JP2015190606A - パーキング装置およびパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法 - Google Patents

パーキング装置およびパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法 Download PDF

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【課題】第1方向に移動してパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替える移動部材の第1方向の移動の規制および規制解除を行なう移動規制ユニットが正常か否かを事前に把握可能とする。【解決手段】パーキングロック解除状態で、車両が停車中で且つエンジンが動作中で且つエンジンの停止要求がなされておらず且つブレーキオンで且つアクセルオフのときには(S100〜S140)、診断条件が成立していると判断し、磁気ロック装置をオン(ピストンロッドの移動を規制可能な状態)とすると共に油圧アクチュエータの油室の作動油を排出させて(S150,S160)、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって磁気ロック装置が正常か否かを診断する(S180〜S200)。そして、診断後には、油室に作動油を供給してピストンロッドをロック解除側に移動させる(S230)。【選択図】図6

Description

本発明は、パーキング装置およびパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法に関し、詳しくは、車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油をパーキング機構に給排する作動油給排手段とを備えるパーキング装置、および、このパーキング装置における、第1方向に移動してパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替える移動部材の第1方向の移動の規制および規制解除を行なう移動規制ユニットの診断方法に関する。
従来、この種のパーキング装置としては、ハウジング内で軸方向に移動可能でばね装置によりパーキングロックの実行方向に付勢されると共に油圧によりパーキングロックの解除方向に操作されるピストンユニットと、3枚のスプリングアームを有してピストンユニットを予め定められた軸方向位置に保持可能なラッチ機構と、ハウジング内でピストンユニットと共に移動可能であると共にスプリングによりピストンユニット側に付勢される引外し部材と、ピストンユニットと同軸に配置されて引外し部材を操作する電磁操作装置と、を有するロッキング機構を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このパーキング装置では、油圧によりピストンユニットが引外し部材側に移動すると、ピストンユニットにより押圧された引外し部材がスプリングの弾性力(付勢力)に抗して電磁操作装置側に移動し、ピストンユニットとラッチ機構とが係合する。この状態でパーキングロックが解除され、電磁操作装置に通電して引外し部材の位置を固定することにより、パーキングロックの解除状態を維持することができる。また、ピストンユニットに油圧が作用していない状態で電磁操作装置への通電を停止すると、引外し部材がスプリングの弾性力によりピストンユニット側に移動して3枚のスプリングアームが押し広げられ、ラッチ機構とピストンユニットとの係合が解除される。そして、ばね装置の弾性力や油圧によりピストンユニットが電磁操作装置から離間するように移動し、パーキングロックが実行される。
特表2009−520163号公報
こうしたパーキング装置を搭載する車両において、電磁操作装置や引外し部材,ラッチ機構などに異常が生じると、ピストンユニットに油圧が作用していないときに、ピストンユニットをパーキングロックの解除側の位置で固定できない場合が生じる。これまでは、エンジンのアイドルストップ時などに、パーキングロック状態が意図せずに形成されてしまったときに、ロッキング機構のこうした異常を検出していたが、より安全性を確保するためには、ロッキング機構が正常か否かを事前に把握できるようにするのが好ましい。
本発明のパーキング装置およびパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法は、第1方向に移動してパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替える移動部材の第1方向の移動の規制および規制解除を行なう移動規制ユニットが正常か否かを事前に把握可能とすることを主目的とする。
本発明のパーキング装置およびパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のパーキング装置は、
車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段と、前記パーキング機構および前記作動油給排手段を制御する制御手段と、を備えるパーキング装置であって、
前記パーキング機構は、
第1方向に移動する移動部材と、弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と、前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し、前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、
前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、
を備え、
前記制御手段は、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、
ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置では、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制を伴って作動油給排手段により作動油室の作動油を排出させて(以下、これを規制排出処理という)、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、作動油給排手段により作動油室に作動油を供給させる。所定診断条件が成立したときに、規制排出処理を行なうと、移動規制ユニットが正常であれば、移動部材がロック側に移動せず、パーキングロック解除状態が保持される。一方、移動規制ユニットが異常であれば、移動部材が第1弾性部材の弾性力によってロック側に移動し、パーキングロック状態が形成される。したがって、この手法により、移動規制ユニットが正常か否かを診断することができる。これにより、移動規制ユニットが正常か否かを事前に(作動油室に作動油が供給されなくなるがパーキングロック解除状態を保持する必要がある状況になる前に、例えば、シフトレバーが走行用ポジションで作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機のアイドルストップが行なわれる前に)把握することができる。そして、その診断後に、作動油室に作動油を供給することにより、移動規制ユニットが正常なときだけでなく異常なときでもパーキングロック解除状態を形成することができ、その後の走行の再開を可能にすることができる。
本発明のパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法は、
車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段とを備え、前記パーキング機構が、第1方向に移動する移動部材と弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、を備えるパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法であって、
パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、
ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法では、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制を伴って作動油給排手段により作動油室の作動油を排出させて(以下、これを規制排出処理という)、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、作動油給排手段により作動油室に作動油を供給させる。所定診断条件が成立したときに、規制排出処理を行なうと、移動規制ユニットが正常であれば、移動部材がロック側に移動せず、パーキングロック解除状態が保持される。一方、移動規制ユニットが異常であれば、移動部材が第1弾性部材の弾性力によってロック側に移動し、パーキングロック状態が形成される。したがって、この手法により、移動規制ユニットが正常か否かを診断することができる。これにより、移動規制ユニットが正常か否かを事前に(作動油室に作動油が供給されなくなるがパーキングロック解除状態を保持する必要がある状況になる前に、例えば、シフトレバーが走行用ポジションで作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機のアイドルストップが行なわれる前に)把握することができる。そして、その診断後に、作動油室に作動油を供給することにより、移動規制ユニットが正常なときだけでなく異常なときでもパーキングロック解除状態を形成することができ、その後の走行の再開を可能にすることができる。
本発明の一実施形態としてのパーキング装置を備える自動車10の構成の概略を示す構成図である。 動力伝達装置20の構成の概略を示す構成図である。 動力伝達装置20の要部の構成の概略を示す構成図である。 パーキング装置30の動作を説明するための説明図である。 パーキング装置30の動作を説明するための説明図である。 変速ECU21により実行される磁気ロック装置診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのパーキング装置を備える自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、動力伝達装置20の構成の概略を示す構成図であり、図3は、動力伝達装置20の要部の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態の自動車10は、後輪駆動車両として構成されており、図1に示すように、原動機としてのエンジン12と、エンジン12を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)15と、エンジン12からの動力をデファレンシャルギヤを介して駆動輪(後輪)DWに伝達する動力伝達装置20と、を備える。なお、エンジンECU14とブレーキECU15と動力伝達装置20の変速用電子制御ユニット(以下、変速ECUという)21とは、相互に通信ポートを介して接続されており、制御に必要な各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
エンジンECU14は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU14には、アクセルペダル91の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accや車速を検出する車速センサ98からの車速V,エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号などが入力ポートを介して入力されている。エンジンECU14からは、エンジン12を運転制御するための各種制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
ブレーキECU15は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。ブレーキECU15には、マスタシリンダ圧(ブレーキペダル93の踏力)を検出するマスタシリンダ圧センサ94からのマスタシリンダ圧や車速センサ98からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ブレーキECU15からは、ブレーキECU15からは、電子制御式油圧ブレーキユニットのブレーキアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
動力伝達装置20は、トランスミッションケース22と、発進装置(流体伝動装置)23と、オイルポンプ24と、自動変速機25と、パーキング機構30と、油圧制御装置70と、これらを制御する変速ECU21と、を備える。
発進装置23は、エンジン12のクランクシャフトに接続される入力側のポンプインペラや、自動変速機25の入力軸(入力部材)に接続される出力側のタービンランナ,ポンプインペラおよびタービンランナの内側に配置されてタービンランナからポンプインペラへの作動油の流れを整流するステータ,ステータの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ,ロックアップクラッチ,ダンパ機構等を有するトルクコンバータとして構成される。なお、発進装置は、ステータを有しない流体継手として構成されるものとしてもよい。
オイルポンプ24は、ポンプボディとポンプカバーとを含むポンプアッセンブリ,ハブを介して発進装置のポンプインペラに接続される外歯ギヤ,その外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ等を有するギヤポンプ(機械式のオイルポンプ)として構成されている。オイルポンプ24は、エンジン12からの動力により動作し、図示しない作動油貯留部に貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置70に圧送する。
自動変速機25は、4段変速式や5段変速式,6段変速式などの多段変速機として構成されており、入力軸(入力部材)や、出力軸(出力部材),複数の遊星歯車,入力軸から出力軸までの動力伝達経路を変更するための複数の係合要素(クラッチやブレーキ)を有する。クラッチは、ピストン,複数の摩擦係合プレート(例えば環状部材の両面に摩擦材を貼着することにより構成された摩擦プレートおよび両面が平滑に形成された環状部材であるセパレータプレート),作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)として構成されている。また、ブレーキは、ピストン,複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート),作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキとして構成されている。そして、係合要素(クラッチやブレーキ)は、油圧制御装置70による作動油の給排を受けて動作する。
パーキング機構30は、シフトレバー95の操作位置(シフトポジション)に応じて自動変速機25のいずれかの回転軸(出力軸やそれに連結された回転軸)をロックする(パーキングロックを実行する)と共にその回転軸のロックを解除する(パーキングロックを解除する)いわゆるシフトバイワイヤ式のパーキング機構として構成されている。
パーキング機構30は、図2や図3に示すように、複数の歯32aを有すると共に自動変速機25のいずれかの回転軸に取り付けられるパーキングギヤ32と、パーキングギヤ32と係合可能な突部33aを有すると共に図示しないスプリングによりパーキングギヤ32から離間するように付勢されるパーキングポール33と、進退移動可能なパーキングロッド34と、パーキングロッド34の軸方向に移動可能な筒状のカム部材35と、例えばトランスミッションケースにより回転自在に支持されてパーキングポール33と共にカム部材35を挟持する支持ローラ36と、パーキングロッド34により一端が支持されると共にパーキングポール33をパーキングギヤ32に押し付けるようにカム部材35を付勢するカムスプリング37と、パーキングロッド34に連結されたディテントレバー38と、ピストンロッド42の進退移動(図中上下方向の移動)によりディテントレバー38を介してパーキングロッド34を進退移動させる油圧アクチュエータ40と、ピストンロッド42の進退移動を規制することによりパーキングロッド34の進退移動を規制する磁気ロック装置50と、を備える。このパーキング機構30では、図示するように、パーキングポール33の突部33aがパーキングギヤ32の隣り合う2つの歯32aの間の凹部と係合することにより、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。
パーキングギヤ32やパーキングポール33,パーキングロッド34,カム部材35,支持ローラ36,カムスプリング37は、いずれも周知の構成を有する。ディテントレバー38は、略L字状に形成されており、第1遊端部38aと第2遊端部38bとを有する。第1遊端部38aは、パーキングロッド34の基端部(図中右端部)に回転自在に連結されている。第2遊端部38bには、例えばトランスミッションケースにより支持される図示しないディテントスプリングに取り付けられた係合部材39と係合可能な係合凹部38rが形成されている。ディテントレバー38のコーナー部(第1,第2遊端部38a,38bの基端部)は、例えばトランスミッションケースにより支持された支軸38sにより回動自在に支持されている。
油圧アクチュエータ40のピストンロッド42が図中上側(以下、適宜「ロック解除側」という)に移動すると、ディテントレバー38が支軸38sの周りに図2中時計回りに回動すると共にパーキングロッド34が図2中右側に移動する。そして、パーキングロッド34が図2中右側に移動することにより、カム部材35によるパーキングポール33の押圧が解除され、パーキングギヤ32とパーキングポール33との係合が解除され、自動変速機25の回転軸のロックが解除される(パーキングロックが解除される)。一方、ピストンロッド42が図中下側(以下、「ロック側」という)に移動すると、ディテントレバー38が支軸38sの周りに図2中反時計回りに回動すると共にパーキングロッド34が図2中左側に移動する。そして、パーキングロッド34が図2中左側に移動することにより、カムスプリング37により付勢されたカム部材35によってパーキングポール33がパーキングギヤ32と係合するように押圧され、自動変速機25の回転軸がロックされる(パーキングロックが実行される)。なお、ディテントレバー38の第2遊端部38bの係合凹部38rと係合部材39とが係合することにより、ディテントレバー38の支軸38s周りの回動が図示しないディテントスプリングによってある程度規制され、それにより、パーキングロッド34の移動もある程度規制される。
油圧アクチュエータ40は、図3に示すように、複数の部材から構成される筐体としてのケース41と、ディテントレバー38の第2遊端部38bに連結されると共にケース41により軸方向(図3中上下方向)に移動自在に支持される移動部材としてのピストンロッド42と、ピストンロッド42に固定されると共にケース41に形成されたピストン室41p内に配置されるピストン44と、を備える。
ピストンロッド42は、先端部(図3中上端部)がケース41から外部に突出するようにケース41により支持されている。このピストンロッド42の先端部には、先端側から基端側に向けて延びる連結凹部42rが形成されており、この連結凹部42rには、ディテントレバー38の第2遊端部38bが差し込まれている。ディテントレバー38には、連結凹部42r内に位置にするように穴38hが形成されており、穴38hには、ピストンロッド42の先端部により支持された連結ピン42pが挿通されている。これにより、ピストンロッド42とディテントレバー38とが連結されている。
また、ピストンロッド42の軸方向の中央部付近には、ピストンロッド42を軸方向と直交する方向(図3中左右方向)に貫通すると共に軸方向に延在する穴部42hが形成されており、穴部42hの内部には、被当接部としてのローラ43が配置されている。ローラ43は、ローラベアリングとして構成されており、穴部42hの長手方向(図3中上下方向)の長さより小さい外径を有する。このローラ43は、連結ピン42pと平行に延在するようにピストンロッド42によって支持される支持シャフト42sにより、穴部42h内で回転自在となるよう支持されている。
ピストン44は、ピストンロッド42の基端部(図3中下端部)に固定され、シール部材45を介してピストン室41pの内壁面によりピストンロッド42の軸方向に移動自在に支持されている。このピストン44は、ピストン室41pの内部をスプリング室41sと油室41fとに区画する。スプリング室41sは、ピストンロッド42の先端部やディテントレバー38に近接するようにピストン室41pの図3中上側に画成される。このスプリング室41sには、ケース41とピストン44との間に位置するように弾性部材としてのリターンスプリング46が配置されており、ピストン44は、リターンスプリング46により、ロック側(図3中下側)に付勢される。油室41fは、ピストンロッド42の先端部(図3中上端部)やディテントレバー38から離間するようにピストン室41pの図3中下側に画成され、ケース41に形成された油孔41hを介して油圧制御装置70と連通している。ピストンロッド42およびピストン44は、油圧制御装置70からこの油室41fに供給される作動油(油圧)により、リターンスプリング46の付勢力に抗してロック解除側(図中上側)に移動する。
磁気ロック装置50は、図3に示すように、ピストンロッド42に設けられた被当接部としてのローラ43と当接可能な当接部510を有するロックシャフト51と、ロックシャフト51を直動軸受57を介して軸方向(図3中左右方向)に移動自在に支持するシャフトホルダ55と、磁力によりロックシャフト51をロック可能な磁気部60と、を備える。
ロックシャフト51は、ステンレスなどの非磁性体により形成されており、一端部(先端部)に当接部510を有する小径部52と、小径部52から当接部510とは反対側に延出し且つ小径部52より大径の大径部53と、を有する。小径部52は、略円柱状に形成されており、その先端部に形成される当接部510は、二面幅形状を有するように成形されている。当接部510は、ピストンロッド42の穴部42h内に位置しており、ピストンロッド42の軸方向(図3中上下方向)から見て、ローラ43の外周面の少なくとも一部と重なり合っている。大径部53は、略円柱状に形成されている。
小径部52の当接部510は、ピストンロッド42の移動方向(図中上下方向)におけるロック側(図3中下側)に位置する第1当接面511と、ピストンロッド42の移動方向におけるロック解除側(図3中上側)に位置する第2当接面512と、を有する。第1当接面511は、当接部510側から大径部53側に向かうにつれてロック側に近づく傾斜状に形成されており、具体的には、ローラ43の外周面の半径(曲率半径)より小さい曲率半径を有すると共にロック側に凸となる断面円弧状の曲面として形成されている。第2当接面512は、当接部510側から大径部53側に向かうにつれてロック解除側に近づく傾斜状に形成されており、具体的には、ロック解除側に一定角度で傾斜する(平坦な)斜面として形成されている。
磁気部60は、軸方向(図中左右方向)に移動可能な軸部材61と、軸部材61の外周を囲むように配置されるコイル64と、シャフトホルダ55を保持すると共に軸部材61やコイル64を収容するケースとして機能するヨーク65と、軸部材61とコイル64との間に配置されるコア66と、ヨーク65の図3中右端部にコイル64やコア66を保持するように装着されるリヤキャップ67と、軸部材61とリヤキャップ67との間に配置されて軸部材61をピストンロッド42側(図3中左側)に付勢する弾性部材としてのスプリング68と、を備える。
軸部材61は、鉄などの磁性体により形成されたプランジャ62と、プランジャ62と同一の外径を有すると共にプランジャ62の軸方向の一端側(図3中左端側)に固定された(プランジャ62と一体に構成された)環状の永久磁石63と、を有する。この環状の永久磁石63により、軸部材61としては、軸方向の一端側に凹部61aを有する。この凹部61aには、ロックシャフト51の大径部53が挿入される。コイル64は、ケースとしてのヨーク65に取り付けられる図示しないコネクタに接続される端子を有する。コイル64には、変速ECU21により制御される電源回路69やコネクタを介して図示しない車両の補機バッテリから電流が印加される。ヨーク65は、鉄などの磁性体により形成されており、一端側(図中左端側)に、径方向内側に突出するフランジ部65aを有する。このフランジ部65aは、ロックシャフト51の小径部52が摺動可能な内径を有し、ロックシャフト51の大径部53や軸部材61の永久磁石63と図3中左右方向で対向する。スプリング68は、油圧アクチュエータ40のリターンスプリング46より小さいバネ定数(剛性)を有し、互いに固定されていないロックシャフト51と軸部材61とをピストンロッド42側(図中左側)に付勢すると共に、その付勢力(弾性力)より大きいリヤキャップ67側(図中右側)の外力がロックシャフト51に作用したときに、ロックシャフト51と軸部材61とがリヤキャップ67側に移動するのを許容する。
この磁気ロック装置50は、コイル64への非通電時には、軸部材61の永久磁石63とヨーク65のフランジ部65aとの吸引力(およびスプリング68の弾性力)により、ロックシャフト51および軸部材61(プランジャ62および永久磁石63)が一体にシャフトホルダ55側(図3中左側)に付勢されてロックされる。これにより、ピストンロッド42のローラ43とロックシャフト51の当接部510との当接時に、ピストンロッド42の図3中上下方向の移動を規制する。一方、コイル64への通電時には、ヨーク65,永久磁石63,プランジャ62,コア66を通過する磁束により、永久磁石63とフランジ部65aとの吸引力がキャンセルされ、ピストンロッド42のローラ43からロックシャフト51の当接部510に力が作用したときには、その力の図3中右向きの分力により、ロックシャフト51および軸部材61がリヤキャップ67側に移動するのを許容する。これにより、ピストンロッド42が図3中上下方向に移動するのを許容する。以下、コイル64への非通電時(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)を磁気ロック装置50のオンとし、コイル64への通電時(ピストンロッド42の移動を許容する状態)を磁気ロック装置50のオフとする。
油圧制御装置70は、図3に示すように、オイルポンプ24に接続され、バルブボディや、オイルポンプ24からの作動油を調圧してライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブ72,ライン圧PLを調圧して略一定のモジュレータ圧Pmodを生成するモジュレータバルブ,ライン圧PLをソレノイドに印加される電流に応じて調圧して対応する係合要素(クラッチやブレーキ)への油圧を生成する複数のリニアソレノイドバルブ74,作動油(ライン圧PL)を油孔41hを介して油室41fに供給する第1状態と油室41fの作動油を排出(ドレン)する第2状態とを切り替える切替バルブ76などを備える。
変速ECU21は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。変速ECU21には、アクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accやシフトレバー95の操作位置を検出するシフトポジションセンサ96からのシフトポジションSP,車速センサ98からの車速V,自動変速機25の入力軸の回転数を検出する回転数センサからの入力回転数,自動変速機25の出力軸の回転数を検出する回転数センサからの出力回転数,ディテントレバー38の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えば磁気センサなど)38rpからのディテントレバー38の回転位置θなどが入力ポートを介して入力されている。変速ECU21からは、油圧制御装置70への駆動制御信号や電源回路69への駆動制御信号,警告灯99への出力信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、本実施形態において、シフトレバー95の操作位置(シフトポジションセンサ96により検出されるシフトポジションSP)としては、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション),後進走行用のリバースポジション(Rポジション),中立のニュートラルポジション(Nポジション),前進走行用のドライブポジション(Dポジション)などがある。
なお、本実施形態では、「パーキング装置」としては、パーキング機構30と油圧制御装置70と変速ECU21とが該当する。
次に、本実施形態のパーキング装置の動作について説明する。
シフトレバー95が駐車ポジションのときには、変速ECU21は、油圧制御装置70の切替バルブ76を第2状態とする。これにより、油圧アクチュエータ40の油室41fにはライン圧PLが供給されない。このため、油圧アクチュエータ40のピストン44は、リターンスプリング46の弾性力によりロック側(図3中下側)に付勢されてケース41の底部に最接近または当接する。この場合、図3に示す状態となり、パーキングロック状態が形成される。本実施形態では、このときに、ローラ43とロックシャフト51の第1当接面511との間には、第1所定間隔が形成されるものとした。また、このとき、変速ECU21は、電源回路69によってコイル64に通電させずに磁気ロック装置50をオン(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)とするものとした。これにより、コイル64での電力消費を抑制することができる。
そして、図3の状態で、エンジン12の運転時(オイルポンプ24の動作時)に、シフトレバー95が駐車ポジションから走行用ポジションに操作されると、変速ECU21は、電源回路69によってコイル64に通電させて磁気ロック装置50をオフ(ピストンロッド42の移動を許容する状態)とすると共に、切替バルブ76を第1状態とする。切替バルブ76が第1状態となると、油圧アクチュエータ40の油室41fにライン圧PLが供給され、ピストンロッド42およびピストン44は、その油圧により、リターンスプリング46の付勢力に抗してロック解除側(図3中上側)に移動する。そして、ピストンロッド42およびピストン44は、ピストンロッド42のローラ43とロックシャフト51の第1当接面511とが当接すると、ローラ43から第1当接面511に作用する力の図3中右向きの分力によってロックシャフト51および軸部材61をリヤキャップ67側に移動させながら更にロック解除側に移動し、図4に示すように、ローラ43とロックシャフト51の第2当接面512との間に第2所定間隔が形成される位置で停止する。なお、ロックシャフト51および軸部材61は、ローラ43と第1当接面511との当接が終了すると、スプリング68の付勢力によりピストンロッド42側(図3中左側)に移動する。このようにしてピストンロッド42がロック解除側に移動すると、上述したように、ディテントレバー38が支軸38sの周りに図2中時計回りに回動すると共にパーキングロッド34が図2中右側に移動し、カム部材35によるパーキングポール33の押圧が解除され、パーキングロック解除状態が形成される。こうしてパーキングロック解除状態が形成されると、変速ECU21は、電源回路69によってコイル64に通電させずに(コイル64への通電を終了して)磁気ロック装置50をオンとする。
その後に、図4の状態で、停車中にシフトレバー95が走行用ポジションから駐車ポジションに操作されると、変速ECU21は、電源回路69によってコイル64に通電させて磁気ロック装置50をオフ(ピストンロッド42の移動を許容する状態)とすると共に、切替バルブ76を第2状態とする。切替バルブ76が第2状態となると、油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油が切替バルブ76を介して排出され、ピストンロッド42およびピストン44は、リターンスプリング46の付勢力により、ロック側(図4中下側)に移動する。そして、ピストンロッド42およびピストン44は、ピストンロッド42のローラ43とロックシャフト51の第2当接面512とが当接すると、ローラ43から第2当接面512に作用する力の図4中右向きの分力によってロックシャフト51および軸部材61をリヤキャップ67側に移動させながら更にロック側に移動し、図3に示すように、ローラ43とロックシャフト51の第1当接面511との間に第1所定間隔が形成される位置で停止する。なお、ロックシャフト51および軸部材61は、ローラ43と第2当接面512との当接が終了すると、スプリング68の付勢力によりピストンロッド42側(図4中左側)に移動する。このようにして、ピストンロッド42がロック側に移動すると、ディテントレバー38が支軸38sの周りに図2中反時計回りに回動すると共にパーキングロッド34が図2中左側に移動し、カムスプリング37により付勢されたカム部材35によってパーキングポール33がパーキングギヤ32と係合するように押圧され、パーキングロック状態が形成される。
また、図4の状態で、シフトレバー95が走行用ポジションで停車してエンジン12のアイドルストップ(自動停止)を行なうときなどには、変速ECU21は、電源回路69によってコイル64に通電させずに磁気ロック装置50をオンとすると共に切替バルブ76を第2状態とする。なお、アイドルストップ時には、オイルポンプ24も停止して、オイルポンプ24から油圧制御装置70に作動油が供給されなくなる。切替バルブ76が第2状態となると、油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油が切替バルブ76を介して排出され、ピストンロッド42およびピストン44は、図4の位置から、リターンスプリング46の付勢力によりロック側(図4中下側)に移動して、図5に示すように、ピストンロッド42のローラ43とロックシャフト51の第2当接面512とが当接する。ピストンロッド42およびピストン44は、ローラ43から第2当接面512に作用する力の図4中右向きの分力によってロックシャフト51および軸部材61をリヤキャップ67側に移動させながらロック側に移動しようとするが、磁気ロック装置50がオンとなっていることから、その移動が規制される。これにより、パーキングロック解除状態が保持される。この際、コイル64に通電する必要がないから、電力消費を抑制することができる。なお、本実施形態では、エンジンの冷却水温が所定温度以上である条件や路面勾配が閾値以下である条件,停車している条件,エンジン回転数が所定回転数以下である条件,アクセルオフである条件,ブレーキオンである条件,補機バッテリの電圧が所定電圧以上である条件,補機バッテリの温度が所定温度範囲内である条件などの全てが成立したときに、自動停止条件が成立したと判断して、アイドルストップを行なうものとした。また、アイドルストップを行なったときには、ブレーキオフとなる条件やアクセルオンとなる条件などの少なくとも一つが成立したときに、自動再始動条件が成立したと判断して、エンジン12を再始動するものとした。エンジン12の自動再始動条件が成立したときには、図示しないスタータの駆動制御を伴ってエンジン12を始動(再始動)すると共に、切替バルブ76を第1状態として、オイルポンプ24から圧送されてプライマリレギュレータバルブ72により調圧生成されたライン圧PLを油圧アクチュエータ40の油室41fに供給する。
次に、本実施形態のパーキング装置のパーキング機構30の磁気ロック装置50が正常か否かを診断する際の動作について説明する。図6は、変速ECU21により実行される磁気ロック装置診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトレバー95が走行用ポジションでパーキング機構30がパーキングロック解除状態(図4の状態)のときに周期的に実行される。
磁気ロック装置診断ルーチンが実行されると、変速ECU21は、まず、磁気ロック装置50の診断を行なう診断条件が成立しているか否かを判定する(ステップS100〜S140)。この判定は、本実施形態では、車両が停車中か否か(ステップS100)、エンジン12が動作中か否か(ステップS110)、エンジン12の停止要求がなされていないか否か(ステップS120)、ブレーキオンか否か(ステップS130)、アクセルオフか否か(ステップS140)、を判定することにより行なうものとした。ステップS100の処理は、磁気ロック装置50の診断の際にパーキングロック状態が形成されても問題がないか否かを判定する処理である。また、ステップS110,S120の処理は、磁気ロック装置50の診断後に油室41fに油圧を供給することができるか否かを判定する処理である。なお、エンジン12の停止要求としては、アイドルストップ要求などが考えられる。さらに、ステップS130,S140の処理は、運転者の走行の意図がない(停車の意図がある)か否かを判定する処理である。
車両が停車中でない(走行中である)とき,エンジン12が動作中でない(停止中の)ときやエンジン12の停止要求がなされているとき,ブレーキオフのときやアクセルオンのときには、パーキングロック状態が形成されると問題があるか磁気ロック装置50の診断後に油室41fに油圧を供給することができないか運転者の走行の意図があるために、診断条件が成立していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
車両が停車中で且つエンジン12が動作中であり且つエンジン12の停止要求がなされておらず且つブレーキオンで且つアクセルオフのときには、パーキングロック状態が形成されても問題がなく且つ磁気ロック装置50の診断後に油室41fに油圧を供給することができ且つ運転者の走行の意図がないことから、診断条件が成立していると判断し、電源回路69によってコイル64に通電させずに磁気ロック装置50をオン(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)とすると共に(ステップS150)、切替バルブ76を第2状態として、油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油を切替バルブ76を介して排出させる(ステップS160)。
そして、油室41fの作動油がある程度排出されるのに要する所定時間(例えば、500msecや800msec,1000msecなど)が経過するのを待って(ステップS170)、パーキングロック解除状態が保持されたか否かを判定する(ステップS180)。ここで、パーキングロック解除状態が保持されたか否かは、回転位置検出センサ38rpからのディテントレバー38の回転位置θやその回転位置θに基づいて得られる回転量Δθを調べたりピストンロッド42の位置を検出するセンサをピストンロッド42やケース11などに取り付けてそのセンサからのピストンロッド42の位置やその位置に基づいて得られる位置変化量(ストローク量)を調べたりすることなどによって判定することができる。いま、磁気ロック装置50をオンとしたときを考えているから、磁気ロック装置50が正常であれば、図5に示すように、ピストンロッド42およびピストン44は、ローラ43とロックシャフト51の第2当接面512との当接により、ロック側への移動が規制される。これにより、パーキングロック解除状態が保持される。一方、磁気ロック装置50が異常であれば、ピストンロッド42およびピストン44は、リターンスプリング46の付勢力により、ロックシャフト51および軸部材61をリヤキャップ67側に移動させながらロック側に移動して、図3に示すように、ローラ43とロックシャフト51の第1当接面511との間に第1所定間隔が形成される位置で停止する。これにより、パーキングロック状態が形成される。ここで、磁気ロック装置50の異常としては、ロックシャフト51がリヤキャップ67側に移動している状態で何かに引っ掛かるなどしてピストンロッド42側に戻らない異常や何らかの事情によりコイル64への通電を停止できず磁気ロック装置50をオンにできない異常などが考えられる。ステップS180の処理は、例えば、ディテントレバー38の回転位置θが、ローラ43とロックシャフト51の第2当接面512とが当接するときの回転位置に略等しいか否かを判定することにより、行なうことができる。
したがって、パーキングロック解除状態が保持されたときには、磁気ロック装置50は正常であると判定する(ステップS190)。一方、パーキングロック保持状態が保持されないときには、磁気ロック装置50は異常であると判定し(ステップS200)、エンジン12のアイドルストップを禁止すると判定し(ステップS210)、警告灯99を点灯させる(ステップS220)。警告灯99を点灯させることにより、磁気ロック装置50の異常を運転者に報知することができる。磁気ロック装置50に異常が生じてパーキングロック解除状態を保持することができないときに、エンジン12をアイドルストップすると、シフトレバー85が走行用ポジションであるにも拘わらずパーキングロック状態が形成されてしまうという不都合を生じる。これに対して、磁気ロック装置50の異常を事前に(エンジン12のアイドルストップを行なう前に)把握してエンジン12のアイドルストップを禁止することにより、こうした不都合が生じるのを抑止することができる。また、パーキングロック機構30の異常を運転者に報知することにより、他の何らかの対処を可能にすることができる。
こうして磁気ロック装置50が正常か否かを判定(診断)すると、切替バルブ76を第1状態として、オイルポンプ24から圧送されてプライマリレギュレータバルブ72により調圧生成されたライン圧PLを油圧アクチュエータ40の油室41fに供給して、ピストンロッド42およびピストン44をロック解除側(図3中上側)に移動させて(ステップS230)、本ルーチンを終了する。これにより、油室41fに供給される油圧により、磁気ロック装置50が正常なときにはパーキングロック解除状態を保持することができ、磁気ロック装置50が異常なときにはパーキングロック解除状態を形成および保持することができ、走行の再開を可能にすることができる。
以上説明した本実施形態のパーキング装置では、シフトレバー95が走行用ポジションでパーキング機構30がパーキングロック解除状態のときにおいて、車両が停車中で且つエンジン12が動作中であり且つエンジン12の停止要求がなされておらず且つブレーキオンで且つアクセルオフのときには、診断条件が成立していると判断し、磁気ロック装置50をオン(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)とすると共に油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油を排出させて、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって磁気ロック装置50が正常か否かを診断する。これにより、磁気ロック装置50が正常か否かを事前に(エンジン12のアイドルストップを行なう前に)把握することができる。そして、診断後には、油室41fに作動油を供給してピストンロッド42をロック解除側に移動させる。これにより、磁気ロック装置50が正常なときだけでなく異常なときでもパーキングロック解除状態を形成することができ、診断後の走行の再開を可能にすることができる。
また、本実施形態のパーキング装置では、磁気ロック装置50は、コイル64への非通電時にオン(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)となり、コイル64への通電時にオフ(ピストンロッド42の移動を許容する状態)となる。これにより、油圧アクチュエータ40の油室41fに油圧が供給されておらず磁気ロック装置50によりパーキングロック解除状態を保持する際の、電力消費を抑制することができる。
もとより、本実施形態のパーキング装置では、ピストンロッド42の軸方向と、ロックシャフト51および軸部材61の軸方向とが直交するように、油圧アクチュエータ40と磁気ロック装置50とが配置される。これにより、両者を同軸上に配置する構成に比して、トランスミッションケースの内部または外部の限られたスペースにパーキング装置を容易に配置することができる。
本実施形態のパーキング装置では、ブレーキオン且つアクセルオフのときに、運転者の走行の意図がないと判定するものとしたが、例えば、パーキングブレーキが作動しているときなどにも、運転者の走行の意図がないと判定するものとしてもよい。
本実施形態のパーキング装置では、磁気ロック装置50の診断後に油室41fに油圧を供給することができるか否かの判定は、エンジン12が動作中であるか否かやエンジン12の停止要求がなされていないか否かに基づいて行なうものとしたが、更に、オイルポンプ24や油圧制御装置70の切替バルブ76が正常であるか否かなどを考慮して行なうものとしてもよい。
本実施形態では、オイルポンプ24は、エンジン12からの動力によって動作する機械式のオイルポンプとして構成されるものとしたが、モータからの動力によって動作する電動ポンプとして構成されるものとしてもよい。この場合、図6の磁気ロック装置診断ルーチンのステップS110,S120の処理に代えて、オイルポンプ(電動ポンプ)や油圧制御装置70の切替バルブ76が正常であるか否かなどを判定するものとしてもよいし、単に、ステップS110,S120の処理を実行しないものとしてもよい。
本実施形態のパーキング装置では、シフトレバー95が走行用ポジションでパーキングロック解除状態のときにおいて、車両が停車中で且つエンジン12が動作中であり且つエンジン12の停止要求がなされておらず且つブレーキオンで且つアクセルオフのときに、診断条件が成立したと判断し、磁気ロック装置50をオン(ピストンロッド42の移動を規制可能な状態)とすると共に油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油を切替バルブ76を介して排出させて、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによってパーキングロック機構30が正常か否かを診断し、その診断後に、油室41fに作動油を供給してピストンロッド42をロック解除側に移動させるものとしたが、シフトレバー95が走行用ポジションから駐車ポジションに操作されたときに、磁気ロック装置50をオンとすると共に油圧アクチュエータ40の油室41fの作動油を切替バルブ76を介して排出させて、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによってパーキングロック機構30が正常か否かを診断し、その診断後に磁気ロック装置50をオフとして、パーキングロック状態が形成されるようにするものとしてもよい。
本実施形態のパーキング装置では、油圧アクチュエータ40は、パーキングロック解除状態からパーキングロック状態に切り替える際には、リターンスプリング46の付勢力により、ピストンロッド42およびピストン42がロックシャフト51および軸部材61をリヤキャップ67側に移動させながらロック側に移動するものとしたが、このときに、油圧制御装置70から油圧アクチュエータ40のスプリング室41sに油圧(作動油)を供給するものとしてもよい。こうすれば、ピストンロッド42をロック側により迅速に移動させることができる。
本実施形態のパーキング装置では、磁気ロック装置50は、コイル64への非通電時には、軸部材61の永久磁石63とヨーク65のフランジ部65aとの吸引力(およびスプリング68の弾性力)によりロックシャフト51をピストンロッド42側に固定してピストンロッド42の移動を規制し、コイル64への通電時には、永久磁石63とフランジ部65aとの吸引力のキャンセルによりロックシャフト51の固定を解除してピストンロッド42の移動を許容するものとしたが、弾性力と磁力とによりピストンロッド42の移動の規制および規制の解除(移動の許容)が可能な構成であればよい。例えば、永久磁石63を有さずに上述の軸部材61と同一形状のプランジャ62Bを用いて、コイル64への非通電時には、ロックシャフト51を固定せずにピストンロッド42の移動を許容し、コイル64への通電時には、プランジャ62Bをヨーク65のフランジ部65a側に吸引してロックシャフト51をピストンロッド42側に固定することによってピストンロッド42の移動を規制するものとしてもよい。また、プランジャ62Bと同一形状のプランジャ62Cを用いて、コイル64への非通電時には、弾性部材の弾性力によってロックシャフト51をピストンロッド42側に固定することによってピストンロッド42の移動を規制し、コイル64への通電時には、弾性部材の弾性力に抗してプランジャ62Cをピストンロッド42から離間する側に吸引することによってピストンロッド42の移動を許容するものとしてもよい。さらに、プランジャ62Bと同一形状のプランジャ62Dを用いて、コイル64への非通電時には、弾性部材の弾性力によりロックシャフト51をピストンロッド42から離間する側に付勢することによってピストンロッド42の移動を許容し、コイル64への通電時には、弾性部材の弾性力に抗してプランジャ62Dをピストンロッド42側に吸引してロックシャフト51を固定することによってピストンロッド42の移動を規制するものとしてもよい。
本実施形態のパーキング装置では、磁気ロック装置50は、ロックシャフト51と軸部材61(プランジャ62および永久磁石63)とが別体に構成されるものとしたが、一体に構成されるものとしてもよい。
本実施形態のパーキング装置では、磁気ロック装置50は、ピストンロッド42の軸方向(図2中上下方向)とは直交する方向(図2中左右方向)に移動するロックシャフト51および軸部材61を用いてピストンロッド42の移動を規制すると共にその規制を解除するものとしたが、ピストンロッド42の軸方向と同軸方向に移動する部材を用いてピストンロッド42の移動を規制すると共にその規制を解除するものとしてもよい。
次に、本発明のパーキング装置について説明する。
本発明のパーキング装置は、車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段と、前記パーキング機構および前記作動油給排手段を制御する制御手段と、を備えるパーキング装置であって、前記パーキング機構は、第1方向に移動する移動部材と、弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と、前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し、前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、を備え、前記制御手段は、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置では、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制を伴って作動油給排手段により作動油室の作動油を排出させて(以下、これを規制排出処理という)、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、作動油給排手段により作動油室に作動油を供給させる。所定診断条件が成立したときに、規制排出処理を行なうと、移動規制ユニットが正常であれば、移動部材がロック側に移動せず、パーキングロック解除状態が保持される。一方、移動規制ユニットが異常であれば、移動部材が第1弾性部材の弾性力によってロック側に移動し、パーキングロック状態が形成される。したがって、この手法により、移動規制ユニットが正常か否かを診断することができる。これにより、移動規制ユニットが正常か否かを事前に(作動油室に作動油が供給されなくなるがパーキングロック解除状態を保持する必要がある状況になる前に、例えば、シフトレバーが走行用ポジションで作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機のアイドルストップが行なわれる前に)把握することができる。そして、その診断後に、作動油室に作動油を供給することにより、移動規制ユニットが正常なときだけでなく異常なときでもパーキングロック解除状態を形成することができ、その後の走行の再開を可能にすることができる。
こうした本発明のパーキング装置において、前記所定診断条件は、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がなく更に前記作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機が動作中であるときに成立する、ものとすることもできる。また、前記制御手段は、ブレーキオンでアクセルオフのときに、運転者による走行の意図がないと判定する、ものとすることもできる。
また、本発明のパーキング装置において、前記移動規制ユニットは、前記移動部材に設けられた被当接部と当接可能な当接部を有する移動規制部材を備え、弾性力または磁力によって前記移動規制部材をロックすることにより前記被当接部と前記当接部との当接時に前記移動部材の前記第1方向の移動を規制するよう構成されている、ものとすることもできる。
移動規制ユニットが移動規制部材を備える態様の本発明のパーキング装置において、前記移動規制部材は、前記第1方向と直交する第2方向に移動する、ものとすることもできる。こうすれば、移動部材と移動規制部材とが同一方向に移動するように(同軸上に)両者が配置されるものに比して、限られたスペースへの配置を良好なものとすることができる。
移動規制部材が第1方向と直交する第2方向に移動する態様の本発明のパーキング装置において、前記移動規制ユニットは、前記移動規制部材に加えて、弾性力により前記移動規制部材を前記第2方向の前記移動部材側に付勢する第2弾性部材と、磁力により前記移動規制部材が前記移動部材から離間しないようにロックする永久磁石と、コイルへの通電を伴って前記永久磁石による前記移動規制部材のロックを解除するロック解除部とを備える、ものとすることもできる。この構成では、コイルへの非通電時には、永久磁石の磁力により移動規制部材が移動部材から離間しないようにロックされることにより、移動部材の被当接部と移動規制部材の被当接部との当接時に、移動部材の第1方向の移動を規制することができる。これにより、パーキングロック状態やパーキングロック解除状態を保持することができる。また、このときには、コイルに通電する必要がないから、電力消費を抑制することができる。一方、コイルへの通電時には、永久磁石による移動規制部材のロックが解除される(移動規制部材が移動部材から離間するのが許容される)ことにより、移動部材が第1方向に移動することができる。これにより、パーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えることができる。
さらに、本発明のパーキング装置において、前記作動油給排手段は、作動油を圧送するポンプからの作動油を前記作動油室に供給する第1状態と、前記作動油室の作動油を排出する第2状態と、を切り替える切替バルブを有する、ものとすることもできる。
加えて、前記パーキング機構は、前記変速機の回転軸に取り付けられるパーキングギヤと、該パーキングギヤと係合可能なパーキングポールと、前記移動部材と前記パーキングポールとに連結されて支軸回りに回転可能なディテントレバーと、前記ディテントレバーの回転位置を検出するセンサとを備え、前記制御手段は、前記センサにより検出されたディテントレバーの回転位置を用いて前記パーキングロック解除状態が保持されたか否かを判定することにより、前記移動規制ユニットが正常か否かを診断する、ものとすることもできる。
本発明のパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法は、車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段とを備え、前記パーキング機構が、第1方向に移動する移動部材と弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、を備えるパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法であって、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法では、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、移動規制ユニットによる移動部材のロック側への移動の規制を伴って作動油給排手段により作動油室の作動油を排出させて(以下、これを規制排出処理という)、パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、作動油給排手段により作動油室に作動油を供給させる。所定診断条件が成立したときに、規制排出処理を行なうと、移動規制ユニットが正常であれば、移動部材がロック側に移動せず、パーキングロック解除状態が保持される。一方、移動規制ユニットが異常であれば、移動部材が第1弾性部材の弾性力によってロック側に移動し、パーキングロック状態が形成される。したがって、この手法により、移動規制ユニットが正常か否かを診断することができる。これにより、移動規制ユニットが正常か否かを事前に(作動油室に作動油が供給されなくなるがパーキングロック解除状態を保持する必要がある状況になる前に、例えば、シフトレバーが走行用ポジションで作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機のアイドルストップが行なわれる前に)把握することができる。そして、その診断後に、作動油室に作動油を供給することにより、移動規制ユニットが正常なときだけでなく異常なときでもパーキングロック解除状態を形成することができ、その後の走行の再開を可能にすることができる。
次に、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、油圧アクチュエータ40が「油圧ユニット」に相当し、磁気ロック装置50が「移動規制ユニット」に相当し、油圧制御装置70が「作動油給排手段」に相当し、変速ECU21が「制御手段」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、パーキング装置の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、15 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速用電子制御ユニット(変速ECU)、22 トランスミッションケース、23 発進装置、24 オイルポンプ、25 自動変速機、30 パーキング機構、32 パーキングギヤ、32a 歯、33 パーキングポール、33a 突部、34 パーキングロッド、35 カム部材、36 支持ローラ、37 カムスプリング、38 ディテントレバー、38a 第1遊端部、38b 第2遊端部、38h 穴、38r 係合凹部、38rp 回転位置検出センサ、39係合部材、40 油圧アクチュエータ、41 ケース、41f 油室、41h 油孔、41p ピストン室、41s スプリング室、42 ピストンロッド、42h 穴部、42p 連結ピン、42r 連結凹部、42s 支持シャフト、44 ピストン、45 シール部材、46 リターンスプリング、50 磁気ロック装置、51 ロックシャフト、52 小径部、53 大径部、55 シャフトホルダ、57 直動軸受、60 磁気部、61 軸部材、61a 凹部、62 プランジャ、63 永久磁石、64 コイル、65a フランジ部、66 コア、67 リヤキャップ、68 スプリング、70 油圧制御装置、72 プライマリレギュレータバルブ、74 リニアソレノイドバルブ、76 切替バルブ、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、98 車速センサ、99 警告灯、510 当接部、511 第1当接面、512 第2当接面。

Claims (9)

  1. 車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段と、前記パーキング機構および前記作動油給排手段を制御する制御手段と、を備えるパーキング装置であって、
    前記パーキング機構は、
    第1方向に移動する移動部材と、弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と、前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し、前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、
    前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、
    を備え、
    前記制御手段は、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  2. 請求項1記載のパーキング装置であって、
    前記所定診断条件は、パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がなく更に前記作動油給排手段に作動油を圧送するポンプを動作させる原動機が動作中であるときに成立する、
    パーキング装置。
  3. 請求項1または2記載のパーキング装置であって、
    前記制御手段は、ブレーキオンでアクセルオフのときに、運転者による走行の意図がないと判定する、
    パーキング装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のパーキング装置であって、
    前記移動規制ユニットは、前記移動部材に設けられた被当接部と当接可能な当接部を有する移動規制部材を備え、弾性力または磁力によって前記移動規制部材をロックすることにより前記被当接部と前記当接部との当接時に前記移動部材の前記第1方向の移動を規制するよう構成されている、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  5. 請求項4記載のパーキング装置であって、
    前記移動規制部材は、前記第1方向と直交する第2方向に移動する、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  6. 請求項5記載のパーキング装置であって、
    前記移動規制ユニットは、前記移動規制部材に加えて、弾性力により前記移動規制部材を前記第2方向の前記移動部材側に付勢する第2弾性部材と、磁力により前記移動規制部材が前記移動部材から離間しないようにロックする永久磁石と、コイルへの通電を伴って前記永久磁石による前記移動規制部材のロックを解除するロック解除部とを備える、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載のパーキング装置であって、
    前記作動油給排手段は、作動油を圧送するポンプからの作動油を前記作動油室に供給する第1状態と、前記作動油室の作動油を排出する第2状態と、を切り替える切替バルブを有する、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つの請求項に記載のパーキング装置であって、
    前記パーキング機構は、前記変速機の回転軸に取り付けられるパーキングギヤと、該パーキングギヤと係合可能なパーキングポールと、前記移動部材と前記パーキングポールとに連結されて支軸回りに回転可能なディテントレバーと、前記ディテントレバーの回転位置を検出するセンサとを備え、
    前記制御手段は、前記センサにより検出されたディテントレバーの回転位置を用いて前記パーキングロック解除状態が保持されたか否かを判定することにより、前記移動規制ユニットが正常か否かを診断する、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  9. 車両に搭載され、弾性力と油圧とによりパーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えるパーキング機構と、作動油を前記パーキング機構に給排する作動油給排手段とを備え、前記パーキング機構が、第1方向に移動する移動部材と弾性力により前記移動部材を前記第1方向のうち前記パーキングロック状態を形成するロック側に付勢する第1弾性部材と前記移動部材を収容すると共に該移動部材と作動油室を形成する筐体とを有し前記作動油給排手段から前記作動油室に供給される油圧により前記移動部材が前記第1方向のうち前記パーキングロック解除状態を形成するロック解除側に移動する油圧ユニットと、前記移動部材の前記第1方向の移動を規制すると共にその規制を解除する移動規制ユニットと、を備えるパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法であって、
    パーキングロック解除状態で且つ車両が停車中で且つ運転者による走行の意図がない所定診断条件が成立したときには、前記移動規制ユニットによる前記移動部材の前記ロック側への移動の規制を伴って前記作動油給排手段により前記作動油室の作動油を排出させて、前記パーキングロック解除状態が保持されるか否かによって前記移動規制ユニットが正常か否かを診断し、その診断後に、前記作動油給排手段により前記作動油室に作動油を供給させる、
    ことを特徴とするパーキング装置における移動規制ユニットの診断方法。
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