JP2015524670A - アッセイ方法及び系 - Google Patents
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Abstract
サンプル中の標的核酸配列を検出及び定量化するアッセイ方法及び系であって、標的特異的プローブ配列及び捕捉プローブ配列の存在下で増幅プロセス及びリアルタイム増幅プロセスを実施することにより、サンプル中の標的配列の増幅を、惹いては当該配列の存在を明らかにする。【選択図】図1
Description
本願は、米国仮特許出願第61/684,104号(2012年8月16日出願)に基づく優先権の利益を主張する。当該出願の明細書は、あらゆる目的において、その全体が援用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、米国国土安全保障省認可(契約番号HSHQDC-10-C-00053)の支援の下でなされた。政府は本発明に特定の権利を有する。
異なるサンプル混合物の所与の核酸配列の存在を検出する方法は多数開発されてきた。これらの方法は、診断、リサーチツール、病原体検出、及び他の多数の用途を目的として利用されている。特に斯かる標的のコピー数が少ないと予測される状況において、所与の標的核酸配列の存在を特定するのに極めて有用であることが知られている方法の一つが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、即ちリアルタイムPCRである。
リアルタイムPCRは、生物サンプル中の関心対象の核酸の検出に、一般的に使用されている。リアルタイムPCRの概説としては、例えばM Tevfik Dorak (Editor) (2006) Real time PCR (Advanced Methods) Taylor & Francis, 1st edition ISBN-10: 041537734X ISBN-13: 978-0415377348、及び、Logan et al. (eds.) (2009) Real time PCR: Current Technology and Applications, Caister Academic Press, 1st edition ISBN-10: 1904455395, ISBN-13: 978-1904455394等を参照のこと。更なる詳細については、例えばGelfand et al. "Homogeneous Assay System Using The Nuclease Activity of A Nucleic Acid ポリマーase" USPN 5,210,015;Leone et al. (1995) "Molecular beacon probes combined with amplification by NASBA enable homogenous real time detection of RNA" Nucleic Acids Res. 26:2150-2155;及びTyagi and Kramer (1996) " Molecular beacons: probes that fluoresce upon hybridization" Nature Biotechnology 14:303-308等も参照のこと。従来、単一の反応容器(例えば多ウェルプレートの各ウェル)内で一サンプル当たり二以上の標的核酸を検出するのに使用されてきた単一セル多重化(single well multiplexing)は、各アンプリコン特異的なTAQMAN(登録商標)等の自己消滅型(self-quenched)PCRプローブ又は分子ビーコンプローブを用いて行われる。プローブが溶液中のアンプリコンに結合すると、或いはプローブがPCR中に分解されると、プローブは消滅せず(unquench)、検出可能な信号を発する。複数のプローブを波長の異なる複数のフルオロフォアで標識することで、単一の「ワンポット」(one pot)反応にて最高5種の標的を多重化することが可能となる。一反応当たり5種を超えるプローブの多重化は、実際のスペクトル領域や標識発光の制限ゆえに達成困難である。これによって単一反応の多重化は大幅な制約を受け、惹いては一サンプル当たりスクリーニング可能な標的数も著しく制限されると共に、多数の関心対象標的を検出する際の試薬コストの高騰や機器の複雑化も招いてきた。
核酸アレイは、増幅産物の検出を多重化する別のアプローチの代表例である。最も典型的な例によれば、サンプルに増幅反応を実施し、核酸アレイで複数のアンプリコンを個別に検出する。例えばSorge "Methods for Detection of a Target Nucleic Acid Using A Probe Comprising Secondary Structure"、米国特許第6,350,580号は、増幅により放出されるプローブを増幅混合物から精製し、次いで検出することにより、当該プローブを補足することを提案している。斯かるアンプリコンの生成及び検出という多段階アプローチゆえ、増幅混合物のリアルタイム分析は実用的ではない。
捕捉核酸の存在下で反応物を増幅するアプローチも種々提案されている。例えばKleiber et al. "Integrated Method and System for Amplifying and Detecting Nucleic Acids"、米国特許第6,270,965号は、消衰誘導蛍光(evanescence induced fluorescence)によるアンプリコンの検出を提案している。同様に、Alexandre, et al. "Identification and Quantification of a Plurality of 生物 (Micro) Organisms or Their Components"、米国特許第7,829,313号は、アンプリコンをアレイで検出することを提案している。別の例では、増幅の結果として生成されるプローブ断片を、例えば電極への結合及び電気化学的検出等の手法で検出することにより、標的ポリヌクレオチドを検出している。例えばAivazachvilli et al. "Detection of Nucleic Acid Amplification"、米国特許出願公開第2007/0099211号公報;Aivazachvilli et al. "Systems and Methods for Detecting Nucleic Acids"、米国特許出願公開第2008/0193940号公報;及びScaboo et al. "Methods and Systems for Detecting Nucleic Acids"、米国特許出願公開第2008/0241838号公報等を参照のこと。
これらの方法は何れも実用上の制約があり、それゆえ多重化標的核酸検出での利用も制限されてきた。例えば、Kleiber(米国特許第6,270,965号)は、消衰誘導蛍光を利用してアンプリコンの蛍光をアレイ表面で検出するものであり、複雑且つ高価な光学系及びアレイを必要とする。Alexandre(米国特許第7,829,313号)は、アンプリコンをアレイ上で検出することを提案するが、各アンプリコンを検出するべく各アレイを個別に設計しなければならず、Kleiberの場合と同様にアレイのコストが極めて高価であった。実際には、アレイ上で複数のdisparate アンプリコンについて同様のハイブリダイゼーション動態を達成するのは、特にAlexandreの様にアンプリコンが比較的大きい場合は困難であろう。更に、これらの技術では、高レベルの信号バックグラウンドを含む溶液相を伴うアレイや、原位置(in situ)熱サイクル時にも安定なアレイ上で、どのように信号を検出するのか、殆ど述べられていない。
本発明は上述の課題を含む本分野の種々の課題を対象とする。以下を総合的に考慮すれば、本発明のより包括的な理解が可能となろう。
本発明は、新規なアッセイ方法及び系、並びに、斯かる方法及び系に使用される装置、試薬、及び反応混合物を提供する。少なくとも1つの側面によれば、本発明は、サンプル中の少なくとも第一の標的核酸配列の存在を検出する(そして任意により、当該核酸配列量の増加を定量する)方法を提供する。本方法は、少なくとも第一の核酸プローブ群の存在下で標的核酸配列を増幅し得る増幅反応に、当該サンプルを供することを含む。第一のプローブ群は、捕捉プローブ及び標的特異的核酸プローブを含む。捕捉プローブはフルオロフォアと連結されてなる。標的特異的核酸プローブは、捕捉プローブの少なくとも一部及び標的核酸配列の少なくとも一部に相補的であると共に、クエンチャーと連結されてなり、標的特異的プローブが捕捉プローブにハイブリダイズすると、クエンチャーがフルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成されてなる。更に本方法は、一又は二以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに続いてサンプルの蛍光を検出し、ここで蛍光の増大が、標的核酸配列の存在及び/又は量の増加の指標となることを含む。
これに関連して、本発明は、一又は二以上の関心対象の標的核酸(target nucleic acid of interest)を含むサンプル;前記関心対象の標的核酸配列を増幅するための増幅試薬;並びに捕捉プローブ及び標的特異的核酸プローブを含む少なくとも第一のプローブ群を含む反応混合物も含む。捕捉プローブはフルオロフォアと連結されてなり、標的特異的核酸プローブは、捕捉プローブの少なくとも一部及び標的核酸配列の少なくとも一部に相補的であると共に、クエンチャーと連結されてなる。クエンチャーは、標的特異的プローブが捕捉プローブにハイブリダイズすると当該クエンチャーがフルオロフォアの蛍光をクエンチするように、捕捉プローブに連結されてなる。
また、本発明は、反応チャンバー内に配置された反応領域;関心対象の標的核酸を含むサンプル;前記関心対象の標的核酸配列を増幅するための増幅試薬;及び捕捉プローブ及び標的特異的核酸プローブを含む少なくとも第一のプローブ群を含む反応チャンバーも含む。捕捉プローブはフルオロフォアと連結されてなる。標的特異的核酸プローブは、捕捉プローブの少なくとも一部及び標的核酸配列に相補的であると共に、クエンチャーと連結されることにより、標的特異的プローブが前記捕捉プローブにハイブリダイズすると、クエンチャーが前記フルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成されてなる。
また、本発明は、本発明の方法/装置の一部の態様に使用される増幅プライマー及び標的プローブも含む。例えば、本発明は、天然痘(variola)ウイルスを(例えば混合ポックスウイルス(poxvirus)成分を含む可能性のあるサンプルから)特異的に検出するのに使用されるプライマー及びプローブを含む。斯かるプライマー及びプローブとしては、VAR-1プローブ、VAR-2プローブ、VAR-3プローブ、VAR-4プローブ、VAR-1プライマー1、VAR-1プライマー2、VAR-2プライマー1、VAR-2プライマー2;VAR-3プライマー1、VAR-3プライマー2、VAR-4プライマー1、及びVAR-4プライマー2が挙げられる。
本発明の詳細な説明の前に理解すべきは、装置や生物系は当然ながら多種多様であるところ、本発明は特定の装置や生物系に限定されるものではないという点である。更に理解すべきは、本明細書で使用される用語法は、あくまでも特定の態様を説明する目的にすぎず、限定を意図するものではないという点である。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、「一の」や「前記」等(“a”、“an”、及び“the”)の単数形には、文脈上明らかにそうではない場合を除き、指示対象が複数の場合も含まれるものとする。即ち、例えば本明細書に記載の(consumable)チャンバーの「表面」(surface)とは、任意により二以上の表面(surfaces)の組み合わせも含む。他も同様である。
別途定義する場合を除き、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は何れも、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解する通りの意味を有する。本発明の試験法の実施に当たっては、本明細書に記載された方法及び材料と類似又は均等の任意の方法及び材料を用いてもよいが、本明細書に記載した材料及び方法が好ましい。本発明を説明及び請求するに当たっては、後述の定義に従って以下の用語法を用いる。
本発明は概して、リアルタイムPCRに基づく検出方法を用いてサンプル材料中の標的核酸を検出する方法及びシステムを対象とする。本発明は、従来の方法と比較して、より高い多重性を達成できると共に、シグナル背景レベルを減らすことができる利点がある。
上述のマルチプレックスに関する問題に対する洗練された方法が、共有に係る米国特許出願第13/399,872号明細書に提示される。当該出願はあらゆる目的においてその全体が参照により本明細書に援用される。手短に言うと、そのような方法では、プローブは標的配列に相補的な第一の部分と、標的配列に相補的でない第二の標識されたフラップ部分とを備える。標識されたフラップ部分は標的配列の増幅に際して放出され、固相支持体、例えば、基材表面上に設けられた相補的捕捉プローブ配列によって捕捉される。固相支持体の表面での標識されたフラップ部分の蓄積は、標的配列が存在し、増幅されていることを示す。アッセイされる様々な標的配列に対して異なるフラップ部分配列を用いることによって、且つそれらのフラップ部分配列に相補的な基材上の異なる位置で異なる捕捉プローブを並べることによって、ただ1つの増幅反応過程を通して、ただ1つのサンプル中の複数の異なる標的配列の存在を効果的に検出できる。さらに、標識されたフラップ部分を標的にハイブリダイズする必要がないので、その配列は、基材上の所望の捕捉プローブ配列又は配列に基づいて選択することができる。結果として、汎用的な捕捉プローブ又は捕捉プローブ群を用いて、任意の標的配列又は配列をアッセイすることができる。
本発明は、シグナル生成の向上及び背景シグナルレベルの低下をもたらす、それらの方法に対するさらなる改良を提供する。特に、本発明の方法は、少なくとも関心対象の標的核酸配列の部分に相補的である第一の標的特異的核酸プローブ群を利用する。また、標的特異的プローブは、標的特異的プローブのある特定の位置に連結されたクエンチャー群を含む。また、本発明の方法は、標的特異的プローブに相補的である第二の核酸捕捉プローブ群を用いる。捕捉プローブはまた、捕捉プローブ上の位置に連結されるフルオロフォアを含み、2つのプローブが一緒になってハイブリダイズしたとき、フルオロフォアが、標的特異的プローブ上のクエンチャー群によってクエンチされ、そのフルオロフォアに適した励起照射に供される。結果として、ハイブリダイズされなかった捕捉プローブからの蛍光シグナルは、標的特異的プローブ−捕捉プローブハイブリッドからのシグナルより実質的に大きくなる。
本発明の方法では、標的核酸配列の存在に関して分析されるサンプル材料は、標的特異的核酸プローブ及び標識された捕捉プローブの存在下で増幅される。本明細書でさらに詳述されるように、本発明の方法はまた、複数の標的特異的プローブ及び空間的に離れた複数の捕捉プローブ、例えば、プローブアレイを用いてサンプル内の複数の標的核酸配列を検出することを含む。本明細書で使用される場合、増幅とは標的核酸分子の総数を増やすための関心対象の標的配列の反復性の複製を指す。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びリガーゼ連鎖反応(LCR)を含む、多くの様々な増幅方法が当該技術分野において周知である。
特に好ましい態様では、標的配列はPCR反応で増幅される。簡潔に言うと、PCR増幅法は、ライマー伸長は核酸配列、例えば、標的配列及びその相補配列を複製することになるように、互いに相補的であって、関心対象の標的配列、その標的配列の上流を含む核酸の逆平行鎖の増幅を開始する2つのプライマー配列を用いる。該反応は、標的を含有する配列の相補鎖を解離し、分れた鎖にプライマーをアニーリングし、ポリメラーゼ酵素を用いてそれらのプライマーを伸長する反応混合物の熱サイクリングの繰り返しを伴い、コピーされた鎖を解離し、その複製鎖に基づいてさらなるコピーを作るサイクルを繰り返す。反復性の複製過程の結果として、標的核酸は、例えば、1つの標的が複製されて2コピーを得て、それが複製されて4コピーになるなど指数関数的に複製される。
本発明に従って使用される増幅過程の間、増幅サイクル毎に、標識された捕捉プローブに結合しクエンチするのに利用可能な標的特異的プローブ分子の量は減少する。利用可能な標的特異的プローブの減少は、増幅中のサンプルの標的配列の数の増加による標的特異的プローブの隔離、又は増幅過程の間の標的特異的プローブの分解の1つ以上に由来しうる。
リアルタイムPCR反応との関連で、関心対象の標的配列を含有するサンプルは、関心対象の標的配列を増幅するように設定されるPCR反応に供され、例えば、標的特異的プローブと捕捉プローブの両方の存在下で標的の逆平行鎖両鎖の上流配列の増幅を開始する。例えば、内在するエキソヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼ酵素を使用する場合、増幅過程の間に標的配列にハイブリダイズするいずれの標的特異的プローブも、このエキソヌクレアーゼ活性によって切断されることになる。複数の増幅サイクルにわたって、標的特異的プローブの量が反応混合物中で著しく減少することになり、より少ない捕捉プローブ上のフルオロフォアがクエンチされることになり、結果として標的配列が増幅されるにつれて、蛍光シグナルが増加する。1回以上の増幅サイクルの反応後の蛍光を観察することによって、標的配列が存在するということが特定できる。同様に、下記で詳細に論じられるように、様々な増幅サイクルにわたって蛍光の増加を観察することによって、出発材料中に存在する標的の量を定量することですら可能である。
図1は、本発明の反応過程を概略的に図示する。図に示されるように、捕捉プローブ102のセットは、各々、連結された蛍光部分又はフルオロフォア(F)をもち、基材104の表面上に固定化される。捕捉プローブは、監視のしやすさ及び多重化のしやすさのために、基材表面に結合されることが好ましい一方で、下記でさらに詳しく記載するように、本発明の方法のもとでのシグナル生成又は検出に必ずしもそれは必要ではない。また、捕捉プローブ102と関心対象の標的核酸配列の両方に相補的である標的特異的プローブ106も提供される。これらの標的特異的プローブは、連結されたクエンチャー部分(Q)を含む。捕捉プローブ102上のフルオロフォアFの位置及び標的特異的プローブ106上のクエンチャーQの位置は、プローブ102及び106が一緒になってハイブリダイズされた際、励起照射に別途供されたときにクエンチャーQがフルオロフォアFに充分近くに位置してその蛍光をクエンチするように選ばれる。
次に、上記プローブは、関心対象の標的核酸、例えば、標的配列108を含有すると思われるサンプル材料と接触し、標的配列は、例えば、内在するエキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼを用いるPCR反応過程に供される。PCR法は、複数の反復性の融解工程、アニーリング工程、及び伸長反応工程を含み、結果として標的配列108にわたる適切なプライマー110の伸長をもたらす。各アニーリング工程の間、少なくとも幾らかの標的特異的プローブ106が、標的配列108にアニーリングすることになる。その伸長反応の間に標的配列がポリメラーゼによって複製されるにつれて、標的にハイブリダイズした標的特異的プローブ106が、ポリメラーゼ酵素のエキソヌクレアーゼ活性によって切断され、それらが捕捉プローブ102とハイブリダイズするのを防ぎ、よって捕捉プローブの連結フルオロフォアをクエンチしない状態にする。
好ましい態様では、本発明の方法は内在するエキソヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼを使用するPCR反応を用いるが、上述のように、関心対象の標的配列の増幅の際、そのような活性はシグナル発生には必要とされない。特に、捕捉プローブ又は標的配列のいずれかに結合する標的特異的プローブのための所与の反応混合物中に、平衡が存在することになる。PCR反応の間に標的配列が増幅されるにつれて、その平衡は、標識された捕捉プローブに結合し、クエンチするよりむしろ、標的に結合する標的特異的プローブの方に移動すると思われる。結果として、その増幅は蛍光シグナルの増加をもたらすであろう。
理解されると思われるように、エキソヌクレアーゼ活性を用いる方法と用いない方法の両方とも、増幅反応間に反応の感度は、少なくとも部分的には、標的特異的プローブと捕捉プローブの相対的な濃度に依存することになる。例えば、上述のように、標的特異的プローブがサンプル中に存在するいずれの標的及び捕捉プローブにハイブリダイズしている平衡状態を予想すると思われ、標識された捕捉プローブがハイブリダイズされず、クエンチされない状態にある可能性をもたらす。標的配列のコピー数が標的特異的プローブのコピー数に対して低い場合、一般的にそうであると思われるように、それは重要でない影響であることが期待されると思われる。典型的には、増幅中に作られる標的の量は充分に多く、測定可能な影響よりはるかに低い開始標的濃度を可能にすることになる。標的コピー数が実質的に高い場合、標的特異的プローブの隔離の結果として初期背景蛍光レベルを上昇しうる。そのような状況では、より高い濃度の標的特異的プローブを提供して、この影響に対抗することが望ましい場合がある。標的特異的プローブの正確な濃度は、標的配列のコピー数に基づいて調整されて、減少されたベースラインに調整しうる。
代替的に、捕捉プローブ領域は、2つ、3つ以上の密度又は捕捉効率を備えてよく、捕捉が最適に調整されて、増幅サイクル前から増幅サイクル後の濃度範囲に及ぶ濃度範囲に対して感度が高いことが可能になる。したがって、いずれの所与の増幅反応についても、適切なアレイ領域、例えば、最適化された捕捉効率を有するアレイ領域を選択できる。
上述のように、好ましい態様では、固相支持体に固定化された捕捉プローブが提供される。捕捉プローブの固定化は、捕捉プローブに連結されたシグナルを集める簡便な機構、例えば、標準的な蛍光検出技術を用いて検査可能な表面を提供する。くわえて、複数の異なる捕捉プローブ、すなわち、異なる核酸配列を有する捕捉プローブは、複数の異なる標的配列が単一のアレイを用いる単一の反応過程で検出できるように、異なる捕捉プローブ配列各々が別々の位置に設けられて表面に並べられてもよい。特に、複数の異なる標的特異的プローブ配列は、捕捉プローブのアレイの存在下で、1つ以上の異なる標的配列を含有すると思われるサンプルと接触し、そこではアレイ中の各位置は異なる標的特異的プローブに相補的な捕捉プローブを含む。増幅に際し、存在するそれらの標的配列は、それらの連結された標的特異的プローブの切断を来たし、同様に連結された蛍光標識捕捉プローブをクエンチしないことになる。どの捕捉プローブが蛍光の増加を生じさせているかを特定することによって、標的配列のうちどれがサンプル中に存在するかを解明することができる。捕捉プローブアレイを製作する例示的な方法は、例えば、米国特許出願第13/399,872号明細書及び同第61/600,569号明細書に記載され、該出願の全開示は、あらゆる目的において参照によりそれら全体が本明細書に援用される。
これに関連して、本発明は、関心対象の核酸の高度に多重的な検出、例えば、生体サンプル中のウイルス、細菌、プラスモジウム、菌類、又は他の病原体の検出を可能にする方法、ならびに関連する装置、システム、及び消耗品を提供する。好ましい態様では、消耗品は、その内面に高効率温度安定核酸検出アレイを有するシグナル最適化チャンバーを含む。アレイは、最大約100個以上の異なる標識された捕捉プローブを含むように構成される。上記のように、方法は、アレイ上に捕捉プローブに相補的である標的特異的プローブを含み、そこではそれらの標的特異的プローブはクエンチャー部分を含む。先にも述べたように、チャンバー内での関心対象の標的核酸の一部の増幅の間に、標的特異的プローブをもつクエンチャーは切断され、それらが捕捉プローブの蛍光をクエンチする能力は実質的に排除される。標的特異的プローブは、アレイにサンプルを導入する前に、アレイ上の捕捉プローブと接触して提供してもよい。代替的に、サンプル材料はアレイに導入する前に標的特異的プローブと混ぜてもよい。
したがって、第一の態様では、標的核酸を検出する方法が提供される。これは、チャンバーの少なくとも1つの表面に少なくとも1つの高効率核酸検出アレイを有する検出チャンバーを提供することを含む。本明細書で使用される場合、「高効率核酸アレイ」は、ハイブリダイゼーション条件下で標的特異的プローブに効率的にハイブリダイズする捕捉核酸プローブのアレイである。典型的な実施形態では、アレイが反応/検出チャンバーの内面に構成を整えられる。アレイは、スポッティングから表面上の化学合成又は光化学合成まで、いずれの従来のアレイ技術によって形成できる。高効率は、プローブを認識する捕捉プローブの領域の長さを制御することによって達成される(ハイブリダイゼーション条件にとって最も短いハイブリダイゼーション長まで、短いプローブは長いプローブに比べてより効率的にハイブリダイズする)。標的プローブにハイブリダイズする捕捉プローブ上の位置である捕捉部位は、捕捉部位と表面との間の結合配列又は構造を含むことによって、標的プローブとのハイブリダイゼーションにより効率的/より利用可能に作られることができる(よって、表面から特定の距離で捕捉部位を整え、ハイブリダイゼーションへの表面効果を減らすことができる)。例えば、核酸配列又はポリエチレングリコールリンカー(又は両方)が使用できる。
捕捉核酸プローブは、比較的小さいプローブ核酸を捕捉するように構成され、これもまたアレイ効率を上げる。標的特異的プローブのアレイへの結合の検出は、クエンチャー基を含む標的特異的プローブの存在下におけるアレイ上の捕捉プローブの蛍光の減少又は消光を観察することによって実行される。逆に、標的配列の増幅の検出は、標的特異的クエンチプローブが増幅反応によって消費されるにつれて、及び/又は増幅された標的によって隔離されるにつれて、捕捉プローブからの蛍光の増加を検出することによって達成される。
好ましくは、これは全体的な反応及び検出を増強するように構成される反応チャンバー又は検出チャンバーで実施される。「反応チャンバー」又は「検出チャンバー」は一般に、その中でサンプルが分析されるか、又は標的核酸が検出される部分的又は完全に囲まれた構造を指す。チャンバーは、例えば、試薬又は反応物の送達のために、完全に閉じられることもでき、又はチャンバーに流体連結されたポート又はチャネルを含むこともできる。チャンバーの形状は、例えば、用途及び利用可能なシステム装置に応じて変えることができる。場合によっては、チャンバーは、アレイに近位の背景シグナルを減らすように構成されてもよい。チャンバーは、シグナル背景を減らすようにチャンバーを寸法的に成形することによって、例えば、小さい寸法(例えば、チャンバー深さ)をアレイの近くに含む(それにより、アレイの近位に溶液により生成されたシグナルの量を減少させる)ことによって、「アレイに近位のシグナル背景を減らすように構成される」ことがある。又は、チャンバーは、別途コーティング(例えば、光学コーティング)したり、又は構造体(例えば、バッフルもしくはアレイの近位の他の型構造体)を使用したりすることによって、背景を減らすように構成される。典型的には、溶液中のシグナルがアレイにおけるシグナルの差異を検出できるほど低いような寸法(例えば、深さ)を有するように、チャンバーはアレイの近位に構成される。例えば、1つの実施形態では、チャンバーは、アレイの上の深さが約1mm未満であり、望ましくは、チャンバーは深さが約500μm未満である。典型的には、チャンバーは、アレイの上の深さが、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、又は約150μm未満である。本明細書に提供される1つの例では、チャンバーは深さが約142μmである。そのような薄いチャンバーはまた、より小さい熱質量をもち、厚いチャンバーと比べて、より速く、より効率的に温度サイクルをすることができ、熱サイクル増幅法に有用である。
幾つかの実施形態では、検出される標的核酸の1つ以上のコピーを有するサンプルは、検出チャンバーに載せられる。クエンチャー基を含む1つ以上の増幅プライマー及び標的特異的プローブは、1つ以上の標的核酸コピーにハイブリダイズされる。1つ以上の標的核酸コピーの少なくとも一部が、増幅プライマー依存増幅反応で増幅される。エキソヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼを使用して行われた場合、増幅反応は、例えば、増幅酵素のヌクレアーゼ活性に起因して、標的特異的プローブの切断を来たす。このことは、結果としてアレイ上の捕捉プローブへの結合に利用可能な標的特異的プローブの数の減少となり、よって、それらの捕捉プローブ上のフルオロフォアの全体的な消光の減少となり、すなわち、結果としてアレイ表面から検出される蛍光の増加をもたらし、その増加はサンプル中の標的核酸の存在の指標となる。
先にも述べたように、背景シグナルに寄与できる低熱質量及び流体容積低下のために、薄い反応チャンバー又は検出チャンバーは好ましい。典型的な実施形態では、チャンバーは深さ又はアレイに近位の他の寸法が約1mm未満、より典型的に、少なくとも1つのアレイに近位の他の寸法が約500μm以下、好ましくは約250μm以下、例えば、約10μm〜約200μmであり、幾つかの実施形態では、チャンバーはアレイに近位の寸法が約150μmである。本明細書における1つの例では、チャンバーは、アレイの上の深さは約142μmである。本明細書における別の例では、チャンバーは深さが約100μmである。適切なチャンバー寸法は、検出システムのシグナル検出路に依存し、例えば、シグナルがアレイに光を通すことによって生成される場合、一部の光がアレイを通ってアレイの上の流体に漏れる場合、適切な寸法はアレイの上のチャンバーの深さである。
上記、例えば、米国特許出願第13/399,872号明細書に記載される他のアッセイ形式に関して、アレイは典型的に、標識されたプローブにハイブリダイズする捕捉核酸、例えば、放出された標識プローブ断片の非律速数を与える。そのような方法では、アレイを標識プローブで飽和しないことが望ましい。しかし、本発明の内容においては、標識された捕捉プローブの数は、標的配列の増幅の結果として捕捉プローブに結合する標的プローブの数の測定可能な変化を生み出すように誂えて調整される。増幅中の標的濃度及び典型的な増幅反応で消費される標的特異的プローブに対応する量の実質的な変化に起因して、標識された捕捉プローブ結合する標的プローブの量の変化は測定可能な影響を生じることになる。反応混合物中の標的特異的プローブの量は大きく異なるが、特に好ましい態様では、反応混合物中の標的特異的プローブの濃度は、約10nM〜約1uM、好ましくは約50nM〜約200nMの範囲に及ぶことになる。
典型的な捕捉プローブアレイ密度は、約350fmol/cm2超、例えば、約2,000fmol/cm2超、2,500fmol/cm2超、3,000fmol/cm2超、4,000fmol/cm2超、4,500fmol/cm2超、又は5,000fmol/cm2超である。また、アレイの効率は、捕捉されるプローブの長さに応じる。プローブは、ハイブリダイゼーションの間に所与のTmにて結合するのに充分に長くなければならないが、典型的にはプローブが短いほど、ハイブリダイゼーションはより効率的になる。アレイによって捕捉される典型的なプローブは、長さが約50ヌクレオチド以下であり、アレイは、相補的な捕捉核酸配列を有する部位を含む(捕捉プローブの核酸配列はまた、例えば、相補的領域(捕捉部位)のスペースをとるために、例えば、表面効果を減らすために、追加的な配列を表面に随意に含むことができる)。より典型的には、捕捉部位のプローブ及び配列(スペースをとるために使用されるいずれの随意の追加的な配列を含まない)は、長さが約40ヌクレオチド以下、例えば、長さが約20〜約35ヌクレオチドである。
場合によっては、アレイの捕捉プローブ及び所与の分析で使用される相補的な標的特異的プローブは、アレイを構成要素すべてにわたって、狭いTm範囲をもたらすように選択される。特に、最適で、一貫した捕捉アレイへのハイブリダイゼーションを確実にするには、所与のアレイの捕捉プローブは各々、アレイのあらゆる他の構成要素の約10℃以内、好ましくは、アレイ中のその他すべてのプローブの約7℃、5℃、又は3℃以内のTmを有することになる。そのような狭いTm範囲は、アレイの構成要素すべてにわたって一貫したハイブリダイゼーション及び結果として得られるシグナル生成を可能にする。標的特異的プローブは、関心対象の標的配列によって決定づけられる配列を有するので、ハイブリッドに関するTmを制御する能力は減ることになる。しかし、一般的には、全体的な標的内の異なる標的特異的配列が選択されて、狭いTm範囲を達成しうる。
上述のように、2つのプローブが一緒になってハイブリダイズされる場合、クエンチャーは、励起照射に供されたとき、フルオロフォアの充分近位に位置して、フルオロフォアからクエンチャーへのエネルギー移動を可能にするように、捕捉プローブ上のフルオロフォアの位置及び標的特異的プローブ上のクエンチャーの位置が選択される。ある態様では、これは、クエンチャー及びフルオロフォアをそれらのプローブ配列上のそれぞれの相補的な塩基に連結することによって達成される。標識基及びクエンチャーのヌクレオチド、及び特に、ヌクレオチドの核酸塩基部分への連結は、当該技術分野において周知である。
特に好ましい態様では、クエンチャー基は標的特異的プローブの5’位又はその近くに与えられ、したがってクエンチャー基は増幅反応中に回裂/切断を妨害しない。
また、アレイ表面上の捕捉プローブの向きも様々でありうる。例えば、捕捉プローブは、その3’末端又は5’末端でアレイ表面に連結されて提供されうる。フルオロフォアはアレイの表面のほぼ近位に提供されうる。特に好ましい態様では、捕捉プローブは、その5’末端を介して表面につながれ、そのフルオロフォアをその末端の近位に、例えば、その3’末端ヌクレオチド上にもつ。理解されると思われるように、プローブのアレイ表面への連結は、表面への直接共有結合もしくはその表面上のコーティングを通して、又は結合分子を介在することによって、例えばビオチン−アビジン結合、核酸ハイブリダイゼーションカップリングを通して、例えば、捕捉プローブの末端に存在するタグ配列に相補的である別個の連結核酸を使用して、又は同種のものによって実施されうる。ここでもやはり、例となる表面、コーティング、及び核酸固定化技術は、例えば、先にあらゆる目的においてその全体が本明細書に組み込まれた米国特許出願第61/600,569号明細書に記載される。
サンプルは、消耗品の正確な構成に応じて、多様な機構のいずれかによって、本発明の装置/システムのチャンバーに載せることができる。1つの従来の用途では、サンプルは、少なくとも1つのポート又は流体のチャネルを通して、動作可能にチャンバーと連通して載せられる。例えば、ポートが消耗品の上面に組み立てられ、そのポートはチャンバーにつながる。これにより、例えば、ピペット又は他の流体送達装置を介して簡易にサンプルを載せることが提供される。代替的に、流体もしくは微小流体のチャネル、キャピラリー、又は同種のものが、サンプルの送達に使用できる。
本発明の方法は、サンプル中の関心対象の核酸の検出及び/又は例えばリアルタイムでの核酸の定量に使用できる。よって、1つの態様では、標的核酸は、標的核酸部分が、シグナル検出後さらに増幅されて、すなわち標的特異的プローブのさらなるコピーの存在下で、アレイからのシグナルを検出する前に複数の増幅サイクルで随意に増幅される。1回以上の増幅サイクルの後、例えば、切断されず、増幅された標的配列にハイブリダイズされずに反応混合物中に遊離したまま残っている標的特異的プローブ配列は、アレイ上の捕捉プローブにハイブリダイズされ、それらの連結フルオロフォアをクエンチできる。次に、検出されたシグナル強度がサンプル中の存在する標的核酸の存在及び/又は量に関連付けられて、アレイは蛍光の存在についてアッセイされる。典型的には、サンプルは、最初の検出の前に、1回より多いサイクル増幅されて、増幅反応によって消費されるか、又は増幅された標的配列の量の増加によって隔離される標的特異的プローブの数を増加することによってシグナルのレベルを増加する。例えば、標的核酸は、アレイからのシグナルを検出する前に、少なくとも、例えば、2、3、4、5回以上の増幅サイクルで随意に増幅できる。
量子ドットなどの他の標識もまた使用できるが、典型的には標識捕捉プローブは蛍光性又は発光性標識を含む。1つの好ましい実施形態では、標識は蛍光色素である。捕捉プローブによって生成れるシグナルは典型的に光学的シグナルである。同様に、標的特異的プローブ上のクエンチャー基は、使用されるフルオロフォアからのエネルギーの受容器であるように選択され、例えば、フルオロフォアによって発せられた波長におけるエネルギーの受容器として働く。本明細書で使用する場合、クエンチャーは、例えば、光の形でエネルギーを発することなくフルオロフォアからエネルギーを受け取る非放射性のクエンチャーであってよい。代替的に、クエンチャーは光エネルギーを発してもよいが、ただしアレイの蛍光の分析に使用される検出システムによってフィルターにかけられた波長で光エネルギーを発する。よって、クエンチャーは単に、フルオロフォアからの蛍光エネルギーを受け、フルオロフォの発光波長で蛍光をモニターするのに使用される検出システムの検出波長範囲内で発光しない基を指す。さらに他の態様では、標的特異的配列上のクエンチャーは、放射性クエンチャーを含んでもよく、全体的な分析機器システムは、「クエンチャー」によって発せられた放射線と、標的特異的配列上の「クエンチャー」基の非存在下で捕捉プローブのフルオロフォアによって発せられた放射線を区別して検出できる光学システムを含みうる。結果として、標的特異的配列がアレイに結合され、捕捉プローブフルオロフォアを励起することを目標とした励起波長で照射された場合、そのフルオロフォアは、その第一の固有波長で発光することになり、それは「放射性」クエンチャー基エネルギー移動によって吸収されることになる。結果として、放射性クエンチャーはその第二の固有波長で発光することになる。例えば、増幅反応による消費の結果として、標的特異的プローブがもはやアレイに結合しないとき、クエンチされなかった捕捉プローブのフルオロフォアからのエネルギーは、第一の固有波長で発せられることになる。従来の二波長蛍光検出オプティクスを使用して、それらの特徴的な蛍光シグナルに基づいてアレイの両方の状態を検出できる。
シグナルは典型的に、捕捉プローブ上の光学的な標識に対応する1つ以上の光学的シグナル波長を検出することによって検出される。アレイ上の標的プローブの結合位置は、異なる標的特異的プローブ間の区別に使用できるので、多重化増幅反応(1つより多くの標的がサンプル中に存在する場合、複数の標的核酸を増幅するように設計された増幅反応)において、異なるプローブ上の異なる標識を使用してプローブを区別する必要はない。言い換えれば、幾つかの実施形態では、捕捉プローブの位置は所与の標的配列に特異的である。
アレイ上の捕捉プローブに連結される標識基に関して一般的に記載されるが、予め標識された捕捉プローブの使用を必要としない他の検出スキームが採用されることがありうることが理解されよう。例えば、幾つかの実施形態では、挿入色素が使用されることがある。挿入色素は典型的に、二本鎖核酸、例えば、捕捉プローブ/標的特異的プローブハイブリッドへの取り込み又は入り込みの際に、検出可能なシグナル事象をもたらす。本発明の内容において、アレイ上の相補的捕捉プローブへの標的特異的プローブのハイブリダイゼーションは、挿入色素を取り込み、ハイブリダイゼーションの指標となる固有のシグナルをもたらしうるアレイ表面における二重鎖を創る。挿入色素は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gudnason et al., Nucleic Acids Research, (2007) Vol. 35, No. 19, e127に記載されるものを含み、該文献は、あらゆる目的において参照により本明細書に援用される。同様に、標的特異的プローブ又は複数の標的特異的プローブは、蛍光的又は他の光学的に検出可能な標識基を備えてよく、その一方で、捕捉プローブは、標識基又は相補的な基、例えば、クエンチャー又はエネルギー受容器基を含まない。標的配列のいずれの増幅の前に、これらの標識プローブは、その対応する捕捉プローブにハイブリダイズすることになり、基材の表面、例えば、アレイにおけるシグナルの集中を創り出す。溶液での標的配列の増幅中、蛍光標識された標的特異的プローブが切断され、標識を溶液に放出し、表面上の捕捉プローブにハイブリダイズする標識された標的特異的プローブの量を減少させる。上記のように、サンプル中の標的配列の存在は、結果として連続的な増幅サイクルとともに表面のハイブリダイズされたシグナルの量の減少となる。幾つかの態様では、標的特異的プローブは、例えば、従来のTaqMan(登録商標)プローブセット中に含まれるクエンチャー基を備えうる。
同様に、光学的シグナル検出法が特に好ましいが、非光学的な標識及び/又は検出方法を用いて、例えば、電気化学的検出方法、例えば、ChemFETS、ISFETSなどを用いて、例えば、大きな荷電基を有して、検出器表面又は検出器表面の近くにアレイプローブへの標的特異的プローブのハイブリダイゼーションの検出を増幅する標的特異的プローブ上の電気化学的標識基と随意に併せて、プローブ構成及びアッセイ方法もまた一般に実行されうる。よって、本発明の内容において、標的特異的プローブに連結されたシグナルは、増幅過程中に、標的配列が消費又は隔離されるにつれて減少すると思われる。
局所的な背景は、シグナル強度測定が、前記背景を補正することによって正規化されて、アレイの1つ以上の領域について検出できる。典型的には、正規化されたシグナル強度は、総シグナルの約10%未満、例えば、総シグナルの約1%〜約10%である。
実施形態の1つの例示的な類では、正規化されたシグナル強度は、総シグナルの約4%〜約7%である。典型的には、約1%以上のシグナルがアレイにある場合、例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%以上のシグナルが、チャンバーの領域のアレイにある場合、アレイシグナルを背景から識別することが可能である。より低いレベルのシグナルでさえ、背景に対して識別することが可能であるが、これは一般には好ましくない。また、アレイ捕捉核酸スポッティングのばらつきを補正することによって(例えば、スポットの大きさ、スポット密度、もしくは両方を補正することによって)、又はアレイの異なる領域の不均等な視野を補正することによってシグナル強度を正規化することを、該方法は含むことができる。
実施形態の1つの例示的な類では、正規化されたシグナル強度は、総シグナルの約4%〜約7%である。典型的には、約1%以上のシグナルがアレイにある場合、例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%以上のシグナルが、チャンバーの領域のアレイにある場合、アレイシグナルを背景から識別することが可能である。より低いレベルのシグナルでさえ、背景に対して識別することが可能であるが、これは一般には好ましくない。また、アレイ捕捉核酸スポッティングのばらつきを補正することによって(例えば、スポットの大きさ、スポット密度、もしくは両方を補正することによって)、又はアレイの異なる領域の不均等な視野を補正することによってシグナル強度を正規化することを、該方法は含むことができる。
サンプル中の複数の標的核酸を同時に検出する能力は、本発明の好ましい態様を表わす。サンプルは、サンプル1個につき1つより多い標的を検出できる複数の捕捉核酸タイプを含むアレイをもつ1つ又は複数の標的核酸を有しうる。捕捉核酸の種類は、アレイ上で空間的に隔てられ、(前述のように、複数の標識が使用されるが)複数の標識を使用する必要性を排除する。多重法では、複数の増幅プローブは各々、異なる核酸標的に特異的であり、1つ以上の標的核酸を含む可能性のあるサンプルとインキュベーションする。例えば、幾つかの実施形態では、約5〜100種又はそれより多い捕捉核酸の種類がある可能性がある。また、検出される潜在的な標的の各々は、異なる標的プローブを利用することになり、例えば、増幅反応中に、約5〜約100種又はそれより多い標識された標的プローブの種類が随意に存在し、その各々は関心対象の潜在的な標的関心対象に特異的である。アレイは、対応する捕捉核酸プローブ、例えば、約5〜約100種又はそれより多い捕捉核酸プローブの種類を含む。これにより、アレイによって検出及びプロセスされるシグナルの対応する数を可能にする。例えば、プローブのアレイへのハイブリダイゼーション後のアレイ上のシグナルの位置を決めることに基づいて、約5〜約100又はそれより多い異なるシグナルが検出できる。理解されると思われるように、アレイ上の捕捉プローブタイプの数は一般に、単一の反応容積内で多重化できる異なる増幅反応の数を決定づけることになる。しかし、状況次第では、例えば、アレイ又は同種のものによる検査のために増幅反応が貯められる場合、多数の異なる捕捉プローブ、例えば、100種超、1000種超、10,000種以上の捕捉プローブ種類を有する捕捉アレイもまた、採用してもよい。
本明細書における議論の大半がPCRに基づく増幅を対象とする一方で、他の増幅反応を代わりに用いることができる。例えば、切れやすい結合の切断(例えば、USPN 5,011,769; USPN 5,660,988; USPN 5,403,711; USPN 6,251,600を参照のこと)ならびにフォーク状の核酸構造(US 7,361,467; US 5,422,253; US 7,122,364; US 6,692,917)を含むものなどの増幅反応につながった切断反応に関与する多酵素システムを使用することができる。TaqMan(登録商標)様切断と連結したヘリカーゼ依存増幅(Tong, Y et al. 2008 BioTechniques 45:543-557)もまた使用できる。核酸配列ベース増幅(NASBA)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)が使用できる。NASBAに基づく方法では、PCR中のように、プローブは増幅プライマーとともに鋳型にハイブリダイズできる。プローブは、逆転写酵素又は添加されたエンドヌクレアーゼのヌクレアーゼ作用によって切断されて、PCRにおけるポリメラーゼによる放出に類似した形でプローブを破壊又は切断できる。NASBAの1つの潜在的な利点は、熱サイクリングを要しないことである。これにより、全体的な装置及びシステム要件を単純になる。NASBAの記載については、例えば、Compton (1991), "Nucleic acid sequence-based amplification," Nature 350 (6313): 91-2を参照されたい。例えば、病原性の核酸を検出するためのNASBAの使用については、例えば、Keightley et al. (2005) "Real-time NASBA detection of SARS-associated coronavirus and comparison with real-time reverse transcription-PCR," Journal of Medical Virology 77 (4): 602-8を参照されたい。LCR様式反応が使用される場合、プローブは、増幅酵素のヌクレアーゼ活性に依存するよりむしろ、エンドヌクレアーゼを用いて切断できる。
典型的な実施形態では、アレイから発するシグナルが検出され、シグナル強度が測定される。シグナル強度は、サンプル中に存在する標的核酸の存在及び/又は量に相関する。典型的には、増幅によって隔離又は切断される標的プローブの数を増やすことによってシグナルのレベルを増加するため、サンプルは1回より多くのサイクルで増幅された後に初めて検出される。例えば、標的核酸は、少なくとも、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10回以上の増幅サイクルで随意に増幅した後、アレイからのシグナルを検出できる。
1つの典型的な実施形態では、蛍光性又は他の光学的画像が、増幅反応中に特定の時間、温度、及び増幅サイクル間隔でアレイから捕捉される。これらの画像は分析されて、標的核酸がサンプル中に存在するかどうか決定され、サンプル中の開始標的核酸濃度を定量する。平均グレー強度測定、背景修正、及びベースライン調整を組み合わせて、画像を分析する。背景は、アレイの各スポットについて局所的に測定できる。背景は、関心対象のアレイ領域(例えば、アレイスポット)周囲の溶液の同心円環の画像強度を測定することによって計算される。次に、各領域からのシグナルは補正されて、その領域の局所的な背景を説明する。各領域からの補正されたシグナルは、さらに正規化されてよく、スポッティングのばらつき及び視野の不均等な照射を説明する。最初の数回のサイクル、典型的には5〜15回のサイクルから得られた補正強度測定の平均を使用して、ベースラインを調整し、各領域からの測定を正規化する。
増幅後のシグナル強度測定に基づいて核酸を定量する方法についてのさらなる詳細は、例えば、上記の参照文献、及びJang B. Rampal (Editor) (2010) Microarrays: Volume 2, Applications and Data Analysis (Methods in Molecular Biology) Humana Press; 2nd Edition ISBN-10: 1617378526, ISBN-13: 978-1617378522; Stephen A. Bustin (Editor) (2004) A-Z of Quantitative PCR (IUL Biotechnology, No. 5) (IUL Biotechnology Series) International University Line; 1st edition ISBN-10: 0963681788, ISBN-13: 978-0963681782; and Kamberova and Shah (2002) DNA Array Image Analysis: Nuts & Bolts (Nuts & Bolts series) DNA Press; 2nd edition ISBN-10: 0966402758, ISBN-13: 978-0966402759に見ることができる。
幾つかの構成では、捕捉プローブは静止した基材よりむしろ、ビーズ、樹脂、粒子、又は同種のものなどの流動性がある基材(一般には本明細書において互換的に「ビーズ」と呼ばれる)に随意に結合されてもよい。例えば、本明細書の他の箇所で述べられているように、平面基材が使用されて、標的特異的プローブ及びそれらの連結クエンチャーにハイブリダイズすることになる、並べられた捕捉プローブを提供しうる。どの捕捉プローブ位置がその相補的な標的特異的プローブの切断又は隔離を通してクエンチされなくなるかを検出することによって、所与の標的核酸配列の存在は検出される。各捕捉プローブ及びその相補的な標的特異的プローブは、特定の標的配列に特異的であるので、その捕捉プローブがクエンチされない場合、標的が存在し、増幅されたことの指標となる。
流動性がある基材では、ある分析における異なるタイプの捕捉プローブは各々、やはり固有の標識をもつ異なる流動性基材に結合される。次に、流動性基材は、ビーズ、及び含蓄的に捕捉プローブ、ならびに捕捉プローブがクエンチされたかクエンチされなかったかを特定するために検出チャネルを通過する。標識された捕捉プローブが、特定の捕捉プローブに対応するあるビーズ上でクエンチされないと検出された場合、その捕捉プローブに連結された標的配列(及び相補的な標的特異的プローブ)がサンプル中に存在し、増幅されたことの指標となる。本発明のこの態様は、終点検出、例えば、全ての増幅反応が完了した後に採用されうる。それだけでなく、定量的分析、例えば、1回以上の増幅サイクル後に増幅混合物のビーズの部分を吸引することや、ビーズからの標識されたプローブシグナル強度を測定することにも採用されうる。
本発明のこの態様と併せて、様々な異なるビーズタイプが使用されうる。例えば、ポリスチレン、セルロース、アクリル、ビニル、シリカ、常磁性、もしくは他の無機粒子、又は多様な他のビーズタイプのいずれかも採用されうる。先にも述べたように、ビーズは典型的に、固有の標識特性を伴って特異的に標識される。ここでもやはり、多様な異なる標識タイプ、例えば、有機蛍光標識、無機蛍光標識(例えば、量子ドット)、発光標識、電気化学的標識、又は同種のものが使用されうる。そのような標識は広く市販され、適宜活性化されたビーズに容易に結合するように構成される。蛍光標識基の場合、多数の標識特性は、2、3、4つ以上のスペクトル的に異なる蛍光標識基と各標識の異なるレベルの様々な組合せを提供することによって与えられ、広域スペクトルの励起放射、例えば、多波長レーザーを使用する必要なく、幅広い範囲の固有の標識特性を与えうる。
本発明の方法は典型的に、本明細書における装置、システム、消耗品、及びキットを使用して行われる。装置、システム、及び消耗品の特徴は全て、本明細書における方法の実施に提供でき、本明細書における方法は、装置、システム、消耗品、及びキットと併せて実施されることができる。
本発明の反応/検出チャンバーは典型的に、ワンポット形式で用いられ、例えば、反応及び検出は同じチャンバーで起こる。高効率アレイはチャンバーの少なくとも1つの内面に形成される。アレイは典型的に、方法の増幅工程及びアレイハイブリダイゼーション工程の両方の間に、増幅反応物及び生成物と接触しいている。これにより、使用者は、1回以上の増幅反応サイクルを実行し、アレイからのシグナルをリアルタイムでモニターすることによって結果を検出し、次に1回以上のさらなる増幅サイクルを実行し、ここでもやはりそれに続く検出が可能になる。よって、アレイからのシグナル強度を使用して、1つ以上の関心対象の核酸をリアルタイムで検出及び定量の両方が可能である。
本発明の消耗品は、チャンバー及びチャンバーの内面に高効率アレイを含む。チャンバーは典型的に、薄く(浅く)、例えば、深さ約1mm未満である。一般に、チャンバーが薄いほど、アレイの上の溶液が少なく、溶液からのシグナル背景を減らす。典型的な望ましいチャンバー深さは約1μm〜約500μmの範囲である。消耗品の製作しやすさのために、チャンバーは、アレイの上の深さが、約10μm〜約250μmの範囲、例えば、深さが約100μm〜約150μmであることが多い。チャンバーは、例えば、手動又は自動ピペッターによるサンプル送達用の試薬送達ポートを有する表面を含むことができる。
消耗品の例の拡大概略図を図2に提供する。この例では、底面層1及び上面層2は中間層3によってつなぎ合わされている。層1、2、及び3を組み立てた際、カットアウト4はチャンバーを形成する。組み立てると、ポート5はバッファー及び試薬をチャンバーに送る簡便な方法を形成する。高効率アレイは、カットアウトの上面又は底面を形成する領域における上層又は底層に形成できる。1つの簡便な実施形態では、落射蛍光性の検出が使用さてアレイに結合された標識の検出する場合、消耗品が本発明の装置及びシステムにおいて下面の下に位置する検出オプティクスによって見られるに構成されて、アレイは下面に製作される。一般に、上面又は底面(又は両面)のいずれかは、それを通して検出オプティクスがアレイを見ることができる窓を含むことになる。
中間層3は、使用される消耗品組み立て方法に応じて、様々な形のいずれかを取ることができる。1つの簡便な実施形態では、上面及び底面1及び2は、感圧性接着材料の形態を成す層3によってつなぎ合わされる。感圧性接着層(例えば、テープ)は周知であり、広く入手可能である。例えば、Benedek and Feldstein (Editors) (2008) Handbook of Pressure-Sensitive Adhesives and Products: Volume 1: Fundamentals of Pressure Sensitivity, Volume 2: Technology of Pressure-Sensitive Adhesives and Products, Volume 3: Applications of Pressure-Sensitive Products, CRC Press; 1st edition ISBN-10: 1420059343, ISBN-13: 978-1420059342を参照されたい。
また、上面及び底面をつなぎ合わせてチャンバーを形成する他の製作法も使用できる。例えば、上面又は下面又は両面のガスケット又は成形された特徴によって、上面及び底面を一緒につなぎ合わせることができる。ガスケット又は特徴は、上面又は下面又は両面の対応する領域に、随意に固定又は固着される。シリコン及びポリマーチップ製作法を適用して、上面及び底面に特徴を形成できる。特徴製作法の導入、例えば、微細特徴(micro-feature)加工については、例えば、Franssila (2010) Introduction to Microfabrication Wiley; 2nd edition ISBN-10: 0470749830, ISBN-13: 978-0470749838; Shen and Lin (2009) "Analysis of mold insert fabrication for the processing of microfluidic chip" Polymer Engineering and Science Publisher: Society of Plastics Engineers, Inc. Volume: 49 Issue: 1 Page: 104(11); Abgrall (2009) Nanofluidics ISBN-10: 159693350X, ISBN-13: 978-1596933507; Kaajakari (2009) Practical MEMS: Design of microsystems, accelerometers, gyroscopes, RF MEMS, optical MEMS, and microfluidic systems Small Gear Publishing ISBN-10: 0982299109, ISBN-13: 978-0982299104; Saliterman (2006) Fundamentals of BioMEMS and Medical Microdevices SPIE Publications ISBN-10: 0819459771, ISBN-13: 978-0819459770; and Madou (2002) Fundamentals of Microfabrication: The Science of Miniaturization, Second Edition CRC Press; ISBN-10: 0849308267, ISBN-13: 978-0849308260を参照されたい。これらの製作法を使用して、本質的に上面又は底面に望ましいいずれの特徴を形成でき、中間層の必要性が排除される。例えば、くぼみが、上面又は底面(又は両面)に形成されることができ、2層がつなぎ合わさって、それによってチャンバーを形成する。
幾つかの実施形態では、ガスケット又は特徴は、UV又は放射線硬化可能な接着剤の流れを方向づける。この接着剤は上面及び下面の間に流され、UV光又は放射線(例えば電子線又は「EB」放射線)に曝露することによって、上面及び下面をつなぎ合わせる。利用可能な接着剤、例えば、UV及び放射線硬化可能な接着剤の記載については、例えば、Ebnesajjad (2010) Handbook of Adhesives and Surface Preparation: Technology, Applications and Manufacturing William Andrew; 1st edition ISBN-10: 1437744613, ISBN-13: 978-1437744613; Drobny (2010) Radiation Technology for Polymers, Second Edition CRC Press; 2 edition ISBN-10: 1420094041, ISBN-13: 978-1420094046を参照されたい。
その他の実施形態では、ガスケット又は融合される領域を区切る表面特徴、及び消耗品に作られるチャンバー又は他の構造的な特徴を用いて、上面及び下面は一緒になって超音波的に融合できる。材料を融合するのに有用な超音波溶接及び関連技術は、例えば、Astashev and Babitsky (2010) Ultrasonic Processes and Machines: Dynamics, Control and Applications (Foundations of Engineering Mechanics) Springer; 1st Edition. edition ISBN-10: 3642091245, ISBN-13: 978-3642091247; and Leaversuch (2002) "How to use those fancy ultrasonic welding controls," Plastics Technology 48(10): 70-76に教示される。
別の例では、特著は上面又は下面のいずれかの透明な領域及び同系の上面又は下面の対応する影付き領域である。この実施形態では、透明な領域を通してシェードがかった領域にレーザー光を向けることによって、上面及び下面を合わせてレーザー溶接できる。レーザー溶接法は、例えば、Steen et al. (2010) Laser Material Processing Springer; 4th ed. edition ISBN-10: 1849960615, ISBN-13: 978-1849960618; Kannatey-Asibu (2009) Principles of Laser Materials Processing (Wiley Series on Processing of Engineering Materials) Wiley ISBN-10: 0470177985, ISBN-13: 978-0470177983; and Duley (1998) Laser Welding Wiley-Interscience ISBN-10: 0471246794, ISBN-13: 978-0471246794に教示される。
幾つかの実施形態では、捕捉核酸アレイは典型的に、消耗品、検出チャンバー、又は同種のものの一部として含まれる窓の熱的に安定なコーティングに結合される。窓自体としては、例えば、ガラス、石英、セラミック、ポリマー、又は他の透明の材料が挙げられる。窓のコーティングに適した多様なコーティングが利用可能である。一般には、コーティングは、アレイ基材との適合性(例えば、アレイが付けられるチャンバー表面がガラスであるかポリマーであるか)、誘導体化又は処理されてアレイの構成要素を付けるのに適した反応基を含む能力、及びプロセス条件との適合性(例えば、熱安定性、光安定性など)に基づいて選択される。例えば、コーティングとしては、化学反応基、求電子基、NHSエステル、テトラフルオロフェニルエステル又はペンタフルオロフェニルエステル、モノトロフェニルエステル又はジニトロフェニルエステル、チオエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、アシルアジド、エポキシド、アジリジン、アルデヒド、ビニルケトンもしくはマレイミドを含んでなるα,β−不飽和ケトンもしくはアミド、ハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、イミド酸エステル、環状酸無水物、環化付加反応において活性のある基、アルケン、ジエン、アルキン、アジ化物、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。表層コーティング及び生体分子を表面に付けるのにそれらを使用することについての記載は、例えば、Plackett (Editor) (2011) Biopolymers: New Materials for Sustainable Films and Coatings Wiley ISBN-10: 0470683414, ISBN-13: 978-0470683415; Niemeyer (Editor) (2010) Bioconjugation Protocols: Strategies and Methods (Methods in Molecular Biology) Humana Press; 1st Edition. edition ISBN-10: 1617373540, ISBN-13: 978-1617373541; Lahann (Editor) (2009) Click Chemistry for Biotechnology and Materials Science Wiley ISBN-10: 0470699701, ISBN-13: 978-0470699706; Hermanson (2008) Bioconjugate Techniques, Second Edition Academic Press; 2nd edition ISBN-10: 0123705010, ISBN-13: 978-0123705013. Wuts and Greene (2006) Greene's Protective Groups in Organic Synthesis Wiley-Interscience; 4th edition ISBN-10: 0471697540, # ISBN-13: 978-0471697541; Wittmann (Editor) (2006) Immobilisation of DNA on Chips II (Topics in Current Chemistry) Springer; 1st edition ISBN-10: 3540284362, ISBN-13: 978-3540284369; Licari (2003) Coating Materials for Electronic Applications: Polymers, Processing, Reliability, Testing (Materials and Processes for Electronic Applications) William Andrew ISBN-10: 0815514921, ISBN-13: 978-0815514923; Conk (2002) Fabrication Techniques for Micro-Optical Device Arrays Storming Media ISBN-10: 1423509641, ISBN-13: 978-1423509646; and Oil and Colour Chemists' Association (1993) Surface Coatings - Raw materials and their usage, Third Edition Springer; 3rd edition, ISBN-10: 0412552108, ISBN-13: 978-0412552106を参照されたい。
核酸アレイを製作する方法は利用可能であり、(例えば、消耗品、検出チャンバーなどの)内側チャンバー表面にアレイを形成することによって本発明に適合できる。内側チャンバー表面にアレイを形成するのに使用できる核酸マイクロアレイを形成する技術は、例えば、Rampal (Editor) Microarrays: Volume I: Synthesis Methods (Methods in Molecular Biology) Humana Press; 2nd Edition ISBN-10: 1617376639, ISBN-13: 978-1617376634; Mueller and Nicolau (Editors) (2010) Microarray Technology and Its Applications (Biological and Medical Physics, Biomedical Engineering) Springer; 1st Edition. ISBN-10: 3642061826, ISBN-13: 978-3642061820; Xing and Cheng (Eds.) (2010) Biochips: Technology and Applications (Biological and Medical Physics, Biomedical Engineering) Springer; 1st Edition. ISBN-10: 3642055850, ISBN-13: 978-3642055850; Dill et al. (eds) (2010) Microarrays: Preparation, Microfluidics, Detection Methods, and Biological Applications (Integrated Analytical Systems) Springer ISBN-10: 1441924906, ISBN-13: 978-1441924902; Whittmann (2010) Immobilisation of DNA on Chips II (Topics in Current Chemistry) Springer; 1st Edition ISBN-10: 3642066666, ISBN-13: 978-3642066665; Rampal (2010) DNA Arrays: Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology) Humana Press; 1st Edition ISBN-10: 1617372048, ISBN-13: 978-1617372049; Schena (Author, Editor) (2007) DNA Microarrays (Methods Express) Scion Publishing; 1st edition, ISBN-10: 1904842151, ISBN-13: 978-1904842156; Appasani (Editor) (2007) Bioarrays: From Basics to Diagnostics Humana Press; 1st edition ISBN-10: 1588294765, ISBN-13: 978-1588294760; and Ulrike Nuber (Editor) (2007) DNA Microarrays (Advanced Methods) Taylor & Francis ISBN-10: 0415358663, ISBN-13: 978-0415358668に記載される。アレイを形成するためにDNAを表面に連結する技術としては、いずれの多様なスポッティング方法、化学反応性表面又はコーティングの使用、光指向性合成(light-directed synthesis)、DNAプリンティング技術、及び当該技術分野で利用可能な多くの他の方法を挙げることができる。
アレイ密度を定量する方法は、上記の参照文献及びGong et al. (2006) "Multi-technique Comparisons of Immobilized and Hybridized Oligonucleotide Surface Density on Commercial Amine-Reactive Microarray Slides" Anal. Chem. 78:2342-2351で提供される。
本発明の消耗品は、容器又は包装材にパッケージされて、キットを形成することができる。キットはまた、消耗品を使用するのに有用な構成要素、例えば、対照試薬(例えば、対照鋳型、対照プローブ、対照プライマーなど)、バッファー、又は同種のものを含むことができる。
装置及びシステム
消耗品を使用する装置及びシステムならびに/又は本発明の方法を実施する装置及びシステムも、本発明の特徴である。装置及びシステムは、消耗品の特徴、例えば、(消耗品として形式を整えられても、装置の専用部分として形式を整えられても)反応チャンバー及びアレイを含むことができる。最も典型的に、装置は典型的に、アレイをモニターする検出オプティクス、チャンバーを熱サイクリングするモジュール、ならびに熱サイクリング、検出、及びシグナル後の処理を制御するシステム命令を含むコンピューターと共に、受器、例えば、上記の消耗品を載せるステージを有することになる。
消耗品を使用する装置及びシステムならびに/又は本発明の方法を実施する装置及びシステムも、本発明の特徴である。装置及びシステムは、消耗品の特徴、例えば、(消耗品として形式を整えられても、装置の専用部分として形式を整えられても)反応チャンバー及びアレイを含むことができる。最も典型的に、装置は典型的に、アレイをモニターする検出オプティクス、チャンバーを熱サイクリングするモジュール、ならびに熱サイクリング、検出、及びシグナル後の処理を制御するシステム命令を含むコンピューターと共に、受器、例えば、上記の消耗品を載せるステージを有することになる。
概略的なシステムの例を図3に図示する。図に示されるように、消耗品10は、ステージ20上に取り付けられる。環境制御モジュール(ECM)30(例えば、ペルティエ素子、冷却ファンなどを含む)は、環境制御(例えば、熱サイクリングの温度)を提供する。照射光は源40(例えば、ランプ、アークランプ、LED、レーザー、又は同種のもの)によって供給される。光学列50は光を照射源40から消耗品10へ方向づける。消耗品10からのシグナルは光学列によって検出され、シグナル情報がコンピューター60に送られる。コンピューター60はまた、ECM30を随意に制御し、シグナル情報はコンピューター60によって処理され、使用者が見ることができるディスプレイ70又はプリンター又は両方に出力できる。ECM30は消耗品10の上又は下に取り付けることができ、(ステージ20の上又は下に位置する)さらなる表示オプティクス80が含まれることができる。
ステージ/受器は、熱サイクリング及び分析用の消耗品を取り付けるように構成される。ステージは、消耗品の対応する特徴と対になる、位置合わせアーム、戻り止め、穿孔、ペグなどの、位置決め及び位置合わせ特徴を含むことができる。ステージは、消耗品を受け、向きを合わせるカセットを含み、そのカセットを他の装置要素と動作可能につないだ状態に置くことができるが、多くの実施形態、例えば、消耗品がステージに直接据え付けられる場合、これは必ずしも必要ではない。装置要素は、消耗品で動作するように構成され、バッファー及び試薬を、消耗品、熱サイクリング、又は他の温度制御もしくは環境制御モジュール、検出オプティクスなどに送る流体送達システムを含むことができる。チャンバーが装置に作りつけられる、さらに言えば消耗品に組み込まれる実施形態では、装置要素は典型的に、チャンバー上又はチャンバーの近位で動作するように構成される。
消耗品への流体送達は、装置もしくはシステムによってなされることができるか、又は消耗品を装置もしくはシステムに載せる前に行われることができる。流体取扱い要素は、装置もしくはシステムに組み込まれることができるか、又は装置もしくはシステムとは別個の処理ステーションに形式を整えることができる。流体取扱い要素は、試薬もしくはバッファーを消耗品のポートに送るピペッター(手動又は自動)を含むことができ、又はキャピラリー、微細加工された装置チャネル、もしくは同種のものを含むことができる。消耗品を載せるのに使用できる手動又は自動ピペッター及びピペッターシステムは、様々な供給元、例えば、サーモサイエンティフィック社(アメリカ合衆国)、エッペンドルフ社(ドイツ)、ラボトロニクス社(カナダ)、及びその他多くから利用可能である。一般的に言えば、様々な流体取扱いシステムが利用可能であり、本発明の装置及びシステムに組み込むことができる。例えば、Kirby (2010) Micro- and Nanoscale Fluid Mechanics: Transport in Microfluidic Devices ISBN-10: 0521119030, ISBN-13: 978-0521119030; Bruus (2007) Theoretical Microfluidics (Oxford Master Series in Physics) Oxford University Press, USA ISBN-10: 0199235090, ISBN-13: 978-0199235094; Nguyen (2006) Fundamentals And Applications of Microfluidics, Second Edition (Integrated Microsystems) ISBN-10: 1580539726, ISBN-13: 978-1580539722; Wells (2003) High Throughput Bioanalytical Sample Preparation: Methods and Automation Strategies (Progress in Pharmaceutical and Biomedical Analysis) Elsevier Science; 1st edition ISBN-10: 044451029X, ISBN-13: 978-0444510297を参照されたい。消耗品は、送達システムと対になるように構成されたポート、例えば、ピペット又はキャピラリー送達装置によって載せるのに適切な寸法のポートを随意に含む。
ECM又は温度調節モジュールは、熱電気モジュール、ペルティエ素子、冷却ファン、ヒートシンク、チャンバーの外面の部分と対になるように構成された金属板、流体浴など熱サイクリングを容易にする特徴を含むことができる。そのような温度調節構成要素の多くは、本発明の装置及びシステムに組み込みに利用可能である。例えば、Kennedy and Oswald (Editors) (2011) PCR Troubleshooting and Optimization: The Essential Guide, Caister Academic Press ISBN-10: 1904455727; ISBN-13: 978-1904455721; Bustin (2009) The PCR Revolution: Basic Technologies and Applications Cambridge University Press; 1st edition ISBN-10: 0521882311, ISBN-13: 978-0521882316; Wittwer et al. (eds.) (2004) Rapid Cycle Real-Time PCR-Methods and Applications Springer; 1 edition, ISBN-10: 3540206299, ISBN-13: 978-3540206293; Goldsmid (2009) Introduction to Thermoelectricity (Springer Series in Materials Science) Springer; 1st edition, ISBN-10: 3642007155, ISBN-13: 978-3642007156; and Rowe (ed.) (2005) Thermoelectrics Handbook: Macro to Nano CRC Press; 1 edition, ISBN-10: 0849322642, ISBN-13: 978-0849322648を参照されたい。熱調節モジュールは、例えば消耗品を受け入れるカセットに形式を整えられることができるか、又は消耗品に対して動作可能な近さにあるステージに取り付けられることができる。
典型的には、ECM又は熱調節モジュールは、モジュールを制御する、又はモジュールの一部であるコンピューターに動作可能につながれたフィードバック可能な制御システムを有する。コンピューターにより指示されたフィードバック可能制御は、機器制御に対する利用可能なやり方である。例えば、Tooley (2005) PC Based Instrumentation and Control, Third Edition, ISBN-10: 0750647167, ISBN-13: 978-0750647168; Dix et al. (2003) Human-Computer Interaction (3rd Edition) Prentice Hall, 3rd edition ISBN-10: 0130461091, ISBN-13: 978-0130461094を参照されたい。一般に、システム制御は、コンピューターによって行われ、例えば、スクリプトファイルを入力として使用して、標的温度及びサイクル時間を作り出し、いつ画像が検出オプティクスによって見られる/撮れるべきかを指定できる。典型的には、写真画像は反応中に異なる時点で撮られ、コンピューターによって解析して、時間の関数として強度曲線を作り、それによって標的の濃度を導き出す。
光学列は、いずれの典型的な光学列構成要素を含むことができ、又はそのような構成要素に動作可能につなげることができる。光学列は、例えば、消耗品のアレイ又はアレイ領域に集中して、照射を消耗品に向ける。光学列はまた、アレイから発せられた光(例えば、蛍光シグナル又は発光シグナル)を検出できる。利用可能な光学的構成要素の記載については、例えば、Kasap et al. (2009) Cambridge Illustrated Handbook of Optoelectronics and Photonics Cambridge University Press; 1st edition ISBN-10: 0521815967, ISBN-13: 978-0521815963; Bass et al. (2009) Handbook of Optics, Third Edition Volume I: Geometrical and Physical Optics, Polarized Light, Components and Instruments(set) McGraw-Hill Professional; 3rd edition, ISBN-10: 0071498893, ISBN-13: 978-0071498890; Bass et al. (2009) Handbook of Optics, Third Edition Volume II: Design, Fabrication and Testing, Sources and Detectors, Radiometry and Photometry McGraw-Hill Professional; 3rd edition ISBN-10: 0071498907, ISBN-13: 978-0071498906; Bass et al. (2009) Handbook of Optics, Third Edition Volume III: Vision and Vision Optics McGraw-Hill Professional, ISBN-10: 0071498915, ISBN-13: 978-0071498913; Bass et al. (2009) Handbook of Optics, Third Edition Volume IV: Optical Properties of Materials, Nonlinear Optics, Quantum Optics McGraw-Hill Professional, 3rd edition, ISBN-10: 0071498923, ISBN-13: 978-0071498920; Bass et al. (2009) Handbook of Optics, Third Edition Volume V: Atmospheric Optics, Modulators, Fiber Optics, X-Ray and Neutron Optics McGraw-Hill Professional; 3rd edition, ISBN-10: 0071633138, ISBN-13: 978-0071633130; and Gupta and Ballato (2006) The Handbook of Photonics, Second Edition, CRC Press, 2nd edition ISBN-10: 0849330955, ISBN-13: 978-0849330957を参照されたい。典型的な光学列構成要素は、励起光源、アークランプ、水銀アークランプ、LED、レンズ、光学フィルター、プリズム、カメラ、光検出器、CMOSカメラ、及び/又はCCDアレイにいずれかを含む。1つの望ましい実施形態では、落射蛍光性の検出システムが使用される。また、装置は、アレイ中のシグナルの位置を検出される核酸に関連付けるアレイ読み取りモジュールを含むことができるか、又はアレイ読み取りモジュールにつなげることができる。
本発明の流動性がある基材の実施形態の内容において、ある態様では、反応容器は、例えば、統合されたマイクロ流体チャネルシステム内で、又は増幅混合物と検出チャネルとの間の適切な流体界面を通して、検出チャネルに直接つなげてもよい。代替的に、従来のフローサイトメーターに存在するようなものなどの、流体界面は、増幅反応混合物をサンプル採取するために、検出チャネルに備え付けてもよい。検出チャネルは典型的に、実質的に1つビーズのみが与えられた時間でチャネルを通過することを可能にする寸法を有するように構成される。検出チャネルは典型的に、ビーズを励起すること、及びビーズから発する蛍光シグナルを集めることを可能にする検出窓を含むことになる。多くの場合、石英ガラスもしくはガラスキャピラリー又は他の透明なマイクロ流体チャネルが検出チャネルとして使用される。
本発明の光学的検出システムは典型的に、1つ以上の励起波長で励起光を送ることができる1つ以上の励起光源を含むことになる。検出チャネルから発する光を集め、蛍光シグナルからの励起光をフィルターするように構成される光学列もまた含まれることになる。また、光学列は典型的に、蛍光シグナルを伝えるため、及びビーズから発する蛍光シグナル構成要素と捕捉プローブから発するシグナル構成要素を分離するためのさらなる分離要素を含む。
全体的な検出システムの例、システム400の略図を図4に提供する。図に示されるように、システムは、レーザー402及び404などの、それぞれ異なる波長で励起光をもたらす第一及び第二の励起光源を含む。代替的に、単一広帯域スペクトル光源又は複数の狭帯域スペクトル光源が使用されて、適切な波長範囲、又はサンプル中の検出可能な標識、例えば、ビーズに連結されたもの、及び標識されたプローブに連結されたものを励起する範囲で励起光を送ってもよい。
実線の矢印で示される各レーザーからの励起ビームは、例えば、ダイクロイック406などの指向性オプティクスの使用を通して、検出チャネル408に向けられる。検出チャネル408中のビーズ410から発する光は、集束オプティクス、例えば、対物レンズ412によって集める。次に、集められた光は、破線の矢印として示されるように、集められた励起放射線を受け入れずに、発せられた蛍光を通すように構成されたフィルター414を通る。集められた蛍光は、第一の発光スペクトルで捕捉プローブ上の標識から発せられた蛍光、及びビーズに使用された標識の数に応じて、1つ以上の異なるスペクトルでのビーズ標識特性からの蛍光シグナルを含む。次に、集められた蛍光を、捕捉プローブから第一の検出器420へ蛍光を反射するダイクロイック416に通す。次に、第一のビーズシグナル構成要素を第二の検出器422に反射し、第二のビーズシグナル構成要素を第三の検出器424に通すシグナルを第二のダイクロイック418に通すことによって、ビーズからの残存蛍光特性はさらに分離される。検出器は典型的に、検出されたビーズに関連するシグナルデータを保存し、シグナルデータを解析して、ビーズならびに捕捉プローブ及び連結標的核酸配列を同定するための適切なプロセッサー又はコンピューターにつなげられる。くわえて、プロセッサー又はコンピューターは、経時的な実験を行った場合、例えば、全増幅反応中の1回以上の増幅サイクルの後にビーズをサンプル採取する場合、シグナルデータ及び発生標的配列コピー数を定量するプログラミングを含んでもよい。
本発明の装置又はシステムは、例えば、コンピューター又はコンピューター読み取り可能媒体に具体化されたシステム命令を含むこと、又は動作可能につなげることができる。命令は、装置又はシステムのいずれの態様を制御して、例えば、装置によって検出された標的核酸の濃度を決定する熱調節モジュールによって行われる、1つ以上のシグナル強度の測定と増幅サイクルの数を関連付けることができる。
システムは、他の装置部品に、例えば、適切な配線を通して、又はワイヤレス接続を通して動作可能につながれたコンピューターを含むことができる。コンピューターは、例えば、温度調節モジュールによって、例えば、上述のようにフィードバック制御を用いることによって熱サイクリングを制御する命令、及び/又はどの時点で画像を光学列によって撮影又は検視するかを指定する命令を含むことができる。コンピューターは、画像情報を受けること、又は画像情報をデジタル情報及び/もしくは時間の関数としてのシグナル強度曲線に変換すること、装置によって分析された標的核酸の濃度を決定すること、ならびに/又は同種のものが可能である。コンピューターは、背景を説明するためにシグナル強度を正規化する命令、例えば、アレイの1つ以上の領域に局所的な背景を検出する命令、及び前記背景を補正することによってアレイシグナル強度測定を正規化する命令を含むことができる。同様に、コンピューターは、アレイ捕捉核酸スポッティング、アレイの異なる領域の不均等な視野、又は同種のもののばらつきを補正することによって、シグナル強度を正規化する命令を含むことができる。
本発明の方法を以下の実験にて実証した。
一の実験では、全プライマー及びプローブ配列をIDT (Coralville、IA)から入手し、凍結乾燥状態で受領した。これらを水に再懸濁てストック濃度(100μM〜200μM)とし、PCR反応用のプライマー/プローブストック溶液の調製に用いた。NVS PCR緩衝剤をプライマー及びプローブと混合し、PCRマスターミックスを作製した。
官能化表面(COP基材を官能化ポリマーで被覆)に対し、従来のマイクロアレイスポッティング法を用いて、Array-It spotbot 2 (Sunnyvale、CA)によりスポッティングを行った。スポットしたスライドを75%の湿度で8〜15時間インキュベートした後、脱イオン水で洗浄し、アルゴンで乾燥した。標識捕捉プローブを50mM、pH8.5のスポッティング緩衝剤中1000〜50μMの濃度でスポッティングし、ある範囲の信号強度を生成した。
官能化アレイ化表面の上方に、両面感圧接着ガスケット、ポリカーボネート製の蓋、及び光学的に透明な封止材を用いて、チップ系反応チャンバーを形成した。反応チャンバーの総体積は約30μL、高さは150μmであった。
濃度既知の標的配列をPCRマスターミックスに加え、得られた溶液を反応容器に装填した。容器を密封し、図3に示す装置と同様のブレッドボード熱サイクル機器に装填した。
標的配列は、プラスミドストック、又は、これらのアンプリコンストックを含む従前の反応から得られたアンプリコンに由来する。何れの標的分子もNanoDrop 2000機器 (ThermoScientific、Waltham、MA)によるUV-Vis分光分析を用いて定量化した。
熱サイクル条件としては、95℃で85秒のホットスタート工程、次いでそれぞれ5秒及び30秒の溶融及び伸長を40サイクル実施した。表面の画像は、伸長工程の終了時に撮影した。各アッセイのスポットにおける平均ピクセル強度を算出し、サイクル数に対してプロットすることにより、リアルタイムPCR曲線を作成した。10連の反応について、存在する全てのアッセイに250nMプローブ/150nMプライマー濃度を用いた。
図5は、10,000コピーのMS2標的を、10の異なる標的に特異的なプライマー及びプローブの全ての存在下で増幅した結果を示す図である。
図6は、本発明のアッセイを用いたMS2標的濃度の力価測定(titration)の結果を示す図である。
同様の実験を、約100万コピーのFluA/H3標的配列を用いて実施した。増幅反応は、Taqmanプローブに相補的な非標識捕捉プローブをスポットしたアレイを含む反応容器中、標的配列に相補的な標準Taqman(登録商標)プローブの存在下で実施した。図7は、アレイ表面の逆蛍光を複数の増幅サイクルに亘ってプロットした図である。図7に示すように、増幅サイクルが増加するに従い蛍光は減少する。
本発明の方法の側面を示す別の実験として、一種又は二種以上のポックスウイルス(poxvirus(es))を含むサンプルのアッセイを対象とする実験を行った。斯かる実験では、本発明の方法及び装置と共に用いる種々の標的プローブ及び増幅プライマーを設計した。天然痘の原因物質である天然痘(variola)ウイルスは、ポックスウイルス(poxvirus)科オルソポックスウイルス(Orthopoxvirus)属に属する。斯かる属には、ヒトの病原体であるワクシニア(vaccinia)、牛痘(cowpox)、サル痘(monkeypox)、その他関連する種々の哺乳類ウイルスが含まれる。天然痘(variola)ウイルスは二つの形態を取り得る。大痘瘡(variola major)は、重症の疾患を引き起こし、致死率は30〜40%であるのに対し、小痘瘡(variola minor)の致死率は1%未満である。例えばHarrison, et al., PNAS 101:11178-92 (2004)等を参照のこと。
天然痘(variola)ウイルスや他のオルソポックスウイルス(Orthopoxvirus)属のウイルスを検出するためのPCRベースアッセイは幾つか報告されている。しかし、これらのアッセイの多くは、特異性又は普遍性を有すると記載されているにもかかわらず、実際には斯かる特異性又は普遍性を有さないように見受けられる。例えば、斯かる従前のアッセイの大多数はヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)遺伝子を標的とする(例えばRopp, S.L., et al. "PCR Strategy for Identification and Differentiation of Smallpox and Other Orthopoxviruses" Microbiology 33:2069-2076 (1995); Ibrahim, M.S. et al. "Real-Time PCR Assay To Detect Smallpox Virus" Journal of Clinical Microbiology 41:3835-3839 (2003); Aitichou, M. et al. "Dual-probe real-time PCR assay for detection of variola or other orthopoxviruses with dried reagents" Journal of Virological Methods 153:190-5 (2008); Kulesh, D.A. et al. "Smallpox and pan-Orthopox Virus Detection by Real-Time 3J-Minor Groove Binder TaqMan Assays on the Roche LightCycler and the Cepheid Smart Cycler Platforms" Journal of Clinical Microbiology 42:601-609 (2004); and He, J. et al. "Simultaneous Detection of CDC Category "A" DNA and RNA Bioterrorism Agents by Use of Multiplex PCR & RT-PCR Enzyme Hybridization Assays" Viruses 1:441-459 (2009).)。また、従前のアッセイで用いられてきたHA遺伝子は、ポックスウイルス(poxvirus(es))間である程度のばらつきがあることが知られている(例えばNitsche, A., et al. "Detection of Orthopoxvirus DNA by Real-Time PCR and Identification of Variola Virus DNA by Melting Analysis" Journal of Clinical Microbiology 42:1207-1213 (2004).)のに対し、個々のウイルスを差別化する微小な欠失やSNPは、天然痘(variola)ウイルス株の間でも保存されない場合が多いため、アッセイ設計の標的とすることが難しい。例えば、米国特許出願第2004/0029105号は、HAを増幅標的として用いた天然痘(variola)ウイルスの検出を主題とする。他の領域を標的とするアッセイについても報告されている(例えばKulesh, D.A., supra; Shchelkunov, S.N., et al. "Multiplex PCR detection and species differentiation of orthopoxviruses pathogenic to humans" Molecular and Cellular Probes 19:1-8 (2005); Fedele, C.G., et al., "A Use of internally controlled real-time genome amplification for detection of variola virus and other orthopoxviruses infecting humans" Journal of Clinical Microbiology 44:4464-70 (2006); Scaramozzino, N. et al. "Real-time PCR to identify variola virus or other human pathogenic orthopox viruses" Clinical Chemistry 53:606-13 (2007); and Loveless, B.M. et al. "Differentiation of Variola major and Variola minor variants by MGB-Eclipse probe melt curves and genotyping analysis" Molecular and Cellular Probes 23:166-170 (2009).)。
小痘瘡(variola minor)株の一つ及び大痘瘡(variola major)株の多くのゲノム配列が、NCBI nrデータベースで利用可能である。同データベースでは、ポックスウイルス(poxvirus)科に属する他の多くのウイルス株のゲノム配列も利用できることから、これらのゲノム内の固有領域をコンピューターで(in silico)検索することが可能である。しかし、それでもなお、これらは高度のゲノム配列類似性を有するため、従前のアッセイフォーマットを用いてこれらのウイルスを識別しながら検出することは困難である。
本実験では、Insigniaプログラム(URL“insignia.cbcb.umd.edu”よりオンライン利用可能である)を用いて、天然痘(variola)ウイルス(小痘瘡(minor)及び大痘瘡(major)の双方を含む)の固有のゲノム領域を特定した。これらの領域は、他のポックスウイルス(poxviruses)から十分に大きな偏差を有し、天然痘(variola)ウイルスを特異的に検出するための本発明の核酸標的化アッセイ(即ち、天然痘(variola)に特異的で、ワクシニア(vaccinia)、牛痘(cowpox)、サル痘(monkeypox)、ラクダ痘(camelpox)等を偽陽性検出しないアッセイ)の設計に利用可能な領域である。
天然痘(variola)ウイルスゲノムの固有領域を特定する際には、大痘瘡(variola major)及び小痘瘡(minor)のゲノムの全てに存在するが、他の何れのゲノムにも存在しない配列を特定するように(そしてこれにより、他の全ての配列既知のポックスウイルス(poxviruses)及び他の全ての配列既知の生物を除外するように)、Insigniaのパラメーターを設定した。固有領域の長さ(ヌクレオチド長)を示すシグナチュアー鎖長(signature chain length)のInsigniaパラメーターも同様に設定した。多くの生物では、シグナチュアー鎖長を100ヌクレオチド以上に設定すると、しばしば複数の固有領域が特定される。このような場合には、斯かる領域全体を核酸標的化アッセイの標的として利用できる(即ち、フォワード増幅プライマー、リバース増幅プライマー、及び標的プローブは何れも、標的生物に固有の配列から構成される)。本実験では、天然痘(variola)特異的Insigniaサーチの結果、シグナチュアー鎖長が≦39ヌクレオチド長の場合のみ固有領域が生成された。これはおそらくポックスウイルス(poxviruses)間に存在する高度の配列保存性によるものであろう。
本実験では、シグナチュアー鎖長を≧35ヌクレオチド長にした場合、14の領域が生成された(表1; ゲノムナンバリングは大痘瘡(variola major)ウイルスBangledesh-1975に対応する)。これらの領域をNCBI nrデータベースに対するBLASTサーチに供し、固有性をチェックすると共に、最も近い配列マッチを表示した。14の領域のうち12については、最近接配列との差異が僅か1〜3ヌクレオチドにすぎず、天然痘(variola)特異的アッセイを生成するには不十分である可能性が高い。一方、残る2つの領域(表1の領域7及び8)は、最近接配列との差異がより大きかった。よって、これら2つの領域を用いて、以下に説明するようにアッセイを作成した。
表1は、天然痘(variola)ウイルス(大痘瘡(major)及び小痘瘡(minor)を含む)特異的領域についてのInsigniaの結果を示す。シグナチュアー鎖長は≧35ヌクレオチド長に設定した。
特定された第一の関心対象の固有領域(表1の領域7)は、大痘瘡(variola major)ウイルスBangledesh-1975のヌクレオチド970〜1007に相当する。この38ヌクレオチド配列を含むより大きな領域をさらに分析したところ、配列既知の天然痘(variola)ウイルス株の全てで保存されるのは、ヌクレオチド977〜1007の僅か31ヌクレオチドのストレッチのみであることが明らかになった。この31ヌクレオチド領域のうち、5つのヌクレオチドは、最近接の類縁ウイルスである牛痘(cowpox)ウイルスの配列とマッチしなかった。この相違を用いたアッセイVAR-1(表7の増幅プライマー及び標的プローブ配列を参照)では、プライマー1をこの配列内に設定した(表2参照)。このアッセイのプライマー2には、更なる2つのSNPを利用した。一方、プローブは幾つかのポックスウイルス(poxviruses)と完全な同一性を有する。
表2には、Insigniaにより特定された領域7付近の120塩基対の領域を示す(これは大痘瘡(variola major)ウイルスBangledesh-1975の977〜1095の119塩基対領域に対応する)。領域7内の保存された31ヌクレオチドを下線で示す。VAR-1の増幅プライマーP1及びP2並びに標的プローブを太字斜体で示す。天然痘(variola)ウイルスと他のゲノムとの間のSNPを黒四角で強調表示する。天然痘(variola)ウイルス内のSNP(>1ゲノム配列)を灰色四角で強調表示する。これらの領域は、天然痘(variola)アッセイの設計時に使用を避けた。通常も使用は避けるべきである。
特定された第二の固有領域(表1の領域8)は、大痘瘡(variola major)ウイルスBangledesh-1975のヌクレオチド161598〜161635に相当する。この配列をNCBI nrデータベースを用いたBLASTサーチに供したところ、この領域に3つのSNPが特定された。更に興味深いことに、この配列を含むより大きな領域を分析したところ、最も関連の深いゲノムである牛痘(cowpox)株の一部のゲノムにおいて、この配列の上流及び下流の双方に、ゲノムの再構成が見出された(下記表3参照)。これらの再構成ゆえに、天然痘(variola)ウイルスでは連続している(contiguous)が、他のゲノムでは連続していない(non-contiguous)領域(ジャンクション領域)に跨る増幅プライマー又は標的プローブを用いたアッセイを設計することができる。斯かるアッセイは、SNPのみに基づいて差別化を行うアッセイよりも、更に高い特異性を示すことになる。
表3に、Insigniaにより特定された領域8を含む300塩基対の領域を示す。領域8を下線で示す。天然痘(variola)ウイルスと他のゲノムとの間のSNPを黒四角で強調表示する。天然痘(variola)ウイルス内のSNP(>1ゲノム配列)を灰色四角で示す。これらの領域は、天然痘(variola)アッセイの設計時に使用を避けた。通常も使用は避けるべきである。下に記号#を付して示した配列は、最近接の類縁ゲノム(牛痘(cowpox)ゲノムの一部)にも存在し、上流ジャンクションを形成する。下流ジャンクション(これも牛痘(cowpox)ゲノムに存在する)は、下に記号^を付して示した3つのヌクレオチドの間に位置する。
これらのジャンクション領域を利用して、VAR-2、VAR-3、及びVAR-4という3つのアッセイを設計した(増幅プライマー及び標的プローブ配列については再度、表7を参照)。
VAR-2アッセイ(表4)では、P1増幅プライマーは、Insigniaにより特定された領域8の上流側直近のジャンクション領域に及び、P2増幅プライマーは、この領域の下流側直近のジャンクション領域に及ぶ。プローブは、Insigniaにより特定された領域8内に設定し、この領域内の3つのSNPを利用した。表4に、天然痘(variola)特異的アッセイVAR-2の相対位置を示す。増幅プライマー配列P1及びP2は、配列下にアスタリスク*を付して示す。プローブ領域は、配列下に+記号を付して示す。他の書式は表3と同様であるが、表3でSNPを示すために付した黒四角は、表4では明確化のために外した。
VAR-3アッセイ(表5)は、上流ジャンクション領域に及ぶプローブを含むと共に、当該ジャンクションの両側に配置され、各々1つのSNPを利用したP1及びP2増幅プライマーを含む(牛痘(cowpox)ゲノムでは、これらの配列は約300塩基対離れており、且つ逆順となっている)。表5に、天然痘(variola)特異的アッセイVAR-3を示す。P1及びP2増幅プライマーは、配列の下にアスタリスク*を付して示し、プローブ領域は、配列の下に+記号を付して示す。他の書式は表3と同様であるが、表3でSNPを示すために付した黒四角は、表5でも明確化のために外した。
VAR-4アッセイ(表6)において、増幅プライマーにより増幅される配列領域(120塩基対)は下流ジャンクションに及び、P1はVAR-3領域のP2と(方向は逆であるが)重複し(118bp)、1つのSNPを利用する。プローブは下流ジャンクションに及ぶ。P2は1つのSNPを利用し、当該ジャンクションの反対側に位置する(近縁種では約7kb離れており、逆転している)。表6に、天然痘(variola)特異的アッセイVAR-4を示す。P1及びP2は、配列の下にアスタリスク*を付して示し、プローブ領域は、配列の下に+記号を付して示す。他の書式は表3と同様であるが、表3でSNPを示すために付した黒四角は、表6でも明確化のために外した。
表7に、天然痘(variola)ウイルス特異的アッセイのプライマー/プローブ配列及び特性を示す。
以上、本発明を明確化及び理解の助けのために詳細に説明したが、本明細書に接した当業者には明らかなように、本発明の真の範囲を逸脱しない限りにおいて、その大要及び細部に種々の変更を加えてもよい。例えば、上述の技法及び装置は何れも種々の組み合わせで使用できる。本明細書に引用する公報、特許、特許出願及び/又は他の文献は、あらゆる目的において、その全体が援用により本明細書に組み込まれる。これにより、これらの公報、特許、特許出願及び/又は他の文献の各々について個別単独に、あらゆる目的において、その全体が援用により本明細書に組み込まれると記載したのと同様とする。
Claims (19)
- サンプル中の少なくとも第一の標的核酸配列の存在を検出する方法であって:
少なくとも第一の核酸プローブ群の存在下で標的核酸配列を増幅し得る増幅反応に、サンプルを供し、ここで前記第一の核酸プローブ群は捕捉プローブ(capture probe)及び標的特異的(target specific)核酸プローブを含み、ここで前記捕捉プローブはフルオロフォア(fluorophore)と連結され、ここで前記標的特異的核酸プローブは前記捕捉プローブの少なくとも一部及び前記標的核酸配列に相補的であるとともに、クエンチャー(quencher)と連結されることにより、前記標的特異的プローブが前記捕捉プローブにハイブリダイズすると、前記クエンチャーが前記フルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成され;
一又は二以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに続いて前記サンプルの蛍光を検出し、ここで蛍光の増大が前記標的核酸配列の存在の指標となる
ことを含む方法。 - 前記捕捉プローブが基材の表面に連結される、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅反応がPCR反応を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記PCR反応が、エクソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる、請求項3に記載の方法。
- 前記PCR反応が、複数の異なる標的核酸配列を増幅し得ると共に、複数の異なる核酸プローブ群の存在下で実施され、ここで前記異なるプローブ群の各々が、異なる捕捉プローブ及び異なる標的特異的プローブを含み、ここで前記異なる捕捉プローブはフルオロフォアと連結され、ここで前記異なる標的特異的プローブの各々は、異なる捕捉プローブ及び前記複数の標的核酸配列のうち異なる配列に対して相補的であると共に、クエンチャーと連結されることにより、各標的特異的プローブが相補的捕捉プローブにハイブリダイズされると、前記クエンチャーが前記フルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成された、請求項4に記載の方法。
- 前記複数の異なるプローブ群中の前記捕捉プローブの各々が、基材上の検出・識別可能な(detectably distinct)位置に固定化される、請求項5に記載の方法。
- 前記少なくとも第一の標的核酸配列が、天然痘(variola)ウイルス配列を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記標的特異的核酸プローブが、VAR-1プローブ、VAR-2プローブ、VAR-3プローブ、又はVAR-4プローブのうち一又は二以上を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記標的核酸配列が、VAR-1プライマー1、VAR-1プライマー2、VAR-2プライマー1、VAR-2プライマー2;VAR-3プライマー1、VAR-3プライマー2、VAR-4プライマー1、又はVAR-4プライマー2のうち一又は二以上を用いて増幅される、請求項1に記載の方法。
- 関心対象の標的核酸(target nucleic acid of interest)を含むサンプル;
前記関心対象の標的核酸配列を増幅するための増幅試薬;並びに
捕捉プローブ及び標的特異的核酸プローブを含む少なくとも第一のプローブ群
を含む反応混合物であって、
ここで前記捕捉プローブは、フルオロフォアと連結されてなり、ここで前記標的特異的核酸プローブは、前記捕捉プローブの少なくとも一部及び前記標的核酸配列に相補的であると共に、クエンチャーと連結されることにより、前記標的特異的プローブが前記捕捉プローブにハイブリダイズすると、前記クエンチャーが前記フルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成された、反応混合物。 - 前記標的特異的核酸プローブが、VAR-1プローブ、VAR-2プローブ、VAR-3プローブ、又はVAR-4プローブのうち一又は二以上を含む、請求項10に記載の混合物。
- 前記混合物が更に、VAR-1プライマー1、VAR-1プライマー2、VAR-2プライマー1、VAR-2プライマー2;VAR-3プライマー1、VAR-3プライマー2、VAR-4プライマー1、又はVAR-4プライマー2からなる群より選択される一又は二以上の増幅プライマーを含む、請求項11に記載の混合物。
- 反応チャンバーであって、
当該反応チャンバー内に配置された反応領域;
関心対象の標的核酸を含むサンプル;
前記関心対象の標的核酸配列を増幅するための増幅試薬;及び
捕捉プローブ及び標的特異的核酸プローブを含む少なくとも第一のプローブ群
を含むと共に、
ここで前記捕捉プローブは、フルオロフォアと連結されてなり、ここで前記標的特異的核酸プローブは、前記捕捉プローブの少なくとも一部及び前記標的核酸配列に相補的であると共に、クエンチャーと連結されることにより、前記標的特異的プローブが前記捕捉プローブにハイブリダイズすると、前記クエンチャーが前記フルオロフォアの蛍光をクエンチするように構成された、反応チャンバー。 - 前記捕捉プローブが前記反応チャンバーの内表面に固定化されてなる、請求項13に記載の反応チャンバー。
- 複数の異なる捕捉プローブが、アレイ内又は反応チャンバーの内表面に固定化されてなり、異なる捕捉プローブの各々が相互に離れた(discrete)位置に固定化される、請求項13に記載の反応チャンバー。
- サンプル中の少なくとも第一の標的核酸配列の存在を検出する方法であって:
少なくとも第一の核酸プローブ群の存在下で標的核酸配列を増幅し得る増幅反応に、サンプルを供し、ここで前記第一の核酸プローブ群は、標的特異的核酸プローブ及び捕捉プローブを含み、ここで前記標的特異的核酸プローブは、蛍光標識に連結されるとともに、前記標的核酸配列の少なくとも一部に相補的であり、ここで前記捕捉プローブは、固相支持体に連結されるとともに、標的特異的核酸プローブの少なくとも一部に相補的であり;
一又は二以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに続いて、固相支持体の蛍光を検出し、ここで蛍光の減少が標的核酸配列の存在の指標となる
ことを含む、方法。 - 前記少なくとも第一の標的核酸配列が、天然痘(variola)ウイルス配列を含む、請求項16に記載の方法。
- 前記標的特異的核酸プローブが、VAR-1プローブ、VAR-2プローブ、VAR-3プローブ、又はVAR-4プローブのうち一又は二以上を含む、請求項17に記載の方法。
- 前記標的核酸配列が、VAR-1プライマー1、VAR-1プライマー2、VAR-2プライマー1、VAR-2プライマー2;VAR-3プライマー1、VAR-3プライマー2、VAR-4プライマー1、又はVAR-4プライマー2のうち一又は二以上を用いて増幅される、請求項16に記載の方法。
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- 2015-12-22 HK HK15112597.5A patent/HK1212390A1/xx unknown
Patent Citations (3)
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