JP2015207594A - 固体撮像装置 - Google Patents

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雅之 高瀬
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雅之 高瀬
佐藤 好弘
Yoshihiro Sato
好弘 佐藤
徳彦 玉置
Norihiko Tamaoki
徳彦 玉置
雅史 村上
Masafumi Murakami
雅史 村上
雅之 桝山
Masayuki Masuyama
雅之 桝山
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Abstract

【課題】良好な信号感度を得ることができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像装置の受光面には、光電変換膜と、上部電極膜とが受光面に積層されている。受光面のうち光電変換膜で覆われている領域には、複数の回路セルが行状又は行列状に並べられており、各回路セルは、複数の下部電極21a、21bと、各下部電極に対応するスイッチング素子11a、11bと、読出回路とを含む。各回路セルに存在するそれぞれの下部電極には、光電変換膜による光電変換で得られた信号電荷が到達する。各回路セルに含まれるスイッチング素子のうち、どれを導通状態にするかという状態設定を変化させることで、下部電極における何れか1つのものに到達した電荷、或は、全てに到達した電荷が選択的に読み出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、光電変換膜を備えた固体撮像装置に関する。
従来の固体撮像装置では、受光面に画素セルの二次元配列を形成して、個々の画素セルに、光電変換機能をもたせることで静止画像又は動画像の撮像を行う。光電変換膜を備えた固体撮像装置は、各画素セルの下部電極を、光電変換膜で覆うことで光電変換機能を実現する。
特開2013-80902号公報 特開2001-250931号公報 国際公開WO2013/018293号
ところで特許文献2に記載された固体撮像装置では、入射した光束を光電変換することで得られた電荷が基板方向に進行してしまい、フォトダイオードに取り込まれないことが度々あった。そのため、良好な信号感度を得ることができないという問題点があった。
本発明の目的は、良好な信号感度を得ることができる固体撮像装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、本体基板に、1の光電変換膜と、1の上部電極膜とが積層された固体撮像装置であって、本体基板のうち光電変換膜で覆われている領域は、画素に対応する回路セルが複数、行又は行列状に並べられており、各回路セルは、光電変換膜を介して上部電極膜と対向する複数の下部電極と、複数の下部電極のそれぞれと、一対一に接続されたスイッチング素子からなるスイッチング素子群と、複数のスイッチング素子の全てと接続されている読出回路とを含み、前記複数のスイッチング素子は、何れを導通させるかの選択が可能であり、選択されて導通状態にあるスイッチング素子と接続されている下部電極に到達した信号電荷を読出回路が1の画素値として読み出すことを特徴としている。
上記構成の固体撮像装置では、回路セルに含まれる下部電極と、上部電極との間に電界が発生するので、入射した光束を光電変換することで得られた電荷は基板方向には進行せず、光束の入射角に沿って下部電極に到達する。よって上記構成の固体撮像装置では、良好な信号感度を得ることができる。
固体撮像装置100が組み込まれるカメラ装置の全体構成を示す。 固体撮像装置100の受光面を平面視した際のレイアウトを示す。 画素構成パターンの一例を示す図である。 画素構成パターンの一例を示す図である。 固体撮像装置100の画素領域101における回路構成を示す。 本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置の断面図である。 (a)は図1に示した固体撮像装置の1つの回路セル分の拡大図であり、(b)は選択制御部60による制御を説明するためのテーブルである。 図5に示した固体撮像装置100の断面構成に、シリアルデータ出力回路64、シリアル/パラレル変換回路112、射出瞳を書き加えたものである。 2Dモードにおける転送トランジスタ11の用法を示す図である。 3Dモードにおけるフレーム期間の構成を示す。 2Dモードにおけるフレーム期間の構成を示す。 (a)は、3Dモード時に設定された場合の一フレーム期間における転送トランジスタ11、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16の動作タイミングを示すタイミングチャートである。図11(b)は、2Dモード時に設定された場合の一フレーム期間における転送トランジスタ11、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 (a)は、左目画素の掃引期間における行y,y+1の読み出し内容を示し、(b)は、右目画素の掃引期間における行y,行y+1の読み出し内容を示す。 オートフォーカスモードにおける第1状態、第2状態、第3状態の意味合いを示す図である。 (a)は、オートフォーカスモードにおけるフレーム期間の構成を示す図である。図14(b)は、これらの3つの出力信号を重ね合わせて示す。図14(c)は、これらの3つの出力信号を重ね合わせて示す。 (a)は、焦点検出画素掃引期間を示すタイミングチャートである。図15(b)は、光軸画素掃引期間についてのタイミングチャートである。 図1に示した転送トランジスタ及び読出回路のレイアウト図である。 本発明の実施の形態2に係る固体撮像装置の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。 図17に示した固体撮像装置の1回路セルの断面図である。 本発明の実施の形態3に係る固体撮像装置の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。 本発明の実施の形態3の別態様に係る固体撮像装置の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。 固体撮像装置の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。 固体撮像装置の断面図であり、(a)はF値が大きいときを示し、(b)はF値が小さいときを示す。 実施の形態5に係る固体撮像装置の断面図であり、(a)及び(c)は画素領域の周辺部を示し、(b)は画素領域の中央部を示す。 実施の形態7に係る固体撮像装置の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。 図24に示した固体撮像装置の断面図であり、(a)は画素領域の周辺部を示し、(b)は画素領域の中央部を示す。 変形例に係る固体撮像装置の1画素分の断面図である。 変形例に係る固体撮像装置における転送トランジスタ及び読出回路のレイアウト図である。 変形例に係る固体撮像装置における転送トランジスタ及び読出回路のレイアウト図である。 変形例に係る固体撮像装置における転送トランジスタ及び読出回路のレイアウト図である。 比較例に係る固体撮像装置の断面図である。
[本発明の一態様を得るに至った経緯]
以下、本発明の態様を具体的に説明するに先立ち、本発明の態様を得るに至った経緯について説明する。
従来から、1つの固体撮像装置において、オートフォーカスや三次元画像の撮像を行うために、視点の異なる2つの画像を取得することが求められている。これに対して、例えば、フォトダイオードを備えた構造で、位相差検出を読出回路の制御により行う固体撮像装置が開示されている(特許文献2)。
図30の断面図に示すように、固体撮像装置900は、半導体基板901と、遮光膜908と、マイクロレンズ909とを備える。半導体基板901には、フォトダイオード902a,902bと、転送手段905a,905bと、電荷検出部906a,906bと、素子分離907とが形成されている。フォトダイオード902a,902bの上部は、受光部903a,903bである。受光部903a,903bの間には、素子間領域904が存在している。半導体基板901は、n型半導体で構成される。受光部903a,903b及び素子間領域904のうち、一方はn型半導体、他方はn型半導体で構成される。素子分離907を構成する材料は、酸化膜である。
固体撮像装置900では、受光部903a,904bに蓄積された信号電荷は、それぞれ転送手段905a,905bにより電荷検出部906a,906bへ読み出される。これにより、フォトダイオード902a,902bで光電変換された信号電荷をそれぞれ個別に出力できる。その結果、位相差検出を読出回路の制御により行うことができる。また、電荷検出部906a,906bを配線等で電気的に接続することにより、フォトダイオード902a,902bとで光電変換された信号電荷を合算して出力することができる。
ところで、固体撮像装置900では、フォトダイオード902a,902bは、n型の半導体基板901にp型の不純物をイオン注入することで形成される。一般に、フォトダイオード902a,902bの深さは3μm程度である。そのため、フォトダイオード902a,902bの電荷勾配がばらつくことがある。これにより、例えば、素子間領域904に対応する領域のうちフォトダイオード902aの近傍で発生した信号電荷L900aが基板方向に進行してフォトダイオード902aに取り込まれないことがある。同様にフォトダイオード900bの近傍に存在し、半導体基板の深さ方向に信号電荷L900aと同じ箇所に位置する信号電荷L900bが、基板方向に進行してフォトダイオード902bに取り込まれないことがある。これにより、フォトダイオード902a,902bそれぞれの感度がばらつくおそれがある。
画素間分離904部で光電変換した電荷の中に、基板方向に進行して、電荷捕獲領域へ移動しないものが発生する。これにより感度損失が発生する。
そこで本発明の固体撮像装置は、本体基板に、1の光電変換膜と、1の上部電極膜とが積層された固体撮像装置であって、本体基板のうち光電変換膜で覆われている領域は、画素に対応する回路セルが複数、行又は行列状に並べられており、各回路セルは、光電変換膜を介して上部電極膜と対向する複数の下部電極と、複数の下部電極のそれぞれと、一対一に接続されたスイッチング素子からなるスイッチング素子群と、複数のスイッチング素子の全てと接続されている読出回路とを含み、前記複数のスイッチング素子は、何れを導通させるかの選択が可能であり、選択されて導通状態にあるスイッチング素子と接続されている下部電極に到達した信号電荷を読出回路が1の画素値として読み出すことを特徴としている。この構成では、回路セルに含まれる下部電極と、上部電極との間に電界が発生するので、回路セルに含まれる複数の下部電極の間の領域で発生した信号電荷は、バイアス電圧の印加により、回路セルに含まれる複数下部電極のそれぞれに個別に導かれる。入射した光束を光電変換することで得られた電荷は基板方向には進行せず、光束の入射角に沿って下部電極に到達するので、本発明では、良好な信号感度を得ることができる。
<<実施の形態1>>
先ず始めに、固体撮像装置100が組み込まれるカメラ装置の全体構成について説明する。図1に示すようにカメラ装置は、固体撮像装置100と、レンズ110a−絞り110b−ズームレンズ110c−フォーカスレンズ110dによって構成される光学系110と、オートフォーカスレンズの駆動を行うレンズ駆動制御部111と、固体撮像装置100から読み出された行単位の画素データに対して、シリアル/パラレル変換を施すシリアル/パラレル変換部112と、シリアル/パラレル変換回路112による変換で得られたパラレルデータである一ライン分の画素のデータを格納するラインメモリ113a,bと、左目画像、右目画像、2D画像のデータを格納するフレームメモリ114と、フレームメモリに対する読み出し/書き込みを制御するメモリコントローラ115と、フレームメモリ114に格納された左目画像、右目画像、2D画像を表示に供するディスプレイ116と、固体撮像装置100からの出力のうち、第1位相信号、第2位相信号、基準位相信号に基づいて位相差を算出して、位相差が補正された補正信号を出力する位相差算出部117と、補正された位相信号に対し、ズレ量を算出するズレ量算出部118と、算出されたズレ量に従い、デフォーカス量を算出するデフォーカス量算出部119と、算出されたデフォーカス量に従い、オートフォーカス制御を実行するオートフォーカス制御部120とを含む。
本カメラ装置では、ディスプレイ116をファインダの代わりに使用する。つまり、撮影したい被写体を含む動画像をディスプレイ116に表示して、被写体に焦点があっているか、倍率や構図が正しいかの確認をユーザに行わせる。カメラ装置での撮影では、静止画を撮影する場合も、動画像を撮影する場合も、ディスプレイ116に動画像を表示させることが前提になるから、固体撮像装置100は、ディスプレイ116のフレーム期間内に、2D画像、左目画像及び右目画像の読み出しを完了する。具体的には、ディスプレイ116のフレームレートが23.976Hzであると、固体撮像装置100はフレーム期間である1/23.976秒内に画像読み出しを完了し、フレームレートが59.94Hz、50Hzであると、固体撮像装置100はフレーム期間である1/54.94秒、1/50秒内に画像読み出しを完了する。
図2は、固体撮像装置100の受光面を平面視した際のレイアウトを示す。本図に示すように、固体撮像装置100の受光面には、複数のマイクロレンズ70a,b,c,d,e,fが行状、及び、列状に配置されることで、マイクロレンズの二次元配列を形成している。個々のマイクロレンズは、断面視においてドーム形状になっており、その材質は透光性樹脂である。材質として透光性樹脂を採用しているから、受光面の平面視では、一対の下部電極21が透けてみえる。下部電極21は、左側の下部電極21aと、右側の下部電極21bとから構成される。本実施形態では、この下部電極21と、マイクロレンズ70との組みが一個の“回路セル”を構成する。ここで『回路セル』とは、画素セルのうち、固体撮像装置の基板本体に組込まれている部分のことである。一般の固体撮像装置では、固体撮像装置の断面構成において、一個の“画素”として機能する部分のことである。具体的にいうと、一個の画素としての機能を担う上部電極の対、光電変換部、下部電極の対、スイッチング素子の対、読出回路が画素セルを構成する。これに対して本実施形態に係る固体撮像装置では、上部電極及び光電変換が一体構成になっており、画素毎に区分けされている訳ではない。そこで本実施形態では、基板本体に組込まれた部分であって、一個の画素に相当するもの(下部電極の対、スイッチング素子の対、読出回路)を“回路セル”と呼び、かかる回路セルが画素セルと同等の機能を果たすものとする。
図2では、5つの画素セル30cからなる配列が、横方向に並んでいる。これらの画素セルが、行方向と、列方向とに並ぶことで、SD画質(640×480)、1KのFullHD画質(1920×1080)、4K画質(7680×4320)といった解像度の画像が撮影されることになる。
次に、固体撮像装置の画面構成パターンについて説明する。画面構成において、一個の回路セルに対応する下部電極には、図2に示したように水平方向に分離した一対の下部電極から構成されているもの(分離電極という)と、一つの下部電極から構成されているもの(一体電極という)とがある。画素を分離電極、一体電極の何れで構成するかについては、様々なパターンがある。1つ目は、全ての回路セルを分離電極で構成するというもの、2つ目は、一部の回路セルを一体電極で構成するというものである。
図3(a)は、一部の画素を分離電極の回路セルで構成するという画面構成パターンを示す。図3(a)と、図2とを比較すると、行列状に配列された複数のマイクロレンズのうち一部のものが太線枠で囲まれていて、太線枠で囲まれた画素が、分離電極の回路セルで構成されている点が異なる。この太線枠で囲まれた画素が「焦点検出画素」である。これら焦点検出画素以外の画素は、一体電極の回路セルで構成されており、R(赤)G(緑)B(緑)という3原色の階調ビット値をもつ「RGB画素」となる。焦点検出画素の中で、受光面の中央に存在するものは、分離電極の回路セルで構成されていて、レンズの光軸位置に存在する「光軸画素」であり、位相差信号の算出にあたって基準となる。図3(a)の画面構成パターンにおいて、どの画素を一体電極にするかについては、更なるバリエーションがある。つまり、行方向にならぶ複数画素の画素列を一体電極の焦点検出画素とするのではなく、一個の飛び飛びの画素を焦点検出画素にするという画面構成パターンも存在する。
図3(b)は、全ての画素を分離電極の回路セルで構成するという画面構成パターンを示す。図3(b)の画面構成パターンでは、全ての画素が一体電極の回路セルで構成されているから、各画素は、「焦点検出画素」、「RGB画素」の双方として機能する。
図4は、固体撮像装置100の画素領域101における回路構成を示す。図4に示すように、固体撮像装置100の画素領域101は、行方向及び列方向に配置された複数の回路セルce1,2,3,4,5,6・・・・の二次元配列と、複数の回路セルの垂直方向に配置された選択制御部60と、選択制御部60に対して選択対象を提示する選択情報入力部61と、複数の回路セルと水平方向に接続する信号出力部62とから構成される。信号出力部62の内部には、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)63a,b・・・n、シリアルデータ出力回路64、水平駆動部65が存在する。
二次元配列における個々の回路セルは、下部電極21a、下部電極21bを中核とした共通の構成になっている。その共通構成とは、一点鎖線枠fr1に示すように、下部電極21a、21bのそれぞれと接続された転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bと、転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bの双方のドレイン極に接続された読出回路12とを含むというものである。
転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bのゲート極は、水平方向の選択線se1,2,3,4,5,6のそれぞれと接続されていて、複数の行方向の配線のうち、何れかの電圧レベルをHighに設定することで、行列状に配置された複数の回路セルのうち、任意の行に属するものの全ての転送トランジスタをオンに設定することができる。また、転送トランジスタ11a側のみをオンにしたり、転送トランジスタ11b側のみをオンにしたり、転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bの双方をオンに設定することもできる。
画素領域101には、列方向に出力線op1,2,3が配置されている。列方向に存在する複数の回路セルの読出回路12における転送トランジスタ11a,bのドレイン極は、この出力線op1,2,3と接続されている。こうすることで、列方向に存在する複数の回路セルのうち、選択線を通じて選択された行に存在するものの出力電圧がADC63a,b・・・nに供されることになる。
以上が固体撮像装置100の概略的な回路構成についての説明である。続いて、固体撮像装置100の断面構造の詳細について説明する。
図2において、一点鎖線Z-Z’の箇所で固体撮像装置100を切断した場合の断面構成を図5に示す。図5の断面図に示すように、固体撮像装置100は、基板の本体(半導体基板10、層間絶縁膜20、下部電極21a,b、配線22a,bを含む)と、この本体に積層された光電変換膜30と、上部電極40と、保護膜50とから構成される。以下、これらの構成要件について説明する。
半導体基板10は、例えば、シリコン基板を材質としている。
層間絶縁膜20は、半導体基板10の表面を覆っており、酸化シリコンを材料としている。この層間絶縁膜20の表面には、下部電極21a,bの極板が露出している。
下部電極21a,bは、層間絶縁膜20の表面に存在する極板であり、例えば、Al(アルミニウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、TiN(窒化チタン)を材質として形成される。下部電極21は、例えば、Al等からなる単層構造でもよいし、例えば、AlとTiNとからなる積層構造でもよい。配線22を構成する材料は、例えば、Al、Cuである。
配線22a,bは、半層間絶縁膜20を厚さ方向に貫通して、導体基板10と下部電極21a,bとを相互に接続する。
光電変換膜30は、入射光を信号電荷に変換する機能を有する。光電変換膜30を構成する材料は、例えば、α-シリコン膜のような無機光導電膜や、有機光導電膜である。光電変換膜30の厚みは、例えば、300nm〜600nmである。
上部電極40は、外部から配線を介して電圧が印加されている。上部電極40を構成する材料は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)である。
保護膜50は、下部電極21及び光電変換膜30を、水や酸素から保護する機能を有する。保護膜50を構成する材料は、例えば、SiN(窒化シリコン)である。
以上が光電変換装置100の断面構造についての説明である。続いて、半導体基板10に存在する構成要素(転送トランジスタ11、読出回路12)について説明する。
転送トランジスタ11は、例えば、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)トランジスタの一種であるMOSトランジスタである。転送トランジスタ11aの一端(ソース)には下部電極21aが接続され、転送トランジスタ11bの一端(ソース)には下部電極21bが接続されている。転送トランジスタ11aの他端(ドレイン)と転送トランジスタ11bの他端(ドレイン)とは、互いにノード14において接続されている。転送トランジスタ11は、下部電極21で捕らえた信号電荷を、拡散領域23a,23bを介して、ノード14に転送する。転送トランジスタ11のゲートは、選択制御部60(不図示)に接続されている
読出回路12は、リセットトランジスタ13と、ノード14と、増幅トランジスタ15と、選択トランジスタ16とを含む。この読出回路12の構成要素(リセットトランジスタ13、ノード14、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16)について説明する。
リセットトランジスタ13は、ノード14の寄生容量に蓄積された信号電荷を、電源線(不図示)へ排出する。リセットトランジスタ13のゲートは、リセット線(不図示)に接続されている。
ノード14は、半導体基板10に形成された拡散層であり、フローティングディフュージョンである。ノード14の寄生容量により、信号電荷は信号電圧に変換される。ノード14は、各回路セル30cに対して1つ存在している。
増幅トランジスタ15は、ノード14から出力された信号電圧を増幅して出力する。増幅トランジスタ15のソースは、電源線(不図示)に接続されている。
選択トランジスタ16は、例えば、MOSトランジスタであり、信号電圧を検出する回路セル30cを選択する。選択トランジスタ16のゲートは、選択線(不図示)に接続されている。以上が半導体基板10及びその構成要件についての説明である。
次に、固体撮像装置の動作について、「下部電極における信号電荷の捕獲」、「信号電荷の転送」の2段階に分けて説明する。
図6(a)は、図5のうち、1つの回路セル30cに対応する部分を拡大した図である。なお、同図におけるL1〜L4は、光電変換膜で発生した信号電荷の一部を示している。
下部電極21a及び下部電極21bとノード14との間には、それぞれ転送トランジスタ11a及び転送トランジスタ11bが介挿されている。下部電極21と上部電極40との間には、電位差が与えられていることにより電界が生じる。このとき、信号電荷の流れの分水嶺31は、下部電極21a及び下部電極21bの間隔の中心に対応するように形成される。この構成では、光電変換膜30において入射光から光電変換された信号電荷L1,L4は、下部電極21と上部電極40との間の電界に応じて下部電極21a及び下部電極21bにそれぞれ導かれる。ところで、光電変換膜30の膜厚が、例えば、300nm〜600nm程度である場合、下部電極21と上部電極40との間の電位差は、例えば、5V〜15V程度である。このとき、下部電極21aと下部電極21bとの間隔l1は、例えば、150nm〜500nmである。この構成では、下部電極21a及び下部電極21bの間隔に対応する領域で発生した信号電荷L2,L3は、下部電極21a及び下部電極21bへそれぞれ導かれる。
信号電荷の誘導について更に具体的に説明する。一般に、フォトダイオードを用いた固体撮像装置では、フォトダイオードの深さは3μm程度である。一方、光電変換膜30の厚さは、上述のように300nm〜600nm程度であり、フォトダイオードの深さ(3μm程度)の10%〜20%程度である。このように、光電変換膜30の厚みは、フォトダイオードの深さよりも薄い。そのため、光電変換膜30における、下部電極21a及び下部電極21bの間隔に対応する領域で発生した信号電荷L2,L3であっても、光電変換膜30中の電界にしたがって移動し、下部電極21a及び下部電極21bへそれぞれ明確に区別して導かれる。このように、下部電極21a及び下部電極21bに対応する信号電荷を個別に検出することができる。その結果、固体撮像装置100では、フォトダイオードを用いた構成よりも、下部電極21a及び下部電極21bに対して感度ロスを抑制できる。
下部電極21a及び下部電極21bに蓄積された信号電荷は、転送トランジスタ11a,11bを介して読出回路12に出力される。転送トランジスタ11a,11bの制御は、図4に示した選択制御部60と、選択情報入力部61とが行っている。以下、選択制御部60、選択情報入力部61について説明する。
選択制御部60は、外部の選択情報入力部61からモード選択情報を受け付ける。図6(b)は、下部電極21a及び下部電極21bの状態設定の一例を示す。図6(b)のテーブルは、第1状態、第2状態、及び第3状態のときに、いずれの転送トランジスタ11a,11bをオン状態及びオフ状態とするかを示している。第1状態では、転送トランジスタ11aのみがオン状態となる。第2状態では、転送トランジスタ11bのみがオン状態となる。第3状態では、転送トランジスタ11a,11bの両方がオン状態となる。
選択情報入力部61は、例えば、カメラ装置が有するシャッターボタンやタッチパネルの押下を通じて、ユーザから選択情報の入力を受け付ける。シャッターボタンによる場合、半押し状態でオートフォーカスモードを選択する。また、タッチパネルによる場合、2Dモードまたは3Dモードの選択を受け付けることが考えられる。 以上が半導体基板100の構成要件についての説明である。続いて、カメラ装置の動作モードにおいて、転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bの状態がどのような意味合いをもつかについて説明する。先ず始めに、カメラ装置の動作モードのうち、3Dモードにおける転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bの状態設定について説明する。図7は、3Dモードにおける下部電極21a、下部電極21a,bへの入射光と、転送トランジスタ11a,b,c,dからの出力とを示す。
図7は、図5に示した固体撮像装置100の断面構成に、シリアルデータ出力回路64、シリアル/パラレル変換回路112、射出瞳を書き加えたものである。本図と図5とを比較すると、以下の点が異なる。
第1に、光束が描かれている点が異なる。これは、図5では保護膜50の上部に何も描かれなかったのに対して、図7では、保護膜50の上部にマイクロレンズ70が描かれていて、このマイクロレンズの表面で、射出瞳におけるR測距瞳からの光束fx1,2、射出瞳におけるL測距瞳からの光束fx3,4が結像している点が異なる。ここで射出瞳とは、レンズを後ろから見たときの、見かけの絞り径であり、開口絞りの像空間における像のことであり、オートフォーカスレンズ110dの後部に存在する。下部電極からSDまでの距離は、SD距離と呼ばれ、レンズ110a、ズームレンズ110c、オートフォーカスレンズ110dの曲率と、マイクロレンズの曲率とから定まる。L測距瞳とは、下部電極の対のうち、左目側の極を射出瞳に写像することで得られる写像領域であり、R測距瞳とは、下部電極の対のうち、右目側の極を射出瞳に写像することで得られる写像領域である。射出瞳では、L測距瞳と、R測距瞳とに視差が存在するから、これらのL測距瞳、R測距瞳から射出される光束fx1,2,3,4は、左目画像、右目画像を構成することになる。
R測距瞳から射出された光束fx1,2、L測距瞳から射出された光束fx3,4は、マイクロレンズの表面で結像し、かかる光束を光電変換膜30が変換することで得られる電荷が、下部電極21a、下部電極21bに到達する。このような電荷が到達する状態で、転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bは、第1状態、第2状態の何れかに設定される。第1状態に設定されることで、下部電極21a側の転送トランジスタがオンになるから、L測距瞳からの光束に対応する電荷により読出回路12の出力電圧が上昇する。
第2に、読出回路12の出力先が異なる。これは、図5では、読出回路12の出力先が描かれていなかったのに対して、図7では、読出回路12の出力先としてADC63a,b、シリアルデータ出力回路64、シリアル/パラレル変換回路112からなる画像の出力系統が描かれているという違いである。読出回路12の出力電圧は、ADC63a,bに供されるから、ADC63a,bは、かかる電圧を所定の量子化幅のビット幅のビット値に変換する。これにより、左目画像又は右目画像を構成する画素のR値,G値,B値の何れか(以下、R値/G値/B値と表記する)が出力されることになる。一行分の回路セルからの出力電圧がデジタル値に変換されることから、左目画像、右目画像の一行分のライン画素のR値/G値/B値が出力される。以上が3Dモードについての説明である。続いて、2Dモードの動作について説明する。
図8は、2Dモードにおける転送トランジスタ11の用法を示す図である。本図と図7とを比較すると、以下の差異が存在する。
第1に、射出瞳から射出される光束の数が異なる。これは図7では、R測距瞳、L測距瞳から射出された光束が射出瞳に到達していたのに対して、図8では、1つの光束fx5,6がマイクロレンズ70に到達しているという違いである。マイクロレンズに到達するのは、1つの光束であるから、下部電極21a、下部電極21bに到達する電荷は、1つの光束を光電変換することで得られるものとなる。
第2に、一対の転送トランジスタ11の状態設定が異なる。これは図7において転送トランジスタ11a,b,c,dは、第1状態/第2状態の何れかに設定されていたのに対して、図8では、第3状態に設定されているというものである。射出瞳から射出される光束のうち、マイクロレンズで結像するものは、光電変換膜30により電荷に変換されて下部電極21a、下部電極21bに到達する。この際、転送トランジスタ11a,b,c,dは第3状態に設定される。これにより読出回路12からの出力は下部電極21a、下部電極21bに到達した電荷の合算値、及び、下部電極21c、下部電極21dに到達した電荷の合算値となる。ADC63a,bにより読出回路12からの出力がデジタル値に変換されることで、2D画素のR値/G値/B値が出力される。シリアルデータ出力回路64は、このようにして変換された一行分の2D画素のR値/G値/B値を出力する。
以下、図9を参照しながら、右目画像、左目画像の読み出しの過程について説明する。フレーム期間の構成を示す図である。本図に示すように3Dモードのフレーム期間は、左目画像掃引期間と、右目画像掃引期間とで構成される。左目画像掃引期間とは、1,2,3,4〜Nというように、各行を選択しつつも、選択された行に対応する一ライン分の転送トランジスタを第1状態に設定するという方式で、画素の掃引を行う期間をいう。図の左目画像掃引期間において、第1段目は、選択制御部60による各行の選択を示す。第2段目は各転送トランジスタにおける状態設定を示す。第3段目は、行単位の画素の出力により左目画像が形成されてゆく過程を示す。
右側は、右目画像掃引期間を示す。1,2,3,4〜Nというように、各行を選択してゆく点は、左目画像掃引期間と、右目画像掃引期間との共通点である。差異は、転送トランジスタ11の状態設定に存在する。これは、左目画像掃引期間では、読み出し対象となる行の転送トランジスタ11を第1状態に設定していたのに対して、右目画像掃引期間では、読み出し対象となる行の転送トランジスタ11を第2状態に設定しているというものである。かかる状態設定の違いにより、第3段目に示すように、右目画像が一ラインずつ形成されてゆく。
図10は、2Dモードにおけるフレーム期間(2D画像掃引期間)の構成を示す。第1段目〜第3段目の意味合いは、図9と同じである。差異は、第2段目に記載された転送トランジスタ11の状態設定である。これは、図9では転送トランジスタ11の状態が第1状態、第2状態に設定されていたのに対して、図10では、第3状態に設定されているという違いである。
図11(a)は、3Dモード時に設定された場合の一フレーム期間における転送トランジスタ11、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16の動作タイミングを示すタイミングチャートである。横軸は時間軸であり、縦軸は、回路素子の7つの出力に割り当てられている。1段目における「VTR13」はリセットトランジスタ13の出力、2段目の「VTR11a」は転送トランジスタ11aの出力、3段目の「VTR11b」は転送トランジスタ11b、4段目の「VTR16」は選択トランジスタ16、5段目の「VN14」はノード14、6段目の「Vout」は読出回路12、7段目の「ADC」は、ADC63a,b・・・nの出力をそれぞれ意味する。左目画像掃引期間、右目画像掃引期間、2D画像掃引期間における回路素子の出力は周期的に変化する。図中のt0,t1,t2,t3は、出力周期の要所となるタイミングを示す。具体的にいうと、t0は、VTR16がLowからHighに切り替えるタイミング、t1、t3はTR13がLowからHighに切り替わるタイミング、t2は、TR11a,bの何れか一方、又は、双方がHighに切り替わるタイミングを示す。
図11(a)の左目画像掃引期間では、t0においてVTR13がHighになると、VN14、VoutもあわせてHighになる。この際のVN14、Voutの電圧はV1,V1outになる。以下、左目画像掃引期間の動作を詳しく説明する。t0において選択トランジスタ16のゲート電圧VTR16がHighレベルとなり、t1においてリセットトランジスタ13のゲート電圧VTR13がHighレベルとなると、t1においてノード14の電位VN14が電源電圧となる。このとき、信号線の電位Voutは、Highレベルである。t2では、転送トランジスタ11aのゲートのみにオン電圧を出力することで、転送トランジスタ11aのみをオン状態とする。すなわち、転送トランジスタ11aのゲート電圧VTR11aがHighレベルとなる。すると、下部電極21aからノード14に向かって転送トランジスタ11aにドレイン電流が流れる。このように、転送トランジスタ11aをオン状態とし、転送トランジスタ11bをオフ状態とすることで、下部電極21aに導かれた信号電荷のみをノード14に読み出すことができる。その後、転送トランジスタ11aのドレイン電流が、増幅トランジスタ15のゲートをオン状態にできるほど大きくなると、増幅トランジスタ15にドレイン電流が流れる。このとき、選択トランジスタ16のゲートにオン電圧が印加されているので、t2において増幅トランジスタ15から信号電圧V1outを外部に出力することができる。信号電圧V1outは、ノード14の電位差V1を増幅した値である。かかるV1outをデジタル値に変換することで、左目画像のR値/G値/B値が得られる。
これらの動作後、t3においてリセットトランジスタ13をオンする。こうすることでノード14に信号電荷が残っていたとしても、当該信号電荷を外部に排出できる。これにより、固体撮像装置100の信号電圧を適切に検出することができる。そのため、固体撮像装置100ではノイズを低減できる。その結果、固体撮像装置100の感度を向上できる。
図11(a)の右側における右目画像掃引期間では、時点t1での動作は左目画像掃引期間と同じになる。時点t2での動作が左目画像掃引期間とを異なる。時点t2では、VTR11aがオンとならず、代りにVTR11bがオンになる。この際のVN14、Voutの電圧はV2,V2outになる。以下、右目画像掃引期間の動作を詳しく説明する。右目画像掃引期間が開始すると、t1においてリセットトランジスタ13のゲート電圧VTR13がHighレベルとなる。これにより、t1においてノード14の電位VN14が電源電圧となる。このとき、信号線の電位VoutはHighレベルである。t2では、転送トランジスタ11bのゲートのみにオン電圧を出力することで、転送トランジスタ11bのみをオン状態とする。すなわち、t2では、転送トランジスタ11bのゲート電圧VTR11bがHighレベルとなる。このように、下部電極21bに導かれた信号電荷のみをノード14に読み出すことができる。その後の動作は、第1状態の場合と同様に行われる。信号電圧V2outは、ノード14の電位差V2を増幅した値である。かかるV2outをデジタル値に変換することで、右目画像のR値/G値/B値が得られる。
選択制御部60が下部電極21a及び下部電極21bのうち1つのみがノード14と接続されるように状態設定を行うことで、下部電極12a,bに対応する信号電荷をそれぞれ個別に出力することができる。すなわち、回路セル30cを分割して、信号電荷をそれぞれ個別に出力することができる。その結果、読出回路の制御により、1つの回路セル30cから視点の異なる2つの画素を取得することができる。そして、1つの固体撮像装置100のみで、視点の異なる2つの画像を取得している。そのため、固体撮像装置100では、2つの固体撮像装置を用いる場合よりも、例えば、固体撮像装置100を用いるカメラ装置の大型化も抑制しつつ、視点の異なる2つの画像を取得することができる。
図11(b)は、2Dモード時に設定された場合の一フレーム期間における転送トランジスタ11、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16の動作タイミングを示すタイミングチャートである。時点t0でVTR16がHighになり、時点t1でVTR13がHighになる点は、図11(a)と同じである。時点t2での動作に差異が存在する。それは、(b)では時点t2において、VTR11a、VTR11bの双方がHighになっている。これによりVN14はV1,2となり、VoutがV1,2outとなる。
時点t0では選択トランジスタ16のゲート電圧VTR16がHighレベルとなる。時点t1では、リセットトランジスタ13のゲート電圧VTR13がHighレベルとなる。これにより、ノード14の電位VN14が電源電圧となる。このとき、信号線の電位Voutは、Highレベルである。時点t2では、転送トランジスタ11a,11bの両方のゲートにオン電圧を出力し、転送トランジスタ11a,11bの両方をオン状態とする。すなわち、転送トランジスタ11aのゲート電圧VTR11aと転送トランジスタ11bのゲート電圧VTR11bとがHighレベルとなる。このように、下部電極21a及び下部電極21b両方に蓄積された信号電荷を、合算してノード14に読み出すことができる。その後の動作は、第1状態の場合と同様に行われる。信号電圧V1,2outは、ノード14の電位差V1,2を増幅した値である。信号電圧V1,2outをデジタル化することで、2D画像の個々の画素を構成するR値/G値/B値が得られる。
選択制御部60が下部電極21a及び下部電極21bの両方をノード14と接続することで、下部電極21a,bに対応する信号電荷を任意に合算して出力することができる。これにより、例えば、下部電極21a,bの両方を用いて撮像画像を得ることができる。また、下部電極21a,bの両方に対応する信号電荷を合算して読み出す場合、下部電極21a,bの両方に対応する信号電荷を個別に読み出す場合よりも、読み出される信号電荷が大きくなる。これに伴い、相対的にノイズの大きさが小さくなり、撮像画像のS/N比を向上することができる。さらに、この構成では、光電変換膜30にて光を信号電荷に変換している。これにより、固体撮像装置100において、フォトダイオードを用いた構成よりも、下部電極21a,bでの感度のばらつきを低減することができる。
読出回路12からのそれぞれの出力が、R値/G値/B値のうちどれに該当するかは、カラーフィルタの構成によって定まる。カラーフィルタがベアラ構成である場合、固体撮像装置100からの出力は、G,R,G,R,G,R,G,R,・・・・・・の組みをなす行(これを行yという)と、B,G,B,G,B,G,B,G,・・・・・の組みをなす行(これを行y+1という)とが交互に配置されるというものになる。シリアル/パラレル変換では、この行y,y+1におけるR値/G値/B値の順序を並び替えて8ビットのR値、8ビットのG値、8ビットのB値の組みからなるRGB画素を得る。行y、y+1における8ビットのR値、G値、B値を並びかえる過程を示したのが図12である。
図12(a)は、左目画素の掃引期間における行y,y+1の読み出し内容を示し、(b)は、右目画素の掃引期間における行y,行y+1の読み出し内容を示す。本図において、ADCの変換で得られたビット値は、8ビットのビット幅をもつことにする。図中の[bi、bj]という表記は、行y,y+1のシリアルデータにおけるiビット目からjビット目までの部分ビットを示す。図中の矢印aw1,2,3,4・・・・は、行y,y+1のシリアルデータからの部分ヒットの取り出しを示す。本図に示すように、行yのシリアルデータにおけるb0からb7までの8ビットのG値と、b8からb15までに存在する8ビットのR値と、行y+1におけるシリアルデータの0ビット目から7ビット目までに存在する8ビットのB値とを組みあわせて、左目画像の一画素を構成する24ビット長のRGB値を得る。右目画像掃引期間でも同様の選択を行う。
オートフォーカスモードの動作について説明する。位相差を用いたオートフォーカスモードについて簡単に説明する。光学系に収差が存在しない場合、射出瞳から射出された光束の像は、結像面において空間的な広がりをもたず“点”となる。しかし実際には、光学系に収差が存在するから、射出瞳から射出された光束の像は、結像面における像が空間的な広がりをもつ。かかる収差を最小化すべく、オートフォーカスモードでは、光軸に存在する画素と、焦点検出画素とから位相基準信号と、第1、第2位相信号を生成する。そして、これらの位相差から位相のズレ量と、デフォーカス量とを算出し、デフォーカス量からオートフォーカスレンズの駆動量を導く。図13は、オートフォーカスモードにおける第1状態、第2状態、第3状態の意味合いを示す図である。図7と比較すると、以下の差異が存在する。
第1に、対応する画素が異なる。これは、図7では、RGB画素に対応していたのに対して、図13は、焦点検出画素に対応しているというものである。図中の光束fx7,8,9,10は、これら焦点検出画素となる光束である。
第2に、転送トランジスタ11の状態設定が異なる。これは、図7は3Dモードを対象にしていて、転送トランジスタ11が第1状態、第2状態の何れかに設定されるのに対して、図13では、光軸上の焦点検出画素のうち、レンズの光軸上に存在するものが第3状態に設定され、焦点検出画素のうち光軸以外に存在するものは、第1状態、及び、第2状態に設定されているという違いである。
第3に、読出回路12からの出力が異なる。これは、図7では読出回路12の出力が3D画像の出力系統に供され、左目画像、右目画像のR値/G値/B値に変換されていたのに対して、図13では、読出回路12の出力を、ADCで変換したものが転送トランジスタ116ーズレ量算出部118−デフォーカス量算出部119−レンズ駆動制御部111からなるオートフォーカスの制御系に供給するというものである。具体的にいうと、読出回路12の出力をAD変換に供することで得られた位相基準信号、第1位相信号、第2位相信号は、位相差算出部117に供給される。位相差算出部117により、第1位相信号、第2位相信号と、位相基準信号との位相差が算出されて、この位相差を補正することで得られた第1補正信号、第2補正信号がズレ量算出部118に出力される。ズレ量算出部118ではズレ量が、デフォーカス量算出部119ではデフォーカス量が算出される。これにより、レンズ駆動量ΔFが定まり、フォーカスレンズ110dを駆動する。
以下、図14を参照しながら、オートフォーカスモードにおける画素読み出しの過程について説明する。図14(a)は、オートフォーカスモードにおけるフレーム期間の構成を示す図である。本図に示すようにフレーム期間は、左目画像掃引期間、右目画像掃引期間だけではなく、焦点検出画素掃引期間を含む。焦点検出画素掃引期間とは、光軸にあたる画素の行を選択して、当該画素に対応する転送トランジスタを第3状態に設定すると共に、光軸画素以外の焦点検出画素が存在する行を選択して、選択された行に対応する転送トランジスタを第1状態、第2状態に設定するという方式で画素の掃引を行う期間をいう。図14(b)は、焦点検出画素掃引期間の構成を示す。図14(b)の第1段目は、選択制御部60による各行の選択を示す。この第1段目に示すように、焦点検出画素掃引期間は、光軸にあたる中央行を選択する期間、焦点検出画素の行を1回目に選択する期間、焦点検出画素の行を2回目に選択する期間によって構成される。第2段目は、各選択期間の状態設定を示す。光軸にあたる中央行を選択する期間では、この第2段目に示すように中央列にあたる転送トランジスタを第3状態に設定する。焦点検出画素の行を1回目に選択する期間では、この第2段目に示すように焦点検出画素の列に対応する転送トランジスタを第1状態に設定する。焦点検出画素の行を2回目に選択する期間では、焦点検出画素の列に対応する転送トランジスタを第2状態に設定する。
第3段目は、光軸にあたる中央行を選択する期間、焦点検出画素の行を1回目に選択する期間、焦点検出画素の行を2回目に選択する期間のそれぞれで出力される出力信号を示す。光軸にあたる中央行を選択する期間では、位相基準信号が出力され、焦点検出画素の行を1回目に選択する期間では第1位相信号、焦点検出画素の行を2回目に選択する期間では第2位相信号がそれぞれ出力される。図14(c)は、これらの3つの出力信号を重ね合わせて示す。本図に示すように、これらの信号は位相差をもっていて、この位相差からデフォーカス量が定まる。
オートフォーカスモード時に設定された場合の一フレーム期間における転送トランジスタ11、増幅トランジスタ15、選択トランジスタ16の動作タイミングについて説明する。
図15(a)は、光軸画素を除く焦点検出画素を読み出す場合のタイミングチャートである。光軸画素を除く焦点検出画素を読み出す場合の動作タイミングは、図11(a)と同様のものになる。t2において転送トランジスタ11aをオン状態とし、転送トランジスタ11bをオフ状態とすることで、下部電極21aに導かれた信号電荷のみをノード14に読み出す。このとき、選択トランジスタ16のゲートにオン電圧が印加されているので、増幅トランジスタ15から信号電圧V1outを外部に出力することができる。信号電圧V1outは、ノード14の電位差V1を増幅した値である。かかるV1outをデジタル値に変換することで、第1位相信号が得られる。
逆に、t2において転送トランジスタ11aをオフ状態とし、転送トランジスタ11bをオン状態とすることで、下部電極21bに導かれた信号電荷のみをノード14に読み出す。このとき、選択トランジスタ16のゲートにオン電圧が印加されているので、増幅トランジスタ15から信号電圧V2outを外部に出力することができる。信号電圧V2outは、ノード14の電位差V2を増幅した値である。かかるV2outをデジタル値に変換することで、第2位相信号が得られる。
図15(b)は、光軸画素を読み出す場合の動作タイミングを示すタイミングチャートである。光軸画素を読み出す場合の動作タイミングは、図11(b)と同様のものになる。選択制御部60は、t2において転送トランジスタ11a,11bの両方のゲートにオン電圧を出力し、転送トランジスタ11a,11bの両方をオン状態とする。すなわち、転送トランジスタ11aのゲート電圧VTR11aと転送トランジスタ11bのゲート電圧VTR11bとがHighレベルとなる。こうすることで下部電極21a及び下部電極21b両方に蓄積された信号電荷を、合算してノード14に読み出す。その後の動作は、第1状態の場合と同様に行われる。信号電圧V1,2outは、ノード14の電位差V1,2を増幅した値である。かかるV1,2outをデジタル値に変換することで位相基準信号が得られる。
以上がカメラ装置の各動作モードにおける構成要件間の入出力についての説明である。続いて、読出回路のレイアウトについて説明する。
図16は、半導体基板10を平面視した場合の図であって、転送トランジスタ11a,11b及び読出回路12のレイアウトの一例を示している。
半導体基板10には、フォトダイオードを用いる固体撮像装置のように受光部は形成されない。フォトダイオードを用いる場合、転送トランジスタのソースは受光部で構成される。そのため、転送トランジスタのソースは大きく形成する必要がある、一方、固体撮像装置100では転送トランジスタ11a,11bのソースに相当する拡散領域23a,23bは、半導体基板10と配線22a,22bとの接続コンタクト部のみを囲むように小さく形成することができる。そのため、この構成では、フォトダイオードを用いる構成よりも、読出回路12の設計の自由度が向上する。そのため、例えば、増幅トランジスタ15のゲート長を拡大することで、回路セルごとの特性ばらつきを低減し、撮像画像の画質のざらつきを抑えることができる。また、例えば、増幅トランジスタ15のゲート幅を拡大することで、ノイズを低減でき、増幅トランジスタ15の駆動を高速化することができる。
さらに、半導体基板10において、転送トランジスタ11a,11bの間に、読出回路12を構成する素子であるリセットトランジスタ13が配置されている。この構成により、転送トランジスタ11a,11bのゲートの間の容量カップリングを抑えることができる。そのため、例えば、転送トランジスタ11aがオフ状態であり、転送トランジスタ11bがオン状態であるときに、転送トランジスタ11aのゲートが、隣接する転送トランジスタ11bのゲートからの影響を受けて、オン状態になることを抑制できる。これにより、下部電極21aから転送される信号電荷のみが検出されるべき第1状態において、下部電極21a及び下部電極21bの両方から転送される信号電荷が検出されることを防止できる。
転送トランジスタ11aのソースとドレインとを結ぶ軸11aαは、転送トランジスタ11bのソースとドレインとを結ぶ軸11bαと平行である。一方、同図における点線は、配線26を示している。転送トランジスタ11aのドレインと配線26とのコンタクトホールである接続部21a´と、転送トランジスタ11bのドレインと配線26との接続部21b´とを結ぶ軸21a´b´αは、軸11bαと直交する。この構成により、転送トランジスタ11a,11bとノード14とを接続する配線26について、半導体基板10を平面視した時の配線26の面積を小さくできる。その結果、配線26の配線容量が抑制され、1つの信号電荷あたりの信号振幅が大きくなる。従って、仮にノイズが発生しても信号電荷に対するノイズの割合は小さくなる。これにより、信号振幅が小さい場合よりも、ノイズの影響を低減でき、撮像画像の画質を向上できる。
以上のように本実施形態によれば、第1状態あるいは第2状態において、下部電極21a及び下部電極21bに蓄積された信号電荷を個別に読み出して、撮像することも可能であるし、第3状態において、下部電極21a及び下部電極21bに蓄積された信号電荷をあわせて読み出して、撮像することも可能である。下部電極21a及び下部電極21bに導かれた信号電荷のそれぞれ個別の出力と、1つの回路セル全体での信号電荷の合算した出力との両方を得ることが可能になるから、例えば、フォーカス動作と撮像とを切り替えることができ、オートフォーカス機能を備えた固体撮像装置100を実現することができる。
また、転送トランジスタ11a,11bでは、オン状態及びオフ状態を転送トランジスタ11a,11bのゲートに印加する電圧によって切り替えることができる。そのため、転送トランジスタの状態設定の切り替えを簡便に行うことができる。
<<実施の形態2>>
実施の形態2は、実施の形態1の固体撮像装置に対して、1つの回路セルが1つのマイクロレンズとマトリクス状の複数の下部電極を有する点で異なる。
図17は本実施の形態に係る固体撮像装置300の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。各マイクロレンズ70は、1つの回路セル30cに対応する。また、各マイクロレンズ70は、下部電極321a,321b,321c,321d,321e等の5行5列の合計25個の下部電極を覆うようにそれぞれ設けられている。
図18の断面図は、図17のA-A´での断面図である。図18における点線LA〜LEは、入射光のうち各下部電極321a〜321eで検出される光の主光線を示している。例えば、下部電極321cであれば、主光線としてマイクロレンズ70に垂直に入射する光LCが検出される。下部電極321aであれば、主光線として図面右側から角度がついてマイクロレンズ70に入射する光LAが検出される。つまり、1つの回路セル内の各下部電極321a〜321eは、それぞれ異なった方向からマイクロレンズ70に入射した光を検出する。そのため、各下部電極321a〜321eに蓄積される信号電荷は、それぞれ異なった角度から入射された光によるものである。一方、各下部電極321a〜321eは、それぞれ配線322a〜322eを介して読出回路12に接続される。この場合、転送トランジスタ311a〜311eのうち1つのみをオン状態とする制御と、転送トランジスタ311a〜311eの全部をオン状態とする制御とを切り替えることができる。
この構成では、1つの固体撮像装置300が、視点の異なる複数の画像を取得することができる。
<<実施の形態3>>
実施の形態3では、選択制御部60が回路セルそれぞれに対して異なる制御を実行する固体撮像装置401と、選択制御部60が回路セル全部に対して同一の制御を実行する固体撮像装置402とを説明する。なお、固体撮像装置401,402の断面図は、実施の形態3における固体撮像装置300と同じである。
1.異なる制御を実行する場合
図19は、固体撮像装置401における下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。固体撮像装置401は、8つの回路セル30c1〜30c8を有する。各回路セル30c1〜30c8は、5行5列の合計25個の下部電極を備える。下部電極のうち、信号電荷を検出するもの、すなわち選択したものを下部電極421Sで示す。一方、下部電極のうち信号電荷を検出しないもの、すなわち非選択としたものを下部電極421Nで示す。選択制御部60は、各回路セル30c1〜30c8に対して、異なる制御を実行している。例えば、選択制御部60は、回路セル30c1において、紙面左側から順に3列の下部電極421Sに接続される転送トランジスタをオン状態とし、残り2列の下部電極421Nに接続される転送トランジスタをオフ状態としている。一方、回路セル30c2において、紙面左側から順に2列の下部電極421Nに接続される転送トランジスタをオフ状態とし、残り3列の下部電極421Sに接続される転送トランジスタをオン状態としている。
固体撮像装置401では、各回路セル30c1〜30c8について、紙面右側の領域あるいは左側の領域の下部電極421からの信号電荷を検出した場合、図18の断面図からも分かるように、それぞれの回路セル30cで瞳分割した信号電荷を得ることができる。具体的には、図19に戻って、右側の領域の下部電極421を選択した回路セル30c2,30c4,30c6,30c8からの信号電荷のみを合算して出力することで、回路セル30cのうち右側へ入射する画像情報が得られる。一方、左側の下部電極421を選択した回路セル30c1,30c3,30c5,30c7からの信号電荷のみを合算して出力することで、回路セル30cのうち左側へ入射する画像情報を得ることができる。このように、固体撮像装置401では、視点の異なる画像を同時に取得できる。すなわち、一回の撮像で瞳分割した画像を取得できる。この構成であっても、位相差検出方式で焦点距離を検出し、オートフォーカスを実現できる。一方、視点の異なる画像に基づき、三次元画像を撮像することもできる。そのため、フォーカス動作と撮像との切り替えや、三次元画像の撮像と二次元画像の撮像との切り替えを実現することができる。
なお、固体撮像装置401では回路セル30cを左右で切り分けていた。しかしながら、これに限らず、回路セル30cを上下に切り分けたり、左右、上下等の切り分けを組み合わせたり、回路セル30cごとに切り分けの選択が任意に可能である。
2.同一の制御を実行する場合
固体撮像装置402は、固体撮像装置401に対して、選択制御部60が回路セル全部に対して同一の制御を実行する点で異なる。
図20は、固体撮像装置402における下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。各回路セル30c1〜30c8の全部において、二行二列目に選択した下部電極421Sが位置し、その他は全て非選択の下部電極421Nである。
この構成では、各回路セル30c1〜30c8について、同一の下部電極421Sからの信号電荷を検出するように選択して、ある特定の視点の画像を取得する。次に、各回路セル30c1〜30c8について、先程選択したものとは異なる下部電極421Nからの信号電荷を検出する。これにより、先程と別の視点の画像を取得できる。この動作を繰り返すことにより、視点の異なる画像を取得できる。これにより、例えば、パノラマ写真の撮影機能を備えた固体撮像装置402に実現することができる。
<<実施の形態4>>
実施の形態4では、固体撮像装置500における選択制御部60が、カメラレンズ情報に合わせて、各回路セルに対して制御を行う。
図21は、固体撮像装置500の下部電極とマイクロレンズとのレイアウト図である。各回路セル30cに、長方形状の下部電極521a〜521dが備えられている。固体撮像装置500には、回路セル30cが4行6列の24個配置されている。このうち中央の2行4列を「画素領域の中央部」とし、中央部を囲む回路セル30cを「画素領域の周辺部」とする。一般に、固体撮像装置内において、画素領域の中央部と周辺部とでは、光の入射角度が異なる。中央部では、マイクロレンズに垂直に光が入射するが、周辺部ではマイクロレンズに入射角度をつけて光が入射する。
ところで、画素領域の周辺部では、F値の変化により光の入射角度が変化する。そして、一般に、カメラ装置を小型化するためにカメラレンズと固体撮像装置との距離を近くした場合、画素領域の周辺部では、位相差の検出精度が低下するという問題がある。これに対して、固体撮像装置500ではこの問題を解決することができる。以下、具体的に説明する。
図22(a),図22(b)は、いずれも図21における画素領域の紙面右側の周辺部のうち、1回路セル分の断面図である。図22における破線は、各下部電極で検出される主光線を示す。図22(a)はF値が大きい場合を示し、図22(b)はF値が小さい場合を示す。図22(a)に示すように、F値が大きいと、画素領域の周辺部において主光線は平行光に近く、光の入射角θ500aは小さい。この場合、選択制御部60は、下部電極521b,521cを位相差検出用に選択するよう転送トランジスタ11を制御する。すなわち、下部電極521bのみを選択するように転送トランジスタ11bのみをオン状態とした後、下部電極521cのみを選択するように転送トランジスタ11cのみをオン状態とする。一方、図22(b)に示すように、F値が小さいと、画素領域の周辺部における主光線の入射光θ500bは大きい。この場合、選択制御部60は、下部電極521c,521dを位相差検出用に選択するよう転送トランジスタ11を制御する。すなわち、下部電極521cのみを選択するように転送トランジスタ11cのみをオン状態とした後、下部電極521dのみを選択するように転送トランジスタ11dのみをオン状態とする。
このように、固体撮像装置500では、F値を変化させた場合でも、F値に合わせた主光線の入射角に応じて、位相差検出のための下部電極521を選択できる。そのため、F値のようなレンズの仕様によらず、精度の高いオートフォーカスを実現することができる。
なお、望遠や広角等のレンズの使用状況のようなF値とは別のカメラレンズ情報を取得し、当該カメラレンズ情報に応じて、転送トランジスタの選択制御を行ってもよい。
このように、固体撮像装置500では、レンズの仕様やレンズの使用状況によらず、精度の高いオートフォーカスを実現することができる。
<<実施の形態5>>
実施の形態5では、選択制御部60が、画素領域における回路セルの位置に合わせて、各回路セルに対して制御を行う。固体撮像装置600における下部電極とマイクロレンズとのレイアウトは、実施の形態5に係る固体撮像装置500と同様である。
図23(a)〜(c)は、それぞれ、図21における画素領域の紙面左側の周辺部、図21における画素領域の中央部、図21における画素領域の紙面右側の周辺部における1回路セル分の断面図である。
図23(a)に示すように、図21における画素領域の紙面左側の周辺部において、主光線としてマイクロレンズ70に対して入射角θ600aである光が検出される。これに対して、選択制御部60は、下部電極521a及び下部電極521bに蓄積される信号電荷を位相差検出のために出力するように転送トランジスタ11を制御する。すなわち、下部電極521aのみを選択するように転送トランジスタ11aのみをオン状態とした後、下部電極521bのみを選択するように転送トランジスタ11bのみをオン状態とする。
一方、図23(b)に示すように、画素領域の中央部において、主光線としてマイクロレンズ70に対して垂直に入射する光が検出される。これに対して、選択制御部60は、下部電極21b及び下部電極21cに蓄積される信号電荷を位相差のために検出するように転送トランジスタ11を制御する。すなわち、下部電極521bのみを選択するように転送トランジスタ11bのみをオン状態とした後、下部電極521cのみを選択するように転送トランジスタ11cのみをオン状態とする。
さらに、図23(c)に示すように、図21における画素領域の紙面右側の周辺部において、主光線としてマイクロレンズ70に対して入射角θ600cである光が検出される。これに対して、選択制御部60は、第3下部電極521c及び第4下部電極521dの信号を位相信号として検出するように転送トランジスタ11を制御する。すなわち、下部電極521cのみを選択するように転送トランジスタ11cのみをオン状態とした後、下部電極521dのみを選択するように転送トランジスタ11dのみをオン状態とする。
固体撮像装置600では、画素領域における回路セルの位置に応じて、信号電荷を検出する下部電極521を選択する。これにより、固体撮像装置600では、画素領域における回路セルの位置に寄らず、精度の高いオートフォーカスを実現できる。
<<実施の形態6>>
実施の形態6は、実施の形態1に対して、下部電極の形状が、画素領域における回路セルの位置に合わせた形状である点で異なる。実施の形態5と同様に、画素領域の中央部は中央の4行2列であり、画素領域の周辺部は中央部を囲む画素領域における残りの領域である。
図24は、実施の形態7に係る固体撮像装置700の下部電極とマイクロレンズのレイアウト図である。画素領域の中央部では、下部電極721a1と下部電極721b1とは同一の形状である。一方、画素領域の周辺部における最も外側の列の回路セルでは、下部電極721a2と下部電極721b2とは異なる形状である。具体的には、下部電極721a2の幅は、下部電極721b2の幅の25%となっている。また、画素領域の周辺部における外側から二列目の回路セルでも、下部電極721a3と下部電極721b3とは異なる形状である。具体的には、下部電極721a3の幅は、下部電極721b3の40%となっている。
図25(a)は図24の一点鎖線B-B´の断面図であり、図25(b)は図24の一点鎖線C-C´の断面図である。実施の形態6で前述したように、1つの固体撮像装置内において、画素領域の中央部と周辺部とでは光の入射角度が異なる。図25(a)に示すように、画素領域の中央部では、主光線はマイクロレンズ70に対して垂直に入射する。そのため、下部電極721a1及び下部電極721b1にそれぞれ同量の光が入射する。この場合、下部電極721a1及び下部電極721b1の形状が同一であることにより、下部電極721a1及び下部電極721b1にそれぞれ同量の信号電荷が蓄積される。一方、図25(b)に示すように、画素領域の周辺部では、主光線がマイクロレンズ70に対して浅い入射角θ700bで入射する。この場合、仮に第1電極及び第2電極が同じ形状であった場合、発生した信号電荷のうち略全部が第2電極に蓄積されてしまう。そのため、画素領域の周辺部では、位相信号を検出できないおそれがある。これに対して、下部電極721b2の幅が下部電極721a2の幅よりも大きいことにより、下部電極721a2及び下部電極721b2にそれぞれ同量の信号電荷が蓄積される。
固体撮像装置700では、画素領域における回路セルの位置に応じて下部電極721の形状を変えている。これにより、固体撮像装置700では、画素領域における回路セルの位置によらず、精度の高いオートフォーカスを実現できる。
<<変形例>>
(下部電極)
上記実施の形態等では、下部電極の平面視の形状を長方形状とした。しかしながら、これに限らず、下部電極の形状は、長方形状以外にも、平面視において台形状等の斜め方向を含む任意の形状であってもよい。また、各回路セルが3つ以上の複数の下部電極を含む場合、それら下部電極の形状を個別に変更させてもよい。
(オーバーフロードレイン)
上記実施の形態1に対する変形例として、下部電極及び下部電極にそれぞれ接続された第1オーバーフロードレイン及び第2オーバーフロードレインを有する構成を採用してもよい。以下、図26を用いてこの変形例について説明する。
図26は、固体撮像装置800における1つの回路セルを拡大した断面図である。固体撮像装置800と図2に示した固体撮像装置100との違いは、下部電極21a及び下部電極21bに対し、第1オーバーフロードレイン24a及び第2オーバーフロードレイン24bを設けたことである。固体撮像装置800では、例えば、下部電極21aが選択されず転送トランジスタ11aがオフ状態の場合において、下部電極21aに蓄積された信号電荷は第1オーバーフロードレイン24aより排出される。そのため、下部電極21aからの信号電荷があふれてノード14に漏れこむことを抑制できる。また、下部電極21aに過大な信号電荷が蓄積されることにより、下部電極21aに大きな電位変動が生じることを抑制できる。その結果、転送トランジスタ11aが破損することを抑制できる。
なお、第1オーバーフロードレイン24a及び第2オーバーフロードレイン24bは、MOSトランジスタで構成されている。この場合、例えば、オーバーフロードレインのゲートにオン電圧及びオフ電圧を切り替えて印加し、信号電荷を積極的に排出してもよい。また、オーバーフロードレインのゲートにバイアス電圧を印加し、過剰な信号電荷を排出してもよい。さらに、オーバーフロードレイン構造をMOSトランジスタと異なるバイポーラ型トランジスタ等で構成し、ノード14とは異なる半導体基板10内の拡散層や電源端子へ信号電荷を排出してもよい。
(スイッチング素子)
上記実施の形態等では、下部電極に接続されるスイッチング素子として、半導体基板上に形成されたMOSトランジスタで構成される転送トランジスタを用いた。しかしながら、これに限らず、他のMISトランジスタで構成される転送トランジスタを用いてもよい。また、下部電極に接続されるスイッチング素子として、スイッチングダイオードのような他のスイッチング素子を用いてもよい。
(読出回路のレイアウト)
実施の形態1では、半導体基板において、2つの転送トランジスタの間に、リセットトランジスタが配置されていた。しかしながら、これに限らず、2つの転送トランジスタの間にリセットトランジスタ以外の読出回路を構成する素子が配置されていてもよい。この構成により、2つの転送トランジスタのゲートの間の容量カップリングを抑えることができる。
また、上記実施の形態等の読出回路のレイアウト以外にも、他のレイアウトを用いてもよい。以下、図27〜図29の半導体基板を平面視した時のレイアウト図を用いて変形例を説明する。
図27に示すように、転送トランジスタ11aにおけるドレインと、転送トランジスタ11bにおけるドレインとが、同一の拡散層17aで構成されている。これにより、転送トランジスタ11の面積を小さくすることができ、リセットトランジスタ13、増幅トランジスタ15及び選択トランジスタ16で構成される読出回路の設計の自由度が向上する。
図28に示すように、転送トランジスタ11a及び転送トランジスタ11bのドレインの両方と、リセットトランジスタ13のソースとが、同一の拡散層17bで構成されている。これにより、転送トランジスタ11及びリセットトランジスタ13の面積を小さくすることができ、読出回路の設計の自由度が向上する。しかし図28でも拡張層17bの面積が大きくなり、電荷のリークが大きくなる。そこで図29のレイアウトを採用することも考えられる。
図29に示すように、拡散層17cは、基部17d1と、基部17d1より枝分かれした1対の分岐部17d2,17d3とを有する。分岐部17d2が延びる方向は、基部17d1が延びる方向に対して傾斜している。分岐部17d3が延びる方向についても、基部17d1が延びる方向に対して傾斜している。基部17d1は、リセットトランジスタ13のソースに相当し、分岐部17d2,17d3はそれぞれ転送トランジスタ11a及び転送トランジスタ11bのドレインに相当する。分岐部17d2の中心軸17dαは、転送トランジスタ11aのゲートの周縁のうち分岐部17d2に最も近接した縁辺11ag1と交差している。分岐部17d3の中心軸17dβは、転送トランジスタ11bのゲートの周縁のうち分岐部17d3に最も近接した縁辺11bg1と交差している。転送トランジスタ11bについても同様である。ここで、「転送トランジスタのドレインが当該転送トランジスタのゲートの周縁と交差している」とは、例えば、転送トランジスタのドレインの中心軸17dαとゲートの周縁11ag1とのなす角度が0°〜90°である。転送トランジスタ11のゲートの形状は、例えば、五角形状である。五角形状の辺のうち、辺11ag1,11bg1は、他の辺に対して45°の傾きをもつ。辺11ag1,11bg1の傾きを45°とすることで、接続コンタクト部と、転送トランジスタ11a、転送トランジスタ11bのゲートとの距離を縮めることができ、電荷検出部の面積を縮小することができるため、電荷検出部でのリーク電流を抑制することができる。あわせて、各下部電極と、Si基板の接続部とのレイアウトの自由度が高まる。
(その他)
なお、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態や変形例における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
(技術的思想の体系化)
実施の形態1から実施の形態6までに示した具体的な形態から抽出される技術的思想の創作は、以下の1.、2.、3.、4.・・・・・の体系をなす。この体系において、1.は、上体系の根幹となる基本的態様であり、2.、3.〜は、その派生の形態である。
(1.基本的態様)
本願で根幹となる技術的思想の創作は、本体基板に、1の光電変換膜と、1の上部電極膜とが積層された固体撮像装置であって、本体基板のうち光電変換膜で覆われている領域は、画素に対応する回路セルが複数、行又は行列状に並べられており、各回路セルは、光電変換膜を介して上部電極膜と対向する複数の下部電極と、複数の下部電極のそれぞれと、一対一に接続されたスイッチング素子からなるスイッチング素子群と、複数のスイッチング素子の全てと接続されている読出回路とを含み、前記複数のスイッチング素子は、何れを導通させるかの選択が可能であり、選択されて導通状態にあるスイッチング素子と接続されている下部電極に到達した信号電荷を読出回路が1の画素値として読み出すことを特徴としている。
複数のスイッチング素子の何れかを導通状態にするかという状態設定を変化することで、複数の下部電極に到達した信号電荷を合算して出力するという合算出力、複数の下部電極のうち何れかのものを個別に出力するという個別出力を、カメラ装置の撮影モードに応じて使い分けることができる。
個別出力時において、出力される信号電荷は一個の下部電極に到達したものに絞られるから、光電変換膜に入射した光束に現された視差や位相差が正確に表されることになる。これにより、高精度な視差をもった立体視画像の撮影が可能になり、また、位相差を利用したオートフォーカス動作を高精度に行うことができる。一方、複数下部電極の合算出力を行う場合、出力される信号電荷数電荷を多く捕獲することができる領域を広げることができるから、ノイズの影響が小さい高品位な撮影画像を得ることができる。
(2.下部電極に対する構成要件追加)
下部電極については、構成要件を追加することができる。それは1つの回路セルに含まれる下部電極のそれぞれには、オーバーフロードレインが接続されているというものである。一方の下部電極が選択されない場合において、当該下部電極に蓄積された信号電荷はオーバーフロードレインより排出される。そのため、一方の下部電極における蓄積電荷が溢れて、他方の下部電極に漏れこむことを抑制できる。また一方の下部電極に過大な信号電荷が蓄積されることにより、当該下部電極に大きな電位変動が生じることを抑制できる。これによりスイッチング素子の破損を抑制することができる。
(3.スイッチング素子及び読出回路の配置場所)
固体撮像装置の構成は、更に具体的なものにすることができる。それは、本体基板は、半導体基板と、層間絶縁膜とから構成され、前記回路セルの下部電極の極板は、層間絶縁膜の表面に存在し、前記回路セルに含まれる複数のスイッチング素子、及び、前記読出回路は、前記半導体基板内に形成され、前記スイッチング素子はMISトランジスタで構成され、前記層間絶縁膜は、複数のコンタクトホールを含み、各コンタクトホールは、同一回路セル内の複数下部電極のそれぞれと、複数スイッチング素子のそれぞれとを結合するものであり、複数の回路セルにおける各コンタクトホールは、半導体基板において、一直線に配置されているというものである。各回路セルの複数のコンタクトホールを一直線に配置することで、下部電極からスイッチング素子に至る配線経路の配線容量を小さくすることができ、これにより、1電荷当りの信号振幅を大きくことができる。これにより、電荷転送にあたってのノイズを低減することができる。
(4.スイッチング素子と読出回路との関係)
スイッチング素子と読出回路との関係については、以下のような下位概念化が可能である。その下位概念とは、 前記半導体基板を平面視すると、前記複数のスイッチング素子のうち、一対のスイッチング素子の間に、前記読出回路を構成する素子が介挿されているというものである。スイッチング素子の間に、読出回路が介挿されていると、スイッチング素子のゲートの間の容量カップリングを抑えることができる。そのため、例えば、一方のスイッチング素子がオフ状態であり、他方のスイッチング素子がオン状態であるときに、一方のスイッチング素子のゲートが、隣接するスイッチング素子のゲートからの影響を受けて、オン状態になることを抑制できる。これにより一方の下部電極から転送される信号電荷が検出されるべき状態において、他方の下部電極からの信号電荷の流れ込みを防止することができる。あわせて、複数の下部電極間の容量カップリングの発生を抑え、隣接下部電極からの影響を除去することができる。
(5.スイッチング素子のソース及びドレインの配置)
スイッチング素子のソース及びドレインの配置については、より下位概念の内容に展開することができる。その下位概念とは、前記複数のスイッチング素子に含まれる第1、第2のスイッチング素子の各々のドレインの一部と前記読出回路とは配線で接続され、
前記半導体基板上を平面視すると、前記複数のスイッチング素子に含まれる第1のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向が、複数のスイッチング素子に含まれる第2のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向と平行であり、前記第1のスイッチング素子のドレインのうち前記配線と接続されている部分と、前記第2のスイッチング素子のドレインのうち前記配線と接続されている部分とを結ぶ方向が、前記第1のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向に直交するように配置されているというものである。この構成により、スイッチング素子と、半導体基板に形成された拡散層とを接続する配線について、半導体基板を平面視した時の配線面積を小さくすることができる。その結果、配線容量が抑制され、1つの信号電荷あたりの信号振幅が大きくなる。従って、仮にノイズが発生しても信号電荷に対するノイズの割合は小さくなる。これにより、信号振幅が小さい場合よりも、ノイズの影響を低減でき、撮像画像の画質を向上できる。また、複数のスイッチング素子を規則正しく配列することができるので、スイッチング素子の集積密度を高めることができる。
(6.スイッチング素子の接続関係)
スイッチング素子の接続関係については、より下位概念の内容に展開することができる。その下位概念とは、 前記複数のスイッチング素子のうち、一対のスイッチング素子のドレインが両方とも、同一の拡散層で構成されているというものである。複数のスイッチング素子のドレインの両方が、同一の拡散層で構成されているので、スイッチング素子の面積を小さくすることができ、読出回路の設計の自由度が向上する。
(7.読出回路の内部構成)
読出回路の内部構成については、より下位概念の内容に展開することができる。その下位概念とは、前記読出回路は、リセットトランジスタを含み、前記リセットトランジスタは、MISトランジスタで構成され、前記スイッチング素子のドレインと、前記リセットトランジスタのソースとが、同一の拡散層で構成されているというものである。複数のスイッチング素子のドレインの両方と、リセットトランジスタのソースとが、同一の拡散層で構成されている。これにより、スイッチング素子及びリセットトランジスタの面積を小さくすることができ、読出回路の設計の自由度が向上する。
(8.スイッチング素子のゲート極の接続関係)
スイッチング素子のゲート極の接続関係については、より下位概念の内容に展開することができる。その下位概念とは、個々のスイッチング素子は、さらにゲートを有し、前記半導体基板を平面視すると、前記拡散層は、基部と、当該基部より枝分かれした1対の分岐部とを有し、各分岐部が延びる方向は、前記基部が延びる方向に対して傾斜し、
前記基部が、前記リセットトランジスタのソースに相当し、前記1対の分岐部の一方が、前記複数のスイッチング素子に含まれる第1のスイッチング素子のドレインに相当し、
前記1対の分岐部の他方が、前記複数のスイッチング素子に含まれる第2のスイッチング素子のドレインに相当し、前記1対の分岐部の一方の中心軸が、前記第1のスイッチング素子のゲートの縁辺のうち当該1対の分岐部の一方に最も近接した縁辺と交差し、前記1対の分岐部の他方の中心軸が、前記第2のスイッチング素子のゲートの縁辺のうち当該1対の分岐部の他方に最も近接した縁辺と交差するというものである。基部から枝別れした分岐部を拡散層に設けることで、拡散層における配線密度を大きく高めることができる。
(9.マイクロレンズの追加)
任意的な構成要件として、マイクロレンズを追加することができる。その追加時の態様とは、前記各回路セル内の複数の下部電極は、複数のマイクロレンズによって覆われているというものである。個々の下部電極には、射出瞳から射出された複数の光束のそれぞれが到達するから、2以上の視点からの多視点画像の画素を取得することができる。
(10.下部電極の形状)
下部電極の形状については、より下位概念の内容に展開することができる。その下位概念とは、前記回路セルは、中央部と、前記中央部を囲む周辺部とを有し、前記中央部に対応して設けられた下部電極対を構成する個々の下部電極の形状は、前記周辺部に対応して設けられた下部電極対を構成する個々の下部電極の形状と異なるというものである。画素領域における回路セルの位置に応じて下部電極の形状を変えているので、画素領域における回路セルの位置によらず、精度の高いオートフォーカスを実現できる。
本発明は、カメラ装置、ディジタルビデオカメラ、監視カメラ、車載カメラ、医療用カメラ等、多くの固体撮像装置を用いた産業にとって産業上の利用可能である。
100 固体撮像装置
11a 第1スイッチング素子(転送トランジスタ)
11b 第2スイッチング素子(転送トランジスタ)
12 読出回路
14 ノード
30 光電変換膜
21a 下部電極
21b 下部電極
40 上部電極

Claims (10)

  1. 本体基板に、1の光電変換膜と、1の上部電極膜とが積層された固体撮像装置であって、
    本体基板のうち光電変換膜で覆われている領域は、画素に対応する回路セルが複数、行又は行列状に並べられており、
    各回路セルは、
    光電変換膜を介して上部電極膜と対向する複数の下部電極と、
    複数の下部電極のそれぞれと、一対一に接続されたスイッチング素子からなるスイッチング素子群と、
    複数のスイッチング素子の全てと接続されている読出回路とを含み、
    前記複数のスイッチング素子は、何れを導通させるかの選択が可能であり、選択されて導通状態にあるスイッチング素子と接続されている下部電極に到達した信号電荷を読出回路が1の画素値として読み出す
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 1つの回路セルに含まれる下部電極のそれぞれには、オーバーフロードレインが接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 本体基板は、半導体基板と、層間絶縁膜とから構成され、前記回路セルの下部電極の極板は、層間絶縁膜の表面に存在し、
    前記回路セルに含まれる複数のスイッチング素子、及び、前記読出回路は、前記半導体基板内に形成され、前記スイッチング素子はMISトランジスタで構成され、
    前記層間絶縁膜は、複数のコンタクトホールを含み、各コンタクトホールは、同一回路セル内の複数下部電極のそれぞれと、複数スイッチング素子のそれぞれとを結合するものであり、複数の回路セルにおける各コンタクトホールは、半導体基板において、一直線に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記半導体基板を平面視すると、
    前記複数のスイッチング素子のうち、一対のスイッチング素子の間に、前記読出回路を構成する素子が介挿されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
  5. 前記複数のスイッチング素子に含まれる第1、第2のスイッチング素子の各々のドレインの一部と前記読出回路とは配線で接続され、
    前記半導体基板上を平面視すると、
    前記複数のスイッチング素子に含まれる第1のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向が、複数のスイッチング素子に含まれる第2のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向と平行であり、
    前記第1のスイッチング素子のドレインのうち前記配線と接続されている部分と、前記第2のスイッチング素子のドレインのうち前記配線と接続されている部分とを結ぶ方向が、前記第1のスイッチング素子のソースとドレインとを結ぶ方向に直交するように配置されている、ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
  6. 前記複数のスイッチング素子のうち、一対のスイッチング素子のドレインが両方とも、同一の拡散層で構成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
  7. 前記読出回路は、リセットトランジスタを含み、
    前記リセットトランジスタは、MISトランジスタで構成され、
    前記スイッチング素子のドレインと、前記リセットトランジスタのソースとが、同一の拡散層で構成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
  8. 個々のスイッチング素子は、さらにゲートを有し、
    前記半導体基板を平面視すると、
    前記拡散層は、基部と、当該基部より枝分かれした1対の分岐部とを有し、
    各分岐部が延びる方向は、前記基部が延びる方向に対して傾斜し、
    前記基部が、前記リセットトランジスタのソースに相当し、
    前記1対の分岐部の一方が、前記複数のスイッチング素子に含まれる第1のスイッチング素子のドレインに相当し、
    前記1対の分岐部の他方が、前記複数のスイッチング素子に含まれる第2のスイッチング素子のドレインに相当し、
    前記1対の分岐部の一方の中心軸が、前記第1のスイッチング素子のゲートの縁辺のうち当該1対の分岐部の一方に最も近接した縁辺と交差し、
    前記1対の分岐部の他方の中心軸が、前記第2のスイッチング素子のゲートの縁辺のうち当該1対の分岐部の他方に最も近接した縁辺と交差する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置。
  9. 前記各回路セル内の複数の下部電極は、1つまたは複数のマイクロレンズによって覆われている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  10. 前記回路セルは、中央部と、前記中央部を囲む周辺部とを有し、
    前記中央部に対応して設けられた下部電極対を構成する個々の下部電極の形状は、前記周辺部に対応して設けられた下部電極対を構成する個々の下部電極の形状と異なる、
    ことを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置。
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