JP2015183374A - 杭の施工方法 - Google Patents

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禎二 平井
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Abstract

【課題】杭施工穴を掘削する際の垂直精度を確保し、垂直な杭を施工することが可能な杭の施工方法を提供する。
【解決手段】施工予定領域内に杭施工穴を掘削し、当該杭施工穴内にコンクリートを打設する杭の施工方法であって、施工予定領域内の既存杭を当該施工予定領域内から撤去する工程と、既存杭撤去後の杭穴を埋め戻し材により埋め戻す工程と、施工予定領域内に、杭の杭芯を中心とする予備穴を杭穴の深さ以上の深さまで掘削する工程とを備えた態様とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、杭の施工方法に関し、特に杭を地表面に対して垂直に施工する方法に関する。
近年、新たな都市計画の立案等により、家屋やビル等の建造物の建て替え需要が高まっており、既存の建造物や基礎の解体,撤去後に、地中に埋設された既存杭を撤去し、新たな杭を施工する必要性も高まっている。既存杭を撤去する方法としては、既存杭の外周に円筒状のケーシングを挿入することによって既存杭と周囲の地盤との接触を断ち、引抜く方法が知られている。そして、既存杭が引き抜かれた後に形成される杭穴は、山砂等により埋め戻しされる(例えば、特許文献1)。
また、上記既存杭の撤去後に行われる新たな杭の施工には、アースドリル工法が広く採用されている。一般的なアースドリル工法としては、アースドリルの先端に吊り下げられた掘削バケットの中心と、新たに施工する杭の杭芯の位置とを位置合わせし、掘削バケットの自重により地表面に対して垂直な杭施工穴を掘削する工程と、当該杭施工穴内にコンクリートを打設して、新たな杭を構築する工程とが存在する。
特開2005−282183号公報
しかしながら、既存杭を撤去した後の杭穴が、新たな杭(本設杭)の施工予定領域内に存在する場合、杭穴を山砂等により事前に埋め戻しても、施工予定領域内に地盤の強度差が生じるため、吊り下げられた状態の掘削バケットの中心が掘削の進行に伴って徐々に杭穴側へズレてしまい、杭施工穴を地表面に対して垂直に掘削することが困難となり、ひいては本設杭の垂直性を確保することが困難となるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するため、杭施工穴を掘削する際の垂直精度を確保し、垂直な杭を施工可能な杭の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本設杭の施工方法として、施工予定領域内に杭施工穴を掘削し、当該杭施工穴内にコンクリートを打設する杭の施工方法であって、施工予定領域内の既存杭を当該施工予定領域内から撤去する工程と、既存杭撤去後の杭穴を埋め戻す工程と、施工予定領域内に、杭の杭芯を中心とする予備穴を杭穴の深さ以上の深さまで掘削する工程とを備えた態様とした。
本発明によれば、施工予定領域よりも内側に、本設杭の杭芯となる位置を中心とする予備穴を杭穴の深さ以上の深さまで掘削することから、当該予備穴が本設杭の施工予定領域内において最も軟弱な部分となり、施工予定領域内に杭施工穴を掘削する際に、予備穴の中心である杭芯側に向かって応力が作用するため、掘削バケットの中心が掘削の進行とともにズレることなく、杭施工穴を高い垂直精度で掘削することができる。
また、上記課題を解決するための本設杭の他の施工方法として、予備穴を掘削する工程の後、アースドリルに設けられた掘削バケットにより、施工予定領域の大きさと対応する杭施工穴を掘削する工程と、杭施工穴内にコンクリートを打設する工程とを備えた態様とした。
本発明によれば、前記態様から生じる効果に加え、予備穴の掘削により垂直精度が高い杭施工穴を掘削でき、当該杭施工穴にコンクリートを打設することによって本設杭を構築するので、杭施工穴と同様に垂直精度が極めて高い本設杭を施工することができる。
また、上記課題を解決するための本設杭の他の施工方法として、杭穴に埋め戻された埋め戻し材の強度が、杭穴の周囲よりも低く、かつ、予備穴よりも高い態様とした。
本発明によれば、予備穴が本設杭の施工予定領域内において最も軟弱な部分となるので、前記各態様から生じる効果と同等の効果を奏することが可能となる。
また、上記課題を解決するための本設杭の他の施工方法として、予備穴の掘削は、当該予備穴を掘削する工程の前に、山留材を埋設する穴を掘削する掘削装置により行う態様とした。
本発明によれば、予備穴の掘削に際し、山留材を埋設する穴の掘削に用いた掘削装置を転用できるので、予備穴の掘削に対する手間やコストを低減することが可能となる。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本設杭の施工工程を示すフロー図である。 既存杭と本設杭との関係を示す模式図である。 既存杭撤去工程及び杭穴埋め戻し工程を示す概略図である。 予備穴掘削工程を示す概略図である。 杭施工穴掘削工程及び本設杭構築工程を示す概略図である。 杭穴と予備穴との関係を示す模式図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、本発明に係る本設杭の施工工程を示すフロー図である。また、図2(a),(b)は、既存杭1と本設杭10の施工予定領域10´との関係を示す断面模式図及び平面模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る本設杭10の施工方法は、後述する本設杭10の施工予定領域10´の内側に既存杭1が埋設されている場合に好適な方法である。
具体的には、本設杭10の施工にあたっては、まず既存の設計図面等に基づいて本設杭10の施工予定領域10´内に既存杭1が埋設されているかどうかを確認する。確認の結果、施工予定領域10´内に既存杭1が埋設されている場合には、ステップS10の既存杭撤去工程、ステップS20の杭穴埋め戻し工程、ステップS30の予備穴掘削工程を経て、ステップS40の杭施工穴掘削工程以降の工程に進む。一方、施工予定領域10´内に既存杭1が埋設されていない場合には、ステップS10からステップ30の工程を省略して、ステップS40以降の工程に進むこととなる。
図2(a)に示すように、既存杭1とは、例えば予め工場等で製造されたPC杭等が圧入等の工法によって地表面2に打ち込まれることにより埋設されたいわゆる「既製杭」である。既存杭1の直径は、例えば0.3メートル程度であり、深さが15メートル程度である。これに対し、施工予定領域10´に構築される本設杭10とは、地表面2に掘削された後述の杭施工穴7内に鉄筋かご90を設置し、コンクリート8等を流し込むことにより施工されるいわゆる「場所打ち杭」である。
また、本実施形態に係る本設杭10の直径は例えば2メートル程度、深さが40メートル程度であり、既存杭1と比較して大径、かつ、長大に設定される。なお、本実施形態においては、本設杭10が円柱状であることを前提として説明するが、これに限定されず、施工場所等に応じて任意の形状に変更可能である。
図2(b)に示すように、地表面2内に既存杭1A〜既存杭1Cが埋設されている場合において、本設杭10の施工予定領域10´内に、既存杭1A及び既存杭1Bが存在する場合がある。施工予定領域10´は、本設杭10の直径と対応する領域であり、当該領域内に既存杭1の全部又は一部が存在する場合には、これらの既存杭1A,1Bを撤去する必要が生じる。一方、既存杭1Cは、施工予定領域10´内に存在しないため撤去を要しない。以下、撤去が必要な既存杭1A,1Bを単に既存杭1として説明する。
[ステップS10:既存杭撤去工程]
図3は、既存杭1の撤去工程(ステップS10)と、杭穴3の埋め戻し工程(ステップS20)に係る作業を細分化して示す概略図である。
図3(a)に示すように、地表面2内に埋設された既存杭1の撤去は、杭撤去装置20によって行われる。杭撤去装置20は、例えばクローラ式の走行体21によって地表面2上を走行可能である。走行体21の上部には、水平方向に360°旋回可能な旋回装置22が設けられ、当該旋回装置22を介して旋回体23が設けられる。旋回体23は、エンジン等が搭載される駆動部や後述するジブ24やケーシング30等を操作する操作部を備える。
旋回体23の前部からは、ジブ24が上方に延長する。ジブ24の内部には、複数の補助ジブ24Bが収納されており、操作部の操作によって、内部に収容された複数の補助ジブ24Bが伸縮可能とされる。ジブ24の傾斜角度は、旋回体23に設けられた油圧シリンダ25の伸縮により自在に調整可能である。
補助ジブ24Bの先端側には、リーダ27が固定部材26を介して固定される。リーダ27は、矩形状の棒状部材であり、固定部材26から地表面2付近まで垂下する。リーダ27は、回転駆動装置28を介して取り付けられるケーシング30を上下方向に沿って案内する。回転駆動装置28は、リーダ27の上端部に取付けられる。回転駆動装置28は、内部に搭載された図外のスライド機構によって、リーダ27に沿ってスライド移動し、ケーシング30の高さを調整する。また、回転駆動装置28には、モータが搭載されており、当該モータの出力軸には、図外の伝達機構を介してケーシング30が接続される。
ケーシング30は、リーダ27と同一方向に延長する円筒体であって、回転駆動装置28に対して着脱自在に設けられる。ケーシング30の内径は、地表面2内に埋設された既存杭1よりも僅かに大径であり、その長さは既存杭1よりも長尺に設定される。
そして、ケーシング30は、上述の回転駆動装置28のモータの駆動により一方向に回転しながら、スライド機構の駆動によって下降し、地表面2を掘削しつつ既存杭1を内部に取込可能である。また、ケーシング30の下端部には、ケーシング30の回転動作により地表面2を容易に掘削可能な複数の掘削爪31が取り付けられる。
以下、図3(a)〜図3(e)を参照して、既存杭1の撤去工程を順に説明する。まず、図3(a)に示すように、本設杭10の施工予定領域10´内に埋設された既存杭1の周囲を図外の油圧ショベル等によって掘削し、既存杭1の杭頭1Uを地表面2から露出させる。
次に、図3(b)に示すように、ケーシング30の中心と、既存杭1の杭芯の位置とを位置合わせし、ケーシング30を回転駆動装置28のスライド機構によりリーダ27に沿って下降させつつ、ケーシング30を回転駆動装置28のモータにより回転動作させながら、掘削爪31を地表面2面に押し当て、掘削を開始する。
図3(c)に示すように、ケーシング30の回転動作と下降動作とにより、掘削を継続する。そして、掘削爪31が既存杭1の下端部1Lに到達した時点で、回転駆動装置28の回転を停止し、ケーシング30による掘削を終了する。その後、ケーシング30を回転駆動装置28のスライド機構によりリーダ27に沿って上昇させ、地表面2内から引き抜く。これにより、既存杭1と既存杭1の周囲の地表面2とが縁切りされる。
次に、図3(d)に示すように、既存杭1の杭頭1Uにワイヤーを巻付け、当該ワイヤーをクレーン等のフック35を介して上昇させ、地表面2内から引き抜く。これにより、既存杭1の撤去工程が完了する。
図1に示すように、1個所の既存杭1に対して、ステップS10の既存杭撤去工程が完了すると、再度設計図面等に基づいて本設杭10の施工予定領域10´内に他の撤去対象となる既存杭1が埋設されていないかどうかを確認する。確認の結果、施工予定領域10´内に既存杭1が埋設されている場合には、上述したステップS10の既存杭撤去工程を繰り返し行う。一方、施工予定領域10´内に既存杭1が埋設されていない場合には、ステップS20の杭穴埋め戻し工程へ進むこととなる。
図3(e)に示すように、既存杭1が撤去された後には、ケーシング30の外径と略同径であり、ケーシング30により掘削した深度と略同一の深さを有する杭穴3が形成される。
[ステップS20:杭穴埋め戻し工程]
既存杭1の撤去工程後には、杭穴3の埋め戻し工程へ移行する。具体的には、図3(f)に示すように、杭穴3を山砂や土砂等の埋め戻し材4を投入することによって埋め戻す。埋め戻し材4の投入に際しては、水締めを行い、埋め戻し材4を締め固める。埋め戻し材4を地表面2と略面一となるまで行うことにより、杭穴3を埋め戻し材4によって埋め戻す。詳細については後述するが、埋め戻された杭穴3の埋め戻し材4の強度は、杭穴3周囲における地表面2の土砂よりも低い(柔らかい)状態である。このことから、本設杭10の施工予定領域10´内には、地盤の強度差(勾配)が生じることとなる。
[ステップS30:予備穴掘削工程]
図4は、予備穴6の掘削工程を細分化して示す概略図である。図4(a)に示すように、予備穴6の掘削は、アースオーガー等の掘削装置40によって行われる。
掘削装置40は、上記杭撤去装置20と同様に、クローラ式の走行体41を備え地表面2上を走行可能である。また、走行体41の上方側には、水平方向に旋回可能な旋回装置42が設けられており、当該旋回装置42を介して旋回体43が設けられる。
旋回体43の前方には、旋回体43から上方に向かって垂直に延長する矩形状のリーダ44が立設される。リーダ44は、下端側が旋回体43の前方に設けられたリーダ受部45によって支持され、上端部がバックステー46によって支持される。リーダ44は、後述の回転駆動装置47を介してオーガスクリュー50を上下方向に案内する。バックステー46は、旋回体43の後方から前方に向かって傾斜して延長し、リーダ44に取付けられた固定部材48を介してリーダ44の上端部を支持する。
リーダ44の上端部には、杭撤去装置20の回転駆動装置28と略同等の構成を有する回転駆動装置47が取り付けられる。回転駆動装置47は、図外のスライド機構によってリーダ44を上下方向にスライド移動可能であり、オーガスクリュー50の高さを調整する。また、回転駆動装置47には、モータが搭載され、当該モータの出力軸は、伝達機構を介してオーガスクリュー50と接続される。オーガスクリュー50は、モータの回転に伴って所定の回転速度で一定方向に回転する。リーダ44の下端部には、スクリューガイド49が設けられる。スクリューガイド49は、オーガスクリュー50が摺動可能に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔に挿通されたオーガスクリュー50が掘削中に水平方向へ揺動することを防止する。
オーガスクリュー50は、リーダ44と同一方向に延長する円筒体であって、回転駆動装置47に対して着脱自在に取付けられる。オーガスクリュー50は、円筒状のロッド51と、ロッド51の下端部に配設され、地表面2を掘削する掘削ヘッド53と、ロッド51の延長方向に沿って螺旋状に形成された撹拌ヘッド52とを備える。掘削ヘッド53に掘削された土は、撹拌ヘッド52により撹拌されながら地表面2上に掘り出される。ここで、掘削ヘッド53の直径は、少なくとも本設杭10の直径と対応する施工予定領域10´よりも小径に設定される。よって、オーガスクリュー50によって掘削される予備穴6の直径は、施工予定領域10´よりも小径となる。
以下、図4(a)〜図4(d)を用いて、掘削装置40による予備穴6の掘削工程を順に説明する。
まず、図1のフロー図には示していないが、本実施形態においては、ステップS20の杭穴埋め戻し工程が完了した後、ステップS30の予備穴掘削工程に進む前に地盤支持工程へと移行することとなる。地盤支持工程は、一般的に山留工事と称される作業を行う工程であって、地表面2に山留材(H鋼等)を打ち込んで仮設の壁を構築することにより地盤を支持し、後述する杭施工穴7の掘削中や本設杭10を構築する際に周囲の地盤が土圧等によって崩れることを防止するものである。本実施形態に係る地盤支持工程では、山留材を埋設する穴を掘削するために、ステップS30の予備穴掘削工程において使用する上記掘削装置40が用いられる。つまり、掘削装置40は、地盤支持工程で山留工事を行った後、ステップS30の予備穴掘削工程で予備穴6の掘削に転用されることとなる。
このように、地盤支持工程で用いた掘削装置40をステップS30の予備穴掘削工程に転用することにより、予備穴掘削工程に使用するためだけの掘削装置を別途準備する必要が無いため、掘削装置の準備に要する手間やコストを低減することができる。
掘削装置40による地盤支持工程が完了した後、予備穴6を掘削するために掘削装置40を待機させておく。
その後、図4(a)に示すように、オーガスクリュー50のロッド51の中心と、本設杭10の杭芯11の位置とを位置合わせする。次に、図4(b)に示すように、オーガスクリュー50を回転駆動装置47のスライド機構によりリーダ44に沿って下降させるとともに、オーガスクリュー50を回転駆動装置47のモータにより回転動作させながら、予備穴6の掘削を開始する。
図4(c)に示すように、オーガスクリュー50による掘削は、予備穴6の深さが、少なくとも埋め戻しされた杭穴3の深さL1以上の深さとなるまで継続される。つまり、予備穴6の深さは、杭穴3の深さL1と同一深さ、又は深さL1よりも深く設定される。
図4(d)に示すように、予備穴6の深さを所定の深さL1以上となるまで掘削した後、オーガスクリュー50を予備穴6から引き抜く。これにより、予備穴6の掘削工程が完了する。
上記掘削工程を経ることにより、本設杭10の施工予定領域10´内には、当該施工予定領域10´よりも小径であり、かつ、その深さが埋め戻された杭穴3の深さL1以上である予備穴6が掘削される。また、垂直精度が確保されたオーガスクリュー50のロッド51の中心と、本設杭10の杭芯11(施工予定領域10´の中心)とが位置合わせされているため、予備穴6の中心は、本設杭10の杭芯11と一致することとなる。
なお、本実施形態においては、予備穴6の深さを埋め戻された杭穴3の深さL1以上としたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、予備穴6の深さを、後述するステップS40の杭施工穴掘削工程において、アースドリル70の掘削バケット81が杭穴3の埋め戻し材4による応力F1または応力F2を受けることのない深さであれば、杭穴3の深さL1未満としても良い。
[ステップS40:杭施工穴掘削工程]
図5は、杭施工穴7の掘削工程を細分化して示す概略図である。図5(a)に示すように、杭施工穴7の掘削は、アースドリル70によって行われる。以下、アースドリル70について概説する。
アースドリル70は、杭撤去装置20,掘削装置40と同様に、クローラ式の走行体71を備える。走行体71の上方側には、水平方向に旋回可能な旋回装置72が設けられ、当該旋回装置72を介して旋回体73が設けられる。
旋回体73の前側には、起立したジブ74の一端側が設けられる。ジブ74は、旋回体73から上方に向かって延長する枠体であって、任意の角度に傾動可能である。また、旋回体73の前側には、図外の油圧シリンダ等により傾動角度を任意に調整可能なフロントフレーム75が固定される。フロントフレーム75は、ジブ74と後述のケリーバ80との間に配設され、一端側が旋回体73に対して固定され、他端側が固定部材79を介してケリーバ80に固定される。フロントフレーム75は、杭施行穴7の掘削中における掘削バケット81の搖動を抑制する。
ジブ74には、ワイヤー76が掛け渡される。ワイヤー76は、旋回体73の後側からジブ74の他端側を経由してジョイント部77に接続される。ワイヤー76は、旋回体73上に搭載される図外のウインチ等によって巻上げ方向、又は巻下げ方向に作動し、ケリーバ80及び掘削バケット81を上下動させる。ケリーバ80は、ジョイント部77を介してワイヤー76によって吊り下げられる円筒形状の棒状部材であって、下端部には、掘削バケット81が設けられる。また、ケリーバ80は、ケリーバ駆動装置78によって所定の回転速度で一定方向に回転駆動する。ケリーバ駆動装置78は、フロントフレーム75の上方側に配設される。ケリーバ駆動装置78には、図外の油圧モータ等が搭載され、油圧モータの回転に伴ってケリーバ80及び掘削バケット81が回転する。
掘削バケット81は、ケリーバ80の下端部に取り付けられる円筒形状の収容体である。掘削バケット81の底面及び側面には、地表面2を掘削する掘削カッタ82が設けられており、当該掘削カッタ82により掘削された土砂等は、本体部83内に収容される。本体部83の底面は、開閉可能となっており、本体部83内に収容された土砂を排出可能である。掘削バケット81の直径は、本設杭10(施工予定領域10´)の直径と略同径(例えば2m)に設定されており、一度の掘削工程により本設杭10の直径に対応する直径を有する杭施工穴7を掘削することが可能である。
以下、図5(a)〜図5(d)を参照し、杭施工穴7の掘削工程を順に説明する。
まず、図5(a)に示すように、本設杭10の杭芯11となる位置(予備穴6の中心)と、ケリーバ80及び掘削バケット81の中心とが一致するように位置合わせする。次に、ワイヤー76を巻下げ方向に作動させてケリーバ80を下降させ、ケリーバ駆動装置78によりケリーバ80及び掘削バケット81を回転させながら、杭施工穴7の掘削を開始する。
図5(b)に示すように、掘削バケット81の自重と回転とにより、杭施行穴7の掘削を継続する。掘削に伴い本体部83内に土砂が溜まった場合、掘削バケット81を地表面2上まで引き上げて本体部83底面の底蓋を開放し、本体部83に溜まった土砂を排出する。
なお、掘削バケット81により杭施行穴7を掘削する際には、ベントナイト等の安定液を既に掘削された杭施行穴7に注入した状態で行うことが望ましい。一方、土質等によっては安定液を必ずしも使用する必要はない。
図5(c)に示すように、土砂の掘削と、土砂の排出とを繰り返し行い、本設杭10を構築する所定の深さ(例えば40m)まで掘削を継続する。
図5(d)に示すように、杭施行穴7の深さが、所定の深さにまで達した後、掘削バケット81を杭施行穴7から引き上げる。これにより、アースドリル70による杭施行穴7の掘削工程が完了する。なお、本設杭10を拡底杭とする場合には、掘削バケット81を図外の拡底バケットと付け替え、杭施行穴7の底部を拡径する。
上記ステップS30の予備穴掘削工程を経て、ステップS40の杭施工穴掘削工程が行われることにより、杭施工穴掘削工程完了後に形成される杭施行穴7の垂直精度が極めて向上し、本設杭10の垂直精度も向上することになる。以下、図6を参照して、予備穴6の有無による杭施工穴7の垂直精度について説明する。
図6は、予備穴6と杭施工穴7が掘削される施工予定領域10´との関係を示す模式図である。図6(a)に示すように、予備穴6が存在しない場合、施工予定領域10´内には、埋め戻し材4によって埋め戻された杭穴3と、その他の領域が存在することとなる。また、埋め戻された杭穴3の土質と、その他の領域の土質とを比較した場合、埋め戻し材4の種類等に依存して、両者の間には地盤の強度差(勾配)が生じることとなる。
そして、施工予定領域10´内において、地盤の強度差が生じたままアースドリル70の掘削バケット81により杭施工穴7の掘削を開始すると、例えば杭穴3(埋め戻し材4)の強度が他の領域よりも高い場合には、吊り下げられた状態の掘削バケット81に対して杭穴3を基点とする外向きの応力F1が作用する。また、例えば、杭穴3(埋め戻し材4)の強度が他の領域よりも低い場合には、吊り下げられた状態の掘削バケット81に対して杭穴3の中心方向に向かう内向きの応力F2が作用する。
つまり、杭施工穴7の掘削開始前に、掘削バケット81の中心と、本設杭10の杭芯11となる位置(施工予定領域10´の中心)とを位置合わせしても、施工予定領域10´内に地盤の強度差が存在する場合には、掘削中において吊り下げられた状態の掘削バケット81の中心が、上記応力F1,F2によって本設杭10の杭芯11からズレる方向に徐々に変位するため、掘削後の杭施行穴7の垂直精度を確保することが困難となる。
これに対して、図6(b)に示すように、ステップS30の予備穴掘削工程によって予備穴6が形成された場合、予備穴6の領域が施工予定領域10´内において最も強度の低い(柔らかい)部分となる。そのため、施工予定領域10´内における強度は、地表面2が最も高く、杭穴3の埋め戻し材4が2番目に高く、予備穴6が最も低い状態となる。このことから、ステップS40の杭施工穴掘削工程において、吊り下げられた状態の掘削バケット81に対して予備穴6の中心(本設杭10の杭芯11)側に向かって応力F3が作用し、応力F1,F2の影響をほとんど受けなくなる。よって、杭施工穴掘削工程の完了後に形成される杭施工穴7が地表面2に対して垂直な穴、換言すれば、本設杭10の杭芯と一致した穴となり、当該杭施工穴7内に形成される本設杭10の垂直精度を極めて向上させることが可能となる。
[ステップS50:本設杭構築工程]
杭施工穴7の掘削完了後には、本設杭10の構築工程に移行する。以下、図5(e)〜図5(g)を用いて、本設杭10の構築工程を概説する。
まず、図5(e)に示すように、杭施行穴7外で組み立てられた鉄筋かご90を図外のクレーン等を用いて杭施行穴7内に設置するとともに、杭施工穴7内にコンクリート8を圧送するためのトレミー管91を挿入する。
図5(f)に示すように、鉄筋かご90及びトレミー管91の挿入の後、図外のコンクリートポンプからトレミー管91を通じて杭施行穴7の底部側から順にコンクリート8の打設を開始する。
図5(g)に示すように、杭施行穴7の底部側から順次コンクリート8を注入し、杭施行穴7をコンクリート8により満たす。コンクリート8の打設完了後、トレミー管91を引き抜き、コンクリート8を固化させる。これにより、本設杭10の構築工程が完了する。
当該工程を経て構築された本設杭10の垂直精度は、垂直精度が確保された杭施工穴7と同様に極めて高くなる。
以上のとおり、本実施形態に係る杭の施工方法によれば、本設杭10の施工予定領域10´内に既存杭1が存在する場合であっても、予備穴6の掘削工程を経て杭施工穴7を掘削することにより、杭施工穴7の垂直精度を極めて向上でき、ひいては杭施工穴7に構築される本設杭10の垂直精度を極めて向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 既存杭、2 地表面、3 杭穴、4 埋め戻し材、6 予備穴、7 杭施工穴、
8 コンクリート、10 本設杭、10´ 施工予定領域、11 杭芯、
20 杭撤去装置、24 ジブ、27 リーダ、30 ケーシング、
40 掘削装置、44 リーダ、47 回転駆動装置、50 オーガスクリュー、
70 アースドリル、78 ケリーバ駆動装置、80 ケリーバ、81 掘削バケット。

Claims (4)

  1. 施工予定領域内に杭施工穴を掘削し、当該杭施工穴内にコンクリートを打設する杭の施工方法であって、
    前記施工予定領域内の既存杭を当該施工予定領域内から撤去する工程と、
    前記既存杭撤去後の杭穴を埋め戻す工程と、
    前記施工予定領域内に、前記杭の杭芯を中心とする予備穴を前記杭穴の深さ以上の深さまで掘削する工程と、
    を備えたことを特徴とする杭の施工方法。
  2. 前記予備穴を掘削する工程の後、アースドリルに設けられた掘削バケットにより、前記施工予定領域の大きさと対応する杭施工穴を掘削する工程と、
    前記杭施工穴内にコンクリートを打設する工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の杭の施工方法。
  3. 前記杭穴に埋め戻された埋め戻し材の強度が、前記杭穴の周囲よりも低く、かつ、前記予備穴よりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の杭の施工方法。
  4. 前記予備穴の掘削は、当該予備穴を掘削する工程の前に、山留材を埋設する穴を掘削する掘削装置により行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の杭の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115492095A (zh) * 2022-10-11 2022-12-20 攀钢集团工程技术有限公司 一种护壁式矩形抗滑桩快速成孔方法

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