JP2016033070A - 記録装置 - Google Patents

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Takayuki Tanaka
太賀之 田中
吉久 靖彦
Yasuhiko Yoshihisa
靖彦 吉久
近藤 学
Manabu Kondo
学 近藤
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【課題】パネルとスタッカーとの衝突の発生頻度を低減できる記録装置を提供する。【解決手段】プリンターは、その本体に設けられた回動式の操作パネル13、操作パネル13の動力源となる第1モーター、本体に対して出退可能にスライドして突出位置(開位置)で記録済みの用紙を受けるスタッカー23と、スタッカー23の動力源となる第2モーターとを備えている。さらにプリンターは、第1モーター及び第2モーターを制御するコントローラーを備えている。コントローラーは、操作パネル13とスタッカー23とを閉じる場合、操作パネル13の開位置を検知する第1センサー63とスタッカー23が開位置にあることを検知する第2センサー74との検知信号に基づいて、スタッカー23が開位置でなくなった時点から操作パネルをその開位置で待機時間だけ待機させた後(図9(c))、操作パネル13の閉動作を開始させる。【選択図】図9

Description

本発明は、記録後に排出された媒体(用紙等)を受ける可動式のスタッカーと、筐体に設けられた可動式の操作パネル等のパネルとを備えた記録装置に関する。
例えば特許文献1には、記録後に排出された媒体(用紙等)を受ける可動式のスタッカーと、本体(筐体の一例)に設けられた可動式の操作パネル(パネルの一例)とが、共通の動力源である一つのモーターの動力により連動して動作する記録装置が開示されている。スタッカーは本体の前面下部に出退可能に設けられ、電源オン操作されると、本体内から外側へスライド移動して所定の開位置まで突出する。一方、操作パネルは、本体の前面上端部を中心に回動可能に設けられている。操作パネルが閉じた状態では、その下端部がスタッカーの移動経路上に位置する。このように操作パネルとスタッカーとの移動経路が一部で重複することで、記録装置の高さ方向の小型化を実現している。
電源オン時は、モーターの動力によってスタッカーと操作パネルは連動して閉位置から開位置へ開動作するため、開動作の過程で両者が衝突することはなかった。操作パネルは開位置に配置されると、モーターとの動力伝達が遮断される構成となっており、操作パネルはユーザーが閉じる操作を手動で行う構成となっている。そのため、スタッカーは印刷時以外は不要なので、邪魔にならないようにモーターの動力で閉じるが、操作パネルはユーザーが印刷以外の他の用途、例えば設定操作等で使用することができる。
特開2013−209190号公報
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置では、電源オン操作時にスタッカーが操作パネルの開動作と共に突出し、その突出した後にスタッカーが閉じる構成であったため、スタッカーが突出して直ぐに退避する動作が無駄な動作であった。この無駄な動作を無くすためには、パネルとスタッカーとを独立した動力源で動作させる必要がある。
しかし、特許文献1に記載の記録装置のように、パネルとスタッカーとの移動経路が一部で重複している構成では、操作パネルとスタッカーとを独立して駆動させた際に、両者が衝突する心配があった。なお、上記の課題は、操作パネルに限定されず、パネルが可動式のカバー等のカバーパネルであっても同様である。
本発明の目的は、パネルとスタッカーとの衝突の発生頻度を低減できる記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、記録装置の筺体に対して開閉可能に設けられたパネルと、前記筺体に対して出退可能に設けられた可動式のスタッカーと、前記パネルを駆動させる第1モーターと、前記スタッカーを駆動させる第2モーターと、前記第1モーター及び第2モーターを制御する制御部と、を備え、前記パネルが開閉する移動経路と前記スタッカーが出退する移動経路とが一部重なり、前記制御部は、閉指示を受け付けると、前記スタッカーを閉動作させるとともに当該閉動作の途中で当該スタッカーが所定の位置に達した後に、前記パネルの閉動作を開始させる。
この構成によれば、制御部は、閉指示を受け付けると、スタッカーを閉動作させるとともにこの閉動作の途中でスタッカーが所定の位置に達した後に、パネルの閉動作を開始させる。よって、制御部がスタッカーとパネルとを閉じる際、両者の衝突の発生頻度を低減できる。
上記記録装置では、前記パネルの位置を検出する第1位置検出部と、前記スタッカーの位置を検出する第2位置検出部とを、更に備え、前記制御部は、前記閉指示を受け付けると、前記パネルが前記スタッカーとの干渉を避けられる退避位置よりも閉側に位置する場合は、前記パネルを前記退避位置まで一旦開き、前記退避位置から閉動作を開始させることが好ましい。
この構成によれば、制御部は、閉指示を受け付けたときに、パネルがスタッカーとの干渉を避けられる退避位置よりも閉側に位置する場合は、パネルを退避位置まで一旦開くことで、スタッカーの通路が確保される。スタッカーが所定の位置に達して両者が干渉しなくなったタイミング以後に、パネルが退避位置からの閉動作を開始する。よって、パネルとスタッカーとを両者の衝突を回避しつつ閉じることができる。
上記記録装置では、前記退避位置は、前記パネルの全開位置であることが好ましい。
この構成によれば、パネルが全開位置に退避するので、スタッカーの通路を確実に確保できる。また、全開位置であれば、全開位置を検知するセンサーを用いてもよいが、例えばセンサーを用いなくても、全開位置のエンドに当たることでパネルを退避位置に停止させることが可能になる。
上記記録装置では、前記第1位置検出部は、前記パネルの開位置を検知する第1センサーであり、前記退避位置は、前記第1センサーが前記パネルの閉を表す状態から開を表す状態に変わった位置であることが好ましい。
この構成によれば、パネルを閉位置から開くときは、制御部が、第1センサーが閉を表す状態から開を表す状態に変わる位置までパネルを開動作させる。また、パネルとスタッカーとを閉じるときは、第1センサーを利用して、第1センサーがパネルの閉を表す状態から開を表す状態に変わった位置まで退避する。よって、パネルを開くときの制御と、パネルを閉じるときの制御とを、共通の第1センサーを用いて行うことができる。このため、部品点数が少なく済む。
上記記録装置では、前記制御部が、前記スタッカーが所定の位置に達した後に、前記パネルの閉動作を開始させたときは、前記パネルの移動経路と前記スタッカーの移動経路とが一部重なる干渉領域では、前記スタッカーが閉方向へ先に移動したのち、前記パネルが閉方向へ移動するタイミングに調整されることが好ましい。
この構成によれば、パネルの移動経路とスタッカーの移動経路とが一部重なる干渉領域では、スタッカーが閉方向へ先に移動したのち、パネルが閉方向へ移動する。よって、パネルとスタッカーとを衝突を回避しつつ両者を閉じることができる。例えばスタッカーが筐体内に収納された状態で、パネルが筐体側に閉じた状態とすることができる。例えばパネルとスタッカーとの干渉領域を通るタイミングが逆であると、筐体側に先に閉じたパネルが邪魔になってスタッカーを筐体内に収納できなくなる。
上記記録装置では、前記パネルの可動域における位置を管理する第1位置管理部と、前記スタッカーの可動域における位置を管理する第2位置管理部と、を備え、前記制御部は、前記閉指示を受け付けたときの前記パネルの位置と前記スタッカーの位置とから、前記パネルと前記スタッカーとが閉動作の過程で干渉しない前記パネルの待機時間を取得し、前記スタッカーの閉動作を開始したのち、前記待機時間を待ってから前記パネルの閉動作を開始することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、閉指示を受け付けたときのパネルの位置とスタッカーの位置とから、パネルとスタッカーとが閉動作の過程で干渉しないパネルの待機時間を取得し、スタッカーの閉動作を開始したのち、待機時間を待ってからパネルの閉動作を開始する。このため、閉指示を受け付けたときのパネルの位置とスタッカーの位置とから、両者の閉動作を開始することができる。
上記記録装置では、前記第2位置検出部は、開動作中の前記スタッカーが開位置に達したことを検知する第2センサーであり、前記制御部は、前記パネルと前記スタッカーとを共に閉じる場合は、前記第2センサーが開を表す状態から閉を表す状態に変わってから、所定時間を待って、前記パネルの閉動作を開始することが好ましい。
この構成によれば、スタッカーを閉位置から開くときは、制御部が、第2センサーが閉を表す状態から開を表す状態に変わる位置までスタッカーを開動作させることで、スタッカーは開かれる。また、パネルとスタッカーとを閉じるときは、第2センサーを利用して、第2センサーがパネルの開を表す状態から閉を表す状態に変わってから、所定時間を待って、パネルの閉動作が開始される。ので、パネルとスタッカーとの衝突を回避しつつ閉めることができる。よって、スタッカーを開くときの制御と、スタッカーを閉じるときの制御とを、共通の第2センサーを用いて行うことができる。このため、部品点数が少なく済む。
上記記録装置では、前記制御部は、前記スタッカーが所定の位置よりも閉側に位置している場合は、前記パネルを前記退避位置に待機させることなく閉動作させることが好ましい。
この構成によれば、スタッカーが所定の位置よりも閉側に位置している場合は、パネルは退避位置に待機することなく閉動作する。このため、パネルを無駄な待機をせずに閉めることができる。
上記記録装置では、前記制御部は、前記閉指示を受け付けたとき、前記スタッカーが所定の位置よりも閉側の位置にある場合は、前記パネルが前記退避位置よりも閉側にあっても、前記パネルの移動経路と前記スタッカーの移動経路とが一部重なる干渉領域になければ、前記パネルを前記退避位置に移動させることなく閉動作させることが好ましい。
この構成によれば、スタッカーが所定の位置よりも閉側に位置する場合は、パネルが退避位置よりも閉側にあっても干渉領域になければ、退避位置に移動させることなく、閉動作させる。
第1実施形態におけるプリンターの斜視図。 パネル及びスタッカーが開状態にあるプリンターの斜視図。 プリンターの側断面図。 パネル及びその駆動装置を示す斜視図。 第1センサーがパネルの開位置を検知する状態を示す模式側面図。 スタッカー及びその駆動装置を示す斜視図。 プリンターの電気的構成を示すブロック図。 (a)〜(d)はパネルとスタッカーのオープン制御を説明する模式側面図。 (a)〜(d)はパネルとスタッカーのクローズ制御を説明する模式側面図。 オープン制御ルーチンを示すフローチャート。 クローズ制御ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態におけるクローズ制御ルーチンを示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、記録装置をプリンターに具体化した第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、プリンター11は、薄型の略直方体形状を有する筐体の一例としての装置本体12(以下、単に「本体12」ともいう。)と、本体12の前面(図1では右面)に設けられてユーザーの入力操作に用いられる操作パネル13とを備えている。操作パネル13は、上端部を中心に回動可能に取り付けられた回動式である。操作パネル13には、液晶パネル等よりなる表示部14及び複数の操作スイッチからなる操作部15を備えている。操作部15には、プリンター11の電源をオン・オフ操作するための電源スイッチ15a、及び表示部14に表示されたメニュー画面上で所望の項目を選択操作するためなどの操作スイッチ15bなどが含まれる。
図1に示すように、本体12内の下部には、媒体の一例としての用紙Pを複数枚収容可能な給送カセット16が挿抜可能な状態で挿着されている。給送カセット16に収容された複数枚の用紙Pはピックアップローラー17(図3参照)により一番上から順番に一枚ずつ送り出され、その送り出された用紙Pは所定の搬送経路に沿って搬送方向Yに搬送される。
また、本体12内には、キャリッジ18が、搬送方向Yと交差する走査方向Xに沿って延びるガイド軸19に案内されて走査方向Xに往復移動可能な状態で設けられている。キャリッジ18の下部には、ノズルからインク滴を噴射する記録ヘッド20が取り付けられている。搬送方向に間欠的に搬送される用紙Pdの表面に向かって、走査方向Xにキャリッジ18と共に往復移動する記録ヘッド20からインク滴が噴射されることで、用紙Pdに印刷が施される。印刷済みの用紙Pdは、操作パネル13の下側に配置された回動式のカバー21が開いた状態で露出する排出口から、図1に白抜き矢印で示す方向へ排出される。なお、プリンター11は、本体12の後部に設けられた開閉式のカバー22を開けた状態で露出する挿入口から手差しで用紙Pを挿入して印刷することも可能になっている。
図2に示すように、操作パネル13は、本体12の前面上端部を中心に回動することで開閉する可動式であり、図1に示す閉位置と図2に示す開位置との間を電動で回動する。また、図2に示すように、本体12には、略四角板状の一枚のトレイにより構成されるスタッカー23(媒体受け部)が出退(出没)可能な状態で設けられている。スタッカー23は電動式で、本体12内に収納された閉位置(退避位置)(例えば図1の状態)と、本体12から所定の出量で突出する開位置(例えば図2の状態)との間を往復移動可能となっている。操作パネル13とスタッカー23は別々の動力源により駆動される。例えば電源オン操作時は、操作パネル13は図1に示す閉位置から前方に回動して図2に示すようにユーザーから見易い所定の姿勢角の開位置に配置される。この開位置は、操作パネル13が図1に示す閉位置にあるときの姿勢角を0度とした場合に例えば約45度である。なお、開位置におけるパネル13の姿勢角は、45度に限らず、閉位置(0度)と全開との間の他の姿勢角でもよく、特に30〜70度の範囲内の角度が好ましい。
また、印刷ジョブを受信したときなど印刷が行われるときに、スタッカー23は本体12から突出する。その突出するスタッカー23に押されてカバー21は開放される。そして、スタッカー23は、全開位置よりも少し手前の開位置に達すると減速して停止する。このため、スタッカー23は開位置から全開までの範囲(開領域)内に位置する開状態となる。印刷済みの用紙Pdは、開状態にあるスタッカー23上に排出される。印刷が終わると、スタッカー23は本体12内に収納されて閉位置に配置される。なお、スタッカー23が開状態から閉位置に退避しても、操作パネル13は開状態に保持される。
また、電源オフ操作時は、図2に示す開状態にある操作パネル13とスタッカー23とがそれぞれ閉動作をする。すなわち、操作パネル13の開状態からの閉動作と、スタッカー23の開状態からの閉動作とが同時期に行われる。また、表示部14には、スタッカー23の開動作又は閉動作を指示できる指示ボタン(アイコンボタン)が表示される。表示部14がタッチパネルであれば指示ボタンを直接押し、そうでない場合は操作スイッチ15bの操作で指示ボタンを選択操作することで、スタッカー23の開動作と閉動作を指示可能である。なお、指示ボタンは、開ボタンと閉ボタンとが別々に設けられてもよいし、スタッカー23の開状態では閉ボタンになり、スタッカー23の閉状態では開ボタンになる1つのボタンからなる構成でもよい。
本実施形態のプリンター11では、操作パネル13が回動するときの経路と、スタッカー23が出退するときの経路とが、途中で一部重なっている。このため、操作パネル13とスタッカー23とが、それぞれの位置及び開閉するタイミングによっては、経路の重なる部分(以下、「干渉領域」ともいう。)で衝突する虞がある。例えばスタッカー23の閉動作と操作パネル13の閉動作とを同時に行うと、操作パネル13の方が早く閉まるので、両者が衝突することになる。そのため本実施形態では、操作パネル13とスタッカー23とを、共に開くとき、あるいは共に閉めるときに、両者の動作タイミングを調整する制御を採用している。この制御の詳細については後述する。なお、以下の説明では、操作パネル13を単に「パネル13」と称する場合がある。
次に、プリンター11の詳細な構成について説明する。
以下、図3を参照しながら用紙搬送経路上の構成要素について説明する。図3に示すように、本体12内には、用紙が給送・搬送される経路に沿って、カセット給送部25、給送部26、媒体搬送部27、記録部28及び送り部29が備えられている。カセット給送部25は、給送カセット16と、給送カセット16の上方に設けられたピックアップローラー17と、給送カセット16に収容された用紙Pの先端と対向する位置に設けられた分離部30とを備える。
ピックアップローラー17は、揺動軸31を中心に揺動可能な揺動部材32の先端部に設けられ、搬送モーター33(図6参照)から伝達される動力によって回転する。ピックアップローラー17は、給送カセット16に収容された用紙Pの最上位のものと接して回転することにより、最上位の用紙Pを給送カセット16から給送経路へ送り出す。送り出される最上位の用紙Pは、その送り出し途中で分離部30により次位以降の用紙Pと分離される。
図3に示すように、分離部30の給送経路下流側に設けられた給送部26は、搬送モーター33により駆動される給送駆動ローラー34と、一対の給送従動ローラー35,36とを備えている。給送駆動ローラー34と給送従動ローラー36との間に挟持された用紙Pは、給送駆動ローラー34の外周に沿って搬送方向が転換されつつ、媒体搬送部27へ搬送される。媒体搬送部27は、同じく搬送モーター33により駆動される搬送駆動ローラー37と、搬送駆動ローラー37に圧接して従動回転する搬送従動ローラー38とを備える。この媒体搬送部27により、用紙Pがさらに下流側へと送られる。
図3に示すように、媒体搬送部27の下流側に設けられた記録部28は、キャリッジ18と、記録ヘッド20と、記録ヘッド20と対向する支持台39とを備えている。キャリッジ18の底部に用紙Pの搬送経路と対向する状態で設けられた記録ヘッド20は、キャリッジ18がキャリッジモーター40(図6参照)の動力によってガイド軸19に案内されつつ走査方向X(図3では紙面と直交する方向)に往復動する過程で、用紙Pに対してインク滴を噴射して用紙Pに画像を印刷する。このとき、支持台39は、用紙Pを支持し、用紙Pと記録ヘッド20との距離(ギャップ)を規定する。
そして、支持台39の下流側に設けられた送り部29は、搬送モーター33によって駆動される第1ローラー41と、第1ローラー41に接して従動回転する第2ローラー42とを備えている。そして、記録済みの用紙Pは第1ローラー41と第2ローラー42とに挟持された状態で、送り部29によって送り出される。
送り出された記録済みの用紙Pは、本体12内に収納された図3に実線で示す閉位置から印刷ジョブ受信時に前方側に突出して同図に二点鎖線で示す開位置に配置されたスタッカー23の上面に排出される。スタッカー23は、Y方向に沿ってスライドして本体12の外側(前方)へ突出する突出動作(開動作)と、反Y方向に沿ってスライドして本体12内に収納される退避動作(閉動作)とを行う。スタッカー23は、少なくとも印刷時には、本体12の外側へスライドして突出する。
また、本体12の後部(図3では右側)に設けられたカバー22を開けた状態で露出する給送口43から手差し挿入された用紙P(図2に二点鎖線で示す)は、給送駆動ローラー34と給送従動ローラー36との間に挿入され、この状態で搬送モーター33が駆動されることで、媒体搬送部27及び送り部29により搬送される。なお、本実施形態では、給送部26、媒体搬送部27及び送り部29により、搬送部の一例が構成される。
スタッカー23は、搬送方向Yの先端部が先端側ほど高くなるように傾斜する傾斜案内面23aを形成しつつ上側へ膨出する台部23bと、台部23bの幅方向(走査方向Xに同じ)両側に隣接して台部23bよりも高く***する一対の***部23cとを有している。また、スタッカー23は先端部を除く基部23dが四角板状(図6参照)に形成されている。支持台39の下側に配置された板状のフレーム44と、これに対して所定の間隔を隔ててその下側に配置された板状の支持板部45との間には、スタッカー23の基部23dを収容可能な収容凹部46が形成されている。そして、スタッカー23は、その基部23dが収容凹部46内に深く挿入されることで図3に実線で示す閉位置に配置され、閉位置から本体12に対して外側(前方)へ突出する方向へ移動することで図3に二点鎖線で示す開位置(図2の状態)に配置される。ここで、開位置とは、排出された印刷後の用紙Pをスタッカー23上に積載することが可能な突出量にあるスタッカー23の位置である。
本実施形態のプリンター11では、電源オン操作時にまずパネル13のみが図3に二点鎖線で示す開位置に開動作する。その後、印刷ジョブを受信した際にスタッカー23が突出動作を行う。このように最初にパネル13を開き、スタッカー23の移動経路が確保された後、スタッカー23を突出動作させるので、両者は衝突しない。
本実施形態のプリンター11は、CDRやDVD等のディスクのレーベル面に印刷するレーベル印刷機能を備える。図3に示すスタッカー23の先端部における幅方向両側には、ディスクがセットされたトレイ(いずれも図示略)をスライド挿入可能な幅方向(走査方向Xに同じ)両側に一対のガイド溝24(図3では一方のみ図示)が形成されている。ガイド溝24に沿って水平にトレイを挿入することで、トレイはローラー37,41上に載置されると共に奥側で一対のローラー37,38にニップされた状態で挿入される。なお、ローラー42を支持するユニットは、挿入したトレイと係合してローラー42がトレイから離間する高さまで少し上昇する。このように用紙Pへの印刷時と同様のローラー37,38,41を使って搬送されることで、搬送中のトレイ上にセットされたディスクのレーベル面に記録ヘッド20により印刷が施される。
本体12内には、レーベル印刷時にガイド溝24に沿って挿入されたトレイを検知するトレイセンサー48(図7参照)が設けられている。レーベル印刷終了後にガイド溝24に沿ってトレイを取り出したことは、トレイセンサー48により検知される。
また、図3に示すように、このプリンター11では、閉位置にあるときのパネル13が、スタッカー23が閉位置から開位置へ移動する際の移動経路上に位置し、このようなレイアウトの採用により、パネル13の高さ方向の幅を広く確保しつつ、本体12の薄型化を実現している。このようにプリンター11では、スタッカー23がスライドして出退する領域と、パネル13が回動する領域とが干渉する構造となっている。
また、図1に示すようにパネル13とスタッカー23とが共に閉まった状態において、アイコンボタンを操作した際は、パネル13とスタッカー23とが同時に開動作を開始する。この場合も、パネル13とスタッカー23は衝突しない。
図2に示すように、スタッカー23は印刷済みの用紙Pを受けるためには所定の出量を確保する必要がある。また、パネル13はユーザーが見易い約45度の姿勢角に配置される。そして、パネル13とスタッカー23とがこの開状態から閉じる場合、閉動作の開始が同じでも、パネル13の方が早くに閉まり、スタッカー23が後から遅れて閉まる。このタイミングであると、スタッカー23が閉まり切る前に***部23cがパネル13の下端部に衝突し、それ以上、スタッカー23が閉まり切らない。
また、パネル13及びスタッカー23はユーザーが手動で動かすことができるので、閉動作を開始するときのパネル13の姿勢角及びスタッカー23の出量が定まらない。このため、例えばパネル13が既に手動で閉められていた、あるいは10〜30度程度の閉寄りの姿勢角にあるときは、スタッカー23が閉じられたときにその***部23cが、パネル13の下端部に衝突する。そこで、本実施形態では、パネル13とスタッカー23とを閉めるときに、それぞれの動作開始タイミング等を調整して両者が衝突しない制御を採用している。
次に、図4を参照してパネル13の構成について説明する。
パネル13は、その動力源となる第1モーター50(電動モーター)から動力伝達機構51を介して伝達された動力により、その両側部上端から突出する一対の回動軸13a(但し、図4では片側のみ図示)を中心として閉位置と開位置との間を回動する。本実施形態では、第1モーター50が正転駆動することにより、パネル13は閉位置から開位置へ向かう方向に開動作をし、第1モーター50が逆転駆動することにより、パネル13は開位置から閉位置へ向かう方向に閉動作をする。
動力伝達機構51は、第1モーター50の駆動軸50aに嵌着されたピニオン52と噛合する小径の歯車53と、その歯車53が一端部に嵌着された回転軸54の他端部に嵌着された同じく小径の歯車55と、その歯車55と噛合する大径の歯車56とを備えている。さらに歯車56は、摩擦クラッチ57の歯車57aと噛合し、この歯車57aの回転は同軸上に配置された2つの二段歯車58,59に伝達され、二段歯車59の小径部59aが歯車60と噛合している。そして、歯車60と噛合する筒状の歯車61は、パネル13の上端側部に形成された扇形ギヤ65と噛合している。
摩擦クラッチ57は、本体12に固定される固定部57bと歯車57aとがコイルばね(図示略)に押圧された状態で設けられている。そのため、第1モーター50の駆動中は、歯車57aが固定部57bに対して相対回転し、その回転が歯車58〜61を介して扇形ギヤ65に伝達されることで、パネル13が回動する。そして、第1モーター50の停止中は、歯車57aと固定部57bとの間の摩擦力により、パネル13はそのときの姿勢に維持される。なお、歯車56は二段歯車で、その隣にほぼ同径の二段歯車64が同軸上に設けられている。
第1モーター50には、その回転量に比例した数のパルスを有する検出パルス信号を出力するエンコーダー62が設けられている。また、パネル13の裏面側には、パネル13が開位置にある状態を検知する第1センサー63(パネル開センサー)が配置されている。第1センサー63は、パネル13の裏面から延出する板状の被検知部13bを検知可能な光学式センサーにより構成される。パネル13が開位置の姿勢角にあるときに、被検知部13bは第1センサー63の検知光が通る凹部内に挿入可能となっている。パネル13が本体12の前面と平行になる姿勢角を0度とし、開方向をプラス方向とすると、パネル13は0〜90度の範囲で開閉する。
図5に示すように、パネル13が開位置のときの所定角度θ1まで開くと、第1センサー63の検知部63aが被検知部13bを検知しない非検知状態から、被検知部13bを検知する検知状態に切り換わる。つまり、第1センサー63の検知状態が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる。θ1は例えば30〜70度の範囲内の所定角度(一例として約45度)である。本実施形態では、所定角度θ1を、パネル13を閉じる際に行われるクローズ制御上の原点としている。なお、第1センサー63は、光学式センサー等の非接触式センサーではなく、接触式センサーとしてもよい。
ここで、第1センサー63の検知の切り換わり角をθ1度としているのは、次の理由による。θ1を例えば0度にすると、原点出しのためにパネル13を閉位置(0度)に移動させなければならず、例えばそのときスタッカー23が突出した状態にあると、パネル13がスタッカー23上の印刷済みの用紙Pに当たる心配がある。一方、θ1を例えば90度にすると、電源オン時にパネル13を一旦全開位置まで移動させて原点出しを行ってから、全開位置から目標位置へ戻す動作となるので、無駄な動作が多くなり、パネル13が目標位置に配置されるまでの所要時間が長くなる。
このため、本実施形態では、第1センサー63の検知の切り換わり角をθ1にすることで、θ1まで閉じてもパネル13がスタッカー23上の印刷済みの用紙Pに当たらず、θ1まで開いても、最大角度(一例として90度)まで開く場合に比べ時間がかからず、原点出しを早期に終えてパネル13を目標位置まで移動させることができる。
次に、図6を参照してスタッカー23の構成について説明する。スタッカー23は、基部23dの上面に媒体受け面23eを備えている。媒体受け面23eの用紙幅方向の両端側には、突出方向(搬送方向Yに同じ)上流側から下流側へ延びる一対のラック69,69が設けられている。ラック69,69は、スタッカー23の動力源である第2モーター70の動力が伝達される動力伝達機構71を構成する回転軸72の軸方向に所定の間隔を開けた各位置に嵌着された一対のピニオン歯車73,73とそれぞれ噛合している。
スタッカー23は、第2モーター70から動力伝達機構71を介して伝達された動力により、閉位置と開位置との間を移動する。本実施形態では、第2モーター70が正転駆動することにより、スタッカー23は閉位置から開位置へ向かう突出方向に移動し、第2モーター70が逆転駆動することにより、スタッカー23は開位置から閉位置へ向かう退避方向に移動する。
また、本体12内には、スタッカー23が開位置にある状態を検知する第2センサー74(スタッカー開センサー)が設けられている。第2センサー74は、スタッカー23が開位置から全開までの範囲に位置する開状態にあるときに、スタッカー23の後端部に形成された切欠凹部23fを検知する。このため、第2センサー74は、スタッカー23が突出する途中の開位置で閉を表す状態から開を表す状態に切り換わり、スタッカー23が退避する途中の開位置で開を表す状態から閉を表す状態に切り換わる。ここで、スタッカー23の開位置は、例えばスタッカーの全閉位置を基準(0%)にして全開位置を100%としたときに、例えば70〜95%の範囲内に設定された位置である。なお、開位置は、例えば出量50〜100%の範囲内の適宜な値を設定することができる。
第2センサー74は、スタッカー23が閉状態から外側(開側)へ突出する開動作するときに、開位置で、スタッカー23の閉を表す状態から開を表す状態に変わるスイッチ式のセンサーである。第2センサー74は、例えば光学式の非接触センサーにより構成されるが、リミットスイッチ等の接触式センサーを用いることもできる。また、第2モーター70には、その回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号を出力するエンコーダー75が設けられている。
また、図6に示すように、基部23dの突出方向上流側(図6では左側)部分における幅方向中央部位には、凹部23gが形成されている。スタッカー23は、ピックアップローラー17を支持する揺動部材32(図3参照)を凹部23gで避けつつ閉位置に収納されるようになっている。このため、スタッカー23は、閉位置において本体12内に深い位置まで挿入可能になっている。よって、スタッカー23は一枚のトレイ構造からなるものの、本体12からの突出時に必要な出量が確保される。
図6に示すように、電動モーター70の駆動軸に嵌着されたピニオン76の回転は、歯車77を介して歯車78に伝達される。歯車78の下側に歯車78の回転を伝達可能な状態で配列された歯車79a〜79gからなる歯車列79が、スタッカー23への動力伝達経路となる。歯車列79における動力伝達経路上の最終段に位置する歯車79gは、回転軸72の一端部に嵌着されている。この歯車79gの回転により回転軸72が回転することで一対のピニオン歯車73,73が回転し、これらと噛合する一対のラック69を介してスタッカー23が搬送方向Yと平行な方向にスライドするようになっている。歯車列79中の歯車79dは、摩擦クラッチ機構を備えた摩擦クラッチ79kの一部を構成しており、歯車79dに一定値を超える回転力が加わると動力伝達面が滑って空回りする。この摩擦クラッチ79kを構成する歯車79dが介在することで、ユーザーがスタッカー23を比較的軽い力で出退方向にスライド操作できるうえ、歯車の噛合音等も低減する。また、スタッカー23が仮に障害物に当たっても摩擦クラッチ79kで滑りロックしないため、第2モーター70に過度な負荷がかからない。
本実施形態では、後述するコントローラー80(図7参照)は、第2モーター70の正転駆動中に第2センサー74の検知状態が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わると、第2モーター70を減速させつつ駆動停止させる。このため、スタッカー23は開位置よりも所定距離だけ突出側の位置で停止する。つまり、スタッカーは開位置と全開位置との間の開領域内の位置で停止する。
次に、プリンター11の電気的構成を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、プリンター11は各種制御を司るコントローラー80を備えている。コントローラー80は通信インターフェイス81を介してホスト装置200と通信可能に接続される。コントローラー80は、ホスト装置200から受信した印刷ジョブデータに基づいてプリンター11の印刷動作等を制御する。ホスト装置200は、例えばパーソナルコンピューターからなり、プリンタードライバー201を内蔵する。ホスト装置200は、キーボード及びマウスからなる入力部202を備え、ユーザーは入力部202を操作することにより、プリンタードライバー201がモニター(図示省略)に表示した設定画面において用紙種、用紙サイズ、印刷色及び印刷品質等を含む印刷条件情報を入力設定する。プリンタードライバー201は印刷条件情報に基づいて印刷の実行が指定された画像の印刷画像データを生成し、この印刷画像データに印刷条件情報の一部を含むヘッダーを付けて印刷ジョブデータを生成し、これをプリンター11へ送信する。
コントローラー80には、出力系として、キャリッジモーター40、搬送モーター33、第1モーター50、第2モーター70及び表示部14が電気的に接続されている。また、コントローラー80には、入力系として、電源スイッチ15a及び操作スイッチ15bを含む操作部15、リニアエンコーダー82、エンコーダー49,62,75、第1センサー63(パネル開センサー)、第2センサー74(スタッカー開センサー)及びトレイセンサー48が電気的に接続されている。
図7に示すように、コントローラー80は、コンピューター85、ヘッドドライバー86、モータードライバー87〜90及び表示ドライバー91を備える。コンピューター85は印刷ジョブデータに基づきヘッドドライバー86を介して記録ヘッド20を駆動し、印刷画像データに基づく画像等をインク滴の噴射により描画する。また、コンピューター85は、モータードライバー87を介してキャリッジモーター40を駆動制御し、キャリッジ18の走査方向Xへの移動を制御する。このとき、コンピューター85は、リニアエンコーダー82からの入力パルスをカウンター(図示省略)で計数することで、キャリッジ18の例えばホーム位置を原点とする移動位置を把握する。
さらにコンピューター85は、モータードライバー89を介して搬送モーター33を駆動制御する。ここで、搬送モーター33の動力伝達経路上に介在する動力伝達切換部92(クラッチ部)が給紙時に切り換えられることでピックアップローラー17が回転可能となっている。また、搬送モーター33の動力が伝達されて、給送駆動ローラー34、搬送駆動ローラー37及び第1ローラー41が回転する。このとき、コンピューター85は、エンコーダー49からの入力パルスをカウンター(図示省略)で計数することで、用紙Pの搬送位置を把握する。
給送カセット16に収容された複数枚の用紙Pはピックアップローラー17により一番上から順番に一枚ずつ送り出され、その送り出された用紙Pは、給送駆動ローラー34、搬送駆動ローラー37及び第1ローラー41の回転によって所定経路に沿って搬送される。その搬送経路の途中の記録位置で用紙Pの表面に、キャリッジ18と共に走査方向Xに往復移動する記録ヘッド20からインク滴が噴射され、用紙Pの表面に画像又は文書が印刷される。
また、図7に示すように、コンピューター85は、モータードライバー89を介して第1モーター50を駆動制御する。第1モーター50が正転駆動されると、パネル13が開方向へ回動し、第1モーター50が逆転駆動されると、パネル13が閉方向へ回動する。
第1センサー63(パネル開センサー)は、パネル13が約45度の開位置よりも開側の開領域でオンし、パネル13が開領域にないときにオフする。また、エンコーダー62は、第1モーター50の回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号をコンピューター85へ出力する。
また、図7に示すように、コンピューター85は、モータードライバー90を介して第2モーター70を駆動制御する。第2モーター70が正転駆動されると、ピニオン歯車73が正転し、この正転するピニオン歯車73とラック69との噛合を介してスタッカー23は突出方向へ移動する。一方、第2モーター70が逆転駆動されると、ピニオン歯車73が逆転し、この逆転するピニオン歯車73とラック69との噛合を介してスタッカー23は本体12内への収納方向へ移動する。
第2センサー74(スタッカー開センサー)は、スタッカー23が開位置よりも突出側の開領域でオンし、スタッカー23が開領域にないときにオフする。また、エンコーダー75は、第2モーター70の回転量に比例する数のパルスを有する検出パルス信号をコンピューター85へ出力する。
図7に示すコンピューター85は、例えばCPU100、ASIC101(Application Specific IC(特定用途向けIC))、RAM102及び不揮発性メモリー103等を備えて構成される。不揮発性メモリー103には、図10及び図11にフローチャートで示されたスタッカー制御用のプログラムを含む各種のプログラムが記憶されている。コンピューター85は、CPU100が不揮発性メモリー103に記憶されたプログラムを実行することで構築されるソフトウェアからなる図7に示す複数の機能部を備える。すなわち、CPU100は、複数の機能部として、主制御部111、検出部112、判定部113、タイマー114、第1カウンター115及び第2カウンター116を備える。もちろん、コンピューター85を用いたソフトウェアの構成に限定されず、電子回路(例えばカスタムIC)等のハードウェアの構成や、あるいはソフトウェアとハードウェアとの協働による構成でもよい。
図7に示すように、主制御部111は、プリンター11を統括的に制御し、印刷系、パネル系及びスタッカー系の動作を制御する。主制御部111は、印刷系の制御を行うときは、各ドライバー86〜88を介して、記録ヘッド20、キャリッジモーター40及び搬送モーター33を制御する。主制御部111は、パネル系及びスタッカー系の制御を行うときは、各ドライバー89,90を介して第1モーター50及び第2モーター70を制御する。このパネル系及びスタッカー系の制御を行うときに、主制御部111は、検出部112の検出結果、判定部113の判定結果、タイマー114の計時時間、第1カウンター115及び第2カウンター116の各計数値を使用する。
検出部112は、第1モーター50及び第2モーター70のそれぞれにかかる過負荷を検出する。すなわち、検出部112は、パネル13がスタッカー23又は可動域のエンドに当たった際の第1モーター50の負荷が閾値を超えた過負荷を検出する。また、検出部112は、スタッカー23がパネル13又は可動域のエンドに当たった際の第2モーター70の負荷が閾値を超えた過負荷を検出する。過負荷の検出は、モーター50,70の電流値が閾値を超えたことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。また、エンコーダー62,75からの単位時間当たりの入力パルス数、つまりモーター50,70の駆動速度が閾値未満になったことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。また、エンコーダー62,75からのパルスエッジ間の間隔時間が閾値を超えたことをもって過負荷とする検出方法を用いることができる。なお、その他、モーター50,70のトルクを検出するなど、その他の過負荷検出方法を用いてもよい。
判定部113は、パネル13とスタッカー23とのうち少なくとも一方の開動作を制御するオープン制御、及びパネル13とスタッカー23とのうち少なくとも一方の閉動作を制御するクローズ制御を行ううえで必要な各種の判定処理を行う。
タイマー114は、パネル13及びスタッカー23を共に動かすオープン制御とクローズ制御において、パネル13とスタッカー23との経路が重なる干渉領域での衝突を回避するために、一方(本例ではパネル13)に課される待機時間WTを計時する。
第1カウンター115は、パネル13の回動位置を計数する。本実施形態では、パネル13の位置制御上、特にパネル13の絶対位置は管理しておらず、第1モーター50を速度制御するときに必要な位置を把握するために使用される。なお、第1カウンター115の計数値によってパネル13の絶対位置を管理してもよい。例えば第1カウンター115は、パネル13がエンドに当たって過負荷を検出した位置、あるいはパネル13が開位置にあることを第1センサー63が検知したときのパネル13の位置を原点として、エンコーダー62からの検出パルス信号のパルスエッジを計数する。そして、パネル13が開動作のときに第1カウンター115の値をインクリメントし、一方、パネル13が閉動作のときに第1カウンター115の値をデクリメントする。
第2カウンター116は、スタッカー23の位置を計数する。本実施形態では、特にスタッカー23の絶対位置は管理しておらず、第2モーター70を速度制御するときに必要な位置を把握するために使用される。スタッカー23の動力伝達機構51中の摩擦クラッチ79kで滑りが生じるため、第2モーター70の回転位置を管理してもスタッカー23の実際の位置とずれてしまう。このため、本例では、スタッカー23の可動域内の絶対位置は管理していない。主制御部111は、第2カウンター116の値に応じた指令値をモータードライバー90に出力することで、スタッカー23を移動開始位置から停止位置まで移動させる過程でスタッカー23のその時々の位置に応じた速度に第2モーター70を速度制御する。なお、摩擦クラッチ79kを廃止した構成とした場合は、第2カウンター116によりスタッカー23の絶対位置を管理してもよい。この場合、第2カウンター116は、スタッカー23がエンドに当たって過負荷を検出したときの位置、又はスタッカー23が開位置にあることを第2センサー74が検知したときの位置を原点とする。そして、第2カウンター116は、エンコーダー75からの検出パルス信号のパルスエッジの数を、スタッカー23が開動作するときにインクリメントし、スタッカー23が閉動作するときにデクリメントする。
コンピューター85は、パネル13とスタッカー23とが開動作を行う過程において干渉領域で衝突しないように第1モーター50及び第2モーター70を制御するオープン制御と、パネル13とスタッカー23とが閉動作を行う過程において干渉領域で衝突しないように第1モーター50及び第2モーター70を制御するクローズ制御とを行う。
オープン制御は、ユーザーの電源オン操作時、開ボタン操作時、印刷データ受信時及びレーベル印刷受付け時に行われる。つまり、CPU100は、プリンター11のオフ中(電源OFF中)に、電源スイッチ15aから電源オン操作信号の入力時、開ボタン操作信号入力時、印刷データ受信時に、レーベル印刷受付け時に、これらを開指示として受け付け、オープン制御を行う。
クローズ制御は、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、印刷ジョブ終了時、スタッカー押込み操作時に行われる。つまり、CPU100は、プリンター11の起動中(電源オン中)において、電源スイッチ15aからの電源オフ操作信号入力時、閉ボタン操作信号入力時、印刷ジョブ終了時、スタッカー押込み操作検出時に、クローズ制御を実行する。なお、電源オフ操作信号入力時と閉ボタン操作信号入力時は、パネル13とスタッカー23との両方の閉動作をし、印刷ジョブ終了時とスタッカー押込み操作検出時は、スタッカー23のみ閉動作し、パネル13は動作しない。
ここで、スタッカー押込み操作検出とは、スタッカー押込みアシスト制御のトリガーとなるユーザーの押込み操作の検出を指す。本実施形態では、ユーザーがスタッカー23を軽く押し込むと、その押込み操作を検出してスタッカー23を自動で全閉位置まで退避させるスタッカー押込みアシスト制御を採用している。コンピューター85は、第2モーター70を駆動していないときに、第2センサー74がスタッカー23の開を表す状態から閉を表す状態への切り換わりを検知したことをもって、ユーザーによるスタッカー23の押込み操作を検出する。このスタッカー押込み操作を検出すると、コンピューター85は、第2モーター70を逆転駆動させて、スタッカー23を全閉位置に達するまで閉動作させるスタッカー押込みアシスト制御を実行する。コンピューター85は、スタッカー押込み操作検出時に、第2モーター70の逆転駆動を開始し、第2モーター70の駆動ステップ数が全閉位置に到達するに十分な所定ステップ数に達するか、スタッカー23が閉側のエンドに当たって過負荷が検出されるかすると、第2モーター70の逆転駆動を停止させる。
以下、図8を参照してオープン制御について説明する。図8(a)は、電源オン操作信号入力時のオープン制御を示す。電源オン操作時は、印刷に使用するスタッカー23はまだ必要がないので、パネル13のみ開位置に回動させる。このとき、パネル13がスタッカー23と衝突することはない。
図8(b)に示すように、スタッカー23が開位置にあるときには、パネル13と衝突することがないので、パネル13のみ開位置に回動させる。
図8(c)に示すように、パネル13の直ぐ前にスタッカー23の***部23cが位置している場合、パネル13を開位置に向かって回動させると、その下端部が***部23cに衝突する。パネル13は図8(c)の二点鎖線の位置でスタッカー23と衝突した状態で停止する。この場合、パネル13を開側へ移動させようとする第1モーター50に大きな過負荷がかかる。本実施形態では、第1モーター50に負荷が閾値を超える過負荷がかかった場合、パネル13の回動動作を停止する。そして、表示部14にエラーメッセージを表示し、例えばパネル13の手動操作を促す。
そして、この状態からパネル13とスタッカー23とを同時に開側へ動作させる。この結果、図8(d)に示すように、パネル13とスタッカー23は衝突することなく同図の開位置に配置される。
また、開ボタン操作信号入力時は、パネル13とスタッカー23とを共に開動作させる。また、印刷データ受信時は、印刷された用紙Pを受けるためにスタッカー23を開動作させる。さらにレーベル印刷受付け時は、CDR又はDVD等のディスクをセットしたトレイ(図示略)を挿入するためのガイド溝24(図3、図6参照)がスタッカー23の***部23cに形成されているため、スタッカー23がもし突出していれば本体12内へ退避させる。また、パネル13を全開位置(例えば約90度)(例えば図9(a)中の水平状態に開いた二点鎖線で示す位置)まで開動作させる。パネル13が全開位置に配置されることで、トレイを挿入するときのパネル13が邪魔にならず、トレイをガイド溝24に沿ってスムーズにスライド挿入できる。
次に、図9を参照してクローズ制御について説明する。
図9(a)に示すように、電源オン操作時にはパネル13は同図に実線で示す約45度の姿勢角で開位置に配置されるが、その後、ユーザーが操作し易い姿勢角にパネル13を回動させる。そのため、パネル13は、図9(a)に二点鎖線で示す、約10度の姿勢角や約90度の姿勢角に配置される場合もある。この状態でユーザーが電源オフ操作を行うと、図9(a)に実線で示す開位置よりも閉寄りに位置する二点鎖線で示すパネル13は、同図に矢印で示すように、スタッカー23の閉動作の邪魔にならない同図に実線で示す退避位置(つまり開位置)へ開動作し、スタッカー23が閉動作するための通路を確保する。このときスタッカー23はパネル13の開動作とほぼ同時に閉動作を開始している。一方、図9(a)における全開位置にパネル13が位置するときは、スタッカー23の通路は確保されているので、パネル13の同図に実線で示す退避位置(開位置)への回動は行われない。
パネル13が退避位置へ回動した場合、閉動作中のスタッカー23が図9(b)に示す開位置に達し、第2センサー74の検知状態がスタッカー23の開を表す状態から閉を表す状態に切り換わると、これをトリガーとして、タイマー114による待機時間WTの計時が開始される。パネル13は退避位置(開位置)で待機時間WTの経過を待つ。そして、待機時間WTが経過すると、図9(c)に矢印で示すようにスタッカー23が所定の位置に到達し、スタッカー23が所定の位置に到達したこと、つまり待機時間WTが経過したことをトリガーにして、パネル13の閉動作を開始する。パネル13の閉動作は、スタッカー23が開位置を閉方向へ過ぎてから、待機時間WTの経過を待ってスタッカー23が所定の位置に到達すると開始されるので、スタッカー23が干渉領域を先に閉側へ移動したのちに、パネル13が干渉領域を閉側へ移動する。この結果、図9(c),(d)に示すように、パネル13とスタッカー23は衝突することなくそれぞれ閉位置まで移動する(図9(d))。このように本実施形態では、パネル13の移動を開始するタイミングを、スタッカー23が所定の位置に達した時とし、その所定の位置に達した時を、待機時間WTの計時により取得する。
また、スタッカー23が開位置よりも閉寄りの位置(例えば図9(c))から閉動作を開始した場合、その閉動作の途中で第2センサー74の開を表す状態から閉を表す状態への切り換わりが現れない。本例では、スタッカー23が開位置よりも閉寄りの位置を閉動作の開始位置とする場合、パネル13が退避位置から直ちに閉動作を開始しても、パネル13とスタッカー23は干渉しないようになっている。このため、退避位置へ移動したパネル13は、退避位置(開位置)で待つことなく、直ぐに閉動作を開始する。
また、印刷ジョブ終了時は、スタッカー23は閉動作させるが、パネル13は印刷ジョブ受信前の元の位置に移動させる。詳しくは、印刷ジョブを受信すると、パネル13の位置(角度)を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に記憶し、印刷ジョブを終了すると、不揮発性メモリー103から読み出した元の位置データに基づいてパネル13を元の位置へ戻す制御を行う。また、レーベル印刷指示を受け付けたときはパネル13の現在位置(角度)を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に記憶し、パネル13を全開位置へ退避させる。そして、ユーザーが挿入したトレイ上のディスクにレーベル印刷が施された後、ユーザーはスタッカー23のガイド溝24からトレイを取り外す。このトレイの取出しはトレイセンサー48(図7参照)により検知される。このレーベル印刷終了後にトレイの取出しを検知すると、不揮発性メモリー103からレーベル印刷指示受信時のパネル13の元の位置を読み出し、その読み出した元の位置(角度)にパネル13を戻す制御が行われる。
次に上記のように構成されたプリンター11の作用を説明する。
本実施形態のプリンター11では、コンピューター85が、電源オン操作信号の入力、開ボタン操作信号の入力、印刷ジョブの受信、レーベル印刷指示の受付けなどを、開指示として受け付ける。まず、ユーザーが電源スイッチ15aを操作した電源オン操作信号入力時に、コンピューター85はパネル13の開動作を行う。また、印刷ジョブ受信時にコンピューター85は、スタッカー23開動作させる。ディスクのレーベル印刷受付け時に、パネル13を、ユーザーがトレイをスタッカー23のガイド溝24に沿って挿入する際に邪魔にならない角度、例えば全開位置(一例として90度)まで開動作させる。コンピューター85は、このような開指示を受け付けると、パネル13とスタッカー23とのうち少なくとも一方を開動作させるオープン制御を行う。このオープン制御では、図8(a)〜(d)に示した制御などが行われる。
また、本実施形態のプリンター11では、コンピューター85が、電源オフ操作信号の入力、閉ボタン操作信号の入力、印刷ジョブ終了などを、閉指示(クローズ指示)として受け付ける。プリンター11の電源オフ操作信号入力時と閉ボタン操作信号入力時には、コンピューター85は、パネル13とスタッカー23とを共に閉動作させる。また、印刷ジョブを終了すると、コンピューター85は、スタッカー23を閉動作させるとともに、パネル13を印刷ジョブ受信時の元の位置に戻す制御を行う。コンピューター85は、このような閉指示を受け付けると、パネル13とスタッカー23とのうち少なくとも一方を閉動作させるクローズ制御を行う。このクローズ制御では、図9(a)〜(d)に示した制御などが行われる。また、ディスクのレーベル印刷終了時に、コンピューター85は、レーベル印刷指示受付け時に例えば全開位置まで開けたパネル13を元の位置に戻す制御を行う。
以下、図10を参照して、まずオープン制御ルーチンについて説明する。オープン制御は、電源オン操作信号入力時、開ボタン操作信号入力時、印刷ジョブ受信時及びレーベル印刷指示受付け時に、これらを開指示として受け付けたコンピューター85が、図10に示すオープン制御ルーチンを実行することにより行われる。なお、図10は、電源オン操作時にコンピューター85により実行されるオープン制御の一例を示す。以下では、図10を参照して電源オン操作を受け付けた際のオープン制御について説明する。ユーザーが電源スイッチ15aを操作して電源オン操作信号を受け付けると、コンピューター85はオープン制御を行う。このルーチンは、プリンター11が電源オンされると、コンピューター85内のCPU100により実行される。
まずステップS11では、パネルのみ開動作を開始させる。第1モーター50を正転駆動させることにより、パネル13を閉位置から開動作させる。このとき、第2モーター70は駆動させない。
ステップS12では、第1モーターに過負荷が検出されたか否かを判断する。すなわち、パネル13の開動作中に過負荷が検出されたか否かを判断する。第1モーターに過負荷が検出されなければステップS13に進み、過負荷が検出されればステップS14に進む。
ステップS13では、パネルが開位置に達して第1センサー63の検知状態が閉から開に切り換わるパネル開が、検知されたか否かを判断する。パネル開を検知した場合はステップS14に進み、パネル開を検知しなかった場合はステップS12に戻る。
ステップS14では、パネルを停止させる。すなわち、コンピューター85は、第1モーター50の正転駆動を停止させる。このとき、パネル13は開位置に停止される必要はなく、例えば第1センサー63によるパネル開が検知されてから第1モーター50を減速してから停止させ、パネル13が開位置よりも開側の位置で停止してもよい。
例えば図8(a)に実線で示す適正な位置状態にあった場合、図8(b)に実線で示すようにスタッカーが突出位置にある場合は、パネル13は閉位置から開位置まで回動できるので、ユーザーが手で押さえたり障害物が置いてあったりした場合を除き、その開動作の途中で過負荷が検出されることはまずない。こうしてパネル13の開動作を開始してからパネル開が検知されるまで開動作を継続し、パネル開が検知されるとパネル13の開動作を停止する。一方、図8(c)に示すように、パネル13の開動作の経路上にスタッカー23の***部23cが位置する場合、パネル13が開動作を開始して直ぐにパネル13はスタッカー23の***部23cに衝突する。このため、パネル13の開動作の途中で過負荷が検出されると、パネル13が***部23cに衝突した図8(c)に二点鎖線で示す位置でその開動作が中断される。この場合、コンピューター85は、表示部14に手動でパネルを開くことを促すメッセージを表示させる。
こうして電源オン操作によってパネル13が開動作をした場合、パネル13は図8(a),(b)に二点鎖線で示す開位置に配置されるか、図8(c)に二点鎖線で示す***部23cに衝突した位置に配置される。本実施形態のプリンター11では、操作スイッチ15bを操作してスタッカー23を開ける開操作を行うことができる。そして、ユーザーは必要に応じて開操作を行う。
ステップS16では、開操作があったか否かを判断する。すなわち、ユーザーが操作スイッチ又は表示部14に表示されたアイコンボタンを操作して、スタッカー23を開こうとしたか否かを判断する。開操作がなければステップS16に進み、開操作があればステップS17に進む。
ステップS16では、印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データ(印刷ジョブデータ)を受信したか否かを判断する。印刷データを受信すればステップS17に進み、印刷データを受信しなければステップS15に戻る。
ステップS17では、パネルは閉状態であるか否かを判断する。第1センサー63がオフしていればパネル13は閉状態であり、第1センサー63がオンしていればパネル13は開状態になる。パネル13が閉状態でなければ(つまり開状態であれば)、ステップS18に進み、パネル13が閉状態であればステップS19に進む。
ステップS18では、スタッカーのみ開動作させる。
ステップS19では、スタッカーが閉状態であるか否かを判断する。スタッカーが閉状態でなければ(つまり開状態であれば)、ステップS20に進み、スタッカーが閉状態であればステップS21に進む。
ステップS20では、パネルのみ開動作させる。例えば図8(b)に実線で示すように、例えばユーザーがパネル13を手動で閉じるなどしてパネル13が閉位置にある状態でスタッカー23が開位置に突出している場合は、図8(b)に二点鎖線で示すようにパネル13のみ開動作させる。
ステップS21では、パネルとスタッカーとを共に開動作させる同時オープン制御を行う。例えば図8(c)に示すように、パネル13を開動作させるときにスタッカー23に衝突し、その衝突による過負荷検出位置でパネル13が同図の二点鎖線で示すように***部23cに当たった状態で停止している場合、コンピューター85は第1モーター50と第2モーター70とが同時に正転駆動させる。この結果、図8(c)に矢印で示すように、パネル13とスタッカー23とが同時に開き方向に動作するため、両者が衝突することなく開動作することができ、図8(d)に示すように、パネル13とスタッカー23とが共に開位置まで動作する。
なお、電源オン操作時に、図8(c)に示すように、パネル13がスタッカー23に衝突して停止した場合、同時オープン制御に移行してパネル13を開位置まで開動作させてもよい。この場合、第1及び第2モーター50,70を同時に正転駆動させ、パネル13とスタッカー23とを共に開動作させる。パネル13がスタッカー23と衝突しえない位置まで開くと、第2モーター70を逆転駆動してスタッカー23に閉動作させる。この構成によれば、パネル13のみを開動作させる途中でその経路上に位置していたスタッカー23に衝突しても、パネル13を開位置まで開くことができるうえ、スタッカー23が閉位置に戻るため、スタッカー23が邪魔にもならない。なお、パネル13がスタッカー23に衝突して停止した場合は、同時オープン制御に移行して、パネル13だけでなくスタッカー23も開位置まで移動させる構成としてもよい。この場合、スタッカー23は開位置から第2モーター70を逆転駆動させることで制御により閉じてもよいし、ユーザーが手動操作で閉じてもよい。
次に、図11を参照してクローズ制御ルーチンについて説明する。クローズ制御ルーチンは、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、印刷ジョブ終了時、スタッカー押込み操作時に行われる。つまり、コンピューター85のCPU100は、プリンター11の起動中(電源オン中)において、電源スイッチ15aから電源オフ操作信号の入力時、閉ボタン操作信号入力時、印刷ジョブ終了時、スタッカー押込み操作検出時に、このクローズ制御ルーチンを実行する。
まずステップS31では、スタッカーは開状態であるか否かを判断する。スタッカー23が開状態であればステップS32に進み、スタッカー23が開状態でなければ(つまり閉状態であれば)ステップS38に進む。
ステップS32では、第2モーターを駆動してスタッカーを閉動作させる。すなわち、CPU100は、第2モーター70を逆転駆動させてスタッカー23を閉動作させる。
ステップS33では、パネルは閉状態であるか否かを判断する。パネルが閉状態であればステップS34に進み、パネルが閉状態でなければ(つまり開状態であれば)ステップS35に進む。
ステップS34では、第1モーターを駆動してパネルを開位置(退避位置)まで開動作させる。すなわち、第1モーター50を正転駆動させてパネル13を第1センサー63が閉から開に切り換わる開位置(図5)に達するまで開動作させる。
ステップS35では、スタッカーは閉状態であるか否かを判断する。つまり、開状態から閉動作を開始したスタッカー23が第2センサー74に検知されて開から閉の状態に切り換わったか否かを判断する。スタッカー23が閉状態であればステップS36に進み、スタッカー23が開状態のままであれば、スタッカー23が閉状態になるまでそのまま待機する。
ステップS36では、待機時間WTの計時を開始する。すなわち、CPU100は、タイマー114により待機時間WTの計時を開始する。例えばタイマー114に待機時間WTをセットし、その値が0(零)になるまでカウントダウンする。
ステップS37では、待機時間WTが経過したか否かを判断する。待機時間WTを経過していなければ経過するまでそのまま待機し、待機時間WTを経過すればステップS41に進む。
こうしてクローズ制御開始時にスタッカー23が開状態にあった場合は、スタッカー23が開から閉に切り換わった時点からの経過時間を計時し(例えばタイマー114をカウントダウンし)、パネル13が閉から開へ切り換わる所定の位置で待機時間WTの経過を待つ。
ステップS41では、印刷ジョブ終了時であるか否かを判断する。つまり、今回のクローズ制御開始のトリガーが印刷ジョブ終了によるものであるか否かを判断する。印刷ジョブ終了時でなければステップS42に進み、印刷ジョブ終了時であればステップS43に進む。ここで、印刷ジョブ終了時以外のクローズ制御開始のトリガーとしては、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、スタッカー押込み操作時がある。
ステップS42では、第1モーターを駆動してパネルを閉動作させる。つまり、CPU100は、第1モーター50を逆転駆動してパネル13を開位置(退避位置)から閉動作させる。なお、待機時間WTを経過した時点でパネル13がまだ開位置に到達していなければ、開位置に到達した後、その開位置からパネル13の閉動作を開始させる。
一方、クローズ制御開始時に第2センサー74が開から閉に切り換わる開位置よりもスタッカー23が閉側に位置する閉状態にあった(S31で否定判定)場合は、以下の制御が行われる。
ステップS38において、第2モーターを駆動してスタッカーを閉動作させる。すなわち、第2モーター70を逆転駆動してスタッカー23を閉動作させる。スタッカー23は閉状態から閉動作を開始するので、開から閉への切り換わり位置は通らない。本実施形態では、スタッカー23が開から閉への切り換わり位置を既に閉側に過ぎた閉状態にあるときは、パネル13を所定の位置(開位置)で待機させるべき待機時間WTが0(零)になる。このため、タイマー114による計時は行われない。
ステップS39では、パネルは閉状態であるか否かを判断する。パネルが閉状態であればステップS40に進み、パネルが閉状態でなければ(つまり開状態であれば)ステップS41に進む。
ステップS40では、第1モーターを駆動してパネルを開位置まで開動作させる。すなわち、第1モーター50を正転駆動させてパネル13を第1センサー63が閉から開に切り換わる開位置(図5)に達するまで開動作させる。
ステップS41では、印刷ジョブ終了時であるか否かを判断する。つまり、今回のクローズ制御開始のトリガーが印刷ジョブ終了によるものであるか否かを判断する。印刷ジョブ終了時でなければステップS42に進み、印刷ジョブ終了時であればステップS43に進む。ここで、印刷ジョブ終了時以外のクローズ制御開始のトリガーとしては、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、スタッカー押込み操作時がある。
ステップS42では、第1モーターを駆動してパネルを閉動作させる。つまり、第1モーター50を逆転駆動してパネル13を開位置から閉動作させる。なお、パネル13は開位置に到達した後、その開位置から閉動作を開始させる。こうしてパネル13は全閉位置まで閉じるが、パネル13は開位置で待機時間WTの経過を待ったのちに閉動作を開始するので、スタッカー23と経路が重複する部分ではスタッカー23が通過した直後に通過することになり、その閉動作の途中で、同じく閉動作中のスタッカー23と衝突することはない。一方、印刷ジョブ終了時である場合は、ステップS43の処理が行われる。
ステップS43では、パネルを印刷ジョブ前の位置へ移動させる。すなわち、CPU100は、不揮発性メモリー103の所定記憶領域からパネル13の印刷ジョブ前の位置を読み出し、第1モーター50を駆動させてパネル13をその位置まで戻す。こうして印刷ジョブを実行するために一旦印刷の邪魔にならない位置へ退避させたパネル13が、印刷ジョブ前の元の位置に自動で戻される。例えばユーザーがパネル13の見易い角度に手動で調整していた場合は、パネル13はユーザーが手動で調整していた元の位置に自動で戻される。
ステップS44では、スタッカー閉フラグ=1(閉)を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に書き込む。こうしてスタッカー23が全閉位置にある旨が不揮発性メモリー103に記憶される。
ステップS45では、パネルの現在位置を記憶する。すなわち、CPU100は、パネル13の現在位置を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に記憶する。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)パネル13が開閉する移動経路とスタッカー23が出退する移動経路とが一部重なるプリンター11において、コンピューター85は、閉指示を受け付けると、スタッカー23を閉動作させ、その閉動作の途中でスタッカー23が所定の位置に達した後に、パネル13の閉動作を開始させる。よって、コンピューター85がパネル13とスタッカー23とを閉じる際、両者の衝突の発生頻度を低減することができる。
(2)コンピューター85は、閉指示を受け付けると、パネル13がスタッカー23との干渉を避けられる退避位置よりも閉側に位置する場合は、パネル13を退避位置まで一旦開き、退避位置から閉動作を開始させる。このため、パネル13が退避位置へ一旦開くことで、スタッカー23の通路を確保することができる。スタッカー23が所定の位置に達して両者が干渉しなくなったタイミング以後に、パネル13の退避位置からの閉動作を開始させる。よって、パネル13とスタッカー23とを両者の衝突を回避しつつ閉じることができる。
(3)パネル13の開位置を検知する第1センサー63が、パネル13の閉を表す状態から開を表す状態に変わる位置を退避位置とした。パネル13を閉位置から開くときは、コンピューター85が、第1センサー63が閉を表す状態から開を表す状態に変わる位置までパネル13を開動作させる。また、パネル13とスタッカー23とを共に閉じるときは、第1センサー63がパネル13の閉を表す状態から開を表す状態に変わった位置までパネル13を退避させる。よって、パネル13を開くときの制御と、パネル13を閉じるときの制御とを、共通の第1センサー63を用いて行うことができる。このため、部品点数が少なく済む。
(4)コンピューター85が、スタッカー23が所定の位置に達した後に、パネル13の閉動作を開始させたときは、パネル13の移動経路とスタッカー23の移動経路とが一部重なる干渉領域では、スタッカー23が閉方向へ先に移動したのち、パネル13が閉方向へ移動するタイミングに調整される。よって、パネル13とスタッカー23とを衝突を回避しつつ共に閉じることができる。例えばスタッカー23が本体12内に収納された状態で、パネル13が本体12の前面に閉じた状態とすることができる。例えばパネル13とスタッカー23との干渉領域を通るタイミングが逆であると、筐体側に先に閉じたパネル13が邪魔になってスタッカー23を筐体内に収納できなくなる。
(5)開動作中のスタッカー23が開位置に達したことを検知する第2センサー74を設けた。スタッカー23を開くときは、コンピューター85は、第2センサー74が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わると、第2モーター70を減速させてスタッカー23を開状態に停止させる。また、パネル13とスタッカー23とを閉じるときは、第2センサー74がパネル13の開を表す状態から閉を表す状態に切り換わってから、待機時間WTの経過を待って、パネル13の閉動作を開始させる。本例の場合、スタッカー23の動力伝達機構71中に摩擦クラッチ79kが存在するので、スタッカー23の絶対位置を管理できないが、スタッカー23が電動で開いた開状態から閉じる途中でスタッカー23の開を表す状態から閉を表す状態へ切り換わる位置に第2センサー74を配置した。よって、スタッカー23を開く制御に使用する第2センサー74を、待機時間WTの計時を開始するトリガーとして利用することができる。このため、パネル13とスタッカー23との衝突を回避しつつ閉めることができる。よって、スタッカー23を開く制御と、スタッカー23を閉じる制御とを、共通の第2センサー74を用いて行うことができる。このため、部品点数が少なく済む。
(6)コンピューター85は、閉指示を受け付けたとき、スタッカー23が所定の位置よりも閉側の位置にある場合は、パネル13を退避位置に待機させることなく、直ちに退避位置から閉動作を開始させる。よって、第2センサー74によりスタッカー23の開を表す状態から閉を表す状態への切り換わりを検知できない場合でも、パネル13の退避位置への退避によってスタッカー23の通路を確保したうえで、退避位置で待機することなく直ちに閉動作を開始することで、パネル13の閉動作の開始タイミングの遅れをなるべく少なくすることができる。
(7)コンピューター85は、閉指示を受け付けたとき、パネル13が退避位置(開位置)よりも開側の位置にある場合は、退避位置(開位置)への閉動作を行わず、待機時間WTが経過すると、閉動作を開始させる。よって、パネル13が閉動作を開始して一旦途中の退避位置で一時停止(待機)してから閉動作を再開するという複雑な閉動作になることを回避できる。
(8)ユーザーがスタッカー23を軽く押し込むと、その押込み操作を検出してスタッカー23を自動で全閉位置まで退避させるスタッカー押込みアシスト制御を採用した。よって、ユーザーがスタッカー23を手動で閉めようとして軽くスタッカー23を押し込めば、その押込み操作がトリガーになってスタッカー23が自動で閉じられるので、ユーザーはスタッカーを全閉位置まで押し込む必要がない。
(9)ユーザーがスタッカー23を押し込んだ操作を検知してこれをトリガーとしてコンピューター85が第2モーター70を逆転駆動させてスタッカー23を自動で閉動作させるので、スタッカー23を直観的に操作し易い。
(第2実施形態)
本実施形態では、スタッカー23の動力伝達機構71中の摩擦クラッチが廃止され、スタッカー23が第2モーター70と動力伝達機構71を介して直結されている例である。このため、第2センサー74の検知位置を基準(原点)としたり、スタッカー23が退避位置側のエンドと突出位置側のエンドとのうち少なくとも一方のエンドに当たって過負荷を検出したときの検出位置を基準(原点)としたりして、スタッカー23の移動範囲における現在位置を絶対位置で管理する。
第1カウンター115は、上記原点でリセットされ、エンコーダー62からの検出パルス信号のパルスエッジを計数し、第1モーター50の正転時にその計数値をインクリメントし、第1モーター50の逆転時にその計数値をデクリメントする。また、第2カウンター116は、上記原点でリセットされ、エンコーダー75からの検出パルス信号のパルスエッジを計数し、第2モーター70の正転時にその計数値をインクリメントし、第2モーター70の逆転時にその計数値をデクリメントする。本実施形態では、第1カウンター115には、パネル13の位置が絶対位置で管理され、第2カウンター116にはスタッカー23の位置が絶対位置で管理される。
第1実施形態では、パネル13が閉領域のどこかに位置しているときは、一旦、開位置にあると検知されるまでパネル13を開側へ回動させ、スタッカー23が開位置でなくなった時点から待機時間WTを経過したら、パネル13にその退避位置(開位置)からの閉動作を開始させる。しかし、待機時間WTは、パネル13が開位置から閉動作を開始した場合を基準に設定されていたため、パネル13が開位置と全開位置との間の位置から閉動作を開始した場合はパネル13の閉動作の開始タイミングが遅れ気味となり、スタッカー23が閉じ切ってから、パネル13の閉動作が開始される場合も起こり得た。
これに対して第2本実施形態では、パネル13とスタッカー23の各位置を絶対位置で管理している。そして、コンピューター85は、パネル13の絶対位置とスタッカー23の絶対位置とから、スタッカー23が閉動作を開始した時点から、スタッカー23の***部23cが重複経路を過ぎた直後にパネル13が丁度その重複経路を通り過ぎるタイミングとなるパネル13の現在位置での待機時間WT1を計算する。そして、スタッカー23は現在位置から閉動作を開始した時点からの経過時間をタイマー114で計時し、その経過時間が待機時間WT1に達すると、パネル13の閉動作を開始する。
次に、図12に示す本実施形態のクローズ制御について説明する。
コンピューター85は、電源オフ操作信号入力時など、パネル13とスタッカー23とを共に閉動作させるときには、図12に示すクローズ制御ルーチンに従って、第1モーター50及び第2モーター70を駆動制御する。
ますステップS51では、パネルの位置を取得する。すなわち、CPU100は第1カウンター115の値からパネル13の絶対位置を取得する。
ステップS52では、スタッカーの位置を取得する。すなわち、CPU100は第2カウンター116の値からスタッカー23の絶対位置を取得する。
ステップS53では、パネルとスタッカーの各位置を用いて待機時間WT1を計算する。待機時間WT1は、パネル13とスタッカー23とをそのときの現在位置から共に閉動作を開始した場合でも、両者の経路の重複する部分を先にスタッカー23が通過した直後に、パネル13が通過するタイミングになるような値として計算される。例えばスタッカー23の現在位置(絶対位置)から経路の重複する領域内の位置までの所要時間T1を、スタッカー23の閉動作時の既知の速度プロファイルを用いて計算する。また、パネル13の現在位置(絶対位置)から経路の重複する領域内の位置までの所要時間T2を、パネル13の閉動作時の既知の速度プロファイルを用いて計算する。そして、T1<T2+WT1を満たす待機時間WT1を計算する。本例では、パネル13とスタッカー23との衝突を避けるための余裕の時間ΔTを設定し、一例として待機時間WTを、式 WT1=T1−T2+ΔTにより計算する。
ステップS54では、第2モーターを駆動してスタッカーを閉動作させる。すなわち、CPU100は、第2モーター70を逆転駆動させてスタッカー23を閉動作させる。
ステップS55では、待機時間WT1の計時を開始する。すなわち、CPU100は、スタッカー23の閉動作を開始するタイミングでタイマー114による待機時間WT1の計時を開始する。
ステップS56では、待機時間WT1が経過したか否かを判断する。待機時間WTを経過していなければ経過するまでそのまま待機し、待機時間WTを経過すればステップS57に進む。こうしてクローズ制御開始時の現在位置から閉動作を開始したスタッカー23のその閉動作の開始から待機時間WT1を経過するまで、パネル13は現在位置で待機する。そして、待機時間WT1が経過すると、ステップS57に進む。
以降のステップS57〜S61の処理は、第1実施形態におけるステップS41〜S45の処理と同様である。すなわち、ステップS57では、印刷ジョブ終了時であるか否かを判断する。つまり、今回のクローズ制御開始のトリガーが印刷ジョブ終了によるものであるか否かを判断する。印刷ジョブ終了時でなければステップS58に進み、印刷ジョブ終了時であればステップS59に進む。ここで、印刷ジョブ終了時以外のクローズ制御開始のトリガーとしては、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、スタッカー押込み操作時がある。
ステップS58では、第1モーターを駆動してパネルを閉動作させる。つまり、CPU100は、第1モーター50を逆転駆動してパネル13を現在位置から閉動作させる。こうしてスタッカー23の閉動作開始時点から、パネル13は現在位置で待機時間WT1の経過を待ったのちに現在位置から閉動作を開始するので、スタッカー23と経路が重複する部分ではスタッカー23が通過した直後に通過することになり、その閉動作の途中で、同じく閉動作中のスタッカー23と衝突することはない。一方、印刷ジョブ終了時である場合は、ステップS59の処理が行われる。
ステップS59では、パネルを印刷ジョブ前の位置へ移動させる。すなわち、CPU100は、不揮発性メモリー103の所定記憶領域からパネル13の印刷ジョブ前の位置を読み出し、第1モーター50を駆動させてパネル13を元の位置に戻す。こうして印刷ジョブを実行するために一旦印刷の邪魔にならない位置へ退避させたパネル13が、印刷ジョブ前の元の位置に自動で戻される。例えばユーザーがパネル13の見易い角度に手動で調整していた場合は、パネル13はユーザーが手動で調整していた元の位置に自動で戻される。
ステップS60では、スタッカー閉フラグ=1(閉)を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に書き込む。こうしてスタッカー23が全閉位置にある旨が不揮発性メモリー103に記憶される。
ステップS61では、パネルの現在位置を記憶する。すなわち、CPU100は、パネル13の現在位置(絶対位置)を不揮発性メモリー103の所定記憶領域に記憶する。
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(10)パネル13の可動域における位置を管理する第1位置管理部を構成する第1カウンター115及び第1センサー63と、スタッカー23の可動域における位置を管理する第2位置管理部を構成する第2カウンター116及び第2センサー74とを備える。パネル13の絶対位置とスタッカー23の絶対位置とを管理し、閉指示の受付け時におけるパネル13とスタッカー23のそれぞれの現在位置から、パネル13が待機するべき待機時間WT1を計算する。そして、スタッカー23が閉動作を開始してから、待機時間WT1を経過すると、パネル13にその現在位置からの閉動作を開始させる。このため、パネル13とスタッカー23が閉動作を開始するときの位置によらず、その現在位置に応じた適切な待機時間WT1が計算されるので、パネル13とスタッカー23との衝突を回避しつつ両者間で閉まるタイミングの大きなずれを抑制できる。第1実施形態では、一定の待機時間WTであったため、パネル13とスタッカー23がほぼ同時にきれいに閉まる場合もあれば、スタッカー23が先に閉まり切ってからパネル13が後から閉まる時間のずれが過大になる場合もある。これに対して第2実施形態では、パネル13とスタッカー23との各位置に応じた可変の待機時間WT1を計算するので、パネル13とスタッカー23とが衝突せず絶妙なタイミングで閉まるようにすることができる。
(11)スタッカー23の閉動作を開始したのち、待機時間WT1を待ってからパネル13の閉動作を開始する。このため、閉指示を受け付けたときのパネル13の位置とスタッカー23の位置とから、両者の閉動作を開始することができる。第1実施形態では、パネル13が退避位置(開位置)へ開き終わる前に、スタッカー23が所定の位置に到達した場合は、その時点からパネル13が退避位置(開位置)までの残りの角度をさらに開くまでの動作が時間の無駄となる。これに対して、この構成によれば、両者が干渉しない退避位置(例えば30〜40度の範囲内の値)まではパネル13を開いてスタッカー23の通路を確保するものの、それ以外は閉指示を受け付けたときの位置から閉動作を開始できる。このため、パネル13を一旦開く無駄な動作を少なくし、なるべくスマートな閉動作を実現できる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・パネルの開動作の過程で、第1センサー63がパネル13の閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる位置(角度θ1)、つまりパネル13の開位置と退避位置は、例えば約30度、約45度、約60度のような、全閉と全開との間の中間角度領域内の位置に限定されない。第1センサー63が閉を表す状態から開を表す状態に切り換わる位置(角度θ1)は、全開の角度(一例として90度)であってもよい。なお、全開とは、パネルの可動域内で最大に開いた角度位置を指す。また、所定の位置を全開位置とすれば、その全開位置の検出を、第1センサー63を使用しなくても、パネル13が全開側のエンドに当たった際の過負荷を検出することで全開位置に達したことを検出する構成とすることも可能になる。この場合、第1センサー63の廃止により構成部品点数を少なくすることができる。開位置と退避位置とが同じである場合、パネル13が全開位置に退避するので、スタッカー23の通路を確実に確保できる。
・コンピューター85は、閉指示を受け付けたとき、スタッカー23が所定の位置よりも閉側の位置にある場合は、パネル13が退避位置よりも閉側にあっても干渉領域になければ、パネル13を退避位置に移動させることなく閉動作させてもよい。この構成によれば、スタッカー23の通路を確保できるうえ、パネル13の閉動作の開始タイミングの遅れを一層少なくすることができる。
・前記第2実施形態では、パネル13とスタッカー23の両方で絶対位置を管理したが、少なくとも一方のみを絶対位置で管理してもよい。例えばパネルのみを絶対位置で管理してもよい。この場合、スタッカー23が開から閉に切り換わる位置に達してからのパネル13の待機時間WT2を、パネルの現在位置(絶対位置)に応じて計算して取得し、スタッカー23が開から閉に切り換わった時点から待機時間WT2が経過すると、パネル13の現在位置からの閉動作を開始させる。この場合、パネル13を閉から開に切り換わる退避位置(開位置)に戻さなくても、閉指示を受け付けた時の現在位置からパネル13を閉動作させればよい。また、例えばスタッカーのみを絶対位置で管理してもよい。この場合、スタッカー23が現在位置から閉動作を開始した際のパネル13の所定の位置での待機時間WT3を、パネル13の現在位置(絶対位置)に応じて計算して取得し、スタッカー23が閉指示受付け時の現在位置から閉動作を開始した時点から待機時間WT3が経過すると、所定の位置まで戻したパネル13の現在位置からの閉動作を開始させる。この構成によれば、パネル13を閉から開に切り換わる退避位置に戻しはするが、退避位置に戻してから所定時間を待たなくても、退避位置に戻るまでの所要時間も待機時間WT3の一部に含まれるので、パネル13が退避位置で待ち過ぎることを回避できる。このため、パネル13とスタッカー23との閉動作のタイミングの適正化が図られ、クローズ制御を早期に終了できる。
・第2実施形態では、待機時間WT1を計算したが、パネル13を現在位置から閉動作を開始しても、スタッカー23と衝突せずにさほど時間差なく閉まることができるスタッカーの所定の位置(パネル閉動作開始位置)を計算し、スタッカー23がそのパネル閉動作開始位置に達したら、パネル13の閉動作を開始するようにする。この場合、スタッカー23の現在位置(閉動作開始前の位置)が既にパネル閉動作開始位置と同じかそれより閉側に位置している場合は、パネル13とスタッカー23との閉動作を同時に開始させる。この構成によれば、タイマー114で時間の計時をすることなく、スタッカー23の位置を管理するだけで、第2実施形態と同様に、パネル13を開位置まで一旦戻す無駄な動作を無くしつつ、よりスムーズにパネル13とスタッカー23とを衝突を回避しつつ共に閉動作させることができる。例えばパネル13を一旦開位置まで移動させたにも拘らず、スタッカー23が閉まり切ってからパネル13の閉動作が開始される閉動作タイミングのずれを抑制できる。
・第2実施形態において、スタッカー側の第2センサーを廃止してもよい。スタッカー23を一方のエンドに当たったことを検出してエンドを基準に位置を管理してもよい。
・スタッカー23側の動力伝達機構に含まれる摩擦クラッチを廃止して、スタッカー側もエンコーダー75の検出パルスを計数して絶対位置を管理してもよい。
・クローズ制御開始のトリガーは、ユーザーの電源オフ操作時、閉ボタン操作時、印刷ジョブ終了時、スタッカー押込み操作時のうちの一つであってもよい。
・パネルの開位置と退避位置とを同一位置とし、開位置の検知と退避位置の検知とを共通の第1センサーを用いて行ったが、パネルの開位置と退避位置とを異なる位置に設定し、それぞれを異なるセンサーにより検知してもよい。この構成によれば、退避位置が開位置とは異なる適切な位置に設定できるので、パネルを開位置まで移動させるまでに待機時間が過ぎてしまうことによる待機位置からの閉動作開始タイミングが遅延する頻度を低減できる。
・スタッカー23の受け位置を決める本体12からのスタッカー23の出量(突出量)は、一定ではなく、排出対象の用紙Pの用紙長に応じて変化させてもよい。この場合も、衝突回避制御を行えば、パネル13とスタッカー23との衝突を回避できる。
・スタッカーの動力源とパネルの動力源とをそれぞれ専用のものに替え、スタッカーの動力源とパネルの動力源とのうち一方を、他の用途に備えられたモーターが兼ねてもよい。例えば搬送モーター33が、パネル13の動力源とスタッカー23の動力源とのうち一方を兼ねてもよい。この場合、搬送モーター33の動力伝達先をスタッカー又はパネルに切り換え可能なクラッチを設ければよい。クラッチとしては、電動式クラッチでもよいし、キャリッジモーターを駆動させてキャリッジを所定位置に移動させることでキャリッジ18が切換え用レバーを操作してクラッチを切り換える機械式クラッチを例示できる。
・スタッカーが回動式でもよい。例えばスタッカーが本体の前面に下端部を中心に回動し、本体12の前面に沿うように閉じる閉位置と、本体の前面に対して略直交する方向に突出する開位置との間を移動する構成とする。この場合、パネルは例えば前記実施形態と同様に回動式とする。この構成の場合、パネルとスタッカーが共に回動式なので、同時に閉動作を開始すると、干渉領域で衝突するが、パネルを退避位置に一旦開き、スタッカーが閉じ方向に移動するための通路を確保したうえで、スタッカーが所定の位置(所定の姿勢角)まで閉じた後、パネルの退避位置からの閉動作を開始させればよい。
・パネルはスライドと回動とが組み合わせた可動式でもよい。例えばパネルは本体内からスライドして外側へ突出し、その突出した後に回動して所定の回動角に配置されるようにする。
・スタッカーは、一枚の板状のトレイにより構成したが、多段式のトレイを伸縮させることにより出退する構成のものであってもよい。
・パネルは、操作スイッチ等の操作部を備えず、画面に手で触れることで入力操作が可能なタッチパネル式の表示部だけを備えた構成でもよい。また、表示部を備えず操作部だけを備えた構成でもよい。
・動力源は回転式モーターに限定されず、リニアモーターでもよい。
・媒体は、用紙に限定されず、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシートなどであってもよい。
・記録装置は、インクジェット式に限定されず、ドットインパクト式、レーザー式でもよい。さらに、記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターでもよい。例えばラインプリンターでは、媒体の搬送と媒体への記録が同時期に行われるので、第1実施形態におけるパネル&スタッカー動作において媒体長に応じた出量となる位置へスタッカーの移動を開始させるタイミングは、搬送中かつ記録中のタイミングとなる。
11…記録装置の一例であるプリンター、12…筐体の一例としての本体、13…パネルの一例としての操作パネル、14…表示部、15…操作部、15b…操作スイッチ、18…キャリッジ、20…記録ヘッド、23…スタッカー、23c…***部、63…第1センサー(パネル開センサー)、50…第1モーター、70…第2モーター、74…第2センサー(スタッカー開センサー)、80…コントローラー、85…コンピューター、100…CPU、111…主制御部、112…検出部、113…判定部、114…タイマー、115…第1カウンター、116…第2カウンター、P…媒体の一例としての用紙、X…走査方向(幅方向)、Y…搬送方向、WT,WT1〜WT3…待機時間。

Claims (9)

  1. 記録装置の筺体に対して開閉可能に設けられたパネルと、
    前記筺体に対して出退可能に設けられた可動式のスタッカーと、
    前記パネルを駆動させる第1モーターと、
    前記スタッカーを駆動させる第2モーターと、
    前記第1モーター及び第2モーターを制御する制御部と、を備え、
    前記パネルが開閉する移動経路と前記スタッカーが出退する移動経路とが一部重なり、
    前記制御部は、閉指示を受け付けると、前記スタッカーを閉動作させるとともに当該閉動作の途中で当該スタッカーが所定の位置に達した後に、前記パネルの閉動作を開始させる、ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記パネルの位置を検出する第1位置検出部と、
    前記スタッカーの位置を検出する第2位置検出部とを、更に備え、
    前記制御部は、前記閉指示を受け付けると、前記パネルが前記スタッカーとの干渉を避けられる退避位置よりも閉側に位置する場合は、前記パネルを前記退避位置まで一旦開き、前記退避位置から閉動作を開始させる、ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記退避位置は、前記パネルの全開位置であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記第1位置検出部は、前記パネルの開位置を検知する第1センサーであり、
    前記退避位置は、前記第1センサーが前記パネルの閉を表す状態から開を表す状態に変わった位置である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
  5. 前記制御部が、前記スタッカーが所定の位置に達した後に、前記パネルの閉動作を開始させたときは、前記パネルの移動経路と前記スタッカーの移動経路とが一部重なる干渉領域では、前記スタッカーが閉方向へ先に移動したのち、前記パネルが閉方向へ移動するタイミングに調整される、ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記パネルの可動域における位置を管理する第1位置管理部と、
    前記スタッカーの可動域における位置を管理する第2位置管理部と、を備え、
    前記制御部は、前記閉指示を受け付けたときの前記パネルの位置と前記スタッカーの位置とから、前記パネルと前記スタッカーとが閉動作の過程で干渉しない前記パネルの待機時間を取得し、前記スタッカーの閉動作を開始したのち、前記待機時間を待ってから前記パネルの閉動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  7. 前記第2位置検出部は、開動作中の前記スタッカーが開位置に達したことを検知する第2センサーであり、
    前記制御部は、前記パネルと前記スタッカーとを共に閉じる場合は、前記第2センサーが開を表す状態から閉を表す状態に変わってから、所定時間を待って、前記パネルの閉動作を開始する、ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  8. 前記制御部は、前記スタッカーが所定の位置よりも閉側に位置している場合は、前記パネルを前記退避位置に待機させることなく閉動作させる、ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の記録装置。
  9. 前記制御部は、前記閉指示を受け付けたとき、前記スタッカーが所定の位置よりも閉側の位置にある場合は、前記パネルが前記退避位置よりも閉側にあっても、前記パネルの移動経路と前記スタッカーの移動経路とが一部重なる干渉領域になければ、前記パネルを前記退避位置に移動させることなく閉動作させる、ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の記録装置。
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