JP2016035418A - 画像処理装置、出力物検査方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 出力装置からの出力物を検査するための画像処理装置、出力物検査方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本画像処理装置150は、出力装置110からの出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得する検査画像取得手段174と、出力物の元となるデータに基づいて、検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成する基準画像生成手段170と、基準画像および検査画像を、それぞれ、領域単位に分割する分割手段210,212と、基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定する測定手段214と、エッジ特性が規定を下回る基準画像の領域単位の画像および検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小する縮小処理手段218,220と、エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、基準画像および検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出する欠陥検出手段222とを含む。
【選択図】 図7
【解決手段】本画像処理装置150は、出力装置110からの出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得する検査画像取得手段174と、出力物の元となるデータに基づいて、検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成する基準画像生成手段170と、基準画像および検査画像を、それぞれ、領域単位に分割する分割手段210,212と、基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定する測定手段214と、エッジ特性が規定を下回る基準画像の領域単位の画像および検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小する縮小処理手段218,220と、エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、基準画像および検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出する欠陥検出手段222とを含む。
【選択図】 図7
Description
本発明は、画像処理装置、画像検査方法およびプログラムに関し、より詳細には、出力装置からの出力物を検査するための画像処理装置、出力物検査方法およびプログラムに関する。
従来より、プロダクション・プリンティング分野においては、印刷出力物に対し種々の検査が求められる。このような要求に対応して、画像形成装置から出力された出力物をカメラ・スキャナのラインセンサなどで読み取り、読み取り結果から印刷が正常に行われているか検査する、印刷物検査装置が提供されている。
上記印刷物検査装置においては、特に印刷品質の検査を行う場合に、画像読み取りによって得られる検査画像と、ユーザが用意した原稿画像データのRIP(Raster Image Processer)、印刷および読み取りを想定したマスタ画像との比較が行われる。そして、検査画像およびマスタ画像を正確に位置合わせした後、検査画像およびマスタ画像間の差分の程度に基づいて欠陥の有無が判別される。例えば、画素毎に差分を求め、差分値が所定の判定閾値を超えている場合に欠陥と判定される。
検査画像およびマスタ画像の両方をブロック分割し、ブロック毎に相互の位置を修正して合わせ込むことにより、画素同士の照合および差分の検出を高精度に行う技術も知られている(例えば、特開2013‐186562号公報)。プリンタ出力の設定および特性に起因して、マスタ画像と印刷結果とがそもそも完全に同一の大きで出力されない場合や、印刷した紙の湿度による伸び縮みや搬送装置での蛇行により、微小に位置や角度が変化することに対応するものである。
また、印刷検査においては、印刷が1200dpiといった比較的高解像度で行われている場合でも、人間の感応評価を元にする検査基準では、そこまで高い検査解像度が必要ではないこともある。そして、検査処理速度の向上のために、最低限の低解像度で検査でき、検査基準を満たすようにすることが望ましい。このため、実際は、実験的に基準を満たすための解像度を求め、例えば200dpiといった比較的低解像度での印刷物検査装置を構成できることが望まれる。
しかしながら、このように実験的に求めた検査解像度は、平均的および多勢的に決定されることがほとんどであり、稀にある特殊な印刷原稿において検査の不足が生じる場合がある。例えば、通常の自然画像やテキスト画像にはない、芸術的な線画や、別途その印刷物の製本などに必要な位置決め用のトンボなどでは検査不足となり易い。
特許第5308735号公報(特許文献2)は、対象画像の解像度を被検査画像の解像度にあわせて変換することにより、網点の大きさに合せたり、CMYKからRGBへの変換が効率的にできる大きさに変換する技術を開示する。特許第4834387号公報(特許文献3)は、ハーフトーン処理された画像を記録媒体の種類に応じて検査条件を変えて検査する技術および「簡易モード」で画像全体の解像度を落とすことができる点について言及されている。
さらに、特開2013−046092号公報(特許文献4)は、印刷用の画像処理が施された画像データと画像読取装置によって得られた読取データを比較し、用紙上に印刷された画像が不良か否かを判定する制御部において、画像データの属性データに基づき、画像の属性毎に変換する解像度を切り替える構成を開示する。
頻度の少ない、高解像度検査を必要とする画像で検査不足が生じないように画像一面全体の検査解像度を上げてしまうと、検査処理の負担が増大し、検査処理時間の短縮や低コスト化の上で難点となる。同様に、特許文献2および特許文献3にように、一面の画像に対し全ての欠陥を検出できるような解像度を適応してしまう方法では、検査処理時間や装置コストが増大する。
また、特許文献4の従来技術は、画像データに含まれる重要な文字列や数字に意味的な属性を与えて、この属性に基づくものであるため、必ずしも実際の画像の画像的な特徴に合わせて切り替えられるものではなく、充分なものではなかった。また、特許文献4の従来技術では、属性が画素毎に付与されるので、属性が付された領域毎に解像度を変更するとなると、比較および検査のロジックが複雑化してしまう点で充分ではなかった。
本発明は、上記従来技術における不充分な点に鑑みてなされたものであり、本発明は、出力装置からの出力物を画像読取して検査する画像検査処理において、まれにある高解像度での検査が必要な画像部分を識別して、かかる画像部分での検査不足を回避しながら、全体の平均的な処理速度を向上させることができる、画像処理装置、出力物検査方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、下記特徴を有する画像処理装置を提供する。本画像処理装置は、出力装置からの出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得する検査画像取得手段と、上記出力物の元となるデータに基づいて、上記検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成する基準画像生成手段と、上記基準画像および検査画像を、それぞれ、領域単位に分割する分割手段と、上記基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定する測定手段と、上記エッジ特性が規定を下回る基準画像の領域単位の画像および検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小する縮小処理手段と、上記エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、上記基準画像および検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出する欠陥検出手段とを含む。
上記構成により、出力装置からの出力物を画像読取して検査する画像検査処理において、まれにある高解像度での検査が必要な画像部分を識別して、かかる画像部分での検査不足を回避しながら、全体の平均的な処理速度を向上させることができる。
以下、本実施形態について説明するが、実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、出力装置からの出力物を画像読み取りして検査する画像処理装置として、印刷装置の後段に接続され、印刷装置から出力された印刷物を画像読み取りして検査する、印刷物検査装置を一例に説明する。
図1は、本実施形態による印刷物検査装置を含む印刷システムの機構構成を示す図である。図1に示す印刷システム10は、印刷装置20と、本実施形態による印刷物検査装置50と、後処理装置90とを含み構成される。
印刷装置20は、外部より印刷画像を含む印刷ジョブを受信したことに応答して、または、印刷装置20が備える操作パネル40を介して印刷装置20内に蓄積されている印刷ジョブの実行指示を受け付けたことに応答して、印刷ジョブの内容に従って、用紙などの転写部材上に画像を形成し、印刷出力する。
図1において、用紙の搬送経路が点線で示されている。まず、給紙部32よって用紙が取り出され、給紙ローラ34によって転写部位へ用紙が給紙される。印刷装置20は、色毎の感光体ドラム22を含む。図1に示す実施形態では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色の感光体ドラム22K,22C,22M,22Yが並列に並べられたタンデム方式で構成されている。
印刷画像データに基づき生成されるK、C、M、Yの各色の書込信号に応じて、光ビームをオンオフ制御することによって、各感光体ドラム22の表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光体ドラム22が回動するにつれて現像装置方向へと搬送され、トナーにより現像される。そして、書きこみ信号に応じたトナー像が感光体ドラム22上に形成され、担持される。
一方、感光体ドラム22K,22C,22M,22Yの下方には、搬送ローラ24,26に張架された中間転写ベルト30が配置されている。トナー像は、感光体ドラム22が回動するにつれて、中間転写ベルト30側に搬送され、一次転写ローラにより感光体ドラム22と中間転写ベルト30とが接する位置で中間転写ベルト30上に転写される。各色のトナー像は、位置を合わせて重畳され、中間転写ベルト30上に多色トナー像が形成される。中間転写ベルト30上に転写された多色トナー像は、二次転写部のローラ28方面に搬送され、転写ローラにより転写部位の位置に給紙された用紙に転写される。
多色トナー像が転写された用紙は、定着ローラ36にて加熱定着される。片面印刷の場合は、用紙がそのまま印刷物検査装置50へ排紙される。一方、両面印刷の場合は、反転パス38で反転させられた後、さらに用紙の反対面にトナー像を転写および定着されて、印刷物検査装置50へ排紙される。
印刷物検査装置50は、印刷装置20と連携して動作し、印刷装置20により出力された印刷物を検査する。印刷物検査装置50には、印刷装置20から排紙された印刷物が給紙される。印刷物は、画像読取装置52,54によってその両面が画像読み取りされて検査された後、後処理装置90へ排紙される。
印刷物検査装置50は、図1に示すように、操作パネル56を含んでもよいが、特に限定されるものではなく、操作パネル56を設けずに、印刷装置20の操作パネル40が兼用していてもよい。また、印刷装置20の後段に専用の印刷物検査装置を設けるほか、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して、印刷装置の排紙部に備えられる画像読取装置から、読取画像データを汎用コンピュータへ送信し、汎用コンピュータ上で画像処理による検査を行う態様としてもよい。
後処理装置90は、例えば、スタッカであり、印刷物検査装置50から排出された検査済みの印刷物をトレイ92にスタックする。
図2は、本実施形態による印刷物検査装置を含む印刷システムのハードウェア・ブロックを示す図である。
印刷装置110は、システム制御部112と、ユーザ・インタフェース(以下、インタフェースを単にI/Fと参照する場合がある。)部118と、DFE(デジタル・フロント・エンド)I/F部120と、ネットワークI/F部122と、外部I/F部124と、HDD(Hard Disk Drive)126と、画像処理制御部128と、印写制御部130と、機構制御部132とを含む。
システム制御部112は、内部にCPU114およびメモリ116を備え、印刷装置110の全体を制御する制御部として機能している。ユーザI/F部118は、システム制御部112と操作パネル40とを接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F部122は、システム制御部112をLANやイーサネット(登録商標)などのネットワークに接続するためのインタフェースである。外部I/F部124は、システム制御部112と印刷物検査装置50などの外部装置とを接続するためのインタフェースである。HDD126は、制御プログラム、印刷ジョブおよび画像データを記憶する記憶装置である。
機構制御部132は、印刷装置110における用紙搬送、転写プロセスといった、印刷装置110における印刷動作を制御する制御部である。DFEI/F部120には、外部の画像生成コントローラ12が接続される。DFEI/F部120は、接続される外部の画像生成コントローラ12から、RIP処理された画像(以下、RIP画像と参照する場合がある。)の転送を受けるためのインタフェースである。画像処理制御部128は、機構制御部132において用紙に転写する印刷画像を準備する印刷画像処理の制御を行う。画像処理制御部128は、また、外部I/F部124を介して接続される印刷物検査装置50へ、画像処理制御部128で準備した印刷画像を転送する。印写制御部130は、用紙などの転写部材への画像形成の制御を行う。
これに対して、印刷物検査装置150は、システム制御部152と、外部I/F部158と、ユーザI/F部160と、HDD162と、ネットワークI/F部164と、機構制御部168と、マスタ画像生成部170と、画像欠陥判定部172と、画像読取部174とを含む。
システム制御部152は、内部にCPU154およびメモリ156を備え、印刷物検査装置150の全体を制御する制御部として機能する。外部I/F部158は、システム制御部152と、印刷装置110および後処理装置90などの外部装置とを接続するためのインタフェースである。ユーザI/F部160は、システム制御部152と操作パネル56とを接続するためのインタフェースである。HDD162は、制御プログラムや画像データを記憶する記憶装置である。ネットワークI/F部164は、システム制御部152をLANやイーサネット(登録商標)などのネットワークに接続するインタフェースである。
機構制御部168は、検査対象である印刷物の搬送などの印刷物検査装置150の搬送動作の制御部として機能する。マスタ画像生成部170は、印刷装置110から外部I/F部158などのインタフェースを介して送られてくる印刷画像に基づき、検査のための基準画像となるマスタ画像を生成する、本実施形態における基準画像生成手段を構成する。画像読取部174は、印刷装置110が印刷して出力した印刷物を画像読み取りし、検査対象とする検査画像を取得する、本実施形態における検査画像取得手段を構成する。画像欠陥判定部172は、マスタ画像生成部170で生成されたマスタ画像と、画像読取部174が取得した検査画像とを比較照合し、印刷物における欠陥の有無を判定する。
以下、印刷装置110の動作について説明する。システム制御部112は、印刷ジョブの実行指示により、DFEI/F部120を介して受信した印刷ジョブ、または、HDD126に格納されている印刷ジョブを、RIP画像として抽出し、画像処理制御部128に送信する。機構制御部132は、システム制御部112からの印刷指令に基づいて、印写制御部130に対し画像信号出力指令を行う。印写制御部130は、機構制御部132からの画像信号出力指令に基づいて、画像処理データ出力指令を画像処理制御部128に対して行う。画像処理制御部128は、印写制御部130からの画像データ出力指令に従って、RIP画像を印刷画像へ変換し、変換された印刷画像を、印写制御部130に送信するとともに、検査のため印刷物検査装置150に送信する。
以下、図3および図4を参照しながら、印刷物検査装置150の動作について説明する。図3および図4は、本実施形態による印刷物検査装置の動作を示すブロック図である。図3は、用紙を登録するための印刷検査モードである用紙登録モードにおける動作を示し、これに対し、図4は、検査するための印刷検査モードである通常モードにおける動作を示す。
まず、図3を参照しながら、用紙登録モードにおける動作について説明する。システム制御部152は、印刷装置110から外部I/F部158を介してジョブ管理情報を受信する。ジョブ管理情報は、システム制御部152内の記憶部176に一旦格納される。システム制御部152は、ジョブ管理情報処理部178を含み、ジョブ管理情報処理部178は、受信したジョブ管理情報から、後処理情報を抽出して、抽出した後処理情報を、外部I/F部158を経由して、印刷物検査装置150の後段の後処理装置90に送信する。ジョブ管理情報処理部178は、さらに、ジョブ管理情報から印刷管理情報を抽出して、抽出した印刷管理情報を、マスタ画像生成部170、画像欠陥判定部172、画像読取部174および機構制御部168へ転送する。
図5(A)は、ジョブ管理情報のデータ構造を示す。図5(A)に示すジョブ管理情報は、印刷検査モード、ページ識別情報、印刷面情報、用紙情報、用紙サイズ情報および後処理情報を含んでいる。印刷検査モードには、「用紙登録モード」または「通常モード」が指定される。ページ識別情報は、印刷ページの識別子であり、識別子は、例えば電源投入時点から1ページの出力毎にカウントアップされる。印刷面情報は、該ページが上面であるか下面であるかを示す。用紙情報は、用紙の種類を示し、用紙サイズは、用紙のサイズを示す。後処理情報は、当該印刷物検査装置以降に接続される後処理装置で必要となる情報を含む。図5(A)に示すジョブ管理情報のうち、後処理情報の項目が、上述した後処理情報として抽出され、それ以外の項目が、印刷管理情報として抽出される。
ジョブ管理情報(それから抽出される印刷管理情報)には、上述したように印刷検査モードの項目が含まれており、ジョブ管理情報中の印刷検査モードによって、印刷物検査装置150は、2通りの異なる処理を実行する。ジョブ管理情報における印刷検査モードが、「用紙登録モード」を示す場合、用紙毎にCMYK色空間からRGB色空間へ変換するための色変換テーブル、および、解像度変換の際の補正係数を生成し、これらを用紙補正情報として登録する。一方、ジョブ管理情報内の印刷検査モードが「通常モード」である場合は、マスタ画像が生成されて、それに基づいて画像検査処理が行われる。
再び図3を参照して、用紙登録モードの場合について説明を続ける。用紙登録モードでは、所定のチャートを含む画像データが印刷される。画像読取部174は、印刷装置110から出力される印刷物の上面を画像読取装置52で、下面を画像読取装置54で、所定解像度にて画像読み取りし、読取画像を取得する。画像読取部174は、受信した印刷管理情報に含まれる印刷面情報に基づいて、取得した読取画像と印刷管理情報とを結合させて読取画像データとして、画像欠陥判定部172に送信する。印刷管理情報内の印刷検査モードが用紙登録モードの場合、画像欠陥判定部172は、受信した読取画像データに対して欠陥判定処理を行わず、読取画像データをそのままシステム制御部152に送信する。
システム制御部152は、受信した読取画像データを記憶部176に記憶し、受信した読取画像データと、HDD162に予め記憶されているチャート情報とを取得する。上記チャート情報は、用紙サイズ毎に用意されるものであり、その内容は、用紙サイズ、用紙四隅の位置合わせマークの座標、印刷される各カラーパッチの色情報を含み構成される。システム制御部152は、受信した読取画像データに対応した用紙サイズのチャート情報を取得する。
上述した読取画像データおよびチャート情報に基づいて、色変換テーブル生成部182は、色変換テーブルを生成し、補正係数算出部180は、補正係数を算出する。生成された色変換テーブルおよび補正係数は、併せて用紙補正情報としてHDD162に記憶される。このようにして、印刷装置110からの印刷出力および画像読取部174での画像読み取りを想定して、印刷画像から比較のためのマスタ画像を生成するための色変換テーブルおよび補正係数が準備される。
図5(B)は、用紙補正情報のデータ構造を示す。図5(B)に示す用紙補正情報は、用紙情報、用紙サイズ、用紙サイズ補正情報および色変換テーブルを含んでいる。用紙情報は、用紙の種類を示し、用紙サイズは、用紙のサイズを示す。用紙サイズ補正情報は、補正係数算出部180が算出した解像度変換の際の補正係数であり、色変換テーブルは、色変換テーブル生成部182が生成した色変換テーブルである。
続いて、図4を参照しながら、通常モードにおける動作について説明する。転送された印刷管理情報内の印刷検査モードが「通常モード」を示す場合、画像読取部174は、印刷物の上面または下面を画像読取装置52,54で、所定解像度および階調にて画像読み取りし、検査画像を取得し、検査画像データとし、画像欠陥判定部172に送信する。なお、画像読取部174が画像読み取りする際の解像度は、後述するように、高解像度による検査を要する画像に対しても良好な検査ができる程度に高い解像度を選択することができる。例えば、人間の感応評価を元にする検査基準では、例えば200dpi解像度といった比較的低解像度で充分であるとした場合に、例えば、400dpiが選択される。画像読み取りする際の階調は、特に限定されるものではなく、検査の精度に対する要求に応じて8ビット階調などが選択される。
印刷検査モードが「通常モード」を示す場合、マスタ画像生成部170は、印刷管理情報を受け取り、適宜、印刷管理情報で指定されている用紙情報に対応する用紙補正情報を、システム制御部152を経由してHDD162から取得する。マスタ画像生成部170は、印刷装置110から印刷画像を受信し、検査画像と同一のデータ形式に変換する。RIP処理済みの印刷画像は、CMYK色空間の所定解像度(例えば1200dpi)で少値(例えば2ビット)の画像データである。マスタ画像生成部170は、これを、画像読取部174での画像読取時と同一のRGB色空間の所定解像度(400dpi)の多値(例えば8ビット)の画像データに変換し、マスタ画像とし、画像欠陥判定部172に送出する。
印刷管理情報内の印刷検査モードが「通常モード」を示す場合、画像欠陥判定部172は、マスタ画像生成部170で生成されたマスタ画像と、画像読取部174で取得された検査画像とに基づいて、画像間の差分を取り、画像における欠陥を検査する。マスタ画像と検査画像とは、そのデータの大きさ、解像度、色空間が略同一とされる。画像欠陥判定処理では、マスタ画像および検査画像の画像全体が複数のブロックに分割されて、ブロック毎に画像の比較照合が行われ、対応する画素同士の差分が検出され、所定の閾値と比較されて、これにより欠陥判定結果が生成される。
欠陥の検査が終了すると、画像欠陥判定部172は、検査画像、後述するエッジ画像および差分画像を含む検査結果画像データと、欠陥判定情報とをシステム制御部152に送信する。ここで、欠陥判定情報は、欠陥判定結果と、欠陥判定に用いた閾値とのセットであり、欠陥判別結果には、欠陥と判定されたm×n画素のエリアの左上の座標、右下の座標、差分値が含まれる。
システム制御部152は、欠陥判定情報を記憶部176およびHDD162に記憶する。システム制御部152は、欠陥判定結果処理部184を含み、欠陥判定結果処理部184は、印刷装置110および後処理装置90に送信する情報を生成し、外部I/F部158を介して、印刷装置110および後処理装置90に送信する。システム制御部152は、さらに、ユーザ・インタフェース(UI)表示情報生成部186を含み、UI表示情報生成部186は、画像検査結果をユーザに通知するためのUI表示情報を生成し、ユーザI/F部160を介して、操作パネル56に表示させる。ユーザに通知する画像検査結果としては、特に限定されるものではないが、欠陥が見つかったか否かを示す情報、欠陥が見つかった場合はその箇所の検査画像、エッジ画像および差分画像などが含まれ得る。
システム制御部152は、さらに、ネットワーク・ユーザ・インタフェース(NUI)表示情報生成部188を含む。NUI表示情報生成部188は、ネットワークI/F部164を経由して、パーソナル・コンピュータなどの外部装置からのNUI表示要求を受け付ける。NUI表示要求は、当該外部装置の表示デバイス上で画像検査結果を表示するための表示情報の要求である。NUI表示情報生成部188は、NUI表示要求を受信したことに応答して、記憶部176に記憶されている欠陥判定情報を読み出し、画像検査結果をユーザに通知するためのNUI表示情報を生成し、ネットワークI/F部164を介して、要求元に送信する。要求元の外部装置は、受信したNUI表示情報に基づいて画面表示を行うことができる。
以下、印刷画像からマスタ画像を生成するマスタ画像生成処理について、図6を参照しながら、詳細を説明する。図6は、本実施形態によるマスタ画像生成部170の詳細なブロックを示す図である。図6には、マスタ画像生成処理の流れも示されている。
図6に示すように、マスタ画像生成部170は、解像度変換部200と、用紙補正処理部202と、色変換部204と、フィルタ処理部206とを含み構成される。マスタ画像生成部170は、また、内部に記憶領域を備えており、マスタ画像を生成するための用紙補正情報(補正係数および色変換テーブル)を内部の記憶領域に保持している。マスタ画像生成部170は、記憶領域に保存されている用紙情報と、受け取った印刷管理情報に含まれている用紙情報とを比較し、これらが異なる場合は、まず、印刷管理情報で指定されている用紙情報に対応する用紙補正情報を、システム制御部152を経由してHDD162から取得する。
マスタ画像生成部170は、適切な用紙補正情報が取得されると、用紙補正情報に基づいて、検査画像と同じデータ形式に印刷画像を変換する。ここで、印刷画像が、一例として、CMYK1200dpi少値(例えば2ビット)データであり、検査画像が、解像度400dpi多値(例えば8ビット)データであった場合を考える。解像度変換部200は、元となる印刷画像を、出力時の解像度1200dpi少値のデータから、検査画像と略同一の解像度400dpi多値(例えば8ビット)データに変換する。また、用紙補正処理部202は、用紙補正情報に含まれる補正係数を用いて、適応するドットゲインや色の微修正を行う。色変換部204は、元となる印刷画像を、出力時のCMYK色空間から、画像読取部174によって撮像される検査画像の色空間であるRGB色空間へ変換する。
色変換は、用紙補正情報に変換式の係数データが含まれるとして、変換式を用いて行ってもよいし、用紙補正情報にLUT(Look Up Table)が含まれるとして、自由度の高い色変換テーブルを用いて行ってもよい。さらに、適宜、撮像された検査画像に含まれる、撮像光学系由来のボケや収差を加味した補正フィルタをかけて、マスタ画像とすることができる。
以下、マスタ画像および検査画像を入力としてブロック単位で欠陥を検査する画像欠陥判定処理について、図7〜図9を参照しながら、詳細を説明する。
画像処理による検査において、印刷画像が比較的高解像度でおこなわれている場合、同一の解像度で検査用のマスタ画像および検査画像を準備して、その差分検出を行うことで理想である。しかしながら、人間の感応評価を元にする検査基準では、そこまでの検査解像度は必要ではないことが多く、検査処理速度の向上のためには、実験的に充分な解像度を求め、できるだけ低解像度で検査できようにすることが望ましい。しかしながら、実験的に求めた検査用の解像度は、平均的および多勢的に決定されることがほとんどであり、まれに特殊な印刷原稿などに対して検査の不足を生ずることがある。例えば、通常の自然画像やテキスト画像にはない芸術的な線画や、印刷物の製本などに必要な位置決め用のトンボなどがそうである。
このような、通常の印刷ではあまり出てこないような細線を不充分な解像度で撮像すると、画像上の位置によっては、1ピクセルのはっきりした画像になったり、2ピクセルにわたるぼやけた画像になったりする。マスタ画像と検査画像との位置合わせのずれなどに起因して、上述したような2種の異なった画像となり、欠陥であると判定されると、これは結果として過剰検出となってしまう。一方で、上述した細線のような、頻度の少ない高解像度検査を必要とする画像に対処するために、画像一面全体の検査解像度を上げてしまうと、検査処理の負荷が増大し、検査処理時間の向上や低コスト化において難となる。
そこで、本実施形態による印刷物検査装置150では、マスタ画像および検査画像を複数のブロック単位に分割し、その対応するブロック毎に画像比較を行うようにし、さらに、マスタ画像の個々のブロックの画像特性を検出して、その画像特性に応じて、比較の際のブロックの解像度を切り替える構成を採用する。より具体的には、マスタ画像の個々のブロックの画像のエッジ特性を検出して、エッジ特性が強いブロックについてはそのままの解像度で、エッジ特性の弱いブロックについては一旦縮小処理を施して解像度を下げてから比較および照合する。これにより、すべてを高い解像度で検査するより高速で、かつ、すべてを低い解像度で検査するより高精度に検査することを可能とし、検査時間を増大させずに、検査精度の向上を図っている。
図7は、本実施形態による画像欠陥判定部172の詳細なブロック図である。図7には、画像欠陥判定処理の流れも示されている。図7に示すように、画像欠陥判定部172は、ブロック分割部210,212と、エッジ測定およびブロック振り分け部214と、ブロック振り分け部216と、縮小処理部218,220と、差分検出部222とを含み構成される。
ブロック分割部210およびブロック分割部212は、それぞれ、マスタ画像および検査画像を、所定の領域単位に分割する分割手段である。説明する実施形態では、所定の領域単位は、比較演算の簡素化の観点から、画素数×画素数のブロック単位とされている。
図8は、本実施形態において、画像全体を複数のブロックに分割する態様を説明する図である。上述したフローにて準備されたマスタ画像および検査画像は、そのデータの大きさ、解像度および色空間が同一である。例えば、マスタ画像および検査画像が、1200×1800画素の大きさを有する、解像度400dpi、RGB色空間のデータであるとする。
ブロック分割部210およびブロック分割部212は、それぞれ、図8(A)に示すようなマスタ画像および検査画像を、図8(B)に示すように複数のブロックに分割する。図8(B)に示す例示では、ひとつのブロックの大きさが、150×100画素であり、上述した1200×1800画素の全体が、合計144(8×18ブロック)のブロックに分割されている。
マスタ画像および検査画像は、その撮像条件(レンズのひずみ、レンズと紙の距離の変動、搬送のぶれ、紙の伸び縮み)などに起因して、全体をぴったりと重ね合わせることは通常困難である。しかしながら、ブロック単位に分割し、それぞれのブロックを微小に移動させることによって位置合わせすることにより、良好な検査を行うことができる。説明する実施形態では、ブロック間では、例えば特許文献1などに開示される既存技術により、適切に位置合わせされているものとし、ここでは、詳細な説明には立ち入らない。なお、画像の四隅にある位置あわせマークは、全体の位置あわせの第一段階での祖調整に使うことができる。このような複数段階の位置合わせ技術については、特許文献1を参照することができる。
再び図7を参照すると、エッジ測定およびブロック振り分け部214は、マスタ画像のブロック毎にエッジ特性を測定するとともに、測定されたエッジ特性に基づいて、ブロックの処理フローを振り分ける。エッジ測定およびブロック振り分け部214は、本実施形態における測定手段を構成する。エッジ測定およびブロック振り分け部214は、より詳細には、マスタ画像を構成するブロック画像に対し、エッジ検出フィルタを適用し、ブロック毎のエッジ画像を生成する。そして、エッジ画像におけるエッジに該当する部分の総和および分布の両方または一方に基づいて、エッジ特性が評価される。ブロック内のエッジ部分の総和や分布の判定に用いるアルゴリズムは、エッジ検出フィルタなどの既知の技術で組み合わせることが可能であり、特に限定されるものではない。エッジ検出フィルタとしては、典型的には、Sobel(ゾーベル)フィルタ、Prewitt(プレヴィット)フィルタなどを挙げることができる。
エッジ特性が強いブロックについては、エッジ測定およびブロック振り分け部214と、ブロック振り分け部216とにおいて、そのまま、差分検出部222にブロック画像を振り分けさせる。一方、エッジ特性が規定を下回るエッジ特性が弱いブロックについては、エッジ測定およびブロック振り分け部214と、ブロック振り分け部216とにおいて、まず縮小処理部218,220にブロック画像を振り分ける。
縮小処理部218および縮小処理部220は、それぞれ、エッジ特性が規定を下回るブロックに関して、入力されるマスタ画像および検査画像のブロック画像を縮小する。例えば、元の解像度400dpiよりも低く、人間の感応評価を元にする検査基準では充分な200dpiの解像度に下げることができる。
差分検出部222は、エッジ特性が規定を下回らないブロックに関しては、そのままの元解像度で入力されるマスタ画像および検査画像のブロック画像間で比較照合して欠陥を検出する。エッジ特性が規定を下回るブロックに関しては、差分検出部222は、マスタ画像および検査画像の縮小されたブロック画像間を比較照合して欠陥を検出する。マスタ画像と検査画像とをブロック毎に重ね合わせて、ブロックを構成する各画素間の差分を検出し、画素の差分値が閾値を超えた場合は、その箇所が欠陥と判定される。
図9は、本実施形態による印刷物検査装置が実行する画像検査処理のフローチャートである。図9に示す処理は、ステップS100から開始され、ステップS101では、印刷物検査装置150は、ブロックカウンタをリセットする。ここで、ブロックカウンタは、分割した全ブロックのうちの処理対象となるブロックを識別するものであり、リセットにより、1番目のブロックが選択される。
ステップS102では、印刷物検査装置150は、処理対象となるマスタ画像のブロック(以下、マスタブロック画像と参照する。)および検査画像のブロック(以下、検査ブロック画像と参照する。)を取得する。ステップS103では、印刷物検査装置150は、マスタブロック画像に対しエッジ検出フィルタを適用し、エッジ画像を生成する。ステップS104では、印刷物検査装置150は、エッジ画像に基づいて、エッジが多いブロック画像であるか否かを判定する。ここで、エッジであると判定された部分の画素値の総和や分布に基づいて、当該ブロックが、平坦な部分とエッジがある部分のコントラストが高いものであれば、エッジが強い文字領域ないし線画領域のブロックであると判断される。一方、当該ブロックが、エッジをあまり含まなければ、エッジが弱い写真領域、自然画像領域または絵柄領域と判断される。
ステップS104で、エッジが多いブロック画像であると判定された場合(YES)は、ステップS105へ処理を分岐させる。ステップS105では、マスタブロック画像および検査ブロック画像を、元の解像度(例えば400dpi)のまま差分演算し、ステップS108へ進める。このようなブロックは、低解像度で画素の差分検出を行うと、エッジのずれによる誤差が大きくなり、その結果、人間の判定では許容できるような欠陥も、過剰に検出してしまうためである。そのため、比較的高い解像度で検査する必要性が高い。
これに対して、ステップS104で、エッジが多いブロック画像ではないと判定された場合(NO)は、ステップS106へ処理を分岐させる。ステップS106では、マスタブロック画像および検査ブロック画像に対し一括の縮小処理を施し、元よりも低い解像度(例えば200dpi)に下げる。ステップS107では、マスタブロック画像および検査ブロック画像を、元より低い解像度(例えば200dpi)で差分演算し、ステップS108へ進める。このようなブロックは、隣り合う画素間の差分値の変化が緩やかなため、比較的低解像度で画素の差分検出を行っても、位置ずれが原因となるマスタ画像および検査画像の差分値の増大が過度にはならないためである。そのため、比較的低い解像度で検査することで、検出精度を下げることなく、処理速度の高速化を図ることができる。
このような一括の縮小処理は、ブロック画像全体に一括して行えるため、このような余分な処理が付加されたとしても、高解像画像同士の差分検出処理を演算する場合と比較して、演算負荷が小さく、全体を高速化することができる。特に、縮小処理は、ハードウェアでも比較的単純に構成でき、汎用性も高い。さらに、専用のハードウエア・ロジックも提供されているので、そのようなハードウェアを利用することにより低コストで演算の高速化を図ることが可能となる。
図8に示した画像例を参照すると、「野菜を食べよう!」という文字が存在するブロックは、エッジが多い。したがって、経験的に、このようなブロック画像に対して高解像度での差分検出を行うように、エッジが多いブロック画像であるか否かの判定を行うための判定の閾値を設定すればよい。一方、背景の部分や、トマト・ブロッコリーなどの絵柄の部分は、比較的エッジが少ないので、このようなブロック画像に対して低解像度での差分検出処理を行うよう、判定の閾値を設定すればよい。
ステップS105またはステップS107で、ブロックの差分検出が終了すると、ステップS108で、印刷物検査装置150は、ブロック差分検出結果を保存し、ステップS109へ処理を進める。ステップS109では、印刷物検査装置150は、ブロックカウンタを参照し、すべてのブロックの処理が完了しているか否かを判定する。ステップS109で、ブロックカウンタが最大値に達しておらず、未だ未処理のブロックがあると判定された場合(NO)は、ステップS110で、ブロックカウンタをインクリメントしてから、ステップS101へ処理をループさせて、次のブロックの処理を行う。一方、所定ブロック数(図8に示す例では144)行われ、ステップS109で、すべてのブロックが終了したと判定された場合(YES)は、ステップS111へ処理を分岐させて、すべてのブロックの差分検出結果を、差分画像検出結果として保存し、本画像検査処理を終了する。
上述した実施形態の印刷物検査装置150によれば、マスタ画像および検査画像を複数のブロック単位に分割し、さらに、マスタ画像の個々のブロックの画像特性を検出して、その画像特性に応じて、比較の際のブロックの解像度を切り替えて、ブロック毎に画像比較を行うように構成されている。特定の実施形態では、マスタ画像の個々のブロックの画像のエッジ特性を検出して、エッジ特性が強いブロックについてはそのままの解像度で、エッジ特性の弱いブロックについては一旦縮小処理を施して解像度を下げてから比較および照合している。
上述した構成を採用することにより、すべてを高い解像度で検査するより高速で、かつ、すべてを低い解像度で検査するより高精度に検査することが可能となり、検査時間を増大させずに、検査精度を向上することができる。また、マスタ画像の個々のブロックの画像のエッジ特性を検出しているので、画像内の意味的な属性ではなく、実際のブロックの画像の画像的な周波数属性に則して解像度を切り替えることができ、全体の処理量の軽減を図ることができる。また、比較的高い解像度で検査画像およびマスタ画像を生成し、エッジの弱い部分に対しては、一括で縮小処理を行って比較的低い解像度のブロック画像を準備するので、演算負荷を好適に軽減することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、出力装置からの出力物を画像読取して検査する画像検査処理において、まれにある高解像度での検査が必要な画像部分を識別して、かかる画像部分での検査不足を回避しながら、全体の平均的な処理速度を向上させることができる、画像処理装置、出力物検査方法およびプログラムを提供することができる。
なお、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。また、上記機能部の一部または全部は、例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、あるいはASIC(特定用途向集積)として実装することができ、上記機能部をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(VHSIC(Very High Speed Integrated Circuits) Hardware Description Language))、Verilog−HDLなどにより記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
また、上述した実施形態では、画像処理装置として、印刷装置20に接続される印刷物検査装置50,150を一例として説明したが、特に限定されるものではない。他の実施形態では、印刷装置20の排紙部に設けられた画像読取装置による画像読取データおよび印刷装置20に入力されたRIP画像または印刷画像の入力を受けて、画像検査を実施する、汎用コンピュータなどの情報処理装置として構成されてもよいし、印刷機能に加えて印刷物検査機能を備えた印刷装置などの画像形成装置として構成されてもよし、印刷物検査機能を専ら実現する画像処理回路として構成れてもよい。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…印刷システム、12…画像生成コントローラ、20,110…印刷装置、22…感光体ドラム、24…搬送ローラ、26…搬送ローラ、28…ローラ、30…中間転写ベルト、32…給紙部、34…給紙ローラ、36…定着ローラ、38…反転パス、40…操作パネル、50、150…印刷物検査装置、52…画像読取装置、54…画像読取装置、56…操作パネル、90…後処理装置、92…トレイ、100…ハードウェア・ブロック、112…システム制御部、114…CPU、116…メモリ、118…ユーザI/F部、120…DFEI/F部、122…ネットワークI/F部、124…外部I/F部、126…HDD、128…画像処理制御部、130…印写制御部、132…機構制御部、152…システム制御部、154…CPU、156…メモリ、158…外部I/F部、160…ユーザI/F部、162…HDD、164…ネットワークI/F部、168…機構制御部、170…マスタ画像生成部、172…画像欠陥判定部、174…画像読取部、176…記憶部、178…ジョブ管理情報処理部、180…補正係数算出部、182…色変換テーブル生成部、184…欠陥判定結果処理部、186…UI表示情報生成部、188…NUI表示情報生成部、200…解像度変換部、202…用紙補正処理部、204…色変換部、206…フィルタ処理部、210…ブロック分割部、212…ブロック分割部、214…エッジ測定およびブロック振り分け部、216…ブロック振り分け部、218…縮小処理部、220…縮小処理部、222…差分検出部
Claims (8)
- 出力装置からの出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得する検査画像取得手段と、
前記出力物の元となるデータに基づいて、前記検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成する基準画像生成手段と、
前記基準画像および前記検査画像を、それぞれ、領域単位に分割する分割手段と、
前記基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定する測定手段と、
前記エッジ特性が規定を下回る前記基準画像の領域単位の画像および前記検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小する縮小処理手段と、
前記エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、前記基準画像および前記検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出する欠陥検出手段と
を含む、画像処理装置。 - 前記測定手段は、前記基準画像の領域単位の画像からエッジ画像を生成し、該エッジ画像におけるエッジに該当する部分の総和および分布の両方または一方に基づいて、前記エッジ特性を評価する、請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記領域単位は、ブロックである、請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記欠陥検出手段は、前記基準画像および前記検査画像のブロックを構成する各画素間の差分を検出し、検出結果に基づいて欠陥を検出することを特徴とする、請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記基準画像生成手段は、
前記元となるデータに基づく画像を、出力時の解像度から前記検査画像と略同一の解像度へ変換する解像度変換手段と、
前記元となるデータに基づく画像を、出力時の色空間から画像読取の色空間へ変換する色変換手段と
を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 出力装置からの出力物を検査するための出力物検査方法であって、コンピュータ、画像処理回路またはこれらの組み合わせが、
前記出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得するステップと、
前記出力物の元となるデータに基づいて、前記検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成するステップと、
前記基準画像および前記検査画像を、それぞれ、領域単位に分割するステップと、
前記基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定するステップと、
前記エッジ特性が規定を下回る前記基準画像の領域単位の画像および前記検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小するステップと、
前記エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、前記基準画像および前記検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出するステップと
を含む、出力物検査方法。 - 前記エッジ特性を測定するステップは、
前記基準画像の領域単位の画像からエッジ画像を生成するステップと、
前記エッジ画像におけるエッジに該当する部分の総和および分布の両方または一方に基づいて、前記エッジ特性を評価するステップと
を含む、請求項6に記載の出力物検査方法。 - 出力装置からの出力物を所定解像度で画像読み取りすることにより生成された検査画像を取得する検査画像取得手段、
前記出力物の元となるデータに基づいて、前記検査画像と略同一の解像度の基準画像を生成する基準画像生成手段、
前記基準画像および前記検査画像を、それぞれ、領域単位に分割する分割手段と、
前記基準画像の領域単位毎にエッジ特性を測定する測定手段、
前記エッジ特性が規定を下回る前記基準画像の領域単位の画像および前記検査画像の対応する領域単位の画像をそれぞれ縮小する縮小処理手段、および
前記エッジ特性が規定を下回る領域単位に関し、前記基準画像および前記検査画像の縮小された画像間を比較して欠陥を検出する欠陥検出手段
として、コンピュータまたはプログラマブル・デバイスを機能させるためのプログラム。
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