JP2015218629A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Tatsuo Kobayashi
辰夫 小林
西田 秀之
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Abstract

【課題】筒内圧縮圧を低減するためのデコンプ装置を備えたエンジンの早期始動を達成させて、燃費性能を向上させる。【解決手段】エンジンの制御装置は。少なくともエンジンの圧縮行程中に排気バルブ9をリフトし筒内圧を低減するデコンプ装置50を備え、所定の始動条件が成立した場合に当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動させるエンジンの制御装置である。当該制御装置は、エンジンの始動開始時に当該デコンプ装置を作動させ、その後エンジン回転数が所定回転数以上になるとデコンプ処理を非実行とし、エンジン回転数に基づき所定の燃料噴射時期から少なくとも圧縮行程の始まりまでの所定の所要時間(tf)を求め、当該所定の所要時間(tf)内に排気バルブが全閉するのが可能な燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を求め、そして、排気バルブのデコンプリフト量(Ld)が、燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を下回るときに、燃料噴射を開始するよう制御する。【選択図】図2

Description

本発明はエンジンの制御装置に係り、特に、筒内圧縮圧を低減するためのデコンプ装置を備えたエンジンの制御装置に関する。
少なくとも圧縮行程中に筒内圧を低減するために筒内燃焼室を排気通路に連通させるデコンプ装置(もしくは減圧装置)を備えた内燃機関が公知である。かかるデコンプ装置は、内燃機関の停止時や始動時に内燃機関の振動騒音および回転変動を抑制する目的で使用され、また内燃機関の始動時に圧縮負荷ひいては始動用モーターの負荷を低減し、バッテリ消費電力等を抑制する目的で使用される。デコンプ装置は、通常、筒内燃焼室と排気通路を選択的に連通状態(開)または非連通状態(閉)にするためのバルブを備えている。
かかるデコンプ装置を備えたエンジンにおいて、例えば、特許文献1には、エンジンの始動時にデコンプ装置を作動させて筒内圧を低減し、始動開始後エンジンのクランキング回転数が所定回転数以上になったときに、吸気可変動弁機構により第1カム(デコンプ用カム)から第2カム(通常用カム)に切換えた後に、燃料噴射を開始して始動を行わせる技術が開示されている。
特開2006−233841号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、第1カム(デコンプ用カム)から第2カム(通常用カム)に切換えた後に燃料噴射が開始されることから、その分、クランキング開始から初爆までの時間が長く、完爆までの時間も長くなり、エンジン始動期間が長期化する。このエンジン始動期間が長期化すると、クランキングのためのスタータの電力消費を多く必要とし、始動エネルギ−増大ひいては燃費悪化が発生するという問題があった。
そこで本発明は、上記事情に鑑みて、筒内圧縮圧を低減するためのデコンプ装置を備えたエンジンの早期始動を達成させて、燃費性能を向上させることのできるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一形態に係るエンジンの制御装置は、少なくともエンジンの圧縮行程中にデコンプバルブをリフトし筒内圧を低減するデコンプ装置を備え、所定の始動条件が成立した場合に当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動させるエンジンの制御装置であって、
当該制御装置は、エンジンの始動開始時に当該デコンプ装置を作動させ、その後クランキングエンジン回転数が所定回転数以上になると当該デコンプ装置を不作動にさせるよう制御すると共に、
当該クランキングエンジン回転数に基づき所定の燃料噴射時期から少なくとも圧縮行程の始まりまでの所定の所要時間(tf)を求め、
当該所定の所要時間(tf)内に前記デコンプバルブが全閉するのが可能な燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を求め、
前記デコンプバルブのデコンプリフト量(Ld)が、前記燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を下回るときに、燃料噴射を開始するよう制御することを特徴とする。
本発明の一形態によれば、燃料噴射は、デコンプバルブのデコンプリフト量(Ld)が、燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を下回るとき、換言すると、デコンプリフト量(Ld)がゼロになる前であっても開始されるので、その分早期始動が達成されて、燃費性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の全体構成を示す概略図である。 内燃機関とその制御装置の構成を示す概略図である。 デコンプ装置の拡大正面断面図である。 デコンプ装置の拡大側面断面図である。 デコンプ装置の非作動時における、吸気バルブおよび排気バルブのリフト量と、吸気流量および排気流量との変化を示すタイムチャートである。 デコンプ装置の作動時における、吸気バルブおよび排気バルブのリフト量と、吸気流量および排気流量との変化を示すタイムチャートである。 本実施形態のエンジン始動制御の一例を説明するためのタイムチャートである。 エンジンの回転数とその1回転に要する所要時間(tf)との関係を示すグラフ(マップ)である。 排気バルブ(デコンプバルブ)が開から閉へ遷移するときの遷移開始からの所要時間とデコンプリフト量の関係を示すグラフである。 デコンプバルブが全閉するまでの所要時間とデコンプリフト量の関係を示すグラフ(マップ)である。 本発明の実施形態に係る始動時燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 他の実施形態のエンジン始動制御の一例を説明するためのタイムチャートである。 他の実施形態に係る始動時燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 始動時の燃料噴射量(デコンプ有り)の一例を示すマップである。 始動時の燃料噴射量(デコンプ無し)の一例を示すマップである。 デコンプ装置の変形例を示す拡大正面断面図である。 デコンプ装置の変形例を示す拡大側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1に、本実施形態に係るエンジンの制御装置の全体構成を概略的に示す。本実施形態に係る内燃機関(エンジン)1は車両に搭載されており、特に、エンジン1とモータジェネレータとの2つの動力源を備えるハイブリッド車両に搭載されている。当該ハイブリッド車両には、車両およびエンジンを制御するように構成された制御ユニットとしての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20が設けられている。
そして、モータジェネレータとしては、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2からなる2つのモータジェネレータが設けられている。第1のモータジェネレータMG1は主にエンジン始動用に用いられ、第2のモータジェネレータMG2は主に車両を走行させるための動力源として用いられる。
ECU20は、第1および第2のモータジェネレータMG1,MG2を制御するためのパワーマネジメントECU20Aと、エンジン1を制御するためのエンジンECU20Bとを互いに通信可能に備えて構成されている。但し、このようにECUを別々とせず、一体に構成しても構わない。
本実施形態のエンジン1は、多気筒(例えば直列4気筒)の4サイクル火花点火式内燃機関として構成されている。但しエンジンの種類、気筒数、シリンダ配置形式(直列、V型、水平対向等)、着火方式等は特に限定されず、例えばエンジンは圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であってもよい。
図2には、エンジン1とその制御装置の構成を示す。エンジン1のシリンダブロック2に形成されたシリンダ(筒)2a内にはピストン3が往復動可能に収容され、ピストン3にはクランクシャフト4が連結されている。エンジン1のシリンダヘッド5には吸気ポート6を開閉する吸気バルブ7と、排気ポート8を開閉する排気バルブ9とが気筒ごとに2つずつ配設されている。各吸気バルブ7および各排気バルブ9は、カムシャフト10,11を含む動弁機構によって開閉駆動される。シリンダヘッド5の頂部には、筒内燃焼室12内の混合気に点火するための点火プラグ13が気筒ごとに取り付けられている。なお、吸気バルブ7および排気バルブ9の少なくとも一方の開弁特性を変更するための可変バルブ機構(例えば可変バルブタイミング機構)が設けられてもよい。
各気筒の吸気ポート6は、気筒毎の吸気マニフォールドもしくは枝管14を介して、吸気集合室であるサージタンク15に接続されている。サージタンク15の上流側には吸気管16が接続されており、吸気管16の上流端にはエアクリーナ(図示せず)が設けられている。そして吸気管16には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ17と、電子制御式のスロットルバルブ18とが組み込まれている。吸気ポート6、枝管14、サージタンク15及び吸気管16により吸気通路が形成される。吸気通路、特に吸気ポート6内に燃料を噴射するためのインジェクタ19が気筒ごとに配設されている。
各気筒の排気ポート8には図示しない排気マニフォールドおよび排気管が接続され、排気管には三元触媒からなる触媒が設置されている。触媒の上流側及び下流側には排気ガスの空燃比を検出するための上流側及び下流側空燃比センサが設置されている。ECU20はこれら空燃比センサの出力に基づき、各空燃比を例えばストイキ(理論空燃比)に制御するための空燃比フィードバック制御を実行する。
センサ類に関し、上述のエアフローメータ17、上流側及び下流側空燃比センサに加え、エンジン1のクランク角を検出するためのクランク角センサ35、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ36、エンジン1の冷却水温度を検出するための水温センサ37がECU20に電気的に接続されている。また、エンジン1と第1および第2モータジェネレータMG1,MG2を作動可能な状態(オン)または停止状態(オフ)にするためのパワースイッチ39がECU20に電気的に接続されている。ECU20は、これらセンサ類の検出値に基づいて、点火プラグ13、スロットルバルブ18、インジェクタ6、第1および第2モータジェネレータMG1,MG2を制御する。そして点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度、モータジェネレータ出力等を制御する。なお、図1に示すように、アクセル開度センサ36はパワーマネジメントECU20Aに接続されている。
また、スロットルバルブ18の下流側における吸気通路内の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ31が設けられている。吸気圧センサ31は本実施形態の場合、サージタンク15内の吸気圧を検出するよう、サージタンク15に設置されている。但しその設置位置はスロットルバルブ18の下流側であれば任意である。吸気圧センサ31はECU20に電気的に接続され、吸気圧検出値に対応した信号をECU20に出力する。
加えて、本実施形態のエンジン1においては、少なくともエンジンの圧縮行程中に筒内圧を低減するため、筒内燃焼室12を排気通路(排気ポート8)に連通させるデコンプ装置(もしくは減圧装置)50が設けられている。
以下、図3及び図4を参照してデコンプ装置50を説明する。本実施形態のデコンプ装置50は、エンジン1の排気バルブ9を一定量リフト(開弁)させることにより、少なくとも圧縮行程中の筒内圧を解放し圧縮圧を低減するよう構成されている。よって本実施形態のデコンプ装置50はその構成要素として排気バルブ9を備えるが、このように排気バルブ9を流用せず、別個かつ専用のデコンプ装置を設けてもよい。排気バルブ9は、デコンプ装置50の構成要素としてのデコンプバルブをなす。
図示されるように、シリンダヘッド5には、排気バルブ9用の動弁機構の構成要素として排気カムシャフト11、排気バルブスプリング51、ロッカーアーム52および油圧式ラッシュアジャスター(以下、HLAという)53が設けられている。排気バルブスプリング51、ロッカーアーム52およびHLA53は排気バルブ9毎に設けられる。なお吸気バルブ7用の動弁機構も同様に構成される。排気カムシャフト11は、ロッカーアーム52を介して、排気バルブスプリング51により閉方向に付勢されている排気バルブ9を昇降(開閉)駆動する。HLA53は周知のように、排気カムシャフト11とロッカーアーム52のクリアランスを常時なくすように作動する。HLA53は、HLA本体53Aと、HLA本体53Aから上方に突出されHLA本体53A内を昇降可能なプランジャ53Bとを有する。なお、排気カムシャフト11とロッカーアーム52の間にローラーアームを介設してもよい。この場合、HLA53は、ローラーアームとロッカーアーム52のクリアランスを常時なくすように作動する。
これら排気カムシャフト11、排気バルブスプリング51、ロッカーアーム52およびHLA53は、デコンプ装置50の構成要素をもなす。これらに加え、デコンプ装置50は、シリンダヘッド5に固定されHLA53を昇降可能に収容する有底円筒状の複数のHLAホルダ54と、各HLA53の底部に存し全てのHLAホルダ54を挿通するよう気筒列方向(すなわちクランクシャフト軸方向)に延ばされた単一のスライダ55と、スライダ55のカム面55AおよびHLA53の隙間に配設された複数のHLAリフタ56と、スライダ55を気筒列方向にスライド移動させるための電動式デコンプアクチュエータ57とを備えている。デコンプアクチュエータ57はECU20(特にエンジンECU20B、図1参照)に電気的に接続され、ECU20により制御される。ECU20からデコンプアクチュエータ57に、オン/オフ信号およびデコンプアクチュエータ57の目標変位量を示す信号が送られ、デコンプアクチュエータ57からECU20に、デコンプアクチュエータ57の実際の変位量を示す信号が送られる。
デコンプ装置50の作動時、デコンプアクチュエータ57がオンされ、デコンプアクチュエータ57は目標変位量に等しい量だけ変位して、スライダ55を図4に示す停止位置から、より左側の作動位置(仮想線で示す)にスライド移動させる。するとスライダ55のカム面55AがHLAリフタ56を介してHLA53を上方にリフトさせる。これによりロッカーアーム52が回転し、排気バルブ9を開方向(下方)にリフトさせる。このような作動は各排気バルブ9に対して一斉に行われる。これにより排気カムシャフト11のベース円拡大と同様の効果を得られ、各排気バルブ9は全閉にならず、少なくとも、全開時のリフト量より遙かに少ない微小量だけリフト(デコンプリフト)される。
HLA53はエンジン運転中、オイルポンプから油圧が供給されているときに、排気カムシャフト11とロッカーアーム52のクリアランスをなくすよう伸長状態となるが、エンジン停止時等に油圧が供給されなくなると収縮状態になる。例えば、伸長状態から収縮状態までの収縮量が1.5mm程度であるとする。例えば、スライダ55が停止位置から作動位置に移動したときのカム面55Aによるリフト量(HLAリフタ56のリフト量に等しい)を2.3mmに設定すると、エンジン始動時等においてデコンプ装置50を作動させたとき、HLA53はその収縮分を差し引いて0.8mmリフトする(2.3−1.5=0.8)。例えばロッカーアーム52のレバー比が約1.5:1であると、デコンプ装置50の作動による排気バルブ9のリフト量は約0.5mmとなる。以下、このリフト量をデコンプリフト量Ldという。
ここで、エンジン停止時等にはオイルポンプからの油圧供給が不十分または皆無となり、またエンジン回転数が低回転でもあるので、デコンプアクチュエータ57には作動の確実性を考慮し、油圧式ではなく電動式を用いている。また本実施形態のデコンプ装置50は、排気バルブおよびその動弁機構の構成要素を利用して構成されているため、コスト削減に大変有利である。
図5および図6は、ある特定気筒における吸気バルブ7および排気バルブ9のリフト量((A)図)と、吸気流量および排気流量((B)図)との変化を示す。図5はデコンプ装置50の不作動時すなわちデコンプ装置50が作動していない時を示し、図6はデコンプ装置50の作動時を示している。(B)図において、吸気流量は筒内燃焼室12に流入する方向が正であり、排気流量は筒内燃焼室12から流出する方向が正である。なお図5,6はエンジンが1000rpmでモータリングされているときのデータを示す。
図6から分かるように、デコンプ装置50の作動時には排気バルブ9が常時開とされ、デコンプ装置50の非作動時に閉となっているタイミング(図5参照)でも、排気バルブ9は所定のデコンプリフト量Ldだけリフトされている。これにより、筒内燃焼室12は排気通路(特に排気ポート8)に常時連通させられる。デコンプリフト量Ldはデコンプ装置50の作動時における排気バルブ9の最小リフト量を規定する。
ところで、本実施形態のデコンプ装置50は、モータジェネレータの出力による走行状態からエンジンによる走行状態への切換えやバッテリの充電の目的で、停止しているエンジンを始動させるときの始動時における筒内圧による始動抵抗に起因する振動騒音および回転変動を抑制するために作動される。
図7に、本実施形態のエンジン始動制御の基本例を説明するためのタイムチャートを示す。(A)はアクセル開度(アクセル開度センサ36の検出値)、(B)はパワーマネジメントECU20Aにおける第1エンジン停止フラグの状態、(C)はエンジンECU20Bにおける第2エンジン停止フラグの状態、(D)はモータジェネレータの出力トルク(Nm)の検出値、(E)はクランク角センサ35の出力に基づき取得されたエンジン回転数(rpm)、(F)はエンジンECU20Bにおけるエンジン同期制御禁止(エンジン回転数に同期させて制御するのを禁止する)フラグの状態、(G)はエンジンECU20Bにおけるデコンプ実行フラグの状態、(H)はデコンプリフト量(デコンプアクチュエータ57の変位量)Ldの検出値、(I)はエンジンECU20Bにおける燃料噴射禁止フラグの状態、(J)はクランク角センサ35により取得されたクランク角、(K)は燃料噴射指示タイミング、(L)は筒内圧を、それぞれ示す。
図示例は、車両の発進時または加速時等において、エンジンを自動的に始動させる制御を実行した場合の例を示す。
図示例においては、アクセル開度がゼロ(全閉状態)の状態でオンである、パワーマネジメントECU20Aにおける第1エンジン停止フラグが、アクセル開度がゼロから踏み込まれて所定の開度が検出された時点t1で、オフにされ、そしてこの第1エンジン停止フラグのオフと実質的に同時に、エンジンECU20Bにおける第2エンジン停止フラグもオフにされる。
そして、第2エンジン停止フラグがオフになったこの時点t1で、エンジンの始動動作が開始される。この第2エンジン停止フラグは、所定の始動条件が成立したときにオフとなる。この時点t1で同時に、第1モータジェネレータMG1に電流が供給されクランキングが開始されると共に、デコンプ実行フラグがオフからオンに切換えられる。なお、この時点では燃料噴射禁止フラグはオンのまま維持され、燃料噴射は禁止されている。なお、燃料噴射禁止フラグがオンでは、インジェクタ19による燃料噴射が禁止もしくは停止され、併せて点火プラグ13による点火も禁止もしくは停止される。
この後、クランキングエンジン回転数は次第に上昇していき、燃料噴射を開始してもよいか否かの判定を行ってもよいエンジンの所定の回転数(以下、燃料噴射開始判定エンジン回転数と称す)Nef(例えば200rpm)に到達する。なお、この燃料噴射開始判定エンジン回転数Nef未満のエンジン回転数では、オンであったエンジン同期制御禁止フラグは、エンジン回転数がこの燃料噴射開始判定エンジン回転数Nefに到達した時点t2でオフとされる。同時に、この時点t2で、(G)のエンジンECU20Bにおけるデコンプ実行フラグがオンからオフにされる。
(H)のデコンプリフト量Ldは、時点t1より前の期間においてはゼロである。しかし、時点t1でデコンプ実行フラグがオフからオンに切換えられデコンプ装置50が作動されるのに伴い、デコンプアクチュエータ57の変位量が、排気バルブ9をリフト(開弁)させる方向に増大されて最大リフト量に到達している。したがって、このデコンプ実行フラグがオンからオフにされる時点t2で、デコンプ装置50の不作動動作の開始、換言すると、デコンプアクチュエータ57の変位量がゼロ、ひいてはデコンプリフト量Ldがゼロとなる方向にスライダが変位されるのが開始され、デコンプリフト量Ldの減少が開始される。
この後、デコンプリフト量Ldは減少し続け、後で詳述する、燃料噴射を開始してもよいか否かの判定を行ってもよいデコンプ装置50のデコンプリフト量(以下、燃料噴射開始判定デコンプリフト量と称す)Lf(例えば0.6mm)に到達する。そして、このデコンプリフト量Ldが燃料噴射開始判定デコンプリフト量Lfに到達した時点t3で、今までオンであった(I)の燃料噴射禁止フラグがオフにされ、燃料噴射が許可される。
よって、本実施形態のエンジン始動制御では、デコンプリフト量Ldが完全にゼロとなる前であっても、時点t3の後の所定の燃料噴射時期(t4)に最初に排気行程を迎える気筒(例えば、#1気筒)の吸気ポート6内にインジェクタ19により燃料が噴射される(図7(K)参照)。この吸気ポート6内に排気行程で噴射された燃料は、この排気行程に続く吸気行程において、筒内燃焼室12に流入する空気と共に吸入される。そして、その混合気はデコンプリフト量Ldが完全にゼロとなった圧縮行程において圧縮され、その後期(t5)において点火プラグ13により点火されて初爆が生ずることになる(図7(L)参照)。
さらに、本実施形態の4サイクル4気筒エンジンの始動制御ルーチンを、図11を参照して説明する。当該ルーチンはECU20(特にエンジンECU20B)により図11に示されるような手順に従って所定の周期で実行される。
まずステップS101で、図7(G)に示したデコンプ実行フラグがオフか否かが判断される。オフでない場合(オンの場合)にはルーチンが終了され、オフの場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、クランキング中のエンジン回転数Neを取得し、このエンジン回転数Neに基づき、4サイクル4気筒のエンジンが1回転するのに要する所要時間tfを、図8のマップにより取得する。この所要時間tfは、燃料が排気行程で吸気ポート内に噴射される、いわゆる燃料噴射時期の方式が排気行程噴射の実施形態の場合に、ある気筒の排気行程で吸気ポート内に噴射された燃料が吸気行程で燃焼室内に吸入され、次いで圧縮行程で圧縮され点火されるのを保証する、排気行程から少なくとも圧縮行程の始まりまで、すなわち排気行程と吸気行程に凡そ要する所要時間である。
なお、上記では燃料を排気行程で噴射する、いわゆる排気行程噴射の場合につき説明したが、冷間時などの始動の際には、燃料噴射時期の方式を排気行程噴射ではなく吸気行程噴射とした方が好ましい場合もある。これは冷間時に排気行程噴射とすると、噴射された燃料が吸気ポート6の壁面に付着しウエット状態のまま維持される確率が高いからである。この場合には、上述のステップS102で求められたエンジンが1回転するのに要する所要時間tfに代えて、クランキング中のエンジン回転数Neに基づき、エンジンが半回転するのに要する所要時間tfを用いるようにすればよい。
次いでステップS103では、ステップS102において求められた所要時間tfから、図9及び図10のマップ(グラフ)に基づき説明される、燃料噴射開始判定デコンプリフト量Lfが求められる。すなわち、図9は、デコンプアクチュエータ57の特性として、あるデコンプリフト量から排気バルブ9のデコンプリフト量の減少が開始されてから全閉するまでに要する所要時間tf(例えば、デコンプリフト量が1.0mmのときは、0.3secの所要時間であり、デコンプリフト量が0.5mmのときは、0.15secの所要時間)を示している。また、図10には、この全閉するまでに要する所要時間tfに対応する燃料噴射開始判定デコンプリフト量Lfが示されている。 そして、ステップS104では、現在のデコンプリフト量Ldが取得される。このデコンプリフト量Ldは、デコンプアクチュエータ57のスライダ55の変位量に基づく推定値として求められる。
次に、ステップS105に進み、ステップS104で求めたデコンプリフト量LdがステップS103で求めた燃料噴射開始判定デコンプリフト量Lfより小さいか否か、且つ、デコンプリフト量Ldの減少が開始されているか否かが判定される。いずれもノーの場合にはルーチンが終了される。一方、デコンプリフト量Ldが燃料噴射開始判定デコンプリフト量Lfより小さく、且つ、デコンプリフト量Ldの減少が開始されている場合には、ステップS106に進み、今までオンであった燃料噴射禁止フラグがオフにされ、燃料噴射が許可される。
そして、当該制御ルーチンには図示しないが、別ルーチンで求められた所定の燃料量がこの燃料噴射の許可後に噴射されること周知の通りである。
次に、本発明の他の実施形態について、図12ないし図15を参照して説明する。この他の実施形態が前実施形態と異なるのは、全ての始動についてデコンプ装置を作動させるように制御する前実施形態に対して、当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動するときと、デコンプ装置を作動させないで始動するときとを含み、それぞれの場合の燃料噴射量を異ならせるようにした点のみであるから、その相違点についてのみ以下に説明することにする。このデコンプ装置を作動させないで始動するときには、例えば、前述のデコンプ装置50の故障時などを挙げることができる。
この他の実施形態における始動時の燃料噴射制御ルーチンの一例を、図13を参照して説明する。当該ルーチンはECU20(特にエンジンECU20B)により図13に示されるような手順に従って所定の周期で実行される。
まずステップS201で、クランキング中のエンジン回転数Neを取得し、次のステップS202で、エンジン水温T℃を不図示の水温センサの検出信号から取得する。
そして、ステップS203に進み、デコンプ処理が実行可能か否かを判定する。ここで、デコンプ処理が実行可能であるときはステップS204に進み、デコンプ処理が実行不能であるときはステップS205に進む。
そして、ステップS204では、図14に示す始動時の燃料噴射マップ(デコンプ有り)を用いて、取得した上述のエンジン回転数Neとエンジン水温T℃に対応する燃料噴射量tauが求められる。一方、ステップS205では、図15に示す始動時の燃料噴射マップ(デコンプ無し)を用いて、取得した上述のエンジン回転数Neとエンジン水温T℃に対応する燃料噴射量tauが求められる。
さらに、これらのステップS204及びステップS205で求められた燃料噴射量tauが、周知のように、所定の燃料噴射時期に噴射されて始動が行われる。
ここで、燃料噴射量tauは、当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動するときが、デコンプ装置を作動させないで始動するときに比べて、図12の(M)に実線(デコンプ有り)及び破線(デコンプ無し)で示すように、より増量されている。
その理由は以下のとおりである。すなわち、始動時のクランキングの際にデコンプ装置が作動していると、ピストン下降時の吸気行程において筒内に大きな負圧が発生しないので吸気マニフォールドから吸入される空気量は多くない。したがって、吸気マニフォールド内の圧力の低下も少なく大気圧近くに維持される。この状態で、デコンプ装置の作動が解除されて燃焼が開始されるときには、吸気マニフォールド内の圧力が大気圧近くであることから、筒内により多くの空気量が吸入される。これに対して、デコンプ装置を作動させないで始動するときの通常の燃料噴射量のままにすると、空燃比がリーンになり燃焼が起こり難くい。よって、この他の実施形態では、当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動するときの燃料噴射量をより増量して燃焼が起こり易い空燃比とすることで、早期の初爆を得ることができるようにしているのである。
なお、本発明の実施形態の基本実施例は次のように変形することも可能である。
(1)デコンプ装置50の構成を図16,17に示すように変更することが可能である。この変形実施例においては、前記スライダ55の代わりに、HLAリフタカムシャフト59を用いてHLA53をリフトさせるように構成されている。HLAリフタカムシャフト59は、各HLA53の底部に臨むようシリンダヘッド5に形成されたカムシャフト挿通孔60に回転自在に挿通支持されており、電動式デコンプアクチュエータ57’により回転駆動される。なお前記HLAホルダ54は省略され、代わりに、シリンダヘッド5に形成されたHLA支持孔61によりHLA53が昇降可能に支持される。
デコンプ装置50の作動時、デコンプアクチュエータ57’がオンされ、デコンプアクチュエータ57’はHLAリフタカムシャフト59を図17に示す停止位置から180°異なる作動位置(仮想線で示す)に回転させる。するとHLAリフタカムシャフト59のカム面59AがHLA53を直接押し上げ、上方にリフトさせる。その余は基本実施例と同様である。
(2)デコンプ装置の構成は上記以外にも様々なものが可能である。例えば、排気バルブを電磁アクチュエータで駆動する電磁駆動式排気バルブを採用した場合、この電磁駆動式排気バルブによりデコンプ装置を構成してもよい。排気バルブを流用しない専用のデコンプ装置を設けてもよいことは前述した通りである。
(3)エンジンの用途は任意であり、車両用でなくてもよい。また車両の種類も任意であり、ハイブリッド車両でない通常の車両、すなわちエンジンを唯一の動力源とした車両であってもよい。通常の車両の場合、例えば、イグニッションスイッチがオンされた時に、エンジンの始動動作が開始される。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。上記の各実施形態、各実施例および各構成は、矛盾が生じない限り任意に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
12 筒内燃焼室
18 スロットルバルブ
20 電子制御ユニット(ECU)
36 アクセル開度センサ
50 デコンプ装置

Claims (1)

  1. 少なくともエンジンの圧縮行程中にデコンプバルブをリフトし筒内圧を低減するデコンプ装置を備え、所定の始動条件が成立した場合に当該デコンプ装置を作動させてエンジンを始動させるエンジンの制御装置であって、
    当該制御装置は、エンジンの始動開始時に当該デコンプ装置を作動させ、その後エンジン回転数が所定回転数以上になると当該デコンプ装置を不作動にさせると共に、
    エンジン回転数に基づき所定の燃料噴射時期から少なくとも圧縮行程の始まりまでの所定の所要時間(tf)を求め、
    当該所定の所要時間(tf)内に前記デコンプバルブが全閉するのが可能な燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を求め、
    前記デコンプバルブのデコンプリフト量(Ld)が、前記燃料噴射開始判定デコンプリフト量(Lf)を下回るときに、燃料噴射を開始するよう制御することを特徴とするエンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019157643A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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