JP2015196609A - ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シリカ成分が多い異質素地の熔解槽からの流出を抑制する。
【解決手段】溶解槽は、前後方向に配置される第1の側壁、第1の側壁と間隔を空けて平行に配置される第2の側壁、第1の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極および第2の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極からなる複数の電極対、第1の側壁および第2の側壁の前側端部同士を接続する前側壁、第1の側壁および第2の側壁の後側端部同士を接続する後側壁、を備える。複数の電極対のうち、後側壁に最も近い後側電極対と後側壁との距離は、後側電極対の前側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短い。熔解処理において、後側電極対の間に電流を流し、後側電極対の間の熔融ガラスおよび後側壁を加熱する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス基板を製造するガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、ガラス原料を熔解させて熔融ガラスを生成させる熔解処理が含まれる。
熔解処理を行う熔解槽には、対向する側壁に電極対が設けられ、熔解槽に収容される熔融ガラスに対して電極対により通電をすることで熔融ガラスを加熱し(通電加熱)、加熱された熔融ガラスにガラス原料を投入することでガラス原料を熔解させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−9133号公報
ところで、熔解槽に投入されるガラス原料のうち、シリカ成分は、ガラス原料の他の成分よりも熔解しにくい。このため、シリカ成分が多い異質素地が熔融ガラスの液面に集まる傾向がある。特に、熔解槽から熔融ガラスが排出される排出部の液面付近では熔融ガラスが長く留まり、溶融ガラスが高い温度で長時間保持されることで熔解しにくい異質素地の生成が顕著である。
熔解槽の熔融ガラスは通電加熱されるため、電極対の間が最も温度が高い高温部となり、高温部から離れるほど温度が低い低温部となる。このため、高温部では熔融ガラスの上昇流が生じる一方、低温部では熔融ガラスの下降流が生じる。例えば、熔融ガラスが熔解槽から排出される排出部が設けられる壁面は、一般に電極対から離れた位置にあり、また、外部への放熱により冷却されるため、この壁面に沿って下降流が生じやすい。このため、熔融ガラスの液面に集まった異質素地が排出部の近傍の下降流によって降下し、排出部より排出されるおそれがある。シリカ成分が多い異質素地は粘度が高いため、この異質素地が完全に熔融しないまま熔解槽から排出されると、製造されるガラス基板に脈理が生じるおそれがある。
また、熔融ガラスの電気抵抗は温度が下がると大きくなるため、熔融ガラスの温度が下がると電流が流れにくくなる。このため、電流の流れ方向と垂直な方向において溶融ガラスに温度差が生じ高温部と低温部が形成されると、熔融ガラスの電気抵抗が小さい高温部ほど電気が流れやすく、温度が上がりやすくなる一方、電気抵抗が大きい低温部ほど電気が流れにくく、温度が下がりやすくなる。その結果、高温部と低温部との温度差がさらに大きくなり、局所的な対流が生じ、熔融ガラスの流速が上がるなどによって、下降流が速くなるという問題がある。
本発明は、シリカ成分が多い異質素地が熔融せずに熔解槽から流出することを抑制できるガラス基板の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ガラス原料を熔融して熔融ガラスを生成する熔解処理を含むガラス基板の製造方法であって、
前記熔解処理を行う溶解槽は、
前後方向に配置される第1の側壁と、
前記第1の側壁と間隔を空けて平行に配置される第2の側壁と、
前記第1の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極、および、前記第2の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極からなる複数の電極対と、
前記第1の側壁および前記第2の側壁の前側端部同士を接続する前側壁と、
前記第1の側壁および前記第2の側壁の後側端部同士を接続する後側壁と、を備え、
前記複数の電極対のうち、前記後側壁に最も近い後側電極対と前記後側壁との距離は、前記後側電極対の前側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短く、
前記熔解処理において、前記後側電極対の間に電流を流し、前記後側電極対の間の熔融ガラスおよび前記後側壁を加熱することを特徴とする。
前記複数の電極のうち、前記前側壁に最も近い前側電極対と前記前側壁との距離は、前記前側電極対の後側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短く、
前記熔解処理において、前記前側電極対の間に電流を流し、前記前側電極対の間の熔融ガラスおよび前記前側壁を加熱することが好ましい。
前記熔解槽は、3対以上の前記電極対を備え、
各電極対を構成する電極の前後方向の幅は同一であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、ガラス原料を熔融して熔融ガラスを生成する熔解槽を含むガラス基板の製造装置であって、
前記熔解槽は、
前後方向に配置される第1の側壁と、
前記第1の側壁と間隔を空けて平行に配置される第2の側壁と、
前記第1の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極、および、前記第2の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極からなる複数の電極対と、
前記第1の側壁および前記第2の側壁の前側端部同士を接続する前側壁と、
前記第1の側壁および前記第2の側壁の後側端部同士を接続する後側壁と、を備え、
前記複数の電極対のうち、前記後側壁に最も近い後側電極対と前記後側壁との距離は、前記後側電極対の前側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短いことを特徴とする。
本発明によれば、後側壁側に設けられた後側電極対の間に電流を流し、後側電極対の間の熔融ガラスおよび後側壁を加熱することで、後側壁の近傍で熔融ガラスが冷却されることで生じる熔融ガラスの下降流を抑制することができる。このため、シリカ成分が多い異質素地が、熔融せずに下降流によって熔融ガラスの液面から降下して熔融せずに排出されることを抑制することができる。
ガラス基板の製造方法のフローを示す図である。 ガラス基板の製造装置の概略図である。 図1に示す熔解槽の斜視図である。 図3のIV-IV矢視断面図である。 図4のV−V矢視断面図である。 比較例の熔解槽の水平断面図である。 図6のVII−VII矢視断面図である。 実施例の熔解槽内のシミュレーションによる温度分布図である。 比較例の熔解槽内のシミュレーションによる温度分布図である。 実施例の熔解槽の熔融ガラスの流速をシミュレーションした流速分布図である。 比較例の熔解槽の熔融ガラスの流速をシミュレーションした流速分布図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。熔融ガラスの加熱は、熔融ガラス自身に電気を流して発熱させて加熱する通電加熱により行うことができる。さらに、バーナーの火焔による補助的に加熱しガラス原料を熔解することもできる。
なお、熔融ガラスは、清澄剤を含有する。清澄剤として、酸化スズ、亜ヒ酸、アンチモン等が知られているが、特に制限されない。しかし、環境負荷低減の点から、清澄剤として酸化スズを用いることが好ましい。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。
供給工程(ST4)では、攪拌槽された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽110と、清澄管102と、攪拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽110には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽110で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して攪拌槽103に供給される。
攪拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスが攪拌されて均質化工程(ST3)が行われる。攪拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
(熔解槽の構成)
次に、図3〜図5を参照して、熔解槽110の構成について説明する。図3は、熔解槽110の斜視図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図であり、図5は図4のV−V矢視断面図である。
図3〜図5に示すように、熔解槽110は、前側壁120と、後側壁130と、第1の側壁140と、第2の側壁150と、底部160と、迫部170と、後側電極対181と、前側電極対182と、電源装置190と、を備える。なお、図3〜図5における左側が前側であり、図3〜図5における右側が後側である。
前側壁120は、図5に示すように、底部160の前側端部に鉛直に設けられる。前側壁120は第1の側壁140および第2の側壁150の前側端部同士を接続する。
後側壁130は、図5に示すように、底部160の前側壁120とは反対側の端部(後側端部)に鉛直に設けられている。後側壁130は第1の側壁140および第2の側壁150の後側端部同士を接続する。
第1の側壁140は、図4に示すように、前側壁120の一方の端部から後側壁130の一方の端部まで延在するように、底部160から鉛直に設けられている。
第2の側壁150は、図4に示すように、前側壁120の他方の端部から後側壁130の他方の端部まで延在し、前側壁120と後側壁130との間の空間を第1の側壁140との間に挟むように、底部160から鉛直に設けられている。
底部160は、前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150の下端部を接続するように水平に設けられている。
排出部131は、底部160の前側壁120よりも後側壁130に近い領域、または、後側壁130に設けられる。なお、図3〜図5において、排出部131は後側壁130に設けられている。熔解槽110内の熔融ガラスは、排出部131から移送管104に排出される。
図3に破線で示す迫部170は、熔解槽110の気相空間を閉じる天井壁である。迫部170には、ガラス原料が投入される投入部171、バーナー172等が設けられている。投入部171は迫部170の前側(図3における左側)、すなわち、排出部131と反対側に設けられている。なお、図5においては、迫部170を省略している。
投入部171から投入される原料ガラスは、前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150、底部160、および、迫部170に囲まれた空間に貯留され熔融される。
前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150、底部160、および、迫部170には、優れた耐火性を有し、かつ、強度(剛性)が高い部材を用いることができる。具体的には、電鋳耐火物、耐火レンガや耐火断熱レンガを用いることができる。
特に、前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150、および底部160の熔融ガラスと接触する層には、優れた耐火性を有し、かつ強度(剛性)が高く、溶融ガラスからの浸食に長期にわたって耐え、かつ電気抵抗率が高い部材が用いられる。具体的には、電鋳耐火物を用いることができ、特にジルコニア電鋳耐火物を用いることが好ましい。
前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150、および底部160の熔融ガラスと接触する層よりも外側には、複数層からなる断熱層が設けられている。断熱層は、前側壁120、後側壁130、第1の側壁140、第2の側壁150、および底部160の熔融ガラスと接触する層の放熱量を小さくする役割を果たす。なお、図4、図5では、3層の断熱層が設けられている。断熱層には、耐火レンガや耐火断熱レンガを用いることができる。断熱層には、各断熱層で予測される温度に耐えられる耐火性を有する耐火レンガや耐火断熱レンガを用いることができる。例えば、図4、図5に示す3層の断熱層の場合、最も内側の断熱層に高アルミナ質の耐火断熱レンガ、中間の断熱層にはムライト質の耐火断熱レンガ、最も外側の断熱層にはセラミックファイバを用いることができる。
第1の側壁140および第2の側壁150には、前後方向に間隔を空けて複数の電極が設けられている。なお、図3〜図5においては、第1の側壁140に第1電極181a、第3電極182a、第5電極183aが、第2の側壁に第2電極181b、第4電極182b、第6電極183bが設けられている。
後側電極対181は、第1の側壁140の側壁の最も後側壁130側に設けられた第1電極181a、および、第2の側壁150の側壁の最も後側壁130側に設けられた第2電極181bからなる。
前側電極対182は、第1の側壁140の側壁の最も前側壁120側に設けられた第3電極182a、および、第2の側壁150の側壁の最も前側壁120側に設けられた第4電極182bからなる。
図4に示すように、第1電極181aと第2電極181b、第3電極182aと第4電極182bとは対向している。
また、後側電極対181と前側電極対182との間に、さらに1又は複数の電極対が設けられていてもよい。図3〜図5においては、後側電極対181と前側電極対182との間に、1対の電極対183が設けられている。電極対183は第5電極183aと第6電極183bとからなる。第5電極183aは第1の側壁140の側壁の第1電極181aと第3電極182aの間に設けられている。第6電極183bは第2の側壁150の側壁の第2電極181bと第4電極182bの間に設けられている。
第1電極181a、第2電極181b、第3電極182a、第4電極182b、第5電極183aおよび第6電極183bは、耐熱性を有する導電性材料からなる。耐熱性を有する導電性材料として、例えば、酸化スズ、モリブデン、白金等を用いることができる。
好ましくは、酸化スズが用いられ、各電極は、複数の酸化スズのブロックにより、それぞれ一体に形成されている。
第1電極181a、第2電極181b、第3電極182a、第4電極182b、第5電極183aおよび第6電極183bの前後方向の幅は同一であることが好ましい。また、第1電極181a、第2電極181b、第3電極182a、第4電極182b、第5電極183aおよび第6電極183bの高さは、同一であることが好ましい。
本実施形態において、複数の電極対181、182、183のうち、後側壁130に最も近い後側電極対181と後側壁130との距離は、後側電極対181の前側に隣接する他の電極対183との距離の半分の距離よりも短いことが好ましい。なお、図3〜図5においては、後側電極対181と後側壁130との距離がゼロである。
また、本実施形態において、複数の電極対181、182、183のうち、前側壁120に最も近い前側電極対182と前側壁120との距離は、前側電極対182の後側に隣接する他の電極対183との距離の半分の距離よりも短いことが好ましい。なお、図3〜図5においては、前側電極対182と前側壁120との距離がゼロである。
電源装置190は、後側電極対181の第1電極181aおよび第2電極181bに接続されており、第1電極181aと第2電極181bとの間に電力を供給する。電源装置190が第1電極181aと第2電極181bとの間の熔融ガラスおよび後側壁130に通電することにより、熔融ガラスおよび後側壁130が加熱される。
本実施形態においては、後側電極対181と後側壁130との距離が、後側電極対181の前側に隣接する他の電極対183との距離の半分の距離よりも短いため、後側電極対181の間に電流を流し、後側電極対181の間の熔融ガラスおよび後側壁130を加熱することで、後側壁130の近傍で熔融ガラスが冷却されることを抑制することができる。これにより、後側壁130の近傍で生じる冷却された熔融ガラスの下降流を抑制することができる。このため、熔融ガラスの液面に集まったシリカ成分の多い異質素地が、排出部131の近傍の下降流によって熔融ガラスの液面から降下して排出部131より排出されることを抑制することができる。この際、後側壁130の、熔融ガラスに接触する面の平均温度を、熔解槽110内の熔融ガラスの平均温度よりも高くすることが好ましい。
なお、上述したように熔融ガラスは温度が上昇するほど電気抵抗が小さくなるが、後側壁130を構成する耐火物もまた、温度が上昇するほど電気抵抗が小さくなる。このため、熔融ガラスの熔解温度の付近(特に、無アルカリガラス又は微アルカリガラスの熔解温度の付近)では、後側壁130の電気抵抗も小さくなる。このため、後側壁130の温度を高くしすぎると、後側壁130の電気抵抗が溶融ガラスMGの電気抵抗よりも小さくなる。この状態では、熔融ガラスが加熱されにくくなるだけでなく、後側壁130の過熱により熔解槽110が破損するおそれがある。そのため、後側壁130の温度は、後側壁130の電気抵抗が溶融ガラスMGの電気抵抗よりも大きくなるような温度範囲に調整される。なお、後側電極対181の配置によって調整することができる。また、後側壁130の温度は、断熱層の配置、熱伝導率等によっても調整することができる。
後側壁130を加熱する効果を充分に得るために、後側電極対181と後側壁130との距離は、後側電極対181と他の電極対183との距離の1/4以下であることが好ましく、第1電極181aが第1の側壁140の内壁面の最後端部に設けられ、かつ、第2電極181bが第2の側壁150の内壁面の最後端部に設けられていることがさらに好ましい。
また、本実施形態においては、前側電極対182と前側壁120との距離が、前側電極対182の後側に隣接する他の電極対183との距離の半分の距離よりも短いため、前側電極対182の間に電流を流し、前側電極対182の間の熔融ガラスおよび前側壁120を加熱することで、前側壁120の近傍で熔融ガラスが冷却されることを抑制することができる。これにより、前側壁120の近傍で生じる冷却された熔融ガラスの下降流を抑制することができる。このため、熔融ガラスの液面に集まったシリカ成分の多い異質素地が、投入部121の近傍の下降流によって熔融ガラスの液面から降下し、底部160に沿って排出部131側へ移動し、排出部131から排出されることを抑制することができる。この際、前側壁120の温度を熔解槽110内の熔融ガラスの平均温度よりも高くすることが好ましい。
前側壁120を加熱する効果を充分に得るために、前側電極対182と前側壁120との距離は、前側電極対182と他の電極対183との距離の1/4以下であることが好ましく、第3電極182aが第1の側壁140の内壁面の最前端部に設けられ、かつ、第4電極182bが第2の側壁150の内壁面の最前端部に設けられていることがさらに好ましい。
さらに、後側電極対181と前側電極対182との間に電極対183が設けられていると、熔融ガラスの後側電極対181の間の高温領域と、前側電極対182の間の高温領域との間の中央領域において、相対的に低温となることで生じる、熔融ガラスの下降流を抑制することができる。このため、熔融ガラスの液面に集まったシリカ成分の多い異質素地が、中央領域で生じる下降流によって熔融ガラスの液面から降下し、底部160に沿って排出部131側へ移動し、排出部131から排出されることを抑制することができる。
(ガラス基板の組成)
本実施形態で用いられるガラス基板は、例えば以下の組成を含む。
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、を含有する無アルカリガラス。
なお、ガラス基板Gはアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%未満でもよい。
〔実施例〕
図3〜図5に示すように、後側電極対181が後側壁130側の端部に設けられているとともに、前側電極対182が前側壁120側の端部に設けられる熔解槽100を用いて熔融ガラスを製造する場合の熔解槽内の温度分布および熔融ガラスの流速分布のシミュレーションを行った。
〔比較例〕
図6、図7に示すような熔解槽を用いて熔融ガラスを製造する場合の熔解槽内の温度分布および熔融ガラスの流速分布のシミュレーションを行った。図6は図4と同様の水平断面図であり、図7は図6のVII−VII矢視断面図である。図6、図7に示す比較例の熔解槽200では、後側電極対281が後側壁230から離間して設けられているとともに、前側電極対282が前側壁220から離間して設けられている。なお、図6、図7において、図3〜5と同様の構成については、下2桁が同一の符号を付して説明を割愛する。
図8は実施例の熔解槽内のシミュレーションによる温度分布図であり、図9は比較例の熔解槽内のシミュレーションによる温度分布図である。実施例では前側壁120と後側壁130との中間部の熔融ガラスが均質な温度分布となっている。これに対し、比較例では、前側壁220と後側壁230との中間部で熔融ガラスが、前側壁220の近傍および後側壁230の近傍における熔融ガラスの温度高温となることがわかる。また、実施例では、後側壁130の排出部131近傍の温度が比較例よりも高温になることがわかる。
図10は実施例の熔解槽の後側壁130の近傍の熔融ガラスの流速をシミュレーションした流速分布図であり、図11は比較例の熔解槽の後側壁230の近傍の熔融ガラスの流速をシミュレーションした流速分布図である。比較例では後側壁230の近傍において熔融ガラスの下降流が生じるのに対し、実施例では後側壁130の近傍における熔融ガラスの下降流が抑制されることがわかる。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
上記実施形態においては、排出部131が後側壁130に設けられる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、底部160に排出部が設けられていてもよい。また、上記実施形態においては、ガラス原料が投入される投入部121が前側壁120に設けられている場合について説明したが、熔解槽110の上部の任意の位置からガラス原料を投入してもよい。
本実施形態の製造方法により製造されるガラス基板は、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、有機ELディスプレイ用ガラス基板、カバーガラスに好適に用いられる。その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
100 熔解装置
102 清澄槽
103 攪拌槽
104、105 移送管
106 ガラス供給管
110 熔解槽
120、420 前側壁
130、430 後側壁
131、431 排出部
140、440 第1の側壁
150、450 第2の側壁
160、460 底部
170 迫部
171 投入部
181、481 後側電極対
181a、481a 第1電極
181b、481b 第2電極
182、482 前側電極対
182a、482a 第3電極
182b、482b 第4電極
183、483 電極対
183a、483a 第5電極
183b、483b 第6電極
190 電源装置
200 成形装置
300 切断装置

Claims (4)

  1. ガラス原料を熔融して熔融ガラスを生成する熔解処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記熔解処理を行う溶解槽は、
    前後方向に配置される第1の側壁と、
    前記第1の側壁と間隔を空けて平行に配置される第2の側壁と、
    前記第1の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極、および、前記第2の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極からなる複数の電極対と、
    前記第1の側壁および前記第2の側壁の前側端部同士を接続する前側壁と、
    前記第1の側壁および前記第2の側壁の後側端部同士を接続する後側壁と、を備え、
    前記複数の電極対のうち、前記後側壁に最も近い後側電極対と前記後側壁との距離は、前記後側電極対の前側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短く、
    前記熔解処理において、前記後側電極対の間に電流を流し、前記後側電極対の間の熔融ガラスおよび前記後側壁を加熱することを特徴とする、ガラス基板の製造方法。
  2. 前記複数の電極のうち、前記前側壁に最も近い前側電極対と前記前側壁との距離は、前記前側電極対の後側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短く、
    前記熔解処理において、前記前側電極対の間に電流を流し、前記前側電極対の間の熔融ガラスおよび前記前側壁を加熱することを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記熔解槽は、3対以上の前記電極対を備え、
    各電極対を構成する電極の前後方向の幅は同一である、請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. ガラス基板の製造装置であって、
    ガラス原料を熔融して熔融ガラスを生成する熔解槽を含み、
    前記熔解槽は、
    前後方向に配置される第1の側壁と、
    前記第1の側壁と間隔を空けて平行に配置される第2の側壁と、
    前記第1の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極、および、前記第2の側壁に前後方向に間隔を空けて設けられる複数の電極からなる複数の電極対と、
    前記第1の側壁および前記第2の側壁の前側端部同士を接続する前側壁と、
    前記第1の側壁および前記第2の側壁の後側端部同士を接続する後側壁と、を備え、
    前記複数の電極対のうち、前記後側壁に最も近い後側電極対と前記後側壁との距離は、前記後側電極対の前側に隣接する他の電極対との距離の半分の距離よりも短い、ガラス基板の製造装置。
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