JP2016007670A - 電動工具 - Google Patents

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健 冨山
Ken Tomiyama
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Abstract

【課題】変速機からの発熱発生を抑制するようにした電動工具を提供する。
【解決手段】電動モータにより回転駆動される駆動軸22には、駆動側の高速ギヤ25aと低速ギヤ25bが設けられ、作業工具が装着されるスピンドル軸11には、高速ギヤ25aと噛み合う高速ギヤ27aと、低速ギヤ25bと噛み合う低速ギヤ27bとが軸方向に移動自在に設けられている。高速ギヤ27aに対向する当接部36が設けられた第1のシフト部材34と、低速ギヤ27bに対向する当接部41が設けられた第2のシフト部材35とが、ガイドピン31に軸方向に移動自在に装着されている。両方の当接部36,41を相互に接近させる方向にばね力が付勢され、操作部材51によりギヤは高速段と低速段のいずれかに切り換えられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、作業工具の回転数を変化させるようにした電動工具に関する。
電動工具には、ドリル刃つまりドリルビットを作業工具とし、木材、金属材料、コンクリート等の作業対象物に穴開け加工等を行う電動ドリルがある。作業対象物に対して振動を加えることができるようにした電動ドリルは、振動ドリルとも言われている。作業工具であるドリルビットの回転速度を低速段と高速段の二段階に切り換えることができるようにした二段変速式の電動ドリルにおいては、電動モータのモータ主軸と、作業工具を回転駆動するスピンドル軸との間に変速機が配置され、モータ主軸の回転速度は変速されてスピンドル軸に伝達される。
二段変速式の電動工具には、例えば、特許文献1に記載されるように、シンクロ式の変速機が使用されている。従来の変速機は、ドリルビットが着脱自在に装着されるチャックが取り付けられたスピンドル軸と、モータ主軸にギヤを介して連結され電動モータにより駆動される駆動軸とを有している。駆動軸には、駆動側の高速ギヤと低速ギヤとが取り付けられている。一方、スピンドル軸には、駆動側の高速ギヤに常時噛み合う従動側の高速ギヤと、駆動側の低速ギヤに常時噛み合う従動側の低速ギヤとが回転自在に装着されている。従動側の高速ギヤと低速ギヤとの間には、クラッチディスクが配置され、クラッチディスクはスピンドル軸にスプライン結合され、変速レバーにより軸方向に摺動自在となっている。クラッチディスクを従動側の高速ギヤに噛み合わせると、駆動側と従動側の高速ギヤ対を介してモータトルクがスピンドル軸に伝達される。一方、クラッチディスクを従動側の低速ギヤに噛み合わせると、駆動側と従動側の低速ギヤ対を介してモータトルクがスピンドル軸に伝達される。
特開平4−304975号公報
従来のように、高速ギヤ対と低速ギヤ対とを常時噛み合い式とした変速機においては、高速ギヤ対と低速ギヤ対の一方を介してモータトルクをスピンドル軸に伝達しているときには、他方のギヤ対も噛み合っており、トルク伝達を行っていない従動側のギヤはスピンドル軸に対して相対回転し、スピンドル軸に回転摺動することになる。また、従動側の高速ギヤと低速ギヤは、変速レバーに設けられたシフトピースに向けて、スピンドル軸に設けられた圧縮コイルばねにより押圧されている。このため、従動側のギヤは、それぞれシフトピースに摺動接触することになる。
このように、従来のシンクロ式の変速機を用いた電動工具においては、摺動接触部分から発熱が起きることが避けられない。このため、電動工具の耐久性を高めるには、クラッチディスクを含めて、発熱に耐えられる高価な変速機を使用しなければならない。
本発明の目的は、変速機からの発熱発生を抑制するようにした電動工具を提供することにある。
本発明の電動工具は、電動モータにより回転駆動される作業工具の回転速度を変速する電動工具であって、駆動側の高速ギヤおよび駆動側の低速ギヤが中立領域を隔てて設けられ、前記電動モータにより駆動される駆動軸と、前記駆動側の高速ギヤに噛み合う従動側の高速ギヤ、および前記駆動側の低速ギヤに噛み合う従動側の低速ギヤがそれぞれ軸方向に移動自在に隣り合って設けられ、前記作業工具が装着されるスピンドル軸と、従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの一方の端面に対向する第1の当接部を有し、前記スピンドル軸に略平行に配置されたガイドピンに軸方向に移動自在に装着される第1のシフト部材と、従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの他方の端面に対向する第2の当接部を有し、前記ガイドピンに軸方向に移動自在に装着される第2のシフト部材と、第1と第2の前記シフト部材の間に装着され、第1と第2の前記当接部を相互に接近させる方向にばね力を付勢するばね部材と、第1と第2の前記シフト部材を軸方向に移動させ、駆動側と従動側の前記高速ギヤを噛み合う位置と、駆動側と従動側の前記低速ギヤを噛み合わせる位置とに切り換える操作部材と、を有する。
ギヤからの発熱が抑制されるとともに、シフト部材からの発熱が抑制され、電動工具の耐久性を向上させることができるとともに、低コストの変速装置によりスピンドル軸の変速を行うことができる。
電動工具の一例としての電動ドリルを示す一部切り欠き側面図である。 図1の要部を拡大して示す一部切り欠き側面図である。 図1および図2に示された変速装置の分解斜視図である。 図3に示されたシフト機構を示す斜視図である。 低速段に切り換えられた状態におけるギヤの噛み合いを示す展開図である。 中立位置に切り換えられた状態におけるギヤの噛み合いを示す展開図である。 中立位置から高速段に切り換えられている途中におけるギヤの噛み合いを示す展開図である。 中立位置から高速段に切り換えられた状態におけるギヤの噛み合いを示す展開図である。 図5におけるA−A線断面図である。 変速時にモータ回転速度を制御する回転速度制御回路を示すブロック図である。 変速時におけるモータ回転速度の変化を示すタイムチャートである。 変速時のモータ回転速度の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2に示すように、電動工具の一例である電動ドリル10は、スピンドル軸11が回転自在に組み込まれるハウジング12を有し、スピンドル軸11の先端部はハウジング12の先端部から突出している。スピンドル軸の先端部にはチャック13が設けられており、チャック13にはドライバビット等の作業工具が着脱自在に装着される。ハウジング12の基端部内には、スピンドル軸11を駆動するための電動モータ14が組み込まれている。ハウジング12には、作業者により把持されるハンドル15が設けられており、ハンドル15には、電動モータ14に電力を供給するためのケーブル16が接続されている。
電動モータ14は、ロータ17が設けられたモータ主軸18を有し、モータ主軸18の先端部には冷却ファン19が取り付けられている。モータ主軸18は、図1に示されるように、スピンドル軸11よりも図において下側にずれて、スピンドル軸11と平行となっており、モータ主軸18の先端にはピニオンギヤ21が設けられている。ハウジング12内には駆動軸22がスピンドル軸11に平行となって組み込まれ、駆動軸22の両端部はハウジング12に取り付けられる軸受23により回転自在に支持されている。ピニオンギヤ21に常時噛み合うファーストギヤ24が駆動軸22に設けられており、駆動軸22は電動モータ14により駆動される。
図2および図3に示されるように、駆動側の高速ギヤ25aと、駆動側の低速ギヤ25bとが駆動軸22に一体に設けられており、高速ギヤ25aは低速ギヤ25bよりも大径となっている。高速ギヤ25aと低速ギヤ25bは、距離Nの中立領域を隔てて軸方向に離れている。
スピンドル軸11にはそれぞれ軸方向に延びた複数の溝が形成されたスプライン部26が設けられている。高速ギヤ25aに噛み合う従動側の高速ギヤ27aと、低速ギヤ25bに噛み合う従動側の低速ギヤ27bが、スピンドル軸11のスプライン部26に軸方向に移動自在に装着されている。図2に示されるように、高速ギヤ27aは低速ギヤ27bよりも小径となっており、高速ギヤ27aに一体となったハブ28に低速ギヤ27bが嵌合され、高速ギヤ27aと低速ギヤ27bは組み合わされて相互に隣り合ったギヤ組立体を構成している。
図2に示されるように、駆動側の高速ギヤ25aと従動側の高速ギヤ27aとが噛み合うと、スピンドル軸11の回転速度は高速段に設定される。このときには、低速ギヤ25bと低速ギヤ27bは噛み合っていない。一方、ギヤ組立体を軸方向に移動させることによって、駆動側の低速ギヤ25bと従動側の低速ギヤ27bとが噛み合うと、スピンドル軸11の回転速度は低速段に設定される。ハウジング12には、ガイドピン31がスピンドル軸11に平行となって配置されている。
図3は、図1および図2に示された変速装置の分解斜視図である。図3においては、変速装置32を構成するスピンドル軸11、モータ主軸18、駆動軸22およびガイドピン31が示されている。図4は図3に示されたシフト機構33を示す拡大斜視図である。
ガイドピン31には、シフト機構33が組み付けられており、シフト機構33は、図4に示されるように、第1のシフト部材34と第2のシフト部材35とを有している。
第1のシフト部材34は、図4に示されるように、従動側の低速ギヤ27bの端面に対向する第1の当接部36と、この当接部36に対向する第1のガイド部37とを有している。当接部36とガイド部37は互いに平行となって連結部38により一体となっており、連結部38は当接部36とガイド部37に対して直角に折り曲げられている。当接部36とガイド部37には、ガイドピン31が貫通するガイド孔36a,37aが設けられ、ガイド孔36a,37aはガイドピン31に対して摺動自在に嵌合し、第1のシフト部材34はガイドピン31に案内されて軸方向に移動自在となっている。当接部36には、これに対して直角となって第1の駆動部39が一体に設けられており、駆動部39は連結部38に対しても直角となっている。第1のシフト部材34は板材をプレス加工することにより、図4に示される形状に成形される。
当接部36には、スピンドル軸11が貫通する貫通孔36bが設けられており、貫通孔36bはスピンドル軸11に対して摺動自在に嵌合する。このように、第1のシフト部材34は、2つのガイド孔36a,37aがガイドピン31に摺動自在に嵌合され、貫通孔36bがスピンドル軸11に摺動自在に嵌合され、ガイドピン31に沿って軸方向に移動する。
第2のシフト部材35は、図4に示されるように、従動側の高速ギヤ27aの端面に対向する第2の当接部41を有し、当接部41はスピンドル軸11と干渉しない位置に設けられている。当接部41にはこれに対して直角となって第2の駆動部42が設けられており、駆動部42は駆動部39に平行に延びている。駆動部42にはこれに対して直角となって摺動部43が一体に設けられており、摺動部43は第1のシフト部材34の連結部38に摺動自在に接触している。摺動部43にはこれに対して直角となって第2のガイド部44が一体に設けられている。ガイド部44は、ガイド部37と当接部36との間に配置され、ガイド部37と当接部36とに平行となっている。ガイド部44には、ガイドピン31が貫通するガイド孔44aが設けられ、ガイド孔44aはガイドピン31に対して摺動自在に嵌合しており、第2のシフト部材35はガイドピン31と第1のシフト部材34に案内されて軸方向に移動自在となっている。第2のシフト部材35は、第1のシフト部材34と同様に板材をプレス加工することにより、図4に示される形状に成形される。
なお、第2のシフト部材35の当接部41に、ガイド孔36bに対向する突出部分を設けて、その突出部分にガイド孔を設けるようにしても良く、第1と第2のシフト部材34,35の少なくともいずれか一方にガイド孔を設けるようにしても良い。
ガイドピン31の外側には圧縮コイルばね45が配置されている。圧縮コイルばね45の一端は、ガイド部37に当接し、他端はガイド部44に当接し、圧縮コイルばね45は第1のガイド部37と第2のガイド部44の間に装着されている。圧縮コイルばね45は、当接部36を低速ギヤ27bに接近する方向(図4の左方向)にばね力を付勢し、当接部41を高速ギヤ27aに接近する方向(図4の右方向)にばね力を付勢する。ばね部材としては、両方の当接部36,41を相互に接近させる方向にばね力を付勢するものであれば、圧縮コイルばね45に限られない。例えば、ばね部材を引っ張りコイルばねとして、当接部36とガイド部44との間に引っ張りコイルばねを装着するようにても良い。
電動ドリル10は作業対象物に対して振動を加えることができる振動ドリルであり、スピンドル軸11は軸方向に往復動自在に支持されている。図2に示されるように、スピンドル軸11にはばね部材46により後退する方向のばね力が付勢されており、ハウジング12にはカム軸47が回転自在に装着されている。カム軸47を回転させることにより、スピンドル軸11の回転に伴ってスピンドル軸11を軸方向に往復動させる状態と、スピンドル軸11を振動させない状態とに切り換えられる。
図2に示されるように、ハウジング12には操作部材51として回転部材が回転自在に設けられている。図4に示されるように、操作部材51には係合ピン52が設けられており、係合ピン52は第1のシフト部材34の駆動部39と、第2のシフト部材35の駆動部42の間に突出している。駆動部39には係合ピン52が当接する第1の駆動面53が設けられ、駆動部42には係合ピン52が当接する第2の駆動面54が設けられている。
両方の駆動面53,54は、相互に対向しており、両方の駆動面53,54によって係合ピン52が入り込む隙間が形成される。この操作部材51により、シフト機構33が駆動されて、駆動側の高速ギヤ25aと従動側の高速ギヤ27aとが噛み合う高速段と、駆動側の低速ギヤ25bと、従動側の低速ギヤ27bとが噛み合う低速段とに、スピンドル軸11の回転速度が切り換えられる。
係合ピン52に駆動面53,54が当接することにより、両方の当接部36,41の最接近位置が設定される。この最接近位置においては、当接部36は低速ギヤ27bの端面に僅かな隙間を介して対向し、当接部41は高速ギヤ27aの端面に僅かな隙間を介して対向する。したがって、変速装置32が低速段または高速段に切り換えられた状態のもとでは、当接部36が低速ギヤ27bの端面に押圧されることはなく、当接部41が高速ギヤ27aの端面に押圧されることはない。これにより、低速段または高速段に切り換えられた定常状態のもとでは、シフト部材34,35からの熱の発生は抑制される。シフト部材からの発熱が防止されると、電動ドリル10の耐久性を向上させることができる。
操作部材51は、図4において矢印で示すように、高速段位置と低速段位置の間を約180度回転し、それ以上の回転は図示しないストッパーにより規制される。図2は操作部材51が高速段位置となった状態を示し、操作部材51の高速段位置に対応してハウジング12には円錐形の係合溝55が設けられている。操作部材51の低速段位置に対応させて図示しない係合溝がハウジング12に設けられている。図2に示されるように、操作部材51にはそれぞれの係合溝に係合する球体56が設けられ、球体56にハウジング12に向けて押圧力を付勢するためのばね部材57が操作部材51に設けられている。
図2に示されるように、操作部材51が高速段位置に操作されたときには、係合溝55に球体56がばね部材57に押圧され、操作部材51には回転操作力に抵抗感が加えられる。操作部材51を180度回転させると、球体56は図示しない低速段位置の係合溝に係合する。このように、係合溝と球体56との係合により、操作部材51が高速段位置や低速段位置に操作されると、操作部材51には操作力に対して抵抗感が加えられ、操作部材51は操作された位置に保持される。操作部材51としては、図示するような回転部材つまりダイヤル式に限られず、一端部がハウジング12に回転自在に支持され、他端部に球体56とばね部材57とが設けられた棒状のレバー式としても良い。
次に、図5〜図8を参照しつつ、変速段の切換動作において説明する。図5は低速段に切り換えられたときにおけるギヤの噛み合いを示す展開図であり、図8は高速段に切り換えられたときにおけるギヤの噛み合い状態を示す展開図であり、図6および図7は低速段から高速段に切り換えられるときの途中の状態を示す。図9は、図5におけるA−A線断面図であり、図9においてはハウジング12に組み込まれた状態におけるスピンドル軸11等の位置関係が示されている。
低速段となっているときには、図5に示されるように、駆動側の低速ギヤ25bに従動側の低速ギヤ27bが噛み合っており、両方の高速ギヤ25a,27aは噛み合っていない。この状態のもとで、操作部材51を約90度回転させると、係合ピン52が第2のシフト部材35の駆動面54を押圧して、図6に示されるように、第1のシフト部材34と第2のシフト部材35がガイドピン31に沿って軸方向に移動される。これにより、従動側の低速ギヤ27bは駆動側の低速ギヤ25bから離れて、これらの噛み合いが解除される。このようにして、従動側の高速ギヤ27aと低速ギヤ27bは、中立領域にシフトされ、電動モータ14の出力トルクはスピンドル軸11には伝達されなくなる。
中立領域となった状態のもとで、引き続いて操作部材51が回転されると、従動側の高速ギヤ27aは駆動側の高速ギヤ25aに向けて軸方向に移動される。図7は、例えば、従動側の高速ギヤ27aの歯の端面が、駆動側の高速ギヤ25aの歯の端面に当接して、両方のギヤが噛み合っていない状態を示す。このように、両方の高速ギヤが噛み合わない状態のときには、操作部材51の回転に伴って係合ピン52により第2のシフト部材35が第1のシフト部材34に対して摺動し、当接部41が当接部36から離れる。したがって、図7に示されるように、第2のシフト部材35のガイド部44が第1のシフト部材34のガイド部37に向けて接近移動し、両方のガイド部の間で圧縮コイルばね45が収縮される。これにより、第1のシフト部材34の当接部36が低速ギヤ27bを押圧して低速ギヤ27bに向けてばね力を付勢し、低速ギヤ27bと高速ギヤ27aとからなるギヤ組立体には、高速ギヤ27aが高速ギヤ25aに噛み合う方向のばね力が加えられる。
このように、ばね力が高速ギヤ27aに加えられると、従動側の両方のギヤが軸方向に駆動され、図8に示されるように、高速ギヤ25aに高速ギヤ27aが噛み合って、変速装置32は高速段に切り換えられる。このときには、低速ギヤ25b,27bは噛み合っていない。なお、従動側の高速ギヤ27aと低速ギヤ27bとが中立領域となった状態のもとで、操作部材51の回転により従動側の高速ギヤ27aが駆動側の高速ギヤ25aにそのまま噛み合わされると、図7に示す状態を経過することなく、図8に示されるように高速段に切り換えられる。
一方、高速段に切り換えられた状態から低速段に切り換えられるときには、操作部材51を逆方向に回転させることにより、同様にして切換動作が行われる。このように、変速段を切り換えるときには、電動モータ14の回転を停止させることなく、短時間でスムーズに変速段を切り換えることができる。変速装置32として使用されるシフト機構33としては、第1のシフト部材34の当接部36を、高速ギヤ27aの端面に当接させるようにし、第2のシフト部材35の当接部41を低速ギヤ27bの端面に当接させるようにしても良い。
このように、高速ギヤ25a,27aが噛み合っているときには、低速ギヤ25b,27bは噛み合っておらず、従来のような常時噛み合い式の変速装置と相違して、変速装置32からの発熱を抑制することができる。しかも、両方の当接部36,41の最接近位置は、係合ピン52により設定され、変速操作が行われない定常状態のもとでは、当接部36,41はギヤ組立体には押し付けられることがなく、第1のシフト部材34と第2のシフト部材35は発熱することが抑制される。これにより、変速装置32からの熱の発生が抑制され、低価格の変速装置32とすることができる。さらに、操作部材51を操作した際に駆動側ギヤの歯の端面と従動側ギヤの歯の端面とが当接して噛み合わない位置にある場合であっても、圧縮コイルばね45によって常に互いのギヤが近づく方向に付勢されているため自動的に噛み合うことができる。
電動モータ14としては、整流子型の交流直巻モータやブラシレスDCモータ等を使用することができる。図1に示された電動モータ14は交流直巻モータを示す。
図10は、電動モータ14としてブラシレスDCモータ14aを使用した場合におけるモータの回転速度制御回路を示すブロック図である。
このモータ14aは、永久磁石型の4極の3相ブラシレスモータであり、ロータ17aには4つの永久磁石が設けられている。一方、ステータ61にはU相、V相およびW相の各巻線が巻き付けられている。各巻線に対する駆動電流を制御するためのインバータ回路62には、商用電源63の交流を直流に整流する整流回路64が接続されている。インバータ回路62は、3相フルブリッジインバータ回路であり、それぞれ直列に接続された2つのスイッチング素子Tr1、Tr2と、2つのスイッチング素子Tr3、Tr4と、2つのスイッチング素子Tr5、Tr6とを有し、それぞれは、整流回路64の正極と負極の出力端子に接続される。正極側に接続される3つのスイッチング素子Tr1、Tr3、Tr5は、ハイサイド側となっており、負極側に接続される3つのスイッチング素子Tr2、Tr4、Tr6は、ロウサイド側となっている。2つのスイッチング素子Tr1、Tr2の間には、U相の巻線の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr3、Tr4の間には、V相の巻線の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr5、Tr6の間には、W相の巻線の一方の接続端子が接続される。U相、V相およびW相のそれぞれの巻線の他方の接続端子は、相互に接続されており、各巻線はスター結線となっている。
インバータ回路62に制御信号を演算して出力するモータ制御ユニット65は、コントローラ66を有しており、コントローラ66からは制御信号出力回路67を介してインバータ回路62に制御信号が送られる。図1に示したトリガースイッチ68を作業者が操作することにより、モータのオンオフとモータ回転数の信号がスイッチ検出回路69を介してコントローラ66に送られる。回転位置検出センサとしてのホール素子S1〜S3の検出信号は、回転子位置検出回路71に送られる。回転子位置検出回路71からはモータ回転数検出回路72に信号が送られ、モータ回転数検出回路72からはコントローラ66にモータ回転数に応じた信号が出力される。モータ14aに流れる電流を検出するためのモータ電流検出回路73からは、コントローラ66にモータ電流に応じた検出信号が送られる。コントローラ66は、制御信号を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびデータなどが格納されるメモリとを有している。
モータ回転数は各巻線に供給される実効電圧を調整することにより制御される。巻線に対する実効電圧制御は、例えば、スイッチング素子をPWM制御することによって、インバータ回路62の各スイッチング素子Tr1〜Tr6のゲートに印加されるオン信号のデューティ比を調整することにより行われる。
操作部材51が変速操作されて、変速段が低速段から高速段に切り換えられたとき、および高速段から低速段に切り換えられたときに、変速操作が行われたことを検出する操作部材検出センサ74がハウジング12に設けられている。この操作部材検出センサ74の検出信号はコントローラ66に送られ、操作部材51により変速操作が行われたときには、回転制御部としてのコントローラ66により、モータ14aの回転速度つまりモータ主軸18の回転速度は、定常回転速度よりも低い変速回転速度に切り換えられる。
このように、操作部材51が作業者により操作されて変速操作が行われ、例えば、図6に示される中立位置から図8に示される高速段に切り換えられるときに、高速ギヤ27aの歯の端面が、高速ギヤ25aの歯の端面に当接して、両方のギヤが噛み合わない状態が瞬間的に発生したとしても、モータ回転速度が定常回転速度から変速回転速度に切り換えられるので、短時間で確実に変速段の切換が行われる。
変速回転速度から定常回転速度に復帰させる方式としては、変速操作が行われてから、所定の変速切換時間が経過した後に定常回転速度に復帰させるタイマー方式と、従動側のギヤが駆動側のギヤと噛み合って変速段が切り換えられたことを検出する切換終了センサを設けるセンサ方式とがある。
図11は、上述したタイマー方式により、変速切換時のモータ回転速度を制御するようにした場合におけるモータ回転速度の変化を示すタイムチャートである。トリガースイッチ68が操作されると、モータ回転数は定常回転速度V1となって回転駆動される。このときに、例えば、図5に示すように、低速ギヤ25b,27bが噛み合った低速段の状態のもとで、操作部材51が作業者により操作され、低速段から、図8に示すように高速ギヤ25a,27aが噛み合う高速段に切り換えるときには、操作部材検出センサ74からの切換信号に基づいて、モータ回転速度は、定常回転速度V1から変速回転速度V0に切り換えられる。所定の変速切換時間Tが経過すると、モータ回転速度は定常回転速度V1よりも高い定常回転速度V2に切り換えられる。変速段が高速段の状態から低速段の状態に切り換えられるときにも、同様にして、モータ回転速度が減速制御される。変速切換時間Tは、約1秒程度に設定される。
図12は、変速時のモータ回転速度の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。モータ回転速度は、定常回転速度(V1,V2)と変速回転速度の二段階に切換可能となっており、モータ主軸18が定常回転速度で回転された状態のもとで、変速段が高速段に切り換えられると、スピンドル軸11は高速回転速度VHに設定され、変速段が低速段に切り換えられると、スピンドル軸11は低速回転速度VLに設定される。高速回転速度VHは、例えば、3,000rpmであり、低速回転速度VLは、例えば、1,000rpmである。それぞれの回転速度は、スピンドル軸11に負荷が加わっていない無負荷時の回転速度を示す。
トリガースイッチ68が操作されると、コントローラ66は制御信号出力回路67に駆動信号を出力し、制御信号出力回路67はスイッチング素子Tr1〜Tr6のゲートに印加されるオン信号のデューティ比を調整して電動モータ14をソフトスタートにて起動する。ステップS1において操作部材51により変速段が高速段に操作されているか、低速段に操作されているかが判定される。高速段に操作されていると判定されたときには、高速ギヤ25a,27aのギヤ対を介して駆動軸22の回転がスピンドル軸11に伝達され、スピンドル軸11は高速回転速度VHに設定される。一方、低速段に操作されていると判定されたときには、スピンドル軸11は低速回転速度VLに設定される(ステップS2,S3)。
ステップS4において操作部材51が変速操作されたことが検出されると、図11に示されるように、コントローラ66はスイッチング素子Tr1〜Tr6のゲートに印加されるオン信号のデューティ比を小さくし、モータ回転速度は定常回転速度V1から変速回転速度V0に切り換えられ、駆動軸22とギヤ対を介して連結されているスピンドル軸11は変速操作速度VSに減速される。このように、スピンドル軸11の回転速度が減速されると、高速段から低速段または低速段から高速段へのシフト操作は、スピンドル軸11を減速しない場合よりも、スムーズ行うことができる。モータ回転速度が変速回転速度V0に切り換えられてから、所定の変速切換時間Tが経過したことがステップS6において判定されると、モータ回転速度は定常回転速度V1(V2)に変更される(図11では定常回転速度V1(低速回転速度VL)からV2(高速回転速度VH)に変更される)。これにより、変速段に応じて、スピンドル軸11の回転速度は、高速回転速度VHまたは、低速回転速度VLのいずれかに設定される(ステップS7〜S9)。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図1は電動工具の一例である電動ドリル10を示すが、この変速装置32は、電動ドリルのみならず、変速装置が設けられる電動工具に適用することができる。
11 スピンドル軸
12 ハウジング
14 電動モータ
18 モータ主軸
22 駆動軸
25a 駆動側の高速ギヤ
25b 駆動側の低速ギヤ
26 スプライン部
27a 従動側の高速ギヤ
27b 従動側の低速ギヤ
31 ガイドピン
32 変速装置
33 シフト機構
34 第1のシフト部材
35 第2のシフト部材
36 第1の当接部
37 第1のガイド部
38 連結部
39 第1の駆動部
41 第2の当接部
42 第2の駆動部
43 摺動部
44 第2のガイド部
45 圧縮コイルばね
51 操作部材
52 係合ピン
53 第1の駆動面
54 第2の駆動面

Claims (9)

  1. 電動モータにより回転駆動される作業工具の回転速度を変速する電動工具であって、
    駆動側の高速ギヤおよび駆動側の低速ギヤが中立領域を隔てて設けられ、前記電動モータにより駆動される駆動軸と、
    前記駆動側の高速ギヤに噛み合う従動側の高速ギヤ、および前記駆動側の低速ギヤに噛み合う従動側の低速ギヤがそれぞれ軸方向に移動自在に隣り合って設けられ、前記作業工具が装着されるスピンドル軸と、
    従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの一方の端面に対向する第1の当接部を有し、前記スピンドル軸に略平行に配置されたガイドピンに軸方向に移動自在に装着される第1のシフト部材と、
    従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの他方の端面に対向する第2の当接部を有し、前記ガイドピンに軸方向に移動自在に装着される第2のシフト部材と、
    第1と第2の前記シフト部材の間に装着され、第1と第2の前記当接部を相互に接近させる方向にばね力を付勢するばね部材と、
    第1と第2の前記シフト部材を軸方向に移動させ、駆動側と従動側の前記高速ギヤを噛み合う位置と、駆動側と従動側の前記低速ギヤを噛み合わせる位置とに切り換える操作部材と、
    を有する、電動工具。
  2. 前記第1のシフト部材は、前記第1の当接部に対向して前記ガイドピンが貫通する第1のガイド部を有し、前記第2のシフト部材は前記第1のガイド部に対向し、前記ガイドピンが貫通する第2のガイド部を有する、請求項1記載の電動工具。
  3. 前記操作部材は係合ピンが設けられた回転部材であり、前記係合ピンに当接する第1の駆動面を前記第1のシフト部材に設け、前記係合ピンに当接し前記第1の駆動面に対向する第2の駆動面を前記第2のシフト部材に設けた、請求項1または2記載の電動工具。
  4. 第1と第2の前記シフト部材の少なくとも一方に、スピンドル軸が貫通する貫通孔を設けた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動工具。
  5. 前記操作部材により変速操作が行われたことを検出する操作部材検出センサと、前記操作部材検出センサからの信号に基づいて、前記操作部材により変速操作が行われたときに前記電動モータの回転速度を定常回転速度よりも低い変速回転速度に変化させる回転制御部とを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動工具。
  6. 前記回転制御部は、前記操作部材により変速操作が行われてから、変速切換時間が経過した後に、前記電動モータの回転速度を変速回転速度から定常回転速度に戻し制御する、請求項5記載の電動工具。
  7. 電動モータにより回転駆動される作業工具の回転速度を変速する電動工具であって
    前記電動モータにより駆動される駆動軸に設けられ、高速ギヤおよび低速ギヤを有する駆動側ギヤと、
    前記駆動側ギヤの高速ギヤおよび低速ギヤのそれぞれに噛み合い、軸方向に移動自在に設けられた従動側ギヤと、
    前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤのそれぞれに噛み合い、軸方向に移動自在に設けられた従動側ギヤと、
    前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤの噛み合い位置を切り換える操作部材と、
    前記操作部材の操作に連動して前記従動側ギヤに当接して前記従動側ギヤを移動させるシフト部材と、を有し、
    前記シフト部材は、前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤの噛み合い位置を切り換えるときのみ前記従動側ギヤに当接する、電動工具。
  8. 前記シフト部材は、
    従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの一方の端面に対向する第1の当接部を有し、前記操作部材の操作に連動して軸方向に移動自在に装着される第1のシフト部材と、
    従動側の前記高速ギヤと前記低速ギヤとの他方の端面に対向する第2の当接部を有し、前記操作部材の操作に連動して軸方向に移動自在に装着される第2のシフト部材と、
    を有し、
    前記操作部材は前記移動方向において前記第1のシフト部材と前記第2のシフト部材との間に設けられる係合ピンを有し、
    前記係合ピンの移動により前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤとの噛み合い位置を切り換える、請求項7に記載の電動工具。
  9. 前記第1のシフト部材と前記第2のシフト部材は、前記係合ピンの移動により前記軸方向において同じ方向に移動する、請求項8に記載の電動工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106300792A (zh) * 2016-08-31 2017-01-04 重庆红江机械有限责任公司 一种调速器的档位控制机构
KR101807510B1 (ko) * 2017-05-26 2017-12-11 엄용섭 심압대 개조 선반의 스플라인 축 구조 및 스플라인 축 구동방법

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