JP2016011338A - アクリル系粘着剤組成物、及び、粘着テープまたはシート - Google Patents

アクリル系粘着剤組成物、及び、粘着テープまたはシート Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物;並びに、バランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープ・シートを提供すること。【解決手段】 (a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び、(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であり、(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする前記のアクリル系粘着剤組成物;並びに、該アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材上に備える粘着テープまたはシート。【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系粘着剤組成物、及び、基材上に該粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成された粘着テープまたはシート、特にヒトの皮膚に貼付して使用する医療用粘着テープまたはシート等に関する。
医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシート、更には美容健康用粘着テープまたはシート等の粘着テープまたはシート(以下、総称して「粘着テープ」ということがある。)は、一般に、テープ状基材の片面に粘着剤層が形成された層構成を有しており、医療現場その他において、様々な目的のためにヒトの皮膚に貼付して用いられている。例えば、医療用粘着テープは、脱脂綿、ガーゼ、包帯、カテーテル、医療用チューブ、シップ剤等(以下、「医療用チューブ等」ということがある。)などをヒトの皮膚に固定するために用いられている。また、医療用粘着テープは、患部の保護や手術部位の被覆、縫合、固定などに用いられている。医療用粘着テープは、粘着剤層に薬物を含有させることにより、薬物を皮膚から吸収させるための経皮吸収型貼付剤として用いることもできる。このほか、医療用粘着テープは、特殊処理を施したパッド部を備えた救急絆創膏、外科用粘着テープなどにも用いられている。スポーツ用粘着テープとしては、例えばテーピング用テープは、関節部や筋肉等の施部を固定して、支持、補強、圧迫することで痛みの低減や治療の促進等の効果を発揮することができる。
粘着テープまたはシートは、貼付対象がヒトの皮膚であり、しかも長時間にわたって貼付されることが多いので、できるだけ皮膚にかぶれが生じることがないように配慮して設計されている。具体的には、医療用粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系などの粘着剤であって、所望により医療用チューブ等を皮膚に固定できる粘着性能(粘着力)を有すると同時に、皮膚に感作作用を及ぼしたり、著しい皮膚刺激を起したりしないものが要求されるようになっている。
また、医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシートには、透湿性と柔軟性が共に優れることが要求されている。粘着テープの透湿性が不十分であると、発汗により皮膚表面と粘着剤層との間に汗が溜まって皮膚にかぶれが生じたり、粘着テープを皮膚から剥離する際に角質細胞の剥離量が多くなることがあり、また、貼付中に粘着剤層の粘着力が低下して、粘着テープが剥離したり、医療用チューブ等を固定できなくなったりすることがある。また、医療用粘着テープやスポーツ用粘着テープの柔軟性が不十分であると、膝関節などの複雑な形状の部位に貼付することが困難であり、貼付後には、皮膚の動きに追随することができず、剥離したり、しわが発生したり、使用感が悪くなったりすることがある。
さらに、医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシートには、重ね貼りをする場合があることから、自背面粘着性(粘着テープの背面への粘着性)が求められることがある。加えて、粘着テープには、水に接触しても、自背面粘着力を含む粘着力が低下して、粘着テープが剥がれたり、医療用チューブ等の固定ができなくなったりしないという耐水性も求められる。
すなわち、高い粘着力を有する粘着テープまたはシートは、一般的に皮膚刺激が高い。特に、医療用チューブ等を固定する場合には、貼付部位に発赤や水疱が生じる場合があり、患者への負担が大きい。一方、透湿度が高い粘着テープは、一般的に粘着力、特に医療用チューブ等の固定性や自背面粘着力が十分でなく、強い力がかかった際にはがれてしまう場合があり、また、耐水性が不足する場合がある。
粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エステル系粘着剤などが知られている。例えば汎用されているゴム系粘着剤は疎水性のゴムや粘着付与剤(粘着性樹脂)が主成分として含有され、イオウ等の加硫剤や架橋剤が配合されていることから、一般的に透湿性が十分でなく、皮膚刺激が高い傾向にあるなど、それぞれの粘着剤には改善を要する点が多々存在する。そこで、接着性及び透湿性に優れ、かつ、皮膚刺激が少ない粘着剤を得るための特性調整がしやすく、またそのための原材料の入手がしやすいことから、アクリル系粘着剤が注目されている。
しかし、高い固定性を発揮させるために高凝集性のアクリル系単量体の比率を高めてなるアクリル系粘着剤は、透湿度が低いこと、及び、粘着剤の凝集力が高いと皮膚刺激が出やすいことが知られている。粘着剤の透湿度が低いと皮膚が蒸れ、粘着テープを剥離するときの皮膚のダメージが大きく、皮膚刺激が高まる要因になる。また、粘着剤の凝集力が高いと粘着テープを剥離するときに痛みを生じたり、皮膚表面の角質細胞を多く剥離し、発赤やかぶれを引き起こしやすい。そこで、アクリル系粘着剤については高い固定性と低い皮膚刺激を両立する粘着剤組成物の開発が切望されていた。
すなわち、医療用等の粘着テープまたはシートには、皮膚に対する粘着性や、医療用チューブ等に対する固定力に優れるだけではなく、皮膚面から剥離する際の痛みの低減や、角質剥離量を減らすために、皮膚面に対する粘着性が過度に大きくならないように調整することや、蒸れが生じない高い透湿性が求められている。高固定性と高透湿性との両立を目的とする試みとしては、一般的に、高凝集性の粘着剤組成物を、発泡塗工したり、パターン(ウェーブ型やストライプ、格子型等)塗工したり、またテープを穿孔処理したりすることで見かけの透湿性を向上させる手法が挙げられる(特許文献1〜3等)。しかし、これらにも下記のような問題がある。すなわち、発泡塗工は、発泡していない部位に汗が貯留し蒸れやかぶれの原因となる可能性があること、また、発泡塗工すると粘着面が荒れることにより透明なフィルムドレッシングの様な製品には視認性が悪く、清潔感も損なわれることがある。パターン塗工は、粘着剤が塗布されている部位に汗が貯留し蒸れやかぶれの原因となる可能性があることに加え、粘着剤組成物が塗られていない部位が必然的に生じるため、付着性や固定性が悪化してしまうことがある。テープの穿孔処理は、孔がない部分はやはり蒸れてかぶれの原因となる可能性があることに加え、穿孔処理により製造コストが増す可能性がある。他方、医療補助用粘着テープは、重ね貼りして用いられることが多いため、重ね貼り部分の剥がれのないことが求められている。例えば、ガーゼや輸血チューブ、輸液チューブなどの医療用具を人の腕に固定するには、医療補助用粘着テープを重ね貼りして、これらを確実に固定する必要がある。この重ね貼りした部分が簡単に剥がれると、医療用粘着テープの固定機能が阻害される。これらの要求に対して、例えば、アクリル系粘着剤組成物の組成の調整等、種々の試みがされている(特許文献4〜7等)が、更なる改善が求められていた。
したがって、粘着テープまたはシートに備えられる粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤組成物としては、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物、すなわち、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有するアクリル系粘着剤組成物、とりわけ固定性と透湿性が高いレベルで両立する粘着剤組成物が求められている。また、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートが求められている。
特開平9−506016号公報 特開2007−215578号公報 特開2004−73483号公報 特開平4−68074号公報 特開平10−158621号公報 特開2007−338号公報 国際公開第2013/082222号
本発明の課題は、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物を提供することにあり、また、上記したように高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決することについて鋭意研究した結果、アクリル系粘着剤組成物を、所定の単量体組成から形成されるアクリル系共重合体を含有するものとすることによって、課題を解決することができることを見いだし、発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、
以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする前記のアクリル系粘着剤組成物が提供される。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、当業者に周知のとおり「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の総称であり、本発明においても同様の意味で使用する。また、同様に、本発明においては「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称として、「(メタ)アクリレート」を使用することがある。
また、本発明によれば、実施の態様として、以下(1)〜(5)のアクリル系粘着剤組成物が提供される。
(1)(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアラルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記のアクリル系粘着剤組成物。
(2)(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである前記のアクリル系粘着剤組成物。
(3)(c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸を含有する前記のアクリル系粘着剤組成物。
(4)(c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチルを含有する前記のアクリル系粘着剤組成物。
(5)(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体が、脂環族アルコールまたは芳香族アルコール(複素環式芳香族アルコールを包含する。)の(メタ)アクリル酸エステルを含有する前記のアクリル系粘着剤組成物。
また、本発明によれば、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートが提供される。
本発明によれば、以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする前記のアクリル系粘着剤組成物であることによって、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物、すなわち、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有するアクリル系粘着剤組成物、とりわけ固定性と透湿性が高いレベルで両立する粘着剤組成物を提供することができるという効果が奏される。
また、本発明によれば、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートであることにより、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートを提供することができるという効果が奏される。
I.アクリル系粘着剤組成物
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする。
1.アクリル系共重合体
本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕である。すなわち、アクリル系共重合体を形成する単量体として、(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル、(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(c)官能基を有するアクリル系単量体、及び(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体を含有し、(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有するものである。
2.(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル
本発明においてアクリル系共重合体を形成する(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルは、親水性のエステル残基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、その1種単独でもよいし、または2種以上を含有してもよい。(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアラルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、アクリル酸エトキシエトキシエチル(EEEA)等の(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(2−HEA)等の(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4−HBA)等の(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルとしては、式:CH=CR−CO−(O−CHCHR)−OR(式中において、R及びR:それぞれ独立に水素原子またはメチル基、R:炭素数1〜20のアルキル基、n:1〜12の整数)で表される、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールまたは(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどが挙げられる。より好ましい(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルは、EEEA等の炭素数1〜4のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、または、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールである。
アクリル系共重合体を形成する(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルの割合は、20〜60質量%、好ましくは25〜58質量%、より好ましくは30〜56質量%の範囲である〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、(a)親水性(メタ)アクリル酸エステルの割合が少なすぎると透湿性が低下し、長時間貼付時に蒸れて皮膚がかぶれることがあり、多すぎると粘着力や固定力が著しく低下することがある。
3.(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル
本発明においてアクリル系共重合体を形成する(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、長鎖のアルキル残基を有する疎水性の(メタ)アクリル酸エステルであり、その1種単独でもよいし、または2種以上を含有してもよい。(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数8〜12のアルキル基(直鎖状または分岐状のいずれでもよい。)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より好ましくはアクリル酸イソノニル、アクリル酸2−エチルヘキシル(2−EHA)、アクリル酸イソオクチルである。
アクリル系共重合体を形成する(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、1〜60質量%、好ましくは2〜55質量%、より好ましくは5〜50質量%の範囲である〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が少なすぎると皮膚粘着力が低下し剥がれやすく、特に浸水時に顕著となることがあり、多すぎると透湿性が低下して長時間貼付時に蒸れて皮膚がかぶれたり、固定性が低下したりすることがある。
4.(c)官能基を有するアクリル系単量体
本発明においてアクリル系共重合体を形成する(c)官能基を有するアクリル系単量体は、アクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体の架橋性を高めるために含有されているものであり、その1種単独でもよいし、または2種以上を含有させることができる。(c)官能基を有するアクリル系単量体における官能基としては、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の極性基を有する単官能のアクリル系単量体や、多官能のアクリル系単量体、すなわち複数、例えば2〜4個の官能基を有するアクリル系単量体が従来から知られている。具体的には、単官能のアクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸等のアクリル系モノカルボン酸、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル等の(メタ)アクリル酸の末端カルボキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン等の(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物などのカルボキシル基を有するアクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等のアミノ基を有するアクリル系単量体;などが挙げられる。2以上の官能基を有するアクリル系単量体、すなわち多官能のアクリル系単量体としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられている。
本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とすることにより、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物を得ることができる。(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物としては、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシカプロラクトン等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトンである。
アクリル系共重合体を形成する(c)官能基を有するアクリル系単量体の割合は、0.01〜15質量%、好ましくは0.5〜12質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲である〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、(c)官能基を有するアクリル系単量体の割合が少なすぎると粘着力が低下したり、皮膚や医療用チューブ等の被着体に粘着剤が残る場合があり、多すぎると透湿性が低下したり皮膚への付着性が著しく悪化することがある。
本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、(c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸を含有するものをより好ましく使用することができる。(c)官能基を有するアクリル系単量体における(メタ)アクリル酸の含有割合は、通常0.05〜9質量%、好ましくは0.1〜7質量%〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕とすることができる。
さらに、本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、(c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチルを含有するものをより好ましく使用することができる。(c)官能基を有するアクリル系単量体における(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチルの含有割合は、通常0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕とすることができる。
また、本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、所望によっては、(c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、多官能のアクリル系単量体を含有するものを使用することもできる。多官能のアクリル系単量体としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(c)官能基を有するアクリル系単量体における多官能のアクリル系単量体の含有割合は、通常0.005〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕とすることができる。
5.(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体
本発明においてアクリル系共重合体を形成する(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体は、前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能であれば特に限定されず、従来アクリル系共重合体を形成するために使用されている単量体を使用することができ、その1種単独でもよいし、または2種以上を含有してもよい。(d)のその他の単量体としては、酢酸ビニルや短鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。例えば、(d)のその他の単量体は、短鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することができ、具体的には、炭素数1〜7のアルキル基(直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよい。)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。さらに、(d)のその他の単量体としては、環状アルコールの(メタ)アクリル酸エステルである脂環族アルコールまたは芳香族アルコール(複素環式芳香族アルコールを包含する。)の(メタ)アクリル酸エステルを、本発明のアクリル系粘着剤組成物の透湿性と粘着力等とのバランスの観点から、含有して使用することが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル〔先に説明した炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルにも包含される。〕、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。
アクリル系共重合体を形成する(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体の割合は、5〜40質量%、好ましくは7〜37質量%、より好ましくは10〜35質量%の範囲である〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体が、上記の範囲外であると、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層が得られないことがある。例えば、アクリル系共重合体が、(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体を含有しない場合は、医療用チューブ等を確実に固定できない等のおそれがある。
6.アクリル系共重合体の形成
本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有されるアクリル系共重合体は、先に説明した(a)〜(d)の単量体を所定の割合で使用して、通常の方法で共重合させることによって形成することができる。アクリル系共重合体は、一般に、ラジカル重合させることにより合成することができ、重合方法としては、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などが挙げられ、良好な粘着特性が得られやすい点で、溶液重合法が好ましい。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤;などが挙げられる。例えば、全単量体に対して0.01〜2質量%程度の割合でラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下、温度40〜90℃程度で、数時間から数十時間撹拌して共重合させる。溶液重合法では、溶媒として、酢酸エチル、アセトン、トルエン、これらの混合物などが汎用される。また、水を媒体とし、汎用の界面活性剤の1種または2種以上と単量体成分を加えて乳化させ、加熱した後、開始剤を添加して撹拌することにより、乳化重合法によってアクリル系共重合体を形成することもできる。
アクリル系粘着剤組成物の凝集性を増大させるために、所望によっては各種架橋剤を用いることができる。架橋剤としては、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドラジド基、カルボジイミド基等の反応性官能基を2以上有している物質を挙げることができ、市販の架橋剤として、エポキシ架橋剤としてTETRAD(登録商標)−X、イソシアネート系架橋剤としてコロネート(登録商標)L等を挙げることができる。アクリル系粘着剤組成物が十分な凝集性を有する場合は、架橋剤の使用は不要であるが、アクリル系共重合体に架橋剤を添加する場合、その使用割合は、アクリル系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.005〜3質量部、より好ましくは0.01〜2質量部、特に好ましくは0.02〜1.5質量部である。架橋剤の使用割合が過小であると、凝集性の向上効果が小さくなったり被着体に粘着剤が残留することがあり、過大であると凝集性が大きすぎたり、皮膚に付着した際剥がれやすくなったりすることがある。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは200,000〜1,000,000、より好ましくは300,000〜900,000である。アクリル系共重合体の重量平均分子量を上記範囲内とすることによって、凝集性、粘着性、後に説明するその他の成分との混合作業性や親和性などのバランスを取ることが可能となる。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、標準ポリスチレン換算値として求めた値である。
7.アクリル系粘着剤組成物
〔アクリル系粘着剤組成物の調製〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、先に説明したアクリル系共重合体に加えて、目的に応じて、また粘着特性や取扱性等の改良のために、その他の配合剤を1種または2種以上含有することによって調製することができる。なお、その他の配合剤は、アクリル系共重合体を形成するときに、または、形成されたアクリル系共重合体に混合して含有させることができる。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、熱溶融可能な固体状物、溶液、懸濁液、乳化液等の液状物として、それ自体公知の方法によって調製することができる。
〔その他の配合剤〕
その他の配合剤としては、先に説明した架橋剤のほかに、粘着付与剤、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、所望によっては薬物、薬物吸収促進剤などが挙げられる。これらのその他の配合剤としては、従来、アクリル系粘着剤組成物に含有されていたその他の配合剤を適宜選択して、配合剤の種類に応じて通常の範囲の含有量で含有することができる。例えば、粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の樹脂が挙げられる。充填剤としては、炭酸カルシウム、亜鉛華(酸化亜鉛)、シリカ、酸化チタン、合成ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。更に所望によって含有させることができる薬物としては、経皮吸収可能な薬物として、例えば、狭心症剤、コルチコステロイド剤、鎮痛消炎剤、催眠鎮痛剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、冠血管拡張剤、抗菌剤、保湿剤、ビタミン類、鎮咳剤、麻酔剤、抗腫瘍剤、香料などを挙げることができ、必要に応じて有効量を含有する。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、さらに、粘着特性やその経時安定性を損なわない限りにおいて、透湿性を促進させるための親水性添加剤、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルブチラール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、カラヤガムやペクチン等の天然系多糖類などを含有することができ、これらの1種または2種以上を適宜混合して用いてもよい。
8.アクリル系粘着剤組成物の用途
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、バランスの取れた粘着特性を有することから、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着製品、通常は、基材と積層した粘着テープまたはシートとして、広く用いることができ、例えば、紙用、プラスチック用、金属用の粘着テープ等に使用することができる。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するという粘着特性から、医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシート、更には美容健康用粘着テープまたはシート等として好適である。
II.粘着テープまたはシート
本発明の粘着テープまたはシートは、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備えるものであり、特に医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシート、更には美容健康用粘着テープまたはシート等に適するものである。
1.粘着剤層
本発明の粘着テープまたはシートに備えられる粘着剤層は、先に説明したアクリル系着剤組成物からなる粘着剤層である。粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、皮膚への固定性を担保し、後に説明する基材の厚みとのバランスの点から、通常10〜400μm、好ましくは20〜300μmの範囲である。また、粘着剤層の目付は、通常10〜400g/m、好ましくは20〜300g/mの範囲である。なお、粘着剤層は、通常均一な厚みを有するものであるが、部分的に厚みに差を設けてもよい。粘着剤層の厚みは、ダイヤルゲージで測定することができる。
2.基材
本発明の粘着テープまたはシートに備えられる基材は、従来、皮膚に貼付して使用される粘着テープまたはシート、特に、医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシートに備えられている基材を使用することができ、特に限定されないが、通常、適度な伸縮性、柔軟性、強度及び適度の通気性を備えるものであることが好ましい。例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアセテート共重合体フィルム及びセロハンフィルム等のプラスチックフィルム;発泡体;綿糸、絹糸、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等から形成される布帛、すなわち織布、編布または不織布等の繊維基材;紙;これらの積層体;などが挙げられる。皮膚に対する追従性や伸縮性の観点から、基材が伸縮性基材であることが好ましく、具体的には織布、編布または不織布等の繊維基材が好ましく選択され、より具体的には綿布が望ましい。基材の厚みは、通常20〜800μm、好ましくは50〜700μmの範囲であり、目付は、通常10〜400g/m、好ましくは20〜300g/mの範囲である。所望により撥水処理や粘着剤層との密着性を改善する目的でプライマー等の処理や加工を施してもよい。
3.剥離シート
本発明の粘着テープまたはシートは、例えば、粘着剤層及び基材からなる粘着テープまたはシートがロール芯材に巻き付けられた巻き絆創膏として使用することができるが、所望によっては、取り扱い性の観点から、粘着剤層及び基材のほかに、剥離シートを備えるものとしてもよい。本発明の粘着テープまたはシートが剥離シートを備える場合、剥離シートは通常、粘着剤層の基材と反対側の面に備えられる。剥離シートは、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着テープまたはシートを、被着体に貼付するときまで、粘着剤層を保護するものであるとともに、その上面に、本発明のアクリル系粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成するために使用される離型シートに替わるものとしても使用することができる。剥離シートとしては、貼付剤の分野において慣用のものを用いることができる。例えばシリコーン表面処理(離型処理)した上質紙、グラシン紙等の紙基材やポリエステルフィルム等を用いることができる。剥離シートの厚みは、通常20〜300μm、好ましくは30〜200μm、より好ましくは50〜100μmの範囲である。また、剥離シートの目付は、特に限定されないが、通常50〜150g/mであり、好ましくは60〜100g/mである。剥離シートは、1枚としてもよいが、剥離シートの略中心部に、その外形を分断する線状の剥離シート分断部を1本または2本以上設けることによって、一方の剥離シートを剥がしても、他方の剥離体が残り、粘着剤層に触れることなく貼付作業ができ作業性を向上させるようにしてもよい。例えば、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着テープまたはシートをロール状のものとする場合においては、特に剥離シートを剥ぎ取りやすくし、取り扱い性を向上させるのに有効である。また、2枚以上の剥離シートは、粘着剤層から剥離しやすいように、一方の剥離シートを他方の剥離シートに覆い被さるか、または折り返すように配置してもよい。また、剥離シートの幅は、粘着剤組成物の流出防止、生産性、取扱性、経済性及び製法の容易性等の観点から、粘着剤の塗工領域よりも、0.2mm以上、特に1〜5mm大きくすることが好ましい。
4.粘着テープまたはシート
本発明の粘着テープまたはシートの形態、形状及び大きさは特に限定されず、用途や使用目的等に応じて適宜選択することができる。本発明の粘着テープまたはシートは、バランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートであることから、先に説明したように医療用粘着テープまたはシートやスポーツ用粘着テープまたはシートとして好適なものである。したがって、ロール芯材に巻き付けられた形態の粘着テープまたはシート(剥離シートを備えても備えなくてもよい。)や、使用用途等に応じて、楕円形、円形、正方形、長方形等の形状及び所定の大きさの粘着テープまたはシートとすることができる。粘着テープまたはシートの厚み(粘着剤層及び基材の合計厚みをいう。)は、通常30〜1200μm、好ましくは70〜1000μm、より好ましくは130〜800μmである。
5.粘着テープまたはシートの製造方法
本発明のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートの製造方法は、本発明のアクリル系粘着剤組成物を使用して基材上に粘着剤層を形成することができる限り、特に限定されない。例えば、基材の上面にアクリル系粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成し、所望により粘着剤層の上面に剥離シートを積層する方法、基材と離型シート(剥離シートとしてもよい。)との間に、アクリル系粘着剤組成物を溶融させて供給して基材上に粘着剤層を形成する方法、または、離型シート(剥離シートとしてもよい。)の上面に溶融したアクリル系粘着剤組成物若しくは液状(溶液、懸濁液、乳化液等)アクリル系粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成し、粘着剤層の上面に基材を積層する方法などがある。安定した厚みの粘着剤層を効率的に形成できる観点から、連続的に供給・走行する離型シート(剥離シートとしてもよい。)の上面に、アクリル系粘着剤組成物を供給して、連続的に塗工を行って粘着剤層を形成し、次いで、粘着剤層の上面に基材を積層することによって、基材、粘着剤層及び剥離シートをこの順に備える粘着テープまたはシートを得る方法が好ましく採用される。上記の方法により得られた粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートは、通常、所定幅にスリットされロール芯材に巻き付けられた形態の粘着テープまたはシート(剥離シートを備えても備えなくてもよい。)として製造されるが、使用用途等に応じて、楕円形、円形、正方形、長方形等の形状及び所定の大きさに裁断して、アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートを製造してもよい。
III.アクリル系粘着剤組成物、及び、粘着テープまたはシートの特性
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物、すなわち、バランスの取れた粘着特性を有するアクリル系粘着剤組成物である。また、本発明の粘着テープまたはシートは、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートである。本発明のアクリル系粘着剤組成物、及び、粘着テープまたはシートの優れた粘着特性は、以下に示す特性によって確認することができる。
〔重ね貼り180°粘着力〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、自背面接着性に優れるものであり、例えば、粘着テープを指先に周回して貼付したときの重ね貼り部分の付着性や、医療用チューブ等を2枚の粘着テープを使用して皮膚にX字形状に貼ったり、一部重ねて平行に貼って固定したりするときの重ね貼り部分の付着性が優れている。自背面接着性は、以下に説明する重ね貼り180°粘着力が、通常6〜15N/25mm、好ましくは7〜14N/25mm、より好ましくは8〜13N/25mmの範囲であることで確認することができる。重ね貼り180°粘着力が小さすぎると、先に説明した重ね貼り部分の粘着テープが剥離したり、その結果医療用チューブ等を確実に固定できず、外れてしまうおそれもある。重ね貼り180°粘着力が大きすぎると、粘着テープまたはシートを剥離するときに、重ね貼り部分が残ったまま粘着テープまたはシートが皮膚から剥がれるようになり、痛みを感じたり、皮膚に発赤が残ったりすることがある。
アクリル系粘着剤組成物の重ね貼り180°粘着力は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ約90mmに切り出した試験片(以下、「試験片A」ということがある。)と、試験片Aより大きい試験片Bとを調製する。温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、予めベークライト板に試験片Bを貼り付け、次いで、試験片Bの背面(基材の粘着剤層と反対側の面を意味する。)に試験片Aを貼り付け、2kgのゴムロールを600mm/分の速度で1往復させることにより加圧貼着する。20分間経過後に、剥離速度300mm/分で試験片Aを引き剥がし、剥離力を測定して、重ね貼り180°粘着力とする(単位:N/25mm。n=5の平均値)。
〔せん断力(対ベークライト板)〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、粘着テープまたはシートにずれ方向の力がかかったときの接着性に優れるものであり、せん断力(対ベークライト板)が、通常35N/25・25mm以上、好ましくは40N/25・25mm以上、より好ましくは45N/25・25mm以上である。せん断力(対ベークライト板)が小さすぎると、***の変化や運動等により、粘着テープまたはシートが剥がれてしまうおそれがある。なお、せん断力(対ベークライト板)は、特に上限値がないが、通常100N/25・25mmを超えるような粘着剤組成物が使用されるようなことはない。
アクリル系粘着剤組成物のせん断力(対ベークライト板)は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ約90mmに切り出した試験片を、ベークライト板の片端に貼付面積が25mm×25mmとなるように貼り付け、2kgのゴムロールを600mm/分の速度で1往復させることにより加圧貼着する。20分間経過後に、引張速度300mm/分で試験片をせん断方向(0°方向)に引っ張り、せん断力を測定する。測定時の最大荷重をせん断力(対ベークライト板)とする(単位:N/25・25mm。n=5の平均値)。
〔重ね貼りせん断力(対ベークライト板)〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、自背面接着性に優れ、粘着テープまたはシートの重ね貼り部分にずれ方向の力がかかったときの接着性に優れるものであり、以下に説明する重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が、通常30N/25・25mm以上、好ましくは35N/25・25mm以上、より好ましくは40N/25・25mm以上である。重ね貼りせん断力(対ベークライト板)は、特に上限値がないが、通常80N/25・25mm未満である。重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が小さすぎると、粘着テープまたはシートの重ね貼り部分にずれ方向の力がかかったときに、重ね貼り部分の粘着テープが剥離したり、その結果医療用チューブ等を確実に固定できなくなり、外れてしまうおそれもある。
アクリル系粘着剤組成物の重ね貼りせん断力(対ベークライト板)は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ約90mmに切り出した試験片(以下、「試験片A」ということがある。)と、試験片Aより大きい試験片Bとを調製する。温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、予めベークライト板の片端に試験片Bを貼り付け、次いで、試験片Bの背面に貼付面積が25mm×25mmとなるように試験片Aを貼り付け、2kgのゴムロールを600mm/分の速度で1往復させることにより加圧貼着する。20分間経過後に、引張速度300mm/分で試験片Aをせん断方向(0°方向)に引っ張り、せん断力を測定する。測定時の最大荷重を重ね貼りせん断力(対ベークライト板)とする(単位:N/25・25mm。n=5の平均値)。
〔皮膚粘着力〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、皮膚に対して適度な粘着力を有するものであり、以下に説明する皮膚粘着力が、通常0.7〜3N/15mm、好ましくは0.8〜2.5N/15mm、より好ましくは0.9〜2N/15mmの範囲である。皮膚粘着力が小さすぎると、粘着テープまたはシートが、体の動きや腕の曲げ伸ばし、着衣の擦れ等により剥がれてしまったり、その結果、医療用チューブ等が安定的に固定ができなくなったり脱落するおそれがある。皮膚粘着力が大きすぎると、皮膚刺激や感作作用があったり、粘着テープまたはシートを剥離するときに、痛みを感じたり、角質の剥離量が多くなったり、皮膚に発赤が残ったりすることがある。
アクリル系粘着剤組成物の皮膚粘着力は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、粘着テープまたはシートから幅15mm×長さ約90mmに切り出した試験片を、ヒト前腕内側(掌側)に貼り付け、掌で10秒間強く加圧圧着する。20分間経過後に、剥離速度100mm/分で試験片を90°方向に引き剥がし、皮膚粘着力を測定する(単位:N/15mm。n=5の平均値)。
〔固定性簡易試験〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物の医療用チューブ等の固定力は、以下の方法によって測定する固定性簡易試験によって確認することができる。すなわち、粘着テープまたはシートから幅12mm×長さ約50mmに切り出した試験片を、人差指腹の指先〜第一関節までの部分に、貼付面積が幅12mm×長さ25mmとなるように貼り付ける。指で10秒間圧着した後に、引張速度300mm/分でせん断方向(0°方向)に引っ張り、その最大荷重を測定して固定性簡易試験によるせん断粘着力とする(単位:N/12×25mm。n=5の平均値)。本発明のアクリル系粘着剤組成物は、固定性簡易試験によるせん断粘着力が、通常10N/12×25mm以上、好ましくは12N/12×25mm以上、より好ましくは14N/12×25mm以上である。固定性簡易試験によるせん断粘着力は、特に上限値がないが、過度に大きな粘着力を有しない観点から、通常40N/12×25mm以下、多くの場合30N/12×25mm以下である。
〔透湿度〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、透湿性が優れるものであり、以下に説明する透湿度が、通常2,000g/m・24時間以上、好ましくは2,200g/m・24時間以上、より好ましくは2,400g/m・24時間以上である。アクリル系粘着剤組成物の透湿度が大きいことによって、粘着テープまたはシートを皮膚に貼り付ける際に、蒸れたり、汗が溜まったりするのを防ぎ、発汗による粘着力の低下を抑えたり、かぶれにくくなる。透湿度は、特に上限値がないが、耐水性等の観点から、通常10,000g/m・24時間以下、多くの場合5,000g/m・24時間以下である。
アクリル系粘着剤組成物の透湿度は、JIS L1099 A−1法(塩化カルシウム法)に準拠して測定するものであり、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下で、透湿カップに入れる塩化カルシウムの量は15gとして測定する(単位:g/m・24時間)。
〔チューブ引き抜き力〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、例えば、患者が医療用チューブ等を不用意に引き抜こうとしたり、引っかけたりした場合にも、医療用チューブが引き抜かれることなく固定されている、という実用性のあるチューブ固定力を有するものである。チューブ固定力は、以下に説明するチューブ引き抜き試験により測定されるチューブ引き抜き力が、通常14N/25×70mm×1本以上、好ましくは15N/25×70mm×1本以上、より好ましくは16N/25×70mm×1本以上である。チューブ引き抜き力が小さすぎると、患者が医療用チューブ等を不用意に引き抜こうとしたり、引っかけたりした場合に、医療用チューブ等が簡単に抜けてしまうおそれがある。なお、チューブ引き抜き力は、特に上限値がないが、通常50N/25×70mm×1本以下である。
アクリル系粘着剤組成物のチューブ引き抜き力は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、温度23℃ 相対湿度50%の雰囲気下、透析チューブ(日機装株式会社製 品番NV−Y030Pのうち、内径4mm、外径6.5mmの部位のみを180mm長に切り出したもの)1本を手首の長さ方向と平行になるようにヒト前腕内側中央に載せ、次いで、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ70mmに切り出した試験片を、チューブの略中央部にチューブと垂直方向になるようにして1枚貼り付け、チューブと前腕を固定する(圧着は指先でなでる程度とする。)。20分間経過後に、引張速度300mm/分で、チューブを指先方向(貼り付けた粘着テープまたはシートの試験片と垂直方向である。)に引っ張り、最大荷重をチューブ引き抜き力とする(単位:N/25×70mm×1本。n=3の平均値)。なお、試験中に被験者の痛みを伴うおそれもあるので、30N/25×70mm×1本を目処として試験を中断してもよい。
〔浸水せん断力(対ベークライト板)〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、浸水せん断力(対ベークライト板)が、通常20N/25・25mm以上、好ましくは25N/25・25mm以上、より好ましくは30N/25・25mm以上であることにより、皮膚に貼付した粘着テープまたはシートが手洗いや入浴等で水に接触し、ずれ方向に力がかかった場合でも付着性の低下は実用的に問題がないレベルである。
アクリル系粘着剤組成物の浸水せん断力(対ベークライト板)は、以下の方法によって測定する。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ約90mmに切り出した試験片を、ベークライト板の片端に貼付面積が25mm×25mmとなるように貼り付け、2kgのゴムロールを600mm/分の速度で1往復させることにより加圧貼着する。20分間経過後に、試験片を貼り付けたベークライト板を、温度20℃の水中に20分間浸漬して静置した後、水中から取り出して水分を軽く拭き取り、その直後に引張速度300mm/分で試験片をせん断方向(0°方向)に引っ張り、せん断力を測定する。測定時の最大荷重を浸水せん断力(対ベークライト板)とする(単位:N/25・25mm。n=5の平均値)。
〔浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が、通常1.5N/25・25mm以上、好ましくは2N/25・25mm以上、より好ましくは2.5N/25・25mm以上であることにより、皮膚に貼付した粘着テープまたはシートが手洗いや入浴等で水に接触し、ずれ方向に力がかかった場合でも重ね貼り部分についての付着性の低下は、実用的に問題がないレベルである。
アクリル系粘着剤組成物の浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、粘着テープまたはシートから幅25mm×長さ約90mmに切り出した試験片(以下、「試験片A」ということがある。)と、試験片Aより大きい試験片Bとを調製する。温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、予めベークライト板の片端に試験片Bを貼り付け、次いで、試験片Bの背面に貼付面積が25mm×25mmとなるように試験片Aを貼り付け、2kgのゴムロールを600mm/分の速度で1往復させることにより加圧貼着する。20分間経過後に、試験片A及びBを貼り付けたベークライト板を、温度20℃の水中に20分間浸漬して静置した後、水中から取り出して水分を軽く拭き取り、その直後に引張速度300mm/分で試験片Aをせん断方向(0°方向)に引っ張り、せん断力を測定する。測定時の最大荷重を浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)とする(単位:N/25・25mm。n=5の平均値)。
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本発明のアクリル系粘着剤組成物、及び粘着テープ若しくはシートの特性または物性の測定方法は、既に説明した方法による。
[実施例1]
〔アクリル系粘着剤組成物の調製〕
以下の(a)〜(d)に示す単量体を不活性ガス雰囲気下で酢酸エチルに溶解混合して単量体混合物を得た後、共重合反応を行ってアクリル系共重合体を製造した。次いで、アクリル系共重合体100質量部に対して0.03質量部の4官能エポキシ架橋剤〔三菱ガス化学株式会社製のTETRAD−X〕により架橋させて、表1に示す組成のアクリル系粘着剤組成物を調製した。
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル: アクリル酸エトキシエトキシエチル 40質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル: アクリル酸イソノニル 20.9質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体:
アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン 4.5質量%、
アクリル酸 4.5質量%、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 0.1質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体〔以下、「(d)その他の単量体」ということがある。〕:
酢酸ビニル 20質量%、
アクリル酸シクロヘキシル 10質量%
〔(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%である。〕
〔粘着テープの製造〕
得られたアクリル系粘着剤組成物を、シリコーン表面処理した厚み75μmのポリエステルフィルム(離型シート)を走行させながら、該フィルム上面に、乾燥後厚み40μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の上面に、基材となる綿布(厚み:550μm、目付:150g/m)をラミネートして、基材及びアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着テープ(原反)を得た。
〔アクリル系粘着剤組成物、及び粘着テープの特性〕
得られた粘着テープについて、重ね貼り180°粘着力、せん断力、皮膚粘着力、透湿度等の表2に示す諸特性(以下、総称して「粘着特性」ということがある。)を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例2]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.2質量部の3官能エポキシ架橋剤(共栄社化学株式会社製のエポライト100MF)を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例3]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.02質量部の4官能エポキシ架橋剤(TETRAD−X)により架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例1]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して1.0質量部のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製のコロネート(登録商標)L)を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例2]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.2質量部のイソシアネート系架橋剤〔コロネート(登録商標)L〕を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。なお、皮膚粘着力の測定においては、試験片をヒト前腕内側に貼り付けて20分間経過後に、測定前の面積比で5%程度テープ端部が剥がれており(以下、「5%剥がれ」ということがある。)、見栄えがよくないだけでなく、テープ脱落に繋がるきっかけとなるおそれがあることから好ましいものではなかった。また、浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)の測定においては、粘着テープを水に浸漬したところ、重ね貼り部分が水中ですぐに剥がれた。
[比較例3]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.03質量部の4官能エポキシ架橋剤(TETRAD−X)を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例4]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して1.7質量部のイソシアネート系架橋剤〔コロネート(登録商標)L〕を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。なお、浸水せん断力(対ベークライト板)の測定においては、粘着テープを水に浸漬したところ、ほとんど力を入れる必要もなく、ベークライト板からすぐに剥がれた。
[比較例5]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.5質量部のイソシアネート系架橋剤〔コロネート(登録商標)L〕を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例6]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して1.5質量部のイソシアネート系架橋剤〔コロネート(登録商標)L〕を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例7及び8]
表1に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して0.06質量部の4官能エポキシ架橋剤(TETRAD−X)を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、粘着特性を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2016011338
Figure 2016011338
表2から、以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする実施例1〜実施例3のアクリル系粘着剤組成物、並びに、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える実施例1〜実施例3の粘着テープまたはシートは、重ね貼り180°粘着力が6〜15N/25mm、せん断力(対ベークライト板)が35N/25・25mm以上、重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が30N/25・25mm以上、皮膚粘着力が0.7〜3N/15mmであって、透湿度が2,000g/m2・24時間以上であり、チューブ引き抜き力が14N/25×70mm×1本以上、浸水せん断力(対ベークライト板)が20N/25・25mm以上、及び浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が1.5N/25・25mm以上であることから、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物;並びに、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートであることが分かった。したがって、本発明のアクリル系粘着剤組成物;並びに、粘着テープまたはシートによれば、医療用チューブ等を確実に固定することができるので、医療事故に繋がったりするおそれを回避することができる。
これに対して、アクリル系共重合体を形成するための(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有しない比較例1〜比較例5のアクリル系粘着剤組成物、並びに、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える比較例1〜比較例5の粘着テープまたはシートは、いずれも重ね貼り180°粘着力が6N/25mm未満で、重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が30N/25・25m未満であった。これらの比較例は、更に、皮膚粘着力やチューブ引き抜き力が小さすぎたり(比較例1)、皮膚粘着力、透湿度、チューブ引き抜き力、浸水せん断力(対ベークライト板)や浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が小さすぎたり(比較例2)、浸水せん断力(対ベークライト板)や浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が小さすぎたり(比較例3)、せん断力(対ベークライト板)、チューブ引き抜き力、浸水せん断力(対ベークライト板)や浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が小さすぎたり(比較例4及び比較例5)することから、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性、高い透湿性による低い皮膚刺激、更に耐水性等の望まれる特性をすべて有するアクリル系粘着剤組成物といえず、また、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートとはいえないことが分かった。
また、アクリル系共重合体を形成するための(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体を含有しない比較例6のアクリル系粘着剤組成物、前記の(d)の含有量が5質量%未満である比較例7及び8のアクリル系粘着剤組成物、並びに、それらのアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える比較例6〜8の粘着テープまたはシートは、いずれも重ね貼り180°粘着力が6N/25mm未満、重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が30N/25・25mm未満、チューブ引き抜き力が14N/25×70mm×1本未満であった。これらの比較例は、更に、せん断力(対ベークライト板)が小さすぎたり(比較例6及び7)、皮膚粘着力が小さすぎたり(比較例7及び8)、浸水せん断力(対ベークライト板)と浸水重ね貼りせん断力(対ベークライト板)が小さすぎたり(比較例6及び7)することから、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性、透湿性、低い皮膚刺激、更に耐水性等の望まれる特性をすべて有するアクリル系粘着剤組成物といえず、また、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートとはいえないことが分かった。
[実施例4〜実施例6]
〔(d)その他の単量体の検討〕
本発明のアクリル系粘着剤組成物に含有される単量体成分である(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体について更に検討した。すなわち、(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体が、脂環族アルコールまたは芳香族アルコール(複素環式芳香族アルコールを包含する。)の(メタ)アクリル酸エステルを含有する、表3に示す組成の単量体の混合物からアクリル系共重合体を形成した〔アクリル系共重合体100質量部に対して1.3質量部のイソシアネート系架橋剤〔コロネート(登録商標)L〕を使用して架橋させた。〕ことを除くほか、実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤組成物を調製し、粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、皮膚粘着力の測定及び固定性簡易試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2016011338
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表4から、アクリル系粘着剤組成物に含有される単量体成分である(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体が、脂環族アルコール(実施例4)、芳香族アルコール(実施例5)または複素環式芳香族アルコール(実施例6)のそれぞれの(メタ)アクリル酸エステルを含有する実施例4〜実施例6のアクリル系粘着剤組成物、並びに、アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える実施例4〜実施例6の粘着テープまたはシートは、皮膚粘着力が0.9〜2N/15mmという更に好ましい範囲であって、固定性簡易試験によるせん断粘着力が12N/12×25mm以上という好ましい範囲であることから、粘着剤として、また、粘着テープまたはシートとして、優れた特性を有するものであることが確認できた。
本発明は、以下の成分(a)〜(d);
(a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
(b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
(c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
(d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
(c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする前記のアクリル系粘着剤組成物であることによって、皮膚に対する粘着性、自背面粘着性及び医療用チューブ等の固定性が良好であり、かつ、透湿性が良好で皮膚刺激が低く、更に耐水性を有するアクリル系粘着剤組成物、すなわち、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有するアクリル系粘着剤組成物、とりわけ固定性と透湿性が高いレベルで両立する粘着剤組成物を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。
また、本発明は、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシートであることにより、高いレベルでバランスの取れた粘着特性を有する粘着剤層を備える粘着テープまたはシートを提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。

Claims (7)

  1. 以下の成分(a)〜(d);
    (a)親水性(メタ)アクリル酸エステル 20〜60質量%、
    (b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル 1〜60質量%、
    (c)官能基を有するアクリル系単量体 0.01〜15質量%、及び
    (d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体 5〜40質量%から形成されるアクリル系共重合体〔ただし、(a)(b)(c)及び(d)の合計は100質量%とする。〕を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
    (c)官能基を有するアクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸の(ポリ)ラクトン開環付加物を含有することを特徴とする前記のアクリル系粘着剤組成物。
  2. (a)親水性(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアラルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物。
  3. (b)長鎖疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1または2記載のアクリル系粘着剤組成物。
  4. (c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  5. (c)官能基を有するアクリル系単量体が更に、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチルを含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  6. (d)前記(a)、(b)及び(c)と共重合可能なその他の単量体が、脂環族アルコールまたは芳香族アルコール(複素環式芳香族アルコールを包含する。)の(メタ)アクリル酸エステルを含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層及び基材を備える粘着テープまたはシート。
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