JP2015503414A - 精神医学的評価用装置および方法 - Google Patents

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Abstract

精神医学的評価の方法に用いる装置(1)であって、あらかじめ選択された複数の画像を記憶する記憶手段(4)と、一連の画像を患者に表示する表示手段(12)と、患者の眼球運動を追跡する眼球追跡手段(6)と、一連の画像の表示に応じた患者の眼球運動に対応する眼球運動データを記録(し、表示手段に表示された画像に対応する表示画像データを記録)する記録手段(8)と、画像を所定順序で所定時間患者に表示するよう表示手段を制御し、眼球運動データおよび所定時間内の表示画像データを記録するよう記録手段を制御する制御手段(2)と、眼球運動データおよび表示画像データを分析し、円滑追従眼球運動テスト、固視テスト、および衝動性眼球運動テストのうちの一つ以上のテストを実施することにより得られる第2結果データセットと組み合わせて、患者の精神状態を識別するための第1結果データセットを生成する分析手段(10)と、を備える装置。

Description

本発明は、精神医学的評価に用いる装置および方法に関し、より具体的には、患者の眼球運動の分析に基づいた精神医学的評価に関する。
本分野においては、罹患者の識別を補助するために、特定の精神疾患に関連付けられる特徴、生物学的指標、行動、および症状を特定するための多くの努力が今日までになされている。
例えば、服薬していない多くの精神障害患者において異常な眼球運動が見受けられることは、100年以上前に発見されている。しかしながら、このような早期の発見にもかかわらず、正常な対照実験参加者(対照群)から正確に患者を線引き可能な、総合失調症といった疾患に関連付けられる安定特徴指標を特定しようという試みにおいては、限られた成果しか上げられていない。
更に、総合失調症患者やその血縁者において報告されている多くの個々の眼球運動能力の欠陥に明らかなロバスト性があるにもかかわらず、総合失調症における眼球追跡能力を定義する、多くの要素に隠れた多数の微妙な変化の解析はわずかしか行われていない。
科学者達は、人間の心の状態についてより良く理解してきており、分析に自由に利用可能な発達した技術を持っているが、早くそして正確に現罹患者および将来の罹患者を識別および診断することは未だ困難である。
これに関して、現在の精神状態診断は実際には症状に基づいたものであり、基本的に精神疾患の診断の外面的な立証を可能にする生物学的指標を用いない、表面的妥当性のみのものである。これは、個人や患者が、最もふさわしい診断結果を決定する核となる特徴を示さない場合や、一つ以上の診断カテゴリで共有される特徴を示す場合において特に問題である。また、そのような場合、個人を長期にわたる入念な観察によって専門的に評価するまで診断結果が明らかにならない可能性がある。遺伝子型情報は将来的にこれらの不確実性を軽減する可能性があるが、特定の障害のリスクを予測することに関しては、現段階では臨床評価と大差ない。臨床評価はかなりの時間と専門知識が必要であり、従ってコストもかかる。また、いずれにしても、全ての診断基準を満たさなくとも疾患を診断可能であるかについて不確実性が残る。
これに関して、今日までの眼球運動異常に関する研究においては、臨床的価値を有するに十分感知可能または十分明確な、精神病患者における特徴を特定できていない。グループ分けはされているものの、疾患症例と対照群との間、および疾患症例中の診断カテゴリ間での重複が多すぎる。例えば、総合失調症患者およびその生物学的家族は、円滑追従眼球運動能力(SPEM)テストの成績が低いという多くの証拠がある。しかしながら、感度を高く設定すると、対照群の一部でさえも成績が悪くなる。すなわち、感度と特異性との間には反比例の関係がある。
総合失調症患者の一般的な特徴の更なる例は、衝動性眼球運動に関するものである。一般に、総合失調症例の識別を試みる際には反衝動性眼球運動テストが用いられている。しかしながら、反衝動性眼球運動テストは、症例と対照群の双方に対して実施するのは非常に困難であることが良く知られている。そのため、反衝動性眼球運動テストはエラーが多く、研究と個人との間の結果/エラーの割合に相当なばらつきがあった。反衝動性眼球運動テストは、参加者の年齢にも大きく影響されることが知られている。
更に、総合失調症患者は固視制御が利かないことも知られている。総合失調症患者は、凝視安定性およびスライドに問題がある。しかしながら、現在利用可能なテストでは一貫性のある確認結果を得ることができない。
上記に関連して、多くの研究において、総合失調症における眼球運動はしばしば特定の限定された領域における刺激に限られているか、もしくは選択された特徴に集中しており、走査は文脈上の知覚、認識、探索、および自由鑑賞において不規則であることが多くの研究によって明らかになっている。
血縁者や兄弟姉妹も同様に制限的な不規則走査の特徴を示した。しかしながら、総合失調症における異常凝視と走査との組み合わせはまだ研究されておらず、実質的な研究結果は出てきていない。そのため、SPEMや反衝動性眼球運動、固視/凝視維持、探索的走査経路といったテストは、部分的にしか総合失調症例を対照群から区別できないことが歴史的に知られている。このような精神障害患者と対照群の不十分な区別は、誤診の割合が許容できないほど高いため、臨床上/診断上有用であるとみなされていないことを意味する。
従って、本発明の目的は、このような既知の装置および方法を用いて上述の課題を解決することである。
本発明の一つの態様によれば、精神医学的評価の方法に用いる装置であって、あらかじめ選択された複数の画像を記憶する記憶手段と、一連の画像を患者に表示する表示手段と、患者の眼球運動を追跡する眼球追跡手段と、一連の画像の表示に応じた患者の眼球運動に対応する眼球運動データを記録する記録手段と、画像を所定順序で所定時間患者に表示するよう表示手段を制御し、眼球運動データおよび表示画像データを所定時間中記録するよう記録手段を制御する制御手段と、眼球運動データおよび表示画像データを分析し、円滑追従眼球運動テスト、固視テスト、および衝動性眼球運動テストのうちの一つ以上のテストを実施することにより得られる第2結果データセットと組み合わせて使用する、患者の精神状態を識別するための第1結果データセットを生成する分析手段と、を備える装置が提供される。
これに関連して、本発明は、表面的妥当性に基づいた基準ではなく、むしろ症状自体の外部にある妥当性を有する基準を用いて精神障害症状を有する患者を診断し分類する際の補助として用いることが可能な装置を開発することに関係している。この新たに開発された装置自体は、一群の対話式テストから得られる能力測定結果の統計的組み合わせを生かして患者を分類することができる。
これに関連して、装置は、テスト結果内のノイズが多いデータを削減するために、自由鑑賞テストの原理を用いて、テスト参加者の精神状態以外の要因を最小化することを確実にしている。管理されたテスト環境下においては、鑑賞中の眼球運動を追跡できるように、患者は単に表示される一連の画像を見るよう指示される。この態様は、患者がデータに不要なノイズを取り込む原因となり得る特定の課題を実行するよう要求されないという点で既知のテストと異なる。出願人は、この特定の利用に自由鑑賞テストを適合することによって、患者の精神状態評価用として非常に効果的な結果を得ることができることに気づいた。患者に対して表示する画像は、感情的に中立の画像、すなわち感情の高揚を呼び起こす可能性が低いと考えられる内容の画像が特に選択される。選択される画像は、穏やかな、動揺させない落ち着いた品質を有する。そのような画像は、本発明において優れたデータを生成することに関して特に効果的であることが証明された。
便宜的に、制御手段は計42枚の画像を表示させる。テストに使用される画像の合計枚数はテストの要求により変更しても良いが、一度合計枚数を設定したら、実施する自由鑑賞テストにおいては合計枚数を維持しなければならない。これにより、評価用としてのデータの有効性が維持される。それでもなお、総合失調症の生物学的指標のスキーマを提供することに関しては、計42枚の画像によって十分な結果が得られることが立証されている。便宜的に、画像は所定の順序で表示される。
便宜的に、装置は複数の感情的に中立の画像を記憶するメモリ手段を更に備え、制御手段は、メモリ手段からの画像のそれぞれが所定の順序で表示されるよう制御する。
好適には、制御手段は画像を5から10秒間表示させる。一般的に、総合失調症患者は疾患のない人と比較して画像の鑑賞に従事するのに時間を要する。従って、それより短い時間の場合は十分な眼球運動が生じず、また、それより長い時間の場合は逆に画像の鑑賞に影響する可能性があり、更にテスト時間が長くなることによって不要な疲労を引き起こす。
好適には、制御手段は更に追加的に円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上を実行するよう装置を制御する。これらのテストのそれぞれは、実質的に全ての患者および対照群がこれらのテストにうまく取り組むことができるよう、修正および改良して単純化されている。これらの単純化されたテストは、見落とされ誤用されていた、特定の精神的な病/疾患に関連した異常眼球運動に関する先の発見に焦点を当てかつ利用し、テスト参加者の認知行動への不要な依存を排除している。従って、本願発明の装置は、現在利用されている眼球運動測定手法の代替方法を、より費用効率の高い診断方法で可能にする。
便宜的に、制御手段は円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの結果データを取得し、第1結果データを改善するために用いる。その際、異なるテストからの結果データを収集し分析に用いた後、可能性のある特徴を判断するためにテスト間で交差検証が行われるため、データの整合性が改善される。その結果、患者と対照群との間の差異がより早く示される。
好適には、制御手段は相対的重要度を第1結果データセット、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの結果データセットに付与するためのアルゴリズムを利用する。このようにして、それぞれの結果は、精神医学的評価の全体において相対的重要度が与えられる。精度に関する公正な説明が得られるよう、トレーニング有効性を交差検証によってモニタリングすることができる。
好適な実施形態においては、アルゴリズムは3つのテスト、すなわち自由(画像)鑑賞、リサジュー0.2Hz追従、および固視安定性の測定を利用する。便宜的に、アルゴリズムはそれらの測定結果を10個利用する。
対照群+総合失調症+双極性障害+大鬱病性障害を含むグループに基づくモデルにおいては、それらの測定は、1)自由鑑賞(固視分散)、2)追従−リサジュー0.2Hz(水平ゲイン)、3)追従−リサジュー(0.2Hz(垂直ゲイン)、4)追従−水平0.4Hz(衝動性眼球運動継続時間)、5)追従−リサジュー0.4Hz(衝動性眼球運動頻度)、6)自由鑑賞(衝動性眼球運動平均速度)、7)固視−ディストラクタ(走査経路長)、8)自由鑑賞(衝動性眼球運動ピーク速度)、9)追従−水平0.4Hz(衝動性眼球運動ピーク速度)、および10)追従−水平0.4Hz(水平ゲイン)である。
このようなモデルにおいては、それぞれの測定結果に付与される重要度は、100中1)100、2)66.9、3)58.0、4)41.9、5)33.2、6)31.4、7)31.3、8)27.7、9)27.6、および10)25.8である。この点において、自由鑑賞(固視分散)測定結果の相対的重要度は明白である。
好適な実施形態において、自由鑑賞(固視分散)測定結果の重要度重みは100中85から100である。
本発明の更なる態様によれば、精神医学的評価に用いる方法であって、一連の異なる感情的に中立の画像を患者に対して表示しながら同時に患者の眼球運動を追跡し、所定の順序で所定の時間表示される一連の画像の表示に応じて患者の眼球運動を眼球運動データとして記録し、眼球運動データを収集し、円滑追従眼球運動テスト、固視テスト、および衝動性眼球運動テストのうちの一つ以上のテストを実施することにより得られる第2結果データセットと組み合わせて使用する、患者の精神状態を識別するための第1結果データセットを生成する方法が提供される。
これは、本質的には自由鑑賞テストを基本とする方法である。画像は中立または当たり障りがないものであり、すなわち画像は強い感情反応を呼び起こさないよう意図的に選択されている。選択される画像は、穏やかな、動揺させない落ち着いた品質を有する。そのような画像は、本発明において優れたデータを生成することに関して特に効果的であることが証明された。
好適には、計42枚の画像が表示される。便宜的に、それらの画像は記憶され、所定の順序で順に選択され、5から10秒間、好適には8秒間表示される。
好適には、方法は、更に追加的に円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上を実行する。好適には、円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上から結果データを取得し、第1結果データの改善に用いる。
制御手段は、好適には、第1結果データセット、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの結果データセットに重みを付与するためのアルゴリズムを利用する。
好適には、方法は、第1結果データセット、および円滑追従眼球運動テストの測定結果、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上から得られる第2結果データセットの測定結果に重要度重みを付与することを更に含む。
便宜的に、分析モデルの構築に10個の測定結果が用いられる。
それらの測定結果には、好適には自由鑑賞(固視分散)測定結果が含まれる。
便宜的に、自由鑑賞(固視分散)測定結果には、100中85−100の重要度重みが付与される。
好適には、方法は、あらかじめ選択された統計的手法を用いて結果データセットを改善することを更に含む。
方法は更に、異なる患者グループから複数のデータセットを取得するために方法を繰り返し、少なくとも二つの統計的モデリング手法を用いてモデリングを目的としたデータバンクを構築し、モデルを交差検証することを含んでいても良い。これに関連して、自由鑑賞テスト、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストのうち一つ以上から得られる結果データセットから分類モデルが構築される。
好適には、モデリング手法は勾配ブースト決定木(GBDT)および確率的ニューラルネットワーク(PNN)を含む。現在では、PNN法が眼球運動を説明するのに最も適しており、信頼性の高い正確なモデルを提供することができる。これらの手法は公有のものですぐに利用可能であり、Rといった公有のパッケージや、DTREGといった市販のパッケージに実装されている。
好適な実施形態において、自由鑑賞テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)走査経路長(deg)、および(9)固視分散(テスト中の固視の群がりまたは分散の度合い)の9個の測定結果中央値を取得する。
便宜的に、方法は、移動する刺激を画面の中央に所定の背景に対して所定時間Tの間表示し、眼球運動測定値のセットを、時間Tから開始後1秒および最後の1秒を除いた時間の間取得し、ノイズに対する信号の比(SNR)、二乗平均平方根誤差(RMSE)、および追従ゲイン(眼球の速度を刺激の速度で割った値)用に中央値を推定するステップを更に含む、円滑追従眼球運動テストを実行する。便宜的には、Tは20秒である。T>20秒の場合、患者は疲労を感じやすくなる。T<20の場合、能力測定結果の計算にエラーが生じやすくなる。
移動する刺激は、赤色の円、もしくはランダムな周期で色が変化(赤、青)する点であっても良い。点は直径0.5degである。
所定の背景は、カラー、黒、またはランダムな斑点を有する背景を含んでいても良い。ランダムな斑点を有する背景を使用する場合、テクスチャ背景を提供するには通常は100個の斑点で十分である。画面上の斑点の位置は、均等分布から描かれたランダム座標によって判断される。
好適には、刺激は0.2Hzから0.6Hzの間の経時的な周期を有する水平シヌソイドに沿って移動する。
便宜的に、刺激は0.2Hzから0.6Hzの間の経時的な周期を有する二次元シヌソイドリサジューパターンに沿って、画面の高さおよび幅にわたって移動することができる。
好適な実施形態では、円滑追従眼球運動テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度−連続した正確な追従またはスライドの時間と解釈される)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)ノイズに対する信号の比(ノイズのような短い衝動性エラーや調整と比較した正確な円滑追従眼球運動の量)、(9)二乗平均平方根誤差(ターゲットの位置に対する目の平均位置エラー)、および(10)ゲイン(ターゲットの速度に対する追従中全体を通した眼球の速度の比)の10個の測定結果中央値を取得する。
刺激が二次元シヌソイドリサジューパターンに沿って移動する好適な実施形態においては、垂直眼球運動挙動の円滑追従眼球運動テスト用にも10個の測定結果中央値を取得する。
方法は、中心ターゲット、又は中心ターゲットを隣接ディストラクタと一緒に所定時間T2の間表示し、固視眼球運動測定結果セットを取得し、単体条件とディストラクタ条件とで別々に固視眼球運動測定結果から結果の中央値を計算および取得するステップを更に含む、固視安定性テストを実行することができる。好適には、所定時間T2は5秒である。
好適な実施形態では、固視テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動振幅(deg)、および(5)走査経路長(deg)の5個の測定結果中央値を取得する。
方法は、移動可能な中心ターゲットを表示し、眼球運動測定結果セットを取得し、結果データを計算および取得するステップを更に含む、衝動性眼球運動テストを実行することができる。
好適な実施形態では、一回の衝動性眼球運動テストで13個の測定結果中央値を取得する。衝動性眼球運動テストは、順衝動性眼球運動タスクまたは反衝動性眼球運動タスクである。タスクは、ギャップ条件およびステップ条件の一つまたは両方の条件による変形でも良い。(1)まばたき頻度、(2)初回反応衝動性眼球運動までの衝動性調整回数、(3)初回反応衝動性眼球運動潜時(ms)、(4)ターゲット移動後の初回衝動性眼球運動回数、(5)初回反応衝動性眼球運動振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(6)正確な初回衝動性眼球運動回数(タスクに依存)、(7)初回反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(8)回復衝動性眼球運動潜時(ms)、(9)ターゲット移動後の回復衝動性眼球運動回数、(10)回復衝動性眼球運動の振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(11)反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(12)初回反応衝動性眼球運動後の凝視維持時間(実際のターゲット表示時間に対する最終凝視時間の比)、および(13)初回反応衝動性眼球運動後の凝視振幅(実際のターゲット位置に対する最終固視位置の比)から、最大65個の測定結果が利用可能である。
好適には、方法は追加的に円滑追従眼球運動テストおよび固視テストを行い、これらのテストの間で一貫した測定結果を結びつける。
本発明の更なる態様によれば、患者の精神疾患を識別し分類するシステムであって、上記で定義された装置を上記で定義された方法で用いて、精神疾患患者の眼球情報データの匿名データベースを構築し、上記で定義した装置を上記で定義した方法で用いて患者をテストし、精神疾患を識別し分類するために患者のテスト結果をデータベースと比較するシステムが提供される。
便宜的に、方法またはシステムは、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって制御される。
好適には、本発明は上記方法またはシステムを実行するためのコンピュータプログラム、または上記システムまたは方法をコンピュータに実行させる制御ロジックが記憶された、コンピュータで使用可能な媒体を包含する。
本発明の例を、以下に示す添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の使用中の装置を示す概略図である。 図2は、本発明のフローチャートである。
精神医学的評価用の装置1は制御手段2および表示手段12を備え、制御手段2は、あらかじめ選択された画像(テスト用の刺激)が保存されている、アクセス可能な記憶手段4にも接続されている。これらの画像は、参加者にとって感情に訴えるもので無く中立的であるよう、文化的な影響を考慮して慎重に選択された一般的な画像である。それらの画像は、例えば風景、人物、顔、または物であっても良い。それらの画像は動画像ではなく、単なる感情的に中立の画像である。また、これらの画像を元に、参加者が画像を見る必要のある自由鑑賞テスト102が準備される。
図1に示すように、制御手段2は、テストの構成に従って表示手段12に画像が表示できるように、表示手段12にも接続されている。これらの画像は、所定時間の間、所定の順序で表示される。
表示手段12は、19インチ(48cm)のコンピュータディスプレイ(19インチTFTディスプレイ、もしくは可視画像が19インチに合うよう縮小される21インチCRT装置)であっても良い。表示装置のサイズやタイプに制限は無いが、刺激の提示は標準化されていることが重要である。
例えば、図1に示すように、テスト中は表示手段12は70cmの位置(スクリーンから観察者の目までの距離(d))から観察され、その距離は巻き尺を用いて測定するか、固定された環境の場合はヘッドレストから測定することが可能である。観察距離(d、視野角の角度で測定される)および画像/刺激のサイズは、刺激が一定の視覚領域に対応するよう一定に保たれ、それによって標準化された量の脳の視覚皮質が刺激される。これは、30cm四方の写真を5メートル離れた位置から観察する場合に必要な眼球運動の回数(すなわち、実質的にゼロ)を、同じ写真を0.5メートル離れた位置から観察する場合(すなわち、たくさん)と比較するという観点から理解することができる。
制御手段2および記憶手段4を用いることで、あらかじめ選択された画像は自動的に表示手段12固有の解像度に縮小される。画像の解像度は原画像のサイズおよび品質によって異なることがあるため画像の見掛けに違いが生じ得るが、観察距離(d)が保たれている限りテストには影響しない。
テストにおける修正された自由鑑賞パートにおいては、記憶手段4から所定枚数の画像を選択した後、刺激タイプの提示の順序は固定される。各テストにおいて計42枚の画像を使用することができる。この枚数が効果的であると実証された。
選択された画像の各々は、表示手段12に5から10秒間提示される。8秒間が、参加者の十分な眼球運動を取得するのに最も効果的であると実証された。テストを構成する際には、各テストにおける自由鑑賞テストを通してこの時間は一定に保たなければならない。ただし、キャリブレーション処置は許容される。
テスト期間中、眼球追跡手段6および記録手段8に更に接続された制御手段2は、テスト参加者の眼球運動を追跡し記録するためにこれらの構成要素を利用する。生眼球位置データは、120Hzから1000Hzの間で取得されても良い。250Hzから500Hzのデータレートが、テストから必要なデータを収集するのに効果的であることが実証された。このレートは、一度選択した後はテストを通して一定に保たなければならない。刺激/タスクはそれほど高いレートのデータを必要としないため、1000や2000Hzといったより高いレートは何の利得も提供しない可能性がある。しかし、120Hz未満のレートは、刺激によって引き起こされる眼球運動の細部をとらえるには眼球位置を十分頻繁にとらえない可能性があるため、推奨できない。
装置1は、ヘッドレストのないヘルメットシステムや、顎レストおよびヘッドレストが提供されるシステムを含んでいても良い。これは、参加者が眼球運動記録中にじっとしていられるかに依存するであろう。表示手段12は、どの構成が用いられるかによって変わるであろう。
装置1は、記憶手段4に保存されるであろう、類似のテーマの刺激/画像を更に含み、制御手段2は所定の順序で画像を取得する。既に述べたように、画像は表示手段12に提供され、これらの画像のテーマは風景、顔、および一般の日常的なものである。画像は中立的であることを意図したものであり、表示順序は好適には一定に保たれる。
自由鑑賞テストからは、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)走査経路長(deg)、および(9)固視分散(テスト中の固視の群がりまたは分散の度合い)の9個の測定結果中央値を取得することができる。
図2に示すように、制御手段2は、自由鑑賞テスト102と一緒に円滑追従眼球運動テスト104、固視テスト106、および衝動性眼球運動テスト108のうちの一つ以上のテストを実行するよう装置を制御する。
円滑追従眼球運動テスト104においては、参加者は、ターゲットが移動を開始したら、ターゲットを眼で可能な限り滑らかに追従することが要求される。ターゲット刺激は、黒の背景に表示された中実円であっても良い。ターゲット刺激は、赤い点またはランダムな間隔で赤や青といった色に変化する点であっても良い。70cm離れた位置から観察した場合、ターゲットは直径0.5degである。
刺激は、好適にはディスプレイの中央で水平シヌソイドに沿って移動し、また二次元シヌソイドリサジューパターンに沿って画面の高さおよび幅にわたって移動する。
実験者の裁量により、参加者は以下の各検査に取り組むよう促される。
1.水平 0.4Hz
2.水平 0.6Hz
3.リサジュー 0.2Hz
4.水平 0.4Hz、変化する(赤/青)ターゲット
5.水平 0.4Hz、ランダムな100個の斑点からなる背景に表示
6.リサジュー 0.2Hzおよび0.4Hz、ランダムな100個の斑点からなる背景に表示
各検査は20秒間行われるが、検査の最初および最後の1秒間は、分析が追従開始時誤差や疲労、検査終了の予想に影響されないよう、分析においては除外される。訓練のための検査は行わない。他の知られている円滑追従眼球運動テストと異なり、オーバーシュート、キャッチアップ、およびバックアップといった異なる種類の衝動性眼球運動の間の区別はされない。円滑追従眼球運動テスト104中に観察された衝動性眼球運動事象の記録のみ保持される。また、良い追従データが得られない場合は、代替時期を用いたパラメータ推定が評価段階200で行われる。
円滑追従眼球運動テストからは、(1)固視回数(固視の頻度−連続した正確な追従またはスライドの時間と解釈される)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)ノイズに対する信号の比(ノイズのような短い衝動性エラーや調整と比較した正確な円滑追従眼球運動の量)、(9)二乗平均平方根誤差(ターゲットの位置に対する目の平均位置エラー)、および(10)ゲイン(ターゲットの速度に対する追従中全体を通した眼球の速度の比)の10個の測定結果中央値を取得する。
円滑追従眼球運動テストに、画面の高さおよび幅にわたる二次元シヌソイドリサジューパターンの追従が含まれる場合、垂直眼球運動挙動における上記10個の測定結果中央値を追加で取得する。
固視テスト106においては、参加者は、中央のターゲットのみの凝視を維持し、隣接ディストラクタが表示されている時はそれを無視することを要求される。中央のターゲットは、0.5degの円形のターゲットであっても良い。ディストラクタターゲットは、中央ターゲットの左または右に出現する。ディストラクタターゲットの位置は、中央ターゲットの左右に1.43degまたは2.86deg離れた位置であっても良い。それぞれの条件が2回繰り返される。ターゲットは、中明度のグレーの背景上で黒であっても良い。
テストの順序は、以下の順で固定する。
1.シングル
2.ディストラクタ有り 近左
3.ディストラクタ有り 近右
4.ディストラクタ有り 遠左
5.ディストラクタ有り 遠右
6.シングル
これらの刺激はあらかじめ画像化され、自由鑑賞テスト102における画像と全く同じように表示される。固定の画像は記憶手段4に保存される。各検査の時間は5秒間であり、訓練検査は行わない。
固視テストからは、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動振幅(deg)、および(5)走査経路長(deg)の5個の測定結果中央値を取得する。
衝動性眼球運動テスト108に関連する2種類のテストがある。順衝動性眼球運動テストでは、参加者は、ターゲットの凝視を維持し、ターゲットが横に移動する時とターゲットが画面中央に戻る時にターゲットを追従するよう要求される。
反衝動性眼球運動テストでは、参加者は、点が横に移動した場合は、画面上の、点と反対側のミラー位置を凝視し、ターゲットが中央に戻るのを待つことを要求される。
衝動性眼球運動テストからは、(1)まばたき頻度、(2)初回反応衝動性眼球運動までの衝動性調整回数、(3)初回反応衝動性眼球運動潜時(ms)、(4)ターゲット移動後の初回衝動性眼球運動回数、(5)初回反応衝動性眼球運動振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(6)正確な初回衝動性眼球運動回数(タスクに依存)、(7)初回反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(8)回復衝動性眼球運動潜時(ms)、(9)ターゲット移動後の回復衝動性眼球運動回数、(10)回復衝動性眼球運動の振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(11)反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(12)初回反応衝動性眼球運動後の凝視維持時間(実際のターゲット表示時間に対する最終凝視時間の比)、および(13)初回反応衝動性眼球運動後の凝視振幅(実際のターゲット位置に対する最終固視位置の比)の13個の測定結果中央値を取得する。
テストの提示は、評価する参加者のタイプに依存する。例えば、失読症においてギャップステップおよびオーバーラップ条件を実行する場合、通常は各々30回の検査を所定のランダムな順序で行う必要がある。精神障害患者において同じテストを実行する場合、各々20回の検査が必要である。左および右への移動を同じ回数行い、また中間(300ピクセル)および遠い(400ピクセル)距離の移動を同じ回数行う。テスト時間は平均4秒間であり、8回の訓練検査を行う。眼球運動能力が刺激特性に依存しないよう正規化された衝動性眼球運動データが収集される。これは、ノイズに対する信号の比(SNR)および円滑追従眼球運動テスト104で取得したゲインを取得することも可能にする。
上述した4つのテストの全てにおいて、固視継続時間下限閾値は80msであるのに対し、上限閾値は設定されていない。また、テスト時間の変更はモデリングの成功に負の影響を与え得る。従って、テストおよび分析用のデータの収集を通して一貫性が要求される。
加えて、任意行為者の利き目から得られるデータを分析するのが好ましい(これは、“hole−in−the−card”またはキーホールテストといったテストによって評価することができる)。可能であれば、常に双眼データをバックアップとして取得することができる。しかし、眼球追跡装置における設定やキャリブレーションの問題によって利用された眼球の優位性にかかわらず、分析は単眼記録を補うであろう。
図2に示すように、一旦テスト100が全て実行されると、各テストからの結果データ202のセットが評価段階200に渡される。評価は、監視機械学習手法を用いて分類モデル206を構築することによって実行される。加えて、分散解析204といった従来の手法も用いることができる。このような学習手法の例として、勾配ブースト決定木(GBDT)や確率的ニューラルネットワーク(PNN)がある。大量のデータセットの取得は、曖昧とならないよう分析のパラメータを微調整するのを補助する。変数重みといったパラメータは、テストの目的に応じて調整することができる。
新規の患者グループを組み込むためのモデル構築の各々は、個々のテストおよびテスト結果の重要度を変化させる。
これに関連して、制御手段は、修正自由鑑賞テストから得られる結果データセット、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの測定結果データセットに重要度重みを付与する。
モデル構築の例を以下のモデル1,2,3および3aを参照して説明する。以下に示すように、新規の患者グループを組み込むためのモデル構築の各々は、個々のテストおよびテスト結果の重要度を変化させる。測定結果の相対的重要度は複数の構築に与えられる。表1,2および3に示すモデルは5つのテスト(自由鑑賞、固視安定性、および3つの追従タスク)を使用する。
モデル1は、対照群および総合失調症に関するモデルである。トレーニングおよび一個抜き交差検証法における分類能力を以下に示す。感度、特異性および精度の平均値は斜体で示されている。新しいデータが提示された場合にモデルがどの程度一般化し得るかを調査するために交差検証が用いられる。10%ホールドバックといったより積極的な交差検証方法も使用可能である。しかしながら、このモデルに使用される少ないサンプル量に対して適用される場合、モデルの弱点が強調される分、重要な情報(参加者の分散)が失われるリスクがある。それでもなお、これらのステップは、モデルがノイズのようなデータに過度に適応させられるリスクを制限するために必要である。訓練セットの実行単体ではモデルの能力や達成度が十分に反映されず、交差検証による完璧な分類がなされた場合、方法に誤りがありそうである。総合失調症例では、ドイツでテストを行った患者のデータが含まれている(n=27)。モデルの構造を決定する上で最も影響の大きい上位10個の測定結果も表に示されている。

con=診断未確定対照群、scz=総合失調症、Sens=感度、Spec=特異性、Acc=精度

Figure 2015503414
Figure 2015503414
Figure 2015503414
モデル2は、対照群、総合失調症および双極性障害に関するモデルである。ネットワークモデリング手法の洗練は、双極性障害症例を総合失調症と高精度で区別することを可能にする。これらの結果は、これらの疾患に特有の眼球運動の表現型が存在し得ることを示唆している。

con=診断未確定対照群、scz=総合失調症、bpad=双極性感情障害、Sens=感度、Spec=特異性、Acc=精度

Figure 2015503414
Figure 2015503414
Figure 2015503414
モデル3は、対照群、総合失調症、双極性障害および大鬱病性障害(Major Depressive Disorder)に関するモデルである。(本レポートの際に表に示した)20の鬱症例からのデータは、他のカテゴリにわずかな影響しかなく、驚くべき精度で識別された。サンプル数のバランスを向上させるために、MDD症例をさらに補充したい。監視分類は少ないサンプルからはこのグループについて十分に知ることができないため、統合失調性感情障害症例は含まれていない。

con=診断未確定対照群、scz=総合失調症、bpad=双極性感情障害、mdd=大鬱病性障害、Sens=感度、Spec=特異性、Acc=精度

Figure 2015503414
Figure 2015503414
Figure 2015503414
モデル3は、3つのテスト(画像鑑賞、リサジュー0.2Hz追従、固視安定性)のみ使用するよう変更することができる。モデル3aは、そのような対照群、総合失調症および大鬱病性障害に関する簡略化されたネットワークモデルを示す。このような場合においても、たった3つのテストから得られる実行結果を用いた症例と対照群との分離は見事である。

con=診断未確定対照群、scz=総合失調症、bpad=双極性感情障害、mdd=大鬱病性障害、Sens=感度、Spec=特異性、Acc=精度

Figure 2015503414
Figure 2015503414
Figure 2015503414
モデル3および3aは、テストの数が変化したとしても自由鑑賞(固視分散)テストの重要度は100のままである一方で、リサジュー0.2Hz追従および固視安定性の重要度が調整されていることを示している。また、55個の異なる測定結果があっても良く、それらはモデルを構築するために全てのテストを実行することで取得することができる。しかしながら、これらの55個の測定結果のうち、自由鑑賞固視分散が最も高い影響値を有し、その中央値は96.96であり、66から109の範囲である。
従って、好適な実施形態では、モデルの構築に用いるために10個の測定結果を選択する。これらのうち、評価モデルを決定することにおいて自由鑑賞(固視分散)測定結果が常に高い重要度重みを有し、残りの測定結果については、一般的にアルゴリズムに寄与する度合が減少していく。
一度分類モデルが確立されると、それらは改良され個人208の疾患を推測するのに用いられる。これに関連して、モデルは新規テストまたは再テストが患者または対照群に対して行われた場合に改良される。テストを受けた患者および対照群は、彼らの測定結果に変化がないか確認するために再テストを受けさせても良い。
個人が一つのテストを完了することができない場合、モデリング206が実行できるようになる前にデータの欠落が発生する。このような場合、従来の方法では欠落している値を、関連するグループのその変数に対応する値の平均値または中央値に置き換える。しかし、本発明によれば、評価段階200においては、欠落データは代替スプリッタ(GBDT)または代替変数(PNN)に置き換えられる。代替値は、個人の利用可能なデータから、グループの特徴に基づいて補間される。この方法は、臨床実験の特徴である不完全なテスト結果データを分析に反映させることを可能にする。
各テストおよびモデリングは、個人参加者や疾患等によりカスタマイズすることが可能である。与えられた例では、装置および方法は総合失調症に適用されている。しかしながら、この点については、双極性感情疾患、総合失調性および大鬱病性障害、強迫性障害、自閉症、ADHDやPTSDといった他の精神表現型を線引きするのに同じ装置や方法が利用可能であろう。また、神経発達が原因であり、専門的には精神疾患ではない可能性がある失読症も、この手法が適しているかもしれない。
通常の対照群と一緒に、限られた数の複数の診断を含む精神疾患症例のデータを用いた機械学習モデルは、新規の症例と対照群とを正確に分類する優れた推測能力を見せた。従って、記憶手段4は、定義済みの臨床精神疾患だけでなく明確に定義されていない状態の個人、ハイリスクの家族および失読症の個人といった多くのサンプルが保存できるよう設計しても良い。また、記憶手段4は定期的に追加および改良されても良い。
患者および対照群の多様性に関する情報は、能力測定結果を精錬し、それらの結果を最新のアルゴリズムを用いて分析することで生かすことができる。これは、眼球運動表現型を用いた正確な精神疾患リスクの特徴や生物学的指標が可能であることを示している。検出された異常のプロファイルによって、精神疾患を臨床に関連のあるサブカテゴリに階層化することが可能であろう。これを念頭に置いて、装置は最小限の訓練で臨床の場で使用でき、かつラップトップパソコンやデスクトップパソコンと同等の小型装置となるよう設計されている。
これに関連して、装置および方法は、大鬱病性障害の個人、および恐らく失読症の個人における臨床評価、診断および治療に用いることが可能である。関連のある治療は、製薬業者による治験も含みうる。
装置および方法は、評価した時点では曖昧な精神疾患症状を示していなかった、精神疾患のリスクが高い個人を評価するのに用いることも可能である。しかしながら、特定の眼球運動異常の存在によって個人を超ハイリスクカテゴリに分類する場合、臨床的介入がおそらく指示されるであろう。また、装置および方法は、新しい臨床評価やふるい分け試験等の比較対象となる、精神疾患や神経発達性疾患を有する個人や対照群を含む多数の個人の眼球運動情報の匿名データベースを提供する。
更に、内定者から精神疾患を有さない者を慎重に選別するいくつかの職業がある。これらの職業は、兵士、航空パイロット、油田の沖合労働者等である。上述した眼球運動テストは、病歴や検査の非常に重要な補助となるであろう。例えば、兵士に関しては、精神疾患のリスクが高い個人を選別して除くのに用いることができるだけでなく、兵士の内輪での基準値測定にも用いることができる。これは、テストが一般的に経時的に安定であり、後の基準値測定において何らかの変化があった場合に外傷性脳損傷(TBI)または心的外傷後ストレス障害(PTSD)の生物学的証拠を提供し得ることから可能となる。
上述したように、いずれの眼球運動テストも臨床評価や遺伝子型情報と組み合わせて用いられる可能性が高い。
上に示した実施形態は、説明を目的として本発明の利用を示すためだけのものであることが理解されよう。詳細な実施形態は本分野の知識を有する者が容易に実施することができるものであり、実際には、本発明は異なる多くの構成に適用することが可能である。
この点において、EyeLink I(ヘルメットシステムを提供するものであり、ヘッドレストがない)といった入手可能なハードウェアが装置の構築に利用可能であり、画像を提示する“subject PC”と、眼球凝視データを取得し“subject PC”と通信する“host PC”とからなるEyeLink 2000 eye tracker(顎レスト/ヘッドレストを提供する)も利用可能である。
最も広範な形態においては、本発明は、特定の形態の自由鑑賞テストを一つ以上の更なるテストと一緒に実行する装置および方法である。この点において、この修正テストは、精神医学的評価において高品質のデータを提供することが見出されている。本発明は、修正自由鑑賞テストを改善された円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストのうち一つ以上を結びつける多変数テストを包含する。これに関連して、修正自由鑑賞テストに加えて、円滑追従眼球運動テストおよび固視テストを実行し、それらのテストから様々な測定結果中央値を取得することが好ましい。実質的に全ての患者および対照群が、そのような多変数テストをうまく達成できることが見出されている。

Claims (39)

  1. 精神医学的評価の方法に用いる装置であって、
    あらかじめ選択された複数の画像を記憶する記憶手段と、
    一連の前記画像を患者に表示する表示手段と、
    前記患者の眼球運動を追跡する眼球追跡手段と、
    前記一連の前記画像の表示に応じた前記患者の眼球運動に対応する眼球運動データを記録する(及び、前記表示手段に表示された前記画像に対応する表示画像データを記録する)記録手段と、
    前記画像を所定順序で所定時間前記患者に表示するよう前記表示手段を制御し、前記眼球運動データおよび前記表示画像データを前記所定時間中記録するよう前記記録手段を制御する制御手段と、
    前記眼球運動データおよび前記表示画像データを分析し、円滑追従眼球運動テスト、固視テスト、および衝動性眼球運動テストのうちの一つ以上のテストを実施することにより得られる第2結果データセットと組み合わせて使用する、前記患者の精神状態を識別するための第1結果データセットを生成する分析手段と、
    を備える装置。
  2. 前記制御手段は、計42枚の画像を表示させる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記装置は、複数の感情的に中立の画像を記憶するメモリ手段を更に備え、前記制御手段は、該メモリ手段からの前記画像のそれぞれが所定の順序で表示されるよう制御する、請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 前記制御手段は、前記画像を5から10秒間表示させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記制御手段は、更に円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上を実行するよう前記装置を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記制御手段は、円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの結果データセットを取得し、前記第1結果データセットを改善するために用いる、請求項5に記載の装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1結果データセットからの測定結果、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上から得られる前記第2結果データセットからの測定結果に重要度重みを付与する、請求項6に記載の装置。
  8. 精神医学的評価の方法であって、
    あらかじめ選択された一連の異なる感情的に中立の画像を患者に対して表示しながら同時に患者の眼球運動を追跡すること、
    所定の順序で所定の時間表示される前記一連の画像の表示に応じて前記患者の眼球運動を眼球運動データとして記録すること、および
    前記眼球運動データを収集し、円滑追従眼球運動テスト、固視テスト、および衝動性眼球運動テストのうちの一つ以上のテストを実施することにより得られる第2結果データセットと組み合わせて使用する、前記患者の精神状態を識別するための第1結果データセットを生成する、
    精神医学的評価の方法。
  9. 前記方法は、計42枚の前記画像を表示する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記画像は、記憶され、所定の順序で順に選択される、請求項8または請求項9に記載の精神医学的評価の方法。
  11. 前記画像は、5から10秒間表示される、請求項8から10のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  12. 前記方法は、円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上を実行することを更に含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  13. 前記方法は、円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上からの結果データセットを取得し、前記第1結果データセットの改善に用いる、請求項12に記載の精神医学的評価の方法。
  14. 前記方法は、前記第1結果データセットの測定結果、および円滑追従眼球運動テスト、固視テストおよび衝動性眼球運動テストの一つ以上から得られる前記第2結果データセットの測定結果に重要度重みを付与することを更に含む、請求項8から13のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  15. 前記方法は、分析モデルの構築に、収集された前記眼球運動データから得られる10個の測定結果が用いられる、請求項8から14のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  16. 前記測定結果には、自由鑑賞(固視分散)測定結果が含まれる、請求項15に記載の精神医学的評価の方法。
  17. 前記自由鑑賞(固視分散)測定結果には、100中85−100の重要度重みが付与される、請求項16に記載の精神医学的評価の方法。
  18. 前記方法は、あらかじめ選択された統計的手法を用いて前記結果データを改善することを更に含む、請求項8から17のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  19. 前記方法は、
    異なる患者グループから複数のデータセットを取得するために該方法を繰り返すこと、
    少なくとも二つの統計的モデリング手法を用いてモデリングを目的としたデータバンクを構築すること、および
    前記モデルを交差検証すること、
    を更に含む、請求項8から18のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  20. 前記モデリング手法は、勾配ブースト決定木(GBDT)および確率的ニューラルネットワーク(PNN)を含む、請求項19に記載の精神医学的評価の方法。
  21. 前記方法は、自由鑑賞テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)走査経路長(deg)、および(9)固視分散(テスト中の固視の群がりまたは分散の度合い)の9個の測定結果中央値を取得する、請求項8から20のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  22. 前記方法は、
    移動する刺激を画面の中央に所定の背景に対して所定時間Tの間表示すること、
    眼球運動測定値のセットを、前記時間Tから開始後1秒および最後の1秒を除いた時間の間取得すること、および
    ノイズに対する信号の比(SNR)、二乗平均平方根誤差(RMSE)、および追従ゲイン(眼球の速度を刺激の速度で割った値)用に中央値を推定すること、
    を更に含む円滑追従眼球運動テストを実行する、請求項8から21のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  23. 前記Tは20秒である、請求項22に記載の精神医学的評価の方法。
  24. 前記移動する刺激は、赤色の円、もしくはランダムな周期で色が変化する点であり、該点は直径0.5degである、請求項22または請求項23に記載の精神医学的評価の方法。
  25. 前記所定の背景は、カラー、黒、またはランダムな斑点を有する背景を含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  26. 前記刺激は、0.2Hzから0.6Hzの間の経時的な周期を有する水平シヌソイドに沿って移動する、請求項22から25のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  27. 前記刺激は、0.2Hzから0.6Hzの間の経時的な周期を有する二次元シヌソイドリサジューパターンに沿って、画面の高さおよび幅にわたって移動する、請求項22から25のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  28. 前記方法は、円滑追従眼球運動テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度−連続した正確な追従またはスライドの時間と解釈される)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動継続時間(ms)、(5)衝動性眼球運動振幅(deg)、(6)衝動性眼球運動平均速度(deg/s)、(7)衝動性眼球運動ピーク速度(deg/s)、(8)ノイズに対する信号の比(ノイズのような短い衝動性エラーや調整と比較した正確な円滑追従眼球運動の量)、(9)二乗平均平方根誤差(ターゲットの位置に対する目の平均位置エラー)、および(10)ゲイン(ターゲットの速度に対する追従中の全体を通した眼球の速度の比)の10個の測定結果中央値を取得する、請求項22から27のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  29. 前記方法は、垂直眼球運動挙動の円滑追従眼球運動テスト用に10個の測定結果中央値を取得する、請求項28に記載の精神医学的評価の方法。
  30. 前記方法は、
    中心ターゲット、又は該中心ターゲットを隣接ディストラクタと一緒に所定時間T2の間表示し、
    固視眼球運動測定結果セットを取得し、
    単体条件とディストラクタ条件とで別々に前記固視眼球運動測定結果から結果の中央値を計算および取得すること、
    を更に含む固視安定性テストを実行する、請求項8から29のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  31. 前記所定時間T2は5秒である、請求項30に記載の精神医学的評価の方法。
  32. 前記方法は、固視テスト用に、(1)固視回数(固視の頻度)、(2)固視継続時間(ms)、(3)衝動性眼球運動回数(衝動性眼球運動の頻度)、(4)衝動性眼球運動振幅(deg)、および(5)走査経路長(deg)の5個の測定結果中央値を取得する、請求項30または請求項31に記載の精神医学的評価の方法。
  33. 前記方法は、
    移動可能な中心ターゲットを表示すること、
    眼球運動測定結果セットを取得すること、および
    結果データを計算および取得すること、
    を更に含む衝動性眼球運動テストを実行する、請求項8から32のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  34. 前記方法は、衝動性眼球運動テスト用に、(1)まばたき頻度、(2)初回反応衝動性眼球運動までの衝動性調整回数、(3)初回反応衝動性眼球運動潜時(ms)、(4)ターゲット移動後の初回衝動性眼球運動回数、(5)初回反応衝動性眼球運動振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(6)正確な初回衝動性眼球運動回数(タスクに依存)、(7)初回反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(8)回復衝動性眼球運動潜時(ms)、(9)ターゲット移動後の回復衝動性眼球運動回数、(10)回復衝動性眼球運動の振幅(ターゲット移動振幅に対する衝動性眼球運動振幅の比)、(11)反応衝動性眼球運動後の衝動性調整回数、(12)初回反応衝動性眼球運動後の凝視維持時間(実際のターゲット表示時間に対する最終凝視時間の比)、および(13)初回反応衝動性眼球運動後の凝視振幅(実際のターゲット位置に対する最終固視位置の比)の13個の測定結果中央値を取得する、請求項33に記載の精神医学的評価の方法。
  35. 前記方法は、異なる試験の間で一貫した測定結果を用いる、請求項8から34のいずれか一項に記載の精神医学的評価の方法。
  36. 患者の精神疾患を識別し分類するシステムであって、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の装置を請求項8から35のいずれか一項に記載の方法で用いて、精神疾患患者の眼球情報データの匿名データベースを構築し、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の装置を請求項8から35のいずれか一項に記載の方法で用いて患者をテストし、精神疾患を識別し分類するために該患者のテスト結果を前記データベースと比較する、
    システム。
  37. 前記システムは、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって制御される、請求項36に記載のシステム。
  38. 請求項8から37のいずれか一項に記載の方法またはシステムを実行するための、コンピュータプログラム。
  39. 請求項8から37のいずれか一項に記載のシステムまたは方法をコンピュータに実行させる制御ロジックが記憶された、コンピュータで使用可能な媒体。
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