JP2015522015A - 続発性副甲状腺機能亢進症を治療するための2−メチレン−19−ノル−(20S)−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の使用 - Google Patents

続発性副甲状腺機能亢進症を治療するための2−メチレン−19−ノル−(20S)−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の使用 Download PDF

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Abstract

続発性副甲状腺機能亢進症を有するかまたはそれを発症するリスクがある対象において、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく、続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその随伴症状を治療および/または予防するための、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の使用が開示される。

Description

本発明は、続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその症状を治療および/または予防するのに有用なビタミンD化合物に関し、より具体的には、続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその症状を治療および/または予防するためのビタミンD化合物2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の使用に関する。
腎疾患は、米国などの高度先進国を含む実質的に世界中のすべての国において、ますます重大な健康問題となっている。現在、腎臓の使用をほぼ完全に失っている腎透析の患者は約250,000人存在する。腎疾患のせいである程度の腎機能を失い、完全な腎不全へと進行している患者はこの数のおよそ10倍存在する。腎不全は、110 ml/分/1.73 m2の高値から多くの場合透析が開始される30 ml/分/1.73 m2への糸球体濾過量(GFR)の低下により示される。
多くの因子が腎疾患の発症に寄与する。I型またはII型糖尿病を有していることと同様に、高血圧は重要な寄与因子の1つである。腎不全に対する現在の治療は血液透析に限定され、個人は一般的には自分自身でこの方法の費用を負担することができないために、現在は連邦政府により助成されている非常に高価な方法である。米国単独での腎疾患の年間費用は、420億ドルを上回る。したがって、腎疾患を予防するおよびその症状を治療するための有効な方法は、健康上の大きな利益をもたらしうるだけでなく、経済上の大きな利益ももたらしうる。
ビタミンDは、それが機能できるようになる前に、最初に肝臓中で25位水酸化され、続いて腎臓で1α位水酸化されなければならないことは、現在広く認められている。(DeLuca, "Vitamin D: The vitamin and the hormone," Fed. Proc. 33, 2211-2219, 1974(非特許文献1)を参照)。これら2つの反応によって、ビタミンDの最終的な活性型、すなわち1α,25-(OH)2D3が生成される。(DeLuca & Schnoes, "Vitamin D: Recent advances," Ann. Rev. Biochem. 52, 411-439, 1983(非特許文献2)を参照) 。この化合物は次に、以下を含むいくつかの生理的プロセスを刺激する:腸管のカルシウム吸収の刺激、腎臓のカルシウム再吸収の刺激、腸管のリン酸吸収の刺激、および高レベルの副甲状腺ホルモン(PTH)によりシグナルが送られてきたときの骨のカルシウム動員の刺激。これらの作用は、結果として血漿中のカルシウムレベルおよびリンレベルの上昇をもたらし、くる病および骨軟化症などの骨病変の治癒を引き起こし、また神経疾患の低カルシウム血症によるテタニーを予防する。
続発性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全を有する患者における一般的な合併症である。低レベルの1α,25-(OH)2D3およびリン酸の保持は、続発性副甲状腺機能亢進症の発症の原因となる。低レベルの循環1α,25-(OH)2D3は、結果的に患者が25-ヒドロキシ-ビタミンD3を1α,25-ジヒドロキシビタミンD3に変換できなくなる、腎臓の機能不全の結果である。低レベルの循環1α,25-(OH)2D3の結果として、腸管でのカルシウム吸収は極めて少なくなり、その後血清カルシウムレベルが不足する。副甲状腺が低レベルの血清カルシウムを感知すると、副甲状腺は、カルシウムを骨から動員し血清カルシウムを調節するPTHを分泌する。検査を受けないでいると、このPTHの異常な分泌は、腎性骨ジストロフィーの発症につながる。高レベルのPTHは以下ももたらしうる:1)骨の弱体化;2)カルシフィラキシー(カルシウムが皮膚に凝集塊を形成し、潰瘍および潜在的には周囲組織の死をもたらす場合);3)心血管系の合併症;4)脂肪および糖の代謝異常;5)そう痒(そう痒症);および6)血球数の低下(貧血)。
1α,25-ジヒドロキシビタミンD3は、腎疾患を有する患者において副甲状腺機能亢進症の治療として使用されている。腎性骨ジストロフィーの続発性副甲状腺機能亢進症の治療では、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、副甲状腺中に位置するビタミンD受容体(VDR)に結合し、副甲状腺細胞の成長および増殖とプレプロ副甲状腺遺伝子の発現のどちらも抑制することが周知である。(Demay et al., "Sequences in the human parathyroid hormone gene that bind the 1,25-dihydroxyvitamin D3 receptor and mediate transcriptional repression in response to 1,25-hydroxyvitamin D3." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 8097-8101, 1992(非特許文献3); およびDarwish & DeLuca, "Identification of a transcription factor that binds to the promoter region of the human parathyroid hormone gene," Arch. Biochem. Biophys. 365, 123-130, 1999(非特許文献4)を参照)。その副甲状腺ホルモン(PTH)抑制能のために、1α,25-(OH)2D3は、続発性副甲状腺機能亢進症の治療に用いられて成功している。(Slatopolsky et al., "Marked Suppression of Secondary Hyperparathyroidism by Intravenous Administration of 1,25-dihydroxycholecalciferol in Uremic Patients," J. Clin. Invest. 74:2136-2143, 1984(非特許文献5)を参照)。しかしながら、腎性骨ジストロフィーの続発性副甲状腺機能亢進症の治療における1α,25-ジヒドロキシビタミンD3使用は、腸管カルシウム吸収および骨塩カルシウム動員に対する1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の強力な作用によって生じる高カルシウム血症の発症により往々にして除外される。
上記のように、続発性副甲状腺機能亢進症は典型的には腎透析を受けている患者において生じる。慢性腎不全は、続発性副甲状腺機能亢進症の最も一般的な原因である。衰えた腎臓は、ビタミンDをその活性型に十分に変換しなくなり、リン酸を十分に排出しなくなる。これが起こると、体内に不溶性のリン酸カルシウムが形成され、循環からカルシウムが取り除かれる。最終的にこれが、低カルシウム血症および続発性副甲状腺機能亢進症につながる。
続発性副甲状腺機能亢進症はまた、脂溶性ビタミンDの不十分な吸収をもたらすおそれがある、胃腸管系の吸収不良症候群(例えば、腸管がビタミンおよびミネラルを適正に吸収しない、慢性膵炎、小腸疾患および吸収障害依存性肥満外科手術)から生じる可能性もある。ビタミンDの吸収が不足すると、低カルシウム血症を発症する可能性があり、続いて、身体が血清カルシウムレベル増加させようと、PTH分泌の増加が生じる可能性がある。一方で、低カルシウム血症および続発性副甲状腺機能亢進症は、低レベルの1,25(OH)2D3を原因とする腎疾患の初期段階にも現れる可能性がある。続発性副甲状腺機能亢進症のあまり一般的ではない他の原因には、長期のリチウム療法、ビタミンD欠乏症、栄養失調症、ビタミンD抵抗性くる病、または高マグネシウム血症(すなわち、異常に高い血中マグネシウムレベル)がある。
続発性副甲状腺機能亢進症の症状には、血清PTHレベル、血清リンレベルおよび血清クレアチニンレベルの増加が含まれる。あまり明らかでない症状には、骨および関節の痛み、骨変形、骨の破損(骨折)、関節腫脹、腎臓結石、排尿増加、筋力の低下および痛み、吐き気、ならびに食欲不振が含まれる。あまり一般的ではない他の症状には、疲労、上腹部痛およびうつ状態が含まれる。
続発性副甲状腺機能亢進症の治療は典型的には、低カルシウム血症の根本原因に対処することを含む。慢性腎不全を有する患者では、治療はリンの食事制限、カルシトリオール、Hectorol(登録商標)またはZemplar(登録商標)(パリカルシトール)などの活性型のビタミンDを伴う補給剤、およびカルシウム性の結合剤と非カルシウム性の結合剤とに分類することができるリン酸塩結合剤からなる。薬物療法の新たなクラスはカルシウム受容体作動薬(calcimimetics)であり、これらの1つは米国およびオーストラリアではSensipar(登録商標)(シナカルセト)として、欧州連合ではMimpara(登録商標)として市販されている。カルシウム受容体作動薬は、ポジティブな反応を達成していて、透析患者での使用についてFDAに承認されているが、懸念事項の中でもとりわけ、リンレベルを上昇させることから、透析前の慢性腎臓病での使用については承認されていない。慢性腎臓病に続発する副甲状腺機能亢進症を有する患者の大部分は腎移植後によくなるが、多くの患者は、移植後に骨量低下のリスクを伴う副甲状腺機能亢進症の残遺症状(すなわち、3次性副甲状腺機能亢進症)をある程度持ち続ける。
血清リンは通常、初期の腎機能不全を有する患者では正常だが、リン酸制限は続発性副甲状腺機能亢進症を減少させることができる。リン酸食事制限は、1,25-(OH)2D3レベルを上昇させる。(Portale et al., "Effect of Dietary Phosphorus on Circulating Concentrations of 1,25-dihydroxyvitamin D and Immunoreactive Parathyroid Hormone in Children with Moderate Renal Insufficiency," J. Clin. Invest. 73:1580-1589, 1984(非特許文献6)を参照)。これは次に、PTH遺伝子転写の直接的な抑制および腸管カルシウム吸収の増加によりPTHを減少させる。腎不全の後期では、副甲状腺機能亢進症および1,25-(OH)2D3欠乏症の程度が高まり、リン酸制限は1,25-(OH)2D3レベルに対してほとんど効果を有さない。(Lopez-Hilker et al., "Phosphorus Restriction Reverses Hyperparathyroidism in Uremia Independent of Changes in Calcium and Calcitriol," Am. J. Physiol. 259:F432-F437, 1990(非特許文献7)を参照)。これはおそらく、1,25-(OH)2D3合成に利用できる腎量の減少のためであると思われる。
カルシウム上昇活性が低い複数のビタミンD類似体には、ウシ培養副甲状腺細胞によるPTH分泌の抑制について1,25-(OH)2D3とほぼ同程度の効果があることがわかっている。これらには、22-オキサカルシトリオール(OCT)、(Brown et al., "The Non-Calcemic Analog of Vitamin D, 22-oxacalcitriol(OCT) Suppresses Parathyroid Hormone Synthesis and Secretion," J. Clin. Invest. 84:728-732, 1989(非特許文献8))、ならびに1,25-(OH)2-16-エン-23-イン-D3、1,25-(OH)2-24-ジホモ-D3および1,25-(OH)2-24-トリホモ-22-エン-D3が含まれる。22-オキサカルシトリオールは、この作用についてインビボで詳細に調べられている。(22-オキサカルシトリオールが、そのインビボでの急速なクリアランスにもかかわらず、PTH mRNAを抑制できたことを報告する、Brown et al., "Selective Vitamin D Analogs and their Therapeutic Applications," Sem. Nephrol 14:156-174, 1994(非特許文献9)を参照)。最大値より低い低用量のカルシトリオールおよびOCTは、同等の阻害を示した。OCTはまた、***のラットおよびイヌにおいて血清PTHを抑制することも示している。
カルシウム上昇作用およびリン酸上昇作用が低い1,25-(OH)2D3の別の類似体は、19-ノル-1,25-(OH)2D2である。このカルシトリオールの類似体は、ビタミンD2化合物の特徴である28位の炭素と22位炭素における二重結合を有するが、すべての天然のビタミンD化合物に見られる19位炭素と環外二重結合を欠いている。ウシ副甲状腺細胞の初代培養を利用するインビトロでの試験によって、19-ノル-1,25-(OH)2D2がPTHに対して1,25-(OH)2D3と同様の抑制作用を有することが実証された。10-7 Mでの19-ノル-1,25-(OH)2D2によって、PTH放出に対して52%抑制が得られた。2つの化合物間でPTH分泌の抑制作用に有意差はなかった。
その後に、19-ノル-1,25-(OH)2D2のカルシウム上昇活性を決定するための予備試験がインビボで行われた。1,25-(OH)2D3 (10 ng/ラット/10日)は19-ノル-1,25-(OH2)D2 (100 ng/ラット/10日)と同じ規模で血清カルシウムを上昇させることがわかった。このことから、3種類の異なる用量の1,25-(OH)2D3 (2、4および8 ng)および19-ノル-1,25-(OH)2D2 (8、25および75 ng)を慢性試験のために選択した。腎機能不全の2ヶ月後に、動物に、上記2つの化合物を3種類の提示した用量で4回8日間にわたって受けさせた。予想通りに、1,25-(OH)2D3はプレプロPTH mRNAおよびPTH分泌を抑制した。しかしながら、この減少は、8 ng用量でのみ統計的に有意であり、そして、この用量は高カルシウム血症および高リン血症を誘発した。これに対して、19-ノル-1,25-(OH)2D2のいずれの用量も血清イオン化カルシウムまたは血清リンに統計的に有意な変化を生じさせなかった。
19-ノル-1α,25(OH)2D2はまた、パリカルシトール(Paricalcitol)および19-ノル-1α,25-ジヒドロキシ-エルゴカルシフェロールとしても公知である。パリカルシトール注射は、Abbott Laboratories, Abbott Park, IllからZemplar(登録商標)として市販されている。パリカルシトール(Zemplar(登録商標))注射は、米国特許第6,136,799号(特許文献1)に記載され、FDAにより認可されていて、慢性腎不全(CKDステージ5または末期腎疾患(ESRD)、GFR<15 mL/分/1.73 m2)に随伴する続発性副甲状腺機能亢進症の予防および治療向けに販売される。この静注製剤は、2〜10 マイクログラム/ミリリットルのパリカルシトール、30%(v/v)プロピレングリコール、20%(v/v)エタノールおよびおよそ50%(v/v)の水を含有する。試験によって、パリカルシトール注射が、PTHレベルの上昇を抑制し、血清のカルシウムレベルおよびリンレベルに対する作用がきわめて小さいことが示される。そのFDAによる認可が1998年4月であることから、およそ200,000人の患者が少なくとも1回パリカルシトール注射を受けていると推定される。臨床的には、続発性副甲状腺機能亢進症を治療するためのパリカルシトール注射の安全性および有効性は十分に確立されている。
高リン血症もまた、慢性血液透析患者における根強い問題であり、治療量の1,25-(OH)2D3によってさらに悪化するおそれがある。(Delmez et al., "Hyperphosphatemia: Its Consequences and Treatment in Patients with Chronic Renal Disease," Am. J. Kidney Dis. 19:303-317, 1992(非特許文献10); およびQuarles et al., "Prospective trial of Pulse Oral versus Intravenous Calcitriol Treatment of Hyperparathyroidism in ESRD," Kidney Int. 45:1710- 1721, 1994(非特許文献11)を参照)。加えて、大量の炭酸カルシウムによるリン酸吸収の制御は、1,25-(OH)2D3療法由来の高カルシウム血症のリスクを増大させるだけである。(Meyrier et al., "The Influence of a High Calcium Carbonate Intake on Bone Disease in Patients undergoing Hemodialysis," Kidney Int. 4:146-153, 1973(非特許文献12); Moriniere et al., "Substitution of Aluminum Hydroxide by High Doses of Calcium Carbonate in Patients on Chronic Hemodialysis: Disappearance of Hyperaluminaemia and Equal Control of Hyperparathyroidism," Proc. Eur. Dial Transplant Assoc. 19:784-787; 1983(非特許文献13); およびSlatopolsky et al., "Calcium Carbonate as a Phosphate Binder in Patients with Chronic Renal Failure Undergoing Dialysis," New Engl. J. Med. 315:157-161, 1986(非特許文献14)を参照)。よって、カルシウムおよびリン酸の代謝に対する作用が小さくPTHを抑制することができる1,25-(OH)2D3の類似体は、続発性副甲状腺機能亢進症の制御および治療にとって理想的なツールとなりうる。
別のビタミンD類似体、すなわち、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (本文書では「2MD」と呼ぶ)もまた、PTH産生を抑制することが公知である。(米国特許出願公開第2011/0034426A1号(特許文献2)を参照)。そのためにこれは、続発性副甲状腺機能亢進症を治療するための候補であるように見えるが、米国特許第5,843,928号(特許文献3)により、2MDが非常に強力なカルシウム上昇活性を有することも周知である。2MDは、骨カルシウム動員活性を1α,25-(OH)2D3のもののおそらく10〜100倍のレベルに著しく上昇させる一方で、腸管カルシウム輸送活性の緩やかな上昇も示す。骨からのカルシウム動員についてのこの非常に選択的な活性のために、化合物2MDは現在まで、続発性副甲状腺機能亢進症を治療するための薬剤として真剣に検討されることは全くなかった。
米国特許第6,136,799号 米国特許出願公開第2011/0034426A1号 米国特許第5,843,928号
DeLuca, "Vitamin D: The vitamin and the hormone," Fed. Proc. 33, 2211-2219, 1974 DeLuca & Schnoes, "Vitamin D: Recent advances," Ann. Rev. Biochem. 52, 411-439, 1983 Demay et al., "Sequences in the human parathyroid hormone gene that bind the 1,25-dihydroxyvitamin D3 receptor and mediate transcriptional repression in response to 1,25-hydroxyvitamin D3." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 8097-8101, 1992 Darwish & DeLuca, "Identification of a transcription factor that binds to the promoter region of the human parathyroid hormone gene," Arch. Biochem. Biophys. 365, 123-130, 1999 Slatopolsky et al., "Marked Suppression of Secondary Hyperparathyroidism by Intravenous Administration of 1,25-dihydroxycholecalciferol in Uremic Patients," J. Clin. Invest. 74:2136-2143, 1984 Portale et al., "Effect of Dietary Phosphorus on Circulating Concentrations of 1,25-dihydroxyvitamin D and Immunoreactive Parathyroid Hormone in Children with Moderate Renal Insufficiency," J. Clin. Invest. 73:1580-1589, 1984 Lopez-Hilker et al., "Phosphorus Restriction Reverses Hyperparathyroidism in Uremia Independent of Changes in Calcium and Calcitriol," Am. J. Physiol. 259:F432-F437, 1990 Brown et al., "The Non-Calcemic Analog of Vitamin D, 22-oxacalcitriol(OCT) Suppresses Parathyroid Hormone Synthesis and Secretion," J. Clin. Invest. 84:728-732, 1989 Brown et al., "Selective Vitamin D Analogs and their Therapeutic Applications," Sem. Nephrol 14:156-174, 1994 Delmez et al., "Hyperphosphatemia: Its Consequences and Treatment in Patients with Chronic Renal Disease," Am. J. Kidney Dis. 19:303-317, 1992 Quarles et al., "Prospective trial of Pulse Oral versus Intravenous Calcitriol Treatment of Hyperparathyroidism in ESRD," Kidney Int. 45:1710- 1721, 1994 Meyrier et al., "The Influence of a High Calcium Carbonate Intake on Bone Disease in Patients undergoing Hemodialysis," Kidney Int. 4:146-153, 1973 Moriniere et al., "Substitution of Aluminum Hydroxide by High Doses of Calcium Carbonate in Patients on Chronic Hemodialysis: Disappearance of Hyperaluminaemia and Equal Control of Hyperparathyroidism," Proc. Eur. Dial Transplant Assoc. 19:784-787; 1983 Slatopolsky et al., "Calcium Carbonate as a Phosphate Binder in Patients with Chronic Renal Failure Undergoing Dialysis," New Engl. J. Med. 315:157-161, 1986
概要
今回、ビタミンD類似体2MDが、それを必要とする対象によくコントロールされた条件下で投与されると続発性副甲状腺機能亢進症ならびに続発性副甲状腺機能亢進症の症状を治療する能力を有することが、発見された。また今回、ビタミンD類似体2MDが、それを必要とする対象によくコントロールされた条件下で投与されると続発性副甲状腺機能亢進症ならびに続発性副甲状腺機能亢進症の症状を予防する能力を有することも、発見された。
1つの態様において、本発明は、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)またはその薬学的に許容される塩を活性物質として含む組成物の治療的有効量を続発性副甲状腺機能亢進症の症状を呈する対象に投与する段階により、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく続発性副甲状腺機能亢進症を治療する新規な方法を提供する。
別の態様において、本発明は、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)またはその薬学的に許容される塩を活性物質として含む組成物の治療的有効量を続発性副甲状腺機能亢進症の症状を呈する対象に投与する段階により、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく続発性副甲状腺機能亢進症の症状を治療する新規な方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)またはその薬学的に許容される塩を活性物質として含む組成物の治療的有効量を続発性副甲状腺機能亢進症の発症のリスクがある対象に投与する段階により、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく続発性副甲状腺機能亢進症を予防する新規な方法を提供する。
さらにまた別の態様において、本発明は、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)またはその薬学的に許容される塩を活性物質として含む組成物の治療的有効量を続発性副甲状腺機能亢進症の発症のリスクがある対象に投与する段階により、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく続発性副甲状腺機能亢進症の症状を予防する新規な方法を提供する。
1つの態様において、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3は、10 ng/日から約1 μg/日の範囲の量で投与されるように経口、局所、経皮、非経口、注射用または注入用の形で製剤化される。好ましくは、続発性副甲状腺機能亢進症の治療または予防のために、または続発性副甲状腺機能亢進症の症状の治療または予防のために、化合物2MDは、経口または非経口(i.v.)のいずれかで投与される。用量は、特定の投与の経路にしたがって適切に選択されうる。適切な用量は、1日に約10 ngから約1 μgの範囲内の用量を含みうる。好ましくは、用量は、血液透析治療を受ける対象に静脈内または経口のいずれかで週に3回投与される。
本明細書において検討される2MDによる腹腔内処置プロトコルを略図的に示す。 ラット***モデルの血清PTHに対するさまざまな用量での2MDの腹腔内投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清カルシウムに対するさまざまな用量での2MDの腹腔内投与の効果を図示するグラフである。 本明細書において検討される2MDによる経口処置プロトコルを略図的に示す。 ラット***モデルの血清PTHに対するさまざまな用量での2MDの経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清PTHに対するさまざまな用量での19-ノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2 (商標Zemplar(登録商標)で販売)の経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清カルシウムに対するさまざまな用量での2MDの経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清PTHに対するさまざまな用量での19-ノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2 (商標Zemplar(登録商標)で販売)の経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清リンに対するさまざまな用量での2MDの経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清リンに対するさまざまな用量での19-ノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2 (商標Zemplar(登録商標)で販売)の経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清クレアチニンに対するさまざまな用量での2MDの経口投与の効果を図示するグラフである。 ラット***モデルの血清クレアチニンに対するさまざまな用量での19-ノル-1α,25-ジヒドロキシビタミンD2 (商標Zemplar(登録商標)で販売)の経口投与の効果を図示するグラフである。 閉経後の女性のフェーズ1Bヒト臨床試験における血清PTHに対するさまざまな用量での2MDの経口投与の効果を図示するグラフである。
詳細な説明
続発性副甲状腺機能亢進症またはその症状を治療および/または予防する方法が開示される。開示された方法は、以下の定義に基づき以下の通りにさらに記載されうる。
他に定義されていない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。具体的に言及される全ての刊行物および特許は、本発明と関連して用いられうる刊行物において報告される化学物質、機器、統計解析および方法論を説明するおよび開示することを含む全ての目的について、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書で引用される全ての参照は、当技術分野の技術水準を表すものとみなされる。本明細書の記載は、先行発明によるそのような開示に先行する権利を本願が有さないと認めるものとして解釈されるべきではない。
明細書および特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む(comprising)」という用語は、開放形式の用語(open-ended terms)であり、「含むが、これらに限定されない」ことを意味するとして解釈されるべきである。これらの用語には、より限定的な用語「本質的にからなる」および「からなる」が包含される。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「特徴とする」および「有する」は同義で用いることができることも留意されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、別段の明確な指示がない限り、複数への言及を含む。同様に、用語「1つ(a)」(または「1つ(an)」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」は同義で用いることができる。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限の間にある各値、およびその間にある値の任意の組み合わせまたは一部組み合わせ(subcombination)、ならびにその規定範囲中の他の任意の規定値またはその間にある値は、記載された値の範囲内に包含されると理解される。
ある特定の範囲は、用語「約」が前置される数値により本明細書において示される。用語「約」は本明細書において、それが先行するまさにその数ならびに当該用語が先行する数に近いまたは近似する数について文字上のサポートを提供するために用いられる。数が具体的に記載した数に近いまたは近似するかどうかを判定する際に、近いまたは近似する記載されていない数は、それが示される文脈において、具体的に記載した数の実質的な等価物を提供する数値であってもよく、典型的には、具体的に記載された数または値の上下10%である数または値を指す。
開示の方法は、その必要がある患者において続発性甲状腺機能亢進症を治療および/または予防するために利用されうる。その必要がある患者には、これらに限定されないが、腎疾患または腎障害に続いて起こる続発性甲状腺機能亢進症を有するかあるいはその発症のリスクがある患者が含まれうる。その必要がある患者には、これらに限定されないが、例えば腎不全を原因とする、腎性骨ジストロフィーに続いて起こる続発性甲状腺機能亢進症を有するかあるいはその発症のリスクがある患者が含まれうる。その必要がある患者には、腎透析を受けている患者が含まれうる。その必要がある患者には、これらに限定されないが、胃腸管系の吸収不良症候群(例えば、腸管がビタミンおよびミネラルを適正に吸収しない、慢性膵炎、小腸疾患および吸収障害依存性肥満外科手術)の結果としての続発性甲状腺機能亢進症を有するかあるいはその発症のリスクがある患者が含まれうる。その必要がある患者には、これらに限定されないが、長期のリチウム療法、ビタミンD欠乏症、栄養失調症、ビタミンD抵抗性くる病、または高マグネシウム血症(すなわち、異常に高い血中マグネシウムレベル)の結果としての続発性甲状腺機能亢進症を有するかあるいはその発症のリスクがある患者が含まれうる。
開示の方法は、その必要がある患者において続発性甲状腺機能亢進症の症状を治療および/または予防するために利用されうる。開示の方法により治療および/または予防される続発性甲状腺機能亢進症の症状には、これらに限定されないが、以下が含まれうる:骨の弱体化;カルシフィラキシー(カルシウムが皮膚に凝集塊を形成し、潰瘍および潜在的には周囲組織の壊死をもたらす場合);心血管系の合併症;脂肪および糖の代謝異常;そう痒(そう痒症);および血球数の低下(貧血)。開示の方法により治療および/または予防される続発性甲状腺機能亢進症の他の症状には以下が含まれうる:血清PTHレベル、血清リンレベルおよび血清クレアチニンレベルの上昇。開示の方法により治療および/または予防される続発性甲状腺機能亢進症のさらなる症状には以下が含まれうる:骨および関節の痛み、骨変形、骨の破損(骨折)、関節腫脹、腎臓結石、排尿増加、筋力の低下および痛み、吐き気、ならびに食欲不振。開示の方法により治療および/または予防される続発性甲状腺機能亢進症のいっそうさらなる症状には以下が含まれうる:疲労、上腹部痛およびうつ状態。
これまでに、食事を介して投与された300 ng/日の1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (1,25(OH2D3)が、腎疾患の症状を軽減させることにより腎疾患および腎不全を効果的に予防できることが実証されている。(James Wonkee Kim, Effects of 1α,25-dihydroxy vitamin D3 on the MRL/MpJ-fas/lpr model of systemic lupus erythematosus (Ph.D. Thesis, University of Wisconsin-Madison (2009)を参照)。例えば、これまでに、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (1,25(OH)2D3)の投与が、全身性エリテマトーデス(SLE)のMRL/MpJ-FASlpr(MRL/lpr)マウスモデルにおいて蛋白尿を完全に予防することが示されている。(上記参照)。しかしながら、この治療は重度の高カルシウム血症を常に伴った。高カルシウム血症(すなわち、血中のカルシウムレベルの上昇)は、死亡を含む深刻な身体的問題をもたらすおそれがある。具体的には、およそ2 mg/100 mlのカルシウムの増加は、軽度の高カルシウム血症とみなされ、問題とは見なされない。しかしながら、2 mg/100 mlを上回るカルシウムレベルの上昇は、重度の高カルシウム血症とみなされ、腎臓、心臓および大動脈の石灰化を引き起こすおそれがある。結果として生じる高カルシウム血症のために、この化合物の使用は続発性副甲状腺機能亢進症またはその症状の治療または予防にとって最適なものではないことは、明らかである。
2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)は、1,25(OH)2D3の類似体であり、インビボで骨に対する効力が増大するが、腸管カルシウム吸収に対してはそうではないことが示されている。2MDの全合成は、1998年12月1日に発行された「2-Alkylidene-l9-Nor-Vitamin D Compounds」という表題の米国特許第5,843,928号において完全に図示および説明されており、その明細書は参照により本明細書に特に組み入れられる。2MDの生物活性はまた、米国特許第5,843,928号およびShevde et al., "A Potent Analog of 1α,25-dihydroxyvitamin D3 Selectively Induces Bone Formation" PNAS, Vol. 99, No. 21 pp 13487-13491 (2002) においても報告されており、これらはどちらも参照により本明細書に特に組み入れられる。
本明細書に開示の方法において、2MDは、重度の高カルシウム血症を引き起こさずに、続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその随伴症状を治療および/または予防するために投与することができ、血中のリンおよびクレアチニンレベルの低下ならびに血中のPTHレベルの減少ももたらす。
また本明細書に開示の方法において、2MDは、血中のリンレベル、クレアチニンレベルおよびPTHレベルを低下させることにより、重度の高カルシウム血症を引き起こさずに腎疾患の続発性副甲状腺機能亢進症およびその随伴症状を治療および重症度を軽減するために用いることができる。
本明細書において用いられる「高カルシウム血症」は、2 mg/100 mlを超える血中カルシウムレベルの上昇を意味する。正常な対象では、カルシウムレベルはおよそ9〜10.5 mg/dLまたは2.2〜2.6 mmol/Lである。重度の高カルシウム血症(すなわち、カルシウムレベルが15〜16 mg/dLまたは3.75〜4 mmol/Lを上回る)の場合には、昏睡および心停止が発生するおそれがある。
したがって、本発明は、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3 (2MD)またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与することにより、対象において高カルシウム血症を誘発せずに、続発性副甲状腺機能亢進症を発症するリスクがある対象において続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその随伴症状を治療および/または予防する新規な方法、ならびに続発性副甲状腺機能亢進症の症状を呈する対象において続発性副甲状腺機能亢進症および/またはその随伴症状を治療および/または予防する新規な方法を提供し、ここで、2MDは以下の構造(I)を有する。
Figure 2015522015
本明細書で用いられる「予防する」は、続発性副甲状腺機能亢進症であることを示す臨床症状を未然に防ぐことを意味する。そのような未然に防ぐことには、例えば、これらに限定されないが、血清PTH、リンおよびクレアチニンのレベルの上昇を含む、続発性副甲状腺機能亢進症の明らかな症状の発症前に、続発性副甲状腺機能亢進症を発症するリスクがある対象において正常な腎臓機能を維持することが含まれる。したがって、用語「予防する」には、続発性副甲状腺機能亢進症の発生から対象を保護するための対象の予防的処置が含まれる。対象において続発性副甲状腺機能亢進症を予防することには、続発性副甲状腺機能亢進症の発症を阻止するまたは停止させることを含むことも意図される。続発性副甲状腺機能亢進症の発症を阻止するまたは停止させることには、例えば、血清PTH、リンおよびクレアチニンのレベルの上昇が生じるのを阻止するまたは停止させることが含まれる。
本明細書で用いられる「腎疾患」または「腎障害」は、透析を受けていない対象またはステージ2または3の慢性腎臓病(CKD)を有する患者において腎臓機能障害を呈する状態、例えば、急性腎臓不全、急性腎炎症候群、鎮痛薬腎症、アテローム塞栓性腎疾患、慢性腎臓不全、慢性腎炎、先天性ネフローゼ症候群、グッドパスチャー症候群、間質性腎炎、腎臓癌、腎臓障害、腎臓感染症、腎臓損傷、腎結石、膜性増殖性GNI、膜性増殖性GNII、膜性腎症、微小変化群、壊死性糸球体腎炎、腎芽細胞腫、腎石灰化症、腎性尿崩症、IgA腎症、ネフローゼ、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、連鎖球菌感染後GN、逆流性腎症、腎動脈塞栓症、腎動脈狭窄、腎障害、腎乳頭壊死、I型尿細管性アシドーシス、II型尿細管性アシドーシス、腎臓の灌流低下(renal underperfusion)、腎静脈血栓症などを意味する。
「腎疾患」はまた、腎臓不全(例えば、15 mL/分/1.73 m2未満の糸球体濾過量(GFR)または永久的な腎代替療法(RRT))が確立している患者を含むことも意味する。「腎疾患」を有する患者は、GFRの低下の有無に関わらず、血液もしくは尿の組成の異常または画像検査の異常を含む病理学的異常または腎臓障害のマーカーのいずれかによって明らかにされる、腎臓の器質的異常または機能的異常により定義される腎臓障害を3ヶ月を超える期間にわたって有している対象を含むことを意味する。腎臓障害のマーカーは、24時間***法により測定される300 μg/日を超える蛋白尿を含む。(参照により組み入れられるTable 15, Am. J. of Kidney Diseases, v.39, no. 2, Suppl, 1 (Feb. 2002), pp. 546-575を参照)。この定義には透析を受けている患者が含まれうる。
本明細書で用いられる「ステージ2の慢性腎臓病(CKD)」を有する患者は、GFRの軽度低下(60〜89 mL/分/1.73 m2)を呈する患者を意味する。腎臓障害は、血液もしくは尿検査または画像試験での異常を含む、病理学的異常または障害のマーカーとして定義される。「ステージ3の慢性腎臓病(CKD)」を有する患者は、GFRの中等度低下(30〜59 mL/分/1.73 m2)を呈する患者を意味する。腎臓病を特徴付けるためのガイドラインは、スクリーニングおよび参照の目的でステージ3A(GFR 45〜59)とステージ3B(GFR 30〜44)とを区別している可能性がある。腎臓病のステージについてのさらなる情報については、参照により本明細書に組み入れられるAm. J. of Kidney Disease, V. 39, No. 2, Suppl. 1, February 2002を参照。
本明細書で用いられる「対象」には、哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。「哺乳動物」は、これらに限定されないが、ヒト、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタなどの家畜動物;ウサギ、イヌおよびネコなどの飼育動物;ならびにラット、マウスおよびモルモットなどの齧歯類を含む実験動物などを含む、哺乳綱の任意の構成動物を意味する。非哺乳動物の例には、これに限定されないが、トリなどが含まれる。用語「対象」は特定の年齢または性別を指すものではない。本発明が向けられる主たる対象は、血液透析による治療が行われているかあるいは血液透析を受けているヒトの分類である。用語「対象」は、本明細書において用語「患者」または「個体」と同義で利用されうる。
本明細書で用いられる「投与する」は、下記においてより詳細に記載するように、体内に、好ましくは体循環内に化合物を導入することを意味する。例には、これらに限定されないが、経口、局所、頬側、舌下、肺、経皮、経粘膜、ならびに皮下、腹腔内、静脈内および筋内注射または消化管を介する液体または固体投薬の形が含まれる。
本明細書で用いられる「治療的に有効」は、疾患を治療または予防するために対象に投与されたときに、そのような疾患の予防の治療をもたらすのに十分である化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、治療される疾患の状態、治療される重症度または疾患、対象の年齢および相対的健康状態、投与の経路および形態、主治医または獣医の判断、ならびに他の因子により異なる。本明細書で開示される雄のHarlan-Sprague Dawley離乳ラットに、重大な高カルシウム血症を引き起こさない複数の用量レベルの2MDを投与した。発明者らは、ラット1匹当たり一日2 1/2ナノグラム/キログラム体重(ng/kg体重)の2MDが、血清カルシウムレベルを上昇させずに、続発性副甲状腺機能亢進症を予防および治療する、あるいは続発性副甲状腺機能亢進症の症状を予防または治療するのに十分であることを見いだした。さらに、閉経後の女性において400 ng/日の2MDが、血清カルシウムレベルを生理学的に正常な範囲内に維持しながら、60%を超える血清PTHレベルの低下を示した(図13)。
1つの態様において、治療的有効量は、約10 ng/日から約1 μg/日、好ましくは、約20 ng/日から約1 μg/日に及ぶ。より好ましい態様において、治療的有効量は、約40 ng/日から約600 ng/日、または約50 ng/日から約600 ng/日に及ぶ。最も好ましい態様において、治療的有効量は、約100 ng/日から約400 ng/日におよぶ。
本明細書で用いられる「治療する(treat)」、「治療する(treating)」または「治療」は、続発性副甲状腺機能亢進症であることを示す臨床症状の回復、軽減または寛解を意味する。臨床症状の回復、軽減または寛解には、例えば、続発性副甲状腺機能亢進症の症状を停止させる、その重症度の軽減させる、あるいはその進行を遅らせる、あるいはその退行をもたらすことが含まれる。例えば、2MDによる治療に反応して血清PTH、血清リンレまたは血清クレアチニン量のレベルを低下させる。具体的には、治療するには、血清PTH、血清リンまたは血清クレアチニンの量を少なくとも約20%減少させることが含まれうる。1つの態様において、対象の血液中の血清PTH、血清リンまたは血清クレアチニン量は、約20〜40%または約35〜50%低下する。続発性副甲状腺機能亢進症のその他の病態、慢性合併症または表現型症状発現は、当業者に公知であり、疾患に随伴する症状、合併症または症状発現の重症度を軽減する限り、続発性副甲状腺機能亢進症を治療することの基準として同様に用いることができる。
有効な化合物製剤は、米国特許第5,843,928号に記載されていて、それには、無毒な溶媒での溶液として、または適切な溶媒または担体での乳剤、懸濁剤もしくは分散剤として、または固体担体と組み合わせた丸剤、錠剤、カプセルとしての薬学的利用が含まれる。その他の製剤には、安定化剤、抗酸化剤、結合剤、着色剤、乳化剤または味覚改変剤などその他の薬学的に許容される非毒性の賦形剤および徐放製剤も含まれうる。
1つの態様において、2MD化合物は、開示の方法において投与される医薬有効成分(API)である。APIは、無毒の溶媒での溶液、適切な溶媒または担体での乳剤、懸濁剤または分散剤として経口医薬剤形に製剤化されうる。APIはまた、適切な薬学的固体担体を用いて丸剤、錠剤またはカプセルなどのさまざまな経口剤形にも製剤化されうる。このような薬学的製剤は、USP認可不活性医薬成分として記載されている、安定化剤、抗酸化剤、結合剤、着色剤、乳化剤および/または味覚改変剤などその他の薬学的に適切なUSP認可の不活性成分、賦形剤も含みうる。
APIは、経口的に、局所的に、非経口的にもしくは経皮的に、または吸入により投与されうる。化合物は、適切な滅菌溶液を用いて注射または静脈注入により投与されうる。局所剤形は、クリーム、軟膏、パッチ、または経皮剤形および局所剤形に適した同様の媒体であってもよい。
いくつかの態様において、APIは、約10 ng/日から約1 μg/日、好ましくは約20 ng/日から約1 μg/日、より好ましくは約40 ng/日から約600 ng/日、または約50 ng/日から約600 ng/日、最も好ましくは約100 ng/日から約400 ng/日に及ぶ用量を送達するための用量で製剤化されうる。APIは好ましくは、続発性副甲状腺機能亢進症の予防もしくは治療、または続発性副甲状腺機能亢進症の症状の予防もしくは治療に用いられうる用量で製剤化される。典型的には、2MDの好ましい効果は、血清カルシウムを著しく上昇させない用量レベルで観察される。そのような用量および投与計画は、疾患の重症度または悪化度、患者の素因/リスク/罹りやすさ、および他の公知の基準に対応するように調整されうる。
薬学的に適切な経口担体システム(薬物送達システムとも呼び、身体への均一な放出または標的化または薬物を可能にする、医薬品または医薬品の一部を分配する現代技術である)は好ましくは、FDA認可および/またはUSP認可の不活性成分を含む。21 CFR 210.3(b)(8)によれば、不活性成分は、診断において医薬活性またはその他の直接的な作用を与えるか、あるいはヒトまたはその他の動物の身体の構造または任意の機能に影響を与えることを意図する医薬品の任意の構成成分である。有効成分には、医薬品の製造過程で化学変化を受ける恐れがあり、医薬品中に修飾された形で存在する可能性がある、特定の活性または作用を与えることを意図した製品の構成成分が含まれる。本明細書で用いられるキット(剤形とも呼ばれる)は、パッケージ化された関連する材料の集合物である。
本明細書で用いられる「経口剤」形にはカプセル剤(すなわち、シェルと充填物からなる固体の経口剤形)が含まれてもよく、ここで、シェルは単体の密閉封入体、または嵌合され往々にしてバンドにより密閉される2つの部分で構成され、ここで、カプセルのシェルは、ゼラチン、デンプンもしくはセルロース、またはその他の適切な材料で作られてもよく、軟らかくても硬くてもよく、注ぐまたは押し込むことができる固体成分または液体成分で充填されている。経口剤形はまた、カプセルまたはコーティングされたペレット剤であってもよく、ここで、薬物は、適切な形態のゼラチンで作られた硬いまたは軟らかい可溶性容器すなわち「シェル」のいずれかの中に封入される。薬物自体は、さまざまな量のコーティングが塗布されている顆粒形態であってもよく、または適切な形態のゼラチンで作られた硬いまたは軟らかい可溶性の容器すなわち「シェル」のいずれかの中に薬物が封入される徐放性コーティングを施したカプセル中であってもよい。加えて、カプセル剤は、通常の剤形として提示される薬物のものと比べて少なくとも投薬頻度を低下させるように薬物を放出する、指定されたコーティングで覆われていてもよい。
経口剤形はさらに、薬物が適切な形態のゼラチンで作られた硬いまたは軟らかい可溶性容器のいずれかの中に封入されていて、薬物(または複数の薬物)を投与の直後ではない時に放出する遅延放出型カプセルであってもよく、ここで、腸溶コーティングされた製品は遅延放出型剤形である。薬物が硬いまたは軟らかい容器すなわち「シェル」のいずれかの中に封入されている、カプセル型遅延放出ペレットも有用である。この場合、薬物自体は、腸溶性コーティングが施されている顆粒の形をとっており、よって、腸管内に移行するまで薬物の放出は遅延される。徐放型カプセルおよびフィルムコーティングされた徐放型カプセルも有用である。
加えて、該カプセルは、指定されたフィルムコーティングで覆われていて、通常の剤形、ゼラチンコーティングされたカプセル(薬物が適切な形態のゼラチンで作られた硬いまたは軟らかい可溶性の容器のいずれかの中に封入されている、固体剤形;バンド形成工程により、カプセルが、ゼラチンのさらなる層でコーティングされ、完全な密封を形成する)、液体充填型カプセル(ソルビトールまたはグリセリンなどのポリオールの添加により可塑化されるためにハードシェルカプセルのものより幾分高い粘稠度である、可溶性のゼラチンシェル内に薬物が封入されている、固体剤形)として提示される薬物のものと比べて、少なくとも投薬頻度を低下させるように薬物を放出する。
典型的には、有効成分は、液体媒体、顆粒(小さな粒子または粒状物)、ペレット(顆粒の形成または圧縮成形により作られる、賦形剤を含むまたは含まない、高純度薬物からなる小さな滅菌固形物)、または徐放コーティングを施したペレット(さまざまな量のコーティング剤が適用されていて、通常の投与形態で提示される薬物のものと比較して投薬頻度の低下を可能にするように薬物を放出する顆粒形態を薬物自体がとっている、固体剤形)に溶解または懸濁されうる。
その他の形態には、丸剤(経口投与を意図する、薬剤を含有する小さな円形の固体剤形)、粉末(内服または外用を意図しうる、乾燥し微細化された薬物および/または化学物質の完全な混合物)、エリキシル剤(溶解された薬剤を含有する、澄明で心地よい芳香があり甘味がある水性アルコール溶液;経口使用を意図する)、チューイングガム(噛むと原薬を口腔内に放出する、甘味と芳香があるさまざまな形の不溶性の可塑性材料)、シロップ(高濃度のスクロースまたはその他の糖を含有する経口溶液;この用語は、経口懸濁液を含む、甘く粘性を有する媒体中に調製されたその他の任意の液体剤形を含むようにも使用される)、錠剤(適当な希釈剤を含むまたは含まない、原薬を含有する固体剤形)、チュアブル錠(噛まれることを意図した、容易に嚥下されかつ苦いまたは不快な後味を残さない心地よい味がする残留物を口腔内に生じる、原薬を含有し適当な希釈剤を含むまたは含まない固体剤形)、コーティング錠もしくは遅延放出性錠剤、分散性錠剤、発泡性錠剤、徐放性錠剤、フィルムコーティング錠剤、または摂取後に長期間にわたって含有薬剤が利用できるようになるように錠剤が製剤化されているフィルムコーティングされた徐放性錠剤が含まれる。
その他の形態において、通常の剤形で提示される薬物のものと比較して少なくとも投薬頻度を低減させるように錠剤が製剤化されている、溶液剤用の錠剤、懸濁剤用の錠剤、多層錠剤、徐放性多層錠剤が提供されうる。口腔内崩壊錠、遅延放出性口腔内崩壊錠、可溶性錠剤、糖衣錠、および浸透性錠剤等もまた適している。
経口剤形組成物は、医薬有効成分、ならびに希釈剤、安定化剤、アルコール、結合剤、放出制御ポリマー、腸溶ポリマー、崩壊剤、賦形剤、着色剤、風味材料、甘味料、抗酸化剤、保存剤、色素、添加剤、充填剤、懸濁剤および界面活性剤(例えば、陰イオン性、陽イオン性、両性および非イオン性)などの1つまたは複数の不活性医薬成分を含みうる。さまざまなFDA認可の局所用不活性成分は、製造者がそのようなものとして特に意図する不活性成分を含むFDAの「The Inactive Ingredients Database」で見いだされ、ここで、不活性成分は、21 CFR 210.3(b)(7)に示した有効成分の定義にしたがい、ある特定の状況下では有効成分としてみなさすこともできる。アルコールは、製品製剤に応じて活性または不活性のいずれかに見なされうる成分の好例である。
本明細書で用いられる注射用および注入用の剤形には、これに限定されないが、リポソーム(活性原薬を内部に封入するように用いられるリン脂質で通常構成される脂質二重層の小胞)からなるかまたはそれを形成する、注射用リポソームが含まれる。非経口での使用を意図した滅菌調製物を含む注射剤も適していて;USPにより定義された5つの異なる注射剤の種類が存在する。非経口的に投与されることを意図した発熱物質を含まない滅菌調製物からなる乳剤を含む乳剤性注射剤、または脂質複合体注射剤も適している。
その他の形態には、非経口での使用のための溶液剤を形成する再構成を意図した滅菌調製物である、溶液注射剤用の粉末;非経口での使用のための懸濁剤を形成する再構成を意図した滅菌調製物である、懸濁注射剤用の粉末;リポソーム(脂質二重層内または水性空間中のいずれかに活性原薬を封入するように用いられるリン脂質で通常構成される脂質二重層の小胞)が再構成によって形成されるように製剤化されている、非経口での使用のための再構成を意図した滅菌フリーズドライ調製物である、リポソーム懸濁注射剤用に凍結乾燥された粉末;極低圧下の冷凍状態での製品からの水の除去を含む工程、凍結乾燥(「フリーズドライ」)により調製された溶液を意図する剤形である、溶液注射剤用に凍結乾燥された粉末が含まれる。
これは、注射剤の必要条件に全ての点で適合する溶液を作製するための液体の後添加;適当な流動媒体に懸濁した固体を含有しかつ滅菌懸濁剤の必要条件に全ての点で適合する、非経口での使用を意図した、液体調製物である懸濁注射剤用に凍結乾燥した粉末;極低圧下の冷凍状態での製品からの水の除去を含む工程、凍結乾燥(「フリーズドライ」)により調製される、懸濁剤を意図した薬剤;適当な溶媒または注射剤に適した相互混和性溶媒の混合物中に溶解した1つまたは複数の原薬を含有する液体調製物である溶液注射剤;適当な溶媒の添加により注射剤の必要条件に全ての点で適合する溶液を生じる、非経口での使用のための滅菌調製物である溶液濃縮注射剤を意図する。
懸濁注射剤は、水相全体に分散した可溶性ではない固体粒子からなる、注射に適した液体調製物を含み、液体調製物は、水相全体に分散した油相またはその逆の状態からなることもできる。懸濁リポソーム注射剤は、リポソーム(脂質二重層内または水性空間中のいずれかに活性原薬を封入するように用いられるリン脂質で通常構成される脂質二重層の小胞)が形成されるように水相全体に分散した油相からなる、注射に適した液体調製物を含む。超音波処理懸濁注射剤は、水相全体に分散した可溶性ではない固体粒子からなる、注射に適した液体調製物を含む。加えて、製品が超音波処理され、気体が懸濁物を通って泡立てられ、これによって、固体粒子によるマイクロスフェアの形成がもたらされる。
非経口キャリアシステムには、溶媒および共溶媒、安定化剤、湿潤剤、懸濁剤、増粘剤、乳化剤、キレート剤、バッファー、pH調整剤、抗酸化剤、還元剤、抗菌保存剤、増量剤、保護剤、等張化剤、ならびに特別な添加剤など、1つまたは複数の薬学的に適した賦形剤が含まれる。非経口投与に適した製剤は好適には、好ましくはレシピエントの血液と等張である、有効成分の油性または水性の滅菌調製物を含む。
本明細書で用いられる吸入剤形には、これらには限定されないが、圧力下で包装され、かつ皮膚への局所適用ならびに鼻(鼻エアロゾル)、口(舌および舌下エアロゾル)または肺(吸入エアロゾル)内への局部適用を意図した適切な弁システムの活性化により放出される治療的有効成分を含む製品であるエアロゾル;1つまたは複数の有効成分、界面活性剤、水性または非水性の液体、および噴霧剤を含有する剤形である泡状エアロゾル、ここで、噴霧剤が内相(不連続相)中にある(すなわち、水中油型)場合、安定性のある泡を放出し、噴霧剤が外相(連続相)中にある(すなわち、油中水型)場合、噴霧または急速分解性の泡を放出する;活性化毎に均一な噴霧量の送達を可能にする定量弁からなる加圧型剤形である定量エアロゾル;適切な弁システムの活性化により放出される、加圧下で包装されかつ治療的有効成分を含有する粉末形態の製品である粉末エアロゾル;および噴霧剤として圧縮ガスを利用して製品を湿った噴霧として噴出するのに必要な力をもたらすエアロゾル製品であり、水性溶媒中の薬剤の溶液に適用することができるエアロゾルスプレーが含まれる。
本明細書で用いられる経皮剤形には、これらに限定されないが、身体の外側に通常適用される粘着性を有する裏層をしばしば含有する、薬物送達システムであるパッチ、ここで、成分は、パッチの一部から受動的に拡散するかあるいは能動的に輸送され、かつパッチに応じて、成分は身体の外面または身体内のいずれかに送達される;ならびにマトリクス、リザーバーおよびその他の当技術分野において公知のものなど他の様々なタイプの経皮パッチが含まれる。
本明細書で用いられる局所剤形には、ローション剤(乳剤性液体剤形、この剤形は概して皮膚への外用向けである)、増強ローション剤(薬物送達を向上させたローション剤形、増強は剤形中の薬物の強度を意味するものではない)、ゲル剤(溶液またはコロイド分散液に剛性をもたらすゲル化剤を含有する半固体剤形、ゲル剤は浮遊粒子を含有してもよい)、および軟膏(20%未満の水分および揮発性物質ならびに媒体として50%を超える炭化水素、ワックスまたはポリオールを通常含有する半固体剤形、この剤形は一般に皮膚または粘膜への外用向きである)など当技術分野において公知のさまざまな剤形が含まれる。
増強軟膏(薬物送達を向上させた軟膏剤形、増強は剤形中の薬物の強度を意味するものではない)、クリーム剤(20%を超える水分および揮発性物質ならびに/または50%未満の炭化水素、ワックスもしくはポリオールを通常含有する乳剤性半固体剤形は、媒体としても用いられうる、ここでこの剤形は一般に皮膚または粘膜への外用向きである。増強クリーム剤(薬物送達を向上させたクリーム剤形、ここで、増強は剤形中の薬物の強度を意味するものではない)、乳剤(一般的に1つまたは複数の乳化剤により安定化される、一方が液滴、内相または分散相としてもう一方の液体、外相または連続相内に分散する、少なくとも2つの非混和性の液体で構成される二相系からなる剤形、ここで、乳剤は、クリーム剤、ローション剤、軟膏などのより具体的な用語が適用される場合を除き、剤形の用語として用いられる)、懸濁剤(液体媒体中に分散させた固体粒子を含有する液体剤形)、徐放性懸濁剤、ペースト剤(脂肪媒体中に微分散させた固体を高い比率、20〜50%含有する半固体剤形、ここで、この剤形は一般に皮膚または粘膜への外用向きである)、溶液剤(溶媒または相互混和性溶媒の混合物中で溶解した1つまたは複数の化学物質を含有する澄明な均一液体剤形)および粉末もまた適している。
シャンプー剤(髪と頭皮を清浄にするために通常用いられる、石けんまたは洗浄剤を有するローション剤形)はしばしば、皮膚科用作用物質向けの媒体として用いられる。例えば、シャンプー懸濁剤(髪および頭皮を清浄にするために用いられ、しばしば皮膚科用作用物質向けの媒体としても用いられる、液体媒体中に分散させた1つまたは複数の固体、不溶性物質を含有する液体石けんまたは洗浄剤)もしばしば用いられる。泡状エアロゾル(すなわち、1つまたは複数の有効成分、界面活性剤、水性または非水性液体、および噴霧剤を含む剤形;噴霧剤が内側の不連続相中にある、すなわち水中油型である場合、安定性のある泡を放出し、噴霧剤が外側の連続相中にある、すなわち油中水型である場合、噴霧または急速分解性の泡を放出する)、スプレー剤(空気の噴射または流れにより細分化された液体)、定量スプレー剤(活性化毎に指定量のスプレーの分注を可能にする弁からなる非加圧型剤形)、および懸濁スプレー剤(局部的に、最も普通には鼻-咽頭路にまたは皮膚へ局所的に適用される、粗い液滴の形でまたは微分散した固体として液体媒体中に分散させた固体粒子を含有する液体調製物)もまた適している。
ゼリー剤(凝集性の構造マトリクスが液体、通常は水を高い割り当てで含む、液体が浸透した小さな無機粒子または大きな有機分子のいずれかで構成された懸濁物からなる半固体系である、ゲル剤の一種)、ならびに徐放性フィルム剤(血液または標的組織中の薬物レベルを一定に維持するような方法で長期間にわたって薬物を放出するフィルム剤の形での薬物送達システム)および可溶性フィルム剤(液体と接触すると溶解されやすい薄層またはコーティング)を含むフィルム剤(薄層またはコーティング)もまた適している。
スポンジ(薬物を含有する、多孔性の組み合わさった吸収材料、典型的には、薬剤を塗布もしくは導入するまたは清浄にするために用いられ、スポンジは通常その形状は保持される)、スワブ(薬物を含有する比較的平らな吸収材料の小片、ここで、スワブは、小さな棒の一方の端に付着させてもよく、典型的には薬剤を塗布するまたは清浄にするために用いられる)。
パッチ剤(身体の外側に通常適用される粘着性を有する裏層をしばしば含有する薬物送達システム、ここで、その成分は、パッチの一部から受動的に拡散するかあるいは能動的に輸送され、パッチに応じて、成分は身体の外面または身体内のいずれかに送達され、パッチは往々にして用語「徐放性フィルム」および「システム」と同義である)、徐放性パッチ剤(通常の剤形、例えば、溶液剤または速効型薬物放出性の通常の固体剤形として提示される薬物のものと比較して投薬頻度が低下するように薬物を放出するパッチ剤の形での薬物送達システム)、および電子制御式徐放性パッチ剤(通常の剤形、例えば、溶液剤または速効型薬物放出性の通常の固体剤形として提示される薬物のものと比較して投薬頻度が低下するように薬物を放出する、電流により制御されるパッチ剤の形での薬物送達システム)など。さまざまな局所剤形が、即時放出、制御放出または持続放出などとして製剤化されてもよい。
局所剤形組成物は、医薬有効成分、ならびに賦形剤、着色剤、色素、添加剤、充填剤、皮膚軟化剤、界面活性剤(例えば、陰イオン性、陽イオン性、両性および非イオン性)および浸透性促進剤(例えば、アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステルおよびポリオール)などの1つまたは複数の不活性医薬成分を含有する。さまざまなFDA認可局所用不活性成分は、製造者がそのようなものとして特に意図する不活性成分を含むFDAの「The Inactive Ingredients Database」で見いだされ、ここで、不活性成分は、21 CFR 210.3(b)(7)に示した有効成分の定義にしたがい、ある特定の状況下では有効成分としてもみなされうる。アルコールは、製品製剤に応じて活性または不活性のいずれかに見なされうる成分の好例である。
以下の実施例は、例示のみを目的として提示され、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実施例は、当初骨粗鬆症の予防および治療に重要であると考えられていた2MD、1,25(OH)2D3の類似体が、続発性副甲状腺機能亢進症およびその随伴症状の予防および治療でも重要であることを例示する。腎臓が外科的に除去されているラットで行われた試験によって、毎日の経口および腹腔内(ip)への2MD投与が、媒体対照動物と比較して、血清PTH、リンおよびクレアチニン、腎臓不全の全ての指標のレベルを低下させることが示された。さらに、2MD投与は、血清カルシウムを上昇させない用量レベルでPTH、リンおよびクレアチニンレベルを低下させた。
実施例1
材料および方法
腎摘出ラットモデル。疾患誘導。雄のSprague-Dawley離乳ラットをHarlan(Madison, Wis.)から入手した。10〜13日の順化期間後、動物は一方の腎臓の3分の2を切除した。1週間後、もう一方の腎臓全体を切除した。次いで動物を、固形飼料から0.6%Caならびに0.9%リンならびに脂溶性ビタミンA、D、EおよびKを含有する精製齧歯類試料(Suda et al., Purified Rodent Diet-Diet 11)に切り替えた。水および試料を適宜与えた。
動物の飼育。動物を、コーンコブの敷床を備えた吊り下げ式のプッラスチック製靴箱型のケージ(手術前)またはステンレス製のワイヤー底ケージ(手術後およそ1週間)に収容した。動物室を68から72°Fの温度および25から75%の相対湿度に維持した。1日12時間の光を提供するように収容室を設定した。
処置群。2回目の手術のおよそ4週間後、各群が同じ平均PTHレベルを有するように、動物を処置群に割り当てた(14〜15動物/群)。
投薬準備(媒体製剤)。ネガティブコントロール材料を、エタノール(5%)およびNeobeeオイルを容積測定し、混合し、次いで2から8℃で保管することにより調製した。
投薬準備(2MD製剤)。2MD製剤(DP001、Sigma Aldrich Fine Chemicals, Madison, Wis.)を、まずUV分光光度法(吸光係数=42,000;λmax=252 nm)を用いてエタノール保存液の濃度を決定することにより調製した。次いで、最終溶液中のエタノールが5%未満になるように、Neobeeオイルに溶液を容積的に添加した。必要に応じて、最終エタノール量が5%になるように追加のエタノールを加えた。溶液を混合し、2から8℃で保管した。
投薬方法。媒体および2MDのどちらも、0.5 ml/kg体重で一日1回8週間にわたって舌の裏に経口投与されるか、あるいは週に3回4週間にわたって腹腔内投与された。
血清副甲状腺ホルモン(PTH)レベル。「血清PTHレベル」とは、副甲状腺により放出されるPTHの量を意味する。PTHは、身体のカルシウムレベルおよびリンレベルの最も重要な調節因子であり、血中のカルシウムのレベルにより制御される。低い血中カルシウムレベルは、放出されるPTHの増加をもたらし、一方、高い血中カルシウムレベルはPTH放出を阻害する。正常値は10〜55ピコグラム/ミリリットル(pg/mL)である。術後4週および処置開始後4および8週に、尾動脈から血液を採取し、Immutopics, Inc.(San Clemente, Calif.)のラットBioActive Intact PTH ELISA Kitを用いて、生物活性血清PTHの濃度を測定した。
血清カルシウム分析。術後4週および処置開始後4および8週に、各実験動物の尾動脈から血液を採取した。血液を室温で凝固させ、次いで、3000×gで15分間遠心した。血清をポリプロピレン管に移し、−20℃で冷凍保存した。カルシウムのレベルを、血清を0.1%塩化ランタンに希釈し、原子吸光光度計(Perkin Elmer Model 3110, Shelton, Conn.)で吸光度を測定することにより決定した。
リンのアッッセイ。術後4週および処置開始後8週に、各実験動物の尾動脈から血液を採取した。血液を室温で凝血凝固させ、次いで、3000×gで15分間遠心した。血清をポリプロピレン管に移し、−20℃で冷凍保存した。臨床分析器(Pentra 400, Horiba ABX Diagnostics-France;リンモリブデン酸塩を用いるUV法)を用いてリンのレベルを決定した。
クレアチニンのアッセイ。血清クレアチニンレベルの測定は、腎機能障害を評価する有用かつ安価な方法である。クレアチニンは、骨格筋組織によるクレアチニンリン酸代謝の非タンパク質性老廃物である。クレアチニン産生は連続的なものであり、かつ筋肉量と比例する。クレアチニンは制限なく濾過されるため、血清クレアチニンレベルは糸球体濾過量(GFR)に依存する。腎機能障害はクレアチニンを濾過する能力を減弱し、血清クレアチニンは上昇する。血清クレアチニンレベルが倍増するならば、GFRは半減していると見なされる。3倍増加は、腎臓機能の75%損失を反映していると見なされる。
以下の実施例において、血清クレアチニンレベルを術後4週および処置開始後8週に評価した。各実験動物の尾動脈から血液を採取した。血液を室温で凝固させ、次いで、3000×gで15分間遠心した。血清をポリプロピレン管に移し、−20℃で冷凍保存した。クレアチニンのレベルは、臨床分析器(Pentra 400, Horiba ABX Diagnostics-France;Jaffe反応)を用いて決定され、腎機能の不全および慢性腎炎の指標となる。本発明の1つの態様において、およそ30%の血清クレアチニンレベルの最小減少が、本発明の方法による処置後に期待される
実施例2
ラット***モデル−2MPの腹腔内(ip)投与
図1は2MBによるip処置プロトコルを略図的に示す。図2に示すように、週に3回の5 ng/kg体重での2MDのip投与は、血清PTHの増加を防ぎ、10 ng/kg体重で循環PTHレベルを抑制する。図3に示すように、2MDのip投与は、10 ng/kg体重の用量を投与するまで、血清カルシウムレベルを上昇させなかった。
実施例3
ラット***モデル−Zemplar(登録商標)と比較した2MDの経口投与
図4は、2MDによる経口処置プロトコルを略図的に示す。図5に示すように、1〜5 ng/kg体重の1日用量での2MDの経口投与は、血清PTHレベルの増加を防いだ、あるいは血清PTHレベルの減少をもたらした。観察された効果は8週間の治療中継続した。図6に示すように、30〜300 ng/kg体重の1日用量でのZemplar(登録商標)の経口投与は、血清PTHレベルの増加を防いだが、疾患が進行したことから、治療効果は失われていた。図7は、経口投与されたときに、臨床的に有意な血清カルシウムの増加が5 ng/kg体重の2MD用量で観察されたことを図示する。図8は、経口投与されたときに、臨床的に有意な血清カルシウムの増加が100および300 ng/kg体重の用量のZemplar(登録商標)で観察されたことを図示する。
図9に示すように、1〜5 ng/kg体重の1日用量での2MDの経口投与は、腎摘出ラットの血清リンレベルを低下させた。これに対して、Zemplar(登録商標)の経口投与は腎摘出ラットの血清リンレベルを減少させなかった。
図11に示すように、1〜5 ng/kg体重の1日用量での2MDの経口投与は、媒体対照動物と比較して血清クレアチニンレベルの低下をもたらした。これに対して、Zemplar(登録商標)の経口投与は、媒体対照動物と比較して血清クレアチニンレベルを低下させたが、血清カルシウムを有意に増加させる用量レベルでしか低下させなかった。
実施例4
Phase 1B臨床試験−閉経後女性に対する2MDの経口投与
図13は、110ナノグラム(ng)の用量での閉経後女性への1日1回28日間の2MDの経口投与が血清PTHレベルを21%減少させ、440 ngの用量が血清PTHレベルを67%減少させることを図示する。
データの解釈
2MDまたは2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3は、腎不全のラットモデルにおいて続発性副甲状腺機能亢進症を効果的に軽減する。腎臓量のうち1/6を残して全て外科的に除去し、高リン食餌で飼育されているラットは、血中のPTHレベルの上昇を発症する。毎日または週に3回の投薬計画による2MDの経口投与または腹腔内投与は、PTHの循環レベルを減少させる。加えて、2MDは、血中のリンおよびクレアチニンの両方のレベルのさらなる増加を防ぐ、またはそれらのレベルを低減させる可能性があるという付加的な利点を有する。さらに、2MDは、経口的に処置されたラットにおいて8週間にわたって長期持続効果を示し、引き続きPTHレベルの減少を示す、一方で、他のビタミンD化合物は、この動物モデルにおいて処置の4週後にその有効性を失う。

Claims (9)

  1. 続発性副甲状腺機能亢進症またはその症状を有するかまたはそれを発症するリスクがある対象において、対象に高カルシウム血症を誘発させることなく、続発性副甲状腺機能亢進症またはその症状を治療または予防するための、2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3またはその薬学的に許容される塩の使用。
  2. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、経口、局所、経皮、非経口、注射または注入用の剤形で製剤化される、請求項1記載の使用。
  3. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、約20 ng/日から約1 μg/日を対象に投与するための用量で製剤化される、請求項1記載の使用。
  4. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、約40 ng/日から約600 ng/日を対象に投与するための用量で製剤化される、請求項1記載の使用。
  5. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、約600 ng/日を対象に投与するための用量で製剤化される、請求項1記載の使用。
  6. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、約400 ng/日を対象に投与するための用量で製剤化される、請求項1記載の使用。
  7. 対象が血液透析処置を受けている、請求項1記載の使用。
  8. 2-メチレン-19-ノル-(20S)-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3が、週に約3回対象に投与するための剤形で製剤化される、請求項7記載の使用。
  9. 続発性副甲状腺機能亢進症の症状が、血清PTH、血清リンおよび血清クレアチニンからなる群より選択される、請求項1記載の使用。
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