JP2015201080A - 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数人が共用する預金口座に関して、柔軟な入出金が可能な態様で、各利用者による入出金が適正に行われることを促進できる情報処理技術を提供することを課題とする。【解決手段】預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理するサーバ1に、各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人IDに関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する口座データベースD11と、個人IDを含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、当該取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、当該取引依頼情報に含まれる個人IDに関連付けられて記憶された個人現在高を、処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理部F14と、記憶された個人現在高に基づいて、複数の利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成部F15とを備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、口座を対象とした取引についての情報処理技術に関する。
同一の家計を営む家族内や、事業を営む組織内等において、単一の預金口座が複数人間で共用される場合がある。例えば、子の一人暮らし、単身赴任等の事情を背景とした生活費の仕送りや分配、夫婦共同での資金積み立て等の用途で、預金口座が家族間で共用されることがある。このように単一の預金口座が共用される場合は、各人ごとに別々に用意された預金口座が用いられる場合に比べ、預金口座間の資金移動等が不要であるため、時々の都合に応じた柔軟な入出金を容易に行うことができる。
従来、預金口座の共用を支援する技術が提案されている。例えば、副キャッシュカードを使用して単一の口座に関する金融取引を行う口座管理システムが提案されている(特許文献1を参照)。また、口座を、それぞれに利用者が割り当てられた複数の子口座に分割する口座管理システムが提案されている(特許文献2を参照)。また、利用可能額が関連付けられた利用枠を用いる預金口座管理方法が提案されている(特許文献3を参照)。また、1つの口座に、複数の名義人を登録し、それぞれの名義人に対しキャッシュカードを発行し、暗証番号を付与する自動取引システムが提案されている(特許文献4を参照)。
特開2004−326508号公報 特開2004−227467号公報 特開2004−199251号公報 特開平11−86087号公報
単一の預金口座が共用される状況において、利用者の入出金が不適切に行われる場合がある。例えば、ある利用者が、他の利用者の期待に反して過度に引き出したり、期待額を預け入れなかったりする場合がある。
過度な引き出しを抑制するために、例えば、上述の利用枠を用いる預金口座管理方法(特許文献3)のように、各利用者が引き出せる額を制限することが考えられる。しかし、このような制限をすると、時々の都合に応じた柔軟な入出金が阻害され得る。例えば、緊急時等に必要費を引き出せない事態が生じ得る。また、上述の預金口座の共用を支援する技術の何れによっても、入金の適正化を図ることは難しい。
このような状況に鑑み、本発明は、複数人が共用する預金口座に関して、柔軟な入出金が可能な態様で、各利用者による入出金が適正に行われることを促進できる情報処理技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、次の情報処理装置である。
預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理する情報処理装置であって、
各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預
金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
を備える情報処理装置。
ここで、預金口座は、金銭を預け入れ、または貯めるために銀行などの金融機関に設けられた口座である。預金口座は、預金に限らず、貯金その他の名称で呼ばれる金銭を管理するものを含む。また、表示とは、外部に表し示すことであり、ディスプレイ等に表すことに限らず、紙面に印刷することを含む。
本発明によれば、取引の対象となる預金残額とは別に、入出金の額に応じて増減する各利用者の個人現在高が記憶され、個人現在高の表示用データが生成される。個人現在高の表示用データによって、過度の引き出し等の入出金状況が他の利用者にも容易に把握可能となるため、抑止力等が働き、各利用者の入出金の行動が適正化され得る。複数人が共用する預金口座に関して、入出金の制限等も課されないため、柔軟な入出金が可能なままに、各利用者による入出金が適正に行われることを促進できる。
また、本発明に係る情報処理装置は、次の特徴を有するものであってもよい。
預金口座ごとに登録され、個人識別情報と対応付けられた、引落先を識別する引落先識別情報を取得する引落先識別情報取得手段を更に備え、
前記取引依頼処理手段は、引き落としの取引依頼情報を取得し、前記取得した取引依頼情報が引落元の預金口座に登録された引落先識別情報を含む場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした引き落としを処理するとともに、前記含まれる引落先識別情報に対応付けられている個人識別情報に関連付けて記憶された個人現在高を、前記処理される引き落としの額分減ずる、
情報処理装置。
ここで、引き落としは、金融機関が、受取人である引落先の口座の利用者から依頼を受けて、支払人の口座から受取人の口座へ送金することをいう。引き落としは、自動引落、自動払込、自動振替、自動送金、自動振込、自動支払、自動受取その他の名称で呼ばれる口座間の送金を含む。
このような本発明によれば、引落先識別情報と対応付けられている個人識別情報が識別する利用者の個人現在高が、引き落としの額分減ぜられる。引落元の預金口座の利用者ではなく、収納機関等である引落先から依頼された引き落としの取引が行われる場合であっても、引落元の預金口座を共用する利用者の何れに対応付く取引であるかを判断して、当該対応付く利用者の個人現在高を減ずることができる。そのため、引き落としによる出金状況を、より反映した個人現在高を提供できる。
また、本発明に係る情報処理装置は、次の特徴を有するものであってもよい。
預金口座ごとに登録され、個人識別情報と対応付けられた、送金元を識別する送金元識別情報を取得する送金元識別情報取得手段を更に備え、
前記取引依頼処理手段は、預金口座への送金の取引依頼情報を取得し、前記取得した取引依頼情報が送金先の預金口座に登録された送金元識別情報を含む場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした送金を処理するとともに、前記含まれる送金元識別情報に対応付けられた個人識別情報に関連付けて記憶された個人現在高を、前記処理される
送金の金額分増やす、
情報処理装置。
このような本発明によれば、送金元識別情報と対応付けられている個人識別情報が識別する利用者の個人現在高が、送金の金額分増額される。送金先の預金口座の利用者ではなく、送金元から依頼された送金の取引が行われる場合であっても、送金先の預金口座を共用する利用者の何れに対応付く取引であるかを判断して、当該対応付く利用者の個人現在高を増額できる。そのため、送金による入金状況を、より反映した個人現在高を提供できる。
また、本発明に係る情報処理装置は、次の特徴を有するものであってもよい。
前記個人現在高記憶手段によって記憶される個人現在高ごとに設定される、個人現在高を初期値に戻す基準となる初期化条件を取得する初期化条件取得手段と、
前記取得される初期化条件が満たされたと判定した場合に、前記初期化条件が設定された個人現在高を初期値に更新する初期化手段と、
を更に備える、
情報処理装置。
このような本発明によれば、初期化条件が満たされた場合に、当該初期化条件が設定された個人現在高が初期値に戻される。個人現在高は、預金口座の開設時等からの累積的な値を示し得るため、例えば、値の桁数が多くなって個人現在高の表示がわかりづらくなることや、個人現在高が近時の入出金状況をあまり反映しないものとなること等が起こり得る。個人現在高が初期値に戻されることで、このような状況の発生を抑制できる。
また、本発明に係る情報処理装置は、次の特徴を有するものであってもよい。
個人識別情報ごとに設定される、出金を制限する基準を示す出金制限基準値を取得する出金制限基準値取得手段と、
個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高が、前記個人識別情報に設定された出金制限基準値以下となった場合に、前記取引依頼処理手段が前記個人識別情報を含む出金の取引依頼情報を取得しても、前記取引依頼情報に従った出金取引を処理しないように制限する制限手段と、
を更に備える、
情報処理装置。
このような本発明によれば、個人現在高が出金制限基準値以下となった場合に、当該個人現在高に係る利用者が依頼する出金の取引依頼情報の処理が制限されることになる。そのため、利用者の過度な出金等を、より実効的に抑制することができる。
また、本発明は、次の情報処理システムであってもよい。
預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理するサーバ、及び、前記サーバと通信可能な端末を有する情報処理システムであって、
前記サーバは、
各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
前記生成される表示用データを前記端末へ送信する表示用データ送信手段と、
を備え、
前記端末は、
ユーザからの預金口座に関する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作の対象となる預金口座に係る表示用データを、前記サーバから受信して前記ユーザへ出力する個人現在高出力手段と、
を備える、情報処理システム。
また、本発明に係る情報処理システムは、次の特徴を有するものであってもよい。
前記端末は、前記操作の対象となる預金口座の通帳を前記端末に搬入するための通帳搬入部を更に備え、
前記端末の個人現在高出力手段は、前記預金口座の利用者それぞれに係る個人現在高それぞれを、前記通帳搬入部に搬入された前記通帳へ印字する、
情報処理システム。
このような本発明によれば、利用者それぞれの個人現在高が通帳へ印字される。通帳は、預金口座の管理に従来用いられているものであるため、個人現在高に関する特別な管理負担等を利用者に課さずとも、個人現在高を利用者へ提供できる。そのため、利用者は、より簡易な方法で各利用者の入出金状況を把握可能になる。
また、本発明に係る情報処理システムは、次の特徴を有するものであってもよい。
前記端末は、
個人識別情報が記憶され、前記預金口座の利用者それぞれに発行された媒体の提示を前記ユーザから受け付け、前記提示された媒体から個人識別情報を読み取る個人識別情報読取手段と、
前記操作受付手段によって入出金取引を依頼するための操作を受け付けると、前記個人識別情報読取手段によって読み取られた個人識別情報を含めた入出金の取引依頼情報を生成して前記サーバへ送信する取引情報依頼情報送信手段と、
を更に備える、
情報処理システム。
このような本発明によれば、端末が掲示された媒体から利用者を識別する個人識別情報を読み取り、入出金の取引依頼情報に含める。そのため、利用者は、媒体を掲示することで、入出金取引を依頼する自身を情報処理システムに識別させることができる。そのため、より少ない利用者の作業負担で、入出金取引の依頼者を識別して個人現在高を管理できる。
また、本発明は、次の情報処理方法であってもよい。
預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理する情報処理方法であって、
各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶部にアクセス可能なコンピュータが、
個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理ステップと、
前記個人現在高記憶部によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成ステップと、
を実行する、情報処理方法。
また、本発明は、次のプログラムであってもよい。
預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理するためのプログラムであって、
コンピュータを、
各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
として機能させるプログラム。
また、上記課題を解決するためには、このようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものが採用されてもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本発明によれば、複数人が共用する預金口座に関して、柔軟な入出金が可能な態様で、各利用者による入出金が適正に行われることを促進できる。
図1は、実施形態に係る情報処理システムを例示する図である。 図2は、実施形態における通帳の取引明細の印字例を示す図である。 図3は、実施形態に係る各装置のハードウェア構成を例示する図である。 図4は、口座管理テーブルを例示する図である。 図5は、利用者管理テーブルを例示する図である。 図6は、取引履歴テーブルを例示する図である。 図7は、個人現在高履歴テーブルを例示する図である。 図8は、引落先登録テーブルを例示する図である。 図9は、送金元登録テーブルを例示する図である。 図10は、実施形態における各装置の機能構成を例示する図である。 図11は、預け入れ処理の流れを例示するシーケンス図である。 図12は、サーバにおける入出金の取引依頼の処理の流れを例示するフローチャートである。 図13は、サーバにおける送金先の個人現在高の更新処理の流れを例示するフローチャートである。 図14は、サーバにおける引き落としの取引処理の流れを例示するフローチャートである。 図15は、引き出し処理の流れを例示するシーケンス図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。本発明を実施するにあたっては、実施の形態に応じた具体的な構成が適宜採用されることが好ましい。
<概要>
本実施形態に係る情報処理装置は、銀行、信用金庫等である金融機関が管理するサーバとして説明される。また、本実施形態に係る端末は、金融機関が店舗や各種施設に設置し、預金者等が操作するATM(Automated Teller Machine)として説明される。本実施形態に係る個人識別情報を記憶する媒体は、預金通帳及びキャッシュカードとして説明される。なお、端末は、金融機関の店舗窓口等に設置され、預金口座に関する取引を行うために窓口担当者が操作をする端末(窓口端末と呼ばれることもある)等であってもよい。
本実施形態に係る情報処理システムは、複数の利用者が共用する預金口座を管理し、預金口座を対象にした入出金の取引サービスを利用者へ提供する。そのため、預金口座を共用する利用者それぞれは、当該預金口座を対象にした預け入れ、引き出し(払い戻しとも呼ばれる)、その他の入出金取引が可能となる。更に、情報処理システムは、取引の対象となる預金残高とは別に、入出金額に応じて増減する各利用者の個人現在高を管理し、預金通帳への印字等を介して個人現在高を利用者へ提供する。利用者それぞれは、預金通帳の記載等を通じて、他の利用者の個人現在高を把握することが可能になる。なお、本実施形態の情報処理システムは、共用される預金口座及び共用されない預金口座の両者に関する入出金の取引サービスを提供するものとして説明されるが、情報処理システムは、共用される預金口座のみに関する取引サービスを提供するものであってもよい。
なお、共用される預金口座には、利用者が共有する金銭が預金残高として預け入れられてもよいし、利用者の代表者等が所有する金銭が預金残高として預け入れられてもよい。
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムを例示する図である。図1には、サーバ1、ATM2、預金通帳3、キャッシュカード4、及びネットワーク5が示されている。
サーバ1は、金融機関の計算センター等に設置されるコンピュータである。サーバ1は、預金口座の情報を管理するためのデータベースを有し、預金口座に関する取引の処理を行う。本実施形態のサーバ1は、メインフレーム等の大型コンピュータであるが、ワークステーション等その他のコンピュータが採用されてもよい。サーバ1は、ホストコンピュータと呼ばれるものであってもよい。また、図1では、サーバ1が1台のコンピュータで例示されているが、サーバ1は、例えば、ネットワークで接続された複数台のコンピュータであってもよい。
ATM2は、預金口座の利用者等が、預金通帳3やキャッシュカード4を使用して操作し、預金口座への預け入れ、預金口座からの引き出し、預金口座からの振り込み等の各種入出金取引や、預金通帳3への入出金明細の記帳等を行うための装置である。ATM2は、現金自動預払機とも呼ばれるものであってもよい。図1では、1台のATM2が例示されているが、情報処理システムは、各地域の施設等に設置される複数台のATM2を有してもよい。
ATM2は、預金通帳3が挿入されて取り扱われる通帳取扱口21、キャッシュカード4が挿入されて取り扱われるキャッシュカード取扱口22、現金を出し入れするための現金取扱部23、ディスプレイである表示部24、及びユーザからの操作を受け付けるタッチパネルである操作部25を備える。通帳取扱口21は、預金通帳3をATM2に搬入するための通帳搬入部の一例である。なお、操作部25は、テンキーであってもよい。
預金通帳3は、金融機関によって預金口座の利用者に交付され、入出金取引の明細が記帳される紙冊子である。預金通帳3は、預金口座を共用する利用者それぞれに対して発行される。本実施形態の預金通帳3の表面には、磁気ストライプ31が貼着されており、磁
気ストライプ31には、預金口座それぞれを識別する口座番号、及び、利用者それぞれを識別する個人IDが記憶されている。個人IDは、本実施形態における個人識別情報の一例である。なお、預金通帳3は、預金口座を共用する利用者のうちの一部の者のみに発行されてもよい。
図2は、本実施形態における預金通帳3の取引明細の印字例を示す図である。図2には、取引明細が記帳された預金通帳3の紙面が示されている。図2が示すように、本実施形態の預金通帳3の印字紙面には、個人現在高が印字するための個人現在高の欄が設けられおり、利用者それぞれの個人現在高を入出金取引の明細ごとに印字可能である。取引明細の印字の詳細については、後述する。
キャッシュカード4は、金融機関によって預金口座の利用者に発行され、利用者が入出金取引の際に預金口座の入出金取引を行う権限を示すためのIC(Integrated
Circuit)カードである。キャッシュカード4は、預金口座を共用する利用者それぞれに対して発行される。本実施形態のキャッシュカード4は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である不揮発性メモリを有している。不揮発性メモリに記憶された情報は、接触型の方式で読み書き可能である。不揮発性メモリには、預金通帳3と同様に、預金口座それぞれを識別する口座番号、及び、利用者それぞれを識別する個人IDが記憶されている。なお、キャッシュカード4として、磁気ストライプを有し、口座番号及び個人IDが当該磁気ストライプに記憶されるカードが採用されてもよい。また、キャッシュカード4の代わりに、カード形状ではないICチップを内蔵した機器等が採用されてもよい。また、キャッシュカード4は、預金口座を共用する利用者のうちの一部の者のみに発行されてもよい。
ネットワーク5は、専用の通信回線で構築された通信網である。ネットワーク5は、サーバ1及びATM2を接続する。なお、ネットワーク5には、インターネットVPN(Virtual Private Network)、WAN(Wide Area Network)その他のネットワークが採用されてもよい。
図3は、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成を例示する図である。図3には、サーバ1及びATM2のハードウェア構成が示されている。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置14、ネットワーク5に接続されるNIC(Network Interface Card)15を備えたコンピュータである。
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、RAM12にロードされる各種プログラム等、永続性が求められる情報が書き込まれ、読み出される。また、本実施形態の補助記憶装置14には、後述する口座データベースD11や引落データベースD22を構成するデータ等も記憶される。
ATM2は、前述した通帳取扱口21、キャッシュカード取扱口22、現金取扱部23、表示部24、及び操作部25に加え、CPU201、RAM202、ROM203、補助記憶装置204、及びネットワーク5に接続されるNIC205を備えるコンピュータ
である。CPU201、RAM202、ROM203等は、ATM2全体を制御する制御部として機能する。更に、ATM2は、通帳取扱口21に挿入された預金通帳3へ印字を行うプリンタ等である通帳印字部211、預金通帳3の磁気ストライプ31に記憶された情報を読み取る磁気読取部212、及び、キャッシュカード取扱口22に挿入されたキャッシュカード4の情報を読み取るICカードリーダ221も備える。
<データ構成>
本実施形態のサーバ1の補助記憶装置14には、口座データベースD11及び引落データベースD12がリレーショナルデータベースとして構築されている。なお、口座データベースD11及び引落データベースD12は、オブジェクト指向データベース、XML(Extensible Markup Language)データベース等、リレーショナルデータベース以外のデータベースとして構築されてもよい。また、口座データベースD11及び引落データベースD12で管理される情報は、データベース以外の態様で記憶されてもよい。なお、口座データベースD11及び引落データベースD12は、サーバ1と通信可能に接続されたデータベースサーバ等に構築され、サーバ1は通信によりデータベースサーバからデータを取得してもよい。
口座データベースD11は、預金口座に関する情報を管理するためのデータベースであり、口座管理テーブル、利用者管理テーブル、取引履歴テーブル、個人現在高履歴テーブル、引落先登録テーブル、及び送金元登録テーブルを有する。図4〜9を用いて、各テーブルについて順に説明する。なお、本実施形態の各テーブルの値のうち、金額を示すものは円を単位としている。
図4は、口座管理テーブルを例示する図である。口座管理テーブルは、口座番号、預金残高のフィールドを有し、預金口座ごとの預金残高を管理するために用いられる。レコードR101、R102それぞれによって、預金口座それぞれの預金残高が管理される。口座番号は、預金口座それぞれを識別する情報である。預金残高は、預金口座の現在の預金額を示す情報であり、単一の預金口座に対して1つ設けられる。なお、預金口座は、通帳記号及び口座番号の組み合わせ等、その他の識別情報で識別されるものであってもよい。
図5は、利用者管理テーブルを例示する図である。利用者管理テーブルは、預金口座を共用する各利用者に属する情報を管理するために用いられる。利用者管理テーブルは、口座番号、個人ID、個人現在高、利用者名、記帳済取引番号、暗証番号、リセット額、及びリセット回数のフィールドを有する。
口座番号は、利用者が共用する預金口座を示すもので、口座管理テーブルに格納されている口座番号の値をとる。個人IDは、各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する情報である。口座番号及び個人IDの組は、利用者管理テーブルに格納されるレコードを一意に特定するキーとなる。個人現在高、利用者名、記帳済取引番号、暗証番号、リセット額、及びリセット回数のそれぞれの情報は、個人IDに関連付いて利用者管理テーブルのレコードに記憶されることになる。
個人現在高は、預金口座の利用者それぞれに対して記憶される額であり、預金残高とは別途に、預金口座の入出金額に応じて増減されて管理される額である。本実施形態の個人現在高の初期値は0(零)である。個人現在高は、マイナスの値もとることができる。
個人現在高は、概して、預金口座を対象とした利用者ごとの入出金の集計額を示すように管理される。そのため、個人現在高は、各人の入出金状況の概要が容易に把握可能な指標となり得る。個人現在高の管理の詳細については、後述する。
利用者名は、利用者の名称を示す。利用者名は、預金口座を共用する利用者間で、利用者それぞれを区別するために用いられる。利用者名は、氏名を示す値をとってもよいし、愛称や略称等を示す値をとってもよい。
記帳済取引番号は、利用者それぞれの預金通帳3への入出金明細の記帳状況を示すものであり、何れの取引履歴まで記帳済であるか示す番号(後述する取引履歴テーブルの取引番号)の値をとる。本実施形態では、利用者それぞれに預金通帳3が発行されるため、記帳済取引番号によって、利用者それぞれの預金通帳3の記帳状況が管理される。なお、記帳状況は、トナーやインクが付着する行や印字文字等の預金通帳3の実際の印字状況に基づいて管理されてもよい。また、記帳状況は、記帳状況を示す情報を預金通帳3の磁気ストライプ31へ記録すること等により管理されてもよい。また、預金口座の利用者のうちに預金通帳3が発行されない者がいる場合には、当該利用者に関しては、記帳済取引番号の値が未設定値となり、預金通帳3の記帳状況が管理されない。
暗証番号は、ATM2を操作するユーザが、正当な預金口座の利用者であると認証するために用いられる番号である。暗証番号は、利用者ごとに管理される。そのため、預金通帳3やキャッシュカード4を所持する者であっても、利用者ごとに設定されている暗証番号を知らなければ、ATM2等を操作して出金等の取引依頼を行えない。
リセット額は、個人現在高を初期値に戻す基準額であり、個人現在高に対して設定されるものである。リセット額以下になることが、個人現在高を初期値に戻すための条件となる。値が「−」となっているレコード(図5のレコードR201、R202を参照)は、リセット額が未設定であることを意味する。リセット回数は、個人現在高が過去に初期値に戻された回数を示す。
利用者管理テーブルに格納されるレコードそれぞれは、利用者それぞれに関する最新の情報を示す。例えば、第1行のレコードR201は、口座番号「1234567」の預金口座に関する、個人ID「P1」、利用者名「A」の利用者について、その時点の個人現在高が「150,000」円であること等を示している。また、図5のレコードR201〜R203は、利用者名「A」、「B」、「C」の利用者が、口座番号「1234567」の預金口座を共用していることを意味している。このような預金口座を共用する利用者の登録は、例えば、金融機関の窓口手続き等に基づき行われ、利用者管理テーブルにレコードが追加される。
図6は、取引履歴テーブルを例示する図である。取引履歴テーブルには、預金通帳3に印字等されて預金口座の利用者へ表示される、取引内容の表示用データが管理される。取引履歴テーブルに格納されるレコード1件は、処理済みの取引内容1件を示す。取引履歴テーブルは、口座番号、取引番号、年月日、入出金区分、取引額、合計現在高、及び利用者名のフィールドを有する。
口座番号は、取引対象の預金口座を示すもので、口座管理テーブルに格納されている口座番号の値をとる。取引番号は、預金口座の取引それぞれを識別する識別番号である。取引番号は、取引が処理された順に割り当てられる番号である。口座番号及び取引番号の組は、利用者管理テーブルに格納されるレコードを一意に特定するキーとなる。
年月日、入出金区分、及び取引額は、それぞれ、取引が行われた年月日、取引が入金の取引であったか出金の取引であったかの区分、及び取引の金額である。また、合計現在高は、取引後の預金口座の預金残高を示す。利用者名は、取引の依頼者に相当する利用者の表示用の名称である。
図7は、個人現在高履歴テーブルを例示する図である。個人現在高履歴テーブルには、預金通帳3に印字等されて預金口座の利用者へ表示される、取引後の個人現在高の表示用データが管理される。個人現在高履歴テーブルは、口座番号、取引番号、利用者名、及び個人現在高のフィールドを有する。
口座番号は、取引対象の預金口座を示す。取引番号は、預金口座の取引それぞれを識別する識別番号である。個人現在高履歴テーブルにおける口座番号及び取引番号の組の値は、取引履歴テーブルに格納されたレコードの口座番号及び取引番号の組の値をとり、個人現在高履歴テーブルのレコードは、取引履歴テーブルのレコードと関連付く。例えば、図7のレコードR401〜R403は、何れも、口座番号が「1234567」で、取引番号が「1」であり、図6のレコードR301と関連付いており、これらのレコードすべては、1件の取引に関する表示用データを表している。
利用者名は、利用者の表示用の名称を示す。個人現在高は、取引後における利用者名が示す利用者の個人現在高を示す。
図8は、引落先登録テーブルを例示する図である。引落先登録テーブルは、引落先を識別する引落先口座番号と個人IDとの対応付けを管理するために用いられる。当該対応付けは、預金口座ごとに登録され管理される。引落先登録テーブルは、口座番号、引落先口座番号、及び個人IDのフィールドを有する。
口座番号は、対応付けが登録される預金口座を示し、共用される預金口座の口座番号の値をとる。引落先口座番号は、引落先、すなわち、引き落としにおける入金先の口座番号の値をとる。ここで、引落先は、共用されていない預金口座であってもよい。引落先口座番号は、引落先識別情報の一例である。個人IDは、引落先口座番号と対応付けられる利用者を示し、口座番号のフィールドの値が識別する預金口座を共用する利用者を識別する個人IDをとる。
引落先登録テーブルに格納される各レコードは、口座番号の預金口座から引落先口座番号の引落先への引き落としが行われた場合に、当該引き落としが個人IDによって識別される利用者に由来したものであると判断するために用いられる。例えば、図8のレコードR501によれば、口座番号「1234567」の預金口座から引落先口座番号「9876543」への引き落としが行われた場合に、当該引き落としが個人ID「P3」の利用者に由来したものと判断されることになる。
このような引落先登録テーブルに格納される情報は、例えば、利用者による金融機関への登録依頼手続き等に基づき、登録される。
図9は、送金元登録テーブルを例示する図である。送金元登録テーブルは、送金元を識別する送金元口座番号と個人IDとの対応付けを管理するために用いられる。当該対応付けは、預金口座ごとに登録され、管理される。送金元登録テーブルは、口座番号、送金元口座番号、及び個人IDのフィールドを有する。
口座番号は、対応付けが登録される預金口座を示し、共用される預金口座の口座番号の値をとる。送金元口座番号は、送金元、すなわち、送金における出金元の口座番号の値をとる。ここで、送金元は、共用されていない預金口座であってもよい。送金元口座番号は、送金元識別情報の一例である。個人IDは、送金元口座番号と対応付けられる利用者を示し、口座番号のフィールドの値が示す預金口座の利用者を識別する個人IDをとる。
送金元登録テーブルに格納される各レコードは、送金元口座番号の送金元から口座番号
の預金口座への送金が行われた場合に、当該送金が個人IDによって識別される利用者に由来したものであると判断するために用いられる。例えば、図9のレコードR601によれば、送金元口座番号「8642975」から口座番号「1234567」の預金口座への送金が行われた場合に、当該送金が個人ID「P3」の利用者に由来したものと判断されることになる。
引落データベースD12は、引き落としの管理のために用いられる。引落データベースD12には、引落日、引落元口座番号、引落先口座番号、引落金額等を含む引落取引依頼情報が格納される。引落取引依頼情報は、公共料金を収納する収納機関や家賃等を集金する事業者等から依頼された、引き落としの取引の依頼を示す情報である。
<機能構成>
図10は、本実施形態における各装置の機能構成を例示する図である。図10には、サーバ1及びATM2の主な機能が示されている。
サーバ1は、補助記憶装置14に記憶されているプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、口座データベースD11、引落データベースD12、自動引落実行部F12、引落先識別情報取得部F131、送金元識別情報取得部F132、取引依頼処理部F14、表示用データ生成部F15、表示用データ送信部F16、初期化条件取得部F17、及び初期化部F18を備えるコンピュータとして機能する。このうち、口座データベースD11、引落先識別情報取得部F131、送金元識別情報取得部F132、取引依頼処理部F14、表示用データ生成部F15、表示用データ送信部F16、初期化条件取得部F17、及び初期化部F18は、それぞれ、個人現在高記憶手段、引落先識別情報取得手段、送金元識別情報取得手段、取引依頼処理手段、表示用データ生成手段、表示用データ送信手段、初期化条件取得手段、及び初期化手段の一例である。
なお、本実施形態において、サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部または全部は、別途のコンピュータにおいて実行されてもよい。例えば、サーバ1とは別途に設けられた勘定系システムが預金口座を管理するためのデータベースを有し、サーバ1は、当該勘定系システムへ依頼することで預金口座に関する取引処理を行ってもよい。
ATM2は、補助記憶装置204に記憶されているプログラムが、RAM202に読み出され、CPU201によって実行されることで、操作受付部F21、個人識別情報読取部F22、取引情報依頼情報送信部F23、及び個人現在高出力部F24を備えるコンピュータとして機能する。また、ATM2は、預金通帳3へ入出金明細を記帳する記帳機能部等を備えるコンピュータとしても動作する。なお、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。
(サーバ1の機能)
サーバ1の口座データベースD11は、預金口座ごとの複数の利用者それぞれを識別する個人IDに関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを、利用者管理テーブルの個人現在高のフィールドに記憶する。口座データベースD11は、上述のように、個人現在高以外にも預金口座に関する各種情報を記憶する。
サーバ1の自動引落実行部F12は、引落データベースD12から引落取引依頼情報を
取得し、引落依頼情報の引落日に、当該引落依頼情報に従った引落処理を実行する。自動実行部F12の処理は、日ごとのバッチ処理として行われる。自動実行部F12は、取引依頼処理部F14に対して、引落日が到来した引落依頼情報を引き渡して、引き落としの取引依頼を処理させる。
サーバ1の引落先識別情報取得部F131は、預金口座ごとに登録され、個人IDと対応付けられた、引落先を識別する引落先口座番号を取得する。具体的には、引落先識別情報取得部F131は、口座データベースD11の引落先登録テーブルを、口座番号を指定して検索することで、預金口座ごとに登録された引落先口座番号を抽出する。
サーバ1の送金元識別情報取得部F132は、預金口座ごとに登録され、個人IDと対応付けられた、送金元を識別する送金元口座番号を取得する。具体的には、送金元識別情報取得部F132は、口座データベースD11の送金元登録テーブルを、口座番号を指定して検索することで、預金口座ごとに登録された送金元口座番号を抽出する。
サーバ1の取引依頼処理部F14は、預金口座に関する取引依頼情報を取得した場合に、取得した取引依頼情報に従って取引の処理を行う。取引依頼処理部F14は、取得した取引依頼情報が特定の条件を満たす場合には、預金残高を対象とした取引の処理を行うとともに、個人現在高の更新処理を行う。ここで、取引依頼情報は、取引内容等が指定された、取引の依頼を示す情報である。本実施形態の取引依頼情報は、預け入れ、引き出し、引き落とし等の何れの取引であるかを示す取引種類、対象となる預金口座を示す対象口座番号、及び取引金額を示す情報を含む。取引依頼処理部F14は、取引依頼情報をATM2からネットワーク5を介して受信する。また、取引依頼処理部F14は、自動引落実行部F12から引き渡された引落依頼情報を処理対象の取引依頼情報として取得する。なお、取引依頼処理部F14は、インターネットバンキングを処理するコンピュータからの受信等、その他の手段で取引依頼情報を取得してもよい。
本実施形態における、取引依頼処理部F14が個人現在高の更新処理を行うための特定の条件を満たす場合とは、(1)取得した取引依頼情報が、取引の依頼者を識別する情報としての個人IDを含む場合、(2)取得した取引依頼情報が引落取引依頼情報であり、当該取引依頼情報が引落元の預金口座に登録された引落先口座番号を、引落先の預金口座を識別する情報として含む場合、及び、(3)取得した取引依頼情報が預金口座への送金の取引依頼情報であり、当該取引依頼情報が送金先の預金口座に登録された送金元口座を、送金元を識別する情報として含む場合である。本実施形態の取引依頼処理部F14は、取得した取引依頼情報が(1)〜(3)の何れにも当たらない場合には、預金残高を対象とした取引の処理のみを行い、個人現在高の更新処理を行わない。
(1)個人IDを含む場合
上述の(1)の場合は、預金口座を共用する利用者が、預金通帳3またはキャッシュカード4を用いてATM2を操作し、当該預金口座への預け入れ、当該預金口座からの引き出し、当該預金口座から別口座への振り込み等の取引依頼を行うときに起こり得る。このようなとき、取引依頼処理部F14は、個人IDが含められた取引依頼情報をATM2から取得する。この場合、取引依頼処理部F14は、預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、当該取引依頼情報に含まれる個人IDに関連付けられて記憶された個人現在高を、処理される預金残高の増減分、増減する。
具体的には、まず、取引依頼処理部F14は、入出金取引の処理として、口座データベースD11の口座管理テーブルに格納されたレコードのうち、対象口座番号のレコードの預金残高の値を、取引金額だけ増減させて更新する。取引依頼情報に含まれる取引種類が、預け入れ等の預金口座への入金を示す場合に、預金残高は増額され、取引依頼情報に含
まれる取引種類が引き出し、引き落とし等の預金口座からの出金を示す場合に、預金残高は減額される。
更に、取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納されるレコードのうち、対象口座番号及び個人IDで特定されるレコードの個人現在高の値を、処理された預金残高の増減額だけ増減する。
(2)登録された引落先口座番号を含む場合
上述の(2)の場合は、利用者に共用される預金口座から引き落としが実行されるときに起こり得る。この場合は、取引依頼処理部F14が、自動引落実行部F12によって引き渡された引落取引依頼情報を取得し、引落先識別情報取得部F131を介して、引落元の預金口座に対して登録されている引落先口座番号を取得できた場合である。
この場合に、取引依頼処理部F14は、預金残高を対象とした引き落としを処理するとともに、取引依頼情報に含まれる引落先口座番号に対応付けられている個人IDを取得し、当該個人IDに関連付けて記憶された個人現在高を、処理される引き落とし額分減ずる。なお、本実施形態の引き落としの取引依頼情報は、引落金額、引落元の引落元口座番号、及び引落先の引落先口座番号を含んでいる。
具体的には、取引依頼処理部F14は、まず、引き落としの処理として、口座データベースD11の口座管理テーブルを参照し、引落元口座番号で特定されるレコードの預金残高の値を引落金額分減ずるとともに、引落先口座番号で特定されるレコードの預金残高の値を当該金額分増やす更新を行う。
更に、取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の引落先登録テーブルを参照して、取引依頼情報に含まれる引落先口座番号に対応付けられている個人IDを取得する。取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納されるレコードのうち、取引依頼情報に含まれる対象口座番号及び取得した個人IDによって特定されるレコードの個人現在高の値を、処理された引落金額分減ずる。
取引依頼処理部F14の(2)の場合の機能によれば、引き落としによる出金状況を、個人現在高に反映できる。例えば、クレジットカードの利用料金や住居の家賃等の引き落としが共用の預金口座から行われる場合が考えられる。この場合、クレジットカードの利用者や住居の居住者が当該引き落としの金額を出金したとみなすことが、預金口座を共用する利用者の認識としては、実情に沿っているときがある。このようなときに、出金の実情をより反映した個人現在高を提供し得る。
(3)登録された送金元口座番号を含む場合
上述の(3)の場合は、利用者に共用される預金口座を送金先とした、送金の取引依頼が処理されるときに起こり得る。この場合は、送金先の口座番号が指定された取引依頼情報が取得され、送金元識別情報取得部F132を介して、取引依頼情報が示す送金先の預金口座に対して登録されている送金元口座番号を取得できた場合である。なお、本実施形態の送金は、預金口座間の送金を前提として説明するが、取引依頼処理部F14は、現金を用いた預金口座への送金に対応してもよい。このような現金を用いた送金に対応するときは、例えば、送金元口座番号の代わりに、送金元の氏名または名称を、個人IDと対応付けてデータベースに登録しておくことが採用されてもよい。
(3)の場合に、取引依頼処理部F14は、預金残高を対象とした送金取引を処理するとともに、取引依頼情報に含まれる送金元口座番号に対応付けられている個人IDを取得し、個人IDに関連付けて記憶された個人現在高を、処理される送金金額分増やす。なお
、本実施形態の送金の取引依頼情報は、送金金額、送金元の口座番号、及び送金先の口座番号を含んでいる。
具体的には、まず、取引依頼処理部F14は、送金取引の処理として、口座データベースD11の口座管理テーブルを参照し、送金元の口座番号で特定されるレコードの預金残高の値を送金金額分減ずるとともに、送金先の口座番号で特定されるレコードの預金残高の値を送金金額分増やす更新を行う。
更に、取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の送金元登録テーブルを参照して、取引依頼情報に含まれる送金先の口座番号に対応付けられている個人IDを取得する。取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納されるレコードのうち、取引依頼情報に含まれる送金先の口座番号及び取得した個人IDによって特定されるレコードの個人現在高の値を、処理された預金残高の送金金額分増やす。
取引依頼処理部F14の(3)の場合の機能によれば、送金による入金状況を、個人現在高に反映できる。例えば、給与所得者個人に支払われる給与が共用される預金口座へ送金される場合が考えられる。この場合、当該給与所得者が当該送金の金額を入金したとみなすことが、預金口座を共用する利用者の認識としては、実情に沿っているときがある。このようなときに、実情をより反映した個人現在高を提供し得る。
サーバ1の表示用データ生成部F15は、口座データベースD11によって記憶された個人現在高に基づいて、複数の利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する。本実施形態の表示用データ生成部F15は、取引依頼処理部F14が取引依頼情報を処理し、口座データベースD11の個人現在高が更新された場合に、個人現在高の表示用データを生成する。生成される表示用データには、取引の対象となった預金口座の利用者それぞれの、取引後の時点における個人現在高の値が含まれる。なお、初期化部F18が、個人現在高を初期値に更新する場合には、表示用データに含まれる個人現在高の値は、初期値に更新された後の値となる。また、個人現在高の表示用データには、利用者名、リセット回数も含まれる。
本実施形態の表示用データ生成部F15は、取引内容の表示用データも生成する。表示用データ生成部F15は、取引依頼処理部F14が取引依頼情報を処理して口座データベースD11の預金残高を更新した場合に、取引内容の表示用データを生成する。取引内容の表示用データは、取引の年月日、入出金区分、取引額等を含み、処理された取引内容等を示す。個人IDが取引依頼情報に含まれる場合等、取引の依頼者に相当する利用者の利用者名が判明している場合には、取引内容の表示用データは利用者名も含む。
更に、表示用データ生成部F15は、生成した取引内容の表示用データを示すレコードを口座データベースD11の取引履歴テーブルへ追加する。このとき、レコードには、取引番号が割り当てられる。また、表示用データ生成部F15は、生成した個人現在高の表示用データを示すレコードを個人現在高履歴テーブルへ追加する。この際、単一の取引処理に起因して生成された、取引内容の表示用データと個人現在高の表示用データとを示すレコード群には、同一の取引番号が振られる。取引内容の表示用データと個人現在高の表示用データとは、関連付けられて格納されることになる。
サーバ1の表示用データ送信部F16は、表示用データ生成部F15によって生成された取引内容及び個人現在高の表示用データを、ATM2へ送信する。本実施形態の表示用データ送信部F16は、取引依頼処理部F14がATM2から取引依頼情報を取得して取引を処理した場合に、当該取引に関して生成された表示用データを、ATM2へ送信する。
また、本実施形態の表示用データ送信部F16は、記帳のための入出金明細の取得要求をATM2から受信した場合に、対象の預金通帳3に未記帳である表示用データを口座データベースD11から取得し、要求元のATM2へ送信する。ここで、取得要求には、口座番号及び個人IDが指定されている。
具体的には、表示用データ送信部F16は、まず、口座データベース11の利用者管理テーブルのレコードうち、指定された口座番号及び個人IDで特定されるレコードの記帳済履歴番号を取得する。次に、表示用データ送信部F16は、取引履歴テーブル及び個人現在高履歴テーブルのレコードうち、当該取得した記帳済履歴番号より大きい取引番号、及び指定された口座番号を有するレコード群を抽出して、当該レコード群に記憶された表示用データ群を取得する。次に、表示用データ送信部F16は、取得した表示用データ群を取得要求の送信元へ送信する。表示用データ送信部F16は、当該送信後、ATM2からエラー等を受信しなければ、送信した表示用データが記帳されたものとして、利用者管理テーブルに格納される記帳済履歴番号を更新する。
なお、本実施形態の表示用データ送信部F16は、表示用データをATM2へ送信するが、表示用データ送信部F16は、電子メールで、表示用データを取引対象の預金口座の利用者それぞれに送信してもよい。この場合、事前に利用者それぞれの電子メールアドレスが登録されており、取引依頼処理部F14が取引を処理した場合に、生成された表示用データが本文に含められた電子メールのメッセージが、取引対象の預金口座の利用者それぞれの電子メールアドレスへ送信されてもよい。また、サーバ1は、Webブラウザにより利用可能なインターネットバンキングシステムと連携し、表示用データ送信部F16は、インターネットバンキングシステムへ表示用データを送信してもよい。この場合、インターネットバンキングシステムは、受信した表示用データに基づいて、個人現在高を含む取引明細が表示されるWebページをユーザへ提供する。
サーバ1の初期化条件取得部F17は、個人現在高ごとに設定される、個人現在高を初期値に戻す基準となる初期化条件を取得する。具体的には、初期化条件取得部F17は、口座データベースD11における利用者管理テーブルのリセット額の値を取得する。個人現在高が取得されたリセット額以下となることが、初期化条件として取り扱われる。
サーバ1の初期化部F18は、初期化条件取得部F17によって取得される初期化条件が満たされたと判定した場合に、初期化条件が設定された個人現在高を初期値に戻す。具体的には、初期化部F18は、取引依頼処理部F14が個人現在高を更新する際に、更新後の値が個人現在高に設定されたリセット額以下であるか否かを判定する。初期化部F18は、更新後の値が個人現在高に設定されたリセット額以下である場合に、初期化条件が満たされたと判定する。この場合、初期化部F18は、口座データベースD11における利用者管理テーブルに格納されるレコードの当該個人現在高の値を、本実施形態の初期値である0に更新する。更に、本実施形態の初期化部F18は、当該初期値に更新した個人現在高を格納するレコードのリセット回数の値を、1加算した値に更新する。
なお、本実施形態では、リセット額以下となることが初期化条件として採用されるが、リセット額以上となることを初期化条件としてもよい。また、設定されたリセット額を基準値とした条件が採用される代わりに、例えば、設定された日時(例えば年度の開始を示す日時)を基準として、初期化条件は当該設定された日時を経過することであってもよい。
(ATM2の機能)
ATM2の操作受付部F21は、対象の預金口座に関する操作をユーザから受け付ける
。ここで、本実施形態におけるユーザは、預金口座を共用する利用者である。操作受付部F21は、表示部24に、預金口座に関する取引メニュー、操作ガイド、操作ボタン等を表示し、操作部25を介してユーザからの操作を受け付ける。なお、端末として、金融機関の窓口に設置される窓口端末が採用される場合には、ユーザは、金融機関の窓口担当者等であってもよい。
ATM2の個人識別情報読取部F22は、預金口座の利用者それぞれに発行された預金通帳3またはキャッシュカード4の提示をユーザから受け付け、提示された預金通帳3またはキャッシュカード4から個人IDを読み取る。本実施形態の個人識別情報読取部F22は、磁気読取部212によって、通帳取扱口21に挿入された預金通帳3の磁気ストライプ31から、口座番号及び個人IDを読み取る。また、個人識別情報読取部F22は、ICカードリーダ221によって、キャッシュカード取扱口22に挿入されたキャッシュカード4から、口座番号及び個人IDを読み取る。読み取られた口座番号は、取引の対象となる預金口座を識別するために用いられる。また、読み取られた個人IDは、ATM2のユーザ、すなわち取引の依頼者を識別するために用いられる。
ATM2の取引情報依頼情報送信部F23は、操作受付部F21によって入出金取引を依頼するための操作を受け付けると、個人識別情報読取部F22によって読み取られた個人IDを含めた入出金の取引依頼情報を生成してサーバ1へ送信する。本実施形態の取引情報依頼情報送信部F23は、引き出し等の預金口座からの出金を伴う取引を依頼するための操作については、暗証番号を用いたユーザの認証が完了している場合に限り、受け付ける。
なお、暗証番号を用いたユーザの認証は、ATM2とサーバ1とが連携することで実現される。ユーザの認証では、サーバ1において、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納される暗証番号の値が参照される。なお、指紋認証、静脈認証等の生体認証がユーザの認証に用いられてもよい。
ATM2の個人現在高出力部F24は、対象の預金口座における個人現在高の表示用データを、サーバ1から受信してユーザへ出力する。個人現在高出力部F24は、預金口座の利用者それぞれに係る個人現在高それぞれを、通帳取扱口21に挿入された預金通帳3へ印字することで、表示用データをユーザへ出力する。また、個人現在高出力部F24は、個人現在高それぞれを、表示部24への表示することによっても、表示用データをユーザへ出力する。
預金通帳3への印字の詳細について説明する。個人現在高出力部F24は、入出金明細を記帳する記帳機能部と連携して、通帳印字部211によって、個人現在高を預金通帳3へ印字する。個人現在高は、取引内容とともに、入出金の取引ごとの取引明細として印字される。
本実施形態における預金通帳3の取引明細は、図2が例示するように印字される。預金通帳3の取引明細の印字紙面には、年月日、お預り金額、お支払金額、個人現在高、及び合計現在高の欄が設けられている。図2には、利用者A、B、Cの3名が共用する預金口座の預金通帳3の印字面が例示されている。1件の取引の明細は、預金口座を共用する人数に対応する行数を用いて印字される。図2では、各取引の明細が、3行ごとに印字されており、例えば、第01〜03行が、150,000円の預け入れの取引明細を示している。なお、印字紙面において、各利用者に対応する個人現在高それぞれの欄が列として設けられ、各取引の明細が1行ごとに印字されてもよい。
年月日の欄には、取引があった年月日が印字される。お預り金額の欄には、預金口座へ
の入金取引があった場合の入金金額が印字される。お支払金額の欄には、預金口座からの出金取引があった場合の出金金額が印字される。本実施形態では、ATM2は、何れの利用者が取引の依頼者であるかを示す利用者名の情報を含む表示用データをサーバ1から受信しており、お預り金額またはお支払金額の欄へ、依頼者の利用者名を印字する。例えば、第01行のお預り金額欄には、「A」と印字されているが、この印字は、利用者Aが依頼した入金取引が行われたことを表している。ただし、ここで印字される利用者名は、必ずしも、ATM2を操作して取引を金融機関に依頼した利用者を表すとは限らない。引き落としや送金の取引については、取引を金融機関に依頼した利用者ではなく、その取引に関係する利用者が、依頼者に相当する者として、利用者名で印字されることがある。
個人現在高の欄には、取引後の各利用者の個人現在高が印字される。利用者の個人現在高それぞれは、利用者名とともに各行へ印字される。例えば、第04〜06行は、2013年4月1日の出金取引の結果、A、B、Cの個人現在高それぞれが、150,000円、0円、−50,000円になったことを表している。また、利用者のリセット回数が1以上である場合は、利用者名の末尾に括弧書でリセット回数が印字される。例えば、第21行の個人現在高の欄には「C(1)」と印字されるが、この印字は、利用者Cのリセット回数が1であることを示している。
合計現在高の欄には、取引後の預金残高が印字される。入出金の対象となる額はこの欄に記載された値である。
本実施形態では、このような取引明細を印字するための表示用データが、サーバ1から受信される。個人現在高出力部F24は、表示用データに基づき、上述した個人現在高の欄に、利用者名とともに個人現在高の値を印字する。なお、ここでサーバ1から受信される表示用データは、印字対象の預金通帳3に未記帳のものであるように、表示用データ送信部F16によって調整されたものである。
<処理の流れ>
図11から図15を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの主な処理の流れを説明する。なお、これらの図に示された処理の内容及び順序は一例であり、処理の内容及び順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
図11は、預け入れ処理の流れを例示するシーケンス図である。この処理の流れでは、預金通帳3を用いた預金の預け入れが行われる。この処理の流れは、預金口座を共有する利用者の一人が、ユーザとしてATM2を操作して預け入れのメニューを選択し、ATM2の画面指示に応じて、預金通帳3を通帳取扱口21へ挿入したことを契機に開始される。
ステップS101〜S103では、個人ID等が読み取られ、有効であることが確認される。ステップS101では、ATM2の個人識別情報読取部F22が、通帳取扱口21に挿入された預金通帳3の磁気ストライプ31から、口座番号及び個人IDを読み取る。ステップS102では、ATM2が、読み取った口座番号及び個人IDが有効であることをサーバ1へ問い合わせる。ステップS103では、サーバ1が、問い合わせに応じて個人ID等が有効であることを確認する。具体的には、サーバ1は、口座データベースD11の口座管理テーブル及び利用者管理テーブルを参照し、問い合わせの口座番号の預金口座が存在し、当該預金口座に問い合わせの個人IDが識別する利用者が存在していることを確認する。サーバ1は、当該確認をした上で、有効である旨の返答をATM2へ送信する。
ステップS104〜S107では、預け入れの取引依頼が受け付けられる。まず、ステ
ップS104では、ATM2の操作受付部F21が、預け入れ金の投入を求める旨のメッセージを表示部24へ表示する。次に、ステップS105では、ユーザによって、現金が現金取扱部23に投入される。ステップS106では、ATM2の現金取扱部23が投入された現金を計数し、操作受付部F21が、投入された現金の金額とともに当該金額の預け入れの取引依頼を行うことの意思を確認するためのメッセージを表示部24へ表示する。次に、ステップS107では、ATM2の操作受付部F21が、ユーザから預け入れの取引依頼を行うための操作を受け付ける。
ステップS108では、ATM2からサーバ1へ取引依頼情報が送信される。まず、ATM2の取引情報依頼情報送信部F23が、預け入れの取引依頼情報を生成する。ここで生成される取引依頼情報には、ステップS101で読み取られた口座番号、個人ID、及びステップS106で計数された現金の金額が含められ、これらはそれぞれ、預け入れ先の預金口座、取引の依頼者、預け入れの金額を示す。取引情報依頼情報送信部F23は、生成した取引依頼情報をサーバ1へ送信し、サーバ1は取引依頼情報を受信する。
ステップS109〜S111では、サーバ1によって取引依頼情報が処理される。ステップS109では、サーバ1の取引依頼処理部F14が、受信した取引依頼情報に従って預金残高を対象とした預け入れの取引の処理を行う。ステップS110では、取引依頼処理部F14が、取引の依頼者の個人現在高を預け入れの金額だけ増額する。ステップS111では、表示用データ生成部F15が、預け入れ先の預金口座に関して、取引内容及び個人現在高の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11へ格納する。これらの処理の詳細は、後述する。なお、ステップS109及びS110は、取引依頼処理ステップの一例であり、ステップS111は、表示用データ生成ステップの一例である。
ステップS112では、サーバ1からATM2へ完了通知等が送信される。具体的には、サーバ1が、取引依頼の処理の完了を示す完了通知をATM2へ送信する。また、サーバ1の表示用データ送信部F16は、ステップS111で生成された表示用データを、この完了通知と併せてATM2へ送信する。一方、ATM2は、完了通知及び表示用データを受信する。
ステップS113及びS114では、記帳用の入出金明細の取得要求がサーバ1へ送信され、処理される。まず、ステップS113では、ATM2が、預金通帳3への記帳のために、記帳用の入出金明細の取得要求をサーバ1へ送信する。取得要求には、ステップS101で読み取られた口座番号及び個人IDが含まれている。次に、ステップS114では、表示用データ送信部F16が、ATM2の通帳取扱口21に挿入されている預金通帳3に未記帳である表示用データを、口座データベースD11から取得する。取得される表示用データの範囲は、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納されたレコードのうち、取得要求に含まれる口座番号及び個人IDで特定されるレコードの記帳済履歴番号の値に基づいて判断される。
ステップS115及びS116では、入出金明細が預金通帳3へ印字される。まず、ステップS115では、サーバ1の表示用データ送信部F16が、ステップS114で取得した表示用データをATM2へ送信し、ATM2が、入出金明細の取得要求の返答として、未記帳の表示用データを受信する。次に、ステップS116では、ATM2の記帳機能部及び個人現在高出力部F24が、受信した未記帳の表示用データを預金通帳3へ印字する。結果、図2が示すような入出金明細の印字が得られる。この印字により、ATM2のユーザは、他の利用者が行った取引についても把握できる。
ステップS117では、ATM2が、取引が完了した旨のメッセージを表示部24へ表
示する。また、ATM2の個人現在高出力部F24は、ステップS112で受信した表示用データを参照し、取引後の各利用者の個人現在高を表示部24へ表示する。ステップS118では、ATM2が通帳取扱口21から預金通帳3を排出する。
図12は、サーバ1における入出金の取引依頼の処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、サーバ1が引き落とし以外の入出金の取引依頼情報を取得したことを契機に開始される。この処理の流れは、預け入れの取引の処理における図11のステップ109〜S111の処理の詳細を示したものである。また、この処理の流れは、預け入れに限らず、引き出し、送金等の各種入出金の取引処理の詳細を示したものでもある。なお、引き落としの取引処理については、後述する。
ステップS201では、取引依頼処理部F14が、預金口座を取引対象とした取引依頼情報を取得する。ここで取得される取引依頼情報は、預け入れ、引き出し、送金等の何れの入出金の取引依頼を示すものであってもよい。取引依頼処理部F14は、例えば、取引依頼情報をATM2から受信して取得する。
ステップS202では、取引依頼処理部F14が、取得した取引依頼情報に従って預金残高を対象とした取引の処理を行う。口座データベースD11の口座管理テーブルに格納されたレコードのうち、取引の対象となる口座番号により特定されるレコードの預金残高の値が、取引依頼情報で指定された取引金額分増減されて更新される。
ステップS203では、取引依頼処理部F14が、送金先の個人現在高の更新を行う。口座間送金等の取引では、送金先の預金口座が存在する。当該送金先の預金口座が共用されている場合に、取引依頼処理部F14は、必要に応じて、送金先の預金口座に関する個人現在高の更新を行う。詳細は後述する。なお、取引依頼処理部F14が、送金以外の取引を処理する場合は、ステップS203では、実質的な処理が行われない。
ステップS204では、取引依頼処理部F14が、取得した取引依頼情報が取引対象の預金口座の利用者を識別する個人IDを含むか否かを判定する。ここで、個人IDは、図11のステップS108で説明したように、ATM2によって含められたものであり、ATM2のユーザ、すなわち、取引の依頼者を識別する。よって、ステップS204では、取引依頼情報に依頼者が指定されているか否かが判定されていることになる。ステップS204で、当該取引依頼情報が取引対象の預金口座の利用者を識別する個人IDを含むと判定された場合、処理はステップS205へ進む。この場合は、取引依頼処理部F14について上述した(1)の場合に当たる。ステップS204で、当該取引依頼情報が取引対象の預金口座の利用者を識別する個人IDを含むと判定されなかった場合、処理はステップS209へ進む。
ステップS205では、取引依頼処理部F14が、口座データベースD11の利用者管理テーブルにおいて、当該取引依頼情報に含まれる個人IDに関連付けられて格納された個人現在高の値を、ステップS202で処理された預金残高の増減分、増減して更新する。ここでは、取引の依頼者である利用者の個人現在高が増減されることになる。
ステップS206では、初期化部F18が、リセット額が個人現在高に設定されているか否かを判定する。具体的には、初期化部F18は、初期化条件取得部F17を介して、ステップS205で増減された個人現在高に設定されたリセット額を取得し、取得されたリセット額の値が未設定を示す値(「−」)以外であるか否かを判定する。ステップS206で、個人現在高にリセット額が設定されていると判定された場合、処理はステップS207へ進む。ステップS206で、個人現在高にリセット額が設定されていると判定されなかった場合、処理はステップS209へ進む。
ステップS207では、初期化部F18が、増減された個人現在高がステップS206で取得されたリセット額以下であるか否かを判定する。ステップS207で、当該増減新された個人現在高が取得されたリセット額以下であると判定された場合、処理はステップS208へ進む。ステップS207で、当該増減された個人現在高が取得されたリセット額以下であると判定されなかった場合、処理はステップS209へ進む。
ステップS208では、初期化部F18が、増減された個人現在高を初期値に戻す。具体的には、初期化部F18は、ステップS205で増減されて更新された、口座データベースD11の利用者管理テーブルに格納されるレコードの個人現在高の値を、初期値に更新するとともに、当該レコードのリセット回数を、1加算した値に更新する。
ステップS209及びS210では、表示用データが生成される。ステップS209では、表示用データ生成部F15が、ステップS202で処理された取引内容の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11の取引履歴テーブルへ格納する。ステップS210では、表示用データ生成部F15が、取引対象の預金口座の利用者それぞれの個人現在高の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11の個人現在高履歴テーブルへ格納する。
図13は、サーバ1における送金先の個人現在高の更新処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、図12におけるステップS203の処理の詳細を示したものである。
ステップS301では、取引依頼処理部F14が、処理対象の取引依頼情報が預金口座への送金の取引依頼を示すか否かを判定する。ここで、本実施形態の送金の取引依頼とは、取引の依頼者が当該依頼者以外の者が管理する預金口座へ入金する取引の依頼である。ステップS301で、処理対象の取引依頼情報が預金口座への送金の取引依頼を示すと判定されなかった場合、送金先の個人現在高の更新処理は終了する。
ステップS302では、取引依頼処理部F14が、処理対象の取引依頼情報の送金元の口座番号が送金先の預金口座に対して登録されている送金元先口座番号であるか否かを判定する。ステップS302で、処理対象の取引依頼情報の送金元の口座番号が送金先の預金口座に対して登録されている送金元先口座番号であると判定された場合、処理はステップS303へ進む。この場合は、取引依頼処理部F14について上述した(3)の場合に当たる。ステップS302で、処理対象の取引依頼情報の送金元の口座番号が送金先の預金口座に対して登録されている送金元先口座番号であると判定されなかった場合、送金先の個人現在高の更新処理は終了する。
ステップS303では、取引依頼処理部F14が、個人現在高の更新対象の利用者を決定する。具体的には、取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の送金元登録テーブルを参照して、送金先の預金口座に登録された、送金元を識別する送金元口座番号に対応付けられている個人IDを取得する。取引依頼処理部F14は、取得された個人IDが識別する利用者を、個人現在高の更新対象として決定する。ステップS303の処理は、取引内容である送金が、送金先の預金口座を共用する利用者のうちの何れに由来したものであるかを決定するための処理である。
ステップS304では、取引依頼処理部F14が、口座データベースD11の利用者管理テーブルにおける、ステップS303で決定された利用者の個人IDに関連付けられて格納された個人現在高の値を、送金金額分増やす。ここでは、送金の由来者の個人現在高が増額されることになる。なお、ここで増額された個人現在高に、リセット額が設定され
ている場合、図12のステップS206〜S208の例に従い、個人現在高の初期化に関する処理も併せて行われてもよい。
ステップS305では、表示用データ生成部F15が、送金先の預金口座の利用者それぞれの個人現在高の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11の個人現在高履歴テーブルへ格納する。
図14は、サーバ1における引き落としの取引処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、取引依頼処理部F14が、引落日が到来した引落取引依頼情報を自動引落実行部F12から取得したことを契機に開始する。
ステップS401では、取引依頼処理部F14が、取得した引落取引依頼情報に従って預金残高を対象とした引き落とし取引の処理を行う。取引の処理として、口座データベースD11の口座管理テーブルに格納されたレコードのうち、取引の対象となる口座番号により特定されるレコードの預金残高の値が引落金額だけ減ぜられて更新される。
ステップS402では、取引依頼処理部F14が、引落取引依頼情報の引落先口座番号が引落元の預金口座に対して登録されている引落先口座番号であるか否かを判定する。ステップS402で、引落取引依頼情報の引落先口座番号が引落元の預金口座に対して登録されている引落先口座番号であると判定された場合、処理はステップS403へ進む。この場合は、取引依頼処理部F14について上述した(2)の場合に当たる。ステップS402で、引落取引依頼情報の引落先口座番号が引落元の預金口座に対して登録されている引落先口座番号であると判定されなかった場合、処理はステップS405へ進む。
ステップS403では、取引依頼処理部F14が、個人現在高の更新対象の利用者を決定する。具体的には、取引依頼処理部F14は、口座データベースD11の引落先登録テーブルを参照して、引落元の預金口座に登録された、引落先を識別する引落先口座番号に対応付けられている個人IDを取得する。取引依頼処理部F14は、取得された個人IDが識別する利用者を、個人現在高の更新対象として決定する。ステップS403の処理は、取引内容である引き落としが、引落元の預金口座を共用する利用者のうちの何れに由来したものであるかを決定するための処理である。
ステップS404では、取引依頼処理部F14が、口座データベースD11の利用者管理テーブルにおける、ステップS403で決定された利用者の個人IDに関連付けられて格納された個人現在高の値を、引落金額分減ずる。ここでは、引き落としの由来者の個人現在高が減額されることになる。
ステップS405及びS406では、表示用データが生成される。ステップS406では、表示用データ生成部F15が、ステップS401で処理された取引内容の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11の取引履歴テーブルへ格納する。ステップS406では、表示用データ生成部F15が、引落元の預金口座における利用者それぞれの個人現在高の表示用データを生成し、生成した表示用データを口座データベースD11の個人現在高履歴テーブルへ格納する。
図15は、引き出し処理の流れを例示するシーケンス図である。この処理の流れでは、キャッシュカード4を用いた預金の引き出しが行われる。この処理の流れは、預金口座を共有する利用者の一人が、ユーザとしてATM2を操作して引き出しのメニューを選択し、ATM2の画面指示に応じて、キャッシュカード4をキャッシュカード取扱口22へ挿入したことを契機に開始される。
ステップS501〜S504では、個人ID等が読み取られ、有効であることが確認される。ステップS501では、ATM2の個人識別情報読取部F22が、キャッシュカード取扱口22に挿入されたキャッシュカード4から、口座番号及び個人IDを読み取る。その後、ATM2は、暗証番号の入力を求める旨のメッセージを表示部24へ表示する。ステップS502では、ユーザが、表示部24に表示されたメッセージに応じ、操作部25を介して暗証番号を入力する。ステップS503では、ATM2が、読み取った口座番号及び個人IDと入力された暗証番号との組が有効であることをサーバ1へ問い合わせる。ステップS504では、サーバ1が、問い合わせに応じて暗証番号等が有効であることを確認する。具体的には、サーバ1が、口座データベースD11の口座管理テーブル及び利用者管理テーブルを参照し、問い合わせの口座番号の預金口座が存在し、当該預金口座に問い合わせの個人IDが識別する利用者が存在しており、その利用者の暗証番号が問い合わせの暗証番号と一致していることを確認する。そして、サーバ1は、有効である旨の返答をATM2へ送信する。
ステップS505では、ATM2の操作受付部F21が、引き出し額の入力をユーザから受け付ける。
ステップS506では、ATM2からサーバ1へ取引依頼情報が送信される。まず、ATM2の取引情報依頼情報送信部F23が、引き出しの取引依頼情報を生成する。ここで生成される取引依頼情報には、ステップS102で読み取られた口座番号、個人ID、及びステップS505で入力された引き出しの額が含められ、それぞれ引き出し対象の預金口座、取引の依頼者、引出金額を示す。取引情報依頼情報送信部F23は、生成した取引依頼情報をサーバ1へ送信し、サーバ1は、取引依頼情報を受信する。
ステップS507では、サーバ1によって取引依頼情報が処理される。この処理は、図12で説明した入出金の取引依頼の処理である。ここでは、預金座高、個人現在高等についての処理が行われる。
ステップS508では、サーバ1が、取引依頼の処理の完了を示す完了通知をATM2へ送信する。また、表示用データ送信部F16は、ステップS110で生成した表示用データを、この完了通知と併せてATM2へ送信する。一方、ATM2は、完了通知及び表示用データを受信する。
ステップS509では、ATM2が、現金取扱部23から引出金額の現金を排出する。ステップS510では、取引が完了した旨のメッセージを表示部24へ表示する。また、ATM2の個人現在高出力部F24は、ステップS510で受信された表示用データを参照し、取引後の各利用者の個人現在高を表示部24へ表示する。ステップS511では、ATM2がキャッシュカード取扱口22からキャッシュカード4を排出する。なお、ATM2が用紙に取引明細を印字するための取引明細印字部を備え、ATM2は、取引明細印字部によって、取引明細及び個人現在高を印字した取引明細書を作成してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、取引の対象となる預金残額とは別に、入出金の額に応じて増減する各利用者の個人現在高が、サーバ1で管理され、預金通帳3に印字等されて、預金口座を共用する複数の利用者へ提供される。提供される個人現在高によって、過度の引き出し等の入出金状況が他の利用者にも容易に把握可能となるため、抑止力等が働き、各利用者の入出金の行動が適正化され得る。預金口座が資金の積み立て等の用途で用いられる場合には、提供される個人現在高によって、各利用者の積み立ての額への貢献状況も容易に把握可能であり、入金の動機付けも与えることができる。更に、入出金に際して、利用者には、煩雑な操作や特別な制限等も課せられないため、緊急時に必要費を引き出すこと等も容易である。よって、複数人が共用する預金口座に関して、柔軟な入出金が
可能な態様で、各利用者による入出金が適正に行われることを促進できる。
更に、本実施形態によれば、引き落としによる出金状況及び送金による入金状況を反映した個人現在高が提供可能である。そのため、入出金の実情をより反映した入出金状況が容易に把握可能になり、各利用者による入出金が適正に行われることをより促進できる。
<<変形例>>
以上説明した実施形態では、個人現在高の値に関わらず、利用者が預金残高を対象とした入出金の取引を自由に行うことができた。別の実施形態として、情報処理システムを、個人現在高が事前に設定される基準値以下となった場合に、当該個人現在高に係る利用者による預金口座からの引き出し等の出金取引を制限するように構成してもよい。このような実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)について、上述の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態のサーバ1の口座データベースD11における利用者管理テーブルは、更に、出金制限基準値のフィールドを有する。出金制限基準値は、出金を制限する基準を示すものであり、利用者ごと設定される。出金制限基準値は、マイナス値の設定値、または、未設定値をとる。未設定値は、出金制限基準値が設定されていないことを意味する。
本実施形態のサーバ1は、更に、出金制限基準値取得部及び制限部として機能する。出金制限基準値取得部は、口座データベースD11の利用者管理テーブルを参照して、出金制限基準値を取得する。制限部は、利用者の個人現在高が、当該利用者に対して設定された出金制限基準値以下になった場合に、取引依頼処理部F14が当該利用者を識別する個人IDを含む出金の取引依頼情報を取得しても、当該取引依頼情報に従った出金取引を処理しないように制限する。具体的には、制限部は、口座データベースD11の利用者管理テーブルにおける個人現在高の更新を監視し、個人現在高の更新があった場合に、当該更新があった個人現在高が、設定された出金制限基準値以下になったかどうかを判定することで、このような制限を実現する。
本実施形態の取引依頼処理部F14は、個人IDを含む出金の取引依頼情報を取得した場合に、制限部による制限の有無を確認し、制限がある場合には、預金残高を対象とした取引の処理をせず、個人現在高に関する処理も行わない。
以上説明した本実施形態によれば、利用者の過度な出金等の不適切な出金をより実効的に抑制することができる。なお、引き落としによる出金については出金制限を課さないように構成することで、家賃等の必要費については、預金口座から支払われるようにすることができる。
1 サーバ(情報処理装置、コンピュータ)
D11 口座データベース
D12 引落データベース
2 ATM(端末)
21 通帳取扱口
22 キャッシュカード取扱口
23 現金取扱部
24 表示部
25 操作部
3 預金通帳
4 キャッシュカード
5 ネットワーク

Claims (10)

  1. 預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理する情報処理装置であって、
    各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
    個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
    前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
    を備える情報処理装置。
  2. 預金口座ごとに登録され、個人識別情報と対応付けられた、引落先を識別する引落先識別情報を取得する引落先識別情報取得手段を更に備え、
    前記取引依頼処理手段は、引き落としの取引依頼情報を取得し、前記取得した取引依頼情報が引落元の預金口座に登録された引落先識別情報を含む場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした引き落としを処理するとともに、前記含まれる引落先識別情報に対応付けられている個人識別情報に関連付けて記憶された個人現在高を、前記処理される引き落としの額分減ずる、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 預金口座ごとに登録され、個人識別情報と対応付けられた、送金元を識別する送金元識別情報を取得する送金元識別情報取得手段を更に備え、
    前記取引依頼処理手段は、預金口座への送金の取引依頼情報を取得し、前記取得した取引依頼情報が送金先の預金口座に登録された送金元識別情報を含む場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした送金を処理するとともに、前記含まれる送金元識別情報に対応付けられた個人識別情報に関連付けて記憶された個人現在高を、前記処理される送金の金額分増やす、
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記個人現在高記憶手段によって記憶される個人現在高ごとに設定される、個人現在高を初期値に戻す基準となる初期化条件を取得する初期化条件取得手段と、
    前記取得される初期化条件が満たされたと判定した場合に、前記初期化条件が設定された個人現在高を初期値に更新する初期化手段と、
    を更に備える、
    請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
  5. 個人識別情報ごとに設定される、出金を制限する基準を示す出金制限基準値を取得する出金制限基準値取得手段と、
    個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高が、前記個人識別情報に設定された出金制限基準値以下となった場合に、前記取引依頼処理手段が前記個人識別情報を含む出金の取引依頼情報を取得しても、前記取引依頼情報に従った出金取引を処理しないように制限する制限手段と、
    を更に備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
  6. 預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理するサーバ、及び、前記サーバと通信可能な端末を有する情報処理システムであって、
    前記サーバは、
    各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
    個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
    前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
    前記生成される表示用データを前記端末へ送信する表示用データ送信手段と、
    を備え、
    前記端末は、
    ユーザからの預金口座に関する操作を受け付ける操作受付手段と、
    前記操作の対象となる預金口座に係る表示用データを、前記サーバから受信して前記ユーザへ出力する個人現在高出力手段と、
    を備える、情報処理システム。
  7. 前記端末は、前記操作の対象となる預金口座の通帳を前記端末に搬入するための通帳搬入部を更に備え、
    前記端末の個人現在高出力手段は、前記預金口座の利用者それぞれに係る個人現在高それぞれを、前記通帳搬入部に搬入された前記通帳へ印字する、
    請求項6に記載の情報処理システム。
  8. 前記端末は、
    個人識別情報が記憶され、前記預金口座の利用者それぞれに発行された媒体の提示を前記ユーザから受け付け、前記提示された媒体から個人識別情報を読み取る個人識別情報読取手段と、
    前記操作受付手段によって入出金取引を依頼するための操作を受け付けると、前記個人識別情報読取手段によって読み取られた個人識別情報を含めた入出金の取引依頼情報を生成して前記サーバへ送信する取引情報依頼情報送信手段と、
    を更に備える、
    請求項6または7に記載の情報処理システム。
  9. 預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理する情報処理方法であって、
    各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶部にアクセス可能なコンピュータが、
    個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理ステップと、
    前記個人現在高記憶部によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成ステップと、
    を実行する、情報処理方法。
  10. 預金口座の預金残高を対象とした取引依頼を処理するためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    各預金口座に複数登録される利用者それぞれを識別する個人識別情報に関連付いた、預金口座の個人現在高それぞれを記憶する個人現在高記憶手段と、
    個人識別情報を含む入出金の取引依頼情報を取得した場合に、前記取引依頼情報に従って預金残高を対象とした入出金取引を処理するとともに、前記取引依頼情報に含まれる個
    人識別情報に関連付けられて記憶された個人現在高を、前記処理される預金残高の増減分、増減する取引依頼処理手段と、
    前記個人現在高記憶手段によって記憶された個人現在高に基づいて、前記複数登録される利用者に表示される個人現在高の表示用データを生成する表示用データ生成手段と、
    として機能させるプログラム。
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