JP2015218224A - 発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子分散液 - Google Patents

発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子分散液 Download PDF

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Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
孫 仁徳
Hitonori Son
孫  仁徳
中壽賀 章
Akira Nakasuga
章 中壽賀
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Abstract

【課題】光が照射されることによりコントラストが高く、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子含有組成物を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂と発光粒子とを含有する発光シートであって、前記発光粒子は、発光波長が異なる少なくとも2種の発光粒子を含有し、かつ、前記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する発光シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光が照射されることによりコントラストが高く、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子分散液に関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラスや、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスとして、少なくとも一対のガラス間に、例えば、液状可塑剤とポリビニルアセタール樹脂とを含む合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラス等が挙げられる。
近年、自動車用のフロントガラスについて、このフロントガラスと同じ視野内に自動車走行データである速度情報等の計器表示をヘッドアップディスプレイ(HUD)として表示させようとする要望が高まっている。
HUDとしては、これまでに数々の形態が開発されている。最も一般的なHUDとしてコントロールユニットから送信される速度情報等をインストゥルメンタル・パネルの表示ユニットからフロントガラスに反射させることにより、運転者がフロントガラスと同じ位置、すなわち、同一視野内で速度情報等を視認できるHUDがある。
HUD用の合わせガラス用中間膜として、例えば、特許文献1には、所定の楔角を有する楔形合わせガラス用中間膜等が提案されており、合わせガラスにおいて計器表示が二重に見えるというHUDの欠点を解決することが提案されている。
特許文献1に記載された合わせガラスは、合わせガラスの面内の一部の領域であれば、計器表示が二重に見えるというHUDの欠点を解決することができる。即ち、合わせガラスの面内の全面において、計器表示が二重に見えるという問題は解決されていない。
これに対して特許文献2には、バインダー樹脂と発光材料とを含有する発光層を有する発光シート、及び、該発光シートを含む合わせガラス用中間膜が開示されている。特許文献2に記載された発光シートや合わせガラス用中間膜は、中間膜自身が発光することにより、高いコントラストで画像を表示することができる。
特許文献2には、発光波長の異なる複数の発光材料を組み合わせて用いることにより、多色画像の表示が可能となるとの記載もある。しかしながら、実際に発光波長の異なる複数の発光材料を組み合わせて用いても、狙い通りの発色の多色画像が表示されないという問題がある。
特開2002−100793号公報 特開2014−24312号公報
本発明は、上記現状に鑑み、光が照射されることによりコントラストが高く、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子分散液を提供することを目的とする。
本発明は、バインダー樹脂と発光粒子とを含有する発光シートであって、前記発光粒子は、発光波長が異なる少なくとも2種の発光粒子を含有し、かつ、前記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する発光シートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、発光波長が異なる複数の発光材料を組み合わせて用いた場合に、狙い通りの発色の多色画像が表示されない原因について検討を行った。その結果、一の発光材料を発光させるために光を照射したときに、光照射によって他の発光材料も励起されてしまうことが原因であることを見出した。例えば、赤色系発光材料と青色系発光材料とを組み合わせて用いた発光シートに、赤色系発光材料を励起する波長の光を照射して赤色の発色を表示させようとしたときに、光照射によって青色系発光材料も一部励起されてしまうことにより、得られる表示は意図した赤色表示ではなく、赤色に一部青色が混じった発色の表示になってしまう。
このような一の発光と他の発光が混じった発色の表示を防止するためには、複数の発光材料として励起波長が全く重複せず、十分に離れた組み合わせを選択することが考えられる。しかしながら、そのような方策を採ろうとすると、発光材料の選択の幅が極端に狭まってしまい、実質的に狙い通りの発色の多色画像を表示させることは困難となる。
本発明者は、更に鋭意検討の結果、少なくとも2種の発光粒子が、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有することにより、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の発光シートは、バインダー樹脂と発光粒子とを含有する。
上記バインダー樹脂は特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する合わせガラス用中間膜が得られることから、ポリビニルアセタール樹脂が好適である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。水酸基量が15モル%以上であると、本発明の発光シートを合わせガラス用中間膜として用いた場合に、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着性が高くなる。水酸基量が35モル%以下であると、得られる合わせガラス用中間膜の取り扱いが容易になる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.8モル%であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、合わせガラス用中間膜の成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において発光粒子とは、発光シート中に粒子状に分散し、励起波長の光を照射することにより特定の波長域の光を発光するものを意味する。
上記発光粒子は、例えば、アントラキノン、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジン及びベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジン及びチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオ−エピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフラン、トリアジン及びバルビツール酸誘導体、ベンゾピラン、ナフトピラン、2H−ナフトピラン、3H−ナフトピラン、2H−フェナントロピラン、3H−フェナントロピラン、フォトクロミック樹脂、クマリン、キサンチン、ナフタル酸誘導体、オキサゾール、スチルベン、スチリル、ペリレン、ランタニドや、YS:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、(SrCaBaMg)(POCl:Eu、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、Sr(POCl:Eu、LaPO:Ce,Tb、MgAl1119:Ce,Tb、Y:Eu、Y(PV)O:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、Ca10(POFCl:Sb,Mn、Sr10(POFCl:Sb,Mn、(SrMg):Eu、Sr:Eu、CaWO、CaWO:Pb、MgWO、(BaCa)(POCl:Eu、SrAl1425:Eu、ZnSiO:Mn等で示される蛍光体及びそれらからなる複合体や、ZnS粒子、GaSe粒子、SiC粒子、CdTe粒子等を用いることができる。
本発明の発光シートは、発光波長の異なる少なくとも2種の発光粒子を含有する。具体的には、上記発光粒子の中から、発光波長の異なる少なくとも2種の発光粒子を選択して組み合わせて用いる。これにより、多色の画像表示が可能となる。なかでも、青色系発光粒子、緑色系発光粒子及び赤色系発光粒子からなる群より選択される少なくとも2種を含有することが好ましい。赤・緑・青の三色の光を発生する発光粒子を組み合わせ、照射する励起波長を調節し、蛍光波長を制御することで、フルカラーでの情報表示が可能になる。
本明細書において青色系発光粒子とは、励起波長の光を照射することにより主に380nm以上、495nm未満の波長域の光を発光する発光粒子を意味し、緑色系発光粒子とは、励起波長の光を照射することにより主に495nm以上、590nm未満の波長域の光を発光する発光粒子を意味し、赤色系発光粒子とは、励起波長の光を照射することにより主に590nm以上、750nm以下の波長域の光を発光する発光粒子を意味する。
上記発光粒子の平均粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は200nmである。この範囲内であると、光を照射することにより高いコントラストの画像を表示でき、かつ、高い透明性の発光シートとすることができる。上記発光粒子の平均粒子径のより好ましい下限は2nm、より好ましい上限は100nmである。上記発光粒子の平均粒子径は、動的光散乱法により測定できる。
上記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する。これにより、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シートが得られる。
例えば、赤色系発光粒子と青色系発光粒子とを組み合わせて発光シートに配合する場合に、赤色系発光粒子に、青色系発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を形成し、青色系発光粒子に、赤色系発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を形成する。このような2種の被覆した発光粒子を含有する発光シートに赤色系発光粒子を励起する波長の光を照射すると、赤色系発光粒子が励起されて赤色の光が発光する一方、光遮蔽層によって青色系発光粒子には光が十分に到達せず、青色系発光粒子から青色の光が発光することを防止できる。その結果、実質的に青色の発色を防止し、意図した通りの赤色の発色の表示が得られる。
上記少なくとも2種の発光粒子は、第1の発光粒子及び第2の発光粒子を含むことが好ましい。上記第1の発光粒子及び上記第2の発光粒子は光遮蔽層を有し、上記第1の発光粒子が有する光遮蔽層は、上記第2の発光粒子を励起する光のうち、上記第1の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽し、上記第2の発光粒子が有する光遮蔽層は、上記第1の発光粒子を励起する光のうち、上記第2の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽することが好ましい。狙い通りの発色がより一層得られることから、上記第1の発光粒子が有する光遮蔽層は、上記第2の発光粒子を励起する光のうち、上記第1の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽し、上記第1の発光粒子を励起する光を透過することが好ましい。狙い通りの発色がより一層得られることから、上記第2の発光粒子が有する光遮蔽層は、上記第1の発光粒子を励起する光のうち、上記第2の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽し、上記第2の発光粒子を励起する光を透過することが好ましい。上記少なくとも2種の発光粒子が上記光遮蔽層を有することにより、第1の発光粒子を励起する光の波長及び第2の発光粒子を励起する光の波長の少なくとも一部又は大部分が重複していたとしても、狙い通りの発色の多色画像をより一層はっきりと表示することができる。
上記光遮蔽層は、本発明の課題を解決するために、特定の波長の光の少なくとも一部を吸収又は反射する。従って、上記光遮蔽層は、光吸収層であってもよく、光反射層であってもよい。発光シート又は合わせガラス用中間膜の透明性が高くなることから、上記光遮蔽層は光吸収層であることが好ましい。
上記光吸収層は、上記発光粒子を励起する波長の光を吸収するものであり、上記少なくとも2種以上の発光粒子の種類に応じて適宜選択する。
上記光反射層は、上記発光粒子を励起する波長の光を反射するものであり、上記少なくとも2種以上の発光粒子の種類に応じて適宜選択する。
上記光遮蔽層は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び、有機系紫外線遮蔽剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有するものが挙げられる。
上記有機系紫外線遮蔽剤は、一般に紫外線遮蔽剤として公知の有機化合物が挙げられ、有機系紫外線吸収剤であることが好ましい。例えば、上記有機系紫外線遮蔽剤として、マロン酸エステル構造を有する化合物、シュウ酸アニリド構造を有する化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、ベンゾエート構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、トリアジン構造を有する化合物である2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは、波長320〜380nmの光を吸収する。その他、Tinuvin312(BASF社製、主に250〜350nmの光を吸収)、Tinuvin326(BASF社製、主に300〜405nmの光を吸収)、Tinuvin460(BASF社製、主に280〜370nmの光を吸収)等の市販の有機系紫外線遮蔽剤も用いることができる。
上記少なくとも2種以上の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する。上記少なくとも2種以上の発光粒子、第1の発光粒子及び第2の発光粒子は光遮蔽層を有すればよいが、光遮蔽層で被覆されていることが好ましい。光遮蔽層で被覆されていることにより、狙い通りの発色の多色画像をより一層はっきりと表示することができる。上記少なくとも2種以上の発光粒子、第1の発光粒子及び第2の発光粒子は、それぞれの発光粒子の表面すべてが光遮蔽層により被覆されていることが好ましいが、その表面すべてが光遮蔽層により被覆されていなくてもよい。
上記発光材料を光吸収層で被覆する方法は特に限定されず、例えば、化学蒸着法(CVD)、噴霧乾燥法、メカノケミカル法等の乾式法や、液相析出法、ヘテロ凝集法、沈殿法、ゾルゲル法、水熱合成法等の湿式法等が挙げられる。
本発明の発光シートにおける各々の発光粒子の含有量は、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限が0.005重量部、好ましい上限が2重量部である。上記各々の発光粒子単独の含有量が0.005重量部以上であると、光が照射されることにより、コントラストがより一層高い画像を表示することができる。上記各々の発光粒子単独の含有量が2重量部以下であると、発光シートの透明性がより一層高くなる。
本発明の発光シートにおける発光粒子の合計の含有量は、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限が0.015重量部、好ましい上限が2重量部である。上記発光粒子の合計の含有量が0.015重量部以上であると、光が照射されることにより、コントラストがより一層高い画像を表示することができる。上記発光粒子の合計の含有量が2重量部以下であると、発光シートの透明性がより一層高くなる。
本発明の発光シートは、更に分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、上記発光粒子をより均一に微分散させることができ、より均一な発光が可能になる。
上記分散剤は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸構造を有する化合物や、ジエステル化合物、リシノール酸アルキルエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸エステル等のエステル構造を有する化合物や、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールやアルキルフェニル−ポリオキシエチレン−エーテル等のエーテル構造を有する化合物や、ポリカルボン酸等のカルボン酸構造を有する化合物や、ラウリルアミン、ジメチルラウリルアミン、オレイルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンの2級アミン、ポリオキシエチレンの3級アミン、ポリオキシエチレンのジアミン等のアミン構造を有する化合物や、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド等のポリアミン構造を有する化合物や、オレイン酸ジエタノールアミド、アルカノール脂肪酸アミド等のアミド構造を有する化合物や、ポリビニルピロリドン、ポリエステル酸アマイドアミン塩等の高分子量型アミド構造を有する化合物等や、トリエトキシプロピルイソシアネートシラン、トリエトキシブチルシラン等のアルキル基を有するシラン構造を有する化合物や、トリエトキシプロピルアクリロキシシラン等のアクリロキシ基を有するシラン構造を有する化合物や、トリエトキシプロピルビニルシラン等のビニル基を有するシラン構造を有する化合物や、エポキシ基やリン酸基、カルボキシル基、メルカプト基等の側鎖を有する高分子量体であるポリシロキサン構造を有する化合物や、イソシアネート等のイソシアネート基を有する化合物や、イソシアヌレート等のイソシアヌレート基を有する化合物等の従来公知の分散剤を用いることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(塩)や高分子ポリカルボン酸、縮合リシノール酸エステル等の高分子量分散剤を用いてもよい。なお、高分子量分散剤とは、その分子量が1万以上である分散剤と定義される。
上記分散剤を配合する場合に、上記発光粒子100重量部に対する上記分散剤の配合量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記分散剤の配合量がこの範囲内であると、上記発光粒子を発光シート中に均一に微分散させることができる。上記分散剤の配合量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましい下限は5重量部、更に好ましい上限は25重量部である。
本発明の発光シートは、必要に応じて、更に可塑剤を含有してもよい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種は、接着力調整剤としてカルボン酸の金属塩を含有させることによって、本発明の発光シートを合わせガラス用中間膜として用いたときにガラスとの接着力の経時変化を防止することができる。
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましく、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましく、特にトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含有することがより好ましい。
本発明の発光シートにおける上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が80重量部である。上記可塑剤の含有量が30重量部以上であると、発光シートの溶融粘度が低くなり、これを合わせガラス用中間膜として合わせガラスを製造する際の脱気性が高くなる。上記可塑剤の含有量が80重量部以下であると、発光シートの透明性が高くなる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は70重量部、更に好ましい上限は63重量部である。
本発明の発光シートは、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することにより、優れた耐光性を得ることができる。
上記酸化防止剤は特に限定されず、フェノール構造を有する酸化防止剤、硫黄を含む酸化防止剤及びリンを含む酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は一種のみでもよく、二種以上を併用してもよい。
上記フェノール構造を有する酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記フェノール構造を有する酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及びビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
本発明の発光シートは接着力調整剤を含有することが好ましい。接着力調整剤を含有することにより、本発明の発光シートを合わせガラス用中間膜として用いた場合に、ガラスに対する接着力を調整して耐衝撃性に優れる合わせガラスを得ることができる。
上記接着力調整剤は特に限定されず、金属塩であることが好ましく、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の金属塩であることが好ましい。
上記金属塩は、カリウム及びマグネシウムのうちの少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。上記金属塩は、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩又は炭素数2〜16の有機酸のアルカリ土類金属塩であることがより好ましく、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩であることが更に好ましい。上記炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び上記炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム及び2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
上記接着力調整剤の含有量は特に限定されないが、上記バインダー樹脂100重量部に対する好ましい下限が0.0005重量部、好ましい上限が0.05重量部である。上記接着力調整剤の含有量が0.0005重量部以上であると、発光シートを合わせガラス用中間膜として合わせガラスを製造したときに、その耐貫通性が高くなる。上記接着力調整剤の含有量が0.05重量部以下であると、発光シートの透明性が高くなる。上記接着力調整剤の含有量のより好ましい下限は0.002重量部、より好ましい上限は0.02重量部である。
本発明の発光シートは、必要に応じて、光安定剤、帯電防止剤、青色顔料、青色染料、緑色顔料、緑色染料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の発光シートの厚さの好ましい下限は300μm、好ましい上限は2000μmである。発光シートの厚さがこの範囲内であると、特定の波長の光を照射したときに充分にコントラストの高い発光が得られる。本発明の発光シートの厚さのより好ましい下限は350μm、より好ましい上限は1000μmである。
本発明の発光シートを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記発光粒子を適当な分散媒(例えば、上記液状可塑剤)に分散させて発光粒子分散液を調製し、該発光粒子分散液を上記バインダー樹脂と充分に混練して樹脂組成物を調製したうえで、該樹脂組成物をシート状に成型する方法等が挙げられる。
分散媒と発光粒子とを含有する発光粒子分散液であって、上記発光粒子は、発光波長の異なる少なくとも2種の発光粒子を含有し、かつ、上記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する発光粒子分散液もまた、本発明の1つである。
本発明の発光シートの用途は特に限定はされず、商業ビルや住宅用の窓材、自動車の窓等に貼付される広告媒体等の用途に用いることができる。なかでも、車両用窓材、建築用窓材等における情報表示機能を有する合わせガラス用中間膜として好適である。本発明の発光シートを有する合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の発光シートのみからなる単層構造であってもよく、他のシートと積層した積層構造であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜が積層構造である場合、他のシートは他の機能を発揮するシート、例えば、熱線吸収剤を含有する熱線吸収シート、多量の可塑剤を含有する遮音シート等であってもよい。
また、本発明の発光シートは、合わせガラス用中間膜の一部にのみ配置されていてもよい。発光シートが一部にのみ配置されている場合には、該一部分を発光エリア、他の部分を非発光エリアとして、発光エリアにおいてのみ情報を表示できるようにすることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とで、本発明の合わせガラス用中間膜を挟持した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
本発明の合わせガラスは、上記少なくとも2種の発光粒子に対応する複数の波長の光を組み合わせて照射することにより、多色の画像を表示することができる。
上記発光材料の励起波長の光を照射するための装置は、レーザータイプの集中光線(レーザー光線)の発生装置が好ましい。このようなレーザー光線発生装置を用いることにより、より高いコントラストの画像を表示することができる。
本発明の合わせガラスと、1以上のレーザー光線発生装置とを有し、上記レーザー光線発生装置から合わせガラスに向けてレーザー光線を照射することにより画像を表示するものであるディスプレイ装置もまた、本発明の1つである。
上記レーザー光線発生装置は、波長410nm未満の紫外線レーザー光線を照射可能なレーザーダイオードを少なくとも1つ有することが好ましい。
上記レーザー光線発生装置は、レーザー光線の照度調整手段を有することが好ましい。これにより、昼夜等の外部条件にあわせて、表示する多色画像の輝度を調整することができる。
上記レーザー光線発生装置は、例えば、スポット光源(例えば、浜松ホトニクス社製「LC−8」)、キセノン・フラッシュランプ(例えば、ヘレウス社製「CWランプ」や朝日分光社製「REX−250」)、ブラックライト(例えば、井内盛栄堂社製「キャリーハンド」)等が挙げられる。
本発明によれば、光が照射されることによりコントラストが高く、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子含有組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(被覆発光粒子の製造)
(1)被覆発光粒子1の製造
平均粒子径50nmのトリス(ベンゾイルトリフルオロアセチルアセトナート)(フェナントロリナート)ユーロピウム(III)(Eu(BFA)3phen、励起波長355nmの光を照射することにより波長618nmの赤色の光を発光する、非被覆発光粒子1)の2重量%分散水溶液100重量部に、エタノール30重量部を加えて50℃に加温した。次いで、0.5重量%の2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(遮蔽波長320〜380nm)溶液8重量部を徐々に加えながら、2時間撹拌した。得られた溶液をろ過し、洗浄した後、80℃で真空乾燥して、被覆発光粒子1(Eu(BFA)3phen/トリアジン化合物)を得た。
(2)被覆発光粒子2の製造
平均粒子径50nmナフタルイミド(励起波長375nmの光を照射することにより波長413nmの青色の光を発光する、非被覆発光粒子2)の10%水分散液100重量部にシュウ酸を加え、pH2に調整した。得られた溶液を室温で撹拌しながら、8nm酸化セリウム(遮蔽波長380nm以下)コロイド(10%溶液)8重量部を徐々に加えた後、0.3重量%アンモニア水溶液でpH8に調整した。得られた溶液をろ過し、洗浄した後、80℃で真空乾燥して、被覆発光粒子2(ナフタルイミド/酸化セリウム)を得た。
(3)被覆発光粒子3の製造
非被覆発光粒子1を平均粒子径50nmトリス(アセチルアセトナート)テルビウム(III)(Tb(acac)phen、励起波長355nmの光を照射することにより波長543nmの緑色の光を発光する、非被覆発光粒子3)に置き換えた以外は被覆発光粒子1の製造方法と同様にして、被覆発光粒子3(Tb(acac)phen/トリアジン化合物)を得た。
(実施例1)
(1)発光シートの製造
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、被覆発光粒子3を0.4重量部、被覆発光粒子2を0.3重量部加えて発光粒子分散液を調製した。
得られた発光粒子分散液の全量と、アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%、平均重合度が2300のポリビニルブチラール樹脂100重量部とをミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ780μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cmの条件で15分間加圧し、厚さ780μmの発光シートを得た。
(2)合わせガラスの製造
得られた発光シートを縦5cm×横5cmのサイズに切断し、これを合わせガラス用中間膜とした。合わせガラス用中間膜を、縦5cm×横5cmの一対のクリアガラスの間に挟み込み積層した。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、30分保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
(実施例2)
発光粒子分散液の調製において、3GO40重量部に、被覆発光粒子1を0.4重量部、被覆発光粒子2を0.3重量部加えた以外は実施例1と同様にして、発光シート、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(比較例1)
発光粒子分散液の調製において、3GO40重量部に、非被覆発光粒子3を0.4重量部、非被覆発光粒子2を0.3重量部加えた以外は実施例1と同様にして、発光シート、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(比較例2)
発光粒子分散液の調製において、3GO40重量部に、非被覆発光粒子1を0.4重量部、非被覆発光粒子2を0.3重量部加えた以外は実施例1と同様にして、発光シート、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(評価)
暗室下にて、合わせガラスの面に対して垂直方向に10cm離れた位置に配置したHigh Powerキセノン光源(朝日分光社製「REX−250」)から、表1に示した各波長のレーザー光線を合わせガラスの全面に向けて照射し、光線を照射した合わせガラスの面から45度の角度で35cm離れた位置に配置した輝度計(トプコンテクノハウス社製「SR−3AR」)によって、発光波長を測定して発色を評価した。
各々の発光シートに含まれる発光粒子を励起する波長の光を照射したときに、意図した発光波長の発色のみが観測され、意図しない発光波長の発色が観察されなかった場合を「○」、意図した発光波長の発色が観測されたものの、意図しない発光波長の発色も観察された場合を「×」と評価した。
Figure 2015218224
被覆発光粒子を用いた実施例の合わせガラスでは、狙い通りの発色の多色画像を表示することができた。これに対して非被覆発光粒子を用いた比較例の合わせガラスでは、一方の発光粒子を発光させる励起光線を照射したときに該発光粒子を発光させることはできたものの、同時に僅かながら他方の発光粒子も発光してしまい、全体として狙いとは違う濁った発色の表示となってしまった。
本発明によれば、光が照射されることによりコントラストが高く、狙い通りの発色の多色画像を表示することができる発光シート、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、ディスプレイ装置、及び、発光粒子含有組成物を提供することができる。

Claims (12)

  1. バインダー樹脂と発光粒子とを含有する発光シートであって、
    前記発光粒子は、発光波長が異なる少なくとも2種の発光粒子を含有し、かつ、前記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する
    ことを特徴とする発光シート。
  2. 少なくとも2種の発光粒子は、第1の発光粒子及び第2の発光粒子を含み、
    前記第1の発光粒子及び前記第2の発光粒子は光遮蔽層を有し、
    前記第1の発光粒子が有する光遮蔽層は、前記第2の発光粒子を励起する光のうち、前記第1の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽し、
    前記第2の発光粒子が有する光遮蔽層は、前記第1の発光粒子を励起する光のうち、前記第2の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する
    ことを特徴とする請求項1記載の発光シート。
  3. 第1の発光粒子及び第2の発光粒子は光遮蔽層で被覆されていることを特徴とする請求項2記載の発光シート。
  4. 第1の発光粒子を励起する光の波長及び第2の発光粒子を励起する光の波長の少なくとも一部が重複していることを特徴とする請求項2又は3記載の発光シート。
  5. 光遮蔽層は光吸収層であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の発光シート。
  6. バインダー樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の発光シート。
  7. 発光粒子は、青色系発光粒子、緑色系発光粒子及び赤色系発光粒子からなる群より選択される少なくとも2種を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の発光シート。
  8. 光遮蔽層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、及び、有機系紫外線遮蔽剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発光シート。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の発光シートを有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  10. 請求項9記載の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されていることを特徴とする合わせガラス。
  11. 請求項10記載の合わせガラスと、1以上のレーザー光線発生装置とを有し、前記レーザー光線発生装置から前記合わせガラスに向けてレーザー光線を照射することにより画像を表示することを特徴とするディスプレイ装置。
  12. 分散媒と発光粒子とを含有する発光粒子分散液であって、
    前記発光粒子は、発光波長が異なる少なくとも2種の発光粒子を含有し、かつ、前記少なくとも2種の発光粒子は、互いに他の発光粒子を励起する波長の光を遮蔽する光遮蔽層を有する
    ことを特徴とする発光粒子分散液。
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