JP2015175719A - 輪列機構、ムーブメント及び時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペース化を図った上で、第1歯車体に噛み合う他の歯車体において慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制できる輪列機構、ムーブメント及び時計を提案する。【解決手段】輪列のうち、三番車42に着脱可能に係合される固定筒71、及び三番車42に巻回されるとともに、内周端部が固定筒71に固定される一方、外周端部が制動枠72に摺接可能とされたひげぜんまい73を有する制動ユニット70を備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、輪列機構、ムーブメント及び時計に関する。
動力源から動力が伝達され、互いに噛み合って回転する歯車間には、回転方向に意図して設けられた隙間である、いわゆる「バックラッシュ」が設定されている。そして、バックラッシュによって、噛み合う歯車の歯面間の摩擦が適度に抑えられるため、歯車が回転するようになっている。
このようにバックラッシュは、歯車同士を回転させるために必要不可欠なものであるが、バックラッシュとして設定された隙間に起因して、歯車同士が隙間の範囲を意図せずに回転してしまう、いわゆる「がたつき」を生じさせてしまうことがある。
この「がたつき」によって、例えば、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針が、意図せずに時計方向又は反時計方向に回転してしまういわゆる「ふらつき」という現象が生じてしまう。
具体的に説明すると、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針と四番車が一体化することにより、歯車全体の慣性モーメントが増加する。この増加した慣性モーメントによって、四番車は、動力源からの動力の伝達が停止(例えば、アナログクォーツ式時計におけるロータの回転の停止)された後でも、バックラッシュとして設定された隙間を時計方向又は反時計方向へ回転させられてしまう。この現象が「ふらつき」である。
このふらつきは、四番車の慣性モーメントが小さい場合(例えば、比較的小さく、軽い秒針が取り付けられた場合等)には発生しないこともあるが、例えば、大きく、重い秒針が四番車に取り付けられる等して、慣性モーメントが大きくなると、発生する頻度も増加することが知られている。
近年、市場要求等からデザインの多様性が求められており、これを実現するために、ムーブメントに、より大きく、重い指針を搭載することが求められている。
より大きく、重い指針を搭載することによって、四番車に作用する慣性モーメントがさらに増加すると、四番車は、バックラッシュとして設定された隙間の分だけ回転した後もさらに回転を続ける。さらに、四番車は、後続する輪列(例えば、五番車等)の歯先に衝突して、この輪列を回転させた後に、衝突によって輪列から受ける反力(反作用)により、反対方向へ回転して、停止することもある。このようにバックラッシュとして設定された隙間と輪列に衝突して反対方向に回転する範囲を、四番車が時計方向又は反時計方向へ回転させられることによって「ふらつき」が大きくなってしまう。
さらに、より大きく、重い指針を搭載することによって回転する四番車に大きな慣性モーメントが作用すると、バックラッシュとして設定された隙間の範囲で、この四番車が不作為に停止するため、四番車の停止位置が安定せず、秒針の指示のムラが大きくなり、運針ムラにつながってしまう。
そこで、例えば下記特許文献1には、指針歯車の側面を指針抑制ばねにより径方向に押さえ付けることで、指針歯車に対して制動力(摺動抵抗)を付与し、指針のふらつきや、運針ムラ等を抑制する構成が開示されている。
特開2006−242793号公報
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、指針歯車を押さえ付けることで、指針歯車に制動力を付与する構成であるため、指針歯車の軸部等が摩耗し易いという課題がある。
また、指針抑制ばねの付勢力のばらつきによる影響で、付勢力が大きいと動力源への負荷が大きくなり、付勢力が小さいと指針のふらつき等を十分に抑制できない。
そこで、指針歯車を含む減速輪列において、指針歯車の後段に指針歯車に噛み合うとともに、指針歯車に対して回転方向とは逆方向の負荷トルク(制動力)を与える制動歯車機構を設けることも考えられる。
しかしながら、指針歯車の後段に制動歯車機構を別体で設ける関係で、そのためのスペースを確保する必要がある等、省スペース化を実現することが難しい。
本発明は、省スペース化を図った上で、第1歯車体に噛み合う他の歯車体の慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制できる輪列機構、ムーブメント及び時計を提案することを目的とする。
上記の課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明の輪列機構は、動力源の回転力を伝達する複数の歯車体を有する輪列に含まれる第1歯車体と、前記第1歯車体に着脱可能に係合される係合部材、及び前記第1歯車体に巻回されるとともに、内周端部が前記係合部材に固定される一方、外周端部が支持体に摺接可能とされた弾性部材を有する制動ユニットと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、動力源から回転力により例えば減速輪列が回転すると、制動ユニットの係合部材及び係合部材に固定された弾性部材が第1歯車体と共回りする。これにより、弾性部材が収縮するとともに、その復元力によって第1歯車体が回転方向とは逆向きに付勢される。すなわち、第1歯車体に対して回転方向とは逆向きの負荷トルク(制動力)が付与される。これにより、第1歯車体が、第1歯車体に噛み合う他の歯車体との間に設定されたバックラッシュを詰めながら回転することになる。その結果、第1歯車体に付与された制動力が他の歯車体に伝達され、他の歯車体において慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制できる。
特に、本発明の構成によれば、制動ユニットを第1歯車体に対して着脱可能に設けることで、他の歯車体に制動力を付与するために従来のように制動歯車機構を別途設ける必要がない。したがって、省スペース化を図った上で、ふらつきや運針ムラ等を抑制できる。
しかも、弾性部材が第1歯車体に巻回されるため、制動ユニットの大型化を抑制できる。
また、弾性部材が係合部材を介して第1歯車体に係合される構成であるため、第1歯車体の車軸の摩耗等による劣化を抑制できる。
なお、第1歯車体の回転時において、弾性部材が第1歯車体とともに回転すると、弾性部材の外周端部は、支持体の内周面を摺動する。このとき、弾性部材の復元力が、弾性部材の外側端部と支持体との間の摩擦力に比べて小さい場合には、第1歯車体の回転に伴い弾性部材が収縮する。一方、弾性部材の復元力が、弾性部材の外側端部と支持体との間の摩擦力に比べて大きい場合には、弾性部材が支持体の内周面上を摺動しながら復元する。これにより、常時安定した制動力を第1歯車体に対して付与することができる。その結果、運針ムラ等を抑制した上で、動力源への負荷を抑えることができる。
また、前記第1歯車体は、車軸と、前記車軸に配設された歯車部及びかな部と、を有し、前記係合部材は、前記かな部に外挿されるとともに、前記かな部に係合される係合突起を備えていてもよい。
この構成によれば、既存の部材(かな部)を用いて係合部材を第1歯車体に取り付けることができる。これにより、制動ユニットの追加に伴う構成の複雑化を抑制できる。
また、前記第1歯車体は、車軸と、前記車軸に配設された歯車部及びかな部と、を有し、前記係合部材は、前記第1歯車体の軸心方向に向けて突出する係合突起を備え、前記歯車部には、前記係合突起を収容する収容孔が形成されていてもよい。
この構成によれば、係合部材における係合突起の延在方向が第1歯車体の軸方向に一致するので、組付性を向上させることができる。
また、前記第1歯車体は、分針が取り付けられる二番車、及び秒針が取り付けられる四番車間に配置された三番車であってもよい。
この構成によれば、慣性モーメントが比較的大きい秒針が取り付けられる四番車に対して、後段に位置する三番車に制動ユニットを取り付けることで、上述した作用効果がより奏功される。
また、前記制動ユニットは、前記三番車の車軸のうち、軸心方向に沿う前記二番車の歯車部と前記三番車の歯車部との間に取り付けられていてもよい。
この構成によれば、三番車の車軸のうち、二番車の歯車部と三番車の歯車部との間に位置する部分に制動ユニットが取り付けられるため、既存のスペースを有効利用して制動ユニットを取り付けることができる。これにより、制動ユニットの追加に伴う軸方向への大型化を抑制できる。
また、前記二番車と前記四番車との間に介挿されて、前記二番車と前記四番車の共回りを規制する中心パイプが二番受を介して地板に連結され、前記支持体は、前記二番受に保持されていてもよい。
この構成によれば、制動ユニットの支持体を既存の二番受に固定することで、部品点数の増加や構成の複雑化を抑制できる。
本発明のムーブメントは、上記本発明の輪列機構と、前記輪列機構に回転力を付与する動力源と、を備えることを特徴とする。
本発明の時計は、本発明のムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、運針ムラ等が抑制された高品質で、小型の時計及びムーブメントを提供できる。
本発明によれば、省スペース化を図った上で、ふらつきや運針ムラ等を抑制できる。
実施形態に係る時計を示す外観図である。 ムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントの部分断面図である。 第1実施形態に係る輪列機構を表側から見た斜視図である。 第1実施形態に係る輪列機構を表側から見た分解斜視図であって、(a)は三番車と制動ユニットを分離した状態、(b)は制動ユニットを分解した状態を示す。 第1実施形態に係る輪列機構を裏側から見た分解斜視図である。 第2実施形態に係る輪列機構を表側から見た斜視図である。 第2実施形態に係る輪列機構を表側から見た分解斜視図である。 第2実施形態の他の構成に係る輪列機構を表側から見た斜視図である。 第2実施形態の他の構成に係る輪列機構を表側から見た分解斜視図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、アナログクォーツ式の時計を一例として説明する。
<第1実施形態>〔時計〕
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。
時計の基盤を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、本発明の実施形態に係る時計1を示す外観図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)及びガラス2からなる時計ケース3の内部に、ムーブメント10、文字板11及び指針12〜14を備える。
文字板11は、少なくとも時に関する情報を示す目盛り等を有する。指針12〜14は、時を示す時針12、分を示す分針13及び秒を示す秒針14を含む。
〔時計用ムーブメント、輪列機構〕
図2はムーブメント10を表側から見た平面図であり、図3はムーブメント10の部分断面図である。
図2、図3に示すように、ムーブメント10は、地板20及び輪列受29(図3参照)を備える。地板20は、ムーブメント10の基盤を構成する。
地板20の裏側には、上述した文字板11がガラス2を通じて視認可能に配置される。
図2に示すように、地板20の表側には、電池21や、水晶ユニット22、回路基板25、ステップモータ(動力源)35、輪列機構23等が配設される。
水晶ユニット22は、内部に所定の周波数で発振する図示しない水晶振動子を有し、そのリード部22aが地板20の表側に形成された回路基板25に接続される。
回路基板25は、プラスパターンが図示しない電池プラス端子を介して上述した電池21のプラス極に導通され、マイナスパターンが図示しない電池マイナス端子を介して電池21のマイナス極に導通される。
回路基板25には、集積回路26が実装される。この集積回路26は、例えばC−MOS、またはPLAで構成され、水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発振部(オシレータ)と、この発振部の出力信号を分周する分周部(デバイダ)と、分周部の出力信号に基づいてステップモータ35を駆動するモータ駆動信号を出力する駆動部(ドライバ)と、を内部に有する。
ステップモータ35は、磁心に巻いたコイルワイヤを含むコイルブロック30と、このコイルブロック30の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ31と、このステータ31のロータ穴31aに配置されたロータ32と、が配置される。
ロータ32は、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持されている。すなわち、ロータ32の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支され、ロータ32の下軸部が地板20の軸受部に軸支される。
図4は、輪列機構23を表側から見た斜視図である。
図2〜図4に示すように、輪列機構23は、五番車40や、四番車(他の歯車体)41、三番車(第1歯車体)42、二番車43、日の裏車55、筒車44等の複数の歯車体と、三番車42に着脱可能に設けられた制動ユニット70と、を備える。なお、以下の説明では、四番車41(車軸60)及び三番車42(車軸65)の軸心O1,O2の延在方向を軸方向とし、軸方向に沿う輪列受29側(表側)を上方、地板20側(裏側)を下方という場合がある。また、本実施形態において、上述した各歯車体が減速輪列(輪列)を構成する。
図3、図4に示すように、五番車40は、五番歯車40a及び五番上かな40bを有し、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持される。すなわち、五番車40の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支され、五番車40の下軸部が地板20の軸受部に軸支される。五番歯車40aは、ロータ32のロータかな32dに噛み合う。これにより、五番車40はロータ32の回転に伴って回転する。
四番車41は、五番車40と三番車42との間に配置され、車軸60と、車軸60に形成された四番下かな61と、車軸60に固定された四番歯車62を有する。
車軸60は、地板20及び輪列受29に対して軸心O1回りに回転可能に支持される。
車軸60は、四番下かな61が二番車43の上方開口端よりも上方に位置した状態で、中心パイプ51内に回転可能に挿通される。中心パイプ51は、軸心O1と同軸状に延びるとともに、地板20の上面に固定された二番受50に保持される。なお、二番受50は、地板20及び輪列受29との間で、軸方向に直交する面内方向に延びる平板状とされ、軸心O1と重なる部分に中心パイプ51の上端部が圧入される圧入孔50aが形成される。
そして、車軸60の下端部60bは、中心パイプ51よりも下方に突出し、この突出した部分に秒針14が取り付けられる。一方、車軸60の上軸部60aは、輪列受29に配設されたほぞ枠63に軸支される。
四番下かな61は、車軸60のうち、上述した中心パイプ51よりも上方に配置され、三番車42の三番歯車66に噛み合う。
四番歯車62は、四番下かな61の上方に位置し、車軸60に対して例えば打ち込み等によって固定される。四番歯車62は、五番車40の五番上かな40bに噛み合う。これにより、四番車41は、五番車40の回転に伴って回転する。
三番車42は、地板20及び輪列受29に回転可能に支持された車軸65と、車軸65に形成された三番下かな(かな部)67と、車軸65に固定された上述した三番歯車(歯車部)66と、を有する。
車軸65は、下端部が上述した二番受50に形成された収容孔50bを貫通するとともに、その下軸部が地板20の軸受部に保持される。
三番歯車66は、四番車41の四番下かな61に噛み合う。これにより、三番車42は四番車41の回転に伴って回転する。
二番車43は、四番車41の軸心O1と同軸に配置されるとともに、上述した中心パイプ51に回転可能に外挿される。すなわち、上述した四番車41と二番車43とは、中心パイプ51を間に挟んで配置され、四番車41と二番車43との共回りが規制される。
二番車43は、三番車42の三番下かな67に噛み合う二番歯車43aを有する。これにより、二番車43は、三番車42の回転に伴って回転する。
二番車43は、下端部に分針13が取り付けられるとともに、1時間に1回転するように構成される。なお、分針13は、四番車41に取り付けられる秒針14よりも文字板11側に位置する。
筒車44は、四番車41の軸心O1と同軸に配置されて、二番車43に回転可能に外挿される。筒車44は、日の裏車55(図2参照)等を介して二番車43に噛み合う筒歯車44aを有する。これにより、筒車44は、日の裏車55に基づいて回転する。
筒車44は、下端部に時針12が取付けられるとともに、12時間に1回転するように構成される。なお、時針12は、分針13よりも文字板11側に位置する。
なお、図1、図2に示すように、地板20に形成された図示しない巻真案内穴には、巻真24が回転可能に支持される。巻真24は、分針13及び時針12を回転させて、時刻表示(時及び分の表示)を修正する時刻合わせに用いられる。巻真24の先端部には、時計ケース3の側方に位置する竜頭53が取付けられる。巻真24は、その延在方向に段階的に引出操作可能とされ、図示しないおしどりや、かんぬき、かんぬきばね等の切替装置により、延在方向の位置が決められる。
日の裏車55は、巻真24を引き出した状態で回転させたときに、図示しないつづみ車等を介して回転する。そして、日の裏車55が回転することにより、二番車43及び筒車44が回転するように構成される。これにより、時刻合わせが可能である。
〔制動ユニット〕
図5は、輪列機構23を表側から見た分解斜視図であって、(a)は三番車42と制動ユニット70を分離した状態、(b)は制動ユニット70を分解した状態を示す。図6は、輪列機構23を裏側から見た分解斜視図である。
図3、図5、図6に示すように、制動ユニット70は、軸方向において二番歯車43aと三番歯車66との間で軸心O2と同軸状に配置されるとともに、三番車42に対して着脱可能に装着される。具体的に、制動ユニット70は、三番車42の車軸65に外挿された固定筒(係合部材)71と、固定筒71を囲繞するとともに、上述した二番受50に保持された制動枠(支持体)72と、固定筒71及び制動枠72間に保持されたひげぜんまい(弾性部材)73と、を備える。
固定筒71は、車軸65のうち、三番下かな67が形成された部分に外挿される。固定筒71には、径方向の内側に向けて突出する複数の係合突起74が形成される。これら係合突起74は、固定筒71のうち、径方向で対向する部分に一対で形成され、上述した三番下かな67にそれぞれ噛合する。これにより、固定筒71が三番車42と共回りするようになっている。また、固定筒71の下端部には、径方向の外側に向けて外フランジ部75(図3参照)が突設される。
制動枠72は、軸心O2と同軸状に配置された円筒状とされ、上述した二番受50の収容孔50b内に圧入等により固定される。制動枠72の下端部には、径方向の内側に向けて内フランジ部77が突設される。そして、上述した固定筒71及び制動枠72間には、両者間の隙間を閉塞するリング状のぜんまい受板78(図3参照)が、固定筒71の外フランジ部75と、制動枠72の内フランジ部77と、の間を架け渡すように配設される。また、制動枠72の上端部には、ひげぜんまい73の上方への抜け止めを行う突起部79が周方向に間隔をあけて突設される。
ひげぜんまい73は、軸方向に直交する平面内で渦巻き状に巻回された平ひげであって、制動枠72内に上方から収容される。具体的に、ひげぜんまい73は、その内周端部が固定筒71の外周面に固定されるとともに、固定筒71(車軸65)に巻回される。一方、ひげぜんまい73の外周端部は、制動枠72の内周面に摺動可能に接触する。ひげぜんまい73は、ぜんまい受板78及び制動枠72の突起部79により、制動枠72からの脱落が防止される。なお、ひげぜんまい73は、三番車42の回転方向とは逆向きに巻回される。すなわち、ひげぜんまい73は、三番車42の回転に伴い、三番車42の回転方向とは逆向きの付勢力が付与される。
次に、三番車42を制動ユニット70に取り付ける方法について説明する。
まず、上述した制動ユニット70は、三番車42の地板20への組み付けに先立って、固定筒71及びひげぜんまい73が制動枠72内に収容された状態で二番受50に組み付けられる。すなわち、制動ユニット70の制動枠72が、二番受50の収容孔50b内に圧入される。
その後、三番車42を制動ユニット70に組み付ける。具体的に、三番下かな67を下方に向けた状態で、制動ユニット70の固定筒71内に車軸65を挿入する。このとき、三番下かな67が、固定筒71の係合突起74に噛み合うように三番車42の周方向位置を調整しながら、車軸65を固定筒71内に挿入する。これにより、三番車42に対する固定筒71の相対回転が規制された状態で、制動ユニット70に三番車42が取り付けられる。その後、三番車42をさらに下方に押し込み、三番下かな67を二番歯車43aに噛合させるとともに、車軸65を地板20の軸受部に保持させる。これにより、三番車42の地板20への組み付けが完了する。
そして、三番車42の組み付け後、四番車41等の各歯車体を地板20に組み付けるとともに、各歯車体の上軸部(例えば、四番車41の上軸部60a)と、輪列受29の軸受部(例えば、ほぞ枠63)と、を位置合わせした状態で、地板20に対して輪列受29を下降させる。すると、各歯車体の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支されるとともに、輪列受29の下面が地板20の上面に突き当たる。これにより、地板20に輪列受29が組み付けられる。
〔作用〕
次に、上述のように構成された時計1の作用について説明する。
まず、図2に示すように、ムーブメント10において、水晶ユニット22における水晶振動子が所定周波数で発振すると、この水晶振動子の振動に基づいて、集積回路26に内蔵されている発振部が基準信号を出力するとともに、分周部が発振部からの出力信号を分周する。すると、駆動部が分周部の出力信号に基づいて、ステップモータ35を駆動するモータ駆動信号を出力する。コイルブロック30にこのモータ駆動信号が入力されると、ステータ31が磁化してロータ32を回転させる。このとき、ロータ32は、例えば1秒ごとに180度回転しながら、連続的に回転を継続する。
そして、図3に示すように、このロータ32の回転力は五番車40を介して四番車41に伝達され、四番車41が1分間に1回転する。これにより、秒針14を1分間に1回転させることができる。また、四番車41に伝達された回転力は、三番車42、二番車43及び筒車44に伝達され、これら各歯車体が回転する。このとき、二番車43が1時間に1回転し、筒車44が12時間に1回転する。これにより、分針13を1時間に1回転させ、時針12を12時間に1回転させることができる。
ここで、制動ユニット70の作用について説明する。
四番車41の回転に伴って三番車42が回転すると、制動ユニット70の固定筒71及びひげぜんまい73が三番車42と共回りする。これにより、ひげぜんまい73が収縮するとともに、その復元力によって三番車42が回転方向とは逆向きに付勢される。すなわち、三番車42に対して回転方向とは逆向きの負荷トルク(制動力)が付与されるため、三番車42は四番車41に比べて回転し難くなる。これにより、三番車42が、四番車41との間(三番歯車66と四番下かな61との間)に設定されたバックラッシュを詰めながら回転することになる。その結果、第1歯車体に付与された制動力が、三番歯車66を介して四番下かな61に伝達されることで、四番車41(及び秒針14)の慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制できる。
なお、三番車42の回転時において、ひげぜんまい73が三番車42とともに回転すると、ひげぜんまい73の外周端部は、制動枠72の内周面を摺動する。このとき、ひげぜんまい73の復元力が、ひげぜんまい73の外側端部と制動枠72との間の摩擦力に比べて小さい場合には、三番車42の回転に伴いひげぜんまい73が収縮する。一方、ひげぜんまい73の復元力が、ひげぜんまい73の外側端部と制動枠72との間の摩擦力に比べて大きい場合には、ひげぜんまい73が制動枠72の内周面上を摺動しながら復元する。これにより、常時安定した制動力を三番車42に対して付与することができる。その結果、運針ムラ等を抑制した上で、ステップモータ35への負荷を抑えて省電力化を図ることができる。
したがって、本実施形態によれば、制動ユニット70を三番車42に対して着脱可能に設けることで、四番車41に制動力を付与するために従来のように制動歯車機構を別途設ける必要がない。したがって、省スペース化を図った上で、ふらつきや運針ムラ等を抑制できる。
しかも、本実施形態では、ひげぜんまい73が車軸65と同軸状に配置されるとともに、車軸65(三番下かな67)に巻回されるため、制動ユニット70の大型化を抑制できる。
また、ひげぜんまい73が固定筒71を介して車軸65に固定される構成であるため、車軸65の摩耗等による劣化を抑制できる。
また、慣性モーメントが比較的大きい秒針14が取り付けられる四番車41に対して、後段に位置する三番車42に制動ユニット70を取り付けることで、上述した作用効果がより奏功される。
さらに、本実施形態では、三番車42の車軸65のうち、二番歯車43aと三番歯車66との間に位置する部分に制動ユニット70が取り付けられるため、既存のスペースを有効利用して制動ユニット70を取り付けることができる。これにより、制動ユニット70の追加に伴う軸方向への大型化を抑制できる。
また、固定筒71を三番下かな67に係合させることで、既存の部材を用いて固定筒71を三番車42に取り付けることができる。これにより、制動ユニット70の追加に伴う構成の複雑化を抑制できる。
さらに、制動ユニット70の制動枠72を既存の二番受50に固定することで、部品点数の増加や構成の複雑化を抑制できる。
そして、本実施形態の時計1及びムーブメント10によれば、運針ムラ等が抑制された高品質で、小型の時計1及びムーブメント10を提供できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7は第2実施形態に係る輪列機構123を表側から見た斜視図であり、図8は輪列機構123を表側から見た分解斜視図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7、図8に示すように、本実施形態の輪列機構123(制動ユニット170)において、固定筒171には上方に向けて突出する複数の係合突起174が形成される。これら係合突起174は、円柱状とされ、固定筒171のうち、径方向で対向する部分に一対で形成される。係合突起174は、三番歯車66に形成された収容孔101内に各別に収容される。これにより、固定筒171が三番車42に取り付けられる。
この構成によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、固定筒171における係合突起174の延在方向が三番車42の組付方向(軸方向)に一致するので、組付性を向上させることができる。
なお、係合突起174の形状や数は、適宜設計変更が可能である。例えば、図9、図10に示すように、周方向を長軸方向とする平面視で長円形状の係合突起174を3つ設ける構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、秒針14が取り付けられる四番車41に対して後段に位置する三番車42に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らない。クロノグラフ秒が取り付けられる歯車体等、各種歯車体の後段に位置する歯車体に本発明を適用することが可能である。
また、本発明の実施形態においては、減速輪列としての輪列機構23に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されず、例えば、増速輪列に適用するようにしてもよい。
上述した各実施形態では、アナログクォーツ式の時計に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、機械式時計に本発明を適用しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、ひげぜんまい73を摺動可能に支持する支持体として、制動枠72を用いる構成について説明したが、これに限られない。例えば、二番受50や地板20を支持体とし、これら二番受50や地板20にひげぜんまい73の外周端部を直接支持させてもよく、また制動枠72を二番受50以外の箇所に固定しても構わない。
また、上述した実施形態では、車軸65のうち、三番下かな67が形成された部分に固定筒71を外挿する構成について説明したが、これに限られない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…時計
10…ムーブメント
13…分針
14…秒針
20…地板
23,123…輪列機構
35…ステップモータ(動力源)
41…四番車(歯車体)
42…三番車(歯車体、第1歯車体)
43…二番車(歯車体)
50…二番受
51…中心パイプ
65…車軸
66…三番歯車(歯車部)
67…三番下かな(かな部)
70…制動ユニット
71,171…固定筒(係合部材)
72…制動枠(支持体)
73…(弾性部材)
74,174…係合突起

Claims (8)

  1. 動力源の回転力を伝達する複数の歯車体を有する輪列に含まれる第1歯車体と、
    前記第1歯車体に着脱可能に係合される係合部材、及び前記第1歯車体に巻回されるとともに、内周端部が前記係合部材に固定される一方、外周端部が支持体に摺接可能とされた弾性部材を有する制動ユニットと、を備えることを特徴とする輪列機構。
  2. 前記第1歯車体は、
    車軸と、
    前記車軸に配設された歯車部及びかな部と、を有し、
    前記係合部材は、前記かな部に外挿されるとともに、前記かな部に係合される係合突起を備えることを特徴とする請求項1記載の輪列機構。
  3. 前記第1歯車体は、
    車軸と、
    前記車軸に配設された歯車部及びかな部と、を有し、
    前記係合部材は、前記第1歯車体の軸心方向に向けて突出する係合突起を備え、
    前記歯車部には、前記係合突起を収容する収容孔が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の輪列機構。
  4. 前記第1歯車体は、分針が取り付けられる二番車、及び秒針が取り付けられる四番車間に配置された三番車であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の輪列機構。
  5. 前記制動ユニットは、前記三番車の車軸のうち、軸心方向に沿う前記二番車の歯車部と前記三番車の歯車部との間に取り付けられることを特徴とする請求項4記載の輪列機構。
  6. 前記二番車と前記四番車との間に介挿されて、前記二番車と前記四番車の共回りを規制する中心パイプが二番受を介して地板に連結され、
    前記支持体は、前記二番受に保持されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の輪列機構。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の輪列機構と、
    前記輪列機構に回転力を付与する動力源と、を備えることを特徴とするムーブメント。
  8. 請求項7に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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