JP2016022426A - 流体分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の部品点数を少なくして、装置をコンパクトにすることができるとともに、装置に使用される筒状の部材が大型化した場合でも、安定して固定できる流体分離装置を提供すること。【解決手段】流体分離装置1では、水素分離体3は反応管5に収容されており、水素分離体3の開口端側に金属部材9が配置されている。水素分離体3は、筒状部44と、筒状部44の軸方向における一端にて径方向外側に張り出すフランジ45とを備えている。金属部材9は、フランジ45と対向するように設けられた第1挟持部37を備えている。反応管5は、水素分離体3側に張り出す第2挟持部26を備えている。そして、フランジ45と第1挟持部37との間、又は、フランジ45と第2挟持部26との間に、シール部材11を備え、フランジ45は第1挟持部37と第2挟持部26とで挟まれている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、原料ガスから水素ガスを選択して分離することにより純度の高い水素ガスを得ることができる水素分離装置や、酸素分離装置、二酸化炭素分離装置、水(水蒸気)フィルタ、油フィルタ等のように、原料の流体(例えば気体又は液体)から所定の流体(例えば気体又は液体)を分離することができる流体分離装置に関する。また、本発明は、化学反応と分離を伴う、固体酸化物形燃料電池や鉄空気電池などにも適用される。
従来、例えば、燃料電池に供給する水素を製造するために、水蒸気改質ガス等の水素を含むガスから水素のみを選択的に取り出す水素分離体が開発されており、この水素分離体を反応器に収容した各種の水素分離装置が開発されている。
前記水素分離体は、例えば、円筒状のセラミック多孔質基体の表面などに、パラジウム(Pd)等からなる水素透過膜(以下水素分離金属層と記す)を形成したものである。
また、上述したガスを分離する技術としては、例えば、貫通孔を有する筒状基体の表面にガス分離膜を形成してガス分離体を作製し、そのガス分離体を用いたガス分離装置が開示されている(特許文献1参照)。
このガス分離装置では、ガス分離体の一方の開口端部に、蓋状金属部材がシール部材を介して圧縮固定され、他方の開口端部に、環状金属部材がシール部材を介して圧縮固定されている。また、蓋状金属部材は、一方のグランドパッキンに対して、筒状基体の軸方向に締付圧力を付与する蓋状若しくは環状パッキン押さえと、一方のグランドパッキンの移動を抑制する下部環状若しくは下部蓋状ストッパーにより構成されている。更に、環状金属部材は、他方のグランドパッキンに対して、筒状基体の軸方向に締付圧力を付与する環状パッキン押さえと、他方のグランドパッキンの移動を抑制する上部環状ストッパーにより構成されている。
特開2003−126662号公報
しかしながら、上述した従来技術では、装置の部品点数が多く、装置をコンパクトにすることが容易ではなかった。
また、近年では、装置に使用される水素分離体等の筒状の部材が大径化する傾向にあるが、このような筒状の部材を安定して固定することが容易ではなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、装置の部品点数を少なくして、装置をコンパクトにすることができるとともに、装置に使用される筒状の部材が大型化した場合でも、安定して固定できる流体分離装置を提供することにある。
(1)本発明の第1態様の流体分離装置は、原料の流体から所定の流体を分離するセラミックを主体とする流体分離体と、前記流体分離体を収容する金属製の反応管と、前記流体分離体の開口端側にて、前記開口端を覆うように配置された金属部材と、を備えた流体分離装置であって、前記流体分離体は、筒状部と、該筒状部の軸方向における一端にて径方向外側に張り出すフランジとを備え、前記金属部材は、前記フランジと対向するように設けられた第1挟持部を備え、前記反応管は、前記流体分離体側に張り出す第2挟持部を備え、更に、前記フランジと前記第1挟持部との間、又は、前記フランジと前記第2挟持部との間に、シール部材を備え、前記フランジは前記第1挟持部と前記第2挟持部とで挟まれている。
本第1態様では、フランジと第1挟持部との間、又は、フランジと第2挟持部との間に、(気体又は液体を気密又は水密する)シール部材を備えており、フランジは第1挟持部と第2挟持部とによって(直接的に又は他の部材を介して間接的に)挟まれて固定される。即ち、フランジが第1挟持部と第2挟持部と挟まれて押圧されることによって、流体分離体と反応管と金属部材とが一体に固定される。
これにより、流体分離体と金属部材と反応管とを、容易に一体に固定できるとともに、高いシール性を実現することができる。
また、従来の装置に比べて、装置の部品点数を少なくでき、装置をコンパクトにすることができる。
更に、流体分離体が大径化した場合(例えば外径φ30mm以上)であっても、また、長尺の部材(例えば軸方向の長さが300mm以上)であっても、高いシール性を確保できるとともに、好適に流体分離体と金属部材と反応管とを一体に固定できる。
なお、シール部材はフランジと第1挟持部との間だけ、又は、フランジと第2挟持部との間だけに備えていてもよいが、その両方に備えていても良い。
(2)本発明の第2態様の流体分離装置では、前記流体分離体の前記筒状部から張り出す前記フランジの根元のうち、前記第2挟持部側の根元に、R部が形成されているとともに、前記第2挟持部は、前記R部に当接しないように形成されている。
本第2態様では、フランジの根本にR部が形成されているので、フランジの強度が大きく、破損しにくいという効果がある。
しかも、反応管の第2挟持部は、フランジの根本のR部に(使用中等においても)当接しないように形成されているので、フランジを挟持する際に、第2挟持部からフランジにかかる押圧力を均一化できる。これにより、流体分離体と反応管等を強固に固定することができ、また、フランジの破損を抑制することができる。
特に、流体分離体(従ってフランジ)がセラミック製の場合には、応力負荷による割れやクラックが発生し易いため、第2挟持部からフランジにかかる押圧力を均一化することが重要であり、R部形成の破損防止効果がより顕著に発揮される。また、金属製の第2挟持部の方が熱膨張係数が大きいので、温度上昇時の緩み(押圧力の低下)がより大きくなり、この押圧力の低下幅をより小さくするためには、押圧力の均一化が重要である。本第2態様では、そのような場合でも、第2挟持部はR部に当接しないように形成されているので、第2挟持部がフランジを押圧する力が偏りにくく均一化され易い。そのため、大きく温度が変化するような場合でも、確実に流体分離体を固定できるという利点がある。
(3)本発明の第3態様の流体分離装置では、 前記流体分離体の前記フランジの前記第1挟持部側の表面又は前記第2挟持部側の表面、前記金属部材の前記第1挟持部の前記フランジ側の表面、又は、前記反応管の前記第2挟持部の前記フランジ側の表面に、前記シール部材を位置決めする溝又は段差が形成されている。
本第3態様では、シール部材を配置する箇所に、シール部材を位置決めする溝又は段差が形成されているので、シール部材の位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。
また、溝や段差を形成することにより、組み付け時にシール部材が変形する際に、シール部材が溝や段差に接触して一部変形が制限されることにより、シール部材の反力を高め、シール性を高める効果もある。
(4)本発明の第4態様の流体分離装置では、前記反応管と前記金属部材とは、ネジ又は溶接により一体に固定されている。
本第4態様は、反応管と金属部材との固定方法を例示したものである。
このネジ又は溶接による固定方法は、容易に且つ確実に固定できるので好適である。
(5)本発明の第5態様の流体分離装置では、前記シール部材は環状の自己接触ガスケットであり、前記シール部材の中心軸を含む断面において、被接触部と、前記シール部材を挟む部材に接触することなく前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、前記被接触部は、前記挟む方向の一方側において前記シール部材を挟む部材のいずれか一方と接触し、他方の側において前記自己接触部と接触する。
本第5態様は、シール部材を例示したものである。
この自己接触ガスケットは、上述した固定の際に押圧されて、被接触部に自己接触することにより、その被接触部を介してシール部材を挟む部材(即ちガスケットや第1、第2挟持部である相手部材)に対して圧力を付与することができる。即ち、相手部材に対して反力を高めることができる。言い換えれば、ガスケットに対する圧力(ガスケット面圧)を高めることができる。
これにより、高温や低温での使用時において、2つの相手部材の熱膨張係数差に起因するガスケットの緩み(ガスケットの面圧の低下)を抑制できる。
その結果、どのような温度環境においても(例えば600℃の温度環境)、熱膨張係数の異なる2つの相手部材間のシール性(気密性)を、2つの相手部材間に介在させたガスケットによって十分に確保でき、リークパス等の不具合の発生を抑制できる。
なお、前記中心軸とは、環状の自己接触ガスケットを前記挟む向きから見た場合(平面視)の面積中心(重心)を通る軸である。
(6)本発明の第6態様の流体分離装置では、前記フランジと前記第1挟持部との間及び前記フランジと前記第2挟持部との間の少なくとも一方に、中間部材を備えている。
本第6態様は、フランジと第1挟持部との間の構成や、フランジと第2挟持部との間の構成を例示したものである。
つまり、例えば、フランジと第1挟持部とを直接に接触させるのではなく、その間に中間部材を配置することができる。この場合、シール部材は、例えば、フランジと第2挟持部との間に配置しても良いが、フランジと中間部材との間又は中間部材と第1挟持部との間に配置してもよい。
同様に、例えば、フランジと第2挟持部とを直接に接触させるのではなく、その間に中間部材を配置することができる。この場合、シール部材は、例えばフランジと第1挟持部との間に配置しても良いが、フランジと中間部材との間又は中間部材と第2挟持部との間に配置してもよい。
(7)本発明の第7態様の流体分離装置では、前記第1挟持部及び前記第2挟持部の少なくとも一方は、フランジである。
本第7態様は、第1挟持部と第2挟持部との構成を例示したものである。
なお、フランジ、第1挟持部、第2挟持部としては、例えば円板形状(詳しくは環状の板材)を採用できる。
(8)本発明の第8態様の流体分離装置では、前記反応管の前記第2挟持部に、貫通孔を有する。
これにより、反応管内と反応管外とを第2挟持部の貫通孔を介して連通することができるので、例えば反応管内の流体を貫通孔を介して外部に取り出すことができる。また、別途外部取り出し用の配管を設置する必要が無くなり、コンパクト化及び部品点数の削減ができる。
実施例1の水素分離装置を、軸方向に破断して(その断面を)示す斜視図である。 実施例1の水素分離装置の固定機構等を、軸方向に破断し拡大して(その断面を)示す斜視図である。 実施例1における金属部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその斜視図である。 実施例1における水素分離体を、軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 実施例1の水素分離装置の固定機構等を、軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 実施例1におけるシール部材を示す斜視図である。 実施例1におけるシール部材の配置を示す(中心軸を通る平面で破断した)断面図である。 実施例2の水素分離装置の固定機構等を、軸方向に破断し拡大して(その断面を)示す斜視図である。 実施例2における金属部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその斜視図である。 (a)は実施例3の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(b)は実施例4の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(c)は実施例5の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(d)は実施例6の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 (a)は実施例7の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(b)は実施例8の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(c)は実施例9の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図、(d)は実施例10の水素分離装置の固定機構等を軸方向に破断し拡大して示す断面図である。
以下、本発明の流体分離装置の実施形態について説明する。
[1]まず、上述した本発明の流体分離装置の各構成について説明する。
<流体分離装置>
原料及び分離後の流体としては、気体(ガス)又は液体が挙げられる。
流体分離装置としては、原料の気体から所定の気体を分離する気体分離装置と、原料の液体から所定の液体を分離する液体分離装置が挙げられる。
気体分離装置としては、例えば、原料の天然ガス、メチルシクロヘキサン、アンモニア等の気体から水素の気体を分離する水素分離装置や、原料の空気等の気体から酸素を分離する酸素分離装置などが挙げられる。
一方、液体分離装置としては、原料の不純物を含む水(汚泥)等の液体から水を分離する膜分離活性汚泥法用の濾過装置や、酢酸と水との混合溶液から酢酸又は水を分離する分離用濾過装置などが挙げられる。
<流体分離体>
流体分離体としては、筒状部が延びる長手方向(例えば軸方向)の一端が閉塞されているものや、両端部に開口端が設けられているものを採用できる。また、筒状部の形状としては、円筒形状、角筒形状が挙げられる。なお、軸方向に垂直の断面形状としては、円筒の場合は真円や楕円等の円形、角筒の場合は正方形や長方形やその他の多角形が挙げられる。
また、流体分離体としては、分離によって得られる所定の流体の種類によって、適切な構成を採用できる。
例えば、セラミック支持体上に形成する膜により、分離する気体を種々変えることができる。具体的には、水素透過性の金属膜や水素のみが透過可能な細孔孔に制御したシリカ膜を形成することにより、水素を分離できる。同様に、酸素のみを透過可能な酸素分離膜を形成することによって酸素分離、二酸化炭素のみを透過可能な二酸化炭素分離膜を形成することによって二酸化炭素分離、水や有機溶剤のみを透過可能な膜を形成することによって水分離や溶剤分離等を行うことができる。
また、固体電解質膜および電極膜を形成し、ガスと電極との反応から生じたイオンのみを固体電解質を透過させて電気を取出す、燃料電池や鉄空気電池等とすることもできる。
例えば、流体分離体が、天然ガス等の原料ガスから水素を分離する水素分離体である場合には、上述したように、水素透過性の金属膜(以下水素分離金属層と記す)とそれを支持する支持体の構成を採用できる
支持体の材料としては、セラミックスが挙げられ、支持体の構造としては、一部又は全体が多孔質セラミックスからなる構造を採用できる。
この多孔質セラミックスからなる部分(多孔質部)は、全体又は一部が水素を含むガスの透過が可能であり、その材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリア、及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、多孔質部の例えば軸方向端部などに、(多孔質部より緻密な)ガスの透過の無い緻密部を接合して水素分離体を構成してもよい。なお、前記緻密部を構成する材料としては、多孔質部と同様な材料が挙げられる。
一方、水素分離金属層を構成する水素分離金属(水素透過性金属)としては、Pd単体、Pd合金(例えばPdAg合金、PdCu合金、PdAu合金)等が挙げられる。水素脆化の抑制の点からは、Pd単体よりもPdAg合金が望ましい。また、(例えば450℃以上の)高温で使用される水素分離装置の場合には、PdAg合金が望ましい。
この水素分離金属層としては、支持体の表面又は内部に水素分離金属を配置した構成を採用できる。例えば多孔質の支持体表面又は内部の細孔内に水素分離金属を充填することにより、水素分離金属層を形成することができる。
<シール部材>
シール部材としては、例えば、環状の板材を曲げて形成された環状の自己接触ガスケット以外に、周知の各種の環状のガスケットを使用できる。ガスケットの材料としては、周知のステンレス等の各種の金属やゴム等を採用できる。
なお、本発明において、金属とは、純金属だけでなく合金をも含む概念である(他の部材においても同様)。
<反応管>
反応管の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属が挙げられる。また、反応管の形状としては、長手方向の垂直の断面が円形や角形等の各種の筒状部材が挙げられる。
なお、反応管には、流体の出入りが可能な連通孔を設けることができる。
<金属部材>
金属部材の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属が挙げられる。また、金属部材の形状としては、反応管の開口端を塞ぐような広がりを有する例えば円盤や角形の板材等が挙げられる。
なお、金属部材には、流体の出入りが可能な連通孔を設けることができる。
<中間部材>
中間部材の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属などが挙げられる。また、中間部材の形状としては、環状の板材等が挙げられる。
<反応管と金属部材との固定方法>
この固定方法としては、ネジ又は溶接以外に、例えば、圧入、カシメ、リベット、焼嵌めでも可能である。なお、溶接としては、例えば抵抗溶接の他に、レーザーや電子ビームなどを利用した各種の方法を採用できる。
[2]次に、本発明の流体分離装置の実施例について説明する。
以下では、原料ガスから水素を選択的に分離する水素分離装置の実施例について説明する。
a)まず、本実施例1の水素分離装置の概略構成について説明する。
図1及び図2に示す様に、本実施例の水素分離装置1は、原料ガス(例えば天然ガスが改質されて(水素の多い)水素リッチとされた改質ガス)から、水素を選択的に分離して、高純度の水素を得ることができる装置である。
この水素分離装置1は、基本的な構成として、原料ガスから水素を分離する試験管形状の水素分離体3と、水素分離体3を収容する円筒形状の金属製の反応管5と、水素分離体3の開口端7を覆うように配置された円盤形状の金属部材9と、水素分離体3と金属部材9との間に配置されてガスシールを行うシール部材11と、原料ガスを反応管5に供給する原料ガス供給部13と、反応後又は未反応の残余の原料ガスを排出する原料ガス排出部15と、分離回収された水素ガスを排出する水素ガス排出部17とを備えている。
ここでは、水素分離装置1が本発明の流体分離装置に該当し、水素分離体3が本発明の流体分離体に該当する。
なお、後述するように、水素分離体3は、反応管5とシール部材11と金属部材9によってシールされるとともに固定されるが、この固定のための構成を固定機構19と称する。
以下、各構成について説明する。
<反応管5>
前記反応管5は、例えばSUS316、SUS316L等からなる円筒形状の容器であり、その内部には、前記水素分離体3が同軸に配置されている。つまり、水素分離体3の先端側(図1上方)及び側方の周囲を覆うように反応管5が配置されている。
なお、例えば、反応管5の軸方向の長さは450mm、内径はφ45.3mm、外径はφ48.6mmである。
詳しくは、反応管5は、水素分離体3の側方を覆う筒状部21と、その先端側を覆う円板状の先端部23とを有しており、筒状部21の後端側(図1下方)の内周面には、金属部材9と螺合するネジ部25が設けられている。
また、反応管5の先端部23には、外部から反応管5内に原料ガスが供給される円筒状の原料ガス供給部13が設けられている。この原料ガス供給部13は、先端部23の軸中心に開けられた第1連通部23aを介して、反応管5内に連通している。
更に、反応管5の筒状部21の側方の後端側には、反応後又は未反応の残余の原料ガスを反応管5内から外部に排出する円筒状の原料ガス排出部15が設けられている。この原料ガス排出部15は、筒状部に開けられた第2連通部15aを介して、反応管5内と連通している。
また、後に詳述するように、反応管5の後端側の内周面には、反応管5の径方向内側に突出するように、(平面視が円環状で)板状の第2挟持部26が突出している。ここで、平面視とは、軸方向に沿って(例えば図1の上方から)見た場合を示している(以下同様)。
なお、第2挟持部26は、いわゆるフランジであり、例えば、その内径はφ35mm、外径(即ち反応管5の内径)はφ45.3mmであり、その厚みは5.0mmである。
<金属部材9>
前記金属部材9は、例えばSUS316、SUS316L等からなる円板形状の部材である。なお、例えば、金属部材9の厚みは20mm、外径はφ45mmである。
また、金属部材9の外側(後端側)には、金属部材9と同軸に、水素分離体3によって分離回収された水素ガスを、水素分離体3内から外部に排出する水素ガス排出部17が設けられている。この水素ガス排出部17は、金属部材9の軸中心に開けられた第3連通部9aを介して、水素分離体3内に連通している。
金属部材9は、水素分離体3の開口端7を覆うとともに、反応管5の後端側の開口端27を覆うように、反応管5に固定されている。
つまり、図3に示すように、金属部材9の外周にはネジ部29が設けられており、このネジ部29を反応管5のネジ部25にねじ込むことによって、金属部材9を反応管5に固定する。
なお、ネジによる固定ではなく(即ちネジ部25、29を設けることなく)、例えば溶接などによって、金属部材9と反応管5とを接合して一体化してもよい。
また、金属部材9の後端側の表面には、金属部材9をねじ込む際に使用される複数の凹部31が形成されている。
一方、金属部材9の先端側の表面には、段差33が形成されている。つまり、金属部材9の中心側には、円板状の凸部35が設けられ、その外周側には凸部35より(図1下方に引き下がった)高さが低い環状の外周部(即ち第1挟持部)37が設けられることによって、段差33が形成されている。
なお、この段差33の外周側、即ち凸部35の外周側に、シール部材11が嵌められ、凸部35の外周面によって位置決めされる。
<水素分離体3>
前記水素分離体3は、図4に示す様に、内径φ26mm×外径φ30mm(フランジ45以外の部分)×長さ350mmの試験管形状の部材である。
この水素分離体3は、その閉塞された先端側(同図上側)には、主として多孔質セラミックス(YSZ)からなり、水素を分離する機能を有する試験管状の多孔質部41が設けられ、その開放された後端側(同図下側)には、ガス透過性が無く且つ強度が高い緻密質セラミックス(YSZ)からなる筒状の緻密部43が設けられている。
このうち、多孔質部41の細孔の内部には、原料ガスがそのまま多孔質部41を通過しないように、例えばPd等の水素透過性金属が充填されている。この水素透過性金属は、原料ガスから水素のみを選択して透過させることによって、原料ガスから水素を分離する金属である。
つまり、図示しないが、多孔質部41の内部は、周知のように、多孔質部41の全周を覆うように、水素透過性金属からなる水素透過膜(水素分離金属層)が形成されている。なお、水素分離体3のセラミック部分を、セラミック支持体4と称する。
また、本実施例1では、水素分離体3の緻密部43の後端側の外周に、緻密部43から径方向(即ち軸方向と垂直の方向)外側に突出するように、フランジ45が形成されている。即ち、水素分離体3の軸方向と垂直の方向に、平面視で円環状で板状のフランジ45が形成されている。
このフランジ45は、緻密部43と一体であるので、緻密部43と同様な緻密な構造を有している。なお、多孔質部41と緻密部43とから、筒状部44が構成されている。
図5に示すように、フランジ45の同図上方の根元には、内側に凸となるように、半径(即ち軸中心に沿った断面における半径)1.0mmのR部47が設けられている。また、そのR部47の径方向の外側のフランジ先端部49は、水素分離体3の後端面51と平行に径方向の外側に伸びる平板状となっている。
なお、水素分離体3の後端面51とフランジ先端部49の後端面51とは同一である。また、例えば、フランジ45の外径はφ42mmであり、そのフランジ先端部49における厚みは5.0mmである。
<シール部材11>
前記シール部材11は、環状の板材を曲げて形成された(平面視で)環状の自己接触式ガスケットである(図6参照)。
つまり、図7に示すように、シール部材11は、一枚の板材をプレス加工により成形したものである。シール部材11は、円環状に形成されており、継ぎ目等がなく、一体的に形成されている。シール部材11は、その中心軸12(図6参照)を含む断面において、複数箇所で屈曲させた板状に形成されている。
なお、シール部材11は押圧されると変形するので、固定前と固定後における寸法は異なるが、例えば、使用時における内径はφ30mm、外径はφ37mm、その厚みは、凸部35(従って段差33)の高さの1.5mmである。
詳しくは、シール部材11は、4つの曲げ部(第1曲げ部11a、第2曲げ部11b、第3曲げ部11c、第4曲げ部11d)を有している。シール部材11は、一方の端部(第1端部11e)から下方内側に延び、第1曲げ部11aを介して上方外側に折り曲げられている。また、第2曲げ部11bを介して内側に折り曲げられている。また、第3曲げ部11cを介して下方に折り曲げられ、さらに、第4曲げ部11dを介して上方外側に折り曲げられ、他方の端部(第2端部11f)につながっている。
なお、シール部材11において、第1端部11eは、第1曲げ部11aと第2曲げ部11bとの間の部分に接触している。第1端部11eからその接触部分までの間には、閉断面が形成されている。また、第1曲げ部11aは、第2端部11fに接触している。第1曲げ部11aとその接触部分(第2端部11f)までの間には、閉断面が形成されている。
また、シール部材11は、自己接触部11Aと、その自己接触部11Aに接触される被接触部11Bとを有している。このシール部材11において、自己接触部11Aは、第2端部11fの先端部分にある。被接触部11Bは、第2曲げ部11bと第3曲げ部11cとの間の部分にある。
自己接触部11Aは、シール部材11が相手部材、ここでは、水素分離体3(詳しくはフランジ45)と金属部材9(詳しくは第1挟持部37)とから、所定圧力値(第1基準圧力値)以上の圧力を受けた場合に、相手部材3、9に接触することなく、被接触部11Bに接触する部分である。被接触部11Bは、シール部材11の挟持方向Xの一方側(上側)において水素分離体3に接触し、他方側(下側)において自己接触部11Aと接触する部分である。
なお、本実施例1では、(押圧されていない)初期状態において、自己接触部11Aは、被接触部11Bに接触しておらず、被接触部11Bとの間に隙間を形成している。
また、シール部材11は、自己接触部11Aとは別の部分に追加接触部11Cを有している。この追加接触部11Cは、第4曲げ部11dにある。追加接触部11Cは、シール部材11が相手部材3、9から所定圧力値(第1基準圧力値)よりも高い圧力値(第2基準圧力値)以上の圧力を受けた場合に、金属部材9に接触する部分である。
b)次に、本実施例の要部である固定機構19について説明する。
前記図5に戻り、固定機構19では、水素分離体3のフランジ45は、同図の上下方向(X方向)より、反応管5の第2挟持部26と(フランジ45と第1挟持部37とに挟まれた)シール部材11と金属部材9の第1挟持部37とによって、押圧して固定される。
これにより、水素分離体3と反応管5と金属部材9とが一体に固定される。
また、第2挟持部26の先端部分(第2挟持先端部28)の下面側(フランジ45側)は、フランジ45のR部47と接触しないように、外側に凸となるように滑らかにカーブしている。
更に、第2挟持部26の根元部分(第2挟持根元部30)の同図下側の表面は、径方向(同図左右方向)に平坦となるように形成されている。また、第2挟持根元部30に向かい合うフランジ先端部49の同図上側の表面も、径方向(同図左右方向)に平坦となるように形成されている。これにより、第2挟持根元部30の下側表面とフランジ先端部49の上側表面とは、全面にわたり密着している。
そして、本実施例1においては、金属部材9を反応管5に嵌めて、ねじ締めしてゆくと、徐々に反応管5の第2挟持部26と金属部材9の第1挟持部37との間が狭くなる。それによって、シール部材11がX方向の両側から押圧させて、ガスシールが完成する。
ここで、シール部材11を押圧する動作について説明する。
上述したねじ締めを行うと、前記図7に示すように、金属部材9の第1挟持部37の上面は、シール部材11の第1曲げ部11aに強く接触する。一方、水素分離体3のフランジ45の下面は、シール部材11の第2曲げ部11bと第3曲げ部11cとの間の部分に強く接触する。
そして、押圧力(締付力)が増加すると、シール部材11は、金属部材9の第1挟持部37と水素分離体3のフランジ45とによって、挟持方向(X方向)に圧縮されて(押し潰されて)変形する。
そして、シール部材11が金属部材9及び水素分離体3から挟持方向に第1基準圧力値以上の圧力を受けると、シール部材11の自己接触部11Aは、被接触部11Bに対して接触(自己接触)する。このとき、被接触部11Bから自己接触部11Aまでの部分において閉断面が形成される。なお、追加接触部11Cは、金属部材9に接触していない。
このように、シール部材11の自己接触部11Aは、被接触部11Bに自己接触することにより、その被接触部11Bを介して水素分離体3を押圧する。すなわち、シール部材11から金属部材9及び水素分離体3への反力が高くなる。言い換えれば、金属部材9及び水素分離体3からシール部材11への圧力(ガスケット面圧)が高くなる。
そして、更に押圧力が増加すると、シール部材11が、金属部材の第1挟持部37及び水素分離体3のフランジ45によって挟持方向にさらに圧縮されて(押し潰されて)変形する。そして、シール部材11が、金属部材9及び水素分離体3から挟持方向に(第1基準圧力値より大きな)第2基準圧力値以上の圧力を受けると、シール部材11の追加接触部11Cは、金属部材9の第1挟持部37の上面に接触する。
このように、シール部材11の追加接触部11Cが金属部材9に接触することにより、金属部材9及び水素分離体3に対する接触箇所を増やすことができる。そして、シール部材11から金属部材9及び水素分離体3への反力がさらに高くなる。言い換えれば、金属部材9及び水素分離体3からシール部材11への圧力(ガスケット面圧)がさらに高くなる。
これにより、上述した固定を行った際に、シール部材11によるガスシールを確実に行うことができる。
c)次に、本実施例1の水素分離装置1の製造方法について簡単に説明する。
まず、水素分離体3の製造方法について説明する。
本実施例1で用いる水素分離体3は、フランジ45を有するセラミック支持体4を有しており、このセラミック支持体4は、例えば周知のプレス成形法により作製した。
詳しくは、図示しないが、まず、平板状の基台上に、フランジ45の形状に対応する段差が付いた筒状のゴム型を配置した枠型を設けた。なお、ゴム型内には、ゴム型の内径に対応した形状の中心ピンが立設されている。
次に、ゴム型と中心ピンとの間隙に、フランジ45及び緻密部43の形成用のセラミック造粒粉を充填し、形成後に、多孔質部41に相当する部分に、多孔質部41形成用のセラミック造粒粉を充填し、その後、加圧して成形した。
次に、その成形体を脱脂及び焼成することにより、緻密質のフランジ45を備えたセラミック支持体4を形成した。
その後、周知の方法で、セラミック支持体4の多孔質部41に水素分離金属層を形成し、水素分離体3を完成した。
なお、フランジ45の表面の研削加工を行い、その厚み方向における平面度を向上させることが望ましい。
次に、水素分離装置1の各部材を組み付ける手順について説明する。
前記図1に示すように、例えば反応管5の内部に水素分離体3を差し込み、そのフランジ45を反応管5の第2挟持部26に当接させる。
なお、反応管5には、予め原料ガス供給部13や原料ガス排出部15を溶接等によって接合しておく。
また、金属部材9の凸部35の外周にシール部材11を嵌めた状態で、金属部材9を反応管5に嵌めて、ねじ締めを行う。
なお、金属部材9には、予め水素ガス排出部17を溶接等によって接合しておく。
これによって、水素分離体3と反応管5と金属部材9とが、シール部材11によってガスシールされた状態で、一体に固定された水素分離装置1が完成する。
d)次に、本実施例1の効果を説明する。
本実施例1の水素分離装置1では、水素分離体3のフランジ45と反応管5の第2挟持部26との間に、ガスシール(気密)するシール部材11を備えており、フランジ45は第1挟持部37と第2挟持部26とによって挟まれて固定される。即ち、フランジ45が第1挟持部37と第2挟持部26と挟まれて軸方向外側より押圧されることによって、水素分離体3と反応管5と金属部材9とが一体に固定される。
これにより、水素分離体3と反応管5と金属部材9とを、容易に一体に固定できるとともに、高いシール性を実現することができる。
また、従来の装置に比べて、装置の部品点数を少なくでき、装置をコンパクトにすることができる。
更に、水素分離体3が大径化した場合(例えば外径φ30mm以上)であっても、また、長尺の部材(例えば軸方向の長さが300mm以上)であっても、高いシール性を確保できるとともに、好適に水素分離体3と反応管5と金属部材9とを一体に固定できる。
また、本実施例1では、フランジ45の根本にR部47が形成されているので、フランジ45の強度が大きく、破損しにくいという効果がある。
しかも、反応管5の第2挟持部26は、フランジ45の根本のR部47に当接しないように形成されているので、フランジ45を挟持する際に、第2挟持部26からフランジ45にかかる押圧力を均一化できる。これにより、水素分離体3と反応管5と金属部材9とを強固に固定することができ、また、フランジ45の破損を抑制することができる。
特に、フランジ45はセラミック製であり、応力負荷による割れやクラックが発生し易いため、第2挟持部26からフランジ45にかかる押圧力を均一化することが重要であり、R部47形成の破損防止効果がより顕著に発揮される。また、金属製の第2挟持部26の(図1の)下方に位置するフランジ45と相対する金属部位(フランジ45と同じ長さ)の熱膨張係数が大きいので、温度上昇時の緩み(押圧力の低下)がより大きくなり、この押圧力の低下幅をより小さくするためには、押圧力の均一化が重要である。本実施例1では、そのような場合でも、第2挟持部26はR部47に当接しないように形成されているので、第2挟持部26がフランジ45を押圧する力が偏りにくく均一化され易い。そのため、大きく温度が変化するような場合でも、確実に水素分離体3を固定できるという利点がある。
更に、本実施例1では、金属部材9の表面のシール部材11を配置する箇所に、シール部材11を位置決めする段差33が形成されているので、シール部材11の位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。また、段差33を形成することにより、組み付け時にシール部材11が変形する際に、シール部材11が段差33に接触する場合には、一部変形が制限されることにより、シール部材11の反力を高め、シール性を高める効果もある。
また、本実施例1では、反応管5と金属部材9とは、ネジにより固定されているので、水素分離装置1の組み立てが容易である。
しかも、本実施例1では、シール部材11は、環状の自己接触ガスケットであるので、高温や低温での使用時において、2つの相手部材37、26の熱膨張係数差に起因するガスケットの緩み(ガスケットの面圧の低下)を抑制できる。
その結果、どのような温度環境においても、熱膨張係数の異なる2つの相手部材37、26間のシール性(気密性)を、十分に確保でき、リークパス等の不具合の発生を抑制できる。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例2は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
図8に示すように、本実施例2の水素分離装置101では、前記実施例1とほぼ同様に、(実施例1と同様な)水素分離体103のフランジ105を、反応管107の第2挟持部109と金属部材111の第1挟持部113とで押圧して挟持している。
以下、各構成について説明する。
本実施例2では、第2挟持部109は、前記実施例1と同様に、内側に環状に突出するフランジであるが、その第2挟持部109には、複数の(ガスの通過が可能な)第1貫通孔115が形成されている。
また、金属部材111の第1挟持部113の表面(図8の上面:フランジ105側の表面)には、図9に示すように、環状の溝117が形成されている。
なお、溝117より外側(径方向外側)には、第1挟持部113を板厚方向に貫く第2貫通孔119が形成されている。この第2貫通孔119と一部の第1貫通孔115とは、軸方向において同じ位置に配置されている。
更に、環状の溝117には、前記実施例1と同様なシール部材121(図8参照)が嵌め込まれて配置されている。
本実施例2においては、図示しないボルトを、第2貫通孔119と(第2貫通孔119に対向する)一部の第1貫通孔115とに通して、ナットで締め付けることによって、水素分離体103と反応管107と金属部材111とを一体に固定する。
なお、本実施例2では、反応管107の第2挟持部109の第1貫通孔115のうち、固定用のボルトが挿通されない第1貫通孔115から、残余の原料ガスを外部に取り出すことができる。
本実施例2においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、設計の自由度が高くなるという利点がある。また、別途外部取り出し用の配管を設置する必要が無くなり、コンパクト化及び部品点数の削減ができる。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例3は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
図10(a)に示すように、本実施例3の水素分離装置131は、前記実施例1と同様に、水素分離体133のフランジ135を、反応管137の第2挟持部139と金属部材141の第1挟持部143とを挟持して固定している。
また、シール部材145も、実施例1と同様に、フランジ135と第1挟持部145との間に配置されている。
特に本実施例3では、第2挟持部139の先端は滑らかにカーブしておらず、単に(平面視で円環状の)平板の板材から構成されている。
なお、第2挟持部139の内径は、R部147と接触しないような寸法に設定されている。
本実施例3においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、構成をより簡易化できるという利点がある。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例3と同様な内容の説明は省略する。
本実施例4は、基本的に前記実施例3と同様であるが、固定機構が前記実施例3とは異なる。
図10(b)に示すように、本実施例4の水素分離装置151は、前記実施例3とは、反応管152の第2挟持部153の形状が異なる。
つまり、本実施例4では、第2挟持部153の先端の下面側が斜め直線上にカットされている。
また、本実施例4では、反応管152と金属部材154とには、例えば溶接によって接合されている。つまり、実施例1のようなネジ部は設けられておらず、反応管152の下部と金属部材154の外周部分とが接合されている。
なお、反応管152と金属部材154を接合する場合には、シール部材155及び水素分離体156のフランジ157を挟んで、反応管152の第2挟持部153と金属部材154の第1挟持部158とを軸方向に沿って内側(フランジ側)に押圧した状態で、接合を行う。
本実施例4においても、前記実施例3と同様な効果を奏する。
次に、実施例5について説明するが、前記実施例3と同様な内容の説明は省略する。
本実施例5は、基本的に前記実施例3と同様であるが、固定機構が前記実施例3とは異なる。
図10(c)に示すように、本実施例5の水素分離装置161は、前記実施例3とは、水素分離体163のフランジ165の根本部分の形状が異なる。
つまり、本実施例5では、フランジ165に実施例3のようなR部が形成されていない。
本実施例5においても、前記実施例3と同様な効果を奏するとともに、構成をより簡易化できるという利点がある。
また、フランジ165にはR部がないので、反応管167の第2挟持部169の径方向の長さを大きくとることができる。それにより、フランジ165との接触面積(従って押圧面)を広くすることができるので、より確実に固定することができる。
次に、実施例6について説明するが、前記実施例5と同様な内容の説明は省略する。
本実施例6は、基本的に前記実施例5と同様であるが、固定機構が前記実施例5とは異なる。
図10(d)に示すように、本実施例6の水素分離装置171は、前記実施例5とは、水素分離体173のフランジ175の根本部分の形状が異なる。
つまり、本実施例6では、筒状部177のフランジ175が張り出す根本部分に、反応管179の第2挟持部181の先端が当たらないように、径方向内側に凹む(平面視で環状の)凹部185が形成されている。
本実施例6においても、前記実施例5と同様な効果を奏するとともに、反応管179の第2挟持部181の径方向の長さをより大きくとることができる。それにより、フランジ175との接触面積(従って押圧面)をより広くすることができるので、より一層確実に固定することができる。
次に、実施例7について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例7は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
図11(a)に示すように、本実施例7の水素分離装置191は、前記実施例1とは、反応管193の構成が異なる。
つまり、本実施例7では、反応管193は、同図上方の上部反応管195と下方の下部反応管197とが、同軸に配置されて一体に接合されたものである。なお、上部反応管195の下部の内側凹部195aに、下部反応管197の上部の外側角部197aが嵌合している。
このうち、上部反応管195は、実施例1の反応管の上部(第2挟持部より上部)と、基本的に同様な構成である。
一方、下部反応管197は、筒状の部材であり、その上部には、実施例3と同様な(平面視で環状の)板状の第2挟持部199が形成されている。なお、その下部の内周面には、実施例1と同様なネジ部201が形成されている。
本実施例7においても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例8について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例8は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
図11(b)に示すように、本実施例8の水素分離装置211では、反応管213の第2挟持部215は、実施例1のような板状のフランジではなく、内周側に突出する凸部である。
本実施例8においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、加工が容易であるという利点がある。
次に、実施例9について説明するが、前記実施例8と同様な内容の説明は省略する。
本実施例9は、基本的に前記実施例8と同様であるが、固定機構が前記実施例8とは異なる。
図11(c)に示すように、本実施例9の水素分離装置221では、反応管223の第2挟持部225と水素分離体227のフランジ229との間に、中間部材231を備えている。
この中間部材231は、例えばステンレス等の金属からなり、平面視で環状の平板である。中間部材231は、第2挟持部225の下面と筒状部233の内周面とに当接することにより位置決めされている。
なお、本実施例9では、前記実施例2と同様に、金属部材235の上面に、環状の溝237が形成されており、この溝237にシール部材239が配置されている。
本実施例9においても、前記実施例8と同様な効果を奏するとともに、中間部材231として、各種の材料や寸法を選択できるので、設計の自由度が向上するという利点がある。
また、このように中間部材231を設置することにより、シール部材239に荷重が負荷される位置を制御し、均一に荷重負荷でき、シール部材239の性能を十分に発揮させることができる。同時に、フランジ(特にセラミックフランジ)229への荷重の偏りを制御でき、フランジ229の破損を防ぐこともできる。
更には、中間部材231の熱膨張係数を制御することにより、例えば高熱膨張係数の部材を適用し、昇温時の緩み量を緩和する等の効果も期待できる。
また、第1挟持部226と反応管223とにネジ切りし、螺合により一体とする場合、中間部材231を用いることにより、螺合時に中間部材231とフランジ229との間で滑ることにより、フランジ229の回転を抑制でき、フランジ229とともにシール部材239が回転することを抑制できる。
このシール部材239が回転すると、シール部材239が接触している(回転しない)相手部材によりシール部材239に傷が生じ、リークパスを生じてシール性が低下することがある。このため、中間部材231を用いることによって、シール性を確保できる。なお、中間部材231の潤滑性を向上させる表面処理を行うことにより、よりその効果を高めることもできる。
次に、実施例10について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例10は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例8とは異なる。
図11(d)に示すように、本実施例10の水素分離装置241では、反応管243の第2挟持部245と水素分離体247のフランジ249との間に、シール部材251を備えている。
従って、水素分離体247のフランジ249と金属部材253の第1挟持部255との間には、シール部材251は配置されておらず、フランジ249の下面と第1挟持部255の上面とが密着している。
なお、第2挟持部245の下面には、平面視で(前記実施例2のような)環状の溝257が形成されており、この溝257にシール部材251が配置されている。
なお、ここでは、フランジ249にR部が形成されていないが、R部を形成してもよい。
本実施例10においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、設計の自由度が向上するという利点がある。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、シール部材は、フランジと第1挟持部との間だけ、又は、フランジと第2挟持部との間だけに備えていてもよいが、その両方に備えていても良い。
例えば図11(d)に示す実施例10のシール部材の配置構成(フランジと第2挟持部との間にシール部材を配置する構成)に加え、更に、他の実施例1〜9におけるシール部材の配置構成(フランジと第1挟持部との間にシール部材を配置する構成)を備えていてもよい。
(2)また、上述した実施例等の構成に加えて、シール部材の挟持方向(X方向)における一方の側又は他方の側に、他の板材等の部材を配置しても良い。
同様に、フランジと第1挟持部との間、又は、フランジと第2挟持部との間、或いは、その両方の間に、上述した実施例等の構成に加えて、他の板材等の部材(例えば中間部材)を配置しても良い。
(3)なお、各実施例の構成は、適宜、他の実施例に適用することができる。
1、101、131、151、161、171、191、211、221、241…水素分離装置
3、103、133、156、163、173、227、247…水素分離体
5、107、137、152、167、193、213、223、243…反応管
9、111、141、154、235、253…金属部材
11、121、145、155、239、251…シール部材
19…固定機構
26、109、139、153、181、199、215、225、245…第2挟持部
33…段差
37、113、143、158、226、255…第1挟持部
44、177…筒状部
45、105、135、157、165、175、249…フランジ
47、147…R部
231…中間部材
117、237、257…溝、
115、119…貫通孔

Claims (8)

  1. 原料の流体から所定の流体を分離するセラミックを主体とする流体分離体と、
    前記流体分離体を収容する金属製の反応管と、
    前記流体分離体の開口端側にて、前記開口端を覆うように配置された金属部材と、
    を備えた流体分離装置であって、
    前記流体分離体は、筒状部と、該筒状部の軸方向における一端にて径方向外側に張り出すフランジとを備え、
    前記金属部材は、前記フランジと対向するように設けられた第1挟持部を備え、
    前記反応管は、前記流体分離体側に張り出す第2挟持部を備え、
    更に、前記フランジと前記第1挟持部との間、又は、前記フランジと前記第2挟持部との間に、シール部材を備え、
    前記フランジは前記第1挟持部と前記第2挟持部とで挟まれることを特徴とする流体分離装置。
  2. 前記流体分離体の前記筒状部から張り出す前記フランジの根元のうち、前記第2挟持部側の根元に、R部が形成されているとともに、
    前記第2挟持部は、前記R部に当接しないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体分離装置。
  3. 前記流体分離体の前記フランジの前記第1挟持部側の表面又は前記第2挟持部側の表面、前記金属部材の前記第1挟持部の前記フランジ側の表面、又は、前記反応管の前記第2挟持部の前記フランジ側の表面に、前記シール部材を位置決めする溝又は段差が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体分離装置。
  4. 前記反応管と前記金属部材とは、ネジ又は溶接により一体に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体分離装置。
  5. 前記シール部材は環状の自己接触ガスケットであり、
    前記シール部材の中心軸を含む断面において、被接触部と、前記シール部材に接触することなく前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、
    前記被接触部は、前記挟む方向の一方側において前記シール部材を挟む部材のいずれか一方と接触し、他方の側において前記自己接触部と接触することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体分離装置。
  6. 前記フランジと前記第1挟持部との間及び前記フランジと前記第2挟持部との間の少なくとも一方に、中間部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体分離装置。
  7. 前記第1挟持部及び前記第2挟持部の少なくとも一方は、フランジであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体分離装置。
  8. 前記反応管の前記第2挟持部に、貫通孔を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体分離装置。
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