JP2015167537A - 農業用フィルム及び農業用被覆資材 - Google Patents

農業用フィルム及び農業用被覆資材 Download PDF

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浩治 久保田
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Abstract

【課題】防曇剤との親和性、透明性、紫外線透過性及び耐候性に優れた農業用フィルム、及び、農業用被覆資材を提供する。【解決手段】含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位を有する含フッ素共重合体からなることを特徴とする農業用フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、農業用フィルム及び農業用被覆資材に関する。
従来、トンネルハウスやパイプハウス用の農業用被覆資材には、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等のフィルムが使用され、なかでも施工性、価格、保温性等の面で有利であることから、軟質塩化ビニル樹脂フィルムが多用されている。
また、耐候性等を向上させる目的で、テトラフルオロエチレン−エチレン系共重合体(以下、ETFEともいう。)のフィルムの使用も検討されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
ところで、農業用被覆資材に使用される樹脂フィルムは、単独では表面の親水性が高くないため、結露や曇りを生じやすく、これによって太陽光線の透過率が低下し、農作物の成長に悪影響を与えることがある。このため、農業用被覆資材としては、通常、結露や曇りを防止するために、樹脂フィルムの表面に防曇剤を塗布して親水性の塗膜を形成したものが使用される。例えば、特許文献3〜6には、ETFEフィルムの表面にコロナ処理等の表面処理を施したうえで、その面上に防曇剤を塗布することが記載されている。
特開2001−206913号公報 特開平11−343315号公報 特開2007−063477号公報 特開2009−234048号公報 特許第2535185号公報 特許第4294152号公報
軟質塩化ビニル樹脂フィルム等の非フッ素系樹脂フィルムは、紫外線により劣化しやすいため、農業用被覆資材に用いる場合は、紫外線吸収剤が配合されるのが一般的である。しかし、紫外線吸収剤を配合したフィルムは紫外線を遮蔽するので、紫外線を必要とする作物(例えば、ナス、ある種の花類)の栽培や、活動するために紫外線を必要とするミツバチやマハナアブ等の昆虫により受粉される作物(例えば、イチゴ、メロン、スイカ、ピーマン等)の栽培には不向きであるという問題がある。
また、ETFEフィルムを使用すれば、軟質塩化ビニル樹脂フィルム等と比較して紫外線による劣化は抑制されるが、特許文献3〜6に記載されるように、防曇剤を塗布するために表面処理が必須であるため、製造工程が煩雑であり、製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、防曇剤との親和性、透明性、紫外線透過性及び耐候性に優れた農業用フィルム、及び、農業用被覆資材を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位を有する含フッ素共重合体からなることを特徴とする農業用フィルムである。
本発明は、上記フィルムと、該フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた、防曇剤からなる防曇剤層とを有する農業用被覆資材でもある。
本発明によれば、防曇剤との親和性、透明性、紫外線透過性及び耐候性に優れた農業用フィルム、及び、農業用被覆資材を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の農業用フィルム(以下、本発明のフィルムともいう。)は、含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位を有する含フッ素共重合体からなる。
本発明の農業用フィルムは、後述する防曇剤との親和性に優れる。このため、本発明のフィルムの表面に表面処理を施したり接着剤層を設けたりすることなく、防曇剤を直接塗布することが可能であり、製造工程の簡略化や製造コストの低減が可能である。
本発明の農業用フィルムはまた、紫外線によって劣化しにくいため、紫外線吸収剤を含まなくても、充分な耐候性を発揮することができる。このため、必要以上に紫外線を遮蔽することがなく、紫外線を必要とする作物の生育や、受粉に寄与する昆虫の飛翔性が良好になる。
本発明の農業用フィルムはまた、透明性に優れるため、太陽光線を充分に透過する。したがって、作物の生育が良好になる。
本発明の農業用フィルムを構成する含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)を有する。
上記含フッ素オレフィン単位とは、含フッ素オレフィンに基づく重合単位を表している。該含フッ素オレフィンは、フッ素原子を有する単量体である。
上記含フッ素オレフィンとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル、へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、へキサフルオロイソブテン、CH=CZ(CFn1(式中、ZはH、F又はCl、ZはH、F又はCl、n1は1〜10の整数である。)で示される単量体、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素オレフィンであることが好ましい。
上記CH=CZ(CFn1で示される単量体としては、CH=CFCF、CH=CHCF、CH=CFCHF、CH=CClCF等が挙げられる。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)等が挙げられ、なかでも、PMVE、PEVE又はPPVEがより好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
上記含フッ素オレフィンとしては、TFE、CTFE及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、TFEが更に好ましい。
上記含フッ素共重合体は、含フッ素共重合体における含フッ素オレフィン単位の含有率が40モル%以上であることが好ましく、含フッ素オレフィン単位が40モル%以上80モル%以下であり、ビニルアルコール単位が20モル%以上60モル%以下であることがより好ましい。本発明における含フッ素共重合体の各モノマー単位の含有率がこのような範囲であることによって、得られるフィルムの機械的特性や耐久性、耐候性が優れたものとなる。各モノマー単位の含有率としては、含フッ素オレフィン単位が45モル%以上75モル%以下であり、ビニルアルコール単位が25モル%以上55モル%以下であることが更に好ましく、含フッ素オレフィン単位が50モル%以上70モル%以下であり、ビニルアルコール単位が30モル%以上50モル%以下であることが特に好ましい。
上記含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位との交互率が94%以下であることが好ましい。交互率がこのような範囲であると、得られるフィルムが可撓性に優れるという効果が得られる。より好ましくは90%以下であり、特に好ましくは80%以下である。また、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、更に好ましくは40%以上である。交互率が低すぎると耐熱性が低下するおそれがあるため、好ましくない。
含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位との交互率は、重アセトン等の含フッ素共重合体が溶解する溶媒を用いて、含フッ素共重合体のH−NMR測定を行い、以下の式より3連鎖の交互率として算出できる。
交互率(%)=C/(A+B+C)×100
A:−V−V−V−のように2つのVと結合したVの個数
B:−V−V−T−のようにVとTとに結合したVの個数
C:−T−V−T−のように2つのTに結合したVの個数
(T:含フッ素オレフィン単位、V:ビニルアルコール単位)
A、B、CのV単位の数は、H−NMR測定のビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)の3級炭素に結合する主鎖のHの強度比より算出する。H−NMR測定による主鎖のHの強度比の見積もりは、水酸基化前の含フッ素共重合体で実施する。
上記含フッ素共重合体は、更に、−CH−CH(O(C=O)R)−(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜17の炭化水素基を表す。)で表されるビニルエステルモノマー単位を有するものであってもよい。このように、本発明における含フッ素共重合体が、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位を有することもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。そして更には、実質的に含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位のみからなる含フッ素オレフィン/ビニルアルコール/ビニルエステルモノマー共重合体であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ビニルエステルモノマー単位は、−CH−CH(O(C=O)R)−(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜17の炭化水素基を表す。)で表されるモノマー単位であるが、上記式中のRとしては、炭素数1〜11のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基である。
上記ビニルエステルモノマー単位としては、中でも、以下のビニルエステルに由来するモノマー単位などが例示される。
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリン酸ビニル、イソバレリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、へプチル酸ビニル、カプリル酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、ペンタデシル酸ビニル、パルチミン酸ビニル、マルガリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、ベオバ−9(昭和シェル石油(株)製)、ベオバ−10(昭和シェル石油(株)製)、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル。
これらの中でも、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルに由来するモノマー単位が好ましい。より好ましくは、酢酸ビニルモノマー単位、プロピオン酸ビニルモノマー単位であり、更に好ましくは、酢酸ビニルモノマー単位である。
上記含フッ素共重合体が、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位を有する場合の、各モノマー単位の含有率としては、含フッ素オレフィン単位が40モル%以上80モル%以下であり、ビニルアルコール単位が0モル%より多く60モル%未満であり、ビニルエステルモノマー単位が0モル%より多く60モル%未満であることが好ましい。各モノマー単位の含有率がこのような範囲であることによって、得られるフィルムの機械的特性や耐久性、耐候性が優れたものとなる。各モノマー単位の含有率としては、含フッ素オレフィン単位が45モル%以上75モル%以下であり、ビニルアルコール単位が5モル%以上50モル%以下であり、ビニルエステルモノマー単位が5モル%以上50モル%以下であることがより好ましく、含フッ素オレフィン単位が50モル%以上70モル%以下であり、ビニルアルコール単位が10モル%以上40モル%以下であり、ビニルエステルモノマー単位が10モル%以上40モル%以下であることが更に好ましい。
上記含フッ素共重合体が、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位を有する場合、含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位との交互率は、94%以下であることが好ましい。交互率がこのような範囲であると、得られるフィルムが可撓性に優れるという効果が得られる。より好ましくは90%以下であり、特に好ましくは80%以下である。また、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、更に好ましくは40%である。交互率が低すぎると耐熱性が低下するおそれがあるため、好ましくない。
含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位との交互率は、重アセトン等の含フッ素共重合体が溶解する溶媒を用いて、含フッ素共重合体のH−NMR測定を行い、以下の式より3連鎖の交互率として算出できる。
交互率(%)=C/(A+B+C)×100
A:−V−V−V−のように2つのVと結合したVの個数
B:−V−V−T−のようにVとTとに結合したVの個数
C:−T−V−T−のように2つのTに結合したVの個数
(T:含フッ素オレフィン単位、V:ビニルアルコール単位又はビニルエステルモノマー単位)
A、B、CのV単位の数は、H−NMR測定のビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)及びビニルエステルモノマー単位(−CH−CH(O(C=O)R)−)の3級炭素に結合する主鎖のHの強度比より算出する。H−NMR測定による主鎖のHの強度比の見積もりは、水酸基化前の含フッ素共重合体で実施する。
上記含フッ素共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。
上記他の単量体としては、フッ素原子を含まない単量体(但し、ビニルアルコール及びビニルエステル単量体を除く)として、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル単量体、及び、不飽和カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素非含有エチレン性単量体が好ましい。
上記他の単量体単位の合計含有率は、含フッ素共重合体の全単量体単位の0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
本明細書において、含フッ素共重合体を構成する各単量体単位の含有量は、NMR、FT−IR、元素分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
上記含フッ素共重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、9,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましい。更に好ましくは、20,000〜2,000,000であり、特に好ましくは、30,000〜1,000,000である。
上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記含フッ素共重合体は、後述するように、含フッ素オレフィン単位及びビニルエステルモノマー単位を有する共重合体を水酸基化することにより製造することができる。すなわち、本発明における含フッ素共重合体が、含フッ素オレフィン単位及びビニルエステルモノマー単位を有する共重合体を水酸基化して得られた共重合体であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
以下に、本発明における含フッ素共重合体の製造方法について説明する。
通常、本発明における含フッ素共重合体は、テトラフルオロエチレン等の含フッ素オレフィンと酢酸ビニル等のビニルエステルモノマーとを共重合して、その後、得られた共重合体を水酸基化することにより製造することができる。上記含フッ素共重合体の重合方法としては、含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマーの組成比を、ほぼ一定に保つ条件下で重合を行うことが好ましい。すなわち、上記含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマーの組成比を、ほぼ一定に保つ条件下で重合して、含フッ素オレフィン単位とビニルエステルモノマー単位とを有する共重合体を得る工程、及び、得られた共重合体を水酸基化して、含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位を有する共重合体を得る工程、からなる製造方法により得られたものであることが好ましい。
上記ビニルエステルモノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリン酸ビニル、イソバレリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、へプチル酸ビニル、カプリル酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、ペンタデシル酸ビニル、パルチミン酸ビニル、マルガリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、ベオバ−9(昭和シェル石油(株)製)、ベオバ−10(昭和シェル石油(株)製)、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、中でも入手が容易で安価である点から、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルが好ましく用いられる。
上記ビニルエステルモノマーとしてはこれらの1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマーとを共重合させる方法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法を挙げることができ、工業的に実施が容易であることから乳化重合、溶液重合又は懸濁重合により製造することが好ましいが、この限りではない。
乳化重合、溶液重合又は懸濁重合においては、重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤、界面活性剤、分散剤等を使用することができ、それぞれ通常用いられるものを使用することができる。
溶液重合において使用する溶媒は、含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマー、及び、合成される含フッ素共重合体を溶解することができるものが好ましく、例えば、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert−ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;HCFC−225等の含フッ素溶媒;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、又はこれらの混合物等が挙げられる。
乳化重合において使用する溶媒としては、例えば、水、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)等のパーオキシカーボネート類に代表される油溶性ラジカル重合開始剤や、例えば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性ラジカル重合開始剤等を使用できる。特に乳化重合においては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが好ましい。
上記界面活性剤としては、通常用いられる界面活性剤が使用でき、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が使用できる。また、含フッ素系界面活性剤を用いてもよい。
懸濁重合において用いられる上記分散剤としては、通常の懸濁重合に用いられる部分鹸化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、アクリル酸系重合体、ゼラチンなどの水溶性ポリマーを例示できる。懸濁重合は、水/単量体の比率が通常重量比で1.5/1〜3/1である条件下で行なわれ、分散剤は単量体100重量部に対し0.01〜0.1重量部が用いられる。また、必要に応じて、ポリリン酸塩のようなpH緩衝剤を用いることもできる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、エタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
上記連鎖移動剤の添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.001〜10質量%の範囲で使用される。
重合温度としては、含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマーの反応中の組成比がほぼ一定になる範囲であればよく、0〜100℃であってよい。
重合圧力としては、含フッ素オレフィンとビニルエステルモノマーの反応中の組成比がほぼ一定になる範囲であればよく、0〜10MPaGであってよい。
酢酸ビニルに由来するアセテート基の水酸基化は従来よく知られており、アルコリシス、酸や塩基を用いた加水分解等の従来公知の方法によって行うことができる。この中で塩基を用いた加水分解は一般にケン化と呼ばれているが、この明細書においては、以降、ビニルエステルモノマーの水酸基化を方法によらず、ケン化と呼ぶ。このケン化によって、アセテート基(−OCOCH)は、水酸基(−OH)に変換される。他のビニルエステルモノマーにおいても同様に、従来公知の方法によってケン化され、水酸基を得ることができる。
含フッ素オレフィン単位とビニルエステルモノマー単位とを有する共重合体をケン化して本発明における含フッ素共重合体を得る場合のケン化度は、本発明における含フッ素共重合体の各モノマー単位の含有率が上述した範囲となるような範囲であればよく、具体的には50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
上記ケン化度は、含フッ素共重合体のIR測定又はH−NMR測定により、以下の式から算出される。
ケン化度(%)=D/(D+E)×100
D:含フッ素共重合体中のビニルアルコール単位数
E:含フッ素共重合体中のビニルエステルモノマー単位数
本発明における含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィンと脱保護反応によりビニルアルコールに変換されうる保護基(R)が結合したビニルエーテル単量体(CH=CH−OR)(以下、単にビニルエーテル単量体と記述する)とを共重合させて含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体を得る工程、及び、上記含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体を脱保護することにより含フッ素オレフィン/ビニルアルコール共重合体を得る工程、からなる製造方法によっても得ることができる。
上記含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体とを共重合させる方法、及び、上記含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体を脱保護する方法は、従来からよく知られており、従来公知の方法を本発明でも行うことができる。含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体を脱保護反応させることによって、保護基アルコキシ基が水酸基に変換され、含フッ素オレフィン/ビニルアルコール共重合体が得られる。
上記含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体とを共重合させて得られる含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体は、含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体とのモル比である(含フッ素オレフィン)/(ビニルエーテル単量体)が(40〜60)/(60〜40)であることが好ましく、(45〜55)/(55〜45)であることがより好ましい。モル比が上記範囲内にあって、かつ、脱保護が後述の範囲内にあることにより、各重合単位のモル比が上述した範囲にある含フッ素共重合体を製造することができる。
上記含フッ素オレフィン/ビニルエーテル共重合体の脱保護は、脱保護度が1〜100%になるように行うことが好ましく、30〜100%になるように行うことがより好ましい。
上記脱保護度は、H−NMRにより、脱保護前後での2.1ppm付近のアセチル基(CHC(=O)O−)由来のプロトンの積分値と、0.8〜1.8ppmの主鎖メチレン基(−CH−CH−)由来のプロトンの積分値を定量することにより測定できる。
H−NMR:Varian社製のGEMINI−300
上記ビニルエーテル単量体は、フッ素原子を含まないことが好ましい。当該ビニルエーテル単量体としては、脱保護されるものであれば特に制限はないが、入手の容易さから、ターシャルブチルビニルエーテルが好ましい。
上記含フッ素共重合体が、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエーテル単位を有する場合、含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位及びビニルエーテル単位との交互率は、94%以下であることが好ましい。交互率がこのような範囲であると、得られるフィルムが可撓性に優れるという効果が得られる。より好ましくは90%以下であり、特に好ましくは80%である。また、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、更に好ましくは40%である。交互率が低いと耐熱性が低下して好ましくない。
含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位及びビニルエーテル単位との交互率は、重アセトン等の含フッ素共重合体が溶解する溶媒を用いて、含フッ素共重合体のH−NMR測定を行い、以下の式より3連鎖の交互率として算出できる。
交互率(%)=C/(A+B+C)×100
A:−V−V−V−のように2つのVと結合したVの個数
B:−V−V−T−のようにVとTとに結合したVの個数
C:−T−V−T−のように2つのTに結合したVの個数
(T:含フッ素オレフィン単位、V:ビニルアルコール単位又はビニルエーテル単位)
A、B、CのV単位の数は、H−NMR測定のビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)及びビニルエーテル単位(−CH−CH(OR))の3級炭素に結合する主鎖のHの強度比より算出する。H−NMR測定による主鎖のHの強度比の見積もりは、水酸基化前の含フッ素共重合体で実施する。
上記含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体とを共重合させる方法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法を挙げることができ、工業的に実施が容易であることから乳化重合、溶液重合又は懸濁重合により製造することが好ましいが、この限りではない。
上記乳化重合、溶液重合又は懸濁重合においては、重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤、界面活性剤、分散剤等を使用することができ、それぞれ通常用いられるものを使用することができる。
上記溶液重合において使用する溶媒は、含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体、及び、合成される含フッ素共重合体を溶解することができるものが好ましく、例えば、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert−ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;HCFC−225等の含フッ素溶媒;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、又はこれらの混合物等が挙げられる。
乳化重合において使用する溶媒としては、例えば、水、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)等のパーオキシカーボネート類に代表される油溶性ラジカル重合開始剤や、例えば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性ラジカル重合開始剤等を使用できる。特に乳化重合においては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが好ましい。
上記界面活性剤としては、通常用いられる界面活性剤が使用でき、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が使用できる。また、含フッ素系界面活性剤を用いてもよい。
懸濁重合において用いられる上記分散剤としては、通常の懸濁重合に用いられる部分鹸化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、アクリル酸系重合体、ゼラチン等の水溶性ポリマーを例示できる。懸濁重合は、水/単量体の比率が通常重量比で1.5/1〜3/1である条件下で行なわれ、分散剤は単量体100重量部に対し0.01〜0.1重量部が用いられる。また、必要に応じて、ポリリン酸塩のようなpH緩衝剤を用いることもできる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、エタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
上記連鎖移動剤の添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.001〜10質量%の範囲で使用される。
重合温度としては、含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体の反応中の組成比がほぼ一定になる範囲であればよく、0〜100℃であってよい。
重合圧力としては、含フッ素オレフィンとビニルエーテル単量体の反応中の組成比がほぼ一定になる範囲であればよく、0〜10MPaGであってよい。
上記ビニルエーテル単量体の脱保護は、酸、熱、光等の従来公知の方法によって行うことができる。この脱保護によって、脱離基(例えば、−C(CH)は、水素に置換され、水酸基を得ることができる。
上記含フッ素オレフィン単位とビニルエーテル単量体単位とを有する共重合体を脱保護して本発明における含フッ素共重合体を得る場合の脱保護度は、本発明における含フッ素共重合体の各モノマー単位の含有率が上述した範囲となるような範囲であればよく、具体的には50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
上記脱保護度は、含フッ素共重合体のIR測定又は前述のH−NMR測定により、以下の式から算出される。
脱保護度(%)=D/(D+E)×100
D:含フッ素共重合体中のビニルアルコール単位数
E:含フッ素共重合体中のビニルエーテル単量体単位数
本発明の農業用フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記含フッ素共重合体以外の他の成分を更に含んでもよい。
上記他の成分としては、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔料・染料等の着色剤、防霧剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明の農業用フィルムは、実質的に紫外線吸収剤を含まないことも好ましい。本発明のフィルムは、実質的に紫外線吸収剤を含まなくても、耐候性に優れる。したがって、必要以上に紫外線を遮蔽することがなく、紫外線を必要とする作物の生育や、受粉に寄与する昆虫の飛翔性が良好になる。
上記紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤として知られているものが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
実質的に紫外線吸収剤を含まないとは、本発明のフィルム100質量%に対し、紫外線吸収剤が1質量%以下であることをいう。
本発明の農業用フィルムは、上記含フッ素共重合体に必要に応じて他の成分を配合し、押出成形法、カレンダー成形法、溶媒キャスト法等の公知のフィルム成形法により成形することにより製造することができる。
本発明の農業用フィルムの厚さは、要求特性に応じて適宜決定すればよいが、10〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、20〜500μmであり、更に好ましくは、30〜400μmである。厚みが薄過ぎるとフィルムが破れやすくなり、また厚過ぎるとフィルムの切断、接着、展張作業等に不便であり、更に光線透過率も低下するおそれがある。
本発明の農業用フィルムは、ヘイズ値が10%以下であることが好ましい。より好ましくは、7%以下であり、更に好ましくは、5%以下である。また、下限は特に限定されず、低い方が好ましい。
本発明の農業用フィルムは、可視領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましい。より好ましくは、90%以上であり、更に好ましくは、93%以上である。
本明細書において、ヘイズ値及び可視領域における全光線透過率は、ヘイズメーターを用いてASTM D1003に従って測定したものである。
本発明の農業用フィルムは、紫外線透過率が60%以上であることが好ましい。より好ましくは、65%以上であり、更に好ましくは、70%以上である。
本明細書において、紫外線透過率は、分光光度計を用いて380nmにおける全光線透過率の値を測定したものである。
本発明は、上述した本発明のフィルムと、該フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた、防曇剤からなる防曇剤層とを有する農業用被覆資材でもある。
上記防曇剤としては、防曇剤として効果のある界面活性剤、親水性重合体、微粒子状無機物又はこれら2種以上を混合したものが挙げられる。
上記界面活性剤としては、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸二塩基酸エステル、ソルビトール脂肪酸二塩基酸エステル、ジクリセリン脂肪酸二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸二塩基酸エステル及びこれらとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。
上記親水性重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のほかに、−SO、−SOH、−COOH、−NH、−CN、−(OCHCH−(ここでxは、例えば1〜20程度の整数)等の親水性官能基を有する重合体が挙げられる。
上記微粒子状無機物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。
上記防曇剤としては、界面活性剤、親水性重合体又は微粒子状無機物だけでも充分効果は認められるが、シリカ、アルミナ等の微粒子状無機物とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性重合体とを併用することにより、より一層の防曇効果と持続効果が得られる。
本発明における防曇剤層は、防曇剤からなる層である。防曇剤層は、防曇剤のみからなるものであってもよく、防曇剤と、他の成分とからなるものであってもよい。
上記防曇剤層は、他の成分としてバインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては(メタ)アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
上記防曇剤層は、上記防曇剤に必要に応じて他の成分を添加した塗布組成物を、本発明のフィルムの少なくとも一方の面に塗布することにより、形成することができる。
上記塗布組成物には、作業性向上、表面平滑性向上等を目的として溶媒、添加剤等を添加してもよい。溶媒としては、例えば水、各種アルコール、ケトン、エステル、エーテル等を適宜用いることができる。
上記塗布組成物を本発明のフィルムに塗布する方法としては、はけ塗り、ローラー塗布、手塗り、回転塗布、浸漬塗布、各種印刷方式による塗布、バーコート、カーテンフロー、ダイコート、フローコート、スプレーコート等が挙げられる。必要に応じて、公知の乾燥処理を行ってもよい。また、塗膜の機械的強度を高める目的で、必要に応じて、加熱したり、紫外線や電子線等の照射を行ってもよい。
本発明の農業用被覆資材において、本発明のフィルムと防曇剤層とは、他の層を介さずに直接接着していることが好ましい。上記他の層には、本発明のフィルムの表面をプラズマ処理、コロナ放電処理等の表面処理方法で処理して得られる表面処理層も含まれる。本発明のフィルムは防曇剤との親和性に優れるため、表面処理を施したり、接着剤層を設けたりしなくても、本発明の農業用被覆資材は、本発明のフィルムと防曇剤層との密着性に優れる。
上記防曇剤層は、本発明のフィルムの片面のみに設けてもよく、両面に向けてもよい。片面のみに設ける場合、もう一方の面には熱可塑性ポリマー層、防汚性膜、帯電防止膜、断熱性膜、紫外線カット性膜等を設けることもできる。
熱可塑性ポリマー層を構成する熱可塑性ポリマーとしては、溶融成形可能な、上記含フッ素共重合体以外のポリマーであればよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂等が挙げられる。熱可塑性ポリマー層を設ける場合は、上記含フッ素共重合体と熱可塑性ポリマーとを共押出するか、又は、予め作成した熱可塑性ポリマー層上に溶媒キャスト法により本発明のフィルムを形成することにより、本発明のフィルムと熱可塑性ポリマー層とからなる積層体を製造した後、本発明のフィルムの、熱可塑性ポリマー層と反対側の面に上記防曇剤層を形成すればよい。
本発明のフィルムと熱可塑性ポリマー層とからなる農業用積層体も、本発明の1つである。
コスト削減の観点からは、本発明の農業用被覆資材は、本発明のフィルム及び防曇剤層のみからなることが好ましい。
上記防曇剤層の厚さは、0.01〜50μmであることが好ましい。より好ましくは、0.05〜20μmであり、更に好ましくは、0.1〜10μmである。薄過ぎると、親水性やその効果持続性が低下するおそれがあり、厚過ぎると、クラックが入りやすくなったり、干渉縞が発生したり、傷が入った場合にはその傷が目立ちやすくなるおそれがある。
本発明の農業用被覆資材は、実質的に紫外線吸収剤を含まないことも好ましい。本発明の農業用被覆資材は、実質的に紫外線吸収剤を含まなくても、耐候性に優れる。したがって、必要以上に紫外線を遮蔽することがなく、紫外線を必要とする作物の生育や、受粉に寄与する昆虫の飛翔性が良好になる。紫外線吸収剤については、上述したとおりである。
実質的に紫外線吸収剤を含まないとは、本発明の農業用被覆資材100質量%に対し、紫外線吸収剤が1質量%以下であることをいう。
本発明の農業用被覆資材は、ヘイズ値が10%以下であることが好ましい。より好ましくは、7%以下であり、更に好ましくは、5%以下である。また、下限は特に限定されず、低い方が好ましい。
本発明の農業用被覆資材は、可視領域の全光線透過率が80%以上であることが好ましい。より好ましくは、90%以上であり、更に好ましくは、93%以上である。
本発明の農業用被覆資材は、紫外線透過率が60%以上であることが好ましい。より好ましくは、65%以上であり、更に好ましくは、70%以上である。
本発明の農業用被覆資材は、層間密着性、透明性、紫外線透過性及び耐候性に優れるため、農作物の施設栽培のためのトンネルハウス、パイプハウス、大型ハウス等の農園芸施設に好適に展張することができる。この場合、上記防曇剤層がハウスの内側になるように適用されることが好ましい。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
〔NMR(核磁気共鳴法)によるフルオロポリマーの組成、および交互率の測定〕
H−NMR(核磁気共鳴法)測定には、JNM−EX270(JEOL社製:270MHz)を用いた。溶媒は重アセトンを用いた。
〔分子量及び分子量分布〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、東ソー(株)製のGPC HLC−8020を用い、Shodex社製のカラム(GPC KF−801を1本、GPC KF−802を1本、GPC KF−806Mを2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を流速1ml/分で流して測定したデータより、平均分子量を算出した。
また、THFにサンプルが溶解しない場合は、以下の方法にて平均分子量を算出した。日本分光社製の高速液体クロマトグラフを用い、分析カラムセットは、ガードカラム(Shodex GPC KD−G [4.6mm I.D.× 10mm L])1本、分析カラム(KD−806M [8.0mm I.D.× 300mm L] 3本を使用した。移動溶媒に10mM LiBrを含むN−メチル−2−ピロリドンを、検出器にはRI、検量線サンプルはポリスチレン標準サンプルを使用し、流速1ml/分、サンプル打込量200μLで測定を行った。データ解析にはデータステーション(ChromNAV)を使用した。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
DSC(示差走査熱量計:SEIKO社製、RTG220)を用いて、−50℃から200℃までの温度範囲を10℃/分の条件で昇温(ファーストラン)−降温−昇温(セカンドラン)させ、セカンドランにおける吸熱曲線の中間点をTg(℃)とした。
〔融点(Tm)〕
DSC(示差走査熱量計:SEIKO社製、RTG220)を用いて、10℃/分の条件で昇温(ファーストラン)−降温−昇温(セカンドラン)させ、セカンドランにおける融解熱曲線における極大値に対応する温度をTm(℃)とした。
〔IR分析〕
Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計1760Xで室温にて測定した。
〔フッ素含有率〕
酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法(フッ素イオンメーター、オリオン社製 901型)で測定することにより求めた(質量%)。
合成例1
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に溶媒として酢酸ブチル980gとビニルエステル単量体として酢酸ビニル17gを仕込み、重合開始剤としてパーブチルPV(製品名、日油株式会社製)6.2gを加え、フランジを締め、オートクレーブを真空置換して、槽温を60℃まで昇温した。これに攪拌下、フッ素オレフィンガスとしてテトラフルオロエチレンを93g封入して反応を開始した。このとき槽内の圧力は0.74MPaとなり、攪拌速度は200rpmであった。
反応開始時に酢酸ビニルの追加を開始し、4時間かけて93gの酢酸ビニルを追加した。反応中は酢酸ビニル/テトラフルオロエチレンの比率が一定になるように、電磁弁を用いてテトラフルオロエチレンを連続供給した。撹拌速度は200rpmであった。
具体的には、テトラフルオロエチレンが消費されて槽内が0.720MPaになると自動的に電磁弁を開いてテトラフルオロエチレンを供給し、0.740MPaになると自動的に電磁弁を閉じてテトラフルオロエチレンの供給を停止するサイクルでテトラフルオロエチレンの供給と圧力を制御しながら、テトラフルオロエチレンの消費量に合わせて酢酸ビニルを追加した。
反応開始から4時間後にテトラフルオロエチレンと酢酸ビニルの供給を停止した。その後槽内を常温常圧に戻して重合を停止し、酢酸ビニル/テトラフルオロエチレン共重合体の酢酸ブチル溶液1110g(固形分濃度21.0質量%)を得た。
反応終了後、ポリマー溶液を大量のメタノール溶液に再沈させ、ポリマーの精製を行い、ポリマーA1を得た。
ポリマーA1の組成をフッ素の元素分析から求め、フッ素オレフィンとビニルエステルとの交互率をH−NMRから計算し、重量平均分子量および分子量分布(Mw/Mn)をGPCから求めた。またガラス転移温度をDSCから測定した。結果を表2に示す。
合成例2
3Lステンレス製オートクレーブに純水1000g、酢酸ビニル23.2g、ネオコールP(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの76.4質量%イソプロピルアルコール溶液:第一工業製薬(株)製)を入れ、窒素置換し、テトラフルオロエチレン37gを加え、槽内を80℃まで昇温した。その後、テトラフルオロエチレンを30g加えた。このとき槽内の圧力は0.809MPaとなった。これに撹拌下、過硫酸アンモニウム(APS)の1質量%水溶液22gを加え、反応を開始した。反応開始時に酢酸ビニルの追加を開始し、6時間かけて283gの酢酸ビニルを追加した。反応中は酢酸ビニル/テトラフルオロエチレンの比率が一定になるように、電磁弁を用いてテトラフルオロエチレンを連続供給した。撹拌速度は500rpmであった。
具体的には、テトラフルオロエチレンが消費されて槽内が0.775MPaになると自動的に電磁弁を開いてテトラフルオロエチレンを供給し、0.800MPaになると自動的に電磁弁を閉じてテトラフルオロエチレンの供給を停止するサイクルでテトラフルオロエチレンの供給と圧力を制御しながら、テトラフルオロエチレンの消費量に合わせて酢酸ビニルを追加した。
反応開始から6時間後にテトラフルオロエチレンと酢酸ビニルの供給を停止した。その後1時間反応させた後に、槽内を常温常圧に戻して重合を停止し、酢酸ビニル/テトラフルオロエチレン共重合体のエマルション1661g(固形分濃度38.5質量%)を得た。
得られた酢酸ビニル/テトラフルオロエチレン共重合体(ポリマーA2)のガラス転移温度は40℃であり、粒子径は116nmであった。なお、粒子径は、レーザー光散乱粒径測定装置(大塚電子(株)製、商品名ELS−3000)を用いて測定した。
合成例3
3Lステンレス製オートクレーブ中に溶媒として酢酸ブチル1200gとビニルエステル単量体として酢酸ビニル140gを仕込み、重合開始剤としてパーブチルPV(製品名、日油株式会社製)7.2gを加え、フランジを締め、オートクレーブを真空置換して、槽温を60℃まで昇温した。これに攪拌下、フッ素オレフィンガスとしてテトラフルオロエチレンを封入して反応を開始した。このとき槽内の圧力は1.00MPaとなり、攪拌速度は500rpmであった。重合圧力が降下していることからガスモノマーの消費を確認し、6時間で槽内を常温常圧に戻して重合を停止し、残ガスをブローして反応を終了した。
反応終了後、ポリマー溶液を大量のメタノール溶液に再沈させ、ポリマーの精製を行い、ポリマーA3を得た。
ポリマーA3の組成をフッ素の元素分析から求め、フッ素オレフィンとビニルエステルとの交互率をH−NMRから計算し、重量平均分子量および分子量分布(Mw/Mn)をGPCから求めた。またガラス転移温度をDSCから測定した。結果を表2に示す。
合成例4
300mLステンレス製オートクレーブ中に酢酸ブチル溶媒50gとステアリン酸ビニルモノマー10gを仕込み、重合開始剤としてパーブチルPV(製品名、日油株式会社製)を0.4g加え、フランジを締め、オートクレーブを真空置換して、フッ素オレフィンガスとして、8.0gのテトラフルオロエチレンを封入し、引き続いて2.6gのヘキサフルオロプロピレンを封入し60℃の振とう式恒温槽に入れて反応を開始した。重合圧力が降下していることからガスモノマーの消費を確認し、15時間で振とうを止め、残ガスをブローして反応を終了した。
反応終了後、ポリマー溶液を大量のメタノール溶液に再沈させ、ポリマーの精製を行い、ポリマーB1を得た。
ガラス転移温度の代わりに融点を測定した以外は合成例1と同様の分析を行った。結果を表2に示す。
合成例5
300mLステンレス製オートクレーブ中に溶媒として酢酸ブチル50gとビニルエステル単量体として酢酸ビニル10gを仕込み、重合開始剤としてパーブチルPV(製品名、日油株式会社製)を0.4g加え、フランジを締め、オートクレーブを真空置換して、フッ素オレフィンガスとして、17gのクロロトリフルオロエチレンを封入し、60℃の振とう式恒温槽に入れて反応を開始した。重合圧力が降下していることからガスモノマーの消費を確認し、4時間で振とうを止め、残ガスをブローして反応を終了し、ポリマーB2を得た。反応条件を表1に、得られたポリマーの物性を表2にまとめる。
合成例6
(t−ブチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体の合成)
300mlステンレス製オートクレーブ中にt−ブタノール150gとt−ブチルビニルエーテル26.7g、炭酸カリウム0.48gを仕込み、触媒のパーブチルPVの70%イソオクタン溶液0.46gを加え、フランジを締め、オートクレーブを真空置換して、テトラフルオロエチレンを26.7g封入し、60℃の振とう式恒温槽に入れて反応を開始した。重合圧力が降下していることからガスモノマーの消費を確認し、3時間で振とうを止め、残ガスをブローして反応を終了した。
反応終了後、ポリマー溶液を大量のメタノール溶液に再沈させ、ポリマーの精製を行い、t−ブチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体(ポリマーC1)を得た。フッ素の元素分析より求めた、t−ブチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体の組成は、52/48(モル比)であった。反応条件を表1に、得られたポリマーの物性を表2にまとめる。
Figure 2015167537
Figure 2015167537
合成例7(ケン化 均一系)
合成例3で得られたTFE/酢酸ビニルポリマーA3を50gTHF溶媒中に濃度が10質量%になるように均一溶解させた。その後、0.6NのNaOH溶液をポリマー中の酢酸ビニル当量になるように添加し、30分後にポリマーを大量の水中に再沈させた。1NのHClで洗浄後、イオン交換水でよく洗浄し、再沈したポリマーを吸引ろ過し、乾燥機で80℃2hr乾燥させた。IRにより、カルボニルピークの相対強度より、加水分解率(ケン化度)を計算した結果、34%である、TFE/ビニルアルコール/酢酸ビニルポリマー A3−34を得た。結果を表3にまとめる。
合成例8〜10(ケン化 均一系)
合成例7のケン化時間を変えることにより、TFE/ビニルアルコール/酢酸ビニルポリマーであるA3−45、A3−86、A3−96を得た。結果を表3にまとめる。
合成例11〜13(ケン化 均一系)
合成例7のケン化時間を1日とし、合成例1および合成例4〜5で得られたポリマーを用いる以外は合成例7と同様にして、ケン化ポリマー、A1−98、B1−97およびB2−96を得た。結果を表3にまとめる。
合成例14
合成例2で得られた酢酸ビニル/テトラフルオロエチレン共重合体のエマルションを凍結凝析させ、純水で洗い流した後乾燥させたTFE/酢酸ビニルポリマー(ポリマーA2)を50gTHF溶媒中に濃度が10質量%になるように均一溶解させた。その後、0.6NのNaOH溶液をポリマー中の酢酸ビニル当量になるように添加し、24h攪拌後に1NのHClで中和後、大量の純水に再沈させ、イオン交換水でよく洗浄し、再沈したポリマーを吸引ろ過し、乾燥機で80℃2hr乾燥させた。IRにより、カルボニルピークの相対強度より、加水分解率を計算した結果、96%である、TFE/ビニルアルコール/酢酸ビニルポリマー(A2−96)を得た。結果を表3にまとめる。
合成例15(脱保護工程)
(加水分解:ビニルアルコール/テトラフルオロエチレン共重合体の合成)
100mlナスフラスコに、合成例6で得たt−ブチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体(t−ブチルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン=52/48(モル比))5.26g、1,4−ジオキサン2.4ml、4N HCl水溶液100mlを入れ、80℃で加熱撹拌した。2時間後、加熱を止め放冷し、析出したポリマーを純水で3回洗浄した。ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、エタノール/水(50/50体積%)の溶液に再沈殿し、真空乾燥することで精製したビニルアルコール/テトラフルオロエチレン共重合体を得た(C1−95)。脱保護度は95%であった。結果を表3にまとめる。
Figure 2015167537
実施例1
合成例7で得られたポリマー(A3−34)を酢酸ブチル溶液に40質量%になるように溶解させた。その後、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムである、旭化成ケミカルズ社製のサンテックTM−EVAフィルムEF1531にバーコート(#10)を用いて塗布した。室温で30分予備乾燥後、120℃で送風式乾燥機中で30分乾燥させた。乾燥後の膜厚をマイクロメーターで測定した結果、25μmであった。
得られた塗膜を、下記の項目について評価した。評価結果を表4に示した。
(碁盤目密着試験)
JIS K5600の碁盤目セロハンテープ剥離試験により評価した。塗膜にカッターナイフで1mm間隔の碁盤目状の切込みを入れ、セロハンテープを貼り付けた後剥離し、剥離部分が無いものを10点、0%を超え5%未満のものを8点、5%以上15%未満のものを6点、15%以上35%未満のものを4点、35%以上65%未満のものを2点、65%以上のものを0点と評価した。
(ヘイズ、全光線透過率の測定)
ヘイズメーター(東洋精機社製 ヘイズガードII)を用いてASTM D1003に従い、ヘイズ値、および全光線透過率を測定した。
Figure 2015167537
実施例2〜9
ポリマーA3−34の代わりにポリマーA3−45、A3−86、A3−96、A1−98、B1−97、B2−96、A2−96、C1−95を使用したこと以外は実施例1と同様にして、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム上に塗膜を形成し、各種物性を測定した。乾燥後の膜厚は、いずれも25μmであった。結果を表5に示す。
Figure 2015167537
実施例10
合成例14で得られたポリマーA2−96を酢酸ブチル溶液に40質量%になるように溶解させた。その後、キャスト製膜することにより、厚み400μmの自立フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズ値、全光線透過率を実施例1と同様に測定した。また、下記の方法で紫外線透過率も測定した。結果を表6に示す。
(紫外線透過率の測定)
分光光度計(株式会社 日立製作所製 Spectrophotometer U−4100)を用い、波長380nmについて測定した。
Figure 2015167537
実施例11(促進耐候性)
実施例10で得られたフィルムに関して下記の促進耐候性試験を実施した結果、評価はAであった。
(促進耐候性試験)
岩崎電気(株)製アイスパーUVテスターW−13型(Light/Dew/Rest=11/11/1HRを1サイクルとする)にて促進耐候性試験を500時間行なったのち、外観を目視で観察する。評価はつぎの基準で行なう。
A:異常なし
B:多少の変色あり
C:著しい変色あり
実施例12(防曇剤の直接塗布及び密着性評価)
シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:スノーテックスIPA―ST、1次粒子径10〜20nm)にイソプロピルアルコールを添加して、固形分濃度6質量%に希釈した。実施例10で得られたフィルムにバーコータで塗布した後、80℃で10分間乾燥して、0.3μmの塗膜(防曇剤層)を形成して防曇剤層を形成したサンプルを得た。
得られたサンプルについて、上記の方法で碁盤目密着試験を行うとともに、全光線透過率、ヘイズを測定した。また、下記の方法で対水接触角を測定した。結果を表7に示す。なお、碁盤目密着試験及び対水接触角の測定は、防曇剤層表面について行った。
(対水接触角)
接触角計(協和界面科学(株)製のCA−DT・A型)を用いて測定した。
比較例1
25μmのETFEフィルム(ダイキン工業社製 EP025)を実施例10で得られたフィルムの代わりに用いた以外は実施例12と同様にして防曇剤層を形成したサンプルを得た。実施例12と同様に各種物性を測定・評価した。結果を表7に示す。
Figure 2015167537

Claims (7)

  1. 含フッ素オレフィン単位及びビニルアルコール単位を有する含フッ素共重合体からなることを特徴とする農業用フィルム。
  2. 前記含フッ素オレフィンは、テトラフルオロエチレンである請求項1記載の農業用フィルム。
  3. 前記含フッ素共重合体における含フッ素オレフィン単位の含有率が40モル%以上である請求項1又は2記載の農業用フィルム。
  4. 前記含フッ素共重合体における含フッ素オレフィン単位とビニルアルコール単位との交互率が94%以下である請求項1、2又は3記載の農業用フィルム。
  5. 前記含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィン単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステルモノマー単位を有する請求項1、2、3又は4記載の農業用フィルム。
  6. 前記含フッ素共重合体は、含フッ素オレフィン単位及びビニルエステルモノマー単位を有する共重合体を水酸基化して得られた共重合体である請求項1、2、3、4又は5記載の農業用フィルム。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載のフィルムと、該フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた、防曇剤からなる防曇剤層とを有する農業用被覆資材。
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