JP2016034740A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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宏明 奥井
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Naoya Sato
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隆幸 下坂
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Abstract

【課題】液体噴射ヘッドにおける実装領域内の電極の密度を均一化する。
【解決手段】ノズルNからインクを噴射させる複数の駆動素子Fは、配線基板が実装される実装領域Qを挟んで相互に反対側の第1素子群G1と第2素子群G2とに区分される。実装領域Qには、第1素子群G1に接続された複数の第1電極E1と第2素子群G2に接続された複数の第2電極E2とが形成される。複数の第1電極E1は、ピッチPAで配列された2以上の第1電極E1を含む第1電極群H1および第2電極群H2に区分され、第1電極群H1と第2電極群H2とはピッチPB(>PA)で相互に離間する。複数の第2電極E2は、ピッチPAで配列された2以上の第2電極E2を含む第3電極群H3および第4電極群H4に区分され、第3電極群H3と第4電極群H4とはピッチPBで相互に離間する。実装領域Q内の複数の電極Eの配列のピッチはピッチPA以下である。
【選択図】図7

Description

本発明は、インク等の液体を噴射する技術に関する。
印刷用紙等の媒体にインク等の液体を噴射する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、第1列および第2列の計2列に配列された複数の圧電素子の各々を駆動して圧力室内のインクをノズルから噴射させる液体噴射ヘッドが開示されている。第1列と第2列との間の領域(以下「実装領域」という)には、複数の圧電素子を可撓性の配線基板(フレキシブルケーブル)の配線に電気的に接続するための複数の電極(接続端子)が形成される。
特開2013−103429号公報
複数の圧電素子は、各圧電素子に対応するノズルの位置に応じた多様な態様で配列され得る。他方、実装領域内の複数の電極の各々は、各圧電素子に対応した位置に形成される。したがって、例えば、圧電素子の配列方向における位置を第1列と第2列とで相違させた構成を想定すると、実装領域のうち圧電素子の第1列と第2列とが相互に重複する領域には、第1列の各圧電素子に接続される電極と第2列の各圧電素子に接続される電極とが混在し、実装領域の端部側の領域には、第1列および第2列の一方の各圧電素子に接続される電極のみが存在する、という具合に実装領域内の領域毎に電極の疎密が相違する構成となる。
しかし、実装領域内の電極の疎密に起因して種々の問題が発生し得る。例えば、実装領域に接着剤で配線基板等の実装部品を実装する過程で、実装領域内の電極の疎密に応じて接着剤の流動の度合が相違し、結果的に接着不良等の問題が発生する可能性がある。あるいは、例えば製造過程にて液体噴射ヘッドが加熱された場合に、実装領域内の電極の疎密に応じて実装領域内の熱分布に偏りが発生し、以降に形成される要素の特性の不均一性の原因となる可能性もある。以上に例示した少なくともひとつの事情を考慮して、本発明は、実装領域内の電極の密度を均一化することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明に係る液体噴射ヘッドは、液体が充填される圧力室に圧力を付与して当該液体をノズルから噴射させる複数の駆動素子であって、第1方向に沿って配列された複数の第1駆動素子と、実装部品が設置される実装領域を挟んで複数の第1駆動素子とは反対側で第1方向に沿って配列する複数の第2駆動素子とを含む複数の駆動素子と、第1方向に交差する第2方向に沿って延在するように実装領域に形成された複数の電極とを具備し、複数の電極のうち複数の第1駆動素子に電気的に接続された複数の第1電極は、第1方向に沿って第1ピッチで配列された2以上の第1電極を含む第1電極群および第2電極群を含み、第1電極群と第2電極群とは、第1ピッチと比較して広い第2ピッチで第1方向に相互に離間し、複数の電極のうち複数の第2駆動素子に電気的に接続された複数の第2電極は、第1方向に沿って第1ピッチで配列された2以上の第2電極を含む第3電極群および第4電極群を含み、第3電極群と第4電極群とは、第2ピッチで第1方向に相互に離間し、実装領域内の複数の電極の配列のピッチは、第1ピッチ以下である。以上の態様では、第1電極群と第2電極群とが第2ピッチで第1方向に相互に離間するとともに第3電極群と第4電極群とが第2ピッチで第1方向に相互に離間する構成において、第1電極群と第2電極群との間の領域および第3電極群と第4電極群との間の領域とを含む実装領域内で複数の電極の配列のピッチが第1ピッチ以下に制約される。したがって、例えば第1電極群と第2電極群との間の領域と、第3電極群と第4電極群との間の領域とが第1方向において相互に重複する構成と比較して、実装領域内の電極の密度の相違を低減することが可能である。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、複数の第1電極に対応する各ノズルと、複数の第2電極に対応する各ノズルとは、第1方向および第2方向に対して傾斜する第3方向における位置が共通する。以上の態様では、液体が着弾すべき噴射対象を液体噴射ヘッドに対して第3方向に相対的に移動させることで、第1電極に対応するノズルから噴射された液体と第2電極に対応するノズルから噴射された液体とを噴射対象の表面で重複させることが可能である。
[態様3]
態様1の好適例(態様3)において、複数の第1電極に対応する各ノズルと、複数の第2電極に対応する各ノズルとは、第1方向および第2方向に対して傾斜する第3方向における位置が、複数の第1電極に対応する各ノズルの第3方向のピッチの半分だけ相違するように形成される。以上の態様では、第1電極に対応する各ノズルと第2電極に対応する各ノズルとで第3方向における位置が相違するから、第3方向に沿って高密度に液体を噴射することが可能である。
[態様4]
態様2または態様3の好適例(態様4)において、複数の第1電極に対応する各ノズル、または、複数の第2電極に対応する各ノズルは、第3方向におけるピッチと第3方向に交差する第4方向におけるピッチとが整数比となるように形成される。以上の態様によれば、例えば複数の画素が行列状に配列された画像を形成する場合に、画像の各画素と液体噴射ヘッドの各ノズルとの対応関係が簡素化されるという利点がある。
[態様5]
態様1から態様4の何れかの好適例(態様5)において、複数の電極は、第1電極群と第2電極群との間に第1ピッチで配列された複数の第3電極と、第3電極群と第4電極群との間に第1ピッチで配列された複数の第4電極とを含む。以上の態様では、第1電極群と第2電極群との間に複数の第3電極が第1ピッチで配列され、第3電極群と第4電極群との間に複数の第4電極が第1ピッチで配列される。したがって、実装領域内の電極の密度の相違を低減できるという前述の効果は格別に顕著である。
[態様6]
態様1から態様5の何れかの好適例(態様6)において、第2方向に沿って第1電極が存在する範囲と、第2方向に沿って第2電極が存在する範囲とは、第2方向において相互に重複する。以上の態様では、第2方向に沿って第1電極が存在する範囲と第2方向に沿って第2電極が存在する範囲とが重複するから、当該重複の範囲内に実装部品を設置する簡便な工程で、第1電極および第2電極を実装部品に対して接続することが可能である。
[態様7]
本発明の好適な態様(態様7)に係る液体噴射装置は、前述の態様1から態様6の何れかに係る液体噴射ヘッドを具備する。液体噴射ヘッドの好例は、インクを噴射する印刷装置であるが、本発明に係る液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。
本発明の第1実施形態に係る印刷装置の構成図である。 液体噴射モジュールの平面図である。 液体噴射ユニットの分解斜視図である。 複数のノズルの配列の説明図である。 液体噴射ヘッドの断面図である。 圧電素子の近傍を拡大した液体噴射ヘッドの断面図である。 実装領域に着目した液体噴射ヘッドの説明図である。 対比例に係る液体噴射ヘッドの説明図である。 第2実施形態に係る液体噴射ヘッドの説明図である。 変形例に係る複数のノズルの配列の説明図である。 複数の電極の配列におけるピッチの説明図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット方式の印刷装置10の部分的な構成図である。第1実施形態の印刷装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体(噴射対象)12に噴射する液体噴射装置であり、制御装置22と搬送機構24と液体噴射モジュール26とを具備する。複数色のインクを貯留する液体容器(カートリッジ)14が印刷装置10には装着される。第1実施形態では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(B)の計4色のインクが液体容器14に貯留される。
制御装置22は、印刷装置10の各要素を統括的に制御する。搬送機構24は、制御装置22による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。液体噴射モジュール26は、液体容器14から供給されるインクを制御装置22による制御のもとで媒体12に噴射する。第1実施形態の液体噴射モジュール26は、Y方向に交差(典型的には直交)するX方向に長尺なラインヘッドである。搬送機構24による媒体12の搬送に並行して液体噴射モジュール26が媒体12にインクを噴射することで媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、X-Y平面(媒体12の表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。液体噴射モジュール26によるインクの噴射方向がZ方向に相当する。
図2は、液体噴射モジュール26のうち媒体12との対向面の平面図である。図2に例示される通り、液体噴射モジュール26は、X方向に沿って配列された複数の液体噴射ユニットUを具備する。図3は、各液体噴射ユニットUの分解斜視図である。図2および図3に例示される通り、複数の液体噴射ユニットUの各々は、X方向に沿って配列された複数(6個)の液体噴射ヘッド30を包含する。各液体噴射ヘッド30には複数のノズル(噴射口)Nが形成される。図3に例示される通り、液体噴射モジュール26の6個の液体噴射ヘッド30は、平板状の固定板32の表面に固定される。固定板32には、各液体噴射ヘッド30のノズルNを露出させる開口部322が形成される。液体容器14に貯留された4色のインクが各液体噴射モジュール26の複数の液体噴射ヘッド30に並列に供給されて各液体噴射ヘッド30のノズルNから噴射される。
図4は、液体噴射ヘッド30の複数のノズルNの配列に着目した平面図である。図4に例示される通り、各液体噴射ヘッド30の複数のノズルNは第1ノズル列N1と第2ノズル列N2とに区分される。第1ノズル列N1および第2ノズル列N2の各々は、X-Y平面内のW1方向(第1方向)に沿って配列する複数のノズルNの集合である。第1ノズル列N1と第2ノズル列N2とでノズルNの総数は相等しい。W1方向は、X-Y平面内でX方向およびY方向に対して非直角で交差する方向である。具体的には、W1方向は、Y方向に対して角度θで傾斜する。角度θは、30°以上かつ60°以下(好適には30°以上かつ40°以下または50°以上かつ60°以下)に設定される。以上の通り、第1実施形態では、媒体12が搬送されるY方向に対して傾斜したW1方向に複数のノズルNが配列されるから、複数のノズルNをX方向に沿って配列した構成と比較して、媒体12のX方向における実質的なドット密度(解像度)を高めることが可能である。
第1ノズル列N1と第2ノズル列N2とは、X-Y平面内でW1方向に交差(典型的には直交)するW2方向(第2方向)に沿って相互に間隔をあけて併設される。図4から理解される通り、各液体噴射ヘッド30の第1ノズル列N1と第2ノズル列N2とは、複数の液体噴射ヘッド30にわたり相等しい間隔で配列する。W2方向に相互に隣合う第1ノズル列N1と第2ノズル列N2とに着目すると、第1ノズル列N1の複数のノズルNが分布するX方向の範囲と、第2ノズル列N2の複数のノズルNが分布するX方向の範囲とは相互に重複する。
第1ノズル列N1の各ノズルNと第2ノズル列N2の各ノズルNとはX方向(第2方向)における位置が共通する。すなわち、第1ノズル列N1の各ノズルNと第2ノズル列N2の各ノズルNとは、Y方向に平行な直線上に位置する。例えば、第1ノズル列N1のうちW1方向の負側の端部に位置する1個のノズルNと、第2ノズル列N2のうちW1方向の負側の端部に位置する1個のノズルNとの中心間を連結する仮想線Lは、Y方向に平行な方向に延在し、W1方向に対して前述の角度θ(30°≦θ≦60°)だけ傾斜する。したがって、Y方向に搬送される媒体12の同じ位置に、第1ノズル列N1のノズルNから噴射されたインクと第2ノズル列N2のノズルNから噴射されたインクとを重複させることが可能である。
また、第1ノズル列N1および第2ノズル列N2の各々の複数のノズルNは、X方向における各ノズルNのピッチ(相互に隣合う各ノズルNの中心間の距離)PXとY方向(第4方向)における各ノズルNのピッチPYとが整数比(例えばPX:PY=1:2)となるように形成される。以上の構成によれば、複数の画素が行列状に配列された画像を媒体12に印刷する場合に、画像データで指定される画像の各画素と液体噴射ヘッド30の各ノズルNとの対応関係が簡素化されるという利点がある。
第1ノズル列N1および第2ノズル列N2の各々は、相異なる2色(第1ノズル列N1および第2ノズル列N2の2列で合計4色)のインクの噴射に利用される。具体的には、図4に例示される通り、各液体噴射ヘッド30の第1ノズル列N1のうちW1方向の負側に位置する所定個のノズルNからはイエロー(Y)のインクが噴射され、第1ノズル列N1のうちW1方向の正側に位置する所定個のノズルNからはシアン(C)のインクが噴射される。また、各液体噴射ヘッド30の第2ノズル列N2のうちW1方向の負側に位置する所定個のノズルNからはマゼンタ(M)のインクが噴射され、第2ノズル列N2のうちW1方向の正側に位置する所定個のノズルNからはブラック(B)のインクが噴射される。以上の構成において、相異なる4色に対応する各ノズルNがY方向に沿って配列する。したがって、Y方向に搬送される媒体12の同じ位置に4色のインクを重複させることが可能である。
図5は、任意の1個の液体噴射ヘッド30の断面図であり、図4のV-V線の断面(W1方向に垂直な断面)が図示されている。図5に例示される通り、液体噴射ヘッド30は、流路基板42のうちZ方向の負側の面上に圧力室基板44と振動板46と封止体52と支持体54とを設置するとともに、流路基板42のうちZ方向の正側の面上にノズル板62とコンプライアンス部64とを設置した構造体(ヘッドチップ)である。液体噴射ヘッド30の各要素は、概略的にはW1方向に長尺な略平板状の部材であり、例えば接着剤を利用して相互に固定される。
図4を参照して前述した複数のノズルNがノズル板62に形成される。図5から理解される通り、各液体噴射ヘッド30には、第1ノズル列N1の各ノズルNに対応する構造と第2ノズル列N2の各ノズルNに対応する構造とが略線対称に形成されるから、以下では第1ノズル列N1に便宜的に着目して液体噴射ヘッド30の構造を説明する。
流路基板42は、流路を形成する平板材であり、開口部422と供給流路424と連通流路426とが形成される。供給流路424および連通流路426はノズルN毎に形成され、開口部422は、1色のインクを噴射する複数のノズルNにわたり連続する。圧力室基板44は、相異なるノズルNに対応する複数の開口部422が形成された平板材である。流路基板42および圧力室基板44は、例えばシリコンの単結晶基板で形成される。
図5のコンプライアンス部64は、液体噴射ヘッド30の内部の流路内の圧力変動を抑制(吸収)する要素であり、例えばシート状に形成された可撓性の部材を含んで構成される。具体的には、流路基板42の開口部422と各供給流路424とが閉塞されるように流路基板42の表面にコンプライアンス部64が固定される。
図5に例示される通り、流路基板42のうちZ方向の負側の表面に支持体54が固定される。支持体54には収容部542と導入流路544とが形成される。収容部542は、平面視で(すなわちZ方向からみて)、流路基板42の開口部422に対応した外形の凹部(窪み)であり、導入流路544は、収容部542に連通する流路である。図5から理解される通り、流路基板42の開口部422と支持体54の収容部542とを相互に連通させた空間が液体貯留室(リザーバー)SRとして機能する。液体貯留室SRは、液体容器14から供給されるインクの色毎に相互に独立に形成され、導入流路544を通過したインクを貯留する。すなわち、任意の1個の液体噴射ヘッド30の内部には、相異なるインクに対応する4個の液体貯留室SRが形成される。図5のコンプライアンス部64は、液体貯留室SRの底面を構成し、液体貯留室SR内のインクの圧力変動を吸収する。
圧力室基板44は、相異なるノズルNに対応する複数の開口部442が形成された平板材である。圧力室基板44のうち流路基板42とは反対側の表面に振動板46が設置される。振動板46は、弾性的に振動可能な平板状の部材である。例えば酸化シリコン等の弾性材料で形成された弾性膜と、酸化ジルコニウム等の絶縁材料で形成された絶縁膜との積層で振動板46が構成される。図5から理解される通り、振動板46と流路基板42とは、圧力室基板44の各開口部442の内側で相互に間隔をあけて対向する。各開口部442の内側で流路基板42と振動板46とに挟まれた空間は、インクに圧力を付与する圧力室(キャビティ)SCとして機能する。各圧力室SCは、流路基板42の各連通流路426を介してノズルNに連通する。
振動板46のうち圧力室基板44とは反対側の表面には、相異なるノズルN(圧力室SC)に対応する複数の駆動素子Fが形成される。図6は、任意の1個の駆動素子Fの近傍を拡大した断面図(W1方向に垂直な断面)である。図6に例示される通り、複数の駆動素子Fの各々は、振動板46の面上に形成された第1駆動電極72と、第1駆動電極72の面上に形成された圧電体74と、圧電体74の面上に形成された第2駆動電極76とを包含する圧電素子である。第1駆動電極72と第2駆動電極76とが圧電体74を挟んで対向する領域が駆動素子Fとして機能する。
圧電体74は、例えば加熱処理(焼成)を含む工程で形成される。具体的には、複数の第1駆動電極72が形成された振動板46の表面に塗布された圧電材料を、焼成炉内での加熱処理により焼成してから駆動素子F毎に成形(例えばプラズマを利用したミーリング)することで圧電体74が形成される。各第1駆動電極72は、駆動素子F毎に個別に形成されて電気的に相互に絶縁され、各第2駆動電極76は、駆動素子F毎に個別に形成されて定電位(例えば接地電位等の基準電位)の配線に共通に接続される。なお、第2駆動電極76を複数の駆動素子Fにわたり連続させた構成も採用され得る。
図7は、液体噴射ヘッド30をZ方向の負側(媒体12とは反対側)からみた各要素の模式図である。図7に例示される通り、液体噴射ヘッド30の複数の駆動素子Fは、第1素子群G1と第2素子群G2とに区分される。第1素子群G1は、第1ノズル列N1の各ノズルNに対応する複数の駆動素子F(第1駆動素子)の集合であり、第2素子群G2は、第2ノズル列N2の各ノズルNに対応する複数の駆動素子F(第2駆動素子)の集合である。第1素子群G1の複数の駆動素子FはW1方向に沿って配列し、第2素子群G2の複数の駆動素子Fも同様にW1方向に沿って配列する。第1素子群G1のうちW1方向の負側に位置する所定個の駆動素子Fはイエローに対応し(すなわちイエローのインクが充填された圧力室SCに圧力を付与することでノズルNからイエローのインクを噴射させ)、第1素子群G1のうちW1方向の正側に位置する所定個の駆動素子Fはシアンに対応する。他方、第2素子群G2のうちW1方向の負側に位置する所定個の駆動素子Fはマゼンタに対応し、第2素子群G2のうちW1方向の正側に位置する所定個の駆動素子Fはブラックに対応する。
図7に例示される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド30は、実際にはインクの噴射に利用されない複数のダミー素子FDを包含する。具体的には、図7に例示される通り、第1素子群G1のうちイエローに対応する複数の駆動素子Fとシアンに対応する複数の駆動素子Fとの間(すなわち第1ノズル列N1の色間)に複数のダミー素子FDが形成され、第2素子群G2のうちマゼンタに対応する複数の駆動素子Fとブラックに対応する複数の駆動素子Fとの間に複数のダミー素子FDが形成される。第1素子群G1の各駆動素子Fと各ダミー素子FDとは所定のピッチPAでW1方向に配列し、第2素子群G2の各駆動素子Fと各ダミー素子FDとは同等のピッチPAでW1方向に配列する。各ダミー素子FDは、実際にインクの噴射に利用される駆動素子Fと同様に、第1駆動電極72と圧電体74と第2駆動電極76との積層で構成される。
圧力室基板44には各ダミー素子FDに対応する圧力室SDが形成される。圧力室SDは、駆動素子Fに対応する圧力室SCと同様(共通または類似)の構造に形成されるが実際にはインクの噴射に利用されない疑似的な空間である。具体的には、液体貯留室SRから各圧力室SDにインクは供給されるが、圧力室SDの下流側に連通流路426やノズルNが形成されない。したがって、圧力室SD内の圧力が変動してもインクは噴射されない。以上の説明から理解される通り、各ダミー素子FDは、実際にインクの噴射に利用される駆動素子Fと同様(共通または類似)の構造に形成されるけれども実際にはインクの噴射に寄与しない疑似的な要素である。
図7に例示される通り、第1素子群G1と第2素子群G2とは、W2方向に相互に間隔をあけて併設される。振動板46の表面のうち第1素子群G1と第2素子群G2との間には、実装部品が設置される領域(以下「実装領域」という)Qが確保される。すなわち、第1素子群G1の複数の駆動素子Fと第2素子群G2の複数の駆動素子Fとは、W1方向に長尺な実装領域Qを挟んで相互に反対側に位置する。第1実施形態では、図5および図6に例示される通り、液体噴射ヘッド30を外部装置(制御装置22や電源回路)に電気的に接続するための可撓性の配線基板34(COF:Chip On Film)が実装部品として実装領域Qに実装される。
図5の封止体52は、各駆動素子Fを保護する(例えば駆動素子Fに対する水分等の付着を防止する)とともに圧力室基板44や振動板46の機械的な強度を補強する構造体であり、振動板46の表面に例えば接着剤で固定される。封止体52のうち振動板46側の表面に形成された凹部に各駆動素子Fが収容される。図5に例示される通り、第1実施形態の封止体52は、平面視で実装領域Qと第1素子群G1との間に位置する第1壁面521と、平面視で実装領域Qと第2素子群G2との間に位置する第2壁面522とを包含する。すなわち、実装領域Qは、平面視で第1壁面521と第2壁面522とに挟まれた領域とも換言され得る。
図7に例示される通り、振動板46の表面のうち実装領域Qには複数の電極Eが形成される。各電極Eは、平面視でW2方向に延在する形状に形成(パターニング)された導電体であり、配線基板34の各配線と振動板46の表面の各駆動素子Fとの電気的な接続に利用される。なお、振動板46が実装領域Qにて除去された構成では、圧力室基板44の面上に複数の電極Eが形成され得る。
実装領域Q内の複数の電極Eは、複数の第1電極E1と複数の第2電極E2とを包含する。複数の第1電極E1の各々は、実装領域Q内でW2方向の正側に延在して第1素子群G1の各駆動素子F(第1駆動素子)に電気的に接続され、複数の第2電極E2の各々は、実装領域Q内でW2方向の負側に延在して第2素子群G2の各駆動素子F(第2駆動素子)に電気的に接続される。具体的には、図6に例示される通り、各第1電極E1および各第2電極E2は、接続配線82と接続端子84との積層で構成される。接続配線82は、各駆動素子Fの第1駆動電極72に接続された導電体(配線)である。第1実施形態では、接続配線82を第1駆動電極72と同層で連続させた構成を例示するが、第1駆動電極72とは別層で形成された接続配線82を第1電極E1に接続することも可能である。他方、接続端子84は、接続配線82のうち駆動素子Fとは反対側の端部の表面に形成された導電体(圧着端子)である。図7に例示される通り、W2方向に沿って第1電極E1が存在する範囲とW2方向に沿って第2電極E2が存在する範囲とはW2方向において相互に重複する。すなわち、実装領域QのうちW2方向の所定の範囲α内には第1電極E1および第2電極E2の双方が存在する。
前述の通り、実装領域Qには可撓性の配線基板34が実装される。図6に例示される通り、配線基板34の表面に形成された接続端子342(配線)が振動板46の表面の各電極E(接続端子84)に接触した状態で、配線基板34は接着剤36により振動板46の表面に固定される。具体的には、流体状の接着剤36が実装領域Q(範囲α)内に塗布され、配線基板34の端部を振動板46の表面に押圧した状態で接着剤36を硬化させることで、配線基板34が液体噴射ヘッド30に実装される。各駆動素子Fを制御するための駆動信号は、配線基板34の各接続端子342から、第1電極E1を介して第1素子群G1の各駆動素子Fに供給されるとともに、第2電極E2を介して第2素子群G2の各駆動素子Fに供給される。
図7に例示される通り、複数の第1電極E1は、第1電極群H1と第2電極群H2とに区分される。第1電極群H1は、第1素子群G1のうちイエローに対応する各駆動素子Fに接続される複数の第1電極E1の集合であり、第2電極群H2は、第1素子群G1のうちシアンに対応する各駆動素子Fに接続される複数の第1電極E1の集合である。第1電極群H1の複数の第1電極E1は、W1方向に沿ってピッチPA(第1ピッチ)で配列される。同様に、第2電極群H2の複数の第1電極E1は、W1方向に沿ってピッチPAで配列される。第1電極群H1と第2電極群H2とは、実装領域Qのうち第1素子群G1の複数のダミー素子FDの配列に対応する領域R1をあけてW1方向に沿って配列する。具体的には、第1電極群H1と第2電極群H2とは、各々における第1電極E1の配列のピッチPAと比較して広いピッチ(間隔)PBでW1方向に相互に離間する。すなわち、第1電極群H1のうちW1方向の正側の端部に位置する1個の第1電極E1と、第2電極群H2のうちW1方向の負側に位置する1個の第1電極E1との中線間の距離がピッチPBである。
複数の第2電極E2は、第3電極群H3と第4電極群H4とに区分される。第3電極群H3は、第2素子群G2のうちマゼンタに対応する各駆動素子Fに接続される複数の第2電極E2の集合であり、第4電極群H4は、第2素子群G2のうちブラックに対応する各駆動素子Fに接続される複数の第2電極E2の集合である。第3電極群H3および第4電極群H4の各々における複数の第2電極E2は、W1方向に沿ってピッチPAで配列される。また、第3電極群H3と第4電極群H4とは、実装領域Qのうち第2素子群G2の複数のダミー素子FDの配列に対応する領域R2をあけてW1方向に沿って配列する。具体的には、第3電極群H3と第4電極群H4とは、各々における第2電極E2の配列のピッチPAと比較して広いピッチPBでW1方向に相互に離間する。
図7に例示される通り、実装領域Qのうち第1電極群H1と第2電極群H2との間の領域R1と、第3電極群H3と第4電極群H4との間の領域R2とは、W1方向に沿って相互に重複しない。前述の通り、領域R1は、実装領域Qのうち第1素子群G1の複数のダミー素子FDが分布するW1方向の範囲に相当し、領域R2は、実装領域Qのうち第2素子群G2の複数のダミー素子FDが分布するW1方向の範囲に相当する。
図7から理解される通り、実装領域Qのうち領域R2からみてW1方向の負側の領域(第1電極群H1と第3電極群H3とがW1方向に沿って相互に重複する領域)では、第1電極群H1の複数の第1電極E1と第3電極群H3の複数の第2電極E2とが、ピッチPAの半分のピッチPA/2でW1方向に沿って交互に配列される。すなわち、W1方向に相互に隣合う2個の第1電極E1の間に第2電極E2が位置する。他方、実装領域Qの領域R2に第2電極E2は存在しないから、領域R2では第1電極群H1の複数の第1電極E1がピッチPAでW1方向に配列する。
同様に、実装領域Qのうち領域R1に対してW1方向の正側の領域(第2電極群H2と第4電極群H4とがW1方向に沿って相互に重複する領域)では、第2電極群H2の複数の第1電極E1と第4電極群H4の複数の第2電極E2とが、ピッチPAの半分のピッチPA/2でW1方向に沿って交互に配列される。他方、実装領域Qの領域R1に第1電極E1は存在しないから、領域R1では第4電極群H4の複数の第2電極E2がピッチPAでW1方向に配列する。
以上の説明から理解される通り、領域R1および領域R2の内側にて複数の電極Eが配列するピッチPはピッチPAであり、領域R1および領域R2の外側にて複数の電極Eが配列するピッチPはピッチPA/2である。すなわち、実装領域Q内の複数の電極Eが配列するピッチPはピッチPA以下に制約される(P≦PA)。
図8は、領域R1と領域R2とをW1方向に沿って相互に重複させた構成(以下「対比例」という)の説明図である。図8の対比例において、領域R1および領域R2の外側にて複数の電極Eが配列するピッチPは、第1実施形態と同様にピッチPA/2である。他方、対比例では、図8から理解される通り、領域R1と領域R2とがW1方向に沿って相互に重複する領域(以下「間隙領域」という)においてピッチPAを上回るピッチPCで複数の電極Eが配列する(PC>PA)。すなわち、対比例のもとでは、間隙領域内に電極Eが存在せず、間隙領域の外側では複数の電極EがピッチPA/2で密集するという具合に、実装領域Q内における電極Eの密度の相違が顕著である。
したがって、間隙領域の外側で接着剤36が最適に分布するように接着剤36の塗布量を選定した場合には、間隙領域の内側で接着剤36が不足し、結果的に配線基板34の接着強度を充分に確保することが困難となる。他方、間隙領域の内側で接着剤36が最適に分布するように接着剤36の塗布量を選定した場合には、間隙領域の外側で接着剤36の過剰が問題となる。接着剤36が過剰である場合、例えば、配線基板34を振動板46に対して押圧する過程において、間隙領域の外側の各電極Eの間の空間から溢れた余剰の接着剤36が広範囲に流動して封止体52まで到達し、第1壁面521や第2壁面522で堰止められた接着剤36からの応力で配線基板34の位置がずれるという問題がある。
以上に例示した対比例とは対照的に、第1実施形態では、前述の通り、実装領域Q内の複数の電極Eの配列のピッチPがピッチPA以下に制約される。すなわち、第1実施形態では、実装領域Q内の電極Eの疎密の相違が対比例と比較して抑制される。したがって、第1実施形態によれば、実装領域Q内の電極Eの疎密の相違に起因した対比例の前述の問題(接着強度の不足や配線基板34の位置誤差)を解消できるという利点がある。なお、過剰な接着剤36が配線基板34を押圧して位置の誤差を発生させるという前述の問題は、接着剤36の余剰分が封止体52まで到達して第1壁面521や第2壁面522で堰止められる結果として発生する。以上の事情を考慮すると、第1実施形態は、実装領域Qと第1素子群G1との間に第1壁面521が位置し、実装領域Qと第2素子群G2との間に第2壁面522が位置する形状の封止体52を設置した構成に格別に好適である。
なお、以上の説明では、配線基板34の接着に関連した問題を例示したが、実装領域Q内の電極Eの疎密に起因した問題は以上の例示に限定されない。例えば、対比例のように間隙領域の内側と外側とで電極Eの疎密が顕著に相違する構成では、間隙領域の内側と外側とで熱伝導の度合が相違するから、例えば加熱処理により圧電体74を形成する工程では、間隙領域の内側と外側とで温度の相違(熱分布の偏り)が発生し得る。以上のように熱分布が偏った状態では、以降の各工程で形成される要素に成膜不良等の問題が発生する可能性がある。他方、第1実施形態では、実装領域Q内の電極Eの疎密が抑制されるから、実装領域Q内で熱分布が均一化される。したがって、熱分布の偏りに起因した成膜不良等の問題を防止できるという利点がある。以上の説明から理解される通り、実装領域Q内の複数の電極Eの密度が均一化されるという第1実施形態の前述の効果は、配線基板34の接着を前提としない構成でも充分に発揮され得る。すなわち、接着剤36を利用して配線基板34を接着するという構成は本発明において必須ではない。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態の液体噴射ヘッド30をZ方向の負側からみた各要素の模式図である。図9に例示される通り、第2実施形態の液体噴射ヘッド30の実装領域Qには、複数の第1電極E1と複数の第2電極E2とが第1実施形態と同様に形成されるほか、複数の第3電極E3と複数の第4電極E4とが形成される。各第3電極E3および各第4電極E4は、第1電極E1および第2電極E2と同層(接続配線82と接続端子84との積層)で形成される。
複数の第3電極E3は、実装領域Qのうち第1電極群H1と第2電極群H2との間の領域R1に形成され、複数の第1電極E1とともにピッチPAでW1方向に沿って配列される。図9に例示される通り、領域R1内では、複数の第3電極E3と第4電極群H4の複数の第2電極E2とがピッチPA/2でW1方向に沿って交互に配列される。第1実施形態の複数の第3電極E3の各々は、実装領域Q内でW2方向の正側に延在して第1素子群G1の各ダミー素子FDに電気的に接続される。
また、複数の第4電極E4は、実装領域Qのうち第3電極群H3と第4電極群H4との間の領域R2に形成され、複数の第2電極E2とともにピッチPAでW1方向に沿って配列される。具体的には、領域R2内では、複数の第4電極E4と第1電極群H1の複数の第1電極E1とがピッチPA/2でW1方向に沿って交互に配列される。第1実施形態の第4電極E4の各々は、実装領域Q内でW2方向の負側に延在して第2素子群G2の各ダミー素子FDに電気的に接続される。すなわち、第3電極E3および第4電極E4は、駆動素子Fの動作(インクの噴射)に実際には寄与しないダミー配線である。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では実装領域Qの領域R1および領域R2にて複数の電極E(E1,E2)がピッチPAで配列するのに対し、第2実施形態では、領域R1および領域R2を含む実装領域Qの全域にわたり複数の電極E(E1,E2,E3,E4)がピッチPA/2で配列する。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、第1電極群H1と第2電極群H2との間の領域R1に複数の第3電極E3が形成され、第3電極群H3と第4電極群H4との間の領域R2に複数の第4電極E4が形成される。したがって、第3電極E3や第4電極E4が形成されない第1実施形態と比較すると、領域R1および領域R2を含む実装領域Qの全域にわたり複数の電極Eの密度を均一化できる(電極の疎密の相違を抑制できる)という利点がある。第2実施形態では特に、複数の第2電極E2と複数の第3電極E3とが領域R1内にてピッチPA/2で配列するとともに、複数の第1電極E1と複数の第4電極E4とが領域R2内にてピッチPA/2で配列するから、実装領域Qの全域にわたり複数の電極Eの密度を均一化できるという効果は格別に顕著である。
ところで、第2実施形態では、領域R1内の第3電極E3や領域R2内の第4電極E4をダミー素子FDに接続した構成を例示した。すなわち、駆動素子Fとダミー素子FDとの間で配線基板34までの電気的な構成は共通する。図9では、各ダミー素子FDに対応するインクの流路を閉塞した構成(以下「構成1」という)を例示したが、各ダミー素子FDに対応するインクの流路を液体貯留室SRからノズルNまで連通させれば、各ダミー素子FDを通常の駆動素子Fとして利用してインクを噴射させる構成(以下「構成2」という)が実現される。構成1は、前述の例示のように第1素子群G1および第2素子群G2の各々で複数色のインクを噴射する場合に好適であるが、構成2は、例えば全部のノズルNから1色(例えばブラック)のインクを噴射する場合に好適である。以上の説明から理解される通り、第2実施形態では、各駆動素子Fから配線基板34までの電気的な構造を構成1と構成2とで共用できる(ひいては製造コストを低減できる)という利点がある。
なお、図9では、各第3電極E3および各第4電極E4をダミー素子FDに接続した構成を例示したが、各第3電極E3または各第4電極E4をダミー素子FDに接続しない構成(例えば範囲αに包含されるように第3電極E3や第4電極E4を形成した構成)も採用され得る。もっとも、実装領域Q内の電極Eの疎密を均一化するという観点からすると、W2方向に沿って第3電極E3や第4電極E4が存在する範囲は、第1電極E1や第2電極E2が存在するW2方向の範囲と重複する構成が好適である。すなわち、図9の例示のように、実装領域QのうちW2方向の範囲α内には第1電極E1および第2電極E2に加えて第3電極E3および第4電極E4が存在する。
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)前述の各形態では、駆動素子F(ダミー素子FD)のうち振動板46側に位置する第1駆動電極72に駆動信号を供給するとともに振動板46とは反対側の第2駆動電極76を共通の定電位に設定する構成を例示したが、各第1駆動電極72を共通の定電位に設定するとともに各第2駆動電極76に駆動素子F毎の駆動信号を供給する構成も採用され得る。また、前述の各形態では、駆動素子Fと同様の構造のダミー素子FDを例示したが、ダミー素子FDの構造は以上の例示に限定されない。例えば、第1駆動電極72と圧電体74と第2駆動電極76との一部を省略した構造のダミー素子FDを形成することも可能である。
(2)前述の各形態では、1個の液体噴射ヘッド30に第1ノズル列N1および第2ノズル列N2が形成された構成を例示したが、1個の液体噴射ヘッド30に形成されるノズルの列数は適宜に変更される。例えば、1個の液体噴射ヘッド30の複数のノズルNを3列以上に配列した構成も採用され得る。
(3)前述の各形態では、第1ノズル列N1の各ノズルNと第2ノズル列N2の各ノズルNとでX方向の位置が共通する構成を例示したが、各ノズルNの配置は以上の例示に限定されない。例えば、図10に例示される通り、第1ノズル列N1の各ノズルNと第2ノズル列N2の各ノズルNとでX方向の位置を相違させることも可能である。図10では、第1ノズル列N1の各ノズルNと第2ノズル列N2の各ノズルNとのX方向の位置を、第1ノズル列N1(または第2ノズル列N2)のX方向における各ノズルNのピッチPXの半分(PX/2)だけ相違させた構成が例示されている。図10の構成によれば、図4の例示のように複数のノズルNを配置した構成と比較して、媒体12のX方向における実質的なドット密度を高める(倍増させる)ことが可能である。
(4)複数の電極Eの配列のピッチPは、相互に隣合う各電極Eの中心間の距離として定義される。例えば、図11に例示される通り、相互に隣合う電極EAと電極EBとに着目した場合、電極EAの中心(重心)eAと電極EBの中心eBとの距離がピッチPに相当する。各電極Eの中心e(eA,eB)は、例えば、電極Eが延在する方向(長手方向)に沿う中心線と電極Eの幅方向の中心線との交点として定義され、各電極Eの形状や方向は不問である。
(5)圧力室SC内の圧力を変化させる要素(駆動素子F)は、前述の各形態で例示した圧電素子に限定されない。例えば、静電アクチュエータ等の振動体を駆動素子Fとして利用することも可能である。また、駆動素子Fは、圧力室SCに機械的な振動を付与する要素に限定されない。例えば、加熱により圧力室SCの内部に気泡を発生させて圧力を変動させる発熱素子(ヒーター)を駆動素子Fとして利用することも可能である。以上の例示から理解される通り、駆動素子Fは、圧力室SCの内部に圧力を付与する要素(圧力発生素子)として包括され、圧力を付与する方式(ピエゾ方式/サーマル方式)や具体的な構成の如何は不問である。
(6)以上の各形態で例示した印刷装置10は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
10……印刷装置(液体噴射装置)、12……媒体、14……液体容器、22……制御装置、24……搬送機構、26……液体噴射モジュール、U……液体噴射ユニット、30……液体噴射ヘッド、32……固定板、34……配線基板、42……流路基板、44……圧力室基板、46……振動板、52……封止体、54……支持体、62……ノズル板、64……コンプライアンス部、72……第1駆動電極、74……圧電体、76……第2駆動電極、E(E1,E2,E3,E4)……電極。

Claims (7)

  1. 液体が充填される圧力室に圧力を付与して当該液体をノズルから噴射させる複数の駆動素子であって、第1方向に沿って配列された複数の第1駆動素子と、実装部品が設置される実装領域を挟んで前記複数の第1駆動素子とは反対側で前記第1方向に沿って配列する複数の第2駆動素子とを含む複数の駆動素子と、
    前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在するように前記実装領域に形成された複数の電極とを具備し、
    前記複数の電極のうち前記複数の第1駆動素子に電気的に接続された複数の第1電極は、前記第1方向に沿って第1ピッチで配列された2以上の前記第1電極を含む第1電極群および第2電極群を含み、前記第1電極群と前記第2電極群とは、前記第1ピッチと比較して広い第2ピッチで前記第1方向に相互に離間し、
    前記複数の電極のうち前記複数の第2駆動素子に電気的に接続された複数の第2電極は、前記第1方向に沿って前記第1ピッチで配列された2以上の前記第2電極を含む第3電極群および第4電極群を含み、前記第3電極群と前記第4電極群とは、前記第2ピッチで前記第1方向に相互に離間し、
    前記実装領域内の前記複数の電極の配列のピッチは、前記第1ピッチ以下である
    液体噴射ヘッド。
  2. 前記複数の第1電極に対応する各ノズルと、前記複数の第2電極に対応する各ノズルとは、前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向における位置が共通する
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  3. 前記複数の第1電極に対応する各ノズルと、前記複数の第2電極に対応する各ノズルとは、前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向における位置が、前記複数の第1電極に対応する各ノズルの前記第3方向のピッチの半分だけ相違するように形成される
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  4. 前記複数の第1電極に対応する各ノズル、または、前記複数の第2電極に対応する各ノズルは、前記第3方向におけるピッチと前記第3方向に交差する第4方向におけるピッチとが整数比となるように形成される
    請求項2または請求項3の液体噴射ヘッド。
  5. 前記複数の電極は、
    前記第1電極群と前記第2電極群との間に前記第1ピッチで配列された複数の第3電極と、
    前記第3電極群と前記第4電極群との間に前記第1ピッチで配列された複数の第4電極とを含む
    請求項1から請求項4の何れかの液体噴射ヘッド。
  6. 前記第2方向に沿って前記第1電極が存在する範囲と、前記第2方向に沿って前記第2電極が存在する範囲とは、前記第2方向において相互に重複する
    請求項1から請求項5の何れかの液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1から請求項6の何れかの液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置。
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