JP2015217613A - 記録媒体 - Google Patents

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直也 八田
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Abstract

【課題】真珠光沢感、製本時の耐折り割れ性、及び耐ゴースト性を両立した記録媒体を提供すること。【解決手段】基材と、第1の層と、第2の層と、第3の層とをこの順に有する記録媒体。基材のJIS B0601:2013で規定される表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上である。第1の層がバインダーを含有し、第2の層がバインダーおよび真珠光沢顔料を含有し、第3の層が、無機顔料を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体に関する。
近年の商業印刷分野では例えば、好みの写真、又は文字を混在させた写真からなるオンデマンド写真集が有望視されている。このオンデマンド写真集は、フォトブックやフォトアルバムなどの冊子物として製本を行い、ページの両面に画像を配置したものである。この際の製本工程において、片面にのみ画像を印刷した用紙に対してあらかじめ折り目を入れ、折り目を境界として裏面同士を貼り合わせる製本方式が用いられることがある。この製本方式では、折り目を中心として見開きが可能であり、ページをまたぐ大きな写真や画像を配置し、通常の綴じ製本よりも高品位のフォトブックやフォトアルバムを作成することができる。
また、オンデマンド写真集では、特殊な効果を発現する記録媒体として、基材の表面に真珠光沢顔料などを含有し、特殊視覚効果を発生する記録媒体が提案されている。
特許文献1には、樹脂を被覆した基材とインク受容層との間に、真珠光沢顔料と水溶性高分子とを含有する層を設けることが記載されている。
特許文献2には、画像形成層に隣接した基材上のポリオレフィン層に真珠光沢顔料を含有することが記載されている。
特許文献3には、無機微粒子を主体として含有する少なくとも2層のインク受容層において、基材に近い層に真珠光沢顔料を含有することが記載されている。
特開2004−276418号公報 特表2011−511316号公報 特開2011−37162号公報
しかしながら、フォトブック、フォトアルバム等の製本に際し、その折り目部分でインク受容層にひび割れが入り、ひどい場合にはインク受容層の一部が剥がれ落ちたりする場合がある。この場合、ページをまたがる写真や画像が配置された部分で折り目だけが白く線状に欠落することがある。特に、空隙型のインク受容層を有する記録媒体は、インク受容層中のバインダーが非常に少量かつ架橋剤で硬化されているため、インク受容層がもろくて割れやすく、剥がれやすくなっている。従って、このインク受容層の剥がれについて早急な改善が望まれており、フォトブック等の適性として、折り目でインク受容層が剥がれにくいこと(耐折り割れ性)の向上が要望されていた。
また、フォトブック等の作成においては、印刷面同士を重ねあわせて保存すると、白いモヤ状の発色ムラ(以下、この発色ムラを「ゴースト」と称する場合がある)が発生することがある。フォトブック等の適性として、このゴーストの発生を低減する特性である、耐ゴースト性も必要であった。
これに対して、特許文献1、及び特許文献2、及び特許文献3に記載の記録媒体は、いずれも一定程度の真珠光沢感の向上が期待できるものの、耐折り割れ性、及び耐ゴースト性を両立させるものではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、真珠光沢感、製本時の耐折り割れ性、及び耐ゴースト性を両立した記録媒体を提供することを目的とする。
一実施形態は、
基材と、第1の層と、第2の層と、第3の層とをこの順に有する記録媒体であって、
前記基材のJIS B0601:2013で規定される表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上であり、
前記第1の層が、バインダーを含有し、
前記第2の層が、バインダーおよび真珠光沢顔料を含有し、
前記第3の層が、無機顔料を含有することを特徴とする記録媒体に関する。
他の実施形態は、
JIS B0601:2013で規定される表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上である基材の上に、バインダーを含有する第1の塗工液と、 バインダー及び真珠光沢顔料を含有する第2の塗工液と、無機顔料を含有する第3の塗工液をこの順に塗工することで得られることを特徴とする記録媒体に関する。
真珠光沢感、製本時の耐折り割れ性、及び耐ゴースト性を両立した記録媒体を提供することができる。
以下に本発明の記録媒体を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。尚、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるわけではない。
本実施形態の記録媒体は、基材、第1の層、第2の層、および第3の層をこの順に有する。基材は、JIS B0601:2013で規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定したとき、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上となっている。第1の層はバインダーを含有し、第2の層はバインダーおよび真珠光沢顔料を含有し、第3の層は無機顔料を含有する。本実施形態の記録媒体は、上記の基材および各層を有することにより、真珠光沢感、製本時の耐折り割れ性、及び耐ゴースト性を両立させることができる。第1から第3の層は、基材の一方の面上に設けても、基材の両面上に設けても良い。また、上記第1から第3の層は、インク受容層を構成する。
以下では、この理由について詳細に説明する。
本実施形態の記録媒体は、優れた耐ゴースト性を有することができる。すなわち、印刷が施された記録媒体を用いてフォトブック等を作成する場合、記録媒体に設けられた印刷面(インク受容層)同士が重なることとなる。この時、関連する記録媒体では、画像中に白いモヤ(発色ムラ)であるゴーストが発生する。この理由は、以下のように考えられる。画像記録後も、印刷に用いられたインク中に含まれていた水分、水溶性溶媒等は完全には揮発せず、インク受容層中に残存していることが多い。このため、重なったインク受容層の間で水分、水溶性溶媒等の移動が生じ、重なったインク受容層間の移動量の差によって、各インク受容層中には水分、水溶性溶媒等の存在量の差が生じる。この存在量の差がインク受容層のヘイズに差を生じさせ、その結果、画像に白いモヤ(発色ムラ)であるゴーストを発生させるものと考えられる。
これに対して、本実施形態の記録媒体の基材は、JIS B0601:2013で規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定したとき、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上となっている。上記のように基材の表面が適度な凹凸を有することにより、製本時にインク受容層を重ね合わせた時、インク受容層同士の接触面積を低減させることができる。従って、重ね合わさったインク受容層間でインク成分が移動することを抑制して、各インク受容層間でヘイズの差が生じることを抑制できる。この結果、画像に白いモヤ(発色ムラ;ゴースト)が発生することを抑制して、優れた耐ゴースト性を有することができる。
本実施形態の記録媒体では、第1の層を間に介して、基材上に設けた第2の層が真珠光沢顔料を含有する。このように第2の層と基材の間に、バインダーを含有する第1の層を設けることで、上記のように基材の表面に凹凸があったとしても第1の層中のバインダーによってそれを適度に平坦化して、第1の層の表面を適度に滑らかな状態にできる。この結果、基材表面の凹凸により、真珠光沢顔料の配向が乱れて真珠光沢感が減退することを防止できる。すなわち、優れた真珠光沢感(メタリック感)を有する記録媒体とすることができる。
この一方で、関連する技術のように、無機顔料を含有する層中に真珠光沢顔料を含有させると、記録媒体の耐折り割れ性が悪化する。この理由は、一般的に、無機顔料に比べて真珠光沢顔料の粒径の方が大きいため、記録媒体を折り曲げた際に、真珠光沢顔料付近から無機顔料が欠落するためであると考えられる。これに対して、本実施形態の記録媒体では、バインダーを含有する第2の層中に真珠光沢感を含有する。すなわち、第2の層中に、無機顔料を含有しない。従って、上記のように真珠光沢顔料付近から無機顔料が欠落するのを防止でき、優れた耐折り割れ性を有することができる。
なお、上記の「耐折り割れ性」は、特開2008−162239号公報、および特開2008−238488号公報に記載の「折り割れ性」とは、異なる。すなわち、これらの公報では、直径2cmの筒に巻きつけた際の塗膜ひび割れを抑制する記録媒体が開示されている。本明細書の実施例の耐折り割れ性の評価2で後述するように、上記公報に記載の「折り割れ性」は、本実施形態の「耐折り割れ性」とは、異なる。
以上のように本実施形態では、耐折り割れ性、耐ゴースト性、および良好な真珠光沢感を両立させることができる。
なお、第1〜第3の各層は、SEM(scanning electron microscop;走査型電子顕微鏡)等で断面観察することで判別することが可能である。すなわち、これらの各層は構成材料の違いを反映してそれぞれ異なるSEM画像を有するため、各層を判別することが可能である。
以下では、本実施形態の記録媒体を構成する基材、および各層について詳細に説明する。
(基材)
記録媒体に用いる基材は、第1から第3の層を設ける側の表面のJIS B0601:2013で規定される算術平均粗さ(Ra)が1.1μm以上となっている。Raが1.1μm以上であることにより、印刷後にインク受容層同士が重なりあった場合でも、インク受容層同士の接触面積を低減することが可能となる。このため、インク受容層同士の間でのインク中の水分、水溶性溶媒の移動が起こりにくくなり、優れた耐ゴースト性を発現することができる。なお、基材は、少なくとも第1から第3の層を設ける側の表面のRaが1.1μm以上となっていれば良い。基材の一方の面のみに第1から第3の層を設ける場合、基材の他方の面は、Raが1.1μm以上となっていても良いし、1.1μm未満となっていても良い。
また、基材の表面粗さが比較的、大きいため、第1の層用の塗工液を塗工する際に、基材表面の凹凸内にまで塗工液が入り込み、単位面積当たりの、基材と第1の層の実際の接触面積を大きくすることができる。それゆえ、基材と第1の層の接着性がより大きくなり、グリーティングカード等のように折り曲げた場合であっても、第1の層の剥離を効果的に抑制することができる。Raは7.0μm以下が好ましい。Raが7.0μm以下であると、基材の表面粗さが粗くなりすぎないため、優れた写真画質を有することができる。
また、基材の厚みに特に制限はないが、25μm以上500μm以下であることが好ましい。基材の厚みが25μm以上であれば記録媒体の剛性が低くなることを効果的に防ぎ、その記録媒体を手にした時の感触や質感の劣化、および不透明性の低下などの不都合が生じるのを効果的に防ぐことができる。基材の厚みが500μm以下であれば、記録媒体が剛直になって扱いにくくなることを効果的に防ぎ、インクジェットプリンタ等の画像記録装置で給紙走行をスムーズに行うことができる。基材の厚みのより好ましい範囲は、50μm以上300μm以下である。また、基材の坪量は特に制限はないが、25g/m2以上500g/m2以下であることが好ましい。
基材表面の表面粗さRaを1.1μm以上にする方法は特に限定されない。例えば、広い面積の表面を比較的容易に所定のRaとできるため、ナノインプリントやプレス成形が好適である。より具体的には、所望の寸法の凹凸を有するローラや金型が適している。ローラや金型には、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて、高精度で簡便に所望の寸法の凹凸を作製することができる。そして、この凹凸の寸法を制御することにより、基材表面の表面粗さRaを1.1μm以上とすることができる。例えば、基材の表面層として樹脂組成物と塗工後、樹脂組成物を冷却しながら、凹凸を有するローラで型付け処理を行うことにより、基材表面の表面粗さRaを1.1μm以上とすることができる。
また、これらの基材と第1の層との接着強度を向上させるため、基材の表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。基材の材料は特に限定されないが、紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆したものが好ましい。上述した基材の中でも、レジンコート紙を用いることが好ましい。レジンコート紙を用いることで、記録媒体の光沢感等の品位をより向上させることができる。
(第1の層)
第1の層は、バインダーを含有する。基材上に第1の層を設けることで、基材が上記のような表面粗さRaの凹凸を有した場合であっても、これを適度に滑らかな状態にすることができる。この結果、第1の層上に位置する第2の層中の真珠光沢顔料の配向を維持して、高い真珠光沢感の発現が可能となる。第1の層は、真珠光沢顔料を含有しないことが好ましい。
第1の層は好ましくは、バインダーとして親水性バインダーの少なくとも一種を含有するのが良い。親水性バインダー(以下、単に「バインダー」と記載する場合がある)を含有することにより、基材および第2の層との密着性、並びに第1の層の塗膜強度を向上させて、耐折り割れ性を更に向上させることができる。
バインダーとしては例えば、下記のものを挙げることができる。
酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体。
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体。
カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白およびポリビニルアルコール、ならびにその誘導体。
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス。
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス。
前記の各種バインダーのカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス。
カチオン基を用いて前記の各種バインダーをカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて前記の各種バインダーの表面をカチオン化したもの。
カチオン性ポリビニルアルコール下で前記の各種バインダーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの。
カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で前記の各種バインダーの重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの。
メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー。
ポリメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合体および共重合体樹脂。
ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー。
また、バインダーとして合成樹脂バインダーを使用することができ、これらの中でも熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂(例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂)、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、及び酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましい。
これらのバインダーの中でもより好ましいバインダーはポリビニルアルコール、及び合成樹脂バインダーであり、より好ましくはポリビニルアルコール及び熱可塑性樹脂である。上記バインダーは、単独で、または複数種を混合して用いることができる。ポリビニルアルコールは例えば、ポリ酢酸ビニルを加水分解して合成することができる。このポリビニルアルコールは、平均重合度が1500以上のものが好ましく用いられ、平均重合度が2000以上5000以下のものがより好ましい。ここでいう平均重合度とは、JIS K6726(1994)に記載の方法で求めた平均重合度のことをいう。また、ケン化度は80モル%以上100モル%以下のものが好ましく、85モル%以上100モル%以下のものがより好ましい。ここでいうケン化度とは、JIS K6726(1994)の方法で測定した値である。化学的には、ポリ酢酸ビニルをケン化してポリビニルアルコールを得た際の、ケン化反応によって生じた水酸基のモル数の割合である。
第1の層は、ポリビニルアルコールと共に架橋剤を含有するのが好ましい。ポリビニルアルコールを架橋剤で架橋することによって、優れた塗膜強度の第1の層とすることができる。なお、第1の層用の塗工液へのポリビニルアルコールと架橋剤の添加順序については、どちらが先でも良い。
架橋剤の具体的な例としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、およびホウ酸塩を挙げることができる。架橋剤は、これらの少なくとも1種類であることが好ましい。これらの中でも、架橋剤は、架橋速度及び塗工面のひび割れ防止、耐水性の観点から、アルデヒド化合物が好ましい。第2の層中の真珠光沢顔料は例えば、平板状で粒径が1μm以上と非常に大きい。このため、架橋剤とポリビニルアルコールを化学結合によって架橋することにより、記録媒体上に水を滴下した際に、第2の層が剥がれることなく、基材と強固に結着した膜形成が可能となる。第1の層中の架橋剤の量としては、耐水性が良好となるため、第1の層中のバインダー100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、1質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
第1の層中におけるバインダーの含有量としては、第1の層中の全固形分に対して15質量%以上100質量%以下が好ましく、30質量%以上100質量%以下がより好ましい。
また、第1の層内には、その他の添加剤として、pH調製剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料を添加できる。また、これ以外にも、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料等を必要に応じて適宜、第1の層中に加えても良い。
第1の層用の塗工液の塗工方法としては例えば、下記の各種塗工装置を適宜選択して用い、オンマシンあるいはオフマシンで塗工できる。
各種ブレードコーター、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター。
サイズプレス塗工時に、塗工液の粘度調整等を目的として、塗工液を加温しても良く、またコーターヘッドを加温しても良い。
塗工後の塗工液の乾燥には、下記の乾燥機を適宜、選択して用いることができる。
直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等。
第1の層の乾燥膜厚は、基材のRaの1.0倍以上2.5倍以下であることが好ましい。基材のRaの1.0倍以上であると、第2の層中において、より効果的に真珠光沢顔料の配向が揃って、良好な真珠光沢感を実現することができる。また、基材のRaの2.5倍以下であると、より良好な耐ゴースト性を実現できる。
尚、第1の層のJIS B0601:2013で規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定したとき、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.8μm以下であることが好ましい。
(第2の層)
第2の層は、真珠光沢顔料およびバインダーを含有する。第2の層に用いるバインダーとしては、第1の層で使用するバインダーを使用できる。なお、第1の層中のバインダーと、第2の層中のバインダーは同じものであっても異なるものであっても良い。
第2の層は、真珠光沢顔料を含む。真珠光沢顔料としては、魚鱗箔や天然雲母のような天然品と、塩基性炭酸鉛、オキシ塩化ビスマス、天然マイカの表面を金属酸化物で被覆したもの、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆したもの等の合成品を挙げることができる。また、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、二酸化チタン被覆酸化アルミナフレーク等を挙げることができる。これらの中でも、入手しやすさと安全性の面から、天然マイカの表面を金属酸化物で被覆したものや、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆したものを用いるのが好ましい。
また、光沢性や写像性の観点から真珠光沢顔料は平板状であることがより好ましい。なお、ここで、「平板状」とは、真珠光沢顔料のアスペクト比(平均粒子径/平均粒子厚)が5以上であることを意味する。好ましくは、真珠光沢顔料の平均粒子厚は0.2μm以上0.9μm以下、平均粒子径が1μm以上200μm以下、アスペクト比が5以上200以下が良い。このような真珠光沢顔料としては、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、二酸化チタン被覆酸化アルミナフレーク、オキシ塩化ビスマス等があり、二酸化チタン被覆雲母が高い真珠光沢感を発現するのに好ましい。これらの真珠光沢顔料は、市場では、例えば、メルク社よりIriodin100、同103、同120、同153、Xirallic T10−02 Crystal Silver等の名で市販されている。また、日本光研工業株式会社よりPEARL−GLAZEシリーズとしてME−100R、MF−100R、MM−100R等の名で市販されている。また、他のメーカーからも同様の目的で同様の真珠光沢顔料が市販されており、各種グレードのものを容易に入手できる。
第2の層中の真珠光沢顔料の含量は10質量%以上95質量%以下の範囲が好ましく、25質量%以上90質量%以下の範囲であることがより好ましい。含量が10質量%以上であると十分な真珠光沢感を発揮することができ、95質量%以下であると第2の層用の塗工液中の真珠光沢顔料の分散性が良好となり、製造上の安定性が向上する。
第2の層中のバインダーの含量は5質量%以上90質量%以下であることが好ましい。5質量%以上であれば、真珠光沢顔料を含む第2の層の機械的強度を大きくでき、95質量%以下であると優れた真珠光沢感を発現させることができる。
記録媒体の柔軟性が向上して、トラブルなくプリンタでの印字が可能となるため、第2の層の乾燥膜厚は2μm以上20μm以下であることが好ましい。
第2の層中には、第1の層と同様に、種々の添加材を加えることができる。第2の層用の塗工液の塗工方法としては、第1の層用の塗工液の塗工方法と同様のものを挙げることができる。
(第3の層)
第3の層は、無機顔料を含有する。無機顔料としては例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。また、これらの無機顔料の2種以上の混合物を挙げることができる。これらの中でも、高い印字濃度及び鮮明な画像が得られ、かつコスト面で有利であるため、合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が好ましい。より好ましい無機顔料は、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物であり、さらに好ましくは気相法シリカ、アルミナ、またはアルミナ水和物である。アルミナまたはアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非晶質でも良く、不定形や、球状、板状等の形態を有しているものを使用することができる。
アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナ等を挙げることができる。これらの中でも発色性、インク吸収性の観点から、気相法で合成されたγ−アルミナが好ましい。γ−アルミナは、公知の方法で製造されたアルミナ水和物を400℃以上900℃以下の温度で加熱、焼成することによって得られる。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能である。通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で、好ましくは平均二次粒子径が500nm以下、より好ましくは50nm以上300nm以下まで分散したものを使用できる。
アルミナ水和物は下記の構造式で表わされるものを好適に利用できる。
Al23-n(OH)2n・mH2
(上記式中、nは0、1、2および3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。) mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数または整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、キブサイト型、ベーマイト型が知られており、これらのうち、何れの結晶構造のものも使用可能である。アルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得ることができる。アルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以上300nm以下である。
上記アルミナ、及びアルミナ水和物には分散安定剤として酸を用いることができる。酸としては、塗工液を調整する際、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、コハク酸、絡酸、スルホン酸などの有機酸といった、一般的な酸を用いることができる。しかし、この酸の中でもアルキルスルホン酸が好ましく、特にメタンスルホン酸などの炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸が高い発色性を示すために好ましい。
アルキルスルホン酸の合計使用量は、アルミナ水和物100質量部に対して、1.0質量部以上2.0質量部以下が好ましい。1.0質量部以上であると、アルミナ水和物の分散性を良好なものとすることができる。また、2.0質量部以下であると、良好なインク吸収性とすることができる。アルキルスルホン酸の合計使用量は、アルミナ水和物100質量部に対して、1.3質量部以上1.6質量部以下であることが好ましい。アルキルスルホン酸の合計使用量は1.3質量部以上でアルミナ水和物の分散がより良好になり、1.6質量部以下でインク吸収性の低下をより効果的に防ぐことができる。
以下では、非晶質合成シリカについて説明する。非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカと気相法シリカに大別することができ、本実施形態では、気相法シリカを好適に用いることができる。気相法シリカは、フュームドシリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的に説明すると、四塩化珪素を、水素及び酸素と共に燃焼してシリカを製造する方法が一般的に知られている。また、四塩化珪素の代わりに、メチルトリクロロシラン及び/またはトリクロロシランなどのシラン類も、単独で、または、四塩化珪素と混合した状態で用いることができる。
本実施形態で用いる気相法シリカの平均一次粒径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。気相法シリカの平均二次粒子径を500nm以下とするには、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合する。次に、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
気相法シリカの分散安定剤としては、従来から知られている無機及び有機分散安定剤を用いることができる。有機分散安定剤としては各種アニオン、ノニオン、カチオン性分散安定剤を用いることができるが、好ましくはカチオン性分散安定剤、更に好ましくはポリジアリルアミン誘導体を用いることができる。ポリジアリルアミンの誘導体の具体的な例としては、特開昭60−83882号公報に記載のSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報に記載されているアクリルアミドとの共重合体等を挙げることができる。
ポリジアリルアミン誘導体は例えば、第一工業製薬株式会社よりシャロールDC−902P、里田化工株式会社よりジェットフィックス110、株式会社センカよりユニセンスCP−101として市販されており、入手可能である。また、ポリジアリルアミン誘導体のカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、気相法シリカの分散安定化の観点から100,000以下が好ましく、2,000以上50,000以下がより好ましい。
気相法シリカの分散安定剤の使用量は、気相法シリカ100質量部に対して1質量部以上10質量部以下が好ましい。気相法シリカに対して分散安定剤の添加量が上記範囲内であることにより、第3の層のインク吸収性を良好なものにすることができる。また、第3の層用の塗工液中での気相法シリカの分散安定性を向上させて、乾燥後の第3の層の被膜透明性を向上させることができる。分散安定剤は、より良い分散安定性を得るために気相法シリカ100質量部に対して2質量部以上が好ましく、より良いインク吸収性を得るために7質量部以下が好ましい。
気相法シリカを含有する塗工液の製造過程における上記分散安定剤の添加方法は、気相法シリカよりも先に添加し分散安定剤の存在下で気相法シリカの分散を行っても良いし、気相法シリカの分散後に分散安定剤を添加しても良い。但し、ポリビニルアルコール等の親水性接着剤の添加前に気相法シリカの分散液中に添加することが重要である。これによって、気相法シリカの分散安定性が向上する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、第3の層中の「無機顔料」には、真珠光沢顔料は含まれない。
第3の層中に含まれる無機顔料の含量は、第3の層の固形分全体の70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。無機顔料の含量がこれらの範囲内であれば、十分なインク吸収容量を保持すると共に高い発色性を保つことができる。
第3の層中に使用するバインダーとしては、上記アルミナ水和物等の無機顔料を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。より具体的には、バインダーとしては、第2の層で用いるものを使用できるが、好ましくはポリビニルアルコールを用いるのが良い。第3の層中に含まれるバインダーの含量は層内の無機顔料100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。5質量部以上であることにより十分な塗膜を形成することが可能となり、40質量部以下であることにより十分なインク吸収性を得ることができる。
また、第3の層中には、必要に応じてバインダーの架橋成分を用いることができる。バインダーの架橋成分しては、ホウ酸やホウ酸塩を好ましく用いることができる。ホウ酸およびホウ酸塩の少なくとも一方を添加することにより、第3の層内でのクラックの発生を優れて防止することができる。この際、用いることができるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸やジホウ酸等を挙げることができる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。具体例としては、下記のホウ酸のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
ホウ酸のナトリウム塩(Na247・10H2O、NaBO2・4H2O等)、ホウ酸のカリウム塩(K247・5H2O、KBO2等)等のアルカリ金属塩。
ホウ酸のアンモニウム塩(NH449・3H2O、NH4BO2等)、ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩。
これらのホウ酸およびホウ酸塩の中でも、塗工液の経時安定性と、ひび割れ発生の抑制効果の点からオルトホウ酸を用いることが好ましい。
また、第3の層中のホウ酸およびホウ酸塩の使用量は、第3の層中のバインダー量100質量部に対して、ホウ酸およびホウ酸塩の固形分が5質量部以上50質量部以下となる量であることが好ましい。5質量部以上であれば架橋剤としての効果を優れて得ることができ、50質量部以下であれば塗工液の経時安定性が低下することを効果的に防ぐことができる。
また、第3の層の乾燥膜厚は、20μm以上50μm以下であることが好ましい。20μm以上であれば、インクジェットプリンタで印字した際にインクがあふれることなく吸収することができる。また、50μm以下であると、耐折り割れ性を向上させることができる。第3の層には、第2の層に添加する添加剤を使用することができる。第3の層の乾燥膜厚は、第1および第2の層の乾燥膜厚の合計膜厚の6.0倍以下であることが好ましい。6.0倍以下であることにより、優れた耐折り割れ性を発現することができる。
尚、第3の層のJIS B0601:2013で規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定したとき、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.2μm以上であることが好ましい。
また、第3の層を形成するための塗工方法は、第1および第2の層と同様の方法を用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、実施例中「部」や、「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<基材1の作製>
下記条件にて基材を作製した。まず下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
(紙料組成)
・パルプ 100質量部
(濾水度450ml CSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、および濾水度480ml CSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部)
・カチオン化澱粉 0.60質量部
・重質炭酸カルシウム 10質量部
・軽質炭酸カルシウム 15質量部
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.03質量部
次に、この紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。この後、サイズプレス装置で、塗工量が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、乾燥させた。この後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基紙Aを得た。その基紙A上に、低密度ポリエチレン(70質量部)と、高密度ポリエチレン(20質量部)と、酸化チタン(10質量部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布した。
この後、表面に不規則の形状の凹凸を有するクーリングロールを使用して冷却しながら、ポリエチレンの表面に型付け処理を行った。型付けの違いは凹凸の幅及び凹凸の高さを調整することで、JIS B0601:2013に規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定したとき、算術平均粗さ(Ra)を1.6μmとした。さらに、その基紙Aの裏面に、高密度ポリエチレン(50質量部)と、低密度ポリエチレン(50質量部)からなる樹脂組成物を、25g/m2塗布することにより、樹脂を被覆した基材1を得た。
<基材2の作製>
基材1のRaを1.1μmとした以外は基材1と同様に、基材2を作製した。
<基材3の作製>
基材1のRaを2.5μmとした以外は基材1と同様に、基材3を作製した。
<基材4の作製>
基材1のRaを0.2μmとした以外は基材1と同様に、基材4を作製した。
<基材5の作製>
基材1のRaを0.9μmとした以外は基材1と同様に、基材5を作製した。
<第1の層用の塗工液1の作製>
ポリビニルアルコールPVA235(商品名、クラレ株式会社製、平均重合度:3500、ケン化度:88モル%)(バインダー)の固形分8質量%水溶液の固形分換算で、100質量部に対し10質量%グリオキザール(GX)水溶液を固形分換算で5質量部、加えて混合した。また、界面活性剤サーフィノール465(商品名、日信化学工業株式会社製)を、塗工液全量100質量部に対して0.1質量部となるように混合して、第1の層用の塗工液1を作製した。
<第1の層用の塗工液2〜3の作製>
表1のように、第1の層用の塗工液1の架橋剤比を変更した以外は第1の層用の塗工液1と同様に、第1の層用の塗工液2〜3を作製した。
<第1の層用の塗工液4の作製>
表1のように、第1の層用の塗工液1の架橋剤の種類を変更した以外は第1の層用の塗工液1と同様に、第1の層用の塗工液4を作製した。
<第2の層用の塗工液1の作製>
固形分が25wt%となるように、真珠光沢顔料として二酸化チタン被覆マイカ Iriodin100(商品名、メルク社製、粒度:10μm以上60μm以下、二酸化チタン被覆率29%)100質量部を純水中に分散させた。さらに、バインダーとして、ポリビニルアルコール PVA235(商品名、クラレ株式会社製、平均重合度:3500、ケン化度:88モル%)の固形分8質量%水溶液を、固形分換算で真珠光沢顔料100質量部に対して100質量部加えて混合した。次いで、10質量%グリオキザール(GX)水溶液を固形分換算で5量部、加えて混合した。また、界面活性剤 サーフィノール465(商品名、日信化学工業株式会社製)を、塗工液全量100質量部に対して0.1質量部となるように混合して、第2の層用の塗工液1を作製した。
<第2の層用の塗工液2〜3の作製>
表1のように、第2の層用の塗工液1のバインダー、グリオキザールの量を変量した以外は、第2の層用の塗工液1と同様にして第2の層用の塗工液2〜3を作製した。
<第2の層用の塗工液4の作製>
固形分が25wt%となるように、真珠光沢顔料として、二酸化チタン被覆マイカ Iriodin 100の100質量部を純水に分散させた。更に、バインダーとして、固形分22.5質量%ウレタンラテックス水分散液AP40F(商品名、DIC社製、ガラス転移温度(Tg):49℃)を、固形分換算で真珠光沢顔料100質量部に対して100質量部、加えて混合した。界面活性剤サーフィノール465を、塗工液全量に対して0.1質量%となるように混合して第2の層用の塗工液4を作製した。
<第2の層用の塗工液5の作製>
表1のように、上記第2の層用の塗工液1の架橋剤を変更した以外は、第2の層用の塗工液1と同様に、第2の層用の塗工液5を作製した。
<第2の層用の塗工液6の作製>
表1のように、第2の層用の塗工液1の真珠光沢顔料を、二酸化チタン被覆マイカ Iriodin153(商品名、メルク社製、粒度:20μm以上100μm以下、二酸化チタン被覆率16%)とした。これ以外は、第2の層用の塗工液1と同様に、第2の層用の塗工液6を作製した。
<第2の層用の塗工液7の作製>
表1のように、上記第2の層用の塗工液1の真珠光沢顔料を、二酸化チタン被覆マイカ Iriodin120(商品名、メルク社製、粒度:5μm以上25μm以下、二酸化チタン被覆率38%)とした。これ以外は、第2の層用の塗工液1と同様に、第2の層用の塗工液7を作製した。
<アルミナ水和物分散液1の作製>
純水中に、総固形分濃度23%となるように、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミキサーMARKII2.5型、特殊機化工業株式会社製)でメタンスルホン酸(MSA)1.5質量部を加え、3000rpmで攪拌した。攪拌を続けながら、アルミナ水和物(無機顔料)として、Disperal HP14(商品名、サソール社製、BET比表面積:157g/m2)100質量部を少しずつ加え、アルミナ水和物分散液1を得た。アルミナ水和物分散液1の固形分濃度の測定には、アルミナ水和物分散液1を5g秤取り、赤外線水分計FD−620(商品名、株式会社ケツト科学研究所製)を用いた。そして、120℃で加熱し続け、2分間の質量の変動幅が0.1%未満となったときの値とした。
<気相法シリカ分散液1の作製>
純水中に総固形分濃度20%となるように、吸引型分散撹拌機Conti−TDSに分散剤としてジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(DADMAC)である、シャロールDC−902P(商品名、第一工業製薬株式会社製)を5.0質量部、加えた。更に、最大回転数で気相法シリカ(無機顔料)としてAEROSIL 300(商品名、日本アエロジル株式会社製、BET比表面積300g/m2)100質量を少量ずつ加え、24時間分散を行い固形分濃度20%の気相法シリカ分散液1を得た。気相法シリカ分散液1の固形分濃度は、アルミナ水和物分散液1と同様にして測定した。
<第3の層用の塗工液1の作製>
上記アルミナ水和物分散液1に、バインダーとしてポリビニルアルコールPVA235の固形分8質量%水溶液を、アルミナ水和物100質量部に対して10質量部となるよう加えて混合した。次いで、3.0質量%ホウ酸水溶液をホウ酸固形分換算で1.0質量部となるように添加、混合し、第3の層用の塗工液1を調製した。
<第3の層用の塗工液2の作製>
上記気相法シリカ分散液1にバインダーとして、ポリビニルアルコールPVA235の固形分8質量%水溶液を気相法シリカ100質量部に対して22質量部となるよう加えて混合した。次いで、3.0質量%ホウ酸水溶液をホウ酸固形分換算で4.0質量部となるように添加、混合して第3の層用の塗工液2を調製した。
(実施例1)
上記基材1上に、表1に記載の乾燥膜厚となるように、第1の層用の塗工液1を、メイヤーバーを用いて塗工し、100℃で乾燥して、第1の層を作製した。次いで、第1の層上に、表2に記載の乾燥膜厚となるように、第2の層用の塗工液1を塗工し、第2の層を作製した。次いで、前記第2の層上に、表3に記載の乾燥膜厚となるように、40℃に加温した第3の層用の塗工液1を、スライドダイを用いて塗布し、100℃で乾燥して、記録媒体1を作製した。乾燥膜厚は、記録媒体の四隅の断面を日立電界放出形走査電子顕微鏡 S−4300(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定し、その平均値とした。
(実施例2〜17、及び比較例1〜4)
実施例1と同様に、表1〜3に記載のように、所定の乾燥膜厚となるよう、基材上に各層用の塗工液を塗工・乾燥し、記録媒体2〜記録媒体21を作製した。また、実施例1と同様にして、乾燥膜厚を測定した。なお、実施例9では、固形分22.5質量%ウレタンラテックス水分散液AP40Fをそのまま、第1の層用の塗工液として用いた。実施例9では、AP40F中のウレタン樹脂がバインダーに相当する。
(記録媒体の評価)
<評価1 真珠光沢感>
塗工乾燥後の第3の層表面の真珠光沢感を目視で確認した。
・評価基準
ランク3 強い真珠光沢感が見られる
ランク2 光源下では真珠光沢感がみられる
ランク1 真珠光沢顔料を添加していない記録媒体と光沢感の差異なし
<評価2 耐折り割れ性>
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンタ(商品名:iP4600、キヤノン製)を用いて、記録面の全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を、印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更にプレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折目をつけた。折目がついた記録媒体を20回、開閉した後、折目部分を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
・評価基準
ランク3 白い筋がほとんど見えない
ランク2 白い筋が見えるが実用上問題ない
ランク1 白い筋がはっきり見える
<評価3 耐ゴースト性>
作成した上記の記録媒体に、インクジェットプリンタiP4600(商品名、キヤノン株式会社製)を用いて、下記画像を記録した。
画像1:15cm×15cmの領域を、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(0,0,0)で塗りつぶした画像。
画像2:5cm×5cmの領域を、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(255,255,0)で塗りつぶした画像。
印刷後、30分間、23℃、60%RHの環境下で乾燥し、その後、それぞれの印刷面を画像1と画像2が重なるように重ね合わせて24時間、保管した。24時間の保管後、画像1の画像2と重なった部分と、重なってない部分のLabの測定値(グレタマクベス社製、RD−918)から次式を用いてΔEを計算し、下記の評価基準に基づきランクを決定した。
ΔE={(画像2と重なっていなかった部分のL*値−画像2と重なっていた部分のL*値)2+(画像2と重なっていなかった部分のa*値−画像2と重なっていた部分のa*値)2+(画像2と重なっていなかった部分のb*値−画像2と重なっていた部分のb*値)21/2
・評価基準
ランク3:ΔEが0.3未満
ランク2:ΔEが0.3以上0.7未満
ランク1:ΔEが0.7以上
Figure 2015217613
Figure 2015217613
Figure 2015217613
表1中の「架橋剤の重量比」欄の数値は、第1の層中のバインダーの固形分100質量部に対する架橋剤の固形分換算の重量比を表す。
表2中の「バインダーの重量比」および「架橋剤の重量比」欄の数値はそれぞれ、第2の層中の真珠光沢顔料の固形分100質量部に対するバインダーおよび架橋剤の固形分換算の重量比を表す。
表3中の、「解膠酸/分散剤の重量比」、「バインダーの重量比」および「架橋剤の重量比」欄の数値はそれぞれ、第3の層中の無機顔料の固形分100質量部に対する解膠酸/分散剤、バインダーおよび架橋剤の固形分換算の重量比を表す。
上記表中に記載の各記号は、下記の意味を有する。
PVA:ポリビニルアルコール
GX:グリオキザール
B:ホウ酸
HP14:Disperal HP14
A300:気相法シリカ AEROSIL 300
AP40F:固形分22.5質量%ウレタンラテックス水分散液 AP40F
DADMAC:ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー
Figure 2015217613

Claims (5)

  1. 基材と、第1の層と、第2の層と、第3の層とをこの順に有する記録媒体であって、
    前記基材のJIS B0601:2013で規定される表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上であり、
    前記第1の層が、バインダーを含有し、
    前記第2の層が、バインダーおよび真珠光沢顔料を含有し、
    前記第3の層が、無機顔料を含有することを特徴とする記録媒体。
  2. 前記第1の層の膜厚が、前記基材のRaの1.0倍以上2.5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記第3の層の膜厚が、前記第1および第2の層の膜厚の合計の6.0倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 前記基材の表面の中心線平均粗さ(Ra)は7.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. JIS B0601:2013で規定される表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.1μm以上である基材の上に、バインダーを含有する第1の塗工液と、 バインダー及び真珠光沢顔料を含有する第2の塗工液と、無機顔料を含有する第3の塗工液をこの順に塗工することで得られることを特徴とする記録媒体。
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