JP2015169251A - 回転伝達装置 - Google Patents

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直嗣 北山
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Shintaro Ishikawa
慎太朗 石川
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Abstract

【課題】2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチで制御する回転伝達装置のコストの低減を図ることである。
【解決手段】電磁クラッチ80によって係合および係合解除が制御される2方向クラッチ10の保持器16を制御保持器16Aと回転保持器16Bとで形成し、その制御保持器16Aと回転保持器16Bを、フランジ部23、36の外周部に形成された柱部24、37が周方向に交互に並ぶ組み合わせとして、隣接する柱部24、37間にポケット42を形成し、そのポケット42内に組み込まれた一対のローラ15が制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対回転により柱部24、37で押されて係合解除位置まで変位されるようにする。回転保持器16Bを、フランジ部23の外周に柱部24が形成された保持器本体22と、フランジ部23の軸方向一側部に設けられたカムリング28とで形成し、保持器本体22を合成樹脂の成形品としてコストの低減を図り、カムリング28を金属板のプレス成形品として強度を確保する。
【選択図】図2

Description

この発明は、回転の伝達と遮断の切換えを行なうことができるようにした回転伝達装置に関する。
入力軸から出力軸への回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、入力軸と出力軸とを結合および解除する2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにしたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、外輪とその内側に組み込まれた内輪との間に制御保持器と回転保持器とを、各保持器に形成された柱部が周方向で交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に対向一対のローラを組込み、その一対のローラを、その対向部間に組み込まれた弾性部材で離反する方向に付勢して、外輪の内周に形成された円筒面と内輪の外周に形成されたカム面に係合する位置にスタンバイさせ、上記内輪の一方向への回転により一方のローラを円筒面およびカム面に係合させ、内輪の回転を外輪に伝達するようにしている。
また、内輪が設けられた入力軸上に電磁クラッチを設け、その電磁クラッチの電磁石に対する通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に設けられた運動変換機構としてのトルクカムの作用によりポケットの周方向幅が小さくなる方向に制御保持器と回転保持器を相対回転させ、各保持器の柱部で一対のローラを係合解除位置まで移動させて、内輪から外輪への回転伝達を遮断するようにしている。
上記回転伝達装置においては、電磁クラッチの電磁コイルに対する通電を解除し、制御保持器のフランジが回転保持器のフランジから離反する方向に制御保持器を移動させると、対向一対のローラ間に組み込まれた弾性部材の押圧作用により制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラが円筒面およびカム面に直ちに係合するため、回転方向ガタがきわめて小さく、応答性に優れているという特徴を有している。
ところで、上記特許文献1に記載された回転伝達装置においては、回転保持器および制御保持器のそれぞれを削り出しによって形成するようにしているため、製作に手間がかかってコストも高く、そのコストを低減する上においても改善すべき点が残されていた。
上記の問題点を解決するため、本件の出願人においては、特許文献2においては、回転保持器および制御保持器のそれぞれを金属板のプレス成形品としてコストの低減を図るようにした回転伝達装置を提案している。
特開2009−293679号公報 特開2013−204764号公報
ところで、上記特許文献2に記載された回転伝達装置においては、回転保持器および制御保持器のそれぞれが金属板のプレス成形品であるため、削り出しによってそれぞれの保持器を形成する場合に比較してコストの低減を図ることができるが、複雑な形状部は複数に分割してプレス成形し、その分割部品を互いに結合して一体化する必要が生じるため、コストを大幅に低減する上において改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、入力軸から出力軸への回転の伝達と遮断を行なう2方向クラッチを有し、その2方向クラッチの係合および解除を電磁クラッチにより制御するようにした回転伝達装置の機械的強度を確保する状態でさらなるコストの低減を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアにロータを軸方向で対向し、そのロータに電磁石を対向し、その電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる構成とされ、前記電磁石への通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その移動により制御保持器と回転保持器を、その両保持器の軸方向の対向面間に設けられたトルクカムによりポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転させて一対の係合子を外輪の内周および内輪の外周に対して係合解除させるようにした回転伝達装置において、前記回転保持器が、環状のフランジ部の外周に複数の柱部が形成された保持器本体と、前記フランジ部の内面に衝合され、その衝合面に対する背面側に前記トルクカムのカム溝が形成されたカムリングからなり、前記保持器本体が合成樹脂の成形品とされ、カムリングが金属板のプレス成形品とされ、その保持器本体とカムリングとを結合一体化した構成を採用したのである。
上記のように、回転保持器を保持器本体とカムリングの2部品とし、形状が複雑な保持器本体を合成樹脂の成形品とし、トルクカムのカム溝が形成されて強度が必要とされるカムリングを金属板のプレス成形品とすることにより、機械的強度を維持する状態でコストの低減を図ることができる。
ここで、保持器本体とカムリングとの結合一体化に際し、カムリングを保持器本体のフランジ部にインサート成形してもよく、接着してもよい。また、保持器本体のフランジ部内面に設けられてカムリングに形成された複数の孔のそれぞれに挿入された突起の先端部を加締めるようにしてもよい。さらに、保持器本体のフランジ部の内面外周部に形成された複数の係合爪のそれぞれをカムリングの外周に形成された複数の切欠部のそれぞれに嵌合して、係合爪の先端の爪部を切欠部の周辺部に係合させるスナップフィットの結合としてもよい。
この発明に係る回転伝達装置においては、回転保持器を樹脂の成形品からなる保持器本体と金属板のプレス成形品からなるカムリングとで形成したが、回転保持器に代えて、制御保持器を、複数の柱部を片面の外周部に有する環状のフランジ部の外周にアーマチュアの外周に形成された連結筒内に嵌合される筒部が形成された保持器本体と、前記フランジ部の片面に衝合され、その衝合面に対する背面側に前記トルクカムのカム溝が形成されたカムリングとで形成し、前記保持器本体を合成樹脂の成形品とし、前記カムリングを金属板のプレス成形品として、その保持器本体とカムリングを結合一体化してもよい。回転保持器および制御保持器の双方を樹脂の成形品と金属板のプレス成形品とすることにより、回転伝達装置のコストをより低減することができる。
制御保持器を合成樹脂の成形からなる保持器本体と金属板のプレス成形品からなるカムリングとで形成する場合において、保持器本体のフランジ部の片面に対する背面側に金属板のプレス成形品からなる摺動リングを設けてフランジ部に結合し、その摺動リングの外周に設けられた複数の係合爪を前記連結筒の外周に形成された環状突出部の軸端面に係合させることにより、アーマチュアに対して制御保持器を強固に連結することができる。
摺動リングを有する上記制御保持器において、保持器本体に対するカムリングや摺動リングの結合に際し、そのカムリングや摺動リングを保持器本体にインサート成形する方法、接着する方法、加締める方法等を採用することができる。
ここで、保持器本体の素材としての合成樹脂は、耐熱性、耐摩耗性、耐油性および機械的強度の高い樹脂を用いるのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)等のポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を挙げることができる。
機械的強度をさらに高めるために、ガラス繊維または炭素繊維からなる強化繊維を複合材料として30〜60%程度混入させておくのが好ましい。
この発明においては、上記のように、回転保持器を保持器本体とカムリングの2部品を構成部品として、形状が複雑な保持器本体を合成樹脂の成形品とし、強度が必要とされるカムリングを金属板のプレス成形品としたことにより、機械的強度を維持する状態でコストの低減を図ることができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の2方向クラッチ部を拡大して示す断面図 (a)は、図1のIII−III線に沿った断面図、(b)は、ローラの係合状態を示す断面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 図4のV−V線に沿った断面図 図1のVI−VI線に沿った断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図 図1のVIII−VIII線に沿った断面図 (c)は図8のIX−IX線に沿った断面図、(d)は作動状態を示す断面図 制御保持器の分解斜視図 回転保持器の分解斜視図 結合手段の他の例を示し、(a)は保持器本体とカムリングの結合前の状態を示す分解斜視図、(b)は結合状態を示す断面図 結合手段のさらに他の例を示す分解斜視図 図13に示す保持器本体とカムリングの結合状態を示す断面図 結合手段のさらに他の例を示す分解斜視図 保持プレートの他の組込み状態を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、入力軸1と、その入力軸1と同軸上に配置された出力軸2と、その両軸の軸端部を覆うハウジング3と、そのハウジング3内に組み込まれて入力軸1から出力軸2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ80とからなる。
図1乃至図3に示すように、2方向クラッチ10は、出力軸2の軸端部に設けられた外輪11の内周に円筒面12を設け、入力軸1の軸端部に設けられた内輪13の外周に複数のカム面14を周方向に等間隔に形成し、その複数のカム面14のそれぞれと円筒面12間に一対の係合子としてのローラ15と弾性部材21とを組込み、そのローラ15を保持器16で保持し、上記内輪13の一方向への回転により一対のローラ15の一方を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達し、また、内輪13の他方向への回転時に他方のローラ15を円筒面12およびカム面14に係合させて内輪13の回転を外輪11に伝達するようにしている。
ハウジング3は円筒状をなし、その一端部には小径の軸受筒4が設けられている。軸受筒4の内周には位置決めリング5が設けられ、その位置決めリング5からインナー側に出力軸2を回転自在に支持する軸受6が組み込まれ、その軸受6と位置決めリング5間に弾性部材7が組み込まれている。
弾性部材7は、2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ80をハウジング3の他端開口部の内周に取付けられた止め輪からなる抜止めリング8に向けて付勢して、電磁クラッチ80を抜止めリング8に押し付けている。このため、ハウジング3内に組込まれた2方向クラッチ10と電磁クラッチ80からなる内蔵部品は、ガタツキのない組込みとされている。
図1に示すように、外輪11には、閉塞端部の内面側に小径の凹部18が形成され、その凹部18内に組み込まれた軸受19によって入力軸1の軸端部が回転自在に支持されている。
図1では、入力軸1の軸端部に内輪13を一体に設けた例を示しているが、入力軸1に対して内輪13を別体とし、その内輪13の内側に入力軸1の軸端部を嵌合し、その嵌合面間に形成されたセレーションにより内輪13と入力軸1とを連結一体化してもよい。
図3に示すように、内輪13の外周に形成されたカム面14は、相反する方向に傾斜する一対の傾斜面14a、14bから形成されて外輪11の円筒面12との間に周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成しており、上記一対の傾斜面14a、14b間には内輪13の接線方向に向く平坦な弾性部材支持面20が設けられ、その弾性部材支持面20によって弾性部材21が支持されている。
弾性部材21は、上記弾性部材支持面20で支持されるようにして一対のローラ15間に組込まれ、その弾性部材21により一対のローラ15は離反する方向に付勢されている。
図1および図2に示すように、保持器16は、制御保持器16Aと、回転保持器16Bとからなる。図2、図6、図7および図10に示すように、制御保持器16Aは、保持器本体22と、その保持器本体22の軸方向一側に設けられた環状のカムリング28と、保持器本体22の軸方向他側に設けられた環状の摺動リング31とからなる。
保持器本体22は合成樹脂の成形品からなり、環状のフランジ部23の片面外周部にカム面14と同数の柱部24を周方向に等間隔に設け、隣接する柱部24間に円弧状の長孔25を形成し、かつ、フランジ部23の外周に柱部24と反対向きに筒部26を設け、その筒部26の閉塞端側の端部外周に環状突出部27を形成した構成とされている。
カムリング28は金属板のプレス成形品からなり、インサート成形によって保持器本体22のフランジ部23に結合一体化されている。その結合力を高めるため、カムリング28には複数の孔29が周方向に間隔をおいて形成されている。
摺動リング31は、上記カムリング28と同様に金属板のプレス成形品からなり、外周には複数の連結爪32が周方向に間隔をおいて設けられている。この摺動リング31はインサート成形によって保持器本体22におけるフランジ部23の他側面に結合一体化され、複数の連結爪32のそれぞれが保持器本体22のフランジ部23の外周に設けられた前述の環状突出部27の外周に沿って軸方向に延びている。
フランジ部23に対する摺動リング31の結合力を高めるため、摺動リング31の内周に保持器本体22の柱部24に対応して複数の突片33が設けられ、それぞれの突片33の連設部位に孔34が設けられている。
図2および図11に示すように、回転保持器16Bは、保持器本体35と、その保持器本体35の軸方向一側に設けられたカムリング38からなる。保持器本体35は環状のフランジ部36の外周にカム面14と同数の柱部37を設けた構成とされている。
カムリング38は金属板のプレス成形品からなり、インサート成形によって保持器本体35のフランジ部36の片面に結合一体化されている。その結合力を高めるため、カムリング38に複数の孔39が周方向に間隔をおいて形成されている。
ここで、制御保持器16Aの保持器本体22および回転保持器16Bの保持器本体35の形成素材としての合成樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)等のポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の耐熱性、耐摩耗性、耐油性および機械的強度の高い樹脂を用いるのが好ましい。
制御保持器16Aと回転保持器16Bは、制御保持器16Aの長孔25内に回転保持器16Bの柱部37が挿入されて、その柱部24、37が周方向に交互に並ぶ組み合わせとされている。そして、その組み合わせ状態で柱部24、37の先端部が外輪11と内輪13間に配置され、制御保持器16Aのフランジ部23および回転保持器16Bのフランジ部36が入力軸1の外周に嵌合された支持リング41と外輪11間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器16A、16Bの組込みによって、図3(a)に示すように、制御保持器16Aの柱部24と回転保持器16Bの柱部37間にポケット42が形成され、そのポケット42は内輪13のカム面14と径方向で対向し、各ポケット42内に対向一対のローラ15および弾性部材21が組込まれている。
図2に示すように、制御保持器16Aのフランジ部23および回転保持器16Bのフランジ部36は入力軸1の外周に形成されたスライド案内面43に沿ってスライド自在に支持され、上記回転保持器16Bのフランジ部36と入力軸1に嵌合された支持リング41間にスラスト軸受44が組み込まれている。
スラスト軸受44は、回転保持器16Bが電磁クラッチ80側に移動するのを防止する状態で、その回転保持器16Bを回転自在に支持している。
図2および図6に示すように、入力軸1と制御保持器16Aの相互間および入力軸1と回転保持器16Bの相互間には、それぞれの保持器16A、16Bが対向一対のローラ15を中立位置まで押圧変位させた状態からさらに同方向に相対回転するのを阻止する回転角規制手段50が設けられている。
回転角規制手段50は、制御保持器16Aおよび回転保持器16Bのカムリング28、38の内周に突片51、52を設け、その突片51、52のそれぞれを入力軸1の外周に形成された軸方向溝53内に挿入し、その軸方向溝53の一側面に対する突片51の当接によって制御保持器16Aを中立位置で停止保持し、上記軸方向溝53の他側面に対する当接によって回転保持器16Bを中立位置で停止保持するようにしている。
図2、図8および図9(c)に示すように、制御保持器16Aのフランジ部23と回転保持器16Bのフランジ部36間には、制御保持器16Aの軸方向の移動を回転保持器16Bの回転運動に変換する運動変換機構としてのトルクカム60が設けられている。
トルクカム60は、制御保持器16Aのカムリング28と回転保持器16Bのカムリング38の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝61、62を設け、その対向一対のカム溝61、62間にボール63を組み込んだ構成としている。
カム溝61、62として、ここでは断面形状が円弧状の溝を示したが溝断面形状がV型の溝であってもよい。
上記トルクカム60は、図9(d)に示すように、ボール63がカム溝61の一端部とカム溝62の他端部間に位置する状態から制御保持器16Aのフランジ部23が回転保持器16Bのフランジ部36に接近する方向に制御保持器16Aが軸方向に移動した際に、図9(c)に示すように、ボール63がカム溝61、62の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動して、制御保持器16Aと回転保持器16Bをポケット42の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
図2乃至図5に示すように、入力軸1には内輪13の軸方向他側に、その内輪13より小径の小径軸部65が設けられ、その小径軸部65に環状のばねホルダ66が嵌合されている。ばねホルダ66は、内周対向位置には設けられた平坦部67と小径軸部65の外周対向位置に形成された平坦面68の係合によって回り止めされている。
また、ばねホルダ66は、小径軸部65の軸端部に取り付けられた止め輪69と内輪13の軸方向他側面とによって軸方向に移動するのが防止されている。
ばねホルダ66の外周面には、制御保持器16Aの柱部24と回転保持器16Bの柱部37間の各ポケット42内に配置される複数の抜止め片70が形成され、その抜止め片70および入力軸1の軸端部に嵌合されたワッシャ71のそれぞれは、ポケット42内に組み込まれた一対のローラ15および弾性部材21がカム面14上から軸方向に軸方向に脱落するのを防止している。
また、抜止め片70には、軸方向に延びて弾性部材21の外周上に張り出す弾性部材
保持片72が設けられ、その弾性部材保持片72によって弾性部材21は径方向外方へ移動するのが防止されている。
図1に示すように、電磁クラッチ80は、制御保持器16Aに形成された筒部26の端面と軸方向で対向するアーマチュア81と、そのアーマチュア81と軸方向で対向するロータ82と、そのロータ82と軸方向で対向する電磁石83とを有している。
アーマチュア81は、支持リング41の外周に嵌合されて回転自在に、かつ、スライド自在に支持され、そのアーマチュア81の外周部に設けられた連結筒84内に制御保持器16Aの筒部26に圧入されて制御保持器16Aとアーマチュア81が連結一体化されている。その連結によってアーマチュア81は、支持リング41の円筒状外径面と入力軸1の外周のスライド案内面43の軸方向の2箇所においてスライド自在に支持されている。
図2に示すように、連結筒84の開口端部の外周には環状突出部85が設けられ、その環状突出部85の軸端面に摺動リング31の連結爪32に係合して、アーマチュア81と制御保持器16Aを連結状態に保持している。
図1に示すように、ロータ82は、入力軸1に圧入され、その入力軸1に嵌合された前述の支持リング41およびその支持リング41との間に組み込まれた間座86によって位置決めされている。
ここで、支持リング41は、断面が矩形とされ、入力軸1におけるスライド案内面43の軸方向他側に形成された段部45によって軸方向に位置決めされている。
電磁石83は、電磁コイル83aと、その電磁コイル83aを支持するコア83bとからなり、上記コア83bの外側端面には筒部87が形成され、その筒部87内に組み込まれた軸受88は、筒部87の内周に取付けられた止め輪89によって筒部87から抜け出るのが防止されている。また、軸受88は、入力軸1の外径面に形成された段部90と上記止め輪89によって軸方向に位置決めされ、その軸受88によって電磁石83と入力軸1は相対的に回転自在とされている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、電磁石83の電磁コイル83aに通電すると、アーマチュア81に磁気吸引力が作用して、アーマチュア81がロータ82に向けて移動して、図2に示すように、ロータ82に吸着される。
ここで、アーマチュア81は制御保持器16Aに連結一体化されているため、アーマチュア81の軸方向への移動に伴って制御保持器16Aは、そのフランジ部23が回転保持器16Bのフランジ部36に接近する方向に移動する。
このとき、図9(d)に示すボール63が、図9(c)に示すように、カム溝61、62の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器16Aと回転保持器16Bは、図3に示す弾性部材21の弾性力に抗してポケット42の周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ15が制御保持器16Aの柱部24と回転保持器16Bの柱部37で押されて互いに接近する方向に移動する。このため、ローラ15は、図3(a)に示すように、円筒面12およびカム面14から係合解除して中立状態となり、2方向クラッチ10は係合解除状態とされる。
また、図6に示すように、制御保持器16Aに設けられた突片51が軸方向溝53の一側面に当接し、回転保持器16Bに設けられた突片52が軸方向溝53の他側面に当接し、その当接によって制御保持器16Aおよび回転保持器16Bは中立位置から係合解除方向にさらに回転するのが防止される。
2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸1に回転トルクを入力して内輪13を一方向に回転すると、図6に示す軸方向溝53の側面が一対の突片51、52の一方を押圧するため、内輪13と共に制御保持器16Aおよび回転保持器16Bが回転する。このとき、対向一対のローラ15は係合解除された中立位置に保持されているため、内輪13の回転は外輪11に伝達されず、内輪13はフリー回転する。
内輪13のフリー回転状態において、電磁コイル83aに対する通電を解除すると、アーマチュア81は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、弾性部材21の押圧によって制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット42の周方向幅が大きくなる方向に相対回転する。
制御保持器16Aと回転保持器16Bの相対回転により、図9(c)に示すトルクカム60のボール63はカム溝61、62の浅溝部に向けて転がり移動して、図9(d)に示すように、制御保持器16Aのカム溝61の一端部および回転保持器16Bのカム溝62の他端部がトルクカム60のボール63に接触する状態とされ、制御保持器16Aは回転保持器16Bから離反する方向に移動して、摺動リング31が外輪11の開口端面に当接する状態となる。
また、対向一対のローラ15のそれぞれが、図3(b)に示すように、円筒面12およびカム面14に係合するスタンバイ状態とされ、その対向一対のローラ15の一方を介して内輪13と外輪11の相互間で一方向の回転トルクが伝達される。
ここで、入力軸1を停止して、その入力軸1の回転方向を切換えると、他方のローラ15を介して内輪13の回転が外輪11に伝達される。
このように、電磁コイル83aに対する通電の遮断により、制御保持器16Aと回転保持器16Bがポケット42の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ15のそれぞれが円筒面12およびカム面14に直ちに噛み込むスタンバイ状態とされるため、回転方向ガタは小さく、内輪13の回転を外輪11に直ちに伝達することができる。
また、内輪13から外輪11への回転トルクの伝達は、カム面14と同数のローラ15を介して行われるため、内輪13から外輪11に大きな回転トルクを伝達することができる。
図1および図2に示す回転伝達装置のように、制御保持器16Aを、保持器本体22と、その保持器本体22の軸方向一側に設けられたカムリング28および保持器本体22の軸方向他側に設けられた摺動リング31とし、形状が複雑な保持器本体22を合成樹脂の成形品とし、トルクカム60のカム溝61が形成されて強度が必要とされるカムリング28および摺動リング31を金属板のプレス成形品として軸方向に結合一体化することにより、機械的強度を維持する状態でコストの低減を図ることができる。
また、回転保持器16Bにおいても、保持器本体35とカムリング38の2部品とし、形状が複雑な保持器本体35を合成樹脂の成形品とし、トルクカム60のカム溝62が形成されて強度が必要とされるカムリング38を金属板のプレス成形品として、保持器本体35とカムリング38を結合一体化することにより、制御保持器16Bと同様に、機械的強度を維持する状態でコストの低減を図ることができ、結果として、回転伝達装置のコストを大幅に低減することができる。
図11においては、保持器本体35の成形時にカムリング38をインサート成形して保持器本体35のフランジ部36にカムリング38を結合一体化したが、結合手段はこれに限定されるものではない。
図12乃至図14は、結合手段の他の例を示す。図12に示す結合手段においては、保持器本体35のフランジ部36に複数のピン状の突起40を周方向に間隔をおいて設け、それぞれの突起40をカムリング38に形成された孔39に挿入して、突起40の先端部を加締めるようにしている。40aは加締め突起を示す。
図13および図14に示す結合手段においては、保持器本体35のフランジ部36の内面外周部に形成された複数の係合爪46のそれぞれをカムリング38の外周に形成された複数の切欠部47のそれぞれに嵌合して、係合爪46の先端の爪部46aを切欠部47の周辺部に係合させるスナップフィットの結合としている。
図12に示す加締めによる結合や図13および図14に示すスナップフィットによる結合は制御保持器16Aの保持器本体22とカムリング28の連結にも採用することができる。図15は、制御保持器16Aの保持器本体22におけるフランジ部23の筒部連設側の面にカムリング28に設けられた孔29に挿入される加締め用の突起30を設けた例を示している。
図16に示すように、ローラ15および弾性部材21の軸方向規制を行うばねホルダ66を入力軸1の軸端部側に嵌合し、そのばねホルダ66と内輪13の外周端部に取り付ける止め輪69とでローラ15および弾性部材21の軸方向規制を行うことにすると、図2に示すワッシャ71を不要することができるため、コストをさらに低減することができる。
1 入力軸
2 出力軸
10 2方向クラッチ
11 外輪
13 内輪
15 ローラ(係合子)
16A 制御保持器
16B 回転保持器
21 弾性部材
22 保持器本体
23 フランジ部
24 柱部
26 筒部
31 摺動リング
32 連結爪
35 保持器本体
36 フランジ部
37 柱部
38 カムリング
39 孔
40 突起
46 係合爪
47 切欠部
60 トルクカム
61 カム溝
62 カム溝
63 ボール
80 電磁クラッチ
81 アーマチュア
82 ロータ
83 電磁石
84 連結筒
85 環状突出部

Claims (9)

  1. 入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、
    前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアにロータを軸方向で対向し、そのロータに電磁石を対向し、その電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる構成とされ、
    前記電磁石への通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その移動により制御保持器と回転保持器を、その両保持器の軸方向の対向面間に設けられたトルクカムによりポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転させて一対の係合子を外輪の内周および内輪の外周に対して係合解除させるようにした回転伝達装置において、
    前記回転保持器が、環状のフランジ部の外周に複数の柱部が形成された保持器本体と、前記フランジ部の内面に衝合され、その衝合面に対する背面側に前記トルクカムのカム溝が形成されたカムリングからなり、前記保持器本体が合成樹脂の成形品とされ、カムリングが金属板のプレス成形品とされ、その保持器本体とカムリングとが結合一体化されていることを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記保持器本体とカムリングとを結合一体化する手段が、前記カムリングのインサート成形又は接着による請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記保持器本体とカムリングとを結合一体化する手段が、保持器本体のフランジ部内面に設けられてカムリングに形成された複数の孔のそれぞれに挿入された突起の先端部の加締めによる請求項1に記載の回転伝達装置。
  4. 前記保持器本体とカムリングとを結合一体化する手段が、フランジ部の内面外周部に形成された複数の係合爪のそれぞれをカムリングの外周に形成された複数の切欠部のそれぞれに嵌合して係合爪の先端の爪部を切欠部の周辺部に係合させるスナップフィットの結合による請求項1に記載の回転伝達装置。
  5. 前記制御保持器が、複数の柱部を片面の外周部に有する環状のフランジ部の外周に前記アーマチュアの外周に形成された連結筒内に圧入される筒部が形成された保持器本体と、前記フランジ部の片面に衝合され、その衝合面に対する背面側に前記トルクカムのカム溝が形成されたカムリングとからなり、前記保持器本体が合成樹脂の成形品とされ、前記カムリングが金属板のプレス成形品とされて、その保持器本体とカムリングとが結合手段により結合された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  6. 入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸の相互間において回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを有し、
    前記2方向クラッチが、前記出力軸の軸端部に設けられた外輪の内周と前記入力軸の軸端部に設けられた内輪の外周間に、制御保持器および回転保持器のそれぞれに設けられた柱部が周方向に交互に配置されるよう組込み、隣接する柱部間に形成されたポケット内に前記外輪の内周および内輪の外周に対して係合可能な一対の係合子と、その一対の係合子を離反する方向に付勢する弾性部材とを組込んだ構成とされ、
    前記電磁クラッチが、前記制御保持器に連結されたアーマチュアにロータを軸方向で対向し、そのロータに電磁石を対向し、その電磁石に対する通電によりアーマチュアに磁気吸引力を付与してロータに吸着させる構成とされ、
    前記電磁石への通電により制御保持器を軸方向に移動させ、その移動により制御保持器と回転保持器を、その両保持器の軸方向の対向面間に設けられたトルクカムによりポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転させて一対の係合子を外輪の内周および内輪の外周に対して係合解除させるようにした回転伝達装置において、
    制御保持器が、複数の柱部を片面の外周部に有する環状のフランジ部の外周に前記アーマチュアの外周に形成された連結筒内に圧入される筒部が形成された保持器本体と、前記フランジ部の片面に衝合され、その衝合面に対する背面側に前記トルクカムのカム溝が形成されたカムリングとからなり、前記保持器本体が合成樹脂の成形品とされ、前記カムリングが金属板のプレス成形品とされて、その保持器本体とカムリングとが結合一体化されていることを特徴とする回転伝達装置。
  7. 前記保持器本体のフランジ部の片面に対する背面側に金属板のプレス成形品からなる摺動リングを設けてフランジ部に結合し、その摺動リングの外周に設けられた複数の係合爪を前記連結筒の外周に形成された環状突出部の軸端面に係合させた請求項6に記載の回転伝達装置。
  8. 前記合成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂の一種からなる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  9. 前記合成樹脂が、ガラス繊維または炭素繊維を複合材料として有する繊維強化合成樹脂からなる請求項8に記載の回転伝達装置。
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