JP2016022426A - 流体分離装置 - Google Patents
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Abstract
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また、上述したガスを分離する技術としては、例えば、貫通孔を有する筒状基体の表面にガス分離膜を形成してガス分離体を作製し、そのガス分離体を用いたガス分離装置が開示されている(特許文献1参照)。
また、近年では、装置に使用される水素分離体等の筒状の部材が大径化する傾向にあるが、このような筒状の部材を安定して固定することが容易ではなかった。
また、従来の装置に比べて、装置の部品点数を少なくでき、装置をコンパクトにすることができる。
(2)本発明の第2態様の流体分離装置では、前記流体分離体の前記筒状部から張り出す前記フランジの根元のうち、前記第2挟持部側の根元に、R部が形成されているとともに、前記第2挟持部は、前記R部に当接しないように形成されている。
しかも、反応管の第2挟持部は、フランジの根本のR部に(使用中等においても)当接しないように形成されているので、フランジを挟持する際に、第2挟持部からフランジにかかる押圧力を均一化できる。これにより、流体分離体と反応管等を強固に固定することができ、また、フランジの破損を抑制することができる。
また、溝や段差を形成することにより、組み付け時にシール部材が変形する際に、シール部材が溝や段差に接触して一部変形が制限されることにより、シール部材の反力を高め、シール性を高める効果もある。
本第4態様は、反応管と金属部材との固定方法を例示したものである。
(5)本発明の第5態様の流体分離装置では、前記シール部材は環状の自己接触ガスケットであり、前記シール部材の中心軸を含む断面において、被接触部と、前記シール部材を挟む部材に接触することなく前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、前記被接触部は、前記挟む方向の一方側において前記シール部材を挟む部材のいずれか一方と接触し、他方の側において前記自己接触部と接触する。
この自己接触ガスケットは、上述した固定の際に押圧されて、被接触部に自己接触することにより、その被接触部を介してシール部材を挟む部材(即ちガスケットや第1、第2挟持部である相手部材)に対して圧力を付与することができる。即ち、相手部材に対して反力を高めることができる。言い換えれば、ガスケットに対する圧力(ガスケット面圧)を高めることができる。
その結果、どのような温度環境においても(例えば600℃の温度環境)、熱膨張係数の異なる2つの相手部材間のシール性(気密性)を、2つの相手部材間に介在させたガスケットによって十分に確保でき、リークパス等の不具合の発生を抑制できる。
(6)本発明の第6態様の流体分離装置では、前記フランジと前記第1挟持部との間及び前記フランジと前記第2挟持部との間の少なくとも一方に、中間部材を備えている。
つまり、例えば、フランジと第1挟持部とを直接に接触させるのではなく、その間に中間部材を配置することができる。この場合、シール部材は、例えば、フランジと第2挟持部との間に配置しても良いが、フランジと中間部材との間又は中間部材と第1挟持部との間に配置してもよい。
本第7態様は、第1挟持部と第2挟持部との構成を例示したものである。
(8)本発明の第8態様の流体分離装置では、前記反応管の前記第2挟持部に、貫通孔を有する。
[1]まず、上述した本発明の流体分離装置の各構成について説明する。
<流体分離装置>
原料及び分離後の流体としては、気体(ガス)又は液体が挙げられる。
気体分離装置としては、例えば、原料の天然ガス、メチルシクロヘキサン、アンモニア等の気体から水素の気体を分離する水素分離装置や、原料の空気等の気体から酸素を分離する酸素分離装置などが挙げられる。
流体分離体としては、筒状部が延びる長手方向(例えば軸方向)の一端が閉塞されているものや、両端部に開口端が設けられているものを採用できる。また、筒状部の形状としては、円筒形状、角筒形状が挙げられる。なお、軸方向に垂直の断面形状としては、円筒の場合は真円や楕円等の円形、角筒の場合は正方形や長方形やその他の多角形が挙げられる。
例えば、セラミック支持体上に形成する膜により、分離する気体を種々変えることができる。具体的には、水素透過性の金属膜や水素のみが透過可能な細孔孔に制御したシリカ膜を形成することにより、水素を分離できる。同様に、酸素のみを透過可能な酸素分離膜を形成することによって酸素分離、二酸化炭素のみを透過可能な二酸化炭素分離膜を形成することによって二酸化炭素分離、水や有機溶剤のみを透過可能な膜を形成することによって水分離や溶剤分離等を行うことができる。
例えば、流体分離体が、天然ガス等の原料ガスから水素を分離する水素分離体である場合には、上述したように、水素透過性の金属膜(以下水素分離金属層と記す)とそれを支持する支持体の構成を採用できる
支持体の材料としては、セラミックスが挙げられ、支持体の構造としては、一部又は全体が多孔質セラミックスからなる構造を採用できる。
シール部材としては、例えば、環状の板材を曲げて形成された環状の自己接触ガスケット以外に、周知の各種の環状のガスケットを使用できる。ガスケットの材料としては、周知のステンレス等の各種の金属やゴム等を採用できる。
<反応管>
反応管の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属が挙げられる。また、反応管の形状としては、長手方向の垂直の断面が円形や角形等の各種の筒状部材が挙げられる。
<金属部材>
金属部材の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属が挙げられる。また、金属部材の形状としては、反応管の開口端を塞ぐような広がりを有する例えば円盤や角形の板材等が挙げられる。
<中間部材>
中間部材の材料としては、例えばSUS316、SUS316L等のステンレスなどのような各種の金属などが挙げられる。また、中間部材の形状としては、環状の板材等が挙げられる。
この固定方法としては、ネジ又は溶接以外に、例えば、圧入、カシメ、リベット、焼嵌めでも可能である。なお、溶接としては、例えば抵抗溶接の他に、レーザーや電子ビームなどを利用した各種の方法を採用できる。
a)まず、本実施例1の水素分離装置の概略構成について説明する。
なお、後述するように、水素分離体3は、反応管5とシール部材11と金属部材9によってシールされるとともに固定されるが、この固定のための構成を固定機構19と称する。
<反応管5>
前記反応管5は、例えばSUS316、SUS316L等からなる円筒形状の容器であり、その内部には、前記水素分離体3が同軸に配置されている。つまり、水素分離体3の先端側(図1上方)及び側方の周囲を覆うように反応管5が配置されている。
詳しくは、反応管5は、水素分離体3の側方を覆う筒状部21と、その先端側を覆う円板状の先端部23とを有しており、筒状部21の後端側(図1下方)の内周面には、金属部材9と螺合するネジ部25が設けられている。
<金属部材9>
前記金属部材9は、例えばSUS316、SUS316L等からなる円板形状の部材である。なお、例えば、金属部材9の厚みは20mm、外径はφ45mmである。
つまり、図3に示すように、金属部材9の外周にはネジ部29が設けられており、このネジ部29を反応管5のネジ部25にねじ込むことによって、金属部材9を反応管5に固定する。
また、金属部材9の後端側の表面には、金属部材9をねじ込む際に使用される複数の凹部31が形成されている。
<水素分離体3>
前記水素分離体3は、図4に示す様に、内径φ26mm×外径φ30mm(フランジ45以外の部分)×長さ350mmの試験管形状の部材である。
図5に示すように、フランジ45の同図上方の根元には、内側に凸となるように、半径(即ち軸中心に沿った断面における半径)1.0mmのR部47が設けられている。また、そのR部47の径方向の外側のフランジ先端部49は、水素分離体3の後端面51と平行に径方向の外側に伸びる平板状となっている。
前記シール部材11は、環状の板材を曲げて形成された(平面視で)環状の自己接触式ガスケットである(図6参照)。
また、シール部材11は、自己接触部11Aとは別の部分に追加接触部11Cを有している。この追加接触部11Cは、第4曲げ部11dにある。追加接触部11Cは、シール部材11が相手部材3、9から所定圧力値(第1基準圧力値)よりも高い圧力値(第2基準圧力値)以上の圧力を受けた場合に、金属部材9に接触する部分である。
前記図5に戻り、固定機構19では、水素分離体3のフランジ45は、同図の上下方向(X方向)より、反応管5の第2挟持部26と(フランジ45と第1挟持部37とに挟まれた)シール部材11と金属部材9の第1挟持部37とによって、押圧して固定される。
また、第2挟持部26の先端部分(第2挟持先端部28)の下面側(フランジ45側)は、フランジ45のR部47と接触しないように、外側に凸となるように滑らかにカーブしている。
上述したねじ締めを行うと、前記図7に示すように、金属部材9の第1挟持部37の上面は、シール部材11の第1曲げ部11aに強く接触する。一方、水素分離体3のフランジ45の下面は、シール部材11の第2曲げ部11bと第3曲げ部11cとの間の部分に強く接触する。
c)次に、本実施例1の水素分離装置1の製造方法について簡単に説明する。
本実施例1で用いる水素分離体3は、フランジ45を有するセラミック支持体4を有しており、このセラミック支持体4は、例えば周知のプレス成形法により作製した。
その後、周知の方法で、セラミック支持体4の多孔質部41に水素分離金属層を形成し、水素分離体3を完成した。
次に、水素分離装置1の各部材を組み付ける手順について説明する。
なお、反応管5には、予め原料ガス供給部13や原料ガス排出部15を溶接等によって接合しておく。
なお、金属部材9には、予め水素ガス排出部17を溶接等によって接合しておく。
d)次に、本実施例1の効果を説明する。
また、従来の装置に比べて、装置の部品点数を少なくでき、装置をコンパクトにすることができる。
しかも、反応管5の第2挟持部26は、フランジ45の根本のR部47に当接しないように形成されているので、フランジ45を挟持する際に、第2挟持部26からフランジ45にかかる押圧力を均一化できる。これにより、水素分離体3と反応管5と金属部材9とを強固に固定することができ、また、フランジ45の破損を抑制することができる。
しかも、本実施例1では、シール部材11は、環状の自己接触ガスケットであるので、高温や低温での使用時において、2つの相手部材37、26の熱膨張係数差に起因するガスケットの緩み(ガスケットの面圧の低下)を抑制できる。
本実施例2は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
本実施例2では、第2挟持部109は、前記実施例1と同様に、内側に環状に突出するフランジであるが、その第2挟持部109には、複数の(ガスの通過が可能な)第1貫通孔115が形成されている。
なお、溝117より外側(径方向外側)には、第1挟持部113を板厚方向に貫く第2貫通孔119が形成されている。この第2貫通孔119と一部の第1貫通孔115とは、軸方向において同じ位置に配置されている。
本実施例2においては、図示しないボルトを、第2貫通孔119と(第2貫通孔119に対向する)一部の第1貫通孔115とに通して、ナットで締め付けることによって、水素分離体103と反応管107と金属部材111とを一体に固定する。
本実施例3は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
特に本実施例3では、第2挟持部139の先端は滑らかにカーブしておらず、単に(平面視で円環状の)平板の板材から構成されている。
本実施例3においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、構成をより簡易化できるという利点がある。
本実施例4は、基本的に前記実施例3と同様であるが、固定機構が前記実施例3とは異なる。
つまり、本実施例4では、第2挟持部153の先端の下面側が斜め直線上にカットされている。
本実施例5は、基本的に前記実施例3と同様であるが、固定機構が前記実施例3とは異なる。
つまり、本実施例5では、フランジ165に実施例3のようなR部が形成されていない。
また、フランジ165にはR部がないので、反応管167の第2挟持部169の径方向の長さを大きくとることができる。それにより、フランジ165との接触面積(従って押圧面)を広くすることができるので、より確実に固定することができる。
本実施例6は、基本的に前記実施例5と同様であるが、固定機構が前記実施例5とは異なる。
つまり、本実施例6では、筒状部177のフランジ175が張り出す根本部分に、反応管179の第2挟持部181の先端が当たらないように、径方向内側に凹む(平面視で環状の)凹部185が形成されている。
本実施例7は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
つまり、本実施例7では、反応管193は、同図上方の上部反応管195と下方の下部反応管197とが、同軸に配置されて一体に接合されたものである。なお、上部反応管195の下部の内側凹部195aに、下部反応管197の上部の外側角部197aが嵌合している。
一方、下部反応管197は、筒状の部材であり、その上部には、実施例3と同様な(平面視で環状の)板状の第2挟持部199が形成されている。なお、その下部の内周面には、実施例1と同様なネジ部201が形成されている。
本実施例8は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例1とは異なる。
本実施例9は、基本的に前記実施例8と同様であるが、固定機構が前記実施例8とは異なる。
本実施例9においても、前記実施例8と同様な効果を奏するとともに、中間部材231として、各種の材料や寸法を選択できるので、設計の自由度が向上するという利点がある。
また、第1挟持部226と反応管223とにネジ切りし、螺合により一体とする場合、中間部材231を用いることにより、螺合時に中間部材231とフランジ229との間で滑ることにより、フランジ229の回転を抑制でき、フランジ229とともにシール部材239が回転することを抑制できる。
本実施例10は、基本的に前記実施例1と同様であるが、固定機構が前記実施例8とは異なる。
なお、ここでは、フランジ249にR部が形成されていないが、R部を形成してもよい。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば図11(d)に示す実施例10のシール部材の配置構成(フランジと第2挟持部との間にシール部材を配置する構成)に加え、更に、他の実施例1〜9におけるシール部材の配置構成(フランジと第1挟持部との間にシール部材を配置する構成)を備えていてもよい。
同様に、フランジと第1挟持部との間、又は、フランジと第2挟持部との間、或いは、その両方の間に、上述した実施例等の構成に加えて、他の板材等の部材(例えば中間部材)を配置しても良い。
3、103、133、156、163、173、227、247…水素分離体
5、107、137、152、167、193、213、223、243…反応管
9、111、141、154、235、253…金属部材
11、121、145、155、239、251…シール部材
19…固定機構
26、109、139、153、181、199、215、225、245…第2挟持部
33…段差
37、113、143、158、226、255…第1挟持部
44、177…筒状部
45、105、135、157、165、175、249…フランジ
47、147…R部
231…中間部材
117、237、257…溝、
115、119…貫通孔
Claims (8)
- 原料の流体から所定の流体を分離するセラミックを主体とする流体分離体と、
前記流体分離体を収容する金属製の反応管と、
前記流体分離体の開口端側にて、前記開口端を覆うように配置された金属部材と、
を備えた流体分離装置であって、
前記流体分離体は、筒状部と、該筒状部の軸方向における一端にて径方向外側に張り出すフランジとを備え、
前記金属部材は、前記フランジと対向するように設けられた第1挟持部を備え、
前記反応管は、前記流体分離体側に張り出す第2挟持部を備え、
更に、前記フランジと前記第1挟持部との間、又は、前記フランジと前記第2挟持部との間に、シール部材を備え、
前記フランジは前記第1挟持部と前記第2挟持部とで挟まれることを特徴とする流体分離装置。 - 前記流体分離体の前記筒状部から張り出す前記フランジの根元のうち、前記第2挟持部側の根元に、R部が形成されているとともに、
前記第2挟持部は、前記R部に当接しないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体分離装置。 - 前記流体分離体の前記フランジの前記第1挟持部側の表面又は前記第2挟持部側の表面、前記金属部材の前記第1挟持部の前記フランジ側の表面、又は、前記反応管の前記第2挟持部の前記フランジ側の表面に、前記シール部材を位置決めする溝又は段差が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体分離装置。
- 前記反応管と前記金属部材とは、ネジ又は溶接により一体に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体分離装置。
- 前記シール部材は環状の自己接触ガスケットであり、
前記シール部材の中心軸を含む断面において、被接触部と、前記シール部材に接触することなく前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、
前記被接触部は、前記挟む方向の一方側において前記シール部材を挟む部材のいずれか一方と接触し、他方の側において前記自己接触部と接触することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体分離装置。 - 前記フランジと前記第1挟持部との間及び前記フランジと前記第2挟持部との間の少なくとも一方に、中間部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体分離装置。
- 前記第1挟持部及び前記第2挟持部の少なくとも一方は、フランジであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体分離装置。
- 前記反応管の前記第2挟持部に、貫通孔を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体分離装置。
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