JP2015200882A - トナーバインダー及びトナー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が可能であり、保存安定性に優れ、環境にやさしいトナーバインダー及びトナー組成物を提供する。
【解決手段】 エポキシドと二酸化炭素から構成されるポリカーボネート(A)と、(A)以外の結着樹脂(B)を含有するトナーバインダーであって、トナーバインダーの重量に基づく(A)の含有率が1〜45重量%であり、(B)の含有率が55〜99重量%であるトナーバインダーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナーバインダー及びトナー組成物に関する。
電子写真システムでは、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像し、トナー画像を形成する。そのトナー画像を紙等の記録媒体上に転写した後、加熱等の方法で定着する。
この加熱定着方式においては、トナーを熱溶融させて紙等の記録媒体上に定着させる過程で多くの電力が必要となる。近年の省エネルギーや環境保護の観点から、トナーの低温定着性は重要な特性の一つとなっている。
電子写真プロセスでは、紙等の上に転写されたトナーを定着させるために、接触加熱型定着機[ヒートロールを用いる方法、加熱体と紙等の間にフィルム又はベルトを介する方法]を用いることが広く採用されている。この方法では、定着下限温度は低いことが望ましく(低温定着性)、また、ヒートロール表面、フィルム又はベルトへのホットオフセットが発生する温度は高いことが望ましい(耐ホットオフセット性)。更に、複写機又はプリンターの内部では、定着機等から熱が発生するため、トナーが熱によって凝集し流動性が悪化してはならない(保存安定性)。
一方、人類はエネルギーを得るために石油等の化石燃料を大量に燃焼させ、大気中の二酸化炭素濃度を高くし、環境破壊を引き起こしている。その二酸化炭素を炭素源として利用することは非常に望ましいことであり、実用化されているものもある。その中に二酸化炭素とエポキシドからポリカーボネートを製造するものがあり、いくつかの製造方法が報告されている(特許文献1、2)。また、得られたポリカーボネートをトナー用バインダーに応用することも示されている(特許文献3)。しかしながら、示されているポリカーボネートはトナーバインダー用途には保存安定性の観点で問題があり、更なる改良が求められる。
WO2010−53110号公報 WO2011−4730号公報 特開2013−50629号公報
本発明の目的は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が可能であり、保存安定性に優れ、環境にやさしいトナーバインダー及びトナー組成物を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、エポキシドと二酸化炭素から構成されるポリカーボネート(A)と、(A)以外の結着樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、トナーバインダーの重量に基づく(A)の含有率が1〜45重量%であり、(B)の含有率が55〜99重量%であるトナーバインダー;上記のトナーバインダー及び着色剤を含有するトナー組成物;である。
本発明により、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が可能であり、保存安定性に優れ、環境にやさしく実用上も問題がないトナーバインダー及びトナー組成物を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳述する。
本発明に使用するポリカーボネート(A)は二酸化炭素とエポキシドからなるものであればよい。
エポキシドとしては二酸化炭素と反応してポリカーボネートとなるものであれば特に限定されない。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ペンテンオキシド等の脂肪族モノエポキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂肪族多価エポキシド、フェノール類のグリシジルエーテル等の芳香族モノエポキシド、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の芳香族多価エポキシドが挙げられる。エポキシドは、2種以上を併用してもよい。
エポキシドのうち好ましいのは、脂肪族系エポキシ化合物であり、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びこれらの併用が更に好ましい。
ポリカーボネート(A)を合成するときに使用する触媒や製造条件としては特許文献1〜3に記載されているものを使用することができる。ポリカーボネート(A)のガラス転移点(以下Tgと記載)は30〜70℃が好ましく、35〜65℃が更に好ましい。
ポリカーボネート(A)は他の化合物で変性されてもよい。
変性に使用する化合物としては、ポリカーボネート(A)と反応するものであれば特に限定されず、例えばカルボン酸類またはその無水物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
また、ポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)は、これらの混合物だけでなく、ポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)とがグラフト体やブロック体として化学結合された樹脂でもよい。
本発明に用いる(A)以外の結着樹脂(B)としては、ポリエステル樹脂(B1)、スチレン(共)重合体(B2)、ポリエーテルポリエステル樹脂(B3)及びエポキシ樹脂(B4)等が用いられる。帯電性の観点から好ましくは(B1)、(B2)及びこれらの併用である。
本発明に用いるポリエステル樹脂(B1)は、1種以上のポリオール成分(x)と1種以上のポリカルボン酸成分(y)を重縮合して得られる。
ポリオール成分(x)としては、ジオール及び3〜8価又はそれ以上のポリオールが挙げられ、ポリカルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸及び3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B1)のポリオール成分(x)として、ジオールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン及びオキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルは、通常、ビスフェノール類にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)を付加して得られる。ビスフェノール類としては、下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
OH−Ar−X−Ar−OH (1)
[式中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO−、−O−、−S−、又は直接結合、Arは、ハロゲン若しくは炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA及び2,2’−ジエチルビスフェノールFが挙げられ、これらは2種以上を併用することもできる。これらビスフェノール類に付加するAOとしては、炭素数が2〜4のものが好ましく、具体的には、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下THFと記載)及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらの中で好ましくはEO及び/又はPOである。AOの付加モル数は、好ましくは2〜30モル、更に好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルのうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4、特に2〜3)である。
3〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン及びジペンタエリスリトール);糖類及びその誘導体、例えばショ糖及びメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、保存安定性の観点から更に好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜3)である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B1)のポリカルボン酸成分(y)として、ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10,000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10,000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分(y)として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分(y)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、保存安定性の観点から更に好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用であり、特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
本発明において、各々のポリエステル樹脂(B1)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、特に好ましくは2〜40時間である。
この時、必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、更に好ましくは1.5/1〜1/1.3、特に好ましくは1.4/1〜1/1.2である。
本発明に用いるポリエステル樹脂(B1)の軟化点(以下Tmと記載)は、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは80〜170℃であり、更に好ましくは85〜160℃、特に好ましくは90〜150℃である。
本発明において、ポリエステル樹脂(B1)のTmは、以下の方法で測定することができる。
<ポリエステル樹脂(B1)のTmの測定方法>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をTmとする。
ポリエステル樹脂(B1)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
ポリエステル樹脂(B1)の酸価は、好ましくは10〜50mgKOH/g、更に好ましくは12〜45mgKOH/g、特に好ましくは15〜40mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/g以下であるとトナーとして用いた時の帯電特性が良好である。
ポリエステル樹脂(B1)の水酸基価は、好ましくは0〜60mgKOH/g、更に好ましくは0〜55mgKOH/g、特に好ましくは0〜50mgKOH/gである。水酸基価が60mgKOH/g以下であるとトナーとして用いた時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
ポリエステル樹脂(B1)のTgは、好ましくは45〜75℃である。下限は、更に好ましくは48℃、特に好ましくは50℃であり、上限は、更に好ましくは72℃、特に好ましくは70℃である。
なお、上記及び以下において、Tgはセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
ポリエステル樹脂(B1)のTHF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、トナーの耐久性と低温定着性の両立の観点から、2,000〜20,000が好ましく、更に好ましくは2,500〜19,000である。
本発明において、樹脂の分子量[Mp、Mn、重量平均分子量(以下Mwと記載)]は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ポリエステル樹脂(B1)は、定着温度幅の観点からTmが異なるものを2種類以上併用してもよい。2種類以上を併用する場合は粉体混合、溶融混合する方法やトナー化時に着色剤等とともに混合してもよい。
本発明におけるスチレン(共)重合体(B2)としては、スチレン系モノマーの重合体又はスチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーを必須構成単位とする共重合体が挙げられる。
スチレン系モノマーとしてはスチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン(たとえばα−メチルスチレン、p-メチルスチレン)等が挙げられる。好ましくはスチレンである。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルエステル類;ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜18のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜18のアミノ基含有(メタ)アクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリロニトリルのメチル基が炭素数1〜18のニトリル基含有(メタ)アクリル化合物及び(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
これらのうち好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びそれらの二種以上の混合物である。
スチレン(共)重合体(B2)は、必要により他のビニルエステルモノマーや脂肪族炭化水素系ビニルモノマーを構成単位として併用してもよい。
ビニルエステルモノマーとしては脂肪族ビニルエステル(炭素数4〜15たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート等)、不飽和カルボン酸多価(2〜3)アルコールエステル(炭素数8〜200、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、芳香族ビニルエステル(炭素数9〜15、たとえばメチル−4−ビニルベンゾエート等)等が挙げられ、脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしてはオレフィン(炭素数2〜10、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、オクテン等)、ジエン(炭素数4〜10たとえばブタジエン、イソプレン、1,6-ヘキサジエン等)等が挙げられる。
本発明に使用されるスチレン(共)重合体(B2)のMwは、定着温度幅の観点から好ましくは10万〜30万であり、更に好ましくは13万〜28万、特に好ましくは15万〜25万である。
また、MwとMnとの比(Mw/Mn)は、定着温度幅の観点から好ましくは10〜70であり、更に好ましくは15〜65、特に好ましくは20〜60である。
スチレン(共)重合体(B2)のTgは、保存安定性と低温定着性の観点から、好ましくは50〜75℃であり、更に好ましくは50〜70℃、特に好ましくは53〜65℃である。
スチレン(共)重合体(B2)は、定着温度幅の観点から分子量が異なるものを2種類以上併用することが好ましい。
スチレン(共)重合体(B2)は、前記モノマーをラジカル重合開始剤を用いて溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の重合法で合成することができる。好ましくは溶液重合法と塊状重合法又はその組み合わせである。
重合温度は、好ましくは60〜230℃であり、更に好ましくは70〜220℃である。
重合時間は、好ましくは1〜30時間であり、更に好ましくは2〜20時間である。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル及びアゾビスシアノ吉草酸)及び有機過酸化物系重合開始剤(例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及びt−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはジ−t−ブチルパーオキサイド及び2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.2〜8重量%、特に好ましくは0.3〜6重量%である。
溶液重合の場合の溶剤としては、炭素数5〜12のシクロアルカン系溶剤(シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等);炭素数6〜12の芳香族系溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びクメン等);エステル系溶剤(酢酸エチル及び酢酸ブチル等);エーテル系溶剤(メチルセルソルブ、エチルセルソルブ及びブチルセルソルブ等)等が用いられる。
これらのうち好ましいものは芳香族系溶剤であり、更に好ましくはトルエン、キシレン及びエチルベンゼンである。
また、懸濁重合を行う場合、無機酸塩分散剤(炭酸カルシウム及びリン酸カルシウム等)及び有機分散剤(ポリビニルアルコール及びメチルセルロース等)等を用いて水中で重合することができる。
本発明のトナーバインダー中のトナーバインダーの重量に基づくポリカーボネート(A)の含有率は1〜45重量%であり、好ましくは2〜40重量%である。
(A)の含有率が1重量%未満の場合は二酸化炭素使用量が少ないため環境負荷低減効果が小さく、45重量%を超える場合には、トナー組成物の保存安定性が低下するため好ましくない。
本発明のトナーバインダー中のトナーバインダーの重量に基づく結着樹脂(B)の含有率は55〜99重量%であり、好ましくは60〜98重量%である。
(B)の含有率が55重量%未満の場合はトナー組成物の保存安定性が低下し、99重量%を超える場合には、二酸化炭素使用量が少ないため環境負荷低減効果が小さく、好ましくない。
ポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)を混合する方法はどのような方法でもよく、(B)の製造中に(A)を混合する方法、(A)と(B)を混練機等を使用して混合する方法、(A)と(B)を粉体混合する方法などがある。(B)の製造中に(A)を混合する際に(A)と(B)が反応して結合を作ってもよい。
本発明のトナー組成物は、低温定着性を向上させるために融点が60〜120℃の炭化水素ワックス(w)を添加することができる。炭化水素ワックス(w)の融点は、セイコーインスツル(株)製RDC−220を用い、JIS K7122に従って測定し、最大吸熱ピークの極大値の温度を融点とする。炭化水素ワックス(w)を結着樹脂中に分散させる手段に特に制限はないが、炭化水素ワックス(w)が溶融する温度以上であることが必要である。また、炭化水素ワックス(w)を添加する時期は、結着樹脂の合成反応中でもよいし、合成反応が終了してからであってもよい。また、トナー化の際に本発明のトナーバインダーとともに混合され、融点以上の温度で均一化されてもよい。
また、本発明のトナーバインダーは、ポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)の混合物ではなく、ポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)とが化学結合された樹脂(AB)を含有したものでもよい。
グラフト体またはブロック体として化学結合させる化合物としては、例えばカルボン酸類またはその無水物、イソシアネート化合物などが挙げられる。
このポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)とが化学結合された樹脂(AB)中の(A)と(B)の含有比率は特に限定されないが、好ましくは(A)/(B)の重量比は1/99〜45/55である
融点が60〜120℃の炭化水素ワックス(w)としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックス、低分子量ポリエチレン等が挙げられる。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナーバインダー及び着色剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
本発明のトナー組成物には、更に、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有させることができる。
離型剤としては、融点が120〜170℃のポリオレフィンワックスを使用できる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー組成物の重量に基づき、本発明のトナーバインダーが好ましくは30〜97重量%、更に好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは45〜92重量%;着色剤が、好ましくは0.05〜60重量%、更に好ましくは0.1〜55重量%、特に好ましくは0.5〜50重量%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%;流動化剤が、好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。また、添加剤の合計含有率は、好ましくは2〜70重量%、更に好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物の製造方法としては、公知の混練粉砕法やケミカルトナー製法が挙げられる。例えば、流動化剤を除く上記のトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、更に分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、及び樹脂(アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナー組成物とキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリアー粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等、好ましくは紙)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>[エポキシドと二酸化炭素からなるポリカーボネート(A)の合成]
二酸化炭素とプロピレンオキサイドを使用し、特許文献2に記載の方法でポリプロピレンカーボネート(A)を得た。(A)のTgは40℃であった。
<製造例2>[ポリエステル樹脂(B1−1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物100重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物630重量部、テレフタル酸222重量部、アジピン酸20重量部、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で4時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸81重量部を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、Tmが138℃になった時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1−1)とする。
(B1−1)のTgは65℃、Tmは140℃、Mpは11,500、水酸基価は2mgKOH/g、酸価は21mgKOH/gであった。
<製造例3>[ポリエステル樹脂(B1−2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物700重量部、テレフタル酸275重量部、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2重量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸37重量部を仕込み、1時間保持し、得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1−2)とする。
(B1−2)のTgは63℃、Tmは95℃、Mpは5,200、水酸基価は45mgKOH/g、酸価は21mgKOH/gであった。
<製造例4>[スチレン共重合体(B2−1)のキシレン溶液の作製]
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。スチレン495重量部、n−ブチルアクリレート5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド13重量部及びキシレン100重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、スチレン共重合体(B2−1)のキシレン溶液を得た。
<製造例5>[スチレン共重合体(B2−2)のキシレン溶液の作製]
オートクレーブを窒素で置換した後、スチレン378重量部、n−ブチルアクリレート115重量部、アクリル酸7重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.05重量部及び2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン4重量部を仕込み、1時間で95℃まで昇温し、同温度で4時間塊状重合を行った。引き続きキシレン120重量部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間重合した。更にキシレン70重量部と2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン1重量部の混合液を0.5時間かけて滴下した後、同温度で4時間重合した。その後150℃まで昇温し、同温度で1時間重合した後、キシレン700重量部を加えて希釈し、スチレン共重合体(B2−2)のキシレン溶液を得た。
<製造例6>[スチレン共重合体(B2−4)の作製]
4口フラスコに水950部、ポリビニルアルコール[(株)クラレ製PVA235]の2%水溶液50部を加え、これにスチレン380部、n−ブチルアクリレート120部、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン1.5部からなる混合液を加えて撹拌し懸濁液とした。フラスコを充分窒素で置換した後、87℃まで昇温し、重合を開始した。同温度で重合を継続させ、24時間後に転化率が98%になったことを確認した後、100℃に昇温し、同温度で2時間保ち、重合を完結させた。後処理として濾別、水洗、乾燥し、スチレン共重合体(B2−4)を得た。
<製造例7>[スチレン共重合体(B2−5)の作製]
オートクレーブにキシレン100部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で140℃まで昇温した。スチレン360部、n−ブチルアクリレート133部、アクリル酸7部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.8部及びキシレン50部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保った後、175℃に昇温し重合を完結させた。その後、キシレンを溜去し、スチレン共重合体(B2−5)を得た。
<製造例8>
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物257重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物217重量部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物9重量部重量部、テレフタル酸111重量部、無水トリメリット酸重30量部及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で6時間反応させた。その後、190℃で無水トリメリット酸30重量部とポリプロピレンカーボネート(A)400重量部を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、Tmが140℃になった時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを樹脂(AB−1)とする。
樹脂(AB−1)のTgは58℃、Tmは140℃であった。
<製造例9>
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物270重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物169重量部、テレフタル酸165重量部、及び縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2重量部を入れ、220℃、圧力0.5〜25kPaで反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で180℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸19重量部とポリプロピレンカーボネート(A)400重量部を仕込み、180℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを樹脂(AB−2)とする。
(AB−2)のTgは61℃、Tmは100℃であった。
<実施例1>
ポリプロピレンカーボネート(A)20重量部、ポリエステル樹脂(B1−1)40重量部、ポリエステル樹脂(B1−2)40重量部を2軸押出機にてジャケット温度150℃で溶融混合し、トナーバインダー(TB−1)を得た[(TB−1)中の(A)の含有率:20重量%、(B1−1)と(B1−2)の合計含有率:80重量%]。
<実施例2>
オートクレーブにスチレン共重合体(B2−1)のキシレン溶液810重量部とスチレン共重合体(B2−2)のキシレン溶液1,210重量部を仕込み混合した。少量のサンプルを採取し、真空乾燥機でキシレンを溜去し、(B2−1)と(B2−2)の混合物(B2−3)の物性を測定したところ、Tgは64℃、Mwは25万であった。
次いで、ポリプロピレンカーボネート(A)100重量部を投入し、140℃で1時間混合した。キシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧として1kPaで2時間保持してトナーバインダー(TB−2)を得た[(TB−2)中の(A)の含有率:10重量%、(B2−3)の含有率:90重量%]。
<実施例3>
オートクレーブにスチレン共重合体(B2−1)のキシレン溶液945重量部とスチレン共重合体(B2−4)150重量部、スチレン共重合体(B2−5)250重量部を仕込み混合した。少量のサンプルを採取し、真空乾燥機でキシレンを溜去し、(B2−1)、(B2−4)および(B2−5)の混合物(B2−6)の物性を測定したところ、Tgは59℃、Mwは26万であった。
次いで、ポリプロピレンカーボネート(A)50重量部を投入し、140℃で1時間混合した。キシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧として1kPaで2時間保持してトナーバインダー(TB−3)を得た[(TB−3)中の(A)の含有率:5重量%、(B2−6)の含有率:95重量%]。
<実施例4>
樹脂(AB−1)500重量部、樹脂(AB−2)500重量部を2軸押出機にてジャケット温度150℃で溶融混合し、トナーバインダー(TB−4)を得た[(TB−4)中の(A)の含有率:40重量%、ポリエステル樹脂の合計含有率:60重量%]。
<比較例1>
ポリプロピレンカーボネート(A)50重量部、ポリエステル樹脂(B1−1)25重量部、ポリエステル樹脂(B1−2)25重量部とする以外は実施例1と同様にし、トナーバインダー(RTB−1)を得た[(RTB−1)中の(A)の含有率:50重量%、(B1−1)と(B1−2)の合計含有率:50重量%]。
<実施例5〜8、比較例2>
トナーバインダー(TB−1)、(TB−2)、(TB−3)、(TB−4)、(RTB−1)、着色剤、離型剤、荷電制御剤を、表1の配合比(重量部)に従い、下記の方法でトナー組成物を得た。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子100重量部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.5重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−4)、及び比較用のトナー組成物(RT−1)を得た。
Figure 2015200882
なお、表1に記載の着色剤、離型剤、荷電制御剤は以下の通りである。
着色剤:「カーボンブラックMA−100」[三菱化学(株)製]
離型剤:「ビスコール550−P」[三洋化成工業(株)製]
荷電制御剤:「T−77」[保土谷化学(製)]
前記方法で得られたトナー組成物(T−1)〜(T−4)、(RT−1)について、下記の方法で、低温定着性、耐ホットオフセット性、保存安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
〔1〕低温定着性
上記のトナー組成物を用いて、市販複写機[AR5030;シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販複写機[AR5030;シャープ(株)製]の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の、マクベス反射濃度計RD−191[マクベス(株)製]を用いて測定した画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
〔2〕耐ホットオフセット性
上記の低温定着性の評価方法と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。ホットオフセット発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性に優れることを意味する。
〔3〕保存安定性
トナー組成物を50℃の恒温水槽中で8時間放置した後、42メッシュのフルイ上で10秒間一定の振動[ホソカワミクロン(株)製パイダーテステーPT−Eを用い、振動数1600/分とする]を与え、フルイ上に残ったトナー量から、以下の評価基準で保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:フルイ上の残存トナー組成物量が10重量%未満
△:フルイ上の残存トナー組成物量が10重量%以上〜20重量%未満
×:フルイ上の残存トナー組成物量が20重量%以上
本発明のトナーバインダー及びトナー組成物は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が可能であり、保存安定性に優れ、環境にやさしいことから、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーバインダー及びトナー組成物として有用である。

Claims (5)

  1. エポキシドと二酸化炭素との反応から得られるポリカーボネート(A)と、(A)以外の結着樹脂(B)を含有するトナーバインダー(TB)であって、トナーバインダーの重量に基づく(A)の含有率が1〜45重量%であり、(B)の含有率が55〜99重量%であることを特徴とするトナーバインダー。
  2. エポキシドと二酸化炭素との反応から得られるポリカーボネート(A)と結着樹脂(B)とが化学結合された樹脂(AB)を含有するトナーバインダー。
  3. 結着樹脂(B)が、ポリエステル樹脂及び/又はスチレン(共)重合体である請求項1または2に記載のトナーバインダー。
  4. エポキシドがプロピレンオキシド及び/またはエチレンオキシドである請求項1〜3いずれかに記載のトナーバインダー。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のトナーバインダー及び着色剤を含有するトナー組成物。
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