で示し、本実施形態の電気式ヒータ20の表面温度を最も太い破線で示している。第1リレーC1が閉に切り替わると、従来の電気式ヒータでは蓄熱部がないので早期に最高温度に達するのに対し、本実施形態の電気式ヒータ20では電気絶縁油35に蓄熱される分、表面温度の上昇が緩やかになるとともに、最高温度がDで示すだけ低くなる。
電気式ヒータ20のケーシング2近傍の表面温度が低くなることで、電気式ヒータ20とケーシング2の内面との離間距離が短くても、または電気式ヒータ20とケーシング2とが接触していても、ケーシング2に熱害を与えにくくなる。よって、ケーシング2を大きくすることなく、電気式ヒータ20の空気通過面積を大きく設定して暖房能力を高めることができる。また、従来の電気式ヒータに比べて本実施形態の電気式ヒータ20ではケーシング2の内面に接近させた状態で収容することが可能になる。これにより、電気式ヒータ20とケーシング2との隙間が小さくなるので、電気式ヒータ20を通過せずに流れてしまう空気量を減らすことができる。よって、暖房性能が十分に確保される。
第1リレーC1が開に切り替わると、PTC素子30の発熱が停止するが、電気絶縁油35が蓄えていた熱が放出されるので、電気式ヒータ20の表面温度の降下は従来の電気式ヒータに比べて緩やかになる。
また、図5において、従来の電気式ヒータを通過した直後の空気温度を中間太さの実線で示し、本実施形態の電気式ヒータ20を通過した直後の空気温度を中間太さの破線で示している。これも表面温度と同様に、温度上昇及び降下が緩やかになる。
次に、図4(b)に示す中間暖房状態から図4(c)に示す最大暖房状態に移行する場合について説明する。図5において、従来のエアミックス後の空気温度(吹き出し空気温度)を最も細い実線で示し、本実施形態の吹き出し空気温度を最も細い破線で示している。
中間暖房状態から最大暖房状態に移行する場合には、第3及び第4発熱ユニットY3、Y4に電力が供給されることになるが、本実施形態では、上述のようにこれら発熱ユニットY3、Y4の温度上昇は緩やかであるため、吹き出し空気温度が急に上昇することはなく、徐々に上昇していく。また、従来の電気式ヒータを使用した場合の吹き出し空気温度の変動幅E1とし、本実施形態の電気式ヒータ20を使用した場合の吹き出し空気温度の変動幅E2とした場合、E2の方が狭くなるので、乗員に違和感を与えにくい。尚、図4(a)に示す最小暖房状態から図4(b)に示す中間暖房状態に切り替える場合も同様である。
また、図4(c)に示す最大暖房状態から図4(b)に示す中間暖房状態に移行する場合には、第3及び第4発熱ユニットY3、Y4への電力供給が停止することになるが、上述のようにこれら発熱ユニットY3、Y4の温度降下は緩やかであるため、吹き出し空気温度が急に降下することはなく、徐々に降下していく。よって、乗員に違和感を与えにくい。
また、電力の供給停止後は電気絶縁油35の熱が放熱されて空調用空気が加熱されるので、電力の供給を再び開始するまでの時間が長くても暖房能力が得られる。また、電力の供給開始から電気式ヒータ20が目標温度に到達するまでの時間は電気絶縁油35が蓄熱する分、長くなる。これにより、第1〜第3リレーC1〜C3の作動回数が減る。
さらに、電気絶縁油35がPTC素子30の周りに充填されているので、PTC素子30の熱が筒状部材34の表面に直接的に伝わりにくくなり、電気絶縁油35が温度伝達の緩衝材として作用してPTC素子30近傍の最高温度が抑えられる。そして、電気絶縁油35の熱がスペーサ部材31近傍に伝わってスペーサ部材31近傍の温度が上昇する。従って、図6に示すように、筒状部材34におけるPTC素子30が存在する部位の表面温度と、スペーサ部材31が存在する部位の表面温度との差が小さくなる。これにより、電気式ヒータ20の左右方向について温度分布が大きく異なることはなく、吹き出し空気の温度を左右方向について均一に近づけることができる。
以上説明したように、この実施形態に係る電気式ヒータ20によれば、PTC素子30の熱を電気絶縁油35に蓄熱させるようにしたので、電気式ヒータ20のケーシング2近傍の最高表面温度を低下させることができ、ケーシング2の熱害を抑制できる。これにより、電気式ヒータ20とケーシング2との隙間を小さくすることができ、暖房性能を十分に確保できる。また、電力の供給停止後から供給を再び開始するまでの時間、及び電力の供給開始から電気式ヒータ20が目標温度に到達するまでの時間が長くなるので、第1〜第3リレーC1〜C3の作動回数を減らすことができる。さらに、電力の供給停止後の温度変化が緩やかになるので、室内に吹き出す空気温度の変化を緩やかにすることができ、違和感を与えないようにすることができる。
また、左右方向に並ぶPTC素子30の間に発熱しないスペーサ部材31を設けてPC素子30の使用個数を減らすことができる。この場合に、電気絶縁油35の蓄熱作用によって室内に吹き出す空気の温度を均一化することができ、違和感を与えないようにすることができる。
また、PTC素子30及び電極板32、33を収容する筒状部材34に充填された電気絶縁油35を蓄熱部としたので、電気式ヒータ20の構成をシンプルにすることができる。
尚、上記実施形態では、電気絶縁油35を蓄熱部としているが、これに限らず、各種蓄熱材を蓄熱部として使用することができる。
また、本発明は、車両用空調装置のみならず、例えば家庭用等の据え置き型空調装置に適用することもできる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る電気式ヒータは、例えば、車両用空調装置の暖房用熱源として使用することができる。
1 車両用空調装置
20 電気式ヒータ
30 PTC素子(発熱体)
31 スペーサ部材
32 正極側電極板(電極部)
33 負極側電極板(電極部)
34 筒状部材(収容部材)
35 電気絶縁油(蓄熱部)

Claims (4)

  1. 空調装置の暖房用熱源として使用される電気式ヒータにおいて、
    電力の供給によって発熱する発熱体と、
    上記発熱体に発生した熱を蓄熱する蓄熱部とを備えていることを特徴とする電気式ヒータ。
  2. 請求項1に記載の電気式ヒータにおいて、
    複数の上記発熱体が外部空気の通過方向とは交差する所定方向に並ぶように設けられ、
    所定方向に並ぶ上記発熱体の間には、スペーサ部材が設けられていることを特徴とする電気式ヒータ。
  3. 請求項1または2に記載の電気式ヒータにおいて、
    上記発熱体に接続又は接触し該発熱体に電力を供給する電極部と、
    上記発熱体及び上記電極部を収容する収容部材とを備え、
    上記蓄熱部は、上記収容部材に充填された電気絶縁油で構成されていることを特徴とする電気式ヒータ。
  4. 請求項3に記載の電気式ヒータにおいて、
    上記収容部材には、複数の上記発熱体が収容され、
    上記電気絶縁油は、上記収容部材の内面と上記発熱体及び上記電極部との間に充填されていることを特徴とする電気式ヒータ。
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