JP2015208119A - 回転電機駆動システム - Google Patents

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Masaru Shimizu
優 清水
亮次 佐藤
Ryoji Sato
亮次 佐藤
貴史 太田
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Abstract

【課題】回転電機駆動システムにおいて、PMインバータの故障かIMインバータの故障かを的確に判断できるようにすることである。【解決手段】回転電機駆動システム10は、直流電源回路12と、第1インバータ24を介して接続される磁石同期型のPMSM22と、第2インバータ34を介して接続される誘導型のIM32と、制御装置40を備え、制御装置は、システム電圧の変動が所定値を超えるときに、PMSM22の電気周波数とIM32の電気周波数の差が大きくなるように一時的にIM32の電気周波数をずらして、システム電圧の変動周波数がPMSM22の電気周波数に近いか否かを判断し、その判断に基づいて第1インバータ24の故障か第2インバータ34の故障かを判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機駆動システムに係り、特に、永久磁石同期型の回転電機と誘導型の回転電機とを含む回転電機駆動システムに関する。
電気自動車の駆動システムとして、例えば、特許文献1には、低速用電動機として永久磁石同期型電動機(PMSM)と高速用電動機として誘導型電動機(IM)を用い、1つの蓄電装置と1つの電圧変換器からそれぞれPMSM用インバータとIM用インバータを介してPMSMとIMを駆動することが開示されている。
特開平7−15804号公報
永久磁石同期型の回転電機(PMSM)に接続されるPMインバータ、または誘導型の回転電機(IM)に接続されるIMインバータに故障が生じるときは、不可逆減磁等の2次故障が発生する恐れがある。PMSMとIMの両方の回転電機の駆動を停止すれば2次故障等が回避可能となるが、車両の退避走行性能が低下する。どちらかのインバータの故障と決めつけて片側の回転電機の駆動を停止した場合、誤って正常である回転電機を停止する恐れがある。そこで、故障したインバータが何れなのかを適切に判断し、故障している方の回転電機の駆動を停止することが求められる。故障したインバータが何れであるかを判断する1つの方法は、インバータが故障すると、その出力電流波形が変化することを利用する方法であるが、出力電流値が小さいときは出力電流波形の変化を検出することが難しい。
もう1つの方法は、インバータが故障すると、それに接続される回転電機のトルクがその回転電機の電気周波数で変動し、それによってインバータのシステム電圧もその電気周波数で変動することを利用する。例えば、システム電圧の変動周波数がPMSMの電気周波数に近ければPMSMに接続されるインバータが故障していると判断でき、システム電圧の変動周波数がIMの電気周波数に近ければIMに接続されるインバータが故障していると判断できる。ここで、PMSMの電気周波数とIMの電気周波数は、IMのすべり周波数の分だけの差があるが、場合によってはその差は小さな値である。そのような場合は、システム電圧の変動周波数がどちらの電気周波数に近いかを判断することが困難である。
本発明の目的は、PMインバータの故障かIMインバータの故障かを的確に判断できる回転電機駆動システムを提供することである。
本発明に係る回転電機駆動システムは、直流電源回路と、前記直流電源回路に接続される第1インバータと、前記第1インバータに接続される永久磁石同期型の第1回転電機と、前記第1インバータと並列に前記直流電源回路に接続される第2インバータと、前記第2インバータに接続される誘導型の第2回転電機と、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する制御装置と、を備える回転電機駆動システムであって、前記制御装置は、前記直流電源回路から前記第1インバータおよび前記第2インバータへ供給されるシステム電圧の変動が所定値を超えるとき、前記第1回転電機の電気周波数と前記第2回転電機の電気周波数との差が大きくなるように前記第2回転電機の電気周波数を変化させ、前記第1回転電機の電気周波数および前記第2回転電機の回転周波数と前記システム電圧の変動周波数とのそれぞれの差分の関係に基づき、前記第1インバータの故障か前記第2インバータの故障かを判断することを特徴とする。
上記回転電機駆動システムの構成によれば、第1インバータの故障か第2インバータの故障かを的確に判断できる。
本発明に係る実施の形態の回転電機駆動システムの構成図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機駆動システムにおいて、故障判断の手順を示すフローチャートである。 インバータを構成するスイッチング素子が短絡故障したときの出力電流波形を示す図である。 誘導型の回転電機において、すべり周波数の変更を示す図である。 本発明に係る実施の形態の作用を示すために、システム電圧の変動周波数と永久磁石型の回転電機の電気周波数と誘導型の回転電機の電気周波数との関係を示す図である。(a)は誘導型の回転電機の電気周波数を変更する前の各周波数の状態を示す図で、(b)は誘導型の回転電機の電気周波数をずらしたときの各周波数の状態を示す図である。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。以下では、回転電機駆動システムが搭載される車両として、永久磁石同期型の回転電機と誘導型の回転電機が搭載される車両を述べるが、回転電機の他にエンジンを搭載する車両であってもよい。また、車両の前輪用に永久磁石同期型の回転電機を設け、車両の後輪用に誘導型の回転電機を設けるものを述べるが、車両の後輪用に永久磁石同期型の回転電機を設け、車両の前輪用に誘導型の回転電機を設けるものでも構わない。また、これらの回転電機は1台で電動機と発電機の機能を有するモータジェネレータ(MG)として述べるが、主に電動機の機能を有する回転電機と主に発電機の機能を有する回転電機の2台で1組としてもよい。
以下で述べる電圧値等は説明のための例示であって、回転電機駆動システムの仕様に応じて適宜変更が可能である。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両に搭載される回転電機駆動システム10を示す図である。この回転電機駆動システム10は、直流電源回路12と、車両の前輪駆動部20と、後輪駆動部30と、制御装置40を含んで構成される。前輪駆動部20には、永久磁石同期型の第1回転電機22が含まれ、後輪駆動部30には、誘導型の第2回転電機32が含まれる。以下では、永久磁石同期型の第1回転電機22を、PMSM22と呼び、誘導型の第2回転電機32をIM32と呼ぶ。PMSMは、Permanent magnetic synchronous Motorの頭文字で、IMはInduction Motorの頭文字である。
回転電機駆動システム10は、PMSM22とIM32の駆動制御を通して、車両の駆動を制御するシステムで、特に、PMSM22に接続される第1インバータ24またはIM32に接続される第2インバータ34に故障が生じた場合に、いずれの故障かを的確に判断して、適切に車両を退避走行させる等の処理を行うことができるシステムである。
直流電源回路12は、蓄電装置14と電圧変換器16で構成され、負荷である第1インバータ24と第2インバータ34にシステム電圧を供給する。システム電圧は電圧変換器16の出力電圧であり、第1インバータ24と第2インバータ34のそれぞれの正極母線と負極母線の間の電圧である。なお、第1インバータ24と第2インバータ34は、互いに並列の関係で配置され、同じシステム電圧値VHで動作する。
蓄電装置14は、充放電可能な高電圧二次電池である。高電圧とは、例えば、約300V程度の電圧である。蓄電装置14は、PMSM22,IM32に対し、電圧変換器16と第1インバータ24、第2インバータ34を介して電力を供給する。また、PMSM22,IM32から第1インバータ24、第2インバータ34と電圧変換器16を介して充電電力を受け取り充電される。かかる蓄電装置14としては、リチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
電圧変換器16は、蓄電装置14と第1インバータ24、第2インバータ34の間に接続配置される電圧変換器である。電圧変換器16は、蓄電装置14の直流電圧値VBと、システム電圧値VHとの間に電圧差があるときに、蓄電装置14側の直流電圧値VBをシステム電圧値VHに昇圧し、逆にシステム電圧値VHを蓄電装置14側の直流電圧値VBに降圧する。システム電圧値VHは、電圧変換器16が昇圧動作をするときの出力側電圧値であり、電圧変換器16が降圧動作するときの入力側電圧値となる。かかる電圧変換器16は、リアクトルと、スイッチング素子を含んで構成される。
蓄電装置14と電圧変換器16の間に設けられるコンデンサは、蓄電装置14側において電圧や電流を平滑化するためのものである。電圧変換器16と第1インバータ24、第2インバータ34の間に設けられる抵抗素子とコンデンサは、第1インバータ24、第2インバータ34側において、電圧や電流を平滑化するためのものである。
電圧変換器16と第1インバータ24、第2インバータ34との間に設けられる電圧センサ38は、システム電圧値VHを検出する電圧検出手段である。電圧センサ28によって検出されたシステム電圧値VHは、適当な信号線を用いて制御装置40に伝送される。
第1インバータ24は、蓄電装置14の直流電力とPMSM22のUVW三相交流電力との間の交直変換処理を行うPMSM用インバータ回路である。交直変換は、蓄電装置14の直流電力をPMSM22のUVW三相交流電力への変換、または、PMSM22のUVW三相交流電力を蓄電装置14の直流電力への変換を含む。
第1インバータ24は、UVWの各相に対応し、正極母線側の上アーム側におけるスイッチング素子とこれに逆並列に接続されるダイオードと、負極母線側の下アーム側におけるスイッチング素子とこれに逆並列に接続されるダイオードとが直列接続されるアーム回路をそれぞれ有する。U相用のアーム回路において、上アーム側と下アーム側の接続点からU相電力線が引き出され、PMSM22のU相巻線に接続される。同様に、V相用のアーム回路において、上アーム側と下アーム側の接続点からV相電力線が引き出され、PMSM22のV相巻線に接続され、W相用のアーム回路において、上アーム側と下アーム側の接続点からW相電力線が引き出され、PMSM22のW相巻線に接続される。
第2インバータ34は、蓄電装置14の直流電力とIM32のUVW三相交流電力との間の交直変換処理を行うIM用インバータ回路である。その内容は、第1インバータ24と同じであるので、詳細な説明を省略する。
PMSM22は、車両の前輪駆動源となるモータジェネレータ(MG)である。PMSM22は、蓄電装置14から第1インバータ24を介して電力が供給されるときはモータとして機能し、車両の制動時には発電機として機能する三相の永久磁石同期型の回転電機である。かかるPMSM22は、UVWの三相巻線が巻回されるステータと、ステータの内周側に設けられ回転軸を有するロータとで構成される。ロータは、外周側に永久磁石が配置される複数の磁極を有する。
PM駆動回路26は、前輪駆動部20に接続され、第1インバータ24の動作を制御することで、PMSM22のステータに三相回転磁界を発生させ、その三相回転磁界と永久磁石を含むロータ磁極との協働によって、回転軸を所望の回転数で回転させ、所定のトルクを出力させる制御回路である。PMSM22は同期型であるので、回転磁界の回転周波数と回転軸の回転周波数は同じである。PMSM22の回転磁界の回転周波数を磁極の極数で除した値がPMSM22の電気周波数f1={ω1/(2π)}である。例えば、PMSM22の回転軸の回転数が3600RPM=60回転/sで、磁極数P=6のときは、PMSM22の電気周波数f1は10Hzである。これに相当する電気角速度ω1=1.59rad/sである。
PM駆動回路26は、制御装置40の制御の下で動作し、電気角速度ω1を制御装置40に伝送する。
IM32は、車両の後輪駆動源となるモータジェネレータ(MG)である。IM32は、蓄電装置14から第2インバータ34を介して電力が供給されるときはモータとして機能し、車両の制動時には発電機として機能する三相の誘導型の回転電機である。かかるIM32は、UVWの三相巻線が巻回されるステータと、ステータの内周側に設けられ回転軸を有するロータとで構成される。ロータは、籠型に配置される複数の導電体で構成される複数の誘導磁極を有する。IM32は、ステータの回転磁界の角速度ωSと、ロータの回転軸の角速度ωRの間に角速度差があり、この角速度差に相当する周波数がすべり周波数fSである。IM32は、すべり周波数fSと駆動電流値I2でトルク値T2が定まる(図4参照)。
IM駆動回路36は、後輪駆動部30に接続され、第2インバータ34の動作を制御することで、IM32のステータに駆動電流値I2を供給して三相回転磁界を発生させ、その三相回転磁界とロータの誘導磁極との協働によって、回転軸を所望の回転数で回転させ、所定のトルク値T2を出力させる制御回路である。IM32は、誘導型であるので、回転磁界の回転周波数と出力軸の回転周波数は同じでなく、その間にすべり周波数fSの差がある。IM32の回転磁界の回転数をロータの誘導磁極数で除した値に相当する周波数がIM32の電気周波数f2={ω2/(2π)}である。例えば、IM32の回転軸の回転数がPMSM22と同じ3600RPM=60回転/sのときは、これに対応する回転周波数は60Hzである。すべり周波数を0.6Hzとすると、IM32の回転磁界の回転周波数は、60.6Hzである。誘導磁極数P=6のときは、IM32の電気周波数f2は10.1Hzである。これに相当する電気角速度ω2=1.61rad/sである。
IM駆動回路36は、制御装置40の制御の下で動作し、電気角速度ω2を制御装置40に伝送する。
制御装置40は、上記の各要素の動作を全体的に統合して制御する装置である。制御装置40は、車両において、ユーザのアクセル操作、ブレーキ操作により、その加速、減速要求を取得する。これに基づいて車速に応じたトルク指令値を算出し、予め定めた分配方法等によって、前輪用のPMSM22と後輪用のIM32に対するトルク指令値等をPM駆動回路26、IM駆動回路36にそれぞれ出力する。
PM駆動回路26では、トルク指令値と車速に基づいて電流指令値を算出し、その電流指令値と実際の駆動電流値とが一致するように、例えばPWM制御方式に基づいて制御を行う。IM駆動回路36では、トルク指令値と車速に基づき、磁束指令値を算出し、これをIM32のインダクタンスで除して電流指令値を求める。トルク指令値と電流指令値を満たすようにすべり周波数が設定される。IM32におけるトルク値T2と駆動電流値I2とすべり周波数f2の関係は、特性図として予め求められる。これについては、図4を用いて後述する。
制御装置40は、上記の車両走行制御を行うと共に、ここでは特に、PMSM22に接続される第1インバータ24またはIM32に接続される第2インバータ34に故障が生じた場合に、いずれの故障かを的確に判断し、PMSM22とIM32の動作を適切に制御する機能を有する。かかる制御装置40は、車両搭載に適したコンピュータで構成することができる。PM駆動回路26、IM駆動回路36の全部または一部の機能を制御装置40に含めるものとしてもよい。
制御装置40は、第1インバータ24または第2インバータ34に故障が生じた場合に、いずれの故障かを的確に判断するために、以下の機能を有する。すなわち、システム電圧値VHの変動を検出するシステム電圧変動検出部42、IM32のトルク値T2を一定にしながら電気角速度ω2を一時的にω2’にずらす一時的ω2ずらし制御部44、システム電圧の変動角速度ωΔVHとω1とω2の関係に基づいて故障原因を判断する故障判断部46を含む。
かかる機能は、制御装置40がソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、故障判断プログラムを制御装置40が実行することで実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現してもよい。
上記構成の作用、特に、制御装置40の各機能について、図2以下を用いてさらに詳細に説明する。図2は、第1インバータ24または第2インバータ34が故障したときに、いずれが故障したか等を判断する手順を示すフローチャートである。各手順は、制御装置40が実行する故障判断プログラムの各処理手順に対応する。以下では、図1のAで示すように、第1インバータ24のV相用アーム回路の下アームのスイッチング素子がオープン故障した場合を例として述べる。これは説明のための例示であって、第1インバータ24、第2インバータ34の他のスイッチング素子またはダイオードが故障した場合でもよい。故障はオープン故障でも短絡故障でもよい。
車両のイグニッションスイッチがONされて初期化が終了し、回転電機駆動システム10が始動すると、故障判断プログラムが立ち上がる。
図2は、Aのスイッチング素子が故障したときの第1インバータ24の各相の出力電流波形を示す図である。ここでは、V相の出力電流波形がAのスイッチング素子のオープン故障のためにプラス側の電流が流れない故障となっていることが示される。このように駆動電流が半波になると回転電機に渦電流損が増加し、減磁等の2次故障が生ずる恐れがある。図2に示すように、インバータの出力電流波形の変化から、Aのスイッチング素子の故障を検出することが可能であるが、出力電流値が小さいときには、この出力電流波形の変化の検出が困難な場合がある。そこで、ここでは、出力電流波形の変化でなく、システム電圧値VHの変動から、インバータの故障を検出する方法を取る。
PMSM22またはIM32のトルクが故障した側の回転電機の電気周波数で変動し、それに応じてシステム電圧値VHが変動する。そこで、適当な制御周期で、システム電圧値VHの変動の監視が行われる。具体的には、システム電圧値VHの変動幅ΔVHが予め定めた閾値変動幅ΔVH0を超えるか否かを判断する(S10)。この処理手順は、制御装置40のシステム電圧変動検出部42の機能によって、電圧センサ38から取得した検出値に基づいて実行される。
S10の判断が否定されるときは、特別な処理は不要である。S10の判断が肯定されるときは、システム電圧値VHの変動角速度ωΔVHがPMSM22の電気角速度ω1に近いかIM32の電気角速度ω2に近いかを判断する。説明を簡単にするために、PMSM22の回転軸の回転数が前輪の回転数と同じで、IM32の回転軸の回転数が後輪の回転数と同じとする。車両が走行しているとき、前輪の回転数と後輪の回転数がほぼ同じであるので、PMSM22の回転軸の回転数とIM32の回転軸の回転数がほぼ同じとなる。PMSM22は同期型回転電機であるので、その回転軸の回転数は電気角速度ω1に比例する。IM32は誘導型回転電機であるので、その回転軸の回転数は電気角速度ω2からすべり周波数に対応する角速度を減算した角速度に比例する。すべり周波数に対応する角速度は小さい値である。
これらのことから、PMSM22の電気角速度ω1とIM32の電気角速度ω2はほぼ同じ値であり、いずれがシステム電圧値VHの変動角速度ωΔVHに近いかの判断が難しい場合がある。そこで、誘導型回転電機であるIM32は、電気周波数と回転周波数が同期せず、電気角速度ω2をトルク一定のままですべり周波数を変更することで可変できることを利用して、IM32の電気角速度ω2を一時的にω2’にずらす(S12)。
図4は、IM32におけるトルク値T2と駆動電流値I2とすべり周波数f2の関係を示す特性図である。横軸がすべり周波数で、縦軸がトルクで、パラメータは駆動電流値である。図4に示されるように、同じ駆動電流値において、すべり周波数がゼロのときトルクはゼロで、すべり周波数が増加するに従い、トルクは増加するが、最大値に達すると、それ以後はすべり周波数が増加するとトルクは減少する。IM32の駆動は、このトルク最大値となるすべり周波数の下で行われる。駆動電流値が増加すると、このトルク最大値も高い値となる。このように、駆動電流値とすべり周波数の設定によって、所望のトルクを出力することができる。
図4において、現在の状態をトルク値がT2、駆動電流値がI2、すべり周波数がfSとする。駆動電流値I2は、U相電流とV相電流とW相電流の合成電流ベクトルの絶対値である。この状態から、トルク値をT2に維持しながら、駆動電流値をI2からこれより大きなI2’に変更することで、すべり周波数はfSからこれよりも大きなfS’となる。このようにすべり周波数を変更することで、IM32の回転軸における回転数とトルク値を変化させず、ステータの回転磁界の電気角速度についてω2をから一時的にω2’にずらすことができる。駆動電流値I2’とすべり周波数fS’の組み合わせの状態は、トルク最大値ではないので、IM32の効率は低くなる。したがって、この状態は、ごく一時的なものに止めることが好ましい。
図5は、IM32の電気角速度ω2を一時的にω2’にずらす前と後で、PMSM22の電気角速度ω1とIM32の電気角速度ω2とシステム電圧値VHの変動角速度ωΔVHとの関係を示す図である。図5(a)は、IM32の電気角速度がω2のときで、ωΔVHの近傍に2つの電気角速度ωA,ωBがあることが示される。この図の場合、電気角速度ωBの方がωΔVHに近いので、電気角速度ωBを有している回転電機に接続されるインバータの故障によってシステム電圧値VHに変動が生じている可能性が高いことが分かる。
電気角速度ωBを有する回転電機がPMSM22であれば、第1インバータ24の故障であるので、第1インバータ24への通電を停止すればよい。電気角速度ωBを有する回転電機がIM32であれば、第2インバータ34の故障であるので、第2インバータ34への通電を停止すればよい。この判断を誤ると、故障していないインバータを止め、故障しているインバータに通電を続けることになり、2次故障を招く可能性がある。電気角速度ωA,ωBが近接していると、測定誤差もあり、ωBがいずれの回転電機の電気角速度かがはっきりしない。
図5(b)は、IM32の電気角速度をω2からω2’にずらしたときのω1,ω2’,ωΔVHの関係を示す図である。ここでは、図5(a)のωAがωA’に移動したことが分かる。したがって、移動したωAがIM32の電気角速度ω2で、移動しなかったωBがPMSM22の電気角速度ω1であることが分かる。この場合、ωΔVHに近いのはωBであったので、PMSM22の電気角速度ω1の影響を受けてシステム電圧値VHの変動が生じたことになり、第1インバータ24の故障であることが分かる。
再び図2に戻り、S12の次は、ωΔVHに近いのはω1であるか否かを判断する(S14)。その判断が肯定されるときは、PMSM22に接続される第1インバータ24の故障と判断する(S16)。S14の判断が否定のときは、ωΔVHに近いのはω2であるか否かを判断する(S18)。その判断が肯定されるときは、IM32に接続される第2インバータ24の故障と判断する(S20)。S18の判断が否定されると、PMSM22、第1インバータ24、IM32、第2インバータ34以外の故障と判断する(S22)。これらの判断の処理手順は、制御装置40の故障判断部46の機能によって実行される。
このようにして、システム電圧値VHの変動が、第1インバータ24の故障の影響か、第2インバータ34の故障の影響か、それともそれ以外の要素の故障の影響かが区別されて判断される。これによって、第1インバータ24の故障と判断されると、第1インバータ24への通電を停止してPMSM22の駆動をやめ、IM32で退避走行させることができる。また、第2インバータ34の故障と判断されると、第2インバータ34への通電を停止してIM32の駆動をやめ、PMSM22で退避走行させることができる。
10 回転電機駆動システム、12 直流電源回路、14 蓄電装置、16 電圧変換器、20 前輪駆動部、22 PMSM(第1回転電機)、24 第1インバータ、26 PM駆動回路、28 電圧センサ、30 後輪駆動部、32 IM(第2回転電機)、34 第2インバータ、36 IM駆動回路、38 電圧センサ、40 制御装置、42 システム電圧変動検出部、44 一時的ω2ずらし制御部、46 故障判断部。

Claims (1)

  1. 直流電源回路と、
    前記直流電源回路に接続される第1インバータと、
    前記第1インバータに接続される永久磁石同期型の第1回転電機と、
    前記第1インバータと並列に前記直流電源回路に接続される第2インバータと、
    前記第2インバータに接続される誘導型の第2回転電機と、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する制御装置と、
    を備える回転電機駆動システムであって、
    前記制御装置は、
    前記直流電源回路から前記第1インバータおよび前記第2インバータへ供給されるシステム電圧の変動が所定値を超えるとき、前記第1回転電機の電気周波数と前記第2回転電機の電気周波数との差が大きくなるように前記第2回転電機の電気周波数を変化させ、前記第1回転電機の電気周波数および前記第2回転電機の回転周波数と前記システム電圧の変動周波数とのそれぞれの差分の関係に基づき、前記第1インバータの故障か前記第2インバータの故障かを判断することを特徴とする回転電機駆動システム。
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