JP2016032909A - 樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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【課題】熱可塑性樹脂板状体を曲げて成形する樹脂成形品を安価に製造することができる樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法を提供する。【解決手段】曲げ加工用型20は、熱可塑性樹脂板状体110を所定位置に保持するよう設置されている。加熱装置70は、曲げ加工用型20に保持される熱可塑性樹脂板状体110を、曲げ加工用型20を介して接触加熱するために曲げ加工用型20を加熱する。可撓性シート30は、加熱装置70により軟化した熱可塑性樹脂板状体110を曲げ加工用型20に押圧して所定形状に曲げ加工する。加熱装置70は、曲げ加工用型20が熱可塑性樹脂板状体110を接触加熱しているときに、非接触領域110aに接触加熱部材である可撓性シート30を接触させて加熱する接触加熱機構を含む。【選択図】図4

Description

熱可塑性樹脂を少なくとも一部に含む樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂からなるフィルムを立体的に成形する成形方法の一つとして、特許文献1に記載されているような真空成形方法が従来から知られている。このような真空成形方法では、長尺のプラスチックフィルムを加熱して、軟化したプラスチックフィルムを可撓性シートで成形用型に圧接して、成形用型と同じ形状にプラスチックフィルムを立体形状に成形することが行われている。そして、このような真空成形方法では、プラスチックフィルムを成形用型に圧接する前にプラスチックフィルムと成形用型との間の空気を抜く減圧を行っておくことで、プラスチックフィルムが成形用型の形状と同じ立体形状に精度良く加工される。
特開2001−179818号公報
しかし、特許文献1のような真空成形方法では、プラスチックフィルムが成形用型よりも広い面積を必要とし、製品となる立体成形箇所以外の部分は成型後に分離されて廃棄されることになる。この廃棄されるプラスチックフィルムを再利用するとしても、手間とエネルギーが余分に掛かり、コストアップの要因となっている。
また、フィルムよりも厚い、例えば1mm前後の熱可塑性樹脂板状体を、特許文献1と同じ真空成形方法で成形しようとすると、真空成形装置が大掛かりなものとなり、このような真空成形装置を使って成形品を成形すると成形品の価格を押し上げる要因となる。
本発明の課題は、熱可塑性樹脂板状体を曲げて成形する樹脂成形品を安価に製造することができる樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る樹脂成形品の製造装置は、樹脂成形品形状に対応する所定形状を持ち、所定形状に曲げ加工される熱可塑性樹脂板状体を所定位置に保持するよう設置されている曲げ加工用型と、曲げ加工用型に保持される熱可塑性樹脂板状体を、曲げ加工用型を介して接触加熱するために曲げ加工用型を加熱する加熱装置と、加熱装置により軟化した熱可塑性樹脂板状体を曲げ加工用型に押圧して所定形状に曲げ加工するための可撓性シートと、を備え、加熱装置は、曲げ加工用型が熱可塑性樹脂板状体を接触加熱しているときに、熱可塑性樹脂板状体のうちの曲げ加工用型に接触していない非接触領域に接触加熱部材を接触させて加熱する接触加熱機構を含むように構成される。
このように構成された製造装置によれば、曲げ加工の対象となる熱可塑性樹脂板状体のうち曲げ加工用型に接触していない非接触領域が接触加熱機構の接触加熱部材に接触して加熱されるため、曲げ加工用型に接触していない非接触領域も十分に加熱され、樹脂成形品とほぼ同じ面積を持つ熱可塑性樹脂板状体を良好に曲げることができる。
また、熱可塑性樹脂板状体は、曲げ加工用型に接触する側の第1層と接触加熱部材に接触する側の第2層とをガラス転移温度が異なる2種類の熱可塑性樹脂で形成され、接触加熱機構は、第2層のガラス転移温度が第1層のガラス転移温度よりも低いときには曲げ加工用型よりも接触加熱部材の温度を低くして曲げ加工用型と接触加熱部材により熱可塑性樹脂板状体を接触加熱するように構成されてもよい。このように構成された製造装置によれば、接触加熱部材に比較的耐熱温度の低い材料を使って、ガラス転移温度が異なる2種類の熱可塑性樹脂で形成されている熱可塑性樹脂板状体を良好に曲げることができる。
また、熱可塑性樹脂板状体は、保護シートを有し、接触加熱機構は、保護シートで覆われた非接触領域に接触加熱部材を接触させて加熱するように構成されてもよい。このように構成された製造装置によれば、保護シートで熱可塑性樹脂板状体の表面を保護しながら熱可塑性樹脂板状体を良好に曲げることができる。
また、接触加熱機構は、曲げ加工用型が熱可塑性樹脂板状体を接触加熱しているときに、可撓性シートを接触加熱部材として熱可塑性樹脂板状体の非接触領域に可撓性シートを接触させて非接触領域を接触加熱するように構成されてもよい。このように構成された製造装置によれば、可撓性シートに接触加熱部材を兼ねさせるので製造装置の構造が簡単になり、製造装置を安価に提供できる。
また、可撓性シートを流体の圧力によって熱可塑性樹脂板状体に押し付ける加圧機構をさらに備え、接触加熱機構は、金属板を有し、加熱された金属板を可撓性シートに接触させて金属板から可撓性シートを介して熱可塑性樹脂板状体の非接触領域を加熱し、曲げ加工用型は、加圧機構によって可撓性シートに流体の圧力が加わったときに金属板から遠ざかる方向に移動するように構成されてもよい。このように構成された製造装置によれば、可撓性シートに流体の圧力が加わったときに曲げ加工用型が金属板から遠ざかる方向に移動するので、可撓性シートと金属板との間に隙間ができることから可撓性シートを介して熱可塑性樹脂板状体に十分に流体の圧力を伝えることができる。
また、曲げ加工用型は、少なくとも可撓性シートが熱可塑性樹脂板状体を曲げ加工用型に押し付けているときに可撓性シートが熱可塑性樹脂板状体を押すのを妨げない状態にある位置決めピンをさらに備えて構成されてもよい。このように構成された製造装置によれば、曲げ加工の加工位置の精度を位置決めピンによって確保し易くなる。
本発明の一見地に係る樹脂成形品の製造方法は、樹脂成形品形状に対応する所定形状を持ち、所定形状に曲げ加工される熱可塑性樹脂板状体を曲げ加工用型の所定位置に保持させる取り付け工程と、曲げ加工用型に保持された熱可塑性樹脂板状体を、曲げ加工用型を介して接触加熱するとともに、熱可塑性樹脂板状体のうちの曲げ加工用型に接触していない非接触領域に接触加熱部材を接触させて加熱する加熱工程と、加熱工程により軟化した熱可塑性樹脂板状体を可撓性シートにより曲げ加工用型に押圧して所定形状に曲げる曲げ工程と、を備える。
このように構成された製造方法によれば、加熱工程において、曲げ加工の対象となる熱可塑性樹脂板状体のうち曲げ加工用型に接触していない非接触領域が接触加熱部材に接触して加熱されるため、曲げ加工用型に接触していない非接触領域も十分に加熱され、樹脂成形品とほぼ同じ面積を持つ熱可塑性樹脂板状体を良好に曲げることができる。
本発明に係る樹脂成形品の製造装置又は樹脂成形品の製造方法では、熱可塑性樹脂板状体を曲げて成形する樹脂成形品を安価に製造することができる。
(a)本発明の第1実施形態による樹脂成形品の製造方法で曲げられる熱可塑性樹脂板状体の一例を示す斜視図、(b)同製造方法により製造された樹脂成形品の一例を示す斜視図。 図1(a)に示されている熱可塑性樹脂板状体を準備する打ち抜き工程を説明するための図。 従来の樹脂成形品の製造に必要な熱可塑性樹脂板を説明するための平面図。 本発明の第1実施形態による樹脂成形品の製造装置の一例を示す概念図。 取り付け工程を説明するための模式的な断面図。 加熱工程を説明するための模式的な断面図。 加熱工程を説明するための模式的な断面図。 加熱工程を説明するための模式的な断面図。 曲げ工程を説明するための模式的な断面図。 冷却工程及び取り出し工程を説明するための模式的な断面図。 温度設定を説明するための図。 温度設定を説明するための図。 温度設定を説明するための図。 (a)本発明の第2実施形態による樹脂成形品の製造方法で曲げられる熱可塑性樹脂板状体の一例を示す斜視図、(b)同製造方法により製造された樹脂成形品の一例を示す斜視図。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法について説明するが、その説明に先立って樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法で用いられる熱可塑性樹脂板状体について簡単に説明する。第1実施形態における曲げ加工の対象とである樹脂成形品としては、窓を持つスマートフォンのケース部品又はバッテリーカバーが例として挙げられるが、これらに限られるものではない。
(1)熱可塑性樹脂板状体
図1(a)に示されている熱可塑性樹脂板状体110は、曲げ加工前の被曲げ加工部材である。図1(b)には、図1(a)に示されている熱可塑性樹脂板状体110が曲げ加工されてできた樹脂成形品130が示されている。樹脂成形品130は、例えば窓を持つスマートフォンのケース部品である。なお、図1(b)に示されている樹脂成形品130は、未だタブ113が付いており、完成品ではない。樹脂成形品130は、これらのタブ113が切除されて完成品となる。
ところで、特許文献1には、化粧シートである被成形シートとして、厚さが0.07mm〜0.30mmの比較的薄いプラスチックシートが例示されている。以下では、引用文献1に示されている従来のプラスチックシートと比べて数倍の厚みを持ち、プラスチックシートよりも曲げ難い熱可塑性樹脂部材を熱可塑性樹脂板状体と呼んで区別して説明する。例えば厚みが0.5mmよりも薄い従来のプラスチックシートについては特許文献1に記載されているような従来の真空成形方法などを用いて比較的安価に樹脂成形品に製造できる可能性が高く、樹脂成形品の厚みが2mmよりも厚ければ射出成形をともなう成形同時加飾方法を用いて比較的安価に樹脂成形品を製造できる可能性が高いので、熱可塑性樹脂板状体110の厚さが例えば0.5mm以上2mm以下である場合に本実施形態の曲げ加工の対象とするのが比較的有利であるからである。例えば、樹脂成形品の厚みが2mm以下の場合であっても成形同時加飾方法を用いて樹脂成形品を製造することは可能であるが、薄くなるに従って安定した成形品の製造が難しくなり、厚みが2mm以下の樹脂成形品を成形同時加飾方法で製造しようとするとコストの上昇を招き易い。それに比べて、本実施形態で説明する樹脂成形品の製造方法によれば、厚みが2mm以下の熱可塑性樹脂板状体110に予め絵柄を印刷したものを曲げ加工するので、厚みが2mm以下の加飾された樹脂成形品の製造を安定して行えるという利点がある。
熱可塑性樹脂板状体110は、単層であってもよく、あるいは多層であってもよい。熱可塑性樹脂板状体110は、例えばポリカーボネート樹脂を主材とする単層の板状体とすることができる。また、熱可塑性樹脂板状体110は、例えば、図1(a)に示されているように、表面層111がアクリル樹脂(PMMA)で形成され、裏面層112がポリカーボネート樹脂で形成されている2層の板状体とすることもできる。一般に、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度がアクリル樹脂に比べて高いため、図1(a)のような構成にすると、表面層111のガラス転移温度が裏面層112のガラス転移温度よりも高くなる。表と裏で材質が異なるものの製造方法の方が表と裏の材質が同じもの製造方法に比べて表と裏を区別して取り扱わなければならないところだけ注意すべき事項が増えるので、熱可塑性樹脂板状体110がアクリル樹脂製の表面層111とポリカーボネート樹脂製の裏面層112を持つものとして以下の説明を行う。ここでは、説明を分かり易くするために、熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂を例に挙げて説明するが、樹脂成形品130に用いることができる熱可塑性樹脂は、これらに限られるものではない。
熱可塑性樹脂板状体110の表面層111の表面には、例えば窓枠115を描いた加飾が施されている。従って、精度の良い曲げ加工を行わないと、窓枠115の位置がずれることになる。そこで、窓枠115の位置と曲げ加工の加工位置との一致を図るために、位置決めのための被掛止部として2箇所にタブ113が設けられている。タブ113には掛止穴114が形成されている。これらタブ113は、曲げ加工が終了した後に切断されて除去される。
図2には、一枚の熱可塑性樹脂板120から6個の熱可塑性樹脂板状体110が打ち抜いて形成されることが示されている。従来の特許文献1の方法を用いると、例えば図3に示されているように、熱可塑性樹脂板220の連続体を使っても6個の熱可塑性樹脂板状体110が取れる大きさの熱可塑性樹脂板120と同じ面積では1個の成形品に対応する部分210しか活用できない。つまり、以下に説明する第1実施形態に係る樹脂成形品の製造装置及び樹脂成形品の製造方法によれば、図2と図3を用いて説明した関係があるときは同じ面積の材料(熱可塑性樹脂板220,120)から従来に比べて6倍の製品数を得ることができるということである。
(2)樹脂成形品の製造装置
図4には、樹脂成形品の製造装置の一部が示されている。図4に示されている樹脂成形品の製造装置10の一部分が本実施形態の説明にとって重要な部分であり、従来と同様に構成できる樹脂成形品の製造装置10の他の部分については図示と説明を省略する。
樹脂成形品の製造装置10は、曲げ加工用型20と可撓性シート30と下枠体40と上枠体50と枠体移動機構60と加熱装置70と流体供給排出装置の一種である空気給排気装置80と減圧装置90とを備えている。また、樹脂成形品の製造装置10は、固定盤11及び、固定盤11に固定されている上枠体50を冷却する冷却プレート12を備えている。この実施形態において、上枠体50と下枠体40でチャンバーが形成される。製造装置10は、上枠体50と下枠体40で形成されるチャンバーの中で、空気給排気装置80及び/又は減圧装置90による空気の供給と排気とにより加圧したり減圧したりすることができるように構成されている。
(2−1)曲げ加工用型20
曲げ加工用型20は、金属製の型本体21と、位置決めピン22と、位置決めピン22を上下動自在に支持する第1バネ23と、型本体21を上下動自在に支持する第2バネ24とを含んでいる。また、曲げ加工用型20には、減圧装置90に接続される第1孔25が形成されている。曲げ加工用型20は、下枠体40の嵌合部42に嵌めこまれ、嵌合部42に沿って鉛直方向に上下に移動できるように取り付けられている。
熱可塑性樹脂板状体110は、タブ113の掛止穴114(図1参照)が位置決めピン22にはめ込まれることによって曲げ加工用型20に対して精度良く配置される。
(2−2)可撓性シート30
可撓性シート30は、加熱されて軟化した熱可塑性樹脂板状体110を曲げるのに使用されることから、耐熱温度が曲げ加工温度よりも高い耐熱性エラストマーシートが用いられる。曲げ加工温度が例えば170℃に設定される第1実施形態に係る可撓性シート30には、耐熱温度が180℃以上、厚さが0.5〜2mm、切断時伸び率が320%以上、そして引っ張り強さ7.5〜15MPa(75〜150kgf/cm)のシリコーンゴムシートが使用されるのが好ましい。例えば、JIS規格6380における該当番号GEH5250のシリコーンゴムシートから選択できる。第1実施形態では耐熱性エラストマーシートとしてシリコーンゴムシートを用いる場合について説明したが、可撓性シート30はシリコーンゴムシートに限られるものではなく、例えば耐熱温度が180℃以上のフッ素ゴムシートを用いることができる。
可撓性シート30は、上枠体50のクランプ52によって上枠体50に密着されるようにして保持されている。
(2−3)下枠体40及び上枠体50
下枠体40は、金属製の下枠本体41が製造装置10の固定盤11に固定されている。上述のように、下枠体40には、曲げ加工用型20が取り付けられている。下枠本体41には嵌合部42が形成され、嵌合部42の底部には、第1バネ23を固定する第1バネ固定部43及び第2バネ24を固定する第2バネ固定部44が形成されている。第2バネ24によって支えられている曲げ加工用型20が嵌合部42を上下に移動するが、曲げ加工用型20とは独立して第1バネ23によって支えられている位置決めピン22は、曲げ加工用型20とは独立して上下に移動することができる。言い換えれば、位置決めピン22が可撓性シート30によって押し込まれても、曲げ加工用型20は移動せずにそのままの位置を保持することができる。なお、図には示していないが下枠本体41は、曲げ加工用型20が外れないように掛止する掛止部が設けられている。
また、下枠本体41には、曲げ加工用型20の周囲を囲むように凹部45が形成されている。この下枠本体41の上面41aは、熱可塑性樹脂板状体110が取り付けられるときの曲げ加工用型20の上面よりも低い位置になるように形成されている。そして、下枠本体41の上面41aに可撓性シート30が当接して下枠体40の凹部45が上枠体50によって蓋をされた状態になると、下枠体40の凹部45が曲げ加工用型20を内側に収納したチャンバーになる。
上枠体50は、金属製の上枠本体51とクランプ52とを含んでいる。上枠本体51の下面51aには複数の第2孔53が形成されている。複数の第2孔53は、空気給排気装置80に接続されている。クランプ52は、上枠本体51の下面51aに沿うように可撓性シート30を保持する。このような構成により、複数の第2孔53を介して空気給排気装置80が空気を吸引すると、可撓性シート30を上枠本体51に密着させることができる。また、上枠体50で下枠体40に蓋をして凹部45がチャンバーになっているときに、空気給排気装置80が複数の第2孔53を介して空気を供給すると、空気の圧力によって可撓性シート30を熱可塑性樹脂板状体110に押し付けることができる。
曲げ加工用型20が取り付けられている下枠体40と上枠体50とは、枠体移動機構60によって相対的に近づいたり離れたりする移動ができるように構成されている。つまり、下枠体40と上枠体50は枠体移動機構60により開閉される。
(2−4)加熱装置70
加熱装置70は、下枠体40に配置されている第1ヒータ71及び上枠体50に配置されている第2ヒータ72を有している。第1ヒータ71は、下枠本体41に配置されており、下枠本体41を介して曲げ加工用型20を加熱する。第2ヒータ72は、上枠本体51に配置されており、上枠本体51を介して可撓性シート30を加熱する。そして、可撓性シート30を介して、曲げられる前の熱可塑性樹脂板状体110が加熱される。第1ヒータ71及び第2ヒータ72は、後述する制御装置(図示せず)により個別に制御され、互いに異なる設定温度に維持される制御も可能な構成になっている。
(2−5)空気給排気装置80
空気給排気装置80は、曲げ加工用型20の複数の第2孔53に接続されており、複数の第2孔53を通じて空気の供給と排気を行う。空気給排気装置80は、大気圧よりも高い圧力まで空気を供給することができ、また大気圧よりも低い圧力まで空気を排気することができる。つまり、空気給排気装置80は、複数の第2孔53及びそれらが通じている空間に対して圧空する機能と減圧する機能とを備えている。なお、空気給排気装置80は、複数の第2孔53を大気に開放することができ、少なくとも一つの第2孔53を大気開放することによって圧空状態又は減圧状態から大気圧状態に戻すことができる。
(2−6)減圧装置90
減圧装置90は、曲げ加工用型20の複数の第1孔25に接続されており、複数の第1孔25を通じて空気の排気を行う。なお、減圧装置90は、複数の第1孔25を大気に開放することができ、少なくとも一つの第1孔25を大気開放することによって減圧状態から大気圧状態に戻すことができる。
なお、樹脂成形品の製造装置10は、枠体移動機構60と加熱装置70と空気給排気装置80と減圧装置90と冷却プレート12を制御するための制御装置(図示せず)を備えている。制御装置は、例えばCPU(中央演算処理装置)とメモリとタイマーと各種センサーを用いて構成される。枠体移動機構60と加熱装置70と空気給排気装置80と減圧装置90と冷却プレート12の電源や駆動部や可動部がCPUからの指令に応じて動作するように構成されており、例えば各部の温度や圧力や配置位置をCPUが各種センサーによって監視しながら指令を出すことによって後述する樹脂成形品の製造装置10の各工程の動作が行われる。
(3)樹脂成形品の製造方法
樹脂成形品の製造装置10を用いた樹脂成形品の製造方法について、図5乃至図10を使って説明する。まず、図2を用いて説明したように、熱可塑性樹脂板状体110が熱可塑性樹脂板120から打ち抜かれる。打ち抜かれた熱可塑性樹脂板状体110には既に窓枠115などの加飾が施されている。
(3−1)取り付け工程
取り付け工程では、図5に示されているように、図2に示されているように打ち抜かれた熱可塑性樹脂板状体110が曲げ加工用型20に取り付けられる。図5に示されている状態では、位置決めピン22が第1バネ23によって曲げ加工用型20から長く突出している。そこで、裏面層112に曲げ加工用型20を接触させる向きで、位置決めピン22に掛止穴114(図2参照)を嵌め込むことによって、熱可塑性樹脂板状体110の曲げ加工用型20への取り付けと位置決めが同時に行なえる。このとき、下枠体40の嵌合部42に嵌め込まれている曲げ加工用型20は、第2バネ24によって下枠本体41から最も突出した状態になっている。
また、図5の状態では、空気給排気装置80(図4参照)により複数の第2孔53を介して可撓性シート30が吸引されている。つまり、複数の第2孔53で吸引されることで、可撓性シート30は上枠本体51の下面51aに密着している。
そして、下枠体40及び上枠体50は、図5に示されている状態で、加熱装置70によって加熱されている。その結果、所定時間が経過すると、可撓性シート30が上枠体50の温度になり、曲げ加工用型20が下枠体40の温度になる。
(3−2)加熱工程
加熱工程では、図7に示されているように、可撓性シート30を熱可塑性樹脂板状体110に密着させて、可撓性シート30により熱可塑性樹脂板状体110の非接触領域110aを加熱する。斜線で示されている非接触領域110aは、熱可塑性樹脂板状体110のうちの曲げ加工用型20に接触していない領域である。
曲げ加工が施されれば樹脂成形品130になるように打ち抜かれた熱可塑性樹脂板状体110には、必然的に曲げられた後に曲げ加工用型20に密着する部分ができてしまう。逆に言えば、曲げたられた後に曲げ加工用型20に密着する部分が非接触領域110aということになる。従って、このような非接触領域110aを曲げ加工の前に曲げ加工用型20で加熱することができないので、曲げ加工用型20以外に非接触領域110aを加熱するための接触加熱部材が必要になる。ここでは、可撓性シート30がこの接触加熱部材の役割を果たしている。この非接触領域110aには、可撓性シート30及び上枠体50を介して加熱装置70の第2ヒータ72で発生した熱が伝導する。
ところで、図7に示されているように、可撓性シート30を熱可塑性樹脂板状体110に接触させるには、図5のように突出している位置決めピン22が邪魔になる。この位置決めピン22は、図6に示されているように上枠体50が枠体移動機構60(図4参照)によって下枠体40に近づいてきて上枠体50に当たって押されると、第1バネ23を縮ませて下枠本体41の方に移動する。このようなメカニズムによって位置決めピン22が下枠体40の方に引っ込むことで、可撓性シート30が熱可塑性樹脂板状体110に接触する妨げにならないようになっている。
そしてさらに上枠体50が下がり、可撓性シート30が下枠本体41の上面41aに当接して図8に示されているような状態になる。図8のような状態になるには、下枠本体41の上面41aよりも突出していた曲げ加工用型20が下枠本体41の方に移動しなければならない。この曲げ加工用型20が上枠体50に押されると第2バネ24が縮むことから、曲げ加工用型20は、嵌合部42の中に入るように移動することができる。熱可塑性樹脂板状体110の温度を上げるために、上枠体50が下枠体40に完全に合わさった図8の状態が所定時間保持される。なお、加熱装置70は、第1ヒータ71と第2ヒータ72の温度を別々に制御して、下枠体40と上枠体50の温度を異ならせることができる。
(3−3)曲げ工程
加熱工程の終了時点では、図8に示されているように、上枠体50で下枠体40の蓋をする。図8の状態で、上枠体50と下枠体40の間には可撓性シート30が挟まっており、上枠本体51の下面51aと下枠本体41の上面41aの両方に可撓性シート30が接触している。このような可撓性シート30で蓋をされた状態の下枠本体41の凹部45は、密閉されたチャンバーとなっている。
図8の状態から空気給排気装置80及び減圧装置90(図4参照)により、第1孔25から空気を抜いて可撓性シート30と下枠体40との間の空間を減圧するとともに、第2孔53を一旦大気開放した後に、第2孔53から空気を供給して可撓性シート30と上枠体50との間の空間を加圧する。このように、いわゆる真空圧空を行って、図9に示されているように、可撓性シート30を介して熱可塑性樹脂板状体110に空間S1の空気の圧力を掛けて、可撓性シート30で熱可塑性樹脂板状体110を曲げ加工用型20に押し付ける。このとき、曲げ加工用型20が可撓性シート30に押されて第2バネ24が縮み、嵌合部42の中に曲げ加工用型20がさらに沈み込んで可撓性シート30が上枠本体51の下面51aから離れる。可撓性シート30が上枠本体51の下面51aから離れるので、熱可塑性樹脂板状体110の全体に均一に圧力を加えることができる。
(3−4)冷却工程及び取り出し工程
冷却工程では、冷却プレート12によって下枠体40を介して熱可塑性樹脂板状体110の冷却が進み、樹脂成形品130の温度がガラス点移転よりも十分に低下させて固まらせる。製造時間を短縮するため、曲げ工程の開始と同時に下枠体40の冷却が開始される。曲げ工程の開始時点で第1ヒータ71がオフして下枠体40の冷却が開始されても下枠体40全体の冷却には時間が掛かるため、熱可塑性樹脂板状体110の曲げが完了するまでは曲げ加工用型20の温度は設定温度に保たれる。冷却が終わると、枠体移動機構60(図4参照)によって下枠体40から上枠体50が離されてチャンバーが開放される。チャンバーの開放前に、空気給排気装置80及び減圧装置90(図4参照)により第1孔25及び第2孔53が大気開放され、図9に示されていた空間S1とともに熱可塑性樹脂板状体110と第2型本体31との間も大気圧と同じ圧力になる。取り出し工程では、熱可塑性樹脂板状体110が曲げ加工用型20から外される。このとき、第1バネ23及び第2バネ24は最も伸びた状態に戻り、その結果曲げ加工用型20が下枠本体41から最も迫出した状態に戻る。
(4)温度設定
図11、図12及び図13に、下枠体40と上枠体50の設定温度を変化させて曲げ加工を行ったときの樹脂成形品130の仕上がりの評価結果が示されている。評価は予め定められた基準値と測定結果との比較によって行い、図中の「○」は輪郭と高さのどちらも良好であった場合、「△」は輪郭か高さのいずれか一方が不良であった場合、「×」は輪郭も高さも不良であった場合を示している。図11は、熱可塑性樹脂板状体が厚さ1.0mmのポリカーボネート製の単層品である場合、図12は、熱可塑性樹脂板状体が厚さ0.5mmのポリカーボネート製の単層品である場合、そして図13は、熱可塑性樹脂板状体110が厚さ0.8mmのアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の2種2層品である場合の結果を示している。
厚さ1mm以下の単層のポリカーボネート樹脂板を用いる場合、図11から170℃又は180℃に設定する場合には150℃を下回らないようにするのが好ましいことが分かる。その一方で、可撓性シート30の耐熱温度を考慮すると、1枚の可撓性シート30の耐用回数を増やすためにはできるだけ低い温度で使用する方がよい。このようなトレードオフの関係から、可撓性シート30の設定温度を下げる場合でも、可撓性シート30の設定温度が曲げ加工用型20の温度よりも20度以上低くならないように設定することが好ましい。
一般的に熱可塑性樹脂板状体の表面層を構成する樹脂のガラス転移温度の方が裏面層を構成する樹脂のガラス転移温度よりも低い2種2層の場合には、表面層に接触する可撓性シート30よりも裏面層に接触する曲げ加工用型20の温度を高く設定することが好ましい。熱可塑性樹脂板状体110は、表面層111がアクリル樹脂(PMMA)で形成され、裏面層112がポリカーボネート樹脂で形成されている。通常、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、アクリル樹脂のガラス転移温度に比べて高い。本実施形態でも、表面層111のガラス転移温度は、裏面層112よりも低くなっている。上枠体50の温度(可撓性シート30の温度)が下枠体40の温度(曲げ加工用型20の温度)よりも高い状態まで熱可塑性樹脂板状体110が加熱されて曲げ加工が行われると、裏面層112の樹脂が曲がり難い一方で表面層111の樹脂が流動し易いために曲げ加工が不十分になり、樹脂成形品130は、メリハリがなくあまり整っていない形状になり易い。このように表面層111にアクリル樹脂を用いて裏面層112にポリカーボネート樹脂を用いる場合には、安定して良好な曲げ加工を行うために、例えば曲げ加工用型20の温度を可撓性シート30の温度よりも10度以上高く設定することが好ましい。また、表面層111に接触する可撓性シート30の温度を低く設定することで、可撓性シート30の耐用回数を増やし易くなる。
<第2実施形態>
(5)第1実施形態からの変更点
上記第1実施形態では、熱可塑性樹脂板状体110に直接可撓性シート30を接触させる場合について説明したが、例えば、図14(a)に示されているように、熱可塑性樹脂板状体110の加飾されている表面が保護シート116で覆われている熱可塑性樹脂板状体110を曲げ加工して、図14(b)に示されているように、保護シート116で覆われている樹脂成形品130を製造することもできる。
保護シート116は、曲げ加工の間に溶解することのない耐熱性樹脂シートである。保護シート116の材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンがある。保護シート116は、十分な保護機能を持ちながら温度を伝達する妨げとならない程度の厚さがあれば良く、例えば数十μmから百数十μmの厚さを持っている。
(6)特徴
以上説明したように、曲げ加工用型20は、樹脂成形品130の形状に対応する所定形状を持っている。ここでの樹脂成形品130の所定形状は、窓枠115のある中央部分に対して縁部が湾曲状に後退している形状である。曲げ加工用型20は、位置決めピン22を持っており、位置決めピン22に掛止穴114が嵌め込まれた位置を所定位置として保持するように設置されている。加熱装置70は、第1ヒータ71により下枠本体41を介して曲げ加工用型20を加熱するが、その一方で、第2ヒータ72により上枠本体51及び可撓性シート30を介して非接触領域110aを加熱する。この場合、非接触領域110aに接触して加熱しているのが可撓性シート30であるから、可撓性シート30が接触加熱部材である。また、可撓性シート30を非接触領域110aに接触させて加熱するために、位置決めピン22を上下に移動する機構と曲げ加工用型20を上下する機構が設けられている。つまり、上記実施形態ではこれらの可撓性シート30を介して加熱する機構及び可撓性シート30に対して熱可塑性樹脂板状体110を接触させるように上下する機構が接触加熱機構であり、可撓性シート30を挟んで上枠体50を下枠体40に合わせたときに可撓性シート30を非接触領域に接触させて加熱するための、上枠本体51、第2ヒータ72、可撓性シート30、嵌合部42、第1バネ23及び第2バネ24を含んで構成されている機構が接触加熱機構である。
このような接触加熱機構により、熱可塑性樹脂板状体110のうち曲げ加工用型20に接触していない非接触領域110aも十分に加熱される。その結果、樹脂成形品130とほぼ同じ面積を持つ熱可塑性樹脂板状体110を良好に曲げることができ、従来に比べて余分な樹脂材料を省いて樹脂成形品130を安価に製造することができる。
また、製造方法の観点から見ると、図5を用いて説明した取り付け工程では、熱可塑性樹脂板状体110が曲げ加工用型20の所定位置に保持される。図6乃至図8を用いて説明した加熱工程では、曲げ加工用型20に保持された熱可塑性樹脂板状体110が、曲げ加工用型20を介して接触加熱されるとともに、熱可塑性樹脂板状体110のうちの曲げ加工用型20に接触していない非接触領域110aが接触加熱部材である可撓性シート30に接触して加熱される。図9を用いて説明した曲げ工程では、加熱工程により軟化した熱可塑性樹脂板状体110が、可撓性シート30により曲げ加工用型20に押圧されて所定形状に曲げられる。このように加熱工程において、曲げ加工の対象となる熱可塑性樹脂板状体110のうち曲げ加工用型20に接触していない非接触領域110aが可撓性シート30に接触して加熱されるため、曲げ加工用型20に接触していない非接触領域110aも十分に加熱され、樹脂成形品130とほぼ同じ面積を持つ熱可塑性樹脂板状体110を良好に曲げることができる。
また、上記実施形態の熱可塑性樹脂板状体110が、曲げ加工用型に接触する側の第1層に相当する裏面層112と、接触加熱部材に相当する可撓性シート30に接触する側の第2層に相当する表面層111からなっている。これら表面層111と裏面層112とはガラス転移温度が異なる2種類の熱可塑性樹脂で形成され、接触加熱機構は、表面層111のガラス転移温度が裏面層112のガラス転移温度よりも低いので、曲げ加工用型20よりも可撓性シート30の温度を低くして曲げ加工用型20と可撓性シート30により熱可塑性樹脂板状体110を接触加熱するように構成されている。その結果、可撓性シート30に比較的耐熱温度の低い材料を使って、ガラス転移温度が異なる2種類の熱可塑性樹脂で形成されている熱可塑性樹脂板状体110を良好に曲げることができる。
また、第2実施形態の熱可塑性樹脂板状体110は、保護シート116を有している。熱可塑性樹脂板状体110は、保護シート116で覆われた非接触領域に可撓性シート30を接触させて加熱するように構成されている。その結果、保護シート116で熱可塑性樹脂板状体110の表面の加飾層を保護しながら熱可塑性樹脂板状体110を良好に曲げることができる。
また、接触加熱機構は、曲げ加工用型20が熱可塑性樹脂板状体110を接触加熱しているときに、可撓性シート30を接触加熱部材として熱可塑性樹脂板状体110の非接触領域110aに可撓性シート30を接触させて非接触領域110aを接触加熱するように構成されている。この場合、可撓性シート30に接触加熱部材を兼ねさせるので製造装置10の構造が簡単になり、樹脂成形品130の製造装置10を安価に提供できる。
また、上枠体50に空気給排気装置80から空気を供給して可撓性シート30に空気圧を加える機構が、可撓性シート30を流体の圧力によって熱可塑性樹脂板状体110に押し付ける加圧機構である。この場合は空気が流体である。上記実施形態の接触加熱機構は、上枠体50の上枠本体51が金属板に相当し、加熱された上枠本体51を可撓性シート30に接触させて上枠本体51から可撓性シート30を介して熱可塑性樹脂板状体110の非接触領域110aを加熱する。曲げ加工用型20は、第2バネ24によって、この加圧機構により可撓性シート30に空気の圧力が加わったときに上枠本体51から遠ざかる方向に移動するように構成されている。その結果、可撓性シート30に流体の圧力が加わったときに曲げ加工用型20が上枠本体51から遠ざかる方向に移動するので、可撓性シート30と上枠本体51との間に隙間ができることから可撓性シート30を介して熱可塑性樹脂板状体110に十分に流体の圧力を伝えることができる。
また、曲げ加工用型20は、可撓性シート30が熱可塑性樹脂板状体110を曲げ加工用型20に押し付けているときに可撓性シート30が熱可塑性樹脂板状体110を押すのを妨げない状態にある位置決めピン22を備えて構成されている。つまり、位置決めピン22が第1バネ23によって引っ込むように構成されている。その結果、曲げ加工の加工位置の精度を位置決めピン22によって確保できている。
(7)変形例
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(7−1)変形例1
上記実施形態では、位置決めピン22に掛止穴114が嵌め込まれた位置を所定位置として保持したが、所定位置に保持する態様は、位置決めピンと掛止穴の組み合わせに限られるものではない。例えば、凹部と凸部で所定位置に保持するようにしてもよい。また、例えば、熱可塑性樹脂板状体110の縁部の形状とそれに対応する複数の可動ピンで所定位置に保持するようにしてもよい。
(7−2)変形例2
上記実施形態では、可撓性シート30を接触加熱部材として用いたが、接触加熱部材として用いることができる部材は可撓性シート30には限られず、他の部材を接触加熱部材として用いることもできる。例えば、加熱装置で加熱される左右にスライド可能な金属板を別に設けて、加熱工程で金属板を熱可塑性樹脂板状体110に接触させて金属板を介して加熱し、曲げ加工の時にはスライドさせて熱可塑性樹脂板状体110から金属板を離すように構成することもできる。
(7−3)変形例3
上記実施形態では、熱可塑性樹脂板状体110を加圧する流体に空気を用いたが、加圧のための流体として油、水又は他の気体を用いることもできる。
(7−4)変形例4
上記実施形態では、多層の熱可塑性樹脂板状体110として、2種2層の板状体について説明したが、本発明に係る樹脂成形品の製造装置及び製造方法は、他の層構造を持つ熱可塑性樹脂板状体についても適用でき、例えば3種3層以上の熱可塑性樹脂板状体についても適用できる。
(7−5)変形例5
上記実施形態では、曲げ加工用型20の型本体21、下枠本体41及び上枠本体51を金属で形成する場合について説明したが、これらは熱伝導性の高いセラミックなど他の部材で構成することもできる。
10 樹脂成形品の製造装置
20 曲げ加工用型
30 可撓性シート
40 下枠体
50 上枠体
60 枠体移動機構
70 加熱装置
80 空気給排気装置
90 減圧装置
110 熱可塑性樹脂板状体
110a 非接触領域
130 樹脂成形品

Claims (7)

  1. 樹脂成形品形状に対応する所定形状を持ち、前記所定形状に曲げ加工される熱可塑性樹脂板状体を所定位置に保持するよう設置されている曲げ加工用型と、
    前記曲げ加工用型に保持される前記熱可塑性樹脂板状体を、前記曲げ加工用型を介して接触加熱するために前記曲げ加工用型を加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置により軟化した前記熱可塑性樹脂板状体を前記曲げ加工用型に押圧して前記所定形状に曲げ加工するための可撓性シートと、
    を備え、
    前記加熱装置は、前記曲げ加工用型が前記熱可塑性樹脂板状体を接触加熱しているときに、前記熱可塑性樹脂板状体のうちの前記曲げ加工用型に接触していない非接触領域に接触加熱部材を接触させて加熱する接触加熱機構を含む、樹脂成形品の製造装置。
  2. 前記熱可塑性樹脂板状体は、前記曲げ加工用型に接触する側の第1層と前記接触加熱部材に接触する側の第2層とをガラス転移温度が異なる2種類の熱可塑性樹脂で形成され、
    前記接触加熱機構は、前記第2層のガラス転移温度が前記第1層のガラス転移温度よりも低いときには前記曲げ加工用型よりも前記接触加熱部材の温度を低くして前記曲げ加工用型と前記接触加熱部材により前記熱可塑性樹脂板状体を接触加熱する、
    請求項1に記載の樹脂成形品の製造装置。
  3. 前記熱可塑性樹脂板状体は、保護シートを有し、
    前記接触加熱機構は、前記保護シートで覆われた前記非接触領域に前記接触加熱部材を接触させて加熱する、
    請求項1に記載の樹脂成形品の製造装置。
  4. 前記接触加熱機構は、前記曲げ加工用型が前記熱可塑性樹脂板状体を接触加熱しているときに、前記可撓性シートを前記接触加熱部材として前記熱可塑性樹脂板状体の前記非接触領域に前記可撓性シートを接触させて前記非接触領域を接触加熱する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造装置。
  5. 前記可撓性シートを流体の圧力によって前記熱可塑性樹脂板状体に押し付ける加圧機構をさらに備え、
    前記接触加熱機構は、金属板を有し、加熱された前記金属板を前記可撓性シートに接触させて前記金属板から前記可撓性シートを介して前記熱可塑性樹脂板状体の前記非接触領域を加熱し、
    前記曲げ加工用型は、前記加圧機構によって前記可撓性シートに流体の圧力が加わったときに前記金属板から遠ざかる方向に移動する、
    請求項4に記載の樹脂成形品の製造装置。
  6. 前記曲げ加工用型は、少なくとも前記可撓性シートが前記熱可塑性樹脂板状体を前記曲げ加工用型に押し付けているときに前記可撓性シートが前記熱可塑性樹脂板状体を押すのを妨げない状態にある位置決めピンをさらに備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造装置。
  7. 樹脂成形品形状に対応する所定形状を持ち、前記所定形状に曲げ加工される熱可塑性樹脂板状体を曲げ加工用型の所定位置に保持させる取り付け工程と、
    前記曲げ加工用型に保持された前記熱可塑性樹脂板状体を、前記曲げ加工用型を介して接触加熱するとともに、前記熱可塑性樹脂板状体のうちの前記曲げ加工用型に接触していない非接触領域に接触加熱部材を接触させて加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程により軟化した前記熱可塑性樹脂板状体を可撓性シートにより前記曲げ加工用型に押圧して前記所定形状に曲げる曲げ工程と、
    を備える、樹脂成形品の製造方法。
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