JP2015183345A - 導電性スリットヤーン及びその製造方法 - Google Patents

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知明 針井
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Abstract

【課題】本発明は、電気抵抗を低く設定可能であるとともに伸長変形時においても安定した電気特性を維持することができる導電性スリットヤーン及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】導電性スリットヤーンは、経糸及び緯糸により織成された導電性布帛を当該経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成されており、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内である。そのため、衣料品等の製品の製造及び使用時において安定した電気的特性を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、伸長変形時において安定した電気特性を有する導電性スリットヤーン及びその製造方法に関する。
近年、ウエアラブルコンピュータに代表される電子機器と織編物とを融合させた各種製品開発が進められている。ウエアラブルコンピュータを衣料品に取り付ける場合、着用者の体形や動作等に起因して、着用する衣料品に少なくとも5%程度、大きい場合は10%程度の伸長変形が生じることから、一般的な電子機器に用いられている導電材料ではこうした伸長変形に対応していないため、衣料用の織編物に取り付けることは困難である。
衣料品以外の工業製品においても、フレキシブルなシート材である織編物と電気伝達部材を一体化した材料が要望されているが、一体化した製品の製造及びその使用時に生じる伸長変形を考慮しなければならない。そのため、一体化した製品の電気伝達部材の電気特性について製品性能の保証又は耐久性の確保が要請されているが、実際には織編物と電気伝達部材を一体化した製品の実用化は困難な状況にある。
例えば、電気伝達部材として最も一般的な導電繊維は銅等の金属繊維であるが、多くの金属繊維は伸長性が乏しく5%の伸長で破断して導電性が無くなる。また、5%以上伸長可能な金属繊維の場合は、伸長に反比例して断面積が減少するため、電気抵抗値が5%以上増加して、伸長変形の前後で同等の電気特性を維持することは難しいのが現状である。
金属繊維以外の導電糸としては、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を熱可塑性ポリマー全体に分散させた導電繊維、もしくは導電性成分を非導電性ポリマーで完全に包みこんだ芯鞘型複合繊維又は導電性成分が繊維表面に露出したタイプの複合繊維、非導電性繊維に金属メッキ処理を施した導電繊維等が提案されている(非特許文献1)。こうした導電性繊維に伸長性を付与した例としては、特許文献1には、導電性カーボンブラックを熱可塑性ポリマーに含有した導電性ポリマーとPTTとを複合紡糸し、導電性カーボンブラック含有量、PTTの繊維横断面積占有率、繊維の伸長回復率を適正なものとすることにより、優れた除電性能とストレッチ性を兼ね備え、製糸性の安定な導電性ポリエステル繊維を得る点が記載されている。
伸長変形可能な導電性素材としては、様々な素材が提案されており、例えば、特許文献2には、導電性繊維をニット構造体にする方法が記載されており、特許文献3では、導電性素材をカラミ織りしたテープ等の方法が記載されている。また、特許文献4では金属被膜を有する導電性メッシュ織物をテープ状にカットした材料が提案されており、特許文献5では、表面を導電化処理したガラス繊維を織物とし、その表面を樹脂加工した電磁波シールドテープが提案されている。
特開2003−313727号公報 実開平6−059488号公報 特開平10−163674号公報 特許第5020405号公報 特開平2−069000号公報
堀照夫監修、「FUTURE TEXTILES」、2006年2月、繊維社企画出版、74頁〜77頁(第1章5-14 導電性繊維の体積抵抗率制御)
特許文献1に記載された導電繊維では、電気抵抗が低く、かつこれらの繊維は伸長変形に伴い電気抵抗が著しく増加するため伸長変形の前後で同等の電気特性を維持することは困難である。特許文献2に記載された導電性素材では、導電性繊維をニット構造体にした場合編み構造の特性である優れた伸縮性が発揮でき、20%以上の大変形も可能な構造である反面、小さい伸長変形時から編地の形状が変化するためそれに伴い編地を形成する導電性繊維間の接触面積が大きく変化するので編地としての電気特性の変化が大きくなってしまう課題がある。
また、特許文献3に記載された導電性素材では、絡み織りの場合、絡みを構成するたて糸を緻密に配列することは不可能となるため、細幅にスリットして導電糸として使用する場合に繊維軸方向での幅変動が大きくなるため安定した電気特性を得ることは困難である。特許文献4に記載された導電性素材では、開口率の大きい合成繊維モノフィラメントを基材としているため、伸長変形時に安定した電気特性を得ることは困難となる。特許文献5に記載された導電性素材では、伸びのあるガラス繊維織物を構成するには、たて糸およびよこ糸に使用するガラス繊維をかなり湾曲した状態で織り込む必要があり、細幅でスリットして導電糸として用いる場合に繊維軸方向での幅変動が大きくなるため安定した電気特性を得ることが困難である。
そこで、本発明は、電気抵抗を低く設定可能であるとともに伸長変形時においても安定した電気特性を維持することができる導電性スリットヤーン及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る導電性スリットヤーンは、経糸及び緯糸により織成された導電性布帛を当該経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成されており、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内である。さらに、前記導電性布帛は、少なくとも経糸に紡績糸が用いられており、メッキ処理による金属層が形成されている。さらに、前記導電性布帛は、経糸及び緯糸の繊度の比が0.5〜1.5であり、経糸及び緯糸の織密度の比が0.7〜1.3である。
本発明に係る導電性スリットヤーンの製造方法は、絶縁性繊維からなる経糸及び緯糸により布帛を織成し、得られた前記布帛表面に金属メッキ処理を施して金属層を形成することで電気抵抗が1Ω/m2以下の導電性布帛を作成し、得られた前記導電性布帛を経糸方向に沿って経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成する。さらに、少なくとも経糸に紡績糸を用いて前記布帛を織成する。
本発明は、上記のような構成を有することで、電気抵抗を低く設定可能であるとともに伸長変形時においても安定した電気特性を維持することができる。
実施例及び比較例で得られた導電性スリットヤーンの電気特性を示す表である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。本発明に係る導電性スリットヤーンは、経糸及び緯糸により織成された導電性布帛を当該経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成されており、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内である。
経糸及び緯糸により織成された導電性布帛をスリットして糸として用いることで、スリットヤーンを構成する経糸及び緯糸が織構造を形成するために互いに屈曲した状態となっており、こうした屈曲した状態を有することでスリットヤーンの糸長方向の伸長変形時に経糸自体の伸長を伴わずにスリットヤーンの伸長変形が可能となり、伸長変形の前後において導電性スリットヤーンの線抵抗値の変動を抑えることができる。
そして、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内となっているので、電気信号を伝達するために必要となる線抵抗値を実現することができるとともに導電性スリットヤーンを用いた製品の製造工程及びその使用時に生じる伸長変形に対して安定した電気特性を維持することができる。特に、導電性スリットヤーンを形成する織構造を平織等の屈曲の多い織組織にすることや経糸の屈曲が大きくなるように経糸張力等の製織条件を工夫することにより、伸長性に優れた導電性スリットヤーンとして、糸長方向に10%伸長変形する前後の線抵抗値の変動率が5%以内に制御することも可能である。
また、経糸を3本以上含むことで、細幅にスリットした際に経糸のほつれを抑止することができる。経糸が2本以下では、得られたスリットヤーンがばらけやすくなり、安定した織構造を実現することが困難である。そして、経糸又は緯糸のいずれかの糸の太さや織密度が極端に異なる場合には、織構造がアンバランスとなって糸が外れやすくなる。そのため、経糸及び緯糸の繊度(太さ)の比を0.5〜1.5とし、織密度の比を0.7〜1.3とすることが好ましい。
また、経糸を3本以上含む幅でスリットすることで、スリットヤーンの全長にわたって経糸が切断されずに存在するようになり、スリットヤーン全体の電気特性及び機械的特性がほぼ均一化して高品質のスリットヤーンが得られる。そして、導電性スリットヤーンの糸幅を0.5mm〜5mmに設定することで、通常の糸と同様に取り扱うことが可能となり、従来より糸により製造されている幅広い製品に用いることができる。
本発明に係る導電性スリットヤーンを製造するために用いる導電性布帛としては、電気抵抗が1Ω/m2以下のものが好ましい。例えば、金属繊維、カーボン粒子混練や金属メッキにより導電性を付与した繊維等の導電性繊維を含む糸を用いて織成された布帛が挙げられる。こうした導電性繊維を含む糸を用いることで、線抵抗値を10Ω/cm以下とすることができる。金属繊維としては、ステンレス繊維、銅繊維、スズメッキ銅繊維等が挙げられる。こうした導電性繊維は、経糸又は緯糸のいずれか、又はその両方に使用して導電性布帛を構成することができる。経糸及び緯糸に導電性繊維を用いることで、経糸に含まれる導電性繊維が切断された場合にも、切断部分近傍の緯糸が隣接する経糸と電気的に接続しているので、電気的な導通状態が維持されて電気的な安定性を確保することができる。
また、導電性布帛としては、絶縁性繊維からなる糸により織成された布帛に金属メッキにより導電性を付与した布帛が挙げられる。この場合、導電性布帛の表面に金属メッキにより形成された金属層が導通することで、線抵抗値を10Ω/cm以下とすることができる。金属メッキにより形成される金属層としては、導電性の高い銀、銅、ニッケル等が挙げられるが、線抵抗値を10Ω/cm以下とすることが可能であれば、特に限定されない。電気抵抗及び耐食性を考慮すれば、銅・ニッケルメッキによる金属層が好ましい。
金属メッキ処理を行う布帛としては、絶縁性繊維で金属メッキ処理が可能なものが好ましい。例えば、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアミド、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。電気回路を構成する配線に使用される場合は、ハンダ処理等に対して耐熱性を有するアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ガラス、シリカ、バサルト、セルロース等の繊維が好ましい。
金属メッキ処理を行う布帛に用いる糸としては、紡績糸が好ましい。紡績糸を用いて無電解メッキ処理を行う場合、紡績糸の内部までメッキ液が入り込みやすいため、紡績糸を構成する単糸フィラメントの表面にまで金属メッキを施すことができる。また、紡績の工程でのカード工程などで繊維表面にキンクバンドの微細なクラックが入ることで、メッキ処理した金属層がクラックに入り込んでアンカー効果により密着性が向上し、伸長変形時の線抵抗値の変動が抑えられる。紡績糸は、長繊維糸に比べて、糸内部の空隙が構造的に大きく、伸長変形に対するクッション性を有しており、伸長変形時の電気的安定性も得ることができる。
また、紡績糸は、織構造における経糸及び緯糸の交錯だけでなく、隣接する経糸同士及び緯糸同士も紡績毛羽で絡み合うようになるため、スリット加工後の端部のほつれが少なくなり、糸としての安定性に優れ、そのため安定した電気特性を発現できる。このため、紡績糸は、結束構造よりも撚り構造で構成される紡績糸の方が好ましい。
金属メッキ処理により作成した導電性布帛では、摩擦耐久性向上の目的で電気特性に影響を及ぼさない範囲で布帛表面にコーティング処理を施すことが好ましい。コーティング材料としては、例えば、ポリエチレン、エポキシ、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル等の樹脂が挙げられるが、耐摩耗性向上に寄与して電気特性を損なわない材料であればよく、特に限定されない。また、コーティング加工は、スリット加工後の切断部分のほつれを防止する効果も得られる。なお、コーティング剤に公知の添加剤を付与して様々な機能を持たせることも可能で、例えば難燃剤を追加することで導電性スリットヤーンに難燃性機能を付与することもできる。
特に、導電性布帛をアラミドやポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ガラス、シリカ、バサルト、セルロース等の耐熱性に優れた繊維で構成して金属メッキ処理後コーティング剤に難燃性を有する材料を使用することにより、耐熱性が高く難燃性の高い導電性スリットヤーンを作成することができる。この場合、200℃以上の温度環境下でも導電性スリットヤーンの熱収縮や熱膨張等の変形がほとんどなく、安定した品質を維持することができる。
導電性スリットヤーンを作成する場合、導電性布帛を糸長方向に沿って経糸が3本以上含まれる幅で連続的に切断して作成する。切断幅は、作成された導電性スリットヤーンをそのまま使用する場合には0.5mm〜5mmに設定することが好ましく、撚糸等の糸加工を施す場合には5mmより大きい幅に切断して最終的に糸幅が0.5mm〜5mmとすることもできる。導電性スリットヤーンを用いてテキスタイル加工を行う場合は、繊維としての取り扱い性を考慮して糸幅を0.5mm〜2mmとすることが好ましい。
導電性布帛を細幅にスリットする方法としては、金属刃やセラミック刃による切断方法、超音波による切断方法、レーザによる切断方法、熱溶融による切断方法等が挙げられる。
作成された導電性スリットヤーンは、通常の糸と同様の柔軟性を有しているため、通常の糸と同様に取り扱うことが可能であり、従来の織編物に織成又は編成して導電性織編物を製造することができ、織編物等の布帛の表面に縫製や接着等により取り付けて導電性織編物を構成することも可能である。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の電気特性の評価方法は次のとおりである。
(線抵抗値)
1本の試料を15cm以上の長さにカットして、10個のサンプルを準備する。サンプルの一方の端部に一方の金属端子を接続するとともに他方の端部に50Ωの抵抗素子を介して他方の金属端子に接続し、両金属端子を電源に接続して直列回路を構成する。電源として、安定化電源(菊水電子工業株式会社製 PMC18-3)を用い、5Vの直流電圧を印加して50Ωの抵抗素子にかかる印加電圧をデジタルテスター(日置電機株式会社製 3801デジタルハイテスター)にて測定する。測定された電圧(E;V)及びサンプルの繊維長(L;cm)により、以下の式で電気抵抗値(Ω/cm)を算出する。線抵抗値(Ω/cm)は、算出した10個のサンプルの電気抵抗値の相加平均値とする。また、線抵抗変動係数は、測定された電気抵抗値の標準偏差及びその平均値である線抵抗値に基づいて以下の式により算出される。
電気抵抗値(Ω/cm)=(5−E)/((E/50)×L)
線抵抗変動係数=(電気抵抗値の標準偏差)/(線抵抗値)
(比抵抗)
試料の断面積をマイクロスコープ(ソニック株式会社製BS-D8000)により測定し、上記の線抵抗値に基づいて以下の式で算出した。
比抵抗値(Ω・cm)=線抵抗値(Ω/cm)×断面積(cm2
(伸長変形時の線抵抗値)
上述した線抵抗値の測定方法と同様に10サンプルを準備し、サンプルを引張試験機(株式会社島津製作所製 オートグラフAGS-1kNG)にセットし、セットしたサンプルを上述した線抵抗値の測定方法と同様に金属端子に接続して直列回路を構成する。そして、引張試験機によりサンプルを糸長方向に任意の倍率で伸長変形させ、所定時間経過後、上述した線抵抗値の測定方法と同様に電圧を測定して伸長変形後の線抵抗値を算出する。
また、線抵抗変動率は、伸長変形前の線抵抗値をR0、n%伸長変形時の線抵抗値をRnとした場合に、以下の式により算出する。
線抵抗変動率(%)=(Rn−R0)/R0×100
<実施例1>
帝人テクノプロダクツ株式会社製のアラミド紡績糸(80/2)を経糸及び緯糸に使用し、各々40本/cmの密度で平織により織り込んで布帛を作成し、布帛全体を銅・ニッケルメッキ液(奥野製薬工業株式会社製)によりメッキ装置(株式会社パワーユニオン製)で無電解メッキ処理した。メッキ処理して得られた導電性布帛は、目付が112g/m2(金属18g/m2を含む)で、表面体積抵抗測定方法(三菱化学株式会社製ロレスタ)による抵抗値が0.05Ω/□であった。得られた導電性布帛を、セラミック製回転刃のスリット装置により経糸方向に沿って1mm幅で連続的に切断加工し、導電性スリットヤーンを作成した。得られた導電性スリットヤーンは、経糸4本の幅でスリットされていた。
<実施例2>
日本精線株式会社製のステンレス繊維(繊維径30μm×1f)を経糸及び緯糸に各々108本/cmの密度で平織により織り込んで導電性布帛を作成した。得られた導電性布帛を、実施例1と同様に、ステンレス刃により経糸方向に沿って0.8mm幅で連続的に切断加工し、導電性スリットヤーンを作成した。得られた導電性スリットヤーンは、経糸8本の幅でスリットされていた。
<比較例1〜3>
比較例として、理研電線株式会社製の銅線(繊維径50μm×1f;比較例1)、日本精線株式会社製のステンレス繊維(繊維径12μm×100f;比較例2)及び日本蚕毛染色株式会社製のナイロン銀メッキ繊維(194デシテックス/40f;比較例3)を使用して、実施例2と同様に導電性スリットヤーンを作成した。
実施例及び比較例で得られた導電性スリットヤーンの電気特性を図1に示す。図1に示すように、実施例1及び2では、10Ω/cm以下の線抵抗値を有しており、電気信号を伝達するには十分な電気特性を備えている。また、実施例1及び2では、0%〜10%までの伸長変形の範囲において、線抵抗値は変動が小さくほぼ一定していることがわかる。特に、5%及び10%の伸長変形の前後の変動率は±2.0%以内であり、伸長変形に対して電気特性が安定していることがわかる。また、線抵抗変動係数は、比較例として挙げられた金属繊維からなる導電性スリットヤーンと同様にサンプルの電気抵抗値のばらつきが少なく、導電性スリットヤーンとしてほぼ均一な電気特性を備えていることがわかる。
これに対し、比較例1では、線抵抗値が低くなっているが、5%伸長変形時には線抵抗値が約5%増加し、10%の伸長変形時には伸長変形率の倍以上に線抵抗値が増加しており、伸長変形に対して電気特性が安定していないことがわかる。比較例2では、2%伸長変形時まではほぼ一定の線抵抗を示すものの、3%以上の伸長変形で破断したため導電性が失われた。比較例3では、伸長変形が増加するにしたがい線抵抗値が増加し、5%伸長変形時に線抵抗値が16.9%増加し、10%伸長変形時には線抵抗値が53%増加しており、伸長変形による電気特性の変動が大きいことがわかる。
以上説明したように、経糸及び緯糸により織成された導電性布帛を当該経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成し、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内である導電性スリットヤーンを得ることが可能となり、衣料品等の製品の製造及び使用時において安定した電気的特性を有する導電性スリットヤーンを実現することができる。
本発明は、電子機器とテキスタイルが融合したウエアラブルコンピュータ、防爆防塵機能等の高機能作業服等に使用する糸として好適であり、電気製品や自動車等の各種工業製品の電子材料として用いられる導電糸及び導電性織編物に幅広く使用することが可能である。例えば、電気製品や自動車部品などの各種産業用途での伸長変形を必要とする可動部での電気的シールド材や導電部材として使用でき、バイタルセンシングや情報発信ツールとしてのウエアラブルなシステムの信号線や電源ラインとして使用することができる。また、電気的特性を要求されるe−テキスタイルの信号線や電源ラインとして使用することができる。

Claims (6)

  1. 経糸及び緯糸により織成された導電性布帛を当該経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成されており、糸長方向に5%伸長変形する前後の線抵抗値が10Ω/cm以下で、かつその変動率が3%以内である導電性スリットヤーン。
  2. 前記導電性布帛は、少なくとも経糸に紡績糸が用いられており、メッキ処理による金属層が形成されている請求項1に記載の導電性スリットヤーン。
  3. 前記導電性布帛は、経糸及び緯糸の繊度の比が0.5〜1.5であり、経糸及び緯糸の織密度の比が0.7〜1.3である請求項1又は2に記載の導電性スリットヤーン。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の導電性スリットヤーンを含む導電性織編物。
  5. 絶縁性繊維からなる経糸及び緯糸により布帛を織成し、得られた前記布帛表面に金属メッキ処理を施して金属層を形成することで電気抵抗が1Ω/m2以下の導電性布帛を作成し、得られた前記導電性布帛を経糸方向に沿って経糸を3本以上含む幅でスリットして0.5mm〜5mmの糸幅に形成する導電性スリットヤーンの製造方法。
  6. 少なくとも経糸に紡績糸を用いて前記布帛を織成する請求項5に記載の導電性スリットヤーンの製造方法。
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