JP2015182978A - 有機ケイ素化合物及び接着性組成物並びに物品 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
下記式(1)
で表される有機ケイ素化合物。
〔2〕
上記式(2)が、下記式(6)〜(10)
のいずれかで表される〔1〕記載の有機ケイ素化合物。
〔3〕
上記式(3)が、下記式(11)、(12)
のいずれかで表される〔1〕記載の有機ケイ素化合物。
〔4〕
上記式(4)が、下記式(13)、(14)
のいずれかで表される〔1〕記載の有機ケイ素化合物。
〔5〕
上記式(5)が、下記式(15)
で表される〔1〕記載の有機ケイ素化合物。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の有機ケイ素化合物を含有する接着性組成物。
〔7〕
〔6〕記載の接着性組成物にて表面処理された基材を含む物品。
〔8〕
表面処理される基材が、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマット、ガラスペーパーから選ばれるガラス繊維製品である〔7〕記載の物品。
〔9〕
表面処理される基材が、無機フィラーである〔7〕記載の物品。
〔10〕
表面処理される基材が、セラミック又は金属である〔7〕記載の物品。
本発明の有機ケイ素化合物(シランカップリング剤)の特徴として、下記構造(i)、(ii)を共に有することが挙げられる。
(i)加水分解性シリル基
(ii)シリル基で保護されたカテコール構造
(式中、R1〜R4は各々独立に水素原子、置換基を有してもよく、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合及びチオカルボニル結合から選ばれる1以上の結合が介在してもよい一価の炭化水素基、下記式(2)〜(5)で表される有機基から選ばれるが、R1〜R4の少なくとも一つは下記式(2)〜(5)で表される有機基のいづれかであり、R8は各々独立に置換基を有してもよい一価の炭化水素基である。)
また、pH調整剤として、酸又は塩基を使用してもよく、この場合、組成物のpHは 2〜13、特に3〜12であることが好ましい。
低分子材料の配合量は、組成物中好ましくは99質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは1〜30質量%である。
高分子材料の配合量は、組成物中好ましくは99質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは1〜30質量%である。
また代表的な硬化条件としては、加熱・乾燥が挙げられ、表面処理後に60〜180℃、好ましくは80〜150℃で5分〜2時間加熱・乾燥し、溶媒の除去と同時に表面処理剤中の主成分であるシランカップリング剤と基材表面とを化学反応させることが好ましい。
[合成例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにオイゲノール164.2g(1モル)、トルエン400g、ペンタフルオロフェニルホウ素0.4gを納め、トリエチルシラン244g(1.1モル)を内温90℃で2時間かけて滴下した。その後、室温まで冷却した後、キョーワード500(協和化学工業製)2gを投入し、2時間撹拌した。その後、濾過、ストリップを行うことで有機ケイ素化合物(16)を374g得ることができた。1H−NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(16)に示す構造を有する生成物であることを確認した。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、有機ケイ素化合物(16)を189g(0.5モル)、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.5×10−4モル)を納め、トリメトキシシラン61g(0.5モル)を内温75〜85℃で2時間かけて滴下した。その後、80℃で1時間撹拌し、ストリップを行うことで有機ケイ素化合物(17)を含有する溶液を得ることができた。1H−NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(17)に示す構造を有する生成物であることを確認した。得られた有機ケイ素化合物をシランAとする。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、有機ケイ素化合物(16)を189g(0.5モル)、パーブチルO(日油製)を納め、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)98g(0.5モル)を内温80〜90℃で1時間かけて滴下した。その後、90℃で1時間撹拌し、ストリップを行うことで有機ケイ素化合物(18)を含有する溶液を得ることができた。1H−NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(18)に示す構造を有する生成物であることを確認した。得られた有機ケイ素化合物をシランBとする。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、4−アリルカテコール150g(1モル)、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として1×10-4モル)を納め、トリメトキシシラン122g(1モル)を内温75〜85℃で2時間かけて滴下した。その後、90℃で1時間撹拌し、ストリップを行うことで有機ケイ素化合物(19)を含有する溶液を得ることができた。得られた有機ケイ素化合物をシランCとする。
[実施例1]
100mLのビーカーにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:JER828)20g入れ、撹拌しながらシランA1gを添加し、均一に溶解させてエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は室温で1ヶ月以上均一透明なまま保存可能であった。
100mLのビーカーにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:JER828)20g入れ、撹拌しながらシランB1gを添加し、均一に溶解させてエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は室温で1ヶ月以上均一透明なまま保存可能であった。
100mLのビーカーにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:JER828)20g入れ、撹拌しながらシランC1gを添加し、均一に溶解させてエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は室温で1ヶ月には増粘、ゲル化していた。
100mLのビーカーにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:JER828)20g入れ、撹拌しながら3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE−903)1gを添加し、均一に溶解させてエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂は室温で1ヶ月には増粘、ゲル化していた。
[実施例3,4、比較例3,4]
上記で得られたシランA、B又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE−903)が1質量%となるように酢酸水溶液、メタノールで希釈したものを表面処理剤とし、ガラス繊維(直径20μm)に処理した後、100℃で30分間乾燥することで表面処理ガラス繊維を得た。該表面処理ガラス繊維上に、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:JER828)と硬化剤(トリエチレンテトラミン)より構成される熱硬化組成物の直径数十μm〜数百μmの液滴を、液滴同士が接触しないように付着させた後、熱硬化(80℃で1.5時間処理した後、100℃で2時間処理)して球状樹脂成型物を成形し、複合界面特性評価装置(東栄産業社製:HM410)を用いたマイクロドロップレット法により表面処理ガラス繊維−エポキシ樹脂間のせん断強度を測定した。ここで、繊維の直径をD[μm]、球状樹脂成型物に埋め込まれた部分の繊維の長さをL[μm]、該球状樹脂成型物を繊維軸方向に引き抜く際の荷重をF[mN]とすると、単位面積あたりのせん断強度τ[MPa]はτ=F/πDLによって求められる。使用した表面処理剤の主成分とせん断強度の結果を表1に示す。
Claims (10)
- 下記式(1)
で表される有機ケイ素化合物。 - 請求項1〜5のいずれか1項記載の有機ケイ素化合物を含有する接着性組成物。
- 請求項6記載の接着性組成物にて表面処理された基材を含む物品。
- 表面処理される基材が、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマット、ガラスペーパーから選ばれるガラス繊維製品である請求項7記載の物品。
- 表面処理される基材が、無機フィラーである請求項7記載の物品。
- 表面処理される基材が、セラミック又は金属である請求項7記載の物品。
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