JP2016012124A - 投影装置及び車 - Google Patents

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祥一 松田
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Abstract

【課題】 投影映像を鮮明に表示しつつ、その外側の状況を十分に透視できる投影装置を提供する。
【解決手段】 本発明の投影装置1は、1種の偏光成分を含む出射光2を出射する光照射装置3と、前記出射光2が照射される偏光子41を有する偏光板4と、を有し、前記偏光板4が、その吸収軸によって前記出射光2を吸収及び反射するように設けられており、前記偏光板4の前記出射光2に対する反射率が、10%以上であり、前記偏光板4の単体透過率が、30%〜90%である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、投影装置等に関する。
従来、スクリーンなどの反射体にプロジェクタなどの光照射装置から発せられた光を投影する投影装置が知られている。スクリーンに投影された光が反射することにより、観察者は、スクリーン上に映像を視認できる。しかし、この投影装置に用いられるスクリーンは、通常、不透明である。そのため、観察者は、投影装置の内側(光照射装置側)からスクリーンを透かしてその反対側の状況を視認する(即ち、透視する)ことはできない。
近年、従来の投影装置を改良し、透光性を有する反射体(透光反射体)を用いた投影装置(ヘッドアップディスプレイ)が開発されている。例えば、特許文献1には、光照射装置から発せられた光を透光反射体である自動車のフロントガラスに反射させることで映像を表示する装置が開示されている。
透光反射体は、光照射装置から発せられた光を反射するだけでなく、外側からの光を透過することができる。従って、観察者は、透光反射体に投影された映像を視認できるだけでなく、透光反射体の外側の状況を透視することができる。そのため、自動車の運転者は、透光反射体であるフロントガラスに表示された位置座標や速度計などの運行情報を見つつ、フロントガラスを透かして自動車の外側の状況を視認することができる。従って、運転者は、自動車を運転中に、進行方向から視線を逸らすことなく運行情報を入手できる。
ヘッドアップディスプレイを上述のように自動車などの乗物に応用する場合、透光反射体に表示される映像の濃淡は、乗物の安全な運行のために非常に重要である。
つまり、透光反射体に表示される映像が濃すぎると、透光反射体を透かして乗物の外側の状況を視認し難くなり、乗物の安全な運行に支障が生じる虞がある。他方、透光反射体に表示される映像が淡すぎると、運転者は、十分な運行情報を入手することができない。この場合、運転者は、十分な運行情報を得ようとし、意識をよりいっそう映像に傾ける傾向がある。そうすると、乗物の外側に対する運転者の意識が散漫になり、乗物の安全な運転に支障が生じる虞がある。
このように、ヘッドアップディスプレイを乗物に応用する場合、投影される映像の濃淡は、乗物の外側の状況を十分に透視できる程度に淡く、且つ、運転者が瞬時に運行情報を読み取れる程度に濃い必要がある。
特開2014−85657号公報
本発明の目的は、投影映像を鮮明に表示しつつ、その外側の状況を十分に透視できる投影装置を提供することである。
本発明の投影装置は、1種の偏光成分を含む出射光を出射する光照射装置と、前記出射光が照射される偏光子を有する偏光板と、を有し、前記偏光板が、その吸収軸によって前記出射光を吸収及び反射するように設けられており、前記偏光板の前記出射光に対する反射率が、10%以上であり、前記偏光板の単体透過率が、30%〜90%である。
好ましくは、前記偏光板の前記出射光に対する反射率が、90%以下である。また、好ましくは、前記出射光が、実質的に前記1種の偏光成分のみから構成されている。
好ましくは、前記偏光子が、後述する一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物を含んでいる。
好ましくは、前記出射光が、直線偏光、円偏光、又は楕円偏光である。また、好ましくは、前記光照射装置が、プロジェクタ装置、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス発光装置、又はレーザー投影装置である。また、好ましくは、前記偏光板が、光の透過量を電力で調整し得る調光窓として機能する。
本発明の別の局面によれば、上記本発明の投影装置を搭載した車が提供される。
本発明の投影装置は、投影映像を鮮明に表示することができ、且つ、投影装置の内側から偏光板を透かしてその外側の状況を十分に視認(透視)できる。
本発明に用いられる偏光子の性質を説明した参考図。図1(a)は、偏光子の正面図であり、図1(b)は、同偏光子の側面図。 第1実施形態に係る本発明の投影装置を示す概念図。 第2実施形態に係る本発明の投影装置を示す概念図。 抽出用偏光板における、偏光子の透過軸と1/4波長板の遅相軸の関係性を示す参考図。 偏光板における、偏光子の吸収軸と1/4波長板の遅相軸の関係性を示す参考図。
以下、本発明について具体的に説明する。
なお、本明細書において、「投影装置の内側」とは、投影装置の光照射装置が配置される側であり、「投影装置の外側」とは、偏光板を境界にした前記内側の反対側(光照射装置が配置されていない側)を意味する。
また、角度及びその関係(例えば、直交、平行、45°など)は、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。例えば、平行などは、厳密な角度±5°の範囲内であることを意味し、好ましくは、±3°の範囲内である。
さらに、「PPP〜QQQ」という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
本発明の投影装置は、光照射装置と偏光板を有する。
光照射装置は、1種の偏光成分を含む出射光を出射すると共に、この出射光を偏光板に照射する装置である。そして、偏光板は、この出射光を吸収及び反射するように設けられている。即ち、本発明では、偏光板が、出射光を反射する反射体として用いられる。偏光板は、偏光子を有する。以下、図1を参照しつつ、本発明に用いられる偏光子の機能について説明する。なお、便宜上、図1において、偏光子に入射する光を黒塗り矢印で示しており、矢印の太さは光量を表している(図2及び図3についても同様)。
偏光子は、自然光(非偏光)から特定の振動方向を有する直線偏光を抽出する部材である。具体的には、図1(a)に示すように、偏光子1Aは、その面内に吸収軸Aと透過軸Tを有する。吸収軸Aと透過軸Tは、互いに偏光子1Aの面内で直交している。そして、図1(b)に示すように、吸収軸方向(吸収軸Aの延びる方向)と平行な振動方向を有する直線偏光Xは偏光子1Aに吸収され、透過軸方向(透過軸Tの延びる方向)と平行な振動方向を有する(即ち、直線偏光Xと振動方向が直交する)直線偏光Yは偏光子1Aを透過する。本発明に用いられる偏光子は、反射型の偏光子である。そのため、直線偏光Xは、その一部が偏光子1Aの吸収軸Aによって吸収されるものの、吸収されなかった他の直線偏光Xは、偏光子1Aの表面から反射される(図1(b)参照)。
本発明では、吸収軸によって出射光が吸収及び反射されるように偏光板が設けられていると共に、偏光板の出射光に対する反射率が10%以上である。従って、観察者は、この反射した光(反射光)を鮮明な投影映像として視認することができる。
なお、本発明において、偏光板は、偏光子のみから構成されていてもよく、偏光子と他層の積層体から構成されていてもよい。偏光板が偏光子と他層の積層体から構成されている場合、偏光板の吸収軸とは、偏光板が有する偏光子の吸収軸を意味し、偏光板の透過軸は、偏光板が有する偏光子の透過軸を意味する。
以下、本発明の具体的な実施形態を挙げて説明する。
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態に係る投影装置を示す概念図である。
図2に示すように、投影装置1は、1種の偏光成分を含む光を出射光2として出射する光照射装置3と、この出射光2をその吸収軸によって吸収及び反射する偏光板4と、を有する。偏光板4は、出射光2の出射方向に延びる仮想直線上に設けられており、出射光2は偏光板4に投射される。
本実施形態では、光照射装置3は、その内部に光源31を有する。光源31から発せられた光は、レンズ32とレンズ32に貼付された偏光板33を介して光照射装置3の外側に出射される。また、反射体として用いられる偏光板4は、偏光子41と基板42の積層体から構成されている。偏光板4は、その偏光子41が最も内側(光照射装置側)に位置するように配設されている。
本実施形態では、出射光2が直線偏光である。そして、偏光板4は、その吸収軸方向が出射光2(直線偏光)の振動方向と平行となるように配設されている。換言すれば、偏光板4は、その透過軸方向が出射光2の振動方向と直交するように配設されている。
従って、出射光2(直線偏光)は、その一部が、偏光板4の吸収軸によって吸収され、その他部が、偏光板4の表面から光照射装置側へ反射される。
(光照射装置)
光照射装置は、1種の偏光成分を含む出射光を出射すると共に、この出射光を偏光板に照射する装置である。出射光は、少なくとも1種の偏光成分を含んでいる。1種の偏光成分は、直線偏光、円偏光、又は楕円偏光の何れであってもよい。本実施形態では、1種の偏光成分は、直線偏光である。
ここで、本明細書において、「1種の偏光成分」は、特定の振動方向を有する偏光成分の総称である。「1種の偏光成分」は、特定の振動方向を有し且つ特定の波長を有する単一の偏光成分(偏光成分A)のみから構成されていてもよく、偏光成分Aに加え、偏光成分Aとは異なる波長を有し且つ偏光成分Aと同じ振動方向を有する偏光成分(偏光成分B)を含んでいてもよい。即ち、1種の偏光成分には、単一の偏光成分だけでなく、振動方向が同じ他の偏光成分が含まれていてもよい。なお、偏光成分Aと同じ波長で振動方向が異なる偏光成分(偏光成分C)、及び偏光成分Aと波長及び振動方向が異なる偏光成分(偏光成分D)は、本発明における「1種の偏光成分」に含まれない。偏光成分C及びDは1種の偏光成分とは別の偏光成分(別種の偏光成分)である。
具体的には、出射光が赤色光である場合、出射光には、例えば、波長700nmの赤色光(偏光成分A)だけでなく、波長750nmの別の赤色光(偏光成分B)が含まれていてもよい。この場合、両赤色光の振動方向は同じである。
また、出射光が赤色光及び青色光である場合、出射光には、例えば、波長700nmの赤色光(偏光成分A)と波長450nmの青色光(偏光成分B)が含まれる。この場合、赤色光と青色光の振動方向は同じである。
偏光成分Aと偏光成分Bは、偏光の振動方向が同じであるため、共に偏光板の吸収軸によって吸収及び反射される。
なお、出射光は、波長360nm〜830nmの可視光であることが好ましい。可視光である複数の偏光成分を用いることで、色彩豊かな映像を偏光板に投影することができる。
出射光は、1種の偏光成分だけでなく、それとは振動方向が異なる別種の偏光成分を含んでいてもよい。もっとも、出射光が別種の偏光成分を含む場合であっても、1種の偏光成分と振動方向が直交する偏光成分は含まれないことが好ましい。1種の偏光成分と振動方向が直交する別種の偏光成分が出射光に含まれている場合、この別種の偏光成分の振動方向は偏光板の透過軸方向と平行となるため、別種の偏光成分(出射光の一部)が偏光板の外側に透過する。従って、投影装置の外側から投影映像が視認される虞がある。
好ましくは、出射光は、実質的に1種の偏光成分のみから構成されている。
「実質的に1種の偏光成分のみから構成されている」とは、出射光が1種の偏光成分のみから構成されている場合だけでなく、本発明の技術分野で許容される範囲で、出射光が別種の偏光成分を含む場合を含む。
具体的には、出射光は、90%以上の1種の偏光成分と10%以下の別種の偏光成分を含んでいてもよく、好ましくは、95%以上の1種の偏光成分と5%以下の別種の偏光成分を含んでいてもよい。
本発明の投影装置を自動車のナビゲーションシステムなどに適用する場合、投影映像には、個人的な情報(例えば、自動車の目的地など)が含まれる可能性がある。そのため、投影装置の外側から投影映像が視認されないことが望ましい。
この点、出射光が、実質的に1種の偏光成分のみから構成されている場合、偏光板の吸収軸によって、出射光の大部分が吸収又は反射される。従って、出射光が、投影装置の外側に洩れ難くなり、投影装置の外側から投影映像を視認し難くすることができる。
光照射装置は、偏光板に映し出す画像情報に応じた映像(出射光)を出射することができる装置であれば特に限定されず、例えば、従来公知のプロジェクタ装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)発光装置、液晶表示装置、レーザー投影装置などを用いることができる。光照射装置は、その内部に、光を発する元となる光源を有している。例えば、プロジェクタ装置の場合、光源としてハロゲンランプを有しており、有機EL発光装置の場合、光源として有機発光層を有している。
なお、本実施形態では、図2に示すように、光照射装置3は、例えばハロゲンランプを光源31として内部に有するプロジェクタ装置である。
1種の偏光成分のみを出射光として用いる場合、光照射装置の光源自体が1種の偏光成分のみを発するものであれば、この光源から発せられた光をそのまま出射光として用いることができる。他方、光源自体が非偏光又は1種の偏光成分以外に別種の偏光成分を含む光を発するものであれば、この光源から発せられた光から1種の偏光成分を抽出し、この抽出した偏光成分を出射光として用いることができる。
例えば、図2に示すように、光源31としてハロゲンランプを用いたプロジェクタ装置を光照射装置3として用いる場合、そのレンズ32の表面に偏光板33を貼付することにより、1種の偏光成分を出射光2として抽出することができる。なお、本明細書では、光照射装置の出射光の抽出に用いられる偏光板33と出射光の反射体として用いられる偏光板4を区別するため、前者の偏光板33を以後「抽出用偏光板」と称する。
光照射装置は、1種の偏光成分を出射光として出射する必要があるため、レンズに貼付される抽出用偏光板は、1種の偏光成分(出射光)を透過する透過軸と、1種の偏光成分と振動方向が直交する別種の偏光成分を吸収する吸収軸を有する。
なお、本実施形態では、出射光が直線偏光であるため、抽出用偏光板は偏光子のみから構成されていてもよいが、後述するように、出射光として円偏光又は楕円偏光を採用する場合、抽出用偏光板は、偏光子と位相差フィルムを有する。
抽出用偏光板に用いられる偏光子は、光源から出射光(1種の偏光成分)を抽出できるものであれば特に限定されない。このような偏光子としては、例えば、ヨウ素又は二色性色素で染色された親水性ポリマーフィルムが挙げられる。このような偏光子は、通常、フィルムを膨潤させ、膨潤させたフィルムをヨウ素又は二色性色素で染色し、染色フィルムをホウ酸などの架橋剤で架橋し、延伸処理を施した後、乾燥することにより得ることができる。
(偏光板)
偏光板は、その吸収軸によって出射光の一部を吸収し且つ他部(吸収されなかった出射光)を反射する部材である。即ち、偏光板は、出射光に対する反射体として機能する。
偏光板の出射光に対する反射率は、10%以上である。そのため、本発明の投影装置は、鮮明な映像を偏光板に投影することができる。また、偏光板の単体透過率は、30%〜90%である。従って、投影装置の内側から偏光板を介してその外側の状況を十分に透視することができる。
上記反射率は、10%以上であり、好ましくは12%以上であり、より好ましくは15%以上であり、特に好ましくは18%以上である。また、上記反射率の上限は、特に限定されないが、反射率があまりに高すぎると、偏光板に投影映像が鮮明に映り過ぎ、かえって偏光板(投影装置)の外側の状況を透視し難くなる虞がある。この点を考慮すると、上記反射率は好ましくは90%以下であり、より好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下である。
また、上記単体透過率は、30%以上であり、好ましくは35%以上であり、より好ましくは37%以上であり、特に好ましくは40%以上である。また、上記単体透過率は、90%以下であり、好ましくは85%以下であり、より好ましくは80%以下あり、特に好ましくは70%以下である。
なお、偏光板の反射率は、温度23℃、波長590nmを基準にした値である。単体透過率についても同様である。
本実施形態では、図2に示すように、偏光板4は、偏光子41と基板42を有しており、偏光子41が最も内側(光照射装置側)に位置するように設けられている。従って、基板42により出射光2(直線偏光)の位相が乱されることがないため、出射光2を確実に10%以上反射することができる。
もっとも、偏光板は、偏光子が基板よりも外側となるよう(即ち、基板が偏光子よりも内側となるよう)に設けられていてもよい。この場合、基板は実質的に光学的等方性を有する、即ち、実質的に光学的異方性を有さないことが好ましい。基板が光学的異方性を有すると、出射光(直線偏光)の位相が基板によって乱れ、出射光が偏光子の吸収軸に吸収され難くなり且つ偏光板の表面から反射し難くなる虞がある。
ここで、「基板が実質的に光学的等方性を有する」とは、基板の屈折率楕円体が、nx=nz=nyである場合だけでなく、nx≒nz≒nyである場合を含む。
具体的には、基板の面内複屈折率Δnxy(nx−ny)の絶対値、及び厚み方向複屈折率Δnxz(nx−nz)の絶対値が、0.0005以下である場合を含み、好ましくは0.0001以下であり、より好ましくは0.00005以下である。
なお、本明細書において、「nx」は、23℃、波長590nmを基準にして、測定対象となる層(ここでは、基板)面内の屈折率が最大となる方向(X軸方向)の屈折率を表し、前記「ny」は、同面内でX軸方向に対して直交する方向(Y軸方向)における屈折率を表し、前記「nz」は、前記X軸方向及びY軸方向に直交する方向(厚み方向)における屈折率を表す。
また、本実施形態では、偏光板は、偏光子と基板のみを有するが、それ以外の他層を有していてもよい。この他層は特に限定されないが、他層が偏光子よりも内側に設けられる場合、他層は実質的に光学的等方性を有することが好ましい。
基板は特に限定されず、例えば、ガラス基板、石英基板、樹脂フィルム基板、液晶フィルム基板、シリコン基板など任意の部材が用いられる。後述するように、本発明の偏光板に用いられる偏光子は、コーティング液を基板に塗布及び乾燥することにより容易に形成することができる。従って、光照射装置の映像を投影したい対象(例えば、自動車のフロントガラス)を基板として用い、コーティング液を基板上に塗布及び乾燥することで、容易に反射体(偏光板)を構成することができる。
本発明の偏光板は、その吸収軸において出射光を10%以上反射し、且つ、その単体透過率が30%〜90%であれば特に限定されない。
このような偏光板としては、例えば、やワイヤグリッド型の偏光板や有機色素を含む偏光板(即ち、リオトロピック液晶性を有する有機色素を含む偏光子を有する偏光板)などが挙げられる。
ワイヤグリッド型の偏光板は、直線状の金属ワイヤ(細線)を基材上に一定方向に規則的に配列した構造を有する偏光板である。ワイヤグリッド型の偏光板は、金属ワイヤの太さ、配列間隔、配列方向を変更することで、その偏光特性を変化させることができる。
有機色素を含む偏光板は、偏光子を有しており、偏光子の内部において有機色素が超分子会合体を形成している。ここで、「超分子会合体」とは、複数の有機色素が水素結合等によって結合して形成された1つの大きな複合体である。また、リオトロピック液晶性とは、有機色素と溶媒を含むコーティング液の温度や濃度を変化させることにより、有機色素が等方相−液晶相の相転移を生じる性質を意味する。
超分子会合体を形成した有機色素を含む偏光子は、例えば、適当な有機色素と溶媒を含むコーティング液を塗布し、それを乾燥させることによって得ることができる。
偏光子に含まれる有機色素は、上記の反射率と単体透過率を満足し得るものであれば特に限定されない。
このような有機色素としては、例えば、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ペリレン系化合物、キノフタロン系化合物、ナフトキノン系化合物、メロシアニン系化合物などが挙げられる。良好なリオトロピック液晶性を示すことから、アゾ系化合物を用いることが好ましい。
アゾ系化合物の中では、分子中に芳香環を有するアゾ化合物が好ましく、ナフタレン環を有するジスアゾ化合物がより好ましい。このようなアゾ系化合物を含むコーティング液を塗布・乾燥することにより、上記反射率と単体透過率を満たした偏光子を得ることができる。
また、アゾ系化合物は、その分子中に極性基を有するアゾ系化合物が好ましい。極性基を有するアゾ系化合物は、水系溶媒に可溶であり、水系溶媒に溶解して超分子会合体を形成し易い。このため、極性基を有するアゾ系化合物を含むコーティング液は、特に良好なリオトロピック液晶性を示す。
なお、極性基とは、極性を持つ官能基を意味する。極性基としては、OH基、COOH基、NH基、NO基、CN基のような比較的電気陰性度の大きい酸素及び/又は窒素を含む官能基が挙げられる。
極性基を有するアゾ系化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物が好ましい。特に、下記一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物を含む偏光子は、吸収軸における偏光成分の反射率が高く、且つ、単体透過率も高い。従って、下記一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物を偏光子の形成材料として用いることで、容易に本発明に用いられる偏光板を構成することができる。
Figure 2016012124
一般式(1)において、Qは、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Qは、置換若しくは無置換のアリーレン基を表し、Rは、独立して、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアセチル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Mは、対イオンを表し、mは、0〜2の整数を表し、nは、0〜6の整数を表す。ただし、m及びnの少なくとも何れか一方は、0でなく、1≦m+n≦6である。前記mが2である場合、各Rは、同一又は異なる。
一般式(1)に示されたOH、(NHR、及び(SOM)は、それぞれナフチル環の7つの置換部位のいずれに結合していてもよい。
なお、本明細書において、「置換若しくは無置換」とは、「置換基で置換されている、又は、置換基で置換されていない」ことを意味する。
前記一般式(1)のナフチル基とアゾ基(−N=N−)の結合位置は、特に限定されない。前記ナフチル基は、式(1)において右側に表されているナフチル基を指す。好ましくは、前記ナフチル基とアゾ基は、前記ナフチル基の1位又は2位で結合されている。
前記一般式(1)のRのアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、又はフェニル基が置換基を有する場合、その置換基としては、下記アリール基又はアリーレン基において例示する、各置換基が挙げられる。
前記Rは、好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアセチル基であり、より好ましくは水素原子である。
前記置換若しくは無置換のアルキル基としては、置換若しくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
前記一般式(1)のM(対イオン)は、好ましくは、水素イオン;Li、Na、K、Csなどのアルカリ金属イオン;Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属イオン;その他の金属イオン;アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムイオン;有機アミンの塩などが挙げられる。前記金属イオンとしては、例えば、Ni、Fe3+、Cu2+、Ag、Zn2+、Al3+、Pd2+、Cd2+、Sn2+、Co2+、Mn2+、Ce3+などが挙げられる。有機アミンとしては、炭素数1〜6のアルキルアミン、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキルアミン、カルボキシル基を有する炭素数1〜6のアルキルアミンなどが挙げられる。上記一般式(1)において、SOMが2つ以上である場合、各Mは、同一又は異なっていてもよい。また、前記一般式(1)において、SOMのMが2価以上の陽イオンである場合、そのMは、他の陰イオンと静電的に結合して安定化しているか、或いは、そのMは、隣接する他の一般式(1)のアゾ系化合物のSO と結合して超分子会合体を形成し得る。
前記一般式(1)のmは、好ましくは1である。また、一般式(1)のnは、好ましくは1又は2である。
一般式(1)のナフチル基の具体例としては、例えば、下記式(a)乃至式(l)などが挙げられる。式(a)乃至式(l)のR及びMは、一般式(1)と同様である。
Figure 2016012124
前記一般式(1)において、前記Qで表されるアリール基は、フェニル基の他、ナフチル基などのようなベンゼン環が2以上縮合した縮合環基が挙げられる。
前記Qで表されるアリーレン基は、フェニレン基の他、ナフチレン基などのようなベンゼン環が2以上縮合した縮合環基が挙げられる。
のアリール基又はQのアリーレン基は、それぞれ置換基を有していてもよいし、又は、置換基を有していなくてもよい。前記アリール基又はアリーレン基が、置換若しくは無置換のいずれの場合でも、極性基を有する一般式(1)の芳香族ジスアゾ化合物は、水系溶媒に対する溶解性に優れている。
前記アリール基又はアリーレン基が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、COOM基などのカルボキシル基、SOM基などのスルホン酸基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲノ基などが挙げられる。好ましくは、前記置換基は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びニトロ基から選ばれる1つである。このような置換基を有する芳香族ジスアゾ化合物は、特に水溶性に優れている。これらの置換基は、1種又は2種以上置換されていてもよい。また、前記置換基は、任意の比率で置換されていてもよい。
前記一般式(1)のQは、好ましくは置換若しくは無置換のフェニル基であり、より好ましくは前記置換基を有するフェニル基である。
前記Qは、好ましくは置換若しくは無置換のナフチレン基であり、より好ましくは前記置換基を有するナフチレン基であり、特に好ましくは前記置換基を有する1,4−ナフチレン基である。
一般式(1)のQが置換若しくは無置換のフェニル基で、且つ、Qが置換若しくは無置換の1,4−ナフチレン基である芳香族ジスアゾ系化合物は、下記一般式(2)で表される。
Figure 2016012124
一般式(2)において、R、M、m及びnは、上記一般式(1)のそれらと同様である。
一般式(2)において、A及びBは、置換基を表し、a及びbは、その置換数を表す。前記A及びBは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、COOM基などのカルボキシル基、SOM基などのスルホン酸基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲノ基を表す。前記aは、0〜5の整数であり、前記bは、0〜4の整数を表す。ただし、a及びbの少なくとも何れか一方は0でない。前記aが2以上の場合、前記置換基Aは、同じでもよいし、又は、異なっていてもよい。前記bが2以上の場合、前記置換基Bは、同じでもよいし、又は、異なっていてもよい。
一般式(2)に含まれる芳香族ジスアゾ化合物の中では、下記一般式(3)で表される芳香族ジスアゾ化合物を用いることが好ましい。一般式(3)の芳香族ジスアゾ化合物は、置換基Aがアゾ基(−N=N−)を基準にしてパラ位に結合している。さらに、一般式(3)の芳香族ジスアゾ化合物は、そのナフチル基のOH基がアゾ基に隣接した位置(オルト位)に結合している。かかる一般式(3)の芳香族ジスアゾ化合物を用いれば、上記反射率と単体透過率を満たす偏光子を容易に形成することができる。
Figure 2016012124
一般式(3)において、R、M、m及びnは、上記一般式(1)のそれらと同様であり、Aは、一般式(2)のそれと同様である。
一般式(3)において、pは、0〜4の整数を表す。前記pは、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
上記一般式(1)乃至(3)で表される芳香族ジスアゾ化合物は、例えば、細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日技報堂発行、135頁〜152頁)に従って合成できる。
例えば、一般式(3)の芳香族ジスアゾ化合物は、アニリン誘導体とナフタレンスルホン酸誘導体をジアゾ化及びカップリング反応させてモノアゾ化合物を得た後、このモノアゾ化合物をジアゾ化した後、さらに、1−アミノ−8−ナフトールスルホン酸誘導体とカップリング反応させることによって合成できる。
上述したように、本発明の第1実施形態では、出射光が直線偏光である。しかしながら、本発明では、出射光は直線偏光に限定されず、円偏光又は楕円偏光であってもよい。以下、出射光が円偏光である本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の第2実施形態の説明において、主として上記第1実施形態と異なる構成について説明し、上記第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する場合がある。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る投影装置1を示す概略図である。
本実施形態では、光照射装置3が出射する出射光2(1種の偏光成分)が右回り又は左回りの円偏光である。なお、右回りの円偏光(右円偏光)と左回りの円偏光(左円偏光)は、互いにその振動方向が直交する。
本実施形態において、光照射装置3は第1実施形態と同様のプロジェクタ装置である。但し、本実施形態では、プロジェクタ装置3の光源31から発せられた光から円偏光(出射光2)を抽出するために、第1実施形態とは異なる抽出用偏光板33がプロジェクタ装置3のレンズ32に貼付されている。
本実施形態で使用される抽出用偏光板33は、偏光子331と位相差フィルム332を有しており、偏光子331が内側となるようにプロジェクタ装置のレンズに貼付されている。従って、プロジェクタ装置3の光源31(ハロゲンランプ)が光を発すると、まず抽出用偏光板33の偏光子331によってその光から直線偏光が抽出され、続いて、偏光子に積層された位相差フィルム332によって、抽出された直線偏光が右円偏光又は左円偏光に変換される。従って、本実施形態では、出射光2は、実質的に1種の偏光成分(円偏光)のみから構成されている。
抽出用偏光板に用いられる位相差フィルムは特に限定されず、直線偏光を円偏光に変換できるものであれば任意のものを用いることができるが、通常、1/4波長板が用いられる。
1/4波長板の形成材料は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン等)、アモルファスポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン、セルロース系ポリマー(トリアセチルセルロース(TAC)等)などが挙げられる。これらの形成材料は、1種単独で又は2以上を混合して用いることができる。これらの形成材料を製膜し、延伸処理などを行い、適宜厚みを調整することにより、1/4波長板を得ることができる。
本発明において、1/4波長板は、nx>ny>nzの関係またはnx>nz>nyの関係を有することが好ましい。なお、1/4波長板では、「nx」は、遅相軸方向の屈折率を表し、「ny」は、進相軸方向の屈折率を表す。
さらに、1/4波長板は、少なくとも波長360nm〜830nmの可視光に於ける面内位相差が短波長側ほど小さく、長波長側ほど大きい波長分散を示す(逆波長分散性と呼ばれることがある)ものが好ましい。
また、1/4波長板は、少なくとも可視光における直線偏光を円偏光へと変換する光学特性を有する。
具体的には、1/4波長板は、少なくとも波長360〜830nmに於ける面内位相差Re(λ)が、式:1/4×λ(nm)×0.8≦Re(λ)≦1/4×λ(nm)×1.2を満たすものが好ましい。ただし、Re(λ)は、各波長λ(nm)に於ける面内位相差を示し、Re(λ)=(nx−ny)×dで求められる。dは、1/4波長板の厚み(nm)を示す。
抽出用偏光板33を用いて右円偏光を抽出する場合、1/4波長板332は、図4(a)に示すように、その遅相軸S(破線)と偏光子331の透過軸T(実線)との成す角度θが、偏光子331側(即ち、光照射装置側)からみて反時計回りに45°となるように偏光子331の外側に積層されている。
また、抽出用偏光板33を用いて左円偏光を抽出する場合、1/4波長板332は、図4(b)に示すように、その遅相軸S(破線)と偏光子331の透過軸T(実線)との成す角度θが、偏光子331側(即ち、光照射装置側)からみて反時計回りに135°となるように偏光子331の外側に積層されている。
本実施形態では、反射体である偏光板4は、偏光子41と、基板である位相差フィルム42と、を有している。偏光板41は、出射光2(右円偏光又は左円偏光)が吸収軸によって吸収及び反射されるように設けられている。
具体的には、偏光板4は、内側から順に、基板である位相差フィルム42と偏光子41を有している。従って、出射光2(円偏光)は、まず偏光板4の位相差フィルム42によって直線偏光に変換され、さらに位相差フィルム42に積層された偏光子41の吸収軸によって直線偏光に変換された出射光2が吸収及び反射される。
偏光板4が有する位相差フィルム42は、右円偏光又は左円偏光を直線偏光に変換できるものであれば特に限定されないが、通常、上述した1/4波長板が用いられる。
偏光板4を用いて右円偏光の出射光2を吸収及び反射させる場合、偏光板4の1/4波長板42は、図5(a)に示すように、その遅相軸S(実線)と偏光子41の吸収軸A(破線)との成す角度θが、1/4波長板側からみて、反時計回りに135°となるように偏光子41の内側に積層されている。
また、偏光板4を用いて左円偏光の出射光2を吸収及び反射させる場合、偏光板4の1/4波長板42は、その遅相軸S(実線)と偏光子41の吸収軸A(破線)との成す角度θが、1/4波長板側からみて、反時計回りに45°となるように偏光子41の内側に積層されている。
このように偏光板4を設けることで、まず出射光2(右円偏光又は左円偏光)が1/4波長板42によって偏光子41の吸収軸方向と平行な振動方向を有する直線偏光に変換され、続いて、偏光子41の吸収軸Aによって、直線偏光に変換された出射光が吸収及び反射される。
本実施形態でも、偏光板の出射光に対する反射率は10%以上であり、偏光板の単体透過率は30%〜90%である。従って、投影装置は、投影映像を鮮明に表示しつつ、偏光板の外側の状況を十分に透視できる。偏光板が有する偏光子は、上記第1実施形態と同様である。
なお、上述のように、抽出用偏光板33において、偏光子331の透過軸と1/4波長板332の遅相軸との成す角度を反時計回りに45°又は135°とすることで右円偏光又は左円偏光を抽出できるが、この角度をずらすことで、右周りの楕円偏光(右楕円偏光)又は左周りの楕円偏光(左楕円偏光)を出射光2として抽出することもできる。
この場合、偏光板4は、出射光2である楕円偏光を吸収軸によって吸収及び反射するように構成されている。具体的には、偏光子41の吸収軸と1/4波長板42の遅相軸との成す角度を、抽出用偏光板33に対応してずらすことで、出射光2(楕円偏光)を吸収軸によって吸収及び反射する偏光板4を構成することができる。
本発明の投影装置では、反射体(偏光板)の出射光に対する反射率が10%であるため、出射光を十分に反射することができる。そのため、鮮明な映像を投影することができる。また、偏光板の単体透過率が30%〜90%であるため、投影装置の内側から透光板を透かして外側の状況を十分に視認(透視)することができる。
[偏光板の製造方法]
本発明の偏光板は、例えば、下記の工程B及び工程Cによって製造することができ、必要に応じて工程Bの前に工程Aを行っても良く、工程Cの後に工程Dを行ってもよい。
工程A:基板の表面に、配向処理を施す工程。
工程B:基板の表面にリオトロピック液晶性を有する有機色素を含むコーティング液を塗布し、塗膜を形成する工程。
工程C:塗膜を乾燥し、乾燥塗膜である偏光子を形成する工程。
工程D:工程Cで得られた偏光子の表面に、耐水化処理を施す工程。
<工程A>
工程Aは、基板の表面に配向処理を行うことで、基板の表面に配向規制力を付与する工程である。予め配向規制力を有する基板を用いる場合、工程Aを実施する必要はない。
配向規制力の付与方法としては、例えば、基板の表面をラビング処理すること;フィルムの表面にポリイミドなどの膜を形成し、その膜の表面をラビング処理すること;フィルムの表面に光反応性化合物からなる膜を形成し、その膜に光照射して配向膜を形成することなどが挙げられる。
<工程B>
工程Bは、コーティング液を用いて塗膜を形成する工程である。
コーティング液は、上記有機色素と、有機色素を溶解又は分散させる溶媒と、を含む。コーティング液は、溶媒に、有機色素を溶解又は分散させることによって得られる。有機色素としては、好ましくは、上述した一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物が用いられる。
なお、必要に応じて、有機色素以外の他のポリマー、及び/又は添加剤などを前記溶媒に添加してもよい。
前記溶媒は、特に限定されず、従来公知の溶媒を用いることができるが、水系溶媒が好ましい。水系溶媒としては、水、親水性溶媒、水と親水性溶媒の混合溶媒などが挙げられる。前記親水性溶媒は、水に略均一に溶解する溶媒である。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;などが挙げられる。上記水系溶媒は、好ましくは、水、又は、水と親水性溶媒の混合溶媒が用いられる。
コーティング液は、液温や有機色素の濃度などを変化させることにより、リオトロピック液晶相を示す。リオトロピック液晶相は、有機色素が液中で超分子会合体を形成することによって生じる。リオトロピック液晶相は、偏光顕微鏡で観察される光学模様によって、確認、識別できる。
コーティング液中における有機色素の濃度は、それが液晶相を示すように調製することが好ましい。コーティング液中における有機色素の濃度は、通常0.05重量%〜50重量%であり、好ましくは0.5重量%〜40重量%であり、より好ましくは1重量%〜10重量%である。
また、コーティング液は、適切なpHに調整される。コーティング液のpHは、好ましくはpH2〜10程度、より好ましくはpH6〜8程度である。
さらに、コーティング液の温度は、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃に調整される。
コーティング液を基板上に塗布することにより、塗膜が形成される。塗膜内において、有機色素は基板の配向規制力によって所定の方向に配向する。
コーティング液の塗布方法は特に限定されず、例えば、従来公知のコータを用いた塗布方法を採用できる。前記コータとしては、バーコータ、ロールコータ、スピンコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータなどが挙げられる。
<工程C>
工程Cは、乾燥塗膜である偏光子を形成する工程である。基板上に乾燥塗膜である偏光子を形成することで、基板と偏光子を有する偏光板が得られる。
工程Bで得られた塗膜を乾燥することにより、塗膜に含まれる溶媒が揮発し、固形の有機色素を含む乾燥塗膜(偏光子)が形成される。偏光子内において、有機色素は超分子会合体を形成したままその配向が固定されている。
塗膜の乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥や強制的な乾燥を実施できる。強制的な乾燥としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。好ましくは、自然乾燥が用いられる。
塗膜の乾燥時間は、乾燥温度や溶媒の種類によって、適宜、選択され得る。例えば、自然乾燥の場合には、乾燥時間は、好ましくは1秒〜120分であり、より好ましくは10秒〜5分である。
また、乾燥温度は特に限定されないが、好ましくは10℃〜100℃であり、より好ましくは10℃〜90℃であり、特に好ましくは10℃〜80℃である。
なお、乾燥温度とは、塗膜の表面や内部の温度ではなく、塗膜を乾燥する雰囲気の温度を意味する。
<工程D>
工程Dは、偏光子に耐水化処理液を接触させることによって偏光子に耐水性を付与する工程である。
偏光子を耐水化処理液に接触させる方法は、特に限定されない。接触方法としては、(a)偏光板(偏光子)の表面に耐水化処理液を塗布する、(b)耐水化処理液が満たされた浴中に偏光板を浸漬する、(c)耐水化処理液が満たされた浴中に偏光板を通過させる、などの方法が挙げられる。前記(a)の耐水化処理液の塗布は、適宜なコータ、又は、スプレーなどを用いて実施できる。
前記耐水化処理液は、特に限定されず、従来公知なものを用いることができる。前記耐水化処理液は、例えば、前記有機色素を架橋する機能を有する架橋剤と、その架橋剤を溶解又は分散する溶媒と、を含む。
架橋剤としては、例えば、有機窒素化合物を挙げることができ、前記溶媒としては、例えば、水系溶媒を挙げることができる。
有機窒素化合物としては、その分子中に2個以上のカチオン性基(好ましくは、窒素原子を含むカチオン性基)を有する非環式の有機窒素化合物などが好ましく用いられる。非環式の有機窒素化合物(非環式の脂肪族窒素化合物)としては、例えば、アルキレンジアミンなどの脂肪族ジアミン又はその塩;アルキレントリアミンなどの脂肪族トリアミン又はその塩;アルキレンテトラアミンなどの脂肪族テトラアミン又はその塩;アルキレンペンタアミンなどの脂肪族ペンタアミン又はその塩;アルキレンエーテルジアミンなどの脂肪族エーテルジアミン又はその塩などが挙げられる。
前記水系溶媒としては、上記工程Bの欄で例示したものを用いることができる。
耐水化処理液中における架橋剤の濃度は、好ましくは1質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは5質量%〜30質量%である。
耐水化処理液に偏光子を接触させると、偏光子中の有機色素間が架橋剤を介して架橋される。前記架橋により、耐水性及び機械的強度に優れた偏光子が得られる。
[投影装置の用途]
本発明の投影装置は、乗物(例えば、自動車)のナビゲーションシステムなどに組み込んで使用することができる。自動車に本発明の投影装置を搭載する場合、フロントガラスを偏光板として用いることが好ましいが、フロントガラスとは別に偏光板を用意し、これに映像を投影することも可能である。
本発明の投影装置を乗物に適用すれば、投影映像を鮮明に表示しつつ、偏光板の外側の状況を十分に透視できる。従って、乗物を運転中に、視線を進行方向から逸らすことなく種々の情報を入手でき、安全に乗物を運転することができる。
また、本発明の投影装置は、スマートウィンドウに適用することもできる。
スマートウィンドウは、光の透過量を電力を用いて任意に調整できる機能を有する調光窓である。スマートウィンドウは、例えば、2枚の基板の間に特定の有機色素を挟み込んだ構造を有する。スマートウィンドウに電圧を加えると、有機色素が配向し、さらに、電圧の多寡に応じて配向方向が変化する。この配向方向の変化によって、光の透過量を調整することができる。このスマートウィンドウの基板として、本発明で用いられる偏光板を使用することで、スマートウィンドウに映像を投影することができる。
本発明について、実施例及び比較例を示して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施例のみに限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた各測定方法は、以下の通りである。
[反射率の測定方法]
各実施例及び比較例に合わせて、23℃で、グランテーラー偏光子又は右円偏光板を光路中に設置して抽出した偏光成分(照射光)を偏光板に照射し、紫外可視近赤外分光光度計((株)日立テクノロジーズ社製:製品名「U−4100」)を用いて照射光(100%)に対する反射光の比率を測定した。JIS Z 8701−1995の2度視野に基づく、三刺激値のY値を測定値とした。
[単体透過率の測定方法]
偏光板の単体透過率は、反射率の測定に用いた紫外可視近赤外分光光度計を用いて、偏光解消フィルターを光路中に設置して測定した。23℃で波長590nmの値を測定値とした。JlS Z 8701−1995の2度視野に基づく、三刺激値のY値を測定値とした。
[有機色素の合成]
4−ニトロアニリンと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とを、常法(細田豊著「理論製造 染料化学 第5版」昭和43年7月15日技法堂発行、135ページ〜152ページに記載の方法)により、ジアゾ化及びカップリング反応させて、モノアゾ化合物を得た。得られたモノアゾ化合物を、前記常法によりジアゾ化し、さらに、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸リチウム塩とカップリング反応させて粗生成物を得た。これを塩化リチウムで塩析することによって、下記構造式(4)の芳香族ジスアゾ化合物を得た。
Figure 2016012124
[実施例1]
ノルボルネン系ポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製:製品名「ゼオノア」)を用意し、このフィルムの表面にラビング処理及び親水化処理(コロナ処理)を施すことで基板を形成した。
上記構造式(4)の芳香族ジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解し、濃度4重量%のコーティング液を調製した。
ラビング処理を施した基板の表面にコーティング液をバーコータ(BUSHMAN社製:製品名「Mayer rot HS3」を用いて塗布し、塗布液を23℃の恒温室内で自然乾燥することで、基板の表面に乾燥塗膜(偏光子)を形成し、基板と偏光子の積層体からなる偏光板を得た。
偏光板(偏光子)の表面に、偏光板の吸収軸方向と平行な振動方向を有する直線偏光を照射し、上記の方法により反射率を測定した。また、上記の方法により偏光板の単体透過率を測定した。また、この偏光板に対し、反射率の測定に用いた直線偏光と振動方向が同じ直線偏光を発する液晶ディスプレイの映像を投影し、投影映像の評価を行った。さらに、ディスプレイの映像を投影した際に、偏光板の透視性(偏光板の外側の視認性)を評価した。これらの結果を下記の表1に表す。
なお、表1の「投影映像の評価」の欄において、「○」は、投影映像が鮮明に視認されたことを意味し、「×」は、投影映像が不鮮明に視認されたことを意味する。また、表1の「透視性の評価」の欄において、「○」は、偏光板の外側を十分に透視可能であることを意味し、「△」は、偏光板の外側を透視可能であるものの投影映像がやや鮮明に映り過ぎであることを意味し、「×」は、偏光板の外側を十分に透視できないことを意味する。
[実施例2]
実施例1で用いたものと同じノルボルネン系ポリマーフィルムに一軸延伸処理を施し、1/4波長板を形成した。この1/4波長板の表面に実施例1と同様にラビング処理及び親水化処理を行い基板を形成した。
実施例1と同じコーティング液を同条件で塗布・乾燥することで基板と偏光子の積層体からなる偏光板を得た。なお、偏光板は、基板(1/4波長板)の遅相軸と偏光子の吸収軸との成す角度が基板側から見て反時計回りに135°となるように作製した。即ち、作製した偏光板は左円偏光板(左円偏光を透過し、右円偏光を吸収及び反射する偏光板)である。
偏光板(1/4波長板)の表面に、右円偏光を照射し、上記の方法により反射率を測定した。また、上記の方法により偏光板の単体透過率を測定した。また、この偏光板に対し、反射率の測定に用いた円偏光と振動方向が同じ右円偏光を発する液晶ディスプレイの映像を投影し、投影映像の評価を行った。さらに、ディスプレイの映像を投影した際に、偏光板の透視性(偏光板の外側の視認性)を評価した。これらの結果を下記の表1に表す。
[実施例3]
濃度1.5重量%のコーティング液を用いたこと以外は実施例1と同様に偏光板を作製し、反射率及び単体透過率を測定し、投影映像の評価と透視性の評価を行った。これらの結果を下記の表1に表す。
[実施例4]
ワイヤグリッド型の偏光板(旭化成イーマテリアルズ(株)製:製品名「WGP」)を偏光板として用いたこと以外は、実施例1と同様に偏光板を作製し、反射率及び単体透過率を測定し、投影映像の評価と透視性の評価を行った。
[比較例1]
実施例1で作製したものと同じ偏光板を用意した。
この偏光板(偏光子)の表面に、偏光板の吸収軸方向と直交する(透過軸方向と平行な)振動方向を有する直線偏光を照射し、上記の方法により反射率を測定した。また、上記の方法により偏光板の単体透過率を測定した。また、この偏光板に対し、反射率の測定に用いた直線偏光と振動方向が同じ直線偏光を発する液晶ディスプレイの映像を投影し、投影映像の評価を行った。さらに、ディスプレイの映像を投影した際に、偏光板の透視性(偏光板の外側の視認性)を評価した。これらの結果を下記の表1に表す。
[比較例2]
実施例2で作製したものと同じ偏光板を用意した。
この偏光板(1/4波長板)の表面に、左円偏光を照射し、上記の方法により反射率を測定した。また、上記の方法により偏光板の単体透過率を測定した。また、この偏光板に対し、反射率の測定に用いた左円偏光と振動方向が同じ左円偏光を発する液晶ディスプレイの映像を投影し、投影映像の評価を行った。さらに、ディスプレイの映像を投影した際に、偏光板の透視性(偏光板の外側の視認性)を評価した。これらの結果を下記の表1に表す。
[比較例3]
偏光特性を有さない遮光フィルター(シグマ光機(株)製:製品名「吸収型固定式NDフィルター AND−50S−40」)を偏光板の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様に反射率及び単体透過率を測定した。また、この遮光フィルターに対し、任意の振動方向を有する直線偏光を発する液晶ディスプレイの映像を投影し、投影映像の評価を行った。さらに、ディスプレイの映像を投影した際に、遮光フィルターの透視性(偏光板の外側の視認性)を評価した。これらの結果を下記の表1に表す。
[比較例4]
ヨウ素系偏光板(日東電工(株)製:製品名「SEG1423DU」)を偏光板として用いたこと以外は、実施例1と同様に反射率及び単体透過率を測定し、投影映像の評価と透視性の評価を行った。これらの結果を下記の表1に表す。
Figure 2016012124
[評価]
実施例1乃至4の偏光板(反射体)は、出射光に対する反射率が10%以上であるため投影映像を鮮明に視認でき、且つ、単体透過率が30%以上であるため偏光板の外側を透視可能である。
一方、比較例1乃至4の偏光板(反射体)は、単体透過率が30%以上であるため偏光板の外側を十分に透視可能であるが、反射率が10%未満であるため投影映像を鮮明に視認することができない。
また、実施例1乃至3と実施例4を比較すると、出射光に対する反射率が高すぎる(90%を超える)と、投影映像が鮮明となりすぎて、かえって透視性が損なわれると言える。また、一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物を用いることで、投影映像の視認性と透視性の両方に優れた偏光板を形成できることが分かる。
1…投影装置、2…出射光、3…光照射装置、31…光源、33…抽出用偏光板、4…偏光板、41…偏光子、42…位相差フィルム、A…吸収軸、T…透過軸、S…遅相軸

Claims (8)

  1. 1種の偏光成分を含む出射光を出射する光照射装置と、
    前記出射光が照射される偏光子を有する偏光板と、を有し、
    前記偏光板が、その吸収軸によって前記出射光を吸収及び反射するように設けられており、
    前記偏光板の前記出射光に対する反射率が、10%以上であり、
    前記偏光板の単体透過率が、30%〜90%であることを特徴とする投影装置。
  2. 前記偏光板の前記出射光に対する反射率が、90%以下である、請求項1に記載の投影装置。
  3. 前記出射光が、実質的に1種の偏光成分のみから構成されている、請求項1又は2に記載の投影装置。
  4. 前記偏光子が、下記一般式(1)で表される芳香族ジスアゾ化合物を含んでいる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の投影装置。
    Figure 2016012124
    一般式(1)において、Qは、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Qは、置換若しくは無置換のアリーレン基を表し、Rは、独立して、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアセチル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Mは、対イオンを表し、mは、0〜2の整数を表し、nは、0〜6の整数を表す。ただし、m及びnの少なくとも何れか一方は、0でなく、1≦m+n≦6である。前記mが2である場合、各Rは、同一又は異なる。
  5. 前記出射光が、直線偏光、円偏光、又は楕円偏光である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の投影装置。
  6. 前記光照射装置が、プロジェクタ装置、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス発光装置、又はレーザー投影装置である、請求項1乃至5の何れか一項に記載の投影装置。
  7. 前記偏光板が、光の透過量を電力で調整し得る調光窓として機能する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の投影装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の投影装置を搭載した車。
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