JP2015196965A - 複合建具の断熱構造 - Google Patents

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光洋 飯盛
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Abstract

【課題】金属と樹脂からなる複合建具において、高強度で高い断熱性を備えた。
【解決手段】縦辷り出し窓1は、屋外側に形成した金属枠と屋内側に形成した樹脂枠とを備えた枠体2と、枠体2に納めて開閉可能であって屋外側に形成した金属框と屋内側に形成した樹脂框とを備えた障子3とを有する。障子3は複層ガラス31を金属框と樹脂框とで挟んで固定した。複層ガラス31は隣り合う板ガラス43の端部の間にスペーサ44とシール材41をそれぞれ設けた。複層ガラス31の端部を覆うグレージングチャンネル45の底部に設けた係止部46をシール材41が固化する前に挿入して一体化させる。金属下框21の長手方向に直交する方向の幅Mの長さを複層パネル31の厚み方向の幅Lの長さ以下に設定し、金属下框21の熱貫流率Uを2.33W/mK未満にした。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属枠及び樹脂枠を有する開口枠体に金属框及び樹脂框を有する障子を開閉可能に納めた各種の複合建具の断熱構造に関する。
従来、建物開口部に収納するスイング式、引き戸式、そして嵌め殺し式等の各種の窓やドア等の建具では、建具の枠体や障子等の框にアルミ合金等の金属が含まれていると樹脂製の建具と比較して熱伝導率が高く、断熱性が低いという特性があった。
アルミ合金等の金属と樹脂とを接合した枠体と障子を備えた複合建具として、例えば特許文献1に記載された複合辷り出し窓等が提案されている。この複合辷り出し窓は、開口部をなす窓枠の室外側に金属枠が形成され、室内側に樹脂枠が形成されている。そして、窓枠に開閉可能に取り付けられる障子は、室外側に金属框が形成され室内側に樹脂框が形成されている。この障子は上下框と左右の縦框によって四角形に形成した框体にペアガラス等の複層ガラスを嵌め込んでいる。
このような金属と樹脂からなる辷り出し窓等では、樹脂枠によって金属枠を覆うことで断熱性を向上させると共にアルミ等の金属を室内から見えないようにして冷たい感じを隠して審美性を向上させている。また、障子は四角形枠状に形成された框内に嵌め込まれた複層ガラスの端部にグレージングチャンネルを装着して框に嵌合させた構成を有している。また、特許文献2に記載された窓でも、複層ガラスの端部に断面略U字状のグレージングチャンネルを取り付けて框に装着している。
このようなグレージングチャンネルを備えた障子やドア等はせん断変形やねじりに弱いために、温度変化や運搬や保管等の際にねじれが生じると複層ガラスと框が分離してしまう可能性があり、分離を防ぐために框の幅を大きくすることで複層ガラスの保持強度を高めていた。
特開2002−194938号公報 特開2005−207219号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載された複合建具では、複層ガラスの厚さより複層ガラスを取り付ける四角形枠形状の各框の長手方向に直交する方向の幅が大きく、しかも框に金属を含むために屋内と屋外との間の熱移動が生じ易く断熱性が小さかった。特に寒冷地では、建具にも高い断熱性を求められているが、金属と樹脂を備えた複合建具は断熱性が低いので使用されず、断熱性の高い樹脂建具や木製建具が使用されていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、金属と樹脂からなる複合建具において、高強度で高い断熱性を備えた複合建具の断熱構造を提供することを目的とする。
本発明による複合建具の断熱構造は、屋外側に形成した金属枠と屋内側に形成した樹脂枠とを備えた開口枠体と、開口枠体に納められていて屋外側に形成した金属框と屋内側に形成した樹脂框とを備えた障子と、障子に納められていて金属框に取り付けられた複層パネルとを備え、金属框における金属下框の長手方向に直交する方向の幅の長さ(M)を複層パネルの厚み方向の幅の長さ(L)以下に設定したことを特徴とする。
本発明によれば、障子の複層パネルが金属框に取り付けられていて、金属下框の幅の長さ(M)を複層パネルの厚み方向の幅の長さ(L)以下に小さく設定することができて、金属下框の断熱性が大きくなり熱貫流率が小さい。そのため、金属と樹脂の複合建具であっても樹脂建具や木製建具と同等の断熱性を確保できる。
また、複層ガラスはトリプルガラスであることが好ましい。
複層ガラスとしてトリプルガラスを用いると複層ガラスと金属下框に高い断熱性が得られる。
また、金属下框の熱貫流率は2.33W/mK未満であるから、複層建具でも樹脂建具や木製建具と同等の高い断熱性を確保できる。
また、複層パネルの端部を覆っていて、この端部に固定されたグレージングチャンネルと、グレージングチャンネルの外周を覆って複層パネルの側部に係合した金属下框とを備えていてもよい。
本発明によれば、グレージングチャンネルを複層パネルの端部に固定すると共に、グレージングチャンネルの外周を金属下框で覆って複層パネルの側部に係合したので、複層パネルと金属下框はグレージングチャンネルを介して連結されていて金属下框の幅を小さくしても高強度と高断熱性を確保できる。
また、複層パネルの端部と金属下框とを接着部によって固定してもよい。
複層パネルと金属下框を接着部で固定することで高強度の障子を得られ、金属下框の幅を小さくできる。
本発明による複合建具の断熱構造は、屋外側に形成した金属枠と屋内側に形成した樹脂枠とを備えた開口枠体と、開口枠体に納められていて屋外側に形成した金属框と屋内側に形成した樹脂框とを備えた障子と、障子に納められていて金属框に取り付けられた複層パネルとを備え、金属框の長手方向に直交する方向の幅の長さ(M)を複層パネルの厚み方向の幅の長さ(L)以下に設定したことを特徴とする。
本発明によれば、金属框の長手方向に直交する方向の幅の長さ(M)が複層パネルの厚み方向の幅の長さ(L)以下に設定されているため、金属框の面積が小さく金属框からの熱移動をきわめて小さくでき、しかも断熱性の高い複層ガラスを取り付けることで、金属框の強度を維持しながら樹脂建具や木製建具と同等の高い断熱性を確保できる。
本発明による複合建具の断熱構造によれば、障子の複層パネルが金属框に取り付けられていて、金属下框の長手方向に直交する方向の幅の長さを複層パネルの厚み方向の幅の長さ以下に設定できて金属下框の断熱性が高くなり、複層パネルと同様に金属下框の熱貫流率が小さい。そのため、樹脂建具や木製建具と同等の断熱性を確保できる。
本発明の実施形態による縦辷り出し窓の要部縦断面図である。 図1に示す縦辷り込み窓の要部水平断面図である。 図1に示す縦辷り出し窓の金属下框部分の拡大断面図である。 実施形態の第一変形例による複層ガラスの端部と金属下框との固定構造を示す要部縦断面図である。 実施形態の第二変形例による複層ガラスの端部と金属下框との固定構造を示す要部縦断面図である。
以下、本発明の実施形態による複合建具の一例としての縦辷り出し窓を図1から図3に基づいて説明する。
図1及び図2に示す実施形態による縦辷り出し窓1は、建物の躯体に形成された建物開口部に取り付けられる枠体2内に納めた障子3を吊元側の縦框回りに回転させることで外側に開放可能としている。縦辷り出し窓1はアルミ合金等の金属と樹脂とからなる複合型であり、四角形枠状の複合型の枠体2と、枠体2に開閉可能に納められた複合型の障子3とが設置されている。
枠体2は、屋外側に設けられたアルミ合金等からなる四角形枠状の金属枠4とその屋内側に設けられた合成樹脂製の樹脂枠5とで構成された開口枠体を形成している。金属枠4は、左右の金属縦枠6、7と金属上枠8及び金属下枠9とで形成されている。金属上枠8は外側金属上枠部8aと内側金属上枠部8bとが樹脂製のブリッジ材10を介して連結され、屋内外の熱移動を低減させている。金属下枠9は外側金属下枠部9aと内側金属下枠部9bとが樹脂製のブリッジ材15を介して連結され、屋内外の熱移動を低減させている。
樹脂枠5は左右の金属縦枠6,7の屋内側に形成した左右の樹脂縦枠11、12と、金属上枠8の屋内側に形成した樹脂上枠13と、金属下枠9の屋内側に形成した樹脂下枠14とで構成されている。
なお、連窓の場合、金属縦枠7と樹脂縦枠12は方立に含まれる。また、左右の樹脂縦枠11、12、そして樹脂上枠13、樹脂下枠14は断面視で複数の空気室39aを縦横方向に備えた格子状部をそれぞれ形成しており、複数の空気室39aによって屋外側と屋内側との間の熱移動を低減させるようにしている。
また、障子3は、屋外側に設けられたアルミ合金等の金属からなる金属框16とその屋内側に設けられた樹脂製の樹脂框17とで構成されている。金属框16は、左右の金属縦框18,19と金属上框20及び金属下框21とで形成されている。樹脂框17は左右の金属縦框18,19の屋内側に形成した左右の樹脂縦框23、24と、金属上框20の屋内側に形成した樹脂上框25と、金属下框21の屋内側に形成した樹脂下框26とで構成されている。左右の樹脂縦框23、24、樹脂上框25と樹脂下框26には断面視で複数の空気室39bを縦横方向に備えた格子状部をそれぞれ形成しており、複数の空気室39bによって屋外側と屋内側との間の熱移動を低減させている。
そして、障子3の四角形に枠組みされた金属框16及び樹脂框17の内部には、複層パネルとして例えば複層ガラス31が嵌め込まれている。縦辷り出し窓1の障子3は、枠体2の左右の樹脂縦枠11、12、樹脂上枠13、樹脂下枠14の戸当たり面に当接することで閉鎖状態に納められ、屋外側にのみ開放可能とされている。
また、図2に示す枠体2の戸当たり側の縦枠部分において、枠体2の樹脂縦枠11の屋外側端面11aに形成された嵌合凹部に第一パッキン32Aの一端が嵌合され他端が屋外側に突出している。第一パッキン32Aは例えば略U字形状を有しており、その先端側部分は樹脂縦框23の屋内側端面23aに当接されている。また、樹脂縦枠11の屋外側端面11aにおける第一パッキン32Aから離間した位置に第二パッキン33Aが突出して形成されており、図に示す例では第二パッキン33Aは断面略J字型に屈曲または湾曲した形状を有している。
そして、障子3を枠体2に納めた閉鎖状態で、障子3における樹脂縦框23の屋内側端面23aに第一パッキン32Aの先端が当接しており、また第二パッキン33Aの先端部は端面23aに接触するか、わずかに離間した位置にある。この場合、第一パッキン32は樹脂縦框23の端面23aに強く押圧され、第二パッキン33Aは比較的軽く樹脂縦框23の端面23aに当接するか、あるいは微小間隔で離間するように設定して断熱空間を形成している。
これによって、水平断面視で枠体2の樹脂縦枠11と樹脂縦框23と第一及び第二パッキン32A,33Aとによって断熱空間をなす空気層35Aを形成している。この空気層35Aは樹脂とパッキンとで形成されているため断熱性が高く、枠体2と障子3との間を断熱して屋外側と屋内側との間で熱の受け渡しを低減することができ、断熱性と防露性を向上させることができる。しかも、障子3を枠体2に閉鎖させた状態で、障子3の樹脂縦框23が第一及び第二パッキン32A、33Aに当接するから気密性を確保できると共に障子3の開閉作動に影響を与えない。
また、断熱の空気層は樹脂縦枠11と樹脂縦框23との間だけでなく、図2に示すように、吊元側の樹脂縦枠12と樹脂縦框24との間にも形成されている。この場合、樹脂縦枠12の屋外側端面12aに第一パッキン32Bが形成され、その他端側に間隔を開けて第二パッキン33Bが形成されている。そのため、樹脂縦枠12と樹脂縦框24の各端面12a、24aと第一及び第二パッキン32B,33Bとで断熱空間の空気層35Bを形成している。
同様に、図1に示す樹脂上枠13の屋外側端面13aにパッキン33Cとリブ32Cで仕切られた空気層35Cが形成されている。また、樹脂下枠14の屋外側端面14aに第一パッキン32Dが取り付けられ、その下側に間隔を開けて第二パッキン33Dが形成されている。そして、樹脂下枠14と樹脂下框26の各端面14a、26aと第一及び第二パッキン32D、33Dとで断熱空間の空気層35Dを形成している。
これら第一パッキン32B、32Dと第二パッキン33B、33Dと断熱空間の空気層35B、35Dは、上述した第一パッキン32Aと第二パッキン33A、空気層35Aと同一構成を備えており、空気層35Cも同一構成であってもよい。
そのため、枠体2の四角形枠状の樹脂枠5と障子3の四角形枠状の樹脂框17との間でそれぞれ断熱空間の空気層35A〜35Dが四角形の各辺をなす枠状に形成される。
また、上述の各第一パッキン32A、32B、32Dと第二パッキン33A、33B、33Dは任意の形状を採用することができる。枠体2に対する障子3の閉鎖状態で、第一パッキン32A、32B、32Dは強く樹脂框17に当接し、第二パッキン33A、33B、33Dは弱く樹脂框17に当接するか小さい間隔で離間していればよい。第一パッキン32A、32B、32D,第二パッキン33A、33B、33D、パッキン33Cは樹脂枠5や樹脂框17より軟質のPVC等の合成樹脂やゴム等の弾性部材からなっている。
図2に示す枠体2の戸当たり側の縦枠部分において、樹脂縦框23の見込み面にはロック機構として例えばグレモンハンドル40が装着されている。
また、図1及び図2において、縦辷り出し窓1における枠体2は、屋内側から見て、樹脂上枠13と樹脂下枠14が障子3の樹脂上框25と樹脂下框26を覆うようにそれぞれ配設されている。同様に、屋内側から見て、左右の樹脂縦枠11と樹脂縦枠12は左右の樹脂縦框23、24を覆うように配設されている。そのため、縦辷り出し窓1は框部分の断熱性を高める隠し框構造を備えている。
次に、複層ガラス31と金属下框21と樹脂下框26との断熱構造について説明するが、この構造は金属下框21の部分だけでなく、金属框16の金属上框20の部分、左右の金属縦框18,19の部分にもそれぞれ同様に構成されているものとする。そのため、本実施形態では金属下框21の部分によって代表して説明する。
図3に示す障子3の金属下框21の部分において、複層ガラス31は3枚の板ガラス43がそれぞれスペーサ44を介して平行に配列された三層ガラス(トリプルガラス)である。隣接する板ガラス43間でスペーサ44の外側端部にシール材41が充填されており、シール材41によって両側の板ガラス43を接着して気密に固化している。
複層ガラス31の四辺をなす各端部にはこの端部を覆うように断面略U字状のグレージングチャンネル45が取り付けられている。各グレージングチャンネル45の底部には2本の係止部46が一体形成され、各係止部46は各一対の板ガラス43間のシール材41内に固化前にそれぞれ挿入されて固化後に一体に固定される。これによって、グレージングチャンネル45は複層ガラス31と一体に固定される。シール材41は例えばシリコン系、ポリサドフィド系の接着材を用いることが好ましい。また、係止部46は例えば矢印型に形成されている。
なお、係止部46はグレージングチャンネル45と別体に形成してもよく、略T字状に形成した係止部46をグレージングチャンネル45に形成した穴を通してシール材41に挿入してシール材41を固化させることでグレージングチャンネル45と複層ガラス31を一体化できる。
また、グレージングチャンネル45に係止部46を設けずに例えば接着剤等で複層ガラス31の端部に固定してもよい。
グレージングチャンネル45の両側部45aには外側の板ガラス43の側部に当接してシールするシール部47がそれぞれ設けられている。また、グレージングチャンネル45の屋内側の側部45aは樹脂下框26の屋外側端部tに押圧され、屋外側の側部45aは金属下框21の屋外側に位置する押圧部21aによってシール部47を介して屋内側に押圧されている。
そのため、複層ガラス31は固定されたグレージングチャンネル45を介して金属下框21と連結されており、障子3にねじれやせん断変形の荷重がかかっても複層ガラス31と金属下框21が分離することを防止できる。
また、金属下框21の押圧部21aから下方に延びる壁面21bにはその上下方向の途中部分から水平方向屋内側に延びる受け部21cが設けられ、その他端部は樹脂下框26の屋外側に設けた例えば断面略L字状の係合部26bに係合する係止部を有している。更に壁面21bの下端部には屋内側に延びる当接片21dを形成している。
一方、金属下枠9の外側金属下枠部9aの屋外側端部には水切り片49が形成され、その近傍から上方に延びる起立片50に設けたパッキン51に金属下框21の当接片21dの端部が当接して水密にしている。また、金属下框21の受け部21c上にはセッティングブロック53が設置されてグレージングチャンネル45を介して複層ガラス31を支持している。
ところで、寒冷地等では窓やドア等に高い断熱性が要求されており、その基準として、断熱性の高い樹脂製建具や木製建具等において、熱貫流率Uを下式(1)で示す2.33W/mK未満に設定することが要求されている。
U≦2.33W/mK …(1)
ここで、熱貫流率Uとは、窓等の各部位で窓の内外両側の温度が異なるときに内外の温度差1℃について単位時間当たりで窓の一方側から他方側に窓の面積1mを通過する熱量をワットで表したものである。
そして、本実施形態に示す縦辷り出し窓1のような金属と樹脂を備えた複合建具において、上記(1)式を満足する条件として、発明者らの行った後述の試験等に基づいて次の条件を設定できる。
即ち、図3において、本実施形態による縦辷り出し窓1では、障子3の複層ガラス31の厚み方向の幅の長さをLとし、金属下框21の屋外側端面(見付け面という)の長手方向に直交する方向の幅の長さ(以下、単に幅の長さという)をMとして、両者の比を下記の(2)式で設定した。
M≦L …(2)
複層ガラス31は固定されたグレージングチャンネル45を介して金属下框21と連結されているため強度が高い。しかも、複層ガラス31は3枚の板ガラス43がスペーサ44による所定の間隔(例えば15mm)で平行に配列されているので金属框16の部分より断熱性が高く(1)式を満たしている。
金属下框21においても、金属下框21の屋外側端面の幅の長さMを複層ガラス31の厚み方向の幅L以下に設定することで外気に触れる面積が小さく屋内外の熱移動も小さいので、上記(1)式を満足する高い断熱性を得られる。
そのため、本実施形態では、上述のように障子3に三層ガラス31を採用し、樹脂枠5と樹脂框17に空気室39a、39bを形成し、障子3の樹脂框17と樹脂枠5との間に空気層35A、35B,35C,35Dを設けており、更に、(2)式により、金属下框21の屋外側端面の幅の長さMを複層ガラス31の厚み方向の幅Lと同一長さ以下(M≦L)に設定することで、(1)式で示すように、熱貫流率Uが2.33W/mK未満となる程度に金属下框21の断熱性を向上できる。
なお、上述したように、(1)式及び(2)式の条件は障子3の金属下框21の屋外側の壁面21bの部分だけでなく、金属框16の金属上框20の部分、左右の金属縦框18,19の部分にもそれぞれ同様に形成されている。
上述したように、本発明の実施形態による縦辷り出し窓1は上述の構成を備えているから、(2)式で示す金属框16の金属上下框20,21及び左右の金属縦框18,19の各屋外側端面の長手方向に直交する方向の幅の長さMを複層ガラス31の厚み方向の幅Lと同一長さ以下に設定することで、障子3において複層ガラス31の部分より断熱性の低い金属框16の部分においても寒冷地で使用可能なように熱貫流率Uが2.33W/mK未満となる高い断熱性を確保することができる。そのため、アルミ合金等の金属と樹脂の複合型の縦辷り出し窓1においても、樹脂製建具や木製建具と同等な断熱性を得ることができる。
しかも、複層ガラス31をグレージングチャンネル45と固定して金属下框21等の金属框16と連結させたため、金属框16の各幅の長さMが複層ガラス31の厚み方向の幅L以下でも高い強度と耐久性及び耐候性と意匠性を得られる。
また、本実施形態による縦辷り出し窓1は、屋内側から見て金属框16が樹脂枠5によって覆われている隠し框構造であるから、障子3の金属框16の部分の断熱性を一層向上できる。
なお、本発明による複合建具の断熱構造は、上述した実施形態による縦辷り出し窓1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。
例えば、障子3において金属框16の全てが上記(1)式と(2)式を満足していなくてもよい。例えば、少なくとも地表に近く比較的外気温の低い金属下框21の部分だけが(1)式と(2)式を満足するように設定してもよく、この場合でも金属下框21と複層ガラス31との連結強度を高く維持して断熱性を高めることができる。
また、図4は本発明の第一変形例による縦辷り出し框1を示すものであり、本第一変形例においても、複層ガラス31の厚み方向の幅Lと金属框16の幅の長さMとの関係は81)式と(2)式を満足する構成を有している。そして、本第一変形例では、複層ガラス31はその端部における各2つの板ガラス43の間にスペーサ58をそれぞれ連結している。
複層ガラス31は金属框16との連結部において、グレージングチャンネル45を備えていない。図4に示す金属下框21では、押圧部21aから下方に延びる壁面21bの途中に受け部21cに代えて水平方向屋内側に延びる底部21eが設けられ、底部21eの端部は樹脂下框26の係合部26bに係合している。
また、複層ガラス31の屋内側側面は樹脂下框26の屋外側端部tに当接して位置決めされ、複層ガラス31の屋外側側面は金属下框21の押圧部21aの先端で屋内側に押圧されている。しかも、底部21eには複層ガラス31の端部が配設され、各板ガラス43の端部と底部21eとが接着剤による接着部56によって固定されている。図4に示す例では、各板ガラス43毎に接着部56によって底部21eに固定されている。
なお、複層ガラス31と金属下框21の底部21eとを固定する接着部56の構成は適宜選択できるものであり、板ガラス43を個別に固定する手段に代えて、複層ガラス31の端面と底部21eとの間の全面に接着部56の層を形成してもよいし、複層ガラス31の一方または両方の側面と金属下框21の壁面21bとの間や樹脂下框26との間を接着剤で充填して接着部56を設けてもよい。
また、上述した複層ガラス31の固定構造は金属下框21の部分だけでなく、金属框16の金属上框20の部分、左右の金属縦框18,19の部分にもそれぞれ同様の構成を有している。
また、図5は本発明の第二変形例による縦辷り出し框1を示すものであり、本第二変形例においても、複層ガラス31の厚み方向の幅Lと金属下框21の幅の長さMとの関係は(1)式と(2)式を満足する構成を有している。
そして、本第二変形例では、複層ガラス31の端部に接着部56を設けることなく、グレージングチャンネル45を設けて覆い、グレージングチャンネル45の両側部45aを樹脂下框26の屋外側端部tと金属下框21の押圧部21aとで押圧することで固定している。
本第二変形例による縦辷り出し框1では、複層ガラス31の端部をグレージングチャンネル45や金属下框21で固定していないが、グレージングチャンネル45を介して樹脂下框26の屋外側端部tと金属下框21の押圧部21aとで押圧することで高い強度で保持できる。
また、上述した実施形態や各変形例では、複層パネルとして、三層ガラス(トリプルガラス)の複層ガラス31を用いて説明したが、これに代えて二層ガラス(ペアガラス)を用いてもよい。この場合、三層ガラスと比較して断熱性能は低いが(1)式を満足する程度の熱貫流率Uを有し、しかも(2)式を満足するように設定することができる。
また、上述した実施形態や各変形例では、複層ガラス31の端部近傍の側面を樹脂下框26の屋外側端部tと金属下框21の押圧部21aとで挟持して押圧したが、この構成に代えて、金属下框21の両側に押圧部21aを設けてこれら一対の押圧部21a内に複層ガラス31の端部を挿入して両側面を各押圧部21aで挟んで挟持するようにしてもよい。
上述した実施形態や各変形例において、金属框16の金属下框21だけでなく金属上框20や左右の金属縦框18,19について上記(1)式と(2)式を満足するようにした。しかしながら、本発明では、障子3の金属框16の少なくとも1つの框部、特に地表に近く比較的温度の低い金属下框21の部分だけが(1)式と(2)式を満足するように設定してもよく、この場合でも、複合建具の金属下框21の断熱性を高めて、寒冷地等に使用可能な樹脂建具や木製建具と同等の断熱性を得ることができる。
また、本発明による金属と樹脂を備えた複合建具は、実施形態として縦辷り出し窓1に用いて障子3の金属框16の断熱構造を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、横辷り出し窓や引き違い窓、或いは引き違いドア等、各種の窓やドア等の隠し框構造を備えた複合建具や、隠し框構造を有さない複合建具に本発明の断熱構造を採用できることはいうまでもない。
1 縦辷り出し窓
2 枠体
3 障子
4 金属枠
5 樹脂枠
6、7 金属縦枠
8 金属上枠
9 金属下枠
11、12 樹脂縦枠
11a、12a、13a、14a、23a、24a,25a,26a 端面
13 樹脂上枠
14 樹脂下枠
16 金属框
17 樹脂框
18、19 金属縦框
20 金属上框
21 金属下框
21a 押圧部
21b 壁部
21e 底部
23、24 樹脂縦框
25 樹脂上框
26 樹脂下框
31 複層ガラス
35A、35B,35C,35D 空気層
41 シール材
43 板ガラス
44、58 スペーサ
45 グレージングチャンネル
46 係止部
56 接着部
t 端部

Claims (6)

  1. 屋外側に形成した金属枠と屋内側に形成した樹脂枠とを備えた開口枠体と、
    前記開口枠体に納められていて屋外側に形成した金属框と屋内側に形成した樹脂框とを備えた障子と、
    前記金属框と前記樹脂框に取り付けられた複層パネルとを備え、
    前記金属框における金属下框の長手方向に直交する方向の幅の長さを前記複層パネルの厚み方向の幅の長さ以下に設定したことを特徴とする複合建具の断熱構造。
  2. 前記複層ガラスはトリプルガラスである請求項1に記載された複合建具の断熱構造。
  3. 前記複合建具の熱貫流率は2.33W/mK未満である請求項1または2に記載された複合建具の断熱構造。
  4. 前記複層パネルの端部を覆っていて該端部に固定されたグレージングチャンネルと、該グレージングチャンネルの外周を覆って前記複層パネルに係合した前記金属下框とを備えた請求項1から3のいずれか1項に記載された複合建具の断熱構造。
  5. 前記複層パネルの端部と金属下框とを接着部によって固定した請求項1から3のいずれか1項に記載された複合建具の断熱構造。
  6. 屋外側に形成した金属枠と屋内側に形成した樹脂枠とを備えた開口枠体と、
    前記開口枠体に納められていて屋外側に形成した金属框と屋内側に形成した樹脂框とを備えた障子と、
    前記障子に納められていて前記金属框に取り付けられた複層パネルとを備え、
    前記金属框の長手方向に直交する方向の幅Mの長さを前記複層パネルの厚み方向の幅Lの長さ以下に設定したことを特徴とする複合建具の断熱構造。
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