JP2015178989A - 電量滴定方法及び電量滴定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、このような現状に鑑みなされたもので、ダイヤモンド電極を使わずに、安価で、ダイヤモンド電極を使用した場合と同等またはそれ以上の精度の高い測定が可能な電量滴定方法及び電量滴定装置を提供することを目的としている。
対極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極または白金電極を使用し、
電解液に配置した前記対極と前記作用極に電流を流すことによって、水の電解電圧より高い電解電圧を必要とする物質の滴定状態を測定することを特徴とする電量滴定方法である。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定方法である。
前記対極と前記作用極に電流を流す印加電圧が、前記作用極を基準として+0.3V〜+3.0Vの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定方法である。
前記作用極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極であり、
前記対極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極または白金電極であることを特徴とする電量滴定装置である。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電量滴定装置である。
前記対極と前記作用極に電流を流す印加電圧が、前記作用極を基準として+0.3V〜+3.0Vの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電量滴定装置である。
この実施の形態の電量滴定装置の構成を、図1乃至図3に基づいて説明する。図1は電量滴定装置の構成図、図2は検出部の構成図、図3は電量滴定装置の回路図である。この電量滴定装置1は、検出セル部10と測定電量部20を備え、検出セル部10を電解槽30に配置する。検出セル部10は、対極11と作用極12を有する。この対極11と作用極12は電解槽30に貯留される電解液中に挿入され、対極11と作用極12に電流を流すことによって、水の電解電圧より高い電解電圧を必要とする物質の滴定状態を測定する。電解槽30には、電解液として所定量のサンプル液が貯留され、循環ポンプ30aによってサンプル液を循環し、洗浄装置30bによってサンプル液に含まれるごみ等の異物を除去する。サンプル液としては、強酸性電解洗浄水、食品及び医療用器具の殺菌洗浄剤として使用される液などがある。
作用極12及び対極11の表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲であり、1/1500〜1/1000μmの範囲が好ましく、1/1300〜1/1200μmの範囲がより好ましい。ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲以下の場合には、測定精度を得ることができず、以上の場合にはその分コストが嵩む。
この電量滴定方法は、作用極12は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極を使用し、対極11は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極または白金電極を使用し、電解液に配置した対極11と作用極12に電流を流すことによって、水の電解電圧より高い電解電圧を必要とする物質の滴定状態を測定する。
金属を、その金属のイオンを含む溶液中に浸すと、金属と溶液との間に、電位差を生じる。
還元が起こる極=陰極
酸化が起こる極=陽極
一定電位の下で電解が進行し(電解電流が殆どゼロになるまで)、検出セル部のセルに直結した測定電量部の電量計の読みから、溶液中の被電解物質を定量する。
還元されうる物質が2つ以上共存する場合は、酸化還元電位の最も高いものが、先に還元される。また、酸化しうる物質の場合は、酸化還元電位の低いものが先に酸化される。
還元の場合、陽陰両極に外部から加えられる電圧Etotalは、セル中で、次のような電圧分布を示す。
Ea、Ec :ネルンストの式(Nernst equation) より与えられる陽極、陰極の平衡電位
εa、εc:過電圧
iR :溶液抵抗に基づく電圧降下
平衡電位が相当かけ離れた被還元性の2物質の電解における分離定量は、加電圧Etotalを適当に選択するだけで充分となるが、εa、εc、iRは電解の進行と共に減少する。2電極式定電位電解法は、この作用極に常に一定の加電圧を与え、測定液を常に一定量で流しながら電解し、作用極と対極間に流れる電流量を測定する。流れた電流量は測定対象物質の濃度に比例する。
以下に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を、電極として使用した電量滴定の例を示すが、当発明はこれに限定されるものではない。
強酸性電解水中の第二鉄イオンの測定:
強酸性電解洗浄水中に添加された第2鉄イオンの濃度測定において、作用極にダイヤモンドライクカーボン(DLC)電極を用い、対極に白金電極を用いた電量滴定装置において、作用極と対極の面積比を1:10として電流密度を一定とし、印加電圧を1〜1.4Vに設定し、電量滴定を行うことにより、第2鉄イオン濃度、0〜1000ppmの範囲において、ベース液となる電解酸性水の影響を受けることなく、良好な結果が得られた。図4の電量滴定用電極の濃度特性表に示す。
過酢酸濃度の測定:
食品及び医療用器具の殺菌洗浄剤として使用される過酢酸の濃度測定において、作用極及び対極にダイヤモンドライクカーボン(DLC)電極を用いた電量滴定装置において、作用極と対極の面積比を1:1として電流密度を一定とし、印加電圧を400〜600mVに設定し、電量滴定を行うことにより、過酢酸0〜3000ppmの範囲において、ベース液となる過酸化水素の影響を受けることなく、良好な直線関係が得られている。
実施例1と同様に、強酸性電解水中の第二鉄イオンの測定を行ったが、作用極と対極の面積比を1:15として電流密度を一定とし、印加電圧を1〜1.4Vに設定し、また、作用極と対極の面積比を0.5:10として電流密度を一定とし、印加電圧を1〜1.4Vに設定したところ、ベース液となる電解酸性水の影響を受け、濃度にバラツキがあった。
実施例2と同様に、過酢酸濃度の測定を行ったが、印加電圧を200mVに設定し、また印加電圧を4.0Vに設定したところ、ベース液となる電解酸性水の影響を受け、濃度にバラツキがあった。
10 検出セル部
11 対極
12 作用極
20 測定電量部
21 基準電源
22 演算増幅器
30 電解槽
30a 循環ポンプ
30b 洗浄装置
Claims (8)
- 作用極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極を使用し、
対極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極または白金電極を使用し、
電解液に配置した前記対極と前記作用極に電流を流すことによって、水の電解電圧より高い電解電圧を必要とする物質の滴定状態を測定することを特徴とする電量滴定方法。 - 前記作用極の表面積と前記対極の表面積との面積比が、1対1〜1対50の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定方法。
- 前記表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極は、
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定方法。 - 前記対極をカソード極とし、前記作用極をアノード極とし、
前記対極と前記作用極に電流を流す印加電圧が、前記作用極を基準として+0.3V〜+3.0Vの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定方法。 - 電解液に配置した対極と作用極に電流を流すことによって、水の電解電圧より高い電解電圧を必要とする物質の滴定状態を測定する電量滴定装置であり、
前記作用極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極であり、
前記対極は、表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極または白金電極であることを特徴とする電量滴定装置。 - 前記作用極の表面積と前記対極の表面積との面積比が、1対1〜1対50の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電量滴定装置。
- 前記表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)をコーティングした金属電極は、
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜厚が1/2000〜1/500μmの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電量滴定装置。 - 前記対極をカソード極とし、前記作用極をアノード極とし、
前記対極と前記作用極に電流を流す印加電圧が、前記作用極を基準として+0.3V〜+3.0Vの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電量滴定装置。
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