抗血管新生剤は一般に、様々な癌の処置で用いられる。抗血管新生剤に関連する共通の問題は、処置の間に腫瘍細胞によって薬に対する耐性が高まることである。抗血管新生剤であるパゾパニブは、チロシンキナーゼ阻害剤である。パゾパニブに対する耐性は、癌の治療中に進行することもあり、パゾパニブの効能を低下させ、最終的には人命を救う可能性のある薬物の使用を患者に断念させる。パゾパニブのような抗血管新生剤に対する耐性の効果を低下させるまたは減少させる新しい治療パラダイムが必要とされている。
HDAC阻害剤は、腫瘍細胞ゲノムに様々な後成的修飾をもたらす。これらの修飾により、HDAC阻害剤と同時投与された任意の化学療法剤の効能が増加することもある。例えば、HDAC阻害剤は、様々な化学療法剤に対するDNAの到達性を増加させ、したがって、化学療法剤の細胞毒性を増加させる。N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(N,N−ジメチルアミノメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド(PCI−24781またはアベキシノスタットとしても知られている)は、ヒトの癌の処置で使用されるヒドロキサメートベースのHDAC阻害剤である。
特定の実施形態において、個体での抗血管新生剤の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)抗血管新生剤を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、 抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、個体でのパゾパニブまたはその塩の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、抗血管新生剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、 抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
<特定の化学用語>
用語「医薬組成物」は、活性薬剤(または成分)と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、コーティング、および/または賦形剤等の他の化学成分との混合物を表す。医薬組成物はヒトへの化合物の投与を促す。1つの態様では、活性薬剤はHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)である。1つの態様では、活性薬剤はアベキシノスタットのHCl塩である。
「制御放出」は、本明細書で用いられるように、完全に即時放出性ではない任意の放出特性のことを指す。
「バイオアベイラビリティ」は、治療中の動物またはヒトの全身循環に送達される、投与されたHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩の重量の割合を指す。静脈内に投与された時の薬物の総曝露(AUC(0−∞))は通常、100%生体利用可能(F%)として定義される。「経口バイオアベイラビリティ」は、静脈注射と比較して、医薬組成物が経口摂取される際に、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩が全身循環に吸収される程度を指す。
「血漿濃度」は、被験体の血液の血漿成分における、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩の濃度を指す。HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩の血漿濃度は、代謝および/または他の治療薬との相互作用に関する変動次第で、被験体間で著しく異なることもあることに留意する。1つの態様では、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩の血漿濃度は、被験体ごとに異なる。同様に、最大の血漿濃度(Cmax)または最大の血漿濃度に到達する時間(Tmax)などの値、あるいは、血漿濃度時間曲線下の総面積(AUC(0−∞))は、被験体ごとに異なる。このばらつきにより、1つの実施形態では、「治療上有効な量」のHDAC「阻害剤」(例えばアベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩を構成するのに必要な量は、被験体ごとに異なる。
HDAC阻害剤の「有効な血漿濃度」は、癌の治療に有効な暴露レベルをもたらす血漿中のHDAC阻害剤の量を指す。
「薬物吸収」または「吸収」は、典型的には、薬物の投与部位から障壁を超えて血管または作用部位までの薬物の移動のプロセス、例えば、胃腸管から門脈またはリンパ系への薬物の移動を指す。
「測定可能な血清中濃度」または「測定可能な血漿濃度」は、投与後に血流へと吸収された、血清1ml、1dl、または1l当たりの、治療薬のmg、μg、またはngで一般に測定された血清または血漿の濃度について記載する。本明細書に使用されるように、測定可能な血漿濃度は一般に、ng/mlまたはμg/mlで測定される。
「薬力学」は、作用部位での薬物の濃度に関して観察された生物学的な反応を決定する因子を指す。
「薬物動態学」は、作用部位での薬物の適切な濃度の達成と維持を決定する因子を指す。
「休薬期間」は、一定期間にわたって、薬物の投与を停止する一時的減少させるまたは一時的に停止することを意味する。休薬期間の長さは、2日から1年の間で変化し、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、および、365日を含む。他の実施形態において、休薬期間中の投与量の減少は、ほんの一例として、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、および、約100%を含む、約10%〜約100%である。
「飢餓状態」または「空腹時(intergestive)」は、胃が空腹期の消化管強収縮運動(IMMC)と呼ばれる周期的活動を示す生理的状態である。周期的活動は4つの相で生じる:相Iは最も不活発なもので、45〜60分続き、収縮をほとんどまたはまったく起こさない;相IIは、次第に規模を増す不規則で断続的な広範な収縮の発生を特徴とする;5〜15分続く相IIIは、胃と小腸の両方を含む蠕動波が突発的に出現することを特徴とする;および、相IVは、次のサイクルが始まるまで続く、活性の減少する過渡期である。総周期時間はおよそ90分であり、したがって、強力な蠕動波は、空腹状態のあいだ90分ごとに胃の内容物を掃除する。IMMCは腸のハウスキーパーとして作用し、呑みこんだ唾液、胃液分泌、および、小腸や結腸への残骸を一掃し、細菌の異常増殖を防ぎつつ、次の食事のために上部管を準備してもよい。膵臓ペプチドおよびモチリンの膵臓の外分泌液も、これらの運動パターンと同期して循環する。
「摂食状態」または「食後」は、食物摂取によって引き起こされた生理的な状態である。これは、消化管の運動パターンに対する変化で始まり、変化は、30秒から1分にわたって生じる。胃は、空腹状態の収縮に類似するがその半分の振幅で、毎分3−4回の連続的および規則的な収縮を起こす。胃の内容物が遠位の小腸に達する前に、変化は消化管のすべての部位でほとんど同時に生じる。液体と小さな粒子は、胃から腸へと連続的に流れる。胃の収縮によって、液体と小さな粒子が一部開いた幽門を通り抜けることを可能にするふるいわけプロセス(sieving process)が生じる。幽門のサイズよりも大きな消化しにくい粒子は、胃に逆戻りして(retropelled)保持される。大きさが約1cmを超える粒子は、およそ4〜6時間、胃の中でこのように保持される。
本明細書で使用されているように、活性薬剤(例えば、抗血管新生剤、より具体的には、パゾパニブ)の有効性は、活性薬剤に対する耐性を低下させる、活性薬剤に対する耐性の発達を遅らせる、 活性薬剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、活性薬剤の有用性を持続させる、活性薬剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における活性薬剤の使用を可能にする、活性薬剤に対する患者の反応を増加させる、活性薬剤に対する細胞の反応を増加させる、活性薬剤の有効な投与量を減少させる、または、その任意の組み合わせを含む。
<アベキシノスタット>
アベキシノスタット(またはPCI−24781)は、ヒドロキサメートベースのHDAC阻害剤である。アベキシノスタットは、化学名3−[(ジメチルアミノ)メチル]−N−{2−[4−(ヒドロキシカルバモイル)フェノキシ]エチル}−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドを有する。
特定の実施形態において、個体での抗血管新生剤の有効性を高める方法が本明細書に開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)抗血管新生剤を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、 抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、個体でのパゾパニブの有効性を高める方法が本明細書に開示されており、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
さらに特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、抗血管新生剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
さらに特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
癌は、癌抑制遺伝子の機能の損失および/または癌遺伝子の機能または過剰活性化の獲得を引き起こす、遺伝子突然変異および欠失ならびに染色体異常などの遺伝的欠陥に由来することもある。
癌はしばしば腫瘍内の遺伝子発現におけるゲノム全体の変化を特徴とする。これらの変化は、腫瘍が細胞周期によって進行する、アポトーシスを防ぐ、または、化学療法に対して耐性を持つ能力を増強する。HDAC阻害剤は、これらの変化のいくつかを逆転させ、かつ、正常細胞のようなパターンを回復させることが示されてきた。
ヒトゲノムは、細胞の必要性によってスイッチをオンオフする遺伝子の複雑なネットワークからなる。遺伝子がスイッチをオンオフする経路の1つは、ヒストンタンパク質の化学的修飾によるものである。ヒストンタンパク質は、染色体の構造成分であり、DNA(遺伝物質)が整えられる足場を形成する。よく研究されたヒストン修飾はアセチル化および脱アセチル化であり、ヒストンアセチルトランスフェラーゼおよびヒストンデアセチラーゼとして知られている酵素のファミリーによって触媒される修飾である。
アベキシノスタットによるHDAC酵素の阻害は、転写が起こり得る状態であるアセチル化状態に有利に働き、これは遺伝子を「オン」にすることと見なすことができる。細胞がアベキシノスタットで処理されると、あらかじめ沈黙化させた遺伝子の波が最初にオンになる。これらの遺伝子のいくつかはそれ自体が制御因子であり、さらに別の遺伝子の発現を活性化または抑制する。その結果は遺伝子発現に対する変化のオーケストラである:遺伝子のなかにはオンになるものもあれば、オフ状態のままの遺伝子もある。
化学療法および/または放射線治療後、患者の腫瘍の一部は、治療に適合し、かつ、細胞死に対する耐性を備えるための腫瘍による戦略として、特定の遺伝子をオンにすることもある。多くの癌で生じる遺伝子変化の1つの例は、DNA修復遺伝子RAD51の活性化である。DNAに損傷を与える化学療法または放射線を用いた処置に反応して、腫瘍は、これらの薬剤によって行われたDNA損傷の修復を助けるための適応戦略として、DNA修復遺伝子(RAD51を含む)をしばしばオンにする。前臨床モデルでは、アベキシノスタットは、その損傷を受けたDNAを修理する腫瘍の能力を有効に遮断し、化学療法と放射線に対して腫瘍を感作させ、RAD51(および、他のDNA修復遺伝子)をオフにすることができた。
前臨床研究では、アベキシノスタットおよびその塩(例えば、アベキシノスタットHCl)は、著しい腫瘍特異性を備えた抗癌活性を有することが分かっている。これらの初期の研究は、アベキシノスタットおよびその塩(例えばアベキシノスタットHCl)のインビトロおよびインビボの活性に関する重要な情報をもたらし、抗癌性効果の基礎となる分子の機構を決定した。
インビトロ:アベキシノスタットおよびその塩(例えば、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)HCl)は、多くの腫瘍細胞株に対して有効であり、肺、結腸、前立腺、膵臓、および脳の腫瘍を持つマウスモデルにおいて効果的である。
エキソビボ:アベキシノスタットおよびその(例えば、アベキシノスタットHCl)は、結腸、卵巣、肺、および多くの血液の癌の患者からのヒト原発性腫瘍に対して有効である。
多くの動物種で、広範囲な安全性および毒性学の研究が行われてきた。アベキシノスタットおよびその塩(例えば、アベキシノスタットHCl)の作用機序は研究されており、腫瘍細胞に対する多面的な攻撃を含んでいる:p21および他の腫瘍抑制剤、ならびに、細胞周期遺伝子のアップレギュレーション;活性酸素種の誘発および酸化防止経路の減少;カルシウム恒常性の変化とERストレスの増加;DNA修復経路のダウンレギュレーションとDNA損傷の増加;死亡受容体とカスパーゼの活性化によるアポトーシスの直接的な誘発。
癌のヒトを含む臨床試験では、溶液形態のアベキシノスタットは、単回経口投与量として、および、複数回の2時間の静脈注射投与量として、2mg/kg投与された。静脈内投与および経口投与に関してAUC0−∞として測定された全身曝露は、それぞれ5.9μM*hrおよび1.45μM*hrであり、ヒトで約27%の経口バイオアベイラビリティを示唆している。
<処置レジメン>
特定の実施形態において、個体での抗血管新生剤の有効性を高める方法が本明細書に開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)抗血管新生剤を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、個体でのパゾパニブの有効性を高める方法が本明細書に開示されており、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
さらに特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、抗血管新生剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤は、パゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、癌は血液の癌、固形腫瘍、または肉腫である。
いくつかの実施形態では、癌は肉腫である。いくつかの実施形態では、癌は軟部組織肉腫である。
いくつかの実施形態では、癌は以下から選択される:乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肝臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚部癌、膀胱癌、胃癌、胃腸間質性腫瘍、膵癌、胚細胞腫、肥満細胞腫、神経芽腫、肥満細胞症、精巣癌、膠芽腫、星状細胞腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、および、腎細胞癌。
いくつかの実施形態では、癌は以下から選択される:乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頚部癌、胃癌、膵癌、膠芽腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、および、腎細胞癌。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌または卵巣癌である。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)およびパゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、1つの剤形(例えば1つの経口剤形)で投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)およびパゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に(すなわち、別の経口剤形で)投与される。HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)およびパゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)が、別々に投与される場合、それらは同時にまたは連続して投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)およびパゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に連続して投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)およびパゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に同時に投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、1つの剤形(例えば1つの経口剤形)で投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に(すなわち別の経口剤形で)投与される。アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩、例えば、パゾパニブHCl)が別々に投与される場合、それらは同時にまたは連続して投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に連続して投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、別々に同時に投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、即時放出剤形によって投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、制御放出剤形によって投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、制御放出剤形によって投与され、および、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、即時放出剤形によって投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、即時放出剤形によって投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、制御放出剤形によって投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、制御放出剤形によって投与され、および、パゾパニブまたはパゾパニブ年(例えばパゾパニブHCl)は、即時放出剤形によって投与される。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、経口で(例えば、カプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および/または、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は静脈内に投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、飢餓状態で投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、パゾパニブ(またはその塩)は飢餓状態で投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩)は、飢餓状態で投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩)は飢餓状態で投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、パゾパニブ(またはその塩)は飢餓状態で投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)、および、パゾパニブ(またはその塩)は、飢餓状態で投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、パゾパニブ(またはその塩)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、パゾパニブ(またはその塩)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、パゾパニブ(またはその塩)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)、および、パゾパニブ(またはその塩)は、食事の少なくとも約1時間前または食事の少なくとも約2時間後に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のHDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を1日に二回投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約400mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のHDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)と、約200mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を1日に二回投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のHDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタットまたはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)と、約216.7mg乃至約866.8mgのパゾパニブHClを1日に二回投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)を1日に二回投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約400mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)と、約200mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を1日に二回投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)と、約216.7mg乃至約866.8mgのパゾパニブHClを1日に二回投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)を5日間静脈内に投与する工程であって、その後、アベキシノスタット(またはその塩)を2日間投与しない工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約400mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)を5日間静脈内に投与する工程であって、その後、(a)アベキシノスタット(またはその塩)と、(b)約200mg乃至約800mgのパゾパニブ(またはその塩)を投与しない、工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、約30mg/m2乃至約75mg/m2のアベキシノスタット(またはその塩)を5日間静脈内に投与する工程であって、その後、(a)アベキシノスタット(またはその塩)と、(b)約216.7mg乃至約866.8mgのパゾパニブ(またはその塩)を投与しない、工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、癌が寛解状態になるまで継続される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、疾患進行、承諾しがたい毒性、または個々の選択まで継続される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、長期的に継続される。
<アベキシノスタット>
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して1〜14日、連続して2〜14日、連続して3〜14日、連続して4〜14日、連続して5〜14日、連続して6〜14日、連続して7〜14日、連続して8〜14日、連続して9〜14日、連続して10〜14日、連続して11〜14日、連続して12〜14日、または、連続して13〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して1〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して2〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して3〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して4〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して5〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して6〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して7〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して8〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して9〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して10〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して11〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して12〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して13〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、5〜9日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、6〜8日である。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して2日、連続して3日、連続して4日、連続して5日、連続して6日、連続して7日、連続して8日、連続して9日、連続して10日、連続して11日、連続して12日、連続して13日、または、連続して14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して2日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して3日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して4日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して5日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して6日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して7日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して8日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して9日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して10日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して11日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して12日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して13日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルは、連続して14日である。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルの間、1日当たり1回投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルの間、1日当たり2回投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルの間、1日当たり3回投与される。特定の例においては、1日2回の投与は、1日3回の投与と比較して、血小板減少症の発生を減らす。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルの間、1日当たり2回投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の投与量は、それぞれ4〜8時間おいて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、第1の投与量のアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、第2の投与量のアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与する工程を含み、第1の投与量と第2の投与量は4〜8時間おいて投与される。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のサイクルの間に、1日当たり3回投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)のそれぞれの投与量は、4〜8時間おいて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、第1の投与量のアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、第2の投与量のアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)、および、第3の投与量のアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与する工程を含み、第1の投与量、第2の投与量、および第3の投与量は、4〜8時間おいて投与される。
治療効果については、ヒトでのアベキシノスタットの有効な血漿濃度は、投与期間中は毎日、少なくとも連続6時間、少なくとも連続7時間、または少なくとも連続8時間、維持されなければならない。数日間の投与期間中に、連続約6時間から連続約8時間、アベキシノスタットの有効な血漿濃度を維持することは、腫瘍細胞の増殖阻害の効能を高めて、血小板減少の発生を最小限に抑える。
いくつかの実施形態では、ヒトのアベキシノスタットの有効な血漿中濃度は、等薬期間中、毎日、少なくとも連続6時間維持される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の投与量は、少なくとも連続して約6時間、個体でのHDAC阻害剤の有効な血漿濃度を維持するのに十分である。
いくつかの実施形態では、ヒトでのアベキシノスタットの有効な血漿中濃度は、投与期間中、毎日、少なくとも連続7時間維持される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の投与量は、少なくとも連続して約7時間、個体でのHDAC阻害剤の有効な血漿濃度を維持するのに十分である。
いくつかの実施形態では、ヒトでのアベキシノスタットの有効な血漿中濃度は、投与期間中、毎日、少なくとも連続8時間維持される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の投与量は、少なくとも約8連続時間、個体でのHDAC阻害剤の有効な血漿濃度を維持するのに十分である。
いくつかの実施形態では、ヒトでのアベキシノスタットの有効な血漿濃度は、投与期間中、少なくとも連続6時間(ただし、12、13または14時間を超えない)維持される。投与期間中、少なくとも連続6時間(ただし、連続14時間を超えない)、アベキシノスタットの有効な血漿濃度を維持することは、腫瘍細胞の増殖阻害の効能を高めて、血小板減少の発生を最小限に抑える。
即時放出カプセルまたは経口溶液として投与された、ヒトにおけるアベキシノスタットの経口バイオアベイラビリティは、約27%であることが分かった。絶食状態と摂食状態の実験動物で、薬物動態学の差が観察された。アベキシノスタットは、腸で優先的に吸収されるように見える。
ヒトに投与されるアベキシノスタット一日の量は、約10mg/mm2から約200mg/mm2まで変動する。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、約30mg/日乃至約90mg/日の間である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、約60mg/日乃至約150mg/日の間である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、約20mg/mm2、約30mg/mm2、約40mg/mm2、約50mg/mm2、約60mg/mm2、約70mg/mm2、約80mg/mm2、約90mg/mm2、約100mg/mm2、約110mg/mm2、約120mg/mm2、約130mg/mm2、約140mg/mm2、または約150mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、20mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、30mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、40mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、50mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、60mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、70mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、80mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、90mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、100mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、110mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、120mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、130mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、140mg/mm2である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、150mg/mm2である。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタットの1日投与量は、約40mg乃至約600mgのアベキシノスタットである。
投与されるアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の1日投与量は、非限定的な例として、利用される製剤のタイプ、癌の種類とその重症度、ヒトのアイデンティティ(例えば、体重、年齢)、および/または、投与経路を含む因子に依存して変わる。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、即時放出剤形によって投与される。本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、制御放出剤形によって投与される。
いくつかの実施形態では、剤形は、投与後約2時間乃至約10時間にわたって、アベキシノスタット(またはその塩)を完全に放出する。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、経口で(例えば、カプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、即時放出経口剤形(例えば、カプセルまたは錠剤によって)によって投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、制御放出経口剤形(例えばカプセルまたは錠剤によって)によって投与される。
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、方法は、アベキシノスタット(またはその塩)を含む第1の即時放出経口剤形、および、アベキシノスタット(またはその塩)を含む第2の即時放出経口剤形を投与する工程を含み、第2の即時放出経口剤形は、第1の即時放出経口剤形から4から約8時間おいて投与される。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、個体が飢餓状態であるとき、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、食事の少なくとも約1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)は、食事の少なくとも約2時間後に投与される。
いくつかの実施形態では、癌が寛解状態になるまで、アベキシノスタット(またはその塩)は投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)は、疾患進行、許容しがたい毒性、または個々の選択まで投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)は長期的に投与される。
<アベキシノスタットの休薬日>
特定の例においては、血小板減少は、HDAC阻害剤化合物を用いた処置を受けたヒトで観察される副作用である。グレード4の血小板減少は一般に、ヒトが1mm2当たり25,000未満の血小板数を有している場合を含む。血小板減少症は、アベキシノスタットの1日投与量を低下させることにより、改善または回避されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)サイクル後に、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間を含む。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の処置レジメンの効能を損なわない。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して1〜14日、連続して2〜14日、連続して3〜14日、連続して4〜14日、連続して5〜14日、連続して6〜14日、連続して7〜14日、連続して8〜14日、連続して9〜14日、連続して10〜14日、連続して11〜14日、連続して12〜14日、または、連続して13〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して1〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して2〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して3〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して4〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して5〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して6〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して7〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して8〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して9〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して10〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して11〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して12〜14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して13〜14日である。
いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の休薬期間は、連続して2日、連続して3日、連続して4日、連続して5日、連続して6日、連続して7日、連続して8日、連続して9日、連続して10日、連続して11日、連続して12日、連続して13日、または、連続して14日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して2日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して3日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して4日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して5日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して6日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して7日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して8日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して9日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して10日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して11日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して12日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して13日である。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)休薬期間は、連続して14日である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、5−9日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、5−9日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、5−9日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、2−9日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、6−8日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、6−8日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、6−8日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、2−8日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、7日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、7日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、5日連続して毎日アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与し、その後、2日連続してアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)を投与しない工程を含む。
<パゾパニブ>
パゾパニブ、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾル(indazol)−6−イル)(メチル)アミノ]ピリミジン−2−イル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド一塩酸塩は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)−1、−2、および、−3、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)−α、および、PDGFR−β、ならびに、幹細胞因子受容体(c−KIT)に関連するチロシンキナーゼ活性をターゲットとする経口の血管形成阻害剤である。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)と組み合わせて個体に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブは、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)と組み合わせて個体に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClは、アベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)と組み合わせて個体に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClはアベキシノスタット(例えばアベキシノスタット HCl)の塩と組み合わせて個体に投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、個体に連続的に、例えば、休薬期間なしで投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)の投与は、アベキシノスタットが投与されない日(すなわちアベキシノスタットの休薬期間中)には中止されない。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)の投与は、アベキシノスタットが投与されない日(すなわちアベキシノスタットの休薬期間中)に中止される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、即時放出剤形によって投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、制御放出剤形によって投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、経口で(例えばカプセルまたは錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、即時放出経口剤形(例えばカプセルまたは錠剤によって)によって投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、制御放出経口剤形(例えばカプセルまたは錠剤によって)によって投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、癌が寛解状態になるまで、アベキシノスタット(またはその塩)は投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)は、疾患進行、許容しがたい毒性、または個々の選択まで投与される。いくつかの実施形態では、アベキシノスタット(またはその塩)は長期的に投与される。
いくつかの実施形態では、個体が飢餓状態にあるときに、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、食事の少なくとも約1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩、例えばパゾパニブHCl)は、食事の少なくとも約2時間後に投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり1回、1日当たり2回、1日当たり3回、または、1日当たり4回、投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は1日当たり1回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり2回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり3回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり4回投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり2回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)のそれぞれの投与量は、4〜8時間おいて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、第1の投与量のパゾパニブ(またはその塩)、および、第2の投与量のパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含み、第1の投与量と第2の投与量は、4〜8時間おいて投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり3回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)のそれぞれの投与量は4〜8時間おいて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、第1の投与量パゾパニブ(またはその塩)、第2の投与量のパゾパニブ(またはその塩)、および、第3の投与量のパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含み、第1の投与量、第2の投与量、および第3の投与量は、4〜8時間おいて投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)は、1日当たり4回投与される。いくつかの実施形態では、パゾパニブ(またはその塩)のそれぞれの投与量は4〜8時間おいて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、第1の投与量パゾパニブ(またはその塩)、第2の投与量のパゾパニブ(またはその塩)、第3の投与量のパゾパニブ(またはその塩)、および、第4の投与量のパゾパニブ(またはその塩)を投与する工程を含み、第1の投与量、第2の投与量、第3の投与量、および、第4の投与量は、4〜8時間おいて投与される。
いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は、約200mg乃至約800mg、約400mg乃至約800mg、または、約600mg乃至約800mgまでである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は、約200mgmgから約800mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は、約400mgmgから約800mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は、約600mgmgから約800mgである。
いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は、約200mg、約400mg、約600mg、または、約800mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は約200mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は約400mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は約600mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブの1日投与量は約800mgである。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClの1日投与量は、約216.7mgから約866.8mg、約433.4mgから約866.8mg、または、約650.1mgから約866.8mgまでである。いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClの1日投与量は、約216.7mgmgから約866.8mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClの1日投与量は、約433.4mgmgから約866.8mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClの1日投与量は、約650.1mgmgから約866.8mgである。
いくつかの実施形態では、パゾパニブ HClの1日投与量は、約216.7mg、約433.4mg、約650.1mg、または、約866.8mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブHClの1日投与量は約216.7mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブHClの1日投与量は約433.4mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブHClの1日投与量は約650.1mgである。いくつかの実施形態では、パゾパニブHClの1日投与量は約866.8mgである。
投与されるアベキシノスタット(またはその塩、例えば、アベキシノスタットHCl)の1日投与量は、非限定的な例として、用いられた製剤の種類、癌のタイプおよびその重症度、ヒトのアイデンティティ(例えば、体重、年齢)、および/または、投与経路によって変動する。
<HDAC阻害剤化合物>
特定の実施形態において、個体での抗血管新生剤の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでHDAC阻害剤またはその塩、および、(b)抗血管新生剤を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はアベキシノスタットである。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、個体でのパゾパニブまたはその塩の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでHDAC阻害剤またはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はアベキシノスタットである。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
さらに特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでHDAC阻害剤またはその塩、および、(b)抗血管新生剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はアベキシノスタットである。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤は、パゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでHDAC阻害剤またはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はアベキシノスタットである。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、 パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(N,N−ジメチルアミノメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド(アベキシノスタット)は以下の構造を有する。
1つの態様では、アベキシノスタットは、薬学的に許容可能な塩として本明細書に開示された方法で使用される。1つの態様では、アベキシノスタットは塩酸塩塩として使用される。
アベキシノスタットの追加の薬学的に許容可能な塩は次のものを含んでいる:(a)アベキシノスタットの酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)、または、アルミニウムイオンに置き換えられる際に、あるいは、アンモニウム陽イオン(NH4 +)に置き換えられる際に形成される塩、(b)エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどのアルキルアミンを含む薬学的に許容可能な有機塩基とアベキシノスタットを反応させることによって形成される塩、および、アルギニン、リジンなどのアミノ酸を含む塩、(c)酸付加塩を与える薬学的に許容可能な酸とアベキシノスタットを反応させることによって形成される塩。薬学的に許容可能な酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などを含んでいる;有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコペプトン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などを含む。
追加の薬学的に許容可能な塩は、Berge et al., J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1−19;And “Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use,” Stah and Wermuth, Ed.; Wiley−VCH and VHCA, Zurich, 2002.に記載されている塩を含む。
いくつかの実施形態では、様々な代謝反応に影響されやすい本明細書に記載される化合物の芳香環部分上の部位は、様々な代謝反応が減らされ、最小限に抑えられ、または、取り除かれるように修飾される。そのような修飾は、ほんの一例として、ハロゲン、ジューテリウムなどの芳香族環構造の適切な置換基の取り込みを含んでいる。1つの態様では、本明細書に記載のHDAC阻害剤化合物は、代謝反応に影響されやすい部位で重水素化される。
1以上の原子が、一般的に自然で見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されるという事実を別にすれば、本明細書に記載の化合物は、本明細書で提示される様々な式および構造で列挙されたものと同じ、同位体で標識された化合物を含む。本化合物に取り込むことが出来る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、および、塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Clが挙げられる。本明細書に記載される特定の同位体で標識された化合物、例えば、3Hや14Cなどの放射性同位体が取り込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。さらに、重水素、すなわち、2Hなどの同位体による置換は、代謝の一層の安定に由来する特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の増加または必要投与量の減少をもたらす。
医薬組成物、薬物動態戦略、投与レジメン、処置の方法、および併用両方で使用することを企図される他のHDAC阻害剤化合物は、式(I)の構造を含む化合物、または、その薬学的に許容可能な塩を含んでいる:
式中、
Xは−O−、−NR2−、または、−S(O)nであり、ここで、nは0、1、または2であり、および、R2は、水素、−CH3、−CH2CH3であり、
Yはエチレン、プロピレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、−CH(C2H5)CH2−、−CH(CH(CH3)2)CH2−、および、−CH(CH3)CH2−であり、
R3は水素、−CH3、または、−CH2CH3であり、
Arは、フェニル、ナフチル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、トランス−フェニルCH=CH−、または、トランス(ベンゾフラン−2−イル)CH=CH−であり、ここで、Arは、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチレンジオキシ、−OH、1−シクロプロピルピペリジン−4−イルオキシ、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イルオキシ、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、2−メトキシエトキシメチル、フェノキシメチル、2−メトキシエトキシ、2−モルホリン(morpholin)−4−イルエトキシ、ピリジン−3−イルメトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−N,N−ジメチルアミノエトキシ、メトキシメチル、3−i−プロポキシメチル、モルホリン−4−イルメチル、3−ヒドロキシプロピルオキシメチル、2−フルオロフェノキシメチル、3−フルオロフェノキシメチル、4−フルオロフェノキシ−メチル、3−メトキシプロピルオキシメチル、ピリジン−4−イルオキシメチル、2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル、2−オキソピリジン−1−イルメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシメチル、4−イミダゾール−1−イルフェノキシメチル、4−[1.2.4−トリアジン−1−イル−フェノキシメチル、2−フェニルエチル、ピロリジン−1−イルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イルメチル、4−メチルピペラジン−1−イルメチル、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシメチル、4−フルオロフェニルチオメチル、4−フルオロフェニルスルフィニルメチル、4−フルオロフェニルスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメチルオキシメチル、テトラヒドロピラン−4−イルオキシ、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ、2−ピロリジン−1−イルエチルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、N−メチル−N−ベンジルアミノメチル、N−メチル−N−2−フェニルエチルアミノメチル、3−ヒドロキシプロピルチオメチル、3−ヒドロキシプロピルスルフィニルメチル、3−ヒドロキシプロピルスルホニル−メチル、N−メチル−N−2−インドール−3−イルエチルアミノメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)エチル、N−ヒドロキシアミノカルボニル−メチルアミノメチル、または、3−(2−カルボキシエチルアミノ−メチル)から独立して選択された1つまたは2つの置換基と随意に置換される。
いくつかの実施形態では、Arはベンゾフラン−2−イルであり、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、2−フルオロフェノキシメチル、3−フルオロフェノキシメチル、4−フルオロフェノキシ−メチル、ヒドロキシル−4−イルオキシメチル、2,4,6−トリフルオロフェノキシ−メチル、2−オキソピリジン−1−イルメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシ−メチル、4−イミダゾール−1−イルフェノキシ−メチル、4−[1.2.4−トリアジン−1−イル−フェノキシメチル、2−フェニルエチル、3−ヒドロキシプロピルオキシメチル、2−メトキシエチルオキシメチル、ピロリジン−1−イルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イルメチル、4−メチルピペラジン−1−イルメチル、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシメチル、4−フルオロフェニルチオメチル、4−フルオロフェニルスルフィニルメチル、4−フルオロフェニルスルホニルメチル、2−(3−トリフルオロメトキシフェニルエチル)、N−メチル−N−ベンジルアミノメチル、N−メチル−N−2−フェニルエチルアミノメチル、3−ヒドロキシプロピル−チオメチル、3−ヒドロキシプロピルスルフィニル−メチル、3−ヒドロキシプロピルスルホニルメチル、N−メチル−N−2−インドール−3−イルエチルアミノメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、N−ヒドロキシアミノカルボニル−メチルアミノメチル、または、2−カルボキシエチルアミノメチルによって、ベンゾフラン−2−イル環の3−位置で一置換される。
いくつかの実施形態では、Arはベンゾフラン−2−イルであり、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、2−メトキシエトキシメチル、メトキシメチル、3−i−プロポキシメチル、モルホリン−4−イルメチル、3−ヒドロキシプロピルオキシメチル、3−メトキシプロピルオキシメチル、ピロリジン−1−イルメチル、または、ピペリジン−1−イルメチルによって、ベンゾフラン−2−イル環の3−位置で一置換される。
いくつかの実施形態では、Arはベンゾフラン−2−イルであり、1−シクロプロピルピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、テトラヒドロピラン−4−イルオキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−ピロリジン−1−イルエチルオキシ、または、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イルオキシによって、ベンゾフラン−2−イル環の5−位置で置換される。
いくつかの実施形態では、Arはトランス フェニルCH=CH−であり、ここで、フェニルは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチレンジオキシ、または、−OHから独立して選択された1つまたは2つの置換基と随意に置換される。いくつかの実施形態では、Arはトランス フェニルCH=CH−である。
いくつかの実施形態では、Arはナフチルであり、ナフチルは1つまたは2つの置換基で随意に置換される。
いくつかの実施形態では、Arはキノリニルであり、キノリニルは1つまたは2つの置換基で随意に置換される。
いくつかの実施形態では、Arはキノリニルであり、ここで、キノリニルは、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシルを含む、メチレンジオキシ、−OH、2−メトキシエトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、メトキシメチル、3−i−プロポキシメチル、3−ヒドロキシプロピルオキシメチル、3−メトキシプロピルオキシメチル、または、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシメチルから独立して選択された1つまたは2つの置換基で随意に置換される。
他の実施形態では、Xは−O−であり、R3は水素である。
いくつかの実施形態では、Xは−S(O)nであり、R3は水素である。
いくつかの実施形態において、Yはエチレンである。いくつかの実施形態では、Yはエチレンまたは−CH(C2H5)CH2−である。いくつかの実施形態では、Yは−CH(C2H5)CH2−である。
いくつかの実施形態において、Xは−Oであり、R3は水素であり、および、Yはエチレンまたは−CH(C2H5)CH2−である。
医薬組成物、薬物動態学的戦略、投与レジメン、処置の方法、および併用療法での使用を企図されるさらに他のHDAC阻害剤化合物は、式(II)の構造を有する化合物、または、その薬学的に許容可能な塩を含んでいる:
式中、
Xは−O−、−NR2−、または、−S(O)nであり、ここで、nは0、1、または2であり、および、R2は、水素、−CH3、−CH2CH3であり、
Yはエチレン、プロピレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、−CH(C2H5)CH2−、−CH(CH(CH3)2)CH2−、または、−CH(CH3)CH2−であり、
R3は水素、−CH3、または−CH2CH3であり、
Arはフェニル、ナフチル、キノリニル、ベンゾフラニル、または、ベンゾチエニルであり、ここで、Arは、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチレンジオキシ、−OHから独立して選択された1つまたは2つの置換基で随意に置換され、
R5は、トリフルオロメチル、メチル、エチル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、2−メトキシエトキシメチル、フェノキシメチル、メトキシメチル、3−i−プロポキシメチル、モルホリン−4−イルメチル、3−ヒドロキシプロピルオキシメチル、2−フルオロフェノキシメチル、3−フルオロフェノキシメチル、4−フルオロフェノキシ−メチル、3−メトキシプロピルオキシメチル、ピリジン−4−イルオキシメチル、2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル、2−オキソピリジン−1−イルメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシメチル、4−イミダゾール−1−イルフェノキシメチル、2−フェニルエチル、ピロリジン−1−イルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イルメチル、4−メチルピペラジン−1−イルメチル、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシメチル、4−フルオロフェニルチオメチル、4−フルオロフェニルスルフィニルメチル、4−フルオロフェニルスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメチルオキシメチル、N−メチル−N−ベンジルアミノメチル、N−メチル−N−2−フェニルエチルアミノメチル、3−ヒドロキシプロピルチオメチル、3−ヒドロキシプロピルスルフィニルメチル、3−ヒドロキシプロピルスルホニル−メチル、N−メチル−N−2−インドール−3−イルエチルアミノメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)エチル、N−ヒドロキシアミノカルボニル−メチルアミノメチル、または、3−(2−カルボキシエチルアミノ−メチル)である。
いくつかの実施形態において、Arはベンゾフラニルである。
いくつかの実施形態では、R5は、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、ピロリジン−1−イルメチル、または、ピペリジン−1−イルメチルである。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は以下から選択される:N−ヒドロキシ−4−[2−(4−メトキシキノリン−2−イルカルボニルアミノ)エトキシ]ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−[2S(トランス−シンナモイルアミノ)−ブトキシ]ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−[2R−(トランス−シンナモイルアミノ)ブトキシ]ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[4−(2−メトキシエトキシ)キノリン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−[2S−(ベンゾチオフェン(benzothiophen)−2−イルカルボニルアミノ)ブトキシ]−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2S−[ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]ブトキシ}ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(メトキシメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(N,N−ジメチルアミノメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}ベンズアミド(アベキシノスタット);N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(i−プロポキシメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(2−メトキシエチルオキシメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]−エトキシ}ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[5−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[5−(2−ピロリジン−1−イルエチルオキシ)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2S−[5−(2−ピロリジン−1−イルエチルオキシ)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]ブトキシ}−ベンズアミド;N−ヒドロキシ−4−{2−[5−(2−ピロリジン−1−イルエチルオキシ)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]−1R−メチル−エトキシ}ベンズアミド;および、N−ヒドロキシ−4−{2−[(3−(ベンゾフラン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−but−2−エノイル)アミノ]−エトキシ}ベンズアミド、または、その薬学的に許容可能な塩から選択される。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、N−ヒドロキシ−4−{2−[3−(N,N−ジメチルアミノメチル)ベンゾフラン−2−イルカルボニルアミノ]エトキシ}−ベンズアミド(アベキシノスタット)である。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、WO2004/092115号またはWO2005/097770号で開示されたHDAC阻害剤から選択され、両方の文献は引用によって本明細書に組み込まれる。
<形態と相>
その薬学的に許容可能な塩とその薬学的に許容可能な溶媒和物を含むHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)は、限定されないが、無定形相、部分的な結晶形態、結晶形態、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含む様々な形態がある。結晶形態は多形体として知られている。多形体は、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む。この配置は、生理化学、製剤および処理のパラメータと同様に、物質と賦形剤の有効期間活または安定性にも影響を及ぼす可能性がある。多形体は通常、様々なX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学および電気学上の特性、安定性、並びに溶解度を備える。再結晶溶媒、結晶化速度、および、保管温度等の様々な要因により、単結晶形態が支配的になる。1つの態様では、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)の結晶形態が、本明細書に開示された医薬組成物で使用される。1つの態様では、アベキシノスタットのHCl塩の結晶形態が、本明細書に開示された医薬組成物で使用される。1つの態様では、無定形のアベキシノスタットが、本明細書に開示された医薬組成物で使用される。1つの態様では、アベキシノスタットの無定形のHCl塩が、本明細書に開示された医薬組成物で使用される。
<医薬組成物>
特定の実施形態において、個体での抗血管新生剤の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)抗血管新生剤を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、抗血管新生剤はパゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、個体でのパゾパニブまたはその塩の有効性を高める方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)あるサイクルでHDAC阻害剤またはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を同時投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、抗血管新生剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、アベキシノスタットは、パゾパニブまたはその塩である。いくつかの実施形態では、方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
特定の実施形態において、癌を処置する方法が本明細書でさらに開示され、該方法は、(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および、(b)パゾパニブまたはその塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブまたはその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブまたはその塩の有用性を持続させる、パゾパニブまたはその塩に対する耐性を一般に発達させるまたは発達させた癌の処置におけるパゾパニブまたはその塩の使用を可能にする、パゾパニブまたはその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブまたはその塩の有効な投与量を減少させる、または、これらの組み合わせである。
本明細書に開示された方法で使用される組成物は、活性化合物を処理して薬学的に使用される調剤にするのを促す賦形剤および助剤を含む1つ以上の生理学的に許容可能な担体(すなわち、非活性成分)を使用する従来のやり方で調剤される。適切な技術、担体および賦形剤は、例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)(Lippincott Williams & Wilkins1999)で見られるものを含み、これらの文献は、その全体を引用することで本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示された方法で用いられる組成物は、アベキシノスタット(またはその塩)、および/または、パゾパニブ(またはその塩)、および、以下の1以上を含む:(a)結合剤;(b)コーティング;(c)崩壊剤;(d)充填剤(希釈剤);(e)潤滑剤;(f)流動促進剤(glidants)(流れ促進剤(flow enhancers));(g)圧縮補助剤(compression aids);(h)着色剤;(i)甘味料;(j)保存料;(k)懸濁剤(suspencing)/分散剤;(l)塗膜形成剤/コーティング;(m)香料;(n)印刷インク;(o)ゲル化剤;(p)第2の治療上活性な薬剤。
1つの態様では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、活性薬剤(例えば、アベキシノスタット、アベキシノスタットの塩、パゾパニブ、および/または、パゾパニブの塩)に加えて、以下の1つ以上を含んでいる:(a)ステアリン酸マグネシウム;(b)ラクトース;(c)微結晶性セルロース;(d)ケイ化した微結晶性セルロース;(E)マンニトール;(f)デンプン(トウモロコシ);(g)二酸化ケイ素;(h)二酸化チタン;(i)ステアリン酸;(j)デンプングリコレート;(k)ゼラチン;(l)タルク;(m)サクロース;(n)アスパルテーム、(o)ステアリン酸カルシウム;(p)ポビドン、(q)α化デンプン;(r)ヒドロキシプロピルメチルセルロース;(s)OPA生成物(コーティング&インク);(t)クロスカルメロース、(u)ヒドロキシプロピルセルロース;(v)エチルセルロース、(w)リン酸カルシウム(二塩基);(x)クロスポビドン、(y)セラック(および、光滑剤);(z)炭酸ナトリウム。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で用いる医薬組成物は、薬学的に許容可能なビヒクル、担体、希釈剤または賦形剤、あるいはその混合物中の活性成分(例えば、アベキシノスタット、アベキシノスタットの塩、パゾパニブ、および/または、パゾパニブの塩)、および、本明細書に記載されるような1以上の放出制御賦形剤を含む。適切な修飾された放出投与用ビヒクルとしては、限定されないが、親水性または疎水性のマトリックスデバイス、水溶性の分離層コーティング、腸溶コーティング、浸透圧デバイス、多重微粒子デバイス、およびその組み合わせが挙げられる。医薬組成物は非放出制御型賦形剤をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、フィルムでコーティングされた剤形であり、これは、従来の錠剤化プロセスを使用し、その後、錠剤のコアをコーティングして、錠剤のコアを形成するために、活性成分と1つ以上の錠剤化賦形剤の組み合わせを含む。錠剤のコアは、従来の顆粒化方法、例えば、湿式または乾式の造粒法と、随意に顆粒の粉砕とその後の圧縮およびコーティングを用いて生成することができる。顆粒方法は例えば、Voigtの156−69ページに記載されている。
例えば、顆粒の産生に適した賦形剤は、例えば、流れ調整特性を随意に備える粉状充填剤、例えば、タルク、二酸化ケイ素、例えば、Syloid(登録商標)型(例えば、SYLOID 244 FP)の合成の無定形の無水ケイ酸、例えば、Avicel(登録商標)型(FMC Corp.)、例えば、AVICEL PH101、102、105、RC581、または、RC591、Emcocel(登録商標)型(Mendell社)、または、Elcema(登録商標)型(Degussa)の微結晶性セルロース;糖、糖アルコール、デンプン、またはデンプン誘導体、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コメデンプン、コムギデンプンまたはアミロペクチンのような炭水化物、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、または、三ケイ酸マグネシウム;ゼラチン、トラガカントゴム、寒天、アルギン酸、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコールまたはエチレンオキシドホモポリマーのような結合剤、とりわけ、2.0x103から1.0x105の重合度と、およそ1.0x105から5.0x106の近似の分子量とを有するもの、例えば、Polyox(登録商標)(Union Carbide)という名前で知られている賦形剤、とりわけ、およそ1000の平均分子量とおよそ約500〜約2500の重合度を有するポリビニルピロリドンまたはポビドン、および、寒天またはゼラチン;界面活性物質、例えば、アルキル硫酸塩型の陰イオン界面活性剤、例えば、ナトリウム、カリウム、または、マグネシウムn−硫酸ドデシル、n−テトラデシル硫酸塩、n−ヘキサデシル硫酸塩、または、n−オクタデシル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩型、例えば、ナトリウム、カリウム、または、マグネシウムn−ドデシルオキシエチル硫酸塩、n−テトラデシルオキシエチル硫酸塩、n−ヘキサデシルオキシエチル硫酸塩、または、n−オクタデシルオキシエチル硫酸塩、あるいは、アルカンスルフォナート型の陰イオン界面活性剤、例えば、ナトリウム、カリウム、または、マグネシウム、n−ドデカンスルフォナート、n−テトラデカンスルフォナート、n−ヘキサデカンスルフォナート、または、n−オクタデカンスルフォナート、あるいは、ソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレートまたはモノパルミテート、ソルビタントリステアレート、または、トリオレアートのような脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステル型の非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレート、または、トリオレアートのような脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチルステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、とりわけ、Pluronics(登録商標)(BWC)またはSynperonic(登録商標)(ICI)型のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、腸溶コーティング剤形内で調剤され、これは、活性成分またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および、腸溶コーティング剤形で使用される1以上の放出制御賦形剤の組み合わせを含む。医薬組成物は非放出制御賦形剤も含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、即時放出成分と少なくとも1つの遅延放出成分を備え、0.5時間から最大で8時間の時間的な隔たりを置いた少なくとも2つの連続したパルス形態をしている化合物を不連続に放出することができる剤形として調剤される。医薬組成物は、活性成分と、崩壊型の半透膜に適した膨潤物質としての賦形剤のような1以上の放出制御型および非放出制御型賦形剤との組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法とともに使用される医薬組成物は、被験体に経口投与される剤形として調剤され、これは、アルカリで部分的に中和した胃液耐性のポリマー層状の材料を含むとともに陽イオン交換容量を有する中間の反応層と胃液耐性の外側層とで囲まれた、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体と、活性成分との組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、経口投与用の遅延放出カプセルとして、腸溶コーティングした顆粒の形態の活性成分を含む。
本明細書で提供された医薬組成物は、単位用量剤形または複数回用量剤形で提供されてもよい。本明細書で使用されているように、単位用量剤形は、ヒトと動物の被験体への投与に適した物理的に分離したユニットを指し、当該技術分野で知られているように個別に包装された。それぞれの単位用量剤形は、必要とされた医薬担体または賦形剤に伴って、所望の治療効果を生み出すのに十分な活性成分のあらかじめ決められた量を包含している。単位剤形の例としては、個々に包装された錠剤およびカプセルを含んでいる。単位剤形は分割してまたはその倍数単位で投与されてもよい。複数回単位剤形は、分離した単位剤形で投与される単一の容器に入れられた複数の同一の単位剤形である。複数回単位剤形の例としては、錠剤またはカプセルの瓶が挙げられる。
製薬の剤形は、様々な方法で調剤することができ、即時放出型、徐放型、および遅延放出型を含む様々な薬物放出特性を提供することができる。場合によっては、あらかじめ決められた時間、十分に連続的な放出をもたらすために(すなわち、徐放)、または、薬物投与後にすぐに放出をもたらすために(すなわち、即時放出)、特定の時間が過ぎるまで(持続放出)、薬物投与後の薬物の放出を防ぐことが望ましい。
経口製剤は以下の形態で示される:錠剤、カプセル剤、丸剤、ペレット剤、ビーズ、顆粒剤、原末(bulk powders)。カプセルは、薬学的に許容可能なデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカのデンプン)、糖、人工甘味料、結晶性および微結晶性のセルロースなどの粉末セルロース、小麦粉、ゼラチン、ゴムなどのような不活性な充填剤および/または希釈剤と活性化合物との混合を含んでいる。錠剤製剤は、従来の圧縮、湿式造粒法または乾式造粒方法によって作られ、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複雑なケイ酸塩、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、ショ糖、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥したデンプン、および粉砂糖を含む、薬学的に許容可能な希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定化剤を利用する。いくつかの実施形態において、表面改質剤は、非イオン性および陰イオン性の表面改質剤を含む。例えば、表面改質剤としては、限定されないが、ポロクサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ナトリウム硫酸ドデシル、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、および、トリエタノールアミンが挙げられる。
1つの態様において、本明細書に記載の経口製剤は、活性化合物の吸収を変えるために、標準的な遅延放出製剤または時間放出製剤を用いる。
結合剤または造粒機は、錠剤に粘着性を与え、圧縮後に残りの錠剤を傷つけないようにする。適切な結合剤または造粒機の例としては、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、およびあらかじめゼラチンで覆われたデンプン(例えば、STARCH 1500)のようなデンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、および、ラクトースなどの砂糖、アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュ・モスの抽出液、パンワールガム(Panwar gum)、ガティガム(ghatti gum)、イサゴール殻(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum(登録商標)、カラマツのアラビノガラクタン(larch arabogalactan)、トラガント粉末、および、グアーガムのような天然の合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース;AVICEL(登録商標)−PH−101、AVICEL(登録商標)−PH−103、AVICEL(登録商標) RC−581、AVICEL(登録商標)−PH−105(ペンシルベニア州マーカスフックのFMC社)のような微結晶性セルロース;および、その混合物が挙げられる。適切な充填剤としては、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、あらかじめゼラチンで覆われたデンプン、および、これらの混合物が挙げられる。結合剤のレベルは、本明細書で提供される医薬組成物の約50重量%乃至約99重量%までである。
適切な希釈剤としは、限定されないが、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥したデンプンおよび粉糖が挙げられる。
適切な崩壊剤は、限定されないが、寒天、ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース、木製品;天然のスポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびVeegumHVのようなゴム;柑橘類の果肉;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;ナトリウム・デンプン・グリコレートなどの微結晶性セルロース;ポラクリリン(polacrilin)カリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、および、あらかじめゼラチンで覆われたデンプンのようなデンプン;粘土;aligns;および、その混合物が挙げられる。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は製剤の種類によって変動し、当業者にとって容易に識別可能である。1つの態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、約0.5乃至約15重量%から約1乃至約5重量%の崩壊剤を含む。
適切な潤滑としては、限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリセロールベヘネート、および、ポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、および、ダイズ油、などの硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl raureate);寒天;デンプン;ヒカゲノカズラ;AEROSIL(登録商標) 200(メリーランド州ボルチモアのW.R.Grace Co.)、および、CAB−O−SIL(登録商標)(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.)などのシリカまたはシリカゲル;および、その混合物が挙げられる。1つの態様において、本明細書で提供された医薬組成物は、約0.1乃至から約5重量%の潤滑剤を含んでいる。
適切な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.)およびアスベストを含まないタルクを含んでいる。着色剤は、アルミナ水和物に懸濁した、承認および証明済みの、水溶性FD&C色素、および、不溶性のFD&C色素、ならびに、染色レーキ、および、その混合物のいずれかを含む。染色レーキは、重金属の水和酸化物に水溶性の色素を吸着することにより得られる組み合わせであり、色素の不溶性の形態で生じる。
多くの担体および賦形剤は、たとえ同じ製剤内にあっても複数の機能を果たすことがあることに留意されたい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で用いられる医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、急速に溶解する錠剤、多重圧縮錠剤、または、腸溶コーティング錠剤、糖衣錠またはフィルムコート錠として調剤される。
腸溶コーティングは、胃酸の作用に耐えるが腸内で溶けるまたは崩壊するコーティングである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で用いられる医薬組成物は、腸溶コーティングを含んでいる。腸溶コーティングは、以下の1つ以上を含む:酢酸フタル酸セルロース;アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマー;セルロースアセテートサクシネート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート;(ヒプロメロースアセテートサクシネート);ポリビニルアセテートフタレート(PVAP);メチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー;メタクリル酸コポリマー、酢酸セルロース(および、そのコハク酸塩およびフタル酸塩バージョン);スチロールマレイン酸コポリマー;ポリメタクリル酸/アクリル酸コポリマー;ヒドロキシエチルエチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート;セルロースアセテートテトラヒドロフタレート;アクリル樹脂;セラック。
腸溶コーティングは、錠剤、丸剤、カプセル、ペレット剤、ビーズ、顆粒、粒子などの上に塗られたコーティングであり、その結果、腸溶コーティングは小腸に達するまで溶けない。
糖衣錠は糖衣によって囲まれた圧縮錠剤であり、これは、不愉快な味やにおいを隠したり、酸化から錠剤を保護したりするのに有益なこともある。
フィルムコート錠は、水溶性材料の薄い層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000、および、セルロースアセテートフタレートが挙げられる。フィルムコーティングは糖衣と同じ一般的な特徴を与える。多重圧縮錠剤は、以上の圧縮サイクルによって作られた圧縮錠剤であり、層状錠剤および有核錠(press coated tablet、または、dry coated tablet)を含む。
錠剤剤形は、粉末形態、結晶形態、または粒状形態の活性成分から、単独で、あるいは、結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤、および/または着色剤を含む本明細書に記載された1つ以上の担体または賦形剤と組み合わせて、調製されてもよい。香料と甘味料は、咀嚼可能な錠剤およびロゼンジの形成に特に役立つ。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、ソフトカプセルまたはハードカプセルであり、これは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、または、アルギン酸カルシウムから作ることができる。乾燥充填(dry−filled)カプセル(DFC)としても知られているハードゼラチンカプセルは2つの部分からなり、一方が他方の上に滑り込み、したがって活性成分を完全に囲んでいる。ソフト軟カプセル剤(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または同様のポリオールの追加によって可塑化される、ゼラチンシェルなどの柔らかい球状のシェルである。カプセルは、活性成分の溶解を修正するまたは持続するために、当業者によって知られているように、コーティングされてもよい。
着色剤と香料は上記の剤形のすべてで使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、および、プログラム放出の剤形を含む即時型または改変した放出剤形として調剤される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法で使用される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、および、プログラムされた放出の剤形を含む即時型または改変した放出剤形の形態である。
<制御放出>
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法とともに使用するための医薬組成物は、制御放出剤形の形態である。本明細書で使用されているように、用語「制御放出」は、経口で投与されると、活性成分の放出の速度または場所が即時放出剤形とは異なる剤形を指す。制御放出剤形は、遅延放出、徐放、長期放出、持続放出、パルス放出、改変放出、標的放出、および、プログラム放出の形態を含む。制御放出剤形の医薬組成物は、限定されないが、マトリックス制御放出装置、浸透圧制御放出装置、多粒子制御放出装置、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、およびこれらの組み合わせを含む、当業者に知られている様々な改変された放出装置および方法を使用して調製される。活性成分の放出速度は粒径を変えることによっても修正することができる。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法とともに使用するための医薬組成物は活性剤(例えばアベキシノスタット、アベキシノスタットの塩、パゾパニブ、および/またはパゾパニブの塩)またはその薬学的に許容可能な塩の制御放出を提供するために調剤される。
即時放出型組成物とは対照的に、制御放出型組成物は、あらかじめ決められたプロファイルに従って、長時間にわたってヒトに薬剤を送達することを可能にする。そのような放出の速度は、長時間にわたって治療上有効なレベルの薬剤を提供し、それによってより長い時間の薬理反応を与えることができる。このような長時間の薬理反応は、対応する短時間作用型の即時放出性調製物では達成されない多くの固有の利点を提供する。幾つかの実施形態では、制御放出組成物は長期間にわたる治療上有効なレベルのHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)を提供し、その結果としてより長期間の薬理反応をその結果として提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された固形の剤形は、腸溶コーティングした遅延放出型の経口剤形として、すなわち、胃腸管の小腸内での放出に影響を与えるために腸溶コーティングを利用する、本明細書に記載されたような医薬組成物の経口剤形として、製剤化することができる。腸溶コーティング剤形は、それ自体がコーティングされたまたはコーティングされていない活性成分および/または他の組成成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズ、または、粒子を含有する、圧縮された、または、成型された、または、押し出された錠剤/型(コーティングされたまたはコーティングされていない)である。1つの態様では、腸溶コーティングした経口剤形は、それ自体がコーティングされたまたはコーティングされていない固形の担体または組成物のペレット、ビーズまたは顆粒を含有する、カプセル(それ自体がコーティングされたまたはコーティングされていない)である。
本明細書で使用されるような用語「遅延放出」は、遅延放出の変更形態がなかったなら達成されていたであろう場所よりもさらに遠位の胃管中の一般に予測可能な位置での放出を達成することができるような送達を指している。いくつかの実施形態では、遅延放出のための方法はコーティングである。全コーティングが約5よりも下のpHで胃腸液に溶けず、約5以上のpHでは溶けるように、いかなるコーティングも十分な厚さまで塗られなければならない。胃腸管下部への送達を達成するために本発明を実施する際に、pH依存性の溶解度プロファイルを示すどんな陰イオンポリマーも腸溶コーティングとして使用することができることが予想される。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるポリマーは陰イオンのカルボン酸重合体である。他の実施形態では、ポリマーおよびその互換性をもつ混合物、および、それらの特性のうちのいくつかは、限定されないが、以下を含む。
セラックは精製されたラックとも呼ばれる。このコーティングはpH>7の培地で溶解する。
アクリルポリマー。
アクリルポリマーの能力(主として生体液中での溶解度)は、置換の程度と種類によって変動し得る。適切なアクリルポリマーの例は、メタクリル酸共重合体およびアンモニアメタクリル酸塩共重合体を含んでいる。オイドラギット(登録商標)(Eudragit)シリーズのE、L、R、S、RL、RSおよびNE(Rohm Pharma)が、有機溶媒、水分散液、または、乾燥粉末中で可溶化するものとして利用可能である。オイドラギットシリーズのRL、NE、およびRSは、胃腸管で不溶性であるが、透過性であり、主に結腸を標的とする際に使用される。オイドラギットシリーズEは胃で溶ける。オイドラギットシリーズL、L−30D、およびSは、胃では不溶性であり、腸で溶ける。
セルロース誘導体。
適切なセルロース誘導体の例は、エチルセルロースであり、無水フタル酸とセルロースの部分的な酢酸塩エステルとの反応混合物である。その能力は、置換の程度と種類によって変動し得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)はpH>6で溶ける。Aquateric(登録商標)(FMC)は、水性ベースの系で、粒子が<1μmの噴霧乾燥させたCAP偽ラテックス(psuedolatex)である。Aquateric中の他の成分は、プルロニック(pluronics)、Tween、および、アセチル化したモノグリセリドを含み得る。他の適切なセルロース誘導体は、酢酸セルローストリメリテート(Eastman)、メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート(HPMCS)、および、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(例えば、AQOAT(Shin Etsu))を含む。その能力は、置換の程度と種類によって変動し得る。例えば、HP−50、HP−55、HP−55S、HP−55FのグレードなどのHPMCPが適切である。その能力は、置換の程度と種類によって変動し得る。例えば、適切なグレードのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートは、限定されないが、pH5で溶けるAS−LG(LF)、pH 5.5で溶けるAS−MG(MF)、および、それよりも高いpHで溶けるAS−HG(HF)を含んでいる。これらのポリマーは、水分散液のための顆粒または細粉として提供される。
ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)。PVAPはpH>5で溶け、水蒸気と胃液に対してはさほど浸透性がない。
いくつかの実施形態では、コーティングは、可塑剤、および、場合によっては、当該技術分野で周知の着色剤、タルク、および/または、ステアリン酸マグネシウムなどの他のコーティング賦形剤を含むことができ、通常はこれらを含んでいる。適切な可塑剤は、クエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(グリセリルトリアセタート)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、カーボワックス(商標)400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化されたモノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、および、フタル酸ジブチルを含んでいる。特に、陰イオン性カルボン酸アクリルポリマーは一般に、可塑剤、とりわけ、フタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、およびトリアセチンの10−25重量%を含んでいる。スプレーまたはパンによるコーティングなどの従来のコーティング技術が、コーティングを施すために使用される。コーティングの厚さは、経口剤系が腸管中の所望の局所送達部位に到達するまで、元の状態を確実に保つのに十分なものでなければならない。
着色剤、脱粘着剤(detackifiers)、界面活性剤、消泡剤、潤滑剤(例えば、カルナバワックス(carnuba wax)またはPEG)は、コーティング材料を可溶性にするまたは分散させるために、および、コーティングとコーティングされた製品を改善するために、可塑剤に加えてコーティングに加えられてもよい。
特に適切なメタクリル共重合体は、ドイツのRohm Pharmaによって製造されている、オイドラギット L(登録商標)、とりわけ、L−30D(登録商標)およびオイドラギット 100−55(登録商標)である。オイドラギット L−30D(登録商標)では、遊離カルボキシル基対エステル基の比率はほぼ1:1である。さらに、共重合体は、5.5よりも下のpH、一般に1.5−5.5のpH(つまり、上部胃腸管の体液に存在するpH)を有する胃腸液において不溶性であるが、5.5よりも上のpH(すなわち、小腸の中に存在するpH値)では容易に溶けるか一部溶けることが知られている。
いくつかの実施形態では、材料は、セラック、アクリルポリマー、セルロース誘導体、ポリビニルアセテートフタレート、および、その混合物を含んでいる。他の実施形態では、材料は、オイドラギット(登録商標)シリーズE、L、RL、RS、NE、L、L300、S、100−55、酢酸フタル酸セルロース、Aquateric、セルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、およびCottericを含んでいる。
いくつかのタイプの薬物について、薬物を「パルス」で放出することが望ましく、単一剤形は、薬物の最初の投与量を与え、その後、放出しない休止期間が続き、その後、薬物の第2の投与量が放出され、1以上のさらなる放出しない休止期間と薬物放出「パルス」がそのあとに続く。代替的に、剤形の投与後の一定期間、いかなる薬物も放出されず、その後に1回分の薬物が放出され、1以上のさらなる薬物を放出しない休止期間と薬物放出「パルス」がそのあとに続く。
パルスによる薬物送達は、例えば、半減期が短く一日に2、3回投与される活性剤と、あらかじめ全身で広範囲に代謝される活性剤と、および、最適な薬力学的効果を有するために特定の血漿レベルを維持しなければならない活性剤を用いた場合に有用である。
パルス剤形は、制御された遅延時間の後のあらかじめ決められた時点で、または、特定の部位で、1以上の即時放出パルスを提供することができる。HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット)またはその薬学的に許容可能な塩を含む本明細書に記載された製剤を含むパルス剤形は、記載されてきた様々なパルス製剤を用いて投与される。例えば、そのような製剤は限定されないが、米国特許第5,011,692号、第5,017,381号、第5,229,135号、第5,840,329号、第4,871,549号、第5,260,068号、第5,260,069号、第5,508,040号、第5,567,441号および第5,837,284号に記載されたものを含む。1つの実施形態では、制御放出剤形は、各々が本明細書に記載された製剤を包含する少なくとも2つの粒子群(つまり、多粒子)を含むパルス放出型の固形の経口剤形である。第1の粒子群は、哺乳動物による摂取後、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット)またはその薬学的に許容可能な塩の実質的に即時投与量を提供する。第1の粒子群は、コーティングされないか、あるいは、コーティングおよび/またはシーラントを含み得る。第2の粒子群はコーティングされた粒子を含んでおり、1以上の結合剤と混合して、前記製剤中で、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット)または薬学的に許容可能な塩の総投与量の約2重量%−約75重量%、好ましくは約2.5重量%−約70重量%、および、さらに好ましくは、約40重量%−約70重量%を含む。コーティングは、第2の投与量を放出する前、消化後に約2−約7時間の遅延を与えるのに十分な量の薬学的に許容可能な成分を含んでいる。適切なコーティングは、ほんの一例として、単独の、あるいは、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース)と混合した、アクリル樹脂(例えばオイドラギット(登録商標) EPO、オイドラギット(登録商標)L30D−55、オイドラギット(登録商標)FS 30D、オイドラギット(登録商標)L100−55、オイドラギット(登録商標)L100、オイドラギット(登録商標)S100、オイドラギット(登録商標)RD100、オイドラギット(登録商標)E100、オイドラギット(登録商標)L12.5、オイドラギット(登録商標)S12.5、および、オイドラギット(登録商標)NE30D(オイドラギット(登録商標)NE 40D))などのpH感受性コーティング(腸溶コーティング)、あるいは、HDAC阻害剤(例えば、アベキシノスタット)またはその薬学的に許容可能な塩を含む製剤の異なる放出を提供するために様々な厚さを有する非腸溶コーティング、といった1以上の異なるように分解可能なコーティングを含む。
<多粒子制御放出装置>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、多粒子制御放出装置である。多粒子制御放出装置は、直径約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜約1mmの範囲の多数の粒子、顆粒、又はペレットを含む。このような多粒子は、湿式造粒、乾式造粒、押出/球形化、ローラー圧縮、溶融凝固化、種芯のスプレーコーティング、及びそれらの組み合わせによって作られる。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery;Marcel Dekker:1994;及びPharmaceutical Pelletization Technology;Marcel Dekker:1989を参照。
本明細書に記載されるような他の賦形剤又は担体は、多粒子を処理し、形成することを補助するように、医薬組成物とブレンドされる。結果として生じる粒子はそれ自体、多粒子装置を構成してもよいし、または様々な膜形成材料、例えば腸溶性ポリマー、水膨潤、及び水溶性ポリマーなどによってコーティングされてもよい。多粒子は、さらに、カプセル又は錠剤として処理することができる。
腸内保護薬剤吸収系(IPDAS)は、錠剤の形態に圧縮される高密度の制御放出ビーズからなる多粒子錠剤技術である。ビーズは、押出球状化などの技術によって製造することができ、制御放出は、結果として生じるビーズをコーティングするための異なるポリマー系を使用して達成することができる。あるいは、薬剤はまた、ノンパレイユ種子などの不活性担体上でコーティングされて、即時放出多粒子を製造することができる。制御放出は、これらの即時放出多粒子上にポリマー膜を形成することによって達成することができる。IPDAS錠剤が摂取されると、それは急速に崩壊し、薬物を含有するビーズを胃の中で分散させる。ビーズは、続いて十二指腸に入り、摂食状態とは無関係に、制御的かつ段階的な態様で胃腸管に沿って進む。多粒子からの活性成分の放出は、ポリマー膜及び/又は押出/球形化多粒子において形成されるポリマー/活性成分のマイクロマトリックスのいずれかを介する分散のプロセスを介して生じる。IPDASの腸内保護は、胃腸管の全体にわたる薬物の広い分散を保証する製剤の多粒子の性質のおかげである。
スフェロイド経口薬吸収系(SODAS)は、カスタマイズされた剤形の製造を可能にし、個々の薬物候補のニーズに直接答える多粒子技術である。それは、少なくとも12時間維持する作用の迅速な開始を生じさせるために、薬物の即時放出及びそれに続く持続放出を含む多くの特別に合わせた薬物放出プロファイルを提供することができる。あるいは、薬物放出を数時間遅らせる反対のシナリオを達成することができる。
プログラム可能な経口薬物吸収系(PRODAS)は、硬質ゼラチンカプセルに含まれる多くのミニ錠剤として提示される。故に、それは、カプセル内において錠剤化技術の利点を組み合わせる。多くの異なるミニ錠剤を組み込むことが可能であり、各ミニ錠剤は、個別に製剤化され、胃腸管内の異なる部位で薬物を放出するようにプログラムされる。これらの組み合わせは、即時放出、遅延放出、及び/又は制御放出のミニ錠剤を含むことができる。高い薬物充填ができるように異なる大きさのミニ錠剤を組み込むことも可能である。その大きさは、通常直径1.5〜4mmの範囲である。
当業者に既知の制御放出系の多くの他のタイプは、本明細書に記載される製剤とともに用いられるのに適している。このような送達系の例として、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなどのポリマーベース系;コレステロール、コレステロールエステル及び脂肪酸などのステロールを含む脂質又はモノ−、ジ−及びトリグリセリドなどの中性脂肪を含む脂質である多孔質マトリックスの非ポリマーベース系;ヒドロゲル放出系;シラスティック系;ペプチドベース系;従来の結合剤を用いるワックスコーティング、生体内分解性剤形、圧縮錠剤などが挙げられる。例えば、Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2 Ed.,Vol.1,pp.209−214(1990);Singh et al.,Encyclopedia of harmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.751−753(2002);米国特許第4327725号、第4624848号、第4968509号、第5461140号、第5456923号、第5516527号、第5622721号、第5686105号、第5700410号、第5977175号、第6465014号、及び第6932983号を参照。
<マトリックス制御放出装置>
いくつかの実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、当業者に既知のマトリックス制御放出装置を使用して作製される改変放出剤形である(Takadara et al、「Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,」 Vol.2,Mathiowitz ed.,Wiley,1999参照)。
幾つかの実施形態では、本明細書において改変放出剤形で提供される医薬組成物は、浸食性マトリックス装置を使用して製剤化される。当該改変放出剤形は、水膨潤性、浸食性、又は可溶性ポリマーである。水膨潤性、浸食性、又は可溶性ポリマーは、多糖類及びタンパク質などの合成ポリマー、天然に存在するポリマー、及びその誘導体を含む。
浸食性マトリックスの形成に有用な材料としては、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;ガム寒天、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガティガム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリンやマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのリン脂質;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;及びエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、セルロースプロピオネート(CP)、セルロースブチレート(CB)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America,Inc.,Piscataway,NJ)の共重合体;ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート);ポリラクチド;L−グルタミン酸とエチル−L−グルタメートの共重合体;分解性乳酸−グリコール酸共重合体;ポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸;及びホモポリマー及びブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、及び(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロライドの共重合体などの他のアクリル酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、非浸食マトリックス装置で製剤化される。活性成分は、不活性マトリックス中に溶解又は分散しており、一旦投与されると、主に不活性マトリックスを介する分散によって放出される。非浸食性マトリックス装置としての使用に適した材料としは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体を有する塩化ビニル共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体などの不溶性プラスチック、及び;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルなどの親水性ポリマー、及び;カルナバワックス、微結晶性ワックス、及びトリグリセリドなどの脂肪族化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
マトリックス制御放出系において、例えば、用いられるポリマー型、ポリマー粘度、ポリマー及び/又は活性成分の粒径、活性成分とポリマーとの比率、および組成物中の他の賦形剤又は担体により、所望の放出動態を制御することができる。
一態様では、改変放出剤形は、直接圧縮、乾燥又は湿式造粒、それに続く圧縮、溶融造粒、それに続く圧縮を含む、当業者に既知の方法により調製される。
いくつかの実施形態では、マトリックス制御放出系は、腸溶性コーティングを含み、その結果、薬物が胃の中で放出されない。
<浸透性制御放出装置>
いくつかの実施形態では、本明細書において修飾放出剤形で提供される医薬組成物は、浸透性制御放出装置を使用して作製される。当該浸透性制御放出装置は、1チャンバシステム、2チャンバシステム、非対称膜技術(AMT)、及び押出加工コア系(ECS)を含む。一般に、このような装置は、少なくとも2つの成分:(a)活性成分を含有するコアと;(b)当該コアを封入する、少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜と、を有する。半透膜は、使用される水性環境からコアへの水の流入を制御することにより、押し出しによって送達ポートを介して薬物放出を生じさせる。
活性成分に加えて、浸透性装置のコアは、随意に浸透圧剤を含む。当該浸透圧剤は、使用される環境から装置のコア内に水を搬送するための駆動力を生成する。「オスモポリマー」や「ヒドロゲル」とも呼ばれる浸透圧剤の水膨潤性親水性ポリマーの1つのクラスとしては、親水性ビニル及びアクリルポリマー、アルギン酸カルシウムなどの多糖類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メチルメタクリレート及び酢酸ビニルなど疎水性モノマーを有するPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、及びデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
浸透圧剤の他のクラスは、オスモゲンである。オスモゲンは、周辺のコーティングのバリアにわたって浸透圧勾配に影響を与えるように水を吸収することができる。好適なオスモゲンは、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩類;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトールなどの糖;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸;尿素;及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
溶解速度が異なる浸透圧剤は、活性成分がどれだけ迅速に剤形から最初に送達されるかに影響を与えるように用いることができる。例えば、Mannogeme EZ(SPI Pharma、Lewes、DE)などの非晶質糖は、所望の治療効果を迅速に生成するために最初の2、3時間の間、より速い送達を提供し、長期間にわたって所望のレベルの治療効果又は予防効果を維持するために残りの量の段階的かつ継続的な放出を提供するように用いることができる。この場合、活性成分は、代謝され***された量の活性成分を置き換えるような速度で放出される。
コアはまた、剤形の性能を高めるために、又は安定もしくは処理を促進するために、本明細書に記載されるような多種多様な他の賦形剤及び担体を含むことができる。
半透過性膜の形成に有用な材料は、生理学的に関連するpHで水透過性及び水不溶性を有するか、又は架橋などの化学的変化によって水不溶性となる様々なグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体を含む。コーティングの形成に有用な好適なポリマーの例としては、可塑化、非可塑化、及び強化酢酸セルロース(CA)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、CAプロピオン酸、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAコハク酸、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CA p−トルエンスルホン酸、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン−ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びエステル及びポリ−(メタクリル)酸及びエステル及びそれらの共重合体、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス、合成ワックスが挙げられる。
半透過膜は、疎水性微多孔膜であってもよい。ここでは、孔は、米国特許第5798119号に開示されるように、実質的にガスで充填され、水性媒体によって湿潤されていないが、水蒸気に対して透過性である。このような疎水性であるが水蒸気透過性の膜は、典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス、及び合成ワックスなどの疎水性ポリマーからなる。
半透膜の送達ポートは、機械的又はレーザードリルによって、コーティングの後に形成してもよい。送達ポートはまた、水溶性材料のプラグの浸食によって、又はコアのくぼみにわたる膜のより薄い部分の破裂によって、in situで形成してもよい。さらに、送達ポートは、米国特許第5612059号及び第5698220号に開示されるタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティングプロセス中に形成してもよい。
放出される活性成分の総量及び放出速度は、半透膜の厚さ及び多孔性、コアの組成、及び送達ポートの数、大きさ、及び位置により実質的に調整することができる。
浸透性制御放出剤形における医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進するために、本明細書に記載されるような追加の従来の賦形剤または担体をさらに含んでもよい。
浸透性制御放出剤形は、当業者に既知の従来の方法及び技術に従って調製することができる(上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacy; Santus and Baker, J. Controlled Release 1995, 35, 1−21; Verma et al., Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695−708;Verma et al., J.Controlled Release 2002,79,7−27参照)。
他の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、AMT制御放出剤形として製剤化される。当該AMT制御放出剤形は、活性成分及び他の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする非対称浸透膜を含む。米国特許第5612059号及び国際特許出願公報第2000/17918号を参照されたい。AMT制御放出剤形は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒法、及びディップコーティング法を含む、当業者に既知の従来の方法及び技術に従って調製することができる。
特定の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、ESC制御放出剤形として製剤化される。当該ESC制御放出剤形は、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、及び他の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする浸透膜を含む。
<多層錠剤>
幾つかの実施形態において、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、多層錠剤の形態である。多層錠剤は、不活性コアを含み、当該不活性コア上に、層状の薬物(および任意の賦形剤)が塗布され、続いて腸溶コーティングがされる。薬物の第2の層は、第1の腸溶コーティング上に塗布され、続いて薬物の第2の層上に第2の腸溶コーティングがされる。腸溶コーティングは、各層からの薬物の放出が少なくとも3〜6時間、時間的に離れていることを確実にする必要がある。
<即時放出>
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、USP XXII,1990(The United States Pharmacopeia)に記載されるように、治療上有効な成分又はそれらの組み合わせの少なくとも75%を放出し、及び/又は錠剤コアに含まれる特定の治験薬又はそれらの組み合わせの即時放出性錠剤の崩壊又は溶解要件を満たすことができる。即時放出医薬組成物は、カプセル、錠剤、経口液剤、粉末、ビーズ、ペレット、粒子などを含む。
<非経口投与>
いくつかの実施形態では、本明細書中で開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、輸液、又は移植によって非経口的に投与することができる。本明細書中で使用されるように、非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、及び皮下の投与が挙げられる。
幾つかの実施形態において、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、任意の剤形で製剤化することができる。当該任意の剤形は、溶液、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、及び注射前の液状の溶液又は懸濁液に適した固体剤形を含む非経口投与に適している。このような剤形は、医薬科学分野の当業者に既知の従来の方法に従って調製することができる(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出参照)。
非経口投与を意図した医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能なされる担体及び賦形剤を含んでもよい。当該担体及び賦形剤は、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤又は防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁及び分散剤、湿潤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結保護物質、溶解保護剤、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
適切な水性ビヒクルとしては、水、生理食塩水、生食水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張性デキストロース注射、滅菌水注射、デキストロース及び乳酸リンゲル注射が挙げられるが、これらに限定されない。非水性ビヒクルとしては、植物起源の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、ヤシ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシ種子油が挙げられるが、これらに限定されない。水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
適切な抗菌剤又は防腐剤としては、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びp−ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチル−及びプロピル−パラベン、及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。適切な緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。適切な抗酸化剤としては、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記載されるものである。適切な局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられるが、これに限定されない。適切な懸濁及び分散剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む本明細書に記載されるものである。適切な乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、及びオレイン酸トリエタノールアミンを含む本明細書に記載されるものが挙げられる。適切な金属イオン封鎖又はキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これに限定されない。適切なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な錯化剤としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)CyDex,Lenexa,KS)を含むシクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、単回又は複数回用量投与用に製剤化してもよい。単回投与製剤は、アンプル、バイアル、又は注射器で梱包される。複数回投与の非経口製剤は、静菌又は静真菌濃度で抗菌剤を含む必要がある。当該分野で既知でありかつ実施されているように、すべての非経口製剤は、無菌でなければならない。
幾つかの実施形態において、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、すぐ使用できる無菌溶液として提供される。幾つかの実施形態において、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、使用前にビヒクルを用いて再構成される、凍結乾燥粉末及び皮下注射用錠剤を含む滅菌乾燥可溶性製品として提供される。さらに別の実施形態では、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、すぐ使用できる無菌懸濁液として提供される。さらに別の実施形態では、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、使用前にビヒクルを用いて再構成される滅菌乾燥不溶性製品として提供される。さらに別の実施形態では、本明細書中に開示されている方法とともに使用するための医薬組成物は、すぐ使用できる滅菌乳剤として提供される。
<癌>
本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、必要としている個体内での抗血管新生剤の有効性を高める方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)抗血管新生剤を、個体へ同時投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、抗血管新生剤はパゾパニブ又はその塩である。幾つかの実施形態において該方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な量を減少させる、またはこれらの組み合わせである。
本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、必要としている個体内でのパゾパニブ又はその塩の有効性を高める方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)パゾパニブ又はその塩を、個体へ同時投与する工程を含む。幾つかの実施形態では該方法は、パゾパニブ又はその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブ又はその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブ又はその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブ又はその塩の有用性を持続させる、パゾパニブ又はその塩に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置におけるパゾパニブ又はその塩の使用を可能にする、パゾパニブ又はその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩の有効な量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
加えて本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、癌を処置する方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)抗血管新生剤を、個体へ投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、抗血管新生剤はパゾパニブ又はその塩である。幾つかの実施形態では該方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効な量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
さらに本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、癌を処置する方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)パゾパニブ又はその塩を、個体へ投与する工程を含む。幾つかの実施形態では該方法は、パゾパニブ又はその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブ又はその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブ又はその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブ又はその塩の有用性を持続させる、パゾパニブ又はその塩に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置におけるパゾパニブ又はその塩の使用を可能にする、パゾパニブ又はその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩の有効量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける癌の処置で使用される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける血液の癌の処置で使用される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける固形腫瘍の処置で使用される。
血液の癌は、白血病またはリンパ腫のような血液または骨髄の癌を含む。
リンパ腫は免疫系の細胞の中で始まる癌である。リンパ腫には2つの基本的なカテゴリーがある。1種類はホジキンリンパ腫であり、それはリード−スターンバーグ細胞と呼ばれる一種の細胞の存在が特徴である。もう一つの種類は非ホジキンリンパ腫であり、それは免疫細胞の癌の大きく様々な群を含む。非ホジキンリンパ腫は、さらに緩慢な(成長の遅い)経過をたどる癌、および急速な(成長の早い)経過をたどる癌に分けられる。
白血病は、骨髄のような造血組織で発症し、多くの血液細胞を生産し、血流を流入する癌である。
1つの態様では、癌は固形腫瘍またはリンパ腫、あるいは白血病である。1つの態様では、癌は、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、白血病、胚細胞腫、芽細胞の腫瘍または芽腫である。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は固形腫瘍の処置で使用される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は転移性固形腫瘍の処置で使用される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は進行性固形腫瘍の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は肉腫の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は以下から選択された癌の処置で使用される:噴門癌:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺癌:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化の小さな細胞、未分化の大きな細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様の過誤腫、中皮腫;胃腸の癌:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路の癌:腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨癌:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨の外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系癌:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系癌:子宮癌、子宮頚癌、子房(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、子宮内膜性腫瘍、腹芽細胞腫(celioblastoma)、明細胞癌、未分類の上皮性悪性腫瘍]、顆粒層卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌腫、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫[胎児性横紋筋肉腫]、卵管(癌);)(子宮頚癌(前腫瘍子宮頚部形成異常))(子宮内膜癌)血液の癌:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚癌:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;副腎の癌:神経芽腫;胆嚢癌腫。
1つの態様では、癌は、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、肺非小細胞癌、肺小細胞癌、肝臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚部癌、膀胱癌、胃癌、胃腸間質性腫瘍、膵癌、胚細胞腫瘍、肥満細胞腫、神経芽腫、肥満細胞症、精巣癌、膠芽腫、星状細胞腫、リンパ腫、メラノーマ、髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群および慢性骨髄性白血病(CML)である。
幾つかの実施形態において、癌は腎癌である。
幾つかの実施形態において、癌は卵巣癌である。
1つの実施形態において、癌はリンパ腫である。1つの態様では、リンパ腫は、B細胞リンパ腫、T細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫である。
1つの態様では、癌はT細胞性リンパ腫または白血病である。
1つの態様では、T細胞性リンパ腫は末梢T細胞性リンパ腫である。別の態様では、T細胞性リンパ腫または白血病はT細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫である。まだ別の態様では、T細胞性リンパ腫は皮膚T細胞リンパ腫である。別の態様では、T細胞性リンパ腫は成人T細胞リンパ腫である。1つの態様では、T細胞性リンパ腫は、末梢T細胞性リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、NK/T細胞性リンパ腫または成人T細胞白血病/リンパ腫である。
1つの実施形態において、癌は肉腫である。肉腫は、筋肉、脂質、線維組織、血管または身体の他の支持組織中で始まる癌である。肉腫は、以下の内任意の1つを含む:胞状軟部肉種、血管肉腫、皮膚線維肉腫、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、アスキン腫瘍、ユーイング腫瘍(ewing’s)、悪性血管内皮腫、悪性シュワン腫、骨肉腫、軟骨肉腫。幾つかの実施形態では、肉腫は軟部組織肉腫である。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、ヒトにおける軟部組織肉腫の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける骨髄異形成症候群(MDS)の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、ヒトにおける慢性骨髄性白血病(CML)の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける非ホジキンリンパ腫の処置で使用される。幾つかの実施形態では、本明細書中で開示されている方法はヒトにおけるホジキン病の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける多発性骨髄腫の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は慢性リンパ性白血病の処置で使用される。幾つかの実施形態においては、本明細書に開示されている方法は、急性リンパ白血病の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける固形腫瘍の処置で使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法はヒトにおける肉腫の処置で使用される。
<併用療法>
さらに本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、必要としている被験体における抗血管新生剤の効果を高める方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)抗血管新生剤を、個体へ同時投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、抗血管新生剤はパゾパニブ又はその塩である。幾つかの実施形態では該方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、必要としている個体内でのパゾパニブ又はその塩の効果を高める方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタット又はその塩、および(b)パゾパニブ又はその塩を、個体へ同時投与する工程を含む。幾つかの実施形態では該方法は、パゾパニブ又はその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブ又はその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブ又はその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブ又はその塩の有用性を持続させる、パゾパニブ又はその塩に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置におけるパゾパニブ又はその塩の使用を可能にする、パゾパニブ又はその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩の有効量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
加えて本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、癌を処置する方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)抗血管新生剤を個体へ投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、抗血管新生剤はパゾパニブ又はその塩である。幾つかの実施形態では該方法は、抗血管新生剤に対する耐性を低下させる、抗血管新生剤に対する耐性の発達を遅らせる、抗血管新生剤が効かなくなる癌の発症を遅らせる、抗血管新生剤の有用性を持続させる、抗血管新生剤に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置における抗血管新生剤の使用を可能にする、抗血管新生剤に対する患者の反応を増加させる、抗血管新生剤に対する細胞の反応を増加させる、抗血管新生剤の有効量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
さらに本明細書に開示されているのは、特定の実施形態において、癌を処置する方法であって、該方法は(a)あるサイクルでアベキシノスタットまたはその塩、および(b)パゾパニブ又はその塩を個体へ投与する工程を含む。幾つかの実施形態では該方法は、パゾパニブ又はその塩に対する耐性を低下させる、パゾパニブ又はその塩に対する耐性の発達を遅らせる、パゾパニブ又はその塩が効かなくなる癌の発症を遅らせる、パゾパニブ又はその塩の有用性を持続させる、パゾパニブ又はその塩に対して耐性があり一般に発達させ又は発達させた癌の処置におけるパゾパニブ又はその塩の使用を可能にする、パゾパニブ又はその塩に対する患者の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩に対する細胞の反応を増加させる、パゾパニブ又はその塩の有効量を減少させるまたはこれらの組み合わせである。
1つの実施形態では、本明細書に記載の組成物および方法も、治療中の癌に対するそれらの特定の有用性によって選択された他の治療剤と共に使用される。一般に、本明細書に記載の組成物、及び併用治療が利用される実施形態において、他の薬剤は同じ医薬組成物において投与される必要がなく、異なる物理的及び化学的特性のために、異なる経路によって投与される。1つの実施形態において、確立された手順に従って初回投与を行い、その後観察された効果に基づいて、投与量、投与方法および投与時間がさらに変更される。
特定の実施形態において、使用される化合物の特定の選択は、主治医の診断および患者の状態と適切な処置プロトコルについての主治医の判断に依存する。様々な実施形態では、化合物は癌の性質、患者の状態および使用される化合物の実際の選択に依存して、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に又は同じ処置プロトコル中で)または連続して投与される。特定の実施形態では、処置プロトコル中の投与順及び各治療剤の投与の反復数の決定は、治療されている疾患および患者の状態の評価に基づく。
1つの実施形態では、癌を治療する投与計画が様々な要因に従って修正されることが理解される。これらの要因はそのヒトの年齢、体重、性別、食事および病状と同様にそのヒトが苦しんでいる癌のタイプも含む。したがって、実際に利用される投与レジメンは変化に富み、それ故本明細書中で説明された投与レジメンから逸脱する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)および第二の薬剤の組み合わせを備えた癌の処置は、HDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)および/または第二の薬剤の治療上有効な量を減らすことを可能にする。
本明細書中に記載の製剤は、個々の患者の臨床症状、投与方法、投与スケジュール、および医師に知られていた他の要因を考慮に入れた優れた医療行為に従って投与及び服薬される。
例えば、意図されている医薬組成物は1日1回、1日2回、1日3回等の投与を可能にする、治療上有効な量のHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)を提供する。1つの態様では、医薬組成物は1日1回の投与を可能にする治療上有効な量のHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)を提供する。
幾つかの実施形態では、さらに本明細書に開示された方法はアベキシノスタット(またはその塩)およびパゾパニブ(またはその塩)と組み合わせた追加薬剤を投与する工程をさらに含む。
特定の実施形態において、本明細書中に記載されている方法の治療効果は、アジュバントの投与により増強される(即ち、アジュバント自体は最小の治療的効果しか備えていないが、別の治療薬剤と組み合わせると患者にとっての総合的な治療的効果が増強される)。いくつかの実施形態において、患者が受ける効果は治療的効果も備える別の治療剤(これも処置レジメンを含む)を投与することで増幅する。特定の実施形態では、増強された治療効果は、患者に他の治療剤又は癌の治療を提供することによる結果としてもたらされる。様々な実施形態において、追加薬剤の使用は個体に例えば相加的又は相乗的な利益を提供する。処置の組み合わせにおいて使用される場合、薬物の治療上有効な投与量は変化する。併用処置レジメンを使用する場合の薬物及び追加薬剤の治療上有効な投与量の決定は、任意の様式で達成される。例えば、規則正しい投与の使用(すなわち有害な副作用を最小化するためにより頻繁な、低用量の投与量を提供する)を利用することができる。特定の例においては、併用治療は任意の又は全ての活性剤の治療上有効な量を、いずれかの薬剤を単独で投与した場合よりも低くすることが可能にする。
併用治療レジメンは、限定されない例として、アベキシノスタット(またはその塩)およびパゾパニブ(またはその塩)の投与を、追加剤での処置前、最中又は後に開始し、追加薬剤による処置の最中又は追加薬剤による処置の終了後の任意の時点まで継続する処置レジメンを包含する。また、その併用処置レジメンは、組み合わせて使用されるアベキシノスタット(又はその塩)及びパゾパニブ(又はその塩)並びに追加薬剤を、同時に又は異なる時点で及び/又は処置期間中の減少区間(decreasing intervals)又は増加区間(increasing intervals)で投与する処置を含む。併用処置は、患者の臨床管理を援助するために様々な時点で開始および停止される定期的処置もさらに含む。
どんな場合でも、複数の治療剤を任意の順に、例えば同時に投与する。投与が同時である場合、複数の治療剤は、単一の統一された形態で又は複数の形態で(例えばほんの一例として、単一の丸薬として又は2つの別の丸薬として)提供される。幾つかの実施形態において、治療剤の1つは複数回投与で与えられ又は治療剤の両方が複数回投与で与えられる。複数の薬剤の投与が同時でない特定の実施形態において、複数の薬剤の投与間のタイミングは、例えば0週以上から4週未満までの任意の許容範囲に含まれる。追加薬剤の任意の数は本明細書に開示された方法と組み合わせて使用されてもよい。
特定の実施形態において、第1の投与は、例えば丸剤、カプセル、錠剤、溶液、懸濁液など、またはその組み合わせである経口投与によって投与される。特定の実施形態では、本明細書に開示された方法は、癌の発症が検出又は疑われた後、その方法を使用できるようになった直後から使用され、癌を処置するために必要な期間使用される。特定の実施形態では、本明細書に開示された方法は、限定されない例として少なくとも2週間、少なくとも1か月間又は1か月以上の、癌を処置するために必要な任意の期間継続される。
追加の治療剤は以下のDNA損傷剤の中から選択される:トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、アルキル化剤、PARP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、RNA/DNA代謝拮抗物質、抗有糸***薬、免疫調節剤、抗血管形成剤;アロマターゼ阻害剤、ホルモン調節剤、アポトーシス誘発剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、アバレリクス、YM−750、アルデスロイキン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリテレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチンアナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、AZD−2281、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベクサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、BSI−201、ブルスファン、ブルスファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルフィロジブ、カルマスティン、カルマスティン、セレコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、リポソームシタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダーベポエチンアルファ、ダサチニブ、リポソームダウノルビシン、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ジェムツツマブオゾガミシン、ゴセレリン酢酸塩、ヒステレリン酢酸塩、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブチウクセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、イリノテカン、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド酢酸塩、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロンフェンプロピオネート、ネララビン、NPI−0052、ノフェツモマブ、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合粒子、パリフェルミン、パミドロネート、パニツブマブ、ペガデマーゼ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ミトラマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、RAD001、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチム、サルグラモスチム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、リンゴ酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トシツモマブ/I−131 トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾレドロネート、及びゾレドロン酸。
幾つかの実施形態では、追加薬剤はトポイソメラーゼ阻害剤、チューブリン作用剤、DNA作用剤、DNAアルキル化剤および/または白金錯体である。
ある実施形態では、追加薬剤は、オキサリプラチン、チロシンキナーゼ阻害剤、イリノテカン(CPT−11)、アザシチジン、フルダリビンまたはベンダムスチンである。
チロシンキナーゼ阻害剤は限定されないが、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、アキシチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、レスタウルチニブ、セマキサニブ、セジラニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、レスタウルチニブ、バタラニブおよびソラチニブを含む。
幾つかの実施形態では、追加の薬剤はDNAを破損させる抗癌剤および/または放射線療法である。
DNAを破損させる抗癌剤および/または放射線療法は、限定しないが、イオン化放射能、放射線様作用薬、単機能アルキル化剤(例えばスルホン酸アルキル、ニトロソウレア、テモゾロミド)、二機能アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、マイトマイシンC、シスプラチン)、代謝拮抗物質(例えば5−フルオロウラシル、チオプリン、フォラシンアナログ)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えばカンプトテシン、エトポシド、ドキソルビシン)、複製阻害剤(例えばアフィジコリン、ヒドロキシ尿素)、細胞毒性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、血管形成阻害剤、細胞増殖および生存シグナル伝達経路阻害剤、アポトーシス誘発剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、ビスホスホネートまたはその任意の組み合わせを含む。
幾つかの実施形態では、追加薬剤は、輸送タンパク質の高レベルの発現に関連した特定のMDRにおける、固有の多剤耐性(MDR)の阻害剤である。そのようなMDR阻害剤は、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853およびPSC833(valspodar)のようなp−糖タンパク質(P−gp)の阻害剤を含む。
幾つかの実施形態では、追加の薬剤はHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット)の単独での又は放射線療法を伴う使用に起因する可能性のある吐き気又は急性、遅延性、後期のおよび先行性嘔吐を含む嘔吐を治療する制吐剤である。制吐剤は、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト(オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、パロノセトロンおよびザチセトロンなど)、GABAB受容体アゴニスト(バクロフェンなど)、コルチコステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロンまたは米国特許第2,789,118号、第2,990,401号、第3,048,581号、第3,126,375号、第3,929,768号、第3,996,359号、第3,928,326号及び第3,749,712号に開示されたような他のものなどを含む)、ドーパミンアンタゴニスト(ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミドなど)、抗ヒスタミン剤(シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンのようなH1ヒスタミン受容体アンタゴニスト)、カンナビノイド(カンナビス、マリノール、ドロナビノールなど)及び他のもの(トリメトベンズアミド、ショウガ、エメトロール、プロポフォールなど)を含む。
幾つかの実施形態では、追加薬剤はニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニストおよびコルチコステロイドの中から選択された制吐剤である。
幾つかの実施形態では、追加薬剤は貧血の処置に有用な薬剤である。そのような貧血処置剤は例えば連続的な赤血球産生(eythropoiesis)受容体アクチベーター(エポエチン−αなど)である。
幾つかの実施形態では、追加の薬剤は好中球減少症の処置に有用な薬剤である。好中球減少症の処置に有用な薬剤の例は、限定されないが、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のような好中球の産生および機能を制御する造血成長因子を含んでいる、G−CSFの例はフィルグラスチムを含む。
幾つかの実施形態では、追加薬剤は少なくとも1つのCYP酵素の阻害剤である。アベキシノスタット(またはその塩)又はパゾパニブ(またはその塩)が、1つ以上のCYP酵素によって代謝される状況において、CYP阻害剤との同時投与はインビボ代謝を減少させ、薬剤の薬物動態の特性を改善する。
他の併用治療は、国際公開第08/082856号および国際公開第07/109178号に開示されている。これらの両方は、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。
<放射線療法>
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は放射線療法をさらに含む。放射線療法(radiotherapy)と呼ばれる放射線治療(radiation therapy)はイオン化放射能を備えた、癌および他の疾患の処置である。イオン化放射能は、処置されている領域(「標的組織」)の細胞の遺伝物質を傷つけることで、その細胞を害する又は破壊するエネルギーを付与し、これらの細胞が成長し続けることを不可能にする。放射能は癌細胞及び正常細胞の両方を傷つけるが、正常細胞の方が自身をより良く修復することができ、正常に機能する。放射線療法は皮膚癌、舌癌、喉頭癌、脳腫瘍、乳癌、前立腺癌、結腸癌、子宮癌および/または子宮頚癌のような局所的な固形腫瘍を処置するために使用することができる。また、それは白血病およびリンパ腫(それぞれ造血細胞系およびリンパ系の癌)を治療するために使用することができる。
癌細胞に放射線を送達するための技術は、腫瘍または体腔に放射性移植片(radioactive implant)を直接配置するものである。これは、内部放射線療法(近接照射療法、組織内照射および腔内照射は内部放射線療法の種類である)と呼ばれる。内部放射線療法を使用して、放射線量を小さな領域に集中させ、患者は数日の間病院にとどまる。内部放射線療法は、舌癌、子宮癌、前立腺癌、結腸癌および頚癌に頻繁に使用される。
用語「放射線療法」または「イオン化放射能」は、限定されないがα、β、およびγ放射線および紫外線の光を含み、放射線の形態をすべて含んでいる。同時又は連続した化学療法を伴う、または伴わない放射線療法は、頭部癌と頸部癌、乳癌、皮膚癌、肛門性器癌、およびケロイド、類腱腫、血管腫、動静脈奇形および骨組織球症Xのような特定の非悪性腫瘍疾患に効果的なモダリティである。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示された方法は、放射線誘発性の正常組織繊維症または化学療法によって誘発された組織壊死のような少なくとも1つの他の治療上の処置によって引き起こされる副作用を低減し、本明細書中に提供される方法はまた、放射線療法及び他の抗癌剤とともに腫瘍細胞の成長を相乗的に阻害する。
<RAD51>
DNA損傷は、細胞の染色体不安定性、個体発生、細胞死および深刻な機能不全を引き起こす。DNA修復系は、生細胞の生存にとって極めて重要である。二本鎖DNA破損の回復に関与する2つの主なDNA修復機構は、相同遺伝子組換え(HR)および非相同末端結合(NHEJ)である。真核生物のRAD51遺伝子は大腸菌RecAのオルソログであり、遺伝子産物RAD51タンパク質は相同遺伝子組換えで中心的な役割を果たす。
抗癌剤のような多くの治療上の処置は、細胞へのDNA損傷を引き起こす能力によって、それらの治療効果を発揮する。癌細胞のような細胞に活発なDNA修復機構がある場合、そのような処置の治療効果は支障をきたし、所望の治療効果を達成するのに高用量が必要かもしれない。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、癌を有するヒトにおける細胞内DNA修復活性を減少させるために使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書中に開示されている方法は、併用治療における細胞内DNA修復活性を減少させる。幾つかの実施形態では、本明細書中に開示されている方法は、RAD51またはBRCA1をDNA修復機構に干渉する。
幾つかの実施形態では、本明細書中に開示されている方法は、DNAにおける非相同末端結合の欠損に関連する癌を処置する。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は細胞内DNAを傷つけることができる処置を行う工程をさらに含む。
DNAにおける非相同末端結合の欠損は、Ku70、Ku80、Ku86、Ku、PRKDC、LIG4、XRCC4、DCLRE1CおよびXLFからなる群から選択された遺伝子の欠損を含む。1つの態様では、癌は、バーキットリンパ腫、慢性骨髄性白血病およびB細胞リンパ腫から選択される。1つの態様において、癌は本明細書中に記載されているものである。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、ヒトにおけるテロメラーゼ非依存性テロメア維持(alternative lengthening of telomere)(ATL)の処置で使用される。
RAD51活性を抑制することを含んでいる、追加併用治療及び処置戦略(例えばHDAC阻害剤(例えばアベキシノスタット))などは、米国特許公報第20080153877および国際公開第08/082856(これらの両方は引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
<キット/製品>
本明細書に記載の治療用途で使用するためのキットおよび製品も本明細書中で記載される。このようなキットは、バイアル、チューブなどの1以上の容器を収容するために仕切られた運搬装置、包装又は容器を含み、各容器は本明細書中に記載されている方法で使用される分けられた要素の1つを備える。適切な容器としては例えばボトル、バイアル、注射器および試験管が挙げられる。他の実施形態において、容器はガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製品は、パッケージ材料を含む。医薬製品を包装するのに使用されるパッケージ材料は、例えば米国特許第5,323,907号、第5,052,558号、および、第5,033,252号を含む。医薬パッケージ材料として、ブリスターパック、ボトル、チューブ、ポンプ、バッグ、容器、ボトル、及び選択された製剤並びに投与や処置の意図した方法に適切な任意のパッケージ材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に提供される化合物および組成物の多様な製剤が企図される。
このようなキットは、本明細書中に記載の方法での使用に関連して、識別するための記載、ラベル、または取扱説明書を随意に含む。
1つの実施形態では、ラベルは包装容器上にある、又は包装容器に付随する。1つの実施形態において、ラベルが容器上にある場合は、ラベルを形成する文字、数字又は他の表示が、容器自体に貼り付けられるか、成形されるかまたは刻まれている場合である。ラベルが容器に付随する場合は、例えば添付文書として、それ自体も容器を含む入れ物又は運搬装置の中に存在する場合である。1つの実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきであるということを示すために用いられる。ラベルは、内容物を使用のための、例えば本明細書に記載の方法における指示、も示す。
特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含む1以上の単位剤形を含む、パックまたはディスペンサー装置として示される。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含む。1つの実施形態において、パックまたはディスペンサー装置には、投与のための説明書が添付してある。別の実施形態において、パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に付属の通知書が添付してあり、この通知書は、ヒトまたは動物に投与されるための薬物の形態について、政府機関の承認を反映するものである。このような通知書は、例えば、処方薬または承認された生成物の挿入に関して、米国食品医薬品局により承認されたラベルである。
これらの実施例は説明の目的のみで提供され、本願中で提供される特許請求の範囲を制限しない。
<アベキシノスタットの合成>
米国特許第7,276,612号の実施例7に概説されるように、アベキシノスタットを調製した。その内容は、引用によってその全体が本明細書中に組み込まれる。
<実施例1:アベキシノスタットHClのIV溶液>
ヒトにおける最初の臨床試験のための静脈内(IV)溶液としてアベキシノスタットHClを製剤化した。IV溶液は、等張食塩水で希釈した後の、注入投与を意図した水溶液製剤である。各単回使用バイアルは、等張食塩水におけるアベキシノスタットHClの5mg/mL(0.5%)溶液25mL、及び50mM乳酸緩衝液(pH4.0〜4.5)を含有する。臨床製剤中の全ての賦形剤は、公定賦形剤であり、一般に非経口製剤において使用される。当該製剤の定量的組成を表1に示す。推奨される貯蔵条件は、2℃〜8℃である。
<実施例2:即時放出カプセル>
微結晶性セルロース、ラクトース及びステアリン酸マグネシウムと、アベキシノスタットHClとを混合し、次いで、当該混合物をゼラチンカプセルに添加することによって即時放出カプセルを製剤化する(表2参照)。カプセル剤は2つの有効成分含量で製造される。20mgの有効成分含量は、サイズ4のスウェーデンオレンジ硬ゼラチンカプセルに20mgのアベキシノスタットHClを含んでいる。100mgの有効成分含量は、サイズ2のダークグリーン硬ゼラチンカプセルに100mgのアベキシノスタットHClを含んでいる。当該カプセルを、30ccのHDPEボトルで梱包し、誘導シールで密封し、子供用に安全にできたネジ蓋で蓋をする。20mgの有効成分含量は1ボトル当たり50個のカプセルで梱包する。100mgの有効成分含量は1ボトル当たり30個のカプセルで梱包する。ボトルは制御された室温20−25°C(68−77°F)で保存される。
<実施例3:持続放出性の多粒子パルス製剤>
80gの塩化ナトリウム及び24gのポリビニルピロリドンを、1.2kgの水に溶解し、400gの粉砕したアベキシノスタットHClをその中に懸濁させる。
流動層コーティング装置では、400gのデンプン/糖の種(30/50メッシュ)を、当該種が所望の薬効で均一にコーティングされるまで、温かい空気中に懸濁させ、アベキシノスタットHCl懸濁液で噴霧コーティングする。
イソプロピルアルコール中のステアリン酸マグネシウムを、乾燥したポリマー2とステアリン酸マグネシウム1の割合で、Eudragit NE30D(Rohm Pharma of Weiterstadt製、ドイツ)と混合する。十分な量のポリマー懸濁液を活性コア上に噴霧することで、特定の膜コーティングの厚さが得られ、ペレットの集団について特定の遅延時間及び放出速度が達成される。最終のコーティングしたペレットを、50℃で2時間乾燥させ、水分を完全にかつ確実に除去し、コア内容物を安定化させる。
異なる遅延時間及び放出速度を有するように、異なるコーティングの厚さを使用して少なくとも1つ以上のバッチで手順を繰り返す。この実施例では、2つの集団を調製し、一方はコーティングによる10%の重量増加を有し、他方は30%の重量増加を有する。所定の割合で2つの集団を一緒に混合し、当該混合物をカプセルに充填することによって、単位用量を調製する。
ヒトへの単位用量の経口投与後、ペレットの第1の集団は、約2〜3時間の初期遅延時間が経過するまで、アベキシノスタットHClを放出し始めない。ペレットの第2の集団は、約6〜7時間の初期遅延時間が経過するまで、アベキシノスタットHClを放出し始めない。ペレットのそれぞれの集団の平均放出時間(薬物の半分が放出された時間)は、少なくとも3〜4時間、互いに離れていなければならない。
流動層コーティング装置は、当技術分野において周知であるが、当技術分野で周知の他のコーティング装置及び方法を用いてもよい。
<実施例4:持続放出性の代替の多粒子パルス製剤>
活性コアを、実施例3のように調製する。ステアリン酸マグネシウム及びトリアセチン可塑剤を、1:0.6:2の乾燥重量比でEudragit RS 30D懸濁液と混合する。ポリマー懸濁液を、実施例3のようにコア上にコーティングし、複数の集団を調製する。各集団は、特定のコーティングの厚さを有し、使用される水性環境において、薬物の特定の遅延時間及び放出速度を提供する。
ペレットの異なる集団を混合し、当該混合物を、実施例3に記載したようにカプセルに充填するように使用する。
<実施例5:パルス製剤−カプセルの錠剤>
アベキシノスタットHClの投与用のパルス放出剤形を、(1)2つの個々の圧縮された錠剤であって、各々が異なる放出プロフィールを有する錠剤を製剤化し、続いて(2)当該2つ錠剤をゼラチンカプセル内に封入し、当該カプセルを閉じて密封することによって調製する。2つの錠剤の成分は、以下の通りである。
流動層造粒機を用いて行うことができるように、個々の薬物粒子及び他のコア成分を湿式造粒することによって錠剤を調製し、又は成分の混合物を直接圧縮することによって錠剤を調製する。錠剤1は、投与後1〜2時間以内に活性剤を完全に放出する即時放出剤形である。
即時放出性錠剤の半分をDelayed Coating No.1でコーティングして、錠剤2を得る。錠剤2は、投与後約3−5時間、アベキシノスタットHClの放出を遅延させる。即時放出性錠剤の半分をDelayed Coating No.2でコーティングして、錠剤3を得る。錠剤3は、投与後約4−9時間アベキシノスタットHClの放出を遅延させる。コーティングは、スプレーコーティング等などの従来のコーティング技術を用いて行う。
患者へのカプセルの経口投与は、結果として2つのパルスを有する放出プロフィールをもたらすはずである。アベキシノスタットHClの初期放出は、投与後、約3〜5時間で生じ、第2の錠剤からのアベキシノスタットHClの放出は、投与後、約7〜9時間で生ずる。
<実施例6:パルス製剤−カプセル又は錠剤のビーズ>
薬物含有ビーズが錠剤の代わりに使用される以外は、実施例5の方法を繰り返す。ラクトースなどの不活性支持体材料を薬物でコーティングすることによって即時放出ビーズを調製する。約3〜5時間の薬剤を放出しない期間を提供するのに十分な量の腸溶コーティング材で即時放出ビーズをコーティングする。約7〜9時間の薬剤を放出しない期間を提供するのに十分な、より多くの量の腸溶コーティング材で即時放出ビーズをコーティングすることによってビーズの第2の画分を調製する。コーティングしたビーズの2つの群を、実施例5のように封入し、又は緩衝剤の存在下で単一のパルス放出性錠剤に圧縮する。
<実施例7:持続放出錠剤>
先ず持続放出性賦形剤を調製することによってアベキシノスタットの持続放出性錠剤を調製する。必要量のキサンタンガム、ローカストビーンガム、薬学的に許容可能な疎水性ポリマー及び不活性希釈剤を2分間、高速ミキサー/造粒機内でドライブレンドすることによって持続放出性賦形剤を調製する。チョッパー/羽根車を動かしている間、水を加え、混合物をさらに2分間造粒した。次いで、顆粒を、4〜7%の乾燥重量損失(「LOD」)に達するまで流動床乾燥機内で乾燥させた。次いで、顆粒を、20メッシュスクリーンを使用して粉砕した。持続放出性賦形剤の成分を下記の表6に記載する。
次に、上記で詳述したように調製した持続放出性賦形剤を、10分間、V−ブレンダー内で、所望の量のアベキシノスタットとドライブレンドする。以下の実施例のために、適量の錠剤化潤滑剤Pruv(登録商標)(ステアリルフマル酸ナトリウム、NF)を添加し、混合物をさらに5分間ブレンドする。この最終混合物を錠剤に圧縮する。各錠剤は、アベキシノスタットの10重量%を含有する。製造された錠剤は、500mgの重さがあった(直径は3/8インチであり、硬度は2.6Kpである)。錠剤の割合は以下の表7に記載される。
次いで、溶出試験を錠剤に対して行う。当該溶出試験は、自動化USP溶解装置(Paddle Type II、pH7.5の緩衝剤、500mLで50rpm)において実施する。錠剤は、2時間でアベキシノスタットの約30%を放出し、アベキシノスタットの約98%が12時間後に放出されるような持続放出が続くはずである。
<実施例8:コーティングした持続放出性錠剤>
必要量のキサンタンガム、ローカストビーンガム及び不活性希釈剤をドライブレンドすることによって、上記のように持続放出性賦形剤を調製した。成分の添加後に造粒にさらに2分費やした(添加後の合計4分間の造粒)。エチルセルロース水性分散液を、上記の方法において水の代わりに使用した。持続放出性賦形剤の成分を下記の表8に記載する。
キサンタンガム及びローカストビーンガムを、10分間、V−ブレンダー内でドライブレンドし、デキストロースを添加し、さらに5分間、混合物をブレンドする。次いで、エチルセルロース水性分散液を添加し、さらに5分間ブレンドする。次いで、結果として得られた顆粒を、錠剤化潤滑剤として、ステアリルフマル酸ナトリウムを有する錠剤に圧縮する。次いで、錠剤を、追加のエチルセルロース水性分散液でコーティングする。これを達成するために、エチルセルロース(Surelease(登録商標)、400g)を、水(100g)と混合して、水性懸濁液を形成する。その後、当該錠剤をKeith Mechineryコーティングパン(直径350mm;パン速度20rpm;スプレーガンのノズル0.8mm;錠剤の床温度40℃〜50℃;バッチあたりのチャージ1kg;乾燥した空気−Conair Prostyle 1250、60℃〜70℃)内でコーティングする。錠剤を、約5%の重量増加までコーティングする。錠剤は約500mgの重さがあるはずである。錠剤の割合を以下の表9に記載する。
胃腸管を介する通路をモデル化するような方法で、自動化USP溶解装置において溶解試験を行う。コーティングした錠剤は、最初の1〜2時間中に10%より多くのアベキシノスタットを放出してはならない、その後、アベキシノスタットの約90%〜100%を12時間後に放出するように、安定した速度でアベキシノスタットを放出しなければならない。
<実施例9:インビトロ放出プロフィール>
溶解プロフィールを、37℃、100RPMでUnited States Pharmacopeia ApparatusIを使用して得る。溶解媒体を、0〜2時間、0.1N HClで始めて、時間と共に変化させる。2〜4時間、媒体は、pH6.5のリン酸緩衝液であり、4〜24時間、媒体は、pH7.5のリン酸緩衝液であった。
代替的には、溶解プロフィールを、USP TypeIII(VanKel Bio−DisII)装置を使用して行う。
<実施例10:インビトロ摂食/飢餓溶解プロトコル>
試験製剤を、様々な溶解条件下で評価して、pH、媒体、攪拌及び装置の効果を判定する。溶解試験は、USP TypeIII(VanKel Bio−DisII)装置を使用して行う。一連の製剤の摂食状態と飢餓状態との間の溶解反応速度における差異(もしあれば)を判定するために、インビトロ溶解実験を30%のピーナッツ油(「摂食(fed)」)を含有する溶液内で行って、典型的な脂肪摂取(dietary fat load)をした胃腸管をモデル化する。対照が、脂肪摂取を欠く(「飢餓(fasted)」)溶液における溶解速度を決定した。pH−タイムプロトコル(酸からアルカリの範囲にわたって消化過程をモデル化する)を以下の表10に記載する。攪拌は15cpmである。試験した試料の容量は250mLである。
錠剤上の腸溶コーティングは、飢餓状態と摂食状態とで大きく異ならない溶解速度を提供する錠剤を提供することが期待される。
<実施例11:第1相試験>
研究の目的
進行した固形腫瘍を有する患者においてアベキシノスタットHClと併用したパゾパニブHClの安全性、耐性及び最大耐用量(MTD)を決定すること。
アベキシノスタットHCl、パゾパニブHCl及びこれら2つの組み合わせの薬物動態を特徴づけること。
臨床的有用率=CR+PR+SD、奏功割合および無増悪生存率を使用して、予備効果を評価すること。
応答した被験体及び応答しなかった被験体の血液及び生検腫瘍におけるヒストンアセチル化発現レベルの変化と、血漿中のVEGF、VEGFR及びRAD51を含むバイオマーカーの発現との関連を調査すること。
潜在的な毒性に関連して、一塩基変異多型(SNP)のバリエーションを調査すること。
細胞***の速度の変化及び細胞***と腫瘍反応との関連を測定するために、FLT PET(3’デオキシ−3’−18F−フルオロチミジン陽電子射出断層撮影法)を使用して、機能的なイメージングを評価する。
<研究設計の概要>
アベキシノスタットとパゾパニブの併用の安全性を評価し、この組み合わせの推奨第2相用量を決定するための、非盲検化及び無作為化された漸増及び拡大第1層試験。
パゾパニブHClを1−28日目に毎日1回与え、食事の少なくとも1時間前又は食事の2時間後に食物無しで経口投与されなければならない。アベキシノスタットHClを経口で1日2回、1−5、8−12、15−19日目の間与えた。サイクルはそれぞれ期間にして28日になる。サイクル期間は28日である。患者は疾患の進行まで処置を継続する。
<包含基準>
1a相:患者は組織学的にまたは細胞学的に確認された転移性の固形腫瘍悪性腫瘍を有していなければならない。
1b相:患者は組織学的にまたは細胞学的に確認された局所的に進行した、切除不可能な、転移性肉腫又は腎細胞癌を有していなければならない。
RECIST 1.1によって測定可能な疾患
患者は、任意の数の前治療にも関わらず、新たな又は進行した転移性疾患を有する可能性がある。
米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが0−1であること。
脱毛症以外でグレード1又はそれよりも低い重症度に対する全ての化学療法又は放射線関連の毒性の解明。
患者は、放射線治療を含む最後の標準的な又は実験的な治療から少なくとも2週間又は5つの半減期(いずれかより長い方)を経過していなければならない。
以前にパゾパニブHClを受けた患者は適格であるが、過去2週間にそれを受け取っていてはいけない。
<除外基準>
頸癌又は非メラノーマ皮膚癌の原発性癌の他に治療していない進行中の原発癌を有する患者。
以前に処置されたCNS転移癌を有する個人であって、症状が無く、治験薬の第1の投与の4週間前にステロイド又は抗発作薬を必要としなかった場合を除く、中枢神経系(CNS)転移癌又は髄膜癌腫症の病歴又は臨床的証拠。
消化管出血のリスクを増加させるかもしれない臨床的に深刻な胃腸の異常。
フリードリッチ式(Friedrichs’s formula)を使用して、>480msecに修正したQT間隔(QTc)。
QT延長の原因として知られている薬物の使用。
過去6か月以内に以下の心血管症状のうちのいずれか1つ以上の病歴:
a.心臓血管形成又は拡張
b.心筋梗塞
c.不安定性狭心症
d.冠状動脈バイパス形成手術
e.症候性末梢血管疾患
抑制の乏しい高血圧症[≧140mmHgの収縮期血圧(SBP)または≧90mmHgの拡張期血圧(DBP)として定義された]。
過去6か月以内に一過性脳乏血発作(TIA)、肺塞栓症または治療していない深部静脈血栓症(DVT)を含む脳血管障害の病歴。
a.備考:少なくとも6週間治療用凝結剤で治療された、最近DVTを患った患者は適格である。
被験体の安全性、インフォームドコンセントの条件、又は研究手順へのコンプライアンスに干渉する可能性がある、任意の重大なおよび/または不安定な、前から存在する病状、精神状態又は他の状態。
禁止薬物の使用を、治験薬の第1の投与の少なくとも14日間前又は薬物の5つの半減期(いずれか長い方)前から、及び研究の間中断することが不可能又は中断することが不本意であること。
<患者群及び用量漸増基準>
この試験では、効果を増強するため、及び本研究においてはパゾパニブHClである血管形成阻害剤への耐性機構を潜在的に無効にするためにアベキシノスタットHClを使用することを提示する。最適な投与に調製し、アベキシノスタットHClの安定したレベルに到達するために、アベキシノスタットHClを28日中1−5、8−12、15−19日目に1日2回経口で投与した。パゾパニブを28日中1−28日目に毎日投与した。サイクルは28日ごとに繰り返される。
患者は、代替的なアベキシノスタットHClおよびパゾパニブHClの投与量を受け取る。用量漸増は下記の表に基づいて起こる。以下の用量の群を計画したが、任意の群に>2DLTが観察され、以前の群にはDLTが見られなかった場合、中間用量レベルを調査する(例えば、2DLTが45mgで観察され、30mgでDLTが観察されなかった場合、我々は35mgを調査する)。
パゾパニブHClと恐らく関係するDLTが第1の群で観察されれば、パゾパニブHCl投与量を最初に低下させる。毒性が恐らくアベキシノスタットHClによるという証拠があれば、アベキシノスタットHCl投与量を30mg(群−1)まで低下させる。
第1a相の間に、患者はDLTを評価できるようにするために、最初のサイクル中に20日間のパゾパニブHCl(≧75%)および10日間のアベキシノスタットHCl(≧75%)を受け取らなければならない。もし治験薬に起因して最初のサイクルの間に治療が>14日間遅れたら、DLTであると見なされ、患者は交代しない。治療が別の理由により遅れれば、患者は交代する。
投与量レベル1から開始し、もし1人の患者がDLT(セクション4.5で定義したように)を経験したら、2人の追加の患者を含むように投与レベルを拡張する。追加の患者がDLTを有していなければ、投与量を次のレベルに拡張する。2/3人の患者がDLTを有していれば、投与量を投与量−1に下げる。投与量レベル3では、私が生じる拡張部分、標準3+3デザインにおいて拡張パートIが生じる。3人の患者は投与量レベル3および4で治療される。0/3人の患者がDLTを経験すれば、3人の患者は次の投与量レベルで処置される。もし処置に起因するDLTが1/3人の患者が経験すれば、あと3人の患者(計6人の患者)がその投与量レベルで処置される。もし拡張された投与量レベルで追加のDLTが観察されなかったら(すなわち1/6がDLTを有する)、投与量は漸増する。与えられた投与量レベルにおいて、もう2人の患者が治験薬に起因した任意のDLTを経験したら直ちに漸増は終了する。投与量レベル5に到達すれば、6人の患者は登録される。一旦MTDが定義されれば、投与量拡張パートIIが生じる。
群内投与量漸増は認められない。投与量漸増は、以下に概説された漸増工程に従う:アベキシノスタットHClは1日目の朝に開始されるべきであり、28日のサイクル中2−5日目で継続されるべきである。パゾパニブは、サイクル1の2日目の朝のアベキシノスタットHCl投与後及びその後毎日28日間与えられる。4週間の処置を1つのサイクルとして定義する。反応は2つのサイクルの後に評価される。患者による薬物日誌は各サイクルの後に評価される。
もし任意の投与量でDLTが観察され、その前の投与量レベルでDLTが観察されなかったら、我々はCHR、PIおよび治験依頼者との議論の後に中間の投与量を調査し得る。
同じ週に初回投与されるのは2人以下の患者であり、次に高い群における患者は、より低い群の最後の患者がDLT期間を完了するまで登録しない。
<推定患者数>
本研究で登録された患者の総数は46−90の間にある。
<介入と評価の期間>
患者は、RECIST1.1で定義されるような進行、耐え難い毒性、登録解除の要求又は主要な研究者による登録解除まで研究に参加する。
患者への追跡は、医療記録を通じて周期的に(約6か月ごとに)継続し、その後の癌治療、癌の進行及び生存予後は更新される。追跡調査は死亡するまで又は少なくとも10年間存続する。
<用量制限毒性>
これは、結果として異なる毒性を有する可能性のある、パゾパニブHCl及びアベキシノスタットHClの用量漸増又はそれらを併用した際の用量漸増の併用試験である。用量漸増によって生じる毒性について特別な考慮をするべきである。この試験の論理的根拠は、併用治療による各薬物の効果を増強するため、及び血管形成阻害剤への耐性機構を無効にするためである。薬物投与を遅らせないために、あらゆる努力がなされるべきである。薬物投与を遅らせるためには、主要な研究者による事前認可が要求される。毒性が1つの薬物のみと明確に関連するなら、その有害な薬剤のみの投与量を修正すべきである。
有害事象および他の症状は、有害事象共通用語規準バージョン4.03(NCI, CTC ウェブサイト「<http://ctep.info.nih.gov>」)に基づいて類別される。
用量制限毒性(DLT)は、本研究の一部である治療との関連について関連する又は関連する可能性がある場合、サイクル1の間の以下の有害事象31のいずれか任意の1つと定義される。
<血液の用量制限毒性>
a.増殖因子のサポートにも関わらず、≧7日間持続するグレード4の好中球減少症。GCSF(フィルグラスチム)またはペグ化−GCSF(Neulasta)は、処置する医師の判断でANC≦1000を処置するためにサイクル1の7日目及びサイクル1の後に投与され得る。投与された時、これはDLTを構成しない。
b.>38.5℃の発熱及び抗生物質又は抗真菌剤による処置が必要な感染症を伴うグレード4の好中球減少症。
c.グレード4の血小板減少症(≦25.0×109/L)
d.出血および/または血小板又は輸血を必要とすることと合併したグレード3の血小板減少症。
非血液用量制限毒性−特定の例外を除いて、これはグレード≧3の非血液毒性として定義される。
下記もDLTと考えられる:
a.症候性徐脈
b.QTc間隔における持続性増加(ベースラインから>60ミリセカンドおよび/または>500ミリセカンド)
c.14日より長い処置の遅れ
d.グレード≧2の処置関連毒性の結果として、サイクル1中に予定されていた治験薬の≧75%の投与の失敗。
e.毒性以外の理由で第1のサイクルを完了できなかった被験体は、毒性を評価できない群に分類され、交代する。用量減少はDLT範囲内で生じる場合がある。
<最大耐用量>
最大耐用量(MTD)は、患者の33%未満がサイクル1のDLTを経験する最も高い投与量レベルとして定義される。
来院スケジュールおよび評価
12週間以内で著しい変化が起こらなければ、研究前試験、病歴及び健康診断を1日目の試験に使用し得る。
2次のサイクルにおけるD1健康診断及び病歴は、次のサイクルの7日目までに行われ得る。
3健康診断はECOGステータスおよび生命徴候を含む。
4毒性はCTCAE v4.03によって評価される。
5ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、総白血球数(WBC)および分化(differential)
6BUN、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、塩化物、CO2(HCO3)、グルコース、カルシウム、アルブミン、全タンパク質、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、LDH(メラノーマのみ)、AST/SGOT、ALT/SGPT、リン、マグネシウム、総ビリルビンが通常の上限より大きい場合、直接的な及び間接的なビリルビンを実施するべきである。できれば、患者が断食した後、生化学検査を行うべきである。総ビリルビンを含むLFTs、アルカリホスファターゼ、LDH(メラノーマのみ)、AST/血清GOT、ALT/血清GPTについてもサイクル1の2週目の間に得るべきである。
7甲状腺機能試験:TSH、8週間ごとのFT4
8ワルファリンを服用する患者のために、凝固プロファイルはプロトロンビン時間または国際標準化比(INR)を含む。
9尿蛋白は検尿においてタンパク質定量化によって測定されるべきである。
10MUGA又はECHOは、ベースラインおよびサイクル2の終わりに行われるべきであり(±1週)、EFが±10%で変更する場合、単に次のサイクルが繰り返されるべきである。
11サイクル1は2つの時点で毎週3連のEKGを行う:事前のアベキシノスタットHClおよび3時間(±15分)の事後−アベキシノスタットHCl。
12サイクル≧2:もし心臓の疾患が1日目のEKGの前投与において確認されなかったら、単一のEKG。
13出産可能な女性について。もし臨床的に示されれば、妊娠テストを各2サイクルの後に繰り返される。
14ベースライン評価は処置開始前の30日以内に行なわれるべきである。
15パゾパニブPK:最終スケジュールTBDIa相のみ
3日目:前投与、投与後:30分、2、4、8、24時間
8日目:前投与(アベキシノスタットHClとともに)、投与後:30分、1時間、2時間、4時間、8時間
22日目:前投与、投与後:30分、2、4、8、24時間
16アベキシノスタットHCl PK:最終スケジュールTBDIa相のみ
1日目:前投与、投与後:30分、1、2、4、6、8 24時間
8日目:#15を参照されたい。
17PDマーカーは、ヒストンアセチル化、VEGF、VEGFR、HIF、RAD51の発現、ゲノム薬理学を含む。
18アベキシノスタットHClのためのPDマーカー:
前処置:10日前まで
1日目:アベキシノスタットHClの投与後2時間(+15分)
8日目:アベキシノスタットHClの投与前及び投与後2時間(+15分)
19パゾパニブHClのためのPDマーカー:各サイクルで採取した血漿
20ゲノム薬理学:サイクル1の1日目で採取した全血
21腫瘍FNA:1日目(10日前まで)及び5日目のアベキシノスタットHCl投与後120分(+30分)
* 腫瘍FNAまたは腫瘍生検は投与量漸増において随意であり、投与量拡張においては義務である。*
22ベースライン撮像化とともにFLT PET(3’デオキシ−3’−18F−フルオロチミジン陽電子射出断層撮影法)を行っても良く、その後サイクル2の前に追跡画像化を行っても良い。
パゾパニブスケジュール:投与前、30分、2時間、4時間、8時間、24時間
アベキシノスタットHClスケジュール:投与前、30分、2時間、4時間、8時間、24時間
<効能評価>
反応、進行および再発の基準
本研究において反応及び進行は、固形癌における反応評価(RECIST)委員会33によって示された新しい国際基準を使用して評価する。腫瘍病変の最大直径のみ(一次元測定)の変化は、RECIST 1.1の中で使用される。備考:以下に提供される基準を使用して、病変は測定可能または測定可能ではない。追加の意味又は正確さを提供しないため、可測性に関して用語「評価可能」は使用されない。
本研究の目的のため、患者は反応について8週ごと、サイクル1後は奇数のサイクルが始まる前に評価されるべきである。ベースラインスキャンに加えて、確認のスキャンも、客観的な反応を最初に確認してから≧4週間後に行うべきである。
標的病変の評価
完全奏功(CR):すべての標的病変の消失
部分寛解(PR):少なくとも標的病変の中で最長の直径(LD)の和の30%の減少、引用文として基準和LDをとる。
進行性疾患(プレグナンジオール):処置開始後又は1つ以上の新たな病変が出現してからのLDの最小の和を参考にして、標的病変のLDの和における少なくとも20%の増加。
安定した疾患(SD):処置開始した後からLDの最小の和を参考にして、PRに適格であるほど十分な縮小がなく、PDに適格であるほど十分な増加もない。
腫瘍サンプル及びPBMC
細針吸引(FNA)による腫瘍サンプルは、アベキシノスタットHCl投与後の評価のスケジュールに基づいて、細胞病理学的な研究によって得られる。試料中の腫瘍細胞の存在を確認するために、吸引時のディフ−クイック風乾法(FNA)が細胞病理学的な研究に使用される。本研究の目的のために利用可能な病変は、皮下結節又リンパ節あるいはは患者に低リスクでCTガイダンスによってFNAにアクセス可能な病変(CT/超音波で誘導した、頸部のリンパ節、腋窩、鼠径部、及び胸部、肝臓又は副腎中の腫瘤のFNAを含む)として定義される。この決定は主要な研究者と処置する医師との協議による裁量である。腫瘍小結節が視認可能および/または触診可能あるいは上に定義したようにアクセス可能ではない場合、生検は行わない。
組織の腫瘍へのPCI24781の効果及びPBMCヒストンアセチル化が評価される。PBMCおよび腫瘍吸引物を免疫蛍光検査法およびウエスタンブロット解析(IF)分析を使用して、Pamela MunsterのUCSFでの実験室で処理される。細胞もHDAC酵素発現のために染色される。
他の相関的な研究方法は後で加えられる。
<安全性評価>
安全性評価は、有害事象および重篤有害事象をすべてモニタリング及び記録すること、標準的な血液学的、血液化学、尿の値、生命徴候及びECOGパフォーマンスステータスのモニタリング、並びに標準的な健康診断およびECG評価からなる。
有害事象は、有害事象共通毒性規準(CTCAE)バージョン4.03に基づいて評価する。
深刻な有害事象は、任意の投与量で生じた以下の任意の薬物副作用である:
a.死に至る
b.生命に関わる
c.入院(in−patient hospitalization)または既存の入院の延長に至る(待期的手術又は手順のための入院は適格ではない)
d.持続性の又は著しい身体障害/不能に至る
または、e.先天異常/出生異常に至る。
有害事象は、その事象が治験薬と関連がないと見なされたとしても、治験薬の投与開始後に生じた任意の望ましくない兆候、症状又は病状の出現又は悪化である。治験薬を始める前に存在する病状/疾患は、それらが治験薬を始めた後に悪化した場合にのみ、有害事象と考えられる。異常な臨床検査値または検査結果が有害事象を構成するのは、それらが誘導した臨床兆候又は症状が臨床的に有意又は治療が必要であると判断された場合にのみである。
有害事象の発生は、研究期間中の各訪問時の患者の非指示的な質問によって探索されるべきである。有害事象はまた、来院中又は来院の間隔に患者が申し出ることあるいは健康診断、臨床試験又は他の評価を通じて検出できる。可能な限り、有害事象はそれぞれ以下のことを決定するために評価されるべきである:重症度(低、中、高)又は(グレード1−4);治験薬との関係(疑わしい/疑わしくない);持続時間;(開始日及び終了日又は最終試験まで継続しているか)取られた処置(処置しなかった、治験薬投与量調整/一時的に中断、この有害事象によって治験薬を永久に継続しない、併用薬の投与、薬物療法を行わなかった、入院/入院の延長、及び、それが深刻な有害事象(SAE)を構成するかどうか。
有害事象はすべて適切に処置されるべきである。そのような処置は、可能な中断または中止、併用処置の開始又は終了、評価の頻度または本質の変更、入院、または他の医学的に必要とされた介入を備えた、治験薬処置の変更を含み得る。一旦有害事象が検知されれば、その解消まで追跡するべきであり、任意の重症度の変化、治験薬との疑わしい関連、それを処置するために必要な介入及びその成果についての評価は、来院ごとに(又は必要であればもっと頻繁に)なされるべきである。
すべての深刻な有害事象に関する情報は収集され記録される。
<エンドポイント>
DLTは、有害事象、予定された臨床評価、生命徴候測定、ECG及び健康診断をモニタリングすることで評価される。毒性の重症度は2010年6月14日に出版されたNCI CTCAE v4.03に基づいて類別される。有害事象および臨床的に著しい実験室での異常(CTCAEに基づくグレード3、4、または5の基準に対応する)は、最大の効力、および各処置群の治験薬との関係によってまとめられる。安全性は、最初の4週は週ごとに、及びその後は4週ごとに評価される。パゾパニブHClおよびアベキシノスタットHClの組み合わせから観察された毒性のデータを表示するために、単純な記述統計が利用される。
アベキシノスタットHCl、パゾパニブHClおよびその組み合わせのノンコンパートメント薬物動態は、分布容積(Vd)、生物学的利用能(F)、クリアランス(CL)、半減期(t1/2)および曲線下面積(AUC)の測定および計算により評価される。
臨床的有用率=CR+PR+SD。RECIST 1.1基準の画像化により評価した。
客観的奏効率。最良の効果(臨床的な有用性があった患者)患者の数を本研究の患者の総数で割った割合として計算される。
無増悪生存率。進行までの時間は、研究への登録から任意の原因による疾患の再発、進行又は死亡まで、あるいは再発、進行又は死亡が起こらなければ最後の接触までの時間として計算される。
全生存率。OS時間は、研究への登録から任意の原因による死亡まで、又は患者が死亡しなければ最後の接触までの時間として計算される。
PBMC及び腫瘍の生検中のHDAC1、HDAC2、HDAC3およびHDAC6発現の変化によって測定されるようなヒストンアセチル化
他のPDバイオマーカー:VEGF、VEGFR、HIFおよびRAD51発現のための血漿
ゲノム薬理学:SNP多様性及び毒性との関連について評価するための1度の採血。
FLT PET(3’デオキシ−3’−18F−フルオロチミジン陽電子射出断層撮影法)の変化。
<実施例11:パゾパニブ+アベキシノスタットの効果のインビトロアッセイ>
パゾパニブ+アベキシノスタット(PCI−24781)の組み合わせの効果は、786−Oヒト腎癌細胞中で分析した。その結果を図1に示す。alamarBlueレベルを測定した後、その組み合わせを細胞に連続する3日間投与した。
<実施例12:パゾパニブ+アベキシノスタットの効果のインビトロアッセイ>
パゾパニブ+アベキシノスタット(PCI−24781)の組み合わせの効果をU2−OS骨肉腫細胞中で分析した。その結果を図2に示す。alamarBlueレベルを測定した後、その組み合わせを細胞に連続する3日間投与した。
明細書中に記載される実施例及び実施形態は、例示を目的とするためのみであり、当業者に提示される様々な改良又は変更が、添付の特許請求の範囲の開示の精神及び範囲中に包含される。当業者によって評価されるように、上記の実施例において列挙された特定の成分は、他の機能的に同等の成分(例えば希釈剤、結合剤、滑沢剤、充填剤、コーティングなど)と交換可能である。