JP2015225055A - 画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法 - Google Patents

画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異形みぞ付トロリ線の摩耗量を高精度に測定可能な摩耗測定装置及びその方法を提供する。
【解決手段】トロリ線の下面を撮影するラインセンサカメラを車両の屋根上に設置し、ラインセンサカメラで撮影されたトロリ線の下面の画像を画像処理してトロリ線の摩耗幅を測定する画像処理装置を備えた画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、画像処理装置に、パンタグラフの上面形状に倣って傾斜するトロリ線の下面の傾斜角度に応じて摩耗幅を補正しトロリ線の真の摩耗幅を求めるトロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gと、トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gにより求めたトロリ線の真の摩耗幅及びトロリ線摩耗面の枕木方向に対する傾斜角度に基づいてトロリ線の残存直径を求めるトロリ線残存直径の傾斜補正処理部14hとを設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気鉄道車両の屋根上からトロリ線の下面を撮影し、このトロリ線の下面の画像を画像処理することでトロリ線の摩耗量を測定する画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法に関し、とくに、異形みぞ付トロリ線の摩耗量を測定する画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法に関する。
電気鉄道車両へ電力を供給するためのトロリ線は車両が通過するたびに集電装置との接触が生じる。このため、電気鉄道車両を運用していく中でトロリ線は徐々に摩耗していき、摩耗したトロリ線を交換しない場合は最終的には破断して事故を招くおそれがある。そこでトロリ線には摩耗限界が設けられており、その摩耗限界を目安にトロリ線を交換し電気鉄道車両の安全性を確保している。
なお、以下の説明において、「偏位」は「鉄道専門用語で、パンタグラフがトロリ線に接触する位置でパンタグラフの中央からの距離」を意味し、「変位」は「一般的な物理量で、元の位置からの移動量」を意味するものとする。
トロリ線の摩耗量を測定する方法には、大きく分けて、トロリ線の厚みを直接測定する方法と、トロリ線の摩耗部の幅(以下、トロリ線摩耗幅という)を測定してその幅からトロリ線の厚みを換算する方法(例えば、下記特許文献1参照)の二つの方法がある。
下記特許文献1には、トロリ線摩耗幅からトロリ線の厚みを換算するための装置として、検査車両の屋根上にトロリ線の下面(以下、トロリ線摩耗面という)を撮影するラインセンサカメラと、パンタグラフを撮影するラインセンサカメラとを設置し、これらのラインセンサカメラによって撮影された画像を画像処理してトロリ線摩耗幅を求めるものが開示されている。
特許第4923942号公報 特許第4635657号公報
「鉄道技術者のための電気概論 電車線路シリーズ2 『電車線』」、(社)日本鉄道電気技術協会、平成2年8月30日、p.4,32
しかしながら、上述した特許文献1においては、検査車両の進行方向に対してトロリ線が傾いていた場合であっても、その傾きを補正し、より正確なトロリ線摩耗幅を求めることができ、さらにトロリ線摩耗部の一方がギザギザ状や波状などの扁平に削れている場合にも対処して、より正確なトロリ線摩耗幅を求めることができる一方、トロリ線摩耗面が枕木方向(図1のX軸方向)に傾斜している場合については考慮されていないという問題があった。
ここで、トロリ線の検査車両の進行方向に対する傾きとは、トロリ線が検査車両の進行方向に対して左右方向に交差するように架設されることによって生じる傾きであり、トロリ線摩耗面の枕木方向の傾斜とは、枕木方向においてトロリ線摩耗面が水平面に対して上下方向に傾斜していることをいう。
すなわち、トロリ線はパンタグラフのすり板と接することで摩耗する。このパンタグラフは、車両の進行中に様々な傾斜をもつため、トロリ線摩耗面も様々な傾斜をもって削れる。そのため、トロリ線摩耗面の傾斜を考慮しないで摩耗幅を計測すると、ラインセンサ画像上での見かけの摩耗幅が真の摩耗幅よりも小さくなり、計測結果として得られるトロリ線の残存直径が実際よりも太く算出されるおそれがあった。この問題は特に押上げ力の強いパンタグラフを持つ日本国外で顕著に表れる。
また、特許文献1で測定対象としている円形トロリ線又は円形みぞ付トロリ線に対し、日本国外では異形みぞ付トロリ線が使用されることもある。異形みぞ付トロリ線とは非特許文献1(特に、第四ページ)にも示されるように、日本国内で使用される円形トロリ線又は円形みぞ付トロリ線とは異なる形状を持つトロリ線であり、例えば二つの円を合成したような形状を持つ(例えば、図9参照)。このような異形みぞ付トロリ線は、円形トロリ線又は円形みぞ付トロリ線とは異なり、図9に示すように摩耗幅が同じでもトロリ線摩耗面の枕木方向の傾斜によって残存直径が異なるため、従来のトロリ線測定装置では正確な残存直径を得ることができないという問題もあった。
このようなことから本発明は、異形みぞ付トロリ線であっても正確に摩耗量を測定することができる画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置は、
パンタグラフに接触するトロリ線の摩耗面を撮影するトロリ線測定用撮像手段を車両の屋根上に設置し、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の摩耗面の画像を画像処理して、前記トロリ線の摩耗量を測定する画像処理手段を備えた画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、
前記画像処理手段が、
前記パンタグラフの上面形状に倣って傾斜する前記トロリ線の摩耗面の傾斜角度に応じて前記トロリ線の摩耗幅を補正し前記トロリ線の真の摩耗幅を求める摩耗幅傾斜補正処理手段と、
前記摩耗幅傾斜補正処理手段により求めた前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度に基づいて前記トロリ線の残存直径を求める残存直径傾斜補正処理手段と
を備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置は、第1の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、
前記画像処理手段が、前記摩耗幅傾斜補正処理手段により求めた前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度と、該真の摩耗幅及び傾斜角度に対応する前記トロリ線の残存直径とを関連付けたトロリテーブルを作成するトロリテーブル作成処理手段を備え、
前記残存直径傾斜補正処理手段が、前記トロリテーブルに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置は、第1又は第2の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、
前記車両に、該車両の枕木方向に対する傾斜角度を検出する車両角度検出手段を設けるとともに、前記車両の屋根上に、前記パンタグラフに取り付けられ枕木方向に離間した二つのマーカーを各々撮影する二台のパンタグラフ撮影手段を設置し、
前記画像処理手段が、前記パンタグラフ撮影手段により取得された前記マーカーの画像に基づいて前記パンタグラフ全体の傾斜角度を算出するパンタグラフ傾斜計算処理手段と、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の画像から前記トロリ線の偏位位置を求めるトロリ線偏位位置出力処理手段とを備え、
前記摩耗幅傾斜補正処理手段が、前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度として、前記車両角度検出手段により検出した前記車両の角度と、前記パンタグラフ傾斜計算処理手段により算出した前記パンタグラフ全体の傾斜角度と、前記トロリ線偏位位置出力手段により求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度とに基づいて求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の枕木方向に対する傾斜角度を用いる
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第4の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置は、第3の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、
前記画像処理手段が、前記トロリ線の偏位位置と当該位置における前記パンタグラフ上面の傾斜角度とを関連付けたパンタグラフテーブルを作成するパンタグラフテーブル作成処理部を備え、
前記摩耗幅傾斜補正処理手段が、前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度として、前記パンタグラフテーブルに基づいて得られる前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の傾斜角度を用いる
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第5の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法は、
車両の屋根上に設置したトロリ線測定用撮像手段でパンタグラフに接触するトロリ線の摩耗面を撮影し、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の摩耗面の画像を画像処理して前記トロリ線の摩耗量を測定する画像処理によるトロリ線摩耗測定方法において、
前記パンタグラフの上面形状に倣って傾斜するトロリ線の摩耗面の傾斜角度に応じて前記摩耗幅を補正することにより求めた前記トロリ線の真の摩耗幅と前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度とに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第6の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法は、第5の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法において、
前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度と、該真の摩耗幅及び傾斜角度に対応する前記トロリ線の残存直径とを関連付けたトロリテーブルを作成し、
前記トロリテーブルに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第7の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法は、第5又は第6の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法において、
前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度として、前記車両の角度と、前記パンタグラフ全体の傾斜角度と、前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度とに基づいて求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の枕木方向に対する傾斜角度を用いる
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第8の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法は、第7の発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定方法において、
前記トロリ線の偏位位置と当該位置における前記パンタグラフ上面の傾斜角度とを関連付けたパンタグラフテーブルを作成し、
前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度として、前記パンタグラフテーブルに基づいて得られる前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の傾斜角度を用いる
ことを特徴とする。
本発明によれば、異形みぞ付トロリ線であっても摩耗幅及び残存直径の測定を高精度に行うことができる。
本発明の実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置の概略図である。 図1に示すマーカーの拡大図である。 本発明の実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置によるトロリ線摩耗測定の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例におけるパンタグラフテーブル作成に関するパンタグラフ上面の形状の例を示す説明図である。 パンタグラフ全体の傾斜角度及びパンタグラフの上面形状による傾斜角度を示す説明図である。 図7(a)は見かけの摩耗幅と真の摩耗幅が一致する例を示す説明図、図7(b)は見かけの摩耗幅と真の摩耗幅とが一致しない例を示す説明図である。 図8(a)は異形トロリ線の残存直径の例を示す説明図、図8(b)は円形トロリ線の残存直径の例を示す説明図である。 図9(a)は異形トロリ線摩耗面が水平面に対して傾斜している場合の摩耗幅と残存直径との関係を示す説明図、図9(b)は異形トロリ線摩耗面が水平面に対して平行である場合の摩耗幅と残存直径との関係を示す説明図である。 本発明の実施例に係るトロリテーブルの一例を示す説明図である。 車両の枕木方向に対する傾斜角度を示す説明図である。
以下、図面を用いて本発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法について説明する。
本発明は、特許文献1の画像処理によるトロリ線摩耗測定装置に、摩耗面の枕木方向の傾斜を考慮してトロリ線の摩耗幅およびトロリ線の残存直径を補正する機能を新たに加えるものである。
図1から図11に基づいて本発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法の一実施例について説明する。本実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法は、パンタグラフの傾斜情報を利用して異形みぞ付トロリ線摩耗面の枕木方向の傾斜を考慮したトロリ線摩耗測定を行うものである。
図1に示すように、本実施例に係るトロリ線摩耗測定装置は、電気鉄道車両(以下、車両という)1の集電装置の一つであるパンタグラフ2の舟体2aに取り付けられた第一の高さマーカー11A及び第二の高さマーカー11Bと、車両1の屋根上に設置されたトロリ線測定用ラインセンサカメラ12A、高さ測定用ラインセンサカメラ12B、及びパンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cと、車両1の内部に設けられたジャイロセンサ13、画像処理装置14、及び記憶装置15とを備えている。
図2に示すように、第一の高さマーカー11A及び第二の高さマーカー11Bは、色又は材質の少なくとも一方により光を反射しにくくした帯状の領域(以下、黒マーカーという)11aで、色又は材質の少なくとも一方により光を反射しやすくした帯状の領域(以下、白マーカーという)11bの上下を挟み込むことにより縞模様としたものである。なお、第一の高さマーカー11Aは舟体2aの長手方向(枕木方向)中央部に取り付けられ、第二の高さマーカー11Bは舟体2aの長手方向端部側に第一の高さマーカー11Aとは離間するように取り付けられている。
また、トロリ線測定用ラインセンサカメラ12Aは、トロリ線(本実施例では、異形みぞ付トロリ線)3の下面、すなわちトロリ線摩耗面3a(図9等参照)を下から撮像するように、鉛直上方に向けてその走査線方向が枕木方向(車両1の幅方向)に平行となるように設置されている。
高さ測定用ラインセンサカメラ12Bは、第一の高さマーカー11Aを撮像するように、該第一の高さマーカー11Aに向けてその走査線方向が上下方向となるように設置されている。
パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cは、第二の高さマーカー11Bを撮像するように、該第二の高さマーカー11Bに向けてその走査線方向が上下方向となるように設置されている。なお、該パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cのスキャン平面は、高さ測定用ラインセンサカメラ12Bのスキャン平面に対して平行となっている。すなわち、ラインセンサカメラ12B,12Cのスキャン平面間距離lmrは、ラインセンサカメラ12B,12Cの素子面間距離とも言える。
また、ジャイロセンサ13は、水平面に対する車両1の傾きを検出し、ジャイロセンサ角度として画像処理装置14へ出力する。
画像処理装置14は、図3に示すようにラインセンサ画像作成部14a、パンタグラフテーブル作成処理部14b、トロリテーブル作成処理部14c、マーカー高さ測定処理部14d、トロリ線摩耗幅測定処理部14e、パンタグラフ傾斜計算処理部14f、トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14g、トロリ線残存直径の傾斜補正処理部14h、及びメモリ14i,14jを備えている。
ラインセンサ画像作成部14aは、トロリ線測定用ラインセンサカメラ12Aから画像信号を入力し、トロリ線測定用ラインセンサ画像を作成する。また、高さ測定用ラインセンサカメラ12Bから画像信号を入力し、高さ測定用ラインセンサ画像を作成する。また、パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cから画像信号を入力し、パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサ画像を作成する。ラインセンサ画像作成部14aで作成された画像のデータはメモリ14iに一時的に保管される。
パンタグラフテーブル作成処理部14bはメモリ14jから入力したパンタグラフ図面及びパラメータに基づきパンタグラフテーブルを作成する。
ここで、パンタグラフテーブルとは、トロリ線3の偏位方向の位置と当該位置におけるパンタグラフ2の上面の傾斜角度とを関連付けるためのものであり、具体的には、以下の(1)に一例を示すように、パンタグラフ2の偏位方向の位置x[mm]とパンタグラフ2の上面の高さh(x)[mm]とを関連付けたものである。
パンタグラフテーブル: h(0),h(Δd), h(2Δd),…,h(xmax) (1)
すなわち、図5に示すように、パンタグラフ2の長手方向の中心位置をx=0とし、この中心位置におけるパンタグラフ2の上面の高さを基準の高さh(0)=0として、中心位置からの距離xとこの位置における基準の高さh(0)に対するパンタグラフ2の上面の高さh(x)とを関連付けたものである。本実施例では、パンタグラフ2の枕木方向の長さLをL=2xmaxとし、x=0から微小間隔Δd[mm]おきにパンタグラフ2の偏位方向の位置xとパンタグラフ2の上面の高さh(x)とを関連付けている。
パンタグラフテーブルの具体例を以下の(2)に示す。
パンタグラフテーブル(例):0,-0.01,-0.03, …,-300 (2)
作成されたパンタグラフテーブルはメモリ14jに保管される。
また、トロリテーブル作成処理部14cはメモリ14jから入力したトロリ線図面及びパラメータに基づきトロリテーブルD(i)(インデックスiのときの残存直径D[mm]を返すテーブル)を作成する。
すなわち、トロリテーブルD(i)とは、トロリ線摩耗面3aの枕木方向の傾斜角度(以下、単に「トロリ線摩耗面3aの角度」という)θ[deg]及びトロリ線摩耗面3aの摩耗幅Wと、該トロリ線摩耗面3aの角度θ及びトロリ線摩耗面3aの摩耗幅Wに対応するトロリ線3の残存直径Dとを関連付けたものである。
ここで、本実施例の前提条件となる「トロリ線摩耗面3aの枕木方向の傾斜はトロリ線3に接するパンタグラフ2の傾斜と一致する」という考えと、「残存直径Dの定義は、トロリ線摩耗幅の中点からトロリ線3上部に引いた垂線の長さとする」という考えについて説明する。
図6に示すように、例えばトロリ線3がパンタグラフ2の長手方向(枕木方向)の端部側に接触した場合、パンタグラフ2は、トロリ線3が接触した部分が該トロリ線3によって押し下げられることで頂点を中心として回転する。以下、頂点を中心として回転したことによるパンタグラフ2の傾きθ1[deg]をパンタグラフ2全体の傾斜角度という。
また、パンタグラフ2はホーン2b部分に大きな曲率を持つ。さらに、日本国外のパンタグラフにはすり板部でも曲率を持つものがある。トロリ線摩耗面3aはパンタグラフ2の形状に倣って傾斜するため、パンタグラフ2のどの位置にトロリ線3が接するかによってトロリ線摩耗面3aの傾斜が変化する。以下、パンタグラフ2の形状による傾斜θ2[deg]をパンタグラフ2の上面形状による傾斜角度という。
上述したように、トロリ線摩耗面3aはパンタグラフ2の形状に倣って傾斜するため、車両1の屋根上から見たトロリ線摩耗面3aの角度は、車両1の屋根上から見たパンタグラフ2の傾斜角度((パンタグラフ2全体の傾斜角度θ1)+(パンタグラフ2の上面形状による傾斜角度θ2))と同一と考えることができる。
続いて、残存直径Dについて説明する。残存直径Dの定義については、残存直径Dを求めることの意味から考える。非特許文献1の32頁に記述されているように、トロリ線3の抗張力が低下すると断線につながるおそれがある。トロリ線3の抗張力はトロリ線3の残存断面積Aと相関があり、残存直径Dも断面積Aと相関関係があるように設定すべきである。
そこで、本実施例では図7から図9に示すように、残存直径Dを、摩耗幅Wの中点からトロリ線3上部に引いた垂線の長さと定義する。このように定義することにより、摩耗面3aが水平面に対して平行である場合も摩耗面3aが水平面に対して傾斜している場合も残存直径Dと残存断面積Aとの相関関係が保たれる。
ここで、図7に示すように、トロリ線3が円形トロリ線(又は円形みぞ付トロリ線)3Bである場合、ある摩耗幅Wに対する残存直径Dの値は摩耗面3aに傾斜があっても変わらないので、画像20上の見かけの摩耗幅W'から傾斜を考慮し真の摩耗幅Wに変換することが重要となる。
なお、通常、円形みぞ付トロリ線3Bの場合、図8(b)に示すようにみぞ部分のへこみを無視し、円形トロリ線に置き換えて求めた垂線の長さを残存直径Dとする。本実施例では、異形みぞ付トロリ線3Aの場合も同様に、図8(a)に示すようにみぞ部分を無視し、異形トロリ線に置き換えて求めた垂線の長さを残存直径Dとする。
さらに、図9に示すように異形みぞ付トロリ線3Aは円形みぞ付トロリ線3Bと異なり、傾斜補正後の摩耗幅Wが同じでもトロリ線摩耗面3aの角度θによって残存直径Dの値が異なる。図9に示す例では、図9(b)に示す残存直径Dのほうが、図9(a)に示す残存直径Dよりも長い。
そのため、本来であればトロリ線摩耗面3aの角度θと傾斜補正後の摩耗幅Wの二つの変数の条件により残存直径Dの算出式を変更しなければならない。しかしこれには、処理時間の増大や、各異形トロリ線ごとに変数の条件と計算式を求めなければならない問題が発生する。
そこで、本実施例では図10に一例を示すように、トロリ線摩耗面3aの角度θと傾斜補正後の摩耗幅Wとを入力値とし、残存直径Dを出力値とするトロリテーブルD(i)を作成する。このようなトロリテーブルD(i)は、トロリ線摩耗面3aの角度θと傾斜補正後の摩耗幅Wの刻みと最大値とを一定にすることにより、残存直径Dのみの一次元配列を確保すればよく、かつ参照時においても、求める残存直径Dのインデックスは検索することなく一意に決まるので処理時間が短くなる利点がある。なお、トロリ線摩耗面3aの枕木方向の傾斜を考慮しない場合(トロリ線摩耗面3aが枕木方向において水平面に対して平行である場合)はθ=0として検索すればよい。
マーカー高さ測定処理部14dはメモリ14jから入力したパラメータと、メモリ14iからメモリ14jを介して入力した高さ測定用ラインセンサ画像及びパンタグラフ傾斜測定用ラインセンサ画像とに基づき第一のマーカー11A及び第二のマーカー11Bの高さ(以下、マーカー高さという)を求める。求めたマーカー高さのデータはメモリ14jに保管される。
トロリ線摩耗幅測定処理部14eはメモリ14jから入力したパラメータ及びメモリ14iからメモリ14jを介して入力したトロリ線測定用ラインセンサ画像に基づきトロリ線3の摩耗幅(見かけの摩耗幅)とトロリ線3の偏位位置とを求める。求めたトロリ線3の見かけの摩耗幅及び偏位位置はメモリ14jに保管される。
パンタグラフ傾斜計算処理部14fはメモリ14jから入力したパラメータ、マーカー高さ、ジャイロセンサ角度、トロリ線3の偏位位置及びパンタグラフテーブルに基づき、トロリ線3の偏位位置に対応する車両1の屋根上から見たパンタグラフ2の傾斜角度とトロリ線3の偏位位置に対応する枕木方向におけるパンタグラフ2の水平面に対する傾斜角度(以下、パンタグラフ2の枕木方向の傾斜角度という)とを求める。求めた車両1の屋根上から見たパンタグラフ2の傾斜角度及びパンタグラフ2の枕木方向の傾斜角度はメモリ14jに保管される。
トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gはメモリ14jから入力したパラメータ、パンタグラフテーブル、トロリ線摩耗幅、及び車両1の屋根上から見たパンタグラフ2の傾斜角度に基づきトロリ線3の摩耗幅を補正する。補正されたトロリ線3の摩耗幅(傾斜補正後トロリ線摩耗幅)はメモリ14jに保管される。
トロリ線残存直径の傾斜補正処理部14hはメモリ14jから入力したパラメータ、パンタグラフ2の枕木方向の傾斜角度、トロリテーブルD(i)及び傾斜補正後トロリ線摩耗幅に基づきトロリ線3の残存直径を求める。求めたトロリ線3の残存直径(傾斜補正後トロリ線残存直径)はメモリ14jに保管される。
記憶装置15は、画像処理装置14で求めた処理結果等を記憶する。
以下、図4を用いて画像処理装置14における摩耗測定処理の流れを具体的に説明する。
図4に示すように、画像処理装置14では、まずパンタグラフテーブル作成処理部14bにより、パンタグラフテーブルを作成する処理を行う(ステップS1)。
パンタグラフテーブルの作成は、パンタグラフ2の設計図面からCADなどを使用して求める方法や、実際の現場で、検査前にパンタグラフ2の上面データをレーザやカメラなどで測定する方法などがある。このパンタグラフテーブルは後述するパンタグラフ傾斜測定処理でパンタグラフ2の上面形状による傾斜を求める際に使用する。
ステップS1の処理に続いては、トロリテーブル作成処理部14cにより、トロリテーブルD(i)を作成する処理を行う(ステップS2)。
トロリテーブルD(i)は、トロリ線摩耗面3aの角度θと傾斜補正後の摩耗幅Wをある一定の刻みで変化させたときの残存直径値をシミュレーションによって求めることにより作成する。
ステップS2の処理に続いては、マーカー高さ測定処理部14dにより、第一、第二のマーカー11A,11Bの高さを求める処理を行う(ステップS3)。
このマーカー高さ測定処理部14dによる処理は、高さ測定用ラインセンサカメラ12Bと第一の高さマーカー11A、及び、パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cと第二の高さマーカー11Bを使用し、既知の手法(例えば、上記特許文献2の実施例3に記述されている手法等)を用いて第一、第二のマーカー11A,11Bの高さを測定すればよく、ここでの詳しい説明は省略する。
ステップS3の処理に続いては、トロリ線摩耗幅測定処理部14eにより、トロリ線3の見かけの摩耗幅W'を測定する処理を行う(ステップS4)。
このトロリ線摩耗幅測定処理部14eによる処理は、トロリ線測定用ラインセンサ画像をもとに既知の手法(例えば、上記特許文献1の実施例1に記述されている手法等)を用いてトロリ線の見かけの摩耗幅W'を求めるものとし、ここでの詳しい説明は省略する。なお、このトロリ線摩耗幅測定処理部14eにおいては、トロリ線3の見かけの摩耗幅W'を測定することに加えて、トロリ線3の偏位位置を求めるものとする。
ステップS4の処理に続いては、パンタグラフ傾斜計算処理部14fにより、トロリ線3の偏位位置における車両1の屋根上から見たパンタグラフ2の傾斜角度及びパンタグラフ2の枕木方向の傾斜角度を求める処理を行う(ステップS5)。
すなわち、パンタグラフ傾斜計算処理部14fでは、マーカー高さ測定処理部14dで得られた第一の高さマーカー11Aの高さhm及び第二の高さマーカー11Bの高さhrとの差分をとり、傾斜角度θ1を求める。つまり、上述したようにスキャン平面が平行になるように設置したラインセンサカメラ12B,12Cのスキャン平面間距離lmrをあらかじめ求めておくことで、各時間ステップのパンタグラフ2全体の傾斜角度θ1が以下の(3)のようにして得られる。
θ1=arctan((hr−hm)/lmr) (3)
さらに、トロリ線摩耗幅測定処理時に得られたトロリ線3の偏位位置に対応するパンタグラフテーブルを参照し、各時間ステップのパンタグラフ上面形状による傾斜角度θ2を得る。
ここで、トロリ線3が円形トロリ線3Bである場合はトロリ線摩耗面3aの枕木方向の傾斜角度によって残存直径Dは変わらないため、トロリ線3の残存直径を求めるときには車両1上に設置されたトロリ線測定用ラインセンサカメラ12Aから見たときのトロリ線摩耗面3aの枕木方向の相対的な傾斜角度が分かればよかった。
しかし、トロリ線3として異形トロリ線3Aが用いられている場合、図9に示すようにトロリ線摩耗面3aの枕木方向の傾斜角度によって残存直径Dが変わる。上述したように、トロリ線摩耗面3aはパンタグラフ2の上面形状に倣っているため、トロリ線摩耗面3aの枕木方向に対する傾斜角度を求めるためにはパンタグラフ2の上面形状の枕木方向の傾斜角度が必要になる。
そこで、本実施例では車両1内にジャイロセンサ13を設置し、車両1の枕木方向に対する傾斜角度としてジャイロセンサ角度θ3[deg]を求める。なお、ジャイロセンサ角度θ3は、図11に示すようにレールカント角α及び車両カント角βを合わせた角度と同等になる(θ3=α+β)。
これを先述したパンタグラフ2全体の傾斜角度θ1、パンタグラフ2の上面形状による傾斜角度θ2と足して、各時間ステップのトロリ線3の偏位位置における水平面に対するパンタグラフ2の枕木方向の傾斜角度(すなわちトロリ線摩耗面3aの角度)θとする。
ステップS5の処理に続いては、トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gにより、トロリ線摩耗幅Wを補正する処理を行う(ステップS6)。
すなわち、トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gでは、パンタグラフ傾斜計算処理で得られたトロリ線摩耗面3aの角度θをもとに、トロリ線摩耗幅測定処理で得られた見かけの摩耗幅W'[mm]を次式(4)を用いて真の摩耗幅W[mm]に変換する。
W=W'/cosθ・・・(4)
ステップS6に続いては、トロリ線残存直径の傾斜補正処理部14hにより、トロリ線残存直径Dを求める処理を行う(ステップS7)。
すなわち、トロリ線残存直径の傾斜補正処理部14hでは、トロリテーブルD(i)を用いて、以下の式(5),(6)により傾斜補正を行ったトロリ線3の真の残存直径Dout[mm]を求めることができる。
out=D(i)・・・(5)
i=θ*Wmax/ΔW+W/ΔW・・・(6)
ここで、(5)と(6)のiは同一のもので、トロリ線摩耗面3aの角度をθ[deg]、最大摩耗幅をWmax[mm]、摩耗幅の刻み幅をΔW[mm]としている。
以上により、本実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置における異形みぞ付トロリ線の摩耗測定の処理を行う。
なお、本実施例においては、トロリ線測定用ラインセンサカメラ12Aによりトロリ線測定用撮像手段を構成し、高さ測定用ラインセンサカメラ12B及びパンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ12Cによりパンタグラフ撮影手段を構成し、ジャイロセンサ13により車両角度検出手段を構成し、画像処理装置14により画像処理手段を構成している。
また、パンタグラフテーブル作成処理部14bによりパンタグラフテーブル作成処理手段を構成し、トロリテーブル作成処理部14cによりトロリテーブル作成処理手段を構成し、トロリ線摩耗幅測定処理部14eによりトロリ線偏位位置出力手段を構成し、パンタグラフ傾斜計算処理部14fによりパンタグラフ傾斜計算処理手段を構成し、トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部14gにより摩耗幅傾斜補正処理手段を構成し、トロリ線残存直径の傾斜補正処理部14hにより残存直径傾斜補正処理手段を構成している。
上述した本実施例に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置及びその方法によれば、高精度にトロリ線3の摩耗量(摩耗幅及び残存直径)の測定が行えるようになる。また、枕木方向におけるトロリ線摩耗面3aの水平面に対する傾斜を考慮した摩耗測定を行うことで、図9等に示すような異形みぞ付トロリ線3Aの摩耗面3aが水平面に対して傾斜している場合であっても高精度に摩耗幅及び残存直径の測定が行えるようになる。
なお、異形みぞ付トロリ線としては、図9等に示した形状だけでなく、トロリ線摩耗面の角度θと、真の摩耗幅Wが一意に決まるような断面形状を有するトロリ線であれば、本発明に係る画像処理によるトロリ線摩耗測定装置によって摩耗幅及び残存直径を測定することが可能である。
また、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、異形トロリ線や円形トロリ線の摩耗測定に利用することが可能であることは言うまでもない。本発明を円形トロリ線の摩耗測定に適用すれば、トロリ線の摩耗幅および残存直径の測定精度を向上させることができる。
本発明は、異形みぞ付トロリ線の摩耗幅及び残存直径を測定する画像処理によるトロリ線摩耗装置に適用して好適なものである。
1 車両
2 パンタグラフ
2a 舟体
2b ホーン
3 トロリ線
3A 異形みぞ付トロリ線
3B 円形みぞ付トロリ線
3a トロリ線摩耗面
4 レール
11A 第一高さマーカー
11B 第二高さマーカー
12A トロリ線測定用ラインセンサカメラ
12B 高さ測定用ラインセンサカメラ
12C パンタグラフ傾斜測定用ラインセンサカメラ
13 ジャイロセンサ
14 画像処理装置
14a ラインセンサ画像作成部
14b パンタグラフテーブル作成処理部
14c トロリテーブル作成処理部
14d マーカー高さ測定処理部
14e トロリ線摩耗幅測定処理部
14f パンタグラフ傾斜計算処理部
14g トロリ線摩耗幅の傾斜補正処理部
14h トロリ線残存直径の傾斜補正処理部
14i,14j メモリ
15 記憶装置
20 ラインセンサ画像

Claims (8)

  1. パンタグラフに接触するトロリ線の摩耗面を撮影するトロリ線測定用撮像手段を車両の屋根上に設置し、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の摩耗面の画像を画像処理して、前記トロリ線の摩耗量を測定する画像処理手段を備えた画像処理によるトロリ線摩耗測定装置において、
    前記画像処理手段が、
    前記パンタグラフの上面形状に倣って傾斜する前記トロリ線の摩耗面の傾斜角度に応じて前記トロリ線の摩耗幅を補正し前記トロリ線の真の摩耗幅を求める摩耗幅傾斜補正処理手段と、
    前記摩耗幅傾斜補正処理手段により求めた前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度に基づいて前記トロリ線の残存直径を求める残存直径傾斜補正処理手段と
    を備えることを特徴とする画像処理によるトロリ線摩耗測定装置。
  2. 前記画像処理手段が、前記摩耗幅傾斜補正処理手段により求めた前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度と、該真の摩耗幅及び傾斜角度に対応する前記トロリ線の残存直径とを関連付けたトロリテーブルを作成するトロリテーブル作成処理手段を備え、
    前記残存直径傾斜補正処理手段が、前記トロリテーブルに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定装置。
  3. 前記車両に、該車両の枕木方向に対する傾斜角度を検出する車両角度検出手段を設けるとともに、前記車両の屋根上に、前記パンタグラフに取り付けられ枕木方向に離間した二つのマーカーを各々撮影する二台のパンタグラフ撮影手段を設置し、
    前記画像処理手段が、前記パンタグラフ撮影手段により取得された前記マーカーの画像に基づいて前記パンタグラフ全体の傾斜角度を算出するパンタグラフ傾斜計算処理手段と、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の画像から前記トロリ線の偏位位置を求めるトロリ線偏位位置出力処理手段とを備え、
    前記摩耗幅傾斜補正処理手段が、前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度として、前記車両角度検出手段により検出した前記車両の角度と、前記パンタグラフ傾斜計算処理手段により算出した前記パンタグラフ全体の傾斜角度と、前記トロリ線偏位位置出力手段により求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度とに基づいて求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の枕木方向に対する傾斜角度を用いる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定装置。
  4. 前記画像処理手段が、前記トロリ線の偏位位置と当該位置における前記パンタグラフ上面の傾斜角度とを関連付けたパンタグラフテーブルを作成するパンタグラフテーブル作成処理手段を備え、
    前記摩耗幅傾斜補正処理手段が、前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度として、前記パンタグラフテーブルに基づいて得られる前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の傾斜角度を用いる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定装置。
  5. 車両の屋根上に設置したトロリ線測定用撮像手段でパンタグラフに接触するトロリ線の摩耗面を撮影し、前記トロリ線測定用撮像手段で撮影された前記トロリ線の摩耗面の画像を画像処理して前記トロリ線の摩耗量を測定する画像処理によるトロリ線摩耗測定方法において、
    前記パンタグラフの上面形状に倣って傾斜するトロリ線の摩耗面の傾斜角度に応じて前記摩耗幅を補正することにより求めた前記トロリ線の真の摩耗幅と前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度とに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
    ことを特徴とする画像処理によるトロリ線摩耗測定方法。
  6. 前記トロリ線の真の摩耗幅及び前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度と、該真の摩耗幅及び傾斜角度に対応する前記トロリ線の残存直径とを関連付けたトロリテーブルを作成し、
    前記トロリテーブルに基づいて前記トロリ線の残存直径を求める
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定方法。
  7. 前記トロリ線の摩耗面の枕木方向の傾斜角度として、前記車両の角度と、前記パンタグラフ全体の傾斜角度と、前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度とに基づいて求めた前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の枕木方向に対する傾斜角度を用いる
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定方法。
  8. 前記トロリ線の偏位位置と当該位置における前記パンタグラフ上面の傾斜角度とを関連付けたパンタグラフテーブルを作成し、
    前記パンタグラフの上面形状による傾斜角度として、前記パンタグラフテーブルに基づいて得られる前記トロリ線の偏位位置に対応する前記パンタグラフの上面の傾斜角度を用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理によるトロリ線摩耗測定方法。
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