JP2016112531A - 結合体 - Google Patents

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孝哉 吉川
Takaya Yoshikawa
孝哉 吉川
道信 伊藤
Michinobu Ito
道信 伊藤
伊藤 正也
Masaya Ito
正也 伊藤
英昭 彦坂
Hideaki Hikosaka
英昭 彦坂
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Abstract

【課題】コンパクトにすることができるとともに、高いシール性を確保できる結合体を提供すること。【解決手段】結合体9は、筒状の第1結合部材23と筒状の第2結合部材25とが結合され、両結合部材23、25の貫通孔によって内部流路21が形成されている。また、第1結合部材23の雌ネジと第2結合部材25の雄ネジとが係合(螺合)することによって、第1結合部材23と第2結合部材25とが結合されている。更に、第1結合部材23と第2結合部材25との軸方向における間隙28には、第2結合部材25の先端部39の外周側を囲むように環状のシール部材19が配置されている。しかも、第1結合部材23の熱膨張係数は、第2結合部材25及びシール部材19の熱膨張係数より小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、原料ガスから水素ガスを選択して分離することにより純度の高い水素ガスを得ることができる水素分離装置や、酸素分離装置、二酸化炭素分離装置、水(水蒸気)フィルタ、油フィルタ等のように、原料の流体(例えば気体又は液体)から所定の流体(例えば気体又は液体)を分離することができる流体分離装置などに適用できる結合体に関する。また、本発明は、化学反応と分離を伴う、固体酸化物形燃料電池や鉄空気電池などにも適用される。
従来、例えば、燃料電池に供給する水素を製造するために、水蒸気改質ガス等の水素を含むガスから水素のみを選択的に取り出す水素分離体が開発されており、この水素分離体を反応器に収容した各種の水素分離装置が開発されている。
水素分離体は、例えば、円筒状のセラミック製の多孔質基体の表面などに、パラジウム(Pd)等からなる水素透過膜(以下水素分離金属層と記す)を形成したものである。
また、上述したガスを分離する技術としては、例えば、貫通孔を有する筒状基体の表面にガス分離膜を形成してガス分離体を作製し、そのガス分離体を用いたガス分離装置が開示されている(特許文献1参照)。
このガス分離装置では、ガス分離体の一方の開口端部に、蓋状金属部材がシール部材を介して圧縮固定され、他方の開口端部に、環状金属部材がシール部材を介して圧縮固定されている。また、蓋状金属部材は、一方のグランドパッキンに対して、筒状基体の軸方向に締付圧力を付与する蓋状若しくは環状パッキン押さえと、一方のグランドパッキンの移動を抑制する下部環状若しくは下部蓋状ストッパーにより構成されている。更に、環状金属部材は、他方のグランドパッキンに対して、筒状基体の軸方向に締付圧力を付与する環状パッキン押さえと、他方のグランドパッキンの移動を抑制する上部環状ストッパーにより構成されている。
特開2003−126662号公報
しかしながら、上述した従来技術では、装置の部品点数が多く、且つガス分離体に比して固定構造体部分の外径が大きく、装置をコンパクトにすることが容易ではなかった。
また、この種の流体を分離する装置では、高いシール性(気密性や水密性)が求められるが、一層の改善が求められていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、装置をコンパクトにすることができるとともに、高いシール性を確保できる結合体を提供することにある。
(1)本発明の第1態様の結合体は、筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、前記両結合部材の貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されるとともに、前記内部流路に、200℃以上の温度の流体が流れることがある筒状の結合体において、前記第1結合部材に雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材に雄ネジが形成され、前記雌ネジと前記雄ネジとの係合によって前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合されており、前記第1結合部材と前記第2結合部材との間の一部にて軸方向に間隙を有し、該間隙には前記第2結合部材の前記貫通孔を有する部分の外周側を囲むように環状のシール部材が配置され、更に、前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材及び前記シール部材の熱膨張係数より小さいことを特徴とする。
本第1態様の結合体は、筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、両結合部材の(筒の内側に形成される)貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されており、この内部流路には、200℃以上の温度の流体が流れることがあるものである。つまり、結合体は、例えば、常温(例えば25℃)だけでなく、200℃以上の高温の状態で使用されることがある。
また、本第1態様では、第1結合部材の雌ネジと第2結合部材の雄ネジとが係合(ネジ結合:螺合)することによって、第1結合部材と第2結合部材とが結合されている。また、第1結合部材と第2結合部材との間の一部にて軸方向に間隙を有しており、この間隙には、第2結合部材の貫通孔(従って内部流路)を有する部分の外周側を囲むように環状のシール部材が配置されている。
この構成によって、第1結合部材と第2結合部材とが結合した結合体をコンパクトにできる。また、この結合体を用いた各種の装置(例えば流体分離装置)の部品点数を少なく、しかも、流体分離部が形成された第1結合部材の外径よりも大きくなることがなく、装置全体をコンパクトにすることができる。
更に、本第1態様では、第1結合部材の熱膨張係数は、第2結合部材及びシール部材の熱膨張係数より小さい。そのため、内部流路に200℃以上の高温の流体が流れ、それによって、シール性に関係するのは第2結合部材の軸方向の熱膨張の伸びとシール部材の熱膨張の伸びのみとなり、第1結合部材の影響を受けないため、シール性が高いという顕著な効果がある。
さらに、仮に、例えば、第1結合部材及び第2結合部材の熱膨張係数が、シール部材の熱膨張係数より小さい場合には、温度が上昇した際に、シール部材が膨張しようとしても、第1結合部材と第2結合部材との間隙の寸法の変化(間隔が広くなる変化)は少ないので、シール部材が塑性変形してしまうことがある。この場合、温度が低下すると、シール部材は小さくなるが、塑性変形によって形状が変化しているので、シール性が低下する恐れがある。
それに対して、本第1態様では、温度が上昇した際に、シール部材が膨張したときには、第1結合部材と(第1結合部材より熱膨張係数の大きな)第2結合部材との間隙も広がるので、シール部材が塑性変形しにくい。よって、温度が低下して、シール部材が小さくなっても、高いシール性を確保することができる。
このように、本第1態様では、従来に比べて、結合体をコンパクトにできるとともに、温度変化があった場合でも、高いシール性(気密性、水密性)を確保できるという顕著な効果を奏する。
なお、第1結合部材と第2結合部材とは軸方向を揃えて結合することができる。特に、両部材は同軸に結合されていることが望ましいが、実質的に同軸であれば好適である。例えば、本発明の効果を損なわない範囲において、両部材が平行で且つ各軸中心が多少ずれていてもよい。そのずれの範囲としては、例えば、第1結合部材の最大径部における最低肉厚(即ち最大径部において第2結合部材がネジ結合している部分の最低肉厚)が、第1結合部材のねじ谷とねじ山の寸法差の3倍以上が望ましい。このことは、下記の第3態様も同様である。
(2)本発明の第2態様の結合体では、前記第1結合部材の貫通孔に、前記第2結合部材の一端が嵌められ、前記第1結合部材の貫通孔の内周面に前記雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材の一端の外周面に前記雄ネジが形成されている。
この構成により、例えば第1結合部材の貫通孔に、第2結合部材の一端をネジ込むことにより、容易に結合体を形成できる。また、この構成により、内径の大きな内部流路を形成することが可能になる。
(3)本発明の第3態様の結合体は、筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、前記両結合部材の貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されるとともに、前記内部流路に、200℃以上の温度の流体が流れることがある筒状の結合体において、前記第1結合部材又は該第1結合部材に係合する中間部材に雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材に雄ネジを備えたネジ部材が配置され、且つ、前記ネジ部材は前記第2結合部材を軸方向に貫通するとともに該第2結合部材と係合するように配置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの係合によって前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合されており、前記第1結合部材と前記第2結合部材との軸方向における間隙に、前記内部流路の外周側を囲むように環状のシール部材が配置され、更に、前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記ネジ部材及び前記シール部材の熱膨張係数より小さいことを特徴とする。
本第3態様の結合体は、筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、両結合部材の(筒の内側に形成される)貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されており、この内部流路には、200℃以上の温度の流体が流れることがあるものである。つまり、結合体は、例えば、常温(例えば25℃)だけでなく、200℃以上の高温の状態で使用されることがある。
また、本第3態様では、第1結合部材又は第1結合部材に係合する中間部材に雌ネジが形成されるとともに、第2結合部材に雄ネジを備えたネジ部材が配置されており、このネジ部材は第2結合部材を軸方向に貫通するとともに第2結合部材と係合するように配置されている。そして、雌ネジと雄ネジとが係合(ネジ結合:螺合)することによって、第1結合部材と第2結合部材とが結合されている。更に、第1結合部材と第2結合部材との軸方向における間隙に、内部流路の外周側を囲むように環状のシール部材が配置されている。
この構成によって、第1結合部材と第2結合部材とが結合した結合体をコンパクトにできる。また、この結合体を用いた各種の装置(例えば流体分離装置)の部品点数を少なくして、装置全体をコンパクトにすることができる。
更に、本第3態様では、第1結合部材の熱膨張係数は、ネジ部材及びシール部材の熱膨張係数より小さいので、内部流路に200℃以上の高温の流体が流れ、それによって、第1結合部材、第2結合部材、シール部材、ネジ部材の温度が(例えば常温より)上昇した場合でも、シール部材の変形が少ないという効果がある。
仮に、例えば、第1結合部材及びネジ部材の熱膨張係数が、シール部材の熱膨張係数より小さい場合には、温度が上昇した際に、シール部材が膨張しようとしても、第1結合部材と第2結合部材との間隙の寸法の変化(間隔が広くなる変化)は少ないので、シール部材が塑性変形してしまうことがある。この場合、温度が低下すると、シール部材は小さくなるが、塑性変形によって形状が変化しているので、シール性が低下する恐れがある。
それに対して、本第3態様では、温度が上昇した際に、シール部材が膨張したときには、ネジ部材も同様に膨張して(伸びて)、第1結合部材と第2結合部材との間隙も広がるので、シール部材が塑性変形しにくい。よって、温度が低下して、シール部材が小さくなっても、高いシール性を確保することができる。
このように、本第3態様では、従来に比べて、結合体をコンパクトにできるとともに、温度変化があった場合でも、高いシール性(気密性、水密性)を確保できるという顕著な効果を奏する
(4)本発明の第4態様の結合体では、前記ネジ部材はボルトであり、前記ボルトの頭部が前記第2結合部材に係合している。
本第4態様では、ボルトをネジ込むことによって、ボルトの頭部が第2結合部材に係合し、これによって、第1結合部材と第2結合部材とを結合して一体化することができる。
(5)本発明の第5態様の結合体では、前記中間部材は、前記第1結合部材の径方向における側面に設けられた凹部に配置されている。
本第5態様では、中間部材は第2係合部材の凹部に配置されているので、この中間部材とネジ部材とを(ネジ締めによって)係合させることによって、第1結合部材と第2結合部材とを結合して一体化することができる。なお、この構成によって、装置の強度を高めることが可能となる。
(6)本発明の第6態様の結合体では、前記ネジ部材はボルトであり、且つ、前記中間部材は前記雌ネジを備えたナットであり、前記ボルトと前記ナットとの係合によって、前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合している。
本第5態様では、ボルトとナットとの係合(螺合)により、第1結合部材と第2結合部材とを結合して一体化することができる。
(7)本発明の第7態様の結合体では、前記第1結合部材には、原料の流体から目的とする流体を分離する一端が閉塞された筒状の分離体が接合されるとともに、前記結合体の内部流路と前記分離体の内部流路とが連通するように構成されている。
本第7態様は、結合体が使用される部材(例えば水素分離体のような流体分離体)を例示している。これにより、分離体を備えた装置(例えば流体分離装置)をコンパクトにすることができる。
(8)本発明の第8態様の結合体では、前記第1結合部材及び前記分離体は、主としてセラミックスから構成されるとともに、前記第1結合部材と前記分離体とは、焼結接合している。
本第8態様では、第1結合部材と分離体とは焼結接合しているので、部品点数が少なく、しかも、強固に一体化している。また、第1結合部材と分離体との間の間隙が無い(又は少ない)ので、ガス等の流体のリークを抑制できるという利点がある。
(9)本発明の第9態様の結合体では、前記雌ネジが形成されている部材がセラミックスからなり、前記雄ネジが形成されている部材が金属からなる。
本第9態様では、結合体を構成する異種部材の材料を例示している。つまり、このような異種部材からなる結合体を容易に実現することができる。また、この材料を使用することにより、前記第1態様や第3態様における各部材間の熱膨張係数の関係を、容易に実現することができる。
(10)本発明の第10態様の結合体では、前記雌ネジと前記雄ネジとの間に、同軸に螺旋状のブッシュが配置されている。
これにより、例えば異種材料からなる部材をネジにより結合する場合でも、強固に結合することができる。また、ブッシュは、第1結合部材がセラミックのような靱性が低いものの場合には、緩衝作用(クラック発生の防止)も大きいという利点がある。
(11)本発明の第11態様の結合体では、前記シール部材は、金属からなるとともに、表面に前記金属より柔らかい軟質金属の層を備えている。
本第11態様では、シール部材の表面に軟質金属の層を備えているので、シール性が向上するという利点がある。
(12)本発明の第12態様の結合体では、前記雌ネジが形成されている部分の前記第1結合部材の外径は、雌ネジの谷径の1.2倍以上である。
本第12態様では、雌ネジが形成されている部分の径方向における厚みが十分に大きいので、第1結合部材の強度が高いという利点がある。
(13)本発明の第13態様の結合体では、前記雄ネジと前記雌ネジとが係合している範囲は、1.5ピッチ以上である。
本第13態様では、雄ネジと雌ネジとが十分にネジ結合(螺合)しているので、第1結合部材と第2結合部材との結合力が高いという利点がある。
実施例1の水素分離装置を、軸方向に破断して示す断面図である。 実施例1の結合体を、軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 実施例1の第1結合部材を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)は底面図である。 実施例1の第2結合部材を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図である。 実施例1のシール部材を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)のA−A断面を拡大して示す断面図である。 実施例1の第1結合部材と第2結合部材との結合方法を示す斜視図である。 実施例2の水素分離装置を、軸方向に破断して示す断面図である。 実施例2の結合体を、軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 実施例2の第1結合部材を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)は底面図である。 実施例2の第2結合部材を示し、(a)は平面図、(b)はその正面図である。 実施例3の水素分離装置を、軸方向に破断して示す断面図である。 実施例3の結合体を、軸方向に破断し拡大して示す断面図である。 実施例3の第1結合部材を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)は底面図である。 実験結果を示すグラフである。 実験結果に用いる比較例のモデルを示す説明図である。
以下、本発明の結合体の実施形態について説明する。
[1]まず、上述した本発明の結合体の各構成について説明する。
<第1結合部材>
第1結合部材としては、セラミックを主成分とする又はセラミックのみからなるセラミック部材を採用できる。このセラミックとしては、例えば、アルミナ(熱膨張係数:7.6×10−6/℃)、ジルコニア(熱膨張係数:10.5×10−6/℃)、窒化ケイ素(熱膨張係数:3.0×10−6/℃)、窒化アルミ(熱膨張係数:4.0×10−6/℃)等を採用できる。
<第2結合部材>
第2結合部材としては、ステンレス等の金属(合金も含む)からなる金属部材を採用できる。この金属としては、例えば、SUS316(熱膨張係数:16.0×10−6/℃)、SUS304(熱膨張係数:17.3×10−6/℃)、SUS430(熱膨張係数:10.4×10−6/℃)、インコネル600(登録商標)(熱膨張係数:13.3×10−6/℃)、炭素鋼(熱膨張係数:10.8×10−6/℃)等を採用できる。
<シール部材>
シール部材としては、前記第2結合部材と同様なステンレス等の金属(合金も含む)からなる金属部材を採用できる。
<ネジ部材>
ネジ部材としては、前記第2結合部材やシール部材と同様なステンレス等の金属(合金も含む)からなる金属部材(例えばボルト)を採用できる。
<中間部材>
中間部材としては、前記第2結合部材やシール部材と同様なステンレス等の金属(合金も含む)からなる金属部材が挙げられる。例えば、ナット(例えば袋ナット)が挙げられる。
<流体>
流体としては、気体(ガス)又は液体が挙げられる。
ここで、結合体を、水素分離装置のように、特定の流体を分離する流体分離装置に適用する場合について説明する。
原料及び分離後の流体としては、気体(ガス)又は液体が挙げられる。
流体分離装置としては、原料の気体から所定の気体を分離する気体分離装置と、原料の液体から所定の液体を分離する液体分離装置が挙げられる。
気体分離装置としては、例えば、原料の天然ガス、メチルシクロヘキサン、アンモニア等の気体から水素の気体を分離する水素分離装置や、原料の空気等の気体から酸素を分離する酸素分離装置などが挙げられる。
一方、液体分離装置としては、原料の不純物を含む水(汚泥)等の液体から水を分離する膜分離活性汚泥法用の濾過装置や、酢酸と水との混合溶液から酢酸又は水を分離する分離用濾過装置などが挙げられる。
<(流体を分離する)分離体>
分離体としては、筒状部が延びる長手方向(例えば軸方向)の一端が閉塞されているものや、両端部に開口端が設けられているものを採用できる。また、筒状部の形状としては、円筒形状、角筒形状が挙げられる。なお、軸方向に垂直の断面形状としては、円筒の場合は真円や楕円等の円形、角筒の場合は正方形や長方形やその他の多角形が挙げられる。
また、分離体としては、分離によって得られる所定の流体の種類によって、適切な構成を採用できる。
例えば、セラミック支持体上に形成する膜により、分離する気体を種々変えることができる。具体的には、水素透過性の金属膜や水素のみが透過可能な細孔孔に制御したシリカ膜を形成することにより、水素を分離できる。同様に、酸素のみを透過可能な酸素分離膜を形成することによって酸素分離、二酸化炭素のみを透過可能な二酸化炭素分離膜を形成することによって二酸化炭素分離、水や有機溶剤のみを透過可能な膜を形成することによって水分離や溶剤分離等を行うことができる。
また、固体電解質膜および電極膜を形成し、ガスと電極との反応から生じたイオンのみを固体電解質を透過させて電気を取出す、燃料電池や鉄空気電池等とすることもできる。
例えば、流体分離体が、天然ガス等の原料ガスから水素を分離する水素分離体である場合には、上述したように、水素透過性の金属膜(水素分離金属層)とそれを支持する支持体の構成を採用できる
支持体の材料としては、セラミックスが挙げられ、支持体の構造としては、一部又は全体が多孔質セラミックスからなる構造を採用できる。
この多孔質セラミックスからなる部分(多孔質基体)は、全体又は一部が水素を含むガスの透過が可能であり、その材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリア、及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、多孔質基体の例えば軸方向端部などに、(多孔質基体より緻密な)ガスの透過の無い緻密部を接合して水素分離体を構成してもよい。なお、前記緻密部を構成する材料としては、多孔質基体と同様な材料が挙げられる。
一方、水素分離金属層を構成する水素分離金属(水素透過性金属)としては、Pd単体、Pd合金(例えばPdAg合金、PdCu合金、PdAu合金)等が挙げられる。水素脆化の抑制の点からは、Pd単体よりもPdAg合金が望ましい。また、(例えば450℃以上の)高温で使用される水素分離装置の場合には、PdAg合金が望ましい。
この水素分離金属層としては、支持体の表面又は内部に水素透過性金属を配置した構成を採用できる。例えば多孔質の支持体表面又は内部の細孔内に水素透過性金属を充填することにより、水素分離金属層を形成することができる。
[2]次に、本発明の結合体の実施例について説明する。
以下では、原料ガスから水素を選択的に分離する水素分離装置に用いられる結合体の実施例について説明する。
a)まず、本実施例1の結合体が用いられる水素分離装置の概略構成について説明する。
図1に示す様に、水素分離装置1は、原料ガス(例えば天然ガスが改質されて(水素の多い)水素リッチとされた改質ガス)から、水素を選択的に分離して、高純度の水素を得ることができる装置である。
この水素分離装置1は、基本的な構成として、原料ガスから水素を分離する試験管形状の水素分離体3と、水素分離体3を収容する円筒形状の金属製の反応管5と、水素分離体3の開口端7を覆うように配置された円筒形状の結合体9と、原料ガスを反応管5に供給する原料ガス供給部11と、反応後又は未反応の残余の原料ガスを排出する原料ガス排出部13とを備えている。
なお、水素分離体3と結合体9とが一体となった構成を、以下では、複合結合体10と称する。
以下、各構成について説明する。
<反応管5>
前記反応管5は、例えばSUS316、SUS316L等からなる円筒形状の金属容器であり、その内部には、前記水素分離体3が同軸に配置されている。つまり、水素分離体3の先端側(図1上方)及び側方の周囲を覆うように反応管5が配置されている。
詳しくは、反応管5は、水素分離体3の側方を覆う筒状部15と、その先端側を覆う円板状の先端部17とを有している。なお、反応管5の後端側(図1下方)は閉塞されている。
この反応管5の軸方向の長さは例えば450mm、内径は例えばφ57.2mm、外径は例えばφ60.5mmである。
また、反応管5の先端部17には、外部から反応管5内に原料ガスが供給される円筒状の原料ガス供給部11が設けられている。この原料ガス供給部11は、先端部17の軸中心に開けられた第1連通部17aを介して、反応管5内に連通している。
更に、反応管5の筒状部15の側方の後端側には、反応後又は未反応の残余の原料ガスを反応管5内から外部に排出する円筒状の原料ガス排出部13が設けられている。この原料ガス排出部13は、筒状部15に開けられた第2連通部13aを介して、反応管5内と連通している。
<水素分離体3>
前記水素分離体3は、例えば、内径φ45mm×外径φ50mm×長さ350mmの試験管形状の部材であり、水素を含有する混合ガス(原料ガス)から水素のみを分離する機能を有している。
この水素分離体3は、セラミックス(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)からなる多孔質基体19を備えている。多孔質基体19の細孔の内部には、原料ガスがそのまま水素分離体3を通過しないように、例えばPd等の水素透過性金属が充填されている。この水素透過性金属は、原料ガスから水素のみを選択して透過させることによって、原料ガスから水素を分離する金属である。
つまり、図示しないが、多孔質基体19の内部は、周知のように、多孔質基体19の外側の露出する部分の全体を覆うように、水素透過性金属からなる水素透過膜(水素分離金属層)が形成されている。
<結合体9>
結合体9は、後に詳述するように、水素分離体3の開口端7を閉塞するように配置された(複数の部材が組み合わされた)円筒状の部材である。
この結合体9の軸中心には、水素分離体3の内部(中心孔4)と外部とを連通するように内部流路21が形成されている。この内部流路21は、水素分離体3によって分離回収された水素ガスを、水素分離体3内から外部に排出する水素ガス排出部(貫通孔)である。
b)次に、本実施例1の要部である前記結合体9について詳細に説明する。
図2に示すように、結合体9は、円筒状の第1結合部材23と、第1結合部材23とネジ結合(螺合)によって互いの軸方向に沿って(例えば同軸に)結合された筒状の第2結合部材25と、第1結合部材23と第2結合部材25との結合部分に配置されたヘリサート(登録商標)27と、第1結合部材23と第2結合部材25との軸方向における間隙28に配置されたシール部材29とを備えている。
以下、各構成について説明する。
図2及び図3に示すように、第1結合部材23は、例えばアルミナからなる緻密な(即ち通気性を有しない)セラミック部材である。この第1結合部材23は、先端側(図2上方)の例えば外径φ45mm×長さ15mmの円筒状の先端部31と、後端側(図2下方)の例えば外径φ50mm×長さ10mmの円筒状の(先端部31より径の大きな)後端部33とから構成されている。なお、水素分離体3の中心孔4に第1結合部材23の先端部31を嵌めることができるように、先端部31の外径は中心孔の内径より若干小さく設定してある。
このうち、先端部31の外周面には、水素分離体3が外嵌されて焼結接合されるとともに、水素分離体3の後端が、後端部33の先端面33aに当接して焼結接合されている。 また、第1結合部材23の軸中心には、先端側孔35a及び後端側孔35bからなる貫通孔35が設けられている。このうち、先端側孔35aは、例えば内径がφ8mmであり、後端側孔35bは、先端側孔35aより大径の例えば内径φ19.5mmである。
後端側孔35bの内周面には、第1ネジ部37が形成されている。第1ネジ部37は、例えば谷径φ16mm×山径φ14.4mm×長さ20mmである。なお、第1結合部材23の先端部31及び後端部33の外径は、第1ネジ部37の谷径の1.2倍以上である。
図2及び図4に示すように、第2結合部材25は、例えばSUS316等のステンレスからなる金属部材である。この第2結合部材25は、軸方向に沿って、先端側の(例えばJIS B0205:2001の規格のM16−1.5の)ボルト状の先端部39と、中央部分の例えば外径(外接円)φ30mm×長さ16mmの回動部41と、後端側の例えば外径がφ10mm×長さ50mmの円筒状の後端部43とから構成されている。
第2結合部材25の軸中心には、第1結合部材23の先端側孔35aと同様な内径の貫通孔44が形成されている。従って、先端側孔35aと貫通孔44とによって、結合体9の全体を軸方向に貫く内部流路21が構成されている。
先端部39の外周面には、第1ネジ部37と(ヘリサート27を介して)螺合する第2ネジ部45が設けられている。なお、雌ネジである第1ネジ部37と雄ネジである第2ネジ部45とが係合(螺合)している範囲は、1.5ピッチ以上(例えば10ピッチ)である。
回動部41は、軸方向から見て(平面視)で外形が六角形である。
なお、ヘリサート27(図6参照)は、金属線が螺旋状に巻かれたブッシュ(筒状の部材)であり、雄ネジと雌ネジとの間に配置されてネジ結合を強固に行わせる周知の部材である。
図5に示すように、シール部材29は、例えばSUS316等のステンレスなどからなる金属部材である。このシール部材29は、断面が円形の線材が環状となったものであり、(軸中心に沿った)断面の直径はφ2.4mmで、環状の内径は例えばφ18mmである。
詳しくは、シール部材29は、中実のSUS316からなる環状の芯部29aと、芯部29aの外周全体を覆うように形成された薄膜である表面層29bとから構成されている。なお、表面層29bは、芯部29aを構成する材料より軟質の金属(例えばAu、Ag、Cuなど)からなり、その厚みは、例えば20μmである。
前記図2に示すように、シール部材29は、第1結合部材23の後端部33の後端面33bと第2結合部材25の回動部41の先端面41aとの間の例えば幅1.68mmの間隙28に配置されている。なお、後端面33bは後端側孔35bの開口部分を除いた環状の平面であり、先端面41aは先端部39を除いた環状の平面であり、(この対向する)後端面33bと先端面41aとは平行である。
つまり、シール部材29は、平面視で(軸方向から見て)、第2結合部材25の先端部39の外周を囲むように、従って、貫通孔35である内部流路21の外周を、先端部39を介して囲むように配置されている。
なお、シール部材29が、この位置に確実に配置されるために、例えば後端部33の後端面33b又は回動部41の先端面41a(或いはその両方)に、シール部材29を位置決めする例えば環状の溝等の位置決め部(図示せず)を設けることが望ましい。
また、第1結合部材23を構成するアルミナの熱膨張係数は7.6×10−6/℃、第2結合部材25及びシール部材29を構成するSUS316の熱膨張係数は16.0×10−6/℃であるので、第1結合部材23の熱膨張係数は、第2結合部材25及びシール部材29の熱膨張係数より小である。
c)次に、本実施例1の水素分離装置1の製造方法について簡単に説明する。
まず、水素分離体3及び第1結合部材23の製造方法について説明する。
本実施例1で用いる水素分離体3及び第1結合部材23は、例えば周知のプレス成形法により作製した。
詳しくは、図示しないが、まず、平板状の基台上に、水素分離体3の形状に対応する筒状のゴム型を配置した枠型を設けた。なお、ゴム型内には、水素分離体3の中心孔4(図1参照)に対応した形状の中心ピンが立設されている。
次に、ゴム型と中心ピンとの間隙、即ち、多孔質基体19に相当する部分に、多孔質基体19形成用のセラミック造粒粉(例えばYSZ粉や造孔材などを含む造粒粉)を充填し、その後、加圧して成形した。
また、多孔質基体19とは別に、図示しないが、まず、平板状の基台上に、第1結合部材23の形状に対応する筒状のゴム型を配置した枠型を設けた。なお、ゴム型内には、貫通孔35及び第1ネジ部37に対応した形状の中心ピンが立設されている。
次に、ゴム型と中心ピンとの間隙、即ち、第1結合部材23に相当する部分に、緻密な第1結合部材23形成用のセラミック造粒粉(例えばアルミナ粉末などを含む造粒粉)を充填し、その後、加圧して成形した。
そして、第1結合部材23の成形体の先端側に、前記図1に示す配置となるように、多孔質基体19の成形体を嵌め込んで(外嵌して)、組合体を作製した。
次に、前記両成形体を組み合わせた組合体を、脱脂及び焼成することにより、第1結合部材23と多孔質基体19とが一体に焼結接合した焼結接合体を作製した。
その後、周知の方法で、多孔質基体19に水素分離金属層を形成し、(第1結合部材23が焼結接合された)水素分離体3を完成した。
また、これとは別に、周知の各種の金属加工(例えば切削加工やネジ加工など)により、第2結合部材25を作製した。
次に、水素分離装置1の各部材を組み付ける手順について説明する。
図6に示すように、第1結合部材23の(第1ネジ部37が設けられた)後端側孔35bにヘリサート27を嵌め込む。
次に、第2結合部材25の先端部39に、シール部材29を外嵌する。
次に、第1結合部材23を治具等で固定した状態で、第2結合部材25の回動部41に工具(例えばスパナ)を嵌め、第1結合部材23のヘリサート27に対して、第2結合部材25の先端部39をネジ込み、シール部材29を押圧する状態でネジ込みを停止する。
これにより、第1結合部材23と第2結合部材25とがネジ結合によって一体した。即ち、これによって、結合体9及び複合結合体10が完成した。
その後、水素分離体3と結合体9とが一体となった複合結合体10を、反応管5の内部に差し込む。そして、図示しないが、反応管5の後端側にて結合体9の後端部43を固定し、水素分離装置1を完成する。
d)次に、本実施例1の効果を説明する。
本実施例1では、第1結合部材23の雌ネジと第2結合部材25の雄ネジとが係合(螺合)することによって、第1結合部材23と第2結合部材25とが結合されている。また、第1結合部材23と第2結合部材25との軸方向における間隙28には、第2結合部材25の先端部39の外周側を囲むように環状のシール部材29が配置されている。
この構成によって、第1結合部材23と第2結合部材25とを結合した結合体9をコンパクトにできる。また、この結合体9を用いた水素分離装置1の部品点数を少なくして、装置全体をコンパクトにすることができる。
更に、本実施例1では、第1結合部材23の熱膨張係数は、第2結合部材25及びシール部材29の熱膨張係数より小さいので、内部流路21に200℃以上の高温の流体が流れ、それによって、第1結合部材23、第2結合部材25、シール部材29の温度が(例えば常温より)上昇した場合でも、シール部材29の変形が少ない。これにより、温度変化が大きい場合でも、高いシール性を確保できる。
本実施例1では、第1結合部材23の後端側孔35bの内周面に雌ネジが形成されるとともに、第2結合部材25の先端部39に雌ネジが形成されている。よって、第1結合部材23の後端側孔35bに第2結合部材25の先端部39をネジ込むことによって、容易に結合体9を形成できる。
本実施例1では、第1結合部材23には、一端が閉塞された試験管状の水素分離体3が接合されるとともに、結合体9の内部流路21と水素分離体3の中心孔4とが連通するように構成されている。従って、水素分離体3を備えた水素分離装置1をコンパクトにすることができる。
本実施例1では、第1結合部材23及び水素分離体3は、主としてセラミックスから構成されるとともに、第1結合部材23と水素分離体3とは焼結接合している。従って、結合体9の部品点数が少なく、しかも、強固に一体化している。また、第1結合部材23と水素分離体3との間の間隙が無い(又は少ない)ので、ガスのリークを抑制できるという利点がある。
本実施例1では、雌ネジが形成されている第1結合部材23がセラミックスからなり、雄ネジが形成されている第2結合部材25が金属からなる。従って、上述した各部材間の熱膨張係数の関係を、容易に実現することができる。
本実施例1では、雌ネジと雄ネジとの間に、同軸に螺旋状のブッシュが配置されているので、異種材料からなる第1結合部材23と第2結合部材25とをネジ結合する場合に、強固に結合することができる。
本実施例1では、シール部材29の表面に、軟質金属の表面層29bを備えている。従って、シール性が向上するという利点がある。
本実施例1では、雌ネジが形成されている部分の第1結合部材23の外径は、雌ネジの谷径の1.2倍以上である。従って、雌ネジの形成されている部分の径方向における厚みが大きいので、第1結合部材23の強度が高いという利点がある。
本実施例1では、雄ネジと雌ネジとが係合している範囲は、1.5ピッチ以上である。従って、雄ネジと雌ネジとが十分にネジ結合(螺合)しているので、第1結合部材23と第2結合部材25との結合力が高いという利点がある。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例2は、基本的に前記実施例1と同様であるが、結合体が前記実施例1とは異なる。
図7に示すように、本実施例2における水素分離装置51は、(実施例1と同様な)水素分離体53と、水素分離体53の開口端55を覆うようにして一体となった円筒状の結合体57と、水素分離体53と結合体57とが一体となった複合結合体59を収容する(実施例1と同様な)反応管61とを備えている。
図8に示すように、前記結合体57は、円筒状の第1結合部材63と、円筒状の第2結合部材65と、第1結合部材63と第2結合部材65とをネジ結合によって結合する複数(例えば6本)のネジ部材(ボルト)67と、第1結合部材63と第2結合部材65との間の間隙69に配置された環状の(前記実施例1と同様な)シール部材71とを備えている。なお、このボルト67は、シール部材71と同様な金属材料からなる。
また、結合体57の軸中心には、内部流路73が形成されている。この内部流路73は、第1結合部材63の軸中心に設けられた第1貫通孔73aと、第2結合部材65の軸中心に設けられた第2貫通孔73bと、シール部材71の軸中心側の空間73cとにより構成されている。つまり、内部流路73は、第1貫通孔73aと空間73cと第2貫通孔73bとにより一体に構成されている。
図8及び図9に示すように、第1結合部材63は、例えばアルミナからなる緻密なセラミック部材であり、直径φ45mm×長さ15mmの円形の先端部75と、それより大径の直径φ56mm×長さ30mmの円形の後端部77とから構成されている。
なお、第1結合部材63の軸中心には、直径φ8mmの前記第1貫通孔73aが設けられている。
また、第1結合部材63の後端部77の後端面77bには、その外周に沿って、軸中心に対して60度の等間隔で、6箇所にネジ孔79が形成されている。なお、このネジ孔79は、例えばJIS B0205:2001の規格のM10−P1に対応するものである。
なお、ネジ孔79には、前記実施例1と同様なヘリサート80(図8参照)が嵌め込まれている。
図8及び図10に示すように、第2結合部材65は、例えばSUS316からなる金属部材であり、直径φ50mm×長さ10mmの円形の先端部81と、それより小径の直径φ10mm×長さ50mmの円形の後端部83とから構成されている。
なお、第2結合部材65の軸中心には、直径φ8mmの前記第2貫通孔73bが設けられている。
また、第2結合部材65の先端部81には、その外周に沿って、軸中心に対して60度の等間隔で、6箇所に(ボルト67が貫挿される)ネジ貫通孔85が形成されている。なお、ネジ貫通孔85の内径はφ10.5mmである。
前記図8に示すように、ボルト67は、第2結合部材65の先端部81のネジ貫通孔85を貫通するように配置され、その先端のネジ山部分が、第1結合部材63の後端部77のネジ孔79に(ヘリサート80を介して)ネジ結合している。
また、シール部材71は、第1結合部材63の後端部77の後端面77bと第2結合部材65の先端部81の先端面81aとの間隙69に配置されている。詳しくは、第1貫通孔73aと第2貫通孔73bを繋ぐ空間73cの外周を囲むように配置されるとともに、各ボルト67より軸中心側に配置されている。
従って、各ボルト67を締め付けることによって、ボルト67の頭部67aが、第2結合部材65を押圧して、第1結合部材63と第2結合部材65とを、シール部材71を介して一体に結合することができる。
本実施例2によっても、前記実施例1と同様に、結合体57及び水素分離装置51をコンパクトにできるとともに、高いシール性を確保できる。
また、本実施例2では、ボルト67を使用して第1結合部材63と第2結合部材65とを結合するので、実施例1より、第2結合部材65の構造を簡易化できるという利点がある。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な内容の説明は省略する。
本実施例3は、基本的に前記実施例2と同様であるが、結合体が前記実施例2とは異なる。
図11に示すように、本実施例3における水素分離装置91は、(実施例2と同様な)水素分離体93と、水素分離体93の開口端95を覆うようにして一体となった円筒状の結合体97と、水素分離体93と結合体97とが一体となった複合結合体99を収容する(実施例2と同様な)反応管101とを備えている。
図12に示すように、前記結合体97は、円筒状の第1結合部材103と、円筒状の第2結合部材105と、第1結合部材103と第2結合部材105とを結合する複数(例えば6本)のネジ部材(前記実施例2と同様なボルト)107と、第1結合部材103と第2結合部材105との間隙109に配置された環状の(前記実施例2と同様な)シール部材111とを備えている。
また、結合体97の軸中心には、内部流路113が形成されている。この内部流路113は、第1結合部材103の軸中心に設けられた第1貫通孔113aと、第2結合部材105の軸中心に設けられた第2貫通孔113bと、シール部材111の軸中心側の空間113cとにより構成されている。つまり、内部流路113は、第1貫通孔113aと空間113cと第2貫通孔113bとにより一体に構成されている。
図12及び図13に示すように、第1結合部材103は、例えばアルミナからなる緻密なセラミック部材であり、直径φ45mm×長さ15mmの円形の先端部115と、それより大径の直径φ50mm×長さ30mmの円形の後端部117とから構成されている。
また、後端部117には、後述する中間部材であるナット(袋ナット)119(図12参照)を配置できるような凹部である溝121が、周方向に沿って環状に形成されている。この溝121の深さは12mm、幅は15mmである。
そして、この溝121によって、後端部117の後端側(図13(b)下方)は、厚み5mmのフランジ123となっている。
このフランジ123には、その外周に沿って、軸中心に対して60度の等間隔で、6箇所にボルト107が貫挿されるネジ貫通孔125が形成されている。なお、このネジ貫通孔125は溝121に連通しており、その内径はφ6.5mmである。
そして、この溝121には、各ネジ貫通孔125毎に、各ネジ貫通孔125と軸中心を合わせるようにして、各ナット119が配置される。このナット119は、前記ボルト107と同様な金属材料からなる。
なお、第1結合部材103の軸中心には、直径φ8mmの前記第1貫通孔113aが設けられている。
前記図12に示すように、第2結合部材105については、前記実施例2の第2結合部材と同様であり、その先端部127の6箇所にネジ貫通孔129が形成されている。
なお、第2結合部材105の軸中心には、直径φ8mmの前記第2貫通孔113bが設けられている。
そして、ボルト107は、第2結合部材105の先端部127のネジ貫通孔129と、第1結合部材103のフランジ123のネジ貫通孔125とを貫通するように配置され、その先端のネジ山部分が、第1結合部材105の溝121に配置されたナット119にネジ結合している。
また、シール部材111は、第1結合部材103の後端部117の後端面117bと第2結合部材105の先端部127の先端面127aとの間隙109に配置されている。詳しくは、第1貫通孔113aと第2貫通孔113bとを繋ぐ空間113cの外周を囲むように配置されるとともに、各ボルト107より軸中心側に配置されている。
従って、各ボルト107を締め付けることによって、ボルト107の頭部107aが、第2結合部材105を押圧して、第1結合部材103と第2結合部材105とを、シール部材111を介して一体に結合することができる。
本実施例3によっても、前記実施例2と同様な効果を奏する。
また、本実施例3では、溝121にはナット119が配置され、この金属製のナット119と同様な金属製のボルト107とがネジ結合するので、ヘリサートを使用しなくとも、強固な結合ができるという効果がある。また、前記実施例2のように、第1結合部材にネジ孔を形成する必要が無いという利点もある。
<実験例>
次に、本発明を確認するために行った実験例を説明する。
本実験例では、前記実施例1と同様な結合体の構成のモデルを設定し、温度と軸力(軸方向における第1結合部材と第2結合部材との結合力)との関係を調べた。
具体的には、軸力は、ANSYS(登録商標)の構造解析ソフトウェアを用い、有限要素法を用いた周知の構造解析の手法により求めた。その結果を、図14(a)に示す。
同図から明らかなように、本発明では、セラミックと金属との結合であるにも係わらず、金属と金属との結合と同等の軸力(図14(b)参照)が得られることが分かる。
また、比較例1の結合体(セラミックと金属との結合体)と比較例2の結合体(金属と金属との結合体)とのモデルを設定し、シミュレーションによって、温度と軸力との関係を調べた。
具体的には、ANSYS(登録商標)の構造解析ソフトウェアを用い、シミュレーションのモデルとして、図15に示すモデル(軸対称)を設定し、下記の条件でシミュレーションを行った。
金属部材:SUS316
セラミック部材:アルミナ
Oリング:SUS316L
実験内容:Oリングの変形量が20%となるように軸方向に力を加え、その状態で温度を変化させて軸力を求めた。
その結果を、図14(b)に示すが、セラミックと金属との結合の場合より、金属と金属との結合の方が、温度が変化した場合でも高い軸力が得られることが分かる。
つまり、図14(a)、(b)から明らかなように、本発明では、温度が変化した場合でも、高い軸力が得られるので好適である。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、シール部材と第2結合部材の材料とは、異なっていてもよい。
(2)また、水素分離体については、先端側に試験管状の多孔質基体を用い、第1結合部材に接する後端側に、円筒形状の緻密なセラミック体を使用してもよい。
(3)実施例3のナットについては、袋ナット以外に、通常のネジ孔が貫通するナットを使用できる。また、大径部に全周に溝を設けるのではなく、ナットを配置できるように(ナットの外形に合わせた)凹部を設けてもよい。
(4)なお、各実施例の構成は、適宜、他の実施例に適用することができる。
1、51、91…水素分離装置
3、53、93…水素分離体
5、61、101…反応管
21、73、113…内部流路
23、63、103…第1結合部材
25、65、105…第2結合部材
28、69、109…間隙
29、71、111…シール部材
67、107…ネジ部材
67a、107a…頭部
119…中間部材(ナット)
121…溝

Claims (13)

  1. 筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、前記両結合部材の貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されるとともに、
    前記内部流路に、200℃以上の温度の流体が流れることがある筒状の結合体において、
    前記第1結合部材に雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材に雄ネジが形成され、前記雌ネジと前記雄ネジとの係合によって前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合されており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材との間の一部にて軸方向に間隙を有し、該間隙には前記第2結合部材の前記貫通孔を有する部分の外周側を囲むように環状のシール部材が配置され、
    更に、前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材及び前記シール部材の熱膨張係数より小さいことを特徴とする結合体。
  2. 前記第1結合部材の貫通孔に、前記第2結合部材の一端が嵌められ、
    前記第1結合部材の貫通孔の内周面に前記雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材の一端の外周面に前記雄ネジが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の結合体。
  3. 筒状の第1結合部材と筒状の第2結合部材とが結合されて、前記両結合部材の貫通孔によって少なくとも内部流路の一部が形成されるとともに、
    前記内部流路に、200℃以上の温度の流体が流れることがある筒状の結合体において、
    前記第1結合部材又は該第1結合部材に係合する中間部材に雌ネジが形成されるとともに、前記第2結合部材に雄ネジを備えたネジ部材が配置され、且つ、前記ネジ部材は前記第2結合部材を軸方向に貫通するとともに該第2結合部材と係合するように配置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの係合によって前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合されており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材との軸方向における間隙に、前記内部流路の外周側を囲むように環状のシール部材が配置され、
    更に、前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記ネジ部材及び前記シール部材の熱膨張係数より小さいことを特徴とする結合体。
  4. 前記ネジ部材はボルトであり、前記ボルトの頭部が前記第2結合部材に係合していることを特徴とする請求項3に記載の結合体。
  5. 前記中間部材は、前記第1結合部材の径方向における側面に設けられた凹部に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の結合体。
  6. 前記ネジ部材はボルトであり、且つ、前記中間部材は前記雌ネジを備えたナットであり、前記ボルトと前記ナットとの係合によって、前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の結合体。
  7. 前記第1結合部材には、原料の流体から目的とする流体を分離する一端が閉塞された筒状の分離体が接合されるとともに、前記結合体の内部流路と前記分離体の内部流路とが連通するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の結合体。
  8. 前記第1結合部材及び前記分離体は、主としてセラミックスから構成されるとともに、前記第1結合部材と前記分離体とは、焼結接合していることを特徴とする請求項7に記載の結合体。
  9. 前記雌ネジが形成されている部材がセラミックスからなり、前記雄ネジが形成されている部材が金属からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の結合体。
  10. 前記雌ネジと前記雄ネジとの間に、同軸に螺旋状のブッシュが配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の結合体。
  11. 前記シール部材は、金属からなるとともに、表面に前記金属より柔らかい軟質金属の層を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の結合体。
  12. 前記雌ネジが形成されている部分の前記第1結合部材の外径は、雌ネジの谷径の1.2倍以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の結合体。
  13. 前記雄ネジと前記雌ネジとが係合している範囲は、1.5ピッチ以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の結合体。
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KR20190047521A (ko) * 2017-10-27 2019-05-08 두산중공업 주식회사 연료 노즐, 이를 포함하는 연소기 및 가스 터빈

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KR20190047521A (ko) * 2017-10-27 2019-05-08 두산중공업 주식회사 연료 노즐, 이를 포함하는 연소기 및 가스 터빈
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