JP2015217603A - ブレイク方法並びにブレイク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板コーナー部の単位製品のピックアップ時に、端材とこじれることなく取り出し可能なブレイク方法とブレイク装置を提供する。【解決手段】コンベア3の搬送路4に第一平坦部4a、傾斜部4b、第二平坦部4cを設け、搬送路4に沿って基板Mを搬送し、第一平坦部4aから傾斜部4b、又は傾斜部4bから第二平坦部4cに、基板Mが移行する際の基板Mの屈曲によってX方向のスクライブラインS1をブレイクする第一ブレイク工程と、Y方向のスクライブラインS2近傍に沿ってローラ7を押圧転動させて、Y方向のスクライブラインをブレイクする第二ブレイク工程と、X方向のスクライブラインS1の両端端材領域部分P1を押圧部材11によってブレイクする第三ブレイク工程と、ブレイクされた単位製品M1’を吸着ユニットDでピックアップするピックアップ工程とからなる構成とする。【選択図】図2
Description
本発明は、ガラス等の脆性材料基板をスクライブラインに沿ってブレイクするためのブレイク方法並びにブレイク装置に関する。特に本発明は、薄板のガラス基板(マザー基板)を、その表面に形成されたスクライブラインに沿ってブレイクして単位製品を切り出すのに適したブレイク方法並びにブレイク装置に関する。
通常、マザー基板(以下、単に「基板」という)から単位製品を切り出すのには、図6に示すように、まず基板Mの表面に互いに直交するX方向のスクライブラインS1並びにY方向のスクライブラインS2を加工し、次の工程でこれらのスクライブラインS1、S2に沿ってブレイクすることによって単位製品を切り出している。この場合、切り出された単位製品の端面精度を高めるために、基板Mの四辺近傍には端材領域T1、T2が形成されており、この端材領域T1、T2は、ブレイク時に切り離されて破棄される。
基板をスクライブラインに沿ってブレイクする方法の一つとして、例えば図9に示すようなブレイクバー21を用いるものがある。これによれば、クッションシート22上に載置した基板23に対し、スクライブライン24を設けた面とは反対側の面からブレイクバー21を押しつけて基板23を撓ませ、スクライブライン24の亀裂を厚み方向に浸透させてブレイクする。しかしこの方法では、一本のスクライブライン24をブレイクすることができる長尺のブレイクバーを大きな荷重で基板23に押しつけて一挙にブレイクするため、基板にかかる負荷が大きくなり、分断面が破壊されやすく端面強度が劣化しやすいといった課題がある。
また、上記のような負荷の大きい長尺のブレイクバーを用いず、小さな荷重でのブレイクが可能な方法として、特許文献1で示すような手法がある。
この方法は、基板上面に形成したスクライブラインの脇をローラで押しつけながら転動させることにより、スクライブラインの亀裂を厚み全部に浸透させて基板をスクライブラインに沿ってブレイクするようにしたものである。この方法では、スクライブラインより離れた箇所でスクライブラインを折り曲げるように撓ませるので、ブレイクの際の荷重は押圧刃の場合よりも小さくて済み、破壊などの発生を抑制してきれいな分断面を得ることができる。特に、厚みが0.2〜0.5mmといった薄板ガラス基板のブレイクにおいて有効である。
この方法は、基板上面に形成したスクライブラインの脇をローラで押しつけながら転動させることにより、スクライブラインの亀裂を厚み全部に浸透させて基板をスクライブラインに沿ってブレイクするようにしたものである。この方法では、スクライブラインより離れた箇所でスクライブラインを折り曲げるように撓ませるので、ブレイクの際の荷重は押圧刃の場合よりも小さくて済み、破壊などの発生を抑制してきれいな分断面を得ることができる。特に、厚みが0.2〜0.5mmといった薄板ガラス基板のブレイクにおいて有効である。
ところが、このローラによるブレイク方法では、スクライブラインの端部がブレイクしにくいといった問題点がある。その要因として、カッターホイールでスクライブラインを加工する際の手法にあるものと考えられる。
基板をカッターホイールでスクライブする方法には、「外切り」と「内切り」とがあり、基板の種類や厚み、用途によって、選択的に使い分けられている(特許文献2参照)。
前者の「外切り」は、図10(a)に示すように、カッターホイール25の最下端を基板23の表面(上面)よりわずかに下方まで降下させた状態で、基板23の片側端部の外側位置(スクライブ開始位置)にセットする。そしてセットした位置から水平移動させ、基板23端部に衝突させてイニシャルクラックを形成し、さらに所定のスクライブ圧で押圧しながら、カッターホイール25を水平移動させるようにしてスクライブを行う方法である。
この外切りの手法では、基板23端部でのカッターホイール25の刃先のかかり(食い込み)がよく、イニシャルクラックを容易に形成することができるとともに、加工されたスクライブラインは基板23の端部まで達しているため、次工程でのブレイクを容易かつ正確に行うことができる。
しかし、厚みが0.2〜0.5mmといった薄いガラス基板では、カッターホイールの基板端部での衝突時の衝撃によって基板端部にカケが生じたり、基板端部から破断して不規則な亀裂が先走りすることがあるため、薄板のブレイクには不向きである。
前者の「外切り」は、図10(a)に示すように、カッターホイール25の最下端を基板23の表面(上面)よりわずかに下方まで降下させた状態で、基板23の片側端部の外側位置(スクライブ開始位置)にセットする。そしてセットした位置から水平移動させ、基板23端部に衝突させてイニシャルクラックを形成し、さらに所定のスクライブ圧で押圧しながら、カッターホイール25を水平移動させるようにしてスクライブを行う方法である。
この外切りの手法では、基板23端部でのカッターホイール25の刃先のかかり(食い込み)がよく、イニシャルクラックを容易に形成することができるとともに、加工されたスクライブラインは基板23の端部まで達しているため、次工程でのブレイクを容易かつ正確に行うことができる。
しかし、厚みが0.2〜0.5mmといった薄いガラス基板では、カッターホイールの基板端部での衝突時の衝撃によって基板端部にカケが生じたり、基板端部から破断して不規則な亀裂が先走りすることがあるため、薄板のブレイクには不向きである。
後者の「内切り」は、図10(b)示すように、基板23の端縁から2〜10mm程度内側(スクライブ開始位置)でカッターホイール25を上方から下降させて基板23に所定のスクライブ圧で当接させ、押圧しながらカッターホイール25を水平移動させるようにしてスクライブを行う方法である。
この内切りの手法では、カッターホイール25が基板23端部と衝突するようなことがないため、基板端部にカケを生じるおそれがなく、薄板のブレイクには好適である。しかし、「内切り」であるが故に、スクライブされない部分がスクライブラインの端部付近に残り、このため、スクライブラインの端部付近がブレイクされにくいといった問題が生じる。
この内切りの手法では、カッターホイール25が基板23端部と衝突するようなことがないため、基板端部にカケを生じるおそれがなく、薄板のブレイクには好適である。しかし、「内切り」であるが故に、スクライブされない部分がスクライブラインの端部付近に残り、このため、スクライブラインの端部付近がブレイクされにくいといった問題が生じる。
このように、スクライブライン端部のブレイクが不完全である場合、図11で示すように、基板Mのコーナー部分の単位製品M1’に隣接するX方向の端材領域T1及びY方向の端材T2は、P1部並びにP2部においてブレイクが不十分であることから、L字形に接続された状態で残ることになる。このため、単位製品M1’を吸着ユニットでピックアップしたときに、L字形の端材と単位製品M1’との間で端面同士がこじれて単位製品M1’の端面に傷がつき、端面強度が劣化するなどの弊害が発生する。
そこで本発明は上記課題に鑑み、基板のコーナー部分の単位製品をピックアップしたときに、端材との間でこじれ等の不具合が生じることなく取り出すことができ、しかも、従来のような負荷の大きい長尺のブレイクバーを使用することなく、低荷重でのブレイクが可能なブレイク方法並びにブレイク装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明のブレイク方法は、四方の周辺に端材領域を残した状態で、表面に互いに直交するスクライブラインを形成することにより複数の単位製品領域が区分けされた基板を、前記スクライブラインに沿ってブレイクすることにより単位製品と端材とを切り出すブレイク方法であって、前記基板を搬送するコンベアの搬送路において、上流から順に第一平坦部と、当該第一平坦部に連なる傾斜部と、当該傾斜部に連なる第二平坦部とを設けて、当該搬送路に沿って基板を上流から下流に搬送し、前記第一平坦部から前記傾斜部に、若しくは当該傾斜部から前記第二平坦部に、基板が移行するときの基板の屈曲によって基板送り方向と直交するX方向のスクライブラインをブレイクする第一ブレイク工程と、基板送り方向に延びるY方向のスクライブラインの近傍に沿ってローラを押しつけて転動させることにより、前記Y方向のスクライブラインをブレイクする第二ブレイク工程と、少なくとも基板送り方向先端側並びに後端側に位置するX方向のスクライブラインの両端部分を、押圧部材の押しつけによってブレイクする第三ブレイク工程と、前記第一乃至第三ブレイク工程によって切り出された単位製品をピックアップして次のステージに搬送するピックアップ工程とからなるブレイク方法をその特徴とする。
また、本発明は、四方の周辺に端材領域を残した状態で、表面に互いに直交するスクライブラインを形成することにより複数の単位製品領域が区分けされた基板を、前記スクライブラインに沿ってブレイクすることにより単位製品と端材とを切り出すブレイク装置であって、前記基板を載置して搬送する搬送路を備えたコンベアと、前記搬送路上で、上流側に設けられた第一平坦部と、この第一平坦部に連なって形成された傾斜部と、この傾斜部に連なって前記第一平坦部に対し段差状に形成された第二平坦部とから構成された第一ブレイク機構と、前記第一ブレイク機構の下流側で、基板送り方向に延びるY方向のスクライブラインの近傍に沿って前記基板を押圧転動して、前記Y方向のスクライブラインをブレイクするローラを備えた第二ブレイク機構と、少なくとも基板送り方向先端側並びに後端側に位置する基板送り方向と直交するX方向のスクライブラインの両端部分をブレイクする押圧部材を備えた第三ブレイク機構と、前記第一乃至第三ブレイク機構によって切り出された単位製品をピックアップして取り出す吸着ユニットとからなる基板のブレイク装置をも特徴とする。
前記吸着ユニットは、端材が単位製品に付着してピックアップされたときに、端材を単位製品から切り離す昇降可能なプッシャを備えている構成とするのがよい。
本発明によれば、吸着ユニットで基板のコーナー部分の単位製品をピックアップする際、この単位製品に隣接するL字形の端材は、第三ブレイク工程によりX方向の端材とY方向の端材とに完全に分断されているので、L字形で繋がった端材の場合に比べて、端材と単位製品との間で端面同士がこじれて傷がつくことを抑制することができる。
また、コンベアによる基板搬送途上でX方向並びにY方向のスクライブラインがブレイクされるものであるから、作業時間を短縮することができて生産性を向上させることができる。さらに、従来のように負荷の大きな長尺のブレイクバーを使用しないため、分断面の傷を軽減でき、端面強度を高めることができるといった効果がある。
また、コンベアによる基板搬送途上でX方向並びにY方向のスクライブラインがブレイクされるものであるから、作業時間を短縮することができて生産性を向上させることができる。さらに、従来のように負荷の大きな長尺のブレイクバーを使用しないため、分断面の傷を軽減でき、端面強度を高めることができるといった効果がある。
以下において、本発明のブレイク方法並びにブレイク装置の詳細を、図1〜6を参照にして説明する。図6は本発明でブレイクされる基板の平面図である。この基板Mは、その表面に互いに直交するX方向のスクライブラインS1並びにY方向のスクライブラインS2が「内切り」の手法で予め形成されており、これにより、基板Mの四方の周辺にX方向の端材領域T1並びにY方向の端材領域T2を残した状態で、スクライブラインS1、S2によって区分けされた六つの単位製品領域M1が形成されている。なお、この基板Mは、厚みが0.2〜0.5mmと薄く、載置されるベルトコンベアなどの接地面の形状に沿って自重により屈曲変形する物性を備えている。
本発明のブレイク装置は、複数の輪体1…によって無端状に張設されたベルト2を有するコンベア3を備えている。ベルト2の上面は、基板Mを載置して図1並びに図2のY方向に搬送する搬送路4を形成する。コンベア3は、原動機(図示略)によって駆動される。
搬送路4は、上流から水平な第一平坦部4aと、この第一平坦部4aに連なって上方に傾斜する傾斜部4bと、この傾斜部4bの傾斜上位側に連なって形成された水平な第二平坦部4cとを備え、これらは、基板送り方向に直交するX方向のスクライブラインS1をブレイクする第一ブレイク機構Aを構成している。
傾斜部4bは、その傾斜下位側の上面両脇部分に接触するローラ5と、傾斜上位側の下面に接触するローラ6とによってその傾斜姿勢が保持されている。
なお、第一平坦部4aと第二平坦部4cとの高低差(段差)は3〜10mmとするのがよく、傾斜部4bの勾配は1〜3°が好ましい。また、この高低差並びに勾配は、ブレイクされる基板Mの厚みや材料によって適切な値が選択される。
傾斜部4bは、その傾斜下位側の上面両脇部分に接触するローラ5と、傾斜上位側の下面に接触するローラ6とによってその傾斜姿勢が保持されている。
なお、第一平坦部4aと第二平坦部4cとの高低差(段差)は3〜10mmとするのがよく、傾斜部4bの勾配は1〜3°が好ましい。また、この高低差並びに勾配は、ブレイクされる基板Mの厚みや材料によって適切な値が選択される。
第一ブレイク機構Aの下流側でコンベア3の上方位置に、基板送り方向に延びるY方向のスクライブラインS2をブレイクする第二ブレイク機構Bが配置されている。
この第二ブレイク機構Bは、Y方向の各スクライブラインS2の近傍に沿って押圧転動するローラ7を備え、各ローラ7はホルダ8を介してヘッド9に昇降可能に保持されている。また、ヘッド9はコンベア3を跨がるように配置されたビーム10に、X方向(図2の前後方向)に移動調整可能に取りつけられている。なお、ローラ7とY方向のスクライブラインS2との間隔は0.5〜2mm、好ましくは1mm程度とするのがよい。
この第二ブレイク機構Bは、Y方向の各スクライブラインS2の近傍に沿って押圧転動するローラ7を備え、各ローラ7はホルダ8を介してヘッド9に昇降可能に保持されている。また、ヘッド9はコンベア3を跨がるように配置されたビーム10に、X方向(図2の前後方向)に移動調整可能に取りつけられている。なお、ローラ7とY方向のスクライブラインS2との間隔は0.5〜2mm、好ましくは1mm程度とするのがよい。
さらに、第二ブレイク機構Bの下流側でコンベア3の上方位置に、基板のX方向のスクライブラインS1のうち、基板送り方向先端側並びに後端側のスクライブラインの端材領域部分P1を再度ブレイクする第三ブレイク機構Cが設けられている。
この第三ブレイク機構Cは、上記P1部分のみをブレイクする左右一対の押圧部材11を備えている。押圧部材11はヘッド12に昇降可能に保持され、ヘッド12はコンベア3を跨がるように配置されたビーム13に、X方向に移動調整可能に取りつけられている。
この第三ブレイク機構Cは、上記P1部分のみをブレイクする左右一対の押圧部材11を備えている。押圧部材11はヘッド12に昇降可能に保持され、ヘッド12はコンベア3を跨がるように配置されたビーム13に、X方向に移動調整可能に取りつけられている。
また、第三ブレイク機構Cの下流側でコンベア3の上方位置に、ブレイクされた単位製品M1’をピックアップして取り出す吸着ユニットDが設けられている。
この吸着ユニットDは、ブレイクされた単位製品M1’を吸着して持ち上げる吸着部材14を備え、吸着部材14はホルダ15に昇降可能に保持されている。また、ホルダ15は、X方向に延びる横梁16にX方向に移動可能に保持され、横梁16は、吸着部材14と共に左右の水平なレール17に沿って次のステージ19まで移動できるように形成されている。
また、吸着ユニットDは、端材が単位製品M1’に付着してピックアップされたときに、端材T1、T2を単位製品M1’から切り離す昇降可能なプッシャ18を備えている。
この吸着ユニットDは、ブレイクされた単位製品M1’を吸着して持ち上げる吸着部材14を備え、吸着部材14はホルダ15に昇降可能に保持されている。また、ホルダ15は、X方向に延びる横梁16にX方向に移動可能に保持され、横梁16は、吸着部材14と共に左右の水平なレール17に沿って次のステージ19まで移動できるように形成されている。
また、吸着ユニットDは、端材が単位製品M1’に付着してピックアップされたときに、端材T1、T2を単位製品M1’から切り離す昇降可能なプッシャ18を備えている。
次に、上記のブレイク装置を用いたブレイク方法について説明する。
図1並びに図2に示すように、基板Mを搬送路4の上流、すなわち、第一平坦部4a上に載置してコンベア3を駆動し、下流(Y方向)に向かって搬送する。基板Mが第一ブレイク機構Aの傾斜部4bに移行すると、基板は傾斜部4bで屈曲する。そして、基板MのX方向のスクライブラインS1が、図3(a)に示すように傾斜部4bと第二平坦部4cとの境界部分にくると、屈曲外面側にあるスクライブラインS1の亀裂が厚み方向に浸透し、スクライブラインS1に沿って基板Mがブレイクされる。しかし、スクライブラインS1の両端の端材領域部分P1は、上記した「内切り」による加工手段のため、完全に分断されない状態で残される。このようにして全てのX方向のスクライブラインS1が順次ブレイクされる(第一ブレイク工程)。
上記した基板Mが傾斜部4bから第二平坦部4cに移行する際には、傾斜部4bと第二平坦部4cとの境界部分で基板Mが自重により自然に屈曲することが可能であるが、図3に示すように、第二平坦部4cの上方にガイド部材20を設けて基板Mの先導側端部を強制的に水平姿勢にガイドするようにしてもよい。
図1並びに図2に示すように、基板Mを搬送路4の上流、すなわち、第一平坦部4a上に載置してコンベア3を駆動し、下流(Y方向)に向かって搬送する。基板Mが第一ブレイク機構Aの傾斜部4bに移行すると、基板は傾斜部4bで屈曲する。そして、基板MのX方向のスクライブラインS1が、図3(a)に示すように傾斜部4bと第二平坦部4cとの境界部分にくると、屈曲外面側にあるスクライブラインS1の亀裂が厚み方向に浸透し、スクライブラインS1に沿って基板Mがブレイクされる。しかし、スクライブラインS1の両端の端材領域部分P1は、上記した「内切り」による加工手段のため、完全に分断されない状態で残される。このようにして全てのX方向のスクライブラインS1が順次ブレイクされる(第一ブレイク工程)。
上記した基板Mが傾斜部4bから第二平坦部4cに移行する際には、傾斜部4bと第二平坦部4cとの境界部分で基板Mが自重により自然に屈曲することが可能であるが、図3に示すように、第二平坦部4cの上方にガイド部材20を設けて基板Mの先導側端部を強制的に水平姿勢にガイドするようにしてもよい。
続いて、図3(c)に示すように、基板Mは第二ブレイク機構Bに搬送され、ローラ7がY方向のスクライブラインS2の近傍に押しつけられる。この状態で基板MがY方向(図中右方向)へ進行することにより、Y方向のスクライブラインS2の近傍に沿ってローラ7が転動する。この転動によって、ローラ7を押しつけた部分がベルト2とともにスクライブラインS2を折り曲げるように下方に撓み、これによりスクライブラインS2の亀裂が厚み方向に浸透してY方向のスクライブラインS2をブレイクすることができる(第二ブレイク工程)。
しかしこの場合も、Y方向スクライブラインS2の両端の端材領域部分P2は、上記した理由により完全に分断されない状態で残されることになる。
なお、実施例では、ローラ7の位置を固定して基板Mをコンベア3によってY方向に移動させることによりブレイクするようにしたが、基板Mをコンベア3上で停止させておき、ローラ7を移動させるようにしてもよい。
しかしこの場合も、Y方向スクライブラインS2の両端の端材領域部分P2は、上記した理由により完全に分断されない状態で残されることになる。
なお、実施例では、ローラ7の位置を固定して基板Mをコンベア3によってY方向に移動させることによりブレイクするようにしたが、基板Mをコンベア3上で停止させておき、ローラ7を移動させるようにしてもよい。
続いて、図4(a)に示すように、基板Mは第三ブレイク機構Cに搬送され、先の第一ブレイク機構AでブレイクされたX方向スクライブラインS1の不完全なブレイク部分、すなわち、端材領域部分P1を完全にブレイクする(第三ブレイク工程)。
詳述すると、基板Mの送り方向先導端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1が第三ブレイク機構Cの押圧部材11の下方に来るとコンベア3が停止し、押圧部材11が降下する。押圧部材11は、X方向スクライブラインS1の端材領域部分P1近傍を押しつけてベルト2と共に基板Mを折り曲げるように撓ませて完全にブレイクする。次いで、コンベア3を駆動し、基板Mの後端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1が押圧部材11の下方へ来たときにコンベア3を停止し、上記同様に後端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1をブレイクする。
なお、この押圧部材11によるブレイクは、X方向スクライブラインS1の全ての端材領域部分P1に対して行われるようにしてもよい。
詳述すると、基板Mの送り方向先導端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1が第三ブレイク機構Cの押圧部材11の下方に来るとコンベア3が停止し、押圧部材11が降下する。押圧部材11は、X方向スクライブラインS1の端材領域部分P1近傍を押しつけてベルト2と共に基板Mを折り曲げるように撓ませて完全にブレイクする。次いで、コンベア3を駆動し、基板Mの後端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1が押圧部材11の下方へ来たときにコンベア3を停止し、上記同様に後端側のX方向スクライブラインS1の端材領域部分P1をブレイクする。
なお、この押圧部材11によるブレイクは、X方向スクライブラインS1の全ての端材領域部分P1に対して行われるようにしてもよい。
このようにして、一枚の基板Mから切り離された単位製品M1’は、図4(b)に示すように、吸着ユニットDの吸着部材14によりピックアップされる。そして、図4(c)に示すように次のステージ19に搬送される。この吸着ユニットDによるピックアップの際、基板Mのコーナー部分の単位製品M1’に隣接するL字形の端材は、第三ブレイク工程によってP1部分で完全にX方向の端材T1とY方向の端材T2とに分断されている(図7参照)ので、L字形で繋がった端材の場合に比べて、端材T1、T2と単位製品M1’との間で端面同士がこじれて傷がつくのを抑制することができる。
なお、基板によっては、素材の無駄をなくすために端材領域の幅を小さく形成する場合がある。この場合、第一ブレイク工程で、基板送り方向先導端側、並びに後端側のX方向スクライブラインS1を搬送路4の傾斜部4bと第二平坦部4cの境界部でブレイクするときに、基板Mの先導端側並びに後端側の端材領域T1の屈曲が不十分となり、端材領域T1に隣接するX方向のスクライブラインS1が完全にブレイクされないことがある。したがって、最終的に吸着ユニットDでコーナー部分の単位製品M1’をピックアップしたときに、図8に示すように、単位製品M1’とX方向の端材T1とが繋がって取り出されることになる。
このような場合、図5(a)に示すように、吸着ユニットDの吸着部材14で単位基板M1’をピックアップした状態で、図5(b)に示すように、付属するプッシャ18を押し下げることによりX方向の端材T1をX方向スクライブラインS1に沿って切り離して単位製品M1’のみを取り出すことができる。なお、X方向の端材T1はその幅が狭く形成されているので、単位製品M1’とX方向の端材T1とが繋がって取り出されたとき、X方向の端材T1のP3部分(図8参照)は、上方に引き上げるときの力によって分断される。
このような場合、図5(a)に示すように、吸着ユニットDの吸着部材14で単位基板M1’をピックアップした状態で、図5(b)に示すように、付属するプッシャ18を押し下げることによりX方向の端材T1をX方向スクライブラインS1に沿って切り離して単位製品M1’のみを取り出すことができる。なお、X方向の端材T1はその幅が狭く形成されているので、単位製品M1’とX方向の端材T1とが繋がって取り出されたとき、X方向の端材T1のP3部分(図8参照)は、上方に引き上げるときの力によって分断される。
以上のように、本実施例では、吸着ユニットDで基板Mのコーナー部分の単位製品M1’をピックアップする際、この単位製品M1’に隣接するL字形の端材は、第三ブレイク工程によりP1部分で完全にX方向の端材T1とY方向の端材T2とに分断されているので、L字形で繋がった端材の場合に比べて、端材T1、T2と単位製品M1’との間で端面同士がこじれて傷がつくことを抑制することができる。
また、コンベア3による基板搬送途中で、X方向並びにY方向のスクライブラインS1、S2がブレイクされるものであるから、作業時間を短縮して生産性を向上させることができる。
さらに、基板のX方向のスクライブラインS1をブレイクする第一ブレイク工程では、搬送路4の傾斜部4bから第二平坦部4cに基板Mが移行する際の基板の屈曲によって行うものであるから、衝撃を与えず確実にブレイクすることができる。また、基板MのY方向スクライブラインS2のブレイクには、ローラ7をスクライブラインS2の近傍に沿って転動させるローラブレイク方式を用いたので、長尺のブレイクバーを用いたブレイク方式に比して衝撃の少ない低荷重でブレイクすることができる。これにより、基板にかかる振動を小さくして分断面の破壊を抑制し、端面強度を高めることができる。
また、コンベア3による基板搬送途中で、X方向並びにY方向のスクライブラインS1、S2がブレイクされるものであるから、作業時間を短縮して生産性を向上させることができる。
さらに、基板のX方向のスクライブラインS1をブレイクする第一ブレイク工程では、搬送路4の傾斜部4bから第二平坦部4cに基板Mが移行する際の基板の屈曲によって行うものであるから、衝撃を与えず確実にブレイクすることができる。また、基板MのY方向スクライブラインS2のブレイクには、ローラ7をスクライブラインS2の近傍に沿って転動させるローラブレイク方式を用いたので、長尺のブレイクバーを用いたブレイク方式に比して衝撃の少ない低荷重でブレイクすることができる。これにより、基板にかかる振動を小さくして分断面の破壊を抑制し、端面強度を高めることができる。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではない。例えば、上記実施例では、Y方向のスクライブラインS2をブレイクする第二ブレイク工程の後に、X方向のスクライブラインS1の両端部分を完全ブレイクする第三ブレイク工程を行ったが、その順序は逆であってもよい。また、ブレイクされる基板Mは、上記実施例で述べた単板以外に、表面にスクライブラインを備えた2枚の基板を貼り合わせた貼り合わせ基板のブレイク工程にも適応させることが可能である。その他本発明ではその目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、表面にスクライブラインを備えた脆性材料基板をブレイクするブレイク方法並びにブレイク装置に適用することができる。
A 第一ブレイク機構
B 第二ブレイク機構
C 第三ブレイク機構
D 吸着ユニット
M 基板
M1 単位製品領域
M1’ 単位製品
P1 X方向スクライブラインの端材領域部分
P2 Y方向スクライブラインの端材領域部分
S1 X方向スクライブライン
S2 Y方向スクライブライン
T1 X方向の端材
T2 Y方向の端材
2 ベルト
3 コンベア
4 搬送路
4a 第一平坦部
4b 傾斜部
4c 第二平坦部
7 ローラ
11 押圧部材
14 吸着部材
18 プッシャ
B 第二ブレイク機構
C 第三ブレイク機構
D 吸着ユニット
M 基板
M1 単位製品領域
M1’ 単位製品
P1 X方向スクライブラインの端材領域部分
P2 Y方向スクライブラインの端材領域部分
S1 X方向スクライブライン
S2 Y方向スクライブライン
T1 X方向の端材
T2 Y方向の端材
2 ベルト
3 コンベア
4 搬送路
4a 第一平坦部
4b 傾斜部
4c 第二平坦部
7 ローラ
11 押圧部材
14 吸着部材
18 プッシャ
Claims (4)
- 四方の周辺に端材領域を残した状態で、表面に互いに直交するスクライブラインを形成することにより複数の単位製品領域が区分けされた基板を、前記スクライブラインに沿ってブレイクすることにより単位製品と端材とを切り出すブレイク方法であって、
前記基板を搬送するコンベアの搬送路において、上流から順に第一平坦部と、当該第一平坦部に連なる傾斜部と、当該傾斜部に連なる第二平坦部とを設けて、当該搬送路に沿って基板を上流から下流に搬送し、前記第一平坦部から前記傾斜部に、若しくは当該傾斜部から前記第二平坦部に、基板が移行するときの基板の屈曲によって基板送り方向と直交するX方向のスクライブラインをブレイクする第一ブレイク工程と、
基板送り方向に延びるY方向のスクライブラインの近傍に沿ってローラを押しつけて転動させることにより、前記Y方向のスクライブラインをブレイクする第二ブレイク工程と、
少なくとも基板送り方向先端側並びに後端側に位置するX方向のスクライブラインの両端部分を、押圧部材の押しつけによってブレイクする第三ブレイク工程と、
前記第一乃至第三ブレイク工程によって切り出された単位製品をピックアップして次のステージに搬送するピックアップ工程とからなる基板のブレイク方法。 - 前記単位製品に前記端材が付着してピックアップされたときに、プッシャにより前記端材を前記単位製品から分離するようにした請求項1に記載の基板のブレイク方法。
- 四方の周辺に端材領域を残した状態で、表面に互いに直交するスクライブラインを形成することにより複数の単位製品領域が区分けされた基板を、前記スクライブラインに沿ってブレイクすることにより単位製品と端材とを切り出すブレイク装置であって、
前記基板を載置して搬送する搬送路を備えたコンベアと、
前記搬送路上で、上流側に設けられた第一平坦部と、この第一平坦部に連なって形成された傾斜部と、この傾斜部に連なって前記第一平坦部に対し段差状に形成された第二平坦部とから構成された第一ブレイク機構と、
前記第一ブレイク機構の下流側で、基板送り方向に延びるY方向のスクライブラインの近傍に沿って前記基板を押圧転動して、前記Y方向のスクライブラインをブレイクするローラを備えた第二ブレイク機構と、
少なくとも基板送り方向先端側並びに後端側に位置する基板送り方向と直交するX方向のスクライブラインの両端部分をブレイクする押圧部材を備えた第三ブレイク機構と、
前記第一乃至第三ブレイク機構によって切り出された単位製品をピックアップして次のステージに搬送する吸着ユニットとからなる基板のブレイク装置。 - 前記吸着ユニットは、前記端材が前記単位製品に付着してピックアップされたときに、前記端材を前記単位製品から切り離すプッシャを備えている請求項3に記載の基板のブレイク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014102826A JP2015217603A (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | ブレイク方法並びにブレイク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014102826A JP2015217603A (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | ブレイク方法並びにブレイク装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015217603A true JP2015217603A (ja) | 2015-12-07 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015217603A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2014
- 2014-05-16 JP JP2014102826A patent/JP2015217603A/ja active Pending
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