以下、記録装置をプリンターに具体化した一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、プリンター11は、薄型の略直方体形状を有する筐体の一例としての装置本体12(以下、単に「本体12」ともいう。)と、本体12の前面(図1では右面)に設けられてユーザーの入力操作に用いられる操作パネル13とを備えている。操作パネル13は、上端部を中心に回動可能に取り付けられた回動式である。操作パネル13には、液晶パネル等よりなる表示部14及び複数の操作スイッチからなる操作部15を備えている。操作部15には、プリンター11の電源をオン・オフ操作するための電源スイッチ15a、及び表示部14に表示されたメニュー画面上で所望の項目を選択操作するためなどの操作スイッチ15bなどが含まれる。
図1に示すように、本体12内の下部には、媒体の一例としての用紙Pを複数枚収容可能な給送カセット16が挿抜可能な状態で挿着されている。給送カセット16に収容された複数枚の用紙Pはピックアップローラー17(図3参照)により一番上から順番に一枚ずつ送り出され、その送り出された用紙Pは所定の搬送経路に沿って搬送方向Yに搬送される。
また、本体12内には、キャリッジ18が、搬送方向Yと交差する走査方向Xに沿って延びるガイド軸19に案内されて走査方向Xに往復移動可能な状態で設けられている。キャリッジ18の下部には、ノズルからインク滴を噴射する記録ヘッド20が取り付けられている。搬送方向に間欠的に搬送される用紙Pdの表面に向かって、走査方向Xにキャリッジ18と共に往復移動する記録ヘッド20からインク滴が噴射されることで、用紙Pdに印刷が施される。印刷済みの用紙Pdは、操作パネル13の下側に配置された回動式のカバー21が開いた状態で露出する排出口から、図1に白抜き矢印で示す方向へ排出される。なお、プリンター11は、本体12の後部に設けられた開閉式のカバー22を開けた状態で露出する挿入口から手差しで用紙Pを挿入して印刷することも可能になっている。
図2に示すように、操作パネル13は、本体12の前面上端部を中心に回動することで開閉する可動式であり、図1に示す閉位置と図2に示す開位置との間を電動で回動する。また、図2に示すように、本体12には、略四角板状の一枚のトレイにより構成されるスタッカー23(媒体受け部)が出退(出没)可能な状態で設けられている。スタッカー23は電動式で、本体12内に収納された閉位置(退避位置)(例えば図1の状態)と、本体12から所定の出量で突出する開位置(例えば図2の状態)との間を往復移動可能となっている。操作パネル13とスタッカー23は別々の動力源により駆動される。例えば電源オン操作時は、操作パネル13は図1に示す閉位置から前方に回動して図2に示すようにユーザーから見易い所定の姿勢角の開位置に配置される。この開位置は、操作パネル13が図1に示す閉位置にあるときの姿勢角を0度とした場合に例えば約45度である。なお、開位置におけるパネル13の姿勢角は、45度に限らず、閉位置(0度)と全開との間の他の姿勢角でもよく、特に例えば30〜70度の範囲内の角度が好ましい。
また、印刷ジョブを受信したときなど印刷が行われるときに、スタッカー23は本体12から突出する。その突出するスタッカー23に押されてカバー21は開放される。そして、スタッカー23は、全開位置よりも少し手前の開位置に達すると減速して停止する。このため、スタッカー23は開位置から全開位置までの範囲(開領域)内に位置する開状態となる。印刷済みの用紙Pdは、開状態にあるスタッカー23上に排出される。印刷が終わると、スタッカー23は本体12内に収納されて閉位置に配置される。なお、スタッカー23が開状態から閉状態に退避しても、操作パネル13は開状態に保持される。
また、電源オフ操作時は、図2に示す開状態にある操作パネル13とスタッカー23とがそれぞれ閉動作をする。すなわち、操作パネル13の開状態からの閉動作と、スタッカー23の開状態からの閉動作とが同時期に行われる。また、表示部14には、スタッカー23の開動作又は閉動作を指示できる指示ボタン(アイコンボタン)が表示される。表示部14がタッチパネルであれば指示ボタンを直接押し、そうでない場合は操作スイッチ15bの操作で指示ボタンを選択操作することで、スタッカー23の開動作と閉動作を指示可能である。なお、指示ボタンは、開ボタンと閉ボタンとが別々に設けられてもよいし、スタッカー23の開状態では閉ボタンになり、スタッカー23の閉状態では開ボタンになる1つのボタンからなる構成でもよい。
本実施形態のプリンター11では、操作パネル13が回動するときの経路と、スタッカー23が出退するときの経路とが、途中で一部重なっている。このため、操作パネル13とスタッカー23とが、それぞれの位置及び開閉するタイミングによっては、経路の重なる部分(以下、「干渉領域」ともいう。)で衝突する虞がある。例えばスタッカー23の閉動作と操作パネル13の閉動作とを同時に行うと、操作パネル13の方が早く閉まるので、両者が衝突することになる。そのため本実施形態では、操作パネル13とスタッカー23とを、共に開くとき、あるいは共に閉めるときに、両者の動作タイミングを調整する制御を採用している。この制御の詳細については後述する。なお、以下の説明では、操作パネル13を単に「パネル13」と称する場合がある。
次に、プリンター11の詳細な構成について説明する。
以下、図3を参照しながら用紙搬送経路上の構成要素について説明する。図3に示すように、本体12内には、用紙が給送・搬送される経路に沿って、カセット給送部25、給送部26、媒体搬送部27、記録部28及び送り部29が備えられている。カセット給送部25は、給送カセット16と、給送カセット16の上方に設けられたピックアップローラー17と、給送カセット16に収容された用紙Pの先端と対向する位置に設けられた分離部30とを備える。
ピックアップローラー17は、揺動軸31を中心に揺動可能な揺動部材32の先端部に設けられ、搬送モーター33(図8参照)から伝達される動力によって回転する。ピックアップローラー17は、給送カセット16に収容された用紙Pの最上位のものと接して回転することにより、最上位の用紙Pを給送カセット16から給送経路へ送り出す。送り出される最上位の用紙Pは、その送り出し途中で分離部30により次位以降の用紙Pと分離される。
図3に示すように、分離部30の給送経路下流側に設けられた給送部26は、搬送モーター33により駆動される給送駆動ローラー34と、一対の給送従動ローラー35,36とを備えている。給送駆動ローラー34と給送従動ローラー36との間に挟持された用紙Pは、給送駆動ローラー34の外周に沿って搬送方向が転換されつつ、媒体搬送部27へ搬送される。媒体搬送部27は、同じく搬送モーター33により駆動される搬送駆動ローラー37と、搬送駆動ローラー37に圧接して従動回転する搬送従動ローラー38とを備える。この媒体搬送部27により、用紙Pがさらに下流側へと送られる。
図3に示すように、媒体搬送部27の下流側に設けられた記録部28は、キャリッジ18と、記録ヘッド20と、記録ヘッド20と対向する支持台39とを備えている。キャリッジ18の底部に用紙Pの搬送経路と対向する状態で設けられた記録ヘッド20は、キャリッジ18がキャリッジモーター40(図8参照)の動力によってガイド軸19に案内されつつ走査方向X(図3では紙面と直交する方向)に往復動する過程で、用紙Pに対してインク滴を噴射して用紙Pに画像を印刷する。このとき、支持台39は、用紙Pを支持し、用紙Pと記録ヘッド20との距離(ギャップ)を規定する。
そして、支持台39の下流側に設けられた送り部29は、搬送モーター33によって駆動される第1ローラー41と、第1ローラー41に接して従動回転する第2ローラー42とを備えている。そして、記録済みの用紙Pは第1ローラー41と第2ローラー42とに挟持された状態で、送り部29によって送り出される。
送り出された記録済みの用紙Pは、本体12内に収納された図3に実線で示す閉位置から印刷ジョブ受信時に前方側に突出して同図に二点鎖線で示す開位置に配置されたスタッカー23の上面に排出される。スタッカー23は、Y方向に沿ってスライドして本体12の外側(前方)へ突出する突出動作(開動作)と、反Y方向に沿ってスライドして本体12内に収納される退避動作(閉動作)とを行う。スタッカー23は、少なくとも印刷時には、本体12の外側へスライドして突出する。
また、本体12の後部(図3では右側)に設けられたカバー22を開けた状態で露出する給送口43から手差し挿入された用紙P(図3に二点鎖線で示す)は、給送駆動ローラー34と給送従動ローラー36との間に挿入され、この状態で搬送モーター33が駆動されることで、媒体搬送部27及び送り部29により搬送される。なお、本実施形態では、給送部26、媒体搬送部27及び送り部29により、搬送部の一例が構成される。
スタッカー23は、搬送方向Yの先端部が先端側ほど高くなるように傾斜する傾斜案内面23aを形成しつつ上側へ膨出する台部23bと、台部23bの幅方向(走査方向Xに同じ)両側に隣接して台部23bよりも高く***する一対の***部23cとを有している。また、スタッカー23は先端部を除く基部23dが四角板状(図7参照)に形成されている。支持台39の下側に配置された板状のフレーム44と、これに対して所定の間隔を隔ててその下側に配置された板状の支持板部45との間には、スタッカー23の基部23dを収容可能な収容凹部46が形成されている。そして、スタッカー23は、その基部23dが収容凹部46内に深く挿入されることで図3に実線で示す閉位置に配置され、閉位置から本体12に対して外側(前方)へ突出する方向へ移動することで図3に二点鎖線で示す開位置(図2の状態)に配置される。ここで、開位置とは、排出された印刷後の用紙Pをスタッカー23上に積載することが可能な突出量にあるスタッカー23の位置である。
本実施形態のプリンター11では、電源オン操作時にまずパネル13のみが図3に二点鎖線で示す開位置に開動作する。その後、印刷ジョブを受信した際にスタッカー23が突出動作を行う。このように最初にパネル13を開き、スタッカー23の移動経路が確保された後、スタッカー23を突出動作させるので、両者は衝突しない。
本実施形態のプリンター11は、CDRやDVD等のディスクのレーベル面に印刷するレーベル印刷機能を備える。図2〜図4に示すように、スタッカー23の先端部における幅方向(走査方向Xに同じ)両側には、一対のガイド溝24(図3、図4では一方のみ図示)が形成されている。図4に示すように、スタッカー23が閉位置にある状態において、ディスク(図示略)がセットされたトレイ47を一対のガイド溝24に沿って記録部28の媒体経路にスライド挿入可能となっている。すなわち、一対のガイド溝24に沿って水平にトレイ47を挿入することで、トレイ47はローラー37,41上に載置されると共に奥側で先端部が一対のローラー37,38にニップされる。なお、送り部29の一部を構成するローラー42を支持するユニットが、挿入したトレイ47と係合して少し上昇することで、ローラー42はトレイ47から離間し、替わりに小径の押さえローラー29aがトレイ47の上面に接する。そして、トレイ47は用紙Pと共通のローラー37,38,41を使って搬送方向Yの下流側へ搬送されることで、搬送中のトレイ上にセットされたディスクのレーベル面に記録ヘッド20により印刷が施される。
本体12内には、レーベル印刷時にガイド溝24に沿って挿入されたトレイを検知するトレイセンサー48(図8参照)が設けられている。レーベル印刷終了後にガイド溝24に沿ってトレイを取り出したことは、トレイセンサー48により検知される。
また、図3に示すように、このプリンター11では、閉位置にあるときのパネル13が、スタッカー23が閉位置から開位置へ移動する際の移動経路上に位置し、このようなレイアウトの採用により、パネル13の高さ方向の幅を広く確保しつつ、本体12の薄型化を実現している。このようにプリンター11では、スタッカー23がスライドして出退する領域と、パネル13が回動する領域とが干渉する構造となっている。
また、図1に示すようにパネル13とスタッカー23とが共に閉まった状態において、アイコンボタンを操作した際は、パネル13とスタッカー23とが同時に開動作を開始する。この場合も、パネル13とスタッカー23は衝突しない。
図2に示すように、スタッカー23は印刷済みの用紙Pを受けるためには所定の出量を確保する必要がある。また、パネル13はユーザーが見易い姿勢角に配置される。そして、パネル13とスタッカー23とがこの開状態から閉じる場合、閉動作の開始が同じでも、パネル13の方が早くに閉まり、スタッカー23が後から遅れて閉まる。このタイミングであると、スタッカー23が閉まり切る前に***部23cがパネル13の下端部に衝突し、それ以上、スタッカー23が閉まり切らない。
また、パネル13及びスタッカー23はユーザーが手動で動かすことができるので、閉動作を開始するときのパネル13の姿勢角及びスタッカー23の出量が定まらない。このため、例えばパネル13が既に手動で閉められていた、あるいは10〜30度程度の閉寄りの姿勢角にあるときは、スタッカー23が閉じられたときにその***部23cが、パネル13の下端部に衝突する。そこで、本実施形態では、パネル13とスタッカー23とを閉めるときに、それぞれの動作開始タイミング等を調整して両者が衝突しない制御を採用している。
次に、図5を参照してパネル13の構成について説明する。
図5に示すように、パネル13は、動力源の一例としての第1モーター50(電動モーター)から動力伝達機構51を介して伝達された動力により、その両側部上端から突出する一対の回動軸13a(但し、図5では片側のみ図示)を中心として閉位置と開位置との間を回動する。本実施形態では、第1モーター50が正転駆動することにより、パネル13は閉位置から開位置へ向かう方向に開動作をし、第1モーター50が逆転駆動することにより、パネル13は開位置から閉位置へ向かう方向に閉動作をする。
動力伝達機構51は、第1モーター50の駆動軸50aに嵌着されたピニオン52と噛合する小径の歯車53と、その歯車53が一端部に嵌着された回転軸54の他端部に嵌着された同じく小径の歯車55と、その歯車55と噛合する大径の歯車56とを備えている。さらに歯車56は、摩擦クラッチ57の歯車57aと噛合し、この歯車57aの回転は同軸上に配置された2つの二段歯車58,59に伝達され、二段歯車59の小径部59aが歯車60と噛合している。そして、歯車60と噛合する筒状の歯車61は、パネル13の上端側部に形成された扇形ギヤ65と噛合している。
摩擦クラッチ57は、本体12に固定される固定部57bと歯車57aとがコイルばね(図示略)に押圧された状態で設けられている。そのため、第1モーター50の駆動中は、歯車57aが固定部57bに対して相対回転し、その回転が歯車58〜61を介して扇形ギヤ65に伝達されることで、パネル13が回動する。そして、第1モーター50の停止中は、歯車57aと固定部57bとの間の摩擦力により、パネル13はそのときの姿勢に維持される。なお、歯車56は二段歯車で、その隣にほぼ同径の二段歯車64が同軸上に設けられている。
第1モーター50には、その回転量に比例した数のパルスを有する検出パルス信号を出力するエンコーダー62が設けられている。また、パネル13の裏面側には、パネル13が開位置にある状態を検知する第1センサー63(パネル開センサー)が配置されている。第1センサー63は、パネル13の裏面から延出する板状の被検知部13bを検知可能な光学式センサーにより構成される。パネル13が開位置の姿勢角にあるときに、被検知部13bは第1センサー63の検知光が通る凹部内に挿入可能となっている。パネル13が本体12の前面と平行になる姿勢角を0度とし、開方向をプラス方向とすると、パネル13は0〜90度の範囲で開閉する。
図6に示すように、パネル13が開位置のときの所定角度θ1まで開くと、第1センサー63の検知部63aが被検知部13bを検知しない非検知状態から、被検知部13bを検知する検知状態に切り換わる。つまり、第1センサー63の検知状態が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる。θ1は例えば30〜70度の範囲内の所定角度(一例として約45度)である。本実施形態では、所定角度θ1を、印刷時に突出するスタッカー23の邪魔にならない位置にパネル13を退避させることが可能な角度に設定している。なお、第1センサー63は、光学式センサー等の非接触式センサーではなく、接触式センサーとしてもよい。
ここで、第1センサー63の検知の切り換わり角をθ1度としているのは、次の理由による。θ1を例えば0度にすると、原点出しのためにパネル13を閉位置(0度)に移動させなければならず、例えばそのときスタッカー23が突出した状態にあると、パネル13がスタッカー23上の印刷済みの用紙Pに当たる心配がある。一方、θ1を例えば90度にすると、電源オン時にパネル13を一旦全開位置まで移動させて原点出しを行ってから、全開位置から目標位置へ戻す動作となるので、無駄な動作が多くなり、パネル13が目標位置に配置されるまでの所要時間が長くなる。
このため、本実施形態では、第1センサー63の検知の切り換わり角をθ1にすることで、θ1まで閉じてもパネル13がスタッカー23上の印刷済みの用紙Pに当たらず、θ1まで開いても、最大角度(一例として90度)まで開く場合に比べ時間がかからず、原点出しを早期に終えてパネル13を目標位置まで移動させることができる。
次に、図7を参照してスタッカー23の構成について説明する。スタッカー23は、基部23dの上面に媒体受け面23eを備えている。媒体受け面23eの用紙幅方向の両端側には、突出方向(搬送方向Yに同じ)上流側から下流側へ延びる一対のラック69,69が設けられている。ラック69,69は、スタッカー23の動力源である第2モーター70の動力が伝達される動力伝達機構71を構成する回転軸72の軸方向に所定の間隔を開けた各位置に嵌着された一対のピニオン歯車73,73とそれぞれ噛合している。
スタッカー23は、第2モーター70から動力伝達機構71を介して伝達された動力により、閉位置と開位置との間を移動する。本実施形態では、第2モーター70が正転駆動することにより、スタッカー23は閉位置から開位置へ向かう突出方向に移動し、第2モーター70が逆転駆動することにより、スタッカー23は開位置から閉位置へ向かう退避方向に移動する。
また、本体12内には、スタッカー23が開位置にある状態を検知する第2センサー74(スタッカー開センサー)が設けられている。第2センサー74は、スタッカー23が開位置から全開までの範囲に位置する開状態にあるときに、スタッカー23の後端部に形成された切欠凹部23fを検知する。このため、第2センサー74は、スタッカー23が突出する途中の開位置で閉を表す状態から開を表す状態に切り換わり、スタッカー23が退避する途中の開位置で開を表す状態から閉を表す状態に切り換わる。
第2センサー74は、スタッカー23が閉状態から外側(開側)へ突出する開動作するときに、開位置で、スタッカー23の閉を表す状態から開を表す状態に変わるスイッチ式のセンサーである。第2センサー74は、例えば光学式の非接触センサーにより構成されるが、リミットスイッチ等の接触式センサーを用いることもできる。また、第2モーター70には、その回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号を出力するエンコーダー75が設けられている。
また、図7に示すように、基部23dの突出方向上流側(図7では左側)部分における幅方向中央部位には、凹部23gが形成されている。スタッカー23は、ピックアップローラー17を支持する揺動部材32(図3参照)を凹部23gで避けつつ閉位置に収納されるようになっている。このため、スタッカー23は、閉位置において本体12内に深い位置まで挿入可能になっている。よって、スタッカー23は一枚のトレイ構造からなるものの、本体12からの突出時に必要な出量が確保される。
図7に示すように、電動モーター70の駆動軸に嵌着されたピニオン76の回転は、歯車77を介して歯車78に伝達される。歯車78の下側に歯車78の回転を伝達可能な状態で配列された歯車79a〜79gからなる歯車列79が、スタッカー23への動力伝達経路となる。歯車列79における動力伝達経路上の最終段に位置する歯車79gは、回転軸72の一端部に嵌着されている。この歯車79gの回転により回転軸72が回転することで一対のピニオン歯車73,73が回転し、これらと噛合する一対のラック69を介してスタッカー23が搬送方向Yと平行な方向にスライドするようになっている。歯車列79中の歯車79dは、摩擦クラッチ機構を備えた摩擦クラッチ79kの一部を構成しており、歯車79dに一定値を超える回転力が加わると動力伝達面が滑って空回りする。この摩擦クラッチ79kを構成する歯車79dが介在することで、ユーザーの手動操作によりスタッカー23を出退方向にスライドさせるときに比較的軽い力で済むうえ、歯車の噛合音等も低減される。また、摩擦クラッチ79kがあることで、スタッカー23が仮に障害物に当たってもロックしないため、第2モーター70に過度な負荷がかからない。
本実施形態では、後述するコントローラー80(図8参照)は、第2モーター70の正転駆動中に第2センサー74の検知状態が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わると、第2モーター70を減速させつつ駆動停止させる。このため、スタッカー23は開位置よりも所定距離だけ突出側の位置で停止する。つまり、スタッカーは開位置と全開位置との間の開領域内の位置で停止する。
次に、プリンター11の電気的構成を図8に基づいて説明する。
図8に示すように、プリンター11は各種制御を司る制御部の一例としてのコントローラー80を備えている。コントローラー80は通信インターフェイス81を介してホスト装置200と通信可能に接続される。コントローラー80は、ホスト装置200から受信した印刷ジョブデータに基づいてプリンター11の印刷動作等を制御する。ホスト装置200は、例えばパーソナルコンピューターからなり、プリンタードライバー201を内蔵する。ホスト装置200は、キーボード及びマウスからなる入力部202を備え、ユーザーは入力部202を操作することにより、プリンタードライバー201がモニター(図示省略)に表示した設定画面において用紙種、用紙サイズ、印刷色及び印刷品質等を含む印刷条件情報を入力設定する。プリンタードライバー201は印刷条件情報に基づいて印刷の実行が指定された画像の印刷画像データを生成し、この印刷画像データに印刷条件情報の一部を含むヘッダーを付けて印刷ジョブデータを生成し、これをプリンター11へ送信する。
コントローラー80には、出力系として、キャリッジモーター40、搬送モーター33、第1モーター50、第2モーター70及び表示部14が電気的に接続されている。また、コントローラー80には、入力系として、電源スイッチ15a及び操作スイッチ15bを含む操作部15、リニアエンコーダー82、エンコーダー49,62,75、第1センサー63(パネル開センサー)、第2センサー74(スタッカー開センサー)及びトレイセンサー48が電気的に接続されている。
図8に示すように、コントローラー80は、コンピューター85、ヘッドドライバー86、モータードライバー87〜90及び表示ドライバー91を備える。コンピューター85は印刷ジョブデータに基づきヘッドドライバー86を介して記録ヘッド20を駆動し、印刷画像データに基づく画像等をインク滴の噴射により描画する。また、コンピューター85は、モータードライバー87を介してキャリッジモーター40を駆動制御し、キャリッジ18の走査方向Xへの移動を制御する。このとき、コンピューター85は、リニアエンコーダー82からの入力パルスをカウンター(図示省略)で計数することで、キャリッジ18の例えばホーム位置を原点とする移動位置を把握する。
さらにコンピューター85は、モータードライバー89を介して搬送モーター33を駆動制御する。ここで、搬送モーター33の動力伝達経路上に介在する動力伝達切換部92(クラッチ部)が給紙時に切り換えられることでピックアップローラー17が回転可能となっている。また、搬送モーター33の動力が伝達されて、給送駆動ローラー34、搬送駆動ローラー37及び第1ローラー41が回転する。このとき、コンピューター85は、エンコーダー49からの入力パルスをカウンター(図示省略)で計数することで、用紙Pの搬送位置を把握する。
給送カセット16に収容された複数枚の用紙Pはピックアップローラー17により一番上から順番に一枚ずつ送り出され、その送り出された用紙Pは、給送駆動ローラー34、搬送駆動ローラー37及び第1ローラー41の回転によって所定経路に沿って搬送される。その搬送経路の途中の記録位置で用紙Pの表面に、キャリッジ18と共に走査方向Xに往復移動する記録ヘッド20からインク滴が噴射され、用紙Pの表面に画像又は文書が印刷される。
また、図8に示すように、コンピューター85は、モータードライバー89を介して第1モーター50を駆動制御する。第1モーター50が正転駆動されると、パネル13が開方向へ回動し、第1モーター50が逆転駆動されると、パネル13が閉方向へ回動する。
第1センサー63(パネル開センサー)は、パネル13が約45度の開位置よりも開側の開領域でオンし、パネル13が開領域にないときにオフする。また、エンコーダー62は、第1モーター50の回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号をコンピューター85へ出力する。
また、図8に示すように、コンピューター85は、モータードライバー90を介して第2モーター70を駆動制御する。第2モーター70が正転駆動されると、ピニオン歯車73が正転し、この正転するピニオン歯車73とラック69との噛合を介してスタッカー23は突出方向へ移動する。一方、第2モーター70が逆転駆動されると、ピニオン歯車73が逆転し、この逆転するピニオン歯車73とラック69との噛合を介してスタッカー23は本体12内への収納方向へ移動する。
第2センサー74(スタッカー開センサー)は、スタッカー23が開位置よりも突出側の開領域でオンし、スタッカー23が開領域にないときにオフする。また、エンコーダー75は、第2モーター70の回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号をコンピューター85へ出力する。
図8に示すコンピューター85は、例えばCPU100、ASIC101(Application Specific IC(特定用途向けIC))、RAM102及び不揮発性メモリー103等を備えて構成される。不揮発性メモリー103には、図12及び図13にフローチャートで示されたスタッカー制御用のプログラムを含む各種のプログラムが記憶されている。コンピューター85は、CPU100が不揮発性メモリー103に記憶されたプログラムを実行することで構築されるソフトウェアからなる図8に示す複数の機能部を備える。すなわち、CPU100は、複数の機能部として、主制御部111、検出部112、判定部113、タイマー114、第1カウンター115及び第2カウンター116を備える。もちろん、コンピューター85を用いたソフトウェアの構成に限定されず、電子回路(例えばカスタムIC)等のハードウェアの構成や、あるいはソフトウェアとハードウェアとの協働による構成でもよい。
図8に示す主制御部111は、プリンター11を統括的に制御し、印刷系、パネル系及びスタッカー系の動作を制御するとともに、これら各系への供給電力を制御する。主制御部111は、印刷系の制御を行うときは、各ドライバー86〜88を介して、記録ヘッド20、キャリッジモーター40及び搬送モーター33を制御する。主制御部111は、パネル系及びスタッカー系の駆動制御を行うときは、各ドライバー89,90を介して第1モーター50及び第2モーター70を制御する。このパネル系及びスタッカー系の制御を行うときに、主制御部111は、検出部112の検出結果、判定部113の判定結果、タイマー114の計時時間、第1カウンター115及び第2カウンター116の各計数値を使用する。
プリンター11は、パネル13のスイッチ操作、及び印刷動作などの各種動作がない状態のままその経過時間が設定時間に達すると、各系の少なくとも一部への電力供給を停止させる省電力機能を有している。主制御部111は、例えばスイッチ操作及び各種動作がない状態のままその経過時間が、第1設定時間に達すると、表示部14を消灯し、続いて第1設定時間よりも長い第2設定時間に達すると、プリンター11の電源を自動でオフする省電力モードに移行する。そして、主制御部111は、その後、スイッチ操作又は少なくとも1つの動作の開始をトリガーにして各系への電力供給を復帰する。
検出部112は、第1モーター50及び第2モーター70のそれぞれにかかる過負荷を検出する。すなわち、検出部112は、パネル13がスタッカー23又は可動域のエンドに当たった際の第1モーター50の負荷が閾値を超えた過負荷を検出する。また、検出部112は、スタッカー23がパネル13又は可動域のエンドに当たった際の第2モーター70の負荷が閾値を超えた過負荷を検出する。過負荷の検出は、モーター50,70の電流値が閾値を超えたことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。また、エンコーダー62,75からの単位時間当たりの入力パルス数、つまりモーター50,70の駆動速度が閾値未満になったことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。また、エンコーダー62,75からのパルスエッジ間の間隔時間が閾値を超えたことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。なお、その他、モーター50,70のトルクを検出するなど、その他の過負荷検出方法を用いてもよい。
判定部113は、パネル13とスタッカー23との開動作と閉動作とを制御するうえで必要な各種の判定処理を行う。コンピューター85は、パネル移動条件が成立すると、その成立した条件に応じた所定の位置にパネル13を移動させるパネル移動制御を行う。判定部113は、このパネル移動条件として、電源オフ操作信号入力時、省電力モード移行時、印刷ジョブ開始時、レーベル印刷開始時、及び開ボタン操作信号入力時のうちいずれか1つが成立したか否かを判定する。また、コンピューター85は、パネル復帰条件が成立すると、パネル13をパネル移動制御で移動させた所定の位置からその移動前の元のパネル位置に戻すパネル復帰制御を行う。判定部113は、このパネル復帰条件として、電源オン操作信号入力時、省電力モード復帰時、レーベル印刷終了後のトレイ取出し検知時、印刷ジョブ終了時、及び閉ボタン操作信号入力時のうち、いずれか1つが成立したか否かを判定する。なお、パネル復帰条件が成立する時は、パネル13を所定の位置に保持する必要がなくなった所定の時期に相当する。
タイマー114は、プリンター11の操作も動作もない状態になった時点からの経過時間を計時する。主制御部111は、タイマー114が経時するこの経過時間が、まず第1所定時間に達すると、パネル13の表示部14を消灯し、さらに第2所定時間に達すると、電源装置からの電力供給をCPU100等の一部を除き止める省電力モードに移行する。
第1カウンター115は、パネル13の回動位置(角度位置)、つまりパネル位置を計数する。第1カウンター115は、パネル13が開位置にあることを第1センサー63が検知したときのパネル位置、あるいはパネル13がその可動域のエンドに当たって過負荷を検出した位置を原点として、エンコーダー62からの検出パルス信号のパルスエッジを計数する。そして、第1カウンター115は、パネル13が開動作するときに計数値をインクリメントし、一方、パネル13が閉動作するときに計数値をデクリメントする。
第2カウンター116は、スタッカー23の位置を計数する。第2モーター70をスタッカー23の移動開始位置から停止位置までの区間でその時々のスタッカー23の位置に応じた速度に制御する際に必要となるスタッカー23の位置を把握するために使用される。第2カウンター116は、スタッカー23の移動開始時にリセットされ、エンコーダー75からの検出パルス信号のパルスエッジの数を、スタッカー23が開動作するときにインクリメントし、スタッカー23が閉動作するときにデクリメントする。主制御部111は、第2カウンター116の値に応じた指令値をモータードライバー90に出力することで、スタッカー23を速度制御する。
また、主制御部111は、パネル13とスタッカー23とが共に開動作するときに干渉領域で衝突しないように第1モーター50及び第2モーター70を制御し、パネル13とスタッカー23とが共に閉動作するときに干渉領域で衝突しないように第1モーター50及び第2モーター70を制御する。
以下、図9〜図11を参照して、パネル移動制御ルーチンと、パネル復帰制御ルーチンについて説明する。ここで、パネル移動制御は、プリンター11の事情によりパネル13を所定の位置に移動させる場合に、ユーザーがパネル13を手で動かして角度調整するなどした所定の位置へ移動させる前の位置(元の位置)を保存しつつパネル13を所定の位置に移動させる制御である。また、このパネル復帰制御は、プリンター11の事情によりパネル13を所定の位置に移動させた後、パネル13を所定の位置に保持する必要がなくなった所定の時期になると、パネル13を所定の位置への移動前の元の位置に復帰させる制御である。
図9(a)に示すように、プリンター11の電源オン操作がされると、コントローラー80が第1モーター50を制御することで、パネル13は図1に示す閉位置から前方に回動して所定の姿勢角(例えば45度)に開いた開位置に配置される。ユーザーは開位置から、さらに手動操作でパネル13を角度調整し、例えば図9(a)に実線で示す自分の見易い角度に調整する。
図9(a)に示す状態で電源オフされると、コントローラー80が第1モーター50を制御してパネル13を、図9(b)に二点鎖線で示す開位置から実線で示す閉位置に移動させる。このとき、コントローラー80は、パネル13の閉位置への移動を開始する直前のパネル位置を示すパネル位置データを、第1カウンター115の値を読み込んで取得し、不揮発性メモリー103の所定記憶領域に書き込む。このため、不揮発性メモリー103には、ユーザーが手動で角度調整したパネル位置データが記憶される。また、省電力モード移行時にも、コントローラー80は、電源オフ時と同様の制御を行う。
次に図9(b)に示す状態でプリンター11の電源オン操作をすると、図9(c)に二点鎖線で示す閉位置から、不揮発性メモリー103の所定記憶領域から読み出したパネル位置データで規定されるユーザーが電源オフ前に最後に角度調整した実線で示すパネル位置に戻す。
また、省電力モード復帰時にも、電源オン時と同様の制御が行われる。すなわち、コントローラー80は、パネル13を、図9(c)に二点鎖線で示す閉位置から、不揮発性メモリー103の所定記憶領域から読み出したパネル位置データで規定されるユーザーが省電力モード移行直前に角度調整した実線で示すパネル位置に戻す。
ここで、図10に示すように、印刷済みの用紙Pが載置されるなどしたスタッカー23が開状態に突出している場合は、プリンター11が電源オフされても、パネル13を閉じることはしない。これは、スタッカー23が突出状態にあるときその上に印刷済みの用紙Pが載置されている可能性があるので、パネル13がスタッカー23上の用紙Pに当たることがないように、スタッカー23が開状態に突出しているときには、たとえ電源オフされてもパネル13を閉じないようにしている。
また、図11(a)に示すように、印刷ジョブ開始時に、コントローラー80は、第1モーター50を制御してパネル13を、図11(a)に二点鎖線で示すユーザーの調整位置から同図に実線で示す開位置(例えば45度)に移動させる。パネル13をスタッカー23の通路から離すことで、スタッカー23の通路を開けてパネル13とスタッカー23との干渉を避けるとともに、スタッカー23が受ける印刷済みの用紙Pにパネル13が当たらないようにする。なお、印刷時にパネル13が待機するこの開位置が、印刷時における所定の位置の一例としての待機位置に相当する。
また、図11(b)に示すように、レーベル印刷開始時に、コントローラー80は、第1モーター50を制御してパネル13を、図11(b)に二点鎖線で示すユーザーの調整位置から同図に実線で示す全開位置(例えば90度)に移動させる。すなわち、パネル13をスタッカー23の一対のガイド溝24に沿って略水平に挿入されるトレイ47の通路を確保できるパネル位置まで退避させる。
また、図11(c)に示すように、例えばユーザーがパネル13を開位置(例えば45度)よりも開側のパネル位置に角度調整していた場合は、印刷ジョブ開始時に対応する設定位置である開位置(45度)又はそれよりも開側にあってスタッカー23の通路が十分確保されている。この場合は、パネル位置保持条件が成立するため、パネル位置を保持することとし、パネル13を移動させることはしない。また、図11(c)に示すように、例えばユーザーがパネル13を全開位置(例えば90度)に角度調整していた場合は、印刷ジョブ開始時に対応する設定位置である全開位置(90度)に既にあって、レーベル印刷時にガイド溝24に沿って挿入するトレイ47の通路は確保されている。この場合は、パネル位置保持条件が成立するため、パネル位置を保持することとし、パネル13を移動させることはしない。
次に上記のように構成されたプリンター11の作用を説明する。
本実施形態のプリンター11では、コンピューター85が、図12で示されるパネル移動制御用プログラムと、図13で示されるパネル復帰制御用のプログラムを実行する。プリンター11を初めて電源オンするときは、不揮発性メモリー103にパネル位置情報が記憶されていない。このため、ユーザーが電源オン操作すると、パネル13が開動作して、パネル13は、第1センサー63が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる約45度の開位置で停止する(図9(a)の二点鎖線の位置)。ユーザーは手動操作で自分の見易い又は操作し易い姿勢角にパネル13を角度調整する(図9(a)の実線の位置)。
まず図12を参照して、パネル移動制御ルーチンについて説明する。このパネル移動制御は、プリンター11の事情によりパネル13を所定の位置に移動させる場合に、ユーザーがパネル13を手で動かして角度調整するなどした所定の位置へ移動させる前の位置(元の位置)を保存しつつパネル13を所定の位置に移動させる制御である。
まずステップS11では、パネル移動条件が成立するか否かを判断する。すなわち、電源オフ操作信号入力、省電力モード移行時、印刷ジョブ開始時、レーベル印刷開始時及びボタン操作信号入力時のうちいずれか1つが成立しているか否かを判断する。パネル移動条件が成立すれば、ステップS12に進み、成立しなければ、このパネル移動条件が成立するまでステップS11の処理を繰り返す。
ステップS12では、パネル停止中であるか否かを判断する。パネルが停止中であればステップS13に進み、停止中でなければ、つまりパネル13が動いていれば停止するまで待機する。ユーザーが好みの角度に手動操作でパネル13を角度調整しているときは、パネル13が動いているので停止中ではないと判断される。このとき、ユーザーが角度調整を終えてパネル13が停止するまで待機する。そして、パネル13が停止すると(S12で肯定判定)、ステップS13に進む。
ステップS13では、パネル位置(角度)を取得して不揮発性メモリー103に書き込む。詳しくは、パネル位置の値を計数している第1カウンター115の計数値を取得し、その計数値をパネル位置を示すパネル位置情報として不揮発性メモリー103に書き込む。
ステップS14では、パネル位置保持条件が成立しているか否かを判断する。ここで、パネル位置保持条件とは、パネル13が動かさなくて済む位置に既にあって現在のパネル位置を保持可能な条件であり、成立したパネル移動条件に応じた所定の位置へのパネル13の移動が不要となる条件である。例えば電源オフ操作信号入力時は、所定の位置が閉位置であり、既に閉位置にある場合は、閉位置への移動が不要なので、パネル位置保持条件が成立することになる。このようにパネル13が、成立したパネル移動条件に応じた所定の位置もしくは所定の位置と同等な位置に既にある場合は、パネル13をあえて動かさずそのままの位置に保持する。パネル位置保持条件が成立すると、当該ルーチンを終了する。一方、パネル位置保持条件が成立しなければステップS15に進む。
ステップS15では、パネルを設定位置(所定の位置)へ移動させる。すなわち、コンピューター85は、現在のパネル位置が設定位置以上の位置になければ、第1モーター50を駆動制御して、パネル13を設定位置まで動かす。ここで、設定位置以上の位置とは、例えば設定位置が全閉位置(0度)であれば全閉位置を指し、全開位置(90度)であれば全開位置を指す。また、設定位置以上の位置とは、設定位置が45度であれば45度以上の位置を指す。
例えば電源オフ操作時であれば、パネル13を閉位置に配置する(図9(b))。このため、電源オフ中はパネル13が閉位置に配置されるため、邪魔にならない。また、省電力モード移行時であれば、パネル13を閉位置に配置する(図9(b))。このため、省電力モード中は、パネル13が閉位置に配置されるため、邪魔にならない。但し、スタッカー23が開状態にあるときは(図10)、スタッカー23上の印刷後の用紙Pに接触する虞があるため、パネル13を閉位置へ動かすことはしない。
また、印刷ジョブ開始時であれば、パネル13を設定位置(約45度)に移動させる(図11(a))。このとき、パネル13の動作に連動してスタッカー23は印刷済みの用紙Pを受けることが可能な開状態に突出する。このため、パネル13が約45度の姿勢に開き、スタッカー23の経路が確保されるため、スタッカー23が突出するときにパネル13が邪魔にならない。また、印刷中は、パネル13が約45度の姿勢に保持されるため、例えばパネル13がスタッカー23上の印刷済みの用紙Pに接触することがない。
さらにレーベル印刷開始時であれば、パネル13をトレイ47の挿入経路から離れる側の設定位置(90度)へ移動させる(図11(b))。図11(c)に示すように、パネル13が上方(全開位置に)へ退避した状態にあるため、ユーザーはディスクを載置したトレイ47を一対のガイド溝24に沿って本体12内の記録部28へ水平に挿入するときにパネル13が邪魔にならない。
ステップS16では、スタッカーを設定位置へ移動させる。例えば電源オフであればスタッカー23を閉位置(角度0度)に移動させる。また、印刷ジョブ開始時はスタッカー23を開位置(角度45度)へ移動させる。また、レーベル印刷開始時はスタッカー23を閉位置(角度0度)に移動させる。これは、レーベル印刷のためのトレイ47の挿入はスタッカー23を閉位置に収納した状態で行う必要があるためである。また、省電力モードではスタッカー23は動かさない設定にしているが、電源オフ時と同様に閉位置に移動させてもよい。
こうしてパネル13が、電源オフ時、省電力モード移行時、印刷ジョブ受信時、レーベル印刷開始時、開ボタン操作信号入力時に、これらのパネル移動条件のトリガーに応じた設定位置(所定の位置)に移動する場合、コントローラー80はそのパネル13の移動開始直前のパネル位置を不揮発性メモリー103に書き込む。そして、コントローラー80は第1モーター50を駆動制御してパネル13をパネル移動条件のトリガーに応じた設定位置に移動させる。
次に、図13を参照して、パネル復帰制御ルーチンについて説明する。このパネル復帰制御は、プリンター11の事情によりパネル13を所定の位置に移動させた後、パネル13を所定の位置に保持する必要がなくなった所定の時期になると、パネル13を所定の位置への移動前の元のパネル位置に復帰させる制御である。
まずステップS21では、パネル復帰条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、電源オン操作信号入力、省電力モード復帰時、レーベル印刷終了後のトレイ取出し検知時、印刷ジョブ終了時、閉ボタン操作信号入力時のうちいずれか1つが成立しているか否かを判断する。パネル復帰条件が成立すれば、ステップS22に進み、成立しなければ、このパネル復帰条件が成立するまでステップS21の処理を繰り返す。
ステップS22では、原点検出済みであるか否かを判断する。例えば原点検出フラグが成功の旨の値であれば、原点検出済みであると判断し、原点検出フラグが失敗の旨の値であれば、原点検出済みではないと判断する。原点検出済みでなければステップS23に進み、原点検出済みであればステップS25に進む。
ステップS23では、原点検出動作を行う。すなわち、まずパネル状態を確認し、パネル13が開であるか閉であるか確認する。つまり、第1センサー63の検知状態が閉の状態であればパネル13が閉であると判断し、その検知状態が開の状態であればパネル13が開であると判断する。つまり、パネル13が第1センサー63による開と閉との切り換わり位置よりも閉側であれば閉であると判断し、開側であれば開であると判断する。パネル13が閉であれば、パネル13をその位置から第1センサー63の検知状態の変化を確認しつつ開方向に移動させる。また、パネル13が開であれば、パネル13をその位置から第1センサー63の検知状態の変化を確認しつつ閉方向に移動させる。そして、第1センサー63の検知状態の変化があれば、その変化があったときの位置で第1カウンター115の値をリセットして原点を設定するとともに、第1モーター50を減速させながら停止させることにより、パネル13を停止させる。そして、不揮発性メモリー103中の原点検出フラグに成功の旨の値を設定する。一方、第1センサー63の検知状態に変化がないままその可動域のエンドに当たるなどして過負荷が検出された場合は、不揮発性メモリー103中の原点検出フラグに失敗の旨の値を設定する。
ステップS24では、原点検出に成功したか失敗したかを判断する。原点検出に成功すればステップS25に進み、原点検出に失敗すれば当該パネル復帰制御ルーチンを終了する。この場合、パネル13の正確な位置を把握できないので、パネル13を元の位置に復帰させるパネル復帰動作は行われない。
ステップS25では、パネル位置情報をメモリーから読み出す。つまり、パネル移動制御ルーチンの直前のステップS13で不揮発性メモリー103に書き込んだパネル位置の値を読み出す。
ステップS26では、パネルを元の位置へ戻す。すなわち、コンピューター85は、第1カウンター115の値がパネル位置情報の値に近づく方向に第1モーター50を駆動させる。そして、コンピューター85は第1カウンター115の値を監視しつつ第1モーター50を制御し、第1カウンター115の値がパネル位置情報の値に達した位置でパネル13を停止させる。こうしてパネル13は例えばユーザーが角度調整した元の位置に戻る。
こうして電源オン操作信号入力時には、パネル13は閉位置から例えば電源オフ前にユーザーが角度調整した際のパネル位置に移動する(図9(c))。また、省電力モード復帰時は、省電力モード移行時にパネル13を閉位置に移動させた場合、パネル13は閉位置から例えばユーザーが角度調整した元のパネル位置に移動する(図9(c))。また、レーベル印刷終了後のトレイ47の取出し検知時には、パネル13は閉位置から例えばユーザーが角度調整した元のパネル位置に移動する(図11(b)の二点鎖線)。また、閉ボタン操作信号入力時は、スタッカー23が閉位置に収納されるとともに、パネル13が印刷開始直前の元の位置に移動する(図11(d))。
また、印刷ジョブ終了時は、パネル位置情報に基づく元のパネル位置が、パネル13がスタッカー23上の用紙Pに接触しない保証のできる位置を含むそれより開側の位置にあれば、スタッカー23はその開位置のままで、パネル13を元の位置まで戻す(例えば図10)。なお、印刷ジョブ終了時は、特にパネル13を移動させない構成でもよい。また、スタッカー23上の用紙Pの有無を検知するセンサーを設け、センサーがスタッカー23上の用紙Pを検知していればスタッカー23を退避させず、センサーがスタッカー23上の用紙Pを検知しなくなると、スタッカー23を退避させるとともにパネル13を印刷開始直前の例えばユーザーが角度調整した元の位置に戻す構成としてもよい。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プリンター11は、本体12に対して角度調整可能に設けられたパネル13と、パネル13を駆動させる第1モーター50(動力源の一例)と、第1モーター50を制御するコントローラー80(制御部の一例)とを備える。コントローラー80は、パネル13を所定の位置に動かす場合に動かす直前のパネル位置を不揮発性メモリー103(記憶部の一例)に書き込み、第1モーター50を駆動させてパネル13を所定の位置に動かす。その後、パネル13を所定の位置に保持する必要がなくなった所定の時期になると、第1モーター50を駆動させてパネル13を不揮発性メモリー103から読み出した元のパネル位置に復帰させる。よって、ユーザーは、コントローラー80がパネル13を所定の位置に動かしても、所定の時期になると、パネル13が所定の位置から元のパネル位置に戻るので、パネル13を元のパネル位置に戻す操作をしなくて済む。
(2)コントローラー80は、電源オフ時、省電力モード移行時、パネル13の表示部の消灯時、印刷開始時のうちいずれか1つのときに、所定の位置としてその1つに応じた設定位置にパネル13を動かし、そのパネル13を動かす前のパネル位置を不揮発性メモリー103に記憶する。そして、パネル13を設定位置に保持する必要がなくなった所定の時期になると、パネル13を不揮発性メモリー103に記憶した元のパネル位置に復帰させる。よって、ユーザーは、コントローラー80がパネル13をそのときの設定位置に動かしても、パネル13を元のパネル位置に戻す操作をしなくて済む。
(3)コントローラー80は、電源オン時、省電力モードからの復帰時、印刷終了時、スタッカー閉ボタン操作時のうちいずれか1つを所定の時期として、パネル13を不揮発性メモリー103から読み出した元のパネル位置に動かす。よって、ユーザーは、コントローラー80がパネル13を所定の位置(設定位置)に動かしても、その後、パネル13を元のパネル位置に戻す操作をしなくて済む。
(4)コントローラー80は、パネル位置を不揮発性メモリー103に書き込む記憶タイミングになったときに、パネル13が動いている場合は、そのパネル13が止まるまで待ち、そのパネル13が止まった位置をパネル位置として不揮発性メモリー103に書き込む。よって、その後、パネルを所定の位置(設定位置)に保持する必要のない所定の時期になると、ユーザーがパネル13を動かしている途中の位置にパネル13が復帰することはなく、ユーザーがパネル13を止めたパネル位置にパネル13を復帰させることができる。
(5)コントローラー80は、省電力モード移行時にパネル13が動いていたら、そのパネル13が止まるまで待ち、そのパネル13が止まったときのパネル位置を不揮発性メモリー103に書き込んでから、パネル13を省電力モード時の所定の位置(設定位置)である閉位置に動かした後、省電力モードに移行する。このため、省電力モードからの復帰時(所定の時期)に、ユーザーがパネル13を止めたパネル位置にパネル13を復帰させることができる。
(6)コントローラー80は、印刷開始時に、スタッカー23を開位置に移動させるとともに、パネル13を印刷時の所定の位置の一例としての開位置(印刷時の待機位置)に動かし、そのパネル13を動かす前のパネル位置を不揮発性メモリー103に書き込む。印刷を終わったことで所定の時期になると、パネル13を不揮発性メモリー103から読み出した元のパネル位置に戻す。よって、ユーザーは印刷終了後にパネル13を印刷開始前の元の位置に戻す操作をしなくて済む。
(7)プリンター11は、ディスクを載置可能なトレイ47が挿入部から挿入された状態でディスクにレーベル印刷が可能に構成される。コントローラー80は、レーベル印刷時に、パネル13を所定の位置としてトレイ47の挿入経路から離れる側の所定角度に動かし、そのパネル13を所定角度に動かす前のパネル位置を不揮発性メモリー103に書き込む。このため、ユーザーはディスクが載置されたトレイ47を挿入部から挿入し易くなる。コントローラー80は、レーベル印刷を終えたトレイ47がユーザーにより取り出されたことを検知することで所定の時期なると、パネル13を不揮発性メモリー103から読み出した元のパネル位置に戻す。仮にトレイ47の取り出し前にパネル13が元の位置に戻ってしまうと、パネル13がトレイ47の取り出し経路を遮り、トレイ47を取り出すときに邪魔になる。しかし、トレイ47の取り出しが検知されてから、パネル13は元の位置に戻るので、パネル13が邪魔にならずトレイ47を取り出すことができる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・プリンター11の省電力機能で、スイッチ操作も各種動作もない状態のままその経過時間が第1所定時間に達したときのパネル13の表示部14の消灯時に、パネル13を所定の位置(例えば閉位置)に移動させる構成としてもよい。すなわち、パネル移動制御ルーチンにおけるステップS11に、パネル13の表示部14の消灯時を、パネル移動条件の1つとして加える。この場合、パネル13の閉位置への移動開始前のパネル位置情報を不揮発性メモリー103に書き込み、その後、このモードから復帰する条件であるスイッチ操作又は動作の開始をトリガーとする所定の時期に、表示部14の画面を点灯させるとともに、第1モーター50を駆動させて、パネル13を不揮発性メモリー103から読み出したパネル位置情報に基づく元のパネル位置に復帰させるようにする。この構成によっても、コントローラー80がパネル13を表示部14の消灯時に閉位置に動かしても、パネル13の閉位置での保持が必要のない所定の時期(例えば表示部14を表示状態に戻す時期)になれば、パネル13を元のパネル位置に復帰させるので、ユーザーはパネル13を元のパネル位置に戻す操作をしなくて済む。
・第1センサー63がパネル13の閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる位置(角度θ1)は、約45度の位置に限定されず、約30度又は約60度などの全閉と全開との中間角度領域内の他の位置でもよいし、さらに中間角度領域内の位置にも限定されない。角度θ1は、全開の角度(一例として90度)や、全閉の角度(一例として0度)であってもよい。なお、全開とは、パネルの可動域で最大に開いた角度位置を指し、全閉とは、パネルの可動域で一番閉じた角度位置を指す。
・パネル13の位置を計測するときの原点を、第1センサーの検知状態の切り換わり位置とする構成に替え、パネル13が全閉側のエンドと全開側のエンドとのうち少なくとも一方に当たった際の過負荷を検出したときのパネル位置を原点にする構成としてもよい。この場合、第1センサー63の廃止により構成部品点数を少なくすることができる。
・図12のステップS11におけるパネル移動条件として、電源オフ操作信号入力時、省電力モード移行時、印刷ジョブ開始時、レーベル印刷開始時、開ボタン操作信号入力時、及びパネルの表示部の消灯時のうちいずれか1つのみを採用してもよいし、さらにこれらのうち任意に選択した2つ、3つ、4つ又は5つを採用してもよい。
・図13のステップS21におけるパネル復帰条件として、電源オン操作信号入力時、省電力モード復帰時、レーベル印刷終了後のトレイ取出し検知時、印刷ジョブ終了時、及び閉ボタン操作信号入力時のうちいずれか1つのみを採用してもよいし、さらにこれらのうち任意に選択した2つ、3つ又は4つを採用してもよい。
・パネル13とスタッカー23との各々の移動経路が重なっていない構成でもよい。
・スタッカーの動力源とパネルの動力源とを別々に設けたが、スタッカーの動力源とパネルの動力源とのうち一方を、他の用途に備えられたモーターが兼ねてもよい。例えば搬送モーター33が、パネル13の動力源とスタッカー23の動力源とのうち一方を兼ねてもよい。この場合、搬送モーター33の動力伝達先をスタッカーに切り換え可能なクラッチを設ける。クラッチとしては、電動式クラッチでもよいし、キャリッジモーターを駆動させてキャリッジを所定位置に移動させることでキャリッジ18に設けた切換え用レバーによってクラッチを切り換え操作する機械式クラッチでもよい。
・回動軸13aをパネル13の閉じた姿勢にあるときの下端部に配置し、パネルを上開きの構成としてもよい。また、回動軸がパネルの閉じた姿勢にあるときの左端部に配置してパネルを右開きの構成としたり、回動軸をパネルの閉じた姿勢にあるときの右端部に配置してパネルを左開きの構成としたりしてもよい。また、パネルの配置位置は、本体(筐体)の前面に限らず、側面や上面、さらには背面でもよい。また、本体には複数のパネルが設けられていてもよい。この場合、複数のパネルは、本体の同一面に設けられていてもよいし、本体の異なる面に設けられていてもよい。そして、複数のパネルのうち少なくとも1つが電動式で、コントローラーによりそのパネルが所定の位置に動かされた場合、その後、所定の時期になると、コントローラーがパネルを不揮発性メモリーに書き込まれた元のパネル位置に戻す制御を行う構成としてもよい。
・前記実施形態では、パネルを回動式としたが、スライド式としてもよい。また、スライド機構と回動機構とを兼ね備えた複合可動式のパネルとしてもよい。例えばパネルは本体内からスライドして外側へ突出し、その突出した後に回動してユーザーが調整した調整角度に配置される構成とする。この場合、スライド機構と回動機能との両方が共通のモーターで駆動されてもよいし、別々のモーターで駆動されてもよい。
・パネル13は、操作スイッチ等の操作部を備えず、画面に手で触れることで入力操作が可能なタッチパネル式の表示部だけを備えた構成でもよい。また、表示部を備えず操作部だけを備えた構成でもよい。また、パネルは操作パネルに限らず表示機能のみの表示部を備えたパネルでもよい。表示部を備えた表示用パネルであれば、ユーザーが表示部を見易い角度にパネルを角度調整した後、コントローラー80がパネルを所定の位置(例えば所定の角度)に移動させても、その後、その所定の位置にパネルを保持する必要のない所定の時期(復帰時期)になると、パネルが元のパネル位置に戻るので、ユーザーはパネルを戻す操作をしなくてもパネル上の表示部を見易い。また、操作部を備えた操作用パネルであれば、ユーザーが操作部を操作し易い角度にパネルを角度調整した後、コントローラー80がパネルを所定の位置(例えば所定の角度)に移動させても、その後、所定の時期になると、パネルが元のパネル位置に戻るので、ユーザーはパネルを戻す操作をしなくてもパネル上の操作部を操作し易い。さらにパネルは操作部も表示部も備えないものでもよい。例えば用紙の挿入口を開閉する角度調整可能なカバーパネルや、用紙の排出口を開閉する角度調整可能なカバーパネルでもよい。また、給送用の用紙等の媒体をセットするための角度調整可能な媒体サポート等の媒体支持用パネルや、排出された用紙等の媒体を受ける角度調整可能なスタッカー等の媒体受け用パネルでもよい。
・動力源は回転式モーターに限定されず、リニアモーターでもよい。また、電動シリンダー、エアシリンダー、油圧シリンダー等のシリンダーや、ソレノイドでもよい。
・媒体は、用紙に限定されず、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシートなどであってもよい。
・記録装置は、インクジェット式に限定されず、ドットインパクト式、写真印刷式(レーザー方式又はLED方式)でもよい。さらに、記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターでもよい。