JP2015178232A - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】高いガスバリア性と高温高湿下や耐候試験後に層間の密着性を有するガスバリア性フィルムを提供する。【解決手段】ガスバリア性フィルムは、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、第1の無機化合物膜と、第2の無機化合物膜と、第3の無機化合物膜と、オーバーコート層とがこの順序で配置されている。第2の無機化合物膜は、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)であり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)であり、膜の端部のO/Al比が1.2以上1.8以下である(1.2≰x≰1.8)。なお、第2の無機化合物膜は、膜の端部のO/Al比が1.3であると、より好ましい。また、第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、金属珪素の酸化物(SiOx)であり、O/Si比が1.5である。【選択図】図1
Description
本発明は、ガスバリア性を有するフィルムに関する。
ガスバリア性フィルムは、ハードディスクや半導体モジュール等の精密電子部品類、太陽電池のバックシート、食品や医薬品等の包装分野、若しくは非包装分野で酸素及び水蒸気を遮断する必要がある部材の分野に広く用いられている。
精密電子部品類においては金属部分の腐食、絶縁不良等を防止するために包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。特に、食品包装においては蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが必要である。
精密電子部品類においては金属部分の腐食、絶縁不良等を防止するために包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。特に、食品包装においては蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが必要である。
そのため、従来から温度、湿度等に影響されないアルミニウム等の金属箔やアルミニウム蒸着フィルム若しくは、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)等の樹脂フィルムやこれらの樹脂をラミネート又はコーティングしたプラスチックフィルム等が好んで用いられてきた。
しかし、ガスバリア性樹脂フィルムやガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムは、温度依存性が大きく、高いガスバリア性を維持できない。更に、使用後PVDCやPAN等は廃棄、焼却の際に有害物質が発生する原因となる可能性を有していた。
しかし、ガスバリア性樹脂フィルムやガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムは、温度依存性が大きく、高いガスバリア性を維持できない。更に、使用後PVDCやPAN等は廃棄、焼却の際に有害物質が発生する原因となる可能性を有していた。
アルミニウム等の金属箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性には優れるが、レトルト耐性がなく、不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しいだけではなく、使用後の廃棄の際に不燃物として処理しなければならない点や金属探知機による異物検査や、電子レンジでの加熱処理ができない等の欠点を有していた。
前述の欠点を克服した包装用材料として、最近では酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の無機酸化物を透明な基材フィルム上に蒸着したガスバリア性フィルムが上市されている。これらのガスバリア性蒸着フィルムは金属蒸着フィルムほどではないが、酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られている(特許文献1参照)。
しかし、これらのガスバリア性フィルムは、前述の欠点を克服してはいるものの、高いガスバリア性、及び高温高湿下(85℃85%RH)や耐候試験後の層間の密着性(高い密着強度)を有していない。
前述の欠点を克服した包装用材料として、最近では酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の無機酸化物を透明な基材フィルム上に蒸着したガスバリア性フィルムが上市されている。これらのガスバリア性蒸着フィルムは金属蒸着フィルムほどではないが、酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られている(特許文献1参照)。
しかし、これらのガスバリア性フィルムは、前述の欠点を克服してはいるものの、高いガスバリア性、及び高温高湿下(85℃85%RH)や耐候試験後の層間の密着性(高い密着強度)を有していない。
本発明は、以上の問題を解決しようとするものであり、高いガスバリア性と高温高湿下や耐候試験後に層間の密着性を有するガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るガスバリア性フィルムは、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、第1の無機化合物膜と、第2の無機化合物膜と、第3の無機化合物膜と、オーバーコート層とがこの順序で配置されている。第2の無機化合物膜は、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)であり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)であり、膜の端部のO/Al比が1.2以上1.8以下である(1.2≦x≦1.8)。第2の無機化合物膜は、膜の端部のO/Al比が1.3であると、より好ましい。なお、第2の無機化合物膜は、膜の中心部から端部に近づくにつれてO/Al比が増加する。
第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、金属珪素の酸化物(SiOx)であり、O/Si比が1.5以上1.8以下である(1.5≦x≦1.8)。なお、O/Si比が1.5であると、より好ましい。
上記のアンカーコート層は、膜厚が1nm以上10,000nm以下である。上記の第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、膜厚が50nm以上150nm以下である。上記の第2の無機化合物膜は、膜厚が1nm以上4nm以下である。上記のオーバーコート層は、膜厚が5nm以上300nm以下である。
上記のアンカーコート層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、及び光硬化性樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。上記のオーバーコート層は、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有する。
上記のアンカーコート層は、膜厚が1nm以上10,000nm以下である。上記の第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、膜厚が50nm以上150nm以下である。上記の第2の無機化合物膜は、膜厚が1nm以上4nm以下である。上記のオーバーコート層は、膜厚が5nm以上300nm以下である。
上記のアンカーコート層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、及び光硬化性樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。上記のオーバーコート層は、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有する。
本発明の一態様によれば、ガスバリア性フィルムは、上記のような順序で各層を配置した積層構造とした。このとき、第2の無機化合物膜の端部のO/Al比が1.2未満では十分な層間密着性が得られず、1.8を超えると十分なバリア性能とを発揮できない場合があることを特定した。これらを回避すべく、第2の無機化合物膜の端部のO/Al比を1.2以上1.8以下の範囲内にした。これにより、高いガスバリア性と高温高湿下や耐候試験後に層間の密着性を有するガスバリア性フィルムを提供することができる。
<実施形態>
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るガスバリア性フィルム7は、高分子フィルム基材1の少なくとも一方の面に、アンカーコート層2と、第1の無機化合物膜3と、第2の無機化合物膜4と、第3の無機化合物膜5と、オーバーコート層6とがこの順序で配置されている。
高分子フィルム基材1は、特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系、(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)等の高分子のフィルム基材が挙げられるが、特に限定されない。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るガスバリア性フィルム7は、高分子フィルム基材1の少なくとも一方の面に、アンカーコート層2と、第1の無機化合物膜3と、第2の無機化合物膜4と、第3の無機化合物膜5と、オーバーコート層6とがこの順序で配置されている。
高分子フィルム基材1は、特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系、(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)等の高分子のフィルム基材が挙げられるが、特に限定されない。
高分子フィルム基材1として透明フィルムを用いることは、大量生産に適するため好ましい。また、高分子フィルム基材1の厚みに関しては、特に制限を受けるものではないが、ガスバリア性フィルム7を形成する蒸着加工等の加工性を考慮すると、実用的には6μm以上188μm以下の範囲が好ましい。
アンカーコート層2は、アンカーコート層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、及び光硬化性樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。例えば、溶剤性、又は無溶剤性、若しくは水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。層間密着性を向上させるためイソシアネート樹脂を導入した方が好ましい。
アンカーコート層2は、アンカーコート層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、及び光硬化性樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。例えば、溶剤性、又は無溶剤性、若しくは水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択される。層間密着性を向上させるためイソシアネート樹脂を導入した方が好ましい。
上記のアンカーコート層2の膜厚は、通常1nm以上10,000nm以下である。膜厚が10,000nmを超える場合、膜の内部応力により基材フィルム又はシートから剥離し易くなり、1nm未満になると、膜厚が均一にならない可能性がある。生産性の観点からは、50nm以上200nm以下であると好ましい。また、フィルムへの塗膜の接着性を向上させるため、塗工前に基材フィルムの表面に化学処理、放電処理等を施しても良い。アンカーコート層2のコーティング方式として、バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷、ホットメルト等が挙げられる。但し、実際には、特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV(紫外線)照射等熱をかける方法を1種類若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
第1の無機化合物膜3、第2の無機化合物膜4及び第3の無機化合物膜5は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。好ましくは真空蒸着法である。上記において、蒸着原料の加熱方式としては、電子ビーム方式、レーザービーム方式、高周波加熱方式、抵抗加熱方式等が用いられる。特に電子ビーム方式が、成膜速度や金属酸化物蒸着用材料への昇温降温が短時間で行える点で有効である。
第1の無機化合物膜3及び第3の無機化合物膜5に用いる蒸着用材料は、金属珪素、金属アルミニウム、金属チタン、金属スズ、金属亜鉛、金属インジウム、金属マグネシウムの群から一つ若しくは複数から選択される。選択された金属は、酸素ガスと反応させることで、酸化物を得ることができる。また、蒸着用材料に金属酸化物を使用することもできる。ここでは、蒸着用材料に金属珪素の酸化物(SiOx)を使用する。第1の無機化合物膜3及び第3の無機化合物膜5のO/Si比は、1.5以上1.8以下であると好ましい(1.5≦x≦1.8)。O/Si比が1.5より低い場合、バリア性は高いがスプラッシュの発生や透明性が損なわれるという問題がある。O/Si比が1.8を超えるとバリア性が低くなるという問題がある。ここでのO/Si比は膜全体の値を示す。
第1の無機化合物膜3及び第3の無機化合物膜5に用いる蒸着用材料は、金属珪素、金属アルミニウム、金属チタン、金属スズ、金属亜鉛、金属インジウム、金属マグネシウムの群から一つ若しくは複数から選択される。選択された金属は、酸素ガスと反応させることで、酸化物を得ることができる。また、蒸着用材料に金属酸化物を使用することもできる。ここでは、蒸着用材料に金属珪素の酸化物(SiOx)を使用する。第1の無機化合物膜3及び第3の無機化合物膜5のO/Si比は、1.5以上1.8以下であると好ましい(1.5≦x≦1.8)。O/Si比が1.5より低い場合、バリア性は高いがスプラッシュの発生や透明性が損なわれるという問題がある。O/Si比が1.8を超えるとバリア性が低くなるという問題がある。ここでのO/Si比は膜全体の値を示す。
第1の無機化合物膜3及び第3の無機化合物膜5の膜厚は、一般的には5nm以上300nm以下である。膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られない場合や、十分なバリア性能を発揮できない場合がある。また、膜厚が300nmを超える場合は、膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引張り等の外的要因により、膜に亀裂が生じる恐れがある。生産性の観点からは、50nm以上150nm以下であると好ましい。その範囲内で膜厚は適宜選択される。
第2の無機化合物膜4に用いる蒸着材料には、金属アルミニウムを使用する。この場合、蒸着材料の蒸気流に向けて外側から酸素ガスを流すことで、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)となり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)となり、膜の中心部から端部(周縁部)に近づくにつれてO/Al比を増加させることができる。第2の無機化合物膜4は、中心部から端部に向けて同心円状にO/Al比が傾斜していることで、密着性とバリア性を両立することができる。但し、膜の端部のO/Al比は1.2以上1.8以下であると好ましい(1.2≦x≦1.8)。O/Al比が1.2未満では十分な層間密着性が得られない場合がある。O/Al比が1.8を超えると十分なバリア性能とを発揮できない場合がある。
第2の無機化合物膜4に用いる蒸着材料には、金属アルミニウムを使用する。この場合、蒸着材料の蒸気流に向けて外側から酸素ガスを流すことで、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)となり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)となり、膜の中心部から端部(周縁部)に近づくにつれてO/Al比を増加させることができる。第2の無機化合物膜4は、中心部から端部に向けて同心円状にO/Al比が傾斜していることで、密着性とバリア性を両立することができる。但し、膜の端部のO/Al比は1.2以上1.8以下であると好ましい(1.2≦x≦1.8)。O/Al比が1.2未満では十分な層間密着性が得られない場合がある。O/Al比が1.8を超えると十分なバリア性能とを発揮できない場合がある。
第2の無機化合物膜4の膜厚は、1nm以上4nm以下が好ましい。膜厚が1nm未満では均一な膜が得られないことや、十分なバリア性能を発揮できない場合がある。また、4nmを超えると膜の透明性が損なわれる可能性がある。
オーバーコート層6は、硬く脆い第3の無機化合物膜5を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられる。オーバーコート層6は、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有した成分からなる。例えば、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有するコーティング液を無機化合物層5の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層6は、硬く脆い第3の無機化合物膜5を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられる。オーバーコート層6は、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有した成分からなる。例えば、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有するコーティング液を無機化合物層5の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層6の塗工方式としては、アンカーコート層2と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷等が挙げられる。但し、実際には、特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射等熱をかける方法を1種類若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)等を用いることができ、これらを単独若しくは複数組み合わせて用いても良い。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)等を用いることができ、これらを単独若しくは複数組み合わせて用いても良い。
アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等を用いることができる。また、アルコキシシランの加水分解生成物としては、メタノール等のアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸等の酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
また、無機化合物層5との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの等が挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、無機化合物層5との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの等が挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
層間密着力の測定には、図2に示すように、図1のガスバリア性フィルム7の両面に、接着剤層8を介してラミネート樹脂層9を設けたラミネートガスバリア性積層フィルム10を用いた。接着剤層8の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型接着剤を使用することができる。
接着剤層8の塗工方式としては、アンカーコート層2と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷等が挙げられる。但し、実際には、特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射等熱をかける方法を1種類若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。なお、接着剤層8を介してラミネート樹脂層9は、図1のガスバリア積層フィルム7の片面にのみ設けても良い。
ラミネート樹脂層9の材料としては、その用途に応じて選択され、例えば精密電子部品の包装袋として使用される場合には、袋を密閉するためにヒートシール性を有する樹脂層が好適に使用される。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂を使用することができる。
また、産業資材の部材として使用される場合には、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、真空断熱材、EL用基板、カラーフィルター等の用途特性に応じた樹脂フィルム層が使用される。例えば、ポリエチレンテレフタテート、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルローストリアセテート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、等高温高湿で長期間使用可能な樹脂を使用することができる。ラミネート樹脂層9の厚さは、一般的には10μm以上500μmの範囲内である。
ラミネート樹脂層9とガスバリア性フィルム7との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層8は省略することも可能である。
ラミネート樹脂層9とガスバリア性フィルム7との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層8は省略することも可能である。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るガスバリア性フィルムは、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、第1の無機化合物膜と、第2の無機化合物膜と、第3の無機化合物膜と、オーバーコート層とがこの順序で配置されている。第2の無機化合物膜は、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)であり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)であり、膜の端部のO/Al比が1.2以上1.8以下である(1.2≦x≦1.8)。第2の無機化合物膜は、膜の端部のO/Al比が1.3であると、より好ましい。なお、第2の無機化合物膜は、膜の中心部から端部に近づくにつれてO/Al比が増加する。第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、金属珪素の酸化物(SiOx)であり、O/Si比が1.5以上1.8以下である(1.5≦x≦1.8)。なお、O/Si比が1.5であると、より好ましい。
このように、金属アルミニウム(Al)が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)に完全に覆われていて、上下に金属珪素の酸化物(SiOx)がある場合、バリア性と密着性の両立が実現できる。
本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るガスバリア性フィルムは、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、第1の無機化合物膜と、第2の無機化合物膜と、第3の無機化合物膜と、オーバーコート層とがこの順序で配置されている。第2の無機化合物膜は、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)であり、その中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)であり、膜の端部のO/Al比が1.2以上1.8以下である(1.2≦x≦1.8)。第2の無機化合物膜は、膜の端部のO/Al比が1.3であると、より好ましい。なお、第2の無機化合物膜は、膜の中心部から端部に近づくにつれてO/Al比が増加する。第1の無機化合物膜及び第3の無機化合物膜はそれぞれ、金属珪素の酸化物(SiOx)であり、O/Si比が1.5以上1.8以下である(1.5≦x≦1.8)。なお、O/Si比が1.5であると、より好ましい。
このように、金属アルミニウム(Al)が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)に完全に覆われていて、上下に金属珪素の酸化物(SiOx)がある場合、バリア性と密着性の両立が実現できる。
まず、本発明の実施例1について具体的に説明する。
(実施例1)
[アンカーコート層の形成]
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/メチルメタクリレート(MMA)/ブチルメタクリレート(BMA)の割合がモル比で15/65/20になるようにブロック共重合させた(メタ)アクリル樹脂に、イソシアネート樹脂としてタケネートD−110N(三井化学社製)をNCO/OH比が1になるように調整した塗液をA4サイズ厚さ16μmのPET上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させ、0.2μmのウレタン膜を得た。得られた膜を60℃で2日間硬化させた。
(実施例1)
[アンカーコート層の形成]
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/メチルメタクリレート(MMA)/ブチルメタクリレート(BMA)の割合がモル比で15/65/20になるようにブロック共重合させた(メタ)アクリル樹脂に、イソシアネート樹脂としてタケネートD−110N(三井化学社製)をNCO/OH比が1になるように調整した塗液をA4サイズ厚さ16μmのPET上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させ、0.2μmのウレタン膜を得た。得られた膜を60℃で2日間硬化させた。
[無機化合物膜の積層工程]
蒸着材料の無機酸化物は金属珪素と二酸化珪素を用い、O/Si比が1.5になるように混合した。金属珪素は50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用し、二酸化珪素には結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用した。次に、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置により、電子銃から放出する電子ビームを蒸着用材料に照射し蒸発させ、アンカーコート層上に膜厚30nmの酸化珪素膜を形成した。次に、Alを蒸着材料とし、蒸着源と基板の外側に酸素ガスを流しAlを蒸発させ、膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比が1.3になるように、膜厚4nmの膜を形成した。更に、前記酸化珪素膜を30nm形成した。
蒸着材料の無機酸化物は金属珪素と二酸化珪素を用い、O/Si比が1.5になるように混合した。金属珪素は50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用し、二酸化珪素には結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用した。次に、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置により、電子銃から放出する電子ビームを蒸着用材料に照射し蒸発させ、アンカーコート層上に膜厚30nmの酸化珪素膜を形成した。次に、Alを蒸着材料とし、蒸着源と基板の外側に酸素ガスを流しAlを蒸発させ、膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比が1.3になるように、膜厚4nmの膜を形成した。更に、前記酸化珪素膜を30nm形成した。
[オーバーコート層の形成]
(1)テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した。
(2)けん化度99%、重合度2400のPVAの5%水溶液を調製した。
(3)上記(2)の溶液に上記(1)の溶液をSiO2/PVA=60/40となる割合で加え、オーバーコート層溶液とした。無機酸化物層上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させ、0.4μmのオーバーコート層を形成した。
(1)テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した。
(2)けん化度99%、重合度2400のPVAの5%水溶液を調製した。
(3)上記(2)の溶液に上記(1)の溶液をSiO2/PVA=60/40となる割合で加え、オーバーコート層溶液とした。無機酸化物層上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させ、0.4μmのオーバーコート層を形成した。
[ガスバリア性積層フィルムへのラミネート樹脂層積層工程]
オーバーコート層が積層されたガスバリア性積層フィルムの両面に、5g/m2のポリウレタン系接着剤を介して厚さ50μmの耐加水分解PET(東レ社製、X10S)をドライラミネート法により積層し、ラミネートガスバリア性積層フィルムを得た。
オーバーコート層が積層されたガスバリア性積層フィルムの両面に、5g/m2のポリウレタン系接着剤を介して厚さ50μmの耐加水分解PET(東レ社製、X10S)をドライラミネート法により積層し、ラミネートガスバリア性積層フィルムを得た。
次に、本発明の実施例2、3及び比較例1、2について、本発明の実施例1と対比して説明する。
(実施例2)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.1とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例3)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.5とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例2)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.1とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例3)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.5とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例1)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を0とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.9とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性フィルムについて、以下の方法で水蒸気透過率、層間密着力、光透過率を評価した。
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を0とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
膜の端部の酸化アルミニウム膜のO/Al比を1.9とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性フィルムについて、以下の方法で水蒸気透過率、層間密着力、光透過率を評価した。
[O/Al比評価]
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムを中心部から端部まで20mm間隔で10mm×10mmの面積にカットし、これらのガスバリア性フィルムについて、XPS(JEOL社製「JPS−90MXV」)にて、OとAlのピーク強度からO/Al比を求めた。次の表1は、求められたO/Al比を示している。
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムを中心部から端部まで20mm間隔で10mm×10mmの面積にカットし、これらのガスバリア性フィルムについて、XPS(JEOL社製「JPS−90MXV」)にて、OとAlのピーク強度からO/Al比を求めた。次の表1は、求められたO/Al比を示している。
表1において、実施例1〜3及び比較例1〜2のO/Al比に違いが生じるのは、酸素ガスの流量によって酸化の度合いが変わるためである。流量が少ない場合、蒸着源外周の蒸気Alと酸素が反応するが、流量が多い場合、全体の蒸気Alと酸素が反応するため、膜中心も酸化される。
[水蒸気バリア性評価]
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムの水蒸気バリア性を、水蒸気透過度測定装置「MOCON PERMATRAN 3/21」(モダンコントロール社製)を用いて40℃90%RHの雰囲気で測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムの水蒸気バリア性を、水蒸気透過度測定装置「MOCON PERMATRAN 3/21」(モダンコントロール社製)を用いて40℃90%RHの雰囲気で測定した。
[層間密着力評価]
層間密着力の測定は、図2に示すラミネートガスバリア性積層フィルム10をダンプヒート:85℃85%RH下で1000時間処理と促進耐候性試験機(キセノンウェザーオメーター)で500時間処理した後の層間密着力を評価した。試験片を10mm巾の短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、引っ張り試験機(インストロン社製)により、300mm/min.の速度でT型剥離を行い、層間密着力が1N以上を「○」とし、1N未満を「×」とした。
層間密着力の測定は、図2に示すラミネートガスバリア性積層フィルム10をダンプヒート:85℃85%RH下で1000時間処理と促進耐候性試験機(キセノンウェザーオメーター)で500時間処理した後の層間密着力を評価した。試験片を10mm巾の短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、引っ張り試験機(インストロン社製)により、300mm/min.の速度でT型剥離を行い、層間密着力が1N以上を「○」とし、1N未満を「×」とした。
表1に示す傾斜のかかっているO/Al比は、層間密着性と関係している。AlOxとSiOxの密着性はO/Al比が0の場合、すなわち金属Alは水蒸気透過度が低いという利点があるが、金属と酸化物は密着性が悪いため、層間密着性は「×」となる。O/Al比が1.1、1.3、1.5の場合、SiOxと密着性があり、水蒸気透過度も低くなるため、密着性とバリア性が両立する。1.8を超えると密着性はあるが水蒸気透過度が高くなるという問題がある。枚葉のバリアフィルムを考えた場合、密着性は膜の外側だけあれば十分であり、内部はバリア性を高くするため、O/Al比を低くすると好ましい。
[光透過率評価]
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムを幅20mm×長さ30mmの面積にカットし、これらのガスバリア性フィルムについて、分光光度計(SHIMADZU UV−2450)にて波長350nmにおける透過率を測定した。ここでは、80%以上を「○」とし、80%未満を「×」とした。
次の表2は、上記の各評価における測定結果を示している。
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性蒸着フィルムを幅20mm×長さ30mmの面積にカットし、これらのガスバリア性フィルムについて、分光光度計(SHIMADZU UV−2450)にて波長350nmにおける透過率を測定した。ここでは、80%以上を「○」とし、80%未満を「×」とした。
次の表2は、上記の各評価における測定結果を示している。
[評価]
表2のように、比較例1ではO/Al比が0で、水蒸気透過度、光透過率は優れていたものの、層間密着性は「×」となった。また比較例2ではO/Al比が1.9で、層間密着性と光透過率は優れていたが、水蒸気透過度が高い値となった。一方、実施例1〜3では水蒸気透過度、層間密着性、光透過率で優れた結果を示した。
表2のように、比較例1ではO/Al比が0で、水蒸気透過度、光透過率は優れていたものの、層間密着性は「×」となった。また比較例2ではO/Al比が1.9で、層間密着性と光透過率は優れていたが、水蒸気透過度が高い値となった。一方、実施例1〜3では水蒸気透過度、層間密着性、光透過率で優れた結果を示した。
本発明は、水蒸気等の種々のガスに対する高ガスバリア性と高温高湿下、耐候性における層間密着性を有し、バリア・封止が求められる分野に幅広く適応できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のように記載することも可能である。但し、実際には、以下の記載例に限定されない。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のように記載することも可能である。但し、実際には、以下の記載例に限定されない。
1…高分子フィルム基材、2…アンカーコート層、3…無機化合物膜、4…無機化合物膜、5…無機化合物膜、6…オーバーコート層、7…ガスバリア性フィルム、8…接着剤層、9…ラミネート樹脂層、10…ラミネートガスバリア性積層フィルム
Claims (6)
- 基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、第1の無機化合物膜と、第2の無機化合物膜と、第3の無機化合物膜と、オーバーコート層とがこの順序で配置され、
前記第2の無機化合物膜は、膜の中心部が金属アルミニウム(Al)であり、該中心部の周囲が金属アルミニウムの酸化物(AlOx)であり、膜の端部のO/Al比が1.2以上1.8以下であることを特徴とするガスバリア性フィルム。 - 前記第2の無機化合物膜は、膜の端部のO/Al比が1.3であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記第2の無機化合物膜は、膜の中心部から端部に近づくにつれてO/Al比が増加することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記第1の無機化合物膜及び前記第3の無機化合物膜はそれぞれ、金属珪素の酸化物(SiOx)であり、O/Si比が1.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記アンカーコート層は、膜厚が1nm以上10,000nm以下であり、
前記第1の無機化合物膜及び前記第3の無機化合物膜はそれぞれ、膜厚が50nm以上150nm以下であり、
前記第2の無機化合物膜は、膜厚が1nm以上4nm以下であり、
前記オーバーコート層は、膜厚が5nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。 - 前記アンカーコート層は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、及び光硬化性樹脂のうちの一つ若しくは複数から選択され、
前記オーバーコート層は、水溶性高分子とアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
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