JP2015216918A - 乳化した固形油脂様組成物及び固形油脂様組成物の製造方法 - Google Patents
乳化した固形油脂様組成物及び固形油脂様組成物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】食用油脂の旨み、コク味が良好に感じられると共に、動物性脂肪と同等の外観・食感を有する植物性の固形油脂様組成物を提供すること。【解決手段】アルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤、植物性油脂及び水を含有する固形油脂様組成物であって、前記固形油脂様組成物全量に対し、前記アルギン酸及び/又はその塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記多価金属塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記乳化剤の含有量が0.5〜5.0重量%、前記ゲル化反応遅延剤の含有量が0.3〜3.0重量%、水の含有量が10.0〜90.0重量%、植物性油脂の含有量が10.0〜90.0重量%であることを特徴とする、固形油脂様組成物によって達成される。【選択図】なし
Description
本発明は、主に食品に添加する固形油脂様組成物及びその固形油脂様組成物の製造方法に関する。
畜肉加工品であるソーセージ、ハンバーグ、ミートボール、コロッケ、ギョウサの具等には、牛肉、豚肉、家禽の肉、牛脂、豚脂、植物油などが、それぞれの風味、食感等を付与する目的で利用される。
特に、牛脂や豚脂に代表される脂肪は、常温で固体という性質から、食品加工の工程で扱いやすく、食品に独特の食感を与え、食品を摂取したときに満足感を得やすい。
特に、牛脂や豚脂に代表される脂肪は、常温で固体という性質から、食品加工の工程で扱いやすく、食品に独特の食感を与え、食品を摂取したときに満足感を得やすい。
一方、最近では食品のカロリーの過剰摂取を防ぐために、低脂肪化食品が志向される傾向にある。
このため、各種の畜肉加工品の低カロリー化が検討されている。
このため、各種の畜肉加工品の低カロリー化が検討されている。
例えば、特許文献1において、ゼラチン、グルコマンナン(コンニャク)等からなる脂肪代替物が提案されている。
また、特許文献2においては、アルギン酸塩のゲルの粉砕物であることが特徴の低カロリーの脂肪代替物が提案されている。
さらに、特許文献3においては、カードラン(微生物由来の加熱ゲル化多糖類)、ゼラチン等からなる脂肪代替物が提案されている。 これらの脂肪代替物はいずれも常温で固体であり、食品加工の工程で扱いやすく、これを利用した畜肉加工品は低カロリーで、通常の畜肉等と比べても遜色のない食感を有し、加熱調理しても型崩れを防止できることが示されている。
また、特許文献2においては、アルギン酸塩のゲルの粉砕物であることが特徴の低カロリーの脂肪代替物が提案されている。
さらに、特許文献3においては、カードラン(微生物由来の加熱ゲル化多糖類)、ゼラチン等からなる脂肪代替物が提案されている。 これらの脂肪代替物はいずれも常温で固体であり、食品加工の工程で扱いやすく、これを利用した畜肉加工品は低カロリーで、通常の畜肉等と比べても遜色のない食感を有し、加熱調理しても型崩れを防止できることが示されている。
橋本,武田,四国医学雑誌,平成23年8月25日,第67巻3,第4号,P117−122
しかしながら、特許文献1、特許文献2及び特許文献3の方法による脂肪代替物には、食用油脂が含まれていないので、当該脂肪代替物を利用した加工食品には、食用油脂の持つコク味や旨みを付与することができないという問題があった。
また、油脂を含む食品を摂取すると適量で一定の満足感が得られるが、当該脂肪代替品を利用した加工食品には、食用油脂が含まれていないので、これらを食べても直ちに満足感が得られず、反対に一定の満足感を得るために食事量が増加するという問題も起こりえる。
また、油脂を含む食品を摂取すると適量で一定の満足感が得られるが、当該脂肪代替品を利用した加工食品には、食用油脂が含まれていないので、これらを食べても直ちに満足感が得られず、反対に一定の満足感を得るために食事量が増加するという問題も起こりえる。
一方、食用油脂には主に常温で固体の飽和脂肪酸からなる動物性油脂と、主に常温で液体の不飽和脂肪酸からなる植物性油脂がある。
そして非特許文献1の通り、飽和脂肪酸の過剰摂取は、血中のコレステロールを上昇させ、冠動脈疾患の発症率を高めるリスクがあるので、動物性油脂を含む脂肪代替品には健康上の課題があった。
そして非特許文献1の通り、飽和脂肪酸の過剰摂取は、血中のコレステロールを上昇させ、冠動脈疾患の発症率を高めるリスクがあるので、動物性油脂を含む脂肪代替品には健康上の課題があった。
本発明は上記現状に鑑み、検討を重ねた結果、アルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤、植物性油脂及び水を含有する固形油脂様組成物によって、上記課題が解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は
(1)アルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤、植物性油脂及び水を含有する固形油脂様組成物であって、前記固形油脂様組成物全量に対し、前記アルギン酸及び/又はその塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記多価金属塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記乳化剤の含有量が0.5〜5.0重量%、前記ゲル化反応遅延剤の含有量が0.3〜3.0重量%、水の含有量が10.0〜90.0重量%、植物性油脂の含有量が10.0〜90.0重量%であることを特徴とする、固形油脂様組成物;
(2)前記アルギン酸の塩が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の固形油脂様組成物;
(3)前記多価金属塩が、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウムなどの二価以上の金属塩であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(4)前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル等の乳化剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(5)前記ゲル化反応遅延剤が、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(6)前記の(1)記載のアルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤を植物性油脂に加え十分に分散させた後、植物性油脂を撹拌しながら、水を加えて乳化させ固形油脂様組成物を製造する方法;を提供する。
(1)アルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤、植物性油脂及び水を含有する固形油脂様組成物であって、前記固形油脂様組成物全量に対し、前記アルギン酸及び/又はその塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記多価金属塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記乳化剤の含有量が0.5〜5.0重量%、前記ゲル化反応遅延剤の含有量が0.3〜3.0重量%、水の含有量が10.0〜90.0重量%、植物性油脂の含有量が10.0〜90.0重量%であることを特徴とする、固形油脂様組成物;
(2)前記アルギン酸の塩が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の固形油脂様組成物;
(3)前記多価金属塩が、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウムなどの二価以上の金属塩であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(4)前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル等の乳化剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(5)前記ゲル化反応遅延剤が、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物;
(6)前記の(1)記載のアルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤を植物性油脂に加え十分に分散させた後、植物性油脂を撹拌しながら、水を加えて乳化させ固形油脂様組成物を製造する方法;を提供する。
本発明によれば、食用油脂の旨み、コク味が良好に感じられると共に、動物性脂肪と同等の外観・食感を有する固形油脂様組成物を提供することができる。
そして、本発明による固形脂肪代替物は動物性油脂を含まないので、動物性油脂の主成分である飽和脂肪酸の過剰摂取が影響するとされる血中コレステロールの上昇を防ぎ、冠動脈疾患発病のリスクを低減することができる。
また、本発明による固形脂肪代替物は、場合によっては毛や骨などの異物が含まれることのある牛脂や豚脂を使用していないので、当該固形油脂様組成物を利用した食品は、異物混入の恐れが解消でき、品質が安定する。
加えて、本発明によれば植物性油脂を含む脂肪代替物による食肉加工品を作成できるので宗教上の禁忌で喫食を禁止されている、ある種の畜肉の代替物を提供することができる。
また、本発明による固形脂肪代替物は、耐熱性のあるアルギン酸のゲルからなるので、当該固形油脂様組成物を利用した食品の加熱調理による型崩れや離水によるボリューム低下を防止でき、歩留まりが向上する。
さらに、油脂の含有量を任意に調整できるので、固形油脂様組成物を含有する低カロリーの食品を提供できる。
そして、本発明による固形脂肪代替物は動物性油脂を含まないので、動物性油脂の主成分である飽和脂肪酸の過剰摂取が影響するとされる血中コレステロールの上昇を防ぎ、冠動脈疾患発病のリスクを低減することができる。
また、本発明による固形脂肪代替物は、場合によっては毛や骨などの異物が含まれることのある牛脂や豚脂を使用していないので、当該固形油脂様組成物を利用した食品は、異物混入の恐れが解消でき、品質が安定する。
加えて、本発明によれば植物性油脂を含む脂肪代替物による食肉加工品を作成できるので宗教上の禁忌で喫食を禁止されている、ある種の畜肉の代替物を提供することができる。
また、本発明による固形脂肪代替物は、耐熱性のあるアルギン酸のゲルからなるので、当該固形油脂様組成物を利用した食品の加熱調理による型崩れや離水によるボリューム低下を防止でき、歩留まりが向上する。
さらに、油脂の含有量を任意に調整できるので、固形油脂様組成物を含有する低カロリーの食品を提供できる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定するものではない。
本実施形態では、原料として植物性食用油脂を用い、べに花油、菜種油、大豆油、ごま油、コーン油、こめ油などがあげられるが、特に限定するものではなく、従来公知とされている植物性油脂及び今後市販される植物性油脂であれば、どのようなものでも好適に使用できる。
また、本実施形態の固形油脂様組成物を含有する食品は、例えば畜肉加工品、水産加工品、マーガリンなどの油脂加工品、クリーム類、チョコレート類等の食品調理用素材、調理済食品等に広く適用が可能である。その他、ペットフード、家畜用飼料等が例示できるが、この範疇は特に限定されるものではない。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグルーブ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合の)20.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置して固形油脂様組成物を得た。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置して固形油脂様組成物を得た。
得られた固形油脂様組成物のゲルの耐熱性を、以下の方法で評価した。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は3.6%あり良好な結果であった。(離水率5%以下を良好と判断した。)
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80.0重量%に、当該固形油脂様組成物を20.0重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味1の判断を8人、旨み1の判断を9人が行い、良好な結果であった。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は3.6%あり良好な結果であった。(離水率5%以下を良好と判断した。)
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80.0重量%に、当該固形油脂様組成物を20.0重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味1の判断を8人、旨み1の判断を9人が行い、良好な結果であった。
[比較例1]
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置して固形油脂様組成物を得た。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置して固形油脂様組成物を得た。
得られた固形油脂様組成物のゲルの耐熱性を、以下の方法で評価した。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は10.3%あり良好な結果は得られなかった。
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80.0重量%に、当該固形油脂様組成物を20.0重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味3の判断を7人、旨み3の判断を9人が行い、良好な結果は得られなかった。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は10.3%あり良好な結果は得られなかった。
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80.0重量%に、当該固形油脂様組成物を20.0重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味3の判断を7人、旨み3の判断を9人が行い、良好な結果は得られなかった。
[比較例2]
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80重量部を加え撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80重量部を加え撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
[比較例3]
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)20.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
[比較例4]
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、水100.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう撹拌した後に静置して固形ゲル様組成物を得た。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部のそれぞれを、水100.0重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう撹拌した後に静置して固形ゲル様組成物を得た。
得られた固形油脂様組成物のゲルの耐熱性を、以下の方法で評価した。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は4.1%あり良好な結果が得られた。
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80重量%に、当該固形油脂様組成物を20重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味3の判断を10人、旨み3の判断を8人が行い、良好な結果は得られなかった。
a. 200mlビーカーに125mlの当該固形油脂様組成物を流し込みゲル化させサンプルを得た。
b. 得られたゲルから縦横高さ2cmの立方体を切り出し、サンプルとした。
c. 当該サンプルをガスレンジで加熱したフライパンにのせ、3分間加熱した。
d. その結果、サンプルは形状を保ち、耐熱性は良好であった。
また、離水性を以下の方法で評価した。
a. 25ml入り小型カップに、当該固形油脂様組成物を流し込み、ゲル化させた後、冷凍してサンプルを得た。
b. 当該サンプルを冷凍したまま重量を測定し、予め測定した容器の重量を引いてゲルの重量を算出した。
c. その後、容器からサンプルを取り出し、素早くろ紙に載せ、解凍後にろ紙が吸着した水分量を測定し、離水率を計算した。
d. その結果、離水率は4.1%あり良好な結果が得られた。
さらに、当該固形油脂様組成物を豚ひき肉に加え、以下の通りソーセージに加工し、官能評価を行った。
a. 塩コショウで味をつけた豚ひき肉80重量%に、当該固形油脂様組成物を20重量%混合し、ケーシングに充填した。
b. ケーシングを3分間沸騰水で茹で、ソーセージを作成した。
c. 当該ソーセージについて、コク味及び旨みの3段階(1.優れる 2.変わらない 3.劣る)官能試験を、パネラー10人に対し実施し、コク味3の判断を10人、旨み3の判断を8人が行い、良好な結果は得られなかった。
[比較例5]
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)100重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させ撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
表1に示す通り、アルギン酸塩として株式会社キミカ製の製品名キミカアルギンI−3を2.4重量部、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部のそれぞれを、油脂として日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)100重量部に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させ撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
[比較例6]
表1に示す通り、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部、油脂として20.0重量部の日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
表1に示す通り、多価金属塩として赤穂化成株式会社製の硫酸カルシウムを1.6重量部、乳化剤として第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステルを1.0重量部、ゲル化反応遅延剤として太陽化学工業株式会社製のピロリン酸ナトリウムを1.0重量部、油脂として20.0重量部の日清オイリオグループ株式会社製のサラダ油(大豆油、菜種油混合)に加えて、PRIMIX社製のホモミクサー2M−03により均一になるよう分散させた。
続いて、水80.0重量部を加え、撹拌した後に静置したが、固形油脂様組成物は得られなかった。
本発明は、食品、ペットフード、家畜・家禽・養魚用の飼料等の製造業に利用可能である。
Claims (6)
- アルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤、植物性油脂及び水を含有する固形油脂様組成物であって、前記固形油脂様組成物全量に対し、前記アルギン酸及び/又はその塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記多価金属塩の含有量が0.5〜5.0重量%、前記乳化剤の含有量が0.5〜5.0重量%、前記ゲル化反応遅延剤の含有量が0.3〜3.0重量%、水の含有量が10.0〜90.0重量%、植物性油脂の含有量が10.0〜90.0重量%であることを特徴とする、固形油脂様組成物。
- 前記アルギン酸の塩が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の固形油脂様組成物。
- 前記多価金属塩が、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウムなどの二価以上の金属塩であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物。
- 前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル等の1種又は2種以上の乳化剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物。
- 前記ゲル化反応遅延剤が、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤であることを特徴とする請求項1記載の固形油脂様組成物。
- 請求項1記載のアルギン酸及び/またはその塩、多価金属塩、乳化剤、ゲル化反応遅延剤を植物性油脂に加え十分に分散させた後、植物性油脂を撹拌しながら、水を加えて乳化させ固形油脂様組成物を製造する方法。
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JP2014113392A JP2015216918A (ja) | 2014-05-15 | 2014-05-15 | 乳化した固形油脂様組成物及び固形油脂様組成物の製造方法 |
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WO2022264978A1 (ja) * | 2021-06-18 | 2022-12-22 | 不二製油グループ本社株式会社 | 動物脂様食品素材の製造方法 |
JP7480242B2 (ja) | 2022-10-11 | 2024-05-09 | キユーピー株式会社 | ゲル化物の素及び食品 |
-
2014
- 2014-05-15 JP JP2014113392A patent/JP2015216918A/ja active Pending
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