JP2015179230A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で防振性能に優れる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像光学系を構成する前方レンズ群と後方レンズ群を有し、前方レンズ群が物体側から順に、少なくとも一つの前方レンズと、この前方レンズから出射された光束を異なる方向に反射する反射面を備えた反射素子とを有し、撮像光学系に加わる振れに応じて前方レンズ群のうち前方レンズを動作させて像面上での像振れを抑制する撮像装置であり、前方レンズを保持する可動枠と、少なくとも反射素子を保持して前方レンズによる像振れ抑制を行わない基準状態の光軸に対して移動しない支持部材と、支持部材に対して可動枠を、基準状態における前方レンズの光軸を反射素子の反射面の裏側まで延長した軸上の点を中心とする球心揺動可能に支持する支持機構と、球心揺動を許しつつ、支持部材に対して前方レンズの光軸を中心とする可動枠の回転を規制する回転規制手段を備える。
【選択図】図11

Description

本発明は、防振(像振れ補正)機構を備えた撮像装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の主として撮影を目的とした携帯電子機器や、カメラ付き携帯電話機や携帯情報端末といった付随的に撮影機能を備えた携帯電子機器が広く普及しており、こうした携帯電子機器に搭載される撮像ユニットの小型化が求められている。撮像ユニットの小型化の手段として、プリズムやミラーなどの反射要素の反射面を用いて光束を反射(屈曲)させる屈曲光学系によって撮像用の光学系を構成したものが知られている。屈曲光学系を用いることによって、特に被写体からの入射光の進行方向における撮像ユニットの薄型化を実現することができる。
また撮像ユニットには、手振れなどの振動を起因とする像面上での像振れを軽減させるための、いわゆる防振機構の搭載が求められる傾向にある。屈曲光学系の撮像ユニットで防振機構を備えたものとして、撮像センサを像面と直交する方向に移動させて防振を行う第1のタイプ(特許文献1、2)、反射面を有する反射要素の後方(像面側)に配置したレンズを光軸直交方向に移動させて防振を行う第2のタイプ(特許文献3、4)、反射要素(反射面)と反射要素に隣接するレンズの角度を変化させて防振を行う第3のタイプ(特許文献5、6、7、8)、撮像ユニット全体を傾動させて防振を行う第4のタイプ(特許文献9、10)が知られている。
本発明の出願人は、屈曲光学系を有する撮像装置において、反射素子とその物体側に位置する前方レンズを含み光学系全体の物体側に配される前方レンズ群のうち、前方レンズのみを光軸と直交する平面に沿って移動させる防振機構を提案した(特許文献11)。
特許文献12には、屈曲光学系ではなくストレートな光軸を有する主レンズ系において、最も物体側に位置する第1レンズまたはその次に位置する第2レンズを、光軸上の回動中心を中心として回動させることによって防振を行うことが記載されている。
特開2009-86319号公報 特開2008-268700号公報 特開2010-128384号公報 特許第4789655号 特開2007-228005号公報 特開2010-204341号公報 特開2006-330439号公報 特許第4717529号 特開2006-166202号公報 特開2006-259247号公報 特開2013-238848号公報 特開平9-251127号公報
撮像装置の用途として静止画だけでなく動作の撮影が一般化していること等を背景として、撮像装置における防振性能をさらに向上させることが求められている。但し、防振用の光学要素の移動は収差等の光学性能に影響を及ぼし、かつその移動量に応じたスペースを必要とするため、防振性能の向上を図る際には、これらの条件ができるだけ損なわれないように(すなわち、防振機構をできるだけコンパクトに構成し、かつ防振動作による光学性能の低下を抑えるように)考慮する必要がある。
第1のタイプの防振機構は、撮像センサに接続する基板が撮像センサに追随して移動されるため、撮像センサのみならず周囲の電装系の部品も可動対応の構成にする必要があり、構成が複雑でコスト高になりやすい。また撮像センサの撮像面周りは防塵構造であることが求められるが、携帯電話機や携帯情報端末への搭載を意図した小型の撮像ユニットでは、撮像センサの防塵構造を維持しながら防振用の動作を行わせるだけの十分なスペースをハウジング内に確保しにくい。
第2のタイプの防振機構は、防振動作時のレンズの移動方向が撮像ユニットの厚み方向(被写体の方向を前方とした場合の前後方向)になるため、薄型の撮像ユニット内に防振機構を設けることがスペース的に難しいという問題がある。逆に言えば、このタイプの防振機構を用いると撮像ユニットの薄型化が制約されてしまう。レンズではなく撮像センサを撮像ユニットの厚み方向に移動させるタイプの防振機構でも同様の問題がある。
第3のタイプの防振機構は、反射要素とレンズを傾動させるために広いスペースが必要であり、撮像ユニットが大型化しやすい。撮像ユニット全体を傾動させる第4のタイプの防振機構ではさらに大型化が避けられない。
特許文献11の防振機構は、前方レンズ群のうち反射素子の前方に位置する前方レンズを光軸直交面内で動作させることにより、前方レンズの光軸に沿う方向において撮像装置を小型化(薄型化)する効果が得られる。しかし最近では、防振機構を備えた撮像装置における小型化と防振性能の向上をより高レベルに両立させることが求められてきている。
特許文献12は、第1レンズや第2レンズの概念的な回動中心を光軸上(光路上)に設定しているが、これを実現するには、光束を遮らないように光路から外れた位置に第1レンズや第2レンズの回動支持手段を配置する必要があり、防振機構をコンパクトに構成しにくい。
従って本発明は、小型で防振性能に優れる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明は、撮像光学系を構成する前方レンズ群と後方レンズ群を有し、前方レンズ群が物体側から順に、少なくとも一つの前方レンズと、この前方レンズから出射された光束を異なる方向に反射する反射面を備えた反射素子とを有し、撮像光学系に加わる振れに応じて前方レンズ群のうち前方レンズを動作させて像面上での像振れを抑制する撮像装置であって、前方レンズを保持する可動枠と、少なくとも反射素子を保持し、前方レンズによる像振れ抑制を行わない基準状態の光軸に対して移動しない支持部材と、支持部材に対して可動枠を、基準状態における前方レンズの光軸を反射素子の反射面の裏側まで延長した軸上の点を中心とする球心揺動可能に支持する支持機構と、可動枠と支持部材の一方と他方に設けられて互いに係合する突起と突起挿入部からなり、支持部材に対する可動枠の球心揺動を許しつつ、支持部材に対して、基準状態及び球心揺動を行った状態の前方レンズの光軸を中心とする可動枠の回転を規制する回転規制手段を備えたことを特徴としている。
突起挿入部に対して突起を、基準状態の前方レンズの光軸を含む第1の平面に沿って摺動可能とさせ、さらに第1の平面に対して垂直で基準状態の前方レンズの光軸と平行な第2の平面内では、突起挿入部に対して突起を、該第2の平面上の支点を中心とする揺動と、基準状態の前方レンズの光軸に沿う方向への移動を可能とさせ、基準状態の前方レンズの光軸に垂直な方向に相対移動を規制することが好ましい。一例として、基準状態の前方レンズの光軸と反射素子で反射された光束の光軸とを含む面として第1の平面を定めることができる。
突起挿入部は、第1の平面に関して対向し、第2の平面内で突起を挟む一対の保持部を有する。より詳しくは、第1の平面と平行な一対の対向面によって一対の保持部を構成し、この一対の対向面に対して摺接可能な非平面の接触面を有するものとして突起を構成するとよい。この場合、一対の対向面の間隔よりも、一対の対向面を接続する一対の端部の間隔の方が大きい長孔として突起挿入部を形成し、該長孔の長手方向の延長上に球心揺動の中心を位置させることが好ましい。
異なる形態として、第1の平面に沿って軸線が延びるガイドシャフトとして突起を構成し、このガイドシャフトの軸線方向の一部領域を挟む一対の対向凸部によって一対の保持部を構成してもよい。この場合、ガイドシャフトの軸線の延長上に球心揺動の中心を位置させることが好ましい。
突起と突起挿入部は、球心揺動の中心を通り基準状態の前方レンズの光軸に対して垂直な平面内で接触することが好ましい。但し、基準状態の前方レンズの光軸と沿う方向で、この平面と異なる位置で突起と突起挿入部を接触させることもできる。
本発明の撮像装置は、可動枠を球心揺動させる駆動手段を基準として回転規制手段の配置を設定することが好ましい。前提として、次の条件を満たす2つのアクチュエータを駆動手段として用いる。それぞれのアクチュエータにおいて外形中心を通り推力の作用方向を含む推力作用平面を設定すると、2つのアクチュエータの推力作用平面は、それぞれが基準状態の前方レンズの光軸と平行であり、かつ球心揺動の中心で互いに交差しており、この交差位置を通り基準状態の前方レンズの光軸と平行な所定の対称面に関して面対称となる。そして回転規制手段は、2つの推力作用平面に関する対称面上に突起と突起挿入部を設ける第1の配置と、2つの推力作用平面に関する対称面に対して垂直な平面上に突起と突起挿入部を設ける第2の配置と、2つの推力作用平面の一方の面内に突起と突起挿入部を設ける第3の配置のいずれかを選択するとよい。2つの推力作用平面が互いに直交する関係である場合は、第1から第3の配置のいずれも有効である。
本発明の回転規制手段は、突起と突起挿入部を可動枠と支持部材のいずれに配しても成立するが、一例として、突起を可動枠に設け、突起挿入部を支持部材に設けるとよい。
本発明によれば、屈曲光学系を構成する前方レンズ群のうち反射素子の前方に位置する前方レンズを球心揺動させて防振動作を行うことにより、物体側を前方とする前後方向に薄型で防振性能に優れた撮像装置を得ることができる。球心揺動の中心は、前方レンズの光軸を反射素子の反射面の裏側まで延長した位置に設定されるため、前方レンズを保持する可動枠の支持機構をスペース効率良く構成することができる。さらに、支持部材に対して前方レンズの光軸を中心とする可動枠の回転を規制する回転規制手段を備えることで、小型軽量でシンプルな構成の駆動手段を用いて高精度で安定性の高い球心揺動を行わせることができる。従って、小型で防振性能に優れる撮像装置が得られる。
本発明を適用した撮像ユニットの外観を示す斜視図である。 図1の撮像ユニットを、第1光軸、第2光軸及び第3光軸を含む断面に沿って切断した状態の斜視図である。 撮像ユニットの内部構造を示す斜視図である。 図3の撮像ユニットの内部構造を、第1光軸、第2光軸及び第3光軸を含む断面に沿って切断した状態の斜視図である。 撮像ユニットを構成する本体モジュールと1群ブロックを分割した状態の斜視図である。 図5の本体モジュールと1群ブロックを、第1光軸、第2光軸及び第3光軸を含む断面に沿って切断した状態の斜視図である。 撮像ユニットを第1光軸、第2光軸及び第3光軸を含む断面に沿って示した断面図である。 撮像ユニットを構成する1群ブロックの分解斜視図である。 1群ブロックを構成するセンサホルダの斜視図である。 センサホルダを被写体側から見た正面図である。 1群ブロックにおける第1レンズの支持機構の要部を、第1光軸と第2光軸を含む断面に沿って切断した状態の斜視図である。 1群ブロックを被写体側から見た正面図である。 図12のXIII-XIII線及びXIII'-XIII'線に沿う1群ブロックの断面図である。 図12のXIV-XIV線に沿う1群ブロックの断面図である。 第1レンズ枠に球心揺動を行わせた状態における、図12のXIV-XIV線に沿う1群ブロックの断面図である。 図12のXVI-XVI線に沿う1群ブロックの断面図である。 第1レンズ枠に球心揺動を行わせた状態における、図12のXVI-XVI線に沿う1群ブロックの断面図である。 第1レンズ枠に図17と逆方向への球心揺動を行わせた状態における、図12のXVI-XVI線に沿う1群ブロックの断面図である。 撮像ユニットにおける光学系の実施例1のワイド端とテレ端のズーム軌跡を示す図である。 撮像ユニットにおける光学系の実施例2のワイド端とテレ端のズーム軌跡を示す図である。 撮像ユニットにおける光学系の実施例3のワイド端とテレ端のズーム軌跡を示す図である。 図12からコイルを除いた1群ブロックの正面図である。 図12のXIII-XIII線及びXIII'-XIII'線に沿う断面位置での第1レンズ、第1プリズム及びアクチュエータの関係を示す断面図である。 第1レンズ枠の回転規制を行うピボットガイドを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 回転規制手段の第2の実施形態におけるピボットガイドを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 回転規制手段の第3の実施形態におけるピボットガイドを示す図であり、(A)は斜視図、(B)と(C)は互いに垂直な方向から見た側面図である。 回転規制手段の第4の実施形態におけるピボットガイドを示す図であり、(A)は斜視図、(B)と(C)は互いに垂直な方向から見た側面図である。 回転規制手段の第5の実施形態におけるピボットガイドを示す図であり、(A)は斜視図、(B)と(C)は互いに垂直な方向から見た側面図である。 第1レンズ枠にガイド突起を一体形成した第6の実施形態の回転規制手段を備えた1群ブロックを、第1光軸と第2光軸を含む断面に沿って示した断面図である。 図29の1群ブロックを第2光軸と垂直な断面に沿って示した断面図である。 回転規制用の突起としてガイドシャフトを用いる第7の実施形態の回転規制手段を備えた第1レンズの支持機構を示す斜視図である。 同支持機構を被写体と反対側から見た背面図である。 同支持機構を第2光軸が延びる方向と反対側から見た側面図である。 図33のXXXIV-XXXIV線に沿う同支持機構の断面図である。 ピボットガイドと回転規制孔の接触位置を前方にシフトさせた第8の実施形態の回転規制手段を備えた1群ブロックを、第1光軸と第2光軸を含む断面に沿って示した断面図である。 ガイドシャフトと回転規制孔の接触位置を前方にシフトさせた第9の実施形態の回転規制手段を備えた第1レンズの支持機構を、第2光軸が延びる方向と反対側から見た側面図である。 図36のXXXVII-XXXVII線に沿う同支持機構の断面図である。 第1の光軸に対して垂直な平面内における配置を異ならせた第10の実施形態の回転規制手段を備えた第1レンズの支持機構を示す斜視図である。 同支持機構を被写体と反対側から見た斜視図である。 同支持機構を被写体側から見た正面図である。 同支持機構を被写体と反対側から見た背面図である。 図40のXXXXII-XXXXII線に沿う同支持機構の断面図である。 図41のXXXXIII-XXXXIII線に沿う同支持機構の断面図である。 第1の光軸に対して垂直な平面内における配置を異ならせた第11の実施形態の回転規制手段を備えた第1レンズの支持機構を示す斜視図である。 同支持機構を被写体と反対側から見た斜視図である。 同支持機構を被写体側から見た正面図である。 同支持機構を被写体と反対側から見た背面図である。 図46のXXXXVIII-XXXXVIII線に沿う同支持機構の断面図である。 図46のXXXXIX-XXXXIX線に沿う同支持機構の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る撮像ユニット(撮像装置)10について説明する。なお以下の説明における前後、左右、及び、上下の各方向は図中に記載した矢線方向を基準としており、被写体(物体)側が前方となる。図1に外観形状を示すように、撮像ユニット10は前後方向に薄く左右方向に長い横長形状をなしている。
図2、図4、図6、図7に示すように、撮像ユニット10の撮像光学系は、第1群(前方レンズ群)G1、第2群(後方レンズ群)G2、第3群(後方レンズ群)G3、第4群(後方レンズ群)G4を有し、第1群G1に含まれる第1プリズム(反射素子)L11と第4群G4の右方(像側)に位置する第2プリズムL12でそれぞれ略直角に光束を反射させる屈曲光学系となっている。図2、図4、図6ないし図8、図13、図16ないし図18に示すように、第1群G1は、第1プリズムL11の入射面L11−aの前方(被写体側)に位置する第1レンズ(前方レンズ)L1と、第1プリズムL11と、第1プリズムL11の出射面L11−bの右方(像側)に位置する第2レンズL2とから構成される。第1レンズL1は、入射面L1−aを物体側に向け、出射面L1−bを第1プリズムL11の入射面L11−aに向けた単レンズである。第2群G2から第4群G4はそれぞれ、プリズムなどの反射素子を含まないレンズ群である。
図7に示すように、前方から後方に向かう第1光軸O1に沿って第1レンズL1に入射した被写体からの光束は、入射面L11−aを通して第1プリズムL11に入り、第1プリズムL11の反射面L11−cによって第2光軸O2に沿う方向(左方から右方)に反射されて出射面L11−bから出射される。続いて光束は、第2光軸O2上に位置する第2レンズL2と第2群G2から第4群G4までの各レンズを通り、入射面L12−aを通して第2プリズムL12に入り、第2プリズムL12の反射面L12−cによって第3光軸O3に沿う方向(後方から前方に向かう方向)に反射されて出射面L12−bから出射され、撮像センサ(撮像素子)14の撮像面上に結像される。第1光軸O1と第3光軸O3は略平行であり、第2光軸O2と共に同一の平面内に位置する。撮像ユニット10は第2光軸O2に沿う方向に長い形状をなしており、第1群G1は撮像ユニット10の長手方向の一端部(左側の端部)に近い位置に寄せて配置されている。
第1光軸O1と第2光軸O2と第3光軸O3を含む仮想の平面を基準平面P1(図10、図12、図14、図15)とし、この基準平面P1に直交して第1光軸O1を含む仮想の平面を基準平面P2(図7、図10、図12、図16ないし図18)とする。また、図12のように基準平面P1と基準平面P2で分けられる4つの象限V1、V2、V3及びV4を設定すると、第1プリズムL11によって偏向された第2光軸O2に沿う光束の進行方向側に第1象限V1と第4象限V4が位置し、第2光軸O2が延びる側と反対側に第2象限V2と第3象限V3が位置する。
図5及び図6に示すように、撮像ユニット10は第2群G2、第3群G3、第4群G4、第2プリズムL12及び撮像センサ(撮像素子)14を保持する本体モジュール11と、第1群G1を保持する1群ブロック12を備えている。本体モジュール11は、左右方向に長く前後方向の厚みが薄い箱状体のハウジング13を有しており、ハウジング13の長手方向の一端部(左方の端部)に1群ブロック12が取り付けられ、ハウジング13の長手方向の他端部(右方の端部)側には第4群G4と第2プリズムL12が固定的に保持されている。ハウジング13にはさらに、撮像センサ14を支持する撮像センサ基板15が第2プリズムL12の前方に固定されている。
図3及び図4に示すように、第2群G2を保持する2群枠20と第3群G3を保持する3群枠21は、ハウジング13内に設けたロッド22、23を介して第2光軸O2に沿って移動可能に支持されている。ハウジング13には第1モータM1(図1、図3、図5)と第2モータM2(図4)が支持され、第1モータM1から突出する送りネジシャフトM1aを回転駆動させると、2群枠20に駆動力が伝達されて該2群枠20がロッド22、23に沿って移動され、第2モータM2から突出する送りネジシャフトM2aを回転駆動させると、3群枠21に駆動力が伝達されて該3群枠21がロッド22、23に沿って移動される。撮像ユニット10の撮像光学系は焦点距離可変であり、第2光軸O2に沿う第2群G2と第3群G3の移動によってズーミング(変倍)動作が行われる。また、第2光軸O2に沿う第3群G3の移動によってフォーカシング動作が行われる。
撮像ユニット10は、手振れなどの振動を原因とする像面上での像振れを軽減させる防振(像振れ補正)機構を備えている。この防振機構は、第1群G1中の第1レンズL1を、第1光軸O1を延長した軸上の点である揺動中心A1(図13、図16ないし図18)を中心とする仮想の球面に沿って揺動させるものである。この第1レンズL1における揺動動作を球心揺動と呼ぶ。図中における第1光軸O1は、防振動作を行なっていない光学設計上の基準状態(球心揺動の中心位置)での第1レンズL1の光軸を示している。以下では、この第1レンズL1の基準状態を防振初期位置と呼ぶ。防振初期位置からの球心揺動を行った状態での第1レンズL1の光軸を、図15、図17及び図18にO1’で示した。また、揺動中心A1を通り第1光軸O1に対して垂直な基準平面P3を図13ないし図18、図23に示した。
第1レンズL1は、被写体側を向く入射面L1−aと第1プリズムL11に向く出射面L1−bを有しており、図12に示すように、第1象限V1と第4象限V4に位置する周縁部の一部を基準平面P2に沿う方向に切り欠いたDカット形状をなしている。第1レンズL1の形状に関する具体的条件については後述する。
図8に示すように、1群ブロック12は、第1レンズL1を保持する第1レンズ枠(可動枠)30、第1プリズムL11を保持するベース部材(支持部材)31、第1レンズ枠30とベース部材31を前方から覆うカバー部材(支持部材)32、コイル接続基板33、センサホルダ(支持部材)34、センサ支持基板35、板バネ36、センサ固定版37、第2レンズL2を保持する第2レンズ枠38、ピボットガイド39を有している。また、第1レンズ枠30(第1レンズL1)を駆動させる電磁アクチュエータを構成する一対の永久磁石81、82と一対のコイル83、84を有し、この電磁アクチュエータにより制御される第1レンズ枠30(第1レンズL1)の位置を検出する一対のホールセンサ85、86を有している。なお、図13と図23はいずれも、永久磁石81とコイル83を通る図12のXIII-XIII線に沿う断面位置と、永久磁石82とコイル84を通る図12のXIII'-XIII'線に沿う断面位置の両方をまとめて示しており、XIII'-XIII'線に沿う断面位置に含まれる要素を括弧書きの符号で表して区別している。図13や図23から分かる通り、これらの2つの断面位置は基準平面P1に関して略対称の構造となっている。
図8、図12、図13、図22及び図23に示すように、永久磁石81と永久磁石82はそれぞれ扁平な直方体であり、互いの形状及び大きさは略同一である。図8、図12、図13及び図23に示すように、コイル83は、略平行な一対の長辺部83aと該一対の長辺部83aを接続する一対の湾曲部83bを有する細長形状の空芯コイルであり、一対の長辺部83aが延びる長手方向の大きさや、一対の長辺部83aを横断する横幅方向の大きさに比して、空芯部分が貫通する方向の厚みが小さい薄型の扁平コイルとなっている。コイル84も同様に、略平行な一対の長辺部84aと該一対の長辺部84aを接続する一対の湾曲部84bを有する細長形状の空芯コイルであり、一対の長辺部84aが延びる長手方向の大きさや、一対の長辺部84aを横断する横幅方向の大きさに比して、空芯部分が貫通する方向の厚みが小さい薄型の扁平コイルとなっている。コイル83とコイル84の互いの形状及び大きさは略同一である。
第1レンズ枠30は、第1レンズL1を内部に嵌合固定させる枠状のレンズ保持部40と、レンズ保持部40から後方に向けて延設される支持部41と、レンズ保持部40の外周部に接続する一対の磁石保持部42、43とを有している。レンズ保持部40は、第1レンズL1の外形形状に対応して、第1象限V1と第4象限V4に位置する周縁部の一部を基準平面P2に沿う方向に切り欠いた直線状カット部40aとし、それ以外の領域を円形枠部40bとした不完全円形の枠体となっている。
図14及び図15に示すように、第1レンズ枠30の支持部41は、上下方向に離間する一対の脚部41aをレンズ保持部40の円形枠部40bから後方に向けて突出させ、この一対の脚部41aの端部を上下方向に延びる接続部41bで接続している。図16ないし図18に示すように、脚部41aや接続部41bは、基準平面P2に関して第2光軸O2が延びる側と反対側(左側)に位置しており、接続部41bから基準平面P2(第1光軸O1)に接近する方向に向けて片持状のピボットアーム41cが突出している。ピボットアーム41cの先端にはピボット凸部(支持機構)44が形成されている。図11、図13、図16ないし図18に示すように、ピボット凸部44は後方に進むにつれて径を小さくする先細の円錐状体であり、先端が滑らかな円球状になっている。
図24に示すように、ピボットガイド39は、円柱状の基部39aの端部に球形状のガイド突起(突起)39bを有し、基部39aとガイド突起39bの間に大径のフランジ39cを有している。図11、図14ないし図18に示すように、第1レンズ枠30の支持部41における接続部41bに形成した孔部に対して、後方からピボットガイド39の基部39aが挿入され、フランジ39cを接続部41bに当接させて基部39aの挿入位置が決まる。この状態でガイド突起39bが後方に向けて突出する。
図13に示すように、第1レンズ枠30の磁石保持部42と磁石保持部43はそれぞれ、円形枠部40bから斜め後方に向けて突出形成されており、円形枠部40bから先端側に向かうにつれて第1光軸O1からの距離を大きくするように傾斜している。第1レンズ枠30が防振初期位置にある状態では、磁石保持部42と磁石保持部43が基準平面P1を挟んで略対称に第2象限V2と第3象限V3に配置される。磁石保持部42に形成した凹部に永久磁石81が嵌合保持され、磁石保持部43に形成した凹部に永久磁石82が嵌合保持される。つまり、図12や図22に示すように、永久磁石81が第2象限V2に位置し、永久磁石82が第3象限V3に位置する。
ベース部材31は正面(前方)から見て概ね矩形の外形形状を持つ枠状体であり、ベース部材31の左端部を構成する固定部50から右側に向けて、上下方向に離間する一対の側壁51を突出させており、この一対の側壁51の右端部の前面側を接続する前方橋絡部52と、一対の側壁51の中間部分を接続するプリズム保持壁53とを有している。図11、図13、図16ないし図18に示すように、プリズム保持壁53は第1プリズムL11の反射面L11−cに沿う形状をなしており、第2レンズL2が位置する1群ブロック12の右端側から固定部50が設けられている左端側に進むにつれて徐々に前方に突出する傾斜壁部を構成している。図13ないし図18に示すように、ベース部材31内には、プリズム保持壁53の前側に光路用空間54が形成され、プリズム保持壁53の後側に裏側空間55が形成される。また、固定部50とプリズム保持壁53の間には裏側空間55に連通する側方空間56が形成される。光路用空間54は、前方橋絡部52を境界としてベース部材31の前面側と右端側に開口している。
ベース部材31の光路用空間54内に第1プリズムL11が嵌合固定される。第1プリズムL11は、入射面L11−aと出射面L11−bに対して約45度の角度で斜設される反射面L11−cと、入射面L11−a及び出射面L11−bに対して略直交する一対の側面L11−d(図8に片側のみを示す)を備えており、反射面L11−cの裏側をプリズム保持壁53に支持され、一対の側面L11−dが一対の側壁51に挟まれることによって光路用空間54内での位置が決まる。この第1プリズムL11の支持状態で、入射面L11−aがO1上に位置して前方を向き、出射面L11−bが第2光軸O2上に位置し右方を向く。ベース部材31の光路用空間54内にはさらに、第2レンズL2を保持する第2レンズ枠38が第1プリズムL11の右方(前方橋絡部52の後方)に固定される。
ベース部材31のプリズム保持壁53の後面側には、センサホルダ34の取り付け部位として、上下方向に位置を異ならせて一対の円筒状の支持座57(図8)が形成されている。各支持座57内には、後方に向けて開口するネジ孔(不図示)が形成されている。ベース部材31にはさらに、板バネ36の取り付け部位として、バネ支持部58がプリズム保持壁53の左端側に形成されている。
図13、図16ないし図18に示すように、ベース部材31のプリズム保持壁53の後方に沿って板バネ36が配置される。板バネ36は、貫通孔が形成された取付板部36aと、取付板部36aから片持ち状に延設される弾性腕部36bを有しており、バネ支持部58に設けた突起に対して取付板部36aの貫通孔を嵌合させることでベース部材31に支持される。この板バネ36の支持状態で、弾性腕部36bはプリズム保持壁53後方の裏側空間55内で前後方向へ弾性変形可能となる。
図9と図10に示すように、センサホルダ34は、ベース板部60と、ベース板部60に対して立壁状に突出形成された一対のセンサ支持突起61、62と、センサ支持突起61とセンサ支持突起62の間に突設した基板支持突起63とを有している。センサ支持突起61とセンサ支持突起62はそれぞれ、1群ブロック12の完成状態で図13のように第1レンズ枠30の磁石保持部42と磁石保持部43に対向するように、ベース部材60に対して斜め前方に向けて突設されている。センサ支持突起61とセンサ支持突起62にはセンサ挿入凹部64が形成されている。基板支持突起63は、センサ支持突起61、62よりもベース板部60からの突出量が小さい(低い)突起として形成されている。
センサ支持基板35はフレキシブル基板からなり、図8に示すように、細長の帯状部35aの端部に平板状の支持面部35bを有し、支持面部35bの一部を曲げ起こした形態をなす一対のセンサ支持片35c、35dを帯状部35aの両側位置に有している。センサ支持片35cにホールセンサ85が支持され、センサ支持片35dにホールセンサ86が支持されている。センサ支持基板35は、支持面部35bを基板支持突起63に支持させ(図7、図11、図16ないし図18)、センサ支持片35c、35d上のホールセンサ85とホールセンサ86をそれぞれセンサ支持突起61とセンサ支持突起62のセンサ挿入凹部64に挿入させて(図13)、センサ固定版37を用いてセンサホルダ34に固定される。センサ支持基板35の帯状部35aは撮像ユニット10を制御する制御回路(図示略)と電気的に接続され、センサ支持基板35を通じて制御回路にホールセンサ85とホールセンサ86の出力情報が伝えられる。
図9と図10に示すように、センサホルダ34のベース板部60には、ベース部材31の一対の支持座57の端部に当接する一対の環状の当付部65と、各当付部65の中央に形成したネジ挿通孔66と、一対の当付部65の間に位置するピボット凹部(支持機構)67と回転規制孔(突起挿入部)68が形成されている。図9ないし図11、図13、図16ないし図18に示すように、ピボット凹部67は、ピボット凸部44を嵌入させることが可能な擂鉢状内面を有する凹部であり、最も深い底部は、ピボット凸部44の先端形状に対応する球面形状になっている。回転規制孔68は、ピボット凹部67に対して偏心した位置に、該ピボット凹部67の径方向に長手方向を向けて形成された長孔であり、後述するようにピボットガイド39のガイド突起39bを挿入させることができる。回転規制孔68の溝幅はガイド突起39bの径に対応しており、挿入状態で溝幅方向へのガイド突起39bの移動を許さない。一方、回転規制孔68は長手方向にはガイド突起39bの径よりも大きく、挿入状態で長手方向へのガイド突起39bの移動を許す。
センサホルダ34は、センサ支持基板35を組み付けた状態で、センサ支持突起61とセンサ支持突起62を側方空間56に挿入させ(図13)、一対の当付部65を一対の支持座57に当接させ、各当付部65のネジ挿通孔66に挿通した固定ネジ69(図8)を支持座57内のネジ孔に螺合させることによってベース部材31に固定される。この固定状態で、センサホルダ34のベース板部60がベース部材31の裏側空間55の後方を塞ぎ、ベース板部60上に形成したピボット凹部67の中心が第1光軸O1の延長上に位置する(図13、図16ないし図18)。また、回転規制孔68は、基準平面P1に沿って長手方向を向けてピボット凹部67の左方に位置する(図12)。
ベース部材31に板バネ36を支持させ、続いて第1レンズ枠30をベース部材31に対して所定の位置に配置し、センサホルダ34をベース部材31に固定する。この状態で第1レンズ枠30は、ピボットアーム41cを裏側空間55内に挿入してピボット凸部44をピボット凹部67に嵌入させると共に、ピボットガイド39のガイド突起39bを回転規制孔68に挿入させて支持される。図7、図11、図13、図16ないし図18に示すように、裏側空間55に挿入したピボットアーム41cは、板バネ36の弾性腕部36bの先端付近に当接して前方へ向けて弾性変形させ、弾性腕部36bが撓みを解消しようとする力によってピボット凸部44の先端がピボット凹部67の底部に押し付けられる。この第1レンズ枠30の支持状態で、レンズ保持部40は光路用空間54の前方開口部分に位置し、第1レンズL1が第1プリズムL11の入射面L11−aの前方に位置する。図13に示すように磁石保持部42と磁石保持部43はベース部材31の側方空間56に挿入されて、磁石保持部42がセンサホルダ34のセンサ支持突起61に隣接し、磁石保持部43がセンサホルダ34のセンサ支持突起62に隣接して位置する。
カバー部材32は、ベース部材31の一対の側壁51の外側に嵌る形状をなす一対の側壁70と、一対の側壁70の前側を覆う前面部71と、前面部71の左方の端部に形成した段部72を有しており、前面部71をベース部材31の前面側に当て付け、ベース部材31の側壁51の側面に形成した係合突起51aを側壁70の係合孔70aに係合させて、ベース部材31に組み付けられる。前面部71には第1レンズL1を露出させる撮影開口75が形成されている。
図13に示すように、カバー部材32の前面部71と段部72の境界部分の裏面側には凹状のコイル保持部73、74が形成されており、コイル保持部73にコイル83が嵌合保持され、コイル保持部74にコイル84が嵌合保持される。ベース部材31に対してカバー部材32を組み付けると、コイル83が永久磁石81に対向し、コイル84が永久磁石82に対向して位置する。コイル83、84に対してコイル接続基板33を通じて駆動電流が送られる。コイル接続基板33はフレキシブル基板からなり、細長の帯状部33aと、段部72に支持されるコイル接続部33bを有しており、コイル接続部33bがコイル保持部73、74内のコイル83、84に対して電気的に接続する。
以上のようにして1群ブロック12が構成され、図5及び図6に示すように、この1群ブロック12が本体モジュール11と組み合わされる。本体モジュール11を構成するハウジング13には、1群ブロック12のベース部材31の後面側が嵌合支持されるブロック支持部13aが設けられている。ブロック支持部13aの左端にはネジ孔13bと一対の位置決めピン13cが形成されており、ベース部材31の固定部50には、ネジ孔13bに重なるネジ挿通孔50aと、一対の位置決めピン13cに嵌合する一対の位置決め孔50bが形成されている。各位置決め孔50bに位置決めピン13cを嵌合させながらブロック支持部13a上に1群ブロック12を支持させ、ネジ挿通孔50aを通してネジ孔13bに固定ネジ16を螺合させることで、本体モジュール11と12が結合して撮像ユニット10が完成する。
前述のように、1群ブロック12では、ハウジング13に対して固定関係となるベース部材31とセンサホルダ34の結合体に対して、ピボット凸部44とピボット凹部67の嵌合部分を介して第1レンズ枠30が支持される。ピボット凹部67は、センサホルダ34のベース板部60の前面側に開口し、深くなるにつれて徐々に径を小さくする円錐状内面を有する擂鉢状の凹部であり、最も深くなる底部は凹状球面になっている。この凹状球面は、揺動中心A1を中心とする球面の一部である。ピボット凸部44は、先端側に進むにつれて徐々に径を小さくする円錐状外面を有する凸部であり、先端部分は凸状球面になっている。この凸状球面は、揺動中心A1を中心とする球面の一部である。板バネ36はピボット凸部44の先端をピボット凹部67の底部に押し付ける力を付与しており、ピボット凸部44とピボット凹部67の当接部分の案内を受けることによって(ピボット凸部44をピボット凹部67に対して傾動させることによって)、第1レンズ枠30は揺動中心A1を中心とする球心揺動が可能に支持される。ピボット凸部44の先端が揺動中心A1を中心とする球面の一部となっているため、この球心揺動は、揺動中心A1の位置を変化させずに、ピボット凸部44とピボット凹部67の接点位置を変化させながら行われる。図11などから分かるように、ピボット凹部67の円錐状内面部分は、ピボット凸部44の円錐状外面部分よりも中心角を大きくした円錐状に形成されており、第1レンズ枠30の球心揺動を妨げることなく実行させることができる。また、ピボット凸部44とピボット凹部67の当接部分を揺動中心A1を中心とする球面の一部(前述の凸状球面と凹状球面)としたことにより、第1レンズ枠30が球心揺動する際に板バネ36の弾性腕部36bが前後方向に変位せず、板バネ36のバネ荷重が変化しない(前後方向に一定の荷重を付与し、かつ前後方向以外の方向に余分な荷重を発生させない)。これにより、電磁アクチュエータによる第1レンズ枠30の駆動制御に悪影響を及ぼさず、高い精度で安定した防振制御を実現できる。
図7、図13、図16ないし図18に示すように、揺動中心A1は、第1光軸O1を第1プリズムL11の反射面L11−cの裏側まで延長した軸上の点であり、第1レンズL1の出射面L1-bは、この揺動中心A1側に向く凹面である。図7、図12、図13、図14及び図16は、第1レンズ枠30(第1レンズL1)が球心揺動範囲の中央に位置する防振初期位置を示しており、図15、図17及び図18はそれぞれ第1レンズ枠30(第1レンズL1)を防振初期位置から球心揺動させた状態を示している。図15は撮像ユニット10の上方側に第1レンズ枠30を傾けた状態、図17は撮像ユニット10の左方側に第1レンズ枠30を傾けた状態、図18は撮像ユニット10の右方側に第1レンズ枠30を傾けた状態を示している。
ピボットガイド39と回転規制孔68は、第1レンズ枠30の球心揺動を許しつつ、第1レンズL1の光軸(防振初期位置での第1光軸O1、防振初期位置からの球心揺動を行った状態での光軸O1’のいずれも含む)を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する回転規制手段である。回転規制孔68は、撮像ユニット10の完成状態で、第1光軸O1を延長した仮想線を中心とする半径方向へ長手方向を向ける長孔として形成されている。より詳しくは、図9ないし図12、図14ないし図18に示すように、回転規制孔68は、一対の平行な平面である対向面(保持部)68aと、この一対の対向面68aを接続する一対の端部68bを有しており、一対の対向面68aの間隔によって規定される幅よりも、一対の端部68bを結ぶ方向の長さの方が大きい長孔となっている。回転規制孔68は、第2象限V2と第3象限V3の境界に位置し、一対の対向面68aが、基準平面P1と略平行にかつ基準平面P1に関して略対称に配されている。図11、図16ないし図18に示すように、撮像ユニット10の前後方向においては、回転規制孔68はピボット凹部67とほぼ同じ位置(すなわち基準平面P3上)に設けられている。このように配置された回転規制孔68に対して挿入されたピボットガイド39のガイド突起39bは、回転規制孔68の幅(一対の対向面68aの間隔)と略同じ直径を有する球状体であり、一対の対向面68aに対して球面状の外面を接触(点接触)させる。第1レンズ枠30の防振初期位置では、このガイド突起39bと回転規制孔68の対向面68aとの接触箇所は、基準平面P3上に位置している(図14、図16)。そして、ガイド突起39bが一対の対向面68aに挟まれて回転規制孔68の幅方向への移動が規制されることによって、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転が規制される。第1レンズ枠30が防振初期位置にあるときには、第1レンズL1の光軸が図中の第1光軸O1と一致するため、ガイド突起39bと回転規制孔68は、第1光軸O1を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。一方、球心揺動によって第1レンズ枠30が防振初期位置から傾いた状態にあるときは、傾いた第1レンズL1の光軸O1’(図15、図17及び図18)を中心とする第1レンズ枠30の回転が、ガイド突起39bと回転規制孔68によって規制される。
図12から分かるように、回転規制孔68は一対の端部68bを結ぶ長手方向(撮像ユニット10の左右方向)にはガイド突起39bの直径よりも大きいサイズを有しているため、ガイド突起39bは一対の対向面68aに沿って回転規制孔68の長手方向へ摺動可能である。また、図11や図14ないし図18から分かるように、回転規制孔68は、その深さ方向(撮像ユニット10の前後方向)にもガイド突起39bの摺動を許すサイズを有している。さらに、球状の外面によって一対の対向面68aに点接触するガイド突起39bは、回転規制孔68に対して、球体部分の中心(以下、球面中心とする)B1(図12、図14ないし図18)を中心(支点)とした揺動(傾動)を行うことができる。つまり、対向面68aや基準平面P1と平行な平面として第1の平面を定義すると、図16ないし図18に示すように、ガイド突起39bは回転規制孔68に対して、この第1の平面に沿って、一対の対向面68aの面積の範囲内で撮像ユニット10の前後及び左右方向に摺動可能である。また、対向面68aや基準平面P1に対して垂直で第1光軸O1と平行な平面(基準平面P2と平行な平面)を第2の平面と定義すると、この第2の平面内では、ガイド突起39bは回転規制孔68に対して、第1光軸O1に沿う前後方向の摺動と、球面中心B1を中心とする揺動(図15)を行うことができる。これらの動きにより、ピボットガイド39と回転規制孔68は、図15、図17及び図18に示すような揺動中心A1を中心とする第1レンズ枠30の球心揺動を妨げずに、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制することができる。
第1レンズ枠30の揺動中心A1とガイド突起39bの球面中心B1は共に基準平面P1内に位置する(図12)。そのため、図14に示す防振初期位置から、上記の第2の平面(基準平面P2と平行な平面)に沿って第1レンズ枠30を揺動させたときには、図15に示すように、ピボットガイド39は、ガイド突起39bの球面中心B1の位置を変化させずに該球面中心B1を中心とする揺動を行う。そのため図15の状態では、回転規制孔68の一対の対向面68aに対するガイド突起39bの接触箇所は、防振初期位置と同様に基準平面P3上に位置する。図15は第1レンズ枠30を撮像ユニット10の上側に傾けた状態を示しているが、第1レンズ枠30を下側に傾けた場合は、図15と左右対称の形態になる。これに対し、図16ないし図18から分かるように、上記の第1の平面(基準平面P1と平行な平面)に沿って第1レンズ枠30を揺動させたときには、ピボットガイド39は、回転規制孔68の対向面68aの案内を受けて揺動中心A1を中心とする揺動方向の移動を行い、ガイド突起39bの球面中心B1の位置が変化する。すなわち、回転規制孔68の一対の対向面68aに対するガイド突起39bの接触箇所が、基準平面P3に対して前後方向に変化し、かつ一対の対向面68aに沿って左右方向にも変化する。回転規制孔68は、このときのピボットガイド39の前後方向移動によってガイド突起39bが脱落しないように前後方向の深さが設定されている。なお、図14ないし図18は基準平面P1、P2に平行な第1と第2の平面に沿う方向での第1レンズ枠30の揺動を示しているが、第1レンズ枠30は、この2つの平面に沿う方向だけでなく、第1光軸O1を含む無数の平面に沿って揺動することができる。
第1レンズ枠30を球心揺動させる駆動手段は、第2象限V2に配した永久磁石81とコイル83、第3象限V3に配した永久磁石82とコイル84の2つのボイスコイルモータからなる電磁アクチュエータである。図13や図23に示すように、永久磁石81、82はそれぞれ、揺動中心A1を中心とする共通の仮想球面J1の接平面T1、T2(図23)と平行な方向に平面的な広がりを有し、この平面方向の縦横サイズに比して接平面T1、T2と垂直な方向(接平面T1、T2の法線方向)への厚みを小さくした扁平形状となっており、永久磁石81は接平面T1に沿って配置され、永久磁石82は接平面T2に沿って配置されている。永久磁石81、82の外形中心は、接平面T1、T2に沿う平面方向での中心であり、かつ接平面T1、T2と垂直な厚み方向の中心でもある。永久磁石81の外形中心と永久磁石82の外形中心はそれぞれ仮想球面J1上に位置する。
図12、図13、図22及び図23に示すように、この扁平な永久磁石81の外形中心を通り接平面T1の法線に平行な直線K1(永久磁石81の外形中心を通る接平面T1の法線)を設定すると、直線K1は第1光軸O1(または球心揺動させたときの第1レンズL1の光軸O1’。以下、括弧内に符号O1’のみ示す)とは非平行であり、かつ永久磁石81と直線K1の交差位置が第2象限V2内で基準平面P3よりも前方(被写体側)に位置する。すなわち、第1光軸O1(O1’)または第1光軸O1(O1’)を延長した線と、接平面T1の法線とは、互いに非直交の関係で交差する。直線K1を例に説明すると、直線K1が第1光軸O1(O1’)の延長線と交差する交点C1(図12、図13、図22及び図23)は揺動中心A1と一致しており、交点C1を始点として直線K1に沿って(法線と平行に)接平面T1へ延びる半直線は、物体側に進むにつれて第1光軸O1(O1’)から離れる傾きを有している。別言すると、交点C1を始点として物体側に第1光軸O1(O1’)と平行に延びる半直線に対する、交点C1を始点として直線K1に沿って(法線と平行に)接平面T1へ延びる半直線の傾き角をD1とすると、0°<D1<90°である。ここでは接平面T1の法線として直線K1を例示したが、接平面T1の法線であれば直線K1に限らず上記の傾き角D1を満たす。接平面T1の法線のうち直線K1以外は、交点C1が揺動中心A1と非一致となる。
同様に、永久磁石82の外形中心を通り接平面T2の法線に平行な直線K2(永久磁石82の外形中心を通る接平面T2の法線)を設定すると、直線K2は第1光軸O1(O1’)とは非平行であり、かつ永久磁石82と直線K2の交差位置が第3象限V3内で基準平面P3よりも前方(被写体側)に位置する。すなわち、第1光軸O1(O1’)または第1光軸O1(O1’)を延長した線と、接平面T2の法線とは、互いに非直交の関係で交差する。直線K2を例に説明すると、直線K2が第1光軸O1(O1’)の延長線と交差する交点C2(図12、図13、図22及び図23)は揺動中心A1と一致しており、交点C2を始点として直線K2に沿って(法線と平行に)接平面T2へ延びる半直線は、物体側に進むにつれて第1光軸O1(O1’)から離れる傾きを有している。別言すると、交点C2を始点として物体側に第1光軸O1(O1’)と平行に延びる半直線に対する、交点C2を始点として直線K2に沿って(法線と平行に)接平面T2へ延びる半直線の傾き角をD2とすると、0°<D2<90°である。ここでは接平面T2の法線として直線K2を例示したが、接平面T2の法線であれば直線K2に限らず上記の傾き角D2を満たす。接平面T2の法線のうち直線K2以外は、交点C2が揺動中心A1と非一致となる。
永久磁石81、82の配置について以上の条件(法線の傾き角D1、D2で定義される接平面T1、T2の配置)を満たすことで、第1レンズ枠30が球心揺動を行う際に永久磁石81、82とコイル83、84の間隔の変化を抑えて、安定した制御が可能となる。第1レンズL1に対するアクチュエータの干渉防止や撮像ユニット10の小型化、アクチュエータによる第1レンズ枠30の防振駆動精度や位置分解能等を考慮すると、40°≦D1≦80°、40°≦D2≦80°がより好ましい値となる。
本実施形態ではD1=55°、D2=55°である。そして、仮想球面J1を第1光軸O1及びその延長線との交点位置を極点とする球体とし、その両極点を結ぶ球面上の円弧を経線、該経線と直交する関係の球面上の円弧を緯線とみなした場合、永久磁石81の外形中心と永久磁石82の外形中心は仮想球面J1の同一緯線上(第1光軸O1を中心とする同一円上)に位置する(図22、図23参照)。永久磁石81、82はそれぞれ、図8と図22に示す磁極境界線Q1、Q2を挟んでN極とS極を有している。図22のように第1光軸O1と平行に見たとき、磁極境界線Q1、Q2はそれぞれ、第1光軸O1を中心とする共通の仮想円H1(仮想球面J1上の緯線)に接する。このように2つの永久磁石81、82を配置すると重量バランスが良い。
また、図12及び図22に示すように、直線K1を含み第1光軸O1と平行な推力作用平面P4と、直線K2を含み第1光軸O1と平行な推力作用平面P5は、基準平面P1に関して面対称の関係(基準平面P1を対称面とする関係)にあり、基準平面P1に対して正逆に約30°の関係で交差している。すなわち推力作用平面P4と推力作用平面P5の交差角D3が約60°となっている。
コイル83とホールセンサ85は永久磁石81と共に第2象限V2内に位置し、コイル84とホールセンサ86は永久磁石82と共に第3象限V3内に位置する。図12、図13及び図23に示すように、コイル83の外形中心とホールセンサ85は直線K1上に位置しており、揺動中心A1に近い内径側から順にホールセンサ85、永久磁石81、コイル83が直線K1上に並び、永久磁石81の磁界中にコイル83とホールセンサ85が位置する。コイル84の外形中心とホールセンサ86は直線K2上に位置しており、揺動中心A1に近い内径側から順にホールセンサ86、永久磁石82、コイル84が直線K2上に並び、永久磁石82の磁界中にコイル84とホールセンサ86が位置する。
図13及び図23に示すように、コイル83とコイル84は、仮想球面J1よりも大径で揺動中心A1を中心とする仮想球面J2上に位置している。コイル83は、直線K1と直交する仮想球面J2の接平面T3(図23)と平行な方向に導線を巻き回して形成され、接平面T3に沿って平面的な広がりを有し、この平面方向の縦横サイズに比して直線K1に沿う方向(接平面T1の法線方向)の厚みが小さい扁平コイルである。コイル84は、直線K2と直交する仮想球面J2の接平面T4(図23)と平行な方向に導線を巻き回して形成され、接平面T4に沿って平面的な広がりを有し、この平面方向の縦横サイズに比して直線K2に沿う方向(接平面T2の法線方向)の厚みが小さい扁平コイルである。接平面T3は接平面T1と平行な平面であり、接平面T4は接平面T2と平行な平面である。つまり、それぞれが扁平な形状をなす永久磁石81とコイル83は、その平面的な広がりを持つ方向(接平面T1と接平面T3)を略平行として、互いの平行な平面部分を直線K1に沿う方向で対向させている。同様に、それぞれが扁平な形状をなす永久磁石82とコイル84は、その平面的な広がりを持つ方向(接平面T2と接平面T4)を略平行として、互いの平行な平面部分を直線K2に沿う方向で対向させている。本実施形態では、コイル83の外形中心とコイル84の外形中心が共通の仮想球面J2上に位置している。
仮想球面J2を第1光軸O1及びその延長線との交点位置を極点とする球体とし、その両極点を結ぶ球面上の円弧を経線、該経線と直交する関係の球面上の円弧を緯線とみなした場合、コイル83の外形中心とコイル84の外形中心は仮想球面J2の同一緯線上(第1光軸O1を中心とする同一円上)に位置する。そして、図12のように第1光軸O1と平行に見たとき、一対の長辺部83a、84aの延設方向と平行で該一対の長辺部83a、84aの中央を通るコイル83、84の長軸Q3、Q4(図8、図12)はそれぞれ、第1光軸O1を中心とする共通の仮想円H2(仮想球面J2上の緯線)に接する。
図12や図22に示すように、磁極境界線Q1、Q2に沿う永久磁石81、82の長さW1、すなわち仮想球面J1の緯線に沿う平面上での、接平面T1に沿う永久磁石81の大きさや、接平面T2に沿う永久磁石82の大きさは、長軸Q3、Q4に沿うコイル83、84の長さU1、すなわち仮想球面J2の緯線に沿う平面上での、接平面T3に沿うコイル83の大きさや、接平面T4に沿うコイル84の大きさよりも小さい。一方、図23に示すように、一対の長辺部83a、84aを横断する方向のコイル83、84の横幅U2、すなわち仮想球面J2の経線に沿う平面上での、接平面T3に沿うコイル83の大きさや、接平面T4に沿うコイル84の大きさよりも、磁極境界線Q1、Q2の両側のN極部分とS極部分を横断する方向の永久磁石81、82の横幅W2、すなわち仮想球面J1の経線に沿う平面上での、接平面T1に沿う永久磁石81の大きさや、接平面T2に沿う永久磁石82の大きさの方が大きい。これによって、第1レンズ枠30の防振初期位置を中心とする所定の球心揺動範囲においては、コイル83、84の一対の長辺部83a、84aが永久磁石81、82に対向する状態を保つことができる。
以上のように、永久磁石81と永久磁石82は、揺動中心A1を含む基準平面P3よりも前方の位置で、揺動中心A1を中心とする仮想球面J1に沿って第2象限V2と第3象限V3に略対称に配置されている。コイル83とコイル84は、基準平面P3よりも前方の位置で、揺動中心A1を中心とする仮想球面J2に沿って第2象限V2と第3象限V3に略対称に配置されている。さらにホールセンサ85とホールセンサ86も、基準平面P3よりも前方の位置で、仮想球面J1よりも小径で揺動中心A1を中心とする仮想球面に沿って第2象限V2と第3象限V3に略対称に配置されている。
永久磁石81、82の磁界内に位置するコイル83、84に通電すると、フレミングの左手の法則によって各コイル83、84の長辺部83a、84aと垂直な方向への推力が生じる。図12、図13、図22及び図23に、永久磁石81、82の外形中心を通る推力作用平面P4、P5上における各アクチュエータの推力の作用方向を、両矢印の推力軸E1と推力軸E2として示した。図12と図22では、基準平面P3に対する推力軸E1、E2の傾きを示すべく推力軸E1、E2の両側の矢尻部分の大きさを異ならせており、大きい側の矢尻が被写体に近づく斜め前方への推力を示し、小さい側の矢尻が被写体から離れる斜め後方への推力を示している。コイル83、84はカバー部材32を介して撮像ユニット10の本体部分に対して固定的に支持されており、永久磁石81、82は可動の第1レンズ枠30に支持されているため、各コイル83、84の通電で生じた推力は、第1レンズ枠30を仮想球面J1の経線方向に移動させる力として作用する。永久磁石81とコイル83のセットと、永久磁石82とコイル84のセットは、仮想球面J1、J2上の緯線方向で異なる位置(推力作用平面P4と推力作用平面P5の交差角D3が約60°の関係)に配置されているため、この2組のアクチュエータの通電制御の組み合わせによって、第1レンズ枠30を自在な方向に球心揺動させることができる。前述の通り、球心揺動に際して第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転動作はピボットガイド39と回転規制孔68の嵌合によって規制されるため、永久磁石81とコイル83、永久磁石82とコイル84がそれぞれ対向しなくなるような第1レンズ枠30の逸脱動作は防止され、常にボイスコイルモータによって第1レンズ枠30の位置を制御することができる。
第1レンズ枠30の球心揺動に応じて永久磁石81の位置が変化すると、永久磁石81に対向して位置するホールセンサ85の出力が変化し、永久磁石82の位置が変化すると、永久磁石82に対向して位置するホールセンサ86の出力が変化する。この2つのホールセンサ85、86の出力変化によって、第1レンズ枠30の駆動位置を検出することができる。
以上の構成からなる撮像ユニット10を前方に位置する被写体に向けると、該被写体の反射光(撮影光)は第1レンズL1を透過した後に入射面L11−aから第1プリズムL11の内部に入り、第1プリズムL11の反射面L11−cによって出射面L11−b側に向けて進行方向を略垂直に変換される。第1プリズムL11の出射面L11−bを出た該反射光は、第2レンズL2と第2群G2と第3群G3と第4群G4を透過した後に入射面L12−aから第2プリズムL12の内部に入り、第2プリズムL12の反射面L12−cによって出射面L12−b側に向けて進行方向を略垂直に変換され、撮像センサ14の撮像面によって撮像(受光)される。第1モータM1と第2モータM2を利用して第2群G2や第3群G3をロッド22、23に沿って進退させることにより、撮像光学系にズーミング(変倍)動作及びフォーカシング動作を行わせることができる。
さらに撮像ユニット10では、第1群G1のうち第1プリズムL11の前方に位置する第1レンズL1を用いて防振(像振れ補正)動作を行う。前述の通り防振機構は、ハウジング13に対して固定関係にある支持部材(ベース部材31、カバー部材32、センサホルダ34)に対して第1レンズ枠30を動作させるものである。第1レンズL1を防振用の光学要素として選択することの利点として、防振機構を備えつつ撮像ユニット10を前後方向に薄型に構成することができる。例えば本実施形態と異なり、第2群G2や第3群G3を第2光軸O2と直交する方向に移動させる防振機構を想定した場合、2群枠20や3群枠21の移動用のスペースを確保したり、2群枠20や3群枠21の駆動手段を配置したりすることによって、ハウジング13内に必要とされる前後方向のスペースが図示実施形態よりも広くなり、撮像ユニット10の厚みが増してしまう。また本実施形態の構成では、防振制御に際して駆動されるのが第1群G1の全体ではなく第1レンズL1のみであるから、可動部がコンパクトで駆動負荷が小さくて済むという利点もある。一般的な防振機構ではレンズ群全体を駆動させるが、本実施形態の第1群G1では、パワーを有する第1レンズL1と第2レンズL2の間に、光束の反射のみを行う第1プリズムL11が配されているため、第1レンズL1と第2レンズL2の間の距離が大きくなっており、第1レンズL1を単独で移動させて防振制御を行なっても収差劣化が少ない。つまり、撮像光学系としては第1レンズL1から第2レンズL2までの第1群G1全体で収差が管理されるが、防振に関しては、第1プリズムL11を挟んで光軸方向間隔が大きくなっている第1レンズL1と第2レンズL2を実質的に別のレンズ群であるように扱っても光学性能を確保できることに着眼して、第1レンズL1のみを防振用の光学要素に設定している。
第1レンズL1が防振動作を行う際に行う球心揺動は、第1光軸O1に直交する平面に沿うシフト動作に比べて、第1光軸O1に沿って撮像ユニット10を正面視したときに小さいスペースで第1レンズL1を大きく動作させることができる。そのため、撮像ユニット10を前後方向のみならず上下左右方向(撮像ユニット10の正面視)においてもコンパクトに構成しながら、防振対応可能な角度を大きくさせて防振性能を向上させることができる。
特に撮像ユニット10では、第1レンズL1の背後に第1プリズムL11を配した屈曲光学系であることに着目して、第1レンズ枠30を球心揺動させる際の揺動中心A1(第1光軸O1を延長した軸上の点)の位置を、第1プリズムL11の反射面L11−cの後方の裏側空間55に設定している。これにより、第1プリズムL11の裏側を第1レンズ枠30の支持機構の収容スペースとして有効活用し、スペース効率に優れた構成で球心揺動を実現している。具体的には、図13ないし図18に示すように、ピボット凸部44(ピボットアーム41c)、ピボット凹部67(センサホルダ34)、板バネ36、ピボットガイド39(接続部41b)、回転規制孔68(センサホルダ34)といった第1レンズ枠30の支持に関係する部位が裏側空間55に集約して収められている。
撮像ユニット10のコンパクト化を実現しつつ収差変動を抑えて球心揺動の効果を得るための光学的条件として、以下の式(1)、(2)を満たすことが好ましい。
(1)-0.6<(SC-R2)/f1<0.4
(2)SF<-0.5
但し、
R1:前方レンズ(第1レンズL1)の最も物体側の面(入射面L1−a)の曲率半径
R2:前方レンズ(第1レンズL1)の最も像側の面(出射面L1−b)の曲率半径
SC:前方レンズ(第1レンズL1)の最も像側の面(出射面L1−b)から球心揺動中心(A1)までの光軸上の距離
f1:前方レンズ(第1レンズL1)の焦点距離
SF=(R2+R1)/(R2-R1)
とする。各記号の符号は物体側から像側に向かう方向を正(+)とする。
式(1)は、第1レンズL1の焦点距離に基づいて規格化した揺動中心A1の位置に関する条件である。式(1)の下限を超えると(-0.6以下)、第1レンズL1からの揺動中心A1の距離が大きくなりすぎて、撮像ユニット10の前後方向の小型化が困難になると共に、収差変動が大きくなってしまう。また、式(1)の上限を超えると(0.4以上)、揺動中心A1が第1レンズL1に近づきすぎて第1レンズL1の駆動時の光軸偏角が小さくなり(像変位が小さくなり)、有効な防振効果が得られなくなる。
式(2)は、第1レンズL1の形状に関する条件である。式(2)の範囲を外れると、揺動中心A1を式(1)の範囲に設定した場合でも収差変動が大きくなってしまい、球心揺動の効果が得られなくなる。
以上の各条件を満たす撮像光学系の具体例として表1に実施例1ないし実施例3を示す。図19、図20、図21はそれぞれ、実施例1、実施例2及び実施例3の撮像光学系のワイド端とテレ端のズーム軌跡を示したものである。
Figure 2015179230
実施例1は、入射面L1−aを凸面、出射面L1−bを凹面とした凹メニスカスレンズ(SF<-1)として第1レンズL1を構成したタイプである。実施例2は、入射面L1−aを平面、出射面L1−bを凹面とした平凹レンズ(SF=-1)として第1レンズL1を構成したタイプである。実施例3は、入射面L1−aと出射面L1−bをいずれも凹面とした両凹レンズ(SF>-1)として第1レンズL1を構成したタイプである。
これらの実施例のように、防振動作を行う前方レンズ(第1レンズL1)の最も像側の面(出射面L1−b)は凹面であることが好ましい。特に、前方レンズの最も像側の面を、揺動中心A1を中心とする曲面の一部として形成すると、この面は揺動中心A1を中心とした球心揺動では常に偏角方向に正対する面となり、球心揺動によるこの面のコマ収差の発生を防ぐことができる。
また、実施例2のように入射面L1−aが平面である場合も含めて、防振動作を行う前方レンズ(第1レンズL1)の最も物体側の面(入射面L1−a)は最も像側の面(出射面L1−b)よりもパワーが弱く(屈折力が小さく)なるように設定することが好ましい。
なお、防振動作を行う前方レンズとして、第1レンズL1のような単レンズではなく、貼り合わせレンズや、複数枚のレンズを選択することも可能である。前方レンズを複数枚のレンズとする場合は、光学性能の低下を防ぐために、防振動作に際して複数枚のレンズを一体的に移動させることが好ましい。また、先の条件式(1)、(2)については、R1を「複数の前方レンズのうち最も物体側のレンズにおける最も物体側の面の曲率半径」、R2を「複数の前方レンズのうち最も像側のレンズにおける最も像側の面の曲率半径」、SCを「複数の前方レンズのうち最も像側のレンズにおける最も像側の面から球心揺動中心までの光軸上の距離」、f1を「複数の前方レンズの合成焦点距離」と読み替えるものとする。
第1レンズ枠30を防振駆動させる手段の配置については、永久磁石81、82とコイル83、84をそれぞれ、第1レンズ枠30の揺動中心A1を中心とする仮想球面J1、R2上に配置したことにより、揺動中心A1を中心として第1レンズ枠30を球心揺動させたときに、永久磁石81とコイル83の間隔や永久磁石82とコイル84の間隔に変化が少なく、安定して高精度な駆動制御が可能となっている。
また、防振駆動手段としてボイスコイルモータを用いる場合、永久磁石とコイルの一方が第1レンズ枠30と共に移動する可動要素となり、他方が移動しない固定要素となる。本実施形態の撮像ユニット10では、可動の第1レンズ枠30に永久磁石81、82を保持させたムービングマグネットタイプのボイスコイルモータを用いており、これに適したスペース効率の良い部材配置を実現している。まず、可動要素である永久磁石81、82は、その設置位置が揺動中心A1から遠くなるほど、第1レンズ枠30の球心揺動時の移動量が大きくなり、移動量が大きくなるにつれて第1レンズ枠30を囲む固定部材(ベース部材31、カバー部材32、センサホルダ34やその他の部材)とのクリアランスも大きく必要になる。そこで、可動要素である永久磁石81、82を、そのサイズ(主として、磁極境界線Q1、Q2に沿う長さW1と、磁極境界線Q1、Q2に垂直な横幅W2で定義される平面方向のサイズ)の制約内で許される範囲で、可能な限り揺動中心A1に近づけて配置している。
磁極境界線Q1、Q2に沿う永久磁石81、82の長さW1に比して、長軸Q3、Q4に沿うコイル83、84の長さU1が大きいという条件等から、永久磁石81、82よりも揺動中心A1に近い内側位置にコイル83、84を設置することが難しい。そこでコイル83、84は、直線K1、K2に沿う方向で永久磁石81、82よりも揺動中心A1から遠い径方向の外側に配置している。永久磁石81、82と異なり、コイル83、84は球心揺動時に動かない固定要素であるため、コイル83、84の動作分を考慮したクリアランスを周囲の部材との間に確保する必要がなく、永久磁石81、82の外側に配置した場合でも撮像ユニット10を大型化させにくい。
また、ホールセンサ85、86は、永久磁石81、82とコイル83、84のいずれよりも小型であることに着目して、直線K1、K2に沿う方向で永久磁石81、82よりも揺動中心A1に近い内側位置に配置している。図13から分かるように、小型のホールセンサ85、86を支持するセンサ支持突起61、62は、第1レンズ枠30のレンズ保持部40(円形枠部40b)と磁石保持部42、43と、ベース部材31のバネ支持部58とに囲まれる狭い空間に挿入することが可能であり、ホールセンサ85、86が効率的に配置されている。また、ホールセンサ85、86は永久磁石81、82の内側に隣接する位置にあるので、例えばコイル83、84の外側にホールセンサ85、86を設けるような構成に比して、スペース効率に加えて検出精度の点でも有利である。
このように、ボイスコイルモータにおける可動要素と固定要素を、揺動中心A1を中心とする径方向(直線K1、K2に沿う方向)において、それぞれの条件に適した合理的な順序でスペース効率良く配置したことで、撮像ユニット10のコンパクト化に寄与している。
また、永久磁石81、82、コイル83、84、ホールセンサ85、86は、ベース部材31における側方空間56(第2象限V2、第3象限V3)内に収められている。この側方空間56は、第1プリズムL11により偏向された光束の進行方向(第2光軸O2の進行方向)と逆側の領域であり、撮像光学系を構成する光学要素のうち第1プリズムL11から先の光学要素が配置されていないため、スペース的な制約を受けにくい。例えば、永久磁石81、82やコイル83、84を基準平面第1象限V1と第4象限V4を含む第2の領域内に配置しても、第1レンズL1を駆動させることは可能である。しかし、第1象限V1と第4象限V4には、第1プリズムL11の出射面L11−bに隣接する位置に第2レンズL2が位置しており、第2レンズL2と干渉させずに電磁アクチュエータの全体を配置するスペースを確保することが難しいという問題がある。これに対して、第2象限V2と第3象限V3への配置にはこのような制約がない。
また、第1プリズムL11から先の光路上には、第2光軸O2に沿って可動の第2群G2や第3群G3が設けられており、第2群G2や第3群G3の駆動機構を構成する第1モータM1と第2モータM2には金属部分が含まれ、ロッド22、23も金属製の部品である。このような金属部品が磁性体金属からなる場合、電磁アクチュエータに接近していると防振駆動に影響を及ぼすおそれがある。特に、可動の第1レンズ枠30上に永久磁石81、82を支持したムービングマグネットタイプの電磁アクチュエータでは、高精度な駆動制御を行わせるために、永久磁石81、82の磁界に対する外部の磁性体からの影響を排除することが求められる。第2象限V2と第3象限V3に配置した永久磁石81、82やコイル83、84は、第1象限V1や第4象限V4に配置した場合に比べて各モータM1、M2や各ロッド22、23からの距離が大きいため、これらの部材が磁性体金属を含んでいる場合も電磁アクチュエータの駆動に影響が及びにくい。
さらに、アクチュエータを構成する永久磁石81、82やコイル83、84は、揺動中心A1を中心とする仮想球面J1、J2の接平面T1、T2、T3及びT4に沿って平面的な広がりを持つ形状及び配置になっている。図12、図13、図22及び図23に示す推力軸E1、E2から分かるように、各アクチュエータの推力は永久磁石81、82が位置する接平面T1、T2に沿う力として第1レンズ枠30に作用するため、仮想球面J1の中心に揺動中心A1を位置させる第1レンズ枠30をスムーズかつ高精度に球心揺動させることができる。
また、永久磁石81、82やコイル83、84が平面的な広がりを持って配置される仮想球面J1の接平面T1、T2や仮想球面J2の接平面T3、T4は、第1光軸O1に平行な面と、第1光軸O1と垂直な面(基準平面P3)のいずれに対しても非平行であり、前述のように、接平面T1、T2、T3及びT4の法線方向の直線K1、K2(厳密には、交点C1、C2を始点として直線K1、K2に沿って接平面T1、T2、T3及びT4に向かう半直線)が第1レンズL1の光軸(厳密には、交点C1、C2を始点として物体側に第1光軸O1(O1’)と平行に延びる半直線)に対してなす傾き角D1、D2は、0°<D1<90°、0°<D2<90°(図23参照)となっている。
直線K1、K2の傾き角D1、D2が0°ということは、基準平面P3と平行に平面的な広がりを有する永久磁石やコイルを用いる構成になる。この構成は、第1光軸O1に沿って見たときに、扁平な永久磁石やコイルの正面投影形状が最も大きく表れる配置であるため、このようなアクチュエータを第1レンズL1の周囲に配すると、第1光軸O1と直交する方向における撮像ユニットの大型化を招く。直線K1、K2の傾き角D1、D2が90°ということは、基準平面P3と垂直な平面に沿って平面的な広がりを有する永久磁石やコイルを用いる構成になる。この構成は、第1光軸O1に沿って見たときに、扁平な永久磁石やコイルの薄い側面部分(厚み部分)を見ることになるため、アクチュエータ自体の正面投影形状自体は小さいものの、基準平面P3に沿う方向での揺動中心A1からのアクチュエータの距離が大きくなってしまう。傾き角D1、D2が90°の場合を本実施形態の構成に当てはめると、図13や図23における基準平面P3と仮想球面J1の交点上(もしくはその前後位置)に永久磁石81、82が位置するので、永久磁石81とコイル83が図12に示す位置よりも左上方向に突出し、永久磁石82とコイル84が図12に示す位置よりも左下方向に突出することになる。その結果、本実施形態に比して撮像ユニットが大型化してしまう。また、直線K1、K2の傾き角D1、D2が90°を超えるということは、アクチュエータを構成する磁石やコイルが、第1光軸O1に沿う前後方向において基準平面P3よりも後方に位置する構成になる。アクチュエータを基準平面P3よりも後方に配すると、撮像ユニット10の前後方向サイズが大きくなってしまう。特に、第1レンズL1とアクチュエータの前後方向の距離が大きくなってしまうため、第1レンズ枠30が非常に大きくなってしまい、スペース効率の点で不利となる。
これらの比較例と異なり、本実施形態では直線K1、K2の傾き角D1、D2を0°より大きく90°より小さくすることで、アクチュエータの正面投影形状を抑え、かつ第1光軸O1に沿う方向でのアクチュエータの突出も抑え、スペース効率に優れたコンパクトな防振駆動手段を得ることができる。
直線K1、K2の傾き角D1、D2のより好ましい条件として先に40°以上、80°以下を挙げた。第1レンズL1の径や永久磁石81、82の大きさにもよるが、傾き角D1、D2を40°以上にすることで、第1レンズL1と干渉させずに該第1レンズL1に近い位置に永久磁石81、82を配置することができる。例えば本実施形態では、図13や図23に示すように、永久磁石81、82の縁部と第1レンズL1の縁部が近接しており、第1レンズL1と永久磁石81、82が仮想球面J1に沿う形でスペース効率良く配されている。ここで傾き角D1、D2を30°等に設定すると、永久磁石81、82が第1レンズL1の設置領域と重なってしまうため、配置が困難となる。逆に、傾き角D1、D2を80°よりも大きくすると、先に述べた90°の場合に近い条件となり、基準平面P3に沿う方向での撮像ユニットの小型化の効果が弱くなってくる。
前述の通り、第1レンズ枠30の球心揺動を可能に支持しつつ、ピボットガイド39と回転規制孔68によって第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制している。仮に、このような回転規制手段を備えずにベース部材31やセンサホルダ34に対して第1レンズ枠30の自在な回転を許すと、固定的に支持されているコイル83、84やホールセンサ85、86に対して永久磁石81、82の位置が大きくずれてしまうおそれがある。すると、永久磁石81、82とコイル83、84によって第1レンズ枠30に適切な推力を付与できなくなったり、ホールセンサ85、86による第1レンズ枠30の位置検出に支障が生じたりして、防振制御が困難になる。第1光軸O1を中心とする周方向に位置を異ならせてアクチュエータや検出用のセンサを3つ以上設けることで、第1レンズ枠30が第1レンズL1の光軸を中心に回転しても制御できる可能性がある。しかし、撮像ユニット10では第2光軸O2が進む第1象限V1や第4象限V4の側に大きなスペースを得られないという制約があり、第1レンズL1の周囲に3つ以上のアクチュエータやセンサを設置することが難しく、3つ以上のアクチュエータやセンサを設置するためには撮像ユニット10の大幅な大型化が避けられない。そのため、2つのアクチュエータ(永久磁石81とコイル83のセット、永久磁石82とコイル84のセット)と2つのホールセンサ85、86を第2象限V2と第3象限V3に振り分けて配置することがスペース効率の点で優れている。その上で第1レンズ枠30の回転規制手段を備えることによって、スペース効率に優れた駆動手段を用いつつ、各アクチュエータの制御可能範囲を超えるような第1レンズ枠30の挙動を防いで、第1レンズ枠30を高精度に安定して球心揺動させることができる。
第1レンズ枠30の球心揺動に際して第1レンズ枠30の回転を規制する手段は、図1ないし図24を参照して先に説明した実施形態(第1の実施形態とする)に限定されるものではない。以下、第1レンズ枠30の回転規制手段の別実施形態を説明する。
図25から図28は、センサホルダ34の回転規制孔68に挿入されるピボットガイドのガイド突起の形状を異ならせた変形例を示したものである。
図24に示す第1の実施形態のピボットガイド39は、全体的に球形をなすガイド突起39bを有している。これに対して図25に示す第2の実施形態のピボットガイド139は、基部39aと反対側の先端部分が平面状でそれ以外の部分を球形状とした、いわゆる擬宝珠形状のガイド突起(突起)39dを有している。第1の実施形態のガイド突起39bと同様に、ガイド突起39dは、球形の外面部分を一対の対向面68aに接触(点接触)させて回転規制孔68に挿入される。従って、回転規制孔68にガイド突起39dを挿入することで、第1レンズ枠30の球心揺動を許しつつ、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制できる。
図26に示す第3の実施形態のピボットガイド239は、軸線Z1を中心とする円筒状のガイド突起(突起)39eを有している。円筒状をなすガイド突起39eの軸線Z1は、基部39aの軸線と垂直な方向(回転規制孔68の一対の対向面68aと平行な方向)に向いている。ガイド突起39eは軸線Z1を中心とする径が均一の円筒部であり、一対の対向面68aに対して常に軸線Z1を中心とする円筒面を接触させる。
図27に示す第4の実施形態のピボットガイド339は、軸線Z1を中心とする円筒の一部(基部39aに接続する側と反対の先端部分)を平面状にした部分円筒状(D字状断面)のガイド突起(突起)39fを有している。図28に示す第5の実施形態のピボットガイド439は、基部39aに接続する基端部とその反対の先端部分を一対の平行平面とし、この一対の平行平面を軸線Z1を中心とする円筒面の一部で接続した部分円筒状(小判状断面)のガイド突起(突起)39gを有している。完全円筒状のガイド突起39eだけでなく、部分円筒状のガイド突起39fとガイド突起39gにおいても、回転規制孔68の一対の対向面68aに接触する両側の面は曲率中心が一致する円弧面となっている。これと異なり、一対の対向面68aに接触する2つの面の曲率中心が一致していない場合は、第1レンズ枠30の球心揺動の動きを悪くするおそれがあるため、ガイド突起39fやガイド突起39gのように構成することが望ましい。
回転規制孔68に挿入されたガイド突起39e、39f及び39gは、回転規制孔68の一対の対向面68aに挟まれることによって、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。その一方、回転規制孔68に対してガイド突起39e、39f及び39gは、一対の対向面68aに沿う摺動と、円筒部分の軸線Z1を中心(支点)とする揺動が可能であり、これらの動きによって第1レンズ枠30の球心揺動を許す。従ってガイド突起39e、39f及び39gは、第1及び第2の実施形態におけるガイド突起39b、39dと同様に機能する。
第1及び第2の実施形態におけるガイド突起39bやガイド突起39dは、回転規制孔68の一対の対向面68aに対して球状の外面を点接触させる。これに対し、円筒状の外面を有する第3ないし第5の実施形態のガイド突起39e、39f及び39gは、回転規制孔68の一対の対向面68aに対して、円筒部分の軸線Z1に沿う方向で線接触する。いずれの形態も、一対の対向面68aに対する接触部分を球面や円弧面(円筒面)といった非平面とすることにより、一対の対向面68aを結ぶ方向への移動規制を受けつつ、それ以外の方向への摺動や揺動を無理なく行うことができ、第1レンズ枠30の球心揺動をスムーズに行わせることができる。なお、一対の対向面68aに対して線接触するタイプは、その接触域が長くなるほど部品の精度誤差の影響を受けやすくなるため、ガイド突起39e、39f及び39gでは円筒部分の軸線方向長さを短く設定することが好ましい。具体的には、ガイド突起39e、39f及び39gの軸線方向長さは、基部39aの直径よりもわずかに大きく、フランジ39cの直径よりも小さく設定されている。
図29及び図30に示す第6の実施形態のように、センサホルダ34の回転規制孔68に挿入するガイド突起(突起)39hを第1レンズ枠30と一体的に形成することも可能である。ガイド突起39hは、第3の実施形態のガイド突起39eと同様に、基準平面P1に沿う軸線Z2を中心とする円筒状の外面形状を有しており、第1レンズ枠30の支持部41を構成する接続部41bから後方(被写体と反対側)に向けて突出している。図29及び図30のようにセンサホルダ34の回転規制孔68内に挿入したガイド突起39hは、一対の対向面68aにガイド突起39hが挟まれることによって、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。その一方、回転規制孔68に対してガイド突起39hは、一対の対向面68aに対する摺動と、軸線Z2を中心(支点)とする揺動が可能であり、これらの動きによって第1レンズ枠30の球心揺動を許す。なお、第1レンズ枠30と一体に形成するガイド突起の形状は、ガイド突起39hのような円筒状に限定されるものではなく、先の各実施形態のような球体形状(図24)、擬宝珠形状(図25)、一部を切り欠いた部分円筒形状(図27、図28)にしてもよいし、あるいはさらに別の形状を選択することもできる。
図31ないし図34に示す第7の実施形態は、第1レンズ枠30に設けたガイドシャフト(突起)539とセンサホルダ34の回転規制孔(突起挿入部)568によって回転規制手段を構成している。ガイドシャフト539は軸線方向の略全体に亘って一定径の円筒状外面を有する軸体であり、揺動中心A1の左方に配され、その軸線Z3が基準平面P1に沿って位置している(図32、図33)。また、図33や図34に示すように、第1レンズ枠30が防振初期位置にあるときに、ガイドシャフト539の軸線Z3は基準平面P3内に位置していて前後方向への傾きが無い。回転規制孔568は、センサホルダ34のベース板部60に後方へ向けて開かれたU字状の凹部として形成されており、基準平面P1を挟んで対向する一対の対向凸部(保持部)568aを有している。図31や図32に示すように、一対の対向凸部568aはそれぞれ基準平面P1に近づくにつれて幅を狭くする台形状の突出部であり、互いの距離が最小となる先端部分でガイドシャフト539を両側から挟んでいる。ガイドシャフト539の軸線方向(撮像ユニット10の左右方向)における一対の対向凸部568aの幅はガイドシャフト539の軸長よりも短く、一対の対向凸部568aはガイドシャフト539のうち軸線方向の一部領域に対して接触する(図32、図34参照)。対向凸部568aの先端形状は、ガイドシャフト539に対して線接触する平面や、ガイドシャフト539に対して点接触する円弧状面とすることができる。そして、ガイドシャフト539が一対の対向凸部568aに挟まれることによって、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転が規制される。
図31、図32及び図34に示すように、回転規制孔568は、ガイドシャフト539の軸線方向(撮像ユニット10の左右方向)に開かれており、ガイドシャフト539は回転規制孔568の一対の対向凸部568aに対して軸線方向への摺動が可能である。図31、図33及び図34に示すように、回転規制孔568の深さ方向(撮像ユニット10の前後方向)のサイズはガイドシャフト539の直径よりも大きく、ガイドシャフト539は回転規制孔568に対して深さ方向(前後方向)にも摺動可能である。さらにガイドシャフト539は、回転規制孔68に対して、軸線Z3を中心(支点)とした揺動(回転)を行うことができる。これらの動きにより、ガイドシャフト539と回転規制孔568は第1レンズ枠30の球心揺動を妨げない。
以上の第1ないし第7の実施形態では、第1レンズ枠30が防振初期位置にある状態において、第1レンズ枠30側とセンサホルダ34側の回転規制用の接触部分が基準平面P3(揺動中心A1を通り第1光軸O1に対して垂直な平面)上に位置しているが、前後方向において、基準平面P3と異なる位置に回転規制用の接触部分を配置することも可能である。そのような変形例を、図35の第8の実施形態、図36及び図37の第9の実施形態として示す。
図35に示す第8の実施形態は、第1レンズ枠30に設けたピボットガイド639をセンサホルダ34の回転規制孔(突起挿入部)668に挿入して回転規制を行うものである。回転規制孔668は、一対の対向面(保持部)668a(図35には片側の対向面668aのみが示されている)の間隔で規定される幅よりも、一対の端部668bを結ぶ長さの方が大きい長孔であり、第1光軸O1に沿って正面から見たときの配置は第1の実施形態の回転規制孔68と共通しているが、回転規制孔68とは異なり、基準平面P3よりも前方の位置に形成されている。ピボットガイド639は、第1の実施形態のピボットガイド39と同様に、第1レンズ枠30の接続部41bに埋入支持される基部639aと、回転規制孔668に挿入される球状のガイド突起(突起)639bと、基部639aとガイド突起639bの間に位置してガイド突起639bの突出量を定める大径のフランジ639cとを有している。図35に示す第1レンズ枠30の防振初期位置において、球状をなすガイド突起639bの球面中心B2は、基準平面P3よりも前方に位置している。ガイド突起639bは球面中心B2と同じ前後方向位置で一対の対向面668aに接触(点接触)し、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。また、揺動中心A1を中心に第1レンズ枠30が球心揺動する際には、一対の対向面668aに対するガイド突起639bの摺動や、球面中心B2を中心(支点)とするガイド突起639bの揺動によって球心揺動を妨げない。第1レンズ枠30の球心揺動に応じてピボットガイド639の前後方向の位置が変化した場合も、ガイド突起639bと一対の対向面668aの接触位置は基準平面P3よりも前方に保たれる。
図36及び図37に示す第9の実施形態は、第1レンズ枠30側に設けたガイドシャフト(突起)739をセンサホルダ34の回転規制孔(突起挿入部)768に挿入して回転規制を行うものである。第7の実施形態(図31ないし図34)の回転規制孔568と同様に、回転規制孔768はガイドシャフト739の軸線方向の一部領域を挟む一対の対向凸部(保持部)768aを有している。ガイドシャフト739は、その軸線Z4が基準平面P1内に位置している点において第7の実施形態のガイドシャフト539と共通しているが、ガイドシャフト539と異なり、図36及び図37に示す第1レンズL1の防振初期位置において、ガイドシャフト739の軸線Z4は基準平面P3に対して傾いている。具体的には、図37に示すように、ガイドシャフト739の軸線Z4の延長上に揺動中心A1が位置しており、軸線Z4は揺動中心A1の距離が大きくなるに従って基準平面P3から前方に離間していく傾きが与えられている。そして、ガイドシャフト739は基準平面P3よりも前方の位置で回転規制孔768の一対の対向凸部768aに接触して、ガイドシャフト739が延びる撮像ユニット10の左右方向の摺動と、回転規制孔768の深さ方向(撮像ユニット10の前後方向)の摺動と、軸線Z4を中心(支点)とする揺動(回転)が可能に支持される。このガイドシャフト739と回転規制孔768の関係により、揺動中心A1を中心とする第1レンズ枠30の球心揺動を許しつつ、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30を回転規制する。
回転規制手段として、第7及び第9の実施形態のガイドシャフト539、739のような軸線方向に長い突起を用いる場合、その軸線の延長上に揺動中心A1を位置させることが好ましい。これにより、第1レンズ枠30が球心揺動する際の回転規制の安定性や、球心揺動に対する回転規制手段の追随性において優れた効果が得られる。ガイドシャフト539とガイドシャフト739はいずれもこの条件を満たしている。
ここまで述べた第1から第9の実施形態はいずれも、第1レンズ枠30の回転規制手段を構成するピボットガイドやガイドシャフトを基準平面P1上に配置し、これらのピボットガイドやガイドシャフトを挟む回転規制孔の一対の対向面や一対の対向凸部を基準平面P1に関して略対称に配置したものである。永久磁石81とコイル83からなるボイスコイルモータを第1のアクチュエータ、永久磁石82とコイル84からなるボイスコイルモータを第2のアクチュエータとした場合、第1のアクチュエータの推力軸E1と揺動中心A1とを含む推力作用平面P4と、第2のアクチュエータの推力軸E2と揺動中心A1とを含む推力作用平面P5は、基準平面P1に関して略対称である(図12、図22参照)。そして、推力作用平面P4と推力作用平面P5の対称面となる基準平面P1上に回転規制手段を配置することで、2つのアクチュエータに対してバランスのよい中立位置で第1レンズ枠30の回転規制を行うこととなり、2つのアクチュエータの駆動方向の違いによる推力差や、2つのアクチュエータにおける永久磁石81、82とホールセンサ85、86のギャップ変動を抑制できる。但し、基準平面P1以外の位置に第1レンズ枠30の回転規制手段を配置することも可能である。そのような変形例を、図38ないし図43の第10の実施形態と、図44ないし図49の第11の実施形態として示す。
図38ないし図43に示す第10の実施形態は、2つのアクチュエータの配置に関する条件を第1の実施形態(図12、図13、図22及び図23参照)と共通とした上で、基準平面P1に対して垂直な基準平面P2上に第1レンズ枠30の回転規制手段を位置させたものである。センサホルダ34のベース板部60には、ピボット凹部67の下方に回転規制孔(突起挿入部)868が形成されている。回転規制孔868は、第1の実施形態の回転規制孔68と同様に、一対の平行な対向面(保持部)868aを結ぶ幅よりも一対の端部868bを結ぶ長さの方が大きい長孔であり、基準平面P3上で、第1光軸O1を延長した仮想線を中心とする半径方向へ長手方向を向けているが、その長手方向の向きと形成位置が回転規制孔68と異なっている。図40や図41から分かるように、回転規制孔868は、第3象限V3と第4象限V4の境界に位置しており、基準平面P2と平行な一対の対向面868aを、基準平面P2を挟んで略対称に配している。
第1レンズ枠30のピボットアーム41cには、ピボット凸部44の下方にピボットガイド839が支持されている。ピボットガイド839は、ピボットアーム41cに埋入支持される基部839aと、回転規制孔868に挿入される擬宝珠形状のガイド突起(突起)839bと、基部839aとガイド突起839bの間に位置してガイド突起839bの突出量を定める大径のフランジ839cとを有している。図38ないし図43に示す第1レンズ枠30の防振初期位置において、ガイド突起839bは、球面中心B3を基準平面P3上に位置させて回転規制孔868の一対の対向面868aに接触(点接触)する。そして、一対の対向面868aに挟まれたガイド突起839bは、基準平面P2に平行な第1の平面内では一対の対向面868aに沿って摺動可能であり(図42参照)、第1の平面と直交し第1光軸O1と平行な第2の平面(基準平面P1に平行な平面)内では、第1光軸O1に沿う前後方向の摺動と、球面中心B3を中心(支点)とする揺動が可能である一方で、一対の対向面868aを結ぶ方向の移動が規制される(図43参照)。これにより、揺動中心A1を中心とする第1レンズ枠30の球心揺動を許容しつつ、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。
このピボットガイド839と回転規制孔868からなる回転規制手段は、2つのアクチュエータに対して非対称な配置となることから、第1レンズ枠30の駆動方向によって動特性差が現れる可能性があるが、第1レンズ枠30の球心揺動の精度や、永久磁石81、82とホールセンサ85、86のギャップ変動の抑制については、基準平面P1上に回転規制手段を設けた場合と同等の性能を得ることができる。
以上に述べた各実施形態では、防振駆動用の2つのアクチュエータ(永久磁石81とコイル83、永久磁石82とコイル84)は、推力作用平面P4と推力作用平面P5の互いの交差角D3が約60°という関係で配置されている(図12、図22、図40参照)。これに対して、図44ないし図49に示す第11の実施形態は、第1のアクチュエータ(永久磁石181とこれに対向する不図示のコイル)の推力軸E11と揺動中心A1を含み第1光軸O1に平行な推力作用平面P14と、第2のアクチュエータ(永久磁石182とこれに対向する不図示のコイル)の推力軸E12と揺動中心A1を含み第1光軸O1に平行な推力作用平面P15が、対称面である基準平面P1に関して正逆に約45度の関係、すなわち互いの交差角D4が約90°の関係に設定されている(図46参照)。これに応じて、第1レンズ枠30における磁石保持部142、143やセンサホルダ34のセンサ支持突起161、162についても、先の各実施形態の磁石保持部42、43やセンサ支持突起61、62よりも撮像ユニット10の上下方向に広い間隔で形成されている。
2つのアクチュエータの推力作用平面を基準平面P1に近づけるほど(2つの推力作用平面の交差角が小さくなるほど)、撮像ユニット10の上下方向の小型化に有利となる。しかし、2つの推力作用平面の交差角をあまり小さくすると、第1レンズ枠30の高精度で安定した防振制御を行わせることが難しくなる。図12や図40に示す構成は、防振制御の安定性や精度を損なわない範囲で1群ブロック12を上下方向にコンパクトにするべく、2つのアクチュエータの推力作用平面P4、P5の交差角D3を約60°に設定している。これに対し、図46に示す第11の実施形態の構成は、2つのアクチュエータの推力作用平面P14、P15の交差角を約90°に設定することで、上下方向の小型化は若干制約されるが、防振制御の安定性や精度の点で有利となっている。
第11の実施形態は、2つのアクチュエータの推力作用平面P14、P15の交差角D4が約90°という条件に適した回転規制手段を備えている。すなわち、推力作用平面P15上に第1レンズ枠30の回転規制手段を設けている。センサホルダ34のベース板部60には、ピボット凹部67に対して下方及び左方に偏心した位置に回転規制孔(突起挿入部)968が形成されている。回転規制孔968は、第1の実施形態の回転規制孔68と同様に、一対の平行な対向面(保持部)968aを結ぶ幅よりも一対の端部968bを結ぶ長さの方が大きい長孔であり、基準平面P3上で、第1光軸O1を延長した仮想線を中心とする半径方向へ長手方向を向けているが、その向きと形成位置が回転規制孔68と異なっている。図46や図47から分かるように、回転規制孔968は、第3象限V3内に位置しており、推力作用平面P15と平行な一対の対向面968aを、推力作用平面P15を挟んで略対称に配している。
第1レンズ枠30のピボットアーム41cには、ピボット凸部44に対して下方及び左方に偏心した位置にピボットガイド939が支持されている。ピボットガイド939は、ピボットアーム41cに埋入支持される基部939aと、回転規制孔968に挿入される擬宝珠形状のガイド突起(突起)939bと、基部939aとガイド突起939bの間に位置してガイド突起939bの突出量を定める大径のフランジ939cとを有している。図44ないし図49に示す第1レンズL1の防振初期位置において、ガイド突起939bは、球面中心B4を基準平面P3上に位置させて回転規制孔968の一対の対向面968aに接触(点接触)する。そして、一対の対向面968aに挟まれたガイド突起939bは、推力作用平面P15に平行な第1の平面内では一対の対向面968aに沿って摺動可能であり(図48参照)、第1の平面と直交し第1光軸O1と平行な第2の平面(推力作用平面P14に平行な平面)内では、第1光軸O1に沿う前後方向の摺動と、球面中心B4を中心(支点)とする揺動が可能である一方で、一対の対向面968aを結ぶ方向の移動が規制される(図49参照)。これにより、揺動中心A1を中心とする第1レンズ枠30の球心揺動を許容しつつ、第1レンズL1の光軸を中心とする第1レンズ枠30の回転を規制する。2つのアクチュエータの推力作用平面P14、P15が互いに直交する場合、このように推力作用平面P15(あるいは推力作用平面P14でもよい)上に回転規制手段を配置すると、第1レンズ枠30を球心揺動させるときの精度や安定性において優れた効果が得られる。
これに対し、図12や図40のように2つのアクチュエータの推力作用平面P4、P5が非直交の関係である構成においては、推力作用平面P4と推力作用平面P5のいずれかに回転規制手段を設けると、当該推力作用平面上に推力軸を有する一方のアクチュエータについては適した配置となるが、他方のアクチュエータに対しては不利な配置となる。例えば、図12や図40で推力作用平面P4上に回転規制手段を設けた場合、推力作用平面P4上に推力軸E1が位置するアクチュエータ(永久磁石81とコイル83)に対しては適した構成となるが、他方のアクチュエータ(永久磁石82とコイル84)に対しては、駆動方向の違いによる推力差や、ホールセンサ86と永久磁石82のギャップ変動を生じる原因となり好ましくない。2つのアクチュエータの推力作用平面P4、P5が非直交である場合は、図12の構成のように2つの推力作用平面P4、P5の対称面(基準平面P1)上に回転規制手段を設けるか、図40の構成のように推力作用平面P4、P5の対称面(基準平面P1)に対して垂直な平面(基準平面P2)上に回転規制手段を設ける構成が好適となる。
なお、第11の実施形態のように2つのアクチュエータの推力作用平面(P14、P15)の交差角が約90°の構成において、基準平面P1上や基準平面P2上に回転規制手段を設けてもよい。
第10と第11の実施形態では、第1レンズ枠30側に設ける回転規制手段として、回転規制孔868、968の対向面868a、968aにガイド突起839b、939bを接触させるピボットガイド839、939を備えているが、基準平面P2や推力作用平面P14、P15上に配する回転規制手段として、ピボットガイド839、939に代えて第7の実施形態のガイドシャフト539や第9の実施形態のガイドシャフト739を用いることも可能である。この場合は既述した通り、ガイドシャフトの軸線の延長上に揺動中心A1が位置するように構成するとよい。また、ピボットガイド839、939のガイド突起839b、939bの形状は、図示のような擬宝珠形状に限定されるものではなく、図24に示す完全な球状や、図26ないし図28に示す各種の円筒形状等を用いてもよい。
以上のように、本発明を適用した各実施形態の撮像装置では、第1レンズ枠30に対して、揺動中心A1を中心とする球心揺動を許しつつ、第1レンズL1の光軸を中心とする回転を規制する回転規制手段を備えたことにより、推力作用平面P4(P14)、P5(P15)が交差する2つのアクチュエータ(ボイスコイルモータ)によって第1レンズ枠30を高精度にかつ安定して球心揺動させることができる。回転規制手段は、第1レンズ枠30とその支持部材(ベース部材31、カバー部材32、センサホルダ34の結合体)とに設けた突起(ピボットガイド、ガイドシャフト)と突起挿入部(回転規制孔)からなる簡単な構成であり、第1プリズムL11の反射面L11−cの裏側のスペースである裏側空間55を利用して配置されているため、撮像ユニット10の小型化を損なわない。
回転規制手段の配置に関する適切な条件をまとめると以下のようになる。第1の条件として、第1光軸O1の進行方向(撮像ユニット10の前後方向)における配置が挙げられる。第1の条件に関しては、揺動中心A1を通り第1光軸O1に対して垂直な平面(基準平面P3)上への配置が好ましく(第1ないし第7、第10及び第11の実施形態)、この平面(基準平面P3)に対して第1光軸O1に沿う方向で多少シフトさせて配置してもよい(第8及び第9の実施形態)。シフトさせる場合、回転規制手段を基準平面P3よりも後方に配置すると、撮像ユニット10の前後方向のサイズ増大を招くおそれがあるため、第8及び第9の実施形態のように、回転規制手段を基準平面P3に対して前方にシフトさせることが好ましい。シフトさせる場合とさせない場合のいずれでも、ガイドシャフトのように軸線方向へ長い突起を用いる場合は、その軸線の延長上に揺動中心A1を位置させるとよい。
回転規制手段の配置に関する第2の条件として、第1光軸O1と垂直な平面内(撮像ユニット10の上下左右方向)における配置が挙げられる。第2の条件に関しては、2つのアクチュエータの推力作用平面P4(P14)、P5(P15)の中央に位置する対称面(基準平面P1)上への配置がバランスの点で好ましく(第1ないし第9の実施形態)、この対称面(基準平面P1)に対して垂直な平面(基準平面P2)上への配置でも成立する(第10の実施形態)。また、2つのアクチュエータの推力作用平面P14、P15が直交するという条件下では、推力作用平面P14、P15上への配置も好適である(第11の実施形態)。
これらの条件を大きく外れて回転規制手段を配置すると、第1レンズ枠30を球心揺動させる際の駆動方向による推力差、永久磁石とホールセンサのギャップ変動、第1レンズ枠30の位置分解能等に関して不利になる。
以上、図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で改変することができる。例えば、図示実施形態の撮像光学系は、光路を屈曲させる反射素子としてプリズムを用いているが、プリズムに代えてミラーなどを反射素子として用いてもよい。さらに、撮像光学系に第2プリズムL12を含まず光路をL字状としたタイプの撮像装置にも適用が可能である。あるいは、第1プリズムL11と第2プリズムL12に加えてさらに別の反射素子を有する屈曲光学系の撮像装置も適用対象となる。いずれの場合も反射素子による光軸の屈曲角度(反射角)は90°以外の値であってもよい。
また、先に述べたように、反射素子(実施形態の第1プリズムL11に相当する)の物体側に位置して防振動作を行う前方レンズについては、複数枚のレンズで構成する等の変更を加えることが可能である。
図示実施形態の第1レンズL1は周縁の一部を切り欠いたDカット形状をなしており、第2光軸O2に沿う方向における1群ブロック12の小型化に寄与している。しかし、本発明における前方レンズの正面形状はこれに限定されるものではなく、正面視してDカット以外の形状をなす(例えば円形の)前方レンズを備えた撮像装置にも適用が可能である。
図示実施形態では、第1レンズ枠30を球心揺動可能に支持する支持部材として、ベース部材31とカバー部材32とセンサホルダ34の結合体を用いている。この構成は組立作業性に関して優れた効果が得られるが、ベース部材31やセンサホルダ34等を一体的に構成した支持部材を用いることも可能である。また、図示実施形態の撮像ユニット10と異なり、撮像センサ14や第2プリズムL12等を保持するハウジング13と第1プリズムL11を保持するベース部材31を一体に形成して、この一体の支持部材に対して第1レンズ枠30を支持させる構成にすることも可能である。
第1レンズ枠30の回転を規制する回転規制手段は、突起と突起挿入部の係合によって回転規制を行うものであれば、図示実施形態と異なる構成を採用することができる。一例として、図示実施形態では、突起挿入部を構成する回転規制孔68、668、868及び968は、孔の幅を規定する一対の対向面68a、668a、868a及び968aの間隔よりも、一対の端部68b、668b、868b及び968bの間隔の方が大きい長孔である。このような長孔を用いている理由は、第1レンズ枠30の球心揺動に際して、一対の対向面68a、668a、868a及び968aに沿ってガイド突起39b、39d、39e、39f、39g、39h、639b、839b及び939bを摺動可能にさせるためである。しかし、図示実施形態と異なり、回転規制孔に挟まれる幅方向のサイズが回転規制孔に対する摺動方向のサイズよりも相対的に大きい幅広形状のガイド突起を用いる場合には、一対の対向面68a、668a、868a及び968aの間隔が、一対の端部68b、668b、868b及び968bの間隔以上である非長孔タイプの回転規制孔を用いることもできる。
また、図示実施形態の回転規制孔68、668、868及び968は、両方の端部68b、668b、868b及び968bが閉じられているが、強度の確保や部品構成等に支障がない場合には、一方または両方の端部が閉じられていない回転規制孔568、768のような形状の突起挿入部を用いることもできる。つまり、少なくとも一対の対向面68a、668a、868a及び968aや一対の対向凸部568a、768aのような回転規制部を備えていれば突起挿入部として成立する。
図示実施形態では、可動の第1レンズ枠30にピボットガイドやガイドシャフト等の突起を設け、撮像ユニット10の本体部分に対して固定されるセンサホルダ34に突起挿入部を構成する回転規制孔を設けているが、可動枠側に突起挿入部を設け、固定の支持部材側に突起を設けてもよい。
図示実施形態では、第1レンズ枠30を球心揺動させるアクチュエータとして、可動の第1レンズ枠30に永久磁石81(181)、82(182)を保持し、固定のカバー部材32にコイル83、84を保持したムービングマグネットタイプのボイスコイルモータを用いている。先に述べたように、図示実施形態と異なり、可動枠である第1レンズ枠30側にコイルを保持し、第1レンズ枠30を球心揺動可能に支持する支持部材(ベース部材31、カバー部材32、センサホルダ34等)側に永久磁石を保持したムービングコイルタイプのボイスコイルモータを採用することも可能である。この場合、第1レンズ枠30の位置を検出するホールセンサは可動の第1レンズ枠30側に保持するとよい。
また、本発明は第1レンズ枠30を球心揺動させる駆動手段を限定するものではなく、高速な防振駆動に対応可能という条件を満たすものであれば、ボイスコイルモータ以外のアクチュエータを用いることも可能である。
10 撮像ユニット
11 本体モジュール
12 1群ブロック
13 ハウジング
13a ブロック支持部
13b ネジ孔
13c 位置決めピン
14 撮像センサ
15 撮像センサ基板
16 固定ネジ
20 2群枠
21 3群枠
22 23 ロッド
30 第1レンズ枠(可動枠)
31 ベース部材(支持部材)
32 カバー部材(支持部材)
33 コイル接続基板
33a 帯状部
33b コイル接続部
34 センサホルダ(支持部材)
35 センサ支持基板
35a 帯状部
35b 支持面部
35c 35d センサ支持片
36 板バネ
36a 取付板部
36b 弾性腕部
37 センサ固定版
38 第2レンズ枠
39 ピボットガイド
39a 基部
39b 39d 39e 39f 39g 39h ガイド突起(突起)
39c フランジ
40 レンズ保持部
40a 直線状カット部
40b 円形枠部
41 支持部
41a 脚部
41b 接続部
41c ピボットアーム
42 43 142 143 磁石保持部
44 ピボット凸部(支持機構)
50 固定部
50a ネジ挿通孔
50b 位置決め孔
51 側壁
51a 係合突起
52 前方橋絡部
53 プリズム保持壁
54 光路用空間
55 裏側空間
56 側方空間
57 支持座
58 バネ支持部
60 ベース板部
61 62 161 162 センサ支持突起
63 基板支持突起
64 センサ挿入凹部
65 当付部
66 ネジ挿通孔
67 ピボット凹部(支持機構)
68 回転規制孔(突起挿入部)
68a 対向面(保持部)
68b 端部
69 固定ネジ
70 側壁
70a 係合孔
71 前面部
72 段部
73 74 コイル保持部
81 82 181 182 永久磁石(アクチュエータ)
83 84 コイル(アクチュエータ)
83a 84a 長辺部
83b 84b 湾曲部
85 86 ホールセンサ
139 239 339 439 639 839 939 ピボットガイド
539 739 ガイドシャフト(突起)
568 668 768 868 968 回転規制孔(突起挿入部)
568a 768a 対向凸部(保持部)
639a 839a 939a 基部
639b 839b 939b ガイド突起(突起)
639c 839c 939c フランジ
668a 868a 968a 対向面(保持部)
668b 868b 968b 端部
A1 揺動中心
B1 B2 B3 B4 ピボットガイドのガイド突起の中心
C1 C2 永久磁石の外形中心を通り仮想球面の接平面の法線に平行な直線と第1レンズの光軸の延長線との交点
D1 D2 仮想球面の接平面の法線が第1レンズの光軸に対してなす傾き角
D3 D4 2つのアクチュエータの推力作用平面の交差角
E1 E2 E11 E12 ボイスコイルモータの推力軸
G1 第1群(前方レンズ群)
G2 第2群(後方レンズ群)
G3 第3群(後方レンズ群)
G4 第4群(後方レンズ群)
H1 接平面上に永久磁石が配される仮想球面の緯線を表す仮想円
H2 接平面上にコイルが配される仮想球面の緯線を表す仮想円
J1 J2 仮想球面
K1 K2 永久磁石の外形中心を通り仮想球面の接平面の法線に平行な直線
L1 第1レンズ(前方レンズ)
L1−a 入射面
L1−b 出射面
L2 第2レンズ
L11 第1プリズム(反射素子)
L11−a 入射面
L11−b 出射面
L11−c 反射面
L11−d 側面
L12 第2プリズム
L12−a 入射面
L12−b 出射面
L12−c 反射面
M1 第1モータ
M2 第2モータ
O1 第1光軸(防振初期位置での第1レンズの光軸)
O1’ 球心揺動時の第1レンズの光軸
O2 第2光軸
O3 第3光軸
P1 P2 P3 基準平面
P4 P5 P14 P15 推力作用平面
Q1 Q2 永久磁石の磁極境界線
Q3 Q4 コイルの長軸
T1 T2 T3 T4 仮想球面の接平面
U1 コイルの長軸方向の長さ
U2 コイルの長軸と垂直な方向の横幅
V1 第1象限
V2 第2象限
V3 第3象限
V4 第4象限
W1 永久磁石の磁極境界線に沿う方向の長さ
W2 永久磁石の磁極境界線と垂直な方向の横幅
Z1 ピボットガイドのガイド突起の軸線
Z2 第1レンズ枠と一体に形成したガイド突起の軸線
Z3 Z4 ガイドシャフトの軸線

Claims (14)

  1. 撮像光学系を構成し、物体側から順に、少なくとも一つの前方レンズと、上記前方レンズから出射された光束を異なる方向に反射する反射面を備えた反射素子とを有する前方レンズ群;
    上記撮像光学系を構成し、上記前方レンズ群よりも像面側に位置する少なくとも一つの後方レンズ群;
    を備え、上記撮像光学系に加わる振れに応じて上記前方レンズを動作させて像面上での像振れを抑制する撮像装置であって、
    上記前方レンズを保持する可動枠;
    少なくとも上記反射素子を保持し、上記前方レンズによる上記像振れ抑制を行わない基準状態の光軸に対して移動しない支持部材;
    上記支持部材に対して上記可動枠を、上記基準状態における上記前方レンズの光軸を上記反射素子の上記反射面の裏側まで延長した軸上の点を中心とする球心揺動可能に支持する支持機構;及び
    上記可動枠と上記支持部材の一方と他方に設けられて互いに係合する突起と突起挿入部からなり、上記支持部材に対する上記可動枠の上記球心揺動を許しつつ、上記支持部材に対して、上記基準状態及び上記球心揺動を行った状態の上記前方レンズの光軸を中心とする上記可動枠の回転を規制する回転規制手段;
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、
    上記突起は上記突起挿入部に対して、上記基準状態の上記前方レンズの光軸を含む第1の平面に沿って摺動可能であり、
    上記第1の平面に対して垂直で上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行な第2の平面内では、上記突起は上記突起挿入部に対して、該第2の平面上の支点を中心とする揺動と、上記基準状態の上記前方レンズの光軸に沿う方向への移動が可能であり、上記基準状態の上記前方レンズの光軸に垂直な方向の相対移動が規制される撮像装置。
  3. 請求項2記載の撮像装置において、上記第1の平面は上記基準状態の上記前方レンズの光軸と上記反射素子で反射された光束の光軸とを含む面である撮像装置。
  4. 請求項2または3記載の撮像装置において、上記突起挿入部は、上記第1の平面に関して対向し、上記第2の平面内で上記突起を挟む一対の保持部を有する撮像装置。
  5. 請求項4記載の撮像装置において、上記一対の保持部は上記第1の平面と平行な一対の対向面であり、上記突起は、上記一対の対向面に対して摺接可能な非平面の接触面を有している撮像装置。
  6. 請求項5記載の撮像装置において、上記突起挿入部は、上記一対の対向面の間隔よりも、該一対の対向面を接続する一対の端部の間隔の方が大きい長孔であり、該長孔の長手方向の延長上に上記球心揺動の中心が位置する撮像装置。
  7. 請求項4記載の撮像装置において、
    上記突起は、上記第1の平面に沿って軸線が延びるガイドシャフトであり、
    上記一対の保持部は上記ガイドシャフトの軸線方向の一部領域を挟む一対の対向凸部である撮像装置。
  8. 請求項7記載の撮像装置において、上記ガイドシャフトの軸線の延長上に上記球心揺動の中心が位置する撮像装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の撮像装置において、上記突起と上記突起挿入部は、上記球心揺動の中心を通り上記基準状態の上記前方レンズの光軸に対して垂直な平面内で接触する撮像装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の撮像装置において、
    上記可動枠に上記球心揺動を行わせる2つのアクチュエータを有し、
    上記2つのアクチュエータの外形中心を通り各アクチュエータの推力の作用方向を含む2つの推力作用平面は、それぞれが上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行であり、かつ上記球心揺動の中心で互いに交差しており、該交差位置を通り上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行な対称面に関して面対称であり、
    上記2つの推力作用平面に関する上記対称面上に上記突起と上記突起挿入部が位置する撮像装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の撮像装置において、
    上記可動枠に上記球心揺動を行わせる2つのアクチュエータを有し、
    上記2つのアクチュエータの外形中心を通り各アクチュエータの推力の作用方向を含む2つの推力作用平面は、それぞれが上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行であり、かつ上記球心揺動の中心で互いに交差しており、該交差位置を通り上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行な対称面に関して面対称であり、
    上記2つの推力作用平面に関する上記対称面に対して垂直な平面上に上記突起と上記突起挿入部が位置する撮像装置。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の撮像装置において、
    上記可動枠に上記球心揺動を行わせる2つのアクチュエータを有し、
    上記2つのアクチュエータの外形中心を通り各アクチュエータの推力の作用方向を含む2つの推力作用平面は、それぞれが上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行であり、かつ上記球心揺動の中心で互いに交差しており、該交差位置を通り上記基準状態の上記前方レンズの光軸と平行な対称面に関して面対称であり、
    上記2つの推力作用平面の一方の面内に上記突起と上記突起挿入部が位置する撮像装置。
  13. 請求項10ないし12のいずれか1項記載の撮像装置において、上記2つの推力作用平面は互いに直交する関係である撮像装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項記載の撮像装置において、上記可動枠が上記突起を有し、上記支持部材が上記突起挿入部を有している撮像装置。
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