JP2016021311A - バスバーと端子の接続構造およびバスバー回路体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な形状の端子を必要とすることなくバスバーと端子の接続が可能であり、汎用性の高い、新規なバスバーと端子の接続構造およびそれを用いたバスバー回路体を提供すること。
【解決手段】バスバー10に端子12の一端部14が接続されてなるバスバー10と端子12の接続構造であって、バスバー10には、筒状部20が形成されており、筒状部20に端子12の一端部14が圧入されている一方、筒状部20が、圧入された端子12の一端部14に対する圧接力を強化する圧接力強化手段を備えているようにした。
【選択図】図2
【解決手段】バスバー10に端子12の一端部14が接続されてなるバスバー10と端子12の接続構造であって、バスバー10には、筒状部20が形成されており、筒状部20に端子12の一端部14が圧入されている一方、筒状部20が、圧入された端子12の一端部14に対する圧接力を強化する圧接力強化手段を備えているようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、バスバーと端子の接続構造およびそれを用いたバスバー回路体に関するものである。
従来から、自動車用電気接続箱の内部回路として、外部の電気部品との接続を可能とするため、端子が立設されたプリント基板やバスバーが広く用いられている。特に、近年の自動車の電子化に伴い、その需要は高まってきている。
ところで、プリント基板の場合、特開2003−338333号公報(特許文献1)に示されているように、プリント基板のスルーホールに端子としてのプレスフィット端子の一端部を圧入することで、プレスフィット端子とプリント配線の接続を図ると共に、プレスフィット端子をプリント基板上に立設状態に保持することが行われている。
一方、バスバーの場合は、絶縁板に所望の回路形状に構成されたバスバーが載置されてなるバスバー回路体として用いられる場合が多いが、バスバーの板厚が0.30〜0.64mmとプリント基板の板厚(約1.6mm)に比べて薄いため、バスバーにスルーホールを設け、当該スルーホールにプレスフィット端子の一端部を圧入する方法では、プレスフィット端子とスルーホール間の接触面積を十分に確保できず、安定した電気的接続状態と固定状態を維持するのが困難であるという問題があった。そのため、バスバーの場合は、導電性金属板の打ち抜き加工後に所定の領域を垂直に折り曲げ加工することにより、外部の電気部品との接続を可能とするためのタブ端子を形成することが通常行われているが、歩留りが悪いと言う問題を内在していた。
そこで、特開2005−323441号公報(特許文献2)に示されているように、バスバーの端部を折り返して重ね合わせることで板厚を厚くすることにより、プリント基板の場合と同様にバスバーに設けたスルーホールにプレスフィット端子の一端部を圧入する構造が提案されている。
しかしながら、バスバーの端部を折り返して重ね合わせることで板厚を厚くする方法では、適用箇所がバスバーの端部に限定されるという問題があった。これに対して、特開2005−174614号公報(特許文献3)に示されているように、バーリング加工によって、バスバーに設けたスルーホールの深さ寸法をバスバーの板厚よりも大きくする構造も提案されているが、何れの場合も、端子としてプレスフィット端子が必須である。それ故、使用可能な端子がプレスフィット端子に限定されて汎用性に欠けるという問題を内在していた。特に近年の小型化の傾向により、プレスフィット端子のようなばね部を形成することが難しい幅寸法等が小さな金属線材により端子が形成される場合も多く、端子がプレスフィット端子に限定されない汎用性の高いバスバーと端子の接続構造が求められていた。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、特別な形状の端子を必要とすることなくバスバーと端子の接続が可能であり、汎用性の高い、新規なバスバーと端子の接続構造を提供することにある。
本発明はまた、このような新規なバスバーと端子の接続構造を用いた新規な構造のバスバー回路体を提供することも、目的とする。
バスバーと端子の接続構造に関する本発明の第1の態様は、バスバーに端子の一端部が接続されてなるバスバーと端子の接続構造であって、前記バスバーには、筒状部が形成されており、該筒状部に前記端子の一端部が圧入されている一方、前記筒状部が、圧入された前記端子の一端部に対する圧接力を強化する圧接力強化手段を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、バスバーに形成された筒状部には、筒状部に圧入される端子の一端部に対して、筒状部が高い圧接力で圧接することを実現する圧接力強化手段が設けられている。これにより、端子がプレスフィット端子等のばね部を有する特別な端子でなくても、筒状部の圧接力強化手段により、筒状部の端子に対する十分な圧接力を確保することができる。それ故、端子の種類が限定されない汎用性の高いバスバーと端子の接続構造が実現できるのである。また、筒状部の圧接力強化手段により、バスバーの筒状部と端子の一端部間の十分な圧接力が安定して確保されることから、半田付けを必要とすることなく、バスバーと端子の導通性を良好に確保しつつ、端子をバスバー上に立設状態に保持することが可能となるのである。
バスバーと端子の接続構造に関する本発明の第2の態様は、前記第1の態様に記載されたバスバーと端子の接続構造において、前記圧接力強化手段が、前記筒状部の内法寸法が前記端子の一端部の外形寸法よりも小さくされている構成と、前記筒状部が周方向で離隔する位置に設けられた少なくとも2つの切欠部によって該筒状部の周方向で複数個に分断されている構成とを含んで構成されているものである。
本態様では、筒状部の内法寸法が端子の一端部の外形寸法よりも小さくされることにより、筒状部と端子の一端部の大きな圧接代が十分に確保されている。しかも、筒状部が周方向で離隔する位置に設けられた少なくとも2つの切欠部によって、筒状部の周方向で複数個に分断されていることから、筒状部が軸直方向に撓み変形し易くなっている。その結果、端子の一端部が圧入されることにより軸直方向外方に向かって弾性変形された筒状部が、弾性復帰しようとする復元力によって、圧入された端子の一端部に大きな圧接力で圧接することができる。これにより、端子の一端部が筒状部に圧接保持されて、ハンダレスで端子とバスバーの接続を図ると共に、端子をバスバー上に立設状態に保持することが可能となるのである。
しかも、筒状部の内法寸法を端子の一端部の外形寸法よりも小さくし、且つ筒状部を周方向で複数個に分断する切欠部を設けるという簡単な構成によって圧接力強化手段を実現することができることから、製造が容易で、低コストでの製造が可能となる。
バスバーと端子の接続構造に関する本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に記載されたバスバーと端子の接続構造において、前記圧接力強化手段が、前記筒状部の内周面に突設された圧接リブを含んで構成されているものである。
本態様では、圧接力強化手段が、筒状部の内周面に突設された圧接リブを含んで構成されていることから、端子の一端部が圧接リブに当接する際の当接反力により、筒状部が端子の一端部に強固に圧接される。これにより、圧入された端子の一端部が筒状部に対して圧接保持されて、ハンダレスで端子と導通部材の接続を図ると共に、端子を導通部材上に立設状態に保持することが可能となっている。
しかも、筒状部の内周面に圧接リブを設けるという極めて簡単な構成によって圧接力強化手段を実現することができることから、容易に製造でき、低コスト化が可能である。
バスバーと端子の接続構造に関する本発明の第4の態様は、前記第1乃至第3の何れか一つの態様に記載されたバスバーと端子の接続構造において、前記筒状部の内周面に周方向に延びる突部が形成されており、該突部に係止される係合凹部が前記端子の一端部に設けられているものである。
本態様では、筒状部の内周面に周方向に延びる突部が形成されている一方、端子には突部に係止される係合凹部が設けられている。これにより、圧入された端子の一端部を筒状部に対して軸方向で位置決めした状態で安定して保持することが可能となり、端子の他端部に相手方端子が挿抜される際の挿抜力に対して、端子をバスバーの筒状部に安定して保持することが可能となる。
バスバー回路体に関する本発明の第1の態様は、第1の絶縁板と該第1の絶縁板に載置された第1のバスバーを含んで構成されたバスバー回路体において、前記第1のバスバーには、前記第1乃至第4の何れか一つの態様に記載のバスバーと端子の接続構造を用いて、第1の端子の一端部が接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、上記態様1〜4に記載のバスバーと端子の接続構造を用いて、バスバー回路体を構成する第1のバスバーに第1の端子が接続されて立設状態に保持されていることから、プレス打ち抜き加工によりバスバーにタブ端子を一体的に設ける場合に比して、歩留りを飛躍的に改善することができる。しかも、第1のバスバーに形成された筒状部には、筒状部に圧入される第1の端子の一端部に対して、筒状部が高い圧接力で圧接することを実現する圧接力強化手段が設けられている。これにより、第1の端子がプレスフィット端子等のばね部を有する特別な端子でなくても、筒状部の圧接力強化手段により、筒状部の端子に対する十分な圧接力を確保することができる。それ故、端子の種類が限定されない汎用性の高いバスバー回路体を実現できるのである。その他、バスバーと端子の接続構造を用いることにより、上記態様1〜4と同様の効果を得ることができる。
バスバー回路体に関する本発明の第2の態様は、前記第1の態様に記載されたバスバー回路体において、前記第1の絶縁板において前記第1のバスバーが載置された表面には、第2の端子の一端部を挿通するスルーホールが貫設されていると共に、前記第1のバスバーを収容する収容溝が設けられており、前記第1のバスバーが前記収容溝に収容された状態で前記第1のバスバーの表面が前記第1の絶縁板の前記表面と面一とされている一方、前記第1の絶縁板の裏面側には、前記第2の端子の前記一端部が接続される第2のバスバーが配設されており、前記第2のバスバーには前記スルーホールを挿通した前記第2の端子の前記一端部を圧入する前記筒状部が形成されており、前記第2の端子の前記第1の絶縁板の前記表面に対する当接により、前記第2の端子の前記一端部の前記筒状部に対する挿入端が規定されるようになっているものである。
本態様では、第2のバスバーにも第2の端子の一端部を圧入する筒状部が形成されていることから、第1の端子の場合と同様に第2の端子に対してもハンダレスで第2の端子と第2のバスバーの接続を図ると共に、第2の端子を第2のバスバー上に立設状態に保持することが可能となる。
しかも、第1のバスバーが収容溝に収容されることによって第1のバスバーの表面が絶縁板の表面と面一とされており、第2の端子の第1の絶縁板の表面に対する当接により、第2の端子の一端部の筒状部に対する挿入端が既定されるようになっている。それ故、第1の端子と第2の端子を異なる層のバスバーに接続した場合でも、第1のバスバーの表面から突出する第1の端子と第1の絶縁板の表面から突出する第2の端子の突出寸法を同じとすることができ、第1の端子と第2の端子を共通化することが可能となるのである。
なお、第1の絶縁板の裏面側に重ね合される第2のバスバーは、必ずしも第1の絶縁板の裏面に直接重ね合される必要はなく、単数又は複数のバスバーが載置された絶縁板を介して間接的に重ね合される場合も含まれる。その場合には、第1の絶縁板と第2のバスバーの間に介在される単数又は複数の絶縁板および/又はバスバーには、第2の端子の一端部の挿通を許容する貫通孔が設けられると理解されるべきである。
バスバー回路体に関する本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に記載されたバスバー回路体において、前記第1の絶縁板の前記表面には、前記第1のバスバーの前記筒状部が挿通される挿通孔が貫設されている一方、前記第1の絶縁板の裏面側には、前記第1の端子の前記一端部が接続される第3のバスバーが配設されており、前記第3のバスバーには前記挿通孔を挿通した前記第1の端子の前記一端部を圧入する前記筒状部が形成されているものである。
本態様では、第3のバスバーにも第1の端子の一端部を圧入する筒状部が形成されていることから、第1の端子の一端部を第1のバスバーのみならず第3のバスバーにも接続することができることから、第1のバスバーと第3のバスバーをハンダレスで接続することが可能となる。
なお、第1の絶縁板の裏面側に重ね合される第3のバスバーは、必ずしも第1の絶縁板の裏面に直接重ね合される必要はなく、単数又は複数のバスバーが載置された絶縁板を介して間接的に重ね合される場合も含まれる。その場合には、第1の絶縁板と第3のバスバーの間に介在される単数又は複数の絶縁板および/又はバスバーには、第2の端子の一端部の挿通を許容する貫通孔が設けられると理解されるべきである。また、第2のバスバーと第3のバスバーが同一の絶縁板(例えば、第2の絶縁板)に支持されていてもよいし、別々の絶縁板(例えば、第2,第3の絶縁板)に支持されていてもよい。また、第2のバスバーと第3のバスバーが同一の絶縁板に支持される場合には、第2のバスバーと第3のバスバーが一体的に連接されていてもよい。
本発明によれば、バスバーの筒状部には、筒状部に圧入される端子の一端部に対して、筒状部が高い圧接力で圧接することを実現する圧接力強化手段が設けられている。それ故、端子がプレスフィット端子等のばね部を有する特別な端子でなくても、筒状部の圧接力強化手段により、筒状部の端子に対する十分な圧接力を確保できる。従って、端子の種類が限定されない汎用性の高いバスバーと端子の接続構造が実現できる。しかも、筒状部の端子に対する十分な圧接力を確保できることから、半田付けを必要とすることなく、バスバーと端子の導通性を良好に確保しつつ、端子をバスバー上に立設状態に保持できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜8に、本発明の第一の実施形態に従うバスバー10と端子12の接続構造を用いて、バスバー10に端子12の一端部14が接続されてなるバスバー回路体16が示されている。なお、理解を容易とするために、図6において端子12の一端部14を仮想線で示している。また、以下の説明において、上方とは、図2中の上方、下方とは、図2中の下方、また前方側とは、図2中の左側、後方側とは、図2中の右側を言うものとする。
図1及び図2に示されているように、バスバー回路体16は、4層のバスバー10、すなわち上から第1のバスバー10a,第2のバスバー10b,第3のバスバー10c,第4のバスバー10dの間に、3層の絶縁板18、すなわち上から第1の絶縁板18a,第2の絶縁板18b,第3の絶縁板18cが挟持された構造を有している。そして、4層のバスバー10と3層の絶縁板18が積層された積層体に対して、上方乃至は下方からタブ状の端子12a,12bや音叉状の端子12cが挿し込まれて所定のバスバー10a,10b,10c,10dに接続されることにより、バスバー回路体16が構成されるようになっている。
図2に示されているように、バスバー10a,10b,10c,10dはいずれも、導電性金属板がプレス打ち抜き加工されて形成されている一方、バスバー10a,10b,10c,10dの端部等において、バーリング加工や深絞り加工等の公知の加工技術によって形成された筒状部20が設けられている。筒状部20は、図3〜6に示されているように、略矩形筒状形状を有している一方、筒状部20の周方向で等間隔に離隔する4つの角部には、角部を上下方向の全長に亘って切り欠くことによって形成された切欠部22が設けられている。そして、かかる切欠部22によって、筒状部20が周方向で4つに分断されている。
また、図2に示されているように、絶縁板18a,18b,18cはいずれも、略矩形平板状とされており、絶縁性を有する公知の合成樹脂材料で形成されている。絶縁板18a,18b,18cの表面24にはバスバー10a,10b,10cを収容する収容溝26が設けられており、バスバー10a,10b,10cがそれぞれ絶縁板18a,18b,18cの収容溝26に収容された状態で、バスバー10a,10b,10cの表面28がそれぞれ絶縁板18a,18b,18cの表面24と面一となるように形成されている。また、絶縁板18a,18b,18cの表面24に設けられた収容溝26にはそれぞれ、バスバー10a,10b,10cの筒状部20が挿通配置される略円形断面形状の挿通孔30が貫設されている。さらに、絶縁板18a,18b,18cの表面24にはそれぞれ、後述する第2の端子48の一端部14を挿通する略円形断面形状のスルーホール32が貫設されている。加えて、絶縁板18a,18cの裏面34にもバスバー10b,10dの一部(図2中、後方に配設されている)を収容する図示しない収容溝が設けられている。
タブ状の端子12a,12bや音叉状の端子12cの一端部14a,14b,14cはいずれも、細幅の平板形状で下方に向って突出する同形状のリード部とされている。なお、図6に示されているように、バスバー10a,10b,10cに設けられた筒状部20の内法寸法:L1は、かかる端子12a,12b,12cの一端部14a,14b,14cの外形寸法:L2よりも小さくなるように形成されている。一方、図1に示されているように、端子12a,12bの他端側36a,36bには接続部が形成されており、例えば図示しないコネクタハウジング内に挿入されてコネクタの端子金具として機能するコネクタ接続端子部40が構成されている。また、端子12cの他端側36cには音叉状の接続部が形成されており、例えば図示しないヒューズ等の電気部品の接続部を挿入して接続するためのヒューズ接続端子部42が形成されている。なお、端子12aは、例えばタフピッチ銅や黄銅等の銅合金、鉄等から形成された、一定の略正方形断面形状をもって延びる線材を所定長さに切断されることによって形成されており、表面には全面に亘ってめっき層が施されている。また、端子12aの長さ方向の中央部分には潰し加工によって形成された一対の当接部44,44が設けられている(図3参照)。なお、一対の当接部44,44は、端子12aの長さ方向に直交する方向の両側に張り出して長さ方向に直交して広がる段差面を構成している。一方、端子12b,12cは、例えば銅板等の表面に錫等のめっきが施された金属板がプレス打ち抜き加工されて形成されている。また、端子12b,12cの一端部14b,14cの基端側にも端子12b,12cの長さ方向に直交する方向の両側に張り出して長さ方向に直交して広がる段差面を構成する一対の当接部44,44が設けられている(図7参照)。
このような構造とされた端子12a,12b,12cは、第1の端子46と第2の端子48を含んで構成されている。図2に示されているように、第1の端子46は、その一端部14a,14b,14cが、第1の絶縁板18aの収容溝26に収容載置された第1のバスバー10aの筒状部20に圧入されることで第1の端子46が第1のバスバー10aに接続されるようになっている。ここで、第1の端子46の一端部14a,14b,14cの筒状部20への挿し込み量は、一対の当接部44,44が第1のバスバー10aの表面28に当接されることで規定されるようになっている。すなわち、一対の当接部44,44が第1のバスバー10aの表面28に当接されることにより、第1の端子46の一端部14a,14b,14cが筒状部20の軸方向で位置決めされ、さらに、第1の端子46のバスバー10aの表面28に対する傾斜が阻止されるようになっているのである。なお、図2に示されているように、第1のバスバー10aの筒状部20を挿通した第1の端子46の一端部14a,14b,14cは、絶縁板18a,18b,18cに貫設された挿通孔30に挿通配置されるようになっている。
一方、第2の端子48は、その一端部14a,14b,14cが、第1の絶縁板18aの表面24に設けられたスルーホール32を挿通して、第1の絶縁板18aの裏面34側に配設された第2のバスバー10bの筒状部20に圧入されるようになっている。これにより、第2の端子48が第2のバスバー10bに接続されるようになっている。ここで、第2の端子48の一端部14a,14b,14cの筒状部20への挿し込み量は、一対の当接部44,44が第1の絶縁板18aの表面24に当接されることで規定され、さらに、第2の端子48の第1の絶縁板18aの表面24に対する傾斜が阻止されるようになっている。
加えて、第1の端子46は、その一端部14cが第1のバスバー10aの筒状部20に圧入後、第1の絶縁板18aの挿通孔30や第2の絶縁板18bのスルーホール32を挿通して、第1の絶縁板18aの裏面34側に配設された第3のバスバー10cの筒状部20に圧入されるようになっている。これにより、第1の端子46が第3のバスバー10cに接続されるので、結果として第1のバスバー10aと第3のバスバー10cが接続されるようになっている。
このような構造とされたバスバー回路体16によれば、バスバー10の筒状部20が、4つの切欠部22によって筒状部20の周方向で4つに分断されていることから、筒状部20が軸直方向に撓み変形し易くなっている。また、筒状部20の内法寸法:L1は、端子12の一端部14の外形寸法:L2よりも小さくなるように形成されていることにより、筒状部20と端子12の一端部14の大きな圧接代が十分に確保されている。それ故、端子12の一端部14が圧入されることにより軸直方向外方に向かって弾性変形された筒状部20の弾性復帰しようとする復元力によって、圧入された端子12の一端部14を大きな圧接力で圧接することができるようになっている。従って、端子12がプレスフィット端子等のばね部を有する特別な端子でなくても、バスバー10の筒状部20と端子12の一端部14間の十分な圧接力が安定して確保されるので、ハンダレスでバスバー10と端子12の導通性を良好に確保しつつ、端子12をバスバー10上に立設状態に保持することが可能となるのである。しかも、筒状部20の内法寸法:L1を端子12の一端部14の外形寸法:L2よりも小さくすると共に、切欠部22によって筒状部20を周方向で分断するという簡単な構成によって圧接力強化手段を実現することができ、容易且つ低コストでの製造が可能となる。
また、バスバー回路体16を構成する第1のバスバー10aに第1の端子46が接続されて立設状態に保持されていることから、従来の如きプレス打ち抜き加工によりバスバー10にタブ端子を一体的に設ける場合に比して、歩留りを飛躍的に改善できる。加えて、第2のバスバー10bにも筒状部20が形成されており、第2の端子48の一端部14が圧入可能とされていることから、第2の端子48に対してもハンダレスで第2のバスバー10bとの接続を図れると共に第2のバスバー10b上に立設状態に保持することが可能となる。しかも、第3のバスバー10cにも筒状部20が形成されており、第1の端子46の一端部14が圧入可能とされていることから、第1の端子46を第1のバスバー10aのみならず第3のバスバー10cにも接続することができるので、第1のバスバー10aと第3のバスバー10cをハンダレスで接続することが可能となるのである。
さらに、バスバー10が収容溝26に収容されることによってバスバー10の表面28が絶縁板18の表面24と面一となるように形成されていることから、第1のバスバー10aの表面28に載置される第1の端子46と第1の絶縁板18aの表面24に載置される第2の端子48の突出寸法を同じとすることができるので、第1の端子46と第2の端子48を共通化することが可能となるのである。
次に、図9及び図10を用いて、本実施形態の第二の実施形態としてのバスバー10と端子12の接続構造について詳述するが、上記実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、上記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。本実施形態では、圧接力強化手段が、筒状部50の内周面52に突設された圧接リブ54を含んで構成されている点に関して、上記実施形態と異なる実施形態を示すものである。なお、理解を容易とするために、図9及び図10において端子12の一端部14を仮想線で示している。
より詳細には、圧接リブ54は、略矩形筒状とされた筒状部50の内周面52を構成する4つの面の周方向中央部分に軸方向の略全長に亘って略半円断面形状で突設されている。また、筒状部20の内法寸法に相当する対向する圧接リブ54間の離隔距離:L1が、端子12の一端部14の外形寸法:L2よりも小さくなるように形成されている。これにより、端子12の一端部14が圧接リブ54に当接する際の当接反力により、筒状部50が端子12の一端部14に強固に圧接されるので、ハンダレスで端子12とバスバー10との接続を可能とすると共に、端子12をバスバー10上に立設状態に保持することが可能となるのである。しかも、筒状部50の内周面52に圧接リブ54を設けるという極めて簡単な構成によって圧接力強化手段を実現することができることから、容易に製造でき、低コスト化が可能となる。
次に、図11を用いて、本実施形態の第三の実施形態としてのバスバー10と端子56の接続構造について詳述するが、上記実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、上記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。本実施形態では、筒状部58の内周面52に周方向に延びる突部60が形成されており、突部60に係止される係合凹部62が端子56の一端部14に設けられている点に関して、上記第一の実施形態と異なる実施形態を示すものである。
より詳細には、上記第一の実施形態と同様に切欠部22によって4つに分割された筒状部58の内周面52に対して新たに略半円断面形状で周方向に延びる突部60が形成されている一方、端子56の一端部14には突部60に係止される係合凹部62が略半円断面形状で全周に亘って設けられている。これにより、圧入された端子56の一端部14を筒状部58に対して軸方向で位置決めした状態で安定して保持することが可能となることから、端子56の図示しない相手方端子が挿抜される際の挿抜力に対して、端子56を筒状部58に安定して保持することが可能となる。加えて、本実施形態では、筒状部58に突部60を設け且つ端子56の一端部14に係合凹部62を設けた点以外は、上記第一の実施形態と同様の構造を有していることから、それら第一の実施形態と同様の構造に基づく上記第一の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。例えば、上記第一の実施形態においては、筒状部20は、平面視で矩形状とされている一方、周方向で等間隔に離隔する4つの切欠部22によって4つに分断されていたが、図12及び図13に示されているように、筒状部64は平面視で円形状とされていてもよいし、周方向で等間隔に離隔する2つの切欠部22によって2つに分断されていてもよい。さらに言えば、筒状部64は平面視で多角形形状や楕円形状など任意の形状とされていてもよいし、また筒状部64を分割する切欠部22は周方向で不等間隔に離隔するように設けられていてもよいし、3つあるいは5つ以上であってもよい。
また、上記第二の実施形態においては、筒状部50は切欠部22によって分断されていなかったが、筒状部50が上記第一の実施形態のように切欠部22によって分断されていいても勿論構わない。
さらに、第2の端子48が接続される第2のバスバー10bは、必ずしも第1の絶縁板18aの裏面34に直接重ね合されている必要はなく、単数又は複数のバスバー10が載置された絶縁板18を介して間接的に重ね合される場合も含まれる。その場合には、第1の絶縁板18aと第2のバスバー10bの間に介在される単数又は複数のバスバー10および/又は絶縁板18には、第2の端子48の一端部14の挿通を許容する貫通孔が設けられているものとする。
加えて、第1の端子46が接続される第3のバスバー10cは、第1の絶縁板18aの裏面34に直接重ね合されていてもよいし、単数又は複数のバスバー10が載置された絶縁板18を介して間接的に重ね合される場合も含まれる。その場合には、第1の絶縁板18aと第3のバスバー10cの間に介在される単数又は複数のバスバー10および/又は絶縁板18には、第1の端子46の一端部14の挿通を許容する貫通孔が設けられているものとする。また、第2のバスバー10bと第3のバスバー10cが同一の絶縁板18(例えば、第2の絶縁板18b)に支持されていてもよいし、別々の絶縁板18(例えば、第2,第3の絶縁板18b,18c)に支持されていてもよい。さらに、第2のバスバー10bと第3のバスバー10cが同一の絶縁板18に支持される場合には、第2のバスバー10bと第3のバスバー10cは一体的に連接されていてもよい。
10:バスバー、10a:第1のバスバー、10b:第2のバスバー、10c:第3のバスバー、12,12a〜c,56:端子、14,14a〜c:一端部、16:バスバー回路体、18:絶縁板、18a:第1の絶縁板、20,50,58:筒状部、22:切欠部、24:表面(絶縁板)、26:収容溝、28:表面(バスバー)、30:挿通孔、32:スルーホール、34:裏面(絶縁板)、46:第1の端子、48:第2の端子、52:内周面、54:圧接リブ、60:突部、62:係合凹部
Claims (7)
- バスバーに端子の一端部が接続されてなるバスバーと端子の接続構造であって、
前記バスバーには、筒状部が形成されており、該筒状部に前記端子の一端部が圧入されている一方、
前記筒状部が、圧入された前記端子の一端部に対する圧接力を強化する圧接力強化手段を備えている
ことを特徴とするバスバーと端子の接続構造。 - 前記圧接力強化手段が、前記筒状部の内法寸法が前記端子の一端部の外形寸法よりも小さくされている構成と、前記筒状部が周方向で離隔する位置に設けられた少なくとも2つの切欠部によって該筒状部の周方向で複数個に分断されている構成とを含んで構成されている請求項1に記載のバスバーと端子の接続構造。
- 前記圧接力強化手段が、前記筒状部の内周面に突設された圧接リブを含んで構成されている請求項1又は2に記載のバスバーと端子の接続構造。
- 前記筒状部の内周面に周方向に延びる突部が形成されており、該突部に係止される係合凹部が前記端子の一端部に設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載のバスバーと端子の接続構造。
- 第1の絶縁板と該第1の絶縁板に載置された第1のバスバーを含んで構成されたバスバー回路体において、
前記第1のバスバーには、請求項1〜4の何れか1項に記載のバスバーと端子の接続構造を用いて、第1の端子の一端部が接続されていることを特徴とするバスバー回路体。 - 前記第1の絶縁板において前記第1のバスバーが載置された表面には、第2の端子の一端部を挿通するスルーホールが貫設されていると共に、前記第1のバスバーを収容する収容溝が設けられており、前記第1のバスバーが前記収容溝に収容された状態で前記第1のバスバーの表面が前記第1の絶縁板の前記表面と面一とされている一方、
前記第1の絶縁板の裏面側には、前記第2の端子の前記一端部が接続される第2のバスバーが配設されており、前記第2のバスバーには前記スルーホールを挿通した前記第2の端子の前記一端部を圧入する前記筒状部が形成されており、前記第2の端子の前記第1の絶縁板の前記表面に対する当接により、前記第2の端子の前記一端部の前記筒状部に対する挿入端が規定されるようになっている請求項5に記載のバスバー回路体。 - 前記第1の絶縁板の前記表面には、前記第1のバスバーの前記筒状部が挿通される挿通孔が貫設されている一方、
前記第1の絶縁板の裏面側には、前記第1の端子の前記一端部が接続される第3のバスバーが配設されており、前記第3のバスバーには前記挿通孔を挿通した前記第1の端子の前記一端部を圧入する前記筒状部が形成されている請求項5又は6に記載のバスバー回路体。
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JP2019068650A (ja) * | 2017-10-02 | 2019-04-25 | 株式会社豊田自動織機 | 電動圧縮機用インバータモジュール |
JP2020504435A (ja) * | 2017-05-24 | 2020-02-06 | ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィMitsubishi Electric R&D Centre Europe B.V. | 接続アセンブリ、パワーモジュール及び板状電源コネクタ |
-
2014
- 2014-07-14 JP JP2014144284A patent/JP2016021311A/ja active Pending
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